JP2002244544A - 目視観測性模擬手法及び装置 - Google Patents
目視観測性模擬手法及び装置Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 航空機の目視観測性を模擬することができる
目視観測性模擬手法を提供する。 【解決手段】 暗室１９内で外部からの光を遮断した状
態で、カメラ１１の視野で模擬する観測者の視野内の占
有面積を等価としたターゲット１２に、現実の照明光源
である太陽光等を模擬した光を照射するとともに、背景
用スクリーン１７に昼夜，青空，曇り空等のターゲット
１２の背景を再現し、さらに上記カメラ１１でターゲッ
ト１２を背景とともに撮影し、このとき得られるカメラ
１１の映像信号を信号処理装置２２で処理して、ターゲ
ット１２からカメラ１１に至る大気中等における光の減
衰等を模擬し得るよう、三原色の各色成分毎に、重み付
けを調整し、その後かかる映像信号をＴＶモニタ２３上
に再生するようにしたこと。
目視観測性模擬手法を提供する。 【解決手段】 暗室１９内で外部からの光を遮断した状
態で、カメラ１１の視野で模擬する観測者の視野内の占
有面積を等価としたターゲット１２に、現実の照明光源
である太陽光等を模擬した光を照射するとともに、背景
用スクリーン１７に昼夜，青空，曇り空等のターゲット
１２の背景を再現し、さらに上記カメラ１１でターゲッ
ト１２を背景とともに撮影し、このとき得られるカメラ
１１の映像信号を信号処理装置２２で処理して、ターゲ
ット１２からカメラ１１に至る大気中等における光の減
衰等を模擬し得るよう、三原色の各色成分毎に、重み付
けを調整し、その後かかる映像信号をＴＶモニタ２３上
に再生するようにしたこと。
Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は目視観測性模擬手法
及び装置に関し、特に航空機の目視観測性（視認性）を
模擬する場合に適用して有用なものである。 【０００２】 【従来の技術】航空機の目視による発見が遅れるよう、
その目視観測性を制御する必要がある場合がある。この
種の目視観測性制御デバイスの開発に当たっては、先
ず、これを模擬する手法及び装置が必要である。 【０００３】 【発明が解決しようとする課題】従来、上述の如き目視
観測性を模擬する手法及び装置は存在しなかった。そこ
で、かかる目視観測性模擬手法及び装置を新たに開発す
る必要が生じた。 【０００４】本発明は、上記現状に鑑み、航空機の目視
観測性を模擬することができる目視観測性模擬手法及び
装置を提供することを目的とする。 【０００５】 【課題を解決するための手段】本発明に係る目視観測性
模擬手法及び装置を開発するに当たり、航空機の目視観
測性を規定する要素を抽出し、当該目視観測性模擬装置
に必要な構成要素を整理した。この場合の各構成要素の
関係を図２に示す。同図に示すように。観測者（パイロ
ット等）は、その眼１で、航空機２を視認するのである
が、この航空機２からの反射光は大気３を透過し、さら
に観測者が搭乗する航空機のキャノピー４及び観測者が
装着しているゴーグル５等を介して眼１に入射する。こ
のときの照明光源としては太陽６等がある。また、この
場合の視認性に影響を与える要素としては、他に航空機
２迄の距離及びこの距離に依存する航空機２の大きさ、
並びに背景７（昼間／夜間）があり、これらも考慮する
必要がある。すなわち、この種の目視観測性模擬装置で
は、想定距離Ｌに応じた航空機２の大きさ、背景（青空
／曇り空等）及び太陽光の有無（昼間／夜間等）等の環
境条件とともに、大気３における視程条件を考慮した反
射光の透過特性等を正確に再現し得ることが肝要であ
る。本発明は、かかる諸要素を勘案して開発したもので
ある。 【０００６】そこで、上記目的を達成する本発明の構成
は次の点を特徴とする。 【０００７】１） 外部からの光を遮断した状態で、カ
メラの視野で模擬する観測者の視野内の占有面積を等価
としたターゲットに、太陽及び月等の照明光源に基づく
光を模擬した光を照射するとともに、他の光源からの光
を背景用スクリーンに照射して昼夜，青空，曇り空等、
ターゲットの背景を再現し、さらに上記カメラでターゲ
ットを背景とともに撮影するとともに、このとき得られ
るカメラの出力信号である映像信号を処理して、ターゲ
ットからカメラに至る大気中等におけるターゲットから
の反射光及び背景光の減衰等の視程条件を模擬し得るよ
う、三原色の各色成分毎に、重み付けを調整して各色成
