JP2002096441A - グラビア版の製版方法 - Google Patents

グラビア版の製版方法

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JP2002096441A
JP2002096441A JP2000289899A JP2000289899A JP2002096441A JP 2002096441 A JP2002096441 A JP 2002096441A JP 2000289899 A JP2000289899 A JP 2000289899A JP 2000289899 A JP2000289899 A JP 2000289899A JP 2002096441 A JP2002096441 A JP 2002096441A
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Japan
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roll
printer head
plate
making roll
etching resist
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JP2000289899A
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Fujio Ochiai
富士雄 落合
Koji Onuma
浩司 大沼
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MIKI KIKAKU KK
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MIKI KIKAKU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大きさが種々に異なる被製版ロールにインク
ジェット型のプリンタ装置によりエッチングレジスト形
成液を噴射してエッチングレジストよりなるネガ画像を
直接形成し得、その後エッチングしてセルを形成する、
グラビア版の製版方法。 【解決手段】 回転駆動される被製版ロールに対してプ
リンタヘッドをロール面長方向に走査し、プリンタヘッ
ドからエッチングレジスト形成用インクを非画線部に対
して噴射塗布してネガ画像を形成し、その後、エッチン
グしてセルを作る。噴射ドットの線形成スピードに被製
版ロールの周速度が一致するように、該被製版ロールの
外径寸法に基づいて被製版ロールの回転速度を算出しか
つプリンタヘッドのロール面長方向の走行速度を算出
し、被製版ロールを前記回転速度で回しかつインクジェ
ット型のプリンタヘッドを前記走行速度でロール面長方
向に走行しつつ、プリンタヘッドからエッチングレジス
ト形成インクを非画線部に対してのみ噴射塗布してエッ
チングレジストよりなるネガ画像を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、大きさが種々に異な
る被製版ロールにインクジェット型のプリンタ装置によ
りエッチングレジスト形成液を噴射してエッチングレジ
ストよりなるネガ画像を直接形成し得、その後エッチン
グしてセルを形成しグラビア版を作ることができる、グ
ラビア版の製版方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、グラビア版の製版方法は、(1)カ
ーボンチッシュと原稿フィルムと重ね全面焼きする方
法、(2)感光膜レーザ露光法、(3)アブレーション法、
(4)彫刻法の四つがあった。インクジェット型のプリン
タ装置によって版ロールへインク画像を形成する技術と
しては、オフセット印刷機に応用した例がある(特開平
11−300923)。又、特表平2−504405の
請求項17には、「像情報を有する耐食性の又は耐亜鉛
メッキ性保護塗料がインキジェット法でグラビア版に塗
布され、そこにおいて、ドットに相当するフリーゾーン
が化学的エッチング又は電気的浸蝕により次いで深く食
刻される」という記載があるが、詳細な説明及び図面に
一切の関連する記載が存在しない。従来においては、イ
ンクジェット型のプリンタ装置によって被製版ロールへ
エッチングレジストよりなるネガ画像を直接形成し得
る、グラビア版の製版方法は全く実用されていないし、
技術文献としても、特表平2−504405の請求項1
7の僅かな記載以外は開示されている発明や考案も全く
なかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】感光膜コートとレーザ
ー露光と現像の必要がなく、又は、ブラックコートとレ
ーザーアブレーションの必要がなくて、製版時間を大幅
に短縮でき、高価な設備や熟練を必要とせず、明室で作
業ができ、設備コスト・製版コストを大幅に低減できる
ことが望まれている。又、残渣の問題が生じないことが
求められている。
【0004】本願発明者等は、上記の課題に対して、イ
ンクジェット型のプリンタ装置によって被製版ロールへ
エッチングレジストよりなるネガ画像を直接形成する、
グラビア版の製版方法を考えた(未公知)。詳しくは、
チャック回転手段により両端支持され回転駆動される被
製版ロールに対してインクジェット型のプリンタヘッド
をロール面長方向に走査し、インクジェット型のプリン
タヘッドから非画線部に対応してエッチングレジスト形
成インクを噴射塗布してエッチングレジストよりなるネ
ガ画像を形成し、次いでエッチングレジストのスクリン
線で囲まれていてエッチングレジストで覆われていない
ロール面にエッチング液を接触させてセルを食刻し、次
いで、エッチングレジストをエッチングレジスト溶解液
に接触させて除去するグラビア版の製版方法を考えた
(未公知)。しかしながら、本願発明者等の知見によれ
ば、インクジェット型のプリンタヘッドからエッチング
レジスト形成インクを噴射して線を形成していく線形成
スピード、すなわち、単位時間当たりの線形成長さはフ
レキシブルなものでなく固定的なものであり、他方、線
形成スピードは、ロール表面に塗布されるエッチングレ
ジスト形成インクのドットの大きさと、ドットと次のド
ットの重なりの度合いから定まる関数であり、エッチン
グレジスト形成インクの一ドットの大きさは、ノズルの
大きさと噴射量とギャップ距離によって決まり、一つの
ドットと次に噴射される1つのドットの重なりの度合い
は版面の移動速度とエッチングレジスト形成インクの噴
射のタイミング時間とから決まる。このため、線形成ス
ピードを中間径の被製版ロールの周速度に合致するよう
に決めておくと、大きさが様々な被製版ロールを両端支
持して被製版ロールの大きさにかかわらず一定回転数で
回転させると、中間径よりも大きい被製版ロールでは周
速度が大きなってエッチングレジスト形成インクのドッ
ト同士がずれ重なることができなくなりドットが次々に
離れて線を構成できなくなること、又、中間径よりも小
さい被製版ロールでは周速度が小さくなってエッチング
レジスト形成インクのドットのずれが小さくて被膜が厚
くなり過ぎてしまうことが分かった。いずれの場合も、
ネガ画像が周方向に引き延ばされ又は圧縮されて画像が
スパイラル状にずれていく。従って、被製版ロールの大
きさに対応して回転数を替える必要があることが分かっ
た。しかして、被製版ロールの大きさに対応して回転数
を替える場合には、被製版ロールの大きさにかかわら
ず、プリンタヘッドのロール面長方向の速度を一定にし
たままの設定であると、被製版ロールの回転数を大きく
して該被製版ロールの回転数に対してプリンタヘッドの
走行速度が相対的に小さくなり過ぎるときはエッチング
レジスト形成インクのドットで形成される線と線が重な
り面塗りができるが、ずれが小さくて被膜が厚くなり過
ぎてしまうことが分かった、又、被製版ロールの回転数
を小さくして該被製版ロールの回転数に対してプリンタ
ヘッドの走行速度が相対的に大きくなり過ぎるときはエ
ッチングレジスト形成インクのドットで形成される線と
線が離れてコイル線のようになってしまい、エッチング
レジスト形成インクのドットで面塗りができなくなるこ
とが分かった。さらに、ドッドの重なりが所定の値でな
いときも、ネガ画像がロール面長方向に引き延ばされる
か、又は圧縮されて正常な画像を形成できない。従っ
て、被製版ロールの大きさに対応して、ドットが所定の
値でずれ重なって線を形成でき、さらに線と線が所定の
値で螺旋状に重なって面を形成できるように、被製版ロ
ールの回転数を変える必要があるとともに、プリンタヘ
ッドのロール面長方向の速度を変える必要があることが
分かった。さらに、本願発明者等の知見によれば、二次
元テーブルの被製版ロールに接近・離隔する方向の走査
応答性と被製版ロールの偏心・振れ回りがあるときのプ
リンタヘッドのギャップの調整についても解決しなけれ
ばならないことが分かった。
【0005】本願発明は、上述した点に鑑み案出したも
ので、大きさが種々に異なる被製版ロールにインクジェ
ット型のプリンタ装置によりエッチングレジスト形成液
を噴射してエッチングレジストよりなるネガ画像を直接
形成し得、その後エッチングしてセルを形成しグラビア
版を作ることができ、従来の感光膜コートとレーザー露
光と現像の工程を省略でき、又は、従来のブラックコー
トとレーザーアブレーションの工程を省略できて、製版
時間が大幅に短縮でき、高価な設備や熟練を必要とせ
ず、明室で作業ができ、設備コスト・製版コストを大幅
に低減でき、残渣の問題が生じない、グラビア版の製版
方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願は、上記の課題を解
決できる第一の発明として、被製版ロールをチャック回
転手段により両端支持して回転駆動し、適数個のノズル
が複数の斜め配列に設けられていて位置ずれに対応した
遅延処理を行って各ノズルからエッチングレジスト形成
インクを噴射することにより実質的にロール面長方向に
