JP2002166347A - ワイヤーソー及びそれを用いた切断装置及び切断工法 - Google Patents

ワイヤーソー及びそれを用いた切断装置及び切断工法

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JP2002166347A
JP2002166347A JP2000365112A JP2000365112A JP2002166347A JP 2002166347 A JP2002166347 A JP 2002166347A JP 2000365112 A JP2000365112 A JP 2000365112A JP 2000365112 A JP2000365112 A JP 2000365112A JP 2002166347 A JP2002166347 A JP 2002166347A
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cutting
wire
wire saw
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cylindrical
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JP2000365112A
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Shigeru Mazaki
繁 真崎
Toshio Yaoita
敏夫 矢尾板
Masayo Akasaka
匡世 赤坂
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Mitsubishi Materials Corp
Nippon Diamond Co Ltd
Mitsubishi Materials Techno Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
Nippon Diamond Co Ltd
Mitsubishi Materials Techno Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 切断に使用できる期間を延ばすことができ、
被削物切断中の騒音を少なくして静音性を高め、断続切
削による刃体寄りを防ぐことができるワイヤーソー及び
それを用いた切断装置及び切断工法を提供する。 【解決手段】 可撓性を有する金属製のワイヤー10
に、外周に切削用砥粒層が形成されるとともにワイヤー
に10一定間隔をおいて多数の円筒状の円筒刃体20,
20・・・を設け、隣り合う二つの円筒刃体20,20の
間に、螺旋状の刃体本体31に切削用砥粒Wが固着され
た螺旋状の螺旋刃体30をそれぞれ嵌装し、螺旋状の刃
体本体31がスプリングスペーサとして円筒刃体20,
20の間の間隔を保持するようにワイヤーソーAを構成
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリート製あ
るいはアスファルト製等の構造物である被削物を切断す
る際に用いられて特に好適なワイヤーソー及びそれを用
いた切断装置及び切断工法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建築物や橋梁などのコンクリート
製あるいはアスファルト製等の建造物を、その補強や撤
去のために切断する際に、可撓性を有する金属製のワイ
ヤーに、砥粒を焼結した刃体を所定間隔毎に配設してな
るワイヤーソーが用いられたりしてきた。より具体的に
は、被削物に穿った貫通孔に前記ワイヤーソーを挿通
し、さらに、この被削物にワイヤーソーを巻き掛ける等
した後、設置場所に合わせてワイヤーソーを複数のプー
リに掛回して駆動プーリまで導くように帳架し、適度な
張力をワイヤーソーに付与しつつ、駆動プ−リでワイヤ
ーソーを駆動させて被削物の切断を行なうことが行われ
てきた。
【0003】例えば、図2に示すように、従来のワイヤ
ーソーBは、炭素鋼やステンレス鋼等からなる可撓性を
有する金属製のワイヤー100と、ダイヤモンド等の超
硬質の砥粒Wが焼結された切削用砥粒層が外周に形成さ
れていてワイヤー100に一定間隔をおいて嵌装される
円筒状の円筒刃体200,200・・・と、円筒刃体20
0をワイヤー100に固定する固定リング300,30
0と、刃体200,200の間を埋めるようにしてワイ
