JP2002214074A - 屈折率分布測定方法 - Google Patents

屈折率分布測定方法

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JP2002214074A
JP2002214074A JP2001012407A JP2001012407A JP2002214074A JP 2002214074 A JP2002214074 A JP 2002214074A JP 2001012407 A JP2001012407 A JP 2001012407A JP 2001012407 A JP2001012407 A JP 2001012407A JP 2002214074 A JP2002214074 A JP 2002214074A
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Hideo Fujii
秀雄 藤井
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Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】膜の厚さ方向の屈折率分布を、高精度に測定す
ることが可能な屈折率分布測定方法を提供すること。 【解決手段】膜厚方向の組成分布データと膜の構成材料
の屈折率データとを用いて計算される第1の光学特性の
計算値P1calと、測定値P1mとを求め、P1ca lとP
mとの差が許容範囲内の値となるように、各材料の屈
折率データを最適化パラメータとして第1の最適化処理
を施し、各材料の屈折率を決定する。このようにして決
定された各材料の屈折率、組成分布データおよび膜厚デ
ータを用いて計算される第2の光学特性の計算値P2
calと、測定値P2mとを求め、P2calとP2mとの差が
許容範囲内の値となるように、膜厚データを最適化パラ
メータとして第2の最適化処理を施し、膜の膜厚を決定
する。前記の最適化処理で決定された各材料の屈折率と
膜厚とを用いて、屈折率分布を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、2種以上の材料で
構成された膜の屈折率分布測定方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、眼鏡レンズやカメラレンズのよう
な光学部品の屈折率を測定する方法として、分光反射率
法、分光透過率法、偏光解析法等が用いられてきた。
【0003】これらの方法では、それぞれに対応する光
学特性(分光反射率、分光透過率、偏光解析値)の測定
値と、計算値とが一致するように、膜屈折率、膜厚を最
適化することにより、屈折率を決定する。均質な膜の屈
折率を決定する場合、前述した方法は非常に有効であ
る。
【0004】一方、厚さ方向に組成が変化する膜に前述
した方法を適用する場合には、膜をその厚さ方向に等分
割し、均一な組成を有する薄膜の積層体であるとみなし
て、各薄膜の屈折率を最適化することにより、屈折率分
布を求めていた。しかしながら、このような方法では、
最適化で収束する可能性のある屈折率分布が多数存在す
る。このため、このような方法で求められた屈折率分布
は、信頼性の低いものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、膜の
厚さ方向の屈折率分布を、より高精度に測定することが
可能な屈折率分布測定方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(9)の本発明により達成される。
【0007】(1) 2種以上の材料で構成され、か
つ、厚さ方向に屈折率が変化する膜について、その厚さ
方向の屈折率分布を測定する方法であって、前記膜の厚
さ方向の組成分布データおよび前記膜を構成する各材料
の屈折率データを初期条件として用いて計算される第1
の光学特性の計算値と、前記第1の光学特性の測定値と
を求め、前記第1の光学特性の前記計算値と、前記第1
の光学特性の前記測定値とを比較し、その差が許容範囲
内の値となるように、前記各材料の前記屈折率データを
最適化パラメータとして、第1の最適化処理を施すこと
により、前記各材料の屈折率を決定し、前記第1の最適
化処理を施すことにより決定された前記各材料の前記屈
折率、前記組成分布データおよび前記膜の膜厚データを
初期条件として用いて計算される第2の光学特性の計算
値と、前記第2の光学特性の測定値とを求め、前記第2
の光学特性の前記計算値と、前記第2の光学特性の前記
測定値とを比較し、その差が許容範囲内の値となるよう
に、前記膜厚データを最適化パラメータとして、第2の
最適化処理を施すことにより、前記膜の膜厚を決定し、
前記第1の最適化処理を施すことにより決定された前記
各材料の前記屈折率と、前記第2の最適化処理を施すこ
とにより決定された前記膜厚とを用いて、屈折率分布を
求めることを特徴とする屈折率分布測定方法。
【0008】これにより、膜の厚さ方向の屈折率分布
を、より高精度に測定することが可能な屈折率分布測定
