JP2002230745A - 磁気ディスクの検査方法及び検査用磁気ヘッド - Google Patents

磁気ディスクの検査方法及び検査用磁気ヘッド

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JP2002230745A
JP2002230745A JP2001021940A JP2001021940A JP2002230745A JP 2002230745 A JP2002230745 A JP 2002230745A JP 2001021940 A JP2001021940 A JP 2001021940A JP 2001021940 A JP2001021940 A JP 2001021940A JP 2002230745 A JP2002230745 A JP 2002230745A
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magnetic head
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Takanori Nagano
貴範 永野
Satoshi Tabata
敏 田畑
Mitsuhiro Shoda
光広 正田
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録密度が20Gb/inを超える磁気デ
ィスク装置に使用する磁気ディスクの欠陥検査。 【解決手段】 記録密度20Gb/in以上の磁気デ
ィスク装置に使用される磁気ディスク上に検査用磁気ヘ
ッドを浮上させた状態で記録・再生を行い磁気ディスク
の欠陥検査を行う検査方法において、磁気ディスク装置
でエラー訂正不可能な欠陥サイズであって且つ欠陥検査
で合否判定の対象とする欠陥サイズと同程度以上の再生
トラック幅を有する検査用磁気ヘッドを使用すること。
また、磁気ディスク装置でエラー訂正不可能な欠陥サイ
ズであって且つ欠陥検査で合否判定の対象とする欠陥サ
イズの1/(2〜4)以下の線記録密度で欠陥検査を行
うこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスクに存
在する記録・再生の阻害要因となる欠陥個所の有無を検
出する検査方法及び検査用磁気ヘッドに関するものであ
り、特に記録密度20Gb/in以上の高記録密度磁
気記録に適した磁気ディスクの検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータ周辺機器における磁
気ディスク装置等、記憶装置の高密度化に対する要求が
高まっている。磁気ディスク装置は、磁気ヘッド及び磁
気ディスク等から構成され、磁気ディスクは高速回転
し、磁気ヘッドは、サブミクロンオーダの隙間で磁気デ
ィスク表面上を高速浮上もしくは走行している。
【0003】磁気ディスク装置の記録密度はb/in
(bits per squareinch)で記述さ
れることが一般的である。b/inは1平方インチ当
りのビット数で、磁気ディスクの円周方向に対する記録
密度である線記録密度と、磁気ディスクのトラック(半
径)方向に対する記録密度であるトラック密度の積であ
る。1b/inは645.2b/mm(bits
per square millimeter)に相当
する。
【0004】線記録密度はBPI(bits per
inch)やFCI(flux changes pe
r inch)で記述される。BPIは1インチ当りの
ビット数、FCIは、1インチ当りの磁束反転数であ
る。BPIとFCIの関係は符号変換方式により異なる
が、例えば、最近主流である16−17変換方式では、
FCIの16/17倍がBPIとなる。1BPIは、2
5.4BPM(bitsper millimete
r)に相当し、1FCIは25.4FCM(flux
changes per millimeter)に相
当する。
【0005】トラック密度は、TPI(tracks
per inch)で記述される。TPIは1インチ当
りに存在するトラック数である。1TPIは25.4T
PM(tracks per millimeter)
に相当する。磁気ディスク装置に使用される磁気ディス
クは、主にNi−Pメッキを施したAl合金基板、もし
くは非磁性の中間膜を施したガラス基板等の非磁性基板
上に、蒸着法やスパッタ法等で、Cr等の下地膜を介し
て、主にCoCrPt、CoNiCr、CoCrTa等
の一軸磁気異方性を有するCo基合金磁性膜を形成し、
更に耐摺動性、耐腐食性に優れた保護膜及び潤滑膜を構
成した金属薄膜型磁気記録媒体が用いられている。
【0006】磁気ディスクに要求される特性として、記
録・再生の阻害要因となる欠陥個所が存在しないことが
望ましいが、実際には磁気ディスクの製造工程におい
て、様々な要因から欠陥が発生する可能性があるため、
製造後の磁気ディスクは、許容可能な欠陥数及び欠陥サ
イズを超えていないか検査する必要がある。
【0007】磁気ディスクの欠陥検査としては、検査用
磁気ヘッドを用いてまず高周波信号を磁気ディスクの所
定のトラックに記録素子により信号を書込み、その後再
生素子により、そのトラック1周の平均読み出し電圧を
測定する。所定のトラックにおいて、記録・再生の阻害
要因となる欠陥個所が存在する場合には、モジュレーシ
ョンエラーやミッシングエラー、エキストラエラーやス
パイクエラー及びサーマルアスピリティエラー等として
観測される。
【0008】記録密度が5Gb/in以下の磁気ディ
スク装置に使用される磁気ディスクの検査用磁気ヘッド
は、前記磁気ディスク装置に使用される実機用磁気ヘッ
ドと略同じトラック幅構造の薄膜磁気ヘッドが用いられ
