JP2002042130A - 三次元オブジェクトの解析方法及びシステム - Google Patents

三次元オブジェクトの解析方法及びシステム

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JP2002042130A
JP2002042130A JP2000221562A JP2000221562A JP2002042130A JP 2002042130 A JP2002042130 A JP 2002042130A JP 2000221562 A JP2000221562 A JP 2000221562A JP 2000221562 A JP2000221562 A JP 2000221562A JP 2002042130 A JP2002042130 A JP 2002042130A
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Aksimentiev Olexi
オレキシイ・アクシメンティエブ
Biben Thierry
ティエリー・ビベン
Horist Robert
ロバート・ホリスト
K Murutei Suniru
スニル・ケー・ムルティ
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 三次元オブジェクトの解析を効果的に行える
ことを課題とする。 【解決手段】 本発明では、三次元格子スカラー場を含
む空間は、錘体に分割され、錘体内のサーフェスは多角
形で表現され、この多角形は調べられて、錘体頂点の場
の値によって、図1における7つのケースのうちの1つ
に分類される。錘体内のオイラー標数は、面と頂点の数
の合計から多角形の辺の数を引いたものとして計算され
る。全オイラー標数の値は、錘体すべてのオイラー標数
を合計することにより計算される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、三次元オブジェク
トの解析方法・システムに係り、パターンの物理的特性
に基づいた、複雑な幾何学的形状の三次元パターン形状
の定量的な特徴付けと、パターンに関連するデータの処
理および変換とに関する。さらに、本発明は特に、積分
幾何学の原理に基づいて、かかるパターンならびにそれ
に関連するデータの処理による三次元オブジェクトの解
析方法・システムに関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、X線コンピュータ化スキャ
ナ、Transmission Electron Micro-tomography、磁気共
鳴画像(MRI)スキャナ、共焦レーザ光学顕微鏡を使
用して、実験的に得られる画像、またはコンピュータシ
ミュレーションの結果得られる画像の処理に関する多く
のシステムでは、総合的であるが曖昧でない方法で三次
元画像を区別し特徴付ける必要がある。このようなタス
クでは、たとえば図18及び図19の相分離のシミュレ
ーション中に発生する画像のように、画像が複雑なサー
フェスを備える場合に、誤差が生じやすく、時間がかか
る。
【0003】このような複雑な幾何学的形状の三次元オ
ブジェクトの解析は、オイラー標数を計算することで容
易になる。オイラー標数は、パターンの結合性を記述す
る形態的尺度である。三次元スカラー場におけるパター
ン(すなわち、スカラー量の三次元分布)は、場がある
一定の値を有するところにサーフェスを描くことによ
り、すなわち等値面を描くことにより、形成できる。こ
のようにして、場の値がより高い、またはより低い領域
が画定される。閉面(closed surface)のオイラー標数
は、χ=2(1−g)として、そのサーフェスの種数に
関連する。種数は、非常にわかりやすい解釈を有する、
すなわち、閉面に関して種数とはサーフェスの穴の数で
ある。このため、球は、g=0(χオイラー=2)、ト
ーラスg=1(χオイラー=0、かつプレッツェル(pr
etzel)g=2(χオイラー=−2)である。大きな負
のオイラー標数は、高度に相互結合された形態を表す。
対して、結合されていない領域の形態は、結合されてい
ないサーフェス系のオイラー標数は、個々のサーフェス
のオイラー標数の合計に等しいため、大きな正のオイラ
ー標数によって特徴付けられる。したがって、オイラー
標数の計算により、パターンのタイプおよび複雑さを特
徴付けることができ、自動パターン解析、処理および認
識システムにおいて有用である。また、オイラー標数で
は、正と負のオイラー標数間の交差(crossover)が、
パーコレーションを意味する時に、パーコレーション問
題の研究を容易にするため、材料科学において有用であ
りうる。スカラー場が空間分布の密度を記述する場合、
オイラー標数は、系の機械的特性、拡散輸送および導電
性を決定する。
【0004】複雑な三次元オブジェクトの研究において
オイラー標数を用いることは、重要な利点がある。材料
科学分野でしばしば出くわす複雑な三次元オブジェク
ト、例えば図18、図19の相分離が行われているシス
テムにおける成分密度の時間に依存している空間分布を
考えてみよう。このようなオブジェクトの形態を特徴づ
ける伝統的方法は、散乱パターンを用いて形態を評価す
ることである。この方法は不経済(高価)であり、相互
間の連結が強く「バイコンティニュアス」(図18)で
ある形態と非連続「ドロップレット」(図19)である
形態を区別するのはほぼ不可能である。しかしながら、
図18では共連結の形態が大きくて負であり、図19に
見られる小滴数(ドロップレット)は正であるオイラー
標数を計算することで両タイプの形態を自動的に区別す
るのは簡単な事である。このように、オイラー標数を計
算する事で三次元オブジェクトのパターンの連続性を簡
単に安価な方法で特徴づけられる。図19のような非連
続オブジェクトより成る三次元システムにおいてオイラ
ー標数は、実際にオブジェクトを分割しないで分割オブ
ジェクトの数を予測するのに有用である。同様な理由
で、どのように複雑な三次元オブジェクトにも適用でき
る。複雑な形態のいくつかの例は、多孔性材料、ゼオラ
イト、複合材料、生物組織、例えば化学の拡散反応シス
テムにおこる不規則な空間ー時間的な型(パターン)で
ある。 <従来の方法>オイラー標数は通常、2つの方法、すな
わち(i)ガウス‐ボネ(Bonnet)の定理(式(1))
を用いて、(ii)オイラーの公式を用いて、計算され
る。ガウス−ボネの定理については、次の一般的な文献
が挙げられる。
【0005】文献1:D.Hilbert, Geometry and the Im
agination,(Chelsea Publishers, New York,1952) 文献2:H.Jinnai, Y.Nishikawa,T.Hashimoto,Phys.Re
v. E,59,2554(1999) 文献3:Y.Nishikawa,H.Jinnai,T.Koga,T.Hashimoto,S.