一列連鎖状に重なる素線(線幅)となるようにエッチン
グレジスト形成インクを噴射することができるインクジ
ェット型のプリンタヘッドを、被製版ロールに近接して
ロール面長方向に走査し、プリンタヘッドから非画線部
に対応してエッチングレジスト形成インクを噴射塗布し
てエッチングレジストよりなるネガ画像を形成し、その
後、エッチングしてセルを刻成し、その後、エッチング
レジストを除去するグラビア版の製版方法であって、コ
ントローラで、エッチングレジスト形成インクの噴射ド
ットがロール周方向にずれ重なって線を形成する所定の
大きさの線形成スピードに被製版ロールの周速度が一致
するように、被製版ロールの外径寸法に対応する回転速
度を算出すると共に、一回転するとエッチングレジスト
形成インクのドットで構成される前記素線の端のドット
が一回転前の素線の端のドットにずれ重なるスパイラル
状となるように、被製版ロールの回転速度とエッチング
レジスト形成インクのドットで形成される素線の長さと
一ドットのオーバーラップ寸法とから該プリンタヘッド
のロール面長方向の走行速度を算出して、被製版ロール
を前記算出した回転速度で回転すると共に、該プリンタ
ヘッドを前記算出した走行速度で走行しつつ、プリンタ
ヘッドから非画線部に対応してエッチングレジスト形成
インクを噴射塗布してエッチングレジストを形成するこ
とを特徴とする,グラビア版の製版方法を提供すること
にある。本願は、上記の課題を解決できる第二の発明と
して、適数個のノズルが複数の斜め配列に設けられてい
て位置ずれに対応した遅延処理を行って各ノズルからエ
ッチングレジスト形成インクを噴射することにより実質
的にロール面長方向に一列連鎖状に重なる素線の長さで
エッチングレジスト形成インクを噴射することができる
インクジェット型のプリンタヘッドを支持する二次元テ
ーブルを、チャック回転手段により両端支持される被製
版ロールに接近移動していき、プリンタヘッドを被製版
ロールに対して適正噴射ギャップに近接するか、又は適
正噴射ギャップになる微小距離手前に近接したときに、
二次元テーブルの接近移動を停止し、エッチングレジス
ト形成インクの噴射ドットがロール周方向にずれ重なっ
て線を形成する所定の大きさの線形成スピードに被製版
ロールの周速度が一致するように被製版ロールを回転駆
動すると共に、一回転するとエッチングレジスト形成イ
ンクのドットで構成される素線の端のドットが一回転前
の素線の端のドットにずれ重なるスパイラル状となるよ
うにプリンタヘッド支持する二次元テーブルを被製版ロ
ールのロール面長方向に走査し、前記プリンタヘッドを
被製版ロールに対して適正噴射ギャップに近接するとき
は、そのギャップを保持してプリンタヘッドから非画線
部に対応してエッチングレジスト形成インクを噴射塗布
してエッチングレジストよりなるネガ画像を形成し、
又、前記プリンタヘッドを被製版ロールに対して適正噴
射ギャップになる微小距離手前に近接するときは、プリ
ンタヘッドを被製版ロールに対してさらに近接して適正
噴射ギャップを保持してプリンタヘッドから非画線部に
対応してエッチングレジスト形成インクを噴射塗布して
エッチングレジストよりなるネガ画像を形成し、その
後、エッチングしてセルを刻成し、その後、エッチング
レジストを除去することを特徴とする,グラビア版の製
版方法を提供することにある。本願は、上記の課題を解
決できる第三の発明として、適数個のノズルが複数の斜
め配列に設けられていて位置ずれに対応した遅延処理を
行って各ノズルからエッチングレジスト形成インクを噴
射することにより実質的にロール面長方向に一列連鎖状
に重なる素線の長さでエッチングレジスト形成インクを
噴射することができるインクジェット型のプリンタヘッ
ドと、ギャップセンサとを並べて二次元テーブルに支持
して、二次元テーブルをチャック回転手段により両端支
持される被製版ロールに接近移動していきギャップセン
サにより被製版ロールとのギャップを精密測定すること
を介してプリンタヘッドの被製版ロールに対するギャッ
プを検出して適正噴射ギャップよりも若干大きい値にな
るように近接したときに、二次元テーブルの接近移動を
停止し、その後、エッチングレジスト形成インクの噴射
ドットがロール周方向にずれ重なって線を形成する所定
の大きさの線形成スピードに被製版ロールの周速度が一
致するように被製版ロールを回転駆動するとともに、一
回転するとエッチングレジスト形成インクのドットで構
成される素線の端のドットが一回転前の素線の端のドッ
トにずれ重なるスパイラル状となるようにプリンタヘッ
ドを被製版ロールのロール面長方向に走査しかつプリン
タヘッドを被製版ロールに対してさらに近接して適正噴
射ギャップを保持してエッチングレジスト形成インクの
噴射を開始してプリンタヘッドから非画線部に対応して
エッチングレジスト形成インクを噴射塗布してエッチン
グレジストよりなるネガ画像を形成し、その後、エッチ
ングしてセルを刻成し、その後、エッチングレジストを
除去することを特徴とする,グラビア版の製版方法を提
供することにある。本願は、第一、第二、及び第3の発
明について一層好ましい発明として、前記プリンタヘッ
ドを被製版ロールの直径方向に微小移動自在に二次元テ
ーブルに支持し、エッチングレジスト形成インクの噴射
開始に先立って、被製版ロールの偏心・振れ回りを測定
してコントローラにデータ入力しかつコントローラにお
いて微小振動装置を振動させることにより被製版ロール
の偏心・振れ回りを修正するための演算を行って、被製
版ロールの偏心・振れ回りに対応して微小振動装置を振
動させてプリンタヘッドを被製版ロールに対して適正噴
射ギャップに保持することを特徴とする,グラビア版の
製版方法を提供することにある。又、本願は、第一、第
二、及び第3の発明について一層好ましい発明として、
二次元テーブル上に設けた被製版ロールの直径方向に微
小移動自在なYテーブルにプリンタヘッドを支持し、Y
テーブルをロール寄りにシフトしてプリンタヘッドから
エッチングレジスト形成インクの噴射を行い、該噴射の
途中でプリンタヘッドのノズル面をクリーニングすると
きは、二次元テーブルの移動を停止しかつYテーブルを
後退させることによりプリンタヘッドをロールから離隔
して二次元テーブル上に設けたクリーナー装置を作動し
てプリンタヘッドのノズル面をクリーニングを行い、そ
の後、Yテーブルを全身位置にシフトして噴射を再開す
ることを特徴とする,グラビア版の製版方法を提供する
ことにある。本願は、上記の課題を解決できる一層具体
的で好ましい発明として、適数個のノズルが複数の斜め
配列に設けられていて位置ずれに対応した遅延処理を行
って各ノズルからエッチングレジスト形成インクを噴射
することにより実質的にロール面長方向に一列連鎖状に
重なる素線の長さでエッチングレジスト形成インクを噴
射することができるプリンタヘッドを、二次元テーブル
に設ける被製版ロールの直径方向に微小移動自在なYテ
ーブルに支持するとともに、ギャップセンサをプリンタ
ヘッドに並べて二次元テーブルに支持して、二次元テー
ブルを、外周面が銅系メッキ、ニッケル系メッキ、又は
亜鉛系メッキが施され円筒研磨・鏡面研磨されていてチ
ャック回転手段により両端支持され回転駆動される被製
版ロールに対して接近移動していきギャップセンサによ
り被製版ロールとのギャップを精密測定してプリンタヘ
ッドの被製版ロールに対するギャップが適正噴射ギャッ
プよりも若干大きい値になるように近接したときに、二
次元テーブルの移動を停止し、次いでエッチングレジス
ト形成インクの噴射開始に先立って、被製版ロールの偏
心・振れ回りをギャップセンサで測定してコントローラ
で、データを記憶すると共に被製版ロールの真正な直径
を算出し、これに基づいて、被製版ロールの外径寸法と
前記線形成スピードとからプリンタヘッドより噴射する
エッチングレジスト形成インクの所要の線形成スピード
に被製版ロールの周速度が一致するように被製版ロール
の回転速度を算出し、さらに、該被製版ロールの回転速
度とプリンタヘッドより噴射するエッチングレジスト形
成インクが線形成するときの素線の長さとエッチングレ
ジスト形成インクの線と線のオーバーラップ寸法とか
ら、プリンタヘッドのロール面長方向の走行速度を算出
し、又、二次元テーブルを被製版ロールに沿って往復移
動してギャップセンサにより被製版ロールの両端位置及
び長さを検出し、次いで、被製版ロールを前記回転速度
で回転するとともに、被製版ロールの偏心・振れ回りに
対応して微小振動装置を振動させることにより噴射開始
前待機位置のプリンタヘッドを被製版ロールに対してさ
らに接近させて適正噴射ギャップを保持し、プリンタヘ
ッドを前記走行速度でロール面長方向に走行して、プリ
ンタヘッドを被製版ロールに対して相対的に所要のスパ
イラル状に走査しつつ、プリンタヘッドからネガ画像デ
ータに対応してエッチングレジスト形成インクを噴射し
て被製版ロールに均一な膜厚のエッチングレジストのネ
ガ画像を形成し、噴射の途中でプリンタヘッドのノズル
面をクリーニングするときは、二次元テーブルの移動を
停止しかつYテーブルを後退させることによりプリンタ
ヘッドをロールから離隔して二次元テーブル上に設けた
クリーナー装置を作動してプリンタヘッドのノズル面を
クリーニングを行い、その後、Yテーブルを全身位置に
シフトして噴射を再開することとし、エッチングレジス
トのネガ画像を形成後は、エッチングを行ってセルを形
成し、次いでクロムメッキを行い、グラビア版を作るこ
とを特徴とする,グラビア版の製版方法を提供すること
にある。
【0007】
【発明の実施の形態】図1は、本願発明の,グラビア版
の製版方法に係る実施するためのインクジェット型のプ
リンタ装置の概略平面図を示す。図1において、種々の
大きさの、例えば直径Dが100mmφ〜300mmφ
で長さLが800mm〜1500mmのグラビア印刷ロ
ールを対象とする被製版ロール1は、サーボモータ4に
より回転駆動されるスピンドルチャック2と、一軸テー
ブル装置17のスライド軸17dに枢支され矢印Xの方
