JP2002113124A - 消火用イナートガス送入装置 - Google Patents

消火用イナートガス送入装置

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JP2002113124A
JP2002113124A JP2000309048A JP2000309048A JP2002113124A JP 2002113124 A JP2002113124 A JP 2002113124A JP 2000309048 A JP2000309048 A JP 2000309048A JP 2000309048 A JP2000309048 A JP 2000309048A JP 2002113124 A JP2002113124 A JP 2002113124A
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inert gas
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dangerous
pressure
valve
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Toshinori Saitou
熹敬 斎藤
Koji Shibazaki
幸治 柴崎
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NIPPON GOSEI ALCOHOL KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】弁の開閉操作が簡便且つ安価な手段によって、
イナートガス供給配管中に危険物が留積しないようにし
て、安全確実に消火し得るイナートガス供給装置を提供
する。 【解決手段】イナートガスホルダから危険物施設に消火
用イナートガスを送入するイナートガス供給配管に、
(A)当該危険物施設が通常に運転あるいは停止されて
いる際は、危険物施設から配管側への危険物の逆流を防
止する遮断機能と、(B)当該危険物施設の発災時にお
いてイナートガスホルダから消火用イナートガスを危険
物施設に導入する際は、消火用イナートガスを送入し得
る導通機能とを併有する遮断/導通手段を当該危険物施
設へのイナートガス供給配管に、該危険物が該イナート
ガス供給配管内に留積しないように設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、危険物施設の消火
用イナートガス送入装置に係り、詳記すれば、危険物が
配管内に留積しないようにした消火用イナートガス送入
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】危険物施設、即ち、危険物を製造、取扱
い、または貯蔵する設備にあっては、「危険物の規制に
関する規則」に、第1種〜第5種の消火設備を設置基準
に従って設置するよう定められている。
【0003】特に、大規模な製造所の消火設備のうち、
密封構造の塔槽類消火設備の設置方法は「著しく消火困
難な製造所で、高さ6メートル以上の部分において危険
物を取り扱う密封構造の塔槽類については、第3種の固
定消火設備を原則とするが、消火に十分な量(付属設
備、配管等を含めた塔槽類の容積の3倍程度)の窒素ガ
ス(イナートガス)又は水蒸気を概ね5分以内に送入で
きる送入装置を設置する場合には、危険物令第23条の
特例を適用し、第3種の消火設備を設けないこととして
差し支えない。」と、政令に消火用イナートガス送入装
置による消火設備の代替が特例措置として認められてい
る。
【0004】著しく消火困難な製造所で、高さ6メート
ル以上の部分において危険物を取り扱う密封構造の塔槽
類に該当する施設としては、例えば、反応、蒸留、蒸
発、抽出、吸収、吸着、混合、撹拌、乾燥、沈降あるい
はろ過などの単位操作をするための比較的高さを必要と
するか高所に設置される塔槽類が挙げられる。
【0005】該塔槽類にあっては第3種の固定消火設備
を設置することもあるが、一般的には操作や保守のし易
さから、窒素ガス(イナートガス)を送入できる送入装
置による代替が多く採用されている。
