JP2002209862A - 体調判定装置及び身体状態判定装置 - Google Patents

体調判定装置及び身体状態判定装置

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JP2002209862A
JP2002209862A JP2001011498A JP2001011498A JP2002209862A JP 2002209862 A JP2002209862 A JP 2002209862A JP 2001011498 A JP2001011498 A JP 2001011498A JP 2001011498 A JP2001011498 A JP 2001011498A JP 2002209862 A JP2002209862 A JP 2002209862A
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blood flow
physiological
frequency
skin blood
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JP2001011498A
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English (en)
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Hideyuki Koe
秀之 向江
Miyo Mochizuki
美代 望月
Tetsuo Kurahashi
哲郎 倉橋
Yosuke Taniguchi
洋介 谷口
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Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
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  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被験者に負担を与えることなく、容易かつ短
時間で精度よく体調を判定する。 【解決手段】 生理量測定部1は、例えばレーザ式血流
計からなり、人体の皮膚に向けて特定周波数のレーザ光
を照射し、この反射光の強度に基づいて皮膚血管内を流
れる血液流量を測定する。生理量解析部2は、生理量測
定部1で測定された皮膚血流量の時系列データに対して
高速フーリエ変換を施して、皮膚血流量の変化の周波数
成分を解析する。体調判定部3は、生理量解析部2で周
波数解析された皮膚血流量の固有周期成分が皮膚血流量
全体に占める割合を計算し、その割合が所定の閾値より
大きいときは体調が良好であると判定し、その割合が所
定の閾値以下であるときは体調不良であると判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、体調判定装置及び
身体状態判定装置に係り、特に人体の生理量から体調を
判定する体調判定装置、及び身体の総合的な状態を判定
する身体状態判定装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
人体の生理量や生体リズムを検出し、この検出結果に基
づいて人体の体調を判定する様々な発明が提案されてい
る。
【0003】例えば、特開平9−201343号公報で
は、人体の皮膚血流量等の時間変化を測定し、この測定
結果に基づいて覚醒状態であるか睡眠状態であるかを検
出する覚醒状態及び睡眠深度の検出方法(以下「従来技
術1」という。)が提案されている。従来技術1は、皮
膚血流のピーク周波数、特に皮膚血流の変動に含まれる
呼吸に付随する変動成分が通常時では0.3Hz前後で
あるが睡眠時では大きく変化することに着目し、睡眠−
覚醒状態の検出を行っている。しかし、従来技術1は、
睡眠−覚醒状態の検出には有効であるが、体調が良好で
あるかを検出することは不可能である。
【0004】特開平5−3920号公報では、被験者の
生体リズム曲線を測定し、その測定評価に応じて最適な
刺激を生体に与えて効果的に生体リズムを調整する生体
リズム調整装置(以下「従来技術2」という。)が提案
されている。また、特開平5−103837号公報で
は、生体情報を計測して生体の状態を推定し、これに基
づいて生体に刺激もしくは信号を与えることによって、
