JP2002117510A - フリー層を偏向させる硬質磁性体を使用したtmrセンサを設ける方法及びシステム - Google Patents

フリー層を偏向させる硬質磁性体を使用したtmrセンサを設ける方法及びシステム

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JP2002117510A
JP2002117510A JP2001200660A JP2001200660A JP2002117510A JP 2002117510 A JP2002117510 A JP 2002117510A JP 2001200660 A JP2001200660 A JP 2001200660A JP 2001200660 A JP2001200660 A JP 2001200660A JP 2002117510 A JP2002117510 A JP 2002117510A
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シン キュウシク
Richard Gibons Mathew
リチャード ギボンズ マシュー
Shaoen Chen Chester
シャオエン チェン チェスター
Ton Hoa-Chin
トン ホァ−チン
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    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y25/00Nanomagnetism, e.g. magnetoimpedance, anisotropic magnetoresistance, giant magnetoresistance or tunneling magnetoresistance
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F10/00Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure
    • H01F10/32Spin-exchange-coupled multilayers, e.g. nanostructured superlattices
    • H01F10/324Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer
    • H01F10/3268Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer the exchange coupling being asymmetric, e.g. by use of additional pinning, by using antiferromagnetic or ferromagnetic coupling interface, i.e. so-called spin-valve [SV] structure, e.g. NiFe/Cu/NiFe/FeMn

Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録媒体からデータを読み取る磁気抵抗セン
サを設ける方法及びシステムを提供する。 【解決手段】 本方法及びシステムは、フリー層(11
2’’)及びピン層(108’’)を設ける工程を有す
る。フリー層は強磁性体であり、第1の側及びこれに対
向する第2の側を有する。ピン層は磁化の方向を有し、
強磁性である。ピン層の磁化の方向は、特定の方向に固
定される。ピン層は、フリー層の第1の側にある。本方
法及びシステムは、フリー層の第1の側とピン層とを分
離するバリア層を設ける工程を有する。バリア層(11
0’’)は、ピン層とフリー層との間の荷電粒子のトン
ネルを許容するに足りる薄さを有する絶縁層である。本
方法及びシステムは、フリー層の第2の側に硬質磁性層
を設ける工程も有する。硬質磁性層(116’’)は、
フリー層を磁気的に偏向させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録に関す
る。特に、高密度磁気記録に適合するトンネル磁気抵抗
の接合を設けるための方法及びシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】トンネル磁気抵抗、即ちTMRの接合
は、磁気抵抗ヘッド、即ちMRヘッドにおける記録媒体
の読み取りに対する利用の可能性のため、近年興味を持
たれている。図1(a)は、従来のTMRセンサ10の
側面図を示す。図1(a)は、第1及び第2のシールド
24、26、第1及び第2のギャップ20、22、リー
ド11、19及びTMRセンサ10を示す。
【0003】図1(b)は、空気にさらされた面、即ち
TMRセンサ10を使用する磁性材料から見た従来のT
MRセンサ10の側面図を示す。TMRセンサ10に加
えて、図1(b)は、リード11、19及び第1及び第
2のギャップ20、22をそれぞれ示す。図1(b)に
は、従来のTMRセンサ10を部分的に包囲する従来の
シールド24、26が示されていない。従来のTMRセ
ンサ10は、従来の反強磁性層(以下AFM層という)
12、従来のピン層14、従来のバリア層16、及び従
来のフリー層18を有する。TMRセンサ10のための
TMR接合は、従来のピン層14、従来のバリア層1
6、及び従来のフリー層18の間の界面からなる。TM
Rセンサ10の一部を囲む第1及び第2のギャップ2
0、22の一部も示されている。従来のピン層14及び
従来のフリー層18は強磁性である。従来のピン層14
は、従来のAFM層12に磁気的に結合されているた
め、磁化の方向が固定されている。従来のAFM層12
は、約100〜300Åの厚さを有する。従来のピン層
14は、約20〜100Åの厚さを有する。単層の強磁
性層からなる従来のピン層14の代わりに、TMRセン
サ10は、非磁性層により分離された、AFM層と2つ
の強磁性層とからなる合成AFM層からなることもあ
る。従来のバリア層16は、典型的には5〜20Åの厚
さを有し、従来のフリー層18は、典型的には30〜1
00Åの厚さを有する。
【0004】TMRセンサ10の従来のフリー層18の
磁化の方向は、外部磁界が存在しないときは、紙面の平
面内を向いているが、外部磁界に応答して自由に回転す
る。従来のフリー層18は、典型的にはコバルト(C
o)、コバルト鉄合金(Co90Fe10)、又はコバルト
鉄合金(Co90Fe10)とパーマロイの2層からなる。
従来のピン層14の磁化の方向は紙面の平面に対して垂
直に固定されている。従来のピン層14は、典型的には
コバルト(Co)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、ニ
ッケル鉄合金(NiFe)、コバルト鉄合金(CoF
e)からなる。従来のバリア層16は、典型的には酸化
アルミニウム(Al23)からなる。
【0005】従来のTMRセンサ10が機能するために
は、従来のTMRセンサ10の層12,14,16,1
8の平面と垂直なリード11,19の間にバイアス電流
が駆動される。従って、TMRセンサ10は膜面垂直方
向に電流を流す、CPP接合として公知である。バイア
ス電流の向きは矢印25により示される。従来のTMR
センサ10の磁気抵抗効果、即ちMR効果は、従来のフ
リー層18と従来のピン層14との間の電子のスピン偏
極トンネルによるものと考えられている。従って、スピ
ン偏極電子は従来のバリア層をトンネルして、磁気抵抗
効果を与える。従来のフリー層18の磁化の方向が従来
のピン層14の磁化の方向に対して平行、又は反平行で
