JP2002095352A - トマトの接ぎ木苗とそれに使用する台木用トマト - Google Patents
トマトの接ぎ木苗とそれに使用する台木用トマトInfo
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Abstract
を取り違えることなく、効率よく得ることができるトマ
トの接ぎ木苗及びそれに使用する台木用トマトを提供す
る。 【解決手段】 台木に穂木と異なる茎色のトマトを使用
することにより、無駄なく安定したトマトの接ぎ木苗の
提供を可能とした。台木用トマトとしては、幼苗期の茎
が実質的にアントシアニン色素を含まないもの、トマ幼
苗期の茎色が、日本園芸植物標準色票のカラーコード
で、1GY、3GY、5GY、7GY又は10GYに属
するものを使用する。
Description
とそれに使用する台木用トマトに関する。
苗は農家が独自に行なうのが一般的であったが、近年農
業就業者の高齢化が進む中で、農作業の省力、集約化や
耕地利用の効率化を高めるために、予め育苗された苗を
購入し、できるだけ栽培に専念したいとする農家、園芸
生産者が増えている。この結果、最近では大規模な育苗
施設を使用して大量の苗生産が行われるようになってき
た。
に苗輸送の簡便化等を目的としてセル成型苗育苗と称す
る、多数のポットを連結した容器で育苗する方法が普及
してきており、また、気候や病害の悪影響を受けること
なく、優れた収穫を得るための接ぎ木苗を生産販売する
ことが多くなってきた。
うのが一般的であったが、前述のように苗の購買が一般
的になったため、最近では大規模な育苗施設を使用して
大量の接ぎ木苗生産が行われるようになってきた。また
セル成型苗の育苗中に接ぎ木することも実施されてい
る。
業の簡便化、効率化を目的として規格化された接ぎ木用
の支持具や接ぎ木器具の使用や自動接ぎ木装置の利用が
進められている。
また機械的に接ぎ木苗が大量に生産されようとしている
中で、従来は熟練した農家、作業員が行なってきた接ぎ
木作業や管理を経験が浅く、作物知識があまりない、例
えばパートタイマー作業員が行う機会が増えてきてい
る。このような状況の中で、未熟な作業員の判断ミスに
よって接ぎ木に使用する穂木と台木品種が入れ違ってし
まったり、穂木品種同士、台木品種同士を接ぎ木してし
まったりするような事故が多々見られるようになってき
た。
ばセル成型苗を利用した接ぎ木用苗の育苗では穂木と台
木を別々の容器で播種、育苗し、本葉2〜3枚前後の幼
苗で接ぎ木作業に供するため、育苗中の容器はラベルや
シール等で穂木、台木の品種識別をしているのが通常で
あるが、接ぎ木作業においては台木の上部茎葉を切断除
去し、切断された穂木と育苗容器のままあるいは一旦抜
き取った台木の胚軸とを接合する作業を行なうため、個
々の穂木や台木の苗を容器のラベルやシール等で識別す
ることが出来なくなる。したがって作業中に多大な注意
を払わなければ、切断した穂木と本来廃棄すべき台木の
茎葉を取り違える等の事故が生じる可能性が高い。さら
に育苗容器のラベルやシールが欠落すると、その容器で
育苗されている品種の識別が不能となり、その育苗容器
ごと大量の苗を廃棄せざるをえないことさえあり得る。
を改善する目的で、台木を胚軸部分で切断し、根部を切
り離した後に穂木の茎葉と接合する方法も考案されてい
る。これらの方法では、幼苗時の茎葉等の外観から穂木
品種と台木品種を個々に識別することが難しい。
量性やサイズ、重さ、形、色、肉質、糖度等の果実品質
あるいは草丈、葉型、吸肥性などの栽培特性、地上部病
害に対する耐病性等について高度に品種改良、育種を進
めているものであり、土壌伝染性病害防除、連作障害の
回避や低温伸長性、耐暑性、耐乾性、耐湿性等の改善を
目的に育種を進めてきた台木品種とは明らかに実用形質
が違う。さらに近年では消費者の嗜好や市場からの要望
の変化、新病害の発生等にともないトマト穂木品種の分
化が進み、個々の農家や園芸生産者が栽培する品種の選
択は非常に重要なものになっている。
主な問題点は、次の通りである。(1)穂木品種同士の
接ぎ木では、接ぎ木の主目的である土壌伝染性病害に対
する耐病性が付与されず、病害感染や収量低下の問題が
生じる。(2)台木品種を穂木として使用した場合(穂
