JP2002080371A - プラスミノーゲンアクチベーター活性促進剤 - Google Patents

プラスミノーゲンアクチベーター活性促進剤

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JP2002080371A
JP2002080371A JP2001192054A JP2001192054A JP2002080371A JP 2002080371 A JP2002080371 A JP 2002080371A JP 2001192054 A JP2001192054 A JP 2001192054A JP 2001192054 A JP2001192054 A JP 2001192054A JP 2002080371 A JP2002080371 A JP 2002080371A
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galactosaminoglycan
plasminogen activator
disaccharide
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unsaturated
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Mamoru Kiyougashima
守 京ヶ島
Tokiko Sakai
登紀子 坂井
Yoshiyuki Sakura
義幸 佐倉
Akihisa Suda
晃久 須田
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Seikagaku Corp
Original Assignee
Seikagaku Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の硫酸化多糖よりもさらに強力なプラス
ミノーゲンアクチベーター活性促進作用を有するプラス
ミノーゲンアクチベーター活性促進剤を提供する。 【解決手段】 下記式:HexA1→3GalNAc
(4,6−diS)(式中、HexAはヘキスロン酸残
基(但し、HexAが非還元末端糖である場合には、不
飽和ヘキスロン酸であってもよい)を表し、GalNA
cはN−アセチルガラクトサミン残基を表し、1→3は
HexAの1位とGalNAcの3位がグリコシド結合
していることを表し、(4,6−diS)はGalNA
cの4位と6位のヒドロキシル基が硫酸エステル化され
ていることを表す)で表される二糖単位を含むガラクト
サミノグリカンであって、前記二糖単位の含有率が30
%〜100%であるガラクトサミノグリカンを有効成分
とするプラスミノーゲンアクチベーター活性促進剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラクトサミノグ
リカンを含有するプラスミノーゲンアクチベーター活性
促進剤に関する。
【0002】
【従来の技術】ヘパリン、ヘパラン硫酸などの硫酸化多
糖は、プラスミノーゲンアクチベーターを活性化するこ
とが知られており(Thrombosis Research, vol. 73, No
5, pp.301-311, 1994(浜松医科大学 高田ら))、WO9
5/09188にはデルマタン硫酸がプラスミノーゲン
アクチベーターの活性化を促進することが記載されてい
る。
【0003】また、米国特許第4,083,961号に
は、プラスミノーゲンアクチベーターと硫酸化多糖、特
にデキストラン硫酸との組成物が開示され、プラスミノ
ーゲンアクチベーター単独よりも活性化が促進されたこ
とが記載されている。
【0004】さらに、特開昭61−242597号には
ヘパリン、ヘパランサルフェート、ペントサンサルフェ
ート、デキストランサルフェート、ケラタンサルフェー
ト、コンドロイチンサルフェート、デルマタンサルフェ
ートまたはARTEPARON(登録商標、ムコポリサッカライド
ポリサルフェート)などの硫酸化多糖が共存することに
よりプラスミノーゲンアクチベーターの活性が高められ
ることが記載されている。
【0005】また、医療現場では血栓溶解を目的として
プラスミノーゲンアクチベーターを投与する場合がある
が、硫酸化多糖の一種であるデルマタン硫酸をプラスミ
ノーゲンアクチベーターと同時に投与することにより、
血栓溶解作用を促進することでプラスミノーゲンアクチ
ベーターの投与量を減少することができることが報告さ
れている(Thrombosis Research, vol. 91, pp.199-202,
1998(Krupinskiら))。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のように各種硫酸
化多糖がプラスミノーゲンアクチベーターを活性化する
ことが知られているが、上記のような硫酸化多糖は高投
与量使用しなければ効果が発揮されず、またヘパリンな
どは副作用として出血を引き起こす可能性がある。一
方、急性心筋梗塞に対するプラスミノーゲンアクチベー
ター投与においては、副作用としてアナフィラキシーが
あることが知られており、プラスミノーゲンアクチベー
ターの効果を増強することにより同等の血栓溶解促進効
果、すなわち治療効果を維持しながらプラスミノーゲン
アクチベーターの投与量を減少させることができれば有
用である。
【0007】従って本発明の目的は、従来の硫酸化多糖
よりもさらに強力なプラスミノーゲンアクチベーター活
性促進作用を有するプラスミノーゲンアクチベーター活
性促進剤を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく、硫酸化多糖であるガラクトサミノグリカン
の硫酸基の位置とプラスミノーゲンアクチベーターの活
性促進作用との関係を鋭意検討した。その結果驚くべき
ことに、式:HexA1→3GalNAc(4,6−d
iS) (式中、HexAはヘキスロン酸残基(但し、H
exAが非還元末端糖である場合には不飽和ヘキスロン
酸であってもよい)を表し、GalNAcはN−アセチ
ルガラクトサミン残基を表し、1→3はHexAの1位
とGalNAcの3位がグリコシド結合していることを
表し、(4,6−diS)はGalNAcの4位と6位の
ヒドロキシル基が硫酸エステル化されていることを表