【0006】前記消火用イナートガス送入装置は、対象
危険物施設の消火に十分な量(対象危険物施設の容積の
3倍量以上)のイナートガスを加圧貯蔵するイナートガ
スホルダおよびイナートガス必要送入能力を維持する配
管から構成されている。
【0007】従来の一般的な消火用イナートガス送入装
置を、図1に従って詳しく説明する。 危険物施設8と
イナートガスホルダ9は、配管5と、弁1、配管6、弁
2、ブロー弁4および水封シール11で構成されるイナ
ートガス送入操作部A(図中破線で示した部分)と、イ
ナートガス供給配管7および危険物施設8のイナートガ
ス供給ノズル13に付属して取り付けられている弁3と
を介して接続されている。
【0008】危険物施設8が通常に運転あるいは停止さ
れている際には、弁3は常時開であるが、イナートガス
送入操作部Aのブロー弁4を開、弁1および弁2を閉と
することで、イナートガスを危険物施設8側に送入しな
いようにすると共に、取り扱い危険物がイナートガスホ
ルダ9側に漏洩しない仕組みになっている。ブロー弁4
の末端開放部は、空気の混入を防ぐために水封などの方
法で大気とはシールされているのが一般的である。
【0009】危険物施設8が発災した時は、前記したよ
うに弁3は常時開であるので、イナートガス送入操作部
Aのブロー弁4を閉、弁1および弁2を開とすることに
よって、加圧貯蔵されているイナートガスが、配管5、
6、7及び弁3を通って危険物施設8のイナートガス供
給ノズル13から危険物施設8に送入され、発災危険物
は消火される仕組みになっている。
【0010】弁3は常時開で操作されるが、停止時にお
ける危険物施設8の修理や弁3とイナートガスホルダ9
間の修理などで弁3を閉止する必要のある時にのみ、弁
3は臨時に閉止されることがある。
【0011】イナートガス送入操作部Aは、危険物施設
8の発災時に操作する必要から、安全が確保され、且
つ、操作し易い地上から高さ1メートル付近で危険物施
設8からかなり離れた場所に設置されるのが一般的であ
る。そのため、イナートガス供給配管7は通常数十メー
トル以上の長さがあり、百メートルを超えることも稀で
はない。また、高さ6メートル以上の高所にイナートガ
スを送入するわけであるから、イナートガス供給配管7
は地上付近にあるイナートガス送入操作部Aからその分
だけ立ち上がり配管部を形成することが必須となる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来の消火用イナート
ガス送入装置は前記した構成であるので、危険物施設8
の運転時には、取り扱い危険物が、蒸気であれ液体であ
れ、常時開である弁3を通って侵入し、閉止している弁
2までのイナートガス供給配管7に取り扱い危険物が留
積することになる。取り扱い危険物が蒸気の状態であっ
ても、本来、イナートガス供給配管7は大気温下にある
ので、イナートガス供給配管7に侵入した危険物蒸気は
冷却されて液化し、結局、イナートガス供給配管7は留
積した取り扱い危険物の液体で充満されることになる。
また、融点が常温以上の危険物の場合は冷却されること
で液化し、更に固化することでイナートガス供給配管7
が固体で充満される。
【0013】このようにイナートガス供給配管7に危険
物の液体若しくは固体が侵入留積することによって、イ
ナートガス供給配管7の内部は腐食が進行することがあ
るため、配管の点検修理や腐食対策を定期的に実施する
必要がある。また、いざ発災時にイナートガスを送入す
る段になった時に、留積した危険物の液体あるいは、特
に固体はイナートガス送入の妨げになり、スムーズにイ
ナートガスが送入できなくなるという問題もある。
【0014】また、液化させないためにはスチームトレ
ス等の方法でイナートガス供給配管7の全部を常時保温
しなければならないという問題もある。特に、常温で固
化する危険物にあっては、固化を防ぐためにこのスチー
ムトレスなどの保温は必須であるという問題もある。
【0015】そればかりか、発災時において、弁4を
閉、弁1および弁2を開とするので、3つの弁の開閉操
作を行う必要があったが、これが一秒を争う消火作業の
重大な欠点となっていた。
【0016】イナートガス供給配管7に逆止弁を取り付
ける方法も考えられたが、逆止弁は急激な圧力変化に対
