JP2002230548A - パターン認識処理装置、方法およびパターン認識プログラム - Google Patents

パターン認識処理装置、方法およびパターン認識プログラム

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JP2002230548A
JP2002230548A JP2001021332A JP2001021332A JP2002230548A JP 2002230548 A JP2002230548 A JP 2002230548A JP 2001021332 A JP2001021332 A JP 2001021332A JP 2001021332 A JP2001021332 A JP 2001021332A JP 2002230548 A JP2002230548 A JP 2002230548A
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Midori Fukushima
みどり 福島
Koutarou Satou
皇太郎 佐藤
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Namco Ltd
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Namco Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 向きや大きさが異なる場合であっても正確な
認識を行うことができるとともに、処理速度を向上させ
ることができるパターン認識処理装置、方法およびパタ
ーン認識プログラムを提供すること。 【解決手段】 サンプリング処理部42は、認識対象物
の輪郭を構成する画素を等距離間隔でサンプリングす
る。偏角関数算出部44は、各サンプリング点の偏角関
数を算出する。辞書サイズ変更部46は、辞書偏角関数
のサイズをサンプリング点の個数に対応して変更して出
力する。フーリエ変換処理部50は、偏角関数および辞
書偏角関数に対してフーリエ変換処理を行う。パワース
ペクトル算出部52は、偏角関数と辞書偏角関数の各周
波数ごとのパワースペクトルを算出する。類似度判定部
54は、各周波数ごとにパワースペクトルの差を求めて
類似度を判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カメラを用いて各
種の認識対象物を撮像し、それらの輪郭を抽出した結果
に基づいて画像認識を行うパターン認識処理装置、方法
およびパターン認識プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、パターン認識技術では、あらか
じめ認識対象としたい物(認識対象物)を撮像した撮像
データ(以後、これを「登録パターン」と呼ぶ)を用意
しておき、認識対象物を撮像して得られた撮像データと
登録パターンとを比較して一致あるいは最も類似するも
のを検索することにより、認識対象物の内容の特定等が
行われる。このようなパターン認識技術は、FA(Fact
ory Automation)などの分野における部品等の位置合わ
せや製品の仕分け、あるいは指紋認識や網膜認識等のバ
イオメトリクス分野など様々な分野に応用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のパタ
ーン認識技術では、撮像データと登録パターンとを画素
単位で比較して両者の類似度を判定する手法が汎用され
ている。このため、従来の手法では、撮像データの向き
や大きさが登録パターンと異なっている場合には、正確
な認識結果を得ることが難しいという問題があった。
【0004】これに対して、撮像データの向きや大きさ
を補正する前処理を行った後に認識処理を行うようにし
て認識精度を向上させる方法も考えられるが、この場合
には、前処理による処理量の増加に伴い、処理の高速化
が難しくなるという問題がある。
【0005】本発明は、このような点に鑑みて創作され
たものであり、その目的は、向きや大きさが異なる場合
であっても正確な認識を行うことができるとともに、処
理速度を向上させることができるパターン認識処理装
置、方法およびパターン認識プログラムを提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明のパターン認識処理装置は、サンプリン