ヤー100の外周に被覆形成された例えばゴムやプラス
チック等からなるワイヤー被覆部材500とから概略構
成されている。ここで、円筒刃体200が設けられる周
期Pは、例えば約25mm程度とされるのが典型的であ
る。ワイヤー被覆部材500は、ワイヤー100を切断
作業時の破損から保護するとともに、円筒刃体200が
切削抵抗により間隔が狭くなったりしないように設けら
れており、さらには、固定リング300の内周に設けら
れたネジ部310とワイヤー100との間に侵入して、
固定リング300をワイヤー100に固着するものとさ
れている。
【0004】このワイヤーソーBによって被削物Cを切
断するには、図3に示すように、例えばワイヤーソーB
を被削物Cに巻き掛け、無端状に連結した後、駆動プー
リ700を回転駆動して、ワイヤーソーBを走行させ
る。この駆動プーリ700は、駆動装置710とともに
テーブル800の上を被削物Cから離れるように移動す
るものとされ、切断時にワイヤーソーBに常に一定の張
力を付与し、切削面に円筒刃体200を常に切込ませる
ようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のワイヤーソーでは、ワイヤーソーの寿命を長く
するために、円筒刃体の砥粒の量を増やして外周に形成
される砥粒層を厚くすると、円筒刃体の外径も大きくな
って切削抵抗や騒音の増加につながるばかりでなく、使
用開始時点から終了時点までの円筒刃体の外径の差もま
た大きくなり、円筒刃体の外径が小さくなってから切断
して幅が狭くなっている箇所は、もう一度新しい外径の
大きな円筒刃体で切り直すという事態となる。このた
め、ワイヤーソーを架け直す毎に切断のやり直しが生じ
て、かえって工事の長期化を招くといった問題があっ
た。
【0006】また、円筒刃体が断続的に配設された構造
となっているため、被削物が断続的に切断され、それぞ
れの円筒刃体が被削物に切り込む毎に騒音が発生し、円
筒刃体の間隔、及びワイヤーソーの送り速度に依存する
中心周波数を持つ騒音が発生する。この騒音が周囲の環
境を悪化させ、特に夜間の工事が禁止されるような場
合、工期の長期化等の問題を招いていた。
【0007】また、コンクリートやアスファルト等の構
造物を切断する際には、数mに及ぶかなり厚みのある被
削物を切断する場合がほとんどであるため、切削抵抗に
よって被削物から円筒刃体に及ぼされる力積もまた大き
なものとなり、一旦、ある箇所で円筒刃体がワイヤーか
ら離れると、連鎖反応的に次々に複数の円筒刃体がワイ
ヤーから離れて数珠状に連なるという、いわゆる刃体寄
りを発生する問題があった。被削物に巻き掛けられるワ
イヤーソーのコーナ部分では、駆動プーリによってワイ
ヤーソーに付与される張力によって円筒刃体が被削物に
押し付けられる方向に力を受けるため、切削抵抗がとり
わけ高く、刃体寄りを発生しやすい。この刃体寄りが発
生すると、中心にあるワイヤーが剥き出しの状態とな
り、被削物によってワイヤーが摩耗し、ついにはワイヤ
ーの破断を発生する。ワイヤーが破断すると同時に、ワ
イヤーに通されていた刃体がワイヤーの鞭打ち運動とと
もに弾丸状になって飛散する。この飛散する刃体が現場
の作業者に命中すれば、死にいたる可能性も高い。過去
には似通ったケースで死亡事故も発生している。このよ
うに、従来のワイヤーソーを用いた切断工法には安全性
の面で問題があった。
【0008】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
のであって、被削物の切断に使用できる期間を延ばすこ
とができ、被削物切断中の騒音を少なくして静音性を高
め、断続切削による刃体寄りを防ぐことができるワイヤ
ーソー及びそれを用いた切断装置及び切断工法を提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、可撓性を有する金属製のワイヤーと、外周に切削用
砥粒層が形成されるとともに前記ワイヤーに一定間隔を
おいて嵌装される多数の円筒状の円筒刃体とを有してな
るワイヤーソーであって、前記ワイヤーには、前記円筒
刃体の間に、螺旋状の刃体本体に切削用砥粒が固着され
た螺旋状の螺旋刃体が嵌装されていることを特徴とす
る。
【0010】このような構成としたことにより、円筒刃
体の間に設けられた螺旋刃体も被削物を切削するので、
円筒刃体だけが損耗することを防ぎ、ワイヤーソーを使
用できる期間、すなわち、ワイヤーソーの寿命を延ばす
