JP2002246670A - アクチュエータ及びその製造方法 - Google Patents

アクチュエータ及びその製造方法

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JP2002246670A
JP2002246670A JP2001043397A JP2001043397A JP2002246670A JP 2002246670 A JP2002246670 A JP 2002246670A JP 2001043397 A JP2001043397 A JP 2001043397A JP 2001043397 A JP2001043397 A JP 2001043397A JP 2002246670 A JP2002246670 A JP 2002246670A
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Takaaki Ami
隆明 網
Yuichi Ishida
祐一 石田
Naomi Nagasawa
直美 長沢
Masayuki Suzuki
真之 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気刺激入力により比較的速い応答速度で制
御性良く伸縮動作を行わせることができ、圧電素子とし
て比較して充分大きな変位を得ることができ、しかも特
定の方向に伸縮動作を行わせることができ、溶液供給系
も不要であり、バランスの良い特性を有するアクチュエ
ータ及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 (001)導電性SrTiO3 基板1上
に層間化合物であるKTiNbO5 薄膜を形成し、その
イオン交換を行ってHTiNbO5 薄膜を形成し、更に
このHTiNbO5 薄膜に対してトリメチルステアリル
アンモニウムイオン(TMSA)のインターカレーショ
ンを行うことにより(TMSA)TN薄膜2を形成す
る。この(TMSA)TN薄膜2上に上部電極3を形成
し、SrTiO3 基板1の裏面に下部電極4を形成して
薄膜アクチュエータを構成する。上部電極3と下部電極
4との間に電圧を印加することにより伸縮動作を行わせ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、アクチュエータ
及びその製造方法に関し、特に、層状化合物を用いたア
クチュエータ、より詳細には無機ホスト層と有機ゲスト
分子との物理化学的性質の差異を活用した有機無機複合
アクチュエータに適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】アクチュエータに関しては、古くから流
体圧を利用するもの(油圧・空圧)、電磁モータ、電歪
(圧電)素子、形状記憶合金を用いたもの等、多くのも
のが提案されており、それぞれ適した用途で実用化され
ているのは周知の事実である。しかしながら、いわゆる
人工筋肉としての使用に耐え得る、発生力・応答速度・
変位量或いは出力重量比等々を、バランス良く兼ね備え
た材料は未だ開発されていないのが現状である。この目
的のため、現在最も鋭意研究されているのは、高分子ゲ
ル(例えば、米国特許第5250167号、米国特許第
5389222号)である。これは電圧印加、周囲の溶
液濃度等の環境変化で膨潤・収縮するもので、出力は生
体筋に比較的近いものが実現できる可能性がある一方、
強度・耐久性に問題があると言われており、異方性がな
いために特定の方向に伸縮動作できないのが欠点であ
る。また、通常溶液を使用するため、溶液供給系が必要
になるというデメリットもある。更に、最近、高分子エ
ラストマーを用いて生体筋に近い特性を得たとの報告も
ある(Science,vol.287,836)が、これは基本的に静電気
力を用いるものであるため、1MV/cm程度の極めて
大きな電界を印加することが必要であり、巨視的スケー
ルで動作させるにはさらなるブレークスルーが必要にな
ると考えられる。
【0003】一方、層間化合物のインターカレーション
反応をアクチュエータに利用しようとする考えがある。
これまでに提案されているものでは、黒鉛層間化合物層
を伸縮部位として備え、この伸縮部位の膨張または収縮
を形状変位動作に利用するよう構成したアクチュエータ
(特開平2−131376号公報)、粘土鉱物の層間に
有機陽イオンとインターカラントが保持され、外部環境
の変化に応じてインターカラントの出入りが可能で、そ
れに応じて層間距離も変化するもの(特開平2−293
315号公報、特開平2−292084号公報)、銀イ
オン導電性固体電解質等の酸化還元反応に伴う可逆的な
体積変化を利用するアクチュエータ(特開平4−127
885号公報)等がある。これらは、全て電気化学的反
応を利用するものである。また、無機層状化合物の層間
に有極性化合物(特開平5−110153号公報)また
は疎水化イオン(特開平6−125120号公報)をイ
ンターカレートさせた材料に電界を印加することによ
り、層間分子の配向状態を変化させるアクチュエータも
提案されている。更に、層間領域に粒子線または電磁波
との相互作用によって分子または電子構造が変化する化
学種を包接させた位置記録材料(特開平2−10303
3号公報)、粘土の層間の厚さを、光を当てることによ
り制御する材料(Materials Research Bulletin,33(199
8)1693、特開平11−279134号公報、毎日新聞朝
刊1999年12月6日)等、光駆動によるアクチュエ
ータも提案されている。
【0004】以上のアクチュエータのうち、電気化学的
反応を利用するものは、電圧または電流の入力であり、
制御性に優れるものの、本質的に物質移動を伴うため、
応答速度に限界がある。電界による層間分子の配向状態
を変化させるものは、圧電素子とほぼ同程度である0.
