JP2002095487A - アドレナリンレセプター - Google Patents

アドレナリンレセプター

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JP2002095487A JP2001234292A JP2001234292A JP2002095487A JP 2002095487 A JP2002095487 A JP 2002095487A JP 2001234292 A JP2001234292 A JP 2001234292A JP 2001234292 A JP2001234292 A JP 2001234292A JP 2002095487 A JP2002095487 A JP 2002095487A
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リー イ
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 Gタンパク質共役レセプターポリペプチドの
活性化を阻害する、化合物を提供する。 【解決手段】 ヒトより単離されたポリヌクレオチドで
あって:(a)特定の推定アミノ酸配列を有するGタン
パク質共役レセプターポリペプチド、あるいはこのポリ
ペプチドのフラグメント、アナログ、または誘導体をコ
ードするポリヌクレオチド;(b)ATCC寄託番号7
5822に含有されるcDNAによりコードされるアミ
ノ酸配列を有するGタンパク質共役レセプターポリペプ
チド、あるいはこのポリペプチドのフラグメント、アナ
ログ、または誘導体をコードするポリヌクレオチド、か
らなる群より選択される、単離されたポリヌクレオチ
ド。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新たに同定したポ
リヌクレオチド、このようなポリヌクレオチドによりコ
ードされるポリペプチド、このようなポリヌクレオチド
およびポリペプチドの使用、ならびにこのようなポリヌ
クレオチドおよびポリペプチドの生成に関する。より特
定すると、本発明のポリペプチドは、ヒト7−膜貫通レ
セプターである。その膜貫通レセプターは、Gタンパク
質共役レセプターである。さらに特定すると、その7−
膜貫通レセプターは、アドレナリンレセプターとして推
定的に同定されている。本発明はまた、このようなポリ
ペプチドの作用を阻害することに関する。
【0002】
【従来の技術】医学的に重要な多数の生物学的プロセス
が、Gタンパク質および/またはセカンドメッセンジャ
ー(例えば、cAMP)を含むシグナル伝達経路に関与
するタンパク質により媒介されることは、十分に確立さ
れている(Lefkowitz,Nature,35
1:353−354(1991))。本明細書中では、
これらのタンパク質を、Gタンパク質を用いた経路に関
与するタンパク質またはPPGタンパク質という。これ
らのタンパク質のいくつかの例は、GPCレセプター
(例えば、アドレナリン作動性薬剤およびドーパミンに
対するGPCレセプター(Kobilka,B.K.
ら,Pnas,84:46−50(1987);Kob
ilka,B.K.ら,Science,238:65
0−656(1987);Bunzow,J.R.ら,
Nature, 336:783−787(198
8)))、Gタンパク質それ自体、エフェクタータンパ
ク質(例えば、ホスホリパーゼC、アデニルシクラー
ゼ、およびホスホジエステラーゼ)、ならびにアクチュ
エータータンパク質(actuator protei
n)(例えば、プロテインキナーゼAおよびプロテイン
キナーゼCを含む(Simon,M.I.ら,Scie
nce,252:802−8(1991)))。
【0003】例えば、シグナル伝達の1つの形態では、
ホルモン結合の効果は、細胞内における酵素アデニル酸
シクラーゼの活性化である。ホルモンによる酵素の活性
化は、ヌクレオチドGTPの存在に依存し、そしてGT
Pはまた、ホルモン結合に影響を与える。Gタンパク質
は、ホルモンレセプターをアデニル酸シクラーゼに連結
させる。Gタンパク質は、ホルモンレセプターにより活
性化されると、GTPを結合GDPに変換することが示
された。次いで、GTPを有する形態は、活性化された
アデニル酸シクラーゼに結合する。GTPのGDPへの
加水分解は、Gタンパク質それ自体により触媒され、G
タンパク質を基底の不活性な形態に戻す。従って、Gタ
ンパク質は、シグナルをレセプターからエフェクターに
中継する中間物として、およびシグナルの持続時間を制
御する時計としての2つの役割を果たす。
【0004】アドレナリンレセプターは、Gタンパク質
共役レセプター「スーパーファミリー」内の最も大き
く、そして最も広範に特徴づけされたファミリーの一つ
を含む。このスーパーファミリーは、アドレナリンレセ
プターだけでなく、ムスカリン作動性、コリン作動性、
ドーパミン作動性、セロトニン作動性、およびヒスタミ
ン作動性レセプターをも含む。多数のペプチドレセプタ
ーは、グルカゴン、ソマトスタチン、およびバソプレッ
シンレセプターを含み、そして視覚(ロドプシン)、味
覚、および嗅覚の感覚レセプターもこの増大するファミ
リーに属する。シグナリング分子の多様性にもかかわら
ず、全てのGタンパク質共役レセプターは、7つの推定
の膜通過αヘリックスにより特徴づけられる、包括的に
類似の1次構造を有している(Probstら,199
2)。最も基本的な意味で、アドレナリンレセプター
は、カテコールアミン、エピネフリン、およびノルエピ
ネフリンの生理学的作用部位である。アドレナリンレセ
プターは、最初、Ahlquistによりαまたはβの
いずれかとして分類された。Ahlquistは、生理
学的応答を誘起する一連のアゴニストの有効性の程度
(order)が、2つのレセプターサブタイプで明瞭
に異なることを証明した(Ahlquist,194
8)。機能的には、αアドレナリンレセプターは血管収
縮、瞳孔拡張、および子宮阻害を制御することが示さ
れ、一方、βアドレナリンレセプターは、血管緊張低
下、心筋刺激、および気管支拡張に関連づけられた(R
eganら,1990)。結局、薬理学者らは、これら
の応答が数種の異なるアドレナリンレセプターのサブタ
イプの活性化から生じることを理解した。心臓のβアド
レナリンレセプターは、β1として定義され、一方肺お
よび脈管構造のβアドレナリンレセプターは、β2と称
された(Landsら,1967)。
【0005】一方、αアドレナリンレセプターは最初、
その解剖学上の位置に基づいてシナプス前またはシナプ
ス後(それぞれα2、およびα1)のいずれかとして分類
された(Langerら,1974)。しかし、この分
類スキームは、血小板のような明らかに非シナプスの位
置におけるα2レセプターの存在により混乱させられた
(BerthelsenおよびPettinger,1
977)。放射性リガンド結合技術の開発に伴い、αア
ドレナリンレセプターはアンタゴニストであるプラゾシ
ンまたはヨヒンビンに対するそれらの親和性に基づいて
薬理学的に区別され得た(Stark,1981)。し
かし、アドレナリンレセプターサブタイプの最終的な証
拠は、アドレナリンレセプターサブタイプの精製および
分子クローニングを待った。1986年に、ハムスター
β2(Dicksonら,1986)および七面鳥β
1(Yardenら,1986)アドレナリンレセプタ
ーの遺伝子がクローン化され、そして配列決定された。
ハイドロパシー分析により、これらのタンパク質が、光
に対するレセプターであるロドプシンと同様の、7つの
疎水ドメインを含むことが明らかとなった。この時以
来、アドレナリンレセプターファミリーは拡張して、β
レセプターの3つのサブタイプ(Emorineら,
1989)、α1レセプターの3つのサブタイプ(Sc
hwinnら,1990)、およびα2レセプターの3
つの異なるタイプ(Lomasneyら,1990)を
含んだ。
【0006】α2レセプターは、βまたはαlレセプター
のいずれかからかなり早い段階で分岐したようである。
α2レセプターは、それらの染色体上の位置に基づい
て、α2C2、α2C4、およびα2C10と呼ばれる3
つの分子的に異なるサブタイプに分類される。これらの
サブタイプは、それぞれ、薬理学的に定義されたα2B
α 2C、およびα2Aサブタイプに相当するようである(B
ylundら,1992)。アドレナリン作動性型のレ
セプターは全て、エピネフリンにより認識されるが、こ
れらは薬理学的には異なり、そして別の遺伝子によりコ
ードされる。これらのレセプターは一般的に、Gタンパ
ク質を介して連結される異なるセカンドメッセンジャー
経路に共役される。アドレナリンレセプターの中で、β
1およびβ2レセプターはアデニル酸シクラーゼを活性化
し、α2レセプターはアデニル酸シクラーゼを阻害し、
そしてα1レセプターはホスホリパーゼC経路を活性化
してポリホスホイノシチドの分解を刺激する(Chun
g,F.Z.ら,J.Biol.Chem.,263:
4052(1988))。α1およびα2アドレナリンレ
セプターは薬物に対するそれらの細胞活性において異な
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、Gタンパク
質共役レセプターポリペプチドの活性化を阻害する、化
合物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、単離されたポ
リヌクレオチドであって:(a)図1の推定アミノ酸配
列を有するGタンパク質共役レセプターポリペプチド、
あるいはポリペプチドのフラグメント、アナログ、また
は誘導体をコードするポリヌクレオチド;(b)ATC
C寄託番号75822に含有されるcDNAによりコー
ドされるアミノ酸配列を有するGタンパク質共役レセプ
ターポリペプチド、あるいはポリペプチドのフラグメン
ト、アナログ、または誘導体をコードするポリヌクレオ
チド、からなる群より選択される、単離されたポリヌク
レオチドである。
【0009】好適な実施形態においては、上記ポリヌク
レオチドはDNAである。
【0010】好適な実施形態においては、上記ポリヌク
レオチドはRNAである。
【0011】好適な実施形態においては、上記ポリヌク
レオチドはゲノムDNAである。
【0012】さらに好適な実施形態においては、上記ポ
リヌクレオチドは、図1の推定アミノ酸配列を有するG
タンパク質共役レセプターをコードする。
【0013】さらに好適な実施形態において、上記ポリ
ヌクレオチドは、ATCC寄託番号75822のcDN