分毎に減衰量を制御し、その後かかる映像信号に基づき
ターゲットの映像を背景の映像とともにモニタ上に再現
するようにしたこと。 【０００８】２） 外部からの光を遮断する暗室と、カ
メラの視野で模擬する観測者の視野内の占有面積が等価
となるようにして暗室内に吊下したターゲットと、太陽
及び月等の照明光源に基づく光を模擬した光を上記暗室
内のターゲットに向けて照射するターゲット用照明光源
と、昼夜，青空，曇り空等、ターゲットの背景を上記暗
室内の背景用スクリーンに再現する背景用照明光源と、
上記ターゲットを背景とともに撮影するカメラと、この
カメラの出力信号である映像信号を処理して、ターゲッ
トからカメラに至る大気中等におけるターゲットからの
反射光及び背景光の減衰等の視程条件を模擬し得るよ
う、三原色の各色成分毎に、重み付けを調整して各色成
分毎に減衰量を制御する信号処理手段と、この信号処理
手段が出力する映像信号に基づきターゲットの映像を背
景の映像とともに再現するモニタ手段とを有すること。 【０００９】３） 上記２）に記載する目視観測性模擬
装置において、ターゲット用照明光源は、ターゲット
と、太陽及び月等の照明光源との相対的な位置関係を模
擬し得るよう、ターゲットに対して移動し得るように構
成したこと。 【００１０】４） 上記２）又は３）に記載する目視観
測性模擬装置において、信号処理手段は、ターゲットの
反射率と、航空機等の実際の視認対象物の反射率との違
いに起因する反射光の強度を補正する補正機能も有する
こと。 【００１１】 【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に
基づき詳細に説明する。 【００１２】図１は本発明の実施の形態に係る目視観測
性模擬装置を概念的に示す説明図である。同図に示すよ
うに、本装置は、カメラ１１、ターゲット１２、ターゲ
ット用照明光源１６、背景用スクリーン１７及び背景用
照明光源１８等を有している。ここで、カメラ１１が、
図２における眼１に機能的に対応しており、以下同様
に、ターゲット１２が航空機２に、ターゲット用照明光
源１６が太陽６等に、背景用照明光源１８により背景用
スクリーン１７上に再現する背景が背景７にそれぞれ機
能的に対応している。ここで、ターゲット１２、ターゲ
ット用照明光源１６、背景用スクリーン１７及び背景用
照明光源１８等は暗室１９内に配設してあり、カメラ１
１は、この暗室１９内の様子を撮影するよう、その光学
系を暗室１９内に臨ませて配設してある。外部光の影響
を除去してターゲット用照明光源１６及び背景用照明光
源１８のみの光でターゲット１２の環境を良好に再現す
るためである。また、ターゲット用照明光源１６は、タ
ーゲット１２に対する相対的な位置関係が変化するよう
に移動する。ターゲット１２の照明光源である太陽、月
等のターゲット１２に対する相対的な位置関係の変化を
模擬するためである。 【００１３】ターゲット１２は想定距離Ｌの位置で、そ
の位置における大きさを再現した状態で暗室１９内に吊
下してある。すなわち、ターゲット１２は想定距離Ｌに
応じてそのサイズを変化させ、カメラ１１の視野で模擬
する観測者の視野内の占有面積を等価としている。ここ
で、カメラ１１は背景用スクリーン１７とともにターゲ
ット１２を含む所定の領域をその視野とするように暗室
１９に配置してある。ターゲット用照明光源１６はター
ゲット１２を照明する光源であり、環境条件、例えば晴
天，曇天，雨天等の天候条件により変化する光及び太陽
光又は月光等の何れかに依存する昼夜の光を正確に再現
し得るよう、分光特性を合わせるための補正フィルタ２
０を介してターゲット１２を照明する。背景用照明光源
１８は青空、曇り空、夜明けの空、夕暮れ時の空又は夜
間の空等の背景を正確に再現し得るよう補正フィルタ２
１を介して背景用スクリーン１７を照明する。 【００１４】ここで、図２に示す観測者の眼１に入射す
る観測光強度Ｉo （λ）は、照明光強度Ｉi （λ）、航
空機２の表面反射率Ｒt （λ）に依存する信号光強度Ｉ
s （λ）、背景光強度Ｉb （λ）、大気３の透過特性Ｔ
a （λ）、キャノピー４の透過特性Ｔc （λ）、ゴーグ
ル５の透過特性Ｔg （λ）に依存する。 【００１５】本形態に係る装置において、照明光強度Ｉ
i （λ）は、補正フィルタ２０を介して照射するターゲ
ット用照明光源１６の光強度として、信号光強度Ｉ
s （λ）は、表面反射率Ｒt （λ）に依存するターゲッ
ト用照明光源１６の光によるターゲット１２での反射光
として、また、背景光強度Ｉb （λ）は、背景用スクリ
