JP2002033033A - 高電圧機器の導電性異物の検出装置 - Google Patents

高電圧機器の導電性異物の検出装置

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JP2002033033A
JP2002033033A JP2000214987A JP2000214987A JP2002033033A JP 2002033033 A JP2002033033 A JP 2002033033A JP 2000214987 A JP2000214987 A JP 2000214987A JP 2000214987 A JP2000214987 A JP 2000214987A JP 2002033033 A JP2002033033 A JP 2002033033A
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conductive foreign
pulse
detecting
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Satoshi Matsumoto
松本  聡
Yoko Uchida
葉子 内田
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた検出感度を発揮して微小な導電性異物
でも確実に検出でき、導電性異物の有無の判定精度を高
めて絶縁信頼性の向上に寄与する高電圧機器の導電性異
物の検出装置を提供する。 【解決手段】 金属タンク2に収納された高電圧導体1
には直流電源3がパルス阻止用インピーダンス4を介し
て接続されている。また、高電圧導体1にはパルス電源
5が結合コンデンサ6を介して接続されている。直流電
源3は高電圧導体1に直流バイアス電圧を印加するよう
になっており、パルス電源5は前記直流バイアス電圧に
パルス電圧を重畳させて高電圧導体1に印加するように
なっている。このとき、直流電圧とパルス電圧の極性は
逆となるように構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高電圧機器内に存
在する導電性異物の異物対策技術に係り、とくに、高電
圧機器の導電性異物の検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的に変電所は、母線、遮断器、断路
器、接地装置、避雷器、変成器といった複数の高電圧機
器からなる。高電圧機器は密閉された金属製のタンクを
有しており、このタンク内に高電圧が印加される高電圧
導体を収納している。このような高電圧機器としては今
日、ガス絶縁開閉装置が主流となっている。ガス絶縁開
閉装置はタンク内にSF6ガスなど絶縁性能の優れたガ
スを封入したものであり、小形でありながら優れた絶縁
性能を発揮することできる。このため、従来の変電所に
比べて設置に必要な空間が少なくて済み、しかも高電圧
大電力を容易に取り扱うことが可能である。
【0003】さて、ガス絶縁開閉装置に封入されるSF
6ガスは、加圧圧縮することにより極めて優れた絶縁性
能を示すが、機器の製造時などに発生する導電性異物が
機器内に混入した場合には著しく絶縁性能が低下するこ
とが知られている。したがって、ガス絶縁開閉装置の製
造や据付工事においては、導電性異物の発生を極力さけ
ることが重要である。そこで従来より、開発や設計とい
った初期から、製造、据付ならびに各種試験に至るまで
の各段階で種々の異物対策技術が駆使されている。
【0004】例えば、工場出荷前ならびに現地据付後の
製品試験段階では、導電性異物の検出装置によってガス
絶縁開閉装置内の導電性異物の有無がチェックされてお
り、交流電圧やインパルス電圧、場合によっては直流電
圧による高電圧試験が実施されている。これらの試験を
行うに際して、導電性異物の検出装置は、導電性異物か
ら発生する部分放電の有無を電気的に検出する、あるい
は導電性異物が電界による静電力を受けてタンク内を機
械的に動くことを利用して超音波センサによりタンク外
部から異物挙動の有無を判定する、さらには導電性異物
に起因する絶縁破壊の有無を検出するなど、様々な検出
方法によって、導電性異物の最終的なチェックを行って
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、タンク内に
おける導電性異物の挙動は大変複雑であり、その大きさ
や種類を特定することは難しい。そこで、ガス絶縁開閉