方法を提供することができる。
【0009】(2) 前記組成分布データは、前記膜を
厚さ方向に等分割する複数の箇所での組成比データより
なるものである上記(1)に記載の屈折率分布測定方
法。
【0010】これにより、屈折率分布の測定精度の向上
が図れ、得られる測定値の信頼性がさらに向上する。
【0011】(3) 前記組成分布データは、前記膜の
製造時における前記各材料の成膜速度データから得られ
たものである上記(1)または(2)に記載の屈折率分
布測定方法。
【0012】これにより、屈折率分布の測定精度の向上
が図れ、得られる測定値の信頼性がさらに向上する。
【0013】(4) 前記組成分布データは、オージェ
電子分光法、X線光電子分光法、2次イオン質量分析か
ら選択される少なくとも一つの方法を用いて得られたも
のである上記(1)または(2)に記載の屈折率分布測
定方法。
【0014】これにより、屈折率分布の測定精度の向上
が図れ、得られる測定値の信頼性がさらに向上する。
【0015】(5) 前記各材料の前記屈折率データ
は、前記各材料のそれぞれについて、実質的に単一の前
記各材料のみで構成された膜の屈折率の測定から得られ
たものである上記(1)ないし(4)のいずれかに記載
の屈折率分布測定方法。
【0016】これにより、屈折率分布の測定精度の向上
が図れ、得られる測定値の信頼性がさらに向上する。
【0017】(6) 前記膜厚データは、前記膜の製造
時における前記各材料の成膜速度データより得られたも
のである上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の屈
折率分布測定方法。これにより、屈折率分布をより効率
良く測定することが可能となる。
【0018】(7) 前記第1の光学特性は、分光反射
率、分光透過率および偏光解析値よりなる群から選択さ
れる少なくとも一つである上記(1)ないし(6)のい
ずれかに記載の屈折率分布測定方法。
【0019】これにより、屈折率分布の測定精度の向上
が図れ、得られる測定値の信頼性がさらに向上する。
【0020】(8) 前記第2の光学特性は、分光反射
率、分光透過率および偏光解析値よりなる群から選択さ
れる少なくとも一つである上記(1)ないし(7)のい
ずれかに記載の屈折率分布測定方法。
【0021】これにより、屈折率分布の測定精度の向上
が図れ、得られる測定値の信頼性がさらに向上する。
【0022】(9) 前記第1の最適化処理および/ま
たは前記第2の最適化処理は、最小二乗法により行うも
のである上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の屈
折率分布測定方法。
【0023】これにより、屈折率分布の測定精度の向上
が図れ、得られる測定値の信頼性がさらに向上する。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の屈折率分布測定方
法を添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明
する。
【0025】本発明は、2種以上の材料で構成され、そ
の厚さ方向に屈折率が変化する膜について、屈折率分布
を測定する方法である。
【0026】以下、本明細書中では、本発明により屈折
率分布を測定される膜は、n種(ただしnは2以上の整
数)の材料(第1の材料、第2の材料、・・・第nの材
料)で構成されたものとして説明する。
【0027】図1および図2は、本発明の屈折率分布測
定方法の一例を示すフローチャートである。以下、この
フローチャートに基づいて説明する。
【0028】まず、屈折率分布の測定を行う膜につい
て、成膜速度データがあるか判断する(ステップS10
1)。
【0029】ステップS101において、成膜速度デー
タがあると判断した場合には、前記成膜速度データを用
いて、膜の厚さ方向の異なる複数の箇所における膜の組
成比データを得、該組成比データから膜の厚さ方向の組
成分布データを作成する(ステップS102)。
【0030】言い換えると、ステップS102では、上
面から深さdの部位における、第1の材料の組成比:Q
1(d)、第2の材料の組成比:Q2(d)、・・・第n
の材料の組成比:Qn(d)を、異なる複数のdについ
て求める。
【0031】一方、膜の成膜速度データがないと判断し
た場合には、膜の厚さ方向の異なる複数の箇所におい
て、組成比分析を行う(ステップS103)。
【0032】ステップS103での組成比分析は、いか
なる方法で行ってもよいが、オージェ電子分光法、X線
光電子分光法、2次イオン質量分析から選択される少な
くとも一つの方法を用いて得られたものであるのが好ま
しい。組成比分析をこのような方法で行うことにより、
各材料の組成比を、特に優れた精度で求めることができ
る。
【0033】さらに、ステップS103の測定で得られ
た結果を基に、膜の厚さ方向の異なる複数の箇所におけ
る組成比データを得、該組成比データから膜の厚さ方向
の組成分布データを作成する(ステップS104)。
【0034】言い換えると、ステップS104では、上