あるときは、従来のTMRセンサ10の抵抗は、それぞ
れ最小化、又は最大化される。さらに、従来のフリー層
18の磁化の方向は、外部磁界が印加されないときは、
図1(b)に示されるように従来のピン層14の磁化の
方向に垂直に偏向されている。MRセンサの磁気抵抗、
即ちMRは、このMRセンサの最大抵抗値と最小抵抗値
との差である。MRセンサの磁気抵抗変化率、即ちMR
比は、典型的にはΔR/Rと呼ばれ、パーセントで与え
られる。従来のTMRセンサの典型的な磁気抵抗は、約
20パーセントである。高いMR比を有することもあ
り、TMRセンサ10は、高密度記録、例えば1平方イ
ンチ即ち6.45cm2あたり40ギガビット(Gb)
の高密度記録に対して使用するためのMRセンサとして
期待されている。
【0006】従来のTMRセンサ10は高密度記録に対
する用途において機能し、使用されることがあるが、当
業者は従来のフリー層18が磁気的に偏向されていない
ことに容易に気付くであろう。その結果、いくつかの問
題点が生じる。第一に、TMRセンサ10の応答は、T
MRセンサ10を使用した読取装置の伝達関数の線形領
域に存在しない。従って、TMRセンサ10は線形化さ
れない。その結果、従来のTMRセンサ10の応答は、
印加される磁界によって異なる。そのため、正及び負の
磁気パルスについてのTMRセンサの応答は、同一の大
きさや形状を有さず、望ましくなかった。
【0007】例えば、図2は、従来のフリー層18を磁
気的に偏向させていないTMRセンサ10の応答40を
示す。TMRセンサ10は、シード層としてタンタル
(Ta)50Å、従来の合成されたAFM層12として
ニッケル鉄合金(NiFe)30Å、銅(Cu)10
Å、及びイリジウムマンガン合金(IrMn)70Å、
従来のピン層14としてコバルト鉄合金(CoFe)2
0Å、従来のバリア層16としてアルミナ5Å、及び従
来のフリー層としてコバルト鉄合金(CoFe)20Å
及びニッケル鉄合金(NiFe)20Åを有する。TM
Rセンサ10が従来のフリー層18を磁気的に偏向させ
ないため、グラフ40は、TMRセンサ10の磁気抵
抗、即ちMRはヒステリシスの性質を有することを示し
ている。換言すると、従来のTMRセンサ10のMR
は、TMRセンサ10の履歴に依存し、印加された磁界
に対して線形性を有しない。そのため、MRセンサとし
て使用されたときに、従来のTMRセンサ10は従来の
記録媒体(図示せず)に記憶されたデータを正確に読み
取らない。
【0008】さらに、従来のTMRセンサ10の従来の
フリー層18が磁気的に偏向されていない場合に、従来
のフリー層18は単磁区構造を有しないことがある。単
磁区構造を有する代わりに、フリー層18は多磁区状態
に緩和してしまう。従来のフリー層18が単磁区構造を
有しないときは、従来のフリー層の応答はバルクハウゼ
ンノイズの影響を受けることがある。さらに、TMRセ
ンサ10の応答はヒステリシスを含むことがある。これ
らの現象は、TMRセンサ10により与えられる信号に
おける変化やノイズに帰着する。
【0009】従来のTMRセンサ10が従来のスピンバ
ルブ(図示せず)であった場合は、従来のTMRセンサ
10に隣接して硬質磁性体を設けることにより、従来の
フリー層18は偏向される。典型的には図1(b)に示
されるように硬質磁性体は従来のTMRセンサ10の左
右に配置される。従って、TMRセンサ10に隣接した
第1及び第2のギャップ20、22の一部には硬質磁性
体が充填される。典型的に使用される硬質磁性体は導電
性を有する。例えば、典型的に使用される硬質磁性体の
1つはコバルトクロム白金合金(CoCrPt)であ
る。そのため、このような硬質磁性体は、TMRセンサ
10を短絡させる。換言すると、リード11,19間の
電流は、TMRセンサ10内を通過するのではなく、導
電性の硬質磁性体内を流れる。そのため、TMRセンサ
10は機能しなくなる。
【0010】その結果、図3に示される従来のTMRセ
ンサ10’が開発された。従来のTMRセンサ10’
は、図1(a),(b)に示された従来のTMRセンサ
10と実質的に同一の多数の構成物を有する。図1
(a),1(b)、3を参照する。従来のTMRセンサ
10’の構成物は、TMRセンサ10の構成物と同様に
番号を付している。例えば、従来のTMRセンサ10’
は、従来の反強磁性層、即ちAFM層12’、従来のピ
ン層14’、従来の絶縁層16’、及び従来のフリー層
18’を有する。図3には、リード11’、19’も示
されている。図3に示されたMRヘッドの一部を包囲す
ることがある絶縁ギャップは示されていない。さらに、
絶縁体24’、26’、及び硬質磁性体28、30が示
されている。絶縁体24’、26’の厚さは典型的には
数百Åである。
【0011】絶縁体24’、26’が相対的に厚いた
め、絶縁体24’、26’は硬質磁性体28、30のそ
れぞれを従来のTMRセンサ10’から物理的、及び電
気的に分離する。そのため、硬質磁性体28、30は従
来のTMRセンサ10’を短絡させないので、硬質磁性
体28、30は従来のTMRセンサ10’を短絡させる
ことなくフリー層18’の磁気的偏向に使用可能とな
る。従って、従来のTMRセンサ10’は磁気的に偏向
されたフリー層を備えない従来のTMRセンサ10と比
較してより線形性を示さない。さらに、フリー層18’
は、より単磁区構造を有しやすくなる。
【0012】硬質磁性体28、30を設けることにより
従来のフリー層18’を磁気的に偏向することが可能と
なったが、硬質磁性体28、30は従来のフリー層1
8’を望ましい程度にまで効果的に偏向させないこと
に、当業者は容易に想到するであろう。硬質磁性体2
8、30は、絶縁体24’、26’のそれぞれの一部に
よりフリー層18’から物理的に分離されている。その
結果、フリー層18’の領域においては、硬質磁性体2
8、30の近傍よりも硬質磁性体28、30により生成
された磁界が小さくなる。そのため、硬質磁性体28、
30はフリー層18’を望ましい程度に磁気的に偏向さ
せることにおいてあまり効果的ではなかった。フリー層
18’の応答は望ましい程度よりもより非線形となる。
その結果、TMRセンサ10’は、磁気記録媒体に記憶
されたデータの読み取りにおいて、望ましい程度より
も、効果的でなかった。さらに、フリー層18’は、単
磁区構造とならない。
【0013】従って、より効果的に磁気的に偏向された
フリー層を有したTMR接合を設けるためのシステム及
び方法が必要とされていた。本発明はそのような需要に
対するものである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、記録媒体か
らデータを読み取るための磁気抵抗センサを設けるため
の方法及びシステムを提供する。この方法及びシステム
は、フリー層及びピン層を設ける工程を有する。フリー
層は強磁性を有し、第1の側、及び第1の側と反対側の
第2の側を有する。ピン層は磁化の方向を有し、強磁性
である。ピン層の磁化の方向は、特定の方向に固定され
ている。ピン層はフリー層の第1の側にある。本発明の
方法及びシステムは、第1の側のフリー層とピン層とを
分離するバリア層を設ける工程も有する。バリア層は、
ピン層とフリー層との間の荷電粒子のトンネルを許容す
るために十分に薄い絶縁層である。この方法及びシステ
ムは、フリー層の第2の側に硬質磁性層を設ける工程も
有する。硬質磁性層は、フリー層を磁気的に偏向させ
る。
【0015】以下に記載されたシステム及び方法によ
り、本発明は、効果的にフリー層を磁気的に偏向させた
磁気抵抗センサを提供する。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、強磁性を有し、第1の