す)で表される二糖単位を比較的高い含有率で含むガラ
クトサミノグリカンが、プラスミノーゲンアクチベータ
ー活性促進作用を有する硫酸化多糖として従来より知ら
れているヘパリンを上回るプラスミノーゲンアクチベー
ター活性促進作用を有することを見出した。
【0009】従って本発明は、下記式(1): HexA1→3GalNAc(4,6−diS) (1) (式中、HexAはヘキスロン酸残基(但し、HexA
が非還元末端糖である場合には不飽和ヘキスロン酸であ
ってもよい)を表し、GalNAcはN−アセチルガラ
クトサミン残基を表し、1→3はHexAの1位とGa
lNAcの3位がグリコシド結合していることを表し、
(4,6−diS)は、GalNAcの4位と6位のヒド
ロキシル基が硫酸エステル化されていることを表す)で
表される二糖単位を含むガラクトサミノグリカンであっ
て、前記二糖単位の含有率が30%〜100%であるガ
ラクトサミノグリカンを有効成分として含むプラスミノ
ーゲンアクチベーター活性促進剤(以下、「本発明のプ
ラスミノーゲンアクチベーター活性促進剤」ともいう)
を提供するものである。
【0010】また、本発明のプラスミノーゲンアクチベ
ーター活性促進剤の有効成分として使用されるガラクト
サミノグリカンのヘキスロン酸残基は、好ましくはグル
クロン酸残基またはイズロン酸残基である。
【0011】本発明は、その一態様において、本発明の
プラスミノーゲンアクチベーター活性促進剤の有効成分
として、オリゴ糖である前記ガラクトサミノグリカンを
使用する。ガラクトサミノグリカンは、好ましくは非還
元末端に下記式
【化3】 で表される不飽和二糖を有するオリゴ糖(ただし、オリ
ゴ糖が三糖以上からなるときは、還元末端にガラクトサ
ミノグリカンオリゴ糖が結合している。)である。
【0012】さらに本発明は、上記本発明のプラスミノ
ーゲアクチベーター活性促進剤を有効成分とする血栓溶
解促進剤を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】一般的にガラクトサミノグリカン
とは、ガラクトサミンとD−グルクロン酸あるいはL−
イズロン酸などのウロン酸からなる二糖の繰り返し構造
を基本骨格とし、構成糖であるガラクトサミンの4位も
しくは6位、または/及びD−グルクロン酸もしくはL
−イズロン酸の2位に硫酸基を有するグリコサミノグリ
カンの総称で、一般的にはデルマタン硫酸及びコンドロ
イチン硫酸を包含する。
【0014】本発明のプラスミノーゲンアクチベータ活
性促進剤の有効成分であるガラクトサミノグリカン(以
下、「本発明のガラクトサミノグリカン」ということも
ある)とは、通常の意味での多糖類、オリゴ糖類である
ガラクトサミノグリカンのみならず、これらの最小二糖
単位である前記式(1)で示される二糖類も包含するも
のとする。尚、本発明にいう「オリゴ糖」とは、通常の
意味でのオリゴ糖をいい、二糖〜十数糖程度、好ましく
は二糖〜十糖程度、より好ましくは二糖〜四糖程度の糖
鎖をいう。
【0015】また、ガラクトサミノグリカンの非還元末
端糖であるヘキスロン酸(HexA)は通常飽和糖である
が、多糖類、オリゴ糖類であるガラクトサミノグリカン
をリアーゼで分解して得られる、非還元末端糖が不飽和
HexAである不飽和オリゴ糖または不飽和二糖も上記オリ
ゴ糖に包含される。
【0016】すなわち、本発明のガラクトサミノグリカ
ンを下記式(2)で示すこともできる。
【0017】 HexA'1→3GalNAc(4,6-diS)1〔→4HexA1→3GalNAc(4,6-diS)〕n (2) (式中、HexA'は飽和ヘキスロン酸または不飽和ヘキス
ロン酸を示し、nは二糖単位の繰り返し数であって、0
または1以上の整数を示す。ただし、nの上限は存在し
うる多糖類としてのガラクトサミノグリカンの分子量に
依存する数である。また、GalNAc(4,6-diS)は全繰り返
し二糖単位に存在することを意味するものではない。)
【0018】本発明のガラクトサミノグリカンにおける
式(1)で示される二糖単位の含有率の分析方法は、そ
のような分析が可能である限り特に限定されるものでは
ない。例えば、特に多糖類、オリゴ糖類であるガラクト
サミノグリカンの場合には、ガラクトサミノグリカンに
作用して不飽和二糖を生成させる酵素(リアーゼ)及び必
要に応じてスルファターゼでガラクトサミノグリカンを
処理し、生成する不飽和二糖を高速液体クロマトグラフ
ィー(HPLC)により分画し、各不飽和二糖異性体の含
有量を分析する公知の方法により不飽和二糖の含有率
(モル%)を分析することができ、このような場合にはこ
の不飽和二糖の含有率をガラクトサミノグリカンの「二
糖単位の含有率」とみなすことができる。
【0019】ガラクトサミノグリカンに作用して不飽和
二糖を生成させる酵素は、ガラクトサミノグリカンを最
終的に不飽和二糖にまで分解することができるものであ
れば特に限定されず、分析するガラクトサミノグリカン
に応じて当業者が適宜選択することができ、例えばコン
ドロイチナーゼ等が挙げられる。
【0020】上記のHPLCによる二糖組成分析法は当
業者には公知の方法であり、ガラクトサミノグリカンを
酵素処理して得た不飽和二糖の溶出位置を、標準不飽和
二糖の溶出位置と比較することにより行うことができ
る。HPLCの溶出位置は、通常紫外部(例えば波長2
32nm)の吸収によりモニターし、ガラクトサミノグリ
カン中の二糖組成の含量は、その溶出パターン(吸収
値)の積分値(面積)を濃度既知の標準不飽和二糖の溶出
パターンの積分値(面積)と比較することにより求めるこ
とができる。
【0021】近接する溶出位置をもつ不飽和二糖のΔH
exAβ1→3GalNAc(以下、「ΔDi−OS」
と略記することもある)、ΔHexAβ1→3GalN
Ac(4S)(以下、「ΔDi−4S」と略記することも
ある)及びΔHexAβ1→3GalNAc(6S)(以
下、「ΔDi−6S」と略記することもある)の区別、
並びに、ΔHexA(2S)β1→3GalNAc(4S)
(以下、「ΔDi−diSB」と略記することもある)
及びΔHexAβ1→3GalNAc(4,6−diS)
(以下、「ΔDi−diSE」と略記することもある)
(各式中、HexAはヘキスロン酸残基を表し、Δはヘ
キスロン酸残基のC4−C5結合が二重結合であることを
表し、GalNAcはN−アセチルガラクトサミン残基
