JP2002139197A - 複合圧力容器の製造方法 - Google Patents
複合圧力容器の製造方法Info
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- JP2002139197A JP2002139197A JP2000335693A JP2000335693A JP2002139197A JP 2002139197 A JP2002139197 A JP 2002139197A JP 2000335693 A JP2000335693 A JP 2000335693A JP 2000335693 A JP2000335693 A JP 2000335693A JP 2002139197 A JP2002139197 A JP 2002139197A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】金属層の厚さを限界まで薄くすることができ、
軽量化が可能な複合圧力容器の製造方法を提供する。 【解決手段】アルミニウムによって形成された中子20
の表面に電解メッキによってニッケルメッキ12′を施
すと共に、ニッケルメッキ12′の表面にフィラメント
ワインディングでCFRP層11を所定厚さに形成した
後、中子20を水酸化ナトリウム等の溶剤によって溶か
して排出させ、CFRP外層11の内周面に薄いニッケ
ル層12が形成された複合圧力容器10を得る。
軽量化が可能な複合圧力容器の製造方法を提供する。 【解決手段】アルミニウムによって形成された中子20
の表面に電解メッキによってニッケルメッキ12′を施
すと共に、ニッケルメッキ12′の表面にフィラメント
ワインディングでCFRP層11を所定厚さに形成した
後、中子20を水酸化ナトリウム等の溶剤によって溶か
して排出させ、CFRP外層11の内周面に薄いニッケ
ル層12が形成された複合圧力容器10を得る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人工衛星等におい
て収容タンク内の推薬を押し出す押圧ガスを収容する圧
力容器の製造方法に関し、特に、FRPの内周面に金属
層が形成されて成る複合圧力容器に関する。
て収容タンク内の推薬を押し出す押圧ガスを収容する圧
力容器の製造方法に関し、特に、FRPの内周面に金属
層が形成されて成る複合圧力容器に関する。
【0002】
【従来の技術】人工衛星に搭載された推薬タンクからの
推薬の排出は、排出口とは反対の側から推薬と反応しな
い不活性の押圧ガス(ヘリウムガス)を圧入することで
行われる。
推薬の排出は、排出口とは反対の側から推薬と反応しな
い不活性の押圧ガス(ヘリウムガス)を圧入することで
行われる。
【0003】押圧ガスは圧力容器にガス状態で収容され
るが、その圧力容器は、収容する押圧ガスの圧力に耐え
る強度を備え、且つ、ロケット打ち上げの際の負荷を少
なくするために極力軽量であることが要求される。
るが、その圧力容器は、収容する押圧ガスの圧力に耐え
る強度を備え、且つ、ロケット打ち上げの際の負荷を少
なくするために極力軽量であることが要求される。
【0004】このため、炭素繊維強化プラスチック(C
FRP)による形成が考えられているが、ガス状態で収
容されるヘリウムはCFRPを透過してしまうため、気
密性の確保とその形成工程の都合から、CFRP層の内
周に金属製の薄肉のライナによる金属層が形成された複
合圧力容器とされる。
FRP)による形成が考えられているが、ガス状態で収
容されるヘリウムはCFRPを透過してしまうため、気
密性の確保とその形成工程の都合から、CFRP層の内
周に金属製の薄肉のライナによる金属層が形成された複
合圧力容器とされる。
【0005】そのような複合圧力容器の製造方法は、図
3に示すように、まず、チタン合金等の鍛造材を極力薄
肉に切削加工して球状の圧力容器を二分割した形状のラ
イナシェル31を形成した後、両ライナシェル31をT
ig溶接等によって接合して球状のライナ32とし、ラ
イナ32の外周にフィラメントワインディングによって
CFRP層33を形成するものである。
3に示すように、まず、チタン合金等の鍛造材を極力薄
肉に切削加工して球状の圧力容器を二分割した形状のラ
イナシェル31を形成した後、両ライナシェル31をT
ig溶接等によって接合して球状のライナ32とし、ラ
イナ32の外周にフィラメントワインディングによって
CFRP層33を形成するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ごとき従来の製造方法によって形成される複合圧力容器
では、金属層を構成するライナ32は、機械加工の精度
的な限界でその厚さに下限があると共に、フィラメント
ワインディングによるCFRP層33形成時にそれに耐
える強度を有する必要があり、所定厚さ以下に薄くする
ことはできず、これが、当該圧力容器の重量軽減を阻害
する要因となっている。
ごとき従来の製造方法によって形成される複合圧力容器
では、金属層を構成するライナ32は、機械加工の精度
的な限界でその厚さに下限があると共に、フィラメント
ワインディングによるCFRP層33形成時にそれに耐
える強度を有する必要があり、所定厚さ以下に薄くする
ことはできず、これが、当該圧力容器の重量軽減を阻害
する要因となっている。
【0007】本発明は、上記問題に鑑みてなされたもの
であって、金属層の厚さを限界まで薄くすることがで
き、軽量化が可能な複合圧力容器の製造方法を提供する
ことを目的とする。
であって、金属層の厚さを限界まで薄くすることがで
き、軽量化が可能な複合圧力容器の製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決する為の手段】上記目的を達成する本発明
