JP2002221931A - 画像表示装置および方法ならびに画像処理システム - Google Patents

画像表示装置および方法ならびに画像処理システム

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JP2002221931A
JP2002221931A JP2001316867A JP2001316867A JP2002221931A JP 2002221931 A JP2002221931 A JP 2002221931A JP 2001316867 A JP2001316867 A JP 2001316867A JP 2001316867 A JP2001316867 A JP 2001316867A JP 2002221931 A JP2002221931 A JP 2002221931A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表示時の照明特性を測定することなく、表示
時の照明状況下に被写体を置いて直接見たように表示で
きる画像表示装置および方法ならびに画像処理システム
を提供する。 【解決手段】 画像表示装置2は、観測照明ライト20
と、データ記憶部21,22と、反射率再現変換部23
と、反射型のカラー液晶ディスプレイ(反射型LCD)
部24などで構成され、反射率再現変換部23は、81
個の周波数バンドの反射率データから反射型LCD部2
4の表示特性に応じた赤、青、緑の3色ごとの反射率デ
ータに変換し、反射型LCD部24に供給されると、各
液晶セルの光反射率は被写体Aの各部位における反射率
とほぼ一致する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、撮像によって得ら
れた画像およびコンピュータ上で作成した画像を表示す
るための画像表示装置および方法ならびに画像処理シス
テムに関する。
【0002】
【従来の技術】被写体を撮像して得られる画像データに
基づいて、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal
Display)などの表示装置で被写体画像を表示するシス
テムにおいて、1)被写体を撮影環境や撮影場所で直接
見たように再現する機能や、2)表示装置の設置環境や
設置場所に被写体を置いて直接見たように表示する機能
が提案されている。
【0003】たとえば特開平10−243247号公報
には、1)の機能を実現するための色変換方法が開示さ
れている。詳しくは、画像データから3つ以上の入力色
分解値を求め、これをニューラルネットによって分光分
布に変換して、環境に依存しない色彩値を有する画像デ
ータを作成し、この画像データの色彩値を観察環境下で
の色彩値に変換することによって、異なる環境下でも同
様の見え方で被写体を表示している。
【0004】また、特開平9−102882号公報に
は、1)の機能を実現するための画像処理装置が開示さ
れている。詳しくは、原稿画像をスキャナで読み取って
CRT(Cathode Ray Tube)モニタなどの表示装置で表
示する場合、表示装置の設置環境における照明の状態
(周囲光)をセンサで測色し、周囲光の色温度に合わせ
て画像データを色変換することによって、周囲光に依存
せずに原稿画像と表示画像の見え方を一致させている。
【0005】またホームページ(http://www.isl.titec
h.ac.jp/~yamalab/Reproduction/summary.html)には、
2)の機能を実現するために、撮影に用いる照明やカメ
ラ、および表示時の照明や表示特性を考慮した補正を画
像データに施す画像処理システム(マルチスペクトル情
報を用いた色再現システム)が開示されている。
【0006】また、従来コンピュータグラフィックス
(CG:Computer Graphics)画像によって、所定形状
の物体(素材)を着色して表示する技術が開発されてい
る。このような技術を用いれば、たとえば、線図(輪郭
図)によって描いた建築物や家具をさまざまな色で着色
して表示できる。したがって、ユーザに所望の色を選択
させて、表示させることが容易となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記ホームページに記
載されたシステムでは、表示時の照明状況の特性(照明
特性)を正確にデータ化する必要がある。
【0008】しかしながら、一般のオフィスや家庭では
無論のこと、画像を専門に扱うオフィスなどであって
も、表示時の照明状況を常に一定に保つことは非常に困
難である。したがって、照明特性を予め正確にデータ化
しておくことはできなかった。このため、表示時の照明
特性をデータ化しても、別の機会では照明状況が変化し
ているため、正しい色再現が不可能になる。さらに、照
明特性を正確にデータ化するには熟練した技術が必要に
なり、一般のユーザにとって極めて困難な作業になる。
また、センサによって表示の度に照明特性をデータ化す
る構成では表示処理に時間がかかるという問題が発生す
る。
【0009】また、従来のCG画像では金属光沢やダイ
ヤモンドの独特の光沢を近似的に表現することは可能で
あるが、それは、あくまでCG画像を生成する時の照明
光などの設定条件下によるものである。すなわち、CG
画像を作成条件下での見え方で表示するものであり、表
示装置の設置環境や設置場所にCG画像を置いた場合の
見え方で表示することができない。
【0010】また、特開平9−102882号公報のよ
うに、センサを用いて表示開始の度に照明特性をデータ
化する場合、データ化に必要な処理時間が加わるため、
全体の表示時間が長くなってしまう。
【0011】また、特開平9−102882号公報およ
び特開平10−243247号公報では、表示装置の設
置環境や設置場所に被写体を置いて直接見たように表示
することができない。
【0012】本発明の目的は、表示時の照明特性を測定
することなく、表示時の照明状況下に被写体またはコン
ピュータグラフィックス画像を置いて直接見たように表
示できる画像表示装置および方法ならびに画像処理シス
テムを提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、反射型のカラ
ー表示部と、カラー表示部について各色の表示特性を記
憶する表示特性記憶部と、表示特性記憶部に記憶された
表示特性に基づいて、カラー表示部に表示される被写体
の反射率画像データを変換する反射率再現変換部とを備
えることを特徴とする画像表示装置である。
【0014】本発明に従えば、カラー表示部の表示特性
に基づいて、被写体の反射率画像データを変換すること
によって、カラー表示部における光反射率が被写体の各
部位における反射率とほぼ一致するように制御できる。
反射率画像データは、照明状況に依存せず、被写体の各
部位に固有の反射率を示すデータである。したがって、
表示時の照明特性を測定することなく、カラー表示部は
カラー表示部の照明状況下に被写体を置いて直接見たよ
うに表示できる。
【0015】また本発明は、反射型のカラー表示部と、
前記反射型のカラー表示部の各色の反射率の特性を示す
表示特性データを記憶する表示特性記憶部と、コンピュ
ータグラフィックス画像を生成する際に用いられる各素
材に対し、素材固有の反射率を示す反射率データを記憶
する反射率データ記憶部と、物体の形状データに基づい
てコンピュータグラフィックス画像を作成し、表示特性
データおよび各素材の反射率データとに基づいて、反射
型のカラー表示部に表示されるコンピュータグラフィッ
クス画像の反射率と、前記コンピュータグラフィックス
画像の素材固有の反射率とがほぼ一致するように、コン
ピュータグラフィックス画像の各素材の反射率データを
変換して反射型のカラー表示部に表示させる反射率再現
変換部とを備えることを特徴とする画像表示装置であ
る。
【0016】本発明に従えば、物体の形状データに基づ
いてコンピュータグラフィックス画像を作成することが
できる。作成したコンピュータグラフィックス画像は、
表示特性記憶部に記憶される表示特性データおよび反射
率データ記憶部に記憶される素材固有の反射率を示す反
射率データに基づいて、反射型のカラー表示部で再現さ
れるコンピュータグラフィックス画像の反射率とコンピ
ュータグラフィックス画像の素材固有の反射率とが一致
するように、コンピュータグラフィックス画像の各素材
の反射率データを変換して反射型のカラー表示部に表示
させる。反射率データは、たとえば、予め測定されるプ
ラスチックおよび木などの拡散反射の分光反射率デー
タ、または標準となる色の分光反率データであってもよ
い。したがって、表示時の照明特性を測定することな
く、カラー表示部はカラー表示部の照明状況下に、作成
されたコンピュータグラフィックス画像を置いて直接見
たように表示できる。
【0017】また本発明は、前記反射型のカラー表示部
は、薄型で、電力不要で表示状態を維持し、携帯可能な
情報表示媒体で構成されていることを特徴とする。
【0018】本発明に従えば、カラー表示部が薄型で、
電力不要で表示状態を維持し、携帯可能な情報表示媒
体、いわゆる電子ペーパーで構成されるので、カラー表
示部に液晶表示装置を用いる場合に比べて装置をさらに
軽量化することができる。したがって、異なる環境下、
たとえば明るい場所、暗い場所でカラー表示部に表示さ
せた画像の見え方を確かめるために、画像表示装置を移
動させる場合、画像表示装置の持ち運びが容易となる。
【0019】また本発明は、前述の画像表示装置と、前
記画像表示装置の反射型のカラー表示部に表示された画
像を、薄型で、電力不要で表示状態を維持し、携帯可能
な記録媒体に出力する画像出力装置とを備えることを特
徴とする画像処理システムである。
【0020】本発明に従えば、カラー表示部に表示され
た画像を、画像出力装置を用いて、薄型で、電力不要で
表示状態を維持し、携帯可能な記録媒体、いわゆる電子
ペーパーに表示させることができる。したがって、被写
体またはコンピュータフィックス画像そのものの見え方
で表示された記録媒体を短時間で複数枚得ることができ
る。
【0021】また本発明は、画像入力装置と、画像表示
装置とで構成される画像処理システムであって、前記画
像入力装置は、被写体を複数の光周波数バンド別に撮像
する撮像部と、照明光および撮像部の入力特性を記憶す
