JP2002065876A - 放射線治療方法 - Google Patents

放射線治療方法

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JP2002065876A
JP2002065876A JP2000257367A JP2000257367A JP2002065876A JP 2002065876 A JP2002065876 A JP 2002065876A JP 2000257367 A JP2000257367 A JP 2000257367A JP 2000257367 A JP2000257367 A JP 2000257367A JP 2002065876 A JP2002065876 A JP 2002065876A
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Osamu Azuma
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    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61NELECTROTHERAPY; MAGNETOTHERAPY; RADIATION THERAPY; ULTRASOUND THERAPY
    • A61N5/00Radiation therapy
    • A61N5/10X-ray therapy; Gamma-ray therapy; Particle-irradiation therapy
    • A61N5/1042X-ray therapy; Gamma-ray therapy; Particle-irradiation therapy with spatial modulation of the radiation beam within the treatment head

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  • Radiation-Therapy Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 一回で腫瘍全体にビームを照射することがで
きないために照射区画を照射野幅方向に二分割し、分割
した照射区画毎に照射を行なう場合に、照射区画の対向
する区画部に線量が重なって過重に照射される部分や線
量ゼロの部分が生じないようにする。 【解決手段】 マルチリーフコリメータ9により照射区
画を照射野幅Wと平行な方向に二分割し、分割した照射
区画毎にビームを患部の治療部位に照射する方法であっ
て、照射区画の互いに対向する境界部にビームを照射す
る際に、対向する照射区画に向けてビームの線量が減少
すると共に対向する各境界部で照射区画の線量分布が照
射野幅W方向へ重合するよう、コリメータ本体9a,9
bを照射野幅Wの照射軸中心Oから離反する方向へ移動
させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は放射線治療方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、癌の治療に陽子線又は重粒子線等
の粒子線を用いた放射線治療が行なわれるようになって
おり、従来の放射線治療方法を行うための照射野形成装
置の一例としては図19に示すようなものがある。
【0003】図19中、1は散乱体であって、図示して
ない加速器から輸送された直径数mm程度の細いビーム
を治療する患部全体に照射できるようビーム径を照射野
径まで拡大するための機器である。散乱体1としては、
単一散乱体、二重散乱体等があり、ビームの視野を拡大
する方法としては散乱体1を用いる方法以外にワブラー
法がある。
【0004】2はファインディグレーダであって、散乱
体1で散乱して拡大、形成されたビーム3の照射野に挿
入して患部に対するビームエネルギを単一に減少させ照
射深さを調整するよう、散乱体1の下方に配置された機
器であり、軽元素により構成されている。又、ファイン
ディグレーダ2はビーム3の照射方向から見て厚さを替
え得るよう、オフセット調整機構を備えている。照射深
さの調整はファインディグレーダ2を用いず加速器でエ
ネルギを調整するようにしても良い。
【0005】4はリッジフィルタであって、治療する患
部の深さ方向に一様に線量を付与するために単一エネル
ギ(速度)であるビーム3にエネルギ変調を加えるよ
う、ファインディグレーダ2の下方に配置された機器で
ある。すなわち、加速器から輸送されるビームはエネル
ギ誤差の小さい(例えば、±0.1%)ものであり、直
接患部に照射すると、深さ方向に幅の狭い領域(例え
ば、数mm〜1cm)に集中して線量を付与することに
なるため、これを変調する必要があり、この変調にリッ
ジフィルタ4が用いられる。リッジフィルタ4の代りに
回転モデュレータを用いることもできる。
【0006】5は開口部の面積を調整し得るようにした
四葉の第一コリメータであって、治療する患部周囲の正
常組織への線量付与をなくすためリッジフィルタ4の下
方に配置された機器である。第一コリメータ5はビーム