面から深さdの部位における、第1の材料の組成比:Q
1(d)、第2の材料の組成比:Q2(d)、・・・第n
の材料の組成比:Qn(d)を、異なる複数のdについ
て求める。
【0035】前記組成比データは、例えば、膜の厚さ方
向の異なる5箇所以上について求めるのが好ましく、1
0箇所以上について求めるのがより好ましい。これによ
り、膜の厚さ方向の組成比分布を、特に優れた精度で求
めることができ、結果として、膜の厚さ方向の屈折率分
布を精度良く決定することが可能となる。
【0036】また、前記組成比データは、膜の厚さ方向
の異なる複数箇所に関するものであればよいが、膜を等
分割する複数の箇所について求められたものであるのが
好ましい。これにより、膜の厚さ方向の組成比分布を、
特に優れた精度で求めることができ、結果として、膜の
厚さ方向の屈折率分布を精度良く決定することが可能と
なる。
【0037】ステップS102またはステップS104
で得られた組成比データ(組成分布データ)と、膜を構
成する各材料の屈折率データとを用いて、膜の厚さ方向
の各部位での屈折率の値を計算により求める(ステップ
S105)。
【0038】第1の材料、第2の材料、・・・第nの材
料の屈折率を、それぞれ、N1、N2、・・・Nnとした
とき、上面から深さdの部位における膜の屈折率N
(d)は、下記式(I)で表すことができる。
【0039】 N(d)=Q1(d)・N1+Q2(d)・N2+・・・Qn(d)・Nn ・・・(I)
【0040】このとき、膜を構成する各材料の屈折率デ
ータ(N1、N2、・・・Nn)は、実質的にそれぞれに
対応する材料のみで構成された膜(単一組成膜)の屈折
率の測定から得られたものであるのが好ましい。すなわ
ち、N1としては、実質的に第1の材料のみで構成され
た単一組成膜について測定した屈折率を用い、N2とし
ては、実質的に第2の材料のみで構成された単一組成膜
について測定した屈折率を用いるのが好ましい。これに
より、後述する第1の最適化処理を効率良く行うことが
できる。
【0041】次に、前記組成分布データと前記屈折率デ
ータとを用いて、第1の光学特性の計算値P1calを求
める(ステップS106)。
【0042】ステップS106では、膜が均一な厚さを
有する複数の層からなる積層体(多層膜)であるとみな
して、通常の多層膜計算を行うことにより、第1の光学
特性の計算値P1calを求めることができる。
【0043】第1の光学特性としては、例えば、分光反
射率、分光透過率、偏光解析法による偏光解析値等が挙
げられる。
【0044】次に、ステップS106で求めた第1の光
学特性の計算値P1calを、第1の光学特性の測定値P
mと比較し、第1の光学特性の計算値P1calと第1の
光学特性の測定値P1mとの差の絶対値(以下単に、
「P1calとP1mとの差」という。)、およびこのとき
の各材料の屈折率N1、N2、・・・Nnを記憶する(ス
テップS107)。
【0045】PcalとPmとの比較は、いかなる方法で行
ってもよいが、最小二乗法により行うのが好ましい。P
calとP1mとの比較を最小二乗法で行うことにより、
屈折率分布の測定精度の更なる向上が図れ、得られる測
定値の信頼性がさらに向上する。
【0046】次に、P1calとP1mとの差が許容値以下
であるか否かを判断する(ステップS108)。
【0047】ステップS108で、P1calとP1mとの
差が許容値を超えると判断した場合、最適化パラメータ
として、各材料の屈折率の値を変更する(ステップS1
09)。
【0048】ステップS109の後、ステップS105
に戻り、再度、ステップS105〜ステップS108を
実行する。ただし、ステップS107では、新たに求め
られたP1calとP1mとの差が、既に記憶されているP
calとP1mとの差よりも小さい場合についてのみ、新
たに求められたP1calとP1mとの差、およびこのとき
の各材料の屈折率N1、N2、・・・Nnを記憶する。
【0049】このように、本発明は、ステップS105
〜ステップS108およびステップS109において、
P1calとP1mとの差が許容値以下となるように、各材
料の屈折率を変更する点に特徴を有する。言い換える
と、本発明は、各材料の屈折率を最適化パラメータとし
て、第1の最適化処理を施すことに特徴を有する。これ
により、膜の厚さ方向の屈折率分布を高精度に測定する
ことが可能となる。
【0050】そして、ステップS108において、P1
calとP1mとの差が許容値以下であると判断した場合、
最終的にステップS108で記憶されたN1、N2、・・
・N nを各材料の屈折率として決定する(ステップS1
10)。
【0051】次に、ステップS110で決定した各材料
の屈折率と、前記組成分布データと、膜の膜厚データと
を用いて、第2の光学特性の計算値P2calを求める
(ステップS111)。
【0052】ステップS111では、膜が均一な厚さを
有する複数の層からなる積層体(多層膜)であるとみな
して、通常の多層膜計算を行うことにより、第2の光学
特性の計算値P2calを求めることができる。
【0053】第2の光学特性としては、例えば、分光反