AによりコードされるGタンパク質共役レセプターポリ
ペプチドをコードする。
【0014】好適な実施形態においては、ポリヌクレオ
チドは、図1に示されるGタンパク質共役レセプターの
コード配列を有する。
【0015】さらに好適な実施形態においては、ポリヌ
クレオチドは、ATCC寄託番号75822として寄託
されるGタンパク質共役レセプターのコード配列を有す
る。
【0016】本発明はまた、DNAを含有するベクター
に関する。
【0017】本発明はまた、ベクターを用いて遺伝子操
作された宿主細胞に関する。
【0018】本発明はまた、ポリペプチドを生産するプ
ロセスであって:宿主細胞から、前記DNAによりコー
ドされる前記ポリペプチドを発現させる工程、を包含す
る、プロセスである。
【0019】本発明はまた、ポリペプチドを発現する能
力を有する細胞を産生するプロセスであって、ベクター
を用いて細胞を遺伝子操作する工程を包含する、プロセ
スに関する。
【0020】本発明はまた、DNAとハイブリダイズ可
能であり、かつGタンパク質共役レセプター活性を有す
るポリペプチドをコードする、単離されたDNAに関す
る。
【0021】本発明はまた、ポリペプチドであって、
(i)図1の推定アミノ酸配列を有するGタンパク質共
役レセプターポリペプチドならびにそのフラグメント、
アナログおよび誘導体、および(ii)ATCC寄託番
号75822のcDNAによりコードされるGタンパク
質共役レセプターポリペプチド、ならびにポリペプチド
のフラグメント、アナログ、および誘導体、からなる群
より選択される、ポリペプチドに関する。
【0022】好適な実施形態においては、上記ポリペプ
チドは、図1の推定アミノ酸配列を有するGタンパク質
共役レセプターである。
【0023】本発明はまた、ポリペプチドに対する抗体
に関する。
【0024】本発明はまた、Gタンパク質共役レセプタ
ーポリペプチドの活性化を阻害する、化合物に関する。
【0025】本発明はまた、Gタンパク質共役レセプタ
ーポリペプチドの活性化の必要性を有する患者の処置方
法であって:Gタンパク質共役レセプターのレセプター
を活性化する化合物の治療的有効量を患者に投与する工
程、を包含する、方法に関する。
【0026】本発明はまた、Gタンパク質共役レセプタ
ーの活性化を阻害する必要性を有する患者の処置方法で
あって:Gタンパク質共役レセプターの活性化を阻害す
る化合物の治療的有効量を患者に投与する工程、を包含
する、方法に関する。
【0027】好適な実施形態において、上記ポリペプチ
ドは、上記Gタンパク質共役レセプターの可溶性フラグ
メントであり、かつレセプターに対するリガンドを結合
する能力を有する、ポリペプチドである。
【0028】本発明はまた、Gタンパク質共役レセプタ
ーのアンタゴニストおよびアゴニストを同定するための
プロセスであって:細胞表面上でGタンパク質共役レセ
プターを発現させる工程;細胞をレセプターリガンドお
よびスクリーニングされるべき化合物に接触させる工
程;2次シグナルがリガンドおよびレセプターの相互作
用から生じるかどうかを決定する工程;およびスクリー
ニングされるべき化合物がアゴニストまたはアンタゴニ
ストであるかどうかを同定する工程、を包含する、プロ
セスに関する。
【0029】本発明はまた、Gタンパク質共役レセプタ
ーに結合する能力を有することが既知でないリガンド
が、それに結合し得るかどうかを決定するプロセスであ
って:Gタンパク質共役レセプターを発現する哺乳動物
細胞を潜在的なリガンドに接触させる工程;レセプター
に結合するリガンドの存在を検出する工程;およびリガ
ンドがGタンパク質共役レセプターに結合するかどうか
を決定する工程、を包含する、プロセス。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明の1つの局面によれば、ア
ドレナリンレセプターとして推定的に同定された新規の
ポリペプチド、ならびにそのフラグメント、アナログ、
および誘導体が提供される。本発明のポリペプチドは、
ヒト起源のものである。
【0031】本発明の別の局面によれば、このようなポ
リペプチドをコードするポリヌクレオチド(DNAまた
はRNA)が提供される。
【0032】本発明のさらなる局面によれば、このよう
なポリペプチドを組換え技術により生成するためのプロ
セスが提供される。
【0033】本発明のなおさらなる局面によれば、この
ようなポリペプチドに対する抗体が提供される。
【0034】別の実施態様によれば、レセプターアンタ
ゴニストおよび/またはアゴニストならびに/あるいは
レセプターリガンドをスクリーニングするために、この
レセプターを用いるためのプロセスが提供される。
【0035】本発明のさらに別の実施態様によれば、こ
のようなアゴニストを治療上の目的、例えば、上気道症
状(upper respiratory condi
tion)の治療のために用いるプロセスが提供され
る。
【0036】本発明の別の局面によれば、このようなア
ンタゴニストを高血圧の治療に用いるプロセスが提供さ
れる。
【0037】本発明のこれらの局面および他の局面は、
本明細書中の教示から当業者には明らかであるはずであ
る。
【0038】以下の図面は、本発明の実施態様の例示で
あり、および請求の範囲に含まれる本発明の範囲を限定
することを意図しない。
【0039】図1は、本発明のGタンパク質共役レセプ
ターのcDNA配列および対応する推定のアミノ酸配列
を示す。アミノ酸のための標準的な1文字略記が用いら
れている。
【0040】図2は、Gタンパク質共役レセプターの2
次構造特性の図解である。最初の7つの図解は、αヘリ
ックス、βヘリックス、ターン領域またはコイル領域で
あるアミノ酸配列領域を示す。箱で囲った領域は、示さ
れた領域に相当する領域である。第2の図のセットは、
細胞内、細胞質にさらされるアミノ酸配列または膜を貫
通するアミノ酸配列の領域を示す。親水性のパートは、
膜の脂質2重層であり、それゆえ疎水性であるタンパク
質配列の領域、および親水性である脂質2重膜の外部の
領域を示す。抗原性領域は脂質2重膜の外側の領域であ
り、そして抗原結合能を有するので、抗原性指数は、親
水性プロットに対応する。さらに、表面確率プロット
は、抗原性指数および親水性プロットに対応する。両親
媒性プロットは、極性および非極性であるタンパク質配
列の領域を示す。
【0041】図3は、本発明のGタンパク質共役レセプ
ターと種々の動物種由来のアドレナリンレセプターとの
アミノ酸配列アラインメントを示す。色を付けた領域は
図中で他のアミノ酸配列と適合した領域である。
【0042】配列の間違いが、ポリヌクレオチド配列に
おいて生じる一般的な問題であることは、指摘されるべ
きである。従って、図面の配列は数回の配列決定実験に
基づくものであり、そして配列の正確さは少なくとも9
7%であると考えられる。
【0043】本発明の局面によれば、図1の推定のアミ
ノ酸配列を有する成熟ポリペプチドをコードするか、ま
たはATCC寄託番号75822として1994年6月
24日に寄託されたクローンのcDNAによりコードさ
れる成熟ポリペプチドをコードする単離された核酸(ポ
リヌクレオチド)が提供される。
【0044】本発明のポリペプチドをコードするポリヌ
クレオチドは、脳、肺、膵臓および腎臓において見出さ
れ得る。本発明のポリヌクレオチドが、ヒト小児脳由来
のcDNAライブラリーにおいて発見された。これは、
α1アドレナリンレセプターファミリーに、構造的に関
係する。これは、529アミノ酸残基のタンパク質をコ
ードするオープンリーディングフレームを含む。このタ
ンパク質は、ヌクレオチド配列レベルでα1Cに最も高い
程度の相同性を示し、そしてα1Bに500アミノ酸長に
わたりアミノ酸レベルで30%の同一性および47%の
類似性を示す。
【0045】本発明のポリヌクレオチドは、RNAの形
態またはDNAの形態であり得る。DNAは、cDN
A、ゲノムDNAおよび合成DNAを包含する。DNA
は二本鎖または一本鎖であり得る。そして、一本鎖の場
合、コード鎖または非コード(アンチセンス)鎖であり
得る。成熟ポリペプチドをコードするコード配列は、図
1に示すコード配列と同一であり得るか、または寄託し
たクローンのコード配列と同一であり得る。あるいは、
コード配列が、遺伝コードの重複(redundanc
y)または縮重(degeneracy)の結果とし
て、図1のDNAまたは寄託したcDNAと同じ成熟ポ
リペプチドをコードする異なるコード配列であり得る。
【0046】図1の成熟ポリペプチドまたは寄託したc
DNAによりコードされる成熟ポリペプチドをコードす
るポリヌクレオチドは:成熟ポリペプチドのコード配列
のみ;成熟ポリペプチドのコード配列および付加的なコ
ード配列(例えば、リーダー配列または分泌配列もしく
はプロタンパク質配列);成熟ポリペプチドのコード配
列(および必要に応じて付加的なコード配列)ならびに
非コード配列(例えば、イントロンまたは成熟ポリペプ
チドのコード配列の5’および/または3’の非コード
配列)を包含し得る。
【0047】従って、用語「ポリペプチドをコードする
ポリヌクレオチド」は、ポリペプチドのコード配列のみ
を含むポリヌクレオチドならびにさらなるコード配列お
よび/または非コード配列を含むポリヌクレオチドを包
含する。
【0048】本発明はさらに、図1の推定アミノ酸配列
を有するポリペプチドまたは寄託したクローンのcDN
Aによりコードされるポリペプチドの、フラグメント、
アナログ、および誘導体をコードする本明細書中上記の
ポリヌクレオチドの変異体に関する。ポリヌクレオチド
の変異体は、ポリヌクレオチドの天然に存在する対立遺
伝子変異体またはポリヌクレオチドの天然に存在しない
変異体であり得る。
【0049】従って、本発明は、図1に示すものと同じ
成熟ポリペプチドまたは寄託したクローンのcDNAに
よりコードされる同じ成熟ポリペプチドをコードするポ
リヌクレオチド、ならびにこのようなポリヌクレオチド
の変異体を包含する。これらの変異体は、図1のポリペ
プチドまたは寄託したクローンのcDNAによりコード
されるポリペプチドのフラグメント、誘導体、またはア
ナログをコードする。このようなヌクレオチド変異体
は、欠失変異体、置換変異体、および付加変異体または
挿入変異体を包含する。
【0050】本明細書中上記で示したように、ポリヌク
レオチドは、図1に示すコード配列または寄託したクロ
ーンのコード配列の天然に存在する対立遺伝子変異体で
あるコード配列を有し得る。当該分野で公知であるよう