3の照射方向から見て、治療する患部の輪郭に大まかに
合うよう、ビーム3をコリメートするようになってい
る。第一コリメータ5の厚さは、治療する患部の外方に
照射される虞の或る粒子線が完全に遮断される厚さとす
る。
【0007】6はボーラスであって、治療する患部の底
部に線量を付与する境界を合わせるための補償フィルタ
及び患者の骨、皮膚等の凹凸の影響をなくすための補償
フィルタとして機能するよう、第一コリメータ5の下方
に配置された機器である。
【0008】7は開口部の面積の固定された最終コリメ
ータであって、治療する患部の輪郭を忠実に実現するた
めのマルチリーフコリメータである。最終コリメータ7
の厚さも、治療する患部の外方に照射される虞の或る粒
子線が完全に遮断される厚さとする。最終コリメータ7
としては、マルチリーフコリメータ以外に、治療する患
部の輪郭をより一層忠実に再現することができるように
した、ワイヤカットで切抜き製作する患者コリメータも
ある。又、8はベッド上に横たわる患者の腫瘍である。
【0009】上述の照射野形成装置を用いて腫瘍8の放
射線治療を行なう場合には、図示してない加速器から輸
送された直径数mm程度の細いビームは、散乱体1で拡
大されて治療する患部全体を照射できる照射野幅のビー
ムとなり、拡大されたビーム3は、リッジフィルタ4で
照射深さを調整され、次いで、第一コリメータ5で患部
の大きさに大まかに合うようコリメートされる。
【0010】又、第一コリメータ5でコリメートされた
ビーム3は、ボーラス6に輸送され、ボーラス6では、
治療する患部に付与される線量が、患部の底部における
境界に合うように調整されると共に患者の骨や皮膚の凹
凸の影響をなくすよう調整され、続いて、最終コリメー
タ7において治療する患部の輪郭に合うよう調整され、
しかる後、患部である腫瘍8の全体に照射される。
【0011】腫瘍が大きくて一回で腫瘍全体に放射線の
照射を行うことができない場合には、例えば、図20、
21に示すようなマルチリーフコリメータが使用され
る。この場合、マルチリーフコリメータは、図19の第
一コリメータ5の位置に配置され、図19の最終コリメ
ータ7は使用しなくて良い。
【0012】図中、9はマルチリーフコリメータであ
り、マルチリーフコリメータ9は、ビームの照射軸中心
Oを基準として図の左右方向D1へ二分割された左右一
対のコリメータ本体9a,9bを備えると共に、各コリ
メータ本体9a,9bは、左右方向D1に対し直交する
前後方向D2方向へ分割された短冊状の多数のリーフ体
10a,10bにより形成されている。而して、各リー
フ体10a,10bは、左右方向D1へ延在しており、
夫々個別に腫瘍に対応して左右方向D1へ位置調整し得
るようになっている。図20、21においては、腫瘍の
ビーム照射方向の形状は輪郭Cを有する楕円形状であ
る。
【0013】又、Wは左右方向D1におけるビームの照
射野幅、W1は左右方向D1における腫瘍の幅、L1は
前後方向D2における腫瘍の奥行きの大きさであり、左
右方向D1の照射野幅Wは腫瘍の幅W1よりも小さく、
前後方向D2の照射野幅は腫瘍の奥行きL1の大きさよ
りも大きいものとする。
【0014】斯かるマルチリーフコリメータ9を用いて
照射野幅Wよりも幅W1の大きい腫瘍を放射線治療する
場合には、先ず、患者の横たわったベッドを照射野幅W
と平行な方向へ位置調整して、ビームの照射野幅Wにお
ける照射軸中心Oを、例えば図20に示すように、腫瘍
の輪郭Cにおける左端から略W/2の位置に設定し、腫
瘍の輪郭Cの左端を照射野幅W内に位置させると共に概
ね照射野幅Wの左端近傍に位置させる。
【0015】次に、図のコリメータ本体9aにおけるリ
ーフ体10aのうち、奥行きL1間隔内に位置する所要
数量のリーフ体10aを照射野幅Wと平行な方向へ位置
調整して当該リーフ体10aの照射軸中心O側先端を腫
瘍の輪郭Cの形状に合わせ、図の右側のコリメータ本体
9bにおけるリーフ体10bのうち、奥行きL1間隔内
に位置する所要数量のリーフ体10bの照射軸中心O側
の先端を奥行きL1と平行な方向へ一直線状に揃えて照
射野幅W内に位置させる。
【0016】この場合、腫瘍の奥行きL1間隔内から外
れた位置にあるリーフ体10a,10bの対向する先端
はビームが患者側へ漏洩しないよう当接しており、腫瘍
上部のリーフ体10a,10bにより形成される開口1
1の照射野幅Wと平行な方向の間隔は最大でX1であ
る。
【0017】図19に示す散乱体1、ファインディグレ
ーダ2、リッジフィルタ4を通って左右方向D1の照射
野幅をWに、又、前後方向D2の照射野幅を腫瘍8の奥
行きL1の間隔よりも大きな幅に拡大されたビーム3
は、図20のマルチリーフコリメータ9の開口11を通
り、開口11から図19のボーラス6を経て腫瘍8に所
定の時間に亘り照射される。この場合、腫瘍8には、図
22(a)のイに示すように、間隔X1を最も広い幅と
して一定の線量が矩形状に照射される。なお、図22
(b)は腫瘍8を表わしている。
【0018】図20に示すように、腫瘍の左側に矩形状
にビームの照射を行ったら、次いで、患者の横たわって
いるベッドを図20の状態から左方向へ移動させ、ビー
ムの照射野幅Wにおける照射軸中心Oを、例えば図21