側とこれと反対側の第2の側とを有するフリー層と、磁
化の方向を有し強磁性であるピン層と、このピン層の磁
化の方向は特定の方向に固定されていることと、このピ
ン層は前記フリー層の第1の側に位置することと、前記
第1の側のフリー層と前記ピン層とを分離するバリア層
と、このバリア層は、前記ピン層と前記フリー層との間
の荷電粒子のトンネルを許容するに足りる薄さを備えた
絶縁層であることと、前記フリー層の第2の側にある硬
質磁性層と、この硬質磁性層は前記フリー層を磁気的に
偏向させることとを有する、記録媒体からデータを読み
取る磁気抵抗センサを要旨とする。
【0017】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
された磁気抵抗センサにおいて、前記第2の側のフリー
層と前記硬質磁性層との間に配置された非磁性のスペー
サ層をさらに有することを要旨とする。
【0018】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
された磁気抵抗センサにおいて、前記非磁性のスペーサ
層は導電性を有する層であることを要旨とする。請求項
4に記載の発明は、請求項2に記載された磁気抵抗セン
サにおいて、前記固定層に隣接した反強磁性層と、前記
反強磁性層は、ピン層の磁化の方向を特定の方向に固定
するための層であることとを有することを要旨とする。
【0019】請求項5に記載の発明は、請求項2に記載
された磁気抵抗センサにおいて、前記ピン層は合成反強
磁性層を有することを要旨とする。請求項6に記載の発
明は、請求項2に記載された磁気抵抗センサにおいて、
前記バリア層はアルミナからなることを要旨とする。
【0020】請求項7に記載の発明は、請求項2に記載
された磁気抵抗センサにおいて、前記硬質磁性層は、コ
バルトクロム白金合金からなることを要旨とする。請求
項8に記載の発明は、請求項2に記載された磁気抵抗セ
ンサにおいて、前記硬質磁性層は、コバルト白金合金か
らなることを要旨とする。
【0021】請求項9に記載の発明は、請求項2に記載
された磁気抵抗センサにおいて、前記硬質磁性層は、コ
バルトクロム合金からなることを要旨とする。請求項1
0に記載の発明は、請求項1に記載された磁気抵抗セン
サにおいて、前記硬質磁性層は少なくとも1つの傾斜し
た端部を有することを要旨とする。
【0022】請求項11に記載の発明は、請求項10に
記載された磁気抵抗センサにおいて、前記少なくとも1
つの傾斜した端部は約45°の傾斜を有することを要旨
とする。
【0023】請求項12に記載の発明は、請求項1に記
載された磁気抵抗センサにおいて、前記硬質磁性層は保
磁力を有し、前記フリー層は使用の際に外部磁界にさら
され、前記硬質磁性層の保磁力は前記外部磁界よりも大
きいことを要旨とする。
【0024】請求項13に記載の発明は、請求項12に
記載された磁気抵抗センサにおいて、前記フリー層は第
2の保磁力を有し、前記フリー層の第2の保磁力は前記
外部磁界よりも小さいことを要旨とする。
【0025】請求項14に記載の発明は、記録媒体から
データを読み取るための磁気抵抗センサを設ける方法に
おいて、フリー層を設ける工程と、このフリー層は強磁
性を有し、第1の側とこれと反対側の第2の側を有する
ことと、ピン層を設ける工程と、このピン層は磁化の方
向を有し、強磁性であり、このピン層の磁化の方向は特
定の方向に固定されていることと、このピン層は前記フ
リー層の第1の側にあることと、前記フリー層の第1の
側と前記ピン層とを分離するバリア層を設ける工程と、
このバリア層は、前記ピン層と前記フリー層との間の荷
電粒子のトンネルを許容するに足りる薄さを備えた絶縁
層であることと、前記フリー層の第2の側に硬質磁性層
を設ける工程と、前記硬質磁性層は前記フリー層を磁気
的に偏向させるための層であることとを有することを要
旨とする。
【0026】請求項15に記載の発明は、請求項14に
記載された方法において、前記フリー層の第2の側と前
記硬質磁性層との間に配置された非磁性のスペーサ層を
設ける工程をさらに有したことを要旨とする。
【0027】請求項16に記載の発明は、請求項15に
記載された方法において、前記非磁性のスペーサ層は導
電層であることを要旨とする。請求項17に記載の発明
は、請求項15に記載された方法において、前記ピン層
に隣接して反強磁性層を設ける工程と、この反強磁性層
はピン層の磁化の方向を特定の方向に固定する層である
こととをさらに有することを要旨とする。
【0028】請求項18に記載の発明は、請求項15に
記載された方法において、前記ピン層を設ける工程は、
合成反強磁性層を設ける工程をさらに有することを要旨
とする。
【0029】請求項19に記載の発明は、請求項15に
記載された方法において、前記バリア層はアルミナから
なることを要旨とする。請求項20に記載の発明は、請
求項15に記載された方法において、前記硬質磁性層は
コバルトクロム白金合金からなることを要旨とする。
【0030】請求項21に記載の発明は、請求項15に
記載された方法において、前記硬質磁性層はコバルト白
金合金からなることを要旨とする。請求項22に記載の
発明は、請求項15に記載された方法において、前記硬
質磁性層はコバルトクロム合金からなることを要旨とす
る。
【0031】請求項23に記載の発明は、請求項14に
記載された方法において、前記硬質磁性層は少なくとも
1つの傾斜した端部を有することを要旨とする。請求項
24に記載の発明は、請求項23に記載された方法にお
いて、前記少なくとも1つの傾斜した端部は約45°の
傾斜を有することを要旨とする。
【0032】請求項25に記載の発明は、請求項14に
記載された方法において、前記硬質磁性層はさらに保磁
力を有し、前記フリー層は使用の際に外部磁界にさらさ
れ、前記硬質磁性層の保磁力は前記外部磁界よりも大き
いことを要旨とする。
【0033】請求項26に記載の発明は、請求項25に
記載された方法において、前記フリー層は第2の保磁力
を有し、前記フリー層の第2の保磁力は前記外部磁界よ
りも小さいことを要旨とする。
【0034】請求項27に記載の発明は、記録媒体上の
情報を読み取るための磁気抵抗センサを設ける方法にお
いて、磁化の方向を固定するための層を設ける工程と、
前記磁化の方向を固定するための層に隣接して、ピン層
として使用される第1の強磁性層を設ける工程と、この
ピン層は特定の方向に固定された磁化の方向を有するこ
とと、前記第1の強磁性層に隣接して、バリア層として
使用される第1の絶縁体を設ける工程と、前記第1の絶
縁体に隣接して、フリー層として使用される第2の強磁
性層を設ける工程と、この第2の強磁性層が第1及び第
2の側を有することと、この第2の強磁性層の第1の側
は前記第1の絶縁体に隣接することと、前記第1の絶縁
体は、前記第1の強磁性層と第2の強磁性層との間の荷
電粒子のトンネルを許容するに足りる薄さを有すること
と、前記フリー層の第2の側に硬質磁性層を設ける工程
と、前記硬質磁性層は前記フリー層を磁気的に偏向させ
ることと、前記磁化の方向を固定するための層、第1の
強磁性層、絶縁層、第2の強磁性層及び硬質磁性層をエ
ッチングしてセンサの形状を規定する工程と、前記セン
サは第1及び第2の端部を有することと、前記センサの
第1及び第2の端部に第2の絶縁体を設ける工程と、第
1及び第2のリードを設ける工程と、前記第1のリード
は前記第1の強磁性層に電気接続し、前記第2のリード
は前記第2の強磁性層に電気接続することとを有するこ
とを要旨とする。
【0035】
【発明の実施の形態】本発明は、磁気記録技術の改良に
関する。以下の記載は、当業者が本発明を製造し、使用