に、対立遺伝子変異体は、1以上のヌクレオチドの置
換、欠失、または付加を有し得るポリヌクレオチド配列
の別の形態であり、これはコードされるポリペプチドの
機能を実質的には変化させない。
【0051】本発明はまた、成熟ポリペプチドをコード
する配列がポリヌクレオチド配列に同じリーディングフ
レームで融合され得るポリヌクレオチドを包含する。こ
のポリヌクレオチド配列は、宿主細胞からのポリペプチ
ドの発現および分泌を助ける(例えば、細胞からのポリ
ペプチドの移行を制御するための分泌配列として機能す
るリーダー配列)。リーダー配列を有するポリペプチド
はプレタンパク質であり、そしてこれは宿主細胞により
切断され、成熟形態のポリペプチドを形成するリーダー
配列を有し得る。ポリヌクレオチドはまた、成熟タンパ
ク質およびさらなる5’アミノ酸残基であるプロタンパ
ク質をコードし得る。プロ配列を有する成熟タンパク質
はプロタンパク質であり、そしてそれは不活性型のタン
パク質である。一旦プロ配列が切断されると、活性な成
熟タンパク質が残る。
【0052】従って、例えば、本発明のポリヌクレオチ
ドは、成熟タンパク質、またはプロ配列を有するタンパ
ク質、またはプロ配列およびプレ配列(リーダー配列)
の両方を有するタンパク質をコードし得る。
【0053】本発明のポリヌクレオチドはまた、本発明
のポリペプチドの精製を可能にするマーカー配列にイン
フレームで融合されたコード配列を有し得る。マーカー
配列は、細菌宿主の場合、マーカーに融合された成熟ポ
リペプチドの精製を提供するpQE−9ベクターにより
供給されるヘキサヒスチジンタグであり得る。または、
例えば、マーカー配列は、哺乳動物宿主(例えば、CO
S−7細胞)が使用される場合、ヘマグルチニン(H
A)タグであり得る。HAタグは、インフルエンザヘマ
グルチニンタンパク質由来のエピトープに対応する(W
ilson,I.ら、Cell、37:767(198
4))。
【0054】本発明はさらに、配列間に少なくとも50
%および好ましくは70%の同一性が存在する場合、本
明細書中上記の配列にハイブリダイズするポリヌクレオ
チドに関する。本発明は特に、本明細書中上記のポリヌ
クレオチドにストリンジェントな条件下でハイブリダイ
ズするポリヌクレオチドに関する。本明細書中で用いら
れる用語「ストリンジェントな条件」は、配列間に少な
くとも95%および好ましくは少なくとも97%の同一
性が存在する場合のみ、ハイブリダイゼーションが生じ
ることをいう。好ましい実施態様において本明細書中上
記のポリヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレ
オチドは、図1のcDNAまたは寄託したcDNAによ
りコードされる成熟ポリペプチドと実質的に同じ生物学
的機能または生物学的活性のいずれかを保持するポリペ
プチドをコードする。すなわちこのポリペプチドは、G
タンパク質共役レセプターとして機能するか、またはこ
のポリペプチドがGタンパク質共役レセプターとして機
能しない(例えばレセプターの可溶性形態)場合でも、
レセプターに対するリガンドに結合する能力を保持す
る。
【0055】本明細書中でいう寄託物(単数または複
数)は、特許手続きの目的のための微生物の寄託の国際
的承認に関するブダペスト条約の条項下に維持される。
これらの寄託物は、当業者に便宜上のみ提供され、そし
て米国特許法第112条の下で寄託が必要とされること
を容認するものではない。寄託物に含まれるポリヌクレ
オチドの配列、ならびにそれによりコードされるポリペ
プチドのアミノ酸配列は、本明細書中に参考として援用
されており、そして本明細書中の配列のいかなる記載と
のいかなる矛盾の場合も制御している。寄託物を製造、
使用、または販売するためには実施許諾が必要とされ
得、そしてこのような実施許諾は本明細書によって与え
られるわけではない。
【0056】本発明はさらに、図1の推定アミノ酸配列
を有する、または寄託したcDNAによりコードされる
アミノ酸配列を有するGタンパク質共役レセプターポリ
ペプチド、ならびにこのようなポリペプチドのフラグメ
ント、アナログ、および誘導体に関する。
【0057】用語「フラグメント」、「誘導体」、およ
び「アナログ」は、図1のポリペプチド、または寄託し
たcDNAによりコードされるポリペプチドをいう場合
は、このようなポリペプチドと実質的に同じ生物学的機
能または生物学的活性を保持するポリペプチドを意味す
る。すなわちこのポリペプチドは、Gタンパク質共役レ
セプターとして機能するか、またはこのポリペプチドが
Gタンパク質共役レセプターとして機能しない(例えば
レセプターの可溶性形態)場合でも、レセプターに対す
るリガンドに結合する能力を保持する。アナログは、プ
ロタンパク質部分の切断により活性化されて活性な成熟
ポリペプチドを生成し得るプロタンパク質を包含する。
【0058】本発明のポリペプチドは、組換えポリペプ
チド、天然のポリペプチド、または合成ポリペプチドで
あり得、好ましくは組換えポリペプチドであり得る。
【0059】図1のポリペプチド、または寄託したcD
NAによりコードされるポリペプチドの、フラグメン
ト、誘導体、またはアナログは、(i)その中で1以上
のアミノ酸残基が保存または非保存アミノ酸残基(好ま
しくは保存アミノ酸残基)で置換され、そしてこのよう
な置換されたアミノ酸残基が、遺伝コードによりコード
されるアミノ酸残基であるかもしれないかまたはないか
もしれないフラグメント、誘導体、またはアナログ、あ
るいは(ii)その中で1以上のアミノ酸残基が置換基
を含有するフラグメント、誘導体、またはアナログ、あ
るいは(iii)その中で成熟ポリペプチドがポリペプ
チドの半減期を増加させる化合物(例えば、ポリエチレ
ングリコール)のような別の化合物に融合されているフ
ラグメント、誘導体、またはアナログ、あるいは(i
v)その中でリーダー配列または分泌配列あるいは成熟
ポリペプチドまたはプロタンパク質配列の精製に用いら
れる配列のようなさらなるアミノ酸が成熟ポリペプチド
に融合されるフラグメント、誘導体、またはアナログで
あり得る。このようなフラグメント、誘導体、およびア
ナログは、本明細書中の教示から、当業者の範囲内にあ
ると考えられる。
【0060】本発明のポリペプチドおよびポリヌクレオ
チドは、好ましくは単離された形態で提供され、そして
好ましくは均質に精製される。
【0061】用語「単離された」は、物質がその本来の
環境(例えば、天然に存在する場合は、天然の環境)か
ら取り出されていることを意味する。例えば、生きてい
る動物に存在する天然のポリヌクレオチドまたはポリペ
プチドは単離されていないが、天然系において共存する
物質の幾らかまたは全部から分離された同一のポリヌク
レオチドまたはポリペプチドは、単離されている。この
ようなポリヌクレオチドはベクターの一部であり得、お
よび/またはこのようなポリヌクレオチドまたはポリペ
プチドは、組成物の一部であり得、そしてさらにこのよ
うなベクターまたは組成物がその天然の環境の一部では
ないため単離され得る。
【0062】本発明はまた、本発明のポリヌクレオチド
を含むベクター、本発明のベクターを用いて遺伝子操作
される宿主細胞、および組換え技術によって本発明のポ
リペプチドを生成することに関する。
【0063】宿主細胞は、本発明のベクター(これは例
えば、クローニングベクターまたは発現ベクターであり
得る)を用いて遺伝子操作(形質導入または形質転換ま
たはトランスフェクト)される。ベクターは、例えば、
プラスミド、ウイルス粒子、ファージなどの形態であり
得る。操作された宿主細胞は、プロモーターを活性化
し、形質転換体を選択し、またはアドレナリンレセプタ
ー遺伝子を増幅するために適切に改変された従来の栄養
培地中で培養され得る。培養条件(例えば、温度、pH
など)は、発現のために選択される宿主細胞で以前に使
用された条件であり、そして当業者には明らかである。
【0064】本発明のポリヌクレオチドは、組換え技術
によりポリペプチドを生成するために用いられ得る。従
って、例えば、ポリヌクレオチドは、ポリペプチドを発
現するための種々の発現ベクターのいずれか1つ内に含
まれ得る。このようなベクターは、染色体、非染色体、
および合成DNA配列を包含し、例えば、SV40の誘
導体;細菌性プラスミド;ファージDNA;バキュロウ
イルス;酵母プラスミド;プラスミドおよびファージD
NAの組み合わせに由来するベクター、ワクシニア、ア
デノウイルス、鶏痘ウイルス、および仮性狂犬病のよう
なウイルスDNAである。しかし、宿主において複製可
能で、そして存続可能である限り、任意の他のベクター
が使用され得る。
【0065】適切なDNA配列は、種々の手順によりベ
クターに挿入され得る。一般に、DNA配列は当該分野
で公知の手順により適切な制限エンドヌクレアーゼ部位
(単数または複数)に挿入される。このような手順およ
び他の手順は、当業者に公知の範囲内であると考えられ
る。
【0066】発現ベクター中のDNA配列は、適切な発
現制御配列(1つまたは複数)(プロモーター)に作動
可能に連結され、mRNAの合成を指示する。このよう
なプロモーターの代表的な例としては、以下が挙げられ
得る:LTRまたはSV40プロモーター、E.col
i lacまたはtrp、λファージPLプロモータ
ー、および原核細胞または真核細胞あるいはそれらのウ
イルス内で遺伝子の発現を制御することが公知である他
のプロモーター。発現ベクターはまた、翻訳開始のため
のリボソーム結合部位および転写ターミネーターを含有
し得る。ベクターはまた、発現を増幅するための適切な
配列を含み得る。
【0067】さらに、発現ベクターは、好ましくは、形
質転換された宿主細胞の選択のための表現型特性(例え
ば、真核細胞培養物についてはジヒドロ葉酸レダクター
ゼまたはネオマイシン耐性、またはE.coliにおけ
るテトラサイクリン耐性またはアンピシリン耐性)を提
供する1つ以上の選択マーカー遺伝子を含有する。
【0068】本明細書中上記のような適切なDNA配列
ならびに適切なプロモーター配列または制御配列を含有
するベクターは、適切な宿主を形質転換して宿主にタン
パク質を発現させるために用いられ得る。
【0069】適切な宿主の代表的な例としては、以下が
挙げられ得る:細菌細胞(例えば、E.coli、St
reptomyces、Salmonella typ
himurium);真菌細胞(例えば酵母);昆虫細
胞(例えば、DrosophilaおよびSf9);動
物細胞(例えば、CHO、COSまたはBowes黒色