グ処理手段、偏角抽出手段、周波数解析手段、類似度判
定手段を備えている。サンプリング処理手段は、認識対
象物に対応した画像の輪郭を等間隔にサンプリングする
ことにより、n個のサンプリング点を抽出する。偏角抽
出手段は、サンプリング点の近傍の輪郭の角度差を偏角
として求める。周波数解析手段は、偏角抽出手段によっ
て抽出された偏角の値を用いて周波数解析を行うことに
より、偏角の分布状態を検出する。類似度判定手段は、
複数の登録形状に対応する偏角の分布状態と、周波数解
析手段によって検出された偏角の分布状態とを比較する
ことにより、認識対象物と複数の登録形状のそれぞれと
の類似度を判定する。偏角の分布状態に基づいて登録形
状と認識対象物の形状との類似度を判定しているため、
認識対象物の向きや大きさが変化した場合であっても正
確なパターン認識処理を行うことができる。また、認識
対象物の画像の回転や拡大縮小等の補正処理が必要ない
ため、処理の高速化が可能になる。
【0007】また、上述したサンプリング処理手段は、
輪郭の長さをn分割した各分割点をサンプリング点とし
て抽出することが望ましい。輪郭を構成する画素数をn
等分した場合と異なり、輪郭の形状をほぼ保持した状態
でサンプリング点を抽出することができる。
【0008】また、上述した周波数解析手段によって検
出する偏角の分布状態は、周波数解析手段によって得ら
れる周波数成分毎のパワースペクトルであることが望ま
しい。パワースペクトルを用いることにより、画像が回
転することによる影響を除去することができる。
【0009】また、上述した偏角抽出手段は、サンプリ
ング点と、輪郭に沿ってこのサンプリング点から所定画
素数離れた2つの画素とのなす相対角を偏角として求め
ることが望ましい。サンプリング点周辺の形状を正確に
反映させることができ、しかも分割数nの値によらない
偏角の算出が可能になる。
【0010】また、本発明のパターン認識処理方法は、
認識対象物に対応した画像の輪郭を等間隔にサンプリン
グすることにより、n個のサンプリング点を抽出する第
1のステップと、サンプリング点の近傍の輪郭の角度差
を偏角として求める第2のステップと、第2のステップ
において抽出された偏角の値を用いて周波数解析を行う
ことにより、偏角の分布状態を検出する第3のステップ
と、複数の登録形状に対応する偏角の分布状態と第3の
ステップにおいて検出された偏角の分布状態とを比較す
ることにより、認識対象物と複数の登録形状のそれぞれ
との類似度を判定する第4のステップとを有している。
また、本発明のパターン認識プログラムによって、認識
対象物と複数の登録形状のそれぞれとの間の類似度判定
を行うために、コンピュータに、上述した第1のステッ
プから第4のステップまでを実行させることができる。
【0011】本発明のパターン認識処理方法を実施する
ことにより、あるいは本発明のパターン認識プログラム
を実行することにより、認識対象物の向きや大きさが変
化した場合であっても正確なパターン認識処理を行うこ
とができる。また、認識対象物の画像の回転や拡大縮小
等の補正処理が必要ないため、処理の高速化が可能にな
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した一実施形
態のパターン認識処理装置について、図面を参照しなが
ら説明する。図1は、本実施形態のパターン認識処理装
置の構成を示す図である。図1に示す本実施形態のパタ
ーン認識処理装置は、カメラ10、輪郭抽出装置20、
パターン認識部40、情報記憶媒体60を含んで構成さ
れている。
【0013】カメラ10は、ステージ30上に並べられ
た認識対象物100を撮像する。例えば、撮像素子とし
てCCD(電荷結合素子)が用いられている。輪郭抽出
装置20は、カメラ10によって撮影された認識対象物
100の輪郭を抽出するものである。本実施形態の輪郭
抽出装置20は、輪郭データとして、輪郭の座標そのも
の(以後、「輪郭座標」と称する)と、この輪郭座標を
8方向の単位ベクトルの接続順番で表したチェーンコー
ドとを抽出し、出力する。チェーンコードの詳細につい
ては後述する。
【0014】パターン認識部40は、輪郭抽出装置20
から出力される輪郭データに基づいて、認識対象物10
0の内容を特定するパターン認識処理を行うものであ
る。このパターン認識部40は、サンプリング処理部4
2、偏角関数算出部44、辞書サイズ変更部46、パタ