ーン１７からの光強度としてそれぞれ模擬している。 【００１６】さらに、当該装置では、各透過特性Ｔ
a （λ）、Ｔc （λ）、Ｔg （λ）等の影響を模擬する
必要があるが、これはカメラ１１の出力信号である映像
信号の適切な処理により対処する。すなわち、信号光及
び背景光からなる観測者の眼１への入射光を模擬したカ
メラ１１の入射光に基づく映像信号を、信号処理装置２
２に入力して大気減衰の影響等を考慮した処理を行って
いる。さらに詳言すると、カメラ１１の映像信号を三原
色（Ｒ，Ｇ，Ｂ）に分解し、各色成分毎の重み付けを変
えて適宜減衰させ、主に大気減衰を模擬した映像信号と
して、この映像信号をＴＶモニタ２３上に再生・表示し
ている。 【００１７】ここで、大気３での透過特性Ｔa （λ）
は、天候（晴、雨、霧等）、場所（海上、陸上）、季節
及び緯度等により異なり、また波長λにより異なるの
で、既存のデータベースのデータを用いて、模擬すべき
条件に合致するよう演算により各色成分（Ｒ，Ｇ，Ｂ）
毎の重み係数を決定する。また、ターゲット１２の表面
反射率が実際の航空機２の表面反射率Ｒt （λ）と異な
る場合、カメラ１１の映像信号を上記信号処理装置２２
で適宜処理することにより両者が一致するように補正す
ることもできる。 【００１８】上述の如き目視観測性模擬装置によれば、
ターゲット用照明光源１６及び補正フィルタ２０の制御
によりターゲット１２に照射される照明光を正確に模擬
することができ、また背景用照明光源１８及び補正フィ
ルタ２１を制御することによりターゲット１２の背景を
正確に模擬することができる。したがって、かかる状態
でカメラ１１に入射するターゲット１２からの信号光及
び背景用スクリーン１７から照射される背景光は、実際
の航空機２からの信号光及びその背景から照射される背
景光を正確に模擬したものとなる。 【００１９】さらに、カメラ１１の出力信号である映像
信号は、信号処理装置２２で大気３の透過特性等を考慮
した各色成分毎の補正処理がなされ、また場合によって
はターゲット１２の反射率に基づく補正がなされ、大気
３を透過する間の、固有の減衰量をも加味した映像信号
としてＴＶモニタ２３に送出される。このときの透過特
性Ｔa （λ）は、大気３の状態を十分考慮したものとし
たので、正確に観測者の眼１に入射する入射光強度を模
擬することができる。 【００２０】 【発明の効果】以上実施の形態とともに具体的に説明し
た通り、〔請求項１〕に記載する発明は、外部からの光
を遮断した状態で、カメラの視野で模擬する観測者の視
野内の占有面積を等価としたターゲットに、太陽及び月
等の照明光源に基づく光を模擬した光を照射するととも
に、他の光源からの光を背景用スクリーンに照射して昼
夜，青空，曇り空等、ターゲットの背景を再現し、さら
に上記カメラでターゲットを背景とともに撮影するとと
もに、このとき得られるカメラの出力信号である映像信
号を処理して、ターゲットからカメラに至る大気中等に
おけるターゲットからの反射光及び背景光の減衰等の視
程条件を模擬し得るよう、三原色の各色成分毎に、重み
付けを調整して各色成分毎に減衰量を制御し、その後か
かる映像信号に基づきターゲットの映像を背景の映像と
ともにモニタ上に再現するようにしたので、ターゲット
の映像を、その現実の環境を忠実に再現した空間中で背
景の映像とともにカメラで取り込むことができ、しかも
このカメラの映像信号は、ターゲットからカメラに至る
空間の視程条件を正確に模擬した情報を再現するものと
なる。この結果、実際の観測対象物の視認性を正確に模
擬することができる。 【００２１】〔請求項２〕に記載する発明は、外部から
の光を遮断する暗室と、カメラの視野で模擬する観測者
の視野内の占有面積が等価となるようにして暗室内に吊
下したターゲットと、太陽及び月等の照明光源に基づく
光を模擬した光を上記暗室内のターゲットに向けて照射
するターゲット用照明光源と、昼夜，青空，曇り空等、
ターゲットの背景を上記暗室内の背景用スクリーンに再
現する背景用照明光源と、上記ターゲットを背景ととも
に撮影するカメラと、このカメラの出力信号である映像
信号を処理して、ターゲットからカメラに至る大気中等
におけるターゲットからの反射光及び背景光の減衰等の
視程条件を模擬し得るよう、三原色の各色成分毎に、重
み付けを調整して各色成分毎に減衰量を制御する信号処
理手段と、この信号処理手段が出力する映像信号に基づ
きターゲットの映像を背景の映像とともに再現するモニ
タ手段とを有するので、ターゲットの映像を、その現実