腫);植物細胞など。適切な宿主の選択は、本明細書中
の教示から当業者の範囲内であると考えられる。
【0070】さらに詳細には、本発明はまた、上記で広
範に記載した1つ以上の配列を含む組換え構築物を包含
する。構築物は、ベクター(例えば、プラスミドベクタ
ーまたはウイルスベクター)を包含し、このベクターの
中には本発明の配列が正方向または逆方向に挿入されて
いる。この実施態様の好ましい局面によれば、構築物は
さらに、配列に作動可能に連結された調節配列(例え
ば、プロモーターを包含する)を含む。多数の適切なベ
クターおよびプロモーターが当業者には公知であり、そ
して市販されている。以下のベクターが例として提供さ
れる。細菌性:pQE70、pQE60、pQE−9
(Qiagen)、pbs、pD10、phagesc
ript、psiX174、pbluescript
SK、pbsks、pNH8A、pNH16a、pNH
18A、pNH46A(Stratagene);pt
rc99a、pKK223−3、pKK233−3、p
DR540、pRIT5(Pharmacia)。真核
性:pWLNEO、pSV2CAT、pOG44、pX
T1、pSG(Stratagene);pSVK3、
pBPV、pMSG、pSVL(Pharmaci
a)。しかし、宿主において複製可能で、そして存続可
能である限り、任意の他のプラスミドまたはベクターも
使用され得る。
【0071】プロモーター領域は、CAT(クロラムフ
ェニコールトランスフェラーゼ)ベクターまたは選択マ
ーカーを有する他のベクターを使用して、任意の所望の
遺伝子から選択され得る。2つの適切なベクターは、p
KK232−8およびPCM7である。特によく知られ
た細菌プロモーターは、lacI、lacZ、T3、T
7、gpt、λPR、PL、およびtrpを含む。真核プ
ロモーターは、CMV即時初期型、HSVチミジンキナ
ーゼ、初期SV40および後期SV40、レトロウイル
ス由来のLTR、およびマウスメタロチオネインIを包
含する。適切なベクターおよびプロモーターの選択は、
十分に当業者のレベルの範囲内にある。
【0072】さらなる実施態様では、本発明は上記の構
築物を含有する宿主細胞に関する。宿主細胞は、高等真
核細胞(例えば、哺乳動物細胞)または下等真核細胞
(例えば、酵母細胞)であり得るか、または宿主細胞は
原核細胞(例えば、細菌細胞)であり得る。構築物の宿
主細胞への導入は、リン酸カルシウムトランスフェクシ
ョン、DEAE−デキストラン媒介トランスフェクショ
ンまたはエレクトロポレーションにより達成され得る
(Davis,L.、Dibner,M.、Batte
y,I.、Basic Methods in Mol
ecular Biology、1986)。
【0073】宿主細胞中の構築物は、組換え配列により
コードされる遺伝子産物を産生するために、従来の方法
で使用され得る。あるいは、本発明のポリペプチドは、
従来のペプチド合成機により合成的に生成され得る。
【0074】成熟タンパク質は、哺乳動物細胞、酵母、
細菌、または他の細胞中で適切なプロモーターの制御下
で発現され得る。無細胞翻訳系もまた、このようなタン
パク質を生成するために、本発明のDNA構築物に由来
するRNAを使用して用いられ得る。原核宿主および真
核宿主で使用される適切なクローニングベクターおよび
発現ベクターは、Sambrookら、Molecul
ar Cloning:A Laboratory M
anual,第2版(Cold SpringHarb
or、N.Y.、1989)(この開示は、本明細書中
に参考として援用されている)に記載されている。
【0075】本発明のポリペプチドをコードするDNA
の高等真核生物による転写は、ベクターにエンハンサー
配列を挿入することにより増大される。エンハンサーは
DNAのシス作用因子であり、通常は約10〜約300
bpであり、これはプロモーターに作用してその転写を
増大させる。例としては、複製起点bp100〜270
の後期側のSV40エンハンサー、サイトメガロウイル
スの早期プロモーターエンハンサー、複製起点の後期側
のポリオーマエンハンサー、およびアデノウイルスエン
ハンサーを包含する。
【0076】一般に、組換え発現ベクターは、複製起点
および宿主細胞の形質転換を可能とする選択マーカー
(例えば、E.coliのアンピシリン耐性遺伝子およ
びS.cerevisiaeのTRP1遺伝子)および
下流の構造配列の転写を指示する高発現遺伝子に由来す
るプロモーターを含有する。このようなプロモーター
は、特に解糖酵素(例えば、3−ホスホグリセリン酸キ
ナーゼ(PGK)、α因子、酸性ホスファターゼ、また
は熱ショックタンパク質など)をコードするオペロンに
由来し得る。異種構造配列は、翻訳開始配列および翻訳
終止配列、および好ましくは翻訳されたタンパク質を細
胞周辺腔または細胞外培地へ分泌することを指示し得る
リーダー配列と適切な相内で組立てられる。必要に応じ
て、異種配列は、所望の特徴(例えば、発現された組換
え産物の安定化または簡略化された精製)を与えるN末
端同定ペプチドを含む融合タンパク質をコードし得る。
【0077】細菌の使用に有用な発現ベクターは、機能
的なプロモーターと作動可能な読みとり相で、所望のタ
ンパク質をコードする構造DNA配列を適切な翻訳開始
シグナルおよび翻訳終止シグナルと共に挿入することに
より構築される。ベクターは、1以上の表現型選択マー
カー、ならびに、ベクターの維持を保証するため、およ
び所望により宿主内での増幅を提供するために複製起点
を含有する。形質転換のための適切な原核宿主は、E.
coli、Bacillus subtilis、Sa
lmonella typhimurium、ならびに
Pseudomonas属、Streptomyces
属、およびStaphylococcus属の種々の種
を包含するが、他の種もまた選択対象として用いられ得
る。
【0078】代表的な、しかし限定しない例として、細
菌の使用に有用な発現ベクターは、周知のクローニング
ベクターpBR322(ATCC 37017)の遺伝
エレメントを含む市販のプラスミドに由来する選択マー
カーおよび細菌の複製起点を含有し得る。このような市
販のベクターは、例えば、pKK223−3(Phar
macia Fine Chemicals、Upps
ala、Sweden)およびGEM1(Promeg
a Biotec、Madison、WI、USA)を
包含する。これらのpBR322「骨格」部分は、適切
なプロモーターおよび発現されるべき構造配列と組み合
わされる。
【0079】適切な宿主株の形質転換および適切な細胞
密度への宿主株の増殖に続いて、選択されたプロモータ
ーは、適切な手段(例えば、温度シフトまたは化学的誘
導)により誘導され、そして細胞はさらなる期間培養さ
れる。
【0080】細胞は、代表的には遠心分離により収集さ
れ、物理的手段または化学的手段により破砕され、そし
て得られた粗抽出物はさらなる精製のために保持され
る。
【0081】タンパク質の発現において用いられる微生
物細胞は、凍結融解サイクル、超音波処理、機械的破
砕、または細胞溶解剤の使用を包含する任意の便利な方
法により破砕され得、このような方法は、当業者に周知
である。
【0082】種々の哺乳動物細胞の培養系もまた、組換
えタンパク質を発現するために用いられ得る。哺乳動物
発現系の例は、Gluzman、Cell、23:17
5(1981)に記載されているサル腎臓繊維芽細胞の
COS−7株、および適合性のベクターを発現し得る他
の細胞株(例えば、C127、3T3、CHO、HeL
a、およびBHK細胞株)を包含する。哺乳動物発現ベ
クターは、複製起点、適切なプロモーターおよびエンハ
ンサー、およびさらに任意の必要なリボソーム結合部
位、ポリアデニル化部位、スプライスドナー部位および
スプライスアクセプター部位、転写終止配列、および
5’フランキング非転写配列を含有し得る。SV40ス
プライスおよびポリアデニル化部位に由来するDNA配
列は、必要な非転写遺伝エレメントを提供するために使
用され得る。
【0083】Gタンパク質共役レセプターポリペプチド
は、以下に挙げる方法により組換え細胞培養物から回収
され、そして精製され得る。これらの方法には、硫安沈
殿またはエタノール沈澱、酸抽出、陰イオンまたは陽イ
オン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマ
トグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、ア
フィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタ
イトクロマトグラフィー、およびレクチンクロマトグラ
フィーが包含される。必要に応じて、タンパク質の再折
りたたみ(refolding)工程が、成熟タンパク
質の配置を完全にするために使用され得る。最終的に、
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)が、最終的な
精製工程に用いられ得る。
【0084】本発明のポリペプチドは、天然の精製され
た産物、または化学合成手順の産物であり得るか、ある
いは原核宿主または真核宿主(例えば、培養物中の細
菌、酵母、高等植物、昆虫、および哺乳動物細胞によ
り)から組換え技術により生成され得る。組換え産生手
順に用いられる宿主に依存して、本発明のポリペプチド
は、グリコシル化され得るか、あるいはグリコシル化さ
れ得ない。本発明のポリペプチドはまた、開始メチオニ
ンアミノ酸残基を含み得る。
【0085】本発明のGタンパク質共役レセプターは、
レセプターのアンタゴニストおよび/またはアゴニスト
のスクリーニングのプロセスに用いられ得る。
【0086】一般に、このようなスクリーニング手順は
細胞表面上にレセプターを発現する適切な細胞を提供す
る工程を包含する。特に、本発明のレセプターをコード
するポリヌクレオチドは、細胞をトランスフェクトする
ために用いられ、それにより、Gタンパク質共役レセプ
ターを発現する。このようなトランスフェクションは本
明細書中上記のような手順によって達成され得る。
【0087】1つのこのようなスクリーニング手順は、
本発明のGタンパク質共役レセプターを発現するように
トランスフェクトされたメラニン細胞の使用を包含す
る。このようなスクリーニング技術は1992年2月6
日に発行されたPCT WO92/01810中に記述
される。
【0088】従って、例えば、このようなアッセイは、
Gタンパク質共役レセプターをコードするメラニン細胞