向に例えば900mm移動自在なテイルチャック3によ
り水平に両端チャックされる。サーボモータ4の回転
は、ノンバックラッシで回転を伝達する機構、例えばべ
ベルギア13,14の噛合回転を介してスピンドルチャ
ック2に伝達される。
【0008】コントローラ11は、図示しないモータド
ライバーに信号を送り該モータドライバーを介してサー
ボモータ4をフィードバック制御してスピンドルチャッ
ク2を矢印18の方向に回転するようになっている。コ
ントローラ11は、スピンドルチャック2が回転する
と、スピンドルチャック2に直結して設けられたロータ
リーエンコーダ16のパルス信号を入力してスピンドル
チャック2の回転の位置(角度)、回転数、回転速度を
演算してサーボモータ4をフィードバック制御するよう
になっている。
【0009】一軸テーブル装置17は、ブラケット17
aの両端が図示しない一対のガイドに係合案内されてい
るとともにブラケット17aの中央部に固設した図示し
ないボールナットに図示しないボールねじが螺合してい
て該ボールねじが図示しないサーボモータにより回転さ
れることにより、該ブラケット17aがX方向(被製版
ロール1の面長方向)に例えば900mm移動自在であ
り、該ブラケット17aに設けた軸受ブロック17bにリ
ニアガイド17cにより回転不能に軸方向に案内される
スライド軸17dを備えていて、該スライド軸17dにテ
イルチャック3が枢支され、コイルばね17eが該スラ
イド軸17dをスピンドルチャック2の方向へ付勢して
いる。一軸テーブル装置17は、被製版ロール1をチャ
ックする前はスピンドルチャック2に対して離間した待
機位置にあって、被製版ロール1が産業用ロボットによ
り支持されて一端をスピンドルチャック2に係合される
と、接近移動していきテイルチャック3が被製版ロール
1の他端に係合して、コイルばね17eを所要圧縮する
と、リニアガイド17cの側に設けた近接センサ17fが
テイルチャック3の側に設けた検知ブロック17gを検
出し、この信号がコントローラ11で検知されボールね
じを回転するサーボモータが駆動停止するようになって
いる。
【0010】スピンドルチャック2の側方の待機位置に
待機している二次元テーブル7が、インクジェット型の
プリンタヘッド5を支持してX方向(被製版ロール1の
面長方向)とY方向(被製版ロール1の直径方向)に往
復動自在である。二次元テーブル7上にはY方向テーブ
ル8が設けられ、Y方向テーブル8上に設けられたY方
向ガイド9に係合案内されるプリンタヘッド5が、Y方
向テーブル8に一端を固定された微小振動装置10の他
端と連結されていて、コントローラ11が微小振動装置
10を電気制御することによりプリンタヘッド5が被製
版ロール1に対して接近・離隔する方向に数μmm乃至
数百μmmの距離を超高速で無段階に変動できる。微小
振動装置10は、ピエゾ素子等の電歪アクチュエータ或
いはボイスコイルが用いられる。Yテーブル8は、プリ
ンタヘッド5のノズル面のクリーニング時以外のときは
二次元テーブル7上のロール寄りにシフトしている。噴
射の途中でプリンタヘッド5のノズル面をクリーニング
するために、二次元テーブル7にはクリーニング装置1
2が設けられる。クリーニング装置12はYテーブル8
が二次元テーブル7上の反ロール側にシフトしたときに
X方向に往復スライドしてプリンタヘッド5のノズル面
をクリーニングする。
【0011】二次元テーブル7には、プリンタヘッド5
の隣りに被製版ロール1に対向するギャップセンサ6が
並べて付設されている。コントローラ11は、二次元テ
ーブル7をX方向に移動するための図示しないサーボモ
ータとY方向に移動するための図示しないサーボモータ
をそれぞに対応する図示しないドライバーを介してフィ
ードバック制御するようになっている。又、コントロー
ラ11は、ギャップセンサ6の信号を入力して被製版ロ
ール1の大きさを算出して各サーボモータへ被製版ロー
ル1の大きさに対応した制御信号を出力するようになっ
ている。又、コントローラ11は、エッチングレジスト
形成インクを噴射するための電気信号を該プリンタヘッ
ド5に対して出力するようになっている。
【0012】一軸テーブル装置17のブラケット17a
をX方向(被製版ロール1の面長方向)に往復動自在と
する構成、及び二次元テーブル7をX方向(被製版ロー
ル1の面長方向)とY方向(被製版ロール1の直径方
向)に往復動自在とする構成は精密な移動が行える適宜
の機構を採用することができる。被製版ロール1が図示
のスリーブタイプでなく軸付きタイプであるときは、ス
ピンドルチャック2とテイルチャック3のチャック構造
は異なる。
【0013】プリンタヘッド5は、感光液、又はロール
面に対して十分な密着性を有しかつ耐食性を有する黒色
液、又は例えば2エチル4メチルイミダゾール、あるい
はチアゾール等の防錆剤を含んでいてかつ好ましくは検
版ができるように被製版ロールの金属色とはっきりと判
別できる白色等に着色されていてロール面の金属と瞬時
に化学反応して耐食性の化成被膜を形成する液を貯留す
るカートリッジタンクと該カートリッジタンクから給液
される黒色液を噴射する噴射ノズルを備えている。プリ
ンタヘッド5は、例えば、図3(a)に示す30個のノズ
ルの配列の如く、各ノズルからの噴射のタイミングを遅
延処理すると噴射が横一列に連鎖状に重なり得るように
所要の斜め配列にかつ複数配列に設けられる。なお、プ
リンタヘッド5は、ヘッド内タンクが大容量のタンクと
フレキシブルホールで接続されていても良い。ギャップ
センサ6には、1μmm単位でギャップ(測定対象物と
の距離)が測定できる性能を有するものを選ぶのが好ま
しい。二次元テーブル7を被製版ロール1に接近移動し
ていくと、ギャップセンサ6が被製版ロール1とのギャ
ップを電気信号の変化として検出し、コントローラ11
が演算を行って距離に換算する。
【0014】スピンドルチャック2の外周に円環状のダ
イヤルゲージ15が固定されている。該マスターツール
15は、好ましくは、外周面がクロムメッキされていて
直径が例えば25℃の室温で301.000mmφとな
るように外周面が極めて高い真円精度で鏡面加工されて
おり、超微調整装置によりスピンドルチャック2の軸心
と極めて精密な同心状態に位置決めされて図示しないフ
レームに固定されている。
【0015】プリンタヘッド5は、P1⇒P2⇒P3⇒P4
⇒P5⇒P6⇒P7⇒P8⇒P9⇒P10⇒P1の各ポイントへ
順に移動する。P7⇒P8の移動以外は、二次元テーブル
7の移動に伴う移動である。P7⇒P8の移動は、微小振
動装置10の移動に伴う移動である。この他に、プリン
タヘッド5は、ノズル面のクリーニング時にY方向テー
ブル8の後退移動に伴う移動がある。
【0016】P1ポイントはプリンタヘッド5の待機位
置である。P1ポイントからY方向にストロークaだけ
移動してP2ポイントに至る動作は、スピンドルチャッ
ク2の軸心からプリンタヘッド5のノズル面までの距離
を精密に計測するためのものである。ギャップセンサ6
がプリンタヘッド5のノズル面よりもGμmm、例えば
500μmmだけ引っ込んでいるものとして、直径Dm
が301.000mmφであるマスターゲージ15にギ
ャップB1が1500μmmとなるようにギャップセン
サ6が近接した時点で二次元テーブル7の移動を停止す
ると、スピンドルチャック2の軸心からP2ポイントの
プリンタヘッド5のノズル面までの距離A2は、(Dm/
2)+B2=151.500mmとなる。B2は、プリン
タヘッド5のノズル面からマスターゲージ15までのギ
ャップであり、B2=B1−Gである。このように、コン
トローラ11は、ギャップセンサ6をマスターゲージ1
5に近接移動してギャップセンサ6とマスターゲージ1
5とのギャップをギャップセンサ6の信号から入力して
演算・記憶し、予め入力されているマスターゲージ15
の直径Dmと、ギャップセンサ6とプリンタヘッド5の
ノズル面のギャップGと、ギャップセンサ6のマスター
ゲージ15に対するギャップB1から、A2=(Dm/
2)+B1−G)計算を行ってスピンドルチャック2の
軸心からP2ポイントのプリンタヘッド5のノズル面ま
での距離A2を算出して記憶する。プリンタヘッド5が
P2ポイントからX方向にストロークbだけ移動してP3
ポイントに至ると、被製版ロール1のスピンドルチャッ
ク2側端面より例えば300.000mmテイルチャッ
ク側に移動した位置となる。
【0017】プリンタヘッド5はP3ポイントからY方
向にストロークcだけ移動してP4ポイントに至る。具
体的には、今、被製版ロール1の直径Dを例えば28
0.000mmとすると、プリンタヘッド5がP3ポイ
ントからP4ポイントのY方向に移動していき、ギャッ
プセンサ6の被製版ロール1に対するギャップが150
0μmmとなるように近接した時点で二次元テーブル7
の移動を停止すると(図2)、ストロークcは10.5
00mmとなり、P4ポイントにおけるプリンタヘッド
5の被製版ロール1に対するギャップは1000μmm
になる。この場合、被製版ロール1の直径Dは被計測寸
法であり、P3ポイントにおけるスピンドルチャック2
の軸心からプリンタヘッド5のノズル面までの距離A2
は、前記のようにマスターゲージ15に近接したときに
計測済みであり、151.500mmである。コントロ
ーラ11は、図示しないロータリーエンコーダあるいは
リニアスケール等の信号を入力してストロークcを記憶
する。従って、コントローラ11は、(A2-c-100
0μmm)×2を計算することにより、被製版ロール1
の暫定の直径を算出できる。被製版ロールが偏心してい
る場合、この直径は正確な値ではない(図2)。
【0018】なお、スピンドルチャック2の軸心からP
1ポイントのプリンタヘッド5のノズル面までの距離A1
及びY方向の移動量をリニアスケール等により超精密に
計測できるときは、マスターゲージ15が不要であり、
プリンタヘッド5は、X方向にストロークbだけ移動し
てからY方向にストロークa+cだけ移動してP4ポイン
