JP2002093599A - 核破砕中性子源施設の生体遮蔽体 - Google Patents

核破砕中性子源施設の生体遮蔽体

Info

Publication number
JP2002093599A
JP2002093599A JP2000283222A JP2000283222A JP2002093599A JP 2002093599 A JP2002093599 A JP 2002093599A JP 2000283222 A JP2000283222 A JP 2000283222A JP 2000283222 A JP2000283222 A JP 2000283222A JP 2002093599 A JP2002093599 A JP 2002093599A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
biological shield
shield
cooling
biological
living body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000283222A
Other languages
English (en)
Inventor
Yukio Ogawa
雪郎 小川
Hisato Tagawa
久人 田川
Katsumi Hayashi
克己 林
Hidenori Doge
秀紀 道下
Kazuteru Tsuchida
一輝 土田
Kaoru Kobayashi
薫 小林
Masaki Kaminaga
雅紀 神永
Katsuhiro Haga
勝洋 羽賀
Tomokazu Aso
智一 麻生
Hidetaka Kinoshita
秀孝 木下
Hiroyuki Konakawa
広行 粉川
Ryutaro Hino
竜太郎 日野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Japan Atomic Energy Agency
Original Assignee
Hitachi Ltd
Japan Atomic Energy Research Institute
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd, Japan Atomic Energy Research Institute filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2000283222A priority Critical patent/JP2002093599A/ja
Publication of JP2002093599A publication Critical patent/JP2002093599A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Particle Accelerators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】次世代の大出力核破砕中性子源施設の生体遮蔽
体において、放射線防護、冷却性、健全性および製作性
に優れた生体遮蔽体構造を実現すること。 【解決手段】生体遮蔽体として水冷式の中心側生体遮蔽
体と、該中心側生体遮蔽体を囲うガス冷却式の周辺側生
体遮蔽体を有し、前記中心側生体遮蔽体は、鋳鉄で形成
される生体遮蔽部材と、該生体遮蔽部材を被う鋼板製の
生体遮蔽部材容器を有し、かつ該中心側生体遮蔽体の内
部に冷却のための水流路を設けたことを特徴とする。生
体遮蔽部材容器の内部に配置してから内部に鋳鉄を鋳込
むことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高エネルギーの陽
子ビームを重金属ターゲットに照射して核破砕反応によ
り高密度の中性子を発生させる中性子源施設から中性子
やガンマ線などの放射線が漏れるのを抑える生体遮蔽体
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高エネルギーの陽子ビームを重金属ター
ゲットに照射して、破砕反応により高密度の中性子を発
生させる中性子源施設は入射エネルギーに対して最も多
くの中性子を発生させることができ、しかも原子炉に比
べて設備が簡素である。このため、中性子を利用する生
命科学、物質・材料研究、核物理、医療など多分野での
利用を目的として、欧州、米国、日本など世界的に大出
力化した核破砕中性子源施設の建設が計画されている。
【0003】核破砕反応を用いた中性子源施設に関する
公知技術としては、例えば、現在、パルス核破砕中性子
源では世界最高出力(160kW)の英国ラザフォード
・アップルトン研究所で稼働中のISISと呼ばれてい