木品種を台木としたり、台木品種同士を接ぎ木した場
合)には、果実の市場性がなく、営利的な生産が成り立
たない。
木と台木苗の取り違え事故が発生すると、誤った接ぎ木
苗を購買した農家や園芸生産者は極めて深刻な経済的な
ダメージを受けることは明らかであり、接ぎ木苗を生
産、販売した育苗業者にとっても信用の失墜を招き、営
利的にも大きな損失となる。
品種の利用が一般的である。F1品種とは一代交配品種
とも呼ばれ、それぞれ遺伝的に固定した父親系統と母親
系統の交配によって成り立つものであり、固定系統ある
いは自殖系統の品種に比べて多くの耐病性遺伝子を複合
的に持たせることが容易で、また雑種強勢により栽培特
性などの実用形質に優れていることが知られている(新
しい植物育種技術、463-497 、中島哲夫監修、養賢堂発
行、1987年)。
性、果実品質等の改善、改良を目標として栽培トマト
(Lycopersicon esculentum )と同属のL.pimpinellifo
lium、L.peruvianum 、L. hirsutum 、L. chilense 等
とを交雑させ、これら同属種の持つ有用遺伝子を栽培ト
マト系統、品種に取り込むことができることも広く知ら
れている(野菜/抵抗性品種とその利用、59-103、山川
邦夫著、全国農村教育協会発行、1978年;育種学最近の
進歩第24集、113-120 、日本育種学会編、1983年;To
mato Biotechnology、17-26 、Donald J.Nevins 、Rich
ard A.Jones 編、AlanR.Liss,Inc.発行、1987年;GENET
IC IMPROVEMENT OF VEGETABLE CROPS、645-666 、G.KAL
LOO,B.O.BERGH編、PERGAMON PRESS発行、1993年)。こ
のような特定の有用遺伝子を既成の系統に取り込むには
戻し交雑、自殖による後代分離、耐病性検定、栽培検
定、選抜等を繰り返し、所望の形質を持つ遺伝的に固定
した系統を作出することが一般的である(作物育種の理
論と方法、143-147 、203-207 、村上寛一監修、養賢堂
発行、1983年;野菜園芸大事典、140-237 、清水茂監
修、養賢堂発行、1988年)。
木自体の果実品質は問われないため、従来から栽培トマ
ト(L. esculentum )と同属異種間のF1品種が利用さ
れている場面もある。このようなトマト同属異種間のF
1品種の例として品種KNVFは母親にL. esculentum 種、
父親にL. hirsutum 種を利用しているものである。品種
KNVFでは、交配ミスにより母親系統の自殖種子が混入し
た場合に、それを識別する方法として母親系統に茎が緑
色となる劣性の遺伝子をホモに持たせている(野菜の採
種技術、150-151 、そ菜種子生産研究会編、誠文堂新光
社発行、1978年)。つまり、F1 台木品種KNVFの茎は該
劣性遺伝子がヘテロであるためアントシアニン色素によ
って紫色を呈するので、茎が緑色の母親系統と区別する
ことができる。しかし、この手段ではF1台木品種と通
常は茎が紫色を呈する穂木品種とを容易に識別、区別で
きないことは明らかである。
目的としてトマト品種にナス用の台木であるナス属のト
ルバム・ビガーを接ぎ木する方法が知られている(特許
第2939208 )。この方法であれば穂木と台木を容易に識
別できるものの、トルバム・ビガーはトマト属の植物で
はなく、初期生育が遅いために播種から接ぎ木までに要
する日数がトマト属の台木に比べて長く、栽培特性や耐
病性等の点でも汎用性がない。以上のようにトマト苗の
育苗中や接ぎ木作業中に、穂木品種と台木品種とを簡便
かつ容易に識別する技術がなく、穂木品種と台木品種の
取違え事故が起きやすいのが現状である。
トマトの接ぎ木苗において、その育苗中や接ぎ木作業中
にトマトの穂木品種と台木品種の取り違えを防ぐため
に、容易に穂木品種と識別できるような台木用トマトを
提供することを課題とする。
記の課題を克服すべく鋭意検討した結果、トマトの接ぎ
木苗において、台木に穂木と異なる茎色のトマトを使用
することにより、前記課題が解決できることを見いだし
た。
木品種も、茎色はアントシアニン色素により紫色を呈す