T.Hyde,Langmuir,14,1242(1998) 文献4:K.S.Mecke,International Jornal of Modern P
hysics B,12,861(1998) 文献5:V.Sofonea,K.R.Mecke,Eur.Phys.J.B,8,99(199
9) また、オイラーの公式については、上記文献1〜5に加
え、次の一般的な文献が挙げられる。
【0006】文献6:D.A.Hoffman,J.Phys.(Paris)Colo
q.,51,c7-197(1990) 文献7:W.T. Gozdz,R.Holyst,Phys.Rev.E,54,5012(199
6) 文献8:R.Holyst,W.T.Gozdz,J.Chem Phys.,106,4773(1
997) A.ガウス‐ボネの定理に基づく技法 閉面のオイラー標数χは、ガウス‐ボネの定理を介し
て、局所ガウス曲率K(r)に関連する。
【0007】
【数1】
【0008】ここで、サーフェスにわたる積分がとられ
る。式(1)における局所曲率および積分を計算するた
めに、多数の異なる方式が提案されている。 <導関数の直接離散化>点rにおけるガウス曲率は、
【0009】
【数2】
【0010】として与えられる。式中、n(r)は、場
φ(r)の勾配によって与えられる点rでの単位法線ベ
クトルである。
【0011】
【数3】
【0012】数値計算においては、以下の公式が用いら
れる(前記文献7参照)。
【0013】
【数4】
【0014】式中、AおよびCは、
【0015】
【数5】
【0016】
【数6】
【0017】によって与えられる。オイラー標数を計算
する最も簡単な方法は、式(1)においてサーフェスの
積分を無視し、局所曲率を合計して、その合計をサンプ
リング点の数で除算して、平均ガウス曲率を計算するこ
とである。
【0018】
【数7】
【0019】そうすると、オイラー標数は、χ=(1/
2π)<K>Sである(式中、Sは全サーフェスの面積
である)。より厳密なアプローチでは、あるサーフェス
の面積にサンプリング点がそれぞれ割り当てられ、式
(1)の積分が計算される。
【0020】これらの方式では、サーフェスの点におけ
る二次導関数および混合の導関数(mixed derivative)
を計算する必要があり、これにより通常、離散格子につ
いて計算を行う際に、精度が落ちる。さらに、式(1)
の積分を計算する、または全サーフェスの面積Sを計算
するために、サーフェスを三角形分割する必要がある。 <微分幾何学の第1および第2の基本形に基づく方法>
この方法では、局所ガウス曲率が、微分幾何学(文献2
参照)の第1および第2の基本形を使用して計算され
る。サーフェスは、考慮する点(POI:Pointof Inte
rest)付近で、p(u,v)とパラメータで表される
(図2参照)。座標(u,v)は、POIがp(u,
v)=(0,0)に配置されるようにサーフェス上に任
意に設定される。微分幾何学の第1および第2の基本形
は、
【0021】
【数8】 I=Edudu+2Fdudv+Gdvdv 式(8) および
【0022】
【数9】 H=Ldudu+2Mdudv+Ndvdv 式(9) と表現される。式中、パラメータE、F、G、L、Mお
よびNは、サーフェスの局所助変数方程式の偏導関数に
関連する。
【0023】
【数10】 E=pu・pu、F=pu・pv、G=pv・pv L=puu・e、M=puv・e、N=pvv・e 式(10) 式中、eはe=pu×pv/|pu×pv|と定義される、P
OIでのサーフェスに対する単位ベクトル法線であり、
記号pは偏導関数を表す。平均Hおよびガウス曲率K
は、以下のように表現される。
【0024】
【数11】 H=(EN+GL−2FM)/(2(EG−F2)) K=(LN−M2)/(EG−F2) 式(11) サーフェスはまず、puおよびeを含む平面で「分割」
される。平面とサーフェスとの交点は、p(u,0)と
して定義される。パラメータEおよびLはp(u,0)
から決定される。次に、サーフェスがp(0,v)を定
義する第2の平面で分割される。ここで、F、G、およ
びNを計算できる。式(10)および式(11)からM
をなくすことにより、次の式が得られる。
【0025】
【数12】 f(i,K,H)≡0=4F2 i{Lii−K(Eii−F2 i)}−{Eii +Gii−2H(Eii−f2 i)}2 式(12 ) 式中、記号iは、曲線座標のi番目のセットを表す。局
所ガウス曲率は、所与の点で多数のセクションが作成さ
れた(これは、局所座標(u,v)の異なるセットに相
当する)後に、非線形回帰近似を用いることにより、決
定される。オイラー標数は、上述したように計算され
る。
【0026】原理上、この方法は、導関数計算がサーフ
ェスの同一点について数回行われるため、直接導関数離
散化方法よりも正確である。それにもかかわらず、この
方法は、オイラー標数の近似値をもたらすだけであり、
かつ三角形分割処理が必要である。 <平行面方法(parallel surface method)>平行面方
法は、三次元デジタル画像から界面曲率を測定するため
に発明された5。まず、界面に対する平行面が、元の界
面をサーフェスのどこの部分も同じ距離だけその法線か
ら移動させることにより、形成される(図3参照)。サ
ーフェスの無限に小さい平行シフトにおけるサーフェス
の面積の変化は、
【0027】
【式13】 A(t)=A(0)(1+2〈H〉t+〈K〉t2) 式(13) である。式中、tは変位であり、〈H〉および〈K〉
は、すべてのサーフェスの平均とガウス曲率の平均であ
り、A(0)およびA(t)は、平行シフトの前および
後の全サーフェスの面積である。オイラー標数は、
【0028】
【式14】 χ=(1/2π)〈K〉A 式(14) で与えられる。この方法では本質的にサーフェスを三角
形分割する必要があり、χの近似値をもたらすだけであ
る。精度を上げるために、通常多くの平行シフトが行わ
れる。 <デジタルパターン方法>デジタルパターン方法では、
実データのアレイが、ある閾値処理を用いて、ピクセル
パターンに変換される。その後、格子が黒および白のピ
クセルでカバーされる。局所曲率変数が、黒ピクセルそ
れぞれの角に割り当てられる(前記文献4参照)(たと
えば、図4参照)。オイラー標数は、黒領域および白領
域の間の境界上の曲率変数を合計することにより、得ら
れる。しかし、閾値処理により生じる情報の損失は、領
域の境界が曖昧に引かれる場合に、いくつかの特定の状
況を引き起こす。図5は、そういった状況のうちの1つ
を示す。界面の実際の形態は、格子サイトの場の値によ
って決定される。しかし、閾値処理の後、領域の境界を
見つけることはできない。二次元システムでは、これら
の曖昧な状況を、六角形ピクセル(図6参照)を考慮す
ることにより回避することができる(前記文献5参
照)。しかし、六角形ピクセルは、特定種類のシミュレ
ーションにだけ特定することができ、実験において容易
に設計/予測することができない。三次元では、この問
題を格子を立方体以外の一定の多面体でカバーすること
により、原理上は解決できるが、シミュレーションおよ
び実験の多くは立方体の格子で行われるため、これはあ
まり実用的ではない。
【0029】要するに、デジタルパターン方法は、図5
に示すのと同様のケースに対して、オイラー標数を計算
できない。しかし、このようなケースは、データに多く
のノイズがある場合、または場の値が閾値前後に分布し
ている場合に、典型的である。 B.オイラーの方程式に基づく技法 式(1)に基づくオイラー標数の計算は、特に、システ
ムが格子上の点の集合によって表現される場合に、実用
的でない。χを計算する実用的な方法は、サーフェスを
多角形でカバーすることに関連する。そして、オイラー
標数の計算は、オイラーの公式に基づく場合に簡単であ
る。
【0030】
【式15】 χ=#F+#V−#E 式(15) 式中、#F、#V、#Eは、サーフェスによって分割さ
れるすべての多角形の面の数(#F)、頂点の数(#
V)、および辺の数(#E)である。この処理の実用的
な実現は、格子を小さな立方体に分割することで行われ
てきた(前記文献7、8参照)。図7に示す6つのケー
スが特定されている。しかし、これにすべての考えられ
るケースが含まれているわけではなく、小さな立方体に
6、7、8、9、または12の頂点がある場合、オイラ
ー標数の計算により曖昧さがもたらされる、すなわち、
点間の異なる結合により、異なる値のオイラー標数がも
たらされる(図8参照)。線形補間(前記文献8参照)
を用いて、小さな立方体をより小さな立方体にさらに分
割すると、計算の精度が向上するが、より小さな立方体