る施設がある。ISISについては、ラザフォード・ア
ップルトン研究所が公表しているホームページに示され
ている。
【0004】ISISの生体遮蔽体は、ボイドベッセル
と呼ばれるターゲットを内蔵する容器の周囲に鉄ブロッ
クを積み上げた構造となっており、生体遮蔽体の発熱は
空気の自然対流で冷却している。核破砕中性子源では数
100MeV以上のエネルギーをもつ高エネルギー中性子が発
生するため生体遮蔽体の大部分は鉄で構成される。現
在、建設が計画されている核破砕中性子源の場合、ター
ゲットを取り囲む鉄の厚さは5m以上にもなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】現在、建設が計画され
ている核破砕中性子源施設の場合、陽子ビーム出力がI
SISより一桁高い。またバックグラウンド中性子線レ
ベル低減および生体遮蔽体物量低減の観点から、ISI
Sの場合よりターゲットに近い位置から生体遮蔽体を設
置する予定である。したがって、ターゲット近傍の遮蔽
体発熱密度は、ISISの場合より数桁高くなる。
【0006】上記発熱密度では、ガス冷却でターゲット
近傍の生体遮蔽体を十分に除熱することは困難である。
発明者の試算では、陽子ビーム出力2MW、生体遮蔽体
の内半径2mの場合、生体遮蔽体の内面から約1m幅の
範囲は水冷却する必要があることがわかった。
【0007】しかし、水冷却構造とした場合、以下のよ
うな課題が生じる。まず、冷却水はターゲットの核破砕
反応の結果、発生する放射線を受けて放射化するので、
生体遮蔽体内の冷却水のインベントリをなるべく小さく
して放射化量を少なくし、かつ十分な漏洩対策を講じる
ことが必要である。
【0008】また、本施設で発生する高レベルの放射線
を遮蔽するために、鉄製の生体遮蔽体中のボイドを約一
割以下にすることが求められる。冷却水も高エネルギー
中性子に対してはボイドであるので遮蔽の観点からも冷
却水の量はできるだけ少ないことが求められる。
【0009】また、本施設で使用する機器は高レベルに
放射化するため、運転開始後、生体遮蔽体の水冷却流路
の保守点検は困難である。したがって、施設の使用期間
中は流路閉塞などの事態に対してメインテナンスフリー
な構造としておく必要がある。
【0010】さらに、複雑な冷却流路構造を現地で製作
することは容易でないため、生体遮蔽体の水冷却構造体
は完成品として現地に搬入し据え付ける方法が望まし
い。しかし、その総重量は1000トンを越えると考え
られるので、現地で容易に組み立てられる構造に分割し
て搬入する必要がある。
【0011】さらに、本施設の生体遮蔽体は中性子ビー
ムを取り出す中性子ビームラインやターゲットに陽子ビ
ームを入射する陽子ビームラインなど20〜30本程度
の貫通孔が空いている。従って、ターゲット近傍の生体
遮蔽体は多数の貫通孔を備えながら、上部に積まれる鉄
製の生体遮蔽体の荷重を支持できる構造である必要があ
る。
【0012】最後に、上記課題を解決できる構造とした
上で、生体遮蔽体の温度を適切な範囲に維持できるよう
に、十分な冷却性を確保できる冷却流路構造でなければ
ならない。
【0013】本発明の目的は、大出力核破砕中性子源施
設の生体遮蔽体において、遮蔽体の構造健全性を向上さ
せ、かつ高い発熱密度に応じた効率的な冷却方法を提供
するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、高エネルギー
の陽子ビームを重金属のターゲットに照射して高密度の
中性子を発生させる中性子源施設の生体遮蔽体におい
て、前記生体遮蔽体として水冷式の中心側生体遮蔽体
と、該中心側生体遮蔽体を囲うガス冷却式の周辺側生体
遮蔽体を有し、前記中心側生体遮蔽体は、鋳鉄で形成さ
れる生体遮蔽部材と、該生体遮蔽部材を被う鋼板製の生
体遮蔽部材容器を有し、かつ該中心側生体遮蔽体の内部
に冷却のための水流路を設けたことを特徴とするもので
ある。
【0015】本発明の実施形態について説明する前に本
発明に関するより具体的な課題および解決手段について
述べる。
【0016】本発明の課題は、冷却材の放射化量を低減
し、冷却流路の健全性を向上した生体遮蔽体およびその
製作方法を提供することにある。
【0017】上記課題を達成するために、遮蔽体の水冷
却領域を内蔵する遮蔽体容器を設け、遮蔽体容器に冷却
水の給排水ラインを設け、遮蔽体容器内部に冷却流路を
設けて、給排水ラインから冷却流路へ冷却水を流入させ
ることにより、冷却水の漏洩を防止したものである。
【0018】また上部鉄遮へい体の荷重の一部または全
部を遮蔽体容器の壁や内部に必要に応じて設けられるリ
ブで支持するものである。
【0019】さらに遮蔽体容器内部に冷却流路を構成す
る配管を設置し、遮蔽体容器と配管の隙間に鋳鉄を流し
込んで遮蔽体と冷却流路を構成することにより、冷却流