に示すように、腫瘍の輪郭Cにおける右端から略W/2
の位置に設定し、腫瘍の輪郭Cの右端を照射野幅W内に
位置させると共に概ね照射野幅Wの略右端近傍に位置さ
せる。
【0019】又、コリメータ本体9bにおけるリーフ体
10bのうち、奥行きL1間隔内に位置する所要数量の
リーフ体10bを照射野幅Wと平行な方向へ位置調整し
て当該リーフ体10bの照射軸中心O側先端を腫瘍の輪
郭Cの形状に合わせ、図の左側のコリメータ本体9aに
おけるリーフ体10aのうち、奥行きL1間隔内に位置
する所要数量のリーフ体10aの照射軸中心O側の先端
を奥行きL1と平行な方向へ一直線状に揃えて照射野幅
W内に位置させる。
【0020】この場合、腫瘍の奥行きL1間隔内から外
れた位置にあるリーフ体10a,10bの対向する先端
はビームが患者側へ漏洩しないよう当接しており、腫瘍
上部のリーフ体10a,10bにより形成される開口1
1の照射野幅Wと平行な方向の間隔は最大でX2(=W
1−X1)である。
【0021】図19に示す散乱体1、ファインディグレ
ーダ2、リッジフィルタ4を通って左右方向D1の照射
野幅をWに、又、前後方向D2の照射野幅を腫瘍8の奥
行きL1の間隔よりも大きな幅に拡大されたビーム3
は、図21のマルチリーフコリメータ9の開口11を通
り、開口11から図19のボーラス6を経て腫瘍8に所
定の時間に亘り照射される。この場合、腫瘍8には図2
2(a)のロに示すように、左右方向D1における間隔
X2を最も広い幅として、奥行きL1に亘り一定の線量
が矩形状に照射される。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】上述の図19に示す照
射野形成装置の場合には、照射野幅は20cm×20c
m程度が一般的であり、腫瘍の大きさが20cm×20
cm以上の場合は一回で腫瘍全体に放射線を照射するこ
とができない。このため、照射野幅を例えば30cm×
40cmにして大きな腫瘍を一回の照射で治療し得るよ
うにした大照射野用の装置も少数ではあるが現存してい
る。
【0023】しかし、斯かる大照射野用の装置の場合に
は、その規模に合わせて全ての機器が大型となると共
に、大照射野の形成には厚い散乱体が必要となるため、
粒子線のエネルギは散乱体で大幅にロスされ、腫瘍の深
部の治療が困難になり、斯かる事態を解消するには、ビ
ーム供給側の加速器の大型化が必要となる。
【0024】又、大照射野用の装置で小さい腫瘍を治療
する場合、例えば照射野幅が30cm×40cmの装置
で10cm×10cm程度の腫瘍を治療する場合、(1
0×10)/(30×40)=1/12の粒子しか治療
に利用できず、粒子線の有効活用が困難である。
【0025】更に、大照射野用の装置において、照射野
幅に対応して散乱体等の各機器を用意することも可能で
あるが装置が複雑になり、更に又、患者毎に機器を交換
しなければならないため操作が煩雑になる。
【0026】一方、一回で腫瘍全体にビームを照射する
ことができない規模の装置の場合には、図20、21に
示すように照射を2回に分けて実施する、いわゆる繋ぎ
照射が行なわれている。而して、この場合には、照射さ
れる線量分布は図22(a)のイ、ロの線図に示すよう
に、マルチリーフコリメータで切出されたシャープエッ
ジのものとなるが、良好な治療を行うためには、図22
(a)に示す照射区画の境界部(繋ぎ部位)Yでの位置
合わせ精度を厳しく管理する必要がある。例えば、境界
部Yで線量分布に重合部があると、照射される線量が所
定の線量の2倍の部分が生じ、又、境界部Yが離れると
線量ゼロの部分が生じるため、良好な治療を行うことが
困難である。
【0027】本発明は、上述の実情に鑑み、一回で腫瘍
全体に放射線を照射することができないために照射区画
を所定の照射野幅方向に複数に分割して分割照射を行な
う場合にも、照射区画の境界部に線量が重なって過重に
照射される部分や線量ゼロの部分が生じないようにした
放射線治療方法を提供することを目的としてなしたもの
である。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1の放射
線治療方法は、コリメート手段により照射区画を所定方
向の照射野幅と平行な方向に複数に分割すると共に、分
割した各照射区画毎に放射線を患部の治療部位に対し照
射する治療方法であって、分割された照射区画の互いに
対向する境界部に放射線を照射する際に、対向する照射
区画側に向かい放射線の線量が減少するよう、コリメー
ト手段を照射野幅と平行な方向へ移動させるものであ
る。
【0029】本発明の請求項2の放射線治療方法は、コ
リメート手段により照射区画を所定方向の照射野幅と平
行な方向に複数に分割すると共に、分割した各照射区画
毎に放射線を患部の治療部位に対し照射する治療方法で
あって、分割された照射区画の互いに対向する境界部に
放射線を照射する際に、対向する照射区画側に向かい放
射線の線量が減少すると共に対向する各境界部で照射区
画の減少する線量分布の一部が前記照射野幅と平行な方
向において重合するよう、コリメート手段を照射野幅と
平行な方向へ移動させるものである。
【0030】本発明の請求項3の放射線治療方法におい
ては、照射区画の境界部で対向する照射区画に向け減少