1%程度以下の極めて微少な変位しか実現されていな
い。光駆動のものは、4%もの大きな変位が得られるも
のの、収縮に1 時間程度の紫外線照射、伸長には2日間
の室温放置及び1時間の50℃でのアニールが必要(Ma
terials Research Bulletin,33(1998)1693)という状況
で、やはり応答速度は実用的なレベルではない。一方、
例えば有機無機複合系の一種であり、エキシトン発光レ
ーザ用の材料として研究されている(n−C1021NH
3 2 PbI4 等の系で、格子定数が温度変化により1
0%程度変化する、という報告がある(Solid State Co
mmunication,77(1991)923)。しかしながら、これは電気
刺激入力ではなく、またアクチュエータ応用を意図した
ものでもない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような状況下、電
圧・電流等、制御性の良い電気刺激を入力して伸縮動作
が可能で、圧電素子と比較して充分大きな変位が得ら
れ、かつ電気化学的物質移動を伴うアクチュエータや上
述した光駆動素子よりも応答速度の速いアクチュエータ
が実現できれば、人工筋に求められるバランス良い特性
が得られることになる。また、高分子ゲルのように異方
性がなかったり、あるいは溶液供給系が必要になるとい
った欠点もない。
【0006】したがって、この発明が解決しようとする
課題は、制御性良く伸縮動作を行わせることができ、圧
電素子と比較して充分大きな変位を得ることができ、し
かも異方性があることにより特定の方向に伸縮動作を行
わせることができる固体変位素子としてのアクチュエー
タ及びその製造方法を提供することにある。この発明が
解決しようとする他の課題は、電気刺激入力により速い
応答速度で制御性良く伸縮動作を行わせることができ、
圧電素子と比較して充分大きな変位を得ることができ、
しかも異方性があることにより特定の方向に伸縮動作を
行わせることができ、溶液供給系も不要であり、バラン
スの良い特性を有する固体変位素子としてのアクチュエ
ータ及びその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、従来技術が
有する上記の課題を解決すべく、鋭意検討を行った。そ
の結果、アクチュエータの伸縮動作を担うホスト材料と
して、層間の物質状態の変化を層間距離の変化として巨
視的スケールで取り出し得る層間化合物を選択し、これ
にインターカレーションの手法で有機ゲストイオンを層
間物質として導入するのが有効であるという結論に至っ
た。そして、適切な材料選択及びプロセス条件の最適化
によりこの有機無機複合系の導電率を制御した上で、電
気刺激入力、例えば電圧印加を行うことにより、適切に
ジュール熱を発生せしめ、有機分子の状態の変化、すな
わち相変化を起こさせ、結果として通常の熱膨張では達
成出来ない異方性をもった大きな変位を創出することが
可能になる。
【0008】この発明は、上記の知見に基づいて更に種
々検討を行った結果、案出されたものである。すなわ
ち、上記課題を解決するために、この発明の第1の発明
は、層状化合物の層間物質の状態を変化させることによ
り層間距離を変化させ、伸縮動作を行わせるようにした
ことを特徴とするアクチュエータである。
【0009】この発明の第2の発明は、層状化合物の層
間物質の状態を変化させることにより層間距離を変化さ
せ、伸縮動作を行わせるようにしたアクチュエータの製
造方法であって、層状化合物としてイオン交換可能な第
1の層間化合物を基板の一方の主面上に形成する工程
と、第1の層間化合物に対してイオン交換を行うことに
より第2の層間化合物を形成する工程と、第2の層間化
合物に対して層間物質のインターカレーションを行うこ
とにより第3の層間化合物を形成する工程とを有するこ
とを特徴とするものである。
【0010】この発明において、層状化合物の層間物質
の状態変化は相変化、具体的には、温度変化による相変
化あるいは電気刺激(電圧、電流)の入力により生ずる
相変化である。この相変化は可逆、不可逆のいずれであ
ってもよい。また、例えば、所定の温度付近で温度変化
による伸縮動作は、この所定の温度付近より高い温度及
び低い温度での変化による伸縮動作よりも大きい。この
所定の温度は通常、層状化合物の組成に依存する。気刺
激入力による相変化を用いる場合には、典型的には、層
状化合物を第1の電極及び第2の電極で直接または間接
的に挟んだ構造とする。
【0011】ここで、この層間物質の状態変化には、電
界印加により極性分子が単に配向分極する場合や、光照
射により分子がシス−トランス転移を起こす場合や、層
間物質が層状化合物を出入りする場合は含まれないもの
とする。また、層間物質の状態変化による層間距離の変
化には、単なる熱膨張によるものは含まれないものとす
る。この層間物質の状態変化は、具体的には、分子の傾
斜角度、キンクの発生等で、結果的に層間距離の変化を
生ずるものを言う。
【0012】層状化合物は、典型的には、イオン交換可
能な層間化合物である。これらの例は、例えば、セラミ
ックス 31(1996)414等にまとめられているように、KL
aNb2 7 、RbNdNb2 7 、RbBiNb2
7 、KCa2 Nb3 10、Na2 Gd2 Ti3 10、K
2 La2 Ti3 10、K1-x Lax Ca2-x Nb
3 10、RbCa2 Nb3-x Alx 10-x、KCa
2 (Ca、Sr)n-3 Nb3 Ti n-3 3n+1(3≦n<