の環境をターゲット用照明光源で忠実に再現した空間中
で、背景用照明光源で忠実に再現した背景の映像ととも
にカメラで取り込むことができ、しかもこのカメラの映
像信号は、ターゲットからカメラに至る空間の視程条件
を正確に模擬した情報を再現するものとなる。この結
果、実際の観測対象物の視認性を正確に模擬することが
できる。 【００２２】〔請求項３〕に記載する発明は、〔請求項
２〕に記載する目視観測性模擬装置において、ターゲッ
ト用照明光源は、ターゲットと、太陽及び月等の照明光
源との相対的な位置関係を模擬し得るよう、ターゲット
に対して移動し得るように構成したので、〔請求項２〕
に記載する発明の作用・効果に加え、ターゲット用照明
光源に基づくターゲットからの反射光の状態をより現実
のものに近づけることができる。この結果、さらに実際
の観測対象物の視認性を正確に模擬することができる。 【００２３】〔請求項４〕に記載する発明は、〔請求項
２〕又は〔請求項３〕に記載する目視観測性模擬装置に
おいて、信号処理手段は、ターゲットの反射率と、航空
機等の実際の視認対象物の反射率との違いに起因する反
射光の強度を補正する補正機能も有するので、〔請求項
２〕及び〔請求項３〕に記載する発明の作用・効果に加
え、ターゲットの表面反射率が現実の視認対象物の表面
反射率と異なる場合であってもこれを映像信号の状態で
補正することができる。この結果、ターゲットの作成が
容易になるという効果も奏する。
及び装置に関し、特に航空機の目視観測性（視認性）を
模擬する場合に適用して有用なものである。 【０００２】 【従来の技術】航空機の目視による発見が遅れるよう、
その目視観測性を制御する必要がある場合がある。この
種の目視観測性制御デバイスの開発に当たっては、先
ず、これを模擬する手法及び装置が必要である。 【０００３】 【発明が解決しようとする課題】従来、上述の如き目視
観測性を模擬する手法及び装置は存在しなかった。そこ
で、かかる目視観測性模擬手法及び装置を新たに開発す
る必要が生じた。 【０００４】本発明は、上記現状に鑑み、航空機の目視
観測性を模擬することができる目視観測性模擬手法及び
装置を提供することを目的とする。 【０００５】 【課題を解決するための手段】本発明に係る目視観測性
模擬手法及び装置を開発するに当たり、航空機の目視観
測性を規定する要素を抽出し、当該目視観測性模擬装置
に必要な構成要素を整理した。この場合の各構成要素の
関係を図２に示す。同図に示すように。観測者（パイロ
ット等）は、その眼１で、航空機２を視認するのである
が、この航空機２からの反射光は大気３を透過し、さら
に観測者が搭乗する航空機のキャノピー４及び観測者が
装着しているゴーグル５等を介して眼１に入射する。こ
のときの照明光源としては太陽６等がある。また、この
場合の視認性に影響を与える要素としては、他に航空機
２迄の距離及びこの距離に依存する航空機２の大きさ、
並びに背景７（昼間／夜間）があり、これらも考慮する
必要がある。すなわち、この種の目視観測性模擬装置で
は、想定距離Ｌに応じた航空機２の大きさ、背景（青空
／曇り空等）及び太陽光の有無（昼間／夜間等）等の環
境条件とともに、大気３における視程条件を考慮した反
射光の透過特性等を正確に再現し得ることが肝要であ
る。本発明は、かかる諸要素を勘案して開発したもので
ある。 【０００６】そこで、上記目的を達成する本発明の構成
は次の点を特徴とする。 【０００７】１） 外部からの光を遮断した状態で、カ
メラの視野で模擬する観測者の視野内の占有面積を等価
としたターゲットに、太陽及び月等の照明光源に基づく
光を模擬した光を照射するとともに、他の光源からの光
を背景用スクリーンに照射して昼夜，青空，曇り空等、
ターゲットの背景を再現し、さらに上記カメラでターゲ
ットを背景とともに撮影するとともに、このとき得られ
るカメラの出力信号である映像信号を処理して、ターゲ
ットからカメラに至る大気中等におけるターゲットから
の反射光及び背景光の減衰等の視程条件を模擬し得るよ
う、三原色の各色成分毎に、重み付けを調整して各色成
分毎に減衰量を制御し、その後かかる映像信号に基づき
ターゲットの映像を背景の映像とともにモニタ上に再現
するようにしたこと。 【０００８】２） 外部からの光を遮断する暗室と、カ
メラの視野で模擬する観測者の視野内の占有面積が等価
となるようにして暗室内に吊下したターゲットと、太陽
及び月等の照明光源に基づく光を模擬した光を上記暗室
内のターゲットに向けて照射するターゲット用照明光源