ることが多く、記録密度が10Gb/in以下の磁気
ディスク装置に使用される磁気ディスクの検査用磁気ヘ
ッドは、実機用磁気ヘッドに比べ記録・再生トラック幅
が広いが、可能な限り再生トラック幅が実機用磁気ヘッ
ドに近い構造をもつ薄膜磁気ヘッドが多く用いられてき
た。
【0009】実機用磁気ヘッド及び検査用磁気ヘッドに
は、高記録密度対応の、磁気抵抗効果を利用した磁気抵
抗ヘッド(Magneto resistive He
ad、以下MRヘッドと称する)が主流として使用され
てきた。このMRヘッドは、例えば、特開平6−483
2号公報に記載の様に、記録用の磁気ヘッド部(以後、
記録素子部と称す。)と、再生用のMR素子による感磁
部(以後、MR素子部と称す。)とが上下に積層され一
体化された複合型薄膜磁気ヘッドであるため、記録素子
部により記録された記録トラックと、MR素子部により
記録が再生される再生トラックの位置を合わせるための
工夫が種々施されている。
【0010】ここで、磁気ディスク装置においては、記
録を同心円状に行うため、そのひとつの同心円状の記録
領域をトラックといい、このような複合型薄膜磁気ヘッ
ドにおいては、記録部と読み出し部の位置が異なるた
め、記録を書き込まれて残っている記録トラックとMR
素子が記録を読み取る位置という意味で再生トラックを
区別する必要があるためにこのような呼び方をする。
【0011】そのようなトラック位置決め技術として
は、従来、特開平6−4832号公報の第3頁左欄第1
1行目から第17行目に「このように2ギャップ型MR
/Indヘッドは記録トラック幅Wと再生トラック幅
とを、W≧Rとすることで再生時の高SN比
(信号対ノイズ比)とハードディスクメディアドライブ
装置におけるヘッドとハードディスクメディアの機械的
位置合わせ誤差による再生エラーが生じにくいという利
点を得ている。」とある他、特開平6−162451号
公報、特開平7−44820号公報の図面に開示されて
いる様に、記録トラック幅を再生トラック幅より広くす
る、いわゆるwide write narrow r
eadの構造に設定することが主流であった。
【0012】しかし、記録密度が、15Gb/in
超える磁気ディスク装置に使用する磁気ディスクの検査
用磁気ヘッドは、前記磁気ディスク装置に使用される実
機用磁気ヘッドとは異なるトラック幅の構造をもつ磁気
ヘッドが用いられることが多くなってきている。これは
実機用磁気ヘッドが、特開平8−185613号公報の
第4頁左欄第26行目から第30行目の様に「誘導型磁
気ヘッド14による書き込みトラック幅Tは、上コア
40のポール幅で規定され、MR膜46の活性部46c
の幅(リード30、31間の距離)はトラック幅T
略々等しく設定される。」とある他、特開平7−653
25号、特開平8−65325号、特開平9−2932
13号公報の記録素子部とMR素子部の位置決め精度を
改善するため、公報図面に見られる様に、記録トラック
幅とMR素子による再生トラック幅を略等しくした複合
型薄膜磁気ヘッド、いわゆるnarrow write
narrow readの構造が主流となってきてい
る。
【0013】このような記録トラック幅とMR素子によ
る再生トラック幅を略等しくした複合型薄膜磁気ヘッド
を用いる場合、上記公開公報等によっても生産上避けが
たい記録素子部とMR素子部の位置ずれが残存している
ため、磁気ディスク装置における位置補正技術が不可欠
である。
【0014】この補正は通常、記録信号の一部に書き込
まれたサーボ信号を用いて行われる、いわゆるデータ面
サーボ技術を用いて行われる。しかし、通常の磁気ディ
スクの欠陥検査装置においてはそういうデータ面サーボ
によるオントラック機構を持たないため、記録トラック
位置と再生トラック位置のずれに起因して、再生時に記
録トラックからの出力が十分に得られず、欠陥検査の測
定が出来なくなる現象が発生する。更に記録トラック位
置と再生トラック位置のずれが生じているため、記録ト
ラックのエッジ部分を再生することにより、磁気ディス
クに存在する欠陥以外の場所を欠陥として検出してしま
うという課題が生じてしまう。
【0015】以上の理由から記録密度が、15Gb/i
を超える磁気ディスク装置に使用する磁気ディスク
の検査用磁気ヘッドには、前記磁気ディスク装置に使用
する実機用磁気ヘッドとはトラック幅の構造が異なる欠
陥検査専用の磁気ヘッドを使用する場合が多くなってき
ている。
【0016】この欠陥検査専用の磁気ヘッドの構造は、
特開平10−353601号公報に開示されている様
に、記録用ヘッドの素子幅が、再生用ヘッドの素子幅の
1.5倍以上の幅で構成されていることが特徴である。
このような超wide write構造の検査用磁気ヘ
ッドを使用することにより、サーボによるオントラック
機構を持たない通常の磁気ディスク欠陥検査装置におい
ても、記録トラック位置と再生トラック位置のずれに起
因して、再生時に記録トラックからの出力が十分に得ら
れず、欠陥検査の測定が出来なくなる現象からの回避が
可能となる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上述した様に、記録密
度5Gb/in及び10Gb/in以下の磁気ディ
スク装置に使用する磁気ディスクの検査用磁気ヘッドに
は、前記磁気ディスク装置に使用する実機用磁気ヘッド
に可能な限り近い記録・再生トラック幅構造をもつ磁気
ヘッドが使用される。一方、記録密度15Gb/in
を超える磁気ディスク装置に使用する磁気ディスクの検
査用磁気ヘッドには、再生トラック幅は実機用磁気ヘッ
ドとほぼ同一で、記録トラック幅が実機用磁気ヘッドに
比べ極度に広い超wide write構造をもつ欠陥
検査専用の磁気ヘッドを使用することにより磁気ディス