するよう照射された放射線の線量分布を重合させた場合
に得られる線量分布を、前記境界部以外の照射区画と略
同一レベルとなるようにすることが好ましい。
【0031】本発明においては、放射線が患部に過重に
照射されることを防止することができると共に、患部以
外に放射線が照射されることを防止することにより、放
射線を確実に患部に照射することができ、放射線治療の
信頼性が向上する。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図示
例と共に説明する。図1〜図7は本発明の放射線治療方
法を実施する装置の形態の第一例であり、図19に示す
照射野形成装置における第一コリメータ5の位置には、
図20、21に示すと同様の構成の電動式のマルチリー
フコリメータを設け、且つ図19の最終コリメータ7を
設けないようにしたものである。散乱体は二重散乱体方
式、SOBP(拡大ブラッグピーク)生成のためのリッ
ジフィルタは、バーリッジフィルタ、ボーラスは大照射
野用の全体ボーラス或は、分割ボーラスである。又、装
置には、腫瘍に照射される線量を計測するための線量モ
ニタが備えられている。而して、図1〜図7中、図2
0、21に示すと同一のものには同一の符号が付してあ
る。
【0033】マルチリーフコリメータ9を構成する左右
に分割されたコリメータ本体9a,9bは各リーフ体1
0a,10bを夫々個別に腫瘍8の照射野幅Wと平行な
方向へ位置調整し得るよう、図5〜図7に示すごとき駆
動装置12を備えている。図5〜図7においては、駆動
装置12はリーフ体10bを移動させるものを図示して
いる。
【0034】駆動装置12は各リーフ体10b毎にサー
ボモータ13を備えており、各リーフ体10bの下面に
は、照射野幅Wと平行な方向へ延在するねじ軸14が取
付けられている。又枠体15に設けた軸受16には歯車
17が回転可能に嵌合されていると共に、歯車17の軸
心部に形成した雌ねじ部には、ねじ軸14が螺合されて
おり、歯車17が外嵌、固設され、歯車17には、サー
ボモータ13の出力軸に外嵌、固設した歯車18が噛合
している。而して、サーボモータ13の駆動により、歯
車18,17が回転し、このためねじ軸14は軸線方向
へ移動してリーフ体10bを照射野幅Wと平行な方向へ
移動させ得るようになっている。
【0035】又、図示してないが、線量モニタにより検
出した線量率に基づき、治療中にリーフ体10a,10
bを移動させる際の移動速度を算出し、サーボモータ1
3の回転速度を制御し得るよう、演算制御装置が設けら
れている。なお、図1、3中、19は放射線治療時に患
者が横たわるベッドである。
【0036】ボーラス6が分割ボーラスの場合は、ボー
ラスは照射野成形装置側フレームに取付け、照射毎に交
換するが、全体ボーラスの場合は照射野成形装置側フレ
ームに取付けておき、各照射毎に相対的に照射軸の移動
方向とは逆方向に照射軸の移動量と同量移動させるが、
この点は全ての例で同じである。
【0037】次に、上記装置を用いて放射線治療を行な
う場合の手順について説明する。先ず、患者の横たわっ
たベッド19を照射野幅Wと平行な左右方向D1へ位置
調整して、例えば図1、2に示すように、ビーム(重粒
子の放射線)Bの照射野幅Wにおける照射軸中心Oを、
腫瘍8の輪郭Cにおける左端から略W/2の位置に設定
し、腫瘍8の輪郭Cの左端を照射野幅W内に位置させる
と共に概ね照射野幅W内の略左端近傍に位置させる。
【0038】次に、図1、2のコリメータ本体9aにお
けるリーフ体10aのうち、照射方向から見て腫瘍の奥
行きL1間隔内に位置する所要数量のリーフ体10aを
照射野幅Wと平行な方向へ位置調整して当該リーフ体1
0aの照射軸中心O側先端を腫瘍8の輪郭Cの形状に合
わせ、図1、2の右側のコリメータ本体9bにおけるリ
ーフ体10bのうち、奥行きL1間隔内に位置する所要
数量のリーフ体10bの照射軸中心O側の先端を奥行き
L1と平行な方向へ一直線状に揃えて照射野幅W内に左
端から間隔X1となるよう位置させる(図2におけるリ
ーフ体10bの仮想線先端位置参照)。リーフ体10
a,10bの位置の調整は図5〜図7に示す駆動装置1
2により行なう。
【0039】奥行きL1間隔内から外れた位置にあるリ
ーフ体10a,10bの対向する先端はビームBが患者
側へ漏洩しないよう当接しており、腫瘍8上部のリーフ
体10a,10bにより形成された開口11の照射野幅
Wと平行な方向の照射開始時の間隔は最大でX1であ
り、ビームBの照射軸中心Oは開口11を貫通してい
る。
【0040】図19に示す散乱体1、ファインディグレ
ーダ2、リッジフィルタ4を通り左右方向D1の照射野
幅をWに、又、前後方向D2の照射野幅を腫瘍8の輪郭
Cの奥行きL1の間隔よりも大きな幅に形成されたビー
ムBは、図1、2のマルチリーフコリメータ9へ到達し
て開口11を通りボーラス6を経て腫瘍8の左側に所定
の治療時間に亘り照射される。
【0041】又、腫瘍8に対するビームBの照射が開始
されると、同時にコリメータ本体9b側の駆動装置12
において所定のサーボモータ13が駆動され、奥行きL
1間隔内にあるリーフ体10bの先端が照射軸中心Oか
ら離反するよう、図2の矢印DX1方向へ照射野幅Wの
右側端部近傍まで、間隔X1’の範囲に亘り緩やかに移