ーン認識用辞書格納部48、フーリエ変換処理部50、
パワースペクトル算出部52、類似度判定部54を含ん
で構成されている。
【0015】サンプリング処理部42は、輪郭抽出装置
20から取得した輪郭データに基づいて、輪郭の長さを
算出し、輪郭を構成する画素を等距離間隔でサンプリン
グする処理を行う。偏角関数算出部44は、サンプリン
グ処理部42によるサンプリング処理によって抽出され
た画素に対応して、輪郭の特徴を表す偏角関数を算出す
る処理を行う。偏角関数の詳細については後述する。
【0016】辞書サイズ変更部46は、パターン認識用
辞書格納部48に格納されたパターン認識用の辞書(認
識用に予め用意された偏角関数)のサイズをサンプリン
グ点の数に対応して変更する処理を行う。パターン認識
用辞書格納部48は、パターン認識用の辞書を格納す
る。具体的には、パターン認識用の辞書としては、各種
の認識対象物100を撮像して得られる輪郭に対して、
n 個(nは自然数)のサンプリング点を設定して求め
られた偏角関数(詳細は後述する)が格納されている。
なお、以後の説明では、辞書として用意されている偏角
関数を「辞書偏角関数」と称することとする。
【0017】フーリエ変換処理部50は、偏角関数算出
部44から出力される偏角関数、および辞書サイズ変更
部46によりサイズが変更された後の辞書偏角関数に対
してフーリエ変換処理(FFT処理)を行う。パワース
ペクトル算出部52は、フーリエ変換処理部50から出
力される偏角関数および辞書偏角関数に対するフーリエ
変換処理結果に基づいて、各周波数ごとのパワースペク
トルを算出する。
【0018】類似度判定部54は、偏角関数および辞書
偏角関数について、各周波数ごとのパワースペクトルが
算出されると、各周波数ごとにパワースペクトルの差を
求めてこれらの差を加算することによりユークリッド距
離を算出し、このユークリッド距離の遠近に基づいて、
類似度を判定する。
【0019】情報記憶媒体60は、パターン認識部40
によって行われる処理の実施に必要なプログラムなどを
格納するためのものである。この情報記憶媒体60は、
CD(コンパクトディスク)等の光学式のディスク型記
憶媒体や、ROM、RAM等の半導体メモリ、あるいは
ハードディスク装置などを用いて構成されている。
【0020】例えば、情報記憶媒体60として一連のパ
ターン認識処理用のプログラムを格納したROMやRA
Mを考えた場合には、パターン認識部40に含まれるサ
ンプリング処理部42、偏角関数算出部44、辞書サイ
ズ変更部46、フーリエ変換処理部50、パワースペク
トル算出部52、類似度判定部54は、このプログラム
をCPUによって実行することにより実現することがで
き、パターン認識用辞書格納部48は、パターン認識用
の辞書を格納するRAM等によって実現することができ
る。
【0021】上述したサンプリング処理部42がサンプ
リング処理手段に、偏角関数算出部44が偏角抽出手段
に、フーリエ変換処理部50、パワースペクトル算出部
52が周波数解析手段に、類似度判定部54が類似度判
定手段にそれぞれ対応する。本実施形態のパターン認識
処理装置はこのような構成を有しており、次にその動作
について説明する。
【0022】図2は、本実施形態のパターン認識処理装
置の動作手順を示す流れ図である。輪郭抽出処理(ステップ100) カメラ10によってステージ30上の認識対象物100
が撮像され、撮像データが出力される。輪郭抽出装置2
0は、撮像データに基づいて認識対象物100の輪郭を
抽出する処理を行い、輪郭を構成する各画素の座標を示
す「輪郭座標」と、輪郭を単位ベクトルの繋がりで表し
た「チェーンコード」を含んだ輪郭データを出力する。
【0023】図3は、チェーンコードについて説明する
図である。チェーンコードとは、輪郭を構成する各画素
の間を、あらかじめ設定された方向単位にしたがって単
位ベクトルで鎖状に繋ぐことにより得られるベクトル化
系列をいう。図3に示すマトリクスは、上述した「あら
かじめ設定された方向単位」を表している。このマトリ
クスの中心を着目する画素の位置に置いて次の画素の位
置を調べ、この位置に対応する数値を記録していくこと
により、チェーンコードが得られる。例えば、次の画素
Bが着目画素Aの右にある場合には、次の画素Bの位置
に対応する数値である「3」が記録される。次の画素B
の位置が記録されると、この画素Bが新たな着目画素と
され、マトリクスの中心が画素Bの位置に置かれ、次の