することを可能とするようになされるものであり、特許
出願及びそれに必要な事項の内容として提供される。好
適な実施の形態に対する多様な変更が当業者には明らか
であり、記載された本質的な原則は他の実施の形態に対
しても適用される。従って、本発明は以下の実施の形態
に制限されるものではなく、原則及び特徴に従う最も広
い範囲において認められるものである。
【0036】従来のTMRセンサは、高密度記録に対す
る用途のために関心をもたれていた。例えば、近年にお
ける従来のTMRセンサは、40Gb/in2以上、即
ち、6.45cm2あたり40Gb以上の密度で記録し
た材料の読取装置として関心をもたれている。しかし、
従来のTMRセンサはいくつかの欠点を有していた。従
来のTMRセンサのフリー層は、磁気的に偏向すること
が困難であった。従来のフリー層が磁気的に偏向されな
いときは、従来のTMRセンサの応答は線形的にならな
い。従来のTMRセンサの端部に隣接して従来の硬質磁
性層が配置されたときは、従来の硬質磁性層は従来のT
MRセンサを短絡させ、動作不能にしてしまう。従来の
絶縁層が従来のTMRセンサの端部と硬質磁性層との間
に配置されると、従来のTMRセンサは短絡しなかっ
た。しかし、従来のフリー層と従来の硬質磁性層との間
の距離のため、従来の硬質磁性層は従来のフリー層を適
切に偏向させることができない。
【0037】本発明は、記録媒体からデータを読み取る
ための磁気抵抗センサ及びその作製方法を提供する。こ
の方法及びシステムは、フリー層及びピン層を設ける工
程を有する。フリー層は強磁性を有し、第1の側及び第
1の側と反対側の第2の側を有する。ピン層は磁化の方
向を有し、強磁性を有する。ピン層の磁化の方向は、特
定の方向に固定されている。ピン層はフリー層の第1の
側にある。本発明の方法及びシステムは、第1の側のフ
リー層とピン層とを分離するバリア層を設ける工程も有
する。バリア層は、ピン層とフリー層との間における荷
電粒子のトンネルを許容するために十分に薄い絶縁層で
ある。この方法及びシステムは、フリー層の第2の側に
硬質磁性層を設ける工程も有する。硬質磁性層は、フリ
ー層を磁気的に偏向させる。
【0038】本発明は、TMRセンサの特定の実施の形
態について記載されている。しかし、当業者は、この方
法及びシステムは、他の材料又は他の成分を有した、代
替の実施の形態についても効果的に作用することに、容
易に想到する。さらに、本発明は特定の方法の順番に沿
って本発明によるTMRセンサを形成する方法を記載し
ている。しかし、本発明は順番を代え、異なる工程を採
用した他の方法に矛盾しないことに、当業者は容易に想
到する。さらに、本発明によるTMRセンサはセンサ単
体として記載されるが、本発明のTMRセンサは、読み
取りヘッド、又は媒体に対して読み取りと書き込みの双
方が可能であるような複合ヘッドに使用可能である。
【0039】本発明による方法及びシステムをより具体
的に示すために、本発明によるTMRセンサ100をそ
れぞれ側面図及び空気にさらされる面から観察した平面
図を示す、図4(a),(b)を参照する。図4(a)
は、TMRセンサ100、第1のリード122、第2の
リード124、第1のギャップ104、第2のギャップ
126、第1のシールド102、及び第2のシールド1
28を示す。TMRセンサ100のストライプの高さ
h、及び読み取られるべき磁性材料101の空気に接す
る表面も図4(a)に示されている。第1のシールド1
02及び第2のシールド128は磁気的に透過可能であ
るため、一般的に導電性を有する。第1及び第2のシー
ルド102、128のそれぞれは、読み取られるべき磁
性材料101中のビット(図4(a)に図示せず)の磁
界以外の磁界にTMRセンサ100をさらさないように
遮断する。第1のギャップ104及び第2のギャップ1
26は、典型的には絶縁体であり、TMRセンサ100
をシールド102、128から電気的に分離する。第1
のギャップ104は酸化アルミニウムからなることが望
ましい。第2のギャップ126は酸化アルミニウムから
なることが望ましい。第1のリード122は第1のギャ
ップ104により第1のシールド102から分離してい
るように示されているが、第1のシールド102及び第
1のリード122は組み合わせることも可能である。同
様に、第2のリード124は第2のギャップ126によ
り第2のシールド128から分離しているように示され
ているが、第2のシールド128及び第2のリード12
4は組み合わせることも可能である。このことは、TM
Rセンサ100の周囲のシールドからシールドのスペー
スを減少させ、さらに高面密度において有利となる可能
性がある。このようなシールド104、128及びリー
ド122、124のそれぞれの組み合わせは、シールド
104、128上に非磁性導電リード122、124を
それぞれ設けることにより達成される。
【0040】図4(b)は、空気にさらされるABS
面、或いは図4(a)に示された磁性材料101から観
察したTMRセンサ100を示す。図4(b)はTMR
センサ100及びリード122、124を示す。ギャッ
プ118、120も示されている。TMRセンサ100
は、磁化の方向を固定するための層106、ピン層10
8、バリア層110、フリー層112、及び硬質磁性層
116を有する。TMRセンサ100は、硬質磁性層1
16とフリー層112との間に非磁性のスペーサ層11
4も有することが望ましい。さらに、シード層が設けら
れてもよい。TMRセンサ100上にはキャッピング層
(図示せず)も設けられていてもよい。さらに、図4
(b)は電流の方向130を示す。従って、TMRセン
サ100はCPPセンサである。電流は図4(b)に示
された電流130の方向に対して平行、又は反平行に流
れることがある。
【0041】磁化の方向を固定するための層106は、
反強磁性、即ちAFMであることが望ましい。磁化の方
向を固定するための層106は、ピン層108の磁化の
方向を固定する。ピン層108は強磁性である。ピン層
108は、単層の強磁性、又は2つの強磁性層を非磁性
のスペーサ層により分離した合成AFM層であってもよ
い。例えば、一実施の形態において、ピン層108はコ
バルト鉄合金(CoFe)又はニッケル鉄合金(NiF
e)である。ピン層108の磁化の方向は、フリー層1
12が外部磁界の影響を受けていないときはフリー層の
磁化の方向と垂直であることが望ましい。図4(b)に
示されるように、ピン層108の磁化の方向は紙面の平
面内にある。
【0042】フリー層112は強磁性を有し、約20〜
100Åであることが望ましいが、他の厚さも使用可能
である。フリー層112は、ニッケル鉄合金(NiF
e)、コバルト(Co)、コバルト鉄合金(CoF
e)、ニッケル(Ni)、又はそれらの組み合わせを含
有することが望ましい。好適な実施の形態において、フ
リー層112は、約10%の鉄(Fe)を含有するコバ
ルト鉄合金(CoFe)である。フリー層112は、軟
磁性であり、高いスピン偏極を有することが望ましい。
例えば、フリー層110は、10エルステッド未満、即
ちSI単位系では790A/m未満であるような、数エ
ルステッド程度の保磁力を有することが望ましい。従っ
て、フリー層112は、記録媒体101を読み込むとき
にTMRセンサ100がさらされる外部磁界よりも大幅
に小さい保磁力を有する。そのため、フリー層110は
記録媒体101に応答し、TMRセンサ100による記
録媒体101の読み込みを可能とさせる。
【0043】バリア層108は厚さが約5〜20Åの絶
縁層であることが望ましい。バリア層108は、フリー
層112とピン層108との間における、電子のような