クの欠陥検査が行われてきた。
【0018】しかし、近年の更なる記録密度の向上に伴
い、磁気ディスク装置に使用する実機用磁気ヘッドの再
生トラック幅は0.5μm以下にまで狭トラック化が進
んでいる。このため記録密度が20Gb/inを超え
る磁気ディスク装置に使用する磁気ディスクの検査用磁
気ヘッドの再生トラック幅は、前記磁気ディスク装置に
使用する実機用磁気ヘッドの再生トラック幅に併せて狭
トラック化が進んでいる。これは検査用磁気ヘッドの再
生トラック幅は、実機用磁気ヘッドの再生トラック幅に
近い設定が望ましいという理由による。
【0019】通常、磁気ディスクの欠陥検査は、磁気デ
ィスクに存在する全ての欠陥を検出しようとした場合、
検査用磁気ヘッドの再生トラック幅とほぼ同じ幅で移動
しながら検査が行われる。また、特定の幅毎に欠陥検査
を行ういわゆる抜取り検査においては、検査用磁気ヘッ
ドの再生トラック幅が狭トラック化された場合、検査間
隔を狭く設定する場合が多い。従って、検査用磁気ヘッ
ドの再生トラック幅が狭トラック化されると、磁気ディ
スクの欠陥検査にかかる時間が増加するという課題が生
じる。
【0020】また、再生トラック幅の狭トラック化に伴
い検査間隔を狭くした場合、検査間隔に対して磁気ディ
スク上に存在する欠陥の大きさが大きい場合には、同一
箇所の欠陥を複数回に渡り検出することになり、複数個
の欠陥とみなしてしまうことになる。通常、磁気ディス
クには許容可能な欠陥数が規定されている。例えば許容
欠陥数が10である場合、1箇所の欠陥で1回の欠陥検
出数であれば、磁気ディスク上には最大10箇所の欠陥
が許容される。
【0021】しかし、上述の様に、1箇所の欠陥を複数
個の欠陥として検出した場合、許容される欠陥箇所の数
を無駄に使用してしまうという課題が生じる。しかし1
箇所の欠陥に対して複数回の欠陥検出を想定して許容す
る欠陥数を増加した場合、磁気ディスク上に存在する欠
陥箇所が多いのか、欠陥検出の数が多いのか区別が困難
となる課題が生じる。
【0022】更に、記録密度が20Gb/inを超え
る磁気ディスク装置に使用する磁気ディスクの検査を行
う場合、磁気ディスク装置の線記録密度の増加に併せて
欠陥検査の線記録密度を増加する傾向がある。これは欠
陥検査の線記録密度は、磁気ディスク装置の線記録密度
に可能な限り近い設定が望ましいという理由による。理
論的には欠陥検査の線記録密度を増加すると検出可能な
ビットサイズが小さくなるため、より微小な欠陥の検出
が可能となる。
【0023】しかし、欠陥検査の線記録密度を増加させ
た場合、記録周波数が高周波となるため、周波数特性曲
線からみて検査用ヘッドの再生信号が減少し欠陥検査の
S/N比が劣化する問題が生じる。欠陥検査のS/N比
が劣化した場合、記録・再生のエラーが増加し、実際に
は存在しない欠陥を磁気ディスクの欠陥として検出して
しまう課題が生じる。
【0024】磁気ディスクの欠陥検査において、欠陥の
検出精度を向上させるために用いられる手法として、検
出した欠陥箇所もしくは欠陥検出トラックを複数回検査
し、欠陥が再度検出された場合に欠陥として確定するい
わゆるリトライ動作という方法がある。欠陥検査のS/
N比が劣化するとこのリトライ動作が増加するため、欠
陥検査にかかる時間が増加するという問題が生じる。
【0025】また、検出対象となる欠陥サイズが微小に
なっているため、磁気ディスク全面で検出可能な欠陥サ
イズが一定となる様に、欠陥検査の記録密度を制御する
必要が生じる。
【0026】上述の様に欠陥検査で対象とする欠陥サイ
ズの微少化に、欠陥検査の線記録密度の増加で対応した
場合、様々な課題が生じる。そこで磁気ディスクの欠陥
検査に期待する効果を限定すると、前述した課題が解決
できる。従来技術による欠陥検査では、数百nm以下の
極微少な欠陥から数十μm程度の欠陥まで広範囲な欠陥
サイズを対象としていた。
【0027】しかし、磁気ディスク装置においては誤り
訂正機能等が備わっているため、数百nm以下の極微少
な欠陥が磁気ディスクに実際に存在していたとしても、
磁気ディスク装置の誤り訂正機能等により救済される場
合が多い。そこで磁気ディスクの欠陥検査で合否判定の
対象とする欠陥サイズを、磁気ディスク装置のエラー訂
正サイズ以上となるように限定した設定とすることによ
り、磁気ディスク装置で訂正が不可能なサイズの欠陥の
みを効率的に検出することが可能となる。
【0028】近年の検査用磁気ヘッドの再生トラックの
狭トラック化や、欠陥検査の記録密度増加によるS/N
比の劣化などにより、磁気ディスクの欠陥検査に要する
時間は増加する傾向にある。磁気ディスクの欠陥検査に
おいて、検査時間を短縮するために用いられる手法の一
つとして磁気ディスクの回転数を増加し、トラック当り
に要する測定時間を短縮する方法がある。
【0029】しかし、磁気ディスク回転数の増加による
測定時間の短縮を行うには制限がある。それは磁気ディ
スクの回転数を増して周速が増加した場合に、検査用磁
気ヘッドの浮上量が増加してしまい、記録・再生特性が
不安定化することにより欠陥検査が不可能となる課題が
生じるためである。このため検査用磁気ヘッドの浮上量
が、前記磁気ディスク全面で一定となるように、検査用
磁気ヘッドの浮上量を制御する必要がある。
【0030】本発明の目的は、記録密度が20Gb/i
を超える磁気ディスク装置に使用する高記録密度磁
気記録に対応した磁気ディスクに最適な欠陥検査方法及
び検査用磁気ヘッドを提供することにある。
【0031】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は主として次のような構成を採用する。
【0032】記録密度20Gb/in以上の磁気ディ