装置の実用上、導電性異物の有無の判定精度を高めるこ
とが強く求められている。しかし、導電性異物の大きさ
が小さい場合にはその動きも小さく、これをとらえるこ
とは非常に困難である。また、導電性異物を機械的に動
かそうとする場合に、電圧印加やその手順によっては導
電性異物が動かず、導電性異物の存在が判らないケース
がある。したがって、導電性異物の検出装置においては
検出感度を向上させることが課題となっている。
【0006】本発明は、以上の課題を解決するために提
案されたものであり、その目的は、優れた検出感度を発
揮して微小な導電性異物でも確実に検出でき、導電性異
物の有無の判定精度を高めて絶縁信頼性の向上に寄与す
る高電圧機器の導電性異物の検出装置を提供することに
ある。なお、上記の説明では都合上、ガス絶縁開閉装置
に限定して記述したが、同様な構造を有する一般の高電
圧機器も同様の課題を持っており、本発明がその課題解
決に適用できることは言うまでもない。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明は、タンク内に高電圧が印加される高電圧導体
を収納した高電圧機器に用いるものであって、前記タン
ク内に存在する導電性異物を検出する高電圧機器の導電
性異物の検出装置において、次のような技術的な特徴を
有している。
【0008】請求項1の発明は、前記高電圧導体に直流
バイアス電圧を印加する直流電源と、前記直流バイアス
電圧にパルス電圧を重畳させて前記高電圧導体に印加す
るパルス電源とが設けられ、前記タンクには機械的振動
を検出する振動センサが取付けられたことを特徴として
いる。
【0009】以上の請求項1の発明では、先ず直流電源
により直流バイアス電圧を高電圧導体に印加する。この
とき、高電圧機器のタンク内面に導電性異物が存在して
いれば、この導電性異物は静電誘導作用によって高電圧
導体に印加された直流電圧と逆極性に帯電する。この状
態において、パルス電源により直流バイアス電圧にパル
ス電圧を重畳させて高電圧導体に印加すると、導電性異
物には帯電している電荷と電界に基づくクーロン力(パ
ルス静電応力とも呼ぶ)が発生する。
【0010】ここでパルス電源の立ち上がり時間を極め
て急峻な波形とすれば導電性異物による撃力が発生し、
結果としてタンク内面に機械的振動が発生する。そし
て、振動センサがこの振動を検出することによって、導
電性異物の存在の有無を判定する。このような本発明に
よれば、導電性異物の大きさが非常に小さい場合でもク
ーロン力により確実に動かすことができる。そのため、
検出感度を向上させることができ、導電性異物の機械的
な振動をとらえることで導電性異物の有無の判定精度を
高めることが可能となる。
【0011】請求項2の発明は、請求項1記載の高電圧
機器の導電性異物の検出装置において、前記パルス電源
から出力される前記パルス電圧と前記振動センサの出力
とを同期させて信号検出を行うように構成されたことを
特徴とするものである。
【0012】以上の請求項2の発明では、パルス電圧と
振動センサの出力を電気的に同期させてその出力信号の
検出を行うことにより、外部雑音の多い環境においても
S/Nを向上させることができ、従来検出の困難であっ
た導電性異物を検出することが可能となる。
【0013】請求項3の発明は、請求項1または2記載
の高電圧機器の導電性異物の検出装置において、前記直
流電源がパルス阻止用インピーダンスを介して前記高電
圧機器に接続されたことを特徴としている。
【0014】以上の請求項3の発明では、高電圧導体と
直流電源との間にパルス阻止用インピーダンスを挿入す
ることにより、高電圧導体にパルス電圧を印加した場
合、一般に電源内部インピーダンスの低い直流電源がこ
のパルス電圧を短絡することを防止できる。
【0015】請求項4の発明は、請求項1、2または3
記載の高電圧機器の導電性異物の検出装置において、前
記パルス電源が結合コンデンサを介して前記高電圧導体
に接続されたことを特徴とするものである。
【0016】以上の請求項4の発明では、パルス電源を
結合コンデンサを介して高電圧導体に接続することによ
り、パルス電源が直流電源ならびに測定対象である高電
圧導体と直流的に結合されることがなくなる。このた
め、パルス電源に直接、直流バイアス電圧が印加される
ことがなくなる。したがって、パルス電源の絶縁設計が
容易になるという利点がある。なお、パルス電圧に関し
ては結合コンデンサを介してパルス電源から高電圧導体
に印加することができるため、本来の機能が失われるこ