と、昼夜，青空，曇り空等、ターゲットの背景を上記暗
室内の背景用スクリーンに再現する背景用照明光源と、
上記ターゲットを背景とともに撮影するカメラと、この
カメラの出力信号である映像信号を処理して、ターゲッ
トからカメラに至る大気中等におけるターゲットからの
反射光及び背景光の減衰等の視程条件を模擬し得るよ
う、三原色の各色成分毎に、重み付けを調整して各色成
分毎に減衰量を制御する信号処理手段と、この信号処理
手段が出力する映像信号に基づきターゲットの映像を背
景の映像とともに再現するモニタ手段とを有すること。 【０００９】３） 上記２）に記載する目視観測性模擬
装置において、ターゲット用照明光源は、ターゲット
と、太陽及び月等の照明光源との相対的な位置関係を模
擬し得るよう、ターゲットに対して移動し得るように構
成したこと。 【００１０】４） 上記２）又は３）に記載する目視観
測性模擬装置において、信号処理手段は、ターゲットの
反射率と、航空機等の実際の視認対象物の反射率との違
いに起因する反射光の強度を補正する補正機能も有する
こと。 【００１１】 【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に
基づき詳細に説明する。 【００１２】図１は本発明の実施の形態に係る目視観測
性模擬装置を概念的に示す説明図である。同図に示すよ
うに、本装置は、カメラ１１、ターゲット１２、ターゲ
ット用照明光源１６、背景用スクリーン１７及び背景用
照明光源１８等を有している。ここで、カメラ１１が、
図２における眼１に機能的に対応しており、以下同様
に、ターゲット１２が航空機２に、ターゲット用照明光
源１６が太陽６等に、背景用照明光源１８により背景用
スクリーン１７上に再現する背景が背景７にそれぞれ機
能的に対応している。ここで、ターゲット１２、ターゲ
ット用照明光源１６、背景用スクリーン１７及び背景用
照明光源１８等は暗室１９内に配設してあり、カメラ１
１は、この暗室１９内の様子を撮影するよう、その光学
系を暗室１９内に臨ませて配設してある。外部光の影響
を除去してターゲット用照明光源１６及び背景用照明光
源１８のみの光でターゲット１２の環境を良好に再現す
るためである。また、ターゲット用照明光源１６は、タ
ーゲット１２に対する相対的な位置関係が変化するよう
に移動する。ターゲット１２の照明光源である太陽、月
等のターゲット１２に対する相対的な位置関係の変化を
模擬するためである。 【００１３】ターゲット１２は想定距離Ｌの位置で、そ
の位置における大きさを再現した状態で暗室１９内に吊
下してある。すなわち、ターゲット１２は想定距離Ｌに
応じてそのサイズを変化させ、カメラ１１の視野で模擬
する観測者の視野内の占有面積を等価としている。ここ
で、カメラ１１は背景用スクリーン１７とともにターゲ
ット１２を含む所定の領域をその視野とするように暗室
１９に配置してある。ターゲット用照明光源１６はター
ゲット１２を照明する光源であり、環境条件、例えば晴
天，曇天，雨天等の天候条件により変化する光及び太陽
光又は月光等の何れかに依存する昼夜の光を正確に再現
し得るよう、分光特性を合わせるための補正フィルタ２
０を介してターゲット１２を照明する。背景用照明光源
１８は青空、曇り空、夜明けの空、夕暮れ時の空又は夜
間の空等の背景を正確に再現し得るよう補正フィルタ２
１を介して背景用スクリーン１７を照明する。 【００１４】ここで、図２に示す観測者の眼１に入射す
る観測光強度Ｉo （λ）は、照明光強度Ｉi （λ）、航
空機２の表面反射率Ｒt （λ）に依存する信号光強度Ｉ
s （λ）、背景光強度Ｉb （λ）、大気３の透過特性Ｔ
a （λ）、キャノピー４の透過特性Ｔc （λ）、ゴーグ
ル５の透過特性Ｔg （λ）に依存する。 【００１５】本形態に係る装置において、照明光強度Ｉ
i （λ）は、補正フィルタ２０を介して照射するターゲ
ット用照明光源１６の光強度として、信号光強度Ｉ
s （λ）は、表面反射率Ｒt （λ）に依存するターゲッ
ト用照明光源１６の光によるターゲット１２での反射光
として、また、背景光強度Ｉb （λ）は、背景用スクリ
ーン１７からの光強度としてそれぞれ模擬している。 【００１６】さらに、当該装置では、各透過特性Ｔ
a （λ）、Ｔc （λ）、Ｔg （λ）等の影響を模擬する
必要があるが、これはカメラ１１の出力信号である映像
信号の適切な処理により対処する。すなわち、信号光及
び背景光からなる観測者の眼１への入射光を模擬したカ
メラ１１の入射光に基づく映像信号を、信号処理装置２