について同じ曖昧な状況が生じるため、概して問題を解
決しない。The marching cube algorithm(W.E.Lorense
n, H.E.Cline, Computer Graphics 21, 163(1986))でも
14のケースが特定されているが、同様に問題は解決さ
れていない。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、幾何
学的に複雑な三次元パターンにおいて生じるサーフェス
の定量的な特徴付けを行って三次元オブジェクトの解析
を行う方法・システムを提供することである。該方法・
システムは、空間分割法を用いてオイラー標数を計算す
る新規方法に基づく。
【0032】本発明の一目的は、正確なオイラー標数の
値をもたらすサーフェスの定量的な特徴付けによる三次
元オブジェクト解析方法・システムを提供することであ
る。本発明の一目的は、安定しているとともに計算上効
果的なサーフェス定量的特徴付けによる三次元オブジェ
クト解析方法・システムを提供することである。
【0033】
【課題を解決するための手段】発明は、オイラー標数を
計算するにあたって、正確で、安定し、計算上効果的な
方法を利用し、特に、特定の格子分割ならびに錘体にお
けるサーフェスの位置の考えられる7つのケース(図1
参照)ならびに以下の解析アルゴリズムに従って行われ
る三次元オブジェクトの解析方法・システムを提供す
る。
【0034】オイラー標数を計算する空間分割法は、オ
イラーの公式(式(15))に基づく。計算手順は以下
の通りである。まず、考慮するサーフェスを定義する。
分かり易くするために、本明細書では、φ=0で定義さ
れるサーフェスを考える。サーフェスが正確に格子サイ
トにあることはまれである。通常、サーフェスは、符号
が異なるサイト間のどこかにある。従来の方法に基づい
てオイラー標数を正確に計算するために必要な正確さで
サーフェスを配置するのは、深刻な計算上の負荷であ
る。したがって、ここで発明されるアルゴリズムでは、
サーフェスの正確な配置は無関係であることが重要であ
る。
【0035】便宜上、「作業格子」および「作業格子セ
ル」の概念を導入することが有用である。作業格子は、
空間的に分割される格子である。このアルゴリズムで使
用される作業格子は、8頂点の作業格子セルから構築さ
れることが好ましい。入力格子は、8頂点から構築され
る必要はないが、そのようなセルの組み合わせにするこ
とができる。作業セルは、入力格子セルと同一であって
もよいが、そうである必要はない。場合によっては、作
業セルを隣接する入力格子セルを2、3、4、8つなど
のセルの塊に適切にグループ化して、構築することが好
ましい場合もある。入力格子のこのような変換により、
入力データの一部だけが使用されるため、処理時間が大
幅に低減される。
【0036】次に、作業格子セルの錘体への適切な分割
が行われる。分割方式は、立方体格子だけについてこの
説明で例示しているが、同じ方式を、単位セルが8頂点
を有する、または、そのようなセルの組み合わせにする
ことができる任意の三次元格子に対して使用することが
できる。これはまた、様々なメッシュサイズのセルが含
まれる。
【0037】各立方体の中心にある追加点が導入される
と、オイラー標数が最も正確に計算される。錘体の中心
における場の値は、線形補間によって決定できる。立方
体の中心から頂点に引かれた線が、錘体の辺を形成す
る。このようにして、6つの錘体が各立方体内に形成さ
れる(図9参照)。さらに解析を行うためには、錘体の
底面の中心における場の値を決定する必要がある(図9
における(FC)丸)。粗い粒状の作業セルが用いられ
る(たとえば図10参照)と、錘体の四辺の頂点の場の
値(図10における(CC)丸)および錘体の底面の中
心における場の値(図10における(FC)丸)は、場
の値によって与えられ、さらなる補間は必要ない。これ
により、おおかた方式の分解能が下がることで処理速度
が上がる。
【0038】全体のオイラー標数の計算は、サーフェス
を含むこれらの錘体だけを考慮して行われる。このた
め、すべての頂点における場の符号が同じであるすべて
の立方体および錘体をなくすことができる。所与の錘体
の頂点、その底面の中心、および所与の錘体と底面を共
有した隣接する錘体の四辺の頂点における場の値を知る
(図11)ことで、錘体の図1に示す7つのケースのう
ちの1つへの分類が行われ、このようにして、錘体内側
のサーフェスが多角形で表現される。所与の錘体を7つ
のケースのうちの1つに分類するサブルーチンの流れ図
が図15に示され、次の項で詳細に説明される。サブル
ーチンは、上述した入力データを使用して、サーフェス
を表現する多角形の頂点の数、面の数、辺の数を計算し
て、オイラーの公式(式(15))によって決定される
所与の錘体内部にあるサーフェスの局所オイラー標数を
返す。全体のオイラー標数は、すべての錘体を合計する
ことで得られる。
【0039】この方法の変形は、作業セルを三角錘体に
分割することである。このような錘体の各面は3頂点及
び3辺を有す。たとえば、上記錘体(4辺を有す底面)
のそれぞれは図12に示すように2個の三角錘体に分割
される。オイラー標数の計算は、上記と同様に行われ
る。まず作業セルを適当な数の三角錘体に分割する。そ
して、各錘体を検査する。もしサーフェスが三角錘体内
で検出されると(頂点の場の値が異なる符号を有
す。)、図13に図示されている次の2ケースが検討さ
れる:(a)サーフェスが錘体内の三角形を交差する。(b)
サーフェスが錘体内の四角形を交差する。局所オイラー
標数がサーフェス構築のそれぞれに当てられ、すべての
錘体を合計することで全体のオイラー標数が得られる。
この方法は5頂点錘体分割法を基にする方法より速いが
正確さに欠ける。というのも図1のケース(e)及び(g)は
図13に示された2ケースの組み合わせにより再生する
事ができない。もし作業格子が三角錘体に分割される
と、それらの解析とオイラー標数の計算はサブルーチン
ANALIZAで各一組の隣接する三角錘体を5頂点錘
体(図12に図示)に組み合わせることによりなされ
る。従って、作業格子を三角錘体に分割する計算方式
は、ここに記述した方法の特例である。
【0040】以上に従い、本発明は以下を要旨とする。
空間分割技法を適用して、三次元スカラー場の等値面の
オイラー標数および関連特性を計算することで三次元オ
ブジェクトを解析する方法であって、プロセッサ、デー
タ記憶システム、少なくとも1つの入力装置、および少
なくとも1つの出力装置を備えるプログラムされたコン
ピュータで実施され、(a)ある三次元格子のノード
(i,j,k)における三次元スカラー場φ(i,j,
k)の値を入力するステップと、(b)等値面条件を、
好ましくは制約φ(i,j,k)=φ0(φ0は定数)と
して入力し、それぞれのノードにおいて場の値φ(i,
j,k)からφ0を引き算するステップと、(c)空間
分割法に関して格子を生成する(作業(work)格子)ス
テップと、(d)作業格子それぞれを4頂点または5頂
点錘体好ましくは6つの5頂点に空間分割するステップ
と、(e)6つの5頂点錐体に分割するのが好ましい場
合に、各作業格子セルの中心における場の値CCを計算
するステップであって、中心のCCは6つの5頂点錘体
それぞれの四辺の頂点である、ステップと、(f)作業
格子セル(図9)それぞれの面の中心における場の値F
Cを計算するステップと、(g)図1aから図1gに示
すように、5頂点錘体を交点の数およびタイプに関して
分類するステップと、(h)図1aから図1gに示すよ
うに、局所オイラー標数値を各ケースに割り当てるステ
ップと、(i)作業格子全体にわたって局所オイラー標
数値を合計することで、全体のオイラー標数を計算する
ステップとを含む、三次元オブジェクトの解析方法であ
る。
【0041】ここで、前記三次元スカラー場入力データ
は、任意の正則(regular)または不正則(irregular)
の三次元格子で表現され、そのセルは、8頂点である
か、または8頂点ではないが、前記8頂点のセルにする
(reduce)ことができる三次元格子セルであることが好
ましい。
【0042】さらに、前記作業格子セルは、好ましくは
1以上、好ましくは2つ、4つ、8つの格子セルの群に
適切に組み合わせられる入力三次元格子セルを含むこと
が好ましい。
【0043】また、「空間分割」は、作業格子セルを多
数の、好ましくは6つの5頂点錘体に分割することを意
味し、後者の場合、各5頂点錘体は、格子セルの中心に
ある共通の頂点と、前記作業セルの面の1つである4頂
点の底面とを有するとよい。
【0044】さらに、「空間分割」とは4頂点又は5頂