トに移動しても良い。このときは、コントローラ11
は、A1-(a+c)-1000μmmを計算することによ
り、被製版ロール1の直径Dを算出できる。
【0019】しかしながら、被製版ロール1の直径Dの
算出を一層正確に行うには、被製版ロール1の偏心・振
れ回りを加味する必要がある。被製版ロール1の偏心は
最大で30μmm位であり、被製版ロール1を一回転さ
せると、振れ回りが生じて被製版ロール1とプリンタヘ
ッド5とのギャップは60μmmの変動が生じる。前述
したように、プリンタヘッド5がP4ポイントに至り、
ギャップセンサ6の被製版ロール1に対するギャップが
1500μmmとなるように近接した時点で二次元テー
ブル7の移動を停止する。続いて、被製版ロール1が1
回転する。このとき、被製版ロール1の偏心・振れ回り
に起因して生ずるギャップセンサ6の被製版ロール1に
対するギャップの変動をコントローラ11がデータ入力
する。コントローラ11は、被製版ロール1が一回転す
る間に、例えば1/360回転毎に変動するギャップを入力
し、得られた入力データの中から最大ギャップ又は最小
ギャップをピックアップする。この際、最大ギャップと
最小ギャップは180度ずれた角度となるように選択
し、そして、例えば最小ギャップと原点位置(ロータリ
ーエンコーダ16の原点位置)とのずれ角αを算出する
(図2参照)。コントローラ11は、(最大ギャップ+
最小ギャップ)÷2を計算して平均ギャップを算出し、
次いで、(A2-c-平均ギャップ)×2を計算すること
により、被製版ロール1の偏心・振れ回りを加味した被
製版ロール1の精密な直径Dを算出する。なお、別途に
備える直径計測装置を用いて被製版ロール1の直径Dを
算出しても良い。コントローラ11は、例えば最小ギャ
ップの位置から一回転分のデータに並び替えて各データ
と平均ギャップを比較し、平均ギャップよりもデータギ
ャップの方が大きいときは被製版ロール1がギャップセ
ンサ6に対して迫り出してきているので、平均ギャップ
とデータギャップとの偏差分だけ微小振動装置10を被
製版ロール1から遠ざける移動量として例えばマイナス
の値(−δ)として記憶し、又、平均ギャップよりもデ
ータギャップの方が小さいときは被製版ロール1がギャ
ップセンサ6に対して後退しているので、平均ギャップ
とデータギャップとの偏差分だけ微小振動装置10を被
製版ロール1に近づける移動量として例えばプラスの値
(+δ)として記憶する。二次元テーブル7が移動を停
止した時点における,ギャップセンサ6の被製版ロール
1に対する1500μmmのギャップは、平均ギャップ
ではない。この1500μmmのギャップは、最大ギャ
ップに該当するときもあろうし、又、最小ギャップに該
当するときもある。
【0020】プリントヘッド5がP4ポイントからX方
向にストロークdだけ移動してP5ポイントに至るとき
にギャップセンサ6により被製版ロール1のテイルチャ
ック3側の端面を検出され、次いで、プリントヘッド5
が反対方向にストロークeだけ移動されてP6ポイント
に至るときにストロークの終端近くでギャップセンサ6
により被製版ロール1のスピンドルチャック2側の端面
を検出され、もって、コントローラ11で被製版ロール
1の長さLが算出されて記憶され、次いで、プリントヘ
ッド5が再び反対方向にストロークfだけ移動されて被
製版ロール1のスピンドルヘッド2側の端面よりも例え
ば10mmをテイルチャック3側に寄ったP7ポイント
に至って停止される。この位置は、噴射開始前待機位置
である。なお、プリントヘッド5がP7ポイントに停止
されるときに、上述したように、被製版ロール1を一回
転させて平均ギャップの算出や微小振動装置10を被製
版ロール1に対して遠ざけるか、又は近づける移動量の
算出を行っても良い。
【0021】次いで、プリントヘッド5がP7ポイント
に至ると、被製版ロール1を回転して二次元テーブル7
がX方向にストロークhだけ移動してプリントヘッド5
がインクジェットを開始する。インクジェットを行うに
際して、微小振動装置10を振動して被製版ロール1が
偏心・振れ回り回転するにもかかわらず、プリントヘッ
ド5を被製版ロール1に対して適正噴射ギャップになる
ように、例えば150μmmとなるように保持する。プ
リントヘッド5を被製版ロール1に対して適正噴射ギャ
ップに保持することは重要である。その理由は、プリン
トヘッド5が適正噴射ギャップを越えて被製版ロール1
に接近すると、被製版ロール1の偏心・振れ回りが大き
い場合に被製版ロール1とプリントヘッド5が干渉して
プリントヘッド5が損傷する大事に至る惧れがあり、干
渉しない場合でもインクのはねが返りがプリントヘッド
5に付着堆積して良好なインクジェットができなくなる
惧れがあり、又、反対に、プリントヘッド5が適正噴射
ギャップよりも大きく被製版ロール1から離間すると、
噴射したインクが広がって計画された大きさのドットよ
りも大きなドットがコートされることになるからであ
る。上記の平均ギャップを例えば1480μmmとして
算出した場合、ギャップセンサ6とプリントヘッド5の
ギャップが500μmm(上記の具体例の数値)である
から、プリントヘッド5がP7ポイントの位置した状態
から微小振動装置10を駆動して被製版ロール1に対し
て830μmmだけさらに近づけると、プリントヘッド
5と被製版ロール1とのギャップが150μmmとなる
ものの、被製版ロール1が偏心・振れ回りに対応して微
小振動装置10を振動させないと150μmmに保つこ
とができない。そこで、プリントヘッド5と被製版ロー
ル1とのギャップを適正噴射ギャップを150μmmと
して常に保持するために、予め、被製版ロール1の一回
転について、1/360回転毎に微小振動装置10の前進シ
フトされる移動量を算出して記憶する。そして、上記の
ように算出した被製版ロール1の一回転に対応してい
る,微小振動装置10を被製版ロール1に対して遠ざけ
るか又は近づける個々の移動量(−δ又は+δ)に83
0μmmを加えた値を算出して、1/360回転毎に微小振
動装置10の前進シフトされる移動量を算出して記憶し
て置いて、プリントヘッド5がインクジェットを行うに
際して、コントローラ11が読み出して比例する電気信
号を出力して微小振動装置10を振動させると、被製版
ロール1の偏心・振れ回り回転するにもかかわらずプリ
ントヘッド5を該被製版ロール1とのギャップが適正噴
射ギャップ、例えば150μmmとなるように振動させ
ることができる。なお、噴射を行う前に、被製版ロール
1を例えば10r.p.m.で回転しかつプリントヘッド5を
一回転当たり50mm移動するようにして、プリントヘ
ッド5を被製版ロール1の一端から他端まで相対的にス
パイラルに走査し、その際に、ロータリーエンコーダ1
6の信号を原点信号を基準として例えば15°回転が進
む毎にコントローラ11に信号入力して、各信号入力時
におけるギャップセンサ6の被製版ロール1に対するギ
ャップを測定して被製版ロール1の全体の偏心・触れ回
り状態をコントローラ11にデータ入力し、コントロー
ラ11において、ギャップを一定にするために、微小振
動装置10の前後進シフトする移動量を算出して噴射時
に微小振動装置10を前後進シフトするように構成して
も良い。又、被製版ロール1の回転が遅いのでギャップ
センサ6で被製版ロール1に対するギャップを計測して
リアルタイムで微小振動装置10を制御してプリントヘ
ッド5と被製版ロール1とのギャップを150μmmと
なるように一定にさせることもできる。又、プリントヘ
ッド5と被製版ロール1に対する適正噴射ギャップが1
50μmmと決まっているものではない。以上により、
被製版ロール1の偏心・振れ回りを加味した,被製版ロ
ール1の直径Dと、微小振動装置10を振動させるシフ
ト量を算出する。
【0022】プリントヘッド5がP7ポイントに至りイ
ンクジェットを開始する際は、被製版ロール1がコント
ローラ11によって計算された回転速度:Nr.p.m.で回
転すると共に、プリントヘッド5がコントローラ11に
よって計算された速度:Vμmm/分でX方向にストロ
ークhだけ移動する。
【0023】コントローラ11は、被製版ロール1の偏
心・振れ回りを加味して算出した被製版ロール1の直径
Dを算出すると、該直径Dと前記線形成スピードHとか
ら、被製版ロール1の回転速度Nr.p.mを、プリンタヘ
ッド5より噴射するエッチングレジスト形成インクの線
形成スピードHに被製版ロール1の周速度が一致するよ
うに演算し、次いで、算出した被製版ロール1の回転速
度Nr.p.mに対応して、プリンタヘッド5のロール面長
方向の走行速度Vmm/秒を演算する。<計算>ロール
直径Dがいかようであっても常に周速度が所定値になる
回転速度Nr.p.mを算出する。ドットの直径Rは、プリ
ンタヘッド5に設けられるノズルの口径と噴射の広がり
度合いによって決まる。素線の長さRは、プリンタヘッ
ド5に設けられるノズルの数によって決まる。ノズルが
一つのときは、素線の長さRは線と線のオーバーラップ
寸法を別途に計算するものとすればドットの直径Q(μ
mm)に等しく考えることができる。ノズルが一つのと
きは、時間がかかり過ぎて実用に耐えない。従って、可
能な限り多くのノズルを図3(a)に示すように斜め配列
で設けて遅延処理を行うことによって図3(b)に示すよ
うに噴射ドットが横一列に連鎖状に重なってずれるよう
に構成する。ドットをロール面長方向に線形成するため
にオーバーラップさせる寸法は0.35Q〜0.5Qとし、
又、ドットをロール周方向に線形成するためにオーバー
ラップさせる寸法も0.35Q〜0.5Qとする。なお、ドッ
トをオーバーラップさせる寸法0.35Q〜0.5Qは、コン
トローラ11に付属の図示しない入力装置から所望値を
入力できるようにするのが良い。コントローラ11は、
ドットが一分間に線形成する距離H(μmm)を、1分
間に液噴射を行う回数(=液噴射を行わせる信号を出力
する回数)Kと、ドットの直径Q(μmm)と、ドット
をロール周方向にオーバーラップさせる寸法0.35Q〜0.