２に入力して大気減衰の影響等を考慮した処理を行って
いる。さらに詳言すると、カメラ１１の映像信号を三原
色（Ｒ，Ｇ，Ｂ）に分解し、各色成分毎の重み付けを変
えて適宜減衰させ、主に大気減衰を模擬した映像信号と
して、この映像信号をＴＶモニタ２３上に再生・表示し
ている。 【００１７】ここで、大気３での透過特性Ｔa （λ）
は、天候（晴、雨、霧等）、場所（海上、陸上）、季節
及び緯度等により異なり、また波長λにより異なるの
で、既存のデータベースのデータを用いて、模擬すべき
条件に合致するよう演算により各色成分（Ｒ，Ｇ，Ｂ）
毎の重み係数を決定する。また、ターゲット１２の表面
反射率が実際の航空機２の表面反射率Ｒt （λ）と異な
る場合、カメラ１１の映像信号を上記信号処理装置２２
で適宜処理することにより両者が一致するように補正す
ることもできる。 【００１８】上述の如き目視観測性模擬装置によれば、
ターゲット用照明光源１６及び補正フィルタ２０の制御
によりターゲット１２に照射される照明光を正確に模擬
することができ、また背景用照明光源１８及び補正フィ
ルタ２１を制御することによりターゲット１２の背景を
正確に模擬することができる。したがって、かかる状態
でカメラ１１に入射するターゲット１２からの信号光及
び背景用スクリーン１７から照射される背景光は、実際
の航空機２からの信号光及びその背景から照射される背
景光を正確に模擬したものとなる。 【００１９】さらに、カメラ１１の出力信号である映像
信号は、信号処理装置２２で大気３の透過特性等を考慮
した各色成分毎の補正処理がなされ、また場合によって
はターゲット１２の反射率に基づく補正がなされ、大気
３を透過する間の、固有の減衰量をも加味した映像信号
としてＴＶモニタ２３に送出される。このときの透過特
性Ｔa （λ）は、大気３の状態を十分考慮したものとし
たので、正確に観測者の眼１に入射する入射光強度を模
擬することができる。 【００２０】 【発明の効果】以上実施の形態とともに具体的に説明し
た通り、〔請求項１〕に記載する発明は、外部からの光
を遮断した状態で、カメラの視野で模擬する観測者の視
野内の占有面積を等価としたターゲットに、太陽及び月
等の照明光源に基づく光を模擬した光を照射するととも
に、他の光源からの光を背景用スクリーンに照射して昼
夜，青空，曇り空等、ターゲットの背景を再現し、さら
に上記カメラでターゲットを背景とともに撮影するとと
もに、このとき得られるカメラの出力信号である映像信
号を処理して、ターゲットからカメラに至る大気中等に
おけるターゲットからの反射光及び背景光の減衰等の視
程条件を模擬し得るよう、三原色の各色成分毎に、重み
付けを調整して各色成分毎に減衰量を制御し、その後か
かる映像信号に基づきターゲットの映像を背景の映像と
ともにモニタ上に再現するようにしたので、ターゲット
の映像を、その現実の環境を忠実に再現した空間中で背
景の映像とともにカメラで取り込むことができ、しかも
このカメラの映像信号は、ターゲットからカメラに至る
空間の視程条件を正確に模擬した情報を再現するものと
なる。この結果、実際の観測対象物の視認性を正確に模
擬することができる。 【００２１】〔請求項２〕に記載する発明は、外部から
の光を遮断する暗室と、カメラの視野で模擬する観測者
の視野内の占有面積が等価となるようにして暗室内に吊
下したターゲットと、太陽及び月等の照明光源に基づく
光を模擬した光を上記暗室内のターゲットに向けて照射
するターゲット用照明光源と、昼夜，青空，曇り空等、
ターゲットの背景を上記暗室内の背景用スクリーンに再
現する背景用照明光源と、上記ターゲットを背景ととも
に撮影するカメラと、このカメラの出力信号である映像
信号を処理して、ターゲットからカメラに至る大気中等
におけるターゲットからの反射光及び背景光の減衰等の
視程条件を模擬し得るよう、三原色の各色成分毎に、重
み付けを調整して各色成分毎に減衰量を制御する信号処
理手段と、この信号処理手段が出力する映像信号に基づ
きターゲットの映像を背景の映像とともに再現するモニ
タ手段とを有するので、ターゲットの映像を、その現実
の環境をターゲット用照明光源で忠実に再現した空間中
で、背景用照明光源で忠実に再現した背景の映像ととも
にカメラで取り込むことができ、しかもこのカメラの映
像信号は、ターゲットからカメラに至る空間の視程条件
を正確に模擬した情報を再現するものとなる。この結
果、実際の観測対象物の視認性を正確に模擬することが
できる。 【００２２】〔請求項３〕に記載する発明は、〔請求項