点の錘体を形成するように前記作業格子セルを分割する
ようにしてもよい。そして、前記ステップ(g)におい
て、前記5頂点錘体は、以下の手順、すなわち、(g
1)交点の数がゼロであるすべての作業格子セルをなく
す(すなわち、すべての頂点における場の値の符号が同
じである作業格子セルをなくす)サブステップと、(g
2)交点の数がゼロであるすべての錘体をなくす(すな
わち、すべての頂点における場の値の符号が同じである
錘体をなくす)サブステップと、(g3)残りの錘体を
図1に示す以下の7つのケースに分類するサブステップ
と、を含み、該7つのケースとはすなわち、 ケース1:交点の数が3であり(#I=3)、かつ5頂
点の内4頂点が同符号であるケース(図1b)、 ケース2:交点の数が4であり(#I=4)、かつ5頂
点の内4頂点が同符号であるケース(図1a)、 ケース3:交点の数が4であり(#I=4)、かつ5頂
点の内3頂点が同符号であるケース(図1d) ケース4:交点の数が5であり(#I=5)、かつ5頂
点の内3頂点が同符号であるケース(図1c) ケース5:交点の数が6であり(#I=6)、かつ当該
錐体で4つの面で構成される頂点における場の値b1
が、当該錐体の底面を共有する隣接した錐体で4つの面
で構成される頂点における場の値b2と異符号であるケ
ース(b1*b2<0)、 ケース6:交点の数が6であり(#I=6)、かつ当該
錐体で4つの面で構成される頂点における場の値b1
と、当該錐体の底面を共有する隣接した錐体で4つの面
で構成される頂点における場の値b2と、底面の中心に
おける場の値FCとが、同符号である(sign(b
1)=sign(b2)=sign(FC))ケース、 ケース7:交点の数が6であり(#I=6)、かつ当該
錐体で4つの面で構成される頂点における場の値b1
と、当該錐体の底面を共有する隣接した錐体で4つの面
で構成される頂点における場の値b2との両方が、底面
の中心における場の値FCと異符号である場合には同符
号である(sign(b1)=sign(b2)=−s
ign(FC))ケース、 とするとよい。
【0045】また、前記ステップdにおける空間分割
は、作業セルの一部だけに行われ、その後にアルゴリズ
ムのステップe、f、g、およびhが続くとともに、ス
テップhの後に、すべての作業格子セルが分割されたか
どうかをチェックし、「はい」である場合にはステップ
iに進み、「いいえ」の場合にはステップdに進んで、
まだ処理されていないセルの分割を継続する、ステップ
h’を含むようにしてもよい。
【0046】さらに、「三次元スカラー場」は特に、モ
ル比、体積分率等、または秩序パラメータ等の密度(co
ncentration)の三次元場、または密度に関連するいかな
る関数をも決定することができる。
【0047】また、「三次元スカラー場」は特に、三次
元場の密度、またはコンピュータシミュレーションの結
果得られる秩序パラメータを決定し、かかるシミュレー
ションの例は、パーコレーション現象および相分離に関
連するシミュレーションとすることができる。
【0048】また、「三次元スカラー場」は特に、光強
度の三次元場を決定することができる。さらに、「三次
元スカラー場」は特に、X線強度の三次元場を決定する
ことができる。
【0049】なお、前記5頂点錘体は、数組の4頂点錘
体を組み合わせることにより形成されるようにしてもよ
い。以上の方法を特定する各ステップは、必要に応じて
組み合わせることができる。
【0050】なお、以上の各方法における各ステップを
機能実現手段として捉えた場合に、本発明は、以下のよ
うな三次元オブジェクト解析システムとして捉えること
ができる。
【0051】すなわち、本発明のシステムは、空間分割
技法を適用して、三次元スカラー場の等値面のオイラー
標数および関連特性を計算することで三次元オブジェク
トを解析するシステムであって、プロセッサ、データ記
憶システム、少なくとも1つの入力装置、および少なく
とも1つの出力装置を備えるプログラムされたコンピュ
ータにおいて、(a)ある三次元格子のノード(i,
j,k)における三次元スカラー場φ(i,j,k)の
値を入力する手段と、(b)等値面条件を、好ましくは
制約φ(i,j,k)=φ0(φ0は定数)として入力
し、それぞれのノードにおいて場の値φ(i,j,k)
からφ0を引き算するステップと、(c)空間分割法に
関して格子を生成する(作業(work)格子)手段と、
(d)作業格子それぞれを4頂点または5頂点錘体好ま
しくは6つの5頂点に空間分割する手段と、(e)6つ
の5頂点錐体に分割するのが好ましい場合に、各作業格
子セルの中心における場の値CC(図9)を計算するス
テップであって、中心のCCは6つの5頂点錘体それぞ
れの四辺の頂点である、手段と、(f)作業格子セル
(図9)それぞれの面の中心における場の値FCを計算
する手段と、(g)図1aから図1gに示すように、5
頂点錘体を交点の数およびタイプに関して分類する手段
と、(h)図1aから図1gに示すように、局所オイラ
ー標数値を各ケースに割り当てる手段と、(i)作業格
子全体にわたって局所オイラー標数値を合計すること
で、全体のオイラー標数を計算する手段と、を含む、三
次元オブジェクトの解析システムである。
【0052】そして、前記(g)の手段において、前記
錘体は、以下の手段、すなわち、(g1)交点の数がゼ
ロであるすべての作業格子セルをなくす(すなわち、す
べての頂点における場の値の符号が同じである作業格子
セルをなくす)手段と、(g2)交点の数がゼロである
すべての錘体をなくす(すなわち、すべての頂点におけ
る場の値の符号が同じである錘体をなくす)手段と、
(g3)残りの錘体を図1に示す以下の7つのケースに
分類する手段と、を含み、該7つのケースとはすなわ
ち、 ケース1:交点の数が3であり(#I=3)、かつ5頂
点の内4頂点が同符号であるケース(図1b)、 ケース2:交点の数が4であり(#I=4)、かつ5頂
点の内4頂点が同符号であるケース(図1a)、 ケース3:交点の数が4であり(#I=4)、かつ5頂
点の内3頂点が同符号であるケース(図1d) ケース4:交点の数が5であり(#I=5)、かつ5頂
点の内3頂点が同符号であるケース(図1c) ケース5:交点の数が6であり(#I=6)、かつ当該
錐体で4つの面で構成される頂点における場の値b1
が、当該錐体の底面を共有する隣接した錐体で4つの面
で構成される頂点における場の値b2と異符号であるケ
ース(b1*b2<0)(図1e、図11)、 ケース6:交点の数が6であり(#I=6)、かつ当該
錐体で4つの面で構成される頂点における場の値b1
と、当該錐体の底面を共有する隣接した錐体で4つの面
で構成される頂点における場の値b2と、底面の中心に
おける場の値FCとが、同符号である(sign(b
1)=sign(b2)=sign(FC))ケース
(図1f、図11)、 ケース7:交点の数が6であり(#I=6)、かつ当該
錐体で4つの面で構成される頂点における場の値b1
と、当該錐体の底面を共有する隣接した錐体で4つの面
で構成される頂点における場の値b2との両方が、底面
の中心における場の値FCと異符号である場合には同符
号である(sign(b1)=sign(b2)=−s
ign(FC))ケース(図1g、図11)、 とするとよい。
【0053】上記した方法における限定要素は本システ
ムにも適用することが可能であることは言うまでもな
い。
【0054】
【発明の実施の形態】本発明のシステムを図20に示
す。プロセッサ、データ記憶システム、少なくとも1つ
の入力装置、および少なくとも1つの出力装置を備える
コンピュータに、本発明を実現するプログラムがロード
され、実行されることで、以下の機能実現手段がコンピ
ュータ上に実現される。 (a)ある三次元格子のノード(i,j,k)における
三次元スカラー場φ(i,j,k)の値を入力する三次
元スカラー場入力手段と、(b)等値面条件を、好まし
くは制約φ(i,j,k)=φ0(φ0は定数)として入
力し、それぞれのノードにおいて場の値φ(i,j,
k)からφ0を引き算する手段と、(c)空間分割法に
関して格子を生成する作業格子生成手段と、(d)作業
格子それぞれを4頂点または5頂点錘体好ましくは6つ
の5頂点に空間分割する手段と、(e)6つの5頂点錐
体に分割するのが好ましい場合に、各作業格子セルの中
心における場の値CC(図9)を計算するステップであ
って、中心のCCは6つの5頂点錘体それぞれの四辺の
頂点である、手段と、(f)作業格子セル(図9)それ
ぞれの面の中心における場の値FCを計算するFC計算
手段と、(g)図1aから図1gに示すように、5頂点
錘体を交点の数およびタイプに関して分類する分類手段