路の製作を容易にし、かつ冷却配管と遮蔽体間のギャッ
プをなくして熱抵抗を小さくし、冷却性能を向上するも
のである。
【0020】さらにまた遮蔽体容器内部に収められた鉄
遮蔽体に溝を形成することによって冷却流路を構成する
ことにより冷却流路の製作を容易にし、かつ鉄遮へい体
と冷却水が直接接することにより冷却性能を向上させた
ものである。
【0021】また遮蔽体の水冷部分を複数の領域に分割
し、各領域を独立した遮蔽体容器に内蔵して、遮蔽体容
器同士を連結することにより、遮蔽体の水冷部分の製作
性を向上したものである。
【0022】さらに遮蔽体容器内部に設けた冷却流路を
複数の系統で構成し、一系統の冷却流路が閉塞した場合
にも別系統の冷却流路に切り換えて使用することによ
り、運転中の冷却流路のメインテナンスを不要としたも
のである。
【0023】さらにまた鉄遮へい体の厚みを発生する中
性子の角度分布に応じて変化させることにより、充分な
水冷領域の大きさを確保しつつ冷却水のインベントリを
少なくしたものである。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明による中性子散乱施
設について、図面を用いて詳細に説明する。
【0025】はじめに、生体遮蔽体の全体構成について
説明する。図1および図2は、本発明の生体遮蔽体全体
の水平断面図および垂直断面図である。高エネルギーの
陽子ビーム6による重金属の核破砕反応によって中性子
を発生するターゲット62は、放射性物質の漏洩を防止
する目的で、ボイドベッセルと呼ばれる容器内に納めら
れている。ターゲット本体の核破砕反応や発生した2次
粒子と構造材との反応で発生する中性子やガンマ線の線
量率を許容限度以下に抑えるため、ボイドベッセルを取
り囲むように、生体遮蔽体が設置されている。
【0026】生体遮蔽体の材料としては、高密度で遮蔽
性能が高く比較的安価な鉄とコンクリートを使用する。
ボイドベッセルの周囲は鉄製の生体遮蔽体とし、最外周
はコンクリートの生体遮蔽体52とする。コンクリート
を使用するのは、鉄製の生体遮蔽体では遮蔽できないエ
ネルギー領域の遮蔽性能をカバーするためである。
【0027】生体遮蔽体は放射線照射によって発熱する
ので冷却する必要がある。特にMW規模の大出力核破砕
中性子源では、ターゲット近傍の発熱密度が大きく、従
来のようなガス冷却だけでは十分な冷却が困難である。
そこでボイドベッセルの近傍は水冷式の冷却領域を形成
する鉄で作られている中心側生体遮蔽体50で遮蔽す
る。この中心側生体遮蔽体50の外周をガス式の冷却領
域を形成する周辺側生体遮蔽体51で囲う。冷却ガスと
しては、放射化と爆発性ガスの生体を防止するためヘリ
ウムを使用するのが望ましい。ボイドベッセルの上部空
間は、生体遮蔽体の一部分を構成する反射体交換プラグ
60で占められており、別の冷却系統で冷却されるの
で、水冷式の冷却領域をなす中心側生体遮蔽体50は上
部が開口した形状をしている。また陽子ビーム下流側は
ターゲットを搭載するターゲットトローリー61で占め
られている。この部分も反射体交換プラグ60と同様に
生体鉄遮蔽体の一部を構成し、別の冷却系統で冷却され
るので中心側生体遮蔽体50は陽子ビーム下流側も開口
した形状をしている。周辺側生体遮蔽体51は柱状の遮
蔽体構造をとる。柱状の遮蔽体の下端を嵌め込み構造と
し、上端をボルト支持構造として両端拘束のビーム振動
構造とすることにより支持構造体に伝達される水平地震
荷重を半減させる。
【0028】次に、中心側生体遮蔽体50の水冷却部分
の詳細構造について説明する。図3は本発明の中心側生
体遮蔽体50の水冷却部分を含めて示す第一実施例の立
体図である。中心側生体鉄遮蔽体50は縦方向に4分割
構造とし、生体鉄遮蔽部材と、これを内蔵する鋼板製の
生体遮蔽部材容器1、19、20、21で構成されてお
り、施設建屋内へクレーンで吊り込める重量に分割され
ている。各生体遮蔽部材容器は、現地において、接合リ
ブ15、16、17、18で接合される。
【0029】ボイドベッセルにはターゲットとその冷却
系統を搭載したターゲットトローリーが水平方向から挿
入され、また陽子ビームラインと中性子ビームラインが
ボイドベッセルを中心として水平方向にのびている。し
たがって、生体遮蔽部材容器1、19、20、21に
は、ターゲットトローリー貫通口3、陽子ビームライン
貫通口4、および中性子ビームライン貫通口5が開口し
ており、各貫通口の内面は冷却水の漏洩防止のためステ
ンレスでライニングされている。
【0030】このような施設では、ターゲットで発生す
る高エネルギー中性子の角度分布は陽子ビーム下流方向
に寄るため、陽子ビーム下流側の生体遮蔽体は発熱密度
が高くなることは良く知られている。そのため中心側生
体遮蔽体50の水冷却領域の厚さは発熱密度に応じて陽