２〕に記載する目視観測性模擬装置において、ターゲッ
ト用照明光源は、ターゲットと、太陽及び月等の照明光
源との相対的な位置関係を模擬し得るよう、ターゲット
に対して移動し得るように構成したので、〔請求項２〕
に記載する発明の作用・効果に加え、ターゲット用照明
光源に基づくターゲットからの反射光の状態をより現実
のものに近づけることができる。この結果、さらに実際
の観測対象物の視認性を正確に模擬することができる。 【００２３】〔請求項４〕に記載する発明は、〔請求項
２〕又は〔請求項３〕に記載する目視観測性模擬装置に
おいて、信号処理手段は、ターゲットの反射率と、航空
機等の実際の視認対象物の反射率との違いに起因する反
射光の強度を補正する補正機能も有するので、〔請求項
２〕及び〔請求項３〕に記載する発明の作用・効果に加
え、ターゲットの表面反射率が現実の視認対象物の表面
反射率と異なる場合であってもこれを映像信号の状態で
補正することができる。この結果、ターゲットの作成が
容易になるという効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態に係る目視観測性模擬装置
を概念的に示す説明図である。 【図２】航空機の目視観測性を規定する要素を概念的に
示す説明図である。 【符号の説明】 １１ カメラ １２ ターゲット １６ ターゲット用照明光源 １７ 背景用スクリーン １８ 背景用照明光源 １９ 暗室 ２０，２１ 補正フィルタ ２２ 信号処理装置 ２３ ＴＶモニタ
を概念的に示す説明図である。 【図２】航空機の目視観測性を規定する要素を概念的に
示す説明図である。 【符号の説明】 １１ カメラ １２ ターゲット １６ ターゲット用照明光源 １７ 背景用スクリーン １８ 背景用照明光源 １９ 暗室 ２０，２１ 補正フィルタ ２２ 信号処理装置 ２３ ＴＶモニタ
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 井戸田 典彦
愛知県名古屋市港区大江町10番地 三菱重
工業株式会社名古屋航空宇宙システム製作
所内
Ｆターム(参考） 5B050 BA09 BA11 BA13 DA04 FA02
5C054 AA05 CA04 CC03 CE02 CE16
EA05 FB04 HA16
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項１】 外部からの光を遮断した状態で、カメラ
の視野で模擬する観測者の視野内の占有面積を等価とし
たターゲットに、太陽及び月等の照明光源に基づく光を
模擬した光を照射するとともに、他の光源からの光を背
景用スクリーンに照射して昼夜，青空，曇り空等、ター
ゲットの背景を再現し、 さらに上記カメラでターゲットを背景とともに撮影する
とともに、このとき得られるカメラの出力信号である映
像信号を処理して、ターゲットからカメラに至る大気中
等におけるターゲットからの反射光及び背景光の減衰等
の視程条件を模擬し得るよう、三原色の各色成分毎に、
重み付けを調整して各色成分毎に減衰量を制御し、 その後かかる映像信号に基づきターゲットの映像を背景
の映像とともにモニタ上に再現するようにしたことを特
徴とする目視観測性模擬手法。 【請求項２】 外部からの光を遮断する暗室と、 カメラの視野で模擬する観測者の視野内の占有面積が等
価となるようにして暗室内に吊下したターゲットと、 太陽及び月等の照明光源に基づく光を模擬した光を上記
暗室内のターゲットに向けて照射するターゲット用照明
光源と、 昼夜，青空，曇り空等、ターゲットの背景を上記暗室内
の背景用スクリーンに再現する背景用照明光源と、 上記ターゲットを背景とともに撮影するカメラと、 このカメラの出力信号である映像信号を処理して、ター
ゲットからカメラに至る大気中等におけるターゲットか
らの反射光及び背景光の減衰等の視程条件を模擬し得る
よう、三原色の各色成分毎に、重み付けを調整して各色
成分毎に減衰量を制御する信号処理手段と、 この信号処理手段が出力する映像信号に基づきターゲッ
トの映像を背景の映像とともに再現するモニタ手段とを
有することを特徴とする目視観測性模擬装置。 【請求項３】 〔請求項２〕に記載する目視観測性模擬
装置において、 ターゲット用照明光源は、ターゲットと、太陽及び月等
の照明光源との相対的な位置関係を模擬し得るよう、タ
ーゲットに対して移動し得るように構成したことを特徴
とする目視観測性模擬装置。 【請求項４】 〔請求項２〕又は〔請求項３〕に記載す