画素の位置が調べられる。このような処理を繰り返すこ
とにより、処理対象図形の輪郭を構成する画素(輪郭画
素)の座標である輪郭座標を抽出することができる。
【0024】図4は、輪郭をチェーンコード化した具体
例を示す図である。図4(A)では、四角形の1マスが
1画素に対応しており、ハッチングが付されたマスが
「黒画素」、白色のマスが「白画素」を表している。ま
た、図4(B)は、図4(A)に示す輪郭に対してチェ
ーンコードを設定した結果を示す図である。
【0025】図4(A)に示す左上の画素G1を着目画
素とした場合に、次の輪郭画素として右下の画素G2が
選択され、対応する数値として「2」が記録される。次
に、画素G2を着目画素とすると、その次の輪郭画素と
して右下の画素が選択され、対応する数値として「2」
が記録される。以下、同様な処理を繰り返すことによ
り、図4(B)に示すように、輪郭に対応したチェーン
コード{…,2,2,1,3,3,4,4,4,…}が
得られる。
【0026】輪郭データの取得(ステップ101) パターン認識部40内のサンプリング処理部42は、輪
郭抽出装置20から出力される輪郭データ(輪郭座標、
チェーンコード)を取得する。輪郭の長さの算出(ステップ102) 次にサンプリング処理部42は、取得した輪郭データを
用いて、輪郭の長さを算出する。
【0027】図5は、隣接する画素間の距離を示す図で
ある。図5に示すように、本実施形態では、輪郭の長さ
は、上下方向または左右方向に隣接した2画素間の距離
を“1”、斜め方向に隣接した2画素間の距離を“√
2”として算出される。したがって、輪郭を構成する各
画素を追跡してその距離を積算していくことにより、輪
郭の長さを算出することができるところで、原理的に
は、図5に示した定義にしたがって、輪郭を構成する各
画素を追跡していくことにより輪郭の長さを算出するこ
とができるが、実際の処理においては、輪郭抽出装置2
0から出力される輪郭データに含まれるチェーンコード
を利用して処理を簡略化することができる。以下、チェ
ーンコードを利用して輪郭の長さを算出する方法につい
て説明する。
【0028】上述したように、チェーンコードでは、0
〜7のいずれかの数値により隣接する画素間の繋がりが
表されている。このとき、図3に示したように、隣接す
る画素が斜め方向(右下、右上、左下、左上)に繋がっ
ている場合には、チェーンコードが0、2、4、6のい
ずれか、すなわち「偶数」となる。反対に、隣接する画
素が上下方向または左右方向に繋がっている場合には、
チェーンコードが1、3、5、7のいずれか、すなわち
「奇数」となる。
【0029】したがって、輪郭抽出装置20から取得し
たチェーンコードに基づいて、(1)チェーンコードが
偶数の場合には画素間の距離を√2、(2)チェーンコ
ードが奇数の場合には画素間の距離を1、として逐次、
距離を積算していくことにより、輪郭の長さを算出する
ことができる。
【0030】具体的には、輪郭の長さは、輪郭を構成す
る輪郭画素の数をm、i番目のチェーンコードの値をch
aincode(i)、隣接する輪郭画素の間の距離をSegL(k)
とすると、以下の式に基づいて算出することができる。
【0031】
【数1】
【0032】サンプリング処理(ステップ103) 次にサンプリング処理部42は、輪郭画素を等距離間隔
でサンプリングする処理を行う。なお、以下の説明で
は、サンプリングされた輪郭画素を「サンプリング点」
と称して説明を行う。
【0033】図6は、輪郭画素を等距離間隔でサンプリ
ングする処理の概略を示す図である。本実施形態では、
輪郭画素を所定の距離(以下、「刻み幅」と称する)ご
とにサンプリングし、サンプリング点を求めている。具
体的には、まず始点から隣接する輪郭画素を追跡して距
離を積算する。そして、距離の積算値が刻み幅を超えた
ら、その前後の輪郭画素のうちで、距離の積算値が刻み
幅に近い方を選択し、選択された輪郭画素をサンプリン
グ点として記憶する。その後、このサンプリング点から
新たに輪郭画素を追跡して距離を積算し、次のサンプリ
ング点を選択する処理を繰り返す。
【0034】図6に示す具体例では、輪郭画素G3を始
点として、刻み幅=6ごとにサンプリングを行った場合
のサンプリング結果が示されている。まず、輪郭画素G
3から輪郭画素G4までの間は、左右方向に7つの画素
が繋がっているので距離=6であり、輪郭画素G4がサ
ンプリング点として抽出される。