を表し、β1→3はHexAの1位とGalNAcの3
位がβグリコシド結合していることを表し、(2S) 、
(4S)、(6S)及び(4,6−diS)は、それぞれ各糖
のヘキスロン酸残基の2位、N−アセチルガラクトサミ
ン残基の4位、6位または、4位及び6位のヒドロキシ
ル基が硫酸エステル化されていることを表す)の厳密な
区別は、これらの不飽和二糖の少なくとも1種に特異的
なスルファターゼ(例えばコンドロ−6−スルファター
ゼ等)による消化により行うことができる。
【0022】すなわち、例えば不飽和二糖をコンドロ−
6−スルファターゼにより処理した結果、HPLCの溶
出位置がΔDi−4Sの位置にシフトした分がΔDi−
diSEであると同定されΔDi−diSBと区別され
る。
【0023】また、溶出位置が近接する不飽和二糖同士
の分離が可能なカラム(例えば、ゾルバックス SAX(Zorb
ax SAX)カラム;Rockland Technologies 社製等)を用い
て、これら不飽和二糖を厳密に区別することが可能であ
る。
【0024】なお、D−グルクロン酸残基の1位とN−
アセチルガラクトサミン残基の4,6−二硫酸化物の3
位とがグリコシド結合した構造、及びL−イズロン酸残
基の1位とN−アセチルガラクトサミン残基の4, 6−
二硫酸化物の3位とがグリコシド結合した構造は、二糖
分析においてはいずれもΔDi−diSEとして検出さ
れる。
【0025】本発明のガラクトサミノグリカンの二糖単
位であるHexA1→3GalNAc(4,6−diS)
の含有率は、上記の二糖分析において、ΔHexAl→
3GalNAc(4,6−diS)として30〜100
%であり、好ましくは50%〜100%、より好ましく
はオリゴ糖、多糖の場合は58%〜64%である。
【0026】尚、本明細書で使用する「%」の表記は、
特にことわらない限り「重量%」を意味する。ただし二
糖分析における不飽和二糖の含有率については、不飽和
二糖の含有モル比(%)を「%」で表す。
【0027】本発明のガラクトサミノグリカンは、その
起源等は特に限定されるものではなく、天然から得られ
るガラクトサミノグリカン(本明細書中では単に天然ガ
ラクトサミノグリカンという)及び天然ガラクトサミノ
グリカンを化学的または酵素的に改変したガラクトサミ
ノグリカン(本明細書中では単に半合成ガラクトサミノ
グリカンという)のいずれのガラクトサミノグリカンも
用いることができる。
【0028】本発明のプラスミノーゲンアクチベーター
活性促進剤の有効成分として用いることが可能な天然ガ
ラクトサミノグリカンは、天然ガラクトサミノグリカン
を含む生物体(例えば動物組織)から通常の方法(物理的
抽出法、酵素抽出法、有機溶媒分画法、クロマトグラフ
ィー分画法等の単独または組合わせ)により抽出・精製
して得ることができる。そのような天然ガラクトサミノ
グリカン、例えばコンドロイチン硫酸Eを含む生物体と
しては、イカ等を挙げることができる。マイカの軟骨由
来のコンドロイチン硫酸Eは、生化学工業株式会社より
市販されており、本発明においてはこのような市販のガ
ラクトサミノグリカンを用いることもできる。
【0029】本発明のプラスミノーゲンアクチベーター
活性促進剤の有効成分として用いることが可能な半合成
ガラクトサミノグリカンは、ヘキスロン酸残基の1位と
ガラクトサミン残基の3位がグリコシド結合した二糖単
位を含む多糖、例えばコンドロイチン、コンドロイチン
硫酸A、デルマタン硫酸(コンドロイチン硫酸B)、コン
ドロイチン硫酸C、コンドロイチン硫酸D等を、これら
の多糖が本来保有する硫酸基の数及び硫酸基の位置に応
じて、適宜硫酸化、脱硫酸化することにより得ることが
できる。
【0030】また、本発明のガラクトサミノグリカンは
誘導体でもよく、誘導体としては、ガラクトサミノグリ
カンの生体内における安定性や持続性を向上させるた
め、その官能基(ヒドロキシル基、カルボキシル基、硫
酸基、アセチル基など)を化学的に修飾した化合物が挙
げられる。前記の天然又は半合成ガラクトサミノグリカ
ンと同程度のプラスミノーゲンアクチベーター活性促進
作用を持つ誘導体であれば、その種類は特に限定されな
い。該誘導体の具体例としては、ガラクトサミノグリカ
ンのヒドロキシル基、硫酸基またはカルボキシル基を化
学的に修飾してエステル等とした誘導体を例示すること
ができる。
【0031】ガラクトサミノグリカンエステルの具体例
としては、ガラクトサミノグリカンの硫酸基またはカル
ボキシル基が該基をエステル化可能なヒドロキシル基含
有化合物でエステル化された化合物を挙げることができ
る。その際に、ガラクトサミノグリカンの全ての官能基
がエステル化されていても、一部がエステル化されてい
てもよい。上記のヒドロキシル基含有化合物としては、
脂肪族アルコール(例えば、メチルアルコール、エチル
アルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコ
ール等)、芳香族アルコール(ベンジルアルコール、フ
ェネチルアルコール等)、シクロ脂肪族アルコール(シ
クロヘキサノール、シクロヘキサンジオール、イノシト
ール等)の他、ステロール、ステロイド、コール酸、ア
ルカロイド等が挙げられる。他の具体例としては、ヒド
ロキシル基が該基をエステル化可能なカルボキシル基含
有化合物でエステル化された化合物を挙げることができ
る。
【0032】例えば、合成原料としてコンドロイチン硫
酸Aを用いる場合、コンドロイチン硫酸Aは、4位に硫
酸基を保有するN−アセチルガラクトサミン残基を多く
含有するため、N−アセチルガラクトサミンの6位を特
異的に硫酸化することにより、本発明のガラクトサミノ
グリカンとして用いることができる。
【0033】N−アセチルガラクトサミンの6位を特異
的に硫酸化する方法としては、例えば特公平6−994
85号公報や K. Nagasawa, H. Uchiyama, N. Wajima,
Carbohydr. Res., 158, 183 (1986)に記載の方法を挙げ
ることができる。この方法は、N−アセチルガラクトサ
ミンの4位が硫酸化されているガラクトサミノグリカン
の塩を、極性有機溶媒中で硫酸化試薬と反応させること
によりN−アセチルガラクトサミン残基の6位を特異的
に硫酸化するという方法である。
【0034】この反応に用いられる極性有機溶媒は、反