動し、照射される線量は照射軸中心O側から離反するに
従い除々に減少する。このため、境界部である間隔X
1’の範囲では、繋ぎ照射が行われ、繋ぎ照射の終了
時、間隔X1’の右端は照射野幅Wの略右端近傍に位置
し、照射される線量はゼロになる。
【0042】リーフ体10b移動速度は、線量モニタで
検出した線量率に基づき決定されるが、例えば、腫瘍8
に照射される線量率を2Gy/分、腫瘍8に照射する必
要のある線量を10Gy、繋ぎ代である間隔X1’を5
cmとすると、5分間の治療時間の間にリーフ体10b
を矢印DX1方向へ1cm/分の速度で緩やかに移動さ
せる。
【0043】従って、腫瘍8には図18(a)のハに示
すように、間隔X1’よりも左側の範囲では一定の線量
レベルで、又、ニに示すように、境界部では間隔X1’
の範囲で、線量レベルが徐々に減少するよう照射が行な
われ、台形線量分布が形成される。
【0044】図1、2に示すように、腫瘍8の左部に間
隔X1を最も広い幅として一定レベルの線量のビームの
照射を行うと共に間隔X1’の境界部では線量のレベル
が緩やかに減少する繋ぎ照射を行なったら、次いで、患
者の横たわっているベッド19を図1、2の状態から左
方向へ移動させ、ビームBの照射野幅Wにおける照射軸
中心Oを、例えば図4に示すように、腫瘍8の輪郭Cに
おける右端からW/2の位置に設定し、腫瘍8の輪郭C
の右端を照射野幅W内に位置させると共に概ね照射野幅
W内の右端近傍に位置させる。又、ボーラス6も腫瘍8
に合せ移動させる。
【0045】図4に示すように、コリメータ本体9bに
おけるリーフ体10bのうち、腫瘍8の奥行きL1間隔
内に位置する所要数量のリーフ体10bを照射野幅Wと
平行な方向へ位置調整して当該リーフ体10bの照射軸
中心O側先端を腫瘍8の輪郭Cの形状に合わせ、左側の
コリメータ本体9aにおけるリーフ体10aのうち、奥
行きL1間隔内に位置する所要数量のリーフ体10aの
照射軸中心O側における先端を、奥行きL1と平行な方
向へ一直線状に揃える(図4におけるリーフ体10aの
仮想線先端位置参照)。
【0046】この場合、奥行きL1間隔内から外れた位
置にあるリーフ体10a,10bの対向する先端はビー
ムBが患者側へ漏洩しないよう当接しており、腫瘍8上
部のリーフ体10a,10bにより形成される開口11
の照射野幅Wと平行な方向の間隔はX2であり、ビーム
の照射軸中心Oは開口11を貫通している。又、W1=
X1+X2+X1’の関係となる。
【0047】図19に示す散乱体1、ファインディグレ
ーダ2、リッジフィルタ4を通り左右方向D1の照射野
幅をWに、又、前後方向D2の照射野幅を腫瘍8の輪郭
Cの奥行きL1の間隔よりも大きな幅に形成されたビー
ムBは、図1、2のマルチリーフコリメータ9へ到達し
て間隔X2の開口11を通り、開口11からボーラス6
を経て腫瘍8の右側に所定の治療時間に亘り照射され
る。
【0048】又、腫瘍8に対するビームBの照射が開始
されると、同時にコリメータ本体9a側の駆動装置12
において所定のサーボモータ13が駆動され、奥行きL
1間隔内にあるリーフ体10aが照射軸中心Oから離反
するよう、図4の矢印DX2方向へ間隔X2’の範囲に
亘り緩やかに移動する。このため、境界部である間隔X
2’の範囲では照射軸中心O側から離反するに従い線量
レベルが徐々に減少し間隔X2’の左端ではゼロとなる
よう繋ぎ照射が行われる。間隔X2’は間隔X1’と同
一の間隔とする。
【0049】リーフ体10aの移動速度もリーフ体10
bと同様、線量モニタで検出した線量率に基づき決定さ
れるが、例えば、腫瘍8に照射される線量率を2Gy/
分、腫瘍8に照射する必要のある線量を10Gy、繋ぎ
代である間隔X2’を5cmとすると、5分間の治療時
間の間にリーフ体10aを矢印DX2方向へ1cm/分
の速度で緩やかに移動させる。
【0050】従って、腫瘍8には図18(a)のホに示
すように、間隔X2’よりも右側の範囲では一定の線量
レベルで、又、ヘに示すように、境界部では間隔X2’
の範囲で線量レベルが徐々に減少するよう、照射が行な
われ、台形線量分布が形成される。
【0051】この場合、W1=X1+X2+X2’、X
1’=X2’となるよう照射を行なうことにより、繋ぎ
照射の境界部において、対向する照射区画側に向け除々
に減少するよう照射されたビームBの線量は、図18
(a)のニ、ヘで示すように照射野幅Wと平行な方向に
おいて重合し、その結果、間隔X1’(X2’)におけ
る線量の合計は、他の部分と同一のレベルとなるため、
二分割された照射区画の境界部に線量が過重に照射され
たり、照射される線量がゼロになることがなく、放射線
治療の信頼性が向上する。なお、線量分布は、位置合わ
せ部分では誤差2mm以内、線量分布誤差は4%以内に
押えられる。
【0052】図8〜図13は本発明の放射線治療方法を
実施する装置の形態の第二例であり、図19の第一コリ
メータ5の位置にはブロックコリメータが使用され、最
終コリメータ7の位置には患者コリメータが使用され
る。図中、20はブロックコリメータ、21は患者コリ
メータであり、ブロックコリメータ20と患者コリメー
タ21との間には、前記実施の形態例におけると同様な