とがない。
【0017】請求項5の発明は、請求項1、2、3また
は4記載の高電圧機器の導電性異物の検出装置におい
て、前記直流電圧と前記パルス電圧の極性が逆であるよ
うに構成されたことを特徴とするものである。
【0018】以上の請求項5の発明では、パルス電圧を
高電圧導体に印加するとき、導電性異物に作用するクー
ロン力はタンク面を叩く方向に作用するので導電性異物
の検出を容易にすることができる。
【0019】請求項6の発明は、請求項1、2、3、4
または5記載の高電圧機器の導電性異物の検出装置にお
いて、前記振動センサが圧電素子から構成されたことを
特徴とするものである。
【0020】以上の請求項6の発明では、圧電素子は、
特定の周波数成分に対しては選択的に検出感度を高める
ことができるため、より高感度な導電性異物の検出が可
能となる。
【0021】請求項7の発明は、請求項1、2、3、
4、5または6記載の高電圧機器の導電性異物の検出装
置において、前記振動センサは可搬形センサから構成さ
れたことを特徴とするものである。
【0022】以上の請求項7の発明では、振動センサが
可搬形なので、センサの位置を順次移動しながら導電性
異物が存在する場所の近くで測定することが可能とな
る。したがって、高電圧機器が大きくても、数少ないセ
ンサで検出感度を低下させることなく広範囲にわたって
導電性異物の検出が可能となる。
【0023】請求項8の発明は、請求項1、2、3、
4、5、6または7記載の高電圧機器の導電性異物の検
出装置において、前記振動センサが複数配置され、複数
の前記振動センサから同時に検出結果を取入れて前記タ
ンク内における広範囲な機械的振動を測定する測定手段
が設けられたことを特徴とする。
【0024】以上の請求項8の発明では、複数の振動セ
ンサを用いることにより同時計測が可能となる。したが
って、電圧を印加しながら行う試験の試験時間を短縮す
ることができ、必要以上に高い電圧を長時間絶縁物に印
加することを避けることができる。これにより、絶縁物
の試験による不必要な電気的損傷を防止できる。また、
振動センサの出力を相互に比較することができるので、
必要に応じて波形処理手段を援用することにより、より
正確な導電性異物の有無の判断、あるいは信号の到達時
間差を測定することにより異物の存在位置の評定が可能
となる。
【0025】請求項9の発明は、請求項1、2、3、
4、5、6、7または8記載の高電圧機器の導電性異物
の検出装置において、前記振動センサには電気―光変換
器が接続され、前記電気―光変換器には信号伝送線を介
して光―電気変換器が接続されたことを特徴としてい
る。
【0026】以上の請求項9の発明では、振動センサの
出力を電気―光変換器を介して信号伝送し、受信側で光
―電気変換器により電気信号として取り出すことができ
る。そのため、振動センサと受信側が離れた位置にある
場合であっても電気―光変換器により信号伝送線を光フ
ァイバーとすることにより、電気的雑音の影響を受ける
ことなく遠方まで信号を送信することが可能となる。特
に、前記請求項8に記載した複数の振動センサを用いて
同時計測を実施する場合、請求項9の発明によれば、受
信側を任意の固定位置、例えば制御室などに設置するこ
とができ、これにより試験時間の短縮が可能となり、測
定システムとして有用である。
【0027】さらに、請求項9の発明においては、振動
センサを取り付けるタンクを電気的に絶縁することがで
きるので、接地タンクを利用した部分放電試験など他の
異物検出試験を並行して実施することができる。これに
より、導電性異物の有無をいっそう高い精度で行う判定
することができる。
【0028】請求項10の発明は、請求項1、2、3、
4、5、6、7、8または9記載の高電圧機器の導電性
異物の検出装置において、前記振動センサが前記タンク
の下部に配置されたことを特徴とするものである。
【0029】以上の請求項10の発明では、振動センサ
の取り付け位置をタンクの下部としたことにより、タン
ク底面に確率的に多く存在する導電性異物を効率よく検
出することができる。
【0030】請求項11の発明は、請求項1、2、3、
4、5、6、7、8、9または10記載の高電圧機器の
導電性異物の検出装置において、前記振動センサが光フ
ァイバから構成されたことを特徴としている。
【0031】以上の請求項11の発明では、光ファイバ
を振動センサとしてタンク面に直接あるいは間接的に取
り付けることができ、導電性異物によって生じる機械的
振動を検出し易くなる。
【0032】請求項12の発明は、請求項1、2、3、