しては効果的に作動するが、この消火用イナートガス送
入装置では、危険物施設の起動時や運転中においては、
逆止弁の前後での急激な圧力変化は実質上あまり起きな
いので、効果的に逆止動作が機能せず、危険物施設8の
運転中に危険物は逆止弁から徐々に侵入し、結局、イナ
ートガス供給配管7の内部は危険物が留積する問題は解
決できないので、逆止弁を取り付けることは採用されて
いない。即ち、逆止弁は本発明で特定する危険物の逆流
を防止する遮断機能を有していないということである。
【0017】本発明は、危険物施設で用いられる消火用
イナートガス供給装置において、弁の開閉操作が簡便且
つ安価な手段によって、イナートガス供給配管中に危険
物が留積しないようにして、安全確実に消火し得るイナ
ートガス供給装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的に沿う本発明の
消火用イナートガス供給装置は、イナートガスホルダか
ら危険物施設に消火用イナートガスを送入するイナート
ガス供給配管に、(A)当該危険物施設が通常に運転あ
るいは停止されている際は、危険物施設から配管側への
危険物の逆流を防止する遮断機能と、(B)当該危険物
施設の発災時においてイナートガスホルダから消火用イ
ナートガスを危険物施設に導入する際は、消火用イナー
トガスを送入し得る導通機能とを併有する遮断/導通手
段を当該危険物施設へのイナートガス供給配管に、該危
険物が該イナートガス供給配管内に留積しないように設
けたことを特徴としている。
【0019】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0020】本発明の消火用イナートガス送入装置は、
図2に示されるように、危険物施設8とイナートガスホ
ルダ9は、配管5と、弁1、ブロー弁4および水封シー
ル11とで構成されるイナートガス送入操作部A(図中
破線で示した部分)と、イナートガス供給配管7、遮断
/導通手段10および危険物施設8のイナートガス供給
ノズル(配管接続口)13に付属して取り付けられてい
る弁3とを介して接続されている。ブロー弁4の末端開
放部は空気の混入を防ぐために、水封などの方法でシー
ルされている。この水封シール11は、必ずしも必要で
はないが、装置の安全上の観点からは、あった方が好ま
しい。
【0021】この構成により、危険物施設8が通常に運
転あるいは停止されている際には、弁3は常時開である
ので、イナートガス送入操作部Aのブロー弁4を開、弁
1は閉として、イナートガスが危険物施設8側に送入し
ないようにすると共に、遮断/導通手段10は危険物が
遮断/導通手段10を通ってイナートガス供給配管7側
に漏洩しないよう遮断機能が働き、危険物はイナートガ
ス供給配管7に留積しない仕組みになっている。
【0022】危険物施設8の発災時において、イナート
ガスホルダ9から消火用イナートガスを危険物施設8に
導入する際は、弁3は常時開であるので、イナートガス
送入操作部Aのブロー弁4を閉、弁1を開とすることに
よって、遮断/導通手段10は導通機能が働き、イナー
トガスが弁3を通り危険物施設8のイナートガス供給ノ
ズル13から危険物施設8側に送入され消火する仕組み
になっている。尚、イナートガス供給ノズル13は、予
め危険物施設8に固定したパイプであり、これにより装
置配管の連結を容易とするものであるが、これは必ずし
も必要ではない。上記実施例においては、弁3とイナー
トガス供給ノズル13とは、両フランジ部を結合するこ
とによって連結している。勿論、他の手段によって連結
しても差し支えない。
【0023】本発明で言う危険物とは、消防法で危険物
と定義された物品、あるいは危険物と判定された物品を
いう。
【0024】本発明で言う危険物施設とは、著しく消火
困難な製造所で、高さ6メートル以上の部分において危
険物を取り扱う密封構造の塔槽類であって、指定数量以
上の危険物を貯蔵し、又は取り扱う施設で消防法上の設
置の許可を受けた施設をいう。
【0025】本発明で言う消火用イナートガスとは、法
令で認可された消火に用いられる気体で、例えば窒素、
炭酸ガスおよび水蒸気などが挙げられる。
【0026】一般的に、危険物施設の操作圧力は、用途
に応じて減圧下、大気圧下あるいは加圧下で各危険物施