荷電粒子のスピン偏極トンネルを許容するに足りる薄さ
を有する。バリア層108は、酸化アルミニウムからな
ることが望ましい。
【0044】硬質磁性層116は、磁性を有し、約10
0〜600Åの厚さを有することが望ましい。他の厚さ
を採用してもよい。硬質磁性層116は、コバルト鉄合
金(CoFe)、コバルトクロム合金(CoCr)、コ
バルトクロム白金合金(CoCrPt)、又は他の硬質
磁性材料を含有してもよい。硬質磁性層116は、フリ
ー層の保磁力よりも相当に大きな保磁力を有する必要が
ある。硬質磁性層116の保磁力は1,000エルステ
ッド、即ちSI単位系で79,000A/mを超えるこ
とが望ましい。さらに、硬質磁性層116は、TMRセ
ンサ100及び硬質磁性層116が動作時にさらされる
いかなる磁界よりも大きな保磁力を有することが望まし
い。
【0045】硬質磁性層116の保磁力が上記のようで
あるため、硬質磁性層116の磁化の方向はTMRセン
サ100の動作の間偏向された状態に保持される。従っ
て、硬質磁性層116の磁化の方向は、硬質磁性層11
6の高い保磁力により、TMRセンサ100の動作の
間、安定である。換言すると、硬質磁性層116はTM
Rセンサ100の動作の間、設定された方向に磁化が保
持される。その結果、硬質磁性層116はフリー層11
2を磁気的に偏向させるために使用可能である。硬質磁
性層116は、そのため磁気的な偏向を提供し、フリー
層112を安定化させる。
【0046】硬質磁性層116がフリー層112を磁気
的に偏向させることが可能であるため、フリー層112
の応答が線形化される。さらに、フリー層112は単磁
区構造であってもよい。硬質磁性層116により生成さ
れる磁界は、フリー層112を磁気的に偏向させるもの
と考えられる。例えば、図4(b)に示されたTMRセ
ンサ100においては、硬質磁性層116はフリー層1
12の磁化の方向に対して反平行に磁化の方向が偏向さ
れている。そのため、硬質磁性層116は長手方向、即
ち空気にさらされる面に平行に磁化の方向が偏向され
る。従って、硬質磁性層116からの磁界は、フリー層
112において硬質磁性層116の磁化の方向に反平行
である。従って、硬質磁性層116からの磁界は、図に
示された方向にフリー層112を偏向させることが可能
である。特に、図4(b)に示された左右の端部のよう
な硬質磁性層の端部からの磁界は、フリー層112と干
渉し、フリー層112の磁化の方向は所望の方向に偏向
される。さらに、図4(b)、図5(a)に示されるよ
うに、硬質磁性層116、116’のそれぞれはフリー
層112、112’のそれぞれの上又は下にある。磁界
は硬質磁性層116、116’の端部によるものであ
る。この磁界は、フリー層112、112’のそれぞれ
を偏向させる。傾斜した端部を有し、フリー層112’
の下側にある硬質磁性層116’はより偏向された磁場
を与える。従って、フリー層112、112’は記録媒
体に対して線形の応答を有し、安定な単磁区構造を有す
る。
【0047】図4(a)に示された硬質磁性層116の
端部が所望の傾斜を有するときに硬質磁性層116の性
能が向上することも判明した。硬質磁性層116の磁化
の方向による磁界とフリー層112との結合を向上させ
るためには、硬質磁性層116の端部は傾斜を有する必
要があると考えられている。底部が上部よりも広い硬質
磁性層116は、このような硬質磁性層116の端部に
より生成された磁界の強度及び方向による向上した磁気
結合を示す。約45°の傾きが望ましい。しかし、垂直
な端部を有した硬質磁性層(図示せず)も使用可能であ
る。
【0048】スペーサ層114も使用されることが望ま
しい。スペーサ層114は非磁性であり、望ましくは導
電性である。硬質磁性層116と同様に、スペーサ層1
14も、リード122、124の間に膜面に垂直な方向
であるCPPの方式で電流が流れるようにさせる必要が
ある。スペーサ層114は、硬質磁性層116をフリー
層112から部分的に磁気的に分離するために使用され
る。その結果、原則的に硬質磁性層116の端部からの
磁界のみがフリー層112を偏向させる。スペーサ層1
14が省略された場合は、硬質磁性層116はフリー層
112に対して強力に結合される。その結果、フリー層
112は硬質磁性層により磁気的に偏向されるのではな
く、部分的に硬質磁性層116により固定される。この
ような強力な磁気結合はフリー層112の保磁力を、記
録媒体101により生成される磁界を超える程度にまで
増加させることがある。従って、フリー層112を所望
の方式に磁気的に偏向させるため、及びフリー層が低い
保磁力を保持するための双方の理由により、スペーサ層
114が使用されることが望ましい。スペーサ層114
は、一般的には50〜400Åであり、タンタル(T
a)又は銅(Cu)のような導電性非磁性体を含有する
ことが望ましい。フリー層112、硬質磁性層116及
びスペーサ層114の方向付けのため、及びスペーサ層
114が従来のTMRセンサに使用されていた絶縁層に
比較して相対的に薄く作製することが可能であるため、
硬質磁性層116とフリー層112との間の磁気結合は
フリー層112を適切に偏向させるのに十分である。
【0049】図5(a)は、TMRセンサ100’の他
の実施の形態を示す。TMRセンサ100’は、図4
(b)に示されたTMRセンサ100とほぼ同一の構成
物を有する。図4(b)及び図5(a)を参照する。T
MRセンサ100’にはTMRセンサ100と同様に、
構成物に符号を付している。例えば、TMRセンサ10
0’のフリー層112’は、TMRセンサ100のフリ
ー層112に対応する。しかし、構成物の順番が逆にな
っている。そのため、磁化の方向を固定するための層1
06’がTMRセンサ100’の上部にあり、硬質磁性
層116’はTMRセンサ100’の下部にある。しか
し、TMRセンサ100、100’において、フリー層
112、112’のそれぞれは、それぞれバリア層11
0、110’のみによってピン層108、108’のそ
れぞれから分離されている。硬質磁性層116がフリー
層112の上部にあり、硬質磁性層116’がフリー層
112’の下部にあるが、硬質磁性層116、116’
は、各フリー層112、112’のバリア層110、1
10’と反対側にある。そのため、硬質磁性層116、
116’は、TMRセンサ100、100’のそれぞれ
の磁気抵抗に干渉しない。その代わりに、硬質磁性層1
16、116’は、フリー層112、112’を磁気的
に偏向させるため、フリー層112、112’は単磁区
であり、線形の応答を有する。従って、TMRセンサ1
00、100’は、同一の利点を有する。
【0050】TMRセンサ100,100’の利点をさ
らに具体的に記載するべく、図5(b)〜6(b)を参
照する。図5(b)は本発明によるTMRセンサ10
0’の一実施の形態の横磁場における応答の計算値を示
すグラフ150である。横磁場は、TMRセンサ10
0、100’が記録媒体を読み取るときにさらされる磁
場の種類である。グラフ150は、硬質磁性層116、
116’のそれぞれの端部が約45°の傾斜を有するT
MRセンサ100’におけるグラフである。記録媒体は
ABS面において、典型的には約250〜300エルス
テッド、即ちSI単位系では約19750〜23700
A/mの磁場を生成する。グラフ150は、TMRセン
サ100’のMR比は相対的に線形であることを示す。
このことは、グラフ150を図2に示されたグラフ40
と比較することによりわかる。図5(b)を再び参照す
る。フリー層112、112’が磁気的に偏向されてい
るため、TMRセンサ100’の応答は線形化されて、
デバイスに使用するときに望ましい。