4、5、6、7、8、9、10または11記載の高電圧
機器の導電性異物の検出装置において、前記パルス電源
から出力されるパルス電圧の波形及び前記振動センサの
出力波形から信号検出を行う波形処理手段が設けられた
ことを特徴とする。
【0033】以上の請求項12の発明では、波形処理手
段によりパルス電源の電圧波形と振動センサ出力の時間
差を求めることができ、その時間差から導電性異物の存
在位置を測定することができる。また、波形処理手段に
て振動センサ出力の大きさを把握し、これにより導電性
異物の電荷量を推定することができる。この結果、より
正確に導電性異物の存在の有無を確認することが可能と
なる。
【0034】請求項13の発明は、請求項1、2、3、
4、5、6、7、8、9、10、11または12記載の
高電圧機器の導電性異物の検出装置において、前記高電
圧機器がガス絶縁開閉装置から構成されたことを特徴と
するものである。
【0035】以上の請求項13の発明では、ガス絶縁開
閉装置における絶縁設計電界が高いため、特に絶縁性能
に与える影響が大きい微小な導電性異物を容易に検出す
ることが可能となる。
【0036】
【発明の実施の形態】(1)第1の実施の形態 [構成]以下、本発明の第1の実施の形態について、図
1及び図2を用いて具体的に説明する。第1の実施の形
態は請求項1、2、3、4、5、6、10、12及び1
3を包含するものであり、図1は第1の実施の形態の構
成図、図2は本発明の基本的な原理の詳細説明図であ
る。なお、第1の実施の形態においては、請求項13に
記載したガス絶縁開閉装置の一部であるガス絶縁母線部
分に適用した例を中心に説明を行う。
【0037】図1に示すように、ガス絶縁母線には密閉
されかつ接地側に設置された金属タンク2が設けられて
おり、この金属タンク2内には高電圧が印加される高電
圧導体1が収納されている。そして、高電圧導体1には
直流電源3がパルス阻止用インピーダンス4を介して接
続されている。また、同じく高電圧導体1にはパルス電
源5が結合コンデンサ6を介して接続されている。直流
電源3は高電圧導体1に直流バイアス電圧を印加するよ
うになっており、パルス電源5は前記直流バイアス電圧
にパルス電圧を重畳させて高電圧導体1に印加するよう
になっている。このとき、直流電圧とパルス電圧の極性
は逆極性となるように構成されている。
【0038】金属タンク2の下部には機械的振動を検出
する振動センサ7が取付けられている。振動センサ7は
圧電素子から構成され、その出力は増幅器であるアンプ
8に接続されている。アンプ8には波形処理装置9が接
続されている。また、波形処理装置9には前記パルス電
源5からの同期信号が入力されている。さらに、パルス
電源5から出力されるパルス電圧と振動センサ7の出力
とは同期しながら波形処理装置9に導入されるようにな
っている。波形処理装置9はパルス電圧の波形と振動セ
ンサ7の出力波形から信号検出を行うように構成されて
いる。
【0039】[作用効果]以上の構成を有する第1の実
施の形態によれば、先ず直流電源3により直流バイアス
電圧を高電圧導体1に印加すると、金属タンク2内面に
導電性異物12が存在した場合、導電性異物12は静電
誘導作用により高電圧導体1に印加された直流電圧と逆
極性に帯電する。この状態において、パルス電源5によ
り結合コンデンサ6を介し直流バイアス電圧にパルス電
圧を重畳させて高電圧導体1に印加すると、導電性異物
12には帯電している電荷と電界に基づくクーロン力が
発生する。
【0040】ここでパルス電源5の立ち上がり時間を極
めて急峻な波形とすれば、導電性異物12による撃力が
発生する。このとき、直流電源3とパルス電源5の電圧
極性を逆としているので、この撃力は金属タンク2の内
面を叩く方向に作用する。この結果、金属タンク2内面
には機械的振動が発生する。この機械的振動を金属タン
ク2下部に取付けられた振動センサ7が検出する。振動
センサ7の出力はアンプ8にて増幅され、アンプ8の出
力はパルス電源5と同期させながら波形処理装置9に導
かれる。波形処理装置9はこの同期信号とパルス信号の
時間差ならびに信号の大きさから導電性異物12の位置
ならびに帯電状況を推定する。これにより、金属タンク
2内の導電性異物12の存在の有無を確認することがで
きる。
【0041】一般に、重力による力は異物12の体積が
決まれば一定であるのに対し、クーロン力は、印加する
電圧、異物12の形状、存在する静電場の状況により変
化する。図2では外部電界Eが作用している場に導電性