設の運転条件により設定運転されている。本発明の装置
は減圧下、大気圧下あるいは加圧下で運転されるいずれ
の危険物施設においても、遮断/導通手段を適宜選択す
ることで採用でき、危険物施設の操作圧力は特に限定さ
れない。
【0027】イナートガスホルダは消火に十分な量のイ
ナートガスを確保供給するわけであるから、危険物施設
の運転圧力より高い圧力を維持し、確実に必要量のイナ
ートガスの供給ができるように設計維持されていればよ
く、本発明の装置ではイナートガスホルダの構造や運転
条件などは特に限定されない。
【0028】次に、本発明の特徴である遮断/導通手段
について説明する。
【0029】本発明の遮断/導通手段の取り付け位置
は、危険物がイナートガス供給配管内に留積しないよう
にし得るイナートガス供給配管の位置である。具体的に
は、危険物施設と遮断/導通手段との間の危険物液体が
留積する可能性のある配管を、最小限の長さにするのが
よく、当該危険物施設のイナートガス供給ノズルの直近
に設けるのが好ましい。即ち、遮断/導通手段を当該危
険物施設のイナートガス供給ノズルの直近に取り付ける
ことで、危険物液体の配管内の留積を防ぐことができ、
本発明の特有の効果が発揮できるわけである。遮断/導
通手段は当該危険物施設のイナートガス供給ノズルの直
近に取り付けるのが好ましいが、危険物をできるだけ留
積させないためには、図2に示すようにイナートガス供
給ノズル13と同じ位置若しくはそれ以上の高さに取り
付けるのが好ましい。
【0030】危険物が液体の場合には、図3に示すよう
に、弁3に近接して垂直立上がり部を連設し、この立上
がり部に本発明の遮断/導通手段10を連結するのであ
れば、危険物が留積しないので、危険物施設8から離れ
ていてもよい。垂直立上がり部を斜めの立上がり部とし
ても勿論良い。また、危険物施設8に直接斜めの立上が
り部を連接しても差し支えない。尚、弁3は、必ずしも
設けなくとも良いが、装置の安全上の観点からは、あっ
た方が好ましい。
【0031】また、危険物が固体の場合には、遮断/導
通手段10は当該危険物施設のイナートガス供給ノズル
13の直近に取り付けるのが好ましいが、本発明でいう
直近とは、イナートガス供給ノズルに付属して取り付け
られる弁3を取り付けずに直接イナートガス供給ノズル
に遮断/導通手段を直接取り付ける場合も含めて、危険
物の留積を防ぐ意味からできるだけ近い距離をいう。
【0032】イナートガス供給ノズルと遮断/導通手段
との距離は、危険物が液体か固体かによっても異なる
が、危険物の留積を防ぐことができればよく、具体的に
は、0〜5m、好ましくは0〜3m、より好ましくは0
〜1mである。融点が常温以上の危険物の場合は、危険
物施設8と遮断/導通手段10との間を、スチームトレ
スなどの方法で保温することにより本発明の効果が良好
に達成できる。
【0033】本発明の遮断/導通手段は、(A)当該危
険物施設が通常に運転あるいは停止されている際は、危
険物施設から配管側への危険物の逆流を防止する遮断機
能と、(B)当該危険物施設の発災時においてイナート
ガスホルダから消火用イナートガスを危険物施設に導入
する際は、消火用イナートガスを送入し得る導通機能と
を併有するわけであるが、具体的には、例えば、吹き出
し側を当該危険物施設側に向けて取り付けた破裂板ある
いは吹き出し側を当該危険物施設側に向けて取り付けた
安全弁、あるいは吹き出し側を当該危険物施設側に向け
て取り付けた保圧弁などが挙げられる。破裂板は保守が
し易く、コンパクトで、且つ遮断/導通手段として優れ
ているので、特に好ましい。
【0034】通常、塔槽類に取り付ける破裂板、安全弁
あるいは保圧弁などは、該塔槽類の保護および安全対策
を目的として用いられるので、吹き出し側は該塔槽類か
ら外部に吹き出すように設置される。
【0035】一方、本発明の遮断/導通手段を取り付け
た消火用イナートガス送入装置は、遮断/導通手段10
の吹き出し側を危険物施設側にして取り付ける。即ち、
破裂板、安全弁あるいは保圧弁などの取り付けにおい
て、従来では考えられなかった全く逆方向に取り付けて
その効果を導き出すという、逆転の発想に基づいて初め
て本発明がなされたものである。
【0036】次に危険物施設の操作条件と遮断/導通手