5Qとから、H={K・Q−(K−1)・0.35Q〜0.5
Q}の式より(一定値)を算出できる。コントローラ1
1は、被製版ロール1の直径Dが計測され又は入力され
ると、円周長さSをS=D×πの式から1ミクロンの単
位まで精密に算出する。そこで、コントローラ11は、
H=N×S=N×D×πの関係式を変形した式、N=H
/(D×π)={K・Q−(K−1)・0.35Q〜0.5Q}
/(D×π)より、被製版ロール1の直径値Dに対応した
被製版ロール1の回転速度Nr.p.mを算出する。KとQ
を決めて、H={K・Q−(K−1)・0.35Q〜0.5
Q}の計算を行うのは、具体的な開発設計上の問題であ
る。市販のインクジェットプリンタでプリンタヘッドの
スピードHは速いものでは一秒間に400〜500mm
進むものがある。
【0024】被製版ロール1の大きさに対応して回転数
Nを替えるので、これに対応して、プリンタヘッド5の
ロール面長方向の走行速度Vを変える。理由は、従来の
技術の項で既述したように、被製版ロール1の大きさに
対応して回転数Nを替える場合には、被製版ロール1の
大きさにかかわらず、プリンタヘッド5のロール面長方
向の速度を一定にしたままであるときは、被製版ロール
1の回転数が大きすぎるとエッチングレジスト形成イン
クのドットで形成されるスパイラルな塗り線と塗り線が
重なり面塗りできるが、ずれが小さくて被膜が厚くなり
過ぎてしまい、所望の膜厚を確保できなくなり、又、被
製版ロールの回転数が小さすぎるとエッチングレジスト
形成インクのドットで形成されるスパイラルな塗り線と
塗り線が離れてしまい、エッチングレジスト形成インク
のドットで面塗りができなくなるからである。従って、
図3(c)に示すように、被製版ロール1を一回転させる
と、液噴射の位置が一回転前の液噴射の位置との間に隙
間が開かないでわずかに重なってずれるスパイラル状の
液噴射になるように、プリンタヘッドをロール面長方向
に走査させる。 <計算>ノズルを複数個nだけ設けるときの素線の長さ
Rを求める式は、R={n・Q−(n−1)・0.35Q〜
0.5Q}で示される。エッチングレジスト形成インクの
線と線のオーバーラップ寸法はドットをオーバーラップ
させる寸法0.35Q〜0.5Qに等しくするのが良い。プリ
ンタヘッド5のロール面長方向の走行速度Vは、被製版
ロール1の回転速度Nr.p.mと、プリンタヘッド5より
噴射するエッチングレジスト形成インクが線形成すると
きの素線の長さR(μmm)と、エッチングレジスト形
成インクの線と線のオーバーラップ寸法とから、次式に
より算出される。 V(μmm/分)={N・R−(N−1)・0.35Q〜0.
5Q}
【0025】
【試算例】被製版ロール1の回転速度Nr.p.mは、線形
成速度Hを400mm/秒とすると、被製版ロール1の
直径Dが300mmのときは概算で25.46r.p.mと
する必要があり、被製版ロール1の直径Dが200mm
のときは概算で38.19r.p.mとする必要があり、被
製版ロール1の直径Dが100mmのときは概算で7
6.39r.p.mとする必要がある。ネガ画像のデータは
ロールの一回転毎に対応したデータ群としかつロールの
回転角度に対応するロータリーエンコーダの信号に基づ
いて一回転当たりに出力するデータを割り振って出力す
ることでスパイラル状に画像がずれるのを防止するの
で、回転速度Nを区切りの良い数値として、サーボモー
タ4は、被製版ロール1が25r.p.m、40r.p.m、75
r.p.mとなるように回転して差し支えない。これによる
誤差は、ドットの重なりの極微小のずれとして吸収さ
れ、極僅かであるが画像が周方向に膨張又は縮小する。
そこで例えば、ノズル同士のオーバーラップ量を0.5Q
として、一つのノズルからエッチングレジスト形成イン
クを例えば4ピコリットル噴射して直径8μmmのドッ
トが形成されるものとし、ノズルを100個設けるとき
の素線の長さRは上記Rを求める式から404μmmに
なる。既述したように、被製版ロール1の直径Dが30
0mmのときは25r.p.m、200mmのときは40r.