【0051】図6(a)は、本発明によるTMRセンサ
100’の一実施の形態の横磁場における抵抗変化の計
算値を示すグラフ160である。従って、TMRセンサ
100’の応答がMR比(ΔR/R)からMR(ΔR)
に変換された他は、グラフ160はグラフ150と同一
である。グラフ160からわかるように、TMRセンサ
100’が動作時にさらされる磁界の範囲を超える磁界
においては約15オームの応答を有する。グラフ15
0、160はTMRセンサ100’についてのグラフだ
が、TMRセンサ100も同様の利点を有する。従っ
て、TMRセンサ100、100’は、それぞれ硬質磁
性層116、116’により、外部磁界に対して線形の
応答を示し、それぞれが単磁区であるフリー層112、
112’を有する。
【0052】図6(b)は、本発明による、横磁場に対
して傾斜した側面を有したTMRセンサ100’の一実
施の形態の応答を示すグラフ170である。TMRセン
サ100’は、50Åのクロム(Cr)、400Åのコ
バルトクロム白金合金(CoCrPt)、100Åのタ
ンタル(Ta)、40Åの銅(Cu)、70Åのイリジ
ウムマンガン合金(IrMn)、20Åのコバルト鉄合
金(CoFe)、5Åのアルミナ、20Åのコバルト鉄
合金(CoFe)、及び20Åのニッケル鉄合金(Ni
Fe)からなる。グラフ170からわかるように、TM
Rセンサ100’の応答は線形化されている。グラフ1
50、160、170はTMRセンサ100’について
のグラフであるが、TMRセンサ100もTMRセンサ
100’と同一の利点を有する。
【0053】図7は、本発明によるTMRセンサ10
0、100’を設けるための方法200のハイレベルフ
ローチャートを示す。工程202により、強磁性ピン層
108、108’が設けられる。工程204により、バ
リア層110、110’が設けられる。バリア層11
0、110’はフリー層112、112’のそれぞれと
ピン層108、108’のそれぞれとの間にある。工程
206により強磁性のフリー層112、112’が設け
られる。工程208により、スペーサ層114、11
4’が設けられることが望ましい。スペーサ層114、
114’は、フリー層112、112のそれぞれの、’
バリア層110、110’のそれぞれと反対側に位置す
る。工程210により硬質磁性層116、116’が設
けられる。硬質磁性層116、116’は、フリー層1
12、112’のそれぞれの、バリア層110、11
0’のそれぞれと反対側にある。硬質磁性層116、1
16’はスペーサ層114、114’のそれぞれに隣接
している。そのため、スペーサ層114、114’は硬
質磁性層116、116’のそれぞれと、フリー層11
2、112’のそれぞれとの間に位置する。
【0054】図8は、本発明による方法250のさらに
詳細なフローチャートを示す。方法250は、TMRセ
ンサ100’、及び以下に記載するTMRセンサ10
0’’を設ける方法として記載される。しかし、方法2
50はTMRセンサ100を設けるときにも容易に適合
する。方法250は、作製時におけるTMRセンサ10
0’’の一実施の形態を示す図9〜14に従って記載さ
れる。TMRセンサ100’’はTMRセンサ100’
とほぼ同一であるが、磁化の方向を固定するための層1
06’’として合成AFMを有する。TMRセンサ10
0、100’100’’は、多数の利点を共通して有す
る。
【0055】図8〜14を参照する。工程252によ
り、第1のシールド及び第1のギャップが設けられる。
第1のギャップは、工程252において、第1のシール
ド上に設けられる。そして、工程254において、第1
のリード122’が設けられる。しかし、第1のリード
122’が第1のシールドに結合されるときは、第1の
ギャップは省略してもよい。さらに、同一の材料からな
るときは、第1のリード122’は、第1のシールドと
同時に設けてもよい。下地層、即ちシード層が工程25
6において設けられる。シード層は、約50Åのタンタ
ル(Ta)からなることが望ましい。そして工程258
において、硬質磁性層116’となる材料が設けられ
る。一実施の形態において、硬質磁性層は、50〜10
0Åのクロム(Cr)と、100〜600Åのコバルト
白金合金(CoPt)又はコバルト鉄合金(CoFe)
とからなる。
【0056】スペーサ層114’となるべき1つ以上の
非磁性層が工程260で設けられることが望ましい。工
程260において設けられる非磁性層は、導電体である
ことが望ましい。一実施の形態において、工程260で
設けられる非磁性層は、50〜400Åのタンタル(T
a)からなる。そして工程262において、フリー層1
12’として使用される1つ以上の層が設けられる。一
実施の形態において、この1つ以上の層は、10〜50
Åのニッケル鉄合金(NiFe)の層と、5〜20Åの
コバルト鉄合金(CoFe)の層からなる。工程264
において、バリア層110’となる絶縁体が設けられ
る。絶縁体は、酸化されてアルミナとなる、5〜10Å
のアルミニウム(Al)を含有することが望ましい。工
程266において、ピン層108’として使用される1
つ以上の磁性層がこの絶縁体上に設けられる。工程26
8において、磁化の方向を固定するための層106’と
して使用される材料がその後設けられる。一実施の形態
において、磁化の方向を固定するための層106’は合
成AFMであり、他の実施の形態においては、磁化の方
向を固定するための層106’は反強磁性の単層であ
る。
【0057】図9は、磁化の方向を固定するための層1
06’に使用する材料が設けられた後のTMRセンサ1
00’’を示す。第1のリード122’も示されてい
る。TMRセンサ100’’は、下地層132、硬質磁
性層116’’、スペーサ層114’’、フリー層11
2’’として使用される強磁性層、バリア層110’’
となるべき絶縁体、ピン層108’’となるべき他の強
磁性層、及び磁化の方向を固定するための層106’’
となるべき複数の層からなる。磁化の方向を固定するた
めの層106’は、非磁性のスペーサ層134、強磁性
層136、及びAFM層138からなる。一実施の形態
において、非磁性のスペーサ層134は、6〜8Åのル
テニウム(Ru)からなり、強磁性層は、20Åのコバ
ルト鉄合金(CoFe)からなり、AFM層138は、
50〜100Åのイリジウムマンガン合金(IrMn)
又は100〜350Åの白金マンガン合金(PtMn)
からなる。
【0058】工程270においてフォトレジスト構造が
設けられる。図10は、フォトレジスト構造140を有
するTMRセンサ100’’を示す。フォトレジスト構
造140は、図10に示されるような2層のフォトレジ
スト構造であることが望ましい。工程272において、
TMRセンサ100’’の幅が規定される。TMRセン
サは、フォトレジスト構造140をマスクとして使用し
て、前の工程において設けられた層の形状をイオンミリ
ングにより規定することが望ましい。図11は、TMR
センサを規定する工程272の後のTMRセンサ10
0’’を示す。図11〜13に示されたTMRセンサ1
00’’の端部は傾斜しているが、このことは垂直であ
るよりも望ましい。
【0059】工程274において、1つ以上の絶縁層が
設けられる。好適な実施の形態において、1つ以上の絶
縁体の堆積の間フォトレジスト構造140はマスクとし
て残される。従って、TMRセンサ100’’の側面を
絶縁するために単層の絶縁層を設けることも可能であ
る。図12は、工程274が行われた後のTMRセンサ
100’’を示す。TMRセンサ100’’の端部のギ
ャップ118’’、120’’が設けられる。フォトレ
ジスト構造140は、ギャップ118’’、120’’