段10の選定方法について説明する。
【0037】遮断/導通手段の選定にあたって考慮され
ねばならない諸条件は、危険物の性状、危険物施設の操
作条件、特に操作温度および操作圧力などである。
【0038】遮断/導通手段は危険物の蒸気および/又
は液体と接触するわけであるから、危険物に対する耐
性、すなわち、操作温度内での取り扱い危険物に対する
耐食性や耐溶解性などを有する材質から形成されている
必要がある。これら耐性のある材質は、一般的には経済
性のある炭素鋼やステンレス鋼などの鉄および鉄合金
材、アルミニュウムあるいは銅およびその合金などの金
属材料を挙げることができる。また、耐熱性および耐有
機溶剤性の高いポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、ポリ
スルフォン樹脂、ポリイミド樹脂やポリエーテル樹脂な
どの高分子樹脂材料などを挙げることができ、これらの
中から危険物に応じて最適な材質からなる遮断/導通手
段を選択することができる。
【0039】次に、操作圧力と遮断/導通手段の選定方
法について説明する。
【0040】危険物施設の操作圧が常圧下あるいは減圧
下で運転される場合、遮断/導通手段を介して、通常運
転時は遮断され発災時は危険物施設側にイナートガスを
圧送導通させるには、導通作動圧力差が0.1〜1MP
aの範囲、好ましくは0.12〜0.5MPaの範囲で
吹き出し側にイナートガスが吹き出す導通作動をする性
能を有する遮断/導通手段を選定し、吹き出し側を危険
物施設側になるよう設置することで本発明は達成され
る。この下限導通作動圧力差が0.1MPa未満である
と減圧下で運転している場合に、減圧状態によっては導
通してしまうことがあり好ましくない。また、上限導通
作動圧力差が1MPaより大きくても操作上の問題はな
いが、イナートガスホルダ、配管および弁などの耐圧性
能やイナートガスの蓄圧圧力などをそれだけ過大にしな
ければならず、経済的でない。危険物施設運転中の多少
の圧力変動による誤作動を防ぐ意味から、下限導通作動
圧力差は0.12MPa以上であることがより好まし
い。上限作動導通圧力差は設備費の観点からは0.5M
Pa以下であることがより好ましい。
【0041】危険物施設が常圧あるいは減圧下で運転さ
れている場合、本発明の消火用イナートガス送入装置は
図2で説明したように、弁1は閉、弁3および弁4は開
であるので、遮断/導通手段10の危険物施設8側(吹
き出し側)は運転圧力と同圧の常圧あるいは減圧状態が
維持されている。一方、配管7側(送入側)は大気圧と
同圧である。この状態ではイナートガスの送入側と吹き
出し側の圧力差は0〜0.1MPa未満(危険物施設8
が絶対真空で運転されている場合は、圧力差0.101
3MPaとなるが、危険物が内在しているので絶対真空
はありえず、減圧下の場合、通常、圧力差は0.1MP
a未満である。)の範囲であるから、下限導通作動圧力
差以下であるので遮断/導通手段10は遮断機能が働
き、危険物施設8から配管7側に危険物の蒸気あるいは
液が逆流することはなく、また、配管7側から危険物施
設8側に空気が入り込むことはない。特に、遮断/導通
手段10が破裂板の場合は、腐食や破裂作動以外の損傷
がない限り遮断効果は確実に保たれる。
【0042】この状態で、通常運転時においては危険物
が配管7側に逆流することもなく、また、危険物施設側
にイナートガスが流入することもなく完全に遮断され
る。発災時においては弁4を閉および弁5を開とするこ
とで、イナートガスホルダ9中に必要圧力(大気圧に導
通作動圧力差を加算した圧力以上)および必要量で貯え
られているイナートガスが配管7から圧送されると同時
に遮断/導通手段10が作動し導通状態となり、危険物
施設8内にイナートガスが送入され消火される。
【0043】危険物施設が加圧下で運転される場合は、
遮断/導通手段の種類により導通作動圧力差の範囲が異
なる。
【0044】即ち、遮断/導通手段が破裂板である場合
は、加圧運転中には危険物が配管側に流出しないように
遮断すると共に、発災時にはイナートガスを当該危険物
設備に圧送導通させるという手段を維持させるために、
破裂板の導通作動圧力差(破裂圧力差)が当該危険物施
設の操作圧力に0.02〜1MPaの圧力を加算した圧