応に影響しないものであればどのような溶媒でもよく、
例えば、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、ピ
リジン、トリメチルアミン、N,N−ジメチルホルムア
ミド(DMF)などを挙げることができる。硫酸化試薬
は、例えばピリジン−SO3複合体、N,N−ジメチル
ホルムアミド−SO3複合体、トリメチル(またはトリエ
チル)アミン−SO3複合体等を用いることができる。
【0035】硫酸化反応の反応温度は、−10〜30
℃、好ましくは0〜10℃である。反応時間は、30分
間〜5時間であり、好ましくは1時間〜2時間である。
反応により得られるガラクトサミノグリカンは、通常の
分離方法によって反応混合物から単離することができ、
必要により精製することができる。
【0036】上述の半合成ガラクトサミノグリカンの調
製法は、例示のためのものであり、最終的に本発明のガ
ラクトサミノグリカンが得られる限り、調製方法は限定
されないと理解すべきである。
【0037】また近年、コンドロイチンやコンドロイチ
ン硫酸のN−アセチルガラクトサミン残基の6位に選択
的に硫酸基を転移する酵素である「コンドロイチン 6
−スルホトランスフェラーゼ」が精製されており(J. Bi
ol. Chem. 268(29), 21968-21974 (1993))、このスルホ
トランスフェラーゼを用いて、酵素的に6位に選択的に
硫酸基を導入する方法によっても上記ガラクトサミノグ
リカンを調製することができる。
【0038】本発明のガラクトサミノグリカンの分子量
は、特に限定されないが、平均分子量約400Da〜約
20万Daのガラクトサミノグリカンを用いることが好
ましく、平均分子量約500Da〜約15万Daのガラ
クトサミノグリカンを用いることがより好ましい。特に
ガラクトサミノグリカンがオリゴ糖であるとき、平均分
子量約500Da〜約10000Daであることが好ま
しく、約500Da〜約5000Daであることがさら
に好ましい。
【0039】また、平均分子量は、一般に重量平均分子
量、数平均分子量で表されるが、多糖の分野において
は、通常、重量平均分子量で表される。
【0040】尚、ガラクトサミノグリカンの平均分子量
は、同一試料でも測定方法や測定条件等によって多少異
なることは当業者にとって常識であり、本発明のガラク
トサミノグリカンの好適な分子量の範囲は、上記平均分
子量範囲のものに厳密に限定されるべきものではない。
【0041】本発明のガラクトサミノグリカンとして使
用可能な不飽和二糖は、天然ガラクトサミノグリカン又
は半合成ガラクトサミノグリカンをYoshidaらの方法(A
nal.Biochem. 177, 333-340, 1989)に準じてコンドロ
イチナーゼABC、コンドロイチナーゼAC等のリアー
ゼで分解し、分解物から精製することによって調製する
ことができる。また、ガラクトサミノグリカンの不飽和
二糖体であるΔDi−diSEは、生化学工業株式会社
より市販されており、本発明においてはこのような市販
品を用いることもできる。
【0042】なお、本発明のプラスミノーゲンアクチベ
ーター活性促進剤または血栓溶解促進剤の有効成分とし
て使用可能な不飽和二糖は、必ずしも100%不飽和二
糖である必要はなく、例えば、天然ガラクトサミノグリ
カン又は半合成ガラクトサミノグリカンをコンドロイチ
ナーゼABCで分解して得た、不飽和四糖を一部含むも
のであってもよい。その場合の不飽和二糖の含有率は5
8%〜100%であることが好ましい。
【0043】本発明のガラクトサミノグリカンとして使
用可能なオリゴ糖は、天然ガラクトサミノグリカン及び
半合成ガラクトサミノグリカンをアルカリ分解、酸加水
分解、加水分解酵素を用いた酵素分解法等の公知の方法
により調製することができる。
【0044】本発明のプラスミノーゲンアクチベーター
活性促進剤又は血栓溶解促進剤の有効成分として特に好
ましいガラクトサミノグリカンは、D−グルクロン酸残
基とN−アセチルガラクトサミン残基を繰り返し二糖単
位とし、N−アセチルガラクトサミンの4,6−二硫酸
化物を含有するコンドロイチン硫酸E;コンドロイチン
硫酸Aの6位硫酸化物もしくはコンドロイチン硫酸Cの
4位硫酸化物;L−イズロン酸残基とN−アセチルガラ
クトサミン残基を繰り返し二糖単位とし、N−アセチル
ガラクトサミン残基の4,6−二硫酸化物を含有するデ
ルマタン硫酸;コンドロイチン硫酸Eもしくは上記の半
合成ガラクトサミノグリカンをコンドロイチナーゼAB
CあるいはコンドロイチナーゼACにより切断した酵素
分解物より分離、精製して得ることができる不飽和二糖
である
【化4】 で示される2-アセタミド-2-デオキシ-3-O-(β-D-
グルコ-4-エノピラノシルウロン酸)-4,6-ビス-O-
スルホ-D-ガラクトース(2-acetamido-2-d
eoxy-3-O-(β-D-gluco-4-enopyr
anosyluronic acid)-4,6-bis
-O-sulfo-D-galactose、略称:ΔDi
-diSE;コンドロΔDi-di4,6S)である。
【0045】本発明のガラクトサミノグリカンとしては
コンドロイチン硫酸Eまたはその分解物を用いることが
好ましく、イカの軟骨由来のコンドロイチン硫酸Eまた
はその分解物を用いることが特に好ましく、マイカ及び
/またはアカイカの軟骨由来のコンドロイチン硫酸Eま
たはその分解物を用いることが極めて好ましい。
【0046】本発明のガラクトサミノグリカンは、その
薬学上許容しうる塩であってもよい。例えば、アルカリ
金属塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ
土類金属塩、アンモニウム塩等の無機塩基との間で形成
された塩またはジエタノールアミン塩、シクロヘキシル
アミン塩、アミノ酸塩等の有機塩基との塩のうち、薬学
上許容しうる塩を本発明において用いることができる。
【0047】本発明のプラスミノーゲンアクチベーター
活性促進剤は、ヘパリンを顕著に上回るプラスミノーゲ
ンアクチベーター活性促進作用を有する。従って、血栓
溶解促進などの他、細胞外マトリックス改築作用の促進
など、プラスミノーゲンアクチベーター活性の促進が望
まれるあらゆる疾患の処置に用いることができる。例え
ば、肺線維症(びまん性間質性肺炎)、塵肺症、嚢胞性