射率、分光透過率、偏光解析法による偏光解析値等が挙
げられる。第2の光学特性は、前記第1の光学特性と同
一であってもよいし、異なるものであってもよい。
【0054】また、膜の膜厚データは、例えば、前記成
膜速度データを用いた計算や、光干渉法、触針法、破断
面観察法、重量測定法等の各種測定法により得ることが
できる。
【0055】次に、ステップS111で求めた第2の光
学特性の計算値P2calを、第2の光学特性の測定値P
mと比較し、第2の光学特性の計算値P2calと第2の
光学特性の測定値P2mとの差の絶対値(以下単に、
「P2calとP2mとの差」という。)、およびこのとき
用いた膜厚データを記憶する(ステップS112)。
【0056】P2calとP2mとの比較は、いかなる方法
で行ってもよいが、最小二乗法により行うのが好まし
い。P2calとP2mとの比較を最小二乗法で行うことに
より、屈折率分布の測定精度の更なる向上が図れ、得ら
れる測定値の信頼性がさらに向上する。
【0057】ステップS112での、P2calとP2m
の差が許容値以下であるか否かを判断する(ステップS
113)。
【0058】ステップS113で、P2calとP2mとの
差が許容値を超えると判断した場合、各層の厚さが均一
な比率で変化するように膜厚データを変更する(ステッ
プS114)。
【0059】ステップS114の後、ステップS111
に戻り、再度、ステップS111〜ステップS113を
実行する。ただし、ステップS112では、新たに求め
られたP2calとP2mとの差が、既に記憶されているP
calとP2mとの差よりも小さい場合についてのみ、新
たに求められたP2calとP2mとの差、およびこのとき
の膜厚データを記憶する。
【0060】このように、本発明は、ステップS111
〜ステップS113およびステップS114において、
P2calとP2mとの差が許容値以下となるように、膜厚
データを変更する点に特徴を有する。言い換えると、本
発明は、膜の膜厚データを最適化パラメータとして、第
2の最適化処理を施すことに特徴を有する。これによ
り、膜の厚さ方向の屈折率分布を高精度に測定すること
が可能となる。
【0061】そして、ステップS113において、P2
calとP2mとの差が許容値以下であると判断した場合、
最終的にステップS113で記憶された膜厚データ(最
適化された膜厚データ)を、膜の厚さとして決定する
(ステップS115)。
【0062】以上説明したように、ステップS108で
決定した各材料の屈折率と、ステップS115で決定し
た膜の厚さとを用いて、最適化された屈折率分布が求め
られる(ステップS116)。
【0063】以上、本発明の屈折率分布測定方法につい
て説明したが、本発明は、これに限定されるものではな
い。
【0064】例えば、前述した実施形態では、第1の光
学特性の計算値P1cal、第2の光学特性の計算値P2
calを求める際に、膜が均一な厚さを有する複数の層か
らなる積層体であるとみなして多層膜計算を行うが、P
cal、P2calは、これ以外の方法で求められるもので
あってもよい。多層膜計算は、例えば、膜が異なる厚さ
を有する複数の層の積層体(多層膜)であるものとして
行うものであってもよい。
【0065】
【実施例】次に、本発明の具体的実施例について説明す
る。まず、屈折率分布の測定に用いるサンプル膜を、以
下のようにして製造した。
【0066】[サンプル膜の製造]サンプル膜の製造
は、以下に示すような真空蒸着により行った。
【0067】まず、BK7ガラス基板を真空蒸着装置内
に取付け、真空蒸着装置内を2.0×10-3Paまで排
気(減圧)した。
【0068】その後、真空蒸着装置内に、酸素導入し、
真空蒸着装置内の真空度を3.0×10-1Paとした。
【0069】その後、BK7ガラス基板に、材料とし
て、TiO2(第1の材料)とSiO2(第2の材料)と
を用いて、これらの混合比を傾斜的に組成変化させつ
つ、真空蒸着を行うことにより、サンプル膜を作製し
た。真空蒸着時における基板温度は、200℃であっ
た。
【0070】真空蒸着は、TiO2の成膜速度を2〜8
nm/秒で線形変化させ、SiO2の成膜速度が9nm
/秒でほぼ一定となるような条件で行った。
【0071】成膜時における、経時的な組成変化は、基
板近くに設置したTiO2用水晶振動子およびSiO2
水晶振動子でモニタした。なお、TiO2用水晶振動子
にはSiO2が蒸着されないように、また、SiO2用水
晶振動子にはTiO2が蒸着されないように、TiO2
水晶振動子およびSiO2用水晶振動子を配置した。図
3に、各振動子を用いて測定されたTiO2およびSi
2の成膜速度変化を示す。
【0072】このようにして作製したサンプル膜につい
て、下記実施例1、2、3および比較例1、2に示すよ
うな方法で厚さ方向の屈折率分布を測定した。
【0073】[屈折率分布の測定] (実施例1)図1、図2に示すフローチャートに従い、
以下に示すような方法で、サンプル膜の厚さ方向の屈折
率分布を測定した。
【0074】本実施例では、図3に示す成膜速度データ
を用いて、膜の厚さ方向の組成分布データを作成した。