スク装置に使用される磁気ディスク上に検査用磁気ヘッ
ドを浮上させた状態で記録・再生を行い前記磁気ディス
クの欠陥検査を行う検査方法において、前記磁気ディス
ク装置でエラー訂正不可能な欠陥サイズであって且つ欠
陥検査で合否判定の対象とする欠陥サイズと同程度以上
の再生トラック幅を有する検査用磁気ヘッドを使用する
磁気ディスクの検査方法。
【0033】また、記録密度20Gb/in以上の磁
気ディスク装置に使用される磁気ディスク上に検査用磁
気ヘッドを浮上させた状態で記録・再生を行い前記磁気
ディスクの欠陥検査を行う検査方法において、前記磁気
ディスク装置でエラー訂正不可能な欠陥サイズであって
且つ欠陥検査で合否判定の対象とする欠陥サイズの1/
(2〜4)以下の線記録密度で欠陥検査を行う磁気ディ
スクの検査方法。
【0034】また、記録密度20Gb/in以上の磁
気ディスク装置に使用される磁気ディスク上に検査用磁
気ヘッドを浮上させた状態で記録・再生を行い前記磁気
ディスクの欠陥検査を行う検査方法において、欠陥検査
の線記録密度が、前記磁気ディスクの内周と外周に亘る
全面で略一定となるように調整する磁気ディスクの検査
方法。
【0035】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態に係る、記録密
度20Gb/inを超える磁気ディスク装置に使用す
る高記録密度磁気記録に対応した磁気ディスクの検査方
法及び検査用磁気ヘッドについて、図面を用いて以下説
明する。図1は本発明の実施形態に係る検査用磁気ヘッ
ド素子部の概要を示す図である。また、図2は本実施形
態に係る磁気ヘッドの記録/再生用素子の位置関係モデ
ルを示す図である。
【0036】図1及び図2において、11はCoNiF
e等からなる上部磁性膜、12はCu,Cr等からなる
コイル、13はNiFeN等からなる上部シールド膜兼
下部磁性膜、14はNb,Au,Nb等からなる電極、
15はNiFe等からなるMRセンサ膜、16はNiO
等からなる磁区制御膜、17はNiFeN等からなる下
部シールド膜である。いずれの膜もスパッタリングなど
により形成される。また各膜構成部分をまとめて、01
が記録用素子、02が再生用素子の磁束感知部である。
【0037】図2で、aは記録トラック幅(記録用ヘッ
ドの素子幅)、bは再生トラック幅(再生用ヘッドの素
子幅)である。図2に示す如く、記録トラック幅aは
1.90μm、再生用素子02の幅bは0.90μmで
あり、記録用素子01の幅aが再生用素子幅bの1.5
倍以上と極度に広い超wide write構造をもつ
欠陥検査専用の磁気ヘッドである。
【0038】欠陥検査の測定としては、まず高周波信号
を磁気ディスクの所定のトラックに記録素子01により
書込み、その後再生素子02により、そのトラック1周
の平均読み出し電圧を測定する。所定のトラックにおい
て、記録・再生の阻害要因となる欠陥個所が存在した場
合には、周知のモジュレーションエラーやミッシングエ
ラー、エキストラエラーやスパイクエラー及びサーマル
アスピリティエラーなどとして観測される。エラーと判
定された場合には、再度、高周波信号を磁気ディスクの
所定のトラックに記録素子01により書込み、その後再
生素子02により、そのトラック1周の平均読み出し電
圧を測定する。このように再度のエラー測定(リトライ
動作)によってもエラーと判定された場合に、エラーと
してカウントされる。この測定を磁気ディスクの指定の
範囲にて行うことにより、磁気ディスクの総欠陥個数が
判定される。
【0039】まず最初に、本発明の実施形態に係る磁気
ディスクの検査方法の概要、並びにその機能乃至作用を
説明する(詳細は後述する)。記録密度が20Gb/i
を超える磁気ディスク装置に使用する高記録密度磁
気記録に対応した磁気ディスクの欠陥検査には、検査用
磁気ヘッドの再生トラック幅の調整、欠陥検査を行なう
線記録密度の最適化等により、欠陥検査で合否判定の対
象とする欠陥サイズの限定を行なうことにより、高い精
度の品質判定で、且つ、検査所用時間の長時間化を回避
した欠陥検査が可能となる。ここで、欠陥検査で対象と
する欠陥サイズの限定とは、磁気ディスク装置のエラー
訂正機能等により訂正可能なサイズの欠陥よりも大きな
サイズの欠陥を、欠陥検査で対象とすることを示す。
【0040】本実施形態においては、磁気ディスク装置
のエラー訂正機能等により訂正可能な欠陥のサイズが約
1μmであったため、欠陥検査で合否判定の対象とする
欠陥サイズは約1μm以上とした。
【0041】本発明が記録密度20Gb/inを超え
る磁気ディスク装置に使用する磁気ディスクの欠陥検査
に有効である理由を各々の項目に分けて説明する。
【0042】記録密度が20Gb/inを超える磁気
ディスク装置に使用する高記録密度磁気記録に対応した
磁気ディスクの欠陥検査には、検査用磁気ヘッドの再生
トラック幅が、実機用磁気ヘッドの再生トラック幅の2
倍以上の幅となるように構成すれば良い。その理由を以
下に説明する。
【0043】まず、記録密度が20Gb/inを超え
る磁気ディスク装置に使用する実機用磁気ヘッドの再生
トラック幅は0.5μm以下、トラック(半径)方向の
記録密度は35kTPI以上の構成となっている。磁気
ディスク装置にエラー訂正機能で修正不可能な欠陥が存
在した場合、通常、欠陥が存在する該当トラックとその
隣接トラックを欠陥箇所として登録し未使用領域とする
ため、単純計算でトラック方向に1.0μmから1.5
μmの範囲が未使用領域となる。
【0044】一方、実機用磁気ヘッドの再生トラック幅
に併せて再生トラック幅が0.5μmに狭トラック化さ
れた検査用磁気ヘッドを用いて磁気ディスクの欠陥検査
を行った場合、磁気ディスク上に存在する0.5μm以