子ビーム下流側が厚くなるように決定する。図3に示す
ように生体遮蔽部材容器1側を生体遮蔽部材容器用20
側よりも厚くしたのは、そのためである。
【0031】各生体遮蔽部材容器には給水ライン7、
8、11、12と排水ライン9、10、13、14が設
けられており、これらの給排水ラインは生体遮蔽部材容
器内部の冷却流路に繋がっている。給水ライン7、8、
11、12から冷却水を供給し、生体遮蔽部材容器内部
の冷却流路を流動させて生体遮蔽体を冷却した後、排水
ライン9、10、13、14から排水する。各給排水ラ
インと生体遮蔽部材容器内部の冷却流路は、バックアッ
プラインがそれぞれ2系統ずつ準備されており、冷却流
路閉塞時には給排水ラインを別系統に切り換えて対応で
きるようになっている。さらに、生体遮蔽体の構造強度
確保のため、生体遮蔽部材容器内部には適当な間隔で補
強リブ22が設けられている。この図には簡単のため代
表的なリブのみを示している。
【0032】中心側生体遮蔽体50は、鋳物で作られた
生体鉄遮蔽部材23と、これを内蔵する鋼板製の生体遮
蔽部材容器1、19、20、21で構成されている。生
体鉄遮蔽部材23を鋼板製の生体遮蔽部材容器1、1
9、20、21で被うようにしたのは、中心側生体遮蔽
体50を丈夫にするためである。中心側生体遮蔽体50
の上側には、約1000トン程度の荷重がかかる。しか
も、生体鉄遮蔽部材23は弱い鋳物で作られているとこ
ろに加えて内部に多くの水冷用配管が埋設されるので、
機械的な強度が弱い。20〜30mm程度の厚い鋼板で
被うことにより、中心側生体遮蔽体50は、極めて重い
荷重に耐える丈夫なものになるのである。
【0033】また中心側生体遮蔽体50は、生体遮蔽部
材容器1、19、20、21に冷却用の配管を配置して
から同容器内に鋳鉄を鋳込むことに形成されるので、制
作製が良いのである。
【0034】図4は本発明の生体遮蔽体における水冷却
部分の第一実施例の水平断面図である。この図は、中性
子ビームライン5を含む高さの水平断面の一部を示して
いる。生体遮蔽部材容器21には、鋳鉄で作られた生体
遮蔽部材が内蔵されており、中性子ビームライン貫通口
5の間隙には冷却配管30〜38が垂直(縦)に埋め込
まれている。中性子ビームライン貫通口5の内面はステ
ンレスライナー24、25で内張りされており、放射化
した冷却水の外部への漏洩を防止している。
【0035】発明者の試算では、陽子ビーム出力2MW
の場合、水冷却が必要なところは中心側生体遮蔽体50
の内側から約1mの範囲であり、たとえば直径20ミリ
メートルの冷却流路では、半径方向に3流路を発熱密度
に応じた適当な間隔で配置すれば、生体遮蔽体の温度上
昇を100K以下に抑えられることがわかっている。そ
こで、冷却流路を配管で構成して生体遮蔽体内の冷却水
インベントリを必要最小限に抑えれば、冷却水の放射化
量を低減でき、また生体遮蔽体内のボイドが少なくなる
ことで、遮蔽性能も向上できる。さらに、配管自体が冷
却水漏洩に対するバリアの役割を果たすので、放射線防
護の観点からも好ましい。
【0036】図4では冷却流路として中性子ビームライ
ン5に挟まれた生体遮蔽体1区画当たり、9本の冷却配
管30〜38が示されているが、このうち冷却配管3
0、35、36、第1補助冷却配管31、34、37、
第2補助冷却配管32、33、38は、それぞれ一続き
の冷却配管を引き回したもので、一つの冷却系統で十分
な冷却性能が得られるようになっている。運転開始後の
施設は高レベルに放射化されるので生体遮蔽体の保守点
検は困難である。そこで、このように冷却系統に冗長性
を持たせておくことにより、冷却配管30、35、36
が何らかの原因で閉塞した場合でも、第1補助冷却配管
31、34、37や第2補助冷却配管32、33、38
に冷却系統を切り換えて生体遮蔽体の冷却性能を維持で
きる構造としている。
【0037】図5は本発明の生体遮蔽体にかかる水冷却
部分の第一実施例の垂直断面図である。この図は冷却配
管を含む垂直断面で、簡単のために、三つの冷却系統の
うち一系統だけを示している。図2の説明で述べたよう
に、冷却配管は発熱密度に応じて配置されており、生体
遮蔽部材容器21の底部冷却配管41を含んで、一続き
の配管で構成されている。冷却水は隣接部と繋がってい
る入口冷却配管39から流入し、冷却配管30、35、
36および底部冷却配管41を流動して生体遮蔽体を冷
却した後、入口と反対側の隣接部に繋がっている出口冷
却配管40から流出する。生体遮蔽部材容器21の内部
にある冷却配管の終端部は、図3の給水ライン12と排
水ライン14に繋がっており、外部から冷却水を給排水
する。
【0038】上記のように複雑な冷却流路を生体遮蔽体
の内部に製作するために、あらかじめ生体遮蔽部材容器
21の内部に冷却配管を必要な間隔で配置しておき、生