すなわち、ステップS101で、成膜速度データがある
ものと判断し、ステップS102で、図3に示す成膜速
度データを用いて、組成分布データを作成した。
【0075】ステップS105では、ステップS102
で得られた組成分布データを用いて、膜の厚さ方向の各
部位での屈折率の値を計算により求めた。
【0076】なお、TiO2、SiO2の屈折率データと
しては、それぞれ、TiO2膜(単一組成膜)、SiO2
膜(単一組成膜)について測定した屈折率を用いた。測
定により得られたTiO2膜の屈折率(N1)は2.3、
SiO2膜の屈折率(N2)は1.44であった。
【0077】また、サンプル膜の膜厚データは、各材料
(TiO2およびSiO2)の成膜速度と蒸着時間とを積
算することにより得た。成膜速度と蒸着時間との積算に
より求められたサンプル膜の膜厚(膜厚データ)は、約
300nmであった。
【0078】このサンプル膜を、厚さ方向に23等分さ
れた厚さ約13nmの層の積層体(多層膜)とみなし、
前記組成分布データと前記屈折率データとを用いて、通
常の多層膜計算を行うことにより、分光反射率(第1の
光学特性)の計算値P1calを求めた(ステップS10
6)。
【0079】ステップS106で求めた分光反射率の計
算値P1calと、分光反射率の測定値P1mとを最小二乗
法により比較し、P1calとP1mとの差、およびこのと
きのTiO2の屈折率(N1)、SiO2の屈折率(N2
を記憶した(ステップS107)。
【0080】その後、P1calとP1mとの差が許容値以
下となるように、第1の最適化処理を施した。すなわ
ち、ステップS108において、P1calとP1mとの差
が許容値を超えると判断した後、ステップS109でN
、Nの値を変化させ、再度、ステップS105〜ス
テップS108を実行し、P1calとP1mとの差が許容
値以下となるように、ステップS109、ステップS1
05〜ステップS108を繰り返し実行した。ただし、
ステップS107では、新たに求められたP1ca lとP
mとの差が、既に記憶されているP1calとP1mとの
差よりも小さい場合についてのみ、新たに求められたP
calとP1mとの差、およびこのときのTiO2の屈折
率(N1)、SiO2の屈折率(N2)を記憶した。
【0081】ステップS108で、P1calとP1mとの
差が許容値以下であると判断したときのN1、N2を、そ
れぞれ、TiO2の屈折率、SiO2の屈折率として決定
した(ステップS110)。
【0082】次に、ステップS110で決定したTiO
2、SiO2の屈折率と、前記組成分布データと、前記膜
厚データとを用いて、通常の多層膜計算により、分光反
射率(第2の光学特性)の計算値P2calを求めた(ス
テップS111)。すなわち、本実施例では、第1の光
学特性および第2の光学特性には、同一の光学特性を用
いた。
【0083】なお、多層膜計算は、サンプル膜を、厚さ
方向に23等分された厚さ約13nmの層の積層体(多
層膜)とみなして行った。
【0084】ステップS111で求めた分光反射率の計
算値P2calと、分光反射率の測定値P2mとを最小二乗
法により比較し、P2calとP2mとの差、およびこのと
きのサンプル膜の膜厚を記憶した(ステップS11
2)。
【0085】その後、P2calとP2mとの差が許容値以
下となるように、第2の最適化処理を施した。すなわ
ち、ステップS113において、P2calとP2mとの差
が許容値を超えると判断した後、ステップS114でN
、Nの値を変化させ、再度、ステップS111〜ス
テップS113を実行し、P2calとP2mとの差が許容
値以下となるように、ステップS114、ステップS1
11〜ステップS113を繰り返し実行した。ただし、
ステップS112では、新たに求められたP2ca lとP
mとの差が、既に記憶されているP2calとP2mとの
差よりも小さい場合についてのみ、新たに求められたP
calとP2mとの差、およびこのときの膜厚データを記
憶した。
【0086】ステップS113で、P2calとP2mとの
差が許容値以下であると判断したとき、最終的にステッ
プS113で記憶された膜厚データを膜の厚さとして決
定した。図5に、分光反射率の測定値P2mと、第2の
最適化処理を施した後の分光反射率の計算値P2cal
を示す。
【0087】ステップS108で決定した各材料の屈折
率と、ステップS115で決定したサンプル膜の膜厚と
を用いて、最適化された屈折率分布を求めた(ステップ
S116)。以上のようにして求められた屈折率分布を
図9に細線で示す。
【0088】(実施例2)図1、図2に示すフローチャ
ートに従い、以下に示すような方法で、サンプル膜の厚
さ方向の屈折率分布を測定した。
【0089】本実施例では、まず、オージェ電子分光法
を用いて、サンプル膜を厚さ方向に等分割する23箇所
における、TiO2とSiO2との組成比データを得、該
組成比データから組成分布データを作成した。すなわ
ち、ステップS101で、成膜速度データがないものと
判断し、ステップS103で、サンプル膜を厚さ方向に
等分割する23箇所における組成比データを得、ステッ