7)等のイオン交換性ペロブスカイト、あるいは、季刊
化学総説 No.42(1999)34等に記載されている、グラファ
イト、金属カルコゲナイドMX2 (M=Ti、Zr、H
f、V、Nb、Ta、Mo、W;X=S、Se)、MP
3 (M=Mg、V、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、
Cd、In;X=S、Se)、金属酸化物Mx y (M
oO3 、Mo1852、V2 5 、LiNbO 2 、Lix
3 8 )、MOXO4 (M=Ti、V、Cr、Fe;
X=P、As)、金属オキシハロゲナイドMOX(M=
Ti、V、Cr、Fe;X=Cl、Br)、LnOCl
(Ln=Yb、Er、Tm)、金属リン酸塩M(HPO
4 2(M=Ti、Zr、Ce、Sn)、Zr(ROP
3 2 (M=H、Rh、Me)、粘土鉱物・ケイ酸塩
(スメクタイト族(モンモリロナイト、サポナイト
等)、カオリン族(カオリナイト等)、マガディアイ
ト、カネマイト)、複水酸化物[M2+ 1-x 3+ x (O
H)2 ][An-x/n ・zH2 O(M2+=Al、Fe)
等、広範な例が挙げられる。取り分けTi、Nbを含有
する複合酸化物に関しては、例えばRevue de chimie mi
neral,t.21(1984)391 等に記載されているように、AT
iNbO5 、ATi2 NbO7 、A3 Ti5 NbO
14(Aはアルカリ金属元素または水素)等、その他K2
Ti4 9 、K4 Nb6 17、Na2 Ti3 7等を挙
げることができる。これらのTi、Nbの酸化物は、無
機層が負に帯電しているため、後述するような正に帯電
した有機オニウムイオンを効果的に交換し、層間に保持
するため、より好適に用いることが可能である。ただ
し、これらの複合酸化物は、実質的に同一の物質とみな
すことができる範囲内で、不定比性(組成ずれ)があっ
ても良いものとする。
【0013】層間物質としては、可逆的に相変化を起こ
させ、可逆的に層間距離を変化させて伸縮動作を行わせ
る観点からは、好適には、直鎖アンモニウムイオン、例
えば直鎖四級アンモニウムイオン、取り分けトリメチル
ステアリルアンモニウムイオンが用いられる。
【0014】この発明の第2の発明において、層間物質
として直鎖四級アンモニウムイオンを用いる場合、その
インターカレーションは、好適には、この直鎖四級アン
モニウムイオンのハロゲン化物を溶媒に溶かし、この溶
液に難溶性のハロゲン化物を形成するイオンを含有する
水酸化物または酸化物を添加したもので第2の層間化合
物を処理することにより行われる。ここで、直鎖四級ア
ンモニウムイオンのハロゲン化物としては、塩化物、特
に塩化トリメチルステアリルアンモニウムが好適に用い
られる。難溶性のハロゲン化物を形成するイオンを含有
する水酸化物または酸化物としては、例えば、水酸化銀
または酸化銀が用いられる。
【0015】上述のように構成されたこの発明によれ
ば、層状化合物の層間物質の状態を変化させることによ
り層間距離を変化させるようにしているので、層間物質
の適切な選択により、圧電素子に比べて充分に大きな変
位を制御性良く得ることができる。また、層状化合物は
その構造上大きな異方性を有し、層間距離の変化により
層に垂直な方向に伸縮動作を行わせることができる。ま
た、温度変化あるいは電気刺激入力により層間物質の状
態変化を起こさせる場合には、溶液供給系は不要であ
る。更に、特に、入力に電気刺激を用いることにより、
物質移動を伴わずに伸縮動作を行わせることができ、速
い応答速度を得ることができる。そして、層間距離の増
減、ひいてはアクチュエータ挙動は、インターカレート
するゲスト分子に依存して多様に変化することから、こ
れらのゲスト分子の選択により、様々な特性を持ったア
クチュエータを実現することが可能である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施形態につ
いて図面を参照しながら説明する。なお、実施形態の全
図において、同一または対応する部分には同一の符号を
付す。
【0017】この発明によるアクチュエータは、基本的
にはその形状等に依らないものであるが、より低い動作
電圧で充分な変位を得るためには、薄膜形状であること
が好ましい。そこで、この発明の一実施形態において
は、薄膜アクチュエータについて説明する。
【0018】図1はこの発明の一実施形態による薄膜ア
クチュエータを示す。図1に示すように、この薄膜アク
チュエータにおいては、基板として(001)導電性S
rTiO3 基板1を用いる。この導電性SrTiO3
板1には、その導電性を付与するために、例えばNbま
たはLaがドーピングされている。この導電性SrTi
3 基板1の形状は基本的にはどのような形状であって
もよいが、典型的には正方形である。この導電性SrT
iO3 基板1の一方の主面上には、HTiNbO5 (以
下「HTN」と略称する)薄膜にトリメチルステアリル
アンモニウム(TMSA)が層間物質としてインターカ
レートされた(TMSA)TN薄膜2が形成されてい
る。この(TMSA)TN薄膜2の面方位は(001)
である。また、この(TMSA)TN薄膜2の厚さは例
えば4μm程度である。この(TMSA)TN薄膜2の
構造を図2に示す。また、図3AにTMSAの分子構造
を示す。この(TMSA)TN薄膜2上には、例えば厚
さ500nm程度のAu膜からなる上部電極3が形成さ
れている。一方、導電性SrTiO3 基板1の裏面に
は、例えば厚さ100nm程度のPt膜からなる下部電
