JP2002042390A - 情報記録媒体 - Google Patents

情報記録媒体

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JP2002042390A
JP2002042390A JP2000225095A JP2000225095A JP2002042390A JP 2002042390 A JP2002042390 A JP 2002042390A JP 2000225095 A JP2000225095 A JP 2000225095A JP 2000225095 A JP2000225095 A JP 2000225095A JP 2002042390 A JP2002042390 A JP 2002042390A
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JP2000225095A
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Tetsuya Kondo
哲也 近藤
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Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録再生領域から再生専用領域、又は再
生専用領域から記録再生領域への連続横断再生時のトラ
ックキング外れを防止する。 【解決手段】 少なくとも支持体、記録層、樹脂層から
構成される情報記録媒体であって、前記支持体に、少な
くとも再生専用領域31に相当するピット及び記録再生
領域32に相当するグルーブを互いに重なることなく形
成し、前記記録層の反射率を10%以上とし、前記記録
層と前記樹脂層は、少なくとも前記再生専用領域31と
前記記録再生領域32の2領域を連続して被着してお
り、前記再生専用領域31から再生されるプッシュプル
信号出力T1と、記録前の前記記録再生領域32から再
生されるプッシュプル信号出力T2とが、共に0.2以
上であり、且つ1.4≧T1/T2≧0.6であること
を特徴とする情報記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報が記録された
情報記録媒体に対して相対運動をさせて情報を読み出す
光学的記録再生装置に用いられる情報記録媒体に関し、
特に、情報の読み出しのみが可能な再生専用領域と、情
報の記録と再生が可能な記録再生領域を併せもつ情報記
録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、相対運動をさせて情報を読み出す
光学的情報記録媒体として、ディスク状やカード状、テ
ープ状の情報記録媒体が用いられている。記録または再
生のメカニズムから、再生専用型のものと、記録再生型
(追記型及びオーバーライト可能型)のものに二分され
ている。すなわち前者はCDオーディオに代表されるよ
うに、あらかじめ情報が記録された状態で出荷され、ユ
ーザーはそれを再生するものである。また後者は、情報
を未記録の状態で出荷され、ユーザーはそれに情報の記
録を行い、適宜再生を行うものである。
【0003】一方、社会のマルチメディア化に伴い、著
作権が電子的な手段によって侵害される機会が増え、問
題化している。これに伴い、ユーザーが自由に記録を行
える記録再生型情報記録媒体においても、このような侵
害を予防すべく、ユーザーが書き換えのできない特定コ
ードを埋め込む工夫が必要とされてきている。
【0004】上述したような再生専用領域及び記録再生
領域の2領域を併せ持つ情報記録媒体には、様々なもの
が提案されている。例えば記録再生領域を備えた情報記
録媒体であって、特定角度のみに再生専用領域が設けら
れているものがある。また記録再生領域を備えた情報記
録媒体であって、この中に1/2トラック毎に再生専用
領域が設けられているものも提案されている。
【0005】また再生専用領域と記録再生領域が異なる
位置に配置された情報記録媒体が提案されている。図2
はこのような情報記録媒体2の断面図を図示したもの
で、支持体10、記録層13、樹脂層14から少なくと
も構成されている。そして支持体10の表面(記録層1
3との界面)には、微細パターンが形成されており、再
生専用領域、記録再生領域に相当する箇所には、それぞ