を設けるために使用した絶縁層の一部142をマスクす
る。そのため、ギャップ118’’、120’’が1回
の堆積により形成可能である。
【0060】その後工程276により、リフトオフ加工
が行われる。工程276で行われるリフトオフ加工は、
2層のフォトレジスト構造140を除去する。そのた
め、ギャップ118’’、120’’を形成する絶縁層
の一部142も除去される。図13は、工程276にお
いてリフトオフ加工が行われた後のTMRセンサ10
0’’を示す。そのため、フォトレジスト構造140及
び絶縁層の一部142は除去されている。しかし、ギャ
ップ118’’、120’’、TMRセンサ10
0’’、及びリード122’’は残っている。図示して
いないが、随意にキャッピング層を設けてもよい。
【0061】工程278において、第2のリードが設け
られる。工程276のリフトオフ加工により、リフトオ
フ後にAFM層138が露出される。その結果、TMR
センサ100’’に対して電気接続を形成することが可
能である。図14は、工程278の終了後のTMRセン
サ100’’を示す。そのため、第2のリード12
4’’も示されている。工程280において第2のギャ
ップ及び第2のシールドを形成してもよい。しかし、第
2のリード124’’が第2のシールドに電気接続され
るときは、第2のギャップは省略してもよい。さらに、
代替の実施の形態において、第2のリード124’’及
び第2のシールド(図示せず)は同時に設けることが可
能である。
【0062】方法200、250を使用して、TMRセ
ンサ100、100’、100’’を設けることが可能
である。このようなTMRセンサ100、100’、1
00’’は、フリー層112、112’、112’’の
それぞれを適切に磁気偏向させることが可能である。従
って、TMRセンサ100、100’、100’’は線
形化される。さらに、方法200、250は従来のスピ
ンバルブセンサの作製プロセスに類似している。そのた
め方法200,250は、相対的に簡単に行われる。
【0063】フリー層の上部又は下部の硬質磁性層を使
用して、フリー層を磁気偏向させたTMRセンサを設け
るための方法及びシステムが記載された。本発明は示さ
れた実施の形態に従って記載されてきたが、当業者は実
施の形態に対しては変更が可能であり、これらの変更は
本発明の趣旨及び範囲内であることに容易に想到する。
従って、請求項の趣旨及び範囲から逸脱することなく多
数の変更が当業者によりなされてもよい。
【0064】
【発明の効果】請求項1乃至27に記載された発明によ
ると、硬質磁性層により、フリー層が磁気的に偏向され
ているため、フリー層は単磁区を有し、磁気抵抗センサ
の応答は線形化され、デバイスに使用するときに望まし
い。また、硬質磁性層は、フリー層のバリア層と反対側
に位置するため、磁気抵抗センサの磁気抵抗に干渉しな
い。
【0065】請求項2乃至9に記載された発明による
と、硬質磁性層とフリー層を部分的に、磁気的に分離す
るためにスペーサ層が使用される。スペーサ層が省略さ
れた場合は、硬質磁性層はフリー層に対して強力に結合
され、フリー層は磁気的に偏向されるのではなく、部分
的に硬質磁性層により固定されてしまう。このような強
力な磁気結合はフリー層の保磁力を、記録媒体により生
成される磁界を超える程度にまで増加させてしまうこと
があるが、スペーサ層を設けることにより、フリー層は
低い保磁力を保持する。また、スペーサ層を設けること
により、原則的に硬質磁性層の端部からの磁界のみがフ
リー層の磁化の方向を偏向させることとなる。
【0066】請求項10,11に記載された発明による
と、硬質磁性層の端部は所望の傾斜を有し、このような
硬質磁性層の端部により生成された磁界の強度及び方向
により、硬質磁性層の性能を向上させる。硬質磁性層の
より偏向された磁場により、フリー層は記録媒体に対し
て線形的に応答し、安定な単磁区構造を有することとな
る。
【0067】請求項14乃至27に記載された方法は、
従来のスピンバルブセンサの作製プロセスに類似してい
るため、簡単に行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)従来のTMRセンサの側面図、(b)従
来のTMRセンサを空気にさらされる面から観察した平
面図。
【図2】磁気的に偏向されていないフリー層を有する従
来のTMRセンサの応答を示すグラフ。
【図3】他の従来のTMRセンサを空気にさらされる面
から観察した平面図。
【図4】(a)本発明によるTMRセンサの一実施の形
態の側面図、(b)本発明によるTMRセンサの一実施
の形態を空気にさらされる面から観察した平面図。
【図5】(a)本発明によるTMRセンサの一実施の形
態を空気にさらされる面から観察した平面図、(b)本
発明によるTMRセンサの一実施の形態の応答の推測値
を示すグラフ。
【図6】(a)本発明による傾斜した側面を有するTM
Rセンサの一実施の形態の抵抗変化の推測値を示すグラ
フ、(b)本発明による傾斜した側面を有するTMRセ
ンサの一実施の形態の応答を示すグラフ。
【図7】本発明によるTMRセンサを提供するための本
発明による方法のハイレベルフローチャート。
【図8】本発明によるTMRセンサを提供するための本
発明による方法のより詳細なフローチャート。
【図9】作製時における本発明によるTMRセンサの一
実施の形態を示す平面図。
【図10】作製時における本発明によるTMRセンサの
一実施の形態を示す平面図。
【図11】作製時における本発明によるTMRセンサの
一実施の形態を示す平面図。
【図12】作製時における本発明によるTMRセンサの
一実施の形態を示す平面図。
【図13】作製時における本発明によるTMRセンサの
一実施の形態を示す平面図。
【図14】作製時における本発明によるTMRセンサの
一実施の形態を示す平面図。
【符号の説明】
112、112’、112’’…フリー層、108、1
08’、108’’…ピン層、110、110’、11
0’’…バリア層、101…記録媒体、134…スペー
サ層、12,138…反強磁性層、116、116’、
116’’…硬質磁性層、122’,124’,12
2’’,124’’…リード。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 43/12 G01R 33/06 R (72)発明者 マシュー リチャード ギボンズ アメリカ合衆国 94550 カリフォルニア 州 リバーモア シャーロット コモン 514 (72)発明者 チェスター シャオエン チェン アメリカ合衆国 95120 カリフォルニア 州 サンノゼ マカビー ロード 6191 (72)発明者 ホァ−チン トン アメリカ合衆国 95120 カリフォルニア 州 サンノゼ ジョスリン ドライブ 7184 Fターム(参考) 2G017 AA10 AD54 5D034 BA02 BA03 BB01 CA06 DA07 5E049 AA04 BA06 BA16 DB12

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強磁性を有し、第1の側とこれと反対側
    の第2の側とを有するフリー層と、 磁化の方向を有し強磁性であるピン層と、このピン層の
    磁化の方向は特定の方向に固定されていることと、この
    ピン層は前記フリー層の第1の側にあることと、 前記第1の側のフリー層と前記ピン層とを分離するバリ
    ア層と、このバリア層は、前記ピン層と前記フリー層と
    の間の荷電粒子のトンネルを許容するに足りる薄さを備
    えた絶縁層であることと、 前記フリー層の第2の側にある硬質磁性層と、この硬質