をレセプターリガンドおよび選択される化合物の両方と
接触させることにより、レセプターアンタゴニストのス
クリーニングに用いられ得る。リガンドによって生じる
シグナルの阻害は、化合物がレセプターの潜在的なアン
タゴニストであること、すなわち、化合物がレセプター
の活性化を阻害することを示す。
【0089】この選択法は、このような細胞と選択され
る化合物とを接触することによりアゴニストを決定する
ために用いられ得、かつこのような化合物がシグナルを
生じるか否かを決定する、すなわち、このような化合物
がレセプターを活性化するか否かを決定するために用い
られ得る。
【0090】他のスクリーニング技術としては、レセプ
ターの活性化により引き起こされる細胞外のpH変化を
測定する系において、Gタンパク質共役レセプターを発
現する細胞(例えば、トランスフェクトCHO細胞)の
使用が挙げられる。例えば、Science246巻、
181〜296頁(1989年10月)に記載される。
例えば、潜在的なアゴニストまたはアンタゴニストは、
Gタンパク質共役レセプターを発現する細胞と接触され
得、そして2次伝達応答(例えば、シグナルトランスダ
クションまたはpH変化)が、潜在的アゴニストまたは
アンタゴニストが効果的か否かを決定するために測定さ
れ得る。
【0091】別のこのようなスクリーニング技術は、G
タンパク質共役レセプターをコードするRNAをxen
opus卵母細胞に導入し、一時的にレセプターを発現
させることを包含する。次いでそのレセプター卵母細胞
は、アンタゴニストスクリーニングの場合、レセプター
リガンドおよび選択される化合物と接触され得、続い
て、カルシウムシグナルの阻害の検出が行われる。
【0092】別のスクリーニング技術は、Gタンパク質
共役レセプターの発現を包含し、ここでレセプターは、
ホスホリパーゼCまたはDと連結する。このような細胞
の代表例としては、内皮細胞、平滑筋細胞、胎児腎細胞
などが述べられ得る。アンタゴニストまたはアゴニスト
のスクリーニングは、本明細書中上記のように、レセプ
ターの活性化またはホスホリパーゼの2次シグナルによ
るレセプターの活性化の阻害の検出により達成され得
る。
【0093】別の方法は、標識リガンドの細胞表面にレ
セプターを有する細胞への結合の阻害を決定することに
よるアンタゴニストのスクリーニングを包含する。この
ような方法は、細胞がその表面にレセプターを発現する
ようにGタンパク質共役レセプターをコードするDNA
で真核細胞をトランスフェクトする工程、そして標識形
態の公知のリガンドの存在下で潜在的なアンタゴニスト
と細胞とを接触させる工程を包含する。リガンドは、例
えば、放射活性により標識され得る。標識リガンドがレ
セプターに結合する量は、例えば、レセプターの放射活
性の測定により測定され得る。レセプターに結合する標
識リガンドの減少により決定されるように潜在的なアン
タゴニストがレセプターに結合する場合、標識リガンド
のレセプターへの結合は阻害される。
【0094】本発明はまた、Gタンパク質共役レセプタ
ーに結合し得ないことが知られているリガンドが、この
ようなレセプターと結合し得るか否かを決定するための
方法を提供し、この方法は、Gタンパク質共役レセプタ
ーを発現する哺乳動物細胞を、Gタンパク質共役レセプ
ターへのリガンドの結合が可能な条件下で、リガンドと
接触させる工程、レセプターに結合するリガンドの存在
を検出する工程、およびリガンドがGタンパク質共役レ
セプターと結合するか否かを決定する工程を包含する。
アゴニストおよび/またはアンタゴニストを決定する本
明細書中上記の系はまた、レセプターに結合するリガン
ドの決定に用いられ得る。
【0095】一般に、スクリーニング手順によって決定
されるGタンパク質共役レセプターのアンタゴニスト
は、多様な治療目的に用いられ得る。例えば、このよう
なアンタゴニストは、高血圧症、狭心症、心筋梗塞、潰
瘍、喘息、アレルギー、精神病、鬱病、片頭痛、嘔吐、
および良性前立腺肥大の処置に用いられている。
【0096】Gタンパク質共役レセプターのアゴニスト
もまた、喘息、パーキンソン病、急性心不全、低血圧
症、尿停留、および骨粗鬆症の処置のような治療目的に
有効である。
【0097】潜在的なアンタゴニストは抗体、またはい
くつかの場合においてはオリゴヌクレオチドであり、こ
れはGタンパク質共役レセプターと結合するが、Gタン
パク質共役レセプターの活性を阻害するような2次伝達
応答を誘導しない。潜在的なアンタゴニストもまた、G
タンパク質共役レセプターのリガンドに密に関連するタ
ンパク質、すなわち、リガンドのフラグメントを含み、
これは生物学的機能を損失し、そしてGタンパク質共役
レセプターに結合するときに応答を全く誘導しない。
【0098】潜在的アンタゴニストはまた、アンチセン
ス技術の使用により調製されるアンチセンス構築物を含
む。アンチセンス技術は、三重らせん形成またはアンチ
センスDNAもしくはRNAを介した遺伝子発現を制御
するために用いられ得、これらの方法の両方はポリヌク
レオチドがDNAまたはRNAに結合することに基づい
ている。例えば、本発明の成熟ポリペプチドをコードす
るポリヌクレオチド配列の5コード部分は、長さ約10
〜40塩基対のアンチセンスRNAオリゴヌクレオチド
を設計するために用いられる。DNAオリゴヌクレオチ
ドは、転写に関与する遺伝子領域に相補的に設計され
(三重らせん−Leeら、Nucl.Acids Re
s.,6:3073(1979);Cooneyら、S
cience,241:456(1988);およびD
ervanら、Science,251:1360(1
991)を参照のこと)、それにより、転写およびGタ
ンパク質共役レセプターの産生を阻害する。アンチセン
スRNAオリゴヌクレオチドはインビボでmRNAとハ
イブリダイズし、そしてmRNA分子のGタンパク質共
役レセプターへの翻訳をブロックする(アンチセンス−
Okano、J.Neurochem.,56:560
(1991);Oligodeoxynucleoti
des as Antisense Inhibito
rs of Gene Expression,CRC
Press,Boca Raton,FL(198
8))。上記のオリゴヌクレオチドはまた、細胞に送達
され得、アンチセンスRNAまたはDNAがインビボで
発現され得てGタンパク質共役レセプターの産生を阻害
する。
【0099】別の潜在的なアンタゴニストは、Gタンパ
ク質共役レセプターに結合する小分子であり、Gタンパ
ク質共役レセプターのリガンドへの接近を不可能にし
て、正常な生物学的活性を阻害する。小分子の例として
は、小ペプチドまたはペプチド様分子が挙げられるが、
これらに限定されない。
【0100】潜在的アンタゴニストはまた、Gタンパク
質共役レセプターの可溶形態(例えば、レセプターのフ
ラグメント)を含み、これはリガンドに結合し、そして
リガンドが膜結合Gタンパク質共役レセプターと相互作
用することを阻害する。
【0101】本発明のGタンパク質共役レセプターは、
アドレナリンレセプターとして推定的に同定されてい
る。この同定はアミノ酸配列相同性の結果によりなされ
ている。
【0102】アンタゴニストは心収縮を刺激し、かつ心
拍数を下げることからβアドレナリンレセプターを制御
することにより、高血圧症を処置するために用いられ得
る。アンタゴニストはまた、αアドレナリンレセプター
により制御される血管収縮を阻害するために用いられ得
る。アンタゴニストは、例えば、本明細書中以下に記載
の薬学的に受容可能なキャリアとともに組成物において
用いられ得る。
【0103】上記のスクリーニング方法により同定され
るアゴニストは、例えば、アレルギー性鼻炎、花粉症、
急性鼻感冒、および副鼻腔炎呼吸器官の興奮(uppe
r)状態の処置のためにαアドレナリンレセプターを刺
激するのに用いられ得る。αアドレナリンレセプターの
刺激は、鼻粘膜血管、分泌の減少、および浮腫を抑制す
る。αアドレナリンレセプターはまた、瞳孔拡張および
子宮阻害を制御する。従って、アゴニストはまた、それ
らの作用を刺激するために用いられ得る。
【0104】βアドレナリンレセプターは血管緊張低下
を媒介する。アゴニストの投与によるβアドレナリンレ
セプターの刺激は、気管支平滑筋弛緩を引き起こし、そ
してメディエーターの放出を調節することにより(少な
くともある程度はアデニル酸シクラーゼ−cAMP系の
刺激により)、気管支喘息を処置するために用いられ得
る。βアドレナリンレセプターの刺激、そして結果的に
生じる血管緊張低下はまた、冠動脈疾患、アテローム性
動脈硬化症、および細動脈硬化症の処置に用いられ得
る。
【0105】アドレナリンレセプターおよびアンタゴニ
ストまたはアゴニストは、適切な薬学的キャリアと組み
合わせて用いられ得る。このような組成物は、治療有効
量のポリペプチド、および薬学的に受容可能なキャリア
または賦形剤を含む。このようなキャリアとしては、生
理食塩液、緩衝化生理食塩液、デキストロース、水、グ
リセロール、エタノール、およびそれらの組み合わせが
挙げられるが、これらに限定されない。処方は、投与の
態様に合わせるべきである。
【0106】本発明はまた、本発明の薬学的組成物の1
以上の成分で満たされた1以上の容器を含む薬学的パッ
クまたはキットを提供する。このような容器に関して、
薬剤または生物学的製品の製造、使用、または販売を統
制する政府機関により規定された形式の製品表示をし
得、この製品表示はヒトへの投与についての製造、使
用、または販売における機関による認可を表す。さら
に、本発明のポリペプチドは、他の治療化合物と併用し
て用いられ得る。
【0107】薬剤組成物は、局所、静脈内、腹膜内、筋
肉内、皮下、鼻腔内、または皮内経路によるような簡便
な様式で投与され得る。薬学的組成物は、特異症状の処
置および/または予防に効果的な量で投与される。一般
に、薬学的組成物は少なくとも約10μg/kg体重の
量で投与され、そして多くの場合、それらは1日に約8
mg/kg体重を超えない量で投与される。多くの場
合、投薬量は、1日に約10μg/kg体重から約1m
g/kg体重量であり、投与経路、症状などが考慮され
る。
【0108】このアドレナリンレセプターポリペプチド
およびポリペプチドであるアンタゴニストまたはアゴニ
ストは、本発明に従って、インビボでのこのようなポリ
ペプチドの発現により用いられ得る。これはしばしば
「遺伝子治療」と呼ばれる。
【0109】従って、例えば、患者由来の細胞は、ポリ
ペプチドをコードするポリヌクレオチド(DNAまたは