の複合圧力容器の製造方法は、FRP層の内周面に金属
層が形成されて成る複合圧力容器であって、容器の内周
面と対応する外周面を有する中子部材を形成し、該中子
部材の表面に金属メッキを所定厚さに施すと共に、その
外面にFRP層を形成した後、前記中子部材を溶剤によ
って溶解・排出して形成することを特徴とする。
の複合圧力容器の製造方法は、FRP層の内周面に金属
層が形成されて成る複合圧力容器であって、容器の内周
面と対応する外周面を有する中子部材を形成し、該中子
部材の表面に金属メッキを所定厚さに施すと共に、その
外面にFRP層を形成した後、前記中子部材を溶剤によ
って溶解・排出して形成することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態について説明する。
の実施の形態について説明する。
【0010】図1は本発明に係る複合圧力容器の製造方
法によって形成された複合圧力容器の一部断面外形図,
図2はその一例の工程図である。
法によって形成された複合圧力容器の一部断面外形図,
図2はその一例の工程図である。
【0011】複合圧力容器10は、所定厚さの炭素繊維
強化プラスチック(CFRP)によって球状に形成され
たCFRP外層11の内周面に金属層としての所定厚さ
のニッケル層12が形成されている。
強化プラスチック(CFRP)によって球状に形成され
たCFRP外層11の内周面に金属層としての所定厚さ
のニッケル層12が形成されている。
【0012】その形成工程は、まず、当該複合圧力容器
10の内面と対応する外面を有する中子部材としての中
子20を、アルミニウム等によって形成する(S1)。
10の内面と対応する外面を有する中子部材としての中
子20を、アルミニウム等によって形成する(S1)。
【0013】中子20は、内部が中空で、後工程のフィ
ラメントワインディングに充分耐えられる強度を有する
厚さに設定され、複数に分割されたパーツを接合した
後、外面を機械加工によって平滑に仕上げて形成され
る。
ラメントワインディングに充分耐えられる強度を有する
厚さに設定され、複数に分割されたパーツを接合した
後、外面を機械加工によって平滑に仕上げて形成され
る。
【0014】次に、このように形成された中子20の表
面に、電解メッキによってニッケルメッキ12′を施す
(S2)。ニッケルメッキ12′の厚さは、気密性の保
持に必要な厚さ以上に設定される。
面に、電解メッキによってニッケルメッキ12′を施す
(S2)。ニッケルメッキ12′の厚さは、気密性の保
持に必要な厚さ以上に設定される。
【0015】次いで、ニッケルメッキ12′の表面に、
フィラメントワインディングでCFRP層11を所定厚
さに形成する(S3)。この時、作用する力は中子20
が受け、変形したり潰れることなく作業できる。
フィラメントワインディングでCFRP層11を所定厚
さに形成する(S3)。この時、作用する力は中子20
が受け、変形したり潰れることなく作業できる。
【0016】その後、中子20を水酸化ナトリウム等の
溶剤によって溶かして排出させる(S3)。これによ
り、CFRP外層11の内周面に薄いニッケル層12が
形成された複合圧力容器10と成し得るものである。
溶剤によって溶かして排出させる(S3)。これによ
り、CFRP外層11の内周面に薄いニッケル層12が
形成された複合圧力容器10と成し得るものである。
【0017】この方法によれば、フィラメントワインデ
ィングの際に作用する力は中子20が受け、その後、中
子20を溶かし出して除去するため、ニッケル層12に
フィラメントワインディングに耐える強度は必要なく、
気密性の保持に必要な最低限の厚さに設定することがで
きる。
ィングの際に作用する力は中子20が受け、その後、中
子20を溶かし出して除去するため、ニッケル層12に
フィラメントワインディングに耐える強度は必要なく、
気密性の保持に必要な最低限の厚さに設定することがで
きる。
【0018】即ち、機械加工によって形成した金属層の
周囲にフィラメントワインディングによってCFRP層
を形成する場合には、金属層は0.8〜1mm程度の厚
さが必要であるが、上記方法では0.1〜0.2mm程
度に薄く形成することが可能となる。これにより、直径
500mm程度の圧力容器を従来方法によって構成した
場合の金属層の重量が例えば約5kg程度であるのに対
して、本方法によればその半分以下の2〜3kgに抑え
ることができるものである。
周囲にフィラメントワインディングによってCFRP層
を形成する場合には、金属層は0.8〜1mm程度の厚
さが必要であるが、上記方法では0.1〜0.2mm程
度に薄く形成することが可能となる。これにより、直径
500mm程度の圧力容器を従来方法によって構成した
場合の金属層の重量が例えば約5kg程度であるのに対
して、本方法によればその半分以下の2〜3kgに抑え
ることができるものである。
【0019】尚、上記構成例では、中子部材としての中
子20をアルミニウムによって形成したが、これに限る
ものではなく、例えば、熱可塑性プラスチックの表面に
導電性皮膜を形成して電解メッキを可能としても良い。
更に、金属層(ニッケル層)を形成するメッキは電解メ
ッキに限らず、他のメッキ方法であっても良いものであ
る。
子20をアルミニウムによって形成したが、これに限る
ものではなく、例えば、熱可塑性プラスチックの表面に
導電性皮膜を形成して電解メッキを可能としても良い。
更に、金属層(ニッケル層)を形成するメッキは電解メ
ッキに限らず、他のメッキ方法であっても良いものであ
る。
【0020】
【発明の効果】以上述べたように、本発明に係る複合圧
力容器の製造方法によれば、容器の内周面と対応する外
周面を有する中子部材の表面に金属メッキを所定厚さに
施し、その外面にFRP層を形成した後、前記中子部材