体遮蔽部材容器21と配管群の間隙に鋳鉄を流し込んで
生体遮蔽体を製作すれば、複雑な冷却流路が容易に製作
できる。また、このような製作方法をとれば、生体遮蔽
体と冷却配管とを密着できるので、熱抵抗が小さく冷却
性能の高い構造とすることができる。
【0039】図6に本発明の生体遮蔽体にかかる水冷却
部分の第二実施例を示す。鉄遮蔽体は横方向に分割され
それぞれ鋼製の生体遮蔽部材容器1,19,20,21
に納められている。生体遮蔽体は第一実施例と同様に、
現地において接合リブ15,16,17で接合される。
各生体遮蔽部材容器には給水ライン7,8,11,12
と排水ライン9,10,13,14が設けられている。
給排水ラインが内部の鉄製の生体遮蔽体の冷却水流路に
つながっていること、給排水ラインにはバックアップ用
の系統を準備しておくことは第一実施例と同様である。
【0040】図7は本発明の生体遮蔽体にかかる水冷却
部分の第二実施例の容器に収められる鉄製の生体遮蔽体
の例である。図7は図6の生体遮蔽部材容器19に収め
られる部分の鉄製の生体遮蔽体を示しており、多数の中
性子ビームライン5が貫通している。鉄製の生体遮蔽体
は鉄ブロックを組み合わせて構成する。各鉄遮蔽ブロッ
クの表面及び内部を削ることにより冷却流路を構成す
る。流路は発熱密度に応じて配置される。図では図示を
簡単にするために上部の鉄製の生体遮蔽体ブロックの流
路のみを示しているが、他のブロックにも同様の流路が
形成されている。冷却水流路65、67、69はそれぞ
れ独立の流路を間隔を空けて配置したものであり、冷却
流路71は一続きの流路である。それぞれバックアップ
用の補助流路66、68、70、72を持ち流路閉塞の
場合には補助流路に冷却系統を切り替えて冷却性能を維
持できる。鉄製の生体遮蔽体ブロック間の流路は、冷却
流路65では鉄製の生体遮蔽ブロック内部に接続孔を設
ける。図では示していないが冷却流路66〜70も同様
の方法でブロック間を接続する。冷却流路71、72は
鉄製の生体遮蔽体ブロックの外表面に接続のための流路
を設ける。
【0041】中性子ビームライン5周囲の生体遮蔽体
は、多くの貫通孔があるため鉄製の遮蔽体ブロックの溝
を組み合わせて流路を形成することが難しい。この部分
は中性子ビームラインの側壁を成す、角管状のステンレ
スライナーを挿入し、鉄製の遮蔽体を収める生体遮蔽部
材容器の壁に溶接する。ステンレスライナー24と鉄製
の遮蔽体ブロックの間に1〜2mmの隙間を設け、その部
分を冷却水が流れるようにする。
【0042】以上説明したように、本発明によれば、冷
却水の放射化量低減と漏洩防止、冷却流路の冗長性と冷
却性能向上、現地での製作工程削減により、放射線防護
と設備の健全性および製作性に優れた生体遮蔽体を提供
できる。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、生体遮蔽体内の冷却水
インベントリ低減による放射化量低減および遮蔽性能に
優れ、補助流路構成と冷却性能向上により設備の健全性
に優れ、現地での製作工程削減により、製作性に優れた
生体遮蔽体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかるもので、生体遮蔽体
の全体を断面した水平断面図である。
【図2】本発明の実施形態にかかるもので、生体遮蔽体
の全体を断面した垂直断面図である。
【図3】本発明の実施形態にかかるもので、中心側生体
遮蔽体の立体図である。
【図4】本発明の実施形態にかかるもので、中心側生体
遮蔽体の部分拡大平断面図である。
【図5】本発明の実施形態にかかるもので、中心側生体
遮蔽体の垂直断面図である。
【図6】本発明の他の実施例にかかるもので、中心側生
体遮蔽体の立体図である。
【図7】本発明の他の実施例にかかるもので、図6の中
心側生体遮蔽体を構成する生体遮蔽体ブロックの立体図
である。
【符号の説明】
1,19,20,21…生体遮蔽部材容器、23…生体
遮蔽部材、50…中心側生体遮蔽体、51…周辺側生体
遮蔽体、62…ターゲット。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田川 久人 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発研究所内 (72)発明者 林 克己 茨城県日立市幸町三丁目2番1号 日立エ ンジニアリング株式会社内 (72)発明者 道下 秀紀 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所原子力事業部内 (72)発明者 土田 一輝 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所原子力事業部内 (72)発明者 小林 薫 