れを構成する微細パターンが刻まれている。具体的には
再生専用領域に相当する微細パターン11と、記録再生
領域に相当する微細パターン12である。これらの微細
パターン11、12の深さは、異なっており、微細パタ
ーン11の深さ(d1)はλ/4n、微細パターン12
の深さ(d2)はλ/8nとなっている。なおここで、
λは再生波長であり、nは支持体10の再生波長λにお
ける屈折率である。微細パターン11の深さがλ/4n
となっていることは、再生専用領域の信号出力が最大と
なる位相深さであることによっており、また微細パター
ン12の深さがλ/8nとなっていることは、そのトラ
ッキングに関係するプッシュプル信号が出力最大となる
ことが理由となっている。
【0006】このように2領域が異なる位置に配置され
ていることは、シンプルなレイアウトゆえ、記録再生装
置の負担が軽く、メリットは大きい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の技術では、次のような問題点がある。すなわ
ち、図5なる情報記録媒体を様々な市販の記録再生プレ
ーヤーに装着して動作させたところ不具合が生じた。不
具合のモードは具体的には、記録再生領域から再生専用
領域への連続横断再生時のトラックキング外れである。
またその逆の動作も不可であった。この原因を詳しく調
べたところ、記録再生プレーヤーはグルーブへの記録を
行うために、トラッキングにプッシュプル法を採用して
おり、情報記録媒体2とはマッチングしていないことが
原因であった。つまり第1に、再生専用領域は、d1=
λ/4nの深さで形成されており、プッシュプル出力が
ゼロであることが原因である。プッシュプル出力がゼロ
であるとトラック検出ができず、再生はそこで停止する
のである。また第2の原因として、再生専用領域のプッ
シュプル出力と記録再生領域のプッシュプル出力差が大
きく、プレーヤーのサーボが追従しないことがあげられ
る。このように2つの領域を有する情報記録媒体を実際
に記録再生する際のトラッキング外れの問題を解決する
ことが求められていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上述した課題を
解決した情報記録媒体であり、以下の構成からなる。波
長λ、開口数NAにより作られる光スポットによって再
生され、屈折率nなる支持体10、反射率10%以上の
記録層13、樹脂層14から少なくとも構成される情報
記録媒体であって、前記支持体には、少なくとも再生専
用領域11と記録再生領域12が互いに重なることなく
形成され、前記記録層13と前記樹脂層14は、少なく
とも前記再生専用領域11と前記記録再生領域12の2
領域を連続して被着しており、前記再生専用領域11か
ら再生されるプッシュプル信号出力T1と、記録前の前
記記録再生領域12から再生されるプッシュプル信号出
力T2とが、共に0.2以上であり、且つ1.4≧T1
/T2≧0.6であり、前記再生専用領域11は深さd
1、トラックピッチP1のピット、前記記録再生領域1
2は深さd2、トラックピッチP2のグルーブから主に
構成され、nd1/λ=0.12〜0.175、且つn
d2/λ=0.035〜0.10、且つP1=P2=
0.685λ/NAなる関係を満たし、前記再生専用領
域11の前記ピットの最短長さをL1が、L1=0.3
7λ/NAであり、記録後の前記記録再生領域12に記
録されたマークの最短長さをL2が、L2=0.41λ
/NAなる関係を満たしたことを特徴とする情報記録媒
体を提供する。
【0009】また、前記記録層13の反射率が15%以
上の相変化材料からなることを特徴とする請求項1に記
載の情報記録媒体を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いながら本発明を
説明する。図1は本発明に係る情報記録媒体の外観を示
したものであり、情報記録媒体1がディスク形状である
場合の平面図である。すなわち再生専用領域31と、記
録再生領域32が少なくとも備えられていることが示さ
れている。この図の例では、内周側に再生専用領域3
1、外周側に記録再生領域32が配置されているが、こ
の配置が逆であってもよい。そしてこれら2つの領域は
互いに重なることなく形成されており、後述するように
若干のギャップが存在してもよい。また再生専用領域3