力範囲で吹き出し側にイナートガスが吹き出す導通作動
をする性能を有する破裂板を好適に採用できる。より好
ましくは当該危険物施設の操作圧力に0.05〜0.5
MPaの圧力を加算した圧力範囲の導通作動圧力差であ
る破裂板が好ましい。下限導通作動圧力差は通常運転時
には遮断機能を働かせるために決定されるべきであり、
また、上限導通作動圧力差は経済性の観点から決定され
る。導通作動圧力差範囲が前記圧力範囲の性能を有する
破裂板が好適に採用できる。
【0045】これを図2に示した本発明の消火用イナー
トガス送入装置図で更に詳しく説明する。危険物施設が
加圧下で運転されている場合、弁1は閉、弁3および弁
4は開であるので、遮断/導通手段である破裂板10の
危険物施設8側(吹き出し側)は操作圧力と同圧の加圧
状態となっている。一方、配管側7(送入側)は大気圧
と同圧である。この状態では破裂板10の吹き出し側に
操作圧力が懸かっているが、導通作動圧力差以下である
ので、破裂板10は破裂することなく遮断機能が働き、
危険物施設8から配管7側に危険物の蒸気あるいは液が
逆流することはない。また、配管7側から危険物施設8
側に空気が入り込むこともない。発災時においては、弁
4を閉、弁5を開とすることで、イナートガスホルダ9
中に必要圧力(操作圧力に導通作動圧力差を加算した圧
力以上)および必要量で貯えられているイナートガス
が、配管7から圧送されると同時に破裂板10が作動し
導通状態となり、危険物施設8内にイナートガスが送入
され消火される。
【0046】次に、遮断/導通手段が安全弁あるいは保
圧弁である場合は、導通作動圧力は(安全弁あるいは保
圧弁にあっては「導通作動圧力差」を「導通作動圧力」
あるいは「吹き出し圧力」と読み替える。)は0.12
MPa以上、より好ましくは0.15MPa以上の圧力
で吹き出し側にイナートガスを吹き出す性能を有する安
全弁あるいは保圧弁を好適に採用できる。もちろん、イ
ナートガスを圧送するのであるから、これら安全弁や保
圧弁のケーシングの耐圧性能は最大圧送圧力の1.5倍
以上である必要がある。
【0047】これを図2に示した本発明の消火用イナー
トガス送入装置図で説明する。危険物施設が加圧下で運
転されている場合、弁1は閉、弁3および弁4は開であ
るので、遮断/導通手段である安全弁あるいは保圧弁1
0の危険物施設8側(吹き出し側)は操作圧力と同圧の
加圧状態となっている。一方、配管7側(送入側)は大
気圧と同圧である。この状態では安全弁あるいは保圧弁
10の吹き出し側に操作圧力が懸かっているが、安全弁
あるいは保圧弁は本来その構造上吹き出し側にいくら圧
力を加えても、吹き出し側から送入側にはガスや液は流
れないので、安全弁あるいは保圧弁10を介して配管7
側に危険物が流れることはなく、また、送入側の方が吹
き出し側より低圧であるので、吹き出し側(危険物施設
8側)に空気が流入することもなく遮断機能が働く。ま
た、これら保圧弁あるいは安全弁のケーシングの耐圧性
能は前記したように、最大圧送圧力の1.5倍以上であ
るので、操作圧力の負荷で破損し外部に危険物が漏洩す
ることはない。発災時においては、弁4を閉、弁1を開
とすることで、イナートガスホルダ9中に必要圧力(操
作圧力に吹き出し圧力を加算した圧力以上)および必要
量で貯えられているイナートガスが配管7から圧送され
ると同時に安全弁あるいは保圧弁10の吹き出し圧力以
上になるので導通状態となり、危険物施設8内にイナー
トガスが送入され消火される。
【0048】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるもの
ではない。
【0049】エチルアルコールを精留する棚段式常圧蒸
留塔8(塔高39m、塔径2.4m)の下部ノズル13
および上部ノズル13´の2箇所(1箇所は予備)か
ら、それぞれ消火用イナートガスが供給できるように、
図4に示す本発明方法の消火用イナートガス送入装置を
2本設置した。設置した遮断/導通手段10、10´は
いずれも吹き出し圧力差0.15MPa、許容公差±
0.014MPa、サイズ2Bの破裂板であり、前記蒸
留塔ノズル13、13´から弁3、3´を介して0.4
mの位置に取り付けた。弁1、1´、弁4、4´、水封