ボーラス6が設けられている。而して、図8〜図11
中、図20、21に示すと同一のものには同一の符号が
付してある。
【0053】ブロックコリメータ20の詳細は図12、
13に示されていて、左右方向D1及び前後方向D2の
切欠き長さが十分に長いビーム通過孔22aを有する平
板状の枠体22と、左右方向D1へ延在するよう枠体2
2の一側に設けられたガイドレール23と、ガイドレー
ル23上をガイド24を介して移動し得るようにしたブ
ロック本体25と、平面視でガイド24を取付けた側と
は反対側に位置するようガイドブロック本体25に取付
けたナット26に回転自在に螺合されてガイドレール2
3と平行に延在するねじ軸27と、枠体22上に配置し
た駆動用のサーボモータ28と、サーボモータ28の出
力軸に外嵌、固設されてねじ軸27の一端に外嵌、固設
した歯車29に対し噛合する歯車30とを備えている。
【0054】患者コリメータ21には腫瘍8と同一の輪
郭C’の開口21aが設けられており、照射野幅Wと平
行な方向の長さ及び照射野幅Wに対し直交する方向の長
さは、腫瘍8の幅W1及び間隔L1と同一寸法である。
【0055】ブロック本体25の照射野幅Wと平行な方
向の長さは、患者コリメータ21の開口21a及び腫瘍
8の照射野幅Wと平行な方向の幅W1よりも短くても良
いが、照射野幅Wに対し直交する方向の長さは腫瘍8の
間隔L1よりも大きくする必要がある。
【0056】次に、上記装置を用いて放射線治療を行な
う場合の手順について説明する。先ず、患者の横たわっ
たベッド19を照射野幅Wと平行な方向へ位置調整し
て、例えば図9に示すように、ビームの照射野幅Wにお
ける照射軸中心Oを、腫瘍8の輪郭Cにおける左端から
W/2の位置に設定し、腫瘍8の輪郭Cの左端を照射野
幅W内に位置させると共に概ね照射野幅Wの左端近傍に
位置させる。
【0057】次に、図12、13のサーボモータ28を
駆動し、ブロックコリメータ20のブロック本体25を
照射野幅Wと平行な方向に移動させて照射軸中心O側先
端を図9の仮想線に示すように照射野幅W内に位置する
よう位置調整を行なう。この場合、輪郭C,C’の左端
からブロック本体25の照射軸中心O側先端までの間隔
はX1とする。
【0058】又、ボーラス6及び患者コリメータ21も
照射野幅と平行な方向へ図10に示すごとく位置調整し
て患者コリメータ21の輪郭C’の左端を照射野幅W内
に位置させると共に概ね照射野幅Wの左端近傍に位置さ
せる(図9参照)。
【0059】この図示例では、ブロックコリメータ20
のビーム通過孔22aを通ったビームBはボーラス6及
び患者コリメータ21の開口21aを通り、腫瘍8の左
側に照射され、放射線治療が開始される。而して、腫瘍
8に対するビームBの照射が開始されると、同時に13
のサーボモータ28が始動され、ブロックコリメータ2
0のブロック本体25が照射軸中心Oから離反するよ
う、図9の矢印DX1方向へ照射野幅Wの右側端部近傍
まで、間隔X1’の範囲に亘り緩やかに移動する。この
ため、間隔X1’の範囲では、照射される線量は照射軸
中心O側から離反するに従い除々に減少し、境界部であ
る間隔X1’の範囲においては、その右端は照射野幅W
の右端近傍に位置し、照射される線量はゼロになる。
【0060】図9に示すように、腫瘍8の左部に間隔X
1を最も広い幅として一定レベルの線量のビームBの照
射を行うと共に間隔X1’の境界部では線量のレベルが
緩やかに減少するよう照射を行なったら、次いで、患者
の横たわっているベッド19を図8、9の状態から図の
左方向へ移動させると共にボーラス6及び患者コリメー
タ21も図8、9の状態から図の左方向へ所定位置まで
移動させ、ビームBの照射野幅Wが未照射領域X2+X
2’を完全に覆うよう位置させる。
【0061】次に、ブロックコリメータ20のサーボモ
ータ28を駆動してブロック本体25の位置を調整し、
その左右方向D1右側先端を図11の仮想線に位置さ
せ、腫瘍8の右側部に対するビームBの照射を開始す
る。
【0062】而して、腫瘍8に対するビームBの照射が
開始されると、同時にサーボモータ28が始動され、ブ
ロックコリメータ20のブロック本体25が照射軸中心
Oから離反するよう、図11の矢印DX2方向へ照射野
幅W内で、間隔X2’の範囲に亘り緩やかに移動する。
このため、間隔X2’の範囲では、照射される線量は照
射軸中心O側から離反するに従い除々に減少し、境界部
である間隔X2’の範囲においては、間隔X2’の右端
は照射野幅Wの右端近傍に位置し、照射される線量はゼ
ロになる。この場合、間隔X2’は間隔X1’と同一の
間隔とする。
【0063】ブロック本体25の矢印DX1方向、矢印
DX2方向の移動速度は、何れも前述の実施の形態の場
合と同様、線量モニタで検出した線量率に基づき決定さ
れるが、具体的なやり方は第一例の場合と同様である。
【0064】又、第二の実施の形態例においても、上述
のごとく左側と右側に分けて照射を行うことにより、第
一例の場合と同様、図18(a)に示すごとき繋ぎ照射
が行なわれ、繋ぎ照射の部分では、線量は腫瘍の幅W1
と平行な方向において重合する。その結果、間隔X1’
(X2’)における線量の合計は、他の部分と同一のレ
ベルとなるため、境界部である繋ぎ部位に線量が過重に