1と記録再生領域32とがそれぞれ複数配置されていて
もよい。
【0011】図2は本発明に係る情報記録媒体の断面図
で、本発明の実施例の最も基本的な構成を図示したもの
である。なお、図2に示す情報記録媒体は外観上、従来
の技術と同様であることから同じ図面を使用して説明す
る。
【0012】すなわち情報記録媒体1は、少なくとも支
持体10、記録層13、樹脂層14から構成されてい
る。そして支持体表面(記録層13との界面)には微細
パターンが形成されており、再生専用領域31に相当す
る部分には微細パターン11が、記録再生領域32に相
当する部分には微細パターン12が互いに重なることな
く形成されている。
【0013】また、微細パターン11は深さd1、微細
パターン12は深さd2を有している。なお、これら2
つの微細パターン11の深さd1、及び、微細パターン
12の深さd2は互いに異なっており、後述するプッシ
ュプル出力範囲が得られるような深さとする。
【0014】支持体10と記録層13、樹脂層14は互
いに平行に形成されており、記録層13と樹脂層14
は、再生専用領域31と記録再生領域32の少なくとも
全領域を、途切れることなく連続して被着している。な
お、光による記録や再生は記録層13に対して行われる
が、対物レンズ(開口数NA)によって絞り込まれたレ
ーザー光(波長λnm)をどちらから照射するか、すな
わち支持体10側から入射するか、樹脂層14側から入
射するかは任意である。そして光の入射する通路、すな
わち光路は波長λに対して所定の屈折率nを持ち、この
屈折率nによって実効的な光学長が決まる。図2では、
一例として支持体10を光路として図示しているが、図
3に示すように樹脂層14を光路とすることも可能であ
る。これら光路の屈折率nは、従来の光ディスクとの互
換性の点から、1.4〜1.7であることが望ましく、
更には1.45〜1.65であることがより望ましい。
また、その複屈折をダブルパスにて100nm以下とす
れば、再生出力変動が充分に抑えられるので更に望まし
い。
【0015】支持体10の材料としては、強度のある合
成樹脂や各種セラミックを用いることができる。具体的
にはポリカーボネートやポリメチルメタクリレート、ポ
リスチレン、ポリカーボネート・ポリスチレン共重合
体、ポリビニルクロライド、脂環式ポリオレフィン、ポ
リメチルペンテン、ポリアセテート樹脂及びこれらの樹
脂骨格を有する各種共重合体、ブロック重合体などの合
成樹脂やソーダアルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス、
石英ガラスなどの各種セラミックを用いることができ
る。
【0016】また記録層13は反射率10%(波長λに
おいて)以上の記録材料から少なくともなるものであ
る。具体的には追記型記録(1回のみ記録)が可能な記
録材料として、シアニン色素、フタロシアニン色素、ナ
フタロシアニン色素、アゾ色素、ナフトキノン色素など
の色素材料を用いることができる。また、オーバーライ
ト可能な記録材料として、いわゆる相変化記録材料や光
磁気記録材料の使用が可能である。相変化記録材料の代
表的なものとして、インジウム、アンチモン、テルル、
セレン、ゲルマニウム、ガリウム、ビスマス、白金、
金、銀、銅、錫、硫黄、砒素、アルミニウムなどから選
択してなる合金(合金とは酸化物、窒化物、炭化物の例
を含む)がある。また、光磁気記録材料の場合には、遷
移金属と希土類を少なくとも含む合金であり、テルビウ
ム、コバルト、鉄、ガドリニウム、ネオジム、ジスプロ
シウム、ビスマス、パラジウム、サマリウム、ホルミウ
ム、プロセオジム、マンガン、チタン、パラジウム、エ
ルビウム、イッテルビウム、ルテチウム、クロム、錫、
白金などから選択してなる合金(合金とは酸化物、窒化
物、炭化物の例を含む)がある。なお、これら記録層1
3は多層化してもよく、性能向上の目的で光学干渉膜
(SiN、SiC、SiO、ZnS、ZnSSiO、A
lO、GeN、MgF、InO、ZrOなど)や光反射
膜(アルミニウム、金、銀、チタンなど)を併せて積層
してもよいものである。また、高密度記録再生を行うた
めに、公知の超解像マスク膜やコントラスト増強膜を併
用して積層してもよい。
【0017】また樹脂層14は、記録層13を化学的、
物理的にガードするものであり、熱硬化樹脂、紫外線硬