生体状態の調節又は生体状態への適応を自動的に行う生
体状態調節装置(以下「従来技術3」という。)が提案
されている。しかし、従来技術2及び従来技術3は、2
4時間周期の生体リズムを検出しているので、人体の直
腸温や鼓膜温などの長時間の温度計測が必要であり、痛
みや不快感を伴う問題がある。
【0005】さらに、特開平4−367653号公報で
は、日常的な作業場面において被験者に苦痛を与えず、
作業行動に支障を生じさせることなく、非侵襲的に生体
の活性度をモニターする生体活性度モニターシステム
(以下「従来技術4」という。)が提案されている。し
かし、従来技術4は、身体の活性度を24時間周期の生
体リズム及び数分から数時間周期の生体リズムの変化を
検出して身体の覚醒度を検出しているが、身体の状態が
良好であるかの検出をすることができない問題がある。
【0006】本発明は、上述した課題を解決するために
提案されたものであり、被験者に負担を与えることな
く、容易かつ短時間で精度よく体調を判定することがで
きる体調判定装置、及び身体の総合的な状態を判定する
身体状態判定装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、人がリ
ラックスすると生理量の固有周期成分が増加し、人がス
トレスを感じると生理量の固有周期成分が減少すること
を見出し、この性質を利用して以下の発明を完成した。
【0008】請求項1記載の発明は、人体の生理量を測
定する生理量測定手段と、前記生理量測定手段で測定さ
れた生理量の時系列データの固有周期成分に基づいて、
人体の体調を判定する体調判定手段と、により構成され
ている。
【0009】生理量の時系列データの固有周期成分は、
人がリラックスしていたりストレスを受けていると、当
人自身がその状態を意識していなくても、その状態に応
じて変動する。そこで、生理量の時系列データの固有周
期成分に基づいて、人が意識できるような体調に限ら
ず、人が意識しにくいような体調までも判定することが
できる。また、前記固有周期は個人差が少ないため、個
人個人のデータベースを作ることなく、正確に体調を判
定することができる。
【0010】さらに、請求項2記載の発明のように、前
記生理量測定手段で測定された生理量の時系列データの
周波数解析を行い、周波数解析済みのデータを前記体調
判定手段に出力する周波数解析手段を更に備えてもよ
い。生理量の時系列データの周波数解析を行うことによ
って、生理量の時系列データの周波数の特徴を抽出し、
体調の判定を容易に行うことができる。
【0011】請求項2記載の発明において、前記体調判
定手段は、前記周波数解析手段で周波数解析された生理
量の固有周期成分の全体成分に対する割合が所定の閾値
を超えているときは体調が良好であると判定し、前記割
合が所定の閾値を超えていないときは体調が不良である
と判定してもよい。
【0012】請求項2記載の発明において、前記周波数
解析手段は、生理量の固有周期区間のピークを検出し、
前記体調判定手段は、前記周波数解析手段により検出さ
れたピークの高さが所定の閾値を超えているときは体調
が良好であると判定し、前記周波数解析手段により検出
されたピークの高さが所定の閾値を超えていないときは
体調が不良であると判定してもよい。
【0013】請求項2記載の発明において、前記周波数
解析手段は、生理量の固有周期成分を抽出し、前記体調
判定手段は、前記周波数解析手段により抽出された固有
周期成分の振幅が所定の閾値を超えているときは体調が
良好であると判定し、前記固有周期成分の振幅が所定の
閾値を超えていないときは体調が不良であると判定して
もよい。
【0014】請求項2記載の発明において、前記周波数
解析手段は、生理量の固有周期成分を抽出し、前記体調
判定手段は、前記周波数解析手段により抽出された固有
周期成分の分散値を算出し、前記分散値が所定の閾値を
超えているときは体調が良好であると判定し、前記分散
値が所定の閾値を超えていないときは体調が不良である
と判定してもよい。
【0015】請求項2記載の発明において、前記周波数
解析手段は、生理量の固有周期成分を抽出し、前記体調
判定手段は、前記周波数解析手段により抽出された固有
周期成分の規則性を算出し、規則性があるときは体調が
良好であると判定し、規則性がないときは体調が不良で
あると判定してもよい。
【0016】ここで、前記生理量としては、皮膚血流量
あるいは皮膚血流量に関する生理量であるのが好まし
い。このとき、前記皮膚血流量の固有周期成分は、0.