るものであり、外観的に識別することは困難であった
が、本発明では、アントシアニン色素を持たないあるい
は持ちにくいことで緑の茎色を呈する台木用トマトの提
供を可能とすることによって、前記課題を解決したので
ある。
素を持たない、あるいは持ちにくい形質を発現する遺伝
子(以下、アントシアニン色素欠遺伝子と称する)が存
在することは広く知られている。それらの遺伝子には例
えばaa(遺伝子座anthocyaninabsent)、 a(遺伝子座a
nthocyaninless )、 af (遺伝子座anthocyanin fre
e)、 al (遺伝子座anthocyanin lose)、 al-2 (遺
伝子座 anthocyanin loser-2)、are (遺伝子座anthoc
yanin reduced )等がある(MOLECULAR BIOLOGY OFTOMA
TO 、19-29 、Johnl.Yoder 編、Technomic Publishing
Company発行、1993年)。これらの遺伝子は一般的に突
然変異体由来のものであり、劣性である。したがって、
それぞれの遺伝子座においてホモになることで前記のア
ントシアニン色素を持たない、あるいは持ちにくい表現
形質を発現する。
アニン色素欠遺伝子の種類は特に限定されず、栽培トマ
ト(Lycopersicon esculentum )と同属異種由来の遺伝
子であっても上述のように栽培トマトの系統、品種に取
り込むことが可能であるが、採種、栽培特性等の実用形
質の改良を早期に達成するには、栽培トマト(L. escul
entum )由来の該遺伝子を利用するのが好ましい。
の茎色は、播種、育苗条件等により同じ遺伝子型を持つ
品種でも変動するので一定の色に限定することはできな
いが、接ぎ木用苗の育苗中や接ぎ木作業中に穂木品種と
台木品種が容易に識別できれば良く、例えば穂木品種の
茎色は日本園芸植物標準色票(植物標準色票編集委員会
編、財団法人日本色彩研究所発行、昭和59年)における
紫(3P、6P、9P)、赤紫(2RP 、5RP )に通常は近似す
るので、本発明による台木品種の茎色は同標準色票にお
ける黄緑(1GY 、3GY 、5GY )、緑(7GY 、10GY)に近
似すれば所望の目的を達することができる。
法等は当業者であれば既知の方法、例えば戻し交雑、自
殖による後代分離、耐病性検定、栽培検定、選抜等を行
なえば良いが、育種年限の短縮や選抜効率の改善のため
に細胞融合、葯培養、偽受精生殖、半数体利用やDNA
マーカー利用による選抜技術等を利用しても良い(植物
の育種学、日向康吉著、朝倉書店発行、1997年)。なお
本発明で使用するアントシアニン色素欠遺伝子は発芽
後、子葉展開時までには発現するので該遺伝子をホモに
持つ個体の選抜は、茎色を観察することによって肉眼で
容易にできる。
は茎が緑色を呈する以外は通常のトマト系統と比べて栽
培特性等が大きく変わらないため、慣行の採種方法でF
1種子を採種することができる。
ycopersicon esculentum)に限定されず、広くトマト属
に属する植物を含む。また、トマト属植物と他の植物、
例えば、ナス属植物との交配、細胞融合等により得られ
る植物も本発明のトマト系統に含まれる。また、採種効
率改善のために母親系統(♀系)に雄性不稔の形質を持
たせることも可能である。
明するが、本発明はこれによって限定されるものではな
い。
種ATの親系統の育成− (a)アントシアニン色素欠遺伝子aaをホモに持つトマ
ト系統LA1194と既存のトマトF1台木品種であるアンカ
ーT(タキイ種苗株式会社製;蔬菜の新品種11、68項、
日本園芸生産研究所編、誠文堂新光社発行、1991年)の
母親系統(以下、アンカーT♀系と称す)を交雑しF1
種子を採種した。なおトマト系統LA1194は、The C.M. R
ick Tomato Genetics Resource Center (TGRC)、 DEPAR
TMENT OF VEGETABLE CROPS, UNIVERSITY OF CALIFORNI
A, DAVIS, CALIFORNIA 95616, USAより入手したもので
ある。 (b)次に(a)で採種したF1種子の自殖後代200 個
体(F2)の中で発芽後の茎色を肉眼で観察し、茎色が