化樹脂、可視光の例を含む各種放射線硬化樹脂や電子線
硬化樹脂、湿気硬化樹脂、複数液混合硬化樹脂などから
選択して用いることができる。そして必要に応じ樹脂層
14上に印刷を施してもよいものである。
【0018】図5は本発明に係る情報記録媒体の平面図
であり、特に再生専用領域31と記録再生領域32の境
界付近を拡大して模式的に示している図である。2つの
領域の間には情報記録媒体1の製造上から生じる距離G
なるギャップがある。記録再生装置はピックアップ等を
強制駆動して、この距離をジャンプすることが原理的に
可能であり、実験によれば距離Gを25μm以下とする
ことでこのジャンプ動作を円滑に行うことができる。
【0019】再生専用領域31の微細パターン11は、
いわゆるカッティングの記録手法によって刻まれたピッ
ト21群であり、この連続によってトラックが構成され
ている。後述する記録再生領域32に用いるような微細
パターン12であるグルーブ22は、この再生専用領域
31の中には形成されていない。なお、それぞれのトラ
ックの間隔はP1となっている。ピット21は公知の変
調方式によって変調されて、各種長さのピットとして形
成される。そのうち再生信号品質と深く関係する最短ピ
ット長をL1とする。このとき、これらピット21には
カッティング記録時に正弦波偏向をかけることによって
得られる、いわゆるウオブルと呼ばれる蛇行を与えても
よい。それはCLV(線速度一定)記録されたウオブル
や、CAV(角速度一定)記録されたウオブルであって
もよいものである。なお、この再生専用領域31には、
ユーザーが書き換えることのできない特定のコード等を
記録する。特定のコードとは、暗号作成のためのキー
や、暗号解読のためのキー、記録許可コード、記録拒否
コード、ディスクの種類を示すコード、1枚毎に異なる
ディスクシリアル番号などである。このほか、従来の再
生専用ディスクと同様にいわゆる導入信号(リードイン
信号)を記録してもよい。
【0020】また記録再生領域32の微細パターン12
は、グルーブ22群であり、この連続によってトラック
が構成されている。なお、グルーブ22の間は一般にラ
ンド23と呼ばれ、それぞれのトラックの間隔はP2と
なっている。なお、このグルーブ22にもカッティング
記録時に正弦波偏向をかける、いわゆるウオブルと呼ば
れる蛇行を与えてもよい。それはCLV(線速度一定)
記録されたウオブルや、CAV(角速度一定)記録され
たウオブルであってもよいものである。またアドレス番
地を付与するためのアドレスピットをグルーブ間に配置
してもよい。
【0021】なお、ここでユーザーによる情報の記録に
ついて説明しておくと、記録は図6に示すように行われ
る。すなわちグルーブ22の中に記録ビームを絞り込む
ことによって、マーク24が形成される。マーク24は
公知の変調方式によって変調されて、各種長さのマーク
24として形成される。そのうち再生信号品質と深く関
係する最短マーク長をL2とする。なおグルーブ22の
間は一般にランド23と呼ばれるが、図7に示すよう
に、このランド23にマーク24を書き込んでもよい。
また図示はしないが、グルーブ22とランド23の両方
にマーク24を書き込んでもよい。
【0022】なお、再生専用領域31と記録再生領域3
2に用いる公知の変調方式とは、最短ピット長(マーク
長)を2T、3T、4T、5Tなどのいずれかとした信
号であって、例えば最短ピット長(マーク長)を2Tと
した信号系では、8/12変調といった、2T〜8Tま
での信号からなる信号系を用いることができる。また例
えば最短マーク長を3Tとした信号系では、8/14変
調、8/15変調、8/17変調といった、3T〜11
Tまでの信号からなる信号系や、8/16変調といった
3T〜11Tまでの信号及び14T信号からなる信号系
を扱うことができる。これら2つの領域で、これら信号
は異なる変調方式をとってもよいが、記録再生プレーヤ
ーの利便性を考えると、同一の変調方式であることが望
ましい。また同様の理由により、P1=P2とすること
が望ましい。なお、情報記録媒体1をできる限り高密度
・大容量とするためには、これらP1、P2は小さくす
る必要がある。しかしながら再生スポットサイズ(λ/
NA)は有限であるために、自ずと限界がある。具体的
には再生スポットサイズより小さいと隣接トラックから
の信号漏れこみ(クロストーク)が発生し、再生信号の