る入力特性記憶部と、入力特性記憶部に記憶された入力
特性に基づいて、光周波数バンド別に撮像した画像デー
タを被写体に固有の反射率画像データに補正する入力補
正部とを備え、前記画像表示装置は、反射型のカラー表
示部と、カラー表示部について各色の表示特性を記憶す
る表示特性記憶部と、表示特性記憶部に記憶された表示
特性に基づいて、カラー表示部に表示される前記反射率
画像データを変換する反射率再現変換部とを備えること
を特徴とする画像処理システムである。
【0022】本発明に従えば、画像入力装置において、
被写体を複数の光周波数バンド別に撮像し、照明光およ
び撮像部の入力特性に基づいて、光周波数バンド別に撮
像した画像データを被写体に固有の反射率画像データに
補正することによって、照明状況に依存せず、被写体の
各部位に固有の反射率を示すデータが得られる。
【0023】また画像表示装置において、カラー表示部
の表示特性に基づいて、被写体の反射率画像データを変
換することによって、カラー表示部における光反射率が
被写体の各部位における反射率とほぼ一致するように制
御できる。したがって、表示時の照明特性を測定するこ
となく、カラー表示部はカラー表示部の照明状況下に被
写体を置いて直接見たように表示できる。
【0024】たとえば、画像入力装置と画像表示装置と
がインターネットを介して接続されている場合、ネット
ワーク上で販売する商品を被写体として画像入力装置で
撮像して、その分光反射率データをインターネット上で
公開しておいて、画像表示装置がこの分光反射率データ
を読み込んで表示すると、画像表示装置の設置場所に実
際の商品を置いたかのように観察できるため、注文者側
で商品がどのように見えるかを容易にチェックできる。
【0025】また本発明は、画像入力装置と、画像表示
装置とで構成される画像処理システムであって、前記画
像入力装置は、被写体の各部位において、複数のバンド
パスフィルタによるマルチバンド撮影で得られる画像デ
ータを生成する撮像部を備え、前記画像表示装置は、外
光に対する反射率が画素毎に制御可能なカラー表示部を
備え、前記画像表示装置は、前記撮像部から伝達された
画像データに基づいて、各画素の反射率を、各画素に応
じた被写体の部位における反射率と同様な値に制御する
ことによって、被写体を表示することを特徴とする画像
処理システムである。
【0026】本発明に従えば、マルチバンド撮影で得ら
れる画像データに基づいて、カラー表示部の各画素の反
射率を、各画素に応じた被写体の部位における反射率と
同様な値に制御することによって、表示時の照明特性を
測定することなく、カラー表示部はカラー表示部の照明
状況下に被写体を置いて直接見たように表示できる。
【0027】また、色数の次元を増加させる処理が不要
になり、カラー表示部の表示に必要な反射率データを精
度良く生成できる。
【0028】また本発明は、画像入力装置と、画像表示
装置とで構成される画像処理システムであって、画像入
力装置は、被写体を複数の光周波数バンド別に撮像する
撮像部と、照明光および撮像部の入力特性を記憶する入
力特性記憶部と、入力特性記憶部に記憶された入力特性
および光周波数バンド別に撮像した画像データに基づ
き、照明状況に依存しない被写体固有の反射率を有する
反射率画像データに補正する入力補正部とを備え、画像
表示装置は、反射型のカラー表示部と、前記反射型のカ
ラー表示部の各色の反射率の特性を示す表示特性データ
を記憶する表示特性記憶部と、コンピュータグラフィッ
クス画像を生成する際に用いられる各素材に対し、素材
固有の反射率を示す反射率データを記憶する反射率デー
タ記憶部と、物体の形状データに基づいてコンピュータ
グラフィックス画像を作成し、表示特性データおよび各
素材の反射率データとに基づいて、反射型のカラー表示
部に表示されるコンピュータグラフィックス画像の反射
率と、前記コンピュータグラフィックス画像の素材固有
の反射率とがほぼ一致するように、コンピュータグラフ
ィックス画像の各素材の反射率データを変換して反射型
のカラー表示部に表示させ、前記被写体固有の反射率に
基づいて被写体の反射率画像データを変換して反射型の
カラー表示部に表示させる反射率再現変換部とを有する
ことを特徴とする画像処理システムである。
【0029】本発明に従えば、画像入力装置において、
被写体を複数の光周波数バンド別に撮像し、照明光およ
び撮像部の入力特性に基づいて、光周波数バンド別に撮
像した画像データを被写体に固有の反射率画像データに
補正することによって、照明状況に依存せず被写体の各
部位に固有の反射率を示すデータが得られる。
【0030】また画像表示装置において、物体の形状デ
ータに基づいてコンピュータグラフィックス画像を作成
することができる。作成したコンピュータグラフィック
ス画像は、表示特性記憶部に記憶される表示特性データ
および反射率データ記憶部に記憶される素材固有の反射
率を示す反射率データに基づいて、反射型のカラー表示
部で再現されるコンピュータグラフィックス画像の反射
率とコンピュータグラフィックス画像の素材固有の反射
率とが一致するように、コンピュータグラフィックス画
像の各素材の反射率データを変換して反射型のカラー表
示部に表示させる。また被写体の反射率画像データを変
換することによって、反射型のカラー表示部における光
反射率が被写体の各部位における反射率とほぼ一致する
ように制御できる。したがって、表示時の照明特性を測
定することなく、反射型のカラー表示部は反射型のカラ
ー表示部の照明状況下に、被写体およびコンピュータグ
ラフィックス画像を置いて直接見たように表示できる。
【0031】また本発明は、入力補正部は、画像データ
における色数の次元を増加させ、反射率再現変換部は、
反射率画像データにおける色数の次元を減少させること
を特徴とする。
【0032】本発明に従えば、画像データを変換する際
に、画像データにおける色数の次元を増加させることに
よって、変換に必要な情報量が豊富になる。したがっ
て、反射率再現変換部が反射率画像データを変換する際
に、カラー表示部の種々の特性に応じて高い精度で変換
できる。また、反射率画像データにおける色数の次元を
減少することによって、入力の処理計算時間を短縮でき
る。
【0033】また本発明は、画像表示装置は、画像デー
タにおける色数の次元を増加させる手段を有し、反射率
再現変換部は、反射率画像データにおける色数の次元を
減少させることを特徴とする。
【0034】本発明に従えば、画像データを変換する際
に、画像データにおける色数の次元を増加させることに
よって、変換に必要な情報量が豊富になる。したがっ
て、反射率再現変換部が反射率画像データを変換する際
に、カラー表示部の種々の特性に応じて高い精度で変換
できる。また、反射率画像データにおける色数の次元を
減少することによって、入力の処理計算時間を短縮でき
る。
【0035】さらに、画像表示装置において色数の次元
を増加させる処理を行なうことによって、画像入力装置
から画像表示装置へ伝送すべきデータ量が少なくて済む
ため、反射率データの伝送時間を短縮できる。
【0036】また本発明は、前記反射型のカラー表示部
は、薄型で、電力不要で表示状態を維持し、携帯可能な
情報表示媒体で構成されていることを特徴とする。
【0037】本発明に従えば、カラー表示部が薄型で、
電力不要で表示状態を維持し、携帯可能な情報表示媒
体、いわゆる電子ペーパーで構成されるので、液晶表示
装置に比べて装置をさらに軽量化することができる。し
たがって、異なる環境下、たとえば明るい場所、暗い場
所でカラー表示部に表示させた画像の見え方を確かめる
ために、画像表示装置を移動させる場合、画像表示装置
の持ち運びが容易となる。
【0038】また本発明は、前記画像表示装置のカラー
表示部に表示された画像を、薄型で、電力不要で表示状
態を維持し、携帯可能な記録媒体に出力する画像出力装
置をさらに備えることを特徴とする。
【0039】本発明に従えば、画像出力装置を用いて、
カラー表示部に表示された画像を、薄型で、電力不要で
表示状態を維持し、携帯可能な記録媒体、いわゆる電子
ペーパーに表示させることができる。したがって、被写
体またはコンピュータグラフィックス画像そのものの見
え方で表示された記録媒体を短時間で複数枚得ることが
できる。
【0040】また本発明は、被写体に固有の情報を記憶
する工程と、該情報に基づいて、反射型のカラー液晶デ
ィスプレイを構成する液晶セルの光反射率を制御する工
程と、所定の観察光源を用いて、被写体を該ディスプレ
イ上に表示する工程とを含むことを特徴とする画像表示
方法である。
【0041】本発明に従えば、被写体に固有の情報に基
づいて、液晶セルの光反射率を制御することによって、
該ディスプレイにおける光反射率が被写体の各部位にお
ける反射率とほぼ一致するように制御できる。反射率画
像データは、照明状況に依存せず、被写体の各部位に固
有の反射率を示すデータである。したがって、表示時の
照明特性を測定することなく、該ディスプレイの照明状
況下に被写体を置いて直接見たように表示できる。
【0042】また本発明は、前記情報は、被写体の分光
反射率であることを特徴とする。本発明に従えば、被写
体に固有の情報は被写体の分光反射率であることによっ
て、撮像時の照明状況に依存しない画像データとなるた
め、該ディスプレイの照明状況下において、実物により
近い表示が可能になる。
【0043】また本発明は、前記観察光源は、CIE準
拠のA光源、B光源、C光源、任意の色温度のD光源、
および分光測色器による計測によって得られる任意の光
源のうち、いずれか1つであることを特徴とする。
【0044】本発明に従えば、ディスプレイの観察光源
として、放射スペクトルが予め判明している上記光源を
使用することによって、色ずれが少ない適切な被写体表
示が可能になる。
【0045】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1実施形態の
画像処理システムを示すブロック図である。本実施形態
の画像処理システムは、撮像機能を有する画像入力装置
1と、画像表示機能を有する画像表示装置2などで構成
される。
【0046】画像入力装置1は、被写体Aを撮像して、
被写体Aの各部位における分光反射率に応じた反射率デ
ータを生成し、静止画像のデジタルデータとして出力す
る。
【0047】画像入力装置1は、撮像照明ライト11
と、光センサ12と、照明光データ処理部13と、カメ