p.m、100mmのときは75r.p.mとした場合、プリン
タヘッド5のロール面長方向の走行速度Vは、被製版ロ
ール1の直径Dが300mmのときは10004μmm
/分、200mmのときは16004μmm/分、10
0mmのときは30004μmm/分とする必要がある
ので、コントローラ11は二次元テーブル7を被製版ロ
ール1の面長方向に各算出されたスピードとなるように
移動する。二次元テーブル7の被製版ロール1の面長方
向の移動速度を切りの良い値にするときは、速度が遅く
なるように概算化して線と線が離れないようにする。上
記試算例では、ロール面長が1.2メートルあるとき
は、被製版ロール1の直径Dが300mmのときは約1
19分、200mmのときは約75分、100mmのと
きは約40分でロール全面にネガ画像を塗布形成するこ
とができる。これだと、時間的に長いので、ノズルを2
00〜300個有するプリンタヘッドを設けるか、プリ
ンタヘッドを複数設ければ時間の短縮が図れる。ノズル
の口径を大きくすると、1インチ当たりのスクリン線数
を300本にして高精細な印刷を行いたいときにシャド
ウ部の非画線部の線巾が大き過ぎることになるので好ま
しくなく、ノズル数を多くすることが好ましい。
【0026】上記の計算例が示す如く、被製版ロール1
の直径Dが300mmのときは25r.p.m、被製版ロー
ル1の直径Dが200mmのときは40r.p.m、被製版
ロール1の直径Dが100mmのときは75r.p.mとす
る必要があり、サーボモータ4に制御信号数をその都度
変えて出力して求める回転数となるように精密に回転す
るのは難しいので、サーボモータ4と駆動側スピンドル
2との間に無断変速機を介在させて、噴射前にサーボモ
ータ4を近似値で回転駆動し微妙な回転数の相違は無断
変速機を作動し被製版ロール1の回転数を取り出せるタ
コジェネレータで計測して求める回転数となるように修
正し、しかる後に噴射を行うようにするのが好ましい。
【0027】プリンタヘッド5がP7ポイントに至る
と、コントローラ11は、サーボモータ4を駆動して被
製版ロール1を上記算出した回転速度Nr.p.mで回転す
るとともに、微小振動装置10を微小振動させてプリン
タヘッド5をP8ポイントに近接させ、次いで、二次元
テーブル7をX方向に上記算出した速度V(μmm/
分)で移動開始すると共に、プリンタヘッド5をネガ画
像のスパイラルスキャンデータに基づいてかつ一回転毎
に回転方向の原点位置(ロータリーエンコーダ16の原
点信号)に合わせてエッチングレジスト形成インクを被
製版ロール1に対して噴射する。コントローラ11に蓄
えられるネガ画像のスパイラルスキャンデータは、コン
ピュータディスプレイ上で編集された画像を色毎にスキ
ャンした色別データとしさらに被製版ロール1の一回転
毎にスパイラルに出力するデータに変換されるものであ
り、かつロールの回転角度に対応するロータリーエンコ
ーダ16の信号と一回転当たりに出力するデータを均等
に対応させてネガデータの出力でインクジェットを行う
ようにすることでスパイラル状に画像がずれるのを防止
する。プリンタヘッド5が微小振動装置10により微小
振動されて偏心・振れ回り回転する被製版ロール1に対
して例えば上記計算のように150μmmの適正ギャッ
プを保持してP8ポイントからP9ポイントへ移動してい
くと、被製版ロール1にエッチングレジストのネガ画像
を形成することができる。噴射のドットはエッチングレ
ジストであり非画線部を形成する。ベタ印刷を行うシャ
ドウ部のセルがチャックされる被製版ロール1の原点位
置に来るようなエンドレス製版を行う場合は、図5に示
すように、原点の手前の最後のセルを形成するためのピ
ッチが足らなくなる。そこで、原点の手前の最後のセル
を形成するためのピッチが正常な大きさに比して0〜0.5
未満で不足するときは、(a)図のように、原点の手前の
最後のセルを形成するための一ピッチ分について正常な
大きさのセルの1.0以上〜1.5未満となるように膨張した
セルを形成し、又、ピッチが正常な大きさに比して0.5
以上〜1.0未満で不足するときは、(b)図のように、原点
の手前の最後のセル及びそれよりも一つ手前のセルを形
成するための二ピッチ分について正常な大きさのセルに
比して均等に振り分けてロール円周方向に膨張させる。
【0028】プリンタヘッド5は、P9ポイントに至る
とインクジェットを停止すると共に微小振動装置10の
微小振動を停止して後退し、二次元テーブル7がY方向
にストロークa+cだけ移動すると共にYテーブル8が
後退し、もってストロークiだけ移動するとP10ポイン
トに至り、続いて、X方向にストロークjだけ移動する
と、元待機位置のP1ポイントに復帰する。
【0029】プリンタヘッド5からエッチングレジスト
形成インクの噴射の途中でプリンタヘッド5のノズル面
をクリーニングするために、コントローラ11が噴射回
数をカウントして一定回数に到達したら、ロータリーエ
ンコーダ17の原点位置に一致させて噴射を中断し、同
時に、二次元テーブル7の移動を停止しかつコントロー
ラ11が二次元テーブル7のX方向の移動停止位置を記
憶しておく。そして、図6に示すように、二次元テーブ
ル7が停止したままでYテーブル8を後退させることに
よりプリンタヘッド5を被製版ロール1から例えば20
mm離隔して二次元テーブル7に設けたクリーナー装置
12をX方向に往復動させてインク吸収性を有するメッ
シュ体12aでプリンタヘッド5のノズル面に跳ね返り
付着するインクの拭き取りクリーニングを行い、その
後、Yテーブル8を元の前進位置にシフトし、次いで、
二次元テーブル7がスピンドルチャック2側へ例えば1
000μmmだけ精密に移動して停止し、ここから、二
次元テーブル7を再びテイルチャック3方向へ移動する
ことを再開して1000μmm移動するまでにモータ回
転数の立ち上がり時間を経過させて元の一定速度にし
て、1000μmm移動した時点でかつロータリーエン
コーダ17の原点位置に一致させて噴射を再開する。
【0030】 ネガ画像データの作成からプリンタヘッ
ド5からエッチングレジスト形成インクを噴射するまで
の説明について説明する。今、ノズルから噴射して形成
されるドットの直径が例えば10μmmであるとした
ら、図7に示すように、上記のように算出した被製版ロ
ール1の真正な直径(D)と長さ(L)とから、コンピ
ュータディスプレー上に、直径が10φμmmで縦横方
向に5μmmピッチでずれるピクセルからなるπD×
(L−10)[単位:μmm]の大きさの電子画板19
を表示する(ピクセルの円弧は仮想のもので表示されな
い)。なお、(L−10)としたのは、被製版ロール1
の両端面から5μmmの範囲までをコートエリアとする
ものであり、被製版ロール1の両端面から5cmの範囲
までをコートエリアとする場合には(L−10000)
と置き換える。次いで、図8に示すように、予めデザイ
ンワークステーションのコンピュータディスプレー上で
編集したカラーデザイン20を重ねてレイアウトしてか
らレッド、グリーン、ブルー、ブラック等に色分解した
単色デザインに表示を替えて、図9、図10に示すよう
に、電子画板19に割り当てられた10φμmmの各ピ
クセルを単色デザイン20aと照合する。10φμmm
の各ピクセルは、さらに小さい升目状のマイクロピクセ
ルの集合の輪郭として形成してする。詳述すると、電子
画板を構成する円形のピクセルは、実際には該円形ピク
セルの中心に対応する4個のマイクロピクセルの集合と
して作る。そして、単色デザイン20aと照合したとき
に、三個以上のマイクロピクセルが着色しているか否か
により判定し、三個以上着色しているときはそのピクセ
ルに対応するデータを「0」、又、ピクセルが二個以下
が非着色であるときはそのピクセルに対応するデータを
「1」として処理し、図11に示すような二値化したネ
ガ画像データ群をメモリに記憶する。そして、ロータリ
ーエンコーダ16の一回転で発生するパルス数を縦の一
列の「0」又は「1」データの全数と同一数となるよう
に、該パルス数を均等に間引きするか或いはクロック信
号発生回路で補間信号を出力するようにして、パルス数
の一つとデータの一つを対応させる。これは、ネガ画像
のエンドレス処理に該当する。従って、プリンタヘッド
5にノズルが五個あるものとすれば、各ノズルに噴射を
行わせるためのデータとして、メモリに記憶した縦の一
列のデータ群を割り当てて、五列のデータ群の各1番目
のデータを同時に読み出してデータが「1」のときは該
データに対応する五個のノズルの噴射機構に出力する。
もって、被製版ロール1の回転走査とプリンタヘッド5
の噴射を行うための信号を完全に同期させて出力制御で
きる。ネガ画像は、ポジ画像がエンドレスな画像でなく
ても常にエンドレスとなる。ネガ画像のエンドレス処理
が完全に行われないと、エッチングにより回転方向の原
点位置に一致してロール母線方向の溝ができてドクター
によるインク掻き取り機能が阻害されることになる。こ
のために、上記のようなネガ画像のエンドレス処理が行
われる。これとは異なるネガ画像のエンドレス処理を行
うと、図4に示すように、ネガ画像は、スピンドルチャ
ック2の回転原点(ロータリーエンコーダ16の原点信
号)に一致してプリンタヘッド5からインクジェットを
開始して一回転したときの、ドットが形成するスパイラ
ル線が隣に隙間なく一ピッチずれて重なる状態になる。
一回転の最後のドットと次ぎの一回転の最初のドットの
ずれが、半端な寸法になるので、R=1.7・Q〜0.35・
Qの範囲に収めると、ピンホールが生じない。なお、プ
リンタヘッド5の送りを例えばドット二つ分遅くして次
の一回転の噴射における素線の二つのドットが一回前の
噴射における素線の二つのドットと完全に重なるように
しても良く、このときは、図11のデータ群から重なる
分のデータ群を二度の読み出しする。
【0031】本願発明は、上記のように、被製版ロール
1の大きさに対応して、該被製版ロール1の回転数Nを
変えるとともに、プリンタヘッド5のロール面長方向の
走行速度Vを変えることにより、プリンタヘッド5を被
