JP2002031781A - 光学装置およびその製造方法 - Google Patents

光学装置およびその製造方法

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JP2002031781A
JP2002031781A JP2000217185A JP2000217185A JP2002031781A JP 2002031781 A JP2002031781 A JP 2002031781A JP 2000217185 A JP2000217185 A JP 2000217185A JP 2000217185 A JP2000217185 A JP 2000217185A JP 2002031781 A JP2002031781 A JP 2002031781A
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optical
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JP2000217185A
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Atsushi Toda
淳 戸田
Eriko Matsui
恵理子 松居
Hirotaka Akao
裕隆 赤尾
Akira Ishibashi
晃 石橋
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 光導波路から外部へ導出される出射光のコン
トラスト比を高くし、明るく鮮明な画像が得られるよう
にした、たとえばディスプレイとしての光導波路型光学
装置を提供すること。また、その構成部品として透明基
板又は透明ファイバーと透明電極との積層体を作る際、
切断時に生じる歪み、クラック、バリ等を補修し、高品
質の光学装置が得られる製造方法を提供すること。 【解決手段】 光導波路1の入射面1Zの長さ方向、又
はファイバー配列方向と、入射光の偏光方向とのなす角
度が40度以下(好ましくは0度)に規定された光学装
置。また、透明基板2又は透明ファイバーと透明電極と
の積層体を、切断工程後に、熱板加工する製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像の光学的表示
機能及び2次元光演算機能等の機能を有する光学装置及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般家庭用のテレビジョンでは、ディス
プレイにブラウン管を使っており、これは電子線で蛍光
体を励起して発光させるシステムになっている。また、
液晶ディスプレイでは、液晶の偏光特性を変化させるこ
とによって、光の透過率を変化させている。この場合、
白色光をフィルターで色を選別している。更に、プラズ
マディスプレイでは、プラズマで発生した紫外線によ
り、蛍光体を励起している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、テレビジョ
ン受像機は、プラウン管の奥行きが長く、薄型ディスプ
レイが実現されておらず、また、重いという欠点があ
る。さらに蛍光体の発光であるので、各三原色の発光ス
ペクトルの半値幅が広く、色純度や色再現性が悪い。ま
た、液晶ディスプレイは、色フィルターで決まるスペク
トルであるために、これも半値幅が広く、色純度や色再
現性が悪い。プラズマディスプレイも、ブラウン管と同
様に蛍光体の発光であるので、発光スペクトルの半値幅
が広く、色純度や色再現性が悪い。また、階調が取りに
くいという問題点もある。
【0004】一方、フォトニクスを利用したディスプレ
イとして光導波路を用いたディスプレイが知られている
が、これは液晶などの光スイッチング素子のon/of
fに対応した出射光のコントラスト比が低いという問題
点をかかえている。
【0005】本発明は、上述した各種ディスプレイのう
ち、光導波路を用いたディスプレイの改良に係わるもの
であり、その目的は、コントラスト比を著しく向上さ
せ、明るく鮮明な画像が得られる、たとえばディスプレ
イとして有用な光学装置及びその製造方法を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の光学装置
は、所定の偏光成分を含む光を平板型又はファイバー型
の光導波路内に入射させ、この入射光を導波させた後、
外部に導出する光学装置において、前記入射光の前記偏
光成分の偏光方向と前記光導波路の入射面の長さ方向又
はファイバー配列方向とのなす角度αが、40度以下に
保持されることを特徴とする。
【0007】また、本発明の光学装置の製造方法は、単
数又は複数の光導波路と;この光導波路に交差した単数
又は複数の透明基板もしくは透明ファイバーと;前記光
導波路と前記透明基板もしくは透明ファイバーとの交差
部に配設又は形成され、電気光学素子として駆動電極に
よる電界に応答動作する液晶素子と;を具備した光学装
置を製造するに際し、前記透明基板または前記透明ファ
イバーの表面に透明電極を形成し、得られた積層体を所
定形状に切断し、さらにこの切断物を熱板加工して平坦
にすることを特徴とする。
【0008】本発明の光学装置は、フォトニクスを利用
した光導波路型のディスプレイ又は2次演算装置等であ
って、その光導波路としては平型又はファイバー型が用
いられる。
【0009】本発明の光学装置によると、その光導波路
内に所定の偏光成分を含む光を入射させ、この入射光を
導波したのち外部に導出する光学装置において、前記入
射光の前記偏光成分の偏光方向と前記光導波路の入射面
の長さ方向又はファイバー配列方向とのなす角度αが4
0度以下に規定されているので、出射光のコントラスト
比を顕著に高めることができ、たとえばディスプレイと
して鮮明な明るい画像を得ることができる。
【0010】一方、本発明が提供する光学装置は種々の
態様が実施可能であるが、実用的に好ましい光学装置と
しては、単数又は複数の光導波路と;この光導波路に交
差した単数又は複数の透明基板もしくは透明ファイバー
と;前記光導波路と前記透明基板もしくは透明ファイバ