膵線維症、間質性肺炎、間質性心筋炎、肝硬変(ウイル
ス性肝炎、アルコール性肝炎など)、線維筋性過形成
症、線維形成性壁心内膜炎、心内膜心筋線維症、心内膜
線維弾性症、線維形成肉腫、皮膚線維腫、背部弾性線維
腫、鼻咽頭線維腫、若年性腱膜線維腫、石灰化線維腫、
線維神経腫、繊維性黄色腫、間質性腎炎、硬化性腎炎、
IgA腎症、糸球体腎炎、間質性膀胱炎、間質性角膜炎、
間質結節性多発性筋炎、強皮症、新生児皮膚硬化症、進
行性全身性硬化症、膠原病性肺臓炎、慢性関節リュウマ
チ、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症(MS)、筋萎
縮性側索硬化症(ALS)などの繊維質の異常増加すなわち
フィブリン沈着により増悪をきたす疾患や、心筋梗塞、
腎梗塞、脳梗塞、深部静脈血栓症(DVT)、播種性血栓内
凝固症候群(DIC)、血栓性血小板減少性紫斑病、血栓
性動脈炎、閉塞性血栓性静脈炎(バージャー病)、肺塞
栓症、奇異塞栓症、冠動脈血栓症、脳血栓症、末梢動静
脈閉塞症、閉塞性動脈硬化症(ASO)、アテローム性動脈
硬化症などの血栓症あるいは塞栓症、アミロイド腎症、
皮膚アミロイド症(アミロイド苔癬)、アミロイドニュ
ーロパチー、アミロイド斑、アミロイド脾、肥厚性斑
痕、肥厚性鼻炎などの膠原線維の蓄積による疾患、静脈
結石、腎臓結石、尿道結石などの結石症などの疾患の処
置(治療、予防、維持、軽減など)あるいは膿胸、感染
性創傷および潰瘍などにおける壊死組織の除去・肉芽組
織の清浄化などに用いることができる。また、本発明の
血栓溶解促進剤は上記の血栓症あるいは塞栓症に有用で
ある。
【0048】本発明のプラスミノーゲンアクチベーター
活性促進剤は、プラスミノーゲンアクチベーター活性の
促進が望まれるこのような疾患の予防、維持(悪化防
止)、軽減(症状の改善)及び治療を目的としてヒト、そ
の他の哺乳動物に投与することができる。また、本発明
の血栓溶解促進剤は、上記血栓症または塞栓症の予防、
軽減、治療等を目的としてヒト、その他の哺乳動物に投
与することができる。
【0049】本発明のプラスミノーゲンアクチベーター
活性促進または血栓溶解促進剤(以下、本発明の薬剤と
もいう)は、注射(筋肉内、皮下、皮内、静脈内、関節
腔内、眼内、腹腔内等)、点眼、点入、経皮、経口、吸
入等の投与方法によって経口または非経口的に投与する
ことができる。本発明の薬剤は、これらの投与方法に応
じて適宜製剤化することができる。選択し得る剤型も特
に限定されず、例えば注射剤(溶液、懸濁液、乳濁液、
用時溶解用固形剤等)、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散
剤、液剤、リポ化剤、軟膏剤、ゲル剤、外用散剤、スプ
レー剤、吸入散剤、点眼剤、眼軟膏剤、坐剤等から広く
選択することができる。
【0050】また、これらの製剤調製にあたり慣用の賦
形剤、結合剤、滑沢剤、その他着色剤、崩壊剤等通常医
薬品の製剤上用いられる成分を配合することができる。
【0051】本発明の薬剤の剤型は、対象となる疾患の
性質や重篤度に応じて、適宜選択することができる。
【0052】本発明の薬剤におけるガラクトサミノグリ
カンの配合量並びに本発明の薬剤の投与量は、その製剤
の投与方法、投与形態、使用目的、患者の具体的症状、
患者の体重等に応じて個別的に決定されるべき事項であ
り、特に限定はされないが、経口的あるいは非経口的な
投与経路においてガラクトサミノグリカンの臨床投与量
として1日当り概ね0.1mg/kg 〜300mg/kg 程度を
例示することができる。また、上記薬剤の投与間隔は1
日1回程度でも可能であり、1日2〜4回、またはそれ
以上の回数に分けて投与することもできる。また、例え
ば点滴等により連続的に投与することも可能である。
【0053】なお、本発明のガラクトサミノグリカンの
一例であるコンドロイチン硫酸Eは、抗トロンビン活性
がヘパリンに比較して極めて弱いことが報告されている
(J.Biol. Chem., 265(26), 15424-15431, 1990)。ま
た、後述する血液凝固学的試験において、コンドロイチ
ン硫酸Eの抗凝固作用はヘパリンよりも弱いことが確認
された。これらのことから、本発明のガラクトサミノグ
リカンの抗凝固作用は低く、ヘパリンに比べて出血等の
危険性が低いものと考えられる。また、本発明のガラク
トサミノグリカンがオリゴ糖である場合、多糖と比べて
血液の粘性度の上昇がない点、および効果の用量相関性
が高いという利点を有する。
【0054】
【実施例】以下、本発明を製造例、試験例を含む実施例
により具体的に説明する。しかしながら、これらにより
本発明の技術的範囲が限定されるものではない。
【0055】<製造例> 製造例1:マイカの軟骨由来のコンドロイチン硫酸Eの
製造 コンドロイチン硫酸Eを特開平9-202731「抗ヘルペスウ
イルス剤」の製造例1に記載の方法で製造した。
【0056】製造例2:クジラ軟骨由来のコンドロイチ
ン硫酸A及び鶏冠由来のデルマタン硫酸のガラクトサミ
ン残基の6位の特異的硫酸化 クジラ軟骨由来のコンドロイチン硫酸A(平均分子量:
2万5千〜5万、生化学工業株式会社製)及び鶏冠から
常法により抽出して精製した鶏冠由来のデルマタン硫酸
(平均分子量:40,000)を、特開平9-202731「抗ヘ
ルペスウイルス剤」の製造例4に記載の方法で処理し、
クジラ軟骨由来の半合成コンドロイチン硫酸A6位硫酸
化物(以下、「ガラクトサミン6位硫酸化コンドロイチ
ン硫酸A(クジラ軟骨由来) 」または「6硫酸化CS
A」とする)及び鶏冠由来の半合成デルマタン硫酸4,
6二硫酸(以下、「ガラクトサミン6位硫酸化デルマタ
ン硫酸(鶏冠由来)」または「6硫酸化RCDS」とす
る)を得た。
【0057】製造例3:ガラクトサミノグリカンの不飽
和二糖を含む混合物の製造 コンドロイチン硫酸E(生化学工業社製)をYoshidaら
の方法に準じてコンドロイチナーゼABCで消化し部分
精製して、不飽和二糖が96%、不飽和四糖が4%の組
成を有する混合物を得た。不飽和二糖の二糖組成につい
て後記<二糖分析>の項に記載したようにして分析を行
ったところ、ΔDi-diSEが63%、ΔDi-0Sが7%、ΔDi
-6Sが10%、ΔDi-4Sが19%の二糖組成を有していた。二
糖成分の平均分子量は498.6(計算値)であった。