1Hzから0.2Hzにすればよい。
【0017】また、前記生理量としては、胃電位あるい
は胃電位に関する生理量であるのが好ましい。このと
き、前記胃電位の固有周期成分は、0.03Hzから
0.07Hzにすればよい。
【0018】さらに、前記生理量としては、皮膚温ある
いは皮膚温に関する生理量であるのが好ましい。このと
き、前記皮膚温の固有周期成分は、0.03Hzから
0.1Hzにすればよい。
【0019】生理量としては、その他、心拍、血圧、脈
波、皮膚電位、呼吸、発汗、脳波等を用いることができ
る。
【0020】請求項3記載の発明は、体調を判定する請
求項1または2項記載の体調判定装置と、自律神経の活
動を測定する自律神経測定手段と、前記自律神経測定手
段の測定結果に基づいて、自律神経の活動状態を判定す
る自律神経活動判定手段と、前記体調判定装置及び前記
自律神経活動判定手段の判定結果に基づいて、身体の状
態を判定する身体状態判定手段と、により構成されてい
る。
【0021】自律神経活動判定手段は、自律神経測定手
段の測定結果から自律神経の活動状態、つまり被験者の
ストレスの状態を判定する。このとき、判定されるスト
レスは、いいストレスと悪いストレスがある。また、ス
トレスがない場合であっても、リラックスした状態と脱
力した状態の両方がある。そこで、体調判定手段は、ス
トレスの有無に関わらず、現在の体調を判定する。これ
により、身体状態判定手段は、いいストレスと悪いスト
レス、リラックスした状態と脱力した状態をそれぞれ区
別して、身体の総合的な状態を判定することができる。
【0022】なお、自律神経活動判定手段は、自律神経
測定手段の測定結果に基づいて判定を行っているが、生
理量測定手段で測定された生理量を用いて自律神経の活
動状態を判定してもよい。つまり、生理量測定手段と自
律神経測定手段を共通にしてもよい。これにより、装置
構成の小型化を図ることができる
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら詳細に説明する。
【0024】[第1の実施の形態]本発明の第1の実施
の形態に係る体調判定装置は、生体量として皮膚下の血
液の流量(皮膚血流量)を用いて人体の体調を判定する
ものであり、図1に示すように、皮膚血流量を測定する
生理量測定部1と、皮膚血流量の周波数解析を行う生理
量解析部2と、周波数解析された皮膚血流量に基づいて
人体の体調を判定する体調判定部3と、体調の判定結果
を出力する判定結果出力部4とを備えている。
【0025】生理量測定部1は、例えばレーザ式血流計
からなり、人体の皮膚に向けて特定周波数のレーザ光を
照射し、この反射光の強度に基づいて皮膚血管内を流れ
る血液流量を測定する。
【0026】図2は、生理量測定部1で測定された皮膚
血流量の波形図である。被験者は39歳の男性である。
図2(A)は被験者に対して10℃で低温暴露して15
分経過した場合(高ストレスを与えた場合)、図2
(B)は椅座位で安静にしている場合(普通の場合)、
図2(C)はリラックスする刺激を与えた場合(体調良
好の場合)の波形図である。
【0027】生理量解析部2は、生理量測定部1で測定
された皮膚血流量の時系列データに対して高速フーリエ
変換(FFT:Fast Fourier Transform)を施して、皮
膚血流量の変化の周波数成分を解析する。
【0028】図3は、生理量解析部2で周波数解析され
たときの皮膚血流量のパワースペクトルである。図3
(A)は被験者に対して10℃で低温暴露して15分経
過した場合、図3(B)は椅座位で安静にしている場
合、図3(C)はリラックスする刺激を与えた場合のパ
ワースペクトルである。
【0029】体調判定部3は、生理量解析部2で周波数
解析された皮膚血流量の固有周期成分(0.1Hz〜
0.2Hz)が皮膚血流量全体に占める割合を計算し、
その割合が所定の閾値より大きいときは体調が良好であ
ると判定し、その割合が所定の閾値以下であるときは体
調不良であると判定する。すなわち、体調判定部3は、
生理量解析部2により周波数解析された皮膚血流量のパ
ワースペクトルのピーク位置が固有周期に近づくほど、