品質が劣化する。その成分はノイズであり、信号に重畳
されるためにある程度以下にすることが求められる。本
発明なる情報記録媒体1の場合、再生専用領域31と記
録再生領域32の両方について考える必要があり、両者
で最適化すると再生スポットの68.5%がトラックピ
ッチの限界となる。すなわちP1=P2=0.685λ
/NAである。
【0023】さて、再生専用領域31と記録再生領域3
2の領域横断再生を可能にするために、本発明に係る情
報記録媒体1ではそれぞれの領域の深さd1と深さd2
を調節して、所定のプッシュプル信号が得られるように
する。所定のプッシュプル信号とは、再生専用領域31
のプッシュプル信号出力をT1、記録前の記録再生領域
32のプッシュプル信号出力をT2とすると、 T1≧0.1 T2≧0.1 1.5≧T1/T2≧0.5 なる関係を同時に満たすものである。また領域横断再生
をより安定にするための望ましい範囲としては、 T1≧0.2 T2≧0.2 1.4≧T1/T2≧0.6 なる関係を同時に満たすものである。
【0024】なお、本発明に係る情報記録媒体における
トラッキング信号の範囲は、実際にプレーヤーに装着し
てプッシュプル法による再生を行った際の限界値を求め
ることによって得られたものである。表1にその結果を
示すが、再生専用領域31のトラッキング性能をT1に
ついて調べると、0.08以下ではトラッキングが全く
不可能であった。
【0025】
【表1】
【0026】また、記録再生領域32のトラッキング性
能をT2について調べると、表2に示すように同様であ
った。
【0027】
【表2】
【0028】以上のことから、T1、T2ともに0.1
以上の値が必要である。なお、情報記録媒体1に埃や傷
が付いた場合を想定すると0.2以上が望ましいもので
ある。
【0029】また、2領域の連続再生性は、記録プレー
ヤーのサーボ回路のダイナミックレンジに限界があるこ
とに起因している。つまりT1とT2の差は少ないこと
が求められる。そこでT1≧0.2、T2≧0.2を満
たす情報記録媒体1について、各種T1/T2のディス
クサンプルについて2領域の横断再生を行って、限界値
を求めた。表3に示すようにT1/T2が0.5〜1.
5の範囲とする場合に2領域横断再生が可能となった。
なお、情報記録媒体1に埃や傷が付いた場合を想定する
と0.6〜1.4の範囲が望ましいものである。
【0030】
【表3】
【0031】なお、プッシュプル信号出力の定義は以下
のようになっている。すなわち、記録再生装置のピック
アップには4分割のフォトディテクターが用いられてい
るが、それぞれの出力を加減乗除することによって生成
される信号である。図9は上述したような4分割ディテ
クター9の模式図である。図5乃至図8に対応して縦軸
は半径方向、横軸を接線方向(トラック方向)としてい
る。4分割ディテクター9の再生出力はそれぞれIa、
Ib、Ic、Idとなっている。このとき、AC結合に
よって内周側と外周側の差分、すなわち|(Ia+I
b)−(Ic+Id)|を測定し、続いてDC結合によ
って総和、すなわち|(Ia+Ib+Ic+Id)|を
測定する。プッシュプル信号Tは、これらの比であり、 T=|(Ia+Ib)−(Ic+Id)|/|(Ia+I
b+Ic+Id)| で定義される。
【0032】以上、詳述したように、本発明は再生専用
領域31と記録再生領域32を少なくとも有する情報記
録媒体1であって、2領域横断再生を行うことを可能と
するために、プッシュプル信号出力をある所定の範囲と
したものである。また本発明はプッシュプル信号出力を
所定の範囲とするために、情報記録媒体1の再生専用領
域31の深さd1、記録再生領域32の深さd2を最適
化するものである。さらに両領域の再生信号の品質(ジ
ッター)を良好とするために、情報記録媒体1の再生専
用領域31の深さd1と最短ピット長L1、記録再生領
域32の深さd2と最短マーク長L2をより最適化する
ものである。特に塵埃などの付着環境下であっても安定
なトラッキングを確保し、同時に再生信号の品質(ジッ
ター)を良好とするためには、nd1/λを0.12〜
0.175とし、nd2/λを0.035〜0.10と
し、さらにL1をL2よりも10%程度長くすることに
よって達成される。
【0033】実施例1 次に本発明の実施例を説明する。図1はλ650nm、