ーとの交差部に配設又は形成され、電気光学素子として
駆動電極による電界に応答動作する液晶素子と;を具備
したものである。
【0011】本発明ではその光学装置を製造するに際
し、前記透明基板または前記透明ファイバーの表面に透
明電極を形成し、得られた積層体を所定形状に切断し、
さらにこの切断物を熱板加工して平坦にするので、切断
時に上記積層体に生じる歪み、クラック、バリを容易に
補修することができ、高品質の光学装置を製造すること
が可能である。なお、上記透明基板または透明ファイバ
ーが樹脂で構成されているとき、通常、熱板加工温度は
140〜200℃程度で十分である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の光学装置において、前記
入射光の偏光成分の偏光方向と、前記光導波路の入射面
の長さ方向又はファイバー配列方向とのなす角度αは、
20℃以下が好ましく、0度、つまり偏光方向と入射面
とが平行となるのが最も好ましい。
【0013】本発明に用いる光源は特に制限はしないも
のの、実用上、好ましいのは半導体レーザを始めとする
レーザ、発光ダイオード、電界発光素子などである。
【0014】ただし、発光ダイオードや電界発光素子を
本発明に用いるときは、それらの光はレーザ光と違って
殆ど偏光特性がないので、それらの光を偏光して光導波
路内に入射するか、又は光導波路から偏光板を介して導
出することが必要である。
【0015】本発明に用いるレーザ、発光ダイオード及
び電界発光素子の好ましい具体例を挙げると、前2者は
赤色光源としてAlGaInP系III−V族半導体発光
デバイス、緑色光源としてZnSe系II−VI族半導体発
光デバイスまたはGaN系III−V族半導体発光デバイ
ス、青色光源としてZnSe系II−VI族半導体発光デバ
イスまたはGaN系III−V族半導体発光デバイスなど
があり、後者の電界発光素子は赤色光源、緑色光源、青
色光源としてZnS系発光デバイスなどがある。
【0016】本発明の光学装置は、前記入射光が前記光
導波路内で導波され、電気光学素子によるスイッチング
動作で導出され、前記電気光学素子が、それぞれ電界に
よって屈折率変調する素子、屈折率分布変調する素子、
発光強度変調する素子、着色濃度変調する素子、誘電率
変調する素子、透磁率変調する素子、液晶配向状態を変
える液晶素子、及び光散乱する素子からなる群より選ば
れた1種、又は2種以上の組み合わせからなり、前記電
界によって選択的に光が導出又は遮断される、のが好ま
しい。
【0017】更に、具体的に言うと、単数又は複数の光
導波路が設けられ、これに単数又は複数の透明基板もし
くは透明ファイバーが交差し、この交差部に前記電気光
学素子として駆動電極による電界に応答動作液晶素子が
配設又は形成されていて、この液晶素子が、前記光導波
路内の光を屈折率の変化により同素子外へ選択的に取出
せるようにした、光学装置が好ましい。
【0018】なお、上記液晶素子はとくに強誘電性液晶
を有するものが望ましい。
【0019】また、前記液晶素子の光取出し時の液晶、
とくに強誘電性液晶の実効屈折率と、前記光導波路の屈
折率との差は、透過率を高める目的から、0.064以
下、好ましくは0.005以下とするのがよい。
【0020】一方、空気側など外部へ光を高い効率で取
出すためには、前記液晶素子の液晶を介して前記光導波
路と対に配された前記透明基板に、前記光スイッチで前
記光導波路内より液晶側へ取出された光の散乱部(たと
えば回折格子)として、0.2〜1.5μm刻みの溝が
形成されているのがよい。
【0021】そして、これも同上の目的から、上記散乱
部の溝の深さは、λ/8.7774以上(ただし、λは
導波光の波長)であるのがよい。
【0022】本発明では、前記電気光学素子の代わり
に、光のスイッチング動作を、光で励起する被励起素子
によって行わせてもよい。
【0023】すなわち、本発明の別種の光学装置は、光
源からの入射光が前記と同様の光導波路内で導波され、
光によって励起する被励起素子によるスイッチング動作
で導出され、この被励起素子は光によって屈折率変調す
る素子、屈折率分布変調する素子、発光強度変調する素
子、着色濃度変調する素子、誘電率変調する素子、透磁
率変調する素子、液晶配向状態を変える液晶素子、及び
光散乱する素子からなる群より選ばれた1種、又は2種
以上の組み合わせからなり、前記光励起によって選択的
に光が導出又は遮断される光学装置である。
【0024】この別種の光学装置も、電気光学素子を用
いた場合と同様、実用的には光導波路と透明基板もしく
は透明ファイバーとの交差部に、前記被励起素子が配設
又は形成された構造が好ましい。
【0025】次に、本発明を好ましい実施の形態に基づ
いて適宜、図面を参照しながら詳しく説明する。
【0026】図1(A)、図2及び図13(B)は、本
発明の好ましい実施形態である光学装置の要部を示す。
平板型の光導波路1にはポリカーボネート(PC)など
の透明材料で構成された透明基板2が交差しており、こ
れらの交差部Sには光スイッチング用の液晶素子3が設
けられている。平板型の光導波路1もポリカーボネート
などの透明な材料で構成されている。光導波路1の上面
と透明基板2の上面には図示しない電極が形成されてお
り、これらの間は電源5を設けた配線で接続されてい
る。
【0027】液晶素子3の構造は図12に示すとおり
で、これは光導波路1と透明基板2との間に形成され、
透明電極3a、3aの対向面に配向膜3b、3bが位置
し、これらの間に液晶3cが充填されている。3dはス
ペーサ、3eは接着剤で、透明基板2の上面には、空気
側へ光を効率よく取出すための回折格子7が形成されて
いる。
【0028】光導波路1の前方にはレンズ4を介して光
源6が配され、これにはたとえば半導体レーザ(LD)
6aなどが用いられる。
【0029】半導体レーザ6aから出射されたレーザ光
は、入射面18から光導波路1内に入り、同路内を全反
射しながら導波され、交差部Sに至る。交差部Sには光
スイッチング素子とて液晶素子3が設けてあり、ここで
導波光は全反射モードから放射モードに変えられる。つ
まり、液晶素子3にかける印加電圧を変化させると、導
波光が光導波路1から液晶素子3を介して透明基板2の