ラ14と、撮像データバッファ15と、分光反射率推定
部16と、データ記憶部17などで構成される。
【0048】撮像照明ライト11は、撮像に適した照明
光を放射して被写体Aに照射するもので、たとえばハロ
ゲンランプ(色温度3200K)、キセノンランプ(色
温度5100K)、CIE(Commission International
e de I'Eclairage)準拠の標準D65光源などが使用で
きる。
【0049】光センサ12は、撮像照明ライト11から
の照明光の分光放射分布を測定するもので、たとえばミ
ノルタ社製分光放射輝度計CS-1000などが使用できる。
【0050】照明光データ処理部(入力特性記憶部)1
3は、メモリなどで構成され、光センサ12で測定され
た分光放射分布(単位[W・sr-1・m-2])を記憶し、ま
た、使用するカメラ14の分光感度特性およびフィルタ
14aの分光透過率などを予め記憶する。
【0051】カメラ(撮像部)14は、6色のカラーフ
ィルタが選択的に使用できるフィルタ14aと、多数の
受光部がマトリクス状に配列された、たとえばCCD
(電荷結合素子)などの受光素子14bなどを有し、マ
ルチバンド撮影が可能なデジタルカメラとして構成され
る。カメラ14は、被写体Aの各部位からの反射光を、
カラーフィルタを介して受光して、反射光の波長分布を
取得する。
【0052】撮影の準備段階として、撮影機器のセッテ
ィングを行う。まず被写体Aおよびカメラ14の設置位
置を決定し、次に撮像照明ライト11の設置位置を決定
する。被写体Aとカメラ14との間の撮影距離は、目標
とする画像の解像度が決まれば、カメラ14の解像度お
よび使用レンズの性能によって決定される。
【0053】図1に示すように、フィルタ14aを所定
の回転角度に設定して、使用するカラーフィルタを選択
した後、カメラ14がカラーフィルタを介して被写体A
の各部位からの反射光を受光する。こうした操作を6色
のカラーフィルタ別に行なうことによって、1つの画素
について6色分のデータが得られる。
【0054】撮像データバッファ15は、メモリなどで
構成され、カメラ14が被写体Aを色分解して撮像した
6色分の撮像データを記憶する。
【0055】分光反射率推定部(入力補正部)16は、
照明光データ処理部13に記憶された分光放射分布と撮
像データバッファ15に記憶された撮像データとに基づ
いて、被写体Aの反射率画像データを推定する。
【0056】その動作に関して、分光反射率推定部16
は分光放射分布および撮像データから、フィルタ14a
の各カラーフィルタ特性に応じた6個の周波数バンドに
ついて、被写体Aの各部位ごとの反射率データを計算す
る。この反射率データは、照明状況に依存せず、被写体
Aの各部位に固有の反射率を示すデータである。
【0057】次に分光反射率推定部16は、Wiene
r推定を用いて、6個の周波数バンドごとの反射率デー
タを81個の周波数バンドの反射率データに変換し、デ
ータ記憶部17に記憶させる。
【0058】Wiener推定は、m次元のベクトルデ
ータvが伝達関数行列Aによって線形変換され、mより
大きいn次元のベクトルデータoが出力される場合、行
列Aは正方行列とならないため、行列Aの逆行列Gを用
いてベクトルデータvからベクトルデータoを推定する
ものである。ここでは、6次元データである6個の周波
数バンドごとの反射率データから81次元データである
81個の周波数バンドの反射率データを推定している。
【0059】6個の周波数バンドの反射率データを81
個の周波数バンドの反射率データに変換する方法につい
て具体的に説明する。6個の周波数バンドの反射率デー
タをv、81個の周波数バンドの反射率データをo、光
源の分光放射分布、カメラの分光感度およびフィルタの
分光透過率に基づいて作成された行列(システム行列)
をFとすると、 v=oF が成立する。したがって、81個の周波数バンドの反射
率データoは、 o=F-1v となり、システム行列Fの逆行列から81個の周波数バ
ンドの反射率データoが得られる。
【0060】また、システム行列Fの逆行列F-1は、以
下の(1)〜(3)によって求められる。 (1)被写体Aの撮像時と同じ撮像条件で、複数の色見
本となるサンプルを測定し、それぞれ6個の周波数バン
ド分の分光反射率データを求める。 (2)分光測色計によって、(1)に使用した色見本と
なるサンプルの分光反射率データを求める。 (3)上記(1)において得られた分光反射率データを
(2)において得られた分光反射率データに変換する行
列を、Wiener推定を用いて求める。
【0061】なお、Wiener推定では、(2)にお
いて得られた分光反射率データと推定値との平均2乗誤
差を最小とするような行列を求めることとなる。また、
Wiener推定については、『H.Haneishi,T.Hasegaw
a,N.Tsumura and Y.Miyake:IS&T‘s 50th Annual Con
ference,Massachusettes,pp.369-372(1997).“Design o
f colorfilters for recording artworks”』において
詳細に説明されている。なお、Wiener推定の代わ
りに主成分分析や重回帰分析など種々の統計分析手法が
使用できる。
【0062】上述した画像入力装置1の照明光データ処
理部13、撮像データバッファ15、分光反射率測定部
16およびデータ記憶部17は、図示しない制御部によ
って制御される。
【0063】画像表示装置2は、観測照明ライト20
と、データ記憶部21,22と、反射率再現変換部23
と、反射型のカラー液晶ディスプレイ部(以下、反射型
LCD部と記す)24などで構成される。画像表示装置
2は、画像入力装置1によって得られた反射率画像デー
タに基づいて、被写体Aを画像表示装置2の設置環境お
よび設置場所に置いたときの見え方で表示する機能を有
する。
【0064】観測照明ライト20は、反射型LCD部2
4に向けて照明光を照射するもので、たとえばハロゲン
ランプ、キセノンランプ、およびCIE準拠の標準のA
光源、B光源、C光源、任意の色温度のD光源が使用で
き、また、一般の白熱電球、蛍光灯、日中の野外では太
陽光も利用できる。
【0065】データ記憶部21は、画像入力装置1のデ
ータ記憶部17に記憶された反射率データを、ネットワ
ークなどを経由して取得し、記憶する。
【0066】データ記憶部(表示特性記憶部)22は、
使用する反射型LCD部24のR(赤),G(緑),B
(青)各色ごとの反射率の表示特性データ(LCD特性
データ)、たとえばγ補正テーブルなどを記憶する。
【0067】反射型LCD部(反射型のカラー表示部)
24は、液晶層を偏光板と反射電極で挟んだ構造を有
し、液晶への印加電圧を制御して、入射光の偏光方向お
よび反射電極で反射した光の偏光方向を制御することに
よって、カラー表示を実現する。透過型液晶ディスプレ
イが液晶層を2枚の偏光板で挟んだ構造であるのに対し
て、反射型液晶ディスプレイは1枚の偏光板だけで済む
ため、光の利用効率が高いという利点がある。
【0068】図4は、反射型LCD部24の構成例を示
す部分斜視図である。反射型LCD部24は、偏向板4
1、R,G,Bから成るカラーフィルタ42、上ガラス
基板43、透明電極(図示せず)、液晶層44、反射板
を兼ねる画素電極(反射電極)45および下ガラス基板
46がこの順番に積層されて構成される。反射型LCD
部24では、液晶層44は画素に応じた液晶セルに分割
されている。反射型LCD部24では、各液晶セルに印
加される電圧をONまたはOFFし、画像データに応じ
て印加電圧を制御し、入射光と反射光との偏向方向を制
御することによって、カラー画像表示を行う。
【0069】図4に示す反射型LCD部24において、
観測照明ライト20からの観測照明光が偏光板41、透
明電極、カラーフィルタ42、ガラス板43、液晶層4
4を通過して反射板45によって反射され、液晶層4
4、ガラス板43、カラーフィルタ42、透明電極、偏
光板41の順で再び通過すると、表示光になる。反射型
LCDの反射率は、入射光の光量に対する表示光の光量
の比率、つまり入射光量/反射光量を算出することによ
って得られる。この反射率については、日本画像学会
誌;第38巻第2号p128〜p131(1999)お
よびホームページhttp://www.sharp.co.jp/sc/gaiyou/n
ews/970910.htmなどにおいて詳細に説明されている。
【0070】反射率再現変換部23は、データ記憶部2
1に記憶された反射率データとデータ記憶部22に記憶
された表示特性データとに基づいて、被写体Aの各部位
における反射率を反射型LCD部24上に再現する。す
なわち、反射型LCD部24における各液晶セルの光反
射率が被写体Aの各部位における反射率とほぼ一致する
ように、反射型LCD部24の表示特性データを用いて
被写体Aの反射率データを変換する。
【0071】反射率再現変換部23は、反射型LCD部
24の表示特性データを用いて、81個の周波数バンド
の反射率データから反射型LCD部24の表示特性に応
じた赤、青、緑の3色ごとの反射率データに変換してい
る。こうして変換された3色の反射率データは、反射型
LCD部24に供給され、液晶セルの印加電圧を色別に
制御することによって、各液晶セルの光反射率が被写体
Aの各部位における反射率とほぼ一致するようになる。
【0072】上述したデータ記憶部21,22、反射型
LCD部24および反射率再現変換部23は、たとえば
CPU(Central Processing Unit)などからなる制御
部25によって制御される。
【0073】以上のように本実施形態の画像処理システ
ムでは、画像入力装置1が被写体Aの各部位における分
光反射率に応じた反射率データを生成し、画像表示装置
2が反射率データおよび反射型LCD部24の表示特性
データに基づいて3色の反射率データを生成し、各液晶
セルの光反射率を被写体Aの各部位における反射率とほ
ぼ同じ値となるように表示する。
【0074】こうした構成によって、観測照明ライト2
0の照明状況下に被写体Aを置いて直接見たような見え
方で反射型LCD部24上に表示することができる。そ
の結果、たとえば画像入力装置1と画像表示装置2とが
インターネットを介して接続されている場合、ネットワ
ーク上で販売する商品を被写体Aとして画像入力装置1
で撮像して、その分光反射率データをインターネット上