を溶剤によって溶解・排出して形成することにより、フ
ィラメントワインディングの際に作用する力は中子が受
け、その後、中子を溶かし出して除去するため、金属層
にフィラメントワインディングに耐える強度は必要な
く、気密性の保持に必要な最低限の厚さに設定すること
ができる。
力容器の製造方法によれば、容器の内周面と対応する外
周面を有する中子部材の表面に金属メッキを所定厚さに
施し、その外面にFRP層を形成した後、前記中子部材
を溶剤によって溶解・排出して形成することにより、フ
ィラメントワインディングの際に作用する力は中子が受
け、その後、中子を溶かし出して除去するため、金属層
にフィラメントワインディングに耐える強度は必要な
く、気密性の保持に必要な最低限の厚さに設定すること
ができる。
【0021】これにより、ライナの厚さを限界まで薄く
することができ、軽量化が可能となるものである。
することができ、軽量化が可能となるものである。
【図1】本発明に係る複合圧力容器の製造方法によって
形成された複合圧力容器の一部断面外形図である。
形成された複合圧力容器の一部断面外形図である。
【図2】その一例の工程図である。
【図3】従来方法の工程説明図である。
10 複合圧力容器 11 CFRP層 12 ニッケル層(金属層) 12′ ニッケルメッキ(金属メッキ)
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 105:08 B29C 67/14 J Fターム(参考) 3E072 AA03 DA05 4F205 AA36 AD11 AD16 AH31 AJ03 HA02 HA23 HA33 HA37 HB01 HK33 HT08
Claims (1)
- 【請求項1】FRP層の内周面に金属層が形成されて成
る複合圧力容器であって、 容器の内周面と対応する外周面を有する中子部材の表面
に金属メッキを所定厚さに施し、その外面にFRP層を
形成した後、前記中子部材を溶剤によって溶解・排出し
て形成することを特徴とする複合圧力容器の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000335693A JP2002139197A (ja) | 2000-11-02 | 2000-11-02 | 複合圧力容器の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000335693A JP2002139197A (ja) | 2000-11-02 | 2000-11-02 | 複合圧力容器の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002139197A true JP2002139197A (ja) | 2002-05-17 |
Family
ID=18811391
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000335693A Pending JP2002139197A (ja) | 2000-11-02 | 2000-11-02 | 複合圧力容器の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002139197A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005337391A (ja) * | 2004-05-27 | 2005-12-08 | Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd | ガスボンベ用ライナの製造方法、ガスボンベ用ライナ、ガスボンベ |
JP2009516611A (ja) * | 2005-11-21 | 2009-04-23 | エアバス・フランス | 複数箱構造を有する車輪ケーシング |
JP2017119464A (ja) * | 2015-12-28 | 2017-07-06 | 川崎重工業株式会社 | 宇宙機用燃料タンク及びその製造方法 |
-
2000
- 2000-11-02 JP JP2000335693A patent/JP2002139197A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005337391A (ja) * | 2004-05-27 | 2005-12-08 | Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd | ガスボンベ用ライナの製造方法、ガスボンベ用ライナ、ガスボンベ |
JP2009516611A (ja) * | 2005-11-21 | 2009-04-23 | エアバス・フランス | 複数箱構造を有する車輪ケーシング |
JP2017119464A (ja) * | 2015-12-28 | 2017-07-06 | 川崎重工業株式会社 | 宇宙機用燃料タンク及びその製造方法 |
WO2017115794A1 (ja) | 2015-12-28 | 2017-07-06 | 川崎重工業株式会社 | 宇宙機用燃料タンク及びその製造方法 |
EP3398858A4 (en) * | 2015-12-28 | 2019-12-11 | Kawasaki Jukogyo Kabushiki Kaisha | SPATIAL ENGINE FUEL TANK AND METHOD FOR MANUFACTURING THE SAME |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20040226 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040524 |