外部、つまり空気側へ出射される。この際、透明基板2
の上面には回折格子7が設けられているから、出射光の
取出し効率はより高いものとなる。
【0030】この実施形態では、以上の構成において、
半導体レーザ6aから出射された光に含まれる偏光成分
の偏光方向と、光導波路1の入射面1Zとのなす角度α
が40度以下に規定されることが重要である。この角度
αは、好ましくは20度以下、より好ましくは0度、つ
まり上記偏光方向と光導波路の入射面1Zは互いに平行
であるのが一番好ましい。このようにすると、出射光
(導出光)のコントラスト比を顕著に向上させることが
可能である。
【0031】図1は半導体レーザ6aを用いて偏光方向
と光導波路1の位置関係を示したものである。半導体レ
ーザ6aは通常、TEに強く偏光しており(図15にT
E、TMベクトル成分を示す)、出射の方向を図のよう
に回転させることで、光導波路1との偏光方向が変えら
れる。実験に用いた半導体レーザ6aは、AlGaIn
P系の赤色レーザ(発振波長650nm)とZnSe系
の緑色レーザ(発振波長520nm)である。また光導
波路1はポリカーボネート板を用いた。
【0032】図3は、縦軸に液晶の印加電圧を−10V
から10Vに変えたときの、上面から出射した光強度の
コントラスト比を示すもので、横軸に偏光方向と平行平
板型光導波路の入射面との成す角度をとっている(ただ
し、図中のaはバックグランドである)。同図から、光
強度のコントラスト比は、偏光方向と、光導波路の入射
面との成す角度αに強く依存しているのが判る。この角
度が40度以下であればコントラスト比がとれるのが判
る。特に偏光方向と光導波路の入射面が平行のとき(0
度)が、最もコントラスト比が高くなり、垂直方向のと
きにコントラスト比が低いのが判る。
【0033】偏光方向が変化していくと、図15に示す
ように光をTEとTM偏光のベクトル成分に分けること
ができる。ただし、入射した光の強度は1とする。ま
た、導波する方向は紙面と垂直方向として、PC板と平
行な方向をθ=0とする。
【0034】この図に明らかなように、任意の角度θの
光の場合、TE、TMのベクトル成分の大きさはそれぞ
れ、cosθ、sinθとみなせる。いま、TE偏光成
分の光が、液晶スイッチONのとき、光導波路から外側
に取り出せるとする。そのときの光強度比(ON/OF
F)をgとする(g>1)。さらに、TM偏光成分の光
では、液晶のON/OFFに関係なく取り出せる光が一
定になるとする(すなわち、ON/OFFの比を1とす
る)と、全体での光強度比rは、 r=g{cosθ/(cosθ+sinθ)}+{si
nθ/(cosθ+sinθ)}となる。
【0035】実験値にフィッティングさせてgの値を求
めると、g=1.9となる。この値を使って計算した結
果と実験値とを同時にプロットしたグラフが図3であ
る。この結果から、計算値が実験結果をよく反映してい
るのが判る。これからθが40°以下であれば、大きい
コントラストがとれることが判る。
【0036】前記現象は、次の2つの原理で説明でき
る。一つは液晶の複屈折率によるものである。液晶分子
は、複屈折率をもつために、その方向によって屈折率が
異なる。この場合、TE偏光の屈折率の変化の方がTM
偏光のそれより大きいために、コントラストに差が出た
ものと考えられる。
【0037】もう一つは、偏光方向の違いによる角界面
の反射率や透過率の違いによるものである。ここで光導
波路中の界面での反射率をTE波とTM波に分けて、液
晶をON(+10V)とOFF(−10V)にしたとき
の計算結果を図14に示す。なお、横軸は光導波路に光
が入射するときの入射角θを示している。この結果から
液晶がOFFのとき、臨界角の52.4248°までの
範囲において、TE波はTM波に比べて反射率が高く、
透過率が低いのが判る。これは特に臨界角付近で顕著で
ある。それに対して、液晶がONのときは、臨界角の6
4.7273°迄の範囲において、TE波の反射率がT
M波のそれに比べてさほど高くはなく、(液晶がOFF
に比べて)ほぼ等しいのが判る。従って、TE波の方が
OFFのときの光の閉じ込めが良く、これがコントラス
トを高くしたものと考えられる。
【0038】また、上述の現象は、光導波路の入射面で
あれば、どの方向からレーザ光を入射しても共通して見
られるものであり、光導波路の構成材料や他の特性、さ
らにはその断面形状に本質的に影響されないことが確認
されている。
【0039】本発明では光源6として、半導体レーザ6
aに代表されるレーザの他に、発光ダイオードや電界発
光素子なども使用できる。いずれにせよ、これらの光源
を用いることにより、発光スペクトルの半値幅の狭い、
かつ色純度の良好な三原色ディスプレイを提供すること
ができる。
【0040】ただし、発光ダイオード(LED)や電界
発光素子(EL)を用いるときは、これらの光はレーザ
光と違って殆ど偏光成分を含まないので、後述する実施
例に示すように偏光板を用いて偏光させることが必要と
なる。
【0041】また、光導波路1としてはポリカーボネー
トに限らず、他の透明プラスチック等であってよく、そ
の厚みによって柔軟材料として用いるのが好ましく、ま
た平板型に限らず、図13(A)に示すようにファイバ
ー型1aも用いてよい。したがって、本発明の光学装置
は薄型化、軽量化を実現することができる。なお、同図
では光導波路1aの上面は長手方向に平坦に形成され、
メタル配線を施して抵抗を下げている。
【0042】なお、既述したように液晶素子以外の電気
光学素子、あるいは光により励起する被励起素子も、光
スイッチ素子として有効である。
【0043】本発明者は、本発明の成立以前にフォトニ
クスを駆使した実用的なディスプレイデバイスを開発す
べく鋭意研究努力を重ねた結果、所期の性能を有するだ
けでなく、集合発光演算等も行える光学装置の開発に成
功し、これを先に新規な光学装置として提唱した(特願
平11−204037号)。
【0044】本発明の光学装置は、この先願発明の光学
装置の構成を殆どそのまま採用し、その特徴を生かすこ
とが可能である。すなわち、光導波路の入射面と偏光方
向とのなす角度を規定したことを除き、残りの構成、作