で公開しておいて、画像表示装置2がこの分光反射率デ
ータを読み込んで表示すると、画像表示装置2の設置場
所に実際の商品を置いたかのように観察できるため、注
文者側で商品がどのように見えるかを容易にチェックで
きる。
【0075】また、反射型LCD部24を使用すること
によって、観測照明ライト20の照明状況を測定してデ
ータ処理する必要がなくなるため、画像表示装置2での
処理時間を短縮でき、迅速な画像表示を実現できる。
【0076】さらに、画像入力装置1は6個の周波数バ
ンド分の反射率データを81個の周波数バンドの反射率
データに変換し、画像表示装置2は81個の周波数バン
ドの反射率データから反射型LCD部24の表示特性に
応じた赤、青、緑の3色ごとの反射率データに変換して
いる。これによって変換に必要な情報量が豊富になるた
め、適切な3色の反射率データを得ることができる。
【0077】図2は、本発明の第2実施形態の画像処理
システムを示すブロック図である。本実施形態の画像処
理システムは、撮像機能を有する画像入力装置1と、画
像表示機能を有する画像表示装置2などで構成される。
全体構成は図1のものと同様であるが、図1の分光反射
率推定部16の代わりに反射率補正部31を設け、図1
のデータ記憶部21の後段に分光反射率推定部32を追
加している点が相違する。
【0078】反射率補正部31は、光センサ12で測定
された分光反射分布およびカメラ14からの撮像データ
を用いて、フィルタ14aの各カラーフィルタ特性に応
じた6個の周波数バンドについて、被写体Aの各部位ご
との反射率データを計算して、データ記憶部17に記憶
させる。
【0079】画像表示装置2における分光反射率推定部
32は、画像データにおける色数の次元を増加させる手
段であり、Wiener推定を用いて、6個の周波数バ
ンドごとの反射率データを81個の周波数バンドの反射
率データに変換し、反射率再現変換部23に供給する。
【0080】こうして画像表示装置2において分光反射
率推定を行うことによって、画像入力装置1から画像表
示装置2へ伝達される反射率データは6個の周波数バン
ド分で足りるため、データ伝送量が格段に少なくなり、
反射率データの伝送時間を大幅に短縮できる。
【0081】図3は、本発明の第3実施形態の画像処理
システムを示すブロック図である。本実施形態の画像処
理システムは、撮像機能を有する画像入力装置1と、画
像表示機能を有する画像表示装置2などで構成される。
全体構成は図1のものと同様であるが、図1の分光反射
率推定部16の代わりに反射率補正部31を設け、図1
のフィルタ14aの代わりに81個の周波数バンドに対
応した81色のカラーフィルタを有するフィルタ14c
を有する点が相違する。
【0082】反射率補正部31は、光センサ12で測定
された分光反射分布およびカメラ14からの撮像データ
を用いて、フィルタ14cの各カラーフィルタ特性に応
じた81個の周波数バンドについて、被写体Aの各部位
ごとの反射率データを計算して、データ記憶部17に記
憶させる。
【0083】カメラ14で撮影する場合、フィルタ14
cを所定の回転角度に設定して、使用するカラーフィル
タを選択した後、カメラ14がカラーフィルタを介して
被写体Aの各部位からの反射光を受光する。こうした操
作を81色のカラーフィルタ別に行なうことによって、
1つの画素について81色分のデータが得られる。
【0084】こうして画像入力装置1が81色分の撮像
データを生成することによって、Wiener推定を用
いた分光反射率推定を省略できるため、推定誤差の発生
を防止でき、反射型LCD部24の表示に必要な3色の
反射率データを精度良く生成できる。
【0085】図5は、本発明の第4実施形態の画像処理
システムを示すブロック図である。本実施形態の画像処
理システムは、画像入力装置である分光測色計51と画
像表示機能を有する画像表示装置52とを含む。なお、
図5に示す本実施形態の画像処理システムで、図1に示
す画像処理システムの構成と同様な部分には同一の符号
を付し、重複する説明を省略する。本実施形態の画像表
示装置52は、コンピュータグラフィックス画像(以
下、CG画像と記す)を作成し、表示する機能を有す
る。
【0086】分光測色計51は色見本サンプル53の分
光反射率を測定する。色見本サンプル53は、互いに異
なる色を有するカラーパネルである。分光測色計51
は、前記見本サンプル50の分光反射率を測定して、8
1個の周波数バンドの分光反射率データ(色見本反射率
データ)を生成する。色見本反射率データとは、入力光
の波長に対する反射率のデータであり、たとえば、入力
波長380nm〜780nmで、5nm毎の反射率デー
タを0〜1に正規化することによって生成される。
【0087】分光測色計51は、図6に示すように色見
本サンプル53の代わりに実際の素材サンプル54、た
とえばプラスチック、陶器、木および布などの拡散反射
の分光反射率を推定してもよい。このように、実際の素
材を分光測色系51によって測定することで、CG画像
を作成する場合に、より実際に近い色や質感を表すこと
が可能となる。
【0088】拡散反射の分光反射率を推定する方法とし
ては、たとえば、Journal ofOptical Society of Ameri
ca.A,Vol.7,pp312-317(1990).に記載されている四分円
解析法を用いることができる。この方法は、物体表面の
複数の場所から分光反射率を測定する、あるいは、物体
の1点から観測角を変えて分光反射率を測定し、2種類
の制約条件を与えて、拡散反射成分の存在範囲を推定す
るものであり、高い精度での推定が可能となる。
【0089】画像表示装置52は、制御部55、ROM
(Read Only Memory)56、素材分光反射率データ記憶
部57、反射型LCD部24、反射型LCD部24の表
示特性データ記憶部であるデータ記憶部22、形状・背
景データベース58および反射率再現変換部59を含
む。
【0090】制御部55は、たとえばCPUによって構
成される。ROM56には、所定のソフトウェア(プロ
グラム)が格納される。制御部55はROM56に格納
されるプログラムを用いて、画像表示装置52を含む画
像処理システムを制御する。また制御部55は、図示し
ない操作手段、たとえば操作パネルおよびキーボードな
どを制御して、操作手段を用いて行なわれるユーザの指
示を画像処理装置52に入力させる機能を有する。RO
M56に格納されるプログラムは、図示しない外部記憶
装置であるプログラム読取装置によって読み取られてR
OM56に記録される。
【0091】素材分光反射率データ記憶部57は、前記
分光測色計51において生成された色見本反射率データ
を格納し、また、素材サンプル54のデータを用いる場
合は、素材毎に拡散反射の分光反射率を格納しておく。
【0092】形状・背景データベース58は、表示対象
物(素材)の形状データおよび背景データを記憶する。
ここで素材とは、机、椅子、花瓶、階段、電化製品など
の具体的な物体である。形状データとは、素材を3次元
的に表現するような、素材の輪郭を示す線図のデータ
(輪郭データ)である。また、背景データとは、壁、
窓、カーテン、床(たとえば、絨毯、フローリング、畳
など)など、素材の背景を構成すると考えられる物体を
3次元的に表現する輪郭データである。上述の形状デー
タおよび背景データは同じ輪郭データであるので、まと
めて形状データとしてもよい。図7は、形状データおよ
び背景データの一例を示す図である。図7(a)は形状
データである机を表し、図7(b)は形状データである
椅子を表し、図7(c)は背景データであるカーテンを
表している。
【0093】制御部55は、形状データおよび背景デー
タに、色見本サンプル53の中、あるいは素材サンプル
54の中からユーザによって選択された色を割り当て、
プログラムを実行して3次元のCG画像を作成する。反
射率再現変換部59は、制御部55に制御され、作成さ
れるCG画像に割り当てられる色の反射率データと、デ
ータ記憶部22に記憶される表示特性データとを用いて
3次元のCG画像の各部位における反射率を反射型LC
D部24に再現させる。さらに詳しく説明すると、制御
部55は後述するレンダリングの手法を用いて、形状デ
ータおよび背景データに色見本反射率データまたは素材
毎の拡散反射の分光反射率データを割り当てることによ
って、3次元のCG画像を生成する。そして、反射率再
現変換部59を介して、反射型LCD部24における各
画素の反射率を、CG画像における各部の反射率と同様
になるように制御する。
【0094】このとき、反射率再現変換部59では、8
1個の周波数バンドの波長域に関する輝度データが、表
示特性データを用い、RGB等色関数による変換によっ
て、反射型LCD部24の特性に応じた赤・青・緑の3
色の反射率データ(RGBデータ)に変換される。そし
て、前記RGBデータを用いて反射型LCD部24にお
ける各画素の反射率が制御される。たとえば、反射率再
現変換部59では、CG画像における輝度データに基づ
いて、輝度とRGB等色関数の各要素を掛け合わせた三
刺激値が求められる。そして、この三刺激値を座標変換
して輝度および色度を求め、γ補正を行うことでRGB
データを求める。
【0095】次に、制御部55によるCG画像の作成動
作について、図8のフローチャートを用いて説明する。
ステップS1では、形状・背景データベース58から、
ユーザの指示に基づいて表示対象となる素材の形状デー
タおよび背景データの少なくともいずれか1つを選択
し、素材(輪郭)データを作成して、ステップS2に進
む。ステップS2では、色のマッピングを行う。ステッ
プS2の色のマッピングでは、素材分光反射率データ記
憶部57に格納される色のサンプルを反射型LCD部2
4に表示し、その中からユーザが選択することによって
行なわれ、選択された色見本サンプル53の色見本反射
率データが反射率データ記憶部から読み出される。ま
た、素材サンプル54のデータを用いる場合は、素材の
選択が行なわれる。
【0096】次にステップS3に進み、素材の質感や模
様といった表面材質を設定して、ステップS4に進む。
ステップS3で行なわれる表面材質の設定内容として
は、光沢、模様のサイズ、反射率、荒さ、透明度および
屈折率が挙げられる。光沢は、光の映り込みの強さ、つ
まり明るさを意味する。荒さは、反射による映り込みや
透明度によって透過して見える部分をぼかす処理を行