体調が良好であると判定する。
【0030】例えば図3(A)に示すように、被験者に
10℃の低温暴露を行った場合、皮膚血流の変動周波数
のピーク値は0.05Hz付近に現れる。また、図3
(B)に示すように、被験者が安静にしている場合で
は、皮膚血流の変動の周波数ピーク値は0.08Hz付
近に現れる。さらに、図3(C)に示すように、被験者
がリラックスして体調が良好な場合では、皮膚血流の変
動の周波数ピーク値は0.12Hz付近に現れる。この
ように、被験者の体調がよくなるに従って、皮膚血流量
の周波数ピーク値は固有周期に近づいている。このよう
に、皮膚血流量は、心拍の変動に由来する成分とは異な
った、皮膚血流量固有の周期成分を有している。
【0031】判定結果出力部4は、体調判定部3の判定
結果のデータを例えば出力端子を介して外部に出力した
り、判定結果のデータに基づいてモニタ出力する。
【0032】以上のように、体調判定装置は、人体から
時系列的な生理量を測定し、測定された生理量とその生
理量の固有周期との関係に基づいて、体調を判定するこ
とができる。また、皮膚血流量などの生理量の固有周期
は個人差が少ないため、個人個人のデータベースを作る
ことなく、正確に体調を判定することができる。
【0033】なお、上述した説明では、閾値を1つ設け
た場合について説明したが、閾値を複数設けてもよい。
これにより、体調判定装置は、被験者の体調の状態を段
階的に判定することができる。
【0034】また、体調判定装置は、皮膚血流量のピー
クの高さに基づいて体調を判定することもできる。具体
的には、生理量解析部2は、周波数解析によって皮膚血
流量の固有周期区間でピークを検出すればよい。このと
き、体調判定部3は、生理量解析部2で検出されたピー
クの高さと所定の閾値とを比較し、ピークの高さが所定
の閾値を超えているときは被験者の体調が良好であると
判定し、ピークの高さが所定の閾値を超えていないとき
は被験者の体調不良であると判定すればよい。
【0035】さらに、体調判定装置は、皮膚血流量の振
幅の大きさに基づいて体調を判定することもできる。具
体的には、生理量解析部2は、周波数フィルタ(CDM
法やウエーブレット解析を含む。)によって所定の固有
周波数成分のみを抽出すればよい。このとき、体調判定
部3は、生理量解析部2によって抽出された波形の振幅
の大きさと所定の閾値とを比較し、振幅の大きさが所定
の閾値を超えているときは被験者の体調が良好であると
判定し、ピーク値が所定の閾値を超えていないときは被
験者の体調不良であると判定すればよい。
【0036】また、体調判定装置は、体調が良好である
ときは皮膚血流量にばらつきがあることを考慮して、皮
膚血流量のばらつきに基づいて被験者の体調を判定する
こともできる。具体的には、生理量解析部2は、周波数
フィルタによって所定の固有周波数成分のみを抽出すれ
ばよい。このとき、体調判定部3は、統計的手法やロー
レンツプロット等により、生理量解析部2によって抽出
されたデータの分散値を算出する。そして、体調判定部
3は、分散値と所定の閾値とを比較し、分散値が所定の
閾値を超えているときは被験者の体調が良好であると判
定し、分散値が所定の閾値を超えていないときは被験者
の体調不良であると判定すればよい。
【0037】体調判定装置は、体調が良好であるときは
皮膚血流量に規則性があることを考慮して、皮膚血流量
の規則性に基づいて被験者の体調を判定することもでき
る。具体的には、生理量解析部2は、周波数フィルタに
よって所定の固有周波数成分のみを抽出すればよい。こ
のとき、体調判定部3は、生理量解析部2により抽出さ
れた皮膚血流量のデータの規則性を表す数値(例えばカ
オス解析のリアプノフ指数など)を算出する。そして、
体調判定部3は、規則性を表す数値と所定の閾値とを比
較し、規則性を表す数値が所定の閾値を超えているとき
は被験者の体調が良好であると判定し、規則性を表す数
値が所定の閾値を超えていないときは被験者の体調不良
であると判定すればよい。
【0038】なお、生理量測定部1によって皮膚血流量
を測定する場所は、血流が多くその変化を測定しやすい