【0058】<分子量測定>ガラクトサミノグリカンと
して、製造例1で得られたコンドロイチン硫酸E、製造
例2で原料として用いたコンドロイチン硫酸A及び得ら
れたガラクトサミン6位硫酸化コンドロイチン硫酸A、
原料として用いたデルマタン硫酸及び得られたガラクト
サミン6位硫酸化デルマタン硫酸、コンドロイチン硫酸
Cを使用し、これらについてHPLCによる重量平均分子量
の測定を行った。具体的には以下の通り操作した。
【0059】重量平均分子量は、Araiらの方法(B
iochem.Biophys.Acta,1117,
60−70,1992)に準拠して測定した。分子量が
既知のコンドロイチン硫酸C(重量平均分子量3910
0、18000、8050)及びヒアルロン酸ナトリウ
ム(重量平均分子量104000)を標準品としてHPLCを
用いたゲルろ過での溶出時間により決定した。カラム
は、TSK gel G4000PWXL、G3000PW
XL及びG2500PWXL(各φ7.8X300mm、東
ソー(株))を連結したものを用いた。溶媒は0.2mo
l/L塩化ナトリウム溶液を用い、流速は0.6ml/
分とし、検出器は示差屈折率検出器(RI−8020、
東ソー(株))を用いた。重量平均分子量の解析にはGPC-8
020ソフトウェア(東ソー(株))を用いた。結果を表1に
示す。
【0060】
【表1】
【0061】<二糖分析>ガラクトサミノグリカンとし
て、製造例1で得られたコンドロイチン硫酸E、製造例
2で原料として用いたコンドロイチン硫酸A及び得られ
たガラクトサミン6位硫酸化コンドロイチン硫酸A、原
料として用いたデルマタン硫酸及び得られたガラクトサ
ミン6位硫酸化デルマタン硫酸、コンドロイチン硫酸C
を使用し、これらについて、二糖分析を行った。具体的
には以下の通り操作した。
【0062】ガラクトサミノグリカン分解酵素としてコ
ンドロイチナーゼABC(生化学工業株式会社製)を用
い、前記ガラクトサミノグリカンをそれぞれ酵素処理し
た。生成した不飽和二糖の組成をポリアミン結合型シリ
カ担体カラム(株式会社YMC製)を用いたHPLCにか
け、標準不飽和二糖(不飽和コンドロ二糖キット;生化
学工業株式会社製)の溶出位置と比較することにより、
前記ガラクトサミノグリカン中の二糖組成及びその含量
を解析した。結果を第1表に示した。なお本実施例にお
いて、コンドロイチン硫酸Cはサメ軟骨由来で、生化学
工業株式会社製のものを用いた。
【0063】
【表2】
【0064】表2中、ΔDi-OS、ΔDi-4S、ΔDi-6S、ΔD
i-diSD(2,6S)[ΔDi-diSD]、ΔDi-diSB(2,4S)[ΔDi-diS
B]、ΔDi-diSE(4,6S)[ΔDi-diSE]及びΔDi-triS(2,4,6
S)はコンドロイチナーゼABC処理により生成した下記
式の不飽和二糖を表し、その硫酸基組成を表3に示す。
ΔDi−diSBとΔDi−diSEは同位置に溶出さ
れるためコンドロ6―スルファターゼ(生化学工業株式会
社製)消化を実施し、消化されるピーク面積をΔDi−
diSE、消化されないピーク面積をΔDi−diSB
として換算した。
【0065】
【化5】 式中、R、R、Rは水素原子またはSO -を示
し、Acはアセチル基を示す。
【0066】
【表3】
【0067】<試験例1> コンドロイチン硫酸Eの活性化トロンボプラスチン時間
(APTT)及び部分トロンボプラスチン時間(TT)に対する影
響 実験方法: <APTTの測定方法>ラットの下大静脈より3.2%クエン
酸1/10容量で採血し、血液を3000r.p.m 10分間遠心分
離し血漿を得た。血漿100μLと各種既知濃度のヘパリ
ン、製造例1のイカ軟骨由来コンドロイチン硫酸E(CSE)
溶液、あるいは鶏冠由来デルマタン硫酸(RCDS)溶液100
μLを測定用カップに入れ、37℃で1分間保温した。その
後あらかじめ37℃に保温しておいたアクチン100μLを添
加し、さらに2分間保温した。ついで37℃に保温してお
いた0.02M塩化カルシウム溶液100μLを添加し、この時
より凝固が起こるまでの時間を血液凝固自動測定装置(K
C-10A、アメルング社製)により測定した。結果を図1に
示す。
【0068】上記の結果から判る通り、CSEの用量に
依存して凝固時間の延長が認められたが、用量増加に伴
う延長作用の増強はRCDSと同様に緩やかであった。
薬物の効果を比較するため、APTTの正常値の1.8
倍〜2.4倍に暫定的に安定域を設定し、そのときの薬
物の濃度を求めた。その結果、b/a比より求めた安全
域の広い薬物は、順に、CSE>RCDS>ヘパリンで
あった。結果を表4に示す。
【0069】
【表4】
【0070】<TTの測定方法>血漿100μLと各種既知
濃度のヘパリン、製造例1のイカ軟骨由来コンドロイチ
ン硫酸E(CSE)溶液、あるいは鶏冠由来デルマタン硫酸(R
CDS)100μLを測定用カップに入れ、37℃で1分間保温し
た。その後、あらかじめ37℃に保温しておいたトロンビ
ン100μLを添加し、この時より凝固が起こるまでの時間
を血液凝固自動測定装置(KC-10A、アメルング社製)によ
り測定した。結果を図2に示す。
【0071】また、TTについては、CSEの用量に対
して凝固時間の延長が認められたが、用量の増加に伴う
延長作用の増強は、RCDSやヘパリンに比べて穏やか
であった。薬物の効果を比較するため、TTの正常値の
2倍に暫定的に安定域を設定し、そのときの薬物の濃度
を求めた。その結果、安全域の広い薬物は、順に、CS
E>RCDS>ヘパリンであった。結果を表5に示す。
【0072】
【表5】
【0073】以上の結果から、本発明の薬剤の出血傾向
はヘパリンよりは弱く、従って安全性が高いものと推測
される。
【0074】<試験例2> プラスミノーゲンアクチベーターによるGlu-プラスミノ
ーゲンの活性化反応に対するガラクトサミノグリカンの
促進効果 本発明のガラクトサミノグリカンとして、製造例1で得
られたコンドロイチン硫酸E(イカ軟骨由来CSE)、製造
例2で得られたガラクトサミン6位硫酸化コンドロイチ
ン硫酸A(クジラ軟骨由来[6位硫酸化CSA])、ガラクト
サミン6位硫酸化デルマタン硫酸(鶏冠由来[6位硫酸化
RCDS])を使用した。対照としてヘパリン、製造例2で原
料として用いたコンドロイチン硫酸A(CSA)及びデ
ルマタン硫酸(RCDS)、コンドロイチン硫酸C(C