上の欠陥を複数回検出することになる。従って、検査用
磁気ヘッドの再生トラック幅を実機用磁気ヘッド並に狭
トラック化した場合、磁気ディスク装置以上に厳しい欠
陥検査となってしまう。そこで検査用磁気ヘッドの再生
トラック幅を実機用磁気ヘッドの再生トラック幅の2倍
以上の幅である1.0μmに構成した場合には、磁気デ
ィスク装置で登録される欠陥サイズ(前述した欠陥検査
で合否判定の対象とする欠陥サイズ)と同等の欠陥のみ
の検出が可能となる。即ち、検査用磁気ヘッドの再生ト
ラック幅を欠陥検査で合否判定の対象とする欠陥サイズ
と同程度以上とするものである。
【0045】次に、記録密度が20Gb/inを超え
る磁気ディスク装置に使用する高記録密度磁気記録に対
応した磁気ディスクの欠陥検査には、欠陥検査を行う線
記録密度を、磁気ディスク装置の線記録密度の1/5以
下の線記録密度に設定すれば良い。その理由を以下に説
明する。
【0046】まず、記録密度が20Gb/inを超え
る磁気ディスク装置の線記録密度は、480kFCI以
上、1ビット長0.05μmの構成となっている(図5
の符号53の記録密度参照)。磁気ディスク装置にエラ
ー訂正機能で修正不可能な欠陥が存在した場合、例えば
欠陥が存在する該当セクタとその隣接セクタを欠陥箇所
として登録し未使用領域とする。このため、磁気ディス
ク装置によって総セクタ数が異なるが、1つのセクタは
少なくとも円周方向に数μmの範囲が未使用領域とな
る。従って、磁気ディスク装置の能力自体は高い線記録
密度を有しながら、欠陥が存在する場合には、記録ビッ
ト長に対して非常に大きな範囲を未使用領域としている
ことが分かる。
【0047】一方、欠陥検査の線記録密度は、可能な限
り磁気ディスク装置の線記録密度に近い設定が望ましい
が、実際には磁気ディスク装置と同等の線記録密度での
欠陥検査は欠陥検査設備の能力等の理由から困難であ
る。換言すると、ユーザー使用の磁気ディスク装置にお
ける線記録密度は、図5に示すように略500kFCI
以上であるので、欠陥検査における線記録密度も500
kFCIに設定すれば実機と同条件となって好都合のよ
うに一見考えられるが、検査用ヘッド乃至検査用回路群
は実機ほどの性能が求められている訳では無く、また、
線記録密度を大とすると前述したように再生信号のS/
N比が劣化して検査が精度良く検出できないと云う課題
も生じる。
【0048】そこで欠陥検査の線記録密度は、磁気ディ
スク装置の記録密度(図5に示す符号53の線記録密度
は略0.02μm/bit)の1/5以下、即ち、96
kFCI=約100kFCI以下(1ビット長0.25
μm以上)の線記録密度に設定することで、高い精度の
欠陥検出が可能となる。即ち、欠陥検査で合否判定の対
象とする欠陥サイズを1μmとすると、1μm中に3〜
4ビット程度の検査用信号が含まれていた方が確実に欠
陥を検出できる(1μm中に1ビットであると欠陥が検
査用信号の山又は谷波形と一致すればよいが山又は谷の
間であれば欠陥として検出されない)ので、1.0(欠
陥サイズと一致)μm/4ビット=0.25μm/bi
tとなり、即ち、100kFCIの欠陥検査用の線記録
密度となり、この数値は磁気記録装置の使用上の線記録
密度の1/5となるのである。更に、欠陥検査用線記録
密度を1/5ほども低くすることによってS/N比の劣
化を防ぐことができるという利点が有る。
【0049】更に、欠陥検査で合否判定の対象とする欠
陥サイズが、磁気ディスク装置のエラー訂正サイズ以上
となる様に設定し、その欠陥サイズが、前記磁気ディス
ク全面で一定となる様に(磁気ディスクの内周と外周と
で変わらないように)、欠陥検査の記録密度を制御すれ
ば良いことを見出した。即ち、欠陥検査で合否判定の対
象とする欠陥サイズを1μmとするには、磁気ディスク
の内外周に亘って一定の記録密度で検査用信号を記録す
るのが望ましいのである。逆に言えば、磁気ディスクが
一定回転数で回転して一定周波数で検査用信号を記録す
ると、ディスク外周ほど信号密度は疎になるので合否判
定の欠陥サイズをその内周に比べて大としなければなら
ない。
【0050】次に、上述した本実施形態の検査方法及び
検査用磁気ヘッドに関する概要の詳細について、図3〜
図12を用いて以下説明する。
【0051】本実施形態の検査用磁気ヘッド、また比較
として従来技術を用いた検査用磁気ヘッド及び実機用磁
気ヘッドの記録・再生トラック幅構成を図3に示す。図
3で、31aは本実施形態の検査用磁気ヘッドの記録ト
ラック幅、31bは本実施形態の検査用磁気ヘッドの再
生トラック幅、32aは従来技術を用いた検査用磁気ヘ
ッドの記録トラック幅、32bは従来技術を用いた検査
用磁気ヘッドの再生トラック幅、33aは磁気ディスク
装置に使用される実機用磁気ヘッドの記録トラック幅、
33bは実機用磁気ヘッドの再生トラック幅である。
【0052】図3に示す如く、記録密度が5Gb/in
までは、検査用磁気ヘッドの再生トラック幅32b
は、実機用磁気ヘッドの再生トラック幅33bと同等の
トラック幅となっており、記録密度が10Gb/in
〜15Gb/inでは、検査用磁気ヘッドの再生トラ
ック幅32bは、実機用磁気ヘッドの再生トラック幅3
3bに対し広い構造ではあるが、可能な限り再生トラッ
ク幅が実機用磁気ヘッドに近い構造をもつ検査用磁気ヘ
ッドが用いられていることが分かる。
【0053】記録密度が20Gb/in以上になる
と、検査用磁気ヘッドの再生トラック幅32bは、実機
用磁気ヘッドの再生トラック幅33bに近い構造となる
様に更に狭トラック化されており、記録密度が30GB
/in以上では検査用磁気ヘッドの再生トラック幅3
2bは、実機用磁気ヘッドの再生トラック幅33bとほ
ぼ同等のトラック幅まで狭トラック化されている。