【0035】次に、このサンプリング点G4から隣接す
る輪郭画素を追跡すると、左上方向に繋がる3つの画素
を挟んで輪郭画素G5まで到達したところで、距離の積
算結果が約5.6(4√2)となる。また、サンプリン
グ点G4から輪郭画素G5の左上の輪郭画素までの距離
を算出した場合には、距離は約7.1(5√2)とな
る。したがって、距離が設定した刻み幅に近い値になる
輪郭画素のG5が新たなサンプリング点として抽出され
る。
【0036】同様に、サンプリング点G5から輪郭画素
G6までの距離の積算結果が約5.8(3+2√2)と
算出されるため、この輪郭画素G6が新たなサンプリン
グ点として抽出される。このようにして、ほぼ等距離間
隔で4つのサンプリング点G3〜G6が抽出される。
【0037】偏角関数の算出処理(ステップ104) サンプリング点が抽出されると、偏角関数算出部44
は、各サンプリング点に対応して偏角関数を算出する処
理を行う。図7は、各サンプリング点に対応して偏角関
数を算出する方法を示す図である。本実施形態では、輪
郭の形状を認識するために、偏角関数を用いている。こ
の偏角関数とは、輪郭を等間隔でサンプリングして得ら
れた多角形を一回りしたときの各辺が進む方向の変化を
角度(偏角)で表したものであり、周期関数となってい
る。このような偏角関数を用いて輪郭の形状の認識を行
った場合には、回転(周期のずれで表される)や認識対
象図形の大きさの違いに強いという特徴がある。
【0038】ところで、偏角関数を用いる従来の手法で
は、着目する画素(サンプリング点)とその前後のサン
プリング点を用いて偏角を求める場合が多い。しかし、
この場合には、サンプリング点の数が輪郭画素の数に近
くなるにつれて、角度の変化が輪郭画素の移動方向にほ
ぼ等しくなり微少な変化を拾ってしまうため、得られる
偏角関数が特徴を表す関数としての意味をなさなくなる
という欠点がある。
【0039】したがって、本実施形態では、着目するサ
ンプリング点から、輪郭に沿って前後に一定の画素数だ
け離れて存在する隣接画素を用いて偏角を求めることと
している。具体的には、任意のサンプリング点をs
(i)、このサンプリング点s(i)よりも一定の画素
数dだけ離れて存在する隣接画素をs(i)+dおよび
s(i)−dとすると、サンプリング点s(i)に対応
する偏角θ(i)は、以下の式に基づいて算出される。
ただし、サンプリング点s(i)の座標値を(Xs(i)
s(i))、隣接画素の座標値を(Xs(i)+d
s(i)+d)、(Xs(i)-d,Ys(i)-d)とする。
【0040】
【数2】
【0041】なお上述した一定の画素数dとしては、例
えば、d=8程度の値にすればよい。上述したような手
法によって偏角を求めることにより、サンプリング点の
数の大小によらず、偏角関数を精度良く求めることがで
きる。図8は、偏角関数の算出結果の一例を示す図であ
る。図8(A)は、偏角関数を算出する元となった輪郭
を示している。また、図8(B)は、図8(A)に示す
アルファベットの「A」の輪郭に基づいて算出された偏
角関数を示している。図8(B)においては、縦軸は偏
角の値に対応し、横軸は、始点を0としたサンプリング
点の累積個数に対応している。
【0042】辞書サイズの変更処理(ステップ105) また、上述したステップ104に示した処理と並行し
て、辞書サイズ変更部46は、パターン認識用辞書に格
納された辞書偏角関数のサイズをサンプリング点の数に
対応して変更する処理を行う。
【0043】図9は、パターン認識用辞書に格納された
辞書偏角関数の一例を示す図である。一例として、図9
の左欄に示すようなアルファベットの「C」および
「G」の輪郭に対応して求められた辞書偏角関数が右欄
に示されている。図9に示すように、認識対象の輪郭の
それぞれに応じて、傾向の異なる辞書偏角関数が求めら
れていることがわかる。アルファベットの他の文字につ
いても、同様にしして辞書偏角関数を求めることができ
るが、ここでは図示を省略する。
【0044】なお、辞書偏角関数の具体的な生成方法
は、上述したステップ100〜ステップ104に示した
処理と同様であり、本実施形態では、2n 個(nは自然
数)のサンプリング点に対応した辞書偏角関数が求めら
れている。図10は、パターン認識用辞書格納部48に
格納された辞書のサイズを変更する処理の内容を示す図
である。図9において説明したように、本実施形態のパ
ターン認識用辞書格納部48には、2n 個のサンプリン