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所原子力事業部内 (72)発明者 神永 雅紀 茨城県那珂郡東海村白方白根2番地の4 日本原子力研究所 東海研究所内 (72)発明者 羽賀 勝洋 茨城県那珂郡東海村白方白根2番地の4 日本原子力研究所 東海研究所内 (72)発明者 麻生 智一 茨城県那珂郡東海村白方白根2番地の4 日本原子力研究所 東海研究所内 (72)発明者 木下 秀孝 茨城県那珂郡東海村白方白根2番地の4 日本原子力研究所 東海研究所内 (72)発明者 粉川 広行 茨城県那珂郡東海村白方白根2番地の4 日本原子力研究所 東海研究所内 (72)発明者 日野 竜太郎 茨城県那珂郡東海村白方白根2番地の4 日本原子力研究所 東海研究所内 Fターム(参考) 2G085 AA20 BA20 BE07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高エネルギーの陽子ビームを重金属のター
    ゲットに照射して、ターゲットの核破砕反応で高密度の
    中性子を発生させる中性子源施設の生体遮蔽体におい
    て、 前記生体遮蔽体として水冷式の中心側生体遮蔽体と、該
    中心側生体遮蔽体を囲うガス冷却式の周辺側生体遮蔽体
    を有し、 前記中心側生体遮蔽体は、鋳鉄で形成される生体遮蔽部
    材と、該生体遮蔽部材を被う鋼板製の生体遮蔽部材容器
    を有し、かつ該中心側生体遮蔽体の内部に冷却のための
    水流路を設けたことを特徴とする核破砕中性子源施設の
    生体遮蔽体。
  2. 【請求項2】請求項1に記載されたものにおいて、 前記中心側生体遮蔽体の内部に冷却水用配管を配置して
    前記水流路を形成するとともに鋳鉄を鋳込むことを特徴
    とする核破砕中性子源施設の生体遮蔽体。
  3. 【請求項3】請求項1に記載されたものにおいて、 前記生体遮蔽部材に前記水流路を設けたことを特徴とす
    る核破砕中性子源施設の生体遮蔽体。
  4. 【請求項4】請求項1に記載されたものにおいて、 前記中心側生体遮蔽体は、複数に分割されている中心側
    生体遮蔽体ブロックを連結して構成したことを特徴とす
    る核破砕中性子源施設の生体遮蔽体。
  5. 【請求項5】請求項1に記載されたものにおいて、 前記中心側生体遮蔽体には、流路系統の切り換えができ
    る複数系統の前記水流路を設けたことを特徴とする核破
    砕中性子源施設の生体遮蔽体。
  6. 【請求項6】請求項1に記載されたものにおいて、 前記中心側生体遮蔽体は、陽子ビーム下流側を厚くした
    ことを特徴とする核破砕中性子源施設の生体遮蔽体。
JP2000283222A 2000-09-19 2000-09-19 核破砕中性子源施設の生体遮蔽体 Pending JP2002093599A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000283222A JP2002093599A (ja) 2000-09-19 2000-09-19 核破砕中性子源施設の生体遮蔽体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000283222A JP2002093599A (ja) 2000-09-19 2000-09-19 核破砕中性子源施設の生体遮蔽体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002093599A true JP2002093599A (ja) 2002-03-29

Family

ID=18767613

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000283222A Pending JP2002093599A (ja) 2000-09-19 2000-09-19 核破砕中性子源施設の生体遮蔽体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002093599A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007047096A (ja) * 2005-08-12 2007-02-22 Hitachi Ltd 放射性同位元素製造装置、及びその据付方法
JP2011112610A (ja) * 2009-11-30 2011-06-09 Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd 中性子遮蔽装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007047096A (ja) * 2005-08-12 2007-02-22 Hitachi Ltd 放射性同位元素製造装置、及びその据付方法