ことができる。円筒刃体の外径を増加させる必要がない
ため、ワイヤーソーを交換する毎に切り直しをする手間
がかからない。また、円筒刃体と螺旋刃体とが協働して
被削物を連続的に切断するので、円筒刃体の被削物に対
する切込みが浅くなり、円筒刃体が受ける切削抵抗が低
減されるとともに、円筒刃体から発生していた被削物切
断中の騒音を少なくして静音性を高めることができる。
さらに、円筒刃体に対する切削抵抗が低減されることか
ら、円筒刃体の刃体寄りも防ぐことができる。
【0011】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のワイヤーソーにおいて、螺旋状の前記刃体本体は、前
記円筒刃体の間隔を保持する螺旋状のスプリングスペー
サとされていることを特徴とする。
【0012】このような構成としたことにより、ワイヤ
ーソーの寿命を延ばし、被削物切断中の騒音を少なくし
て静音性を高めることができるとともに、螺旋刃体がス
プリングとしても機能し、円筒刃体を互いに近寄らせる
力が円筒刃体に加わると、スプリングスペーサの弾性に
よって円筒刃体の間の間隔を元に戻すような力が働き、
円筒刃体の間隔が保持される。こうして、円筒刃体の刃
体寄りを防ぐことができる。
【0013】請求項3に記載の発明は、請求項1または
請求項2のいずれかに記載のワイヤーソーにおいて、前
記円筒刃体の間、かつ、前記螺旋刃体の螺旋状の隙間
に、前記ワイヤーを被覆するワイヤー被覆部材が形成さ
れていることを特徴とする。
【0014】このような構成としたことにより、ワイヤ
ーソーの寿命を延ばし、被削物切断中の騒音を少なくし
て静音性を高めることができるとともに、ワイヤー被覆
部材がワイヤーを被覆保護してその損傷を防止し、か
つ、円筒刃体の間の間隔を保持して円筒刃体の刃体寄り
を防ぐことができる。
【0015】請求項4に記載の発明は、請求項1から請
求項3のいずれかに記載のワイヤーソーにおいて、前記
円筒刃体と前記螺旋刃体は、外周が同一外径とされてい
ることを特徴とする。
【0016】このような構成としたことにより、被削物
を切断する作業の開始時から円筒刃体と螺旋刃体が同時
に被削物を切削していくので、静音性をさらに高めるこ
とができる。
【0017】請求項5に記載の発明は、請求項1から請
求項4のいずれかに記載のワイヤーソーと、前記ワイヤ
ーソーが掛回され帳架される複数のプーリと、前記ワイ
ヤーソーに張力を付与しつつ前記ワイヤーソーを駆動さ
せる駆動プーリとを有してなることを特徴とする。
【0018】本発明においては、切断装置に用いられる
ワイヤーソーの寿命を延ばすことができ、被削物切断中
の騒音を少なくして静音性を高め、刃体寄りも防ぐこと
ができる。複数のプーリを用いて、被削物にワイヤーソ
ーを巻き掛け、駆動プーリによってワイヤーソーに張力
を付与すると、被削物に巻き掛けられるワイヤーソーの
コーナ部分において、ワイヤーソーが被削物に押し付け
られる方向に力を受け、切削抵抗が高くなるが、ワイヤ
ーに追従して湾曲された螺旋刃体が円筒刃体と協働して
被削物を切削するので、円筒刃体に負荷が集中すること
がなく、円筒刃体の刃体寄りを効果的に防止することが
できる。
【0019】請求項6に記載の発明は、請求項5に記載
の切断装置を用いた切断工法であって、請求項1から請
求項4のいずれかに記載のワイヤーソーを、コンクリー
ト製あるいはアスファルト製等の構造物である被削物に
巻き掛け、複数の前記プーリに掛回し、張力を付与しつ
つ前記駆動プ−リで駆動させて前記被削物の切断を行な
うことを特徴とする。
【0020】本発明においては、円筒刃体と螺旋刃体と
で被削物を連続的に切削するので、刃体の損耗が円筒刃
体に集中することがなく、ワイヤーソーの寿命が延長さ
れ、また、円筒刃体の外径の変化も少ない。このため、
外径が小さくなってから切断した幅の狭い切り口を新し
いワイヤーソーで再度切り直しをする手間がなく、切断
時間を短縮することができる。しかも、コンクリート製
あるいはアスファルト製等の構造物が被削物である場
合、円筒刃体と螺旋刃体によって連続的に被削物を切断
すると、被削物に対する切込みが浅くなり、切削抵抗が
低減されるとともに、切断に要する全仕事量も減少す
る。したがって、所定の仕事率において切断作業を行う
場合、円筒刃体だけで断続切削を行うよりも切断時間が
短縮される。また、被削物切断中の騒音が少なくなり静
音性が高まるので、例えば、夜間の切断作業も可能とな