グ点に対応した辞書偏角関数が用意されている。上述し
たサンプリング処理によって実際に抽出されたサンプリ
ング点の個数を2r 個(r<n:rは自然数)とする
と、辞書サイズ変更部46は、辞書偏角関数に含まれる
偏角の値を2n-r 個毎に抽出することにより、辞書偏角
関数のサイズを変更する処理を行う。
【0045】フーリエ変換処理(ステップ106) 偏角関数算出部44からサンプリング点に対応した偏角
関数が出力され、辞書サイズ変更部46によりサイズが
変更された辞書偏角関数が出力されると、フーリエ変換
処理部50は、これらの偏角関数および辞書偏角関数に
対してフーリエ変換処理を行う。
【0046】フーリエ変換処理は、以下の式に基づいて
行われる。ただし、Nは2の整数乗である。
【0047】
【数3】
【0048】パワースペクトル算出(ステップ107) 偏角関数および辞書偏角関数に対するフーリエ変換処理
を行った結果が出力されると、パワースペクトル算出部
52は、各周波数成分ごとにパワースペクトルを算出す
る。
【0049】k番目の周波数成分のパワースペクトルP
k は、フーリエ変換処理により得られるcos関数の係
数をak 、sin関数の係数bk とすると、次式により
求められる。 Pk =ak 2+bk 2 類似度の判定、判定結果の出力(ステップ108) 偏角関数および辞書偏角関数について、各周波数成分ご
とのパワースペクトルが算出されると、類似度判定部5
4は、各周波数成分ごとに差を求めてこれらの差を加算
することによりユークリッド距離を算出し、このユーク
リッド距離の遠近に基づいて、類似度を判定する。具体
的には、ユークリッド距離が遠い場合に「類似度が低
い」と判定され、ユークリッド距離が近い場合に「類似
度が高い」と判定される。その後、類似度判定部54
は、類似度の判定結果を出力する。
【0050】このように、本実施形態のパターン認識処
理装置では、偏角関数をフーリエ変換して求めたパワー
スペクトルを用いて登録形状と認識対象物の形状との類
似度を判定しているため、認識対象物の向きや大きさが
変化した場合であっても正確なパターン認識処理を行う
ことができる。また、認識対象物の画像の回転や拡大縮
小等の補正処理が必要ないため、処理の高速化が可能に
なる。
【0051】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変
形実施が可能である。例えば、上述した実施形態では、
チェーンコードに基づいて輪郭の距離を算出する処理を
サンプリング処理部42において行っていたが、この処
理は、輪郭抽出装置20においてチェーンコードを抽出
する際に同時に行うようにしてもよい。
【0052】また上述した実施形態では、偏角関数を算
出する際に、任意のサンプリング点s(i)に対する隣
接画素を抽出する際の一定の画素数dの一例として、d
=8という値を挙げていたが、画素数dの値は、認識対
象とする輪郭全体の画素数の大小などに応じて、適宜変
更してもよい。
【0053】また、上述した実施形態では、認識対象と
なる輪郭の具体例として、アルファベットの文字を挙げ
ていたが、認識対象はこれに限定されるものではなく、
他にも、動物をかたどった輪郭など各種の認識対象に適
用することができる。
【0054】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば、偏角
の分布状態に基づいて登録形状と認識対象物の形状との
類似度を判定しているため、認識対象物の向きや大きさ
が変化した場合であっても正確なパターン認識処理を行
うことができる。また、認識対象物の画像の回転や拡大
縮小等の補正処理が必要ないため、処理の高速化が可能
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態のパターン認識処理装置の構成を示
す図である。
【図2】パターン認識処理装置の動作手順を示す流れ図
である。
【図3】チェーンコードについて説明する図である。
【図4】輪郭をチェーンコード化した具体例を示す図で
ある。
【図5】隣接する画素間の距離を示す図である。
【図6】輪郭画素を等距離間隔でサンプリングする処理
の概略を示す図である。
【図7】各サンプリング点に対応して偏角関数を算出す
る方法を示す図である。
【図8】偏角関数の算出結果の一例を示す図である。
【図9】パターン認識用辞書に格納された辞書偏角関数