【0054】これに対し本実施形態では、検査用磁気ヘ
ッドの再生トラック幅31bが、実機用磁気ヘッドの再
生トラック幅33bの2倍以上のトラック幅となるよう
に構成されている。ここで、本実施形態では、検査用磁
気ヘッドの記録トラック幅31aは、実機用磁気ヘッド
の再生トラック幅33aに比べ非常に広いトラック幅構
造となっている。
【0055】本実施形態による検査用磁気ヘッド及び従
来技術を用いている検査用磁気ヘッドの組立図を図4に
示す。図4で41は前記磁気ヘッド素子を備えた磁気ヘ
ッドをスライダに加工したもの、42はスライダ41を
搭載し、弾性的に支持するサスペンションである。
【0056】本実施形態の欠陥検査における線記録密度
と磁気ディスク装置の線記録密度を図5に示す。図5
で、51は本実施形態の欠陥検査における線記録密度、
52は比較として磁気ディスク面内で線記録密度の補正
を行っていない従来技術の欠陥検査における線記録密
度、53は磁気ディスク装置の線記録密度である。図5
に示す如く、本実施形態の欠陥検査における線記録密度
51は、磁気ディスク装置の線記録密度53の1/5以
下の線記録密度に設定されている。
【0057】また、本実施形態の欠陥検査における線記
録密度51は、欠陥検査で対象とする欠陥サイズが、前
記磁気ディスク全面で一定となる様に、磁気ディスク面
を複数のエリアに分割し、検査周波数を変化させること
により、欠陥検査の線記録密度を調整している(前記エ
リア毎に磁気ディスクの回転数を変化させても良い)。
これに対し、比較として挙げた磁気ディスク面内で線記
録密度の補正を行っていない従来技術の欠陥検査におけ
る線記録密度52は、磁気ディスク面で欠陥検査を行う
線記録密度の補正が行われず、磁気ディスクの内周領域
と外周領域で線記録密度が異なる欠陥検査の設定となっ
ているため、欠陥検査で対象とする欠陥サイズが、磁気
ディスク全面で一定となっていないことが分かる。
【0058】本実施形態の欠陥検査で対象とする欠陥サ
イズを図6に示す。図6で、61は磁気ディスク装置の
誤り訂正符号等でエラー訂正可能なサイズ以下の欠陥、
62は磁気ディスク装置の誤り訂正符号等でエラー訂正
不可能で且つ磁気ディスク装置の欠陥登録機能等で登録
可能なサイズの欠陥、63は磁気ディスク装置の性能を
考慮して磁気ディスク上に存在するのが望ましくないサ
イズの欠陥である。
【0059】本実施形態の欠陥検査においては、磁気デ
ィスクの合否判定には、磁気ディスク装置の誤り訂正機
能等により訂正が不可能なサイズの欠陥のみで行なって
いる。磁気ディスク装置の誤り訂正符号等でエラー訂正
可能なサイズ以下の欠陥61は、欠陥検査にて検出を行
なうが、磁気ディスクの合否判定には無効とし、品質監
視の目的には有効としている。磁気ディスクの合否判定
に無効とする理由は、エラー訂正可能なサイズ以下の欠
陥61が磁気ディスクに存在しても磁気ディスクの出荷
に関する合否判定には問題ないという理由による。
【0060】また、前述した品質監視の目的には有効と
する理由は、磁気ディスクに存在するエラー訂正可能な
サイズ以下の欠陥61は、その平均個数、生産における
個数のばら付き等の品質監視に使用する数値は生産状態
として把握されており、それらの数値が著しく変化した
場合には、生産状態が変化していることを示唆している
ことになるという理由による。
【0061】また、本実施形態の欠陥検査においては、
磁気ディスク装置の誤り訂正符号等でエラー訂正不可能
で且つ磁気ディスク装置の欠陥登録機能等で登録可能な
サイズの欠陥62及び磁気ディスク装置の性能を考慮し
て磁気ディスク上に存在するのが望ましくないサイズの
欠陥63に関しては、各々磁気ディスク装置で許容可能
な数値となるように許容数を設定した。
【0062】本実施形態の検査用磁気ヘッド浮上量の周
速依存性を図7に示す。また本実施形態の欠陥検査にお
ける検査用磁気ヘッドの周速設定を図8に示す。図7
で、71は2レールスライダや負圧スライダを用いたヘ
ッド浮上量の周速依存性が大きい検査用磁気ヘッド、7
2はテーパレススライダや浅溝負圧スライダ(Shal
low Dual Step sub−ambient
pressure slider、以下SDSスライ
ダと称する)を用いたヘッド浮上量の周速依存性が小さ
い検査用磁気ヘッドである。図8で、81は磁気ディス
ク面を複数のエリアに分割し各エリアの周速を一定とす
る設定、82は磁気ディスクの回転数を全面で一定とす
る設定である。
【0063】本実施形態では、ヘッド浮上量の周速依存
性が大きい検査用磁気ヘッド71に関しては、磁気ディ
スク面を複数のエリアに分割し各エリアの周速を一定と
する設定81を用いて磁気ディスク全面で検査用磁気ヘ
ッドの浮上量が一定となるように制御した。またヘッド
浮上量の周速依存性が小さい検査用磁気ヘッド72に関
しては、磁気ディスクの回転数を全面で一定とする設定
82を用いて検査用磁気ヘッドの浮上量を一定とし、且
つ欠陥検査に要する時間が短くなる様に回転数を制御し
た。検査用磁気ヘッドの浮上量を制御することにより、
ヘッド浮上量の増加による記録・再生特性の不安定化が
回避でき、磁気ディスク全面で安定した記録・再生特性
が確保可能となる。
【0064】これにより欠陥検査のS/N比が劣化する
ことなく、精度良い欠陥検出が可能となる。更に検査用
磁気ヘッドのMR素子部に欠陥が衝突した際に発生する
磁気抵抗効果を検出するサーマルアスピリティエラー等
の欠陥検出を確実に行なうためには、磁気ディスク全面
で検査用磁気ヘッドの浮上量が一定となるように制御す
ることが不可欠である。
【0065】本実施形態に係る検査方法(欠陥検査を行
う線記録密度を磁気ディスク装置の線記録密度の1/5