シール11およびヘッダー12からなるイナートガス送
入操作部Aと破裂板10、10´の間はサイズ3/4B
で、長さはそれぞれ45mおよび60mの配管7、7´
を接続した。消火用イナートガスの窒素は2Bの配管5
を介してイナートガスホルダから圧力0.8MPaで供
給されるようにした。
【0050】本消火用イナートガス(窒素)送入装置の
設置完成検査において、窒素ガス送入テストを、弁3を
開、弁4を閉とした上で、弁1を開として行ったとこ
ろ、瞬時に破裂板10が破裂し、窒素ガスが蒸留塔8に
供給され検査に合格した。破裂した破裂板10を前記性
能と同一の新品と交換後、弁3、3´、4、4´は開、
弁1、1´は閉として、エチルアルコールの精留を実施
した。この間、破裂板10、10´は破裂することな
く、水封シールの確認においても、エチルアルコールや
窒素ガスのリークもなく正常にエチルアルコールの精留
を108日間連続して実施し、計画生産を達成できた。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、簡便で安価な遮断/導
通手段を用いることにより、危険物設備の運転中におい
ては、イナートガスが危険物設備に流入することを効果
的に防止し、イナートガス供給配管内に危険物が留積す
ることを防ぐことができると共に、発災時の消火作業に
おいては、余分な弁を減じたので、その分消火操作が簡
便になるだけでなく、配管内に危険物が留積しないの
で、より安全確実に消火用イナートガスを危険物施設に
供給でき、確実に消火できるほか、危険物の浸入留積を
回避することができるので、点検修理や腐食対策の労力
が著しく軽減される等多くの利点を併有する。
【0052】
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のイナートガス送入装置を示す概略図であ
る。
【図2】本発明のイナートガス送入装置の実施例を示す
概略図である。
【図3】本発明のイナートガス送入装置の他の実施例を
示す概略図である。
【図4】本発明のイナートガス送入装置の他の実施例を
示す概略図である。
【符号の説明】
3………弁 8………危険物施設 9………イナートガスホルダー 10,10′………遮断/導通手段 A………イナートガス送入操作部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イナートガスホルダから危険物施設に消火
    用イナートガスを送入するイナートガス供給配管に、
    (A)当該危険物施設が通常に運転あるいは停止されて
    いる際は、危険物施設から配管側への危険物の逆流を防
    止する遮断機能と、(B)当該危険物施設の発災時にお
    いてイナートガスホルダから消火用イナートガスを危険
    物施設に導入する際は、消火用イナートガスを送入し得
    る導通機能とを併有する遮断/導通手段を、当該危険物
    施設へのイナートガス供給配管に、該危険物が該イナー
    トガス供給配管内に留積しないように設けたことを特徴
    とする消火用イナートガス送入装置。
  2. 【請求項2】前記遮断/導通手段が、吹き出し側を前記
    危険物施設側に向けて取り付けた破裂板である請求項1
    記載の消火用イナートガス送入装置。
  3. 【請求項3】前記遮断/導通手段が、吹き出し側を当該
    危険物施設側に向けて取り付けた安全弁若しくは保圧弁
    である請求項1記載の消火用イナートガス送入装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101912673A (zh) * 2010-08-14 2010-12-15 卢泉生 石油天然气火灾防控收集法
CN101920078A (zh) * 2010-08-18 2010-12-22 卢泉生 快捷阻断石油天然气火灾新方法

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CN101920078A (zh) * 2010-08-18 2010-12-22 卢泉生 快捷阻断石油天然气火灾新方法
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