異物12a,12b,12cが存在する様子を示してい
る。異物12に作用するクーロン力は一般には数値計算
手法により計算できるが、ここでは、説明を容易とする
ため、理論的に取り扱い易い例として、円柱状でタンク
2内面上に横たわっている異物12a、半回転楕円体状
でタンク2内面上に起立している異物12b、球状の異
物12cの各場合について述べる。なお、導電性異物1
2a,12b,12cの材質はアルミニウムとする。
【0042】表1は導電性異物12の形状を円柱ならび
に半楕円体形状とし、太さと長さをパラメータとして計
算したクーロン力ならびに重力による力を示す。また、
表2は導電性異物12の形状を球として、球の直径をパ
ラメータとして、静電力と重力による力を計算した例を
示す。ここで、外部電界は5kV/cmと仮定してい
る。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】これらの表1,2より、今回の条件では横
たわっている異物12aでは、重力と同じ程度の力が静
電力が作用することがわかる。また、起立している異物
12bでは、重力と比較して一桁から二桁大きいクーロ
ン力が作用することがわかる。すなわち。導電性異物1
2の大きさが非常に小さい場合でもクーロン力により確
実に動かすことができると言える。勿論、導電性異物1
2による撃力は、印加する直流電圧とパルス電圧の大き
さに依存するため、許容される範囲で印加電圧を高める
ことにより容易に検出感度を高めることが可能である。
【0046】さらに、第1の実施の形態においては次の
ような作用効果がある。すなわち、波形処理装置9にて
パルス電源5からのパルス電圧と振動センサ7の出力と
を電気的に同期させて、出力信号の検出を行っている。
そのため、外部雑音の多い環境においてもS/Nを向上
させることができる。しかも、振動センサ7を圧電素子
から構成したので、特定の周波数成分に対して選択的に
検出感度を高めることができ、これをタンク2下部に配
置したので導電性異物12を効率よく検出できる。した
がって、検出感度が飛躍的に向上し、従来では検出の困
難であった微小な導電性異物12をも容易に検出するこ
とが可能となる。
【0047】また、高電圧導体1と直流電源3との間に
パルス阻止用インピーダンス4を挿入したことで、高電
圧導体1に対しパルス電源5からパルス電圧を印加した
場合でも、一般に電源内部インピーダンスの低い直流電
源3がこのパルス電圧を短絡することを防止できる。さ
らに、パルス電源5を結合コンデンサ6を介して高電圧
導体1に接続しているので、パルス電源5が直流電源3
及び高電圧導体1と直流的に結合されることがなくな
る。このため、パルス電源5に直接、直流バイアス電圧
が印加されることがなく、パルス電源5の絶縁設計が容
易になる。
【0048】なお、本実施の形態に係る検出装置は、ガ
ス絶縁開閉装置の一部であるガス絶縁母線部分に適用し
ているが、ガス絶縁開閉装置は絶縁設計電界が高いた
め、特に絶縁性能に与える影響が大きい微小な導電性異
物12を容易に検出することが可能となる。
【0049】(2)第2の実施の形態 [構成]続いて、本発明の第2の実施の形態について図
3を用いて具体的に説明する。第2の実施の形態は、請
求項8及び9に対応しており、その特徴は次の点にあ
る。すなわち、振動センサ10が金属タンク2下部に複
数取付けられている。各振動センサ10にはアンプ8及
び電気―光変換器13が接続され、電気―光変換器13
には信号伝送線である光ファイバー14を介して光―電
気変換器15が接続されている。さらに、光―電気変換
器15の出力はすべて波形処理装置11に接続されてい
る。
【0050】[作用効果]以上の構成を有する第2の実
施の形態では、振動センサ10を広範囲に設置すること
により同時計測が可能となる。すなわち、従来は振動セ
ンサを設置後、電圧を印加し、測定が終了すると次の測
定場所へ振動センサを移動しながら行う必要のあった試
験を、第2の実施の形態によれば一度の電圧印加で行う
ことができる。これにより、試験時間を短縮することが
可能である。と同時に、必要以上に高い電圧を長時間絶
縁物に印加することを避けることができ、不必要な絶縁
物の電気的損傷を防止できる。さらには、振動センサ1
0からの出力を相互に比較することが可能となるため、
波形処理手段11を援用して、より正確な導電性異物の
有無を判断の判断、あるいは信号の到達時間差を測定す
ることにより異物の存在位置の評定ができる。
【0051】さらに、第2の実施の形態においては、振