RNA)を用いてエキソビボで操作され得、次いで、操
作された細胞はこのポリペプチドで処置されるべき患者
に提供される。このような方法は当該分野で周知であ
る。例えば、細胞は、本発明のポリペプチドをコードす
るRNAを含有するレトロウイルス粒子の使用により、
当該分野で公知の手順によって操作され得る。
【0110】同様に、細胞は、インビボでのポリペプチ
ドの発現のために、例えば、当該分野で公知の手順によ
りインビボで操作され得る。当該分野で公知のように、
本発明のポリペプチドをコードするRNAを含有するレ
トロウイルス粒子を産生するための産生細胞は、インビ
ボで細胞を操作するためおよびインビボでのポリペプチ
ドの発現のために患者に投与され得る。このような方法
により本発明のポリペプチドを投与するためのこれらの
方法および他の方法は、本発明の教示から当業者には明
らかである。例えば、細胞を操作するための発現ビヒク
ルは、レトロウイルス以外のもの(例えば、アデノウイ
ルス)であり得る。これは、適切な送達ビヒクルと組み
合わせた後、インビボで細胞を操作するために使用され
得る。
【0111】本発明の配列はまた、染色体の同定に有益
であり得る。この配列は、個々のヒト染色体上の特定の
位置を特異的に標的化し、そしてその位置でハイブリダ
イズし得る。さらに、現在は染色体上の特定の部位を同
定する必要がある。現在、染色体位置の標識に利用可能
な実際の配列データ(反復多型)に基づいた染色体標識
試薬はほとんどない。本発明による染色体へのDNAの
マッピングは、これらの配列と疾患に関連する遺伝子と
の相関において重要な、第1工程である。
【0112】簡略に述べれば、配列は、cDNAからP
CRプライマー(好ましくは15〜25bp)を調製す
ることにより染色体にマップされ得る。cDNAのコン
ピューター解析が、ゲノムDNA内で1つより多いエキ
ソンにまたがらず、従って増幅プロセスを複雑化しない
プライマーを迅速に選択するために使用される。次い
で、これらのプライマーは、個々のヒト染色体を含有す
る体細胞ハイブリッドのPCRスクリーニングに使用さ
れる。プライマーに対応するヒト遺伝子を含有するハイ
ブリッドのみが増幅フラグメントを生じる。
【0113】体細胞ハイブリッドのPCRマッピング
は、特定の染色体に特定のDNAを割り当てるための迅
速な手順である。本発明を同じオリゴヌクレオチドプラ
イマーと共に使用して、特定の染色体由来のフラグメン
トのパネルまたは類似の様式の大きなゲノムクローンの
プールを用いて部分的位置決め(sublocaliz
ation)が達成され得る。染色体にマップするため
に同様に使用され得る他のマッピング戦略は、インサイ
チュハイブリダイゼーション、標識したフローサイトメ
トリーで選別した(flow−sorted)染色体を
用いるプレスクリーニング、および染色体特異的cDN
Aライブラリーを構築するためのハイブリダイゼーショ
ンによるプレ選択を包含する。
【0114】cDNAクローンの中期染色体展開物への
蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)
は、1工程で正確な染色体位置を提供するために使用さ
れ得る。この技術は、500または600塩基ほどの短
いcDNAで使用され得る;しかし、2,000bpよ
りも大きいクローンの方が、簡便な検出に十分なシグナ
ル強度で独特の染色体位置に結合しやすい。FISH
は、ESTが由来するクローンの使用を必要とし、そし
てこのクローンは長いほど好ましい。例えば、2,00
0bpが良好であり、4,000bpはより良好であ
り、そして4,000bpを超える長さは、合理的な割
合の時間で(a resonable percent
age of the time)良好な結果を得るた
めにはおそらく必ずしも必要でない。この技術の総説と
しては、Vermaら、HumanChromosom
es:a Manual of Basic Tech
niques,Pergamon Press、New
York(1988)を参照のこと。
【0115】一旦配列が正確な染色体位置にマップされ
ると、染色体上での配列の物理的な位置を遺伝的地図の
データと相関させ得る。このようなデータは、例えば、
V.McKusick、Mendelian Inhe
ritance in Man に見出される(Joh
ns Hopkins University Wel
ch Medical Libraryからオンライン
で入手可能である)。次いで、同一の染色体領域にマッ
プされている遺伝子と疾患との関係が、連鎖解析(物理
的に隣接した遺伝子の同時遺伝)により同定される。
【0116】次に、罹患個体と非罹患個体との間のcD
NAまたはゲノム配列の差異を決定する必要がある。変
異がいくつかまたはすべての罹患個体に観察されるが正
常な個体には観察されない場合、この変異は疾患の原因
因子であると思われる。
【0117】物理的マッピングおよび遺伝的マッピング
技術の現在の解像度では、疾患に関連する染色体領域に
正確に位置決めされたcDNAは、50と500との間
の潜在的原因遺伝子の1つであり得る。(これは、1メ
ガ塩基のマッピング解像度で、そして20kbあたり1
遺伝子と仮定する。) このポリペプチド、そのフラグメントまたは他の誘導
体、またはそれらのアナログ、あるいはそれらを発現す
る細胞は、それらに対する抗体を生成させるための免疫
原として使用され得る。これらの抗体は、例えば、ポリ
クローナル抗体またはモノクローナル抗体であり得る。
本発明はまた、キメラ抗体、単鎖抗体およびヒト化抗
体、ならびにFabフラグメント、またはFab発現ラ
イブラリーの産物を包含する。当該分野で公知の種々の
手順が、このような抗体およびフラグメントの生成のた
めに使用され得る。
【0118】本発明の配列に対応するポリペプチドに対
して生成される抗体は、動物へのポリペプチドの直接注
射により、または動物へのポリペプチドの投与により得
られ得る。この動物は、好ましくはヒトではない。次い
で、このようにして得られた抗体は、ポリペプチド自体
に結合する。このようにして、ポリペプチドのフラグメ
ントのみをコードする配列でさえも、天然のポリペプチ
ド全体に結合する抗体を生成するために使用され得る。
次いで、このような抗体は、そのポリペプチドを発現す
る組織からそのポリペプチドを単離するために使用され
得る。
【0119】モノクローナル抗体の調製のために、連続
的な細胞株培養により産生される抗体を提供する任意の
技術が使用され得る。例としては、ハイブリドーマ技術
(KohlerおよびMilstein、1975、N
ature、256:495−497)、トリオーマ技
術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Kozborら、
1983、Immunology Today 4:7
2)、およびヒトモノクローナル抗体を生成するための
EBVハイブリドーマ技術(Coleら、1985、M
onoclonal Antibodies and
CancerTherapy、Alan R.Lis
s,Inc.、77−96頁)が挙げられる。
【0120】単鎖抗体を生成するために記載された技術
(米国特許第4,946,778号)を、本発明の免疫
原性ポリペプチド産物に対する単鎖抗体を生成するため
に適合させ得る。
【0121】本発明を以下の実施例を参照にしてさらに
記載する;しかし、本発明はこのような実施例に限定さ
れないことを理解されたい。すべての部または量は、他
に明記しない限り重量基準である。
【0122】以下の実施例の理解を容易にするために、
現れる頻度の高い特定の方法および/または用語を記載
する。
【0123】「プラスミド」は、小文字のpの前および
/または後の大文字および/または数字により示され
る。本明細書中の出発プラスミドは、市販であるか、制
限基準なく公的に入手可能であるか、または公表された
手順に従って入手可能なプラスミドから構築され得るか
のいずれかである。さらに、記載されるプラスミドと等
価なプラスミドが当該分野で公知であり、そして当業者
には明らかである。
【0124】DNAの「消化」は、DNA中の特定の配
列でのみ作用する制限酵素でそのDNAを触媒反応的に
切断することをいう。本明細書中で使用される種々の制
限酵素は、市販されており、そしてそれらの反応条件、
補因子、および他の必要条件は当業者に公知のものが使
用された。分析目的には、代表的には1μgのプラスミ
ドまたはDNAフラグメントを、約2単位の酵素ととも
に約20μlの緩衝溶液中で使用する。プラスミド構築
のためのDNAフラグメントを単離する目的のために、
代表的には5〜50μgのDNAを20〜250単位の
酵素で、より大きな容量中で消化する。特定の制限酵素
のための適切な緩衝液および基質量は、製造者により特
定される。37℃での約1時間のインキュベーション時
間が通常使用されるが、これは供給者の説明書に従って
変化し得る。
【0125】「オリゴヌクレオチド」は、1本鎖ポリデ
オキシヌクレオチドまたは2つの相補的なポリデオキシ
ヌクレオチド鎖のいずれかを言い、これらは化学的に合
成され得る。このような合成オリゴヌクレオチドは、
5’リン酸を有さず、従ってキナーゼの存在下でリン酸
とATPとを添加しなければ別のオリゴヌクレオチドに
連結しない。合成オリゴヌクレオチドは、脱リン酸化さ
れていないフラグメントに連結する。
【0126】「連結」は、2つの2本鎖核酸フラグメン
トの間でリン酸ジエステル結合を形成するプロセスをい
う(Maniatis,T.ら、前出、146頁)。他
に提供しない限り、連結は、ほぼ等モル量の連結される
べきDNAフラグメント0.5μgあたり10単位のT
4 DNAリガーゼ(「リガーゼ」)とともに、公知の
緩衝液および条件を用いて達成され得る。
【0127】他に記載しない限り、形質転換はGrah
am,F.およびVan derEb,A.、Viro
logy、52:456−457(1973)の方法に
記載されるように行った。
【0128】
【実施例】(実施例1.アドレナリンレセプターの細菌
発現および精製)アドレナリンレセプターをコードする
DNA配列(ATCC寄託番号第75822号)を、プ
ロセスされたタンパク質の5’および3’配列(シグナ
ルペプチド配列を除く)およびアドレナリンレセプター
遺伝子に対して3’のベクター配列に対応するPCRオ
リゴヌクレオチドプライマーを用いて最初に増幅する。
アドレナリンレセプターコード配列に対応するさらなる
ヌクレオチドを、5’および3’配列それぞれに添加し