NA0.6のピックアップを用いて再生する情報記録媒
体1の平面図であり、内周にリング状に形成された再生
専用領域31と、リング状に形成された記録再生領域3
2とが備えられている。その断面図は図4のようになっ
ており、記録層13と樹脂層14が、共に再生専用領域
31と記録再生領域32の2領域を連続して被着してい
る。支持体10にはポリカーボネート(λ650nmに
おける屈折率nは1.58)、記録層13は相変化材料
であり、反射率15%以上のアンチモンとテルルと融点
1100℃以下の金属とを含む合金を用いた。具体的に
は例えば銀・インジウム・アンチモン・テルル合金(A
gInSbTe)であり、これを誘電体(ZnSSiO
など)でサンドイッチし、さらにアルミ合金反射膜を積
層して、記録層とした反射率18〜30%の記録層13
である。樹脂層には紫外線硬化樹脂を用い、ダミー支持
体15と接着した。
【0034】また、支持体表面の微細構造は、図8のよ
うになっている。図8は記録前の微細構造11、12を
模式的に示した図である。再生専用領域31と記録再生
専用領域32のギャップGは、25μmで構成されてい
る。再生専用領域31に相当する微細構造11は、CL
Vによってスパイラル記録されたものである。具体的に
は正弦波ウオブルされたピット21であり、そのウオブ
ル蛇行幅は0.009〜0.017μm程度となってい
る。またピット21のトラックピッチP1は平均して
0.74μm(P1=0.685λ/NA)となってい
る。記録変調方式には8/16変調を用い、その最短ピ
ット長L1は0.40μm(L1=0.37λ/NA)
となっている。
【0035】記録再生領域32はCLVによって記録さ
れた正弦波ウオブルグルーブ22と、溝壁面に接して設
けられたランド23上のアドレスピット25から構成さ
れている。これらグルーブ22とアドレスピット25も
スパイラル状に形成されている。このウオブルの蛇行幅
は0.009〜0.017μmとなっている。また、グ
ルーブ22のトラックピッチP2は平均して0.74μ
m(P2=0.685λ/NA)となっている。なお、
アドレスピット25は、記録時に有用となるアドレスを
記録したピットであり、内周から外周まで、一定の法則
に従って、記録されているものである。また図示はしな
いが、記録はグルーブ22の中にマークを形成すること
で行われる。記録変調方式には、再生専用領域11と同
じ8/16変調を用い、その最短マーク長L2は0.4
4μm(L2=0.41λ/NA)となっている。
【0036】さて、このような情報記録媒体1におい
て、λ650nm、NA0.6のピックアップを用いて
再生するときに、プッシュプル出力範囲、すなわち、T
1≧0.2、T2≧0.2、1.4≧T1/T2≧0.
6を実施するには2つの領域の微細構造深さd1,d2
を最適化するのが効果的である。
【0037】図10はこのような情報記録媒体1につい
て、深さd1に対するT1の値を調べたものである。横
軸はd1×nをλで除した値(nd1/λ)、縦軸はT
1を表しているが、T1はd1の正弦関数で表される。
この図に従えば、T1≧0.2を実現するために、nd
1/λを0.075〜0.175とすればよい。なお、
再生ジッター(時間軸方向のゆらぎ)はnd1/λが
0.25に近付くほど低くなるので、深さとしてはnd
1/λ=0.12〜0.175が適している。
【0038】また、図11はこのような情報記録媒体1
について、d2に対するT2の値を調べたものである。
T2も同様にd2の正弦関数で表されるが、グルーブの
場合、T1の約2倍の値をとる。この図に従えば、T2
≧0.2を実現するために、nd2/λを0.035〜
0.215とすればよい。なお、この情報記録媒体1に
記録を行って再生するときにジッターはnd2/λが0
に近付くほど反射率が向上し低くなるので、深さとして
はnd2/λ=0.035〜0.12が適している。
【0039】なお、再生ジッターはJIS−X−624
1附属書Fに従って求めることができ、この規格によれ
ば再生ジッターは8%以下であることが求められる。つ
まりこれ以上では再生信号の読み取り時の外乱(ディス
クチルトなど)に弱くなるので相応しくない値である。
実際に記録再生を行って、このような観点から最適化す
ると、nd1/λ及びnd2/λの範囲は、 nd1/λは0.12〜0.175(この時T1は0.