う。屈折率は、光の屈折率を設定し、透明度が設定され
ているときに有効となる。また反射率の設定では、色見
本サンプル53を用いる場合には、選択された色見本サ
ンプル53の色見本反射率データが入力され、素材サン
プル54データを用いる場合には、選択された素材サン
プル54の拡散反射の分光反射率データが入力される。
【0097】ステップS4では光源の設定を行い、ステ
ップS5に進む。ステップS4で行なわれる光源の設定
内容としては、光源の種類、光源の位置および光源の角
度が挙げられる。光源の種類には、無限遠光源、点光
源、スポットライトおよび環境光がある。無限遠光源
は、太陽光をシミュレートしたものであり、環境全体に
およぶ光源である。点光源およびスポットライトは、光
の届く範囲を指定することができ、点光源は全方向に照
射される光源であり、スポットライトは指向性の有る光
源である。環境光は、空気中の乱反射を擬似的にシミュ
レートすることができる光源である。これらの中から、
画像表示装置52の設置環境および設置場所に応じて適
切な光源を選択する。
【0098】従来の表示装置に画像を表示する場合に
は、表示装置の設置環境における照明の状態(周囲光)
を検知し、検知した周囲光に合わせて画像データを色変
換するように設定し、原稿画像と表示装置上での画像と
の見え方を、周囲光によらず一致させている。しかしな
がら、本発明では反射型の液晶ディスプレイである反射
型LCD部24を用いて表示を行うので、設置環境にお
ける照明の状態を考慮する必要はない。つまり、本発明
ではCG画像の画素ごとの分光反射率を求めて、反射型
LCD部24における各画素の反射率を補正するのみで
よい。
【0099】ステップS5ではカメラの設定を行い、ス
テップS6に進む。ステップS5で行なわれるカメラの
設定としては、対象物をどこからどのように眺めるかと
いった、視野に関する設定を行う。透視図内の表示は、
主に視点、注視点およびズーム値の設定で決まる。視点
とはカメラの位置を示し、注視点とはカメラが注目して
いる位置を示す。視点と注視点との2点によって、カメ
ラが存在する位置と向きとを決定することができる。こ
のとき、視点と注視点とを結ぶ線が視線にあたる。
【0100】ステップS6では、レンダリングの手法を
用いて、形状データおよび背景データに色見本反射率デ
ータまたは素材毎の拡散反射の分光反射データを割り当
てることによって、3次元のCG画像を生成し、CG画
像の作成動作を終了する。ステップS6で行なわれるレ
ンダリングとは、コンピュータ計算によってCG画像を
作成する方法である。レンダリングには、たとえば、ス
キャンライン、レイトレーシングおよび分散レイトレー
シングを用いることができる。以下に各手法の特徴を述
べる。
【0101】スキャンラインは、高速レンダリングが可
能である。しかしながら、物体の影、映り込み、屈折は
表現できない。高品質なレンダリングを行う前に、おお
まかなレンダリング結果の確認として活用することがで
きる。
【0102】レイトレーシングは、物体の影、映り込
み、屈折および反射といった光学的シミュレーションに
よってリアルなレンダリング結果が得られ、印刷物にも
十分対応できる。レイトレーシングは、速度、品質とも
にバランスのとれた標準的手法である。しかしながら、
被写界深度を表現することはできない。
【0103】図9は、レイトレーシングによる光線の追
跡結果を示す図である。レイトレーシングでは、光線が
どのようにオブジェクト(物体、対象物)60で反射お
よび屈折し、ある物体に入射したときにどのような影響
を受けるかということを、カメラ(視点)61からスク
リーン(反射型LCD部24)62上の画素63を通っ
て、光線を追跡しながらその都度計算し、これを光源6
4にたどり着くまで繰り返すことで色および光の強さを
決め画像を作成する。
【0104】分散レイトレーシングは、物体の柔らかな
影、被写界深度および表面材質の粗さによる反射像の乱
れなどを表現ことができる。分散レイトレーシングは、
モアレも低減されるので、もっとも綺麗な画像を得るこ
とができるが、他の2種類のレンダリングよりも処理時
間を要する。具体的には、分散レイトレーシングは、レ
イトレーシングの約10倍以上のレンダリング時間を要
する。
【0105】上述したレンダリングの手法は、たとえ
ば、POV−Ray(Persistence OfVision Ray Tranc
er)などのソフトウェアを使用することで実現できる。
【0106】以上のように本実施形態の画像処理システ
ムでは、分光測色計51が色見本サンプル53または素
材サンプル54を用いて、カラーパネルの反射率に応じ
た色見本反射率データまたは素材毎の拡散反射の分光反
射率データを生成するように設定されている。そして、
画像表示装置52が、形状データまたは背景データと色
見本反射率データまたは素材毎の拡散反射の分光反射率
データとを用いてシミュレーションすることで、任意の
色(色の反射率)を有する3次元のCG画像を生成する
ことができる。画像表示装置52は、反射型LCD部2
4における各画素の反射率を、各画素の対応するCG画
像の反射率と同様の値に制御することによって、CG画
像を表示するように設定されている。つまり、本実施形
態の画像処理システムでは、CG画像における固有の情
報である反射率を、反射型LCD部24上で再現するよ
うに設定されている。これによって、反射型LCD部2
4では、観測照明20に応じた状態でCG画像を表示す
ることが可能となり、表示時の照明状況下にCG画像を
置いて直接見たように表示することができる。
【0107】したがって、本画像処理システムを用いれ
ば、以下のようなことが可能となる。すなわち、新たに
購入したいインテリア(置時計などの室内調度品)を設
置したい場所に画像表示装置52を設置する。そして、
色見本サンプル50から好みの色を選択して、所望する
インテリアの形からなるCG画像を作成して表示するこ
とで、インテリアの設置状況を非常に容易にシミュレー
トできる。
【0108】図10は、本発明の第5実施形態である画
像処理システムを示すブロック図である。本実施形態の
画像処理システムは、前記第4実施形態の画像処理シス
テムに加えて、前記第1実施形態の画像処理システムに
用いられる画像入力装置1を含む。なお、図5に示す本
実施形態の画像処理システムで、図1および図5に示す
画像処理システムの構成と同様な部分には同一の符号を
付し、重複する説明を省略する。また、本実施形態の画
像表示装置52の全体構成は、図4の画像表示装置52
と同様であるが、図4の画像表示装置52の各構成に加
えて、図1の画像表示装置2が備えるデータ記憶部21
を備える。本実施形態の画像処理システムでは、画像入
力装置1によって撮像される被写体Aと、画像表示装置
52において作成されるCG画像とを組み合わせて表示
させることができる。
【0109】画像入力装置1は、被写体Aを撮像して静
止画像のデジタルデータを生成する。このデータは、被
写体Aの輪郭データおよび被写体Aの各部位における分
光反射率に応じた反射率データとから構成される。
【0110】本実施形態の画像処理システムでは、画像
入力装置1の分光反射率推定部16は、照明光データ処
理部13に記憶された分光放射分布と撮像データバッフ
ァ15に記憶された被写体Aの撮像データとに基づいて
被写体Aの反射率データを推定するとともに、撮像デー
タバッファ15に記憶された撮像データから被写体Aの
輪郭データを求める。分光反射率推定部16は、反射率
画像データと輪郭データとを組み合わせた分光反射率画
像データを生成して、データ記憶部17に記憶させる。
【0111】なお、輪郭データの作成はAdobe(ア
ドビ)社製のPhotoshop(登録商標)などの画像編集ソ
フトウェア、または撮像データに対して一般的に使用さ
れているゾーベルフィルタおよびラプラシアンフィルタ
の処理を施して、撮像データにおける任意の領域を線図
として抽出することで実現できる。
【0112】画像表示装置52のデータ記憶部21は、
前記画像入力装置1のデータ記憶部17に記憶されてい
る分光反射率画像データを、ネットワークなどを経由し
て取得して記憶する。
【0113】本実施形態の画像処理システムにおいて
も、上述した第1実施形態の画像処理システムのよう
に、画像表示装置52では、分光反射率画像データに含
まれている輪郭データおよび反射率データを用いて被写
体Aの画像を反射型LCD部24に表示させることがで
きる。また、上述した第4実施形態の画像処理システム
のように、画像表示装置52では、形状・背景データベ
ース58に記憶される形状データおよび背景データと、
素材分光反射率データ記憶部57に記憶される色見本反
射率データまたは素材毎の拡散反射の分光反射率データ
を用いてCG画像を作成し、作成したCG画像を反射型
LCD部24に表示させることができる。
【0114】また、制御部55は、分光反射率画像デー
タの輪郭データに素材分光反射率データ記憶部57に記
憶される色見本反射率データまたは素材毎の拡散反射の
分光反射率データを割り当て、上述した第4実施形態の
画像処理システムのように、CG画像を作成することが
できる。このように、本実施形態の画像処理システムで
は、撮像によって得られた被写体Aの画像を所望の色に
ペイントすることができ、また、被写体Aと形状・背景
データベース58に記憶される形状データおよび背景デ
ータを組み合わせたCG画像を表示させることができ
る。
【0115】また本実施形態では、画像入力装置1の備
えるカメラ14によって色見本サンプル53を撮像し、
色見本反射率データを取得してもよい。この場合、カメ
ラ14では、フィルタ14aを回転させながら、見本サ
ンプル50からの反射光を各画素によって受光すること
で、画素毎に6色ずつの画素データを得ることとなる。
【0116】また、カメラ14では、フィルタ14aの
装着時に受光素子14bの位置が変化すると、合成画像
に色ずれの弊害が生じる。また、受光素子14bの位置
ずれが微少であったとしても、合成画像に影響が出る。
このため、フィルタ14aの装着時には受光素子14b
の位置を変化させないように注意することが望ましい。
【0117】また本実施形態における画像入力装置1
は、第1実施形態と同じ画像入力装置1であるが、これ
に限らず、第2または第3実施形態に示した画像入力装
置1を用いてもよい。第2実施形態に示した画像入力装