と、(h)図1aから図1gに示すように、局所オイラ
ー標数値を各ケースに割り当てる割当手段と、(i)作
業格子全体にわたって局所オイラー標数値を合計するこ
とで、全体のオイラー標数を計算するオイラー標数計算
手段とを含む。
【0055】そして、前記分類手段(g)において、前
記錘体は、以下の手段、すなわち、(g1)交点の数が
ゼロであるすべての作業格子セルをなくす(すなわち、
すべての頂点における場の値の符号が同じである作業格
子セルをなくす)手段と、(g2)交点の数がゼロであ
るすべての錘体をなくす(すなわち、すべての頂点にお
ける場の値の符号が同じである錘体をなくす)手段と、
(g3)残りの錘体を図1に示す7つのケースに分類す
る再分類手段と、を含む。 該7つのケースとはすなわ
ち、 ケース1:交点の数が3であり(#I=3)、かつ5頂
点の内4頂点が同符号であるケース(図1b)、 ケース2:交点の数が4であり(#I=4)、かつ5頂
点の内4頂点が同符号であるケース(図1a)、 ケース3:交点の数が4であり(#I=4)、かつ5頂
点の内3頂点が同符号であるケース(図1d) ケース4:交点の数が5であり(#I=5)、かつ5頂
点の内3頂点が同符号であるケース(図1c) ケース5:交点の数が6であり(#I=6)、かつ当該
錐体で4つの面で構成される頂点における場の値b1
が、当該錐体の底面を共有する隣接した錐体で4つの面
で構成される頂点における場の値b2と異符号であるケ
ース(b1*b2<0)(図1e)、 ケース6:交点の数が6であり(#I=6)、かつ当該
錐体で4つの面で構成される頂点における場の値b1
と、当該錐体の底面を共有する隣接した錐体で4つの面
で構成される頂点における場の値b2と、底面の中心に
おける場の値FCとが、同符号である(sign(b
1)=sign(b2)=sign(FC))ケース
(図1f)、 ケース7:交点の数が6であり(#I=6)、かつ当該
錐体で4つの面で構成される頂点における場の値b1
と、当該錐体の底面を共有する隣接した錐体で4つの面
で構成される頂点における場の値b2との両方が、底面
の中心における場の値FCと異符号である場合には同符
号である(sign(b1)=sign(b2)=−s
ign(FC))ケース(図1g)、とする場合であ
る。
【0056】本発明におけるアルゴリズムの方式を図1
4に示す。4つのブロックから主になる。第一ブロック
では入力スカラー場φ(i,j,k)及びイソサーフェ
ス場値φ0がコンピュータのメモリに負荷される。その
後に、各格子セルが順次分割され、サブルーチンANA
LIZAによって解析される(格子セルのサイクルが組
織化される)。一サイクルの工程の間(点線のボックス
で表示)、所与の格子セルはまず、サーフェスが存在す
るかどうかについて調べられる。サーフェスにセルが検
出されると、セルは錘体に分割される。この部分のアル
ゴリズムは図14において「錘体分割」として示されて
いる。格子分割工程の例については、次の項に記載され
ている。分割ブロックにより特定された各錘体は、与え
られた錘体に局所オイラー標数を戻すサブルーチンAN
ALIZAにより解析される(「サブルーチンANAL
IZA」ブロック)。与えられた格子セルの全ての錘体
がサブルーチンANALIZAにより調査された時に
は、次の格子セルが考慮される。サブルーチンANAL
IZAにより産出された局所オイラー標数の全ての値が
集められる。最後に、全ての格子セルが調査された後に
局所オイラ標数の合計がスカラー場のイソサーフェスφ
(i,j,k)=φ0 の全オイラー標数を得る。4番
目のブロックではアルゴリズムの出力がなされ、サーフ
ェスの全オイラ標数が戻される。
【0057】分かり易くするために、サーフェスがφ
( i,j,k)=0において定義されると想定する
(いかなる他の等値面の定義φ(i,j,k)=φ0
いて、オイラー標数は同じアルゴリズムを場φ( i,
j,k)=φ( i,j,k)−φ 0に適用することで得
られる)。
【0058】任意の格子セルを考える。セルの頂点にお
ける場の値は、φ(i,j,k)、φ(i+1,j,
k)、 φ(i,j+1,k)、 φ(i,j,k+
1)、 φ(i,j+1,k+1)、 φ(i+1,j+
1,k)、 φ(i+1,j,k+1)、 φ(i+1,
j+1,k+1)である。セルはまず、サーフェスsが
存在するかどうかについて調べる。セルの辺における場
の値の符号が異なる、たとえばφ(i,j,k)* φ
(i+1,j,k)<0である場合、サーフェスとセル
の辺の間に交点があるため、サーフェスはこの格子セル
を通過している。交点が見つからない場合、次の格子セ
ルが考慮される。
【0059】サーフェスが作業格子セル内で検出される
と、セルの空間分割が行われる。セルの6つの面それぞ
れは、錘体の底面として順次考慮される(図9参照)。
錘体の四辺の頂点は、セルの中心に配置される。この点
における場の値は、b1=(1/8)(φ(i,j,
k)+ φ(i+1,j,k)+ φ(i,j+1,k)
+ φ(i,j,k+1)+ φ(i,j+1,k+1)
+ φ(i+1,j+1,k)+φ(i+1,j,k+
1)+ φ(i+1,j+1,k+1))である(図1
1参照)。底面の頂点における場の値は、a11、a1
2、a21、およびa22であり、この面の中心におけ
る場は、FC=(1/4)(a11+a12+a21+
a22)である。さらに、所与のセルの面を共有した隣
接するセルの中心における場の値b2は、同様に計算さ
れる。 a11、a12、a21、a22、b1、b
2、およびFCは、ANALIZAサブルーチンへの入
力パラメータである。
【0060】図15は ANALIZAサブルーチンの
フローチャートである。4つのブロックからなる。第1
番目のブロック「ENTER」ではサブルーチンANA
LIZAの出力データが負荷される。これらのデータ
は、上記や図11において特定されているa11、a1
2、a21、およびa22である。第2ブロック「AN
ALIZAサブルーチン」(実線四角で表示)では、サ
ーフェスと、錘体の辺の間の交点の数、#Iと錘体内部
のサーフェスを示す多角形の頂点の数、(#V)を計算
する。第3ブロック(点線四角で表示されている)で
は、図1に示されている7ケースの内の一つに分類さ
れ、錘体内部のオイラー標数を計算する。第4ブロック
「RETURN」では、局所オイラー標数(錘体内のオ
イラー標数)がメインプログラムに戻される。
【0061】図15(交点の数#I及び頂点の数#Vの
計算)の第2ブロック「ANALIZAサブルーチン」
のフローチャートは、図16に図示されている。図1に
よると、交点の最小数は3であり、最大数は6である。
交点の数により、錘体内部のサーフェスは、図1に示す
多角形によって近似される。オイラー公式(式15)に
従ってオイラー標数を計算するために、多角形の頂点の
数(#V)、面の数(#F)、および辺の数(#E)を
見つける必要がある。まず、各交点は多角形の頂点であ
ると想定する。頂点の数は図16に示すように計算され
る。交点が錘体の底面の辺にある場合(1ー4番目の菱
形ブロックからYESを出る)、この辺は8つの隣接す
る錘体に属するため、頂点の数は1/8だけ増加する。
点b1(4辺の頂点)をa11、a12、a21、a2
2のうちの1つ(錘体の底面の頂点)と結合する辺に交
点がある場合、この辺は3つの隣接する錘体に属するた
め、頂点の数は1/3だけ増加する(5ー8番目の菱形
ブロックからYESの出口)。
【0062】ANALIZAサブルーチンの第3ブロッ
クでは、錘体の分類及びオイラー標数の計算は、図15
(点線ブロック内)に示す方式に従って行われる。交点
の数がゼロである場合(第1番目の菱形ブロック)、錘
体内部にはサーフェスが存在しない。3≦#I≦5であ
る場合は(第2番目の菱形ブロック)、図1に示すケー
スa)からd)である。この場合、1つの面しかなく
(#F=1)、辺は2つの隣接する錘体と共有されてい
るため、辺の数は#E=(1/2)#Iであり、また、
各交点は、1つの頂点に対応しているという想定が有効
である。
【0063】したがって、局所オイラー標数は、Local#
E=1+#V−1/2#1である。#I=6である場合
(第2番目の菱形ブロックのNOの出口)、状況はより
複雑である。b1*b2<0である場合、図1eに示す
ようにサーフェスを近似する。この場合、錘体内に2つ
の面と、隣接する錘体と共有した1つの面がある。した
がって、#F=2.5である。頂点の数は、前述したよ
うに交点の数に対応する。辺の数は、2つのさらなる辺
が現れたため、#E=1/2#I+2*1/2である。
Local#E=#F+#V−#E=−1/3。b1*b2>
0である場合、底面の中心における場の値FCは、最後