極4が形成されている。
【0019】上述のように構成されたこの薄膜アクチュ
エータにおいては、上部電極3と下部電極4との間に電
圧を印加することにより、(TMSA)TN薄膜2の層
間物質であるTMSAの状態変化(相変化)を起こさせ
て層間距離を変化させることで伸縮動作を行わせる。
【0020】次に、この薄膜アクチュエータの製造方法
について説明する。まず、図4Aに示すように、例えば
NbまたはLaがドーピングされた(001)導電性S
rTiO3 基板1を用意し、その一主面上にKTiNb
5 (以下「KTN」と略称する)薄膜5を形成する。
このKTiNbO5 薄膜5の構造を図5に示す。導電性
SrTiO3 基板1のサイズは例えば10mm角または
5mm角である。このKTN薄膜5の形成には、例えば
MOD(Metal Organic Decomposition)法やゾル−ゲル
(Sol-Gel)法を用いるのが簡便であるが、スパッタ法、
電子線蒸着法、分子線エピタキシー(MBE)法、有機
金属化学気相成長(MOCVD)法、レーザアブレーシ
ョン法等の気相成長法を用いても良い。ここでは、MO
D法によりKTN薄膜5を形成する場合について説明す
る。
【0021】このMOD法によるKTN薄膜2の形成に
おいては、有機金属ソースとして、複合アルコキサイド
であるKTi2 (O−iPr)9 及びKNb2 (O−E
t) 11を用いる。溶媒としては各々イソプロパノール及
びエタノールを用い、溶液濃度は0.5mol/lとす
る。これらを1:1の組成比で混合することにより、K
TiNbO5 の組成の薄膜を形成するための原料溶液を
得ることができる。この原料溶液は、大気中の水分及び
CO2 に極めて敏感であるので、溶液組成の調整は乾燥
窒素ボックス中で、シリンジとバイアル瓶とにより行
う。
【0022】KTN薄膜5の形成は、上述のようにして
得られた原料溶液を導電性SrTiO3 基板1上にスピ
ンコートすることにより行う。コート条件は、例えば、 1)スプレッドスピン(Spread spin):1000rp
m、0.5秒 2)メインスピン(Main spin):6000rpm、20
秒 とする。使用するコート装置のサンプルスペースは窒素
フローでパージされており、細孔から挿入したシリンジ
により原料溶液を基板上に滴下する。
【0023】次に、導電性SrTiO3 基板1上に上述
のように原料溶液をスピンコートした試料の乾燥を行っ
た後、結晶化のためのアニールを行う。このアニール
は、好ましくは酸素フロー中、急熱急冷法により、10
00℃で20分行う。この結晶化アニールにより、エピ
タキシャル成長した成分を含んだ高配向のKTN薄膜5
を得ることができる。以上のような原料溶液のスピンコ
ート及び結晶化アニールを3回繰り返して例えば膜厚約
1μmのKTN薄膜5を得る。
【0024】次に、上述のようにしてMOD法により得
られたKTN薄膜5を1Nの塩酸中で室温にて撹拌しな
がら1時間処理することによりそのKTN中のK+ をH
+ で置換し、図4Bに示すように、HTN薄膜6を形成
する。このHTN薄膜6の構造を図6に示す。この塩酸
処理後のHTN薄膜6中には通常3at%程度のKが残
留するが、塩酸処理中に昇温したり処理時間を長くした
りすると、この塩酸による導電性SrTiO3 基板1の
エッチングを無視することができなくなり、HTN薄膜
6の膜剥がれが生じるおそれがあるので、注意が必要で
ある。
【0025】次に、図4Cに示すように、HTN薄膜6
を、pH調整を行ったTMSAOH水溶液で処理するこ
とによりTMSA+ をインターカレートして、(TMS
A)TN薄膜2を形成する。このインターカレーション
による(TMSA)TN薄膜2の形成は、具体的には次
のようにして行われる。TMSAは通常、塩化物等の塩
として供給される。0.1NのTMSACl溶液は弱酸
性(pH〜3.9)であるので、プロトン濃度を無視す
ることができず、このプロトンがTMSA+ のインター
カレートを妨げる。このような場合には、pH調整剤を
添加するのが有効であるが、プロトン以外の陽イオンを
生ずるようなものであれば、これがインターカレーショ
ン反応で層間に取り込まれてしまうおそれがある。これ
を防止するためには、pH調整剤として、溶液中に存在
する塩化物イオンと結合して難溶性の塩を形成し、沈澱
するような水酸化物(または酸化物でも同様)を用いる
必要がある。ここでは、このpH調整剤としてAg2
を添加する。このAg2 OをpH調整剤として添加した
場合にはAgClが形成されるが、このAgClの溶解
性にも注意が必要であり、具体的にはAgClは水には
難溶であるが、アンモニア水溶液には可溶である。これ
は、錯イオン(ジアンミン銀イオン)を形成することが
原因であることが知られており、アミン水溶液の場合に
も類似の反応が起きることが危惧されるので、添加量は
最小限に留めることが望ましい。もっとも、ここで用い
ている四級アミンであるTMSAの場合、この反応はそ
れ程問題とはならないと考えられる。TMSAClの加
水分解度は1/1000程度で平衡し、基本的にはmo
l比で1/1000程度のAg+ を添加すれば事足りる
のであるが、AgClの沈澱により平衡状態が若干加水
分解側にずれるので、これよりはやや多めにAg2 Oを
添加する必要がある。具体的には、pH測定の結果、m
ol比で2/100程度の(1/2)Ag2 Oの添加で
必要充分と考えられる。このとき、このTMSAOH水
溶液のpHは約10.3である。このようにしてpH調