場所、例えば額が好ましい。さらに、皮膚血流量だけで
なく、皮膚血流量に直接関係のあるその他の生理量とし
て、脈波を測定してもよい。脈波を測定する場所も額で
あるのが好ましい。
【0039】[第2の実施の形態]本発明の第2の実施
の形態に係る体調判定装置は、第1の実施の形態と同様
に図1に示すように構成され、胃の蠕動活動を行うため
の電気信号である胃電位を用いて体調を判定するもので
ある。
【0040】生理量測定部1は、人体の腹部の表面に貼
り付けられる電極から電気信号を検出して、胃電位を測
定する。
【0041】図4は、生理量測定部1で測定された胃電
位の波形図である。被験者は27歳の男性である。図4
(A)は被験者に対して35℃で高温暴露して15分経
過した場合(高ストレスを与えた場合)、図4(B)は
椅座位で安静にしている場合(普通の場合)、図4
(C)は活性化する刺激を与えた場合(体調良好の場
合)の波形図である。
【0042】生理量解析部2は、測定された胃電位に対
して例えばFFT等の周波数解析を行い、胃電位の周波
数の特徴を出力する。
【0043】図5は、生理量解析部2で周波数解析され
たときの胃電位の波形図である。図5(A)は被験者に
対して35℃で高温暴露して15分経過した場合、図5
(B)は椅座位で安静にしている場合、図5(C)は活
性化する刺激を与えた場合の波形図である。
【0044】体調判定部3は、生理量解析部2により周
波数解析された胃電位の固有周期(0.03Hz〜0.
07Hz)が胃電位全体に占める割合を計算し、その割
合が所定の閾値より大きいときは体調が良好であると判
定し、その割合が所定の閾値以下であるときは体調不良
であると判定する。すなわち、体調判定部3は、生理量
解析部2により周波数解析された胃電位のデータのピー
ク位置が固有周期に近づくほど、体調が良好であると判
定する。判定結果出力部4は、体調判定部3の判定結果
を外部に出力したり、モニタ出力する。
【0045】例えば図5(A)に示すように、被験者に
高ストレスを与えた場合、胃電位の変動周波数のピーク
値は0.02Hz付近に現れる。また、図5(B)に示
すように、被験者が安静にしている場合では、胃電位の
変動周波数のピーク値は0.05Hz付近に現れる。さ
らに、図5(C)に示すように、被験者が活性化して体
調が良好な場合では、胃電位の変動周波数の先鋭的なピ
ーク値が0.05Hz付近に現れる。このように、被験
者の体調がよくなるに従って、胃電位の周波数ピーク値
は固有周期に近づいている。
【0046】なお、本実施の形態では、胃電位を用いて
体調判定を行うことについて説明したが、その他胃電位
に関係する生理量として胃の状態を検査するときの超音
波を用いてもよい。
【0047】また、胃電位による体調判定は、本実施の
形態に限定されるものではなく、第1の実施の形態と同
様に行ってもよい。すなわち、第1の実施の形態と同様
に、胃電位のピークの高さ、胃電位の振幅、胃電位のば
らつき、胃電位の規則性などに基づいて体調を判定して
もよい。
【0048】[第3の実施の形態]つぎに、本発明の第
3の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る
身体状態判定装置は、上述した実施の形態で行った体調
判定と、従来の自律神経活性判定とを行うことによっ
て、身体状態を総合的に判定するものである。
【0049】具体的には図6に示すように、本実施の形
態に係る身体状態判定装置は、皮膚血流量を測定する生
理量測定部11と、測定された皮膚血流量の周波数解析
を行う生理量解析部12と、周波数解析された皮膚血流
量に基づいて人体の体調を判定する体調判定部13と、
周波数解析された皮膚血流量に基づいて自律神経の活動
状態を判定する自律神経活動判定部14と、体調と自律
神経の活動状態に基づいて身体の状態を総合的に判定す
る身体状態判定部15と、判定結果出力部16とを備え
ている。
【0050】生理量測定部11は、例えばレーザ式血流
計で構成され、人体の皮膚に向けて特定周波数のレーザ
光を照射し、この反射光の強度に基づいて皮膚血管内を
流れる血液流量を測定する。
【0051】生理量解析部12は、生理量測定部11で