用及び効果を先願発明と共通させることができる。以
下、この先願発明の光学装置につき詳細に説明する。
【0045】この先願発明の光学装置は、基本的に、第
1光導波路(又は光ファイバー、以後、省略する。)
と;この第1の光導波路に交差した第2光導波路(又は
光ファイバー、以後、省略する。)と;この交差部に配
され、前記第1及び第2光導波路内でそれぞれ導かれる
光(例えば光の強度)によって励起される被励起素子
と;を具備し、少なくとも光学的表示機能及び2次元演
算機能を有する光学装置である。
【0046】この光学装置によれば、エレクトロニクス
の代わりに、主としてフォトニクスの技術が用いられ、
第1及び第2光導波路の交差部においてそれぞれの導波
光によって素子が励起される仕組みなので、この素子を
介して光の選択的な導出又は遮断が可能となる。従っ
て、光源に使われる半導体レーザ等は別として、ディス
プレイ画面に電界や電流は一切使用せず、光励起だけで
表示可能であるため、高コントラストの高品質表示が可
能であり、しかも、この光学的表示機能と同時に光学的
演算機能も実現できる。また、従来のパネルの大型化を
阻む最大の要因であった電極を使用しないので、この光
導波路型のディスプレイの画面サイズには制約はなく、
大画面化をはじめ任意のサイズとすることができる上
に、柔軟な材料を用いることによって、ディスプレイの
形状も意のままに工夫することができる。
【0047】前記先願発明の光学装置においては、前記
被励起素子が、光励起によって屈折率変調する素子、屈
折率分布変調する素子、発光強度変調する素子、着色濃
度変調する素子、誘電率変調する素子、液晶配向状態を
変える液晶素子、及び光散乱する素子からなる群より選
ばれた1種、又は2種以上の組み合わせからなり、前記
光励起によって前記交差部において選択的に光が導出又
は遮断され、これによって光学的表示及び/又は演算が
行われるように構成することができる。
【0048】また、より具体的には、前記第1及び第2
光導波路はそれぞれ複数個配列され、これらの複数の光
導波路に光源が直接又は間接的に光学結合(カップリン
グ)している。但し、直接的に光学結合している場合に
は、前記光導波路と前記光源とが一対一に対応して設け
られ、間接的に光学結合している場合には、前記光源と
少なくとも1つの前記光導波路とが光導波部材によって
連結されている。
【0049】そして、実際のディスプレイとしては、前
記複数の第1光導波路と前記複数の第2光導波路とは互
いに直交又は略直交しており、これらの交差部は光学結
合しておらず、そしてこれらの交差部には、前記第1及
び第2光導波路内でそれぞれ導かれる光の光強度によっ
て励起される前記被励起素子が配され、これらの被励起
素子は水平光導波路としての前記第1光導波路内の光の
強度によってライン毎に選択されると共に、垂直光導波
路としての前記第2光導波路内の光がデータ信号に応じ
て強度変調され、この強度変調されたデータ信号光が、
選択された前記被励起素子を介して外部に取出されるよ
うに構成するのがよい。
【0050】或いは、複数の前記第1光導波路と、これ
らの第1光導波路に直交又は略直交する前記複数の第2
光導波路とは同一面内に配されており、前記第1及び第
2光導波路内でそれぞれ導かれる光の強度によって励起
される前記被励起素子が前記第1及び第2光導波路の交
差部に配され、水平光導波路としての前記第1光導波路
内の光の強度によって前記被励起素子がライン毎に選択
されると共に、垂直光導波路としての前記第2光導波路
内の光がデータ信号に応じて強度変調され、この強度変
調されたデータ信号光が、選択された前記被励起素子を
介して外部に取出されるように構成するのもよい。
【0051】また、前記被励起素子に、素子温度を制御
可能な素子又は高周波電界を印加可能な素子が設けられ
ていると、特に液晶素子の場合には、温度が高いときや
高周波の電界を印加するときに液晶の分極反転が均一に
生じ易くなる。
【0052】前記光導波路型ディスプレイは、構成材料
としてプラスチック等の柔軟な材料を使用することによ
って、迫力のある画面を有する120度曲面ディスプレ
イ、半球型ディスプレイ、全球型ディスプレイ、コクー
ン型ディスプレイ、更には、不使用時に巻き上げること
のできるディスプレイ(D)など、大型からコンパクト
に至るサイズにすることができる。
【0053】このディスプレイの画素部は、図16に例
示するように構成してよい。即ち、各画素では2本の光
導波路21と22を直交又は略直交に交差させる。これ
らの光導波路21、22は、導波効率の良い通信用石英
ファイバやプラスチックファイバからなっていてよく、
或いは、十字型のパターンとなるように3次元高分子導
波路をフォトリソ法でフィルム基板上に作製してもよ
い。光源には、例えば半導体レーザを使用するのが実用
的である。
【0054】図示の例では光導波路21、22の交差す
る部分Sは光学結合(カップリング)していないが、そ
の交差部Sには、照射光の光強度に対して識閾値(しき
い値)を持ち、その強度によって励起される有機材料、
無機材料あるいはこれらの複合材料を光スイッチ(変調
素子)23として配置する。即ち、この変調素子23と
は、屈折率を変える素子、発光強度を変える素子、着色
濃度を変える素子、誘電率を変える素子、透磁率を変え
る素子、及び屈折率分布を変える素子のことであり、こ
れらは1種又は2種以上の組み合わせで用いることがで
きる。更にこの光スイッチ23の構成材料の具体例を挙
げると、例えば下記に説明するような屈折率変調を生じ
るフォトクロミック材料などが好ましい。
【0055】フォトクロミック分子は、励起状態におい
て化学結合を組替えるチャンネルを持つため、光を受け
取ると、電子状態の異なる別の異性体へ変換する。2つ
の異性体は、分子量は同じであるが化学結合様式が異な
っていることから、異なった分子物性を持ち、色のみな
らず、屈折率、誘電率、立体構造なども異なっている。
これらの分子単独からなる結晶、アモルファス膜、或い
はこれらの分子を含む高分子膜は、外部から光を照射す
るだけで、その光物性及び電気的性質が可逆的に変化す
る。前述したように、光反応は電子の励起状態の寿命
(ナノ秒)で完了するが、通常のフォトクロミック材料