り、工期の短縮を図ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明によるワイヤーソー
を図面に基づき説明する。図1に、本発明に係るワイヤ
ーソーの一実施形態を示す。図において、ワイヤーソー
Aは、炭素鋼やステンレス鋼等からなる可撓性を有する
金属製のワイヤー10と、ダイヤモンド等の超硬質の砥
粒Wが焼結された切削用砥粒層が外周に形成されていて
ワイヤー10に一定間隔をおいて嵌装される円筒状の円
筒刃体20,20・・・と、これら円筒刃体20,20・・・
の間に設けられた螺旋状の螺旋刃体30,30・・・とか
ら概略構成されている。
【0022】螺旋刃体30は、螺旋状の刃体本体31,
31・・・の径方向外側の面に切削用砥粒Wが固着されて
構成され、ワイヤー10に嵌装されて取り付けられてい
る。ここで、螺旋状の刃体本体31は、スプリング様の
弾性を有して円筒刃体20,20の間隔を保持するとと
もに、ワイヤー10を被覆保護するスプリングスペーサ
とされている。円筒刃体20の両端には、円筒刃体20
の位置をワイヤー10に固定する固定リング21,21
が設けられ、隣り合う二つの円筒刃体20,20の間の
螺旋刃体30は、固定リング21の外周面21aに内周
側を当接させるように外嵌されて径方向に支持されると
ともに、円筒刃体20,20の互いに対向する端面20
a,20aに両端が当接して軸方向にも固定されてい
る。ここで、円筒刃体20と螺旋刃体30は、外周が同
一外径とされている
【0023】隣り合う円筒刃体20,20の間、かつ、
螺旋刃体30の螺旋状の隙間30aには、ワイヤー10
を被覆する例えばゴムやプラスチック等からなるワイヤ
ー被覆部材50が形成されている。ワイヤー被覆部材5
0は、螺旋刃体30と協働してワイヤー10を切断作業
時の破損から保護するとともに、円筒刃体20が切削抵
抗により間隔が狭くなったりしないように設けられてお
り、さらには、固定リング21の内周に設けられたネジ
部21bとワイヤー10との間に侵入して、固定リング
21をワイヤー10に固着するものとされている。
【0024】図1に示すワイヤーソーAにおいて、円筒
刃体20,20・・・とともに、円筒刃体20,20・・・の
間に設けられた螺旋刃体30,30・・・も被削物を切削
するので、円筒刃体20だけが損耗することがなく、円
筒刃体20,20・・・のみを有する場合に比べて寿命が
長くなる。また、円筒刃体20と螺旋刃体30とが協働
して被削物を連続的に切断するので、円筒刃体20の被
削物に対する切込みが浅くなり、円筒刃体20が受ける
切削抵抗が低減されるとともに、被削物切断中の騒音が
少なくなり、静音性が高まる。さらに、円筒刃体20に
対する切削抵抗が低減されることから、断続切削による
円筒刃体20の刃体寄りも防ぐことができる。螺旋刃体
30の刃体本体31は、スプリング様の弾性を有してワ
イヤー10を被覆するスプリングスペーサとされている
ので、ワイヤー10が被削物に当たらないようにこれを
保護すると同時に、切削中に円筒刃体20,20が互い
に接近する方向に力を受けると、刃体本体31が再び元
の長さに復帰するように円筒刃体20,20に力を及ぼ
し、刃体寄りを防ぐように機能する。円筒刃体20,2
0の間、かつ、螺旋刃体30の螺旋状の隙間30aに形
成されたワイヤー被覆部材50は、螺旋状の刃体本体3
1と協働して、ワイヤー10を被覆保護してその損傷を
防止し、かつ、円筒刃体20,20の間の間隔を保持し
て円筒刃体20,20・・・の刃体寄りを防ぐ。
【0025】砥粒Wが焼結されて外周に切削用砥粒層が
形成されてなる円筒刃体20は、損耗に強く、切れ味も
良いが、断続切削となるため切断音が大きく、静音性に
欠け、また、刃体寄りを起こしやすい。一方螺旋刃体3
0は、連続切削となるため切断音が小さく、刃体寄りの
問題もないが、砥粒Wの密度が円筒刃体20に比較して
小さくて切れ味が悪く、砥粒Wがろう付けされているた
めに損耗しやすいという欠点がある。円筒刃体20,2
0・・・と螺旋刃体30,30・・・を交互にワイヤー10に
嵌装してワイヤーソーAを構成することにより、これら
の欠点が互いに補われる。
【0026】斯かる構成のワイヤーソーAによって被削
物を切断するには、図示されぬ複数のプーリと駆動プー
リを有する切断装置にワイヤーソーAを帳架し、被削物
に巻き掛け、ワイヤーソーAに張力を付与しつつワイヤ
ーソーAを駆動させることによって行われる。被削物に