の2つのケース(図1のfおよびg)を決定する。b
1、b2、およびFCが同じ符号である場合(4番目の
菱形ブロックのNOの出口)、錘体内に結合していない
2つのサーフェスがある。局所オイラー標数は、この場
合1/6である。
【0064】FCがb1およびb2と異なる符号である
場合(3番目の菱形ブロックからYESの出口)、錘体内
に1つの通過(passage)がある。錘体内にさらなる辺
が特定されるため、2つの面と、#Vの頂点と1/2#
I+1の辺がある。そして、局所オイラー標数は、−5
/6である。
【0065】原理上、点FCを、#I=6かつb1*b
2<(図1eまたは図17a)の場合についても考慮で
きる。結果得られる2つのケースは図17(bおよび
c)に示される。しかし、ケースbおよびcにおける2
つの隣接する錘体のオイラー標数の合計は同じであり、
ケースaに示すサーフェス構成のオイラー標数に等し
い。したがって、これら2つの場合は特定されておら
ず、サーフェスは図1eに示すように近似される。サイ
クルの最後に、図14、全体のオイラー標数が、格子セ
ルにおけるすべての錘体および全ての格子セルの局所オ
イラー標数を合計することで得られる。
【0066】発明の好ましい実施形態 X線スキャナ、またはMRIスキャナ、または共焦レー
ザ光学顕微鏡システムの測定結果が三次元スカラー場に
変換される、すなわち、コンピュータシミュレーション
の結果得られた三次元場がサーフェスの定量的な特徴付
けシステムに入力される。オイラー標数は、本発明に記
載されるように計算される。計算されたオイラー標数の
値に基づいて、画像形態の自動特徴付けが行われる。特
に、バイコンティニュアス形態と分散形態とを区別で
き、バイコンティニュアス形態から分散形態への変換プ
ロセスを監視できる。分散形態では、タスクが多く(ta
sk consuming)誤差の生じやすい分離手順を行わずに、
個別のオブジェクトの数を容易に計算できる。
【0067】この方法は特に、各種タイプのコンピュー
タシミュレーションの結果得られる複雑なパターンの特
徴付けにおいて有用である。このようなコンピュータシ
ミュレーションおよびデータ解析の一例は、本発明の実
施例において示される。また、この方法は、特に脳組織
などの生物組織、微小孔性スポンジ、金属合金、ポリマ
ーブレンドなどの様々な物質等、複雑な形態の物質の特
徴付けにおいても有用である。 <実施例>二元ABポリマー混合物の相分離方法がコン
ピュータシミュレーションにおいて検討されている。2
つの構成要素のドメインは、シミュレーションの間、初
期の同質状態から粗雑になり成長する。システムの状態
は、成分Aの局所体積分率φ(i,j,k) − スカ
ラー順位(秩序)パラメータの場により記述される。そ
の値は、純粋A相がφ(i,j,k)=0で、純粋B相
がφ(i,j,k)=1である時に示される0から1へ
と変化する。シミュレートした混合物は、ポリブタジエ
ン重水素化ポリブタジエン混合物である。このシミュレ
ーションは、64^3グリッドで行われている。成分A
の全システム体積分率の平均値は、始動時の値に等し
い。システムの形態は、成分A又はBがリッチであるド
メイン間の界面によって特徴づけることができる。この
界面は、場φ(i,j,k)が成分Aの平均体積分率と
等しい点として特定されることができる。上記のアルゴ
リズムは、混合物の形態を特徴づけるためのシミュレー
ションで生ずる場構成に適用されている。 1.バイコンティニュアスサーフェスの発展監視 図18a〜cは、二元ポリマー混合物(一相だけが成分
Aにリッチであることが示されている)の相分離の異な
るステージを表すコンピュータシミュレーション中に得
られる高度に相互結合されたサーフェスを示す。シミュ
レートした混合物の温度は25℃に設定し、平均体積分
率は0.5に等しい(対称混合物)。三次元スカラー格
子場の形のデータは、三次元オブジェクトの定量的特徴
付けシステムに入力されている。ワークステーションS
GIR10000の実行時間は2秒である。計算された
オイラー標数の値、図18a、b、cについてそれぞれ
−4208、−428、−74は負であり、無次元シミ
ュレーション時間τとともに増加する。ここに示されて
いるオイラー標数の変化はサーフェスの結合性が下がる
が混合形態はバイコンティニュアスであることを示す。
三次元オブジェクトの定量的特徴付けシステムを適用す
ることにより混合結合性に対する普遍的な時間依存性
(τ^0.75)が確立される。この結果は、さらにシ
ミュレーションを行わないで相分離の所与時間を経過後
にポリマーマトリックスの結合性を予測させるものであ
る。 2、バイコンティニュアス形態から分離形態への変換監
視 図19は、 相分離ポリマー混合物(一相だけが成分A
にリッチであることが示されている)の相分離の異なる
ステージを表すコンピュータシミュレーション中に得ら
れる高度に相互結合されたサーフェスを示す。シミュレ
ートした混合物の温度は25℃に設定し、平均体積分率
は0.35に等しい(非対称混合物)。この場構成は、
オイラー標数が−3764で負であると特定される。あ
るシミュレーション時間後、オイラー標数は132、正
になり、図19bはバイコンテニュアス形態から分散形
態への変換を表している。この分散形態はまだ変換さ
れ、小滴の数が減る。三次元オブジェクトの定量的特徴
付けシステムを適用することにより,ポリマー混合物の
相分離の間における少数相の体積分率のパーコレーショ
ン閾値0.3が決定される。これはバイコンティニュア
ス形態から分離形態への形態変換の状態を予測させるも
のである。 3、オブジェクト分離なしの別個オブジェクトの数計算 図19b−cは、上記に記載されたコンピュータシミュ
レーションで得られるある数の別個のオブジェクトのパ
ターンを示す。このようなオブジェクトの数は、オイラ
ー標数の値を考慮することにより容易に得られ、図19
bにおいては66の小滴があり(オイラー標数13
2)、図19cでは18の小滴(オイラー標数36)が
ある。
【0068】
【発明の効果】本発明では、三次元格子スカラー場にお
けるサーフェスのオイラー標数を計算する正確な方法及
びシステムを提供でき、三次元オブジェクトをより効率
的に解析できる。
【0069】本方法では、三角形分割または閾値処理を
必要としない。また、サーフェスの厳密な位置を知る必
要もなく、これはガウス‐ボネの定理に基づく技術と比
較して、本方法を非常に効率的なものにしている。
【0070】全体のオイラー標数は局所オイラー標数値
を合計することで計算されるため、本方法は、並列計算
技術において広く使用できる。デジタルパターン方法お
よびオイラーの公式に基づく従来から知られている方法
に反して、本発明に関するアルゴリズムは、従来の方法
ではオイラー標数の値が曖昧であるいくつかの特定の場
合でも、失敗しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】1つの錘体における多角形サーフェス表現の7
つの考えられるケースである。オイラー標数は、面の数
と頂点の数の合計から多角形の辺の数を引いたものとし
て計算される。黒および白い丸は、閾値よりも高いおよ
び低い値の点を表す。灰色のエリアは、錘体内側のサー
フェスの模式図である。
【図2】パラメトリック形p(u,v)で表現されるサ
ーフェスの模式図と、eおよびp(0,v)を含む「分
割平面」である。p(0,0)は、局所曲率が決定され
る考慮する点である(参照4から)。
【図3】元のサーフェスからtだけ変位した平行面であ
る。
【図4】オイラー標数を計算するためのデジタルパター
ン解析の二次元図である。局所曲率変数τε{−1,
0,+1}が、黒のピクセルの境界において格子それぞ
れに割り当てられる。オイラー標数は、局所曲率変数の
合計である(χ=8(+1)+8(−1)+8(0)=
0)。
【図5】閾値処理後の領域の境界が特定できないため、
デジタルパターン解析を用いて、オイラー標数を正確に
決定できない場合の一例である。
【図6】二次元六角形格子を用いることにより、決定で
きない領域の境界の特定の状況(図5参照)がなくな
る。
【図7】立方体分割方法で用いられる、立方体内側の等
値面について可能な多角形近似の6つの場合である。
【図8】等値面と立方体の辺の間の交点の位置は(a)
および(b)いずれの図でも同じであるが、オイラー標
数の値は、点を結合する方法によって決まる。これは、
立方体分割方法の不首尾を例示するものである。
【図9】立方体が6つの錘体に分割される。グレー(灰
色)の丸は格子の場の値であり、CCは四辺の頂点であ
り、FCは錘体の底面の中心を示す。
【図10】8つの入力格子から構成される作業格子セル