は吸収した光子数に比例して反応するため、光反応にし
きい値がない。従って、ディスプレイのためには、特殊
なフォトクロミック材料を使用する必要がある。
【0056】その最も望ましいフォトクロミック材料の
例として、2段階2光子反応を生じる材料を挙げること
ができる。例えば、図19に示すナフトピラン誘導体の
分子は、そのような2光子反応する材料である(内田学
及び入江正浩”ナフトピラン誘導体のフォトクロミック
反応”,「染料と薬品」、第42巻第6号、P11〜1
7(1997),M. Uchida and M. lrie; J. Am. Chem. So
c., 115, 6442 (1993))。
【0057】この分子系では、同図の左側に示すのピラ
ン構造が着色しており、それが右側のビシクロ構造にな
ると、色は消える。ピラン構造は例えば波長405nm
の紫外光の1光子を受けると、同図中央に示すケト中間
体へ変換する。このケト中間体は基底状態にあるが、比
較的不安定であって、熱戻り反応で直ちにもとのピラン
構造に戻る。光(照射)強度が弱い時は、これらの2状
態でのフォトクロミック反応が起こるのみであり、光を
切ると、すべての分子が元のピラン構造に戻る。即ち、
光強度が弱い時は、恒常的な変化は起こらない。光強度
を上げると、ケト中間体が更に1光子吸収して、同図右
側に示す無色のビシクロ構造に変換する。このビシクロ
構造は安定であり、光強度に関してしきい値を持つ変換
が起きることになる。そして、このビシクロ構造は、例
えば波長334nmの紫外光の照射によってケト中間体
へ戻り、更に、このケト中間体は熱的にピラン構造へ戻
る。
【0058】このように2段階2光子反応によって、ナ
フトピラン誘導体がピラン構造からケト中間体を経てビ
シクロ構造へと変換すると、図20に示すように、光強
度に応じて屈折率がn1からn1+Δnへと変化する。
【0059】このような変調現象は光スイッチとして利
用することができる。例えば、図16において、画素部
の上方に位置する視認者からみて反対側にある光導波路
22(屈折率n1)には、可視光のレーザ光24を例え
ばデータ信号で変調されたデータ信号光として常時導波
しておく一方、視認者からみて近い方の光導波路21
(屈折率n1)には、紫外光25をオンオフさせながら
導波させておく。この紫外光25は、図中の(A)のよ
うに、例えば16.7msecのインターバルで60H
zの周波数のパルスとしてよい。或いは図中の(B)の
ように、波長405nm(2光子分に対応)及び334
nm(1光子分に対応)の紫外光を交互にパルス照射し
てもよく、この場合は上述したピラン構造→ビシクロ構
造への変化(屈折率上昇)とビシクロ構造→ケト中間体
→ピラン構造への戻り反応が繰り返されることになる。
【0060】こうして、光導波路21の紫外光25の照
射によって、その波長に吸収を持つ交差部の光スイッチ
23の例えば屈折率をn1からn1+Δnに変調させて、
レーザ光24の光導波路22の全反射角を変調させるこ
とにより、図17に破線で示すように視認者側に可視光
を取り出すことができる。
【0061】こうして、光導波路21の紫外光25をセ
レクト信号としてライン選択し、光導波路22のレーザ
光24を両光導波路の交差部(画素部)から外部へ取り
出すことにより、データ信号に応じた信号光を表示画像
として識別することができるようになる。また、この画
像表示機能はデータ信号光を光導波路のセレクトによっ
て選択的に取出すものであるため、光信号を出力する演
算機能も併せ持つこと(或いは、いずれか一方の機能を
有すること)になり、集合発光表示素子としてのみなら
ず、集合発光演算素子又は2次元光演算装置としても有
用である。
【0062】なお、上記の光導波路に代えて、図18
(A)に示す2種の光ファイバー19、22から、同図
(B)のような画素部或いは同図(C)のような画素部
を構成しても、上記と同様の光スイッチ機能を発揮する
ことができる。
【0063】以上、光照射によって屈折率が上昇する例
を述べたが、逆に屈折率が低下する変調素子を設けるこ
ともできる。
【0064】例えば、図21に示す十字型の3次元光導
波路において、交差部Sが光学結合した両方の導波路2
1、22に同じ波長のレーザ光24、25をそれぞれ導
波させておく。そして、光強度がそれぞれの値の足し合
わせでしきい値以上になった場合に、同図の(B)の状
態から(A)のように例えば屈折率を低下させるように
変調させると、その可視光を視認者側に取り出すことが
できる。
【0065】この屈折率変調を生じさせるためには、例
えばnw=1.490、nw−Δn=1.485、nw
Δn’=1.495とすると、θ0=42.155°、
θ1=47.845°、θ2=48.058°、θ3=4
1.942°、θ4=82.995°、θ’1=47.8
45°、θ’2=47.634°となる。これによっ
て、図22(B)のように、交差部23に一方のレーザ
光25が入射しないときには本来の屈折率(nw+Δ
n’)によってレーザ24はそのまま通過するが、レー
ザ光25が入射したときにはその光強度がレーザ光24
の光強度に足し合され、同図(A)のように、交差部2
3の屈折率がnw−Δnと低下して入射レーザ光24が
外部へ導出されることになる。なお、ここではレーザ光
25をセレクト用、レーザ光24をデータ信号光として
よい。
【0066】なお、図21に示したような十字型光導波
路において、その交差部Sを光励起により屈折率が上昇
する材料で構成すると、図22とは逆の現象により、光
励起されないときには光を導出し、光励起されたときに
は屈折率上昇により光を遮断することができる。
【0067】また、上記の十字型光導波路に代えて、図
23に示すように、十字型スイッチ素子を光ファイバー
21、22によって構成してもよい。これも、上記と同
様の光スイッチ機能を有するものである。
【0068】次に、上記表示素子を画素部に用いたディ
スプレイについて図24を参照しながら説明する。
【0069】例えば、図21、図22及び図23に示し
た十字型光導波路を同一面内にてディスプレイの1画素
として配し、垂直方向に光導波路12を1600本、水
平方向に光導波路11を1200本並べると、その交点