SC)を使用した。
【0075】実験方法:種々の濃度の各ガラクトサミノ
グリカン30μL、0.48μMのGlu-プラスミノーゲン(天然
のプラスミノーゲン、以下単にプラスミノーゲンとい
う) 50μL、7.5nMの一本鎖もしくは二本鎖組織プラスミ
ノーゲンアクチベーター(t-PA)または9.375 unit/mlの
ウロキナーゼ(u-PA)及び1.8mMの合成基質S-2251(H-
D-Val-L-Leu-L-Lys-p-ニトロアニリド・二塩酸塩)を40
μL混和後、自動マイクロタイタープレート読み取り機
にかけ、30秒ごとに405nM(対照492nM)の吸光度を測定し
た。反応は37℃で行い、Tween 80を含む50mMトリス塩酸
緩衝液に溶解して用いた。
【0076】プラスミノーゲンの活性化の初速度は、時
間tの時の405nmの吸収値A405と時間の自乗のプロットの
傾き(ΔA405/t2)より得た。促進率はガラクトサミノグ
リカンのない場合の初速度を1とし、それに対する相対
比を増強率(potentiation factor)として示した。結果
を図3〜5に示す。
【0077】上記の結果から明らかなように、CSE、6
位硫酸化CSA及び6位硫酸化RCDSは、プラスミノーゲン
アクチベーター活性促進作用を有するヘパリンを顕著に
上回るプラスミノーゲンアクチベーター活性促進作用を
示している。
【0078】特に、一本鎖t−PA活性はガラクトサミ
ノグリカン等の活性促進物質を添加しない場合の合成基
質の分解の初速度を1として相対活性で表すと、活性促
進剤の終濃度が6.25μg/mlであるとき、コンド
ロイチン硫酸E(CSE)475.85、ガラクトサミン
6位硫酸化デルマタン硫酸(6位硫酸化RCDS)217.
06、ガラクトサミン6位硫酸化コンドロイチン硫酸A
(6位硫酸化CSA)318.43(以上、本発明のガラ
クトサミノグリカン)であり、一方、対照については、
RCDS7.20、CSA1.10、CSC14.99、ヘパリン
30.73であった。すなわち、一本鎖t−PA活性
に対し、CSEはCSAの約433倍の活性促進作用を有して
いた。また、二本鎖t−PA活性においては、 同様に
活性促進剤の終濃度が6.25μg/mlであるとき、
CSE384.67、6位硫酸化RCDS328.34、6位
硫酸化CSA356.93(以上、本発明のガラクトサミ
ノグリカン)であり、一方、対照については、RCDS3.
51、CSA2.34、CSC3.26、ヘパリン 85.6
8であった。すなわち、二本鎖t−PA活性に対し、CS
EはCSAの約140倍の活性化作用を有していた。
【0079】この結果において、CSE、6位硫酸化CSA及
び6位硫酸化RCDSは、いずれもヘキスロン酸残基の1位
とガラクトサミン残基の3位がグリコシド結合し、かつ
該ガラクトサミン残基の4位と6位が硫酸化されている
二糖単位を含むガラクトサミノグリカンである。また、
いずれも、二糖分析においてHexA1→3GalNA
c(4,6−diS) の含有率が30%〜100%であ
るガラクトサミノグリカンである点について共通してい
る。製造例2で示した半合成コンドロイチン硫酸Eの製
法では、ΔHexAl→3GalNAc(4,6−di
S)の含有率をある程度制御することが可能である。こ
のようにして製造可能なコンドロイチン硫酸Eのなかで
も、本発明において示されるHexA1→3GalNA
c(4,6−diS)の含有率が30〜100%、さらに
は50%〜100%、特に、オリゴ糖、多糖においては
58%〜64%であるものが、出血傾向がヘパリンを下
回るので好ましく、さらに、プラスミノーゲンアクチベ
ーター活性促進作用においても優れているので好まし
い。
【0080】一方、RCDSは、WO 95/09188「抗血栓剤」
に記載されている通り、この試験例においてもCSCより
も高い活性促進作用を示したが(非存在下と比較して4
〜5倍)、本発明のプラスミノーゲンアクチベーター活
性促進剤はRCDSよりも遥かに活性促進効果が優れている
ことが判明した。
【0081】<試験例3> ガラクトサミノグリカンの不飽和二糖を含む混合物の血
栓成長抑制に及ぼす影響 実験材料:動物は、6週齢SD系(Sprague-Dawley)系
雄性ラット(日本チャールスリバー)を用い、一群の構
成を5〜6匹とし、3群に分けた。 実験方法:
【0082】ラット血栓モデルはReyersらの方法〔Thro
mb. Res. 18, 669-674, (1980)〕に準じて作製した。即
ち、ラットをネンブタール(登録商標、ダイナボット
社、大日本製薬(株)販売)麻酔下で回復し、下大静脈
の左腎静脈枝直下を外科用絹糸(No.7、Φ0.48〜0.56m
m:進栄医科)で結紮した。
【0083】被験薬として製造例3で得られたガラクト
サミノグリカンの不飽和二糖を含む混合物を用い、結紮
6時間後に0.5 ml/kg(10 mg/kg)の用量で尾静脈より投
与した(被験薬投与群)。対照には生理食塩水を投与し
た(対照群1、2)。エーテル麻酔下で対照群1のみ結
紮6時間後に開腹し、対照群2並びに被験薬投与群は投
与2時間後(結紮8時間後)に開腹し、採血した後、静
脈を開いて血栓を摘出し、37℃で一晩放置後、乾燥重量
を測定した。
【0084】結果:結果を表6に示す。対照群1及び対
照群2に見られるように、結紮により血栓形成が開始
し、6時間ではその重さが約4.7mgであり(対照群
1)、6時間の時点でこの血栓に対し、生理食塩水を投
与した群(即ち対照群2)では8時間までにさらに血栓
形成が進み、その重さは6.2mgに及んだ。一方、6
時間の時点で被験薬を投与した被験薬投与群では8時間
の時点ではその成長は完全に抑えられた。In vitroの成
績(試験例4)と併せて、新たに形成された血栓は内因
性のプラスミノーゲンを活性化を促進し溶解されたと考
えられる。
【0085】
【表6】
【0086】<試験例4> プラスミノーゲンアクチベーターによるGlu-プラスミノ
ーゲンの活性化反応に対するガラクトサミノグリカン二
糖体の促進効果 ガラクトサミノグリカン不飽和二糖体としては、ΔDi
―diSE(分子量539.4)(不飽和コンドロ二糖
キット;生化学工業株式会社製)を使用した。また、対
照としてΔDi−0S、ΔDi−4S、ΔDi−6S、
ΔDi−diSD、ΔDi−diSB、ΔDi−tri