プS104で、前記組成比データを基に組成分布データ
を作成した。得られた組成分布データを図4に示す。
【0090】ステップS105では、ステップS104
で得られた組成分布データを用いて、膜の厚さ方向の各
部位での屈折率の値を計算により求めた。
【0091】なお、TiO2、SiO2の屈折率データと
しては、それぞれ、TiO2膜(単一組成膜)、SiO2
膜(単一組成膜)について測定した屈折率を用いた。測
定により得られたTiO2膜の屈折率(N1)は2.3、
SiO2膜の屈折率(N2)は1.44であった。
【0092】また、サンプル膜の膜厚データは、各材料
(TiO2およびSiO2)の成膜速度と蒸着時間とを積
算することにより得た。成膜速度と蒸着時間との積算に
より求められたサンプル膜の膜厚(膜厚データ)は、約
300nmであった。
【0093】このサンプル膜を、厚さ方向に23等分さ
れた厚さ約13nmの層の積層体(多層膜)とみなし、
前記組成分布データと前記屈折率データとを用いて、通
常の多層膜計算を行うことにより、分光透過率(第1の
光学特性)の計算値P1calを求めた(ステップS10
6)。
【0094】ステップS106で求めた分光透過率の計
算値P1calと、分光反射率の測定値P1mとを最小二乗
法により比較し、P1calとP1mとの差、およびこのと
きのTiO2の屈折率(N1)、SiO2の屈折率(N2
を記憶した(ステップS107)。
【0095】その後、P1calとP1mとの差が許容値以
下となるように、第1の最適化処理を施した。すなわ
ち、ステップS108において、P1calとP1mとの差
が許容値を超えると判断した後、ステップS109でN
1、N2の値を変化させ、再度、ステップS105〜ステ
ップS108を実行し、P1calとP1mとの差が許容値
以下となるように、ステップS109、ステップS10
5〜ステップS108を繰り返し実行した。ただし、ス
テップS107では、新たに求められたP1calとP1m
との差が、既に記憶されているP1calとP1mとの差よ
りも小さい場合についてのみ、新たに求められたP1
calとP1mとの差、およびこのときのTiO2の屈折率
(N1)、SiO2の屈折率(N2)を記憶した。
【0096】ステップS108で、P1calとP1mとの
差が許容値以下であると判断したときのN1、N2を、そ
れぞれ、TiO2の屈折率、SiO2の屈折率として決定
した(ステップS110)。
【0097】次に、ステップS110で決定したTiO
2、SiO2の屈折率と、前記組成分布データと、前記膜
厚データとを用いて、通常の多層膜計算により、分光反
射率(第2の光学特性)の計算値P2calを求めた(ス
テップS111)。すなわち、本実施例では、第1の光
学特性および第2の光学特性には、同一の光学特性を用
いた。
【0098】なお、多層膜計算は、サンプル膜を、厚さ
方向に23等分された厚さ約13nmの層の積層体(多
層膜)とみなして行った。
【0099】ステップS111で求めた分光透過率の計
算値P2calと、分光透過率の測定値P2mとを最小二乗
法により比較し、P2calとP2mとの差、およびこのと
きのサンプル膜の膜厚を記憶した(ステップS11
2)。
【0100】その後、P2calとP2mとの差が許容値以
下となるように、第2の最適化処理を施した。すなわ
ち、ステップS113において、P2calとP2mとの差
が許容値を超えると判断した後、ステップS114でN
、Nの値を変化させ、再度、ステップS111〜ス
テップS113を実行し、P2calとP2mとの差が許容
値以下となるように、ステップS114、ステップS1
11〜ステップS113を繰り返し実行した。ただし、
ステップS112では、新たに求められたP2ca lとP
mとの差が、既に記憶されているP2calとP2mとの
差よりも小さい場合についてのみ、新たに求められたP
calとP2mとの差、およびこのときの膜厚データを記
憶した。
【0101】ステップS113で、P2calとP2mとの
差が許容値以下であると判断したとき、最終的にステッ
プS113で記憶された膜厚データを膜の厚さとして決
定した。図6に、分光透過率の測定値P2mと、第2の
最適化処理を施した後の分光透過率の計算値P2cal
を示す。
【0102】ステップS108で決定した各材料の屈折
率と、ステップS115で決定したサンプル膜の膜厚と
を用いて、最適化された屈折率分布を求めた(ステップ
S116)。以上のようにして求められた屈折率分布を
図9に太線で示す。
【0103】(実施例3)第1の光学特性、第2の光学
特性として、いずれも偏光解析値(Ψ、Δ)を用いた以
外は、前記実施例2と同様にしてサンプル膜の厚さ方向
の屈折率分布を求めた。
【0104】図7に、偏光解析値Ψの測定値と、第2の
最適化処理を施した後の偏光解析値Ψの計算値とを示
す。また、図8に、偏光解析値Δの測定値と、第2の最
適化処理を施した後の偏光解析値Δの計算値とを示す。
以上のようにして求められた屈折率分布を図9に破線で
示す。
【0105】(比較例1)以下に示すような方法で、サ