は192万個になり、つまり192万画素のディスプレ
イを作製できる。その際、図24に例示するように、光
強度を制御する信号として、例えば垂直方向から、個々
の光導波路22へ各光源27から各画素の表示に合った
光強度を持つデータ信号光14を送り、また水平方向か
らは、個々の光導波路11へ各光源28からのセレクト
信号光によって単に各光導波路全体を選択する(このセ
レクト信号光は光強度しきい値と同値又はゼロ強度でオ
ンオフする)。なお、光源27、28はそれぞれ、図示
のように各光導波路に一対一に対応して直接的に光学結
合して配される以外に、例えば光ファイバーの如き光導
波部材を介して光導波路に接続(間接的に光学結合)し
てもよい。また、共通の光源から光導波部材を介して個
々の光導波路に接続してもよく、更には直接、間接の光
学結合方式を併用してもよい。
【0070】具体的には、垂直方向の光導波路22を可
視光である赤、緑、青の順に合計4800本並べれば、
192万の画素を有するフルカラーディスプレイとな
る。水平方向の光導波路21は、そのライン全体を選択
するため、光スイッチとしては、例えば現行のUXGA
プログレッシブ表示方式の場合、約14μ秒(1/60
/1200秒)の駆動時間が与えられる。この場合、ナ
ノ秒でスイッチするフォトニクスを使用しているので、
スイッチングは十二分に可能であり、フォトニクスなら
ではの駆動方法であることは明らかである。また、上記
材料とは異なって電子密度分布を変調させるような、メ
モリ性のない材料、例えばポリジアセチレンを光スイッ
チに使用した場合でも、約14μ秒間光を取り出すこと
ができれば、主にナノ秒間しか発光していない現在のC
RTディスプレイから考えて、人間の眼には十分な表示
時間である。また、1フレーム時間(1/60秒間)点
灯しつづけるために問題となっている、液晶ディスプレ
イにおけるような動画ぼけも発生しない。
【0071】要は、先願発明のディスプレイは、電界、
電流を使わずに、光強度だけで、光自らを制御でき、コ
ントラスト比の大きい高品質な表示装置、更には集合発
光演算装置)として新規でありかつ有用である。なお、
図24に示した如きレイアウトは、図18に示した構成
の画素部についても同様に適用してよい。
【0072】ここで、交差部に使用可能な変調素子とし
ては、光励起によって屈折率変調する素子、屈折率分布
変調する素子、発光強度変調する素子、着色濃度変調す
る素子、誘電率変調する素子、透磁率変調する素子、液
晶配向状態を変える液晶素子、及び光散乱する素子など
があり、これらは1種又は2種以上を組み合わせて用い
ることが可能である。これらのうち、いくつかの変調に
ついて更に詳述する。
【0073】(1)屈折率変調について 有機化合物の屈折率(n)は、次式で表される。
【数1】 (ここで、M:分子量、d:密度、R:分子屈折、N:
アボガドロ数、α:分極率である。) (*)化学大辞典8、昭和37年発行、共立出版株式会
社、p186による。
【0074】この式から分るように、分極率を上げるこ
とにより屈折率を大きくし、また分極率を下げることに
より屈折率を小さくすることができる。有機化合物の分
極率を上げるためには、新たな原子や原子団と新たに結
合させる手法などが有効であり、既述したナフトピラン
誘導体はそうした手法によって得られる一例である。ま
た、分極率を下げるためには、逆に、共役部位などの結
合を切断する手法が容易に考えられる。特に光エネルギ
ーによって屈折率を変化させるには、例えば図25に示
すように、環状ケトンの開裂、オレフィンの付加反応、
芳香族置換ケトンのエノール化など、多くの手法があ
る。
【0075】一方、無機化合物の場合、Δn<0となる
ためには、光で励起された自由電子により、屈折率は文
献("Heterostructure Lasers",H.C.Casey,Jr.and M.B.
Panish,Academic Press,New York,1978)にあるように、
【数2】 (ここで、nは自由電子濃度、qは電荷、mn は電子の
有効質量である。)に従って減少する。これは、ホール
についても同様である。p型材料の場合には、ホール濃
度をp、ホールの有効質量をmp で表す。
【0076】一例として、赤外光に透明なGaAsを例
にとると、
【数3】
【0077】また、Δn>0となるためには、公知のよ
うに、バンドギャップEgに等しい光を入射することに
より、屈折率を5〜10%程度上昇させることができ
る。
【0078】(2)各種の画素形成材料について 上記材料を含めた各種の画素形成材料(光導波路の交差
部に用いる材料)のうち、いくつかの例を構造式と共に
図26に示す。
【0079】ナフトピラン誘導体については既述した通
りであるが、その他に、光強度に応じて屈折率変化を生
じる三次非線形光学材料としてのポリジアセチレン系の
有機高分子は、主鎖方向のπ電子共役系により導電性、
非線形光学特性といった機能が発現するので、異方性が
大きく、主鎖方向には大きな機能を示すが主鎖と直交す
る方向にはほとんど機能を示さないという特徴がある。
【0080】その他、光強度に応じて変色するスピロベ
ンゾピラン(無色⇔青色)、アゾベンゼン(淡黄色⇔橙
色)、フルギド(淡黄色⇔橙色)、ジアリールエテン
(無色⇔赤色)などが使用可能である。また、液晶配向
膜材料であるベンゾフェノン系ポリイミドは、光照射に
よって構造が変化し、液晶配向状態を変化させる。
【0081】
【実施例】本発明を実施例によりさらに詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されな
い。
【0082】実施例1 赤色(650nm)、緑色(520nm)、青色半導体
レーザ(490nm)として、それぞれAlGaInP
系III−V族半導体発光デバイス、ZnSe系II−VI族
半導体発光デバイス、ZnSe系II−VI族半導体発光デ
バイスを用いた。赤色レーザの層構造と緑色と青色レー
ザの層構造をそれぞれ図4、図5に示す。緑色と青色の
レーザ発振波長の違いは、活性層であるZnCdSe層
のCd組成の違いだけで決定される。緑色ではCd組成
30%で、青色ではCd組成15%である。これらのデ