の分割方式である。この方式では、錘体内の場を補間す
る必要がない。丸はすべて格子における場の値に対応
し、CCは錘体の四辺の頂点であり、FCは錘体の底面
の中心を表す。FC,CC、及びグレーの丸はオイラー
標数計算に使用される場の値を表し、白い丸はこの分割
方式で使用しない場の値に対応する。利用しない点があ
るのでオイラー標数は、すべての場の点を利用する方式
に較べると、精度が低くなる。
【図11】解析手順のための入力パラメータである。a
11、a12、a21、a22は、所与の錘体の底面の
頂点における場の値であり、b1は、錘体の四辺の頂点
における場の値であり、FCは、底面の中心における場
の値を表し、一点破線は所与の錘体と底面を共有した隣
接する錘体を表し、b2は、隣接する錘体の四辺の頂点
における場の値である。
【図12】一面が4頂点である5頂点錘体は、すべての
面が3頂点及び3辺を有す2つの三角錘体に分割するこ
とができる。
【図13】一つの三角錘体における多角形サーフェス表
現の考えられる2つのケース。黒及び白い丸は閾値より
も高い値及び低い値の点を表す。グレーの部分は、錘体
内のサーフェスの模式図である。
【図14】アルゴリズムの概略的な方式である。
【図15】錘体分類手順のフローチャートである。
【図16】交点番号#Iおよび多角形頂点番号#Vの計
算のためのフローチャートである。
【図17】図1における錘体分類手順のケースe(ここ
ではケースaとして示されている)は、さらに2つのケ
ースbおよびcに分割できる。しかし、この向上により
全オイラー標数は変化しない。
【図18】オイラー標数を計算することによる、形態の
定量的特徴付けの一例である。オイラー標数は、調べた
形態の全範囲において負であり、これはサーフェスがバ
イコンティニュアスであることを示す。オイラー標数
は、無次元時間と共に増大し、これは、サーフェスの結
合が低下することを示す。
【図19】オイラー標数の計算による形態の定量的な特
徴付けの一例である。オイラー標数は最初は負であり、
これは形態がバイコンティニュアスであることを示す。
一定時間後、オイラー標数は正になり、これは分散形態
への移行が起こったこと示す。分散形態に関して、オイ
ラー標数は、小滴数を2倍する。
【図20】 本発明に係る機能実現手段を示すブロック
図。
【符号の説明】
1 入力装置 2 出力装置 3 プロセッサ 4 データ記憶システム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロバート・ホリスト ポーランド,01−224 ワルシャワ,カス プシャカ通り44/52,ポーランド科学アカ デミー,物理化学研究所,第3研究科内 (72)発明者 スニル・ケー・ムルティ 千葉県袖ヶ浦市長浦字拓二号580番32 三 井化学株式会社内 Fターム(参考) 2G001 AA01 BA11 CA01 FA06 FA14 FA29 FA30 GA04 GA17 KA20 LA05 4C096 AB27 AD14 DC21 DC36 DC40 5L096 AA09 EA45 FA05 FA81

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空間分割技法を適用して、三次元スカラ
    ー場の等値面のオイラー標数および関連特性を計算する
    ことで三次元オブジェクトを解析する方法であって、プ
    ロセッサ、データ記憶システム、少なくとも1つの入力
    装置、および少なくとも1つの出力装置を備えるプログ
    ラムされたコンピュータで実施され、 (a)ある三次元格子のノード(i,j,k)における
    三次元スカラー場φ(i,j,k)の値を入力するステ
    ップと、 (b)等値面条件を、好ましくは制約φ(i,j,k)
    =φ0(φ0は定数)として入力し、それぞれのノードに
    おいて場の値φ(i,j,k)からφ0を引き算するス
    テップと、 (c)空間分割法に関して格子を生成する(作業(wor
    k)格子)ステップと、 (d)作業格子それぞれを4頂点または5頂点錘体好ま
    しくは6つの5頂点に空間分割するステップと、 (e)6つの5頂点錐体に分割するのが好ましい場合
    に、各作業格子セルの中心における場の値CCを計算す
    るステップであって、中心のCCは6つの5頂点錘体そ
    れぞれの四辺の頂点である、ステップと、 (f)作業格子セルそれぞれの面の中心における場の値
    FCを計算するステップと、 (g)5頂点錘体を交点の数およびタイプに関して分類
    するステップと、 (h)局所オイラー標数値を各ケースに割り当てるステ
    ップと、 (i)作業格子全体にわたって局所オイラー標数値を合
    計することで、全体のオイラー標数を計算するステップ
    とを含む、三次元オブジェクトの解析方法。
  2. 【請求項2】 前記三次元スカラー場入力データは、任
    意の正則(regular)または不正則(irregular)の三次
    元格子で表現され、そのセルは、8頂点であるか、また
    は8頂点ではないが、前記8頂点のセルにする(reduc
    e)ことができる三次元格子セルであることを特徴とす
    る請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記作業格子セルは、好ましくは1以
    上、好ましくは2つ、4つ、8つの格子セルの群に適切
    に組み合わせられる入力三次元格子セルを含む、請求項
    1記載の方法。
  4. 【請求項4】 「空間分割」は、作業格子セルを多数
    の、好ましくは6つの5頂点錘体に分割することを意味
    し、後者の場合、各錘体は、格子セルの中心にある共通
    の頂点と、前記作業セルの面の1つである4頂点の底面
    とを有する、請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 ステップ(g)において、前記錘体は、
    以下の手順、すなわち、 (g1)交点の数がゼロであ
    るすべての作業格子セルをなくす(すなわち、すべての
    頂点における場の値の符号が同じである作業格子セルを
    なくす)サブステップと、 (g2)交点の数がゼロであるすべての錘体をなくす
    (すなわち、すべての頂点における場の値の符号が同じ
    である錘体をなくす)サブステップと、 (g3)残りの錘体を以下の7つのケースに分類するサ
    ブステップと、を含み、該7つのケースとはすなわち、 ケース1:交点の数が3であり(#I=3)、かつ5頂
    点の内4頂点が同符号であるケース、 ケース2:交点の数が4であり(#I=4)、かつ5頂
    点の内4頂点が同符号であるケース、 ケース3:交点の数が4であり(#I=4)、かつ5頂
    点の内3頂点が同符号であるケース、 ケース4:交点の数が5であり(#I=5)、かつ5頂
    点の内3頂点が同符号であるケース、 ケース5:交点の数が6であり(#I=6)、かつ当該
    錐体で4つの面で構成される頂点における場の値b1
    が、当該錐体の底面を共有する隣接した錐体で4つの面
    で構成される頂点における場の値b2と異符号であるケ
    ース(b1*b2<0)、 ケース6:交点の数が6であり(#I=6)、かつ当該
    錐体で4つの面で構成される頂点における場の値b1
    と、当該錐体の底面を共有する隣接した錐体で4つの面
    で構成される頂点における場の値b2と、底面の中心に
    おける場の値FCとが、同符号である(sign(b
    1)=sign(b2)=sign(FC))ケース、 ケース7:交点の数が6であり(#I=6)、かつ当該
    錐体で4つの面で構成される頂点における場の値b1
    と、当該錐体の底面を共有する隣接した錐体で4つの面
    で構成される頂点における場の値b2との両方が、底面
    の中心における場の値FCと異符号である場合には同符
    号である(sign(b1)=sign(b2)=−s
    ign(FC))ケース、である、請求項1記載の方
    法。
  6. 【請求項6】 前記ステップdにおける空間分割は、作
    業セルの一部だけに行われ、その後にアルゴリズムのス
    テップe、f、g、およびhが続くとともに、ステップ
    hの後に、すべての作業格子セルが分割されたかどうか
    をチェックし、「肯定」である場合にはステップiに進
    み、「否定」の場合にはステップdに進んで、まだ処理
    されていないセルの分割を継続する、ステップh’を含