2〜0.22) nd2/λは0.035〜0.10(この時T2は0.
2〜0.42) となる。
【0040】また、T1/T2を0.5〜1.5とする
ためには、図10と図11を参照しながら上記範囲の中
から選択することができる。この実施例ではnd1/λ
=0.175とし、nd2/λ=0.06とした。この
ときT1=0.2、T2=0.31となり、T1/T2
=0.65が得られた。この結果、本発明なるプッシュ
プル条件(T1≧0.2、T2≧0.2、1.4≧T1
/T2≧0.6)を満たすことができた。なおこの時再
生ジッターは、再生専用領域31については6.8%、
記録再生領域32については6.2%であり、共に充分
な値が得られた。また2つの領域間の連続再生を行って
みたところ、2領域間を問題なくジャンプできることが
確認できた。
【0041】実施例2 nd1/λ=0.12、nd2/λ=0.08とした他
は、実施例1と同じにした。また2領域のギャップGは
0.74μm(=P1=P2)とした。このときT1=
0.25、T2=0.37となり、T1/T2=0.6
8が得られた。この結果、本発明なるプッシュプル条件
(T1≧0.2、T2≧0.2、1.4≧T1/T2≧
0.6)を満たすことができた。なお、この時再生ジッ
ターは、再生専用領域31については8.0%、記録再
生領域32については6.5%であり、共に充分な値が
得られた。また2つの領域間の連続再生を行ってみたと
ころ、2領域間を問題なくジャンプできることが確認で
きた。
【0042】実施例3 nd1/λ=0.12、nd2/λ=0.10とした他
は、実施例1と同じにした。また2領域のギャップGは
0.74μm(=P1=P2)とした。このときT1=
0.25、T2=0.42となり、T1/T2=0.6
が得られた。この結果、本発明なるプッシュプル条件
(T1≧0.2、T2≧0.2、1.4≧T1/T2≧
0.6)を満たすことができた。なお、この時再生ジッ
ターは、再生専用領域31については8.0%、記録再
生領域32については7.8%であり、共に充分な値が
得られた。また2つの領域間の連続再生を行ってみたと
ころ、両領域境界で停止することなく、連続再生できる
ことが確認できた。
【0043】実施例4 nd1/λ=0.12、nd2/λ=0.035とした
他は、実施例1と同じにした。また2領域のギャップG
は0.74μm(=P1=P2)とした。このときT1
=0.25、T2=0.2となり、T1/T2=1.3
が得られた。この結果、本発明なるプッシュプル条件
(T1≧0.2、T2≧0.2、1.4≧T1/T2≧
0.6)を満たすことができた。なお、この時再生ジッ
ターは、再生専用領域31については8.0%、記録再
生領域32については5.7%であり、共に充分な値が
得られた。また2つの領域間の連続再生を行ってみたと
ころ、両領域境界で停止することなく、連続再生できる
ことが確認できた。
【0044】以上、本発明について4つの実施例を示し
たが、これらは発明の基本事項を示すための説明であ
り、本発明はこれに限定されるものではない。図面で示
した実施例はお互いに構成要素を入れ替えることも可能
であるし、本文で記載した別の構成要素と交換すること
も可能である。例えば実施例1、2ではディスク状の情
報記録媒体1を例示したが、図12に示すようなバンド
状に形成された再生専用領域31と、バンド状に形成さ
れた記録再生領域32とを備えたカード状の情報記録媒
体1であってもよい。また図13に示すようなリング状
に形成された再生専用領域31と、リング状に形成され
た記録再生領域32とを備えたカード状の情報記録媒体
1であってもよい。
【0045】また、例えば実施例1、2では記録層13
に相変化記録材料を用いたが、これに限定されるもので
はなく、光磁気記録材料や追記型記録材料(色素材料な
ど)についても適応できるものである。
【0046】更に、再生又は記録再生に使用するレーザ
ー波長は650nmとしたが、これに限定されるもので
はなく、例えば830、635、515、460、43
0、405、370nmなどやその付近などでも可能で
ある。またレンズ開口数NAは,0.60以外に、0.