る目視観測性模擬装置において、 信号処理手段は、ターゲットの反射率と、航空機等の実
際の視認対象物の反射率との違いに起因する反射光の強
度を補正する補正機能も有することを特徴とする目視観
測性模擬装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001046085A JP2002244544A (ja) | 2001-02-22 | 2001-02-22 | 目視観測性模擬手法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001046085A JP2002244544A (ja) | 2001-02-22 | 2001-02-22 | 目視観測性模擬手法及び装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2002244544A true JP2002244544A (ja) | 2002-08-30 |
Family
ID=18907775
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2001046085A Withdrawn JP2002244544A (ja) | 2001-02-22 | 2001-02-22 | 目視観測性模擬手法及び装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2002244544A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN105554438A (zh) * | 2015-09-23 | 2016-05-04 | 广州运星科技有限公司 | 用于交通视频监控的研发实验装置及其控制方法 |
| JP2020170016A (ja) * | 2020-07-07 | 2020-10-15 | エスペック株式会社 | 環境試験装置及び環境試験方法 |
| CN114563203A (zh) * | 2022-03-11 | 2022-05-31 | 中国煤炭科工集团太原研究院有限公司 | 一种模拟井下低能见度环境的方法 |
| CN115985164A (zh) * | 2023-02-07 | 2023-04-18 | 北京东方瑞丰航空技术有限公司 | 一种基于漫反射的飞行模拟器视景系统及控制方法 |
| CN116013131A (zh) * | 2023-02-02 | 2023-04-25 | 北京东方瑞丰航空技术有限公司 | 一种基于直投式的飞行模拟器视景系统及控制方法 |
-
2001
- 2001-02-22 JP JP2001046085A patent/JP2002244544A/ja not_active Withdrawn
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN105554438A (zh) * | 2015-09-23 | 2016-05-04 | 广州运星科技有限公司 | 用于交通视频监控的研发实验装置及其控制方法 |
| JP2020170016A (ja) * | 2020-07-07 | 2020-10-15 | エスペック株式会社 | 環境試験装置及び環境試験方法 |
| JP7000507B2 (ja) | 2020-07-07 | 2022-01-19 | エスペック株式会社 | 環境試験装置及び環境試験方法 |
| CN114563203A (zh) * | 2022-03-11 | 2022-05-31 | 中国煤炭科工集团太原研究院有限公司 | 一种模拟井下低能见度环境的方法 |
| CN114563203B (zh) * | 2022-03-11 | 2023-08-15 | 中国煤炭科工集团太原研究院有限公司 | 一种模拟井下低能见度环境的方法 |
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| CN115985164A (zh) * | 2023-02-07 | 2023-04-18 | 北京东方瑞丰航空技术有限公司 | 一种基于漫反射的飞行模拟器视景系统及控制方法 |
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|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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