の一例を示す図である。
【図10】パターン認識用辞書格納部に格納された辞書
のサイズを変更する処理の内容を示す図である。
【符号の説明】
10 カメラ 20 輪郭抽出装置 40 パターン認識部 42 サンプリング処理部 44 偏角関数算出部 46 辞書サイズ変更部 48 パターン認識用辞書格納部 50 フーリエ変換処理部 52 パワースペクトル算出部 54 類似度判定部 60 情報記憶媒体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5B057 BA02 CA12 CA16 CG09 DA06 DB02 DC16 DC36 5L096 CA02 EA25 FA06 FA67 HA09 JA11

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 認識対象物に対応した画像の輪郭を等間
    隔にサンプリングすることにより、n個のサンプリング
    点を抽出するサンプリング処理手段と、 前記サンプリング点の近傍の前記輪郭の角度差を偏角と
    して求める偏角抽出手段と、 前記偏角抽出手段によって抽出された偏角の値を用いて
    周波数解析を行うことにより、前記偏角の分布状態を検
    出する周波数解析手段と、 複数の登録形状に対応する前記偏角の分布状態と、前記
    周波数解析手段によって検出された前記偏角の分布状態
    とを比較することにより、前記認識対象物と前記複数の
    登録形状のそれぞれとの類似度を判定する類似度判定手
    段と、 を備えることを特徴とするパターン認識処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記サンプリング処理手段は、前記輪郭の長さをn分割
    した各分割点を前記サンプリング点として抽出すること
    を特徴とするパターン認識処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 前記周波数解析手段によって検出する前記偏角の分布状
    態は、前記周波数解析手段によって得られる周波数成分
    毎のパワースペクトルであることを特徴とするパターン
    認識処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項1において、 前記偏角抽出手段は、前記サンプリング点と、前記輪郭
    に沿ってこのサンプリング点から所定画素数離れた2つ
    の画素とのなす相対角を前記偏角として求めることを特
    徴とするパターン認識処理装置。
  5. 【請求項5】 認識対象物に対応した画像の輪郭を等間
    隔にサンプリングすることにより、n個のサンプリング
    点を抽出する第1のステップと、 前記サンプリング点の近傍の前記輪郭の角度差を偏角と
    して求める第2のステップと、 前記第2のステップにおいて抽出された前記偏角の値を
    用いて周波数解析を行うことにより、前記偏角の分布状
    態を検出する第3のステップと、 複数の登録形状に対応する前記偏角の分布状態と、前記
    第3のステップにおいて検出された前記偏角の分布状態
    とを比較することにより、前記認識対象物と前記複数の
    登録形状のそれぞれとの類似度を判定する第4のステッ
    プと、 を有することを特徴とするパターン認識処理方法。
  6. 【請求項6】 認識対象物と複数の登録形状のそれぞれ
    と間の類似度判定を行うために、コンピュータに、 前記認識対象物に対応した画像の輪郭を等間隔にサンプ
    リングすることにより、n個のサンプリング点を抽出す
    る第1のステップ、 前記サンプリング点の近傍の前記輪郭の角度差を偏角と
    して求める第2のステップ、 前記第2のステップにおいて抽出された前記偏角の値を
    用いて周波数解析を行うことにより、前記偏角の分布状
    態を検出する第3のステップ、 前記複数の登録形状に対応する前記偏角の分布状態と、
    前記第3のステップにおいて検出された前記偏角の分布
    状態とを比較することにより、前記認識対象物と前記複
    数の登録形状のそれぞれとの類似度を判定する第4のス
    テップ、 を実行させるためのパターン認識プログラム。
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