ンプル膜の厚さ方向の屈折率分布を求めた。
【0106】まず、図3に示す成膜速度データを用い
て、膜の厚さ方向の組成分布データを作成した。
【0107】前記組成分布データを用いて、膜の厚さ方
向の各部位での屈折率の値を計算により求めた。
【0108】なお、TiO2、SiO2の屈折率データと
しては、それぞれ、TiO2膜(純物質膜)、SiO2
(純物質膜)について測定した屈折率を用いた。測定に
より得られたTiO2膜の屈折率(N1)は2.3、Si
2膜の屈折率(N2)は1.44であった。
【0109】サンプル膜の膜厚データは、各材料(Ti
2およびSiO2)の成膜速度と蒸着時間とを積算する
ことにより得た。成膜速度と蒸着時間との積算により求
められたサンプル膜の膜厚(膜厚データ)は、約300
nmであった。
【0110】このサンプル膜を、厚さ方向に23等分さ
れた厚さ約13nmの層の積層体(多層膜)とみなし、
前記組成分布データと前記屈折率データとを用いて、通
常の多層膜計算を行うことにより、分光反射率の計算値
を求めた。
【0111】以上のようにして求められた分光反射率の
計算値と、分光反射率の測定値とを図10に示す。ま
た、組成分布データと屈折率データとを用いて求められ
た屈折率分布の計算値を図11に破線で示す。
【0112】(比較例2)以下に示すような方法で、サ
ンプル膜の厚さ方向の屈折率分布を求めた。
【0113】まず、サンプル膜の膜厚を、5μm程度の
ダイヤモンド触針で表面の膜と基板境界をなぞり、その
高さ変化を拡大して測定する触針法により求めた。測定
により求められたサンプル膜の膜厚は、約300nmで
あった。
【0114】このサンプル膜を、厚さ方向に23等分さ
れた厚さ約13nmの層の積層体(多層膜)とみなし、
通常の多層膜計算により、分光反射率の計算値を求め
た。このようにして求められた分光反射率の計算値と、
分光反射率の測定値とが一致するように、各層の屈折率
を1.44〜2.3の範囲で変化させた。
【0115】以上のようにして求められた分光反射率の
計算値と、分光反射率の測定値とを図10に示す。ま
た、計算により求められた屈折率分布を図11に破線で
示す。
【0116】[評価]図5〜図8から明らかなように、
実施例1〜実施例3では、第1の最適化処理および第2
の最適化処理を施すことにより、光学特性(分光反射
率、分光透過率、分光偏光解析値)の計算値と測定値と
の差は、非常に小さくなっている。
【0117】また、図9から明らかなように、実施例1
〜実施例3で求められた屈折率分布は、互いに良く一致
しており、本発明においては、高精度に屈折率分布が測
定され、得られた測定値が信頼性の高いものとなる。
【0118】これに対し、比較例1、比較例2では、図
10、図11に示すように、精度が低く、信頼性の低い
測定結果しか得られなかった。
【0119】すなわち、比較例1では、計算に求められ
た分光反射率の値と、分光反射率の測定値との差が非常
に大きくなっている(図10参照)。また、屈折率分布
についても、実施例1、実施例2、実施例3で得られた
結果に比べ、全体的に高くなっており、精度の低い結果
しか得られていない(図11参照)。
【0120】また、比較例2では、分光反射率の計算値
については、測定値とよく一致しているが、屈折率分布
については、オージェ電子分光法の組成分析の結果との
整合性がとれていない。このことから、求められた屈折
率分布は、精度が低く、信頼性の低いものであることが
分かる。
【0121】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の屈折率分布
測定方法によれば、膜の厚さ方向の屈折率分布を、より
信頼性の高いデータとして得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の屈折率分布測定方法を示すフローチャ
ートである。
【図2】本発明の屈折率分布測定方法を示すフローチャ
ートである。
【図3】実施例で屈折率分布の測定に用いた薄膜の成膜
速度データを示すグラフである。
【図4】実施例で屈折率分布の測定に用いた薄膜につい
て、オージェ電子分光法により測定したTiO2とSi
2との組成分布を示すグラフである。
【図5】実施例1で求められた分光反射率の計算値と、
分光反射率の測定値とを示すグラフである。
【図6】実施例2で求められた分光透過率の計算値と、
分光透過率の測定値とを示すグラフである。
【図7】実施例3で求められた偏光解析値Ψの計算値
と、偏光解析値Ψの測定値とを示すグラフである。
【図8】実施例3で求められた偏光解析値Δの計算値
と、偏光解析値Δの測定値とを示すグラフである。
【図9】実施例1、2、3で求められた屈折率分布を示
すグラフである。
【図10】比較例1、2で求められた偏光反射率の計算
値と、偏光反射率の測定値とを示すグラフである。
【図11】比較例1、2で求められた屈折率分布を示す
グラフである。
【符号の説明】
S101〜S116 ステップ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年10月22日(2001.10.