照射されたり、照射される線量がゼロになることがな
く、放射線治療の信頼性が向上する。
【0065】図14〜図17は本発明の放射線治療方法
を実施する装置の形態の第三例であり、図19の第一コ
リメータ5を配置した位置に上方から下方へ向けて、実
施の形態の第二例に示すと同様のブロックコリメータ及
び第一例に示すと同様のマルチリーフコリメータが配置
される。図中、図1〜図13に示すと同一のものには同
一の符号が付してある。
【0066】而して、この図示例においては、マルチリ
ーフコリメータ9のコリメータ本体9a,9bは平面視
で図2、4の状態から90度位相がずれて配置されてい
る。又、コリメータ本体9a,9bの短冊状の各リーフ
体10a,10bは照射野幅Wと平行な方向(左右方向
D1)へ複数に分割されると共に腫瘍8の奥行きL1と
平行な方向へ延在しており、しかも、左右方向D1の数
量は、照射野幅W全体を覆うことができる数量になって
いる。
【0067】実施の形態の第三例に示す装置を用いて放
射線治療を行なう場合には、先ず、患者の横たわったベ
ッド19を照射野幅Wと平行な方向へ位置調整して、例
えば図14、15に示すように、ビームBの照射野幅W
における照射軸中心Oを、腫瘍の輪郭Cにおける左端か
ら略W/2の位置に設定し、腫瘍8の輪郭Cの左端を照
射野幅W内に位置させると共に概ね照射野幅Wの左端近
傍に位置させる。
【0068】次に、図15のコリメータ本体9a,9b
におけるリーフ体10a,10bを奥行きL1と平行な
方向へ位置調整して当該リーフ体10a,10bの照射
軸中心O側先端を腫瘍8の左端から右方向へ所定の範囲
に亘り輪郭Cの形状に合わせる。この場合、左側におい
てビームBが漏洩しないよう、腫瘍8の輪郭Cの外側に
位置するリーフ体10a,10bは、対向する先端を当
接させておく。
【0069】又、ブロックコリメータ20のブロック本
体25を左右方向D1右側へ移動させてブロック本体2
5の照射軸中心O側先端を図15の仮想線に示すよう
に、照射軸中心Oよりも右側において照射野幅W内に位
置させ、ビームBを腫瘍8の左側に照射して放射線治療
を開始する。この場合、輪郭Cの左端に接するリーフ体
10a,10bからブロック本体25の仮想線先端部ま
での間隔はX1とする。
【0070】而して、腫瘍8に対するビームBの照射が
開始されると、同時にブロックコリメータ20のブロッ
ク本体25が照射軸中心Oから離反するよう、図15の
矢印DX1方向へ照射野幅Wの右側端部まで、間隔X
1’の範囲に亘り緩やかに移動する。このため、間隔X
1’の範囲では、照射される線量は照射軸中心O側から
離反するに従い除々に減少し、照射野幅Wの右端近傍に
おいてゼロになる。
【0071】図15に示すように、腫瘍8の左部に間隔
X1を最も広い幅として一定レベルの線量のビームBの
照射を行うと共に間隔X1’の範囲では線量のレベルが
緩やかに減少するよう照射を行なったら、次いで、患者
の横たわっているベッド19を図14、15の状態から
図の左方向へ移動させ、ビームBの照射野幅Wが未照射
領域X2+X2’を完全に覆うよう位置させる。
【0072】次に、図17のコリメータ本体9a,9b
におけるリーフ体10a,10bを奥行きL1と平行な
方向へ位置調整して当該リーフ体10a,10bの照射
軸中心O側先端を腫瘍8の右端から左方向へ所定の範囲
に亘り輪郭Cの形状に合わせる。この場合、左右方向D
1右側においてビームBが漏洩しないよう、腫瘍8の輪
郭Cの外側に位置するリーフ体10a,10bは、対向
する先端を当接させておく。なお、ボーラス6も腫瘍8
に対応して適宜移動させておく。
【0073】又、ブロックコリメータ20のブロック本
体25を左側へ移動させてブロック本体25の照射軸中
心O側先端を図17の仮想線に位置させ、ビームBを腫
瘍8の右側に照射して放射線治療を開始する。この場
合、輪郭Cの右端に接するリーフ体10a,10bから
ブロック本体25の仮想線先端部までの間隔はX2とす
る。又、W1=X1+X2+X1’の関係がある。
【0074】而して、腫瘍8に対するビームBの照射が
開始されると、同時にブロックコリメータ20のブロッ
ク本体25を照射軸中心Oから離反するよう、図15の
矢印DX2方向へ照射野幅Wの左側端部近傍まで、間隔
X2’の範囲に亘り緩やかに移動する。このため、間隔
X2’の範囲では、照射される線量は照射軸中心O側か
ら離反するに従い除々に減少し、間隔X2’の左端では
照射される線量はゼロになる。
【0075】ブロック本体25の矢印DX1方向、矢印
DX2方向の移動速度は、実施の形態の第二例の場合と
同様であり、又、間隔X1’,X2’の範囲で線量レベ
ルが徐々に減少するよう、繋ぎ照射が行なわれ、図18
(a)に示すような台形線量分布が形成される点も第
一、第二の形態例と同様である。而して、本実施の形態
においても、前述の各実施の形態例と同様の作用効果を
奏することができる。
【0076】なお、本発明の図示例では、照射区画を所
定の照射野幅と平行な方向へ二分割する場合について説
明したが、複数分割なら二分割に限られるものではない
こと、腫瘍はビーム照射方向から見て楕円形状の場合に
ついて説明したが、楕円形に限らず種々の形状の腫瘍に
対応することができること、ボーラス及び患者コリメー