    む、請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 「三次元スカラー場」は特に、モル比、
    体積分率等、または秩序パラメータ等の密度(concentr
    ation)の三次元場、または密度に関連するいかなる関数
    をも決定する、請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 「三次元スカラー場」は特に、三次元場
    の密度、またはコンピュータシミュレーションの結果得
    られる秩序パラメータを決定し、かかるシミュレーショ
    ンの例は、パーコレーション現象および相分離に関連す
    るシミュレーションである、請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 「三次元スカラー場」は特に、光強度の
    三次元場を決定する、請求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】 「三次元スカラー場」は特に、X線強
    度の三次元場を決定する、請求項1記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記5頂点錘体は、数組の4頂点錘体
    を組み合わせることにより形成される請求項1記載の方
    法。
  12. 【請求項12】 空間分割技法を適用して、三次元スカ
    ラー場の等値面のオイラー標数および関連特性を計算す
    ることで三次元オブジェクトを解析するシステムであっ
    て、プロセッサ、データ記憶システム、少なくとも1つ
    の入力装置、および少なくとも1つの出力装置を備える
    プログラムされたコンピュータにおいて、 (a)ある三次元格子のノード(i,j,k)における
    三次元スカラー場φ(i,j,k)の値を入力する手段
    と、 (b)等値面条件を、好ましくは制約φ(i,j,k)
    =φ0(φ0は定数)として入力し、それぞれのノードに
    おいて場の値φ(i,j,k)からφ0を引き算する手
    段と、 (c)空間分割法に関して格子を生成する(作業(wor
    k)格子)手段と、 (d)作業格子それぞれを4頂点または5頂点錘体好ま
    しくは6つの5頂点に空間分割する手段と、 (e)6つの5頂点錐体に分割するのが好ましい場合
    に、各作業格子セルの中心における場の値CCを計算す
    るステップであって、中心のCCは6つの5頂点錘体そ
    れぞれの四辺の頂点である、手段と、 (f) 作業格子セルそれぞれの面の中心における場の
    値FCを計算する手段と、 (g)5頂点錘体を交点の数およびタイプに関して分類
    する手段と、 (h)局所オイラー標数値を各ケースに割り当てる手段
    と、 (i)作業格子全体にわたって局所オイラー標数値を合
    計することで、全体のオイラー標数を計算する手段とを
    含む、三次元オブジェクトの解析システム。
  13. 【請求項13】 前記三次元スカラー場入力データは、
    任意の正則(regular)または不正則(irregular)の三
    次元格子で表現され、そのセルは、8頂点であるか、ま
    たは8頂点ではないが、前記8頂点のセルにする(redu
    ce)ことができる三次元格子セルであることを特徴とす
    る請求項12記載のシステム。
  14. 【請求項14】 前記作業格子セルは、好ましくは1以
    上、好ましくは2つ、4つ、8つの格子セルの群に適切
    に組み合わせられる入力三次元格子セルを含む、請求項
    12記載のシステム。
  15. 【請求項15】 「空間分割」は、作業格子セルを多数
    の、好ましくは6つの5頂点錘体に分割することを意味
    し、後者の場合、各5頂点錘体は、格子セルの中心にあ
    る共通の頂点と、前記作業セルの面の1つである4頂点
    の底面とを有する、請求項12記載のシステム。
  16. 【請求項16】前記(g)の5頂点錐体分類手段は、 (g1)交点の数がゼロであるすべての作業格子セルを
    なくす(すなわち、すべての頂点における場の値の符号
    が同じである作業格子セルをなくす)手段と、 (g2)交点の数がゼロであるすべての錘体をなくす
    (すなわち、すべての頂点における場の値の符号が同じ
    である錘体をなくす)手段と、 (g3)残りの錘体を図1に示す以下の7つのケースに
    分類する手段と、を含み、該7つのケースとはすなわ
    ち、 ケース1:交点の数が3であり(#I=3)、かつ5頂
    点の内4頂点が同符号であるケース、 ケース2:交点の数が4であり(#I=4)、かつ5頂
    点の内4頂点が同符号であるケース、 ケース3:交点の数が4であり(#I=4)、かつ5頂
    点の内3頂点が同符号であるケース、 ケース4:交点の数が5であり(#I=5)、かつ5頂
    点の内3頂点が同符号であるケース、 ケース5:交点の数が6であり(#I=6)、かつ当該
    錐体で4つの面で構成される頂点における場の値b1
    が、当該錐体の底面を共有する隣接した錐体で4つの面
    で構成される頂点における場の値b2と異符号であるケ
    ース(b1*b2<0)、 ケース6:交点の数が6であり(#I=6)、かつ当該
    錐体で4つの面で構成される頂点における場の値b1
    と、当該錐体の底面を共有する隣接した錐体で4つの面
    で構成される頂点における場の値b2と、底面の中心に
    おける場の値FCとが、同符号である(sign(b
    1)=sign(b2)=sign(FC))ケース、 ケース7:交点の数が6であり(#I=6)、かつ当該
    錐体で4つの面で構成される頂点における場の値b1
    と、当該錐体の底面を共有する隣接した錐体で4つの面
    で構成される頂点における場の値b2との両方が、底面
    の中心における場の値FCと異符号である場合には同符
    号である(sign(b1)=sign(b2)=−s
    ign(FC))ケース、である、請求項12記載のシ
    ステム。
  17. 【請求項17】 前記手段dにおける空間分割は、作業
    セルの一部だけに行われ、その後にアルゴリズムによる
    手段e、f、g、およびhが続くとともに、ステップh
    による手段によりオイラー評数値を割り当てた後に、す
    べての作業格子セルが分割されたかどうかをチェックす
    るチェック手段を有し、このチェック手段による結果
    が、肯定である場合に前記手段iによる処理を行い、否
    定の場合には手段dにより、まだ処理されていないセル
    の分割を継続させる手段h’を含む、請求項12記載の
    システム。
  18. 【請求項18】 「三次元スカラー場」は特に、モル
    比、体積分率等、または秩序パラメータ等の密度(conc
    entration)の三次元場、または密度に関連するいかなる
    関数をも決定する、請求項12記載のシステム。
  19. 【請求項19】 「三次元スカラー場」は特に、三次元
    場の密度、またはコンピュータシミュレーションの結果
    得られる秩序パラメータを決定し、かかるシミュレーシ
    ョンの例は、パーコレーション現象および相分離に関連
    するシミュレーションである、請求項12記載のシステ
    ム。
  20. 【請求項20】 「三次元スカラー場」は特に、光強度
    の三次元場を決定する、請求項12記載のシステム。
  21. 【請求項21】 「三次元スカラー場」は特に、X線強
    度の三次元場を決定する、請求項12記載のシステム。
  22. 【請求項22】前記5頂点錘体は、数組の4頂点錘体を
    組み合わせることにより形成される請求項12記載のシ
    ステム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109719722A (zh) * 2018-12-26 2019-05-07 南京埃斯顿机器人工程有限公司 一种精确标定机器人末端与视觉系统的方法

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CN109719722A (zh) * 2018-12-26 2019-05-07 南京埃斯顿机器人工程有限公司 一种精确标定机器人末端与视觉系统的方法

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