緑色を呈する個体(以下、緑茎個体と称す)を選抜し
た。該aa遺伝子は劣性でメンデルの遺伝様式に従うため
茎が緑色の個体数と茎が紫色を帯びる個体数の分離比は
理論的には1:3になるものと予想されたが、選抜した
緑茎個体の数は46、残りの茎が紫色を帯びる個体数は15
4 であり、χ 2 ―検定の結果、該aa遺伝子が劣性である
ことが確認された(生物統計学入門、83-87 、石居進
著、培風館発行、1975年)。 (c)(b)で選抜した緑茎個体を栽培し、草型、草勢
や果実の収量性等の特性から優良個体を1個体選抜後、
アンカーT♀系をこの選抜個体に戻し交雑しBC1種子を
採種した。 (d)BC1 種子の自殖後代100 個体(BC1-F2)の中で
発芽後の茎色を肉眼で観察し、緑茎個体22個体を選抜し
た。これらの選抜個体を栽培し、草型、採種量等の特性
において優良な1個体を選抜後、自殖系統(BC1-F3)
の種子を採種した。 (e)(d)で得られた系統BC1-F3を10個体栽培し、
優良な1個体選抜した後、この個体にアンカーT♀系を
戻し交雑しBC2 種子を採種した。 (f)(e)で得られたBC2 の自殖後代(BC2 −F2)
50個体の中から、緑茎個体12個体を幼苗時に選抜し、
その後の栽培特性等において優良な1個体を選抜した
後、アンカーT♀系を戻し交雑しBC3 の種子を採種し
た。 (g)(f)と同様にBC3 の自殖後代(BC3 −F2)5
0個体の中から、緑茎個体13個体を幼苗時に選抜し、そ
の後の栽培特性等において優良な5個体を選抜した。こ
れらの個体を自殖し5系統(BC3 −F3−1、BC3 −F
3−2、BC3 −F3−3、BC3 −F3−4、BC3 −F3
−5)の種子を採種した。 (h)(g)で得られた5系統(BC3 −F3−1、BC3
−F3−2、BC3 −F3−3、BC3 −F3−4、BC3 −
F3−5)をそれぞれ10株づつ栽培し、各系統から採種
量等の特性にもとづいて優良な個体を各系統から1個体
選抜し、5系統(BC3 −F4−1、BC3 −F4−2、BC
3 −F4−3、BC3 −F4−4、BC3 −F4−5)の自
殖種子を採種した。 (i)(h)で得られた5系統(BC3 −F4−1、BC3
−F4−2、BC3 −F4−3、BC3 −F4−4、BC3 −
F4−5)について公知の方法(野菜園芸大事典、140-
237 、清水茂監修、養賢堂発行、1988年)により青枯
病、半身萎ちょう病、萎ちょう病、タバコモザイクウイ
ルス等の各種耐病性検定を行った結果、系統BC3 −F4
−3が5系統の中で最も複合的に耐病性を持ち、アンカ
ーT♀系に近似することがわかった。 (j)系統BC3 −F4−3の残り種子から10個体栽培
し、採種量等の特性から優良と思われた2個体について
自殖を行い2系統(BC3 −F5−1、BC3 −F5−2)
の種子を採種した。これらの系統について(i)と同様
に耐病性検定を行った結果、系統BC3 −F5−1が最も
複合的に耐病性を持ち、採種量等の特性の点からはアン
カーT♀系と同等であり、茎が緑色を呈する点で大きく
異なる系統であることがわかった。最終的に本系統(BC
3 −F5−1)の自殖を繰り返した後代系統BC3 −F7
−1(以下、AT♀系と称す)を本発明におけるトマト
F1台木品種ATの母親系統とした。AT♀系育成過程
の模式図を図4に示す。AT♀系の本葉2〜3枚時の茎
色は日本園芸植物標準色票のカラーコード5GY-3503ある
いは5GY-3504(緑)に近似し、アンカーT♀系の同茎色
はカラーコード9P-8913 あるいは9P-8914 (紫)に近似
していた。以上トマトF1台木品種ATの母親系統の育
成過程を説明したが、同父親系統(以下、AT♂系と称
す)の育成方法もアンカーTの父親系統(アンカーT♂
系)を使用する以外はこれに準じた。
−ほ 実施例1のAT♀系20株とAT♂系5株を圃場におい
て慣行の方法で栽培し、AT♀系の二段花房開花期より
交配を開始した。交配はピンセットでAT♀系の蕾から
葯を除去した後(以下、除雄と称す)、昆虫の飛来や予
期しない花粉の侵入を防ぐために紙袋で覆った。該蕾が
開花すると予想された除雄2日後にAT♂系の花より採
取した花粉を除雄したAT♀系の花の柱頭に付着させる
ことで交配を完了した(野菜の採種技術、243-250 、そ