以下とすること、合否判定の対象とする欠陥サイズを磁
気ディスク装置のエラー訂正サイズ以上とすること、欠
陥サイズを磁気ディスク全面で一様となるように欠陥検
査の線記録密度を制御すること)と検査用磁気ヘッドを
用いて磁気ディスクの欠陥検出を行った場合のエラーマ
ップを図9に示す。また従来技術の検査方法で従来技術
の検査用磁気ヘッドを用いて同一の磁気ディスクの欠陥
検出を行った場合のエラーマップを図10に示す。ま
た、同一の磁気ディスクにおける磁気ディスク装置での
欠陥登録を行なった箇所のエラーマップを図11に示
す。
【0066】本発明の実施形態に係る検査用磁気ヘッド
は、再生トラック幅が実機用磁気ヘッドの再生トラック
幅0.35μmの2倍以上の幅0.90μmで構成され
ている。従来技術の検査用磁気ヘッドは、実機用磁気ヘ
ッドと再生トラック幅が同等となるように再生トラック
幅が0.42μmまで狭トラック化されている。欠陥検
出は本発明の検査用磁気ヘッド、従来技術の検査用磁気
ヘッドいずれにおいても、再生トラック幅と同じ測定間
隔で測定を行なった。
【0067】図9と図10を比較すると、従来技術の検
査用磁気ヘッドで磁気ディスクの欠陥検出を行った場合
の方が、欠陥として検出される位置が多くなることが分
かった。図9と図11を比較すると、本実施形態に係る
検査方法と検査用磁気ヘッドを用いて欠陥検出を行った
場合の欠陥検出位置は、磁気ディスク装置での欠陥登録
を行なった箇所と9割以上一致することが分かった。
【0068】図10と図11を比較すると、従来技術の
検査方法で従来技術の検査用磁気ヘッドを用いて欠陥検
出を行った場合、磁気ディスク装置での欠陥登録を行な
った箇所以外の欠陥位置を検出していることが判明し
た。この同一磁気ディスクを後で光学顕微鏡により欠陥
分析を行なった結果、磁気ディスク装置の欠陥登録箇所
及び本実施形態に係る検査方法と検査用磁気ヘッドを用
いて欠陥検出を行い欠陥検出された箇所には膜剥がれな
どの欠陥が検出されたのに対し、磁気ディスク装置で欠
陥登録されずに、従来技術の検査方法で従来技術の検査
用磁気ヘッドを用いて欠陥検出された箇所に関しては何
も検出されない箇所と、非常に微少で数百nm以下の欠
陥が検出されていることが分かった。
【0069】この結果より、従来技術の検査方法で従来
技術の検査用磁気ヘッドを用いた欠陥検出では、エラー
測定時の S/N比不足等により、磁気ディスクに存在
する欠陥以外の場所を欠陥として検出してしまう場合
や、磁気ディスク装置の誤り訂正機能で訂正可能な欠陥
を検出してしまっているという事態が生じていることが
分かった。
【0070】また、従来技術の検査方法で従来技術の検
査用磁気ヘッドを用いた場合のエラー測定においては、
本実施形態に係る検査方法と検査用磁気ヘッドを用いた
場合のエラー測定よりも、エラー測定時間が延長した。
これは再生トラック幅の狭トラック化に併せた測定間隔
の減少が直接的な原因である。また測定間隔の減少によ
り、検査間隔に対して磁気ディスク上に存在する欠陥の
大きさが大きい場合、同一箇所の欠陥を複数回に渡り検
出することによるリトライ動作の増加、また磁気ディス
ク装置の誤り訂正機能で訂正可能な欠陥サイズ以下の欠
陥の検出が不確定であることに起因している。
【0071】本実施形態と従来技術の検査において、磁
気ディスクの欠陥検出を行った場合の磁気ディスク装置
とのエラー個数相関を図12に示す。図12で121は
本実施形態に係る検査方法と検査用磁気ヘッドを用いて
磁気ディスクの欠陥検出を行った場合の検出欠陥個数、
122は従来技術の検査方法で従来技術の検査用磁気ヘ
ッドを用いて同一の磁気ディスクの欠陥検出を行った場
合の検出欠陥個数である。
【0072】図12に示す如く、本実施形態に係る検査
方法と検査用磁気ヘッドを用いて磁気ディスクの欠陥検
出を行った場合の検出欠陥個数121は、磁気ディスク
装置に於いて、欠陥登録を行なった個数と略1対1の比
例関係にあることが分かる。これに対し従来技術の検査
方法で従来技術の検査用磁気ヘッドを用いて同一の磁気
ディスクの欠陥検出を行った場合の検出欠陥個数122
は、磁気ディスク装置において欠陥登録を行なった個数
に比べ2倍以上多い検出個数となっていることが分か
る。
【0073】また、繰り返し欠陥検出を行った場合、本
実施形態に係る検査方法と検査用磁気ヘッドを用いて磁
気ディスクの欠陥検出を行った場合には、検出欠陥数の
再現性があるのに対し、従来技術の検査方法で従来技術
の検査用磁気ヘッドを用いて同一の磁気ディスクの欠陥
検出を行った場合には検出欠陥数の再現性がないことが
分かった。従来技術の検査方法において検出欠陥数の再
現性がない理由として、検査間隔に対して磁気ディスク
上に存在する欠陥の大きさが大きい場合、同一箇所の欠
陥を複数回に渡り検出すること、また磁気ディスク装置
の誤り訂正機能で訂正可能な欠陥サイズ以下の欠陥の検
出が不確定であることに起因していることが分かった。
【0074】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の磁気ディス
クの検査方法及び検査用磁気ヘッドは、記録密度が20
Gb/inを超える磁気ディスク装置に使用する高記
録密度磁気記録に対応した磁気ディスクの欠陥検査にお
いて、検査用磁気ヘッドの再生トラック幅が、実機用磁
気ヘッドの再生トラック幅の2倍以上の幅となる様に構
成すること、欠陥検査を行う線記録密度を、磁気ディス
ク装置の線記録密度の1/5以下の線記録密度に設定す
ること、また、欠陥検査で合否判定の対象とする欠陥サ
イズが、磁気ディスク装置のエラー訂正サイズ以上とな
るように設定し、その欠陥サイズが、前記磁気ディスク
全面で一定となる様に、欠陥検査の線記録密度を制御す