製版ロール1に対して相対的に所要のスパイラル状に走
査しつつプリンタヘッド5からエッチングレジスト形成
インクを噴射すると、被製版ロール1に均一な塗布膜を
形成することができる。コントローラ11は、被製版ロ
ール1の回転走査とプリンタヘッド5の移動走査とプリ
ンタヘッド5の噴射を行うための信号を補間制御する。
【0032】本願発明の方法は、被製版ロールに対して
エッチングレジスト形成インクを噴射してネガ画像を形
成し、その後エッチングを行ってセルを形成し、次いで
クロムメッキを行い、グラビア版を作るものである。従
って、 (1)基ロールに銅メッキ又は亜鉛メッキ⇒真円加工⇒遮
光黒色膜コート⇒レーザーアブレーション・ポジ露光・
ネガ画像のエッチングレジスト形成⇒エッチング⇒レジ
スト除去⇒クロムメッキの工程を経るプロセスでは、遮
光黒色膜コート⇒レーザーアブレーション・ポジ露光・
ネガ画像のエッチングレジスト形成の工程を廃止し、こ
れに替えて、インクジェット型のプリンタ装置で感光
液、ロール面に対して十分な密着性を有しかつ耐食性を
有する黒色液、又は例えば2エチル4メチルイミダゾー
ルあるいはチアゾール等を含んでいてロール面の金属と
瞬時に化学反応して耐食性の化成被膜を形成する液を噴
射して直接ネガ画像を塗布形成する工程を採用する。 (2)基ロールに銅メッキ⇒真円加工⇒感光膜コート⇒レ
ーザー露光・ネガ画像潜像形成⇒現像⇒エッチング・ポ
ジセル形成⇒レジスト除去⇒クロムメッキの工程を経る
プロセスでは、感光膜コート⇒レーザー露光・ネガ画像
潜像形成⇒現像の工程を廃止し、これに替えて、インク
ジェット型のプリンタ装置で感光液、ロール面に対して
十分な密着性を有しかつ耐食性を有する黒色液、又は例
えば2エチル4メチルイミダゾールあるいはチアゾール
等を含んでいてロール面の金属と瞬時に化学反応して耐
食性の化成被膜を形成する液を噴射して直接ネガ画像を
塗布形成する工程を採用する。 前記(1),(2)において、化学反応して耐食性の化成被膜
を形成する液は、線がいくら細くても密着状態が剥がれ
るという問題が皆無であり耐食性の面で特に優れてい
る。又、化学反応して耐食性の化成被膜を形成すると、
感光膜コートや耐食性を有する黒色液コートに比べて金
属表面からのサイドエッチが飛躍的に防止できるので、
スクリン線を1インチ当たり300線の高精細な版を得
る上で適用するのが好ましい。
【0033】叙上のように構成された装置によれば、プ
リンタヘッド5とギャップセンサ6を並べて二次元テー
ブル7に支持して、二次元テーブル7を、外周面が銅系
メッキ、ニッケル系メッキ、又は亜鉛系メッキが施され
円筒研磨・鏡面研磨されていてチャック回転手段により
両端支持され回転駆動される被製版ロール1に対して接
近移動していきギャップセンサ6により被製版ロール1
とのギャップを精密測定してプリンタヘッド5の被製版
ロール1に対するギャップが適正噴射ギャップよりも若
干大きい値になるように近接したときに、二次元テーブ
ル7の移動を停止し、次いでエッチングレジスト形成イ
ンクの噴射開始に先立って、被製版ロール1の偏心・振
れ回りをギャップセンサ6で測定してコントローラ11
で、データを記憶すると共に被製版ロール1の真正な直
径を算出し、これに基づいて、被製版ロール1の外径寸
法Dと前記線形成スピードHとからプリンタヘッド5よ
り噴射するエッチングレジスト形成インクの所要の線形
成スピードHに被製版ロールの周速度が一致するように
被製版ロール1の回転速度Nを算出し、さらに、該被製
版ロール1の回転速度Nとプリンタヘッド5より噴射す
るエッチングレジスト形成インクが線形成するときの素
線の長さRとエッチングレジスト形成インクの線と線の
オーバーラップ寸法0.35Q〜0.5Qとから、プリンタヘ
ッド5のロール面長方向の走行速度Vを算出し、次いで
二次元テーブル6を被製版ロール1に沿って往復移動し
てギャップセンサ6により被製版ロール1の両端位置及
び長さLを検出し、次いで、被製版ロール1を前記回転
速度Nで回転するとともに、被製版ロール1の偏心・振
れ回りに対応して微小振動装置10を振動させることに
より噴射開始前待機位置のプリンタヘッド5を被製版ロ
ール1に対してさらに接近させて適正噴射ギャップを保
持し、プリンタヘッド5を前記走行速度Vでロール面長
方向に走行して、プリンタヘッド5を被製版ロール1に
対して相対的に所要のスパイラル状に走査しつつ、プリ
ンタヘッド5からネガ画像データに対応してエッチング
レジスト形成インクを噴射して被製版ロール1に均一な
膜厚のエッチングレジストのネガ画像を形成し、端面の
エッチングレジスト形成インクのコートは予め別途に行
い、その後エッチングを行ってセルを形成し、次いで耐
刷力を付与するクロムメッキを行い、グラビア版を作る
ものである。
【0034】
【発明の効果】上記のように本願発明のグラビア版の製
版方法によれば、大きさが種々に異なる被製版ロールに
インクジェット型のプリンタ装置によりエッチングレジ
スト形成液を噴射してエッチングレジストよりなるネガ
画像を直接形成し得、その後エッチングしてセルを形成
しグラビア版を作ることができ、従来の感光膜コートと
レーザー露光と現像の工程を省略でき、又、従来のブラ
ックコートとレーザーアブレーションの工程を省略でき
て、製版時間が大幅に短縮でき、高価な設備や熟練を必
要とせず、明室で作業ができ、設備コスト・製版コスト
を大幅に低減でき、残渣の問題が生じない。又、上記の
ように本願発明のグラビア版の製版方法によれば、被製
版ロールの偏心・振れ回りがあってもプリンタヘッドを
噴射適正ギャップに保つことができて良好なネガ画像を
塗布形成できるから良好な版を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明,グラビア版の製版方法に係る実施す
るためのインクジェット型のプリンタ装置の概略平面
図。
【図2】被製版ロールの直径及び偏心・振れ回りのデー
タを入力する説明図。
【図3】(a)はノズルの30個の斜め配列状態を示し、
(b)は噴射するタイミングを遅延処理して30個のノズ
ルからそれぞれ被製版ロールへ1ドット分のエッチング
レジスト形成インクを噴射することにより30個のドッ
トが横一列に連鎖状に重なった状態を示し、(c)は30
個のドットによって形成されるスパイラルな塗り線のオ
ーバーラップ状態を示す。
【図4】図3中のIV部分の拡大図であり、スピンドルチ
ャックの回転原点に一致してインクジェットを開始する
ドットの位置に対して、一回転してスパイラルに一ピッ
チずれて一回転して形成されるドットの集合のスパイラ
ル線が前の一回転のスパイラル線に隙間なく重なる状
態、及び一回転の最後のドットと次ぎの一回転の最初の
ドット(回転原点に一致するドット)の周方向のずれを
示す図。
【図5】チャックされた被製版ロール面の原点位置を境
とした前後のシャドウ部のドットの形状を示すもので、
(a)は原点位置の回転方向手前で少しのピッチ不足によ
りドットを縮めた状態を示すドットの形状図、(b)は原
点位置の回転方向手前でピッチ不足が大きくドットを膨
張させた状態を示すドットの形状図。
【図6】プリンタヘッドのクリーニングを行う状態を示
す概略平面図。
【図7】コンピュータディスプレイ上に表示する電子画
板の説明図。
【図8】電子画板上にカラーデザインをレイアウトする
状態の説明図。
【図9】電子画板を構成するピクセルと単色デザインと
照合してネガ画像データを取得することの説明図。
【図10】電子画板を構成する円形のピクセルと該ピク
セルを構成するマイクロピクセルの関係を示す図。
【図11】メモリに記憶されたネガ画像データとノズル
の対応して読み出し噴射を説明するための図。
【符号の説明】
1・・・被製版ロール、2・・・スピンドルチャック、
3・・・テイルチャック、4・・・ダイレクトサーボモ
ータ、5・・・インクジェット型のプリンタヘッド、6
・・・ギャップセンサ、7・・・二次元テーブル、8・
・・Yテーブル、9・・・リニアガイド、10・・・微
小振動装置、11・・・コントローラ、12・・・クリ
ーナー装置、12a・・・メッシュ体、13,14・・
・回転伝達機構(べベルギア)、15・・・マスターゲ
ージ、16・・・ロータリーエンコーダ、17・・・一
軸テーブル装置、17a・・・ブラケット、17b・・・
軸受ブロック、17c・・・リニアガイド、17d・・・
スライド軸、17e・・・コイルばね、17f・・・近
接センサ、17g・・・検知ブロック、18・・・回転
方向の矢印、19・・・電子画板、20・・・カラーデ
ザイン、20a・・・単色デザイン、

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被製版ロールをチャック回転手段により
    両端支持して回転駆動し、適数個のノズルが複数の斜め
    配列に設けられていて位置ずれに対応した遅延処理を行
    って各ノズルからエッチングレジスト形成インクを噴射
    することによりロール面長方向に一列連鎖状に重なる素
    線(線幅)となるようにエッチングレジスト形成インク
    を噴射することができるインクジェット型のプリンタヘ
    ッドを、被製版ロールに近接してロール面長方向に走査
    し、プリンタヘッドから非画線部に対応してエッチング
    レジスト形成インクを噴射塗布してエッチングレジスト
    よりなるネガ画像を形成し、その後、エッチングしてセ
    ルを刻成し、その後、エッチングレジストを除去するグ
    ラビア版の製版方法であって、コントローラで、エッチ
    ングレジスト形成インクの噴射ドットがロール周方向に
    ずれ重なって線を形成する所定の大きさの線形成スピー
    ドに被製版ロールの周速度が一致するように、被製版ロ
    ールの外径寸法に対応する回転速度を算出すると共に、
    一回転するとエッチングレジスト形成インクのドットで
    構成される素線の端のドットが一回転前の素線の端のド
    ットにずれ重なるスパイラル状となるように、被製版ロ