置1を用いる場合には、画像表示装置52に、第2実施
形態の画像表示装置2が備える分光反射率推定部32を
備えることによって、反射率データの伝送に要する時間
を短縮できる。
【0118】以上、第1〜第5実施形態の画像処理シス
テムにおける画像表示装置2および52では、反射型の
液晶ディスプレイである反射型LCD部24を用いた例
を説明したが、観測照明光の反射率を画素ごとに制御し
て画像表示する反射型のカラー表示装置全般に本発明は
適用できる。
【0119】また、前記第4および第5実施形態の画像
処理システムでは、画像表示装置52内に形状・背景デ
ータベース58を設けているが、形状データおよび背景
データを記憶しているデータベースがネットワーク(た
とえばインターネットなど)上にある場合は、画像表示
装置52内に形状・背景データベース58を備える必要
はない。すなわち、この場合には、画像表示装置52が
ネットワーク上のデータベースから形状データおよび背
景データを取得するように設定されてもよい。
【0120】次に、本発明の第6実施形態の画像処理シ
ステムについて説明する。本実施形態の画像処理システ
ムでは、全体構成は図1の画像処理システムと同様であ
るが、図1の反射型LCD部24の代わりに、薄型で、
電力不要で表示状態を維持し、携帯可能な情報表示媒体
である電子ペーパーをディスプレイとして設け、データ
記憶部22に電子ペーパーの表示特性データが記憶され
ている。
【0121】電子ペーパーは、可撓性を有し、厚さが5
0μm〜1mm程度の薄型の表示装置であり、表示され
る画像の書き換えが可能である。電子ペーパーの表示方
式としては、電場を用いた電気泳動表示方式およびツイ
ストボール表示方式などが用いられる。
【0122】まず、電気泳動表示方式によって表示を行
なう電子ペーパー(EPID:Electrophoretic Image
Display)について説明する。電気泳動表示方式の電子
ペーパーでは、液体中に分散させた荷電粒子が外部電場
に沿ってクーロン力により液体中を泳動する電気泳動現
象を用いて画像の表示を行なう。
【0123】図11(a)は、電気泳動表示方式の電子
ペーパーの構成例を示す断面図である。電気泳動表示方
式の電子ペーパーは、基材71、画素電極72、バイン
ダ73、マイクロカプセル74、透明電極75および表
面保護膜76を含む。樹脂からなる板状の基材71の一
方方向表面に、平行に延びる複数の画素電極72が所定
の間隔を設けて配置される。画素電極72の一方方向に
所定の間隔を設けて、画素電極72の延びる方向と直交
する方向に延びる複数の透明電極75が設けられる。透
明電極75の一方方向には、たとえばPET(ポリエチ
レンテレフタレート)などの透明な樹脂から成る表面保
護膜76が設けられる。前記画素電極72および透明電
極75の間には、球状のマイクロカプセル74が配置さ
れる。マイクロカプセル74の間隙には接合剤であるバ
インダが設けられる。電気泳動表示方式の電子ペーパー
では、前記画素電極72と透明電極75とが重なる部分
が画素となる。
【0124】図11(b)は、前記マイクロカプセル7
4の拡大図である。マイクロカプセル74は、天然高分
子あるいは合成高分子の壁膜を持つ微小な透明容器内に
分散液77と帯電した白色微粒子78とを封入して形成
される。マイクロカプセル74の直径は50μm程度で
ある。分散液77は、染料で着色された絶縁性の液体で
ある。白色微粒子78としては顔料粒子が用いられ、白
色度の点から酸化チタンが用いられる。
【0125】電気泳動表示方式の電子ペーパーでは、画
素電極72および透明電極75間に電圧を印加すると、
形成される電界の方向によって、白色微粒子は画素電極
72および透明電極75のいずれか一方側に引き寄せら
れる。これによって、電気泳動表示方式の電子ペーパー
の表面保護膜76側から見た観測者には、白色微粒子7
8の色または染料で着色された分散液77の色が見え
る。したがって、各画素へ印加する電圧を制御すること
によって、画像を表示することができる。
【0126】上述した電気泳動表示方式の電子ペーパー
では、前記マイクロカプセル74は透明容器内に染料で
着色した分散液77と白色微粒子78とを封入して構成
されるが、マイクロカプセル74は、透明容器内に白色
微粒子78、黒色微粒子および透明な分散液とを封入し
て構成されてもよい。この場合、白色微粒子78と黒色
微粒子の極性を異ならせることによって、白色および黒
色の表示を行なうことができる。
【0127】また電気泳動表示方式の電子ペーパーで
は、電極間に電圧を印加することで発生する電界によっ
て一方側電極上に引き寄せられた粒子は、電界を取り去
った後も長期にわたってその状態を保持する。したがっ
て、電気泳動表示方式の電子ペーパーは電力不要で表示
状態を維持する表示メモリ性を有する。
【0128】電気泳動表示方式の電子ペーパーの特徴と
しては、高視野角性、高コントラスト、構造が簡単であ
ることに起因する低コスト、大型表示デバイス作製の容
易さなどが挙げられる。さらに、色表示の媒体が顔料お
よび染料であることから、眼にやさしい自然な色合いを
持ち、印刷物に近い表示が可能となる。
【0129】上述した電気泳動表示方式の電子ペーパー
は、2値表示を行なうディスプレイであるが、カラーフ
ィルタを用いたり、C(シアン)、M(マゼンタ)また
はY(イエロー)の微粒子が封入されたマイクロカプセ
ル、あるいはこれにB(ブラック)の微粒子が封入され
たマイクロカプセルを加えた4種類のマイクロカプセル
を複数用い、各色に印加する電圧を制御したりすること
によって、カラー表示を行なうことができる。
【0130】次に、ツイストボール表示方式によって表
示を行なう電子ペーパー(ETBD:Electrical Twist
ing Ball Display)について説明する。ツイストボール
表示方式の電子ペーパーでは、半球面の色が異なる微小
球体を回転させて表示を行なう。
【0131】図12は、ツイストボール表示方式の電子
ペーパーの基本構成を示す断面図である。ツイストボー
ル表示方式の電子ペーパーは、基材81、電極82、絶
縁性シート83、着色微小絶縁球体84、画素電極85
および表面保護層86を含む。樹脂からなる板状の基材
81の一方方向表面に、電極82が配置される。電極8
2の一方方向に所定の間隔を開けて画素電極85が設け
られる。画素電極85の一方方向には、たとえばPET
(ポリエチレンテレフタレート)などの透明な樹脂から
成る表面保護膜86が設けられる。前記電極82および
画素電極85の間には、透明な絶縁性シート83が設け
られる。前記絶縁性シート83の内部には、半球面ごと
に白と黒、あるいは白と赤に塗り分けられた着色微小絶
縁球体84が埋め込まれる。前記着色微小絶縁球体84
は、絶縁性シート83と直接接触しているのではなく、
絶縁性シート83に設けられた着色微小絶縁球体84の
径よりも僅かに大きな空洞87の中に、非極性の有機液
体を介して保持される。また、着色微小絶縁体球84
は、色の違いに対応して、その表面の帯電状態に異差を
設けるなどしてダイポールモーメントを持つように形成
されている。また、電極82および画素電極85に接触
しない絶縁シート83の側部は、エポキシ樹脂88など
によってシールされている。
【0132】電極82および画素電極85間に電圧を印
加すると、形成される電界および着色微小絶縁球体84
のダイポールモーメントが平行となるように着色微小絶
縁球体84が回転する。ツイストボール表示方式の電子
ペーパーでは、電極82および画素電極85間に画像情
報に応じた電界パターンを与え、この電界によって着色
微小絶縁球体84を回転させて、向きを制御し、着色微
小絶縁球体84の2つの半球面のコントラストによって
表示を行なう。
【0133】ツイストボール表示方式の電子ペーパーで
は、電極間に電圧を印加することで発生する電界によっ
て回転した着色微小絶縁球体84は、電界を取り去った
後も長期にわたってその状態を保持する。したがって、
電気泳動表示方式の電子ペーパーは電力不要で表示状態
を維持する表示メモリ性を有する。
【0134】ツイストボール表示方式の電子ペーパーの
特徴としては、視野角の制限がなく、印刷物に近い質感
を高いコントラストで実現することができることが挙げ
られる。
【0135】上述したツイストボール表示方式の電子ペ
ーパーは、説明のため電極を一対のみ設けた構成とし、
また2値表示を行なうディスプレイであるが、複数の電
極を形成し、カラーフィルタを用いたり、C,M,Yに
着色された着色微小絶縁球体、あるいはこれに黒色に着
色された着色微小絶縁球体を用い、各色に印加する電圧
を制御したりすることによって、カラー表示を行なうこ
とができる。
【0136】また、電子ペーパーの表示方式は、上述し
た方式の他に、印加電圧を取り除いても液晶の配向状態
が保存される強誘電性液晶またはコレステリック液晶を
用いた液晶表示方式、および酸化還元反応に伴う化学物
質の色変化を利用するエレクトロクロミック表示方式な
どを用いてもよい。エレクトロクロミック表示方式は、
電流駆動であり、表示速度が遅いといった問題がある
が、表示品位に優れる。
【0137】上述した電子ペーパーを反射型LCD部2
4の代わりに用いた場合、電子ペーパーの画素毎の反射
率は、反射型LCD部24を用いた場合と同様に制御さ
れる。すなわち、81バンドの波長域に関する反射率デ
ータは、反射率再現変換部23で、データ記憶部22に
記憶される電子ペーパーの特性データ、たとえばRGB
等色関数などを用いて、電子ペーパーの表示特性に応じ
たRGBもしくはCMYの3色の反射率データに変換さ
れる。そして、変化された反射率データに基づいて表示
を行なう。
【0138】本実施形態では、第1実施形態の画像処理
システムにおける画像表示装置2の反射型LCD部24
を電子ペーパーに代えているが、第2〜第4実施形態の
画像処理システムにおける画像表示装置2および52の
反射型LCD部24を同様に電子ペーパーに代えて構成
することができる。
【0139】以上のように、反射型のカラー表示部とし
て電子ペーパーを用いることによって、装置をさらに軽
量化することができる。したがって、異なる環境下、た
とえば明るい場所、暗い場所でカラー表示部に表示させ
た画像の見え方を確かめるために、画像表示装置を移動
させる場合、画像表示装置の持ち運びが容易となる。ま
た、電子ペーパーは大型化が容易であり、たとえば、大