菜種子生産研究会編、誠文堂新光社発行、1978年)。次
に完熟期に達した交配済み果実をAT♀系より収穫、種
子を取り出して水洗し、風乾後、紙袋に入れて約7℃で
保管した。採種した種子はAT♀系とAT♂系の交配種
子(F1台木品種AT)で、種子量は約100mlであ
り、採種した種子の形状に異常は見られず、国際種子検
査規定(国際種子検査協会、農林水産省種苗管理センタ
ー発行、1991年)にもとづく採種直後の発芽試験の結果
は99% であった。また発芽試験時に観察した品種ATの
茎色は日本園芸植物標準色票のカラーコード5GY-3503
(緑)に近似していた。
験− トマトの接ぎ木作業が未熟な接ぎ木作業員による台木、
穂木品種の識別試験を行なった。被験者A、B、C、
D、Eは、トマトの接ぎ木作業を本識別試験までにそれ
ぞれ1、1、2、2、3回経験しただけの作業員であ
り、専門的なトマト品種識別の知識は持ち合わせていな
かった。実施例2で得られたトマトF1台木品種ATの
種子200粒をたねまき培土(タキイ種苗株式会社製)
を充填したセル成型苗用トレイ(200穴セルトレイ、
タキイ種苗株式会社製)に播種し、一般に接ぎ木適期と
されている本葉2〜3枚の苗まで育苗した。同時に、一
般に使用される台木トマト品種:アンカーT、アキレス
M及び影武者(いずれもタキイ種苗株式会社製)と、穂
木トマト品種:ハウス桃太郎、桃太郎8及びココ(いず
れもタキイ種苗株式会社製)を、接ぎ木適期とされてい
る本葉2〜3枚の苗まで育苗した。次に、各トマト品種
の苗を地際部より切断し、切り取った茎葉部分をそれぞ
れ白色のプラスチック製のポット(直径6cm、裏面に品
種名記入)に入れ、台木トマトと穂木トマトが識別でき
るか否か、次のような試験を実施した。
穂木トマトのポット20個をランダムに並べ、被権者
が、その中から台木トマトを識別した数を調べる。台木
トマトと穂木トマトの組み合わせを変えて、試験した結
果を、表1に示す。表1に示される通り、本発明による
台木品種ATは、未熟な作業員によっても完全に穂木品
種と識別できることが確認された。
郎の苗を接ぎ木し(特開平6−197632号公報参照)、慣
行の方法で育苗後、ビニールハウス内に定植して栽培試
験を行なった。比較として同じく実施例3で育苗した台
木品種アンカーT及び影武者と穂木品種ハウス桃太郎と
の接ぎ木苗も育苗、栽培試験に供した。栽培試験結果を
表2に示す。
ATは、従来から市販品に使用されている比較品種アン
カーT及び影武者と実質的に同等の栽培特性を示すこと
が確認できた。
る茎色からなるため、未熟な作業員であっても、間違い
なく、台木と穂木を取り違えることなく、効率的に接ぎ
木を実施でき、無駄なく、品質のよい接ぎ木苗を、安定
して需要者に供給できる。また、本発明の接ぎ木苗は、
茎が色の異なる2種のものからなるため、需要者が一見
して接ぎ木苗であると知ることができ、無接ぎ木苗の自
根苗と取り違えることがない。なお、一般に使用される
穂木品種のトマトと茎色の異なるトマトが台木に使用で
きるとは全く予測されなかったことであるが、本発明で
は、実施例に示す如く、幼苗期の茎色が、穂木品種と異
なる台木用トマト種子の安定した提供を可能としたもの
であり、かかる本発明で有用な台木用トマトの種子の分
譲を、本願出願人は保証する。
Claims (5)
- 【請求項1】 台木に穂木を接ぎ木したトマト苗であっ
て、台木に穂木と異なる茎色のトマトを使用したことを
特徴とするトマト接ぎ木苗。 - 【請求項2】 前記台木の幼苗期の茎が実質的にアント
シアニン色素を含まない請求項1のトマト接ぎ木苗。 - 【請求項3】 前記台木が、幼苗期の茎色が、日本園芸
植物標準色票のカラーコードで、1GY、3GY、5G
Y、7GY又は10GYに属する請求項1のトマト接ぎ
木苗。 - 【請求項4】 幼苗期の茎が実質的にアントシアニン色
素を含まないことを特徴とする請求項1の接ぎ木苗の台
木用トマト。 - 【請求項5】 幼苗期の茎色が、日本園芸植物標準色票
のカラーコードで、1GY、3GY、5GY、7GY又
は10GYに属することを特徴とする請求項1の接ぎ木
苗の台木用トマト。
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