ることにより磁気ディスク装置で登録される欠陥サイズ
と同等の欠陥のみの検出が可能となった。
【0075】また、検査用磁気ヘッドの再生トラック幅
を、極度に狭トラック化することを避けることにより、
検査に要する時間の短縮化を実現した。
【0076】更に、検査用磁気ヘッドの浮上量を磁気デ
ィスク全面で一定となるように制御することにより、良
好な精度での欠陥検出が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る検査用磁気ヘッド素子
部の概要を示す図である。
【図2】本実施形態に係る磁気ヘッドの記録/再生用素
子の位置関係を示すモデル図である。
【図3】本実施形態の検査用磁気ヘッド、従来技術の検
査用磁気ヘッド、及び実機用磁気ヘッドにおけるそれぞ
れの記録・再生トラック幅構成を示す図である。
【図4】本実施形態又は従来技術における検査用磁気ヘ
ッドの組立図である。
【図5】本実施形態の欠陥検査における線記録密度と磁
気ディスク装置の線記録密度を示す図である。
【図6】本実施形態の欠陥検査で対象とする欠陥サイ
ズ、それ以外の欠陥サイズを示す図である。
【図7】本実施形態に係る検査用磁気ヘッドにおける浮
上量の周速依存性を示す図である。
【図8】本実施形態の欠陥検査における検査用磁気ヘッ
ドの周速設定を示す図である。
【図9】本実施形態に係る検査方法と検査用磁気ヘッド
を用いて磁気ディスクの欠陥検出を行った場合のエラー
マップを示す図である。
【図10】従来技術の検査方法で従来技術の検査用磁気
ヘッドを用いて同一の磁気ディスクの欠陥検出を行った
場合のエラーマップを示す図である。
【図11】同一の磁気ディスクにおける磁気ディスク装
置での欠陥登録を行なった箇所のエラーマップを示す図
である。
【図12】本実施形態と従来技術の検査方法及び検査用
ヘッドで磁気ディスクの欠陥検出を行った場合の磁気デ
ィスク装置とのエラー個数相関を示す図である。
【符号の説明】
01 記録用素子 02 再生用素子 11 上部磁性膜 12 コイル 13 上部シールド膜兼下部磁性膜 14 電極 15 MRセンサ膜 16 磁区制御膜 17 下部シールド膜 41 スライダ 42 サスペンション
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 正田 光広 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内 Fターム(参考) 5D033 AA02 BA22 BB43 CA10 5D091 AA10 FF02 GG33 HH20 5D112 AA05 JJ01 JJ06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録密度20Gb/in以上の磁気デ
    ィスク装置に使用される磁気ディスク上に検査用磁気ヘ
    ッドを浮上させた状態で記録・再生を行い前記磁気ディ
    スクの欠陥検査を行う検査方法において、 前記磁気ディスク装置でエラー訂正不可能な欠陥サイズ
    であって且つ欠陥検査で合否判定の対象とする欠陥サイ
    ズと同程度以上の再生トラック幅を有する検査用磁気ヘ
    ッドを使用することを特徴とする磁気ディスクの検査方
    法。
  2. 【請求項2】 記録密度20Gb/in以上の磁気デ
    ィスク装置に使用される磁気ディスク上に検査用磁気ヘ
    ッドを浮上させた状態で記録・再生を行い前記磁気ディ
    スクの欠陥検査を行う検査方法において、 前記磁気ディスク装置でエラー訂正不可能な欠陥サイズ
    であって且つ欠陥検査で合否判定の対象とする欠陥サイ
    ズの1/(2〜4)以下の線記録密度で欠陥検査を行う
    ことを特徴とする磁気ディスクの検査方法。
  3. 【請求項3】 記録密度20Gb/in以上の磁気デ
    ィスク装置に使用される磁気ディスク上に検査用磁気ヘ
    ッドを浮上させた状態で記録・再生を行い前記磁気ディ
    スクの欠陥検査を行う検査方法において、 欠陥検査の線記録密度が、前記磁気ディスクの内周と外
    周に亘る全面で略一定となるように調整することを特徴
    とする磁気ディスクの検査方法。
  4. 【請求項4】 記録密度20Gb/in以上の磁気デ
    ィスク装置に使用される磁気ディスク上に浮上状態で記
    録・再生を行い前記磁気ディスクの欠陥検査を行う検査
    用磁気ヘッドにおいて、 前記磁気ディスク装置でエラー訂正不可能な欠陥サイズ
    であって且つ欠陥検査で合否判定の対象とする欠陥サイ
    ズと同程度以上の再生トラック幅を有することを特徴と
    する検査用磁気ヘッド。
  5. 【請求項5】 記録密度20Gb/in以上の磁気デ
    ィスク装置に使用される磁気ディスク上に検査用磁気ヘ
    ッドを浮上させた状態で記録・再生を行い前記磁気ディ
    スクの欠陥検査を行う検査方法において、 前記磁気ディスク装置に使用される実機用磁気ヘッドの
    再生トラック幅の2倍以上の再生トラック幅を有する検
    査用磁気ヘッドを使用することを特徴とする磁気ディス
    クの検査方法。
  6. 【請求項6】 記録密度20Gb/in以上の磁気デ
    ィスク装置に使用される磁気ディスク上に検査用磁気ヘ
    ッドを浮上させた状態で記録・再生を行い前記磁気ディ
    スクの欠陥検査を行う検査方法において、 前記磁気ディスク装置の線記録密度の1/5以下の線記
    録密度で欠陥検査を行うことを特徴とする磁気ディスク
    の検査方法。
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