JP2002110396A - 減圧下での除電方法 - Google Patents
減圧下での除電方法Info
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Abstract
状であっても減圧下(真空中)で高性能かつ高密度の除
電ができる除電方法を提供する。 【解決手段】 複数の放電電極2を真空室1a内に並べ
て設置して、これらに交流高電圧を同時に印加し、放電
電極からグロー放電が生ずるまで真空室内を減圧して、
被除電物Aを真空室内の放電プラズマ雰囲気で除電す
る。
Description
下で除電する方法に関する。
せてプラス・マイナスのイオンを生成し、そのプラス・
マイナスのイオンにより帯電物体を除電するのが通念
で、空気(ガス分子)が希薄になる減圧下(真空中)で
は、空気の電離が起こりにくくなるため、プラス・マイ
ナスのイオンが生成せず、除電できないという考えであ
った。
たり三次元の帯電面を除電するような場合、例えば送風
により空気を積極的に送っているが、高密度に除電する
ことができず、特に、プラス・マイナス両方の極性が模
様のように複雑に混在している様相の帯電(帯電模様)
に対しては、除電ムラや逆帯電という問題を払拭するこ
とができなかった。
密度に除電できる方法として、特許第2651476号
公報に記載されているように、平面的な拡がりをもった
イオン吸引電極を用い、これを正負イオン生成用除電電
極に対して帯電物体を挟んで対向配置し、このイオン吸
引電極に、正負が交互に逆極性になる高電圧を交互に印
加し、正負イオン生成用除電電極で発生した正負のイオ
ンをイオン吸引電極で吸引して帯電物体に強制的に照射
する除電方法を提供している。
面積よりも大きいイオン吸引電極を必要とするため、装
置規模が大きくなるうえに、イオン吸引電極及び正負イ
オン生成用除電電極のための電源装置も複雑になるなど
の問題がある。
きる方法(例えば特公平5−12839号公報参照)も
提案しているが、弱帯電の場合しか適用できず、また高
密度の除電は期待できない。
物体が、強帯電であってもかつ三次元形状であっても減
圧下(真空中)で高性能かつ高密度の除電ができる除電
方法を提供することにある。
電電極を真空室内に設置して交流高電圧を印加し、放電
電極からグロー放電が生ずるまで真空室内を減圧して、
被除電物を真空室内の放電プラズマ雰囲気で除電するこ
とを特徴とする。
て、これらに交流高電圧を同時に印加すると、除電効率
が向上する。真空室内の減圧は、放電電流が急激に上昇
するところから最大域までの範囲内で行う。その減圧
は、真空室内のガスが空気の場合、31.3kPa〜1
Paである。
にコンデンサ又は抵抗を接続し、コンデンサ又は抵抗を
介して(容量結合又は抵抗結合により)交流高電圧を放
電電極に印加する。
に基づいて詳細に説明する。
同図(B)にそれに用いる放電電極ユニットを示す。真
空容器1内の所定位置に、針状の複数本の放電電極(電
極針)2が所定の間隔をおきかつ先端を同方向に向けて
設置されている。具体的には、これら放電電極2は、図
2に示すようにその一本一本が鍔付きの誘電体コア3に
植設され、横長のプリント基板4に等間隔に設けられた
スルホール5に誘電体コア3に嵌合させることにより、
放電電極2は、プリント基板4上に等間隔(例えば15
mmピッチ)で一列に突設されている。図3に示すよう
に各スルホール5の内周縁には導電層6が形成され、全
スルホール5の導電層6は、プリント基板4の裏面にプ
リントされた配線パターン7により電気接続されてい
る。従って、各放電電極2は、共通の給電線となる配線
パターン7に対してそれぞれの誘電体コア3により容量
結合されていることになる。
プリント基板4を、図4に示すように断面U字状のボデ
ィ8内に配置して絶縁モールド9中に埋設し、放電電極
2の先端部のみを絶縁モールド9の表面から突出させる
ことにより、全体として一本の放電電極ユニット10と
なっている。この放電電極ユニット10を真空容器1内
において架台に水平に固定することにより、複数本の放
電電極2は真空容器1内の所定位置に水平に固定設置さ
れている。
線パターン7は、高圧ケーブル11を介して真空容器1
外の交流高電圧電源12に電気接続され、複数本の放電
電極2には、それぞれの誘電体コア3によるコンデンサ