    磁性層は前記フリー層を磁気的に偏向させることとを有
    する、記録媒体からデータを読み取る磁気抵抗センサ。
  2. 【請求項2】 前記第2の側のフリー層と前記硬質磁性
    層との間に配置された非磁性のスペーサ層をさらに有す
    る請求項1に記載された磁気抵抗センサ。
  3. 【請求項3】 前記非磁性のスペーサ層は導電性を有す
    る層である請求項2に記載された磁気抵抗センサ。
  4. 【請求項4】 前記固定層に隣接した反強磁性層と、前
    記反強磁性層は、ピン層の磁化の方向を特定の方向に固
    定するための層であることとをさらに有する請求項2に
    記載された磁気抵抗センサ。
  5. 【請求項5】 前記ピン層は合成反強磁性層からなる請
    求項2に記載された磁気抵抗センサ。
  6. 【請求項6】 前記バリア層はアルミナからなる請求項
    2に記載された磁気抵抗センサ。
  7. 【請求項7】 前記硬質磁性層は、コバルトクロム白金
    合金(CoCrPt)からなる請求項2に記載された磁
    気抵抗センサ。
  8. 【請求項8】 前記硬質磁性層は、コバルト白金合金
    (CoPt)からなる請求項2に記載された磁気抵抗セ
    ンサ。
  9. 【請求項9】 前記硬質磁性層は、コバルトクロム合金
    (CoCr)からなる請求項2に記載された磁気抵抗セ
    ンサ。
  10. 【請求項10】 前記硬質磁性層は少なくとも1つの傾
    斜した端部を有する請求項1に記載された磁気抵抗セン
    サ。
  11. 【請求項11】 前記少なくとも1つの傾斜した端部は
    約45°の傾斜を有する請求項10に記載された磁気抵
    抗センサ。
  12. 【請求項12】 前記硬質磁性層はさらに保磁力を有
    し、前記フリー層は使用の際に外部磁界にさらされ、前
    記硬質磁性層の保磁力は前記外部磁界よりも大きい請求
    項1に記載された磁気抵抗センサ。
  13. 【請求項13】 前記フリー層は第2の保磁力を有し、
    前記フリー層の第2の保磁力は前記外部磁界よりも小さ
    い請求項12に記載された磁気抵抗センサ。
  14. 【請求項14】 記録媒体からデータを読み取るための
    磁気抵抗センサを設ける方法において、(a)フリー層
    を設ける工程と、このフリー層は強磁性を有し、第1の
    側とこれと反対側の第2の側を有することと、(b)ピ
    ン層を設ける工程と、このピン層は磁化の方向を有し、
    強磁性であり、このピン層の磁化の方向は特定の方向に
    固定されていることと、このピン層は前記フリー層の第
    1の側にあることと、(c)前記第1の側のフリー層と
    前記ピン層とを分離するバリア層を設ける工程と、この
    バリア層は、前記ピン層と前記フリー層との間の荷電粒
    子のトンネルを許容するに足りる薄さを備えた絶縁層で
    あることと、(d)前記フリー層の第2の側に硬質磁性
    層を設ける工程と、前記硬質磁性層は前記フリー層を磁
    気的に偏向させるための層であることとを有する方法。
  15. 【請求項15】 (e)前記第2の側のフリー層と前記
    硬質磁性層との間に配置された非磁性のスペーサ層を設
    ける工程をさらに有する請求項14に記載された方法。
  16. 【請求項16】 前記非磁性のスペーサ層は導電層であ
    るような請求項15に記載された方法。
  17. 【請求項17】 (f)前記ピン層に隣接して反強磁性
    層を設ける工程と、この反強磁性層はピン層の磁化の方
    向を特定の方向に固定する層であることとをさらに有す
    る請求項15に記載された方法。
  18. 【請求項18】 前記ピン層を設ける工程(b)は、
    (b1)合成反強磁性層を設ける工程をさらに有する請
    求項15に記載された方法。
  19. 【請求項19】 前記バリア層はアルミナからなる請求
    項15に記載された方法。
  20. 【請求項20】 前記硬質磁性層はコバルトクロム白金
    合金(CoCrPt)からなる請求項15に記載された
    方法。
  21. 【請求項21】 前記硬質磁性層はコバルト白金合金
    (CoPt)からなる請求項15に記載された方法。
  22. 【請求項22】 前記硬質磁性層はコバルトクロム合金
    (CoCr)からなる請求項15に記載された方法。
  23. 【請求項23】 前記硬質磁性層は少なくとも1つの傾
    斜した端部を有する請求項14に記載された方法。
  24. 【請求項24】 前記少なくとも1つの傾斜した端部は
    約45°の傾斜を有する請求項23に記載された方法。
  25. 【請求項25】 前記硬質磁性層は保磁力を有し、前記
    フリー層は使用の際に外部磁界にさらされ、前記硬質磁
    性層の保磁力は前記外部磁界よりも大きい請求項14に
    記載された方法。
  26. 【請求項26】 前記フリー層は第2の保磁力を有し、
    前記フリー層の第2の保磁力は前記外部磁界よりも小さ
    い請求項25に記載された方法。
  27. 【請求項27】 記録媒体上の情報を読み取るための磁
    気抵抗センサを設ける方法において、(a)磁化の方向
    を固定するための層を設ける工程と、(b)前記磁化の
    方向を固定するための層に隣接して、ピン層として使用
    される第1の強磁性層を設ける工程と、このピン層は特
    定の方向に固定された磁化の方向を有することと、
    (c)前記第1の強磁性層に隣接して、バリア層として
    使用される第1の絶縁体を設ける工程と、(d)前記第
    1の絶縁体に隣接して、フリー層として使用される第2
    の強磁性層を設ける工程と、この第2の強磁性層が第1
    及び第2の側を有することと、この第2の強磁性層の第
    1の側は前記第1の絶縁体に隣接することと、前記第1
    の絶縁体は、前記第1の強磁性層と第2の強磁性層との
    間の荷電粒子のトンネルを許容するに足りる薄さを有す
    ることと、(e)前記フリー層の第2の側に硬質磁性層
    を設ける工程と、前記硬質磁性層は前記フリー層を磁気
    的に偏向させることと、(f)前記磁化の方向を固定す
    るための層、第1の強磁性層、絶縁層、第2の強磁性層
    及び硬質磁性層をエッチングしてセンサの形状を規定す
    る工程と、前記センサは第1及び第2の端部を有するこ
    とと、(g)前記センサの第1及び第2の端部に第2の
    絶縁体を設ける工程と、(h)第1及び第2のリードを
    設ける工程と、前記第1のリードは前記第1の強磁性層
    に電気接続し、前記第2のリードは前記第2の強磁性層
    に電気接続することとを有する方法。
JP2001200660A 2000-07-18 2001-07-02 フリー層を偏向させる硬質磁性体を使用したtmrセンサを設ける方法及びシステム Pending JP2002117510A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7046487B2 (en) 2002-10-02 2006-05-16 Tdk Corporation Magnetoresistive effective element, thin film magnetic head, magnetic head device and magnetic recording/reproducing device

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