バイスの偏光方向が光導波路の入射面と平行になるよう
に半導体レーザを図6のように光学接着剤で付ける。液
晶は透明電極ITOで電圧がかけられる様になってい
る。この場合、液晶に印加する電圧に対応して光が出射
する。液晶の駆動と半導体レーザを動作させたところ、
光導波路の交点で上面側に光が出射され、コントラスト
比の高い、鮮明な明るい画像を得ることができた。
【0083】実施例2 赤色、緑色、青色LEDとして、それぞれAlGaIn
系II−V族半導体発光デバイスを用いた。LEDの構造
を図7および図8に示す。LEDの場合、レーザと違っ
て偏光特性がほとんどないので、図9に示すように偏光
板8を光導波路1と透明基板2との交差部S上に配設し
た。なお、偏光板8は図10に示すようにLED6bと
光導波路1の間に配置してもよい(レンズ4の前後を問
わない)。この結果、コントラスト比の高い、鮮明な明
るい画像が得られた。
【0084】実施例3 赤色、緑色、青色ELとして、ZnS系デバイスを用い
た。ELの構造を図11に示す。ここで赤色ELはSm
がドーピングされ、緑色ELはTbがドーピングされ、
青色ELはTmがドーピングされている。ELの場合、
レーザと違って偏光特性がほとんどないので、実施例2
と同様にして偏光板を配設する。この結果、コントラス
ト比の高い、鮮明な明るい画像が得られた。
【0085】
【発明の作用効果】以上に明らかなように、本発明の光
学装置は、光導波路内に所定の偏光成分を含む光を入射
させ、この入射光を導波したのち外部へ導出する構造を
有するものにおいて、上記偏光成分の偏光方向と上記光
導波路の入射面の長さ方向又はファイバー配列方向との
なす角度が40度以下に規定されているので、光導波路
から外部へ導出される出射光のコントラスト比を著しく
高めることができ、たとえばディスプレイとして鮮明な
明るい画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】半導体レーザと導波路の位置関係を示す光学装
置の概略構成図で、(A)は平板型導波路、(B)はフ
ァイバー型導波路をそれぞれ用いた本発明の光学装置の
要部、(C)は偏光方向が(A)、(B)とは異なる比
較例としての光学装置の要部を示している。
【図2】本発明の別の光学装置の要部を示す概略構成図
である。
【図3】入射光の偏光方向と光導波路の入射面とのなす
角度と、光強度比との関係を示す線図である。
【図4】赤色半導体レーザの構造を示す断面図である。
【図5】緑色、青色半導体レーザの構造を示す断面図で
ある。
【図6】本発明の一実施例を示す光学装置の斜視図であ
る。
【図7】赤色半導体LEDの構造を示す断面図である。
【図8】緑色、青色半導体LEDの構造を示す断面図で
ある。
【図9】本発明の他の実施例を示す光学装置の要部の概
略構成図である。
【図10】同、装置において、偏光板の別の配設例を示
す構成図である。
【図11】ELの構造を示す断面図である。
【図12】本発明の一実施例を示す光学装置の要部の断
面図である。
【図13】本発明の光学装置の概略構造を示す斜視図で
ある。
【図14】偏光方向の違いと角界面の反射率、透過率と
の関係を示す線図である。
【図15】偏光のTM、TEベクトル成分を示す図であ
る。
【図16】先願発明によるディスプレイ画素部の拡大一
部破断斜視図とその駆動例を示す概略図である。
【図17】同、光導波路(又は光ファイバー)から光が
導出される原理を説明する概略断面図である。
【図18】同、光ファイバー(A)を用いたディスプレ
イ画素部(B)又は(C)を示す概略断面図である。
【図19】同、ディスプレイ画素部の変調素子に使用可
能な有機化合物の2段階2光子反応例を示すスキームで
ある。
【図20】同、変調素子の光強度に対する屈折率変化を
示すグラフである。
【図21】先願発明による他のディスプレイ画素部の拡
大斜視図とその駆動例を示す概略図である。
【図22】同、光導波路(又は光ファイバー)から光が
導出される原理を説明する概略断面図である。
【図23】同、光ファイバーを使用したディスプレイ画
素部の拡大斜視図である。
【図24】先願発明による更に別のディスプレイの概略
レイアウトである。
【図25】先願発明に使用可能な変調素子用の有機化合
物の光による構造変化を示す化学式である。
【図26】先願発明に使用可能な変調素子用の有機化合
物の構造式である。
【符号の説明】
1…平板型光導波路、1a…ファイバー型光導波路、1
Z…光導波路の入射面、2…透明基板、3…液晶素子、
3a…透明電極、3b…配向膜、3c…液晶、3d…ス
ペーサ、3e…接着剤、4…レンズ、5…電源、6…光
源、6a…LD、6b…LED、7…回折格子、8…偏
光板、21、22…光導波路、23…変調素子、24…
レーザ光、25…紫外光、27、28…光源、S…交差
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 33/00 H01S 5/022 5F073 H01S 5/022 G02F 1/137 510 (72)発明者 赤尾 裕隆 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 石橋 晃 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 2H079 AA02 AA12 BA01 CA02 DA08 EA03 EA09 GA05 KA05 2H088 EA44 FA02 HA28 HA30 JA17 MA02 MA06 2H099 AA11 BA17 CA13 CA17 2K002 AB04 AB05 BA06 CA14 DA06 DA10 EA13 EA14 HA06 HA07 5F041 CA34 CA40 CA43 EE01 5F073 AB27 AB28 BA09 CA02 CA14 CA22 CB02 EA22

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の偏光成分を含む光を平板型又はフ
    ァイバー型の光導波路内に入射させ、この入射光を導波
    させた後、外部に導出する光学装置において、前記入射