た。5’オリゴヌクレオチドプライマーは、配列5’C
CCACCCCACGCCGAGGTGCAGGTGC
【0129】
【化1】 ATGAGCCTCAAC 3’を有し、Bam HI
制限酵素部位(太字)、続いてプロセスされたタンパク
質コドンの推定末端アミノ酸から開始する9ヌクレオチ
ドのアドレナリンレセプターコード配列を含む。3’配
列、5’CAGCCCCACGGCACCC
【0130】
【化2】 CCTCATCTCTGCTCGGCAGCT 3’
は、Xba I制限酵素部位に相補的な配列を含み、続
いて21ヌクレオチドのアドレナリンレセプターコード
配列を含む。制限酵素部位は、細菌発現ベクターpQE
−9(Qiagen,Inc.9259 Eton A
venue,Chatsworth,CA,9131
1)の制限酵素部位に対応する。pQE−9は、抗生物
質耐性(Amp r)、細菌の複製起点(ori)、IP
TG調節可能プロモーター/オペレーター(P/O)、
リボソーム結合部位(RBS)、6−Hisタグ、およ
び制限酵素部位をコードする。次いで、pQE−9をB
am HIおよびXba Iで消化した。増殖配列をp
QE−9に連結し、そしてヒスチジンタグおよびRBS
をコードする配列にインフレームに挿入した。次いで、
連結混合物を用いて、E.coli株(M15/rep
4の商標でQiagenから入手可能)をSambro
ok,J.ら、Molecular Cloning:
A Laboratory Manual,Cold
Spring Laboratory Press,
(1989)に記載の手順により形質転換する。M15
/rep4は、プラスミドpREP4の多数のコピーを
含み、lacIリプレッサーを発現し、そしてカナマイ
シン耐性(Kanr)も与える。形質転換体はLBプレ
ート上で増殖するそれらの能力により同定され、そして
アンピシリン/カナマイシン耐性コロニーが選択され
た。プラスミドDNAを単離して、制限分析により確認
した。所望の構築物を含むクローンを、Amp(100
μg/ml)とKan(25μg/ml)との両方を補
充したLB培地における液体培養で一晩(O/N)増殖
させた。O/N培養物を用いて1:100〜1:250
の比で大きな培養物に接種する。細胞を、600の光学
密度(O.D.600)が0.4と0.6との間になるま
で増殖させた。次いで、IPTG(「イソプロピル−B
−D−チオガラクトピラノシド」)を加えて1mMの最
終濃度にした。IPTGはlacIリプレッサーを不活
性化することにより、遺伝子発現を増加させるためのP
/Oの解放(clear)を誘導する。細胞をさらに3
〜4時間増殖させた。次いで、細胞を遠心分離により採
集した。細胞ペレットをカオトロピック剤である6Mグ
アニジンHClで可溶化させた。澄明化後、可溶化され
たアドレナリンレセプタータンパク質を、6−Hisタ
グを含むタンパク質により堅く結合させる条件下でニッ
ケルキレートカラムでのクロマトグラフィーによりこの
溶液から精製した(Hochuli,E.ら、J.Ch
romatography 411:177−184
(1984))。アドレナリンレセプタータンパク質
を、6MグアニジンHCl pH 5.0でカラムから
溶出し、そして再生の目的のために、3MグアニジンH
Cl、100mMリン酸ナトリウム、10mMグルタチ
オン(還元型)、および2mMグルタチオン(酸化型)
に調整した。この溶液で12時間インキュベーションし
た後、タンパク質を10mMリン酸ナトリウムに対して
透析した。
【0131】(実施例2.COS細胞における組換えア
ドレナリンレセプターの発現)プラスミド、pAdre
nergic Receptor HAの発現を、ベク
ターpcDNAI/Amp(Invitrogen)に
より誘導する。ベクターpcDNAI/Ampは:1)
SV40複製起点、2)アンピシリン耐性遺伝子、3)
E.coli複製起点、4)ポリリンカー領域、SV4
0イントロンそしてポリアデニル化部位が続くCMVプ
ロモーター、を含有する。完全なアドレナリンレセプタ
ー前駆体、およびその3’末端にインフレームで融合さ
れたHAタグをコードするDNAフラグメントを、ベク
ターのポリリンカー領域にクローン化した。それゆえ、
組換えタンパク質発現はCMVプロモーター下で支配さ
れる。HAタグは、以前に記載されたようなインフルエ
ンザ赤血球凝集素タンパク質由来のエピトープに対応す
る(I.Wilson、H.Niman、R.Heig
hten、A Cherenson、M.Connol
ly、およびR.Lerner、1984,Cell
37,767)。本発明者らの標的タンパク質に対する
HAタグ融合物は、HAエピトープを認識する抗体を用
いて組換えタンパク質の容易な検出を可能にする。
【0132】プラスミド構築戦略を以下に記述する:ア
ドレナリンレセプターをコードするDNA配列(ATC
C寄託番号第75822号)を、2つのプライマーを用
いて、クローン化された元来のESTに対するPCRに
より構築した:5’プライマー5’CCCACCCCA
CGCCG
【0133】
【化3】 ACTGACCATG 3’は、BamHI部位、続い
て開始コドンで終了する10ヌクレオチドの配列を含
む;3’配列5’CCGCTCGAGCCTTCAAG
CGTAGTCTGGGACGTCGTATGGGTA
TCTCTGCTCGGCAGC 3’は、EcoRI
部位に相補的な配列、翻訳停止コドン、HAタグ、およ
びアドレナリンレセプターコード配列コード配列の最後
の21ヌクレオチド(停止コドンは含まない)に相補的
な配列を含む。それゆえ、PCR産物は、BAmHI部
位、インフレーム融合HAタグが続くコード配列、HA
タグに隣接する翻訳終止停止コドン、およびEcoRI
部位を含む。PCR増幅DNAフラグメントおよびベク
ター(pcDNAI/Amp)を、BamHIおよびE
coRI制限酵素により消化し、そして連結した。連結
混合物を、E.coliSURE株(Stratage
ne Cloning Systems,11099
North Torrey Pines Road,L
a Jolla,CA 92037より入手可能)に形
質転換し、形質転換培養物をアンピシリン培地プレート
に播種し、そして耐性コロニーを選択した。プラスミド
DNAを形質転換体より単離し、そして正しいフラグメ
ントの存在を制限分析で試験した。組換えアドレナリン
レセプタータンパク質の発現のために、COS細胞をD
EAE−DEXTRAN法により発現ベクターでトラン
スフェクトした(J.Sambrook、E.Frit
sch、T.Maniatis、Molecular
Cloning:A Laboratory Manu
al,Cold Spring Laboratory
Press,(1989))。アドレナリンレセプタ
ー HAタンパク質の発現を、放射標識および免疫沈澱
法により検出した。(E.Harlow,D.Lan
e,Antibodies:A Laboratory
Manual,Cold Spring Harbo
r Laboratory Press,(198
8))。細胞を、トランスフェクションの2日後、35
−システインで8時間標識した。次いで培養培地を回収
し、そして細胞を界面活性剤(RIPA緩衝液(150
mM NaCl、1% NP−40、0.1% SD
S、1% NP−40、0.5% DOC、50mM
Tris(pH7.5))で溶解した。(Wilso
n,I.ら、同上 37:767(1984))。細胞
溶解物および培養培地の両方を、HA特異的モノクロー
ナル抗体により沈殿させた。沈澱したタンパク質を15
% SDS−PAGEゲル上で分析した。
【0134】(実施例3.バキュロウィルス発現系を用
いるアドレナリンレセプターのクローニングおよび発
現)全長のアドレナリンレセプタータンパク質をコード
するDNA配列(ATCC寄託番号第75822号)
を、遺伝子の5’および3’配列に相補的なPCRオリ
ゴヌクレオチドプライマーを用いて増幅した。
【0135】5’プライマーは、配列5’CCCACC
CCACGCCG
【0136】
【化4】 ACTGACCATG 3’を有し、BamHI制限酵
素部位(太字)、続いて真核細胞における翻訳の開始に
効率的なシグナルに類似する10ヌクレオチド(J.M
ol.Biol.1987,196,947−950,
Kozak,M.)、翻訳開始コドン(「ATG」が下
線される)を含む。
【0137】3’プライマーは、配列5’CAGCCC
CACGGCACCC
【0138】
【化5】 CCTCATCTCTGCTCGGCAGCT3’を有
し、制限エンドヌクレアーゼXbaIの切断部位および
アドレナリンレセプター遺伝子の3’非翻訳配列に相補
的な16ヌクレオチドを含む。増幅配列を、市販のキッ
ト(「Geneclean」 BIO 101 In
c.,La Jolla,Ca.)を用いて、1%アガ
ロースゲルより単離した。次いで、フラグメントをエン
ドヌクレアーゼBamHIおよびXbaIで消化し、そ
して1%アガロースゲルで再度精製した。このフラグメ
ントを、F2と称する。
【0139】ベクターpRG1(pVL941ベクター
の改変体、下記)をバキュロウィルス発現系を用いるア
ドレナリンレセプタータンパク質の発現のために用いる
(総説について、Summers,M.D.およびSm
ith,G.E.1987,A manual of
methods for baculovirusve
ctors and insert cell cul
ture procedures,Texas Agr
icultural Experimental St
ation Bulletin No.1555を参照
のこと)。この発現ベクターは、Autographa
californica核多角体病ウィルス(AcM
NPV)の強いポリヘドリンプロモーター、続いて制限
エンドヌクレアーゼBamHIおよびXbaIの認識部
位を含む。シミアンウィルス(SV)40のポリアデニ
ル化部位を、効率的なポリアデニル化のために用いる。
組換えウィルスを容易に選択するために、E.coli
由来のβガラクトシダーゼ遺伝子を、ポリヘドリン遺伝
子のポリアデニル化シグナルが続くポリヘドリンプロモ
ーターと同方向に挿入した。ポリヘドリン配列を、コト
ランスフェクト野生型ウィルスDNAの細胞媒介性相同
組換えのためのウィルス配列により両端で隣接した。多
くの他のバキュロウィルスベクターが、pRG1の代わ
りに用いられ得る。例えば、pAc373、pVL94
1およびpAcIM1である(Luckow,V.A.