巻き掛けられるワイヤーソーAのコーナ部分において
は、ワイヤーソーAが被削物に押し付けられる方向に力
を受けるため、切削抵抗が高くなるが、ワイヤー10に
追従して湾曲された螺旋刃体30,30・・・が円筒刃体
20,20・・・と協働して被削物を切削するので、円筒
刃体20,20・・・に負荷が集中することがなく、刃体
寄りが効果的に防止される。また、円筒刃体20,20
・・・と螺旋刃体30,30・・・とで被削物を切削するの
で、刃体の損耗が円筒刃体20,20・・・に集中するこ
とがなく、円筒刃体20,20・・・の外径の変化が少な
い。このため、外径が小さくなってから切断した幅の狭
い切り口をワイヤーソーAの交換後、再度切り直しをす
る手間が生じない。とりわけ、コンクリート製あるいは
アスファルト製等の構造物である被削物を切断する切断
工法において、斯かる構成のワイヤーソーAを用いる
と、被削物に対する切込みが浅くなり、切削抵抗が低減
されるとともに、切断に要する全仕事量も減少する。こ
うして、切断に要する時間を短縮することができる。ま
た、コンクリート製あるいはアスファルト製等の構造物
である被削物を切断する際の騒音が少なくなり静音性が
高まるので、例えば、夜間の切断作業も可能となり、ま
た、切断時間も短縮されるので、工期の短縮を図ること
ができる。
【0027】上述のように本実施の形態によれば、円筒
刃体20の外径を増加させることなくワイヤーソーAの
寿命を延ばすことができ、連続切削によって被削物切断
中の騒音を少なくして静音性を高めることができる。こ
のとき、スプリングスペーサとされた螺旋刃体30の刃
体本体31が、ワイヤー被覆部材50と協働して刃体2
0,20の間を一定に保持するので刃体寄りを防止する
ことができる。とりわけ、ワイヤーソーAを切断装置の
複数のプーリに帳架し、被削物に巻き掛けてこれを切断
する際に、被削物に巻き掛けられるワイヤーソーAのコ
ーナ部分において、刃体寄りが発生することを効果的に
防止することができる。コンクリート製あるいはアスフ
ァルト製等の構造物である被削物を切断する切断工法に
おいては、連続切削によって、切断に要する仕事量と騒
音を低減することができ、切断時間の短縮、夜間等の作
業による工期の縮小等を図ることができる。
【0028】なお、上記の実施形態では、螺旋刃体30
は、螺旋状の隙間30aを有し、ワイヤー被覆部材50
がこの隙間30aに形成されるものとしたが、ワイヤー
被覆部材50が形成されない、螺旋刃体30だけの構成
でも無論構わない。このような構成にすれば、乾式の切
削も可能となる。また、螺旋刃体30は、螺旋状の隙間
30aを有する形状とされたが、螺旋のピッチと刃体本
体31の径が等しく、螺旋刃体30が隙間を有さないよ
うな形状にして、螺旋刃体30のみでワイヤー10を全
て被覆する構成としても無論構わない。
【0029】
【発明の効果】本発明は、以下に記載されるような効果
を奏する。請求項1に記載の発明によれば、可撓性を有
する金属製のワイヤーに、一定間隔をおいて嵌装される
多数の円筒状の円筒刃体と、これらの円筒刃体の間に嵌
装される螺旋状の螺旋刃体とからワイヤーソーが構成さ
れるので、円筒刃体と螺旋刃体とによる被削物の連続切
削が可能となる。こうして、円筒刃体の外径を増加させ
ることなくワイヤーソーの寿命を延ばすことができ、被
削物切断中の騒音を少なくして静音性を高め、断続切削
による刃体寄りを防ぐことができる。
【0030】また、請求項2に記載の発明によれば、螺
旋刃体の螺旋状の刃体本体は、スプリングの弾性によっ
て隣り合う円筒刃体同士の間隔を保持する螺旋状のスプ
リングスペーサとされているので、被削物切断中の円筒
刃体の刃体寄りを防ぐことができる。
【0031】また、請求項3に記載の発明によれば、円
筒刃体の間、かつ、螺旋刃体の螺旋状の隙間に、ワイヤ
ーを被覆するワイヤー被覆部材が形成されているので、
ワイヤーを破損から保護してその切断を防止するととも
に、螺旋刃体と協働して円筒刃体の間隔を保持し、円筒
刃体の刃体寄りを防ぐことができる。
【0032】また、請求項4に記載の発明によれば、円
筒刃体と螺旋刃体は、外周が同一外径とされているの
で、静音性をさらに高めることができる。
【0033】また、請求項5に記載の発明によれば、切
断装置に用いられるワイヤーソーの寿命を延ばすことが
できる。さらに、被削物切断中の騒音を少なくして静音
性を高め、刃体寄りも防ぐことができる。とりわけ、被