整を行ったTMSAOH水溶液中で、HTN薄膜6を室
温にて12時間処理してイオン交換を行い、(TMS
A)TN薄膜2を形成する。このようにしてHTN薄膜
6に対してインターカレーションを行うことにより得ら
れる(TMSA)TN薄膜2の厚さは、層間の拡大によ
りHTN薄膜6の厚さの約4倍(〜4μm)になってい
ると考えられる。
【0026】次に、(TMSA)TN薄膜2を形成した
試料をオーブンにて80℃で60時間アニールする。こ
の後、(TMSA)TN薄膜2上に例えばAuを真空蒸
着して上部電極3を形成するととも、導電性SrTiO
3 基板1の裏面に例えばPtをスパッタリング法などに
より形成して下部電極4を形成する。
【0027】次に、この薄膜アクチュエータの評価結果
について説明する。この評価は図7に示すような配置を
用いて行った。評価用試料としては、(TMSA)TN
薄膜2上に厚さ約500nmで2mm×3mmの形状の
Au膜を形成して上部電極3とし、一方、(001)S
i基板7の一主面上にPtを例えば厚さ約100nm蒸
着してPt下部電極8を形成し、更にこのPt下部電極
8と導電性SrTiO 3 基板1の裏面とをIn金属粒9
で圧着したものを用いた。これらのPt下部電極8及び
In金属粒9が図1の下部電極4に相当する。なお、I
n金属粒9で圧着する代わりに、例えば銀ペースト等で
接着を行っても良い。
【0028】このようにして得られた評価用試料を薄膜
X線回折(XRD)装置に装着し、上部電極3及びPt
下部電極8にそれぞれプローブ10、11を立てること
により、薄膜アクチュエータに対する電圧印加を行っ
た。(TMSA)TN薄膜2等の面間隔は、導電性Sr
TiO3 基板1の(002)ピークの強度が最大になる
ように軸立てを行った後、θ/2θ−スキャンを行い、
評価した。
【0029】図8に、(TMSA)TN薄膜2の形成直
後(as-made)の試料、(TMSA)TN薄膜2の形成後
に室温で60時間保持した試料、(TMSA)TN薄膜
2の形成後に80℃で60時間保持した試料、及び、
(TMSA)TN薄膜2の形成後に室温で4日間保持
し、上部電極3の形成後、測定直前の試料のX線回折ス
ペクトルを示す。これらの試料の作製に用いた薄膜形
成、インターカレーション等の実際のプロセスは上記と
同様であるので、説明を省略する。図8より、形成直後
の(TMSA)TN薄膜2のc軸長は63.51Åであ
り、室温で60時間保持しても殆ど変化はないことが分
かる。一方、80℃での60時間のアニールによりc軸
長は72.95Å程に拡大している。更に、4日間の室
温保持及び上部電極3の形成後、測定直前では、更に
(TMSA)TN薄膜2の層間拡大が生じている。この
変化については、上部電極3を形成するためのAu蒸着
時の熱により更にアニールされた可能性もある。この拡
大幅の再現性は定量的には不十分であるが、少なくと
も、アニールにより層間拡大すること自体は再現性があ
る。
【0030】図9に、導電性SrTiO3 基板1に対し
−20Vの電圧を印加した場合のX線回折スペクトルの
変化を示す。図9より、−20Vの電圧印加後は電圧印
加前(0V)に比べて(002)ピーク、(004)ピ
ークとも低角シフトしており、(TMSA)TN薄膜2
が層間伸長していることが分かる。(004)ピークの
位置から(TMSA)TN薄膜2の歪みは約7.2%と
見積もられた。
【0031】図10に、−18V〜+18Vの電圧を繰
り返し印加した場合の(004)回折の挙動を示す。ゆ
っくりと昇圧し、またスキャンにも時間を要するので、
一測定に数分程度の時間を要している。+5V〜+10
Vの印加電圧では、層間がやや収縮する傾向が認められ
るが、+15V程度で伸長に転じている。この傾向は印
加電圧の符号に依らない。
【0032】図10を(TMSA)TN薄膜2のc軸長
(格子定数c0 )・歪みの印加電圧依存性に焼き直した
ものが図11である。図11から分かるように、ヒステ
リシスを伴っており、印加電圧の符号に対してほぼ対称
的な挙動を示している。歪み5%程度の範囲で、繰り返
し応答を示した。
【0033】図12に図10および図11の測定に用い
た試料の電流(I)−電圧(V)特性を示す。試料は基
本的に導電性を有しており、18Vの印加では約30m
Aの定常電流(電力で〜500mW相当)が流れる。実
際、アニールを行った同等の試料に熱電対を接触させて
行った実験では、上述のような層間距離変化が観測され
た時の温度は約70℃であることが確認された。
【0034】次に、上述の評価試料の温度特性について
述べる。これは本来の電圧印加で動作させるという主旨
からは外れるが、この薄膜アクチュエータの動作原理を
明らかにし、応用範囲を考える上では重要なものであ
る。
【0035】図13に、インターカレーション直後の試
料の温度をパラメータとした昇温時のX線回折図形を示
す。測定間隔は数分程度である。図13より、約80℃
で(002)ピークより低角側に新たな回折が生じ、1
00℃程度ではほぼ完全にこの新しい相に変化している
ことが分かる。これは、層間の有機分子の状態が変わる
ことによって、この有機無機複合系である(TMSA)
TN薄膜2が相転移したと考えられる。図14に、同様
の試料の降温時のX線回折図形を示す。図14より、少
々熱履歴を伴うが、75℃前後で高角側に回折がシフト
していることが分かる。しかしながら、昇温前の回折位
置と比較すると、完全には元に戻っておらず、層間変化
にはアニールによる不可逆的な成分と相転移に起因する
可逆的な成分とが存在することが分かる。