測定された血流量の測定データに対してFFTを施して
皮膚血流量の変化の周波数成分を解析し、解析結果を体
調判定部13及び自律神経活動判定部14に供給する。
【0052】体調判定部13は、生理量解析部12によ
り周波数解析された皮膚血流の固有周期が皮膚血流量全
体に占める割合を計算し、その割合が所定の閾値より大
きいときは体調が良好であると判定し、その割合が所定
の閾値以下であるときは体調不良であると判定する。
【0053】自律神経活動判定部14は、皮膚血流量の
変化に含まれる心拍の変動を抽出し、従来から行われて
いる心拍変動解析技術を用いて血圧性変動成分を抽出す
る。そして、自律神経活動判定部14は、血圧性変動成
分の値と所定の閾値とを比較して自律神経活動の状態を
判定する。具体的には、自律神経活動判定部14は、血
圧性変動成分の値が所定の閾値を超えているときは交感
神経の活動が亢進した(ストレスがある)と判定し、血
圧性変動成分の値が所定の閾値を超えていないときは交
感神経の活動が低下した(ストレスがない)と判定す
る。
【0054】身体状態判定部15は、体調判定部13及
び自律神経活動判定部14の判定結果が図7に示す身体
状態判定マップの第1から第4のいずれの象限に該当す
るかを判定することで、身体状態を総合的に判定する。
【0055】図7において、X軸は体調の評価軸であ
り、Y軸は自律神経活動軸である。その一方、X軸は自
律神経の活動状態を判定するための閾値も示し、Y軸は
体調を評価するための閾値も示している。例えばY軸の
右側は、皮膚血流量のデータが体調判定部13の所定の
閾値を超えた状態を示し、Y軸の左側は、皮膚血流量の
データが体調判定部13の所定の閾値を超えていない状
態を示している。また、X軸の上側は、血圧性変動成分
の値が自律神経活動判定部14の所定の閾値を超えてい
ることを示し、X軸の下側は、血圧性変動成分の値が所
定の閾値を超えていないことを示している。これによ
り、身体状態判定マップの第1象限は活性化状態(よい
ストレス)、第2象限は高ストレス状態(悪いストレ
ス)、第3象限は疲労状態(脱力状態)、第4象限はリ
ラックス状態を示している。
【0056】そして、判定結果出力部16は、身体状態
判定部15が身体状態判定マップを用いて判定した結果
を外部に出力したり、モニタ出力する。
【0057】以上のように、身体状態判定装置は、自律
神経の活動状態及び身体の体調を判定し、これらの判定
結果に基づいて身体の状態を総合的に判定することによ
って、身体の状態を従来に比べて詳細に判定することが
できる。
【0058】例えば、ストレスには、人体に悪影響を及
ぼす悪いストレスだけでなく、スポーツや試験等で集中
したときなどに生じるよいストレスもある。そこで、身
体状態判定装置は、2つの判定結果を用いることによっ
て、よいストレスと悪いストレスとを区別することがで
き、身体の状態を精度よく判定することができる。ま
た、ストレスがない状態としては、リラックスした状態
だけでなく、疲労により脱力した状態も含まれる。そこ
で、身体状態判定装置は、上述のように2つの判定結果
を用いることによって、リラックスした状態と脱力した
状態とを区別することができ、身体の状態を精度よく判
定することができる。
【0059】さらに、身体状態判定装置は、体調を判定
するための閾値や自律神経の活動状態を判定するための
閾値を複数設けることによって、身体の状態をより詳細
に判定してもよい。
【0060】なお、第1及び第3の実施の形態では生理
量として皮膚血流量を用い、第2の実施の形態では生理
量として胃電位を用いた場合について説明したが、本発
明はこれに限定されるものではない。生理量として、例
えば、心拍、血圧、脈波、皮膚電位、呼吸、発汗、脳波
等を用いることもできる。
【0061】また、被験者の体調判定は、本実施の形態
に限定されるものではなく、第1の実施の形態と同様
に、様々の手法を用いることができるのは勿論である。
【0062】さらに、本実施の形態では、自律神経活動
判定部14は皮膚血流量の変化に含まれる心拍の変動を
抽出したが、本発明はこれに限定されるものではない。