を介して交流高電圧が同時に印加される。誘電体コア3
に代えて抵抗体コアを用いれば、抵抗結合となり、抵抗
を介して交流高電圧が同時に印加されることになる。
透明になっている。真空容器1内、つまり真空室1a
は、外部の真空ポンプ13により無段階に徐々に真空圧
(大気圧以下)に減圧できるようになっている。
電装置を用い、図1(A)に示すように、被除電物Aを
放電電極2から距離L1だけ離して真空室1a内に入
れ、複数本の放電電極2に交流高電圧を印加したまま、
これら放電電極2からグロー放電が生ずるまで真空室1
a内を減圧することにより、被除電物Aを真空室1a内
の放電プラズマ雰囲気で除電する。以下に本発明者らが
行った実験とその結果について説明する。
置位置から後方に更に距離L2だけ離して金属の帯電板
Bを真空室1a内に垂直に立てて設置し、この帯電板B
に、図5に示すように電圧計14と抵抗15(抵抗値1
00KΩ)を接地に対して並列接続して、帯電板Bに流
れ込む電流を測定する第1の電流測定(電圧計での測
定)を行った。また、放電電極2に印加する電圧を一定
として真空度を徐々に上げたときの電流と、真空度を一
定として放電電極2に印加する電圧を徐々に上げたとき
の電流について測定した。また、放電電極2を誘電体コ
ア3に植設して容量結合とした放電電極ユニット10
と、誘電体コア3に代えて抵抗体コアに放電電極2を植
設して抵抗結合とした放電電極ユニットの2つのタイプ
について行った。
ような条件とした。 放電電極2と被除電物Aとの距離L1 70mm 帯電板Bのサイズ 150×150mm 被除電物Aと帯電板Bとの距離L2 50mm 帯電板Bの材質 ステンレス
0を用い、それへの印加電圧は5kVと一定にして真空
容器1a内を減圧して圧力(kPa)を徐々に下げ、帯
電板Bに流れる放電電流(μA)を電圧計を用いて測定
した放電電流−圧力特性のグラフで、対数目盛にして表
す。
ット10を用い、真空容器1a内の圧力は0.01kP
aと一定にして放電電極ユニット10へ印加する電圧を
1kVずつ上昇させ、帯電板Bに流れる放電電流を電圧
計を用いて測定した放電電流−電圧特性のグラフであ
る。
用い、それへの印加電圧は5kVと一定にして真空容器
1a内を減圧して圧力を徐々に下げ、帯電板Bに流れる
放電電流を電圧計を用いて測定した放電電流−圧力特性
のグラフである。
ットを用い、真空容器1a内の圧力は0.01kPaと
一定にして放電電極ユニットへ印加する電圧を1kVず
つ上昇させ、帯電板Bに流れる放電電流を電圧計を用い
て測定した放電電流−電圧特性のグラフである。
び抵抗結合のいずれの場合も、帯電板Bに流れる放電電
流は、印加電圧に比例して上昇したが、印加電圧を一定
して真空容器1a内の圧力を徐々に低下させて行った場
合、圧力があるところまで低下してから急激に上昇し
た。その急激な上昇に従い放電電極2からグロー放電に
よる青紫色の発光量が急激に増加して球形に膨張するの
が、肉眼でも観察された。放電電流の上昇推移は圧力を
更に下げても続き、放電電流が最高域になるまではほぼ
同じような上昇カーブであるが、最高域になってから圧
力の更なる低下に従い減衰し、その減衰に伴い放電電極
2の周囲の球形の発光の大きさも収縮するのが観察され
た。なお、抵抗結合の場合の図12に示す測定結果で
は、最高域に達した後の減衰が数値として現れなかった
が、発光の減衰は確認できた。
チックフィルム)を、放電電極2から距離L1(70m
m)だけ離して対向させて真空室1aに設置し、放電電
極2に印加する交流高電圧は5kVと一定にして、真空
室1aの真空度を徐々に上げて(圧力を徐々に下げる)
被除電物Aに対する除電実験をし、被除電物Aの表面
(フィルム面)の帯電模様に対する除電を確認した。
ス・マイナス両方の極性が複雑に混在した帯電模様を呈
していることから、その帯電状況と除電状況とを視覚的
に把握するため、静電式複写に使用される2種のトナー
を用い、プラスの帯電極性部分には青トナー、マイナス
の帯電極性部分には赤トナーを付着させて、真空室1a
内の圧力の変化に対するフィルム表面の除電状況を観測
した。交流高電圧電源12の電源オン時間はそれぞれ1
秒である。
している。実際にはプラス・マイナス両方の極性が混在
していることから、プラスの帯電極性部分は青色、マイ