【0036】図15にこの試料を再び昇温した時のX線
回折図形を示す。図15より、今度はやや低温の75℃
付近で回折ピークが低角側にシフトすることが分かる。
再度降温すると(図16)、67℃前後で高角シフト
し、室温ではほぼ二度目の昇温前の層間隔に戻ってい
る。
【0037】以上の結果を相図にまとめたものが図17
である。図17より、一度アニールした試料では繰り返
し伸縮動作することが分かる。
【0038】次に、この一実施形態によるアクチュエー
タとの比較例について説明する。まず、比較例1につい
て説明する。この比較例1では、層間物質としてTMS
Aの代わりにステアリルアミン(Stearylamine)(S
A)(図3Bにその分子構造を示す)をインターカレー
トした場合について述べる。図18に、インターカレー
ション直後の試料の温度をパラメータとした昇温時のX
線回折図形を示す。図18より、この試料の場合、測定
範囲では、相転移に起因すると考えられる不連続な挙動
が認められず、連続的に高角シフトしていることが分か
る。降温時には(図19)、殆ど変化することはなく、
不可逆なアニール効果であることが分かる。
【0039】次に、比較例2について説明する。この比
較例2では、層間物質としてTMSAの代わりにジメチ
ルステアリルアミン(Dimethylstearylamine)(DMS
A)(図3Cにその分子構造を示す)をインターカレー
トした場合について述べる。図20に、インターカレー
ション直後の試料の温度をパラメータとした昇温時のX
線回折図形を示す。この試料の場合は、約60℃で相転
移に起因すると考えられる不連続な挙動が認められ、高
角側にシフトする。しかしながら、降温時には(図2
1)、僅かに低角に戻るものの、不連続的な挙動は認め
られず、アクチュエータ動作としては不可逆的であるこ
とが分かる。
【0040】次に、比較例3について説明する。この比
較例3では、層間物質としてTMSAの代わりにメチル
ステアリルアミン(Methylstearylamine)(MSA)
(図3Dにその分子構造を示す)をインターカレートし
た場合について述べる。図22に、インターカレーショ
ン直後の試料の温度をパラメータとした昇温時のX線回
折図形を示す。この試料の場合は、約70℃で相転移に
起因すると考えられる不連続な挙動が認められ、回折ピ
ークは低角側にシフトするが、その後、温度上昇に伴っ
て再び連続的に高角側にシフトした。降温時には(図2
3)、やはり不連続的な挙動は認められず、僅かに高角
にシフトし、室温では昇温前よりも狭い層間隔を示し
た。
【0041】なお、上述の比較例1、2、3で用いたS
A、MSA及びDMSAについては塩ではなく、単体と
して入手することができる。これらの場合、H2 O:E
tOH=1:1の溶媒にて各々0.1Nの溶液を調整す
ることにより、イオン交換可能である。
【0042】以上のように、この一実施形態によれば、
ホスト材料として層間化合物であるKTN薄膜5あるい
はHTN薄膜6を用い、これに有機ゲスト分子としてT
MSAをインターカレーションにより導入することで
(TMSA)TN薄膜2を形成し、この(TMSA)T
N薄膜2の上下を上部電極3と下部電極4とで挟んだ構
造とすることにより薄膜アクチュエータを構成してい
る。そして、上部電極3と下部電極4との間に電圧を印
加することによりTMSAの状態変化を可逆的に起こさ
せることで(TMSA)TN薄膜2の層間距離を変化さ
せ、伸縮動作を行わせるようにしている。この場合、入
力に電気刺激である電圧を用いているため、速い応答速
度、少なくとも数分以内の応答速度で制御性良く伸縮動
作を行わせることができる。また、この薄膜アクチュエ
ータによれば、5%以上、場合によっては15%以上も
の大きな変位を得ることができ、しかも伸縮動作の方向
は(TMSA)TN薄膜2に垂直な方向となることから
伸縮動作に異方性を持たせることができる。更に、伸縮
動作に溶液を用いないため、薄膜アクチュエータに溶液
供給系を設ける必要がない。
【0043】以上のような特性を有する薄膜アクチュエ
ータは、既に報告されている光駆動材料(応答速度〜1
時間)[Mat.Res.Bull.,33(1999)1693 、第52回コロイ
ド及び界面化学討論会講演予稿集p.299(P112)] 、電界
駆動材料(変位<1%)[ 特開平5−110153号公
報、特開平6−125120号公報] に対し、特性的に
優れたものであると言える。
【0044】以上、この発明の一実施形態について具体
的に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定さ
れるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種
の変形が可能である。
【0045】例えば、上述の一実施形態において挙げた
数値、材料、構造、形状、プロセス等はあくまでも例に
すぎず、必要に応じて、これらと異なる数値、材料、構
造、形状、プロセス等を用いてもよい。
【0046】具体的には、例えば、上述の一実施形態に
おいては、この発明を薄膜アクチュエータに適用した場
合について説明したが、この発明によるアクチュエータ
は薄膜形状に限定されることはなく、必要に応じて他の
形状としてもよい。更に、薄膜アクチュエータの用途に
よっては、層間物質として、比較例に挙げたものを用い
ることも可能である。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によるア