型の家具などのインテリアを原寸大で表示することが可
能となる。
【0140】図13は、本発明の第7実施形態の画像処
理システムを示すブロック図である。本実施形態の画像
処理システムは、前記第1実施形態の画像処理システム
に加えて、薄型で、電力不要で表示状態を維持し、携帯
可能な記録媒体である電子ペーパーに画像を表示させる
画像出力装置90をさらに含む。図13の画像処理シス
テムで、図1の画像処理システムと同様な構成には同一
の符号を付し、重複する説明を省略する。なお本実施形
態では、画像表示装置2はカラー表示部として、反射型
LCD部24を備えるが、反射型LCD部24に代えて
前記第6実施形態に示した電子ペーパーを用いる構成と
してもよい。画像表示装置2のデータ記憶部22には、
LCD特性データが記憶される。
【0141】本実施形態で画像が表示される電子ペーパ
ーは、上述のように表示される画像の書き換えが可能で
あるが、能動的に表示内容を更新することができず、書
き込み器である画像出力装置90を用いて表示内容の更
新を行なう。つまり、電気泳動表示方式によって表示を
行なう電子ペーパーは、図11(a)に示される電気泳
動表示方式の電子ペーパーの画素電極72および透明電
極75を取り外した構成である。また、ツイストボール
表示方式によって表示を行なう電子ペーパーは、図12
に示されるツイストボール表示方式の電子ペーパーの電
極82および画素電極85を取り外した構成である。本
実施形態で用いられる電子ペーパーは、画像出力装置9
0によって外部から電界の付与が行なわれることで画像
を表示するので、電極を持たない。
【0142】上述した電子ペーパーに画像を表示させる
には、たとえば、複写機などの画像形成装置で用いられ
る、電子写真方式と同様の方法を用いることができる。
しかしながら、電子ペーパーにはトナー像を形成する必
要が無いので、現像工程および定着工程は行なわない。
【0143】図14は、電子ペーパーに画像を表示させ
る画像出力装置90の概略的な構成を示す断面図であ
る。画像出力装置90は、感光体ドラム91、帯電部材
92、露光部材93、対向部材94、クリーニング部材
95、感光体ドラム除電部材96および電子ペーパー除
電部材97を含み構成される。画像出力装置90は、感
光体ドラム91の外周に、帯電部材92、露光部材9
3、クリーニング部材95および感光体ドラム除去部材
96がこの順番で配置されて構成される。
【0144】感光体ドラム91は、円筒形状の基材98
と、この基材98の周上に形成される光導電層99とを
含む。基材98は、たとえばアルミニウムなどから構成
され、光導電層99は、光を照射することによって電気
的特性が変化するOPC(有機光半導体)から構成され
る。
【0145】帯電部材92は、コロナ帯電器、帯電ロー
ラまたは帯電ブラシなどから構成される。コロナ帯電器
は、コロナ放電によって感光体ドラム91の表面を帯電
させる。帯電ローラは、導電性のローラを感光体ドラム
91の表面に接触させ、電流を流すことによって感光体
ドラム91の表面を帯電させる。帯電ブラシは、導電性
のブラシを感光体ドラムの表面に接触させ、電流を流す
ことによって感光体ドラム91の表面を帯電させる帯電
ブラシである。帯電部材92によって、感光体ドラム9
1の表面が均一に帯電される。
【0146】露光部材93は、半導体レーザまたは発光
ダイオードなどからなり、帯電が行なわれた感光体ドラ
ム91の表面に露光を行なう。これによって、感光体ド
ラム91の光導電層99にキャリアが生成され、光を照
射した部分の表面電荷がキャンセルされる。これによっ
て、感光体ドラム91の表面に上に静電潜像が形成され
る。
【0147】対向部材94は、感光体ドラム91に対向
して設けられる円柱状の部材であり、感光体ドラム91
との間に電子ペーパー100を挟持して搬送する。クリ
ーニング部材95は、感光体ドラム91の表面に付着し
た粉塵などを除去する。感光体ドラム除電部材96は、
感光体ドラム91の表面を除電する。電子ペーパー除電
部材97は、電子ペーパー100の表面上の電荷を除去
する。感光体ドラム91および対向部材94は、図14
の紙面に垂直な方向に延びる回転軸を有し、回転軸の端
部は画像出力装置90の機体に回転自在に軸支される。
また、感光体ドラム91の長手方向端部には、歯車など
が設けられ、駆動装置から回転力が伝達される。
【0148】上述のように構成された画像出力装置90
の動作について説明する。まず、感光体ドラム91の表
面が帯電部材92によって均一に帯電される。次に、反
射型LCD部24に表示されている画像情報に基づい
て、露光部材93によって感光体ドラム91の表面を露
光し、静電潜像を形成する。つまり、データ記憶部21
に記憶される81バンドの波長域に関する反射率データ
が、反射率再現変換部23で、データ記憶部22に記憶
される電子ペーパーの特性データを用いて、電子ペーパ
ーの表示特性に応じたRGBもしくはCMYの3色の反
射率データに変換される。そして、この変換された反射
率データに基づき、露光量が調整される。次に、感光体
ドラム91を回転させ、図示しない搬送手段によって矢
符Aの方向に搬送される電子ペーパー100と、表面に
静電潜像が形成された感光体ドラム91とを対向部材9
4によって密着させる。対向部材94を接地しておくこ
とで、電子ペーパー100に適切なバイアス電圧が印加
される。あるいは、対向部材94に直流電圧を印加する
ようにしておいてもよい。これによって、電子ペーパー
100に画像が表示される。最後に、電子ペーパー除電
部材97によって、電子ペーパー100上の電荷を除去
することで、電子ペーパー100に表示された画像が維
持される。
【0149】また、電子ペーパーに画像情報の書き込む
方法としては、電子写真方式のプロセス以外にイオンフ
ロー方式を用いることができる。イオンフロー方式で
は、図14に示す画像出力装置における感光体ドラム9
1の光導電層99の代わりに誘電体材料からなる誘電体
層が設けられ、帯電部材92および露光部材93の代わ
りにイオンを照射して、誘電体層を選択的に帯電させる
イオンフローヘッドが用いられる。イオンフローヘッド
は、イオン発生源と制御電極から構成される。イオンフ
ローヘッドは、イオン発生源で発生したイオンを、制御
電極に設けられた開口部から電子ペーパーに照射する。
制御電極には、画像情報が入力され、イオンの開口部の
通過および非通過を制御することで、静電潜像を形成す
ることができる。また、イオンフロー方式では、電子ペ
ーパーへイオンを照射する書き込み用と消去用のイオン
フローヘッドを用いて、電子ペーパーに直接電荷を付与
するようにしてもよい。
【0150】本実施形態では、電気泳動表示方式および
ツイストボール表示方式の電子ペーパーを用いた場合に
ついて述べたが、強誘電性液晶またはコレステリック液
晶を用いた液晶表示方式、および酸化還元反応に伴う化
学物質の色変化を利用するエレクトロクロミック表示方
式の電子ペーパーを用いてもよい。また、コレステリッ
ク液晶を用い、光を照射することによって抵抗が変換す
る光スイッチング素子から構成され、光と電界によって
表示が行なわれる光書込み方式の電子ペーパーを用いて
もよい。光書込み式の電子ペーパーを用いる場合は、上
記画像出力装置90は光を電子ペーパーに照射して書き
込みを行なう構成とすればよい。
【0151】また、本実施形態の画像処理システムは、
前記第1実施形態の画像処理システムに画像出力装置9
0を加えた構成であるが、図15に示すように第2実施
形態の画像処理システムに画像出力装置90を加えて構
成してもよく、また、図16に示すように、第3実施形
態の画像処理システムに画像出力装置90を加えて構成
してもよい。さらに、第4および第5実施形態の画像処
理システムに画像出力装置を加えた構成としてもよい。
さらに、上述の各構成におけるカラー表示部は、反射型
LCD部24に代えて電子ペーパーを用いてもよい。こ
の場合、データ記憶部22には、上述した電子ペーパー
の表示特性データが記憶される。
【0152】以上のように画像出力装置90を備える画
像処理システムでは、画像の表示に電子ペーパーを用い
ることができるので、複数枚の被写体およびコンピュー
タグラフィックス画像を出力させることができる。した
がって、たとえば、被写体およびコンピュータグラフィ
ックス画像が大きい場合でも、画像を部分的に複数の電
子ペーパーに出力し、前記複数の電子ペーパーをつなぎ
合わせることで表示させることができる。さらに、出力
した画像の持ち運びが容易であり、画像が表示された電
子ペーパーを短時間で複数枚得ることができるので、た
とえば広告媒体として配布を行なうこともできる。
【0153】
【発明の効果】以上詳説したように本発明によれば、カ
ラー表示部における光反射率が被写体の各部位における
反射率とほぼ一致するように制御できる。反射率画像デ
ータは、照明状況に依存せず、被写体の各部位に固有の
反射率を示すデータである。したがって、表示時の照明
特性を測定することなく、カラー表示部はカラー表示部
の照明状況下に被写体を置いて直接見たように表示でき
る。
【0154】また本発明によれば、物体の形状に基づい
てコンピュータグラフィックス画像を生成することがで
き、照明に依存しない素材固有の反射率を示す反射率デ
ータを用いてコンピュータグラフィックス画像をカラー
表示部に表示させることができる。したがって、あたか
もコンピュータグラフィックス画像で作成された物体が
観測環境によって見え方が異なるように、任意の観測環
境での見えるべき表示を行うことができる。
【0155】また本発明によれば、画像入力装置によっ
て撮像される被写体のデータを画像処理システムで作成
されるコンピュータグラフィックス画像に用いることが
できる。したがって、コンピュータグラフィックス画像
を作成する上での自由度が高まる。
【0156】また本発明によれば、画像の表示に電子ペ
ーパーを用いることができるので、装置を軽量化するこ
とができ、持ち運びがさらに容易となるので、異なる照
明環境下に装置を持ち運び、被写体およびコンピュータ
グラフィックス画像の見え方を確かめることが容易とな
る。
【0157】また本発明によれば、画像の表示に電子ペ
ーパーを用いることができるので、複数の被写体を出力
させることができる。したがって、たとえば、被写体が
大きな場合でも、画像を部分的に複数の電子ペーパーに
出力し、前記複数の電子ペーパーをつなぎ合わせること