動センサ10の出力をアンプ8によより増幅した後、電
気―光変換器13及び光ファイバー14を介して信号伝
送し、受信側で光―電気変換器15により電気信号とし
て取り出すことができる。したがって、振動センサ10
と受信側が離れた位置にある場合であっても光ファイバ
ー14の採用により、電気的雑音の影響を受けることな
く遠方に信号を送信できる。また、受信側である波形処
理手段11を制御室などの固定位置に設置することがで
き、測定システムとして有用性が増すことになる。さら
には、振動センサ10を取付ける金属タンク2を電気的
に絶縁することができるので、接地側の金属タンク2を
利用した部分放電試験など他の異物検出試験を並行して
実施できる。これにより、いっそう高精度な異物検出が
可能となる。
【0052】(3)他の実施の形態 なお、本発明は以上の実施の形態に限定されるものでは
なく、例えば、請求項7に対応するものとして、振動セ
ンサが可搬形であっても良い。このような実施の形態
を、空間的な広がりを持つガス絶縁開閉装置に適用した
場合、導電性異物12が存在する場所が空間的に広くて
も、振動センサが可搬形なので、これを機械的振動の発
生源に近づくように順次移動しながら測定することが可
能となる。したがって、数少ない振動センサでも検出感
度を低下させることなく広範囲にわたって導電性異物1
2の検出が可能となる。また、導電性異物12の存在す
る位置が測定点より離れた位置にある場合、発生する機
械的振動は距離と共に減衰するが、振動センサが可搬形
であれば、容易に測定点を変えることができるので、よ
り検出感度の高い位置への移動が可能となる。この結
果、より正確な導電性異物の存在位置の特定が可能とな
る。
【0053】また、請求項11に対応するものとして振
動センサが光ファイバである実施の形態も包含する。こ
の実施の形態によれば、光ファイバを振動センサとして
タンク2内面に直接あるいは間接的に取付けることによ
り、外来雑音の影響を受けることなく、導電性異物12
によって生じる機械的振動を検出することが可能とな
る。
【0054】なお、直流電源3からの直流電圧とパルス
電源5からのパルス電圧の極性が同極性の場合は、金属
タンク2内面に存在する導電性異物12はタンク2内面
側とは反対方向に移動するため、異物12の挙動を容易
とすることができる。
【0055】以上の説明は全て導電性異物を対象として
ものであっが、本発明は誘電体でも同様な効果を期待で
きる。すなわち、誘電体では界面分極により電荷の移動
が起こるが、この界面分極の位置は、電磁気学の法則に
従い定められる。こうした場合、界面分極の位置と電荷
を測定することができる。しかしながら、実際に適用す
る場合には、機械的振動の減衰が大きいため検出器には
より高感度のものが要求されることを付記する。
【0056】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の高電圧機器
の導電性異物の検出装置によれば、直流電源が直流バイ
アス電圧を高電圧導体に印加し、続いてパルス電源が直
流バイアス電圧にパルス電圧を重畳させて高電圧導体に
印加して導電性異物にクーロン力による機械的振動が発
生させ、この振動を振動センサが検出することにより、
導電性異物が微小であっても確実にこれを検出でき、導
電性異物の有無の判定精度を高めて、高電圧機器におけ
る絶縁信頼性の向上に寄与することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の構成図。
【図2】本発明の基本的な原理の詳細説明図。
【図3】本発明の第2の実施の形態の構成図。
【符号の説明】
1…高電圧導体 2…金属タンク 3…直流電源 4…パルス阻止インピーダンス 5…パルス電源 6…結合コンデンサ 7,10…振動センサ 8…アンプ 9,11…波形処理装置 12…導電性異物 12a…円柱状でタンク内面上に横たわっている異物 12b…半回転楕円体状でタンク内面上に起立している
異物 12c…球状の異物 13…電気―光変換器 14…光ファイバー 15…光―電気変換器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5B049 BB00 CC23 DD00 EE01 FF03 FF04 5G017 EE03 5G028 GG16 5G365 DA01 DN06

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タンク内に高電圧が印加される高電圧導