4、0.45、0.55、0.65、0.7、0.7
5、0.8、0.85、0.9などでも可能である。ま
たソリッドイマージョンレンズに代表される1以上の開
口数でも可能である。
【0047】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明に係る情報
記録媒体1は再生専用領域31と記録再生領域32を少
なくとも有し、それぞれのプッシュプル信号出力をある
所定の範囲とすることによって、2領域間の横断再生を
行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るディスク状情報記録媒体を示す平
面図である。
【図2】本発明、及び従来技術に係る情報記録媒体を示
す断面図である。
【図3】本発明に係る情報記録媒体を示す断面図であ
る。
【図4】本発明に係る情報記録媒体を示す断面図であ
る。
【図5】本発明に係る情報記録媒体の再生専用領域と記
録再生領域の境界付近を示す平面図である。
【図6】本発明に係る情報記録媒体の再生専用領域と記
録再生領域の境界付近を示す平面図である。
【図7】本発明に係る情報記録媒体の再生専用領域と記
録再生領域の境界付近を示す平面図である。
【図8】本発明に係る情報記録媒体の再生専用領域と記
録再生領域の境界付近を示す平面図である。
【図9】本発明に係る情報記録媒体の記録再生に用いる
4分割ディテクターを示す図である。
【図10】本発明に係る情報記録媒体の再生専用領域の
深さd1とプッシュプル出力T1の関係を示す図であ
る。
【図11】本発明に係る情報記録媒体の記録再生領域の
深さd2とプッシュプル出力T2の関係を示す図であ
る。
【図12】本発明に係るカード状情報記録媒体を示す平
面図である。
【図13】本発明に係る別のカード状情報記録媒体を示
す平面図である。
【符号の説明】
1 情報記録媒体 10 支持体 11 再生専用領域 12 記録再生領域 13 記録層 14 樹脂層 15 ダミー支持体 21 ピット 22 グルーブ 23 ランド 24 記録マーク 25 アドレスピット 31 再生専用領域 32 記録再生領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/24 563 G11B 7/24 563A 565 565A 565L 565K

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】波長λ、開口数NAにより作られる光スポ
    ットによって再生され、屈折率nなる支持体、反射率1
    0%以上の記録層、樹脂層から少なくとも構成される情
    報記録媒体であって、 前記支持体には、少なくとも再生専用領域と記録再生領
    域が互いに重なることなく形成され、 前記記録層と前記樹脂層は、少なくとも前記再生専用領
    域と前記記録再生領域の2領域を連続して被着してお
    り、 前記再生専用領域から再生されるプッシュプル信号出力
    T1と、記録前の前記記録再生領域から再生されるプッ
    シュプル信号出力T2とが、共に0.2以上であり、且
    つ1.4≧T1/T2≧0.6であり、 前記再生専用領域は深さd1、トラックピッチP1のピ
    ット、前記記録再生領域は深さd2、トラックピッチP
    2のグルーブから主に構成され、 nd1/λ=0.12〜0.175、且つnd2/λ=
    0.035〜0.10、且つP1=P2=0.685λ
    /NAなる関係を満たし、 前記再生専用領域の前記ピットの最短長さをL1が、L
    1=0.37λ/NAであり、 記録後の前記記録再生領域に記録されたマークの最短長
    さをL2が、L2=0.41λ/NAなる関係を満たし
    たことを特徴とする情報記録媒体。
  2. 【請求項2】前記記録層の反射率が15%以上の相変化
    材料であることを特徴とする請求項1に記載の情報記録
    媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008112566A (ja) * 2002-01-22 2008-05-15 Matsushita Electric Ind Co Ltd 情報記録媒体、記録装置、再生装置、記録方法、再生方法

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JP2008112566A (ja) * 2002-01-22 2008-05-15 Matsushita Electric Ind Co Ltd 情報記録媒体、記録装置、再生装置、記録方法、再生方法
JP4536769B2 (ja) * 2002-01-22 2010-09-01 パナソニック株式会社 情報記録媒体および記録パワー決定方法

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