S(不飽和GAG二糖キット;生化学工業株式会社製)
を使用した。尚、ΔDi−diSE、ΔDi−diS
D、ΔDi−diSB、ΔDi−triSは、それぞ
れ、二糖分析で用いたΔDi−diSE(4,6S)、
ΔDi−diSD(2,6S)、ΔDi−diSB
(2,4S)、ΔDi−triS(2,4,6S)と同
一物質である。
【0087】実験方法:本発明のガラクトサミノグリカ
ン不飽和二糖体及びその他の不飽和二糖体、各々100μg
/mlについて、試験例2に準じて実験を行った。結果を
図6に示す。
【0088】上記の結果から、本発明のガラクトサミノ
グリカン不飽和二糖体は、他の不飽和二糖体を顕著に上
回るプラスミノーゲンアクチベーター活性促進作用を示
している。
【0089】従って、HexA1→3GalNAc
(4,6−diS)構造をするガラクトサミノグリカン
二糖体は、他の位置に硫酸基を有する二糖体よりも遙か
にプラスミノーゲンアクチベーター活性促進効果が優れ
ていることが判明した。
【0090】尚、二糖は低分子で、活性はさほど強くな
いが、多糖とは異なり、多糖において分子量が高いため
におこる血液投与時の粘性度の上昇の懸念が二糖ではな
いこと、多糖において高濃度で逆に効果が下がるという
現象が二糖では見られず、用量相関性が高いこと等の利
点を有する。
【0091】<製剤例> 製剤例1:眼用溶液 製造例1で得たコンドロイチン硫酸E 1mg 塩化ナトリウム 900mg チオメルサール 1mg 上記に精製水を加えて全量100mlとし、pH5.5〜
7.5に調整した後に無菌濾過し、無菌容器に充填して
眼用溶液とした。 製剤例2:軟膏1 製造例1で得たコンドロイチン硫酸E 2g 鉱油 4g 石油ゼリー 8g 混合メチル/プロピルパラベン 0.06g 非イオン性界面活性剤 1g 精製水 30g 上記を常法により混合して軟膏を得、容器に充填した。 製剤例3:軟膏2 製造例1で得たコンドロイチン硫酸E 1g 白色ワセリン 180g 精製水 20g 上記を常法により混合して軟膏を得、容器に充填した。
【0092】製剤例4:注射用製剤 製造例1で得たコンドロイチン硫酸E1gに注射用食塩
水20mlを加え、無菌濾過して注射用製剤とし、アンプ
ルに分注し、密封した。この注射用製剤を血栓溶解促進
剤として使用する。
【0093】
【発明の効果】本発明の、ガラクトサミノグリカンを有
効成分として含むプラスミノーゲンアクチベーター活性
促進剤は、ヘパリンを顕著に上回るプラスミノーゲンア
クチベーター活性促進作用を有する。従って本発明のプ
ラスミノーゲンアクチベーター活性促進剤は、血栓溶解
促進剤として使用できる他、細胞外マトリックス改築作
用の促進などのあらゆるプラスミノーゲンアクチベータ
ー活性が関与する生理作用、薬理作用の活性促進剤とし
て用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 コンドロイチン硫酸Eの活性化トロンボプラ
スチン時間(APTT)に対する影響を測定した結果を示す図
である。
【図2】 コンドロイチン硫酸Eの部分トロンボプラス
チン時間(TT)に対する影響を測定した結果を示す図であ
る。
【図3】 一本鎖t-PAによるプラスミノーゲン活性化反
応に対する各種ガラクトサミノグリカンの促進効果を示
す図である。
【図4】 二本鎖t-PAによるプラスミノーゲン活性化反
応に対する各種ガラクトサミノグリカンの促進効果を示
す図である。
【図5】 u−PAによるプラスミノーゲン活性化反応
に対する各種ガラクトサミノグリカンの促進効果を示す
図である。
【図6】 一本鎖t-PAによるプラスミノーゲン活性化反
応に対する各種ガラクトサミノグリカン二糖体の促進効
果を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B050 DD11 HH01 KK08 LL01 4C057 AA03 GG02 4C086 AA02 AA03 EA03 MA01 MA04 MA65 NA14 ZA54

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式 HexA1→3GalNAc(4,6−diS) (式中、HexAはヘキスロン酸残基(但し、HexA
    が非還元末端糖である場合には、不飽和ヘキスロン酸で
    あってもよい)を表し、GalNAcはN−アセチルガ
    ラクトサミン残基を表し、1→3はHexAの1位とG
    alNAcの3位がグリコシド結合していることを表
    し、(4,6−diS)はGalNAcの4位と6位の
    ヒドロキシル基が硫酸エステル化されていることを表
    す)で表される二糖単位を含むガラクトサミノグリカン
    であって、前記二糖単位の含有率が30%〜100%で
    あるガラクトサミノグリカンを有効成分とするプラスミ
    ノーゲンアクチベーター活性促進剤。
  2. 【請求項2】 ガラクトサミノグリカンがオリゴ糖であ
    る請求項1に記載のプラスミノーゲンアクチベーター活
    性促進剤。
  3. 【請求項3】 ヘキスロン酸残基がグルクロン酸残基ま
    たはイズロン酸残基である請求項1または2に記載のプ
    ラスミノーゲンアクチベーター活性促進剤。
  4. 【請求項4】 ガラクトサミノグリカンが非還元末端に
    下記式 【化1】 で表される不飽和二糖を有するオリゴ糖(ただし、オリ
    ゴ糖が三糖以上からなるときは、還元末端にガラクトサ
    ミノグリカンオリゴ糖が結合している。)である請求項
    2に記載のプラスミノーゲンアクチベーター活性促進
    剤。
  5. 【請求項5】 オリゴ糖が 【化2】 で示される不飽和二糖である請求項4に記載のプラスミ
    ノーゲンアクチベーター活性促進剤。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載のプ
    ラスミノーゲアクチベーター活性促進剤を有効成分とす
    る血栓溶解促進剤。
JP2001192054A 2000-06-23 2001-06-25 プラスミノーゲンアクチベーター活性促進剤 Pending JP2002080371A (ja)

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