で表示させることができる。さらに、出力した画像の持
ち運びが容易であり、配布を行なうこともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の画像処理システムを示
すブロック図である。
【図2】本発明の第2実施形態の画像処理システムを示
すブロック図である。
【図3】本発明の第3実施形態の画像処理システムを示
すブロック図である。
【図4】反射型液晶ディスプレイの構成例を示す部分斜
視図である。
【図5】本発明の第4実施形態の画像処理システムを示
すブロック図である。
【図6】本発明の第4実施形態の画像処理システムを示
すブロック図である。
【図7】形状データおよび背景データの一例を示す図で
ある。
【図8】CG画像の作成動作を示すフローチャートであ
る。
【図9】レイトレーシングによる光線の追跡結果を示す
図である。
【図10】本発明の第5実施形態の画像処理システムを
示すブロック図である。
【図11】(a)は電気泳動表示方式の電子ペーパーの
構成例を示す断面図であり、(b)はマイクロカプセル
74の拡大図である。
【図12】ツイストボール表示方式の電子ペーパーの基
本構成を示す断面図である。
【図13】本発明の第7実施形態の画像処理システムを
示すブロック図である。
【図14】画像出力装置90の概略的な構成を示す断面
図である。
【図15】本発明のさらに他の実施形態の画像処理シス
テムを示すブロック図である。
【図16】本発明のさらに他の実施形態の画像処理シス
テムを示すブロック図である。
【符号の説明】 1,51 画像入力装置 2,52 画像表示装置 11 撮像照明ライト 12 光センサ 13 照明光データ処理部 14 カメラ 14a,14c フィルタ 14b 受光素子 15 撮像データバッファ 16,32 分光反射率推定部 20 観測照明ライト 21,22 データ記憶部 23,59 反射率再現変換部 24 反射型カラー液晶ディスプレイ(LCD)部 31 反射率補正部 51 分光測色計 53 色見本サンプル 54 素材サンプル 57 素材分光反射率データ記憶部 58 形状・背景データベース 55 制御部 90 画像出力装置 100 電子ペーパー
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 9/04 H04N 9/04 Z 5C066 9/79 9/64 Z 5C080 // H04N 9/64 9/79 Z Fターム(参考) 2H093 NC28 NC42 NC53 NC62 ND01 ND17 NE01 NE03 NE06 5B069 BA10 BB06 BB18 BC07 BC10 HA08 HA13 5C006 AA22 AF46 BB11 BB28 BC16 FA47 5C055 AA03 BA03 BA06 CA03 CA04 CA07 EA02 EA03 FA02 HA31 HA37 5C065 BB01 BB14 BB30 BB41 CC02 CC03 CC07 CC10 FF02 FF05 5C066 AA11 CA08 EA15 EB02 FA02 HA06 KM01 KM10 KM13 5C080 AA10 BB05 CC03 DD01 DD26 EE19 EE29 EE30 JJ02 JJ06 JJ07

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反射型のカラー表示部と、 カラー表示部について各色の表示特性を記憶する表示特
    性記憶部と、 表示特性記憶部に記憶された表示特性に基づいて、カラ
    ー表示部に表示される被写体の反射率画像データを変換
    する反射率再現変換部とを備えることを特徴とする画像
    表示装置。
  2. 【請求項2】 反射型のカラー表示部と、 前記反射型のカラー表示部の各色の反射率の特性を示す
    表示特性データを記憶する表示特性記憶部と、 コンピュータグラフィックス画像を生成する際に用いら
    れる各素材に対し、素材固有の反射率を示す反射率デー
    タを記憶する反射率データ記憶部と、 物体の形状データに基づいてコンピュータグラフィック
    ス画像を作成し、表示特性データおよび各素材の反射率
    データとに基づいて、反射型のカラー表示部に表示され
    るコンピュータグラフィックス画像の反射率と、前記コ
    ンピュータグラフィックス画像の素材固有の反射率とが
    ほぼ一致するように、コンピュータグラフィックス画像
    の各素材の反射率データを変換して反射型のカラー表示
    部に表示させる反射率再現変換部とを備えることを特徴
    とする画像表示装置。
  3. 【請求項3】 前記反射型のカラー表示部は、薄型で、
    電力不要で表示状態を維持し、携帯可能な情報表示媒体
    で構成されていることを特徴とする請求項1または2記
    載の画像表示装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1つに記載の画
    像表示装置と、 前記画像表示装置の反射型のカラー表示部に表示された
    画像を、薄型で、電力不要で表示状態を維持し、携帯可
    能な記録媒体に出力する画像出力装置とを備えることを
    特徴とする画像処理システム。
  5. 【請求項5】 画像入力装置と、画像表示装置とで構成
    される画像処理システムであって、 前記画像入力装置は、被写体を複数の光周波数バンド別
    に撮像する撮像部と、 照明光および撮像部の入力特性を記憶する入力特性記憶
    部と、 入力特性記憶部に記憶された入力特性に基づいて、光周
    波数バンド別に撮像した画像データを被写体に固有の反
    射率画像データに補正する入力補正部とを備え、 前記画像表示装置は、反射型のカラー表示部と、 カラー表示部について各色の表示特性を記憶する表示特
    性記憶部と、 表示特性記憶部に記憶された表示特性に基づいて、カラ
    ー表示部に表示される前記反射率画像データを変換する
    反射率再現変換部とを備えることを特徴とする画像処理
    システム。
  6. 【請求項6】 画像入力装置と、画像表示装置とで構成
    される画像処理システムであって、 前記画像入力装置は、被写体の各部位において、複数の
    バンドパスフィルタによるマルチバンド撮影で得られる
    画像データを生成する撮像部を備え、 前記画像表示装置は、外光に対する反射率が画素毎に制
    御可能なカラー表示部を備え、 前記画像表示装置は、前記撮像部から伝達された画像デ
    ータに基づいて、各画素の反射率を、各画素に応じた被
    写体の部位における反射率と同様な値に制御することに
    よって、被写体を表示することを特徴とする画像処理シ
    ステム。
  7. 【請求項7】 画像入力装置と、画像表示装置とで構成
    される画像処理システムであって、 画像入力装置は、被写体を複数の光周波数バンド別に撮
    像する撮像部と、 照明光および撮像部の入力特性を記憶する入力特性記憶
    部と、 入力特性記憶部に記憶された入力特性および光周波数バ
    ンド別に撮像した画像データに基づき、照明状況に依存
    しない被写体固有の反射率を有する反射率画像データに
    補正する入力補正部とを備え、 画像表示装置は、反射型のカラー表示部と、 前記反射型のカラー表示部の各色の反射率の特性を示す
    表示特性データを記憶する表示特性記憶部と、 コンピュータグラフィックス画像を生成する際に用いら
    れる各素材に対し、素材固有の反射率を示す反射率デー
    タを記憶する反射率データ記憶部と、 物体の形状データに基づいてコンピュータグラフィック
    ス画像を作成し、表示特性データおよび各素材の反射率
    データとに基づいて、反射型のカラー表示部に表示され
    るコンピュータグラフィックス画像の反射率と、前記コ
    ンピュータグラフィックス画像の素材固有の反射率とが
    ほぼ一致するように、コンピュータグラフィックス画像
    の各素材の反射率データを変換して反射型のカラー表示
    部に表示させ、前記被写体固有の反射率に基づいて被写
    体の反射率画像データを変換して反射型のカラー表示部
    に表示させる反射率再現変換部とを有することを特徴と
    する画像処理システム。
  8. 【請求項8】 入力補正部は、画像データにおける色数
    の次元を増加させ、 反射率再現変換部は、反射率画像データにおける色数の
    次元を減少させることを特徴とする請求項5または7記
    載の画像処理システム。
  9. 【請求項9】 画像表示装置は、画像データにおける色
    数の次元を増加させる手段を有し、 反射率再現変換部は、反射率画像データにおける色数の
    次元を減少させることを特徴とする請求項5または7記
    載の画像処理システム。
  10. 【請求項10】 前記反射型のカラー表示部は、薄型
    で、電力不要で表示状態を維持し、携帯可能な情報表示
    媒体で構成されていることを特徴とする請求項5〜9の
    いずれか1つに記載の画像処理システム。
  11. 【請求項11】 前記画像表示装置のカラー表示部に表
    示された画像を、薄型で、電力不要で表示状態を維持
    し、携帯可能な記録媒体に出力する画像出力装置をさら
    に備えることを特徴とする請求項5〜10のいずれか1
    つに記載の画像処理システム。
  12. 【請求項12】 被写体に固有の情報を記憶する工程
    と、 該情報に基づいて、反射型のカラー液晶ディスプレイを
    構成する液晶セルの光反射率を制御する工程と、 所定の観察光源を用いて、被写体を該ディスプレイ上に
    表示する工程とを含むことを特徴とする画像表示方法。
  13. 【請求項13】 前記情報は、被写体の分光反射率であ
    ることを特徴とする請求項12記載の画像表示方法。
  14. 【請求項14】 前記観察光源は、CIE準拠のA光
    源、B光源、C光源、任意の色温度のD光源、および分
    光測色器による計測によって得られる任意の光源のう
    ち、いずれか1つであることを特徴とする請求項12記
    載の画像表示方法。
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