タは照射の分割された数量だけ用意し、各区画毎に夫々
別の分割ボーラス、分割患者コリメータを用いるように
しても良いこと、分割した照射区画を照射する順序を腫
瘍の左側から行なう場合について説明したが、右側から
行なうようにしても実施し得ること、その他、本発明の
要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得るこ
とは勿論である。
【0077】
【発明の効果】以上、説明したように本発明の請求項
1、2、3記載の放射線治療方法によれば、放射線が患
部に過重に照射されることを防止することができると共
に、患部以外に放射線が照射されることを防止すること
により、放射線を確実に患部に照射することができ、放
射線治療の信頼性が向上するという優れた効果を奏し得
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の放射線治療方法の実施の形態の第一例
で、分割形成した左側の照射区画に照射を行う場合の正
面図である。
【図2】図1のII−II方向拡大矢視図である。
【図3】本発明の放射線治療方法の実施の形態の第一例
で、分割形成した右側の照射区画に照射を行う場合の正
面図である。
【図4】図3のIV−IV方向矢視図である。
【図5】本発明の放射線治療方法の実施の形態の第一例
に適用するマルチリーフコリメータの平面図である。
【図6】図5に示す装置における駆動装置の部分の拡大
平面図である。
【図7】図6のVII−VII方向矢視図である。
【図8】本発明の放射線治療方法の実施の形態の第二例
で、分割形成した左側の照射区画に照射を行う場合の正
面図である。
【図9】図8のIX−IX方向拡大矢視図である。
【図10】本発明の放射線治療方法の実施の形態の第二
例で、分割形成した右側の照射区画に照射を行う場合の
正面図である。
【図11】図10のXI−XI方向矢視図である。
【図12】本発明の放射線治療方法の実施の形態の第二
例に適用するブロックコリメータの平面図である。
【図13】図12のXIII−XIII方向矢視図であ
る。
【図14】本発明の放射線治療方法の実施の形態の第三
例で、分割形成された左側の照射区画に照射を行う場合
の正面図である。
【図15】図14のXV−XV方向矢視図である。
【図16】本発明の放射線治療方法の実施の形態の第三
例で、分割形成された右側の照射区画に照射を行う場合
の正面図である。
【図17】図16のXVII−XVII方向矢視図であ
る。
【図18】(a)は本発明の放射線治療方法の実施の形
態の第一例〜第三例により分割形成した照射区画に照射
を行なった場合に得られる線量分布を示すグラフであ
り、(b)は放射線が照射される腫瘍を照射方向から見
た形状の一例を示す平面図である。
【図19】一般的な照射野形成装置の概要を示す正面図
である。
【図20】従来の放射線治療方法において、分割形成し
た左側の照射区画に照射を行う場合の平面図である。
【図21】従来の放射線治療方法において、分割形成し
た右側の照射区画に照射を行う場合の平面図である。
【図22】(a)は従来の放射線治療方法により分割形
成した照射区画に照射を行なった場合に得られる線量分
布を示すグラフであり、(b)は放射線が照射される腫
瘍を照射方向から見た形状の一例を示す平面図である。
【符号の説明】
8 腫瘍(患部) 10a リーフ体(コリメート手段) 10b リーフ体(コリメート手段) 25 ブロック本体(コリメート手段) B ビーム(放射線) W 照射野幅 O 照射軸中心

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コリメート手段により照射区画を所定方
    向の照射野幅と平行な方向に複数に分割すると共に、分
    割した各照射区画毎に放射線を患部の治療部位に対し照
    射する治療方法であって、分割された照射区画の互いに
    対向する境界部に放射線を照射する際に、対向する照射
    区画側に向かい放射線の線量が減少するよう、コリメー
    ト手段を照射野幅と平行な方向へ移動させることを特徴
    とする放射線治療方法。
  2. 【請求項2】 コリメート手段により照射区画を所定方
    向の照射野幅と平行な方向に複数に分割すると共に、分
    割した各照射区画毎に放射線を患部の治療部位に対し照
    射する治療方法であって、分割された照射区画の互いに
    対向する境界部に放射線を照射する際に、対向する照射
    区画側に向かい放射線の線量が減少すると共に対向する
    各境界部で照射区画の減少する線量分布の一部が前記照
    射野幅と平行な方向において重合するよう、コリメート
    手段を照射野幅と平行な方向へ移動させることを特徴と
    する放射線治療方法。
  3. 【請求項3】 照射区画の境界部で対向する照射区画に
    向け減少するよう照射された放射線の線量分布を重合さ
    せた場合に得られる線量分布を、前記境界部以外の照射
    区画と略同一レベルとなるようにした請求項2記載の放
    射線治療方法。
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