クチュエータによれば、層状化合物の層間物質の状態を
変化させることにより層間距離を変化させ、伸縮動作を
行わせるようにしていることにより、制御性良く伸縮動
作を行わせることができ、圧電素子と比較して充分大き
な変位を得ることができ、しかも異方性があることによ
り特定の方向に伸縮動作を行わせることができる。特
に、電気刺激入力を用いることにより、比較的速い応答
速度で制御性良く伸縮動作を行わせることができ、溶液
供給系も不要であり、バランスの良い特性を有するアク
チュエータを得ることができる。また、この発明による
アクチュエータの製造方法によれば、上記のような優れ
た特性を有するアクチュエータを容易に製造することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態による薄膜アクチュエー
タを示す断面図である。
【図2】(TMSA)TNの構造を示す略線図である。
【図3】TMSA、SA、DMSA及びMSAの分子構
造を示す略線図である。
【図4】この発明の一実施形態による薄膜アクチュエー
タの製造方法を説明するための断面図である。
【図5】KTNの構造を示す略線図である。
【図6】HTNの構造を示す略線図である。
【図7】この発明の一実施形態において薄膜アクチュエ
ータの評価に用いた配置を示す略線図である。
【図8】(TMSA)TN薄膜のX線回折図形の経時変
化及びアニール効果を説明するための略線図である。
【図9】この発明の一実施形態による薄膜アクチュエー
タに対する−20Vの電圧印加に伴うX線回折スペクト
ルの変化を説明するための略線図である。
【図10】この発明の一実施形態による薄膜アクチュエ
ータに対する印加電圧を−18V〜+18Vの範囲で変
化させたときの(004)回折の繰り返し応答を示す略
線図である。
【図11】この発明の一実施形態による薄膜アクチュエ
ータにおける(TMSA)TN薄膜のc軸長及び歪みの
印加電圧依存性を示す略線図である。
【図12】この発明の一実施形態による薄膜アクチュエ
ータに対する電圧印加時のI−V特性の測定結果を示す
略線図である。
【図13】インターカレーション直後の(TMSA)T
N薄膜のX線回折図形の昇温時の温度特性を示す略線図
である。
【図14】インターカレーション直後の(TMSA)T
N薄膜のX線回折図形の降温時の温度特性を示す略線図
である。
【図15】アニール後の(TMSA)TN薄膜のX線回
折図形の昇温時の温度特性を示す略線図である。
【図16】アニール後の(TMSA)TN薄膜のX線回
折図形の降温時の温度特性を示す略線図である。
【図17】(TMSA)TN薄膜の相図である。
【図18】インターカレーション直後の(SA)TN薄
膜のX線回折図形の昇温時の温度特性を示す略線図であ
る。
【図19】インターカレーション直後の(SA)TN薄
膜のX線回折図形の降温時の温度特性を示す略線図であ
る。
【図20】インターカレーション直後の(DMSA)T
N薄膜のX線回折図形の昇温時の温度特性を示す略線図
である。
【図21】インターカレーション直後の(DMSA)T
N薄膜のX線回折図形の降温時の温度特性を示す略線図
である。
【図22】インターカレーション直後の(MSA)TN
薄膜のX線回折図形の昇温時の温度特性を示す略線図で
ある。
【図23】インターカレーション直後の(MSA)TN
薄膜のX線回折図形の降温時の温度特性を示す略線図で
ある。
【符号の説明】
1・・・導電性SrTiO3 基板、2・・・(TMS
A)TN薄膜、3・・・上部電極、4・・・下部電極、
5・・・KTN薄膜、6・・・HTN薄膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長沢 直美 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 鈴木 真之 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 層状化合物の層間物質の状態を変化させ
    ることにより層間距離を変化させ、伸縮動作を行わせる
    ようにしたことを特徴とするアクチュエータ。
  2. 【請求項2】 上記層状化合物の層間物質の状態変化が
    相変化であることを特徴とする請求項1記載のアクチュ
    エータ。
  3. 【請求項3】 上記層状化合物の層間物質の状態変化が
    温度変化による相変化であることを特徴とする請求項1
    記載のアクチュエータ。
  4. 【請求項4】 所定の温度付近で温度変化による伸縮動
    作は、上記所定の温度付近より高い温度及び低い温度で
    の変化による伸縮動作よりも大きいことを特徴とする請
    求項1記載のアクチュエータ。
  5. 【請求項5】 上記所定の温度は上記層状化合物の組成
    に依存することを特徴とする請求項4記載のアクチュエ
    ータ。
  6. 【請求項6】 上記層状化合物の層間物質の状態変化が
    電気刺激の入力により生ずることを特徴とする請求項1
    記載のアクチュエータ。
  7. 【請求項7】 上記層状化合物が第1の電極及び第2の
    電極で挟まれた構造を有することを特徴とする請求項6
    記載のアクチュエータ。
  8. 【請求項8】 上記層状化合物はイオン交換可能な層間
    化合物であることを特徴とする請求項1記載のアクチュ
    エータ。
  9. 【請求項9】 上記層状化合物は有機無機複合系からな
    ることを特徴とする請求項1記載のアクチュエータ。