削物に巻き掛けられるワイヤーソーのコーナ部分におい
て、刃体寄りが発生することを効果的に防止することが
できる。
【0034】また、請求項6に記載の発明によれば、請
求項1から請求項4のいずれかに記載のワイヤーソー
を、コンクリート製あるいはアスファルト製等の構造物
である被削物に巻き掛け、複数のプーリに掛回し、張力
を付与しつつ駆動プ−リで駆動させて被削物の切断を行
うので、ワイヤーソーの寿命を延ばすことができ、切断
時間を短縮することができる。さらに、被削物切断中の
騒音を少なくして静音性を高め、断続切削による刃体寄
りを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施の形態を示す図であって、
ワイヤーソーの一例を示す断面図である。
【図2】従来のワイヤーソーの一例を示す図である。
【図3】ワイヤーソーを用いて被削物を切断する様子を
示す図である。
【符号の説明】
A・・・ワイヤーソー W・・・砥粒 10・・・ワイヤー 20・・・円筒刃体 30・・・螺旋刃体 30a・・・螺旋状の隙間 31・・・刃体本体(スプリングスペーサ) 50・・・ワイヤー被覆部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 真崎 繁 東京都千代田区大手町一丁目5番1号 三 菱マテリアル株式会社内 (72)発明者 矢尾板 敏夫 神奈川県横浜市都筑区佐江戸町681 日本 ダイヤモンド株式会社内 (72)発明者 赤坂 匡世 東京都千代田区九段北1丁目14番16号 株 式会社テクノ大手内 Fターム(参考) 3C058 AA05 AA09 CA01 CB06 DA03 3C063 AA08 AB09 BA16 BB02 BH03 CC02 CC09 EE31 FF03 FF08 3C069 AA01 BA06 BB01 BB03 BC02 CA10 DA01 EA00 EA01 EA02 EA03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓性を有する金属製のワイヤーと、外
    周に切削用砥粒層が形成されるとともに前記ワイヤーに
    一定間隔をおいて嵌装される多数の円筒状の円筒刃体と
    を有してなるワイヤーソーであって、 前記ワイヤーには、前記円筒刃体の間に、螺旋状の刃体
    本体に切削用砥粒が固着された螺旋状の螺旋刃体が嵌装
    されていることを特徴とするワイヤーソー。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のワイヤーソーにおい
    て、 螺旋状の前記刃体本体は、前記円筒刃体の間隔を保持す
    る螺旋状のスプリングスペーサとされていることを特徴
    とするワイヤーソー。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2のいずれかに記
    載のワイヤーソーにおいて、 前記円筒刃体の間、かつ、前記螺旋刃体の螺旋状の隙間
    に、前記ワイヤーを被覆するワイヤー被覆部材が形成さ
    れていることを特徴とするワイヤーソー。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3のいずれかに記載
    のワイヤーソーにおいて、 前記円筒刃体と前記螺旋刃体は、外周が同一外径とされ
    ていることを特徴とするワイヤーソー。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4のいずれかに記載
    のワイヤーソーと、前記ワイヤーソーが掛回され帳架さ
    れる複数のプーリと、前記ワイヤーソーに張力を付与し
    つつ前記ワイヤーソーを駆動させる駆動プーリとを有し
    てなることを特徴とする切断装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の切断装置を用いた切断
    工法であって、 請求項1から請求項4のいずれかに記載のワイヤーソー
    を、コンクリート製あるいはアスファルト製等の構造物
    である被削物に巻き掛け、複数の前記プーリに掛回し、
    張力を付与しつつ前記駆動プ−リで駆動させて前記被削
    物の切断を行なうことを特徴とする切断工法。
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