    ールの回転速度とエッチングレジスト形成インクのドッ
    トで形成される素線の長さと一ドットのオーバーラップ
    寸法とから該プリンタヘッドのロール面長方向の走行速
    度を算出して、被製版ロールを前記算出した回転速度で
    回転すると共に、該プリンタヘッドを前記算出した走行
    速度で走行しつつ、プリンタヘッドから非画線部に対応
    してエッチングレジスト形成インクを噴射塗布してエッ
    チングレジストを形成することを特徴とする,グラビア
    版の製版方法。
  2. 【請求項2】 適数個のノズルが複数の斜め配列に設け
    られていて位置ずれに対応した遅延処理を行って各ノズ
    ルからエッチングレジスト形成インクを噴射することに
    より実質的にロール面長方向に一列連鎖状に重なる素線
    の長さでエッチングレジスト形成インクを噴射すること
    ができるインクジェット型のプリンタヘッドを支持する
    二次元テーブルを、チャック回転手段により両端支持さ
    れる被製版ロールに接近移動していき、プリンタヘッド
    を被製版ロールに対して適正噴射ギャップに近接する
    か、又は適正噴射ギャップになる微小距離手前に近接し
    たときに、二次元テーブルの接近移動を停止し、 エッチングレジスト形成インクの噴射ドットがロール周
    方向にずれ重なって線を形成する所定の大きさの線形成
    スピードに被製版ロールの周速度が一致するように被製
    版ロールを回転駆動すると共に、 一回転するとエッチングレジスト形成インクのドットで
    構成される素線の端のドットが一回転前の素線の端のド
    ットにずれ重なるスパイラル状となるようにプリンタヘ
    ッド支持する二次元テーブルを被製版ロールのロール面
    長方向に走査し、 前記プリンタヘッドを被製版ロールに対して適正噴射ギ
    ャップに近接するときは、そのギャップを保持してプリ
    ンタヘッドから非画線部に対応してエッチングレジスト
    形成インクを噴射塗布してエッチングレジストよりなる
    ネガ画像を形成し、又、前記プリンタヘッドを被製版ロ
    ールに対して適正噴射ギャップになる微小距離手前に近
    接するときは、プリンタヘッドを被製版ロールに対して
    さらに近接して適正噴射ギャップを保持してプリンタヘ
    ッドから非画線部に対応してエッチングレジスト形成イ
    ンクを噴射塗布してエッチングレジストよりなるネガ画
    像を形成し、 その後、エッチングしてセルを刻成し、その後、エッチ
    ングレジストを除去することを特徴とする,グラビア版
    の製版方法。
  3. 【請求項3】 適数個のノズルが複数の斜め配列に設け
    られていて位置ずれに対応した遅延処理を行って各ノズ
    ルからエッチングレジスト形成インクを噴射することに
    より実質的にロール面長方向に一列連鎖状に重なる素線
    の長さでエッチングレジスト形成インクを噴射すること
    ができるインクジェット型のプリンタヘッドと、ギャッ
    プセンサとを並べて二次元テーブルに支持して、二次元
    テーブルをチャック回転手段により両端支持される被製
    版ロールに接近移動していきギャップセンサにより被製
    版ロールとのギャップを精密測定することを介してプリ
    ンタヘッドの被製版ロールに対するギャップを検出して
    適正噴射ギャップよりも若干大きい値になるように近接
    したときに、二次元テーブルの接近移動を停止し、その
    後、エッチングレジスト形成インクの噴射ドットがロー
    ル周方向にずれ重なって線を形成する所定の大きさの線
    形成スピードに被製版ロールの周速度が一致するように
    被製版ロールを回転駆動するとともに、一回転するとエ
    ッチングレジスト形成インクのドットで構成される前記
    素線の端のドットが一回転前の素線の端のドットにずれ
    重なるスパイラル状となるようにプリンタヘッドを被製
    版ロールのロール面長方向に走査しかつプリンタヘッド
    を被製版ロールに対してさらに近接して適正噴射ギャッ
    プを保持してエッチングレジスト形成インクの噴射を開
    始してプリンタヘッドから非画線部に対応してエッチン
    グレジスト形成インクを噴射塗布してエッチングレジス
    トよりなるネガ画像を形成し、その後、エッチングして
    セルを刻成し、その後、エッチングレジストを除去する
    ことを特徴とする,グラビア版の製版方法。
  4. 【請求項4】 前記プリンタヘッドを被製版ロールの直
    径方向に微小移動自在に二次元テーブルに支持し、エッ
    チングレジスト形成インクの噴射開始に先立って、被製
    版ロールの偏心・振れ回りを測定してコントローラにデ
    ータ入力しかつコントローラにおいて微小振動装置を振
    動させることにより被製版ロールの偏心・振れ回りを修
    正するための演算を行って、被製版ロールの偏心・振れ
    回りに対応して微小振動装置を振動させてプリンタヘッ
    ドを被製版ロールに対して適正噴射ギャップに保持する
    ことを特徴とする,[請求項1]ないし[請求項3]のいず
    れか一項に記載のグラビア版の製版方法。
  5. 【請求項5】 二次元テーブル上に設けた被製版ロール
    の直径方向に微小移動自在なYテーブルにプリンタヘッ
    ドを支持し、Yテーブルをロール寄りにシフトしてプリ
    ンタヘッドからエッチングレジスト形成インクの噴射を
    行い、該噴射の途中でプリンタヘッドのノズル面をクリ
    ーニングするときは、二次元テーブルの移動を停止しか
    つYテーブルを後退させることによりプリンタヘッドを
    ロールから離隔して二次元テーブル上に設けたクリーナ
    ー装置を作動してプリンタヘッドのノズル面をクリーニ
    ングを行い、その後、Yテーブルを全身位置にシフトし
    て噴射を再開することを特徴とする,[請求項1]乃至
    [請求項4]のいずれか一項に記載のグラビア版の製版方
    法。
  6. 【請求項6】 適数個のノズルが複数の斜め配列に設け
    られていて位置ずれに対応した遅延処理を行って各ノズ
    ルからエッチングレジスト形成インクを噴射することに
    より実質的にロール面長方向に一列連鎖状に重なる素線
    の長さでエッチングレジスト形成インクを噴射すること
    ができるプリンタヘッドを、二次元テーブルに設ける被
    製版ロールの直径方向に微小移動自在なYテーブルに支
    持するとともに、ギャップセンサをプリンタヘッドに並
    べて二次元テーブルに支持して、二次元テーブルを、外
    周面が銅系メッキ、ニッケル系メッキ、又は亜鉛系メッ
    キが施され円筒研磨・鏡面研磨されていてチャック回転
    手段により両端支持され回転駆動される被製版ロールに
    対して接近移動していきギャップセンサにより被製版ロ
    ールとのギャップを精密測定してプリンタヘッドの被製
    版ロールに対するギャップが適正噴射ギャップよりも若
    干大きい値になるように近接したときに、二次元テーブ
    ルの移動を停止し、次いでエッチングレジスト形成イン
    クの噴射開始に先立って、被製版ロールの偏心・振れ回
    りをギャップセンサで測定してコントローラで、データ
    を記憶すると共に被製版ロールの真正な直径を算出し、
    これに基づいて、被製版ロールの外径寸法と前記線形成
    スピードとからプリンタヘッドより噴射するエッチング
    レジスト形成インクの所要の線形成スピードに被製版ロ
    ールの周速度が一致するように被製版ロールの回転速度
    を算出し、さらに、該被製版ロールの回転速度とプリン
    タヘッドより噴射するエッチングレジスト形成インクが
    線形成するときの素線の長さとエッチングレジスト形成
    インクの線と線のオーバーラップ寸法とから、プリンタ
    ヘッドのロール面長方向の走行速度を算出し、又、二次
    元テーブルを被製版ロールに沿って往復移動してギャッ
    プセンサにより被製版ロールの両端位置及び長さを検出
    し、次いで、被製版ロールを前記回転速度で回転すると
    ともに、被製版ロールの偏心・振れ回りに対応して微小
    振動装置を振動させることにより噴射開始前待機位置の
    プリンタヘッドを被製版ロールに対してさらに接近させ
    て適正噴射ギャップを保持し、プリンタヘッドを前記走
    行速度でロール面長方向に走行して、プリンタヘッドを
    被製版ロールに対して相対的に所要のスパイラル状に走
    査しつつ、プリンタヘッドからネガ画像データに対応し
    てエッチングレジスト形成インクを噴射して被製版ロー
    ルに均一な膜厚のエッチングレジストのネガ画像を形成
    し、噴射の途中でプリンタヘッドのノズル面をクリーニ
    ングするときは、二次元テーブルの移動を停止しかつY
    テーブルを後退させることによりプリンタヘッドをロー
    ルから離隔して二次元テーブル上に設けたクリーナー装
    置を作動してプリンタヘッドのノズル面をクリーニング
    を行い、その後、Yテーブルを全身位置にシフトして噴
    射を再開することとし、エッチングレジストのネガ画像
    を形成後は、エッチングを行ってセルを形成し、次いで
    クロムメッキを行い、グラビア版を作ることを特徴とす
    る,グラビア版の製版方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021045871A (ja) * 2019-09-18 2021-03-25 株式会社ミマキエンジニアリング インクジェットプリンター

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