JP2011112610A (ja) * 2009-11-30 2011-06-09 Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd 中性子遮蔽装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5343506A (en) Nuclear reactor installation with a core catcher device and method for exterior cooling of the latter by natural circulation
CN101562057B (zh) 用于存储高放废物的系统和方法
US4508677A (en) Modular nuclear reactor for a land-based power plant and method for the fabrication, installation and operation thereof
Najmabadi et al. Spherical torus concept as power plants—the ARIES-ST study
CA1049665A (en) Nuclear reactor apparatus
US11521759B2 (en) Melt confinement device
US10825571B2 (en) Nuclear reactor support and seismic restraint with core retention cooling features
BR112017013046B1 (pt) Sistema de confinamento e resfriamento de material fundido de núcleo de reator nuclear moderado por água e resfriado a água
US9761332B2 (en) Nuclear reactor neutron shielding
US3734827A (en) Nuclear-reactor structure
JPH0727050B2 (ja) 受動冷却系を備えた液体金属冷却型原子炉
Miyazawa et al. Cartridge-type helical blankets aiming at easy construction and maintenance for the FFHR-d1
US4749540A (en) Demountable tokamak fusion core
JPH05196780A (ja) 液体金属冷却原子炉の受動冷却系
JP2002093599A (ja) 核破砕中性子源施設の生体遮蔽体
Kolbasov et al. Russian concept for a DEMO-S demonstration fusion power reactor
US11291862B2 (en) Medical source of neutrons, nuclear reactor for a medical neutron source, and method of application of a medical neutron source
RU2165108C2 (ru) Система защиты защитной оболочки реакторной установки водо-водяного типа
Park et al. KALIMER design concept report
Chen et al. Neutronic design issues of the WCLL and HCPB power plant models
RU163388U1 (ru) Водо-водяной ядерный реактор бассейнового типа для производства изотопов
US20240170167A1 (en) Nuclear reactor with a heavy liquid metal coolant
US6570950B1 (en) Nuclear plant containment with prefabricated component support structure
Sawan et al. Key design features of the MARS blanket and shield
RU2165107C2 (ru) Система защиты защитной оболочки реакторной установки водо-водяного типа