    体を収納した高電圧機器に用いるものであって、前記タ
    ンク内に存在する導電性異物を検出する高電圧機器の導
    電性異物の検出装置において、 前記高電圧導体に直流バイアス電圧を印加する直流電源
    と、 前記直流バイアス電圧にパルス電圧を重畳させて前記高
    電圧導体に印加するパルス電源とが設けられ、 前記タンクには機械的振動を検出する振動センサが取付
    けられたことを特徴とする高電圧機器の導電性異物の検
    出装置。
  2. 【請求項2】 前記パルス電源から出力される前記パル
    ス電圧と前記振動センサの出力とを同期させて信号検出
    を行うように構成されたことを特徴とする請求項1記載
    の高電圧機器の導電性異物の検出装置。
  3. 【請求項3】 前記直流電源がパルス阻止インピーダン
    スを介して前記高電圧機器に接続されたことを特徴とす
    る請求項1または2記載の高電圧機器の導電性異物の検
    出装置。
  4. 【請求項4】 前記パルス電源が結合コンデンサを介し
    て前記高電圧導体に接続されたことを特徴とする請求項
    1、2または3記載の高電圧機器の導電性異物の検出装
    置。
  5. 【請求項5】 前記直流電圧と前記パルス電圧の極性が
    逆であるように構成されたことを特徴とする請求項1、
    2、3または4記載の高電圧機器の導電性異物の検出装
    置。
  6. 【請求項6】 前記振動センサが圧電素子から構成され
    たことを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載
    の高電圧機器の導電性異物の検出装置。
  7. 【請求項7】 前記振動センサは可搬形センサから構成
    されたことを特徴とする請求項1、2、3、4、5また
    は6記載の高電圧機器の導電性異物の検出装置。
  8. 【請求項8】 前記振動センサが複数配置され、 複数の前記振動センサから同時に検出結果を取入れて前
    記タンク内における広範囲な機械的振動を測定する測定
    手段が設けられたことを特徴とする請求項1、2、3、
    4、5、6または7記載の高電圧機器の導電性異物の検
    出装置。
  9. 【請求項9】 前記振動センサには電気―光変換器が接
    続され、 前記電気―光変換器には信号伝送線を介して光―電気変
    換器が接続されたことを特徴とする請求項1、2、3、
    4、5または6記載の高電圧機器の導電性異物の検出装
    置。
  10. 【請求項10】 前記振動センサが前記タンクの下部に
    配置されたことを特徴とする請求項1、2、3、4、
    5、6、7、8または9記載の高電圧機器の導電性異物
    の検出装置。
  11. 【請求項11】 前記振動センサが光ファイバから構成
    されたことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、
    6、7、8、9または10記載の高電圧機器の導電性異
    物の検出装置。
  12. 【請求項12】 前記パルス電源から出力されるパルス
    電圧の波形及び前記振動センサの出力波形から信号検出
    を行う波形処理手段が設けられたことを特徴とする請求
    項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または1
    1記載の高電圧機器の導電性異物の検出装置。
  13. 【請求項13】 前記高電圧機器がガス絶縁開閉装置か
    ら構成されたことを特徴とする請求項1、2、3、4、
    5、6、7、8、9、10、11または12記載の高電
    圧機器の導電性異物の検出装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015078905A (ja) * 2013-10-17 2015-04-23 株式会社ビスキャス 空間電荷測定用の校正試料及びこれを用いた校正方法
CN106158503A (zh) * 2015-04-11 2016-11-23 国家电网公司 一种高压断路器
JP2022530066A (ja) * 2019-04-25 2022-06-27 ヒタチ・エナジー・スウィツァーランド・アクチェンゲゼルシャフト 暗放電の診断

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