およびSummers,M.D.、Virology,
170:31−39)。
【0140】プラスミドを制限酵素BamHIおよびX
baIで消化し、次いで当該分野で公知の手順により仔
ウシ腸ホスファターゼを用いて脱リン酸化した。次い
で、DNAを1%アガロースゲルより単離した。このベ
クターDNAをV2と称する。
【0141】フラグメントF2および脱リン酸化プラス
ミドV2を、T4DNAリガーゼを用いて連結した。次
いで、E.coli XL1Blue細胞を形質転換
し、そして酵素BamHIおよびXbaIを用いて、ア
ドレナリンレセプター遺伝子を有するプラスミド(pB
acAdrenergic Receptor)を含む
細菌を同定した。クローン化フラグメントの配列を、D
NA配列決定により確認した。
【0142】5μgのプラスミドpBacAdrene
rgic receptorを、リポフェクション法
(Felgnerら Proc.Natl.Acad.
Sci.USA,84:7413−7417(198
7))を用いて、1.0μgの市販の線状化したバキュ
ロウィルス(「BaculoGoldTM baculo
virus DNA」,Pharmingen,San
Diego,CA.)とともにコトランスフェクトし
た。
【0143】1μgのBaculoGoldTMウィルス
DNAおよび5μgのプラスミドpBacAdrene
rgic Receptorを、50μlの血清非含有
グレース培地(Life Technologies
Inc.,Gaithersburg,MD)を含むマ
イクロタイタープレートの無菌ウェル中で混合した。そ
の後、10μlリポフェクチンと90μlのグレース培
地を添加し、混合し、そして室温にて15分間インキュ
ベートした。次いで、そのトランスフェクション混合物
を、血清非含有グレース培地1mlを有する35mm組
織培養プレート内に播種されたSf9昆虫細胞(ATC
C CRL 1711)に滴下した。プレートを、新た
に加えられた溶液を混合するために、前後に振とうし
た。次いでプレートを、27℃で5時間インキュベート
した。5時間後、トランスフェクション溶液をプレート
から除去し、そして10%ウシ胎児血清を補充した1m
lのグレース昆虫培地を添加した。プレートをインキュ
ベーターに戻し、そして27℃で4日間培養を続けた。
【0144】4日後、上清を回収し、そしてSumme
rsおよびSmith(上述)による記載と同様にプラ
ークアッセイを行った。改変法として、青く染色された
プラークの容易な単離を可能にする、「Blue Ga
l」(Life Technologies In
c.,Gaithersburg)を有するアガロース
ゲルを用いた。(「プラークアッセイ」の詳細な記述は
また、Life Technologies In
c.、Gaithersburg、で配布される昆虫細
胞培養法およびバキュロウィルス学の使用者ガイド(9
〜10頁)においても見い出され得る)。
【0145】4日後、ウィルスの連続希釈物を細胞に加
え、青く染色されたプラークをエッペンドルフピペット
のチップで拾った。次いで、組換えウィルスを含む寒天
を、200μlのグレース培地を含むエッペンドルフチ
ューブに再懸濁した。寒天を、簡単な遠心分離により除
去し、そして組換えバキュロウィルスを含む上清を、3
5mm皿で播種されたSf9細胞に感染するために用い
た。4日後、これらの培養皿の上清を回収し、次いで4
℃で保存した。
【0146】Sf9細胞を、10%熱失活化FBSを補
充したグレース培地中で培養した。細胞を、感染多重度
(MOI)2で組換えバキュロウィルスV−アドレナリ
ンレセプターで感染させた。6時間後、その培地を除去
し、そしてメチオニンおよびシステインを除いたSF9
00 II培地(Life Technologies
Inc.,Gaithersburg)に置き換え
た。42時間後、5μCiの35S−メチオニンおよび5
μCiの35Sシステイン(Amersham)を添加し
た。細胞を、さらに16時間インキュベートし、その後
細胞を遠心分離により採集し、そしてSDS−PAGE
およびオートラジオグラフィーにより標識されたタンパ
ク質を可視化した。
【0147】本発明の多くの改変および変形が、上記の
教示を考慮すれば可能であり、したがって、特に記載が
なければ、添付の請求の範囲の範囲内で本発明は実施さ
れ得る。
【0148】
【発明の効果】ヒトGタンパク質共役レセプターポリペ
プチド、およびこのようなポリペプチドをコードするD
NA(RNA)を得た。
【0149】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1A】図1Aは、本発明のGタンパク質共役レセプ
ターのcDNA配列および対応する推定のアミノ酸配列
を示す。アミノ酸のための標準的な1文字略記が用いら
れている。
【図1B】図1Bは、本発明のGタンパク質共役レセプ
ターのcDNA配列および対応する推定のアミノ酸配列
を示す。アミノ酸のための標準的な1文字略記が用いら
れている。
【図1C】図1Cは、本発明のGタンパク質共役レセプ
ターのcDNA配列および対応する推定のアミノ酸配列
を示す。アミノ酸のための標準的な1文字略記が用いら
れている。
【図1D】図1Dは、本発明のGタンパク質共役レセプ
ターのcDNA配列および対応する推定のアミノ酸配列
を示す。アミノ酸のための標準的な1文字略記が用いら
れている。
【図1E】図1Eは、本発明のGタンパク質共役レセプ
ターのcDNA配列および対応する推定のアミノ酸配列
を示す。アミノ酸のための標準的な1文字略記が用いら
れている。
【図2A】図2Aは、Gタンパク質共役レセプターの2
次構造特性の図解である。最初の7つの図解は、αヘリ
ックス、βヘリックス、ターン領域またはコイル領域で
あるアミノ酸配列領域を示す。箱で囲った領域は、示さ
れた領域に相当する領域である。第2の図のセットは、
細胞内、細胞質にさらされるアミノ酸配列または膜を貫
通するアミノ酸配列の領域を示す。親水性のパートは、
膜の脂質2重層であり、それゆえ疎水性であるタンパク
質配列の領域、および親水性である脂質2重膜の外部の
領域を示す。抗原性領域は脂質2重膜の外側の領域であ
り、そして抗原結合能を有するので、抗原性指数は、親
水性プロットに対応する。さらに、表面確率プロット
は、抗原性指数および親水性プロットに対応する。両親
媒性プロットは、極性および非極性であるタンパク質配
列の領域を示す。
【図2B】図2Bは、Gタンパク質共役レセプターの2
次構造特性の図解である。最初の7つの図解は、αヘリ
ックス、βヘリックス、ターン領域またはコイル領域で
あるアミノ酸配列領域を示す。箱で囲った領域は、示さ
れた領域に相当する領域である。第2の図のセットは、
細胞内、細胞質にさらされるアミノ酸配列または膜を貫
通するアミノ酸配列の領域を示す。親水性のパートは、
膜の脂質2重層であり、それゆえ疎水性であるタンパク
質配列の領域、および親水性である脂質2重膜の外部の
領域を示す。抗原性領域は脂質2重膜の外側の領域であ
り、そして抗原結合能を有するので、抗原性指数は、親
水性プロットに対応する。さらに、表面確率プロット
は、抗原性指数および親水性プロットに対応する。両親
媒性プロットは、極性および非極性であるタンパク質配
列の領域を示す。
【図3Aa】図3Aaは、本発明のGタンパク質共役レ
セプターと種々の動物種由来のアドレナリンレセプター
とのアミノ酸配列アラインメントを示す。色を付けた領
域は図中で他のアミノ酸配列と適合した領域である。
【図3Ab】図3Abは、本発明のGタンパク質共役レ
セプターと種々の動物種由来のアドレナリンレセプター
とのアミノ酸配列アラインメントを示す。色を付けた領
域は図中で他のアミノ酸配列と適合した領域である。
【図3Ac】図3Acは、本発明のGタンパク質共役レ
セプターと種々の動物種由来のアドレナリンレセプター
とのアミノ酸配列アラインメントを示す。色を付けた領
域は図中で他のアミノ酸配列と適合した領域である。
【図3Ba】図3Baは、本発明のGタンパク質共役レ
セプターと種々の動物種由来のアドレナリンレセプター
とのアミノ酸配列アラインメントを示す。色を付けた領
域は図中で他のアミノ酸配列と適合した領域である。
【図3Bb】図3Bbは、本発明のGタンパク質共役レ
セプターと種々の動物種由来のアドレナリンレセプター
とのアミノ酸配列アラインメントを示す。色を付けた領
域は図中で他のアミノ酸配列と適合した領域である。
【図3Bc】図3Bcは、本発明のGタンパク質共役レ
セプターと種々の動物種由来のアドレナリンレセプター
とのアミノ酸配列アラインメントを示す。色を付けた領
域は図中で他のアミノ酸配列と適合した領域である。
【図3Ca】図3Caは、本発明のGタンパク質共役レ
セプターと種々の動物種由来のアドレナリンレセプター
とのアミノ酸配列アラインメントを示す。色を付けた領
域は図中で他のアミノ酸配列と適合した領域である。
【図3Cb】図3Cbは、本発明のGタンパク質共役レ
セプターと種々の動物種由来のアドレナリンレセプター
とのアミノ酸配列アラインメントを示す。色を付けた領
域は図中で他のアミノ酸配列と適合した領域である。
【図3Cc】図3Ccは、本発明のGタンパク質共役レ
セプターと種々の動物種由来のアドレナリンレセプター
とのアミノ酸配列アラインメントを示す。色を付けた領
域は図中で他のアミノ酸配列と適合した領域である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 597018381 9410 Key West Avenue, Rockville, Marylan d 20850, United State s of America (72)発明者 ダニエル アール. ソペット アメリカ合衆国 バージニア 22020, センタービル, スティルフィールド プ レイス 15050 (72)発明者 イ リー アメリカ合衆国 メリーランド 20878, ガイザースバーグ, ホワード ランデ ィング ドライブ 16125 (72)発明者 マーク ディー. アダムズ アメリカ合衆国 メリーランド 20878, ノース ポトマック, ダフィーフ ド ライブ 15205 Fターム(参考) 4B024 AA11 BA63 CA04 4H045 AA10 BA10 CA40 DA50

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単離されたポリヌクレオチドであって: (a)以下の推定アミノ酸配列: 【表1】 を有するGタンパク質共役レセプターポリペプチド、あ
    るいは該ポリペプチドのフラグメント、アナログ、また
    は誘導体をコードするポリヌクレオチド; (b)ATCC寄託番号75822に含有されるcDN
    Aによりコードされるアミノ酸配列を有するGタンパク
    質共役レセプターポリペプチド、あるいは該ポリペプチ
    ドのフラグメント、アナログ、または誘導体をコードす
    るポリヌクレオチド、からなる群より選択される、単離
    されたポリヌクレオチド。
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