自律神経活動判定部14は、心拍の変動の代わりに例え
ば呼吸性変動成分など、交感神経が亢進しているか低下
しているかを判定するための成分であれば、どのような
成分を抽出してもよい。また、自律神経活動判定部14
は生理量測定部11からの測定値を用いて自律神経の活
動を判定したが、自律神経の活動を測定する専用の測定
器を設けてもよい。
【0063】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、生理量測定手段
で測定された生理量の固有周期成分に基づいて体調を判
定することによって、被験者に負担をかけることなく、
容易かつ高精度に体調を判定することができる。
【0064】請求項2記載の発明は、前記生理量測定手
段で測定された生理量の時系列データの周波数解析を行
って周波数解析済みのデータを前記体調判定手段に出力
する周波数解析手段を更に備えることにより、生理量の
時系列データの周波数の特徴を抽出し、体調の判定を容
易に行うことができる。
【0065】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の体調判定装置で体調を判定し、さらに自律神経の
活動状態を判定して、これらの判定結果に基づいて身体
の状態を判定することによって、身体の総合的な状態を
詳細に判定することができる。これにより、被験者は、
自覚しにくい身体の状態を知ることができ、自己の体調
管理を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1及び第2実施の形態に係る体調判
定装置の構成を示すブロック図である。
【図2】生理量測定部で測定された皮膚血流量の波形図
である。
【図3】生理量解析部で周波数解析されたときの皮膚血
流量のパワースペクトルである。
【図4】生理量測定部で測定された胃電位の波形図であ
る。
【図5】生理量解析部で周波数解析されたときの皮膚血
流量のパワースペクトルである。
【図6】本発明の第3の形態に係る体調判定装置の構成
を示すブロック図である。
【図7】身体状態判定部で身体状態を判定するときに用
いるマップを示す図である。
【符号の説明】
1,11 生理量測定部 2,12 生理量解析部 3,13 体調判定部 4,16 判定結果出力部 14 自律神経活動判定部 15 身体状態判定部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 倉橋 哲郎 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 谷口 洋介 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 4C017 AA02 AA09 AA11 AA16 AA18 AA19 AC15 AC21 AC26 BC16 4C027 AA01 GG09 GG11 KK03 4C038 PP03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 人体の生理量を測定する生理量測定手段
    と、 前記生理量測定手段で測定された生理量の時系列データ
    の固有周期成分に基づいて、人体の体調を判定する体調
    判定手段と、 を備えた体調判定装置。
  2. 【請求項2】 前記生理量測定手段で測定された生理量
    の時系列データの周波数解析を行い、周波数解析済みの
    データを前記体調判定手段に出力する周波数解析手段を
    更に備えた請求項1記載の体調判定装置。
  3. 【請求項3】 体調を判定する請求項1または2記載の
    体調判定装置と、 自律神経の活動を測定する自律神経測定手段と、 前記自律神経測定手段の測定結果に基づいて、自律神経
    の活動状態を判定する自律神経活動判定手段と、 前記体調判定装置及び前記自律神経活動判定手段の判定
    結果に基づいて、身体の状態を判定する身体状態判定手
    段と、 を備えた身体状態判定装置。
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