ナスの帯電極性部分は赤色で現れているが、カラーで図
示できないため、帯電部分は全て黒で表さざるを得ない
ので、プラス・マイナス両方の帯電極性部分を全て黒で
表現した図と、その中からプラスの帯電極性部分のみを
取り出して黒で表現した図と、マイナスの帯電極性部分
のみを取り出して黒で表現した図の3つに分けて示して
いる。黒色の濃淡は帯電電位の強弱を表している。
する前(空気中)のフィルム表面に現れたプラス・マイ
ナス両方の帯電模様(青と赤)を示した図、図11は、
その中からプラスの帯電模様のみ(青のみ)を取り出し
た図、図12は、マイナスの帯電模様のみ(赤のみ)を
取り出した図である。
91.3kPaにしてフィルムを除電したときのプラス
・マイナス両方の帯電模様を示した図、図14は、その
中からプラスの帯電模様のみを取り出した図、図15
は、マイナスの帯電模様のみを取り出した図である。
除電したときのプラス・マイナス両方の帯電模様を示し
た図、図17は、その中からプラスの帯電模様のみを取
り出した図、図18は、マイナスの帯電模様のみを取り
出した図である。
除電したときのプラス・マイナス両方の帯電模様を示し
た図、図20は、その中からプラスの帯電模様のみを取
り出した図、図21は、マイナスの帯電模様のみを取り
出した図である。
除電したときのプラス・マイナス両方の帯電模様を示し
た図、図23は、その中からプラスの帯電模様のみを取
り出した図、図24は、マイナスの帯電模様のみを取り
出した図である。
除電したときのフィルム表面で、帯電模様は現れなかっ
た。真空度を21.3kPa、11.3kPaにしたと
きも帯電模様は現れなかった。
放電電流−圧力特性図とを対比すれば分かるように、真
空室1aの圧力のあるところまで低下して放電電流が急
激に上昇すると、プラス・マイナス両極性とも帯電模様
は全く消滅し、高密度に綺麗に除電されていることを示
している。
ィルムの裏面(放電電極2とは反対側)にトナー付着さ
せた場合も同様であった。このような減圧の進行に伴う
現象、つまり真空度が高くなる(圧力が低下する)に従
い空気が希薄になり、電離する空気量が減少していくの
に、除電性能が高まっていく現象は、放電電極からの放
電で空気を電離させて、プラス・マイナスのイオンのみ
で除電していた従来の除電法の考えとは適合せず、真空
室1a全体が放電プラズマ雰囲気(荷電粒子であるイオ
ンと電子が混在して電気的に中性な状態)になってい
て、中性なプラズマによりフィルムの帯電部分がプラス
・マイナス両極性とも同時に除電されるからであると想
像される。また、プラズマに電界が印加されると、荷電
粒子であるイオンと電子の移動に伴ってプラズマ中に電
流が流れてプラズマに導電性が生じ、これが上記のよう
に測定された放電電流を引き起こし、放電電流が最高域
になったところがプラズマの導電性が最高に上昇したこ
とと符合すると思われる。
の低下に伴い上昇して最高域に達した後、更に圧力を1
Paまで下げていくと減衰し、放電電極3の周囲に生じ
ている球形の発光の大きさも収縮するのが観察された。
これは、圧力を下げ過ぎると放電電流が低下し、却って
除電性能が低下することを示している。
明するために、圧力の変化に伴う分子及び電子の平均自
由行程の変化について計算した。分子及び電子の平均自
由行程は近似的に次式で求められる。
電子の平均自由行程、Pは圧力[Torr]で、K[×10-3]は
ガスにより異なり、次の表1に示すとおりである。
空気の平均自由行程を求めたところ表2のようになっ
た。図26はこれをグラフで表したものである。
図6及び図8の放電電流−圧力特性のグラフとを対比す
れば分かるように、平均自由行程が急激に上昇する圧力
域では放電電流も急激な上昇推移を呈し、平均自由行程
の上昇推移と放電電流の上昇推移とは符合している。従
って、放電電流の急激な上昇は、真空室1aでの空気の
分子数の減少以上に、平均自由行程の急激な上昇が大き
く寄与していると言える。しかし、更に圧力が低下した
ときには、平均自由行程は更に上昇するが、上記のよう
に放電電流は減衰しており、これは分子数の減少に伴う
イオンの急激な減少の度合いの方が大きくなったためで
あると思われる。
きの放電電流は、大気圧中での放電に比べてはるかに大
きな値で、放電電極間が短絡したときの短絡電流に近
く、このことから、プラズマによる導電性が最高に達し