    光の前記偏光成分の偏光方向と前記光導波路の入射面の
    長さ方向又はファイバー配列方向となす角度αが、40
    度以下に保持される光学装置。
  2. 【請求項2】 前記角度αが0度に保持される、請求項
    1に記載の光学装置。
  3. 【請求項3】 前記光がレーザ光である、請求項1に記
    載の光学装置。
  4. 【請求項4】 前記レーザ光が半導体レーザ光である、
    請求項3に記載の光学装置。
  5. 【請求項5】 前記光が発光ダイオードからの光であ
    り、この光が偏光板で偏光されて前記光導波路内に入射
    するか、或いは前記光導波路から偏光板を介して導出さ
    れる、請求項1に記載の光学装置。
  6. 【請求項6】 前記光が電界発光素子からの光であり、
    この光が偏光板で偏光されて前記光導波路内に入射する
    か、或いは前記光導波路から偏光板を介して導出され
    る、請求項1に記載の光学装置。
  7. 【請求項7】 前記半導体レーザとして、赤色光源にA
    lGaInP系III−V族半導体発光デバイス、緑色光
    源にZnSe系II−VI族半導体発光デバイスまたはGa
    N系III−V族半導体発光デバイス、青色光源にZnS
    e系II−VI族半導体発光デバイスまたはGaN系III−
    V族半導体発光デバイスを用いた、請求項4に記載の光
    学装置。
  8. 【請求項8】 前記発光ダイオードとして、赤色光源に
    AlGaInP系III−V族半導体発光デバイス、緑色
    光源にZnSe系II−VI族半導体発光デバイスまたはG
    aN系III−V族半導体発光デバイス、青色光源にZn
    Se系II−VI族半導体発光デバイスまたはGaN系III
    −V族半導体発光デバイスを用いた、請求項5に記載の
    光学装置。
  9. 【請求項9】 前記電界発光素子として、赤色光源、緑
    色光源、青色光源にZnS系発光デバイスを用いた、請
    求項6に記載の光学装置。
  10. 【請求項10】 前記入射光が前記光導波路内で導波さ
    れ、電気光学素子によるスイッチング動作で導出され、
    前記電気光学素子が、電界によって屈折率変調する素
    子、屈折率分布変調する素子、発光強度変調する素子、
    着色濃度変調する素子、誘電率変調する素子、透磁率変
    調する素子、液晶配向状態を変える液晶素子、及び光散
    乱する素子からなる群より選ばれた1種、又は2種以上
    の組み合わせからなり、前記電界によって選択的に光が
    導出又は遮断される、請求項1に記載の光学装置。
  11. 【請求項11】 単数又は複数の光導波路と;この光導
    波路に交差した単数又は複数の透明基板もしくは透明フ
    ァイバーと;前記光導波路と前記透明基板もしくは透明
    ファイバーとの交差部に配設又は形成され、前記電気光
    学素子として駆動電極による電界に応答動作する液晶素
    子と;を具備した、請求項10に記載の光学装置。
  12. 【請求項12】 前記液晶素子が、前記光導波路内の光
    を屈折率の変化により同素子外へ選択的に取出せるよう
    にした、請求項11に記載の光学装置。
  13. 【請求項13】 前記液晶素子が強誘電性液晶を有す
    る、請求項11に記載の光学装置。
  14. 【請求項14】 前記液晶素子の光取出し時の液晶の実
    効屈折率と、前記光導波路の屈折率との差が、0.06
    4以下(好ましくは0.005以下)である、請求項1
    1に記載の光学装置。
  15. 【請求項15】 前記液晶素子の液晶を介して前記光導
    波路と対に配された前記透明基板に、前記光スイッチで
    前記光導波路内より液晶側へ取出された光の散乱部とし
    て、0.2〜1.5μm刻みの溝が形成されている、請
    求項11に記載の光学装置。
  16. 【請求項16】 前記光の散乱部の溝の深さが、λ/
    8.7774以上(ただし、λは導波光の波長)であ
    る、請求項15に記載の光学装置。
  17. 【請求項17】 前記入射光が前記光導波路内で導波さ
    れ、光で励起される被励起素子によるスイッチング動作
    で導出され、前記被励起素子が、光によって屈折率変調
    する素子、屈折率分布変調する素子、発光強度変調する
    素子、着色濃度変調する素子、誘電率変調する素子、透
    磁率変調する素子、液晶配向状態を変える液晶素子、及
    び光散乱する素子からなる群より選ばれた1種、又は2
    種以上の組み合わせからなり、前記光励起によって選択
    的に光が導出又は遮断される、請求項1に記載の光学装
    置。
  18. 【請求項18】 単数又は複数の光導波路と;この光導
    波路に交差した単数又は複数の透明基板もしくは透明フ
    ァイバーと;前記光導波路と前記透明基板もしくは透明
    ファイバーとの交差部に配設又は形成された前記被励起
    素子と;を具備した、請求項17に記載の光学装置。
  19. 【請求項19】 単数又は複数の光導波路と;この光導
    波路に交差した単数又は複数の透明基板もしくは透明フ
    ァイバーと;前記光導波路と前記透明基板もしくは透明
    ファイバーとの交差部に配設又は形成され、電気光学素
    子として駆動電極による電界に応答動作する液晶素子
    と;を具備した光学装置を製造するに際し、前記透明基
    板または前記透明ファイバーの表面に透明電極を形成
    し、得られた積層体を所定形状に切断し、さらにこの切
    断物を熱板加工して平坦にする、光学装置の製造方法。
  20. 【請求項20】 前記透明基板または前記透明ファイバ
    ーが樹脂で形成されており、前記熱板加工の加熱温度を
    140〜200℃とする、請求項19に記載の光学装置
    の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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