22)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0094
【補正方法】変更
【補正内容】
【0094】ステップS106で求めた分光透過率の計
算値P1calと、分光透過率の測定値P1mとを最小二乗
法により比較し、P1calとP1mとの差、およびこのと
きのTiO2の屈折率(N1)、SiO2の屈折率(N2
を記憶した(ステップS107)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0097
【補正方法】変更
【補正内容】
【0097】次に、ステップS110で決定したTiO
2、SiO2の屈折率と、前記組成分布データと、前記膜
厚データとを用いて、通常の多層膜計算により、分光透
過率(第2の光学特性)の計算値P2calを求めた(ス
テップS111)。すなわち、本実施例では、第1の光
学特性および第2の光学特性には、同一の光学特性を用
いた。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0111
【補正方法】変更
【補正内容】
【0111】以上のようにして求められた分光反射率の
計算値と、分光反射率の測定値とを図10に太線と実線
で示す。また、組成分布データと屈折率データとを用い
て求められた屈折率分布の計算値を図11に実線で示
す。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0115
【補正方法】変更
【補正内容】
【0115】以上のようにして求められた分光反射率の
計算値と、分光反射率の測定値とを図10に太線と破線
で示す。また、計算により求められた屈折率分布を図1
1に破線で示す。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2種以上の材料で構成され、かつ、厚さ
    方向に屈折率が変化する膜について、その厚さ方向の屈
    折率分布を測定する方法であって、 前記膜の厚さ方向の組成分布データおよび前記膜を構成
    する各材料の屈折率データを初期条件として用いて計算
    される第1の光学特性の計算値と、前記第1の光学特性
    の測定値とを求め、 前記第1の光学特性の前記計算値と、前記第1の光学特
    性の前記測定値とを比較し、その差が許容範囲内の値と
    なるように、前記各材料の前記屈折率データを最適化パ
    ラメータとして、第1の最適化処理を施すことにより、
    前記各材料の屈折率を決定し、 前記第1の最適化処理を施すことにより決定された前記
    各材料の前記屈折率、前記組成分布データおよび前記膜
    の膜厚データを初期条件として用いて計算される第2の
    光学特性の計算値と、前記第2の光学特性の測定値とを
    求め、 前記第2の光学特性の前記計算値と、前記第2の光学特
    性の前記測定値とを比較し、その差が許容範囲内の値と
    なるように、前記膜厚データを最適化パラメータとし
    て、第2の最適化処理を施すことにより、前記膜の膜厚
    を決定し、 前記第1の最適化処理を施すことにより決定された前記
    各材料の前記屈折率と、前記第2の最適化処理を施すこ
    とにより決定された前記膜厚とを用いて、屈折率分布を
    求めることを特徴とする屈折率分布測定方法。
  2. 【請求項2】 前記組成分布データは、前記膜を厚さ方
    向に等分割する複数の箇所での組成比データよりなるも
    のである請求項1に記載の屈折率分布測定方法。
  3. 【請求項3】 前記組成分布データは、前記膜の製造時
    における前記各材料の成膜速度データから得られたもの
    である請求項1または2に記載の屈折率分布測定方法。
  4. 【請求項4】 前記組成分布データは、オージェ電子分
    光法、X線光電子分光法、2次イオン質量分析から選択
    される少なくとも一つの方法を用いて得られたものであ
    る請求項1または2に記載の屈折率分布測定方法。
  5. 【請求項5】 前記各材料の前記屈折率データは、前記
    各材料のそれぞれについて、実質的に単一の前記各材料
    のみで構成された膜の屈折率の測定から得られたもので
    ある請求項1ないし4のいずれかに記載の屈折率分布測
    定方法。
  6. 【請求項6】 前記膜厚データは、前記膜の製造時にお
    ける前記各材料の成膜速度データより得られたものであ
    る請求項1ないし5のいずれかに記載の屈折率分布測定
    方法。
  7. 【請求項7】 前記第1の光学特性は、分光反射率、分
    光透過率および偏光解析値よりなる群から選択される少
    なくとも一つである請求項1ないし6のいずれかに記載
    の屈折率分布測定方法。
  8. 【請求項8】 前記第2の光学特性は、分光反射率、分
    光透過率および偏光解析値よりなる群から選択される少
    なくとも一つである請求項1ないし7のいずれかに記載
    の屈折率分布測定方法。
  9. 【請求項9】 前記第1の最適化処理および/または前
    記第2の最適化処理は、最小二乗法により行うものであ
    る請求項1ないし8のいずれかに記載の屈折率分布測定
    方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7271901B2 (en) 2001-05-22 2007-09-18 Horiba, Ltd. Thin-film characteristic measuring method using spectroellipsometer
JP2008122206A (ja) * 2006-11-10 2008-05-29 Tokyo Electron Ltd 光学定数算出方法及び基板処理システム
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