  10. 【請求項10】 上記層間化合物はTi及びNbを含有
    する複合酸化物であることを特徴とする請求項8記載の
    アクチュエータ。
  11. 【請求項11】 上記層間化合物はKTiNbO5 また
    はそのイオン交換体であることを特徴とする請求項8記
    載のアクチュエータ。
  12. 【請求項12】 上記層間物質は直鎖アンモニウムイオ
    ンであることを特徴とする請求項9記載のアクチュエー
    タ。
  13. 【請求項13】 上記直鎖アンモニウムイオンは直鎖四
    級アンモニウムイオンであることを特徴とする請求項1
    2記載のアクチュエータ。
  14. 【請求項14】 上記直鎖四級アンモニウムイオンはト
    リメチルステアリルアンモニウムイオンであることを特
    徴とする請求項13記載のアクチュエータ。
  15. 【請求項15】 薄膜形状を有することを特徴とする請
    求項1記載のアクチュエータ。
  16. 【請求項16】 層状化合物の層間物質の状態を変化さ
    せることにより層間距離を変化させ、伸縮動作を行わせ
    るようにしたアクチュエータの製造方法であって、 上記層状化合物としてイオン交換可能な第1の層間化合
    物を基板の一方の主面上に形成する工程と、 上記第1の層間化合物に対してイオン交換を行うことに
    より第2の層間化合物を形成する工程と、 上記第2の層間化合物に対して上記層間物質のインター
    カレーションを行うことにより第3の層間化合物を形成
    する工程とを有することを特徴とするアクチュエータの
    製造方法。
  17. 【請求項17】 上記層状化合物の層間物質の状態変化
    が相変化であることを特徴とする請求項16記載のアク
    チュエータの製造方法。
  18. 【請求項18】 上記層状化合物の層間物質の状態変化
    が温度変化による相変化であることを特徴とする請求項
    16記載のアクチュエータの製造方法。
  19. 【請求項19】 上記層状化合物の層間物質の状態変化
    が電気刺激の入力により生ずることを特徴とする請求項
    16記載のアクチュエータの製造方法。
  20. 【請求項20】 上記第3の層間化合物上に第1の電極
    を形成する工程と、上記基板の他方の主面上に第2の電
    極を形成する工程とを更に有することを特徴とする請求
    項16記載のアクチュエータの製造方法。
  21. 【請求項21】 上記層状化合物は有機無機複合系から
    なることを特徴とする請求項16記載のアクチュエータ
    の製造方法。
  22. 【請求項22】 上記層間化合物はTi及びNbを含有
    する複合酸化物であることを特徴とする請求項16記載
    のアクチュエータの製造方法。
  23. 【請求項23】 上記層間化合物はKTiNbO5 また
    はそのイオン交換体であることを特徴とする請求項22
    記載のアクチュエータの製造方法。
  24. 【請求項24】 上記層間物質は直鎖アンモニウムイオ
    ンであることを特徴とする請求項21記載のアクチュエ
    ータの製造方法。
  25. 【請求項25】 上記直鎖アンモニウムイオンは直鎖四
    級アンモニウムイオンであることを特徴とする請求項2
    4記載のアクチュエータの製造方法。
  26. 【請求項26】 上記直鎖四級アンモニウムイオンはト
    リメチルステアリルアンモニウムイオンであることを特
    徴とする請求項25記載のアクチュエータの製造方法。
  27. 【請求項27】 上記直鎖四級アンモニウムイオンのハ
    ロゲン化物を溶媒に溶かし、この溶液に難溶性のハロゲ
    ン化物を形成するイオンを含有する水酸化物または酸化
    物を添加したもので上記第2の層間化合物を処理するこ
    とにより上記第2の層間化合物に対して上記直鎖四級ア
    ンモニウムイオンのインターカレーションを行うことに
    より上記第3の層間化合物を形成するようにしたことを
    特徴とする請求項16記載のアクチュエータの製造方
    法。
  28. 【請求項28】 上記直鎖四級アンモニウムイオンのハ
    ロゲン化物は塩化物であることを特徴とする請求項27
    記載のアクチュエータの製造方法。
  29. 【請求項29】 上記直鎖四級アンモニウムイオンのハ
    ロゲン化物は塩化トリメチルステアリルアンモニウムで
    あることを特徴とする請求項27記載のアクチュエータ
    の製造方法。
  30. 【請求項30】 上記難溶性のハロゲン化物を形成する
    イオンを含有する水酸化物または酸化物は水酸化銀また
    は酸化銀であることを特徴とする請求項27記載のアク
    チュエータの製造方法。
  31. 【請求項31】 導電性基板の一方の主面上にKTiN
    bO5 薄膜を形成する工程と、 上記KTiNbO5 薄膜のイオン交換を行ってHTiN
    bO5 薄膜を形成する工程と、 上記HTiNbO5 薄膜にトリメチルステアリルアンモ
    ニウムイオンのインターカレーションを行う工程と、 上記インターカレーションを行うことにより得られる薄
    膜上に第1の電極を形成する工程と、 上記導電性基板の他方の主面上に第2の電極を形成する
    工程とを有することを特徴とするアクチュエータの製造
    方法。
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