たことで、これが高密度の除電に有効に寄与していると
思われる。
極で実験したところ、減圧下では導電性が向上して、短
絡電流に近い放電電流が流れるため、1個の放電電極か
ら集中して大きなプラズマ放電が接地体に向かって流
れ、安定なグロー放電を生成することができず、上記と
同等の除電効果が得られなかった。
物体を強帯電であっても減圧下(真空中)で高性能かつ
高密度の除電ができる。また、三次元形状の帯電物体で
あっても、その内部まで高密度に除電でき、更に装置規
模も小さくできる。
合にも、ある減圧下で除電することで、帯電模様までし
かもプラス・マイナスの帯電極性に関係なく綺麗に除電
できるので、実用価値の高い新たな除電方法を提供でき
る。
はそれにおいて用いる放電電極ユニットの正面図であ
る。
基板上での実装構造を示す一部分の断面図である。
示す模式図である。
の印加電圧は一定にして真空容器内を減圧して圧力を徐
々に下げ、帯電板に流れる放電電流を電圧計を用いて測
定した放電電流−圧力特性のグラフである。
真空容器内の圧力は一定にして放電電極ユニットへ印加
する電圧を上昇させ、帯電板に流れる放電電流を電圧計
を用いて測定した放電電流−電圧特性のグラフである。
の印加電圧は一定にして真空容器内を減圧して圧力を徐
々に下げ、帯電板に流れる放電電流を電圧計を用いて測
定した放電電流−圧力特性のグラフである。
真空容器内の圧力は一定にして放電電極ユニットへ印加
する電圧を上昇させ、帯電板に流れる放電電流を電圧計
を用いて測定した放電電流−電圧特性のグラフである。
前のフィルム面に現れたプラス・マイナス両方の帯電模
様を示す図である。
を取り出した図である。
図である。
ムを除電したときのプラス・マイナス両方の帯電模様を
示した図である。
た図である。
図である。
ムを除電したときのプラス・マイナス両方の帯電模様を
示した図である。
た図である。
図である。
ムを除電したときのプラス・マイナス両方の帯電模様を
示した図である。
た図である。
図である。
ムを除電したときのプラス・マイナス両方の帯電模様を
示した図である。
た図である。
図である。
ムを除電したときのプラス・マイナス両方の帯電模様を
示した図である。
自由行程の変化を示すグラフである。
7)
て、これらに交流高電圧を同時に印加すると、除電効率
が向上する。真空室内の減圧は、放電電流が急激に上昇
するところから最大域までの範囲内で行う。その減圧
は、真空室内のガスが空気の場合、31.3kPa〜1
Paである。なお、ここで1Paは、実施例で示してい
るようにマイナス放電電流値が最大になるところでな
く、最大になってから下降したところであり、本発明で
言う「最大域」とは、このように最大値から下降したと
ころまでを含めた意味である。
Claims (6)
- 【請求項1】放電電極を真空室内に設置して交流高電圧
を印加し、放電電極からグロー放電が生ずるまで真空室
内を減圧して、被除電物を真空室内の放電プラズマ雰囲
気で除電することを特徴とする減圧下での除電方法。 - 【請求項2】複数の放電電極を真空室内に並べて設置し
て、これらに交流高電圧を同時に印加することを特徴と
する請求項1に記載の減圧下での除電方法。 - 【請求項3】真空室内の減圧は、放電電流が急激に上昇
するところから最大域までの範囲内で行うことを特徴と
する請求項1又は2に記載の減圧下での除電方法。 - 【請求項4】真空室内を31.3kPa〜1Paまで減
圧することを特徴とする請求項1、2又は3に記載の減
圧下での除電方法。 - 【請求項5】放電電極にコンデンサを接続し、コンデン
サを介して交流高電圧を放電電極に印加することを特徴
とする請求項1、2、3又は4に記載の減圧下での除電
方法。 - 【請求項6】放電電極に抵抗を接続し、抵抗を介して交
流高電圧を放電電極に印加することを特徴とする請求項
1、2、3又は4に記載の減圧下での除電方法。
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KR20200031558A (ko) * | 2018-09-12 | 2020-03-24 | 가스가 덴끼 가부시끼가이샤 | 제전 장치 및 플라즈마 발생 장치 |
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