JP2002010987A - 生体情報信号処理方法と装置およびそのプログラムを記憶した記憶媒体 - Google Patents

生体情報信号処理方法と装置およびそのプログラムを記憶した記憶媒体

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JP2002010987A JP2000195357A JP2000195357A JP2002010987A JP 2002010987 A JP2002010987 A JP 2002010987A JP 2000195357 A JP2000195357 A JP 2000195357A JP 2000195357 A JP2000195357 A JP 2000195357A JP 2002010987 A JP2002010987 A JP 2002010987A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】生体情報の分析処理を効率的効果的に進める生
体信号処理方法、装置およびそのプログラムを記憶した
記憶媒体を提供するもの。 【解決手段】生体情報の時系列離散信号から1次、2
次、3次の各微分信号が不感帯を設けたゼロレベルへ交
差する、または接触するモードに応じて特徴点順列デー
タを抽出すること。また前記離散信号の特徴点群より誘
導された有向線分ベクトルを順列集合データで表現し、
本データよ前記離散信号中に生起する波形の部位を識別
し分析すること。さらには生体情報分析法を分析の目的
と被験者の生体状況に合わせ、遠隔より変更し適応化さ
せることにより効果的な生体情報の分析と生体の管理を
行うこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は生体情報の分析処理
を効果的に進める技術に関するものであり、更に具体的
に言えば、生体情報の時系列離散信号から、複数種類の
特徴点の順列集合データを抽出し、定量的、汎用的、効
率的に表現する技術と、その特徴点の順列集合データに
より生体情報の時系列離散信号中に生起する波形の部位
を識別し、分析する技術と、また、多種多様な生体情報
対象と、分析目的と、測定部位・被験者の状況変化に応
じ、その分析プログラムと生体管理指導情報を適応化さ
せる技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】生体に関する異常や活動状況の生体情報
信号からの分析は元来専門的であり、過去の経験・知見
に基くヒューリスティックな部分が多く、これをコンピ
ューターにより如何に自動分析するか多くの試み・提案
がなされてきた。 例えば特開平11−244249、
特開平10−225443、特開平10−21609
6、特開平09−173310などである。
【0003】他方、特開平10−211180、特開平
10−84286、特開平04−236941では幾つ
かの特徴点を以って表現や分析する試みがなされてい
る。また、特開平11−244250では生体信号をピ
ーク情報のみでとらえ、ピーク判別も単なるしきい値判
別法のみによって実施されている。さらにまた、特開平
11−206727では心電図診断における特徴波を検
出するステップが述べられている。但し、その特徴波を
効果的に抽出、表現する汎用的手段は述べられていな
い。
【0004】一方、被験者から得られた生体信号情報を
遠隔の医療専門家へ電話回線、通信回線を利用し送信、
医療専門家による診断と結果の返信を行う技術も公開さ
れている。(特開10−52407、特開平09−26
2217、特開平08−150126、特開平08−0
56910、特開平特開平8−038435など)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の生体情報分析で
は信号処理・情報処理技術を活用し、或いはアルゴリズ
ムを組み、個別の生体問題解決をしようとする多くの試
みはあったが、これまでの医療専門家による生体情報信
号の形態的観察から蓄積されてきた過去の知見を活用し
自動分析化する目的で、汎用的な波形の抽出と、表現
と、分析の方法を考案する着想は無かった。 また多種
多様な生体情報対象と、測定部位・被験者に対して、対
応プログラムやパラメーターは固定化されており、時点
時点での診断ニーズ、生体状況、被験者ニーズに応じ、
分析法最適化のためプログラムコード、パラメーターを
更新させ、また状況に応じた生体管理指導メッセージ情
報を逐次提供することにより効果的な生体情報の分析と
管理法を提供していく着想も生まれなかった。本発明は
前記二つの着想にもとづき生体情報の分析処理を効率的
効果的に進める生体信号処理方法、装置およびそのプロ
グラムを記憶した記憶媒体を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】以上の課題の解決のた
め、本願は成されたものであり以下の第1から第10の
発明を備える。第1の発明は、生体情報の時系列離散信
号の特徴点を抽出し該信号を表現する方法であって、該
方法は、離散化された生体情報時系列信号を該信号外の
成分除去のためフィルタリングし、微分処理し、特徴点
を抽出し、該特徴点の順列集合で構成し表現するもので
あり、該特徴点はフィルタリング後離散データの1次、
2次、3次の各微分信号が不感帯を設けたゼロレベルへ
交差する、または接触するモードに応じて抽出されるこ
とを特徴とする方法である。更に述べれば、前記各モー
ドにより抽出される特徴点は該離散信号波形上、極大の
頂点であり、極小の頂点であり、近似的に一定の勾配区
間の両端または中間の点であり、近似的に水平な区間の
両端または中間の点であり、信号勾配が極大および極小
の点であり、信号勾配の変化が極大および極小となる点
であり、これら全ては形態的に特徴ある点であることは
明白である。なお、補足すれば3次微分信号については
ゼロレベルへ交差するモードのみを本発明の範囲としゼ
ロレベルへ接触するモードについては必要とするもので
はない。また、該3次微分ゼロレベル交差モードの特徴
点抽出については3次微分処理を省略し、2次微分信号
の所定閾値以上の極大値および所定閾値以下の極小値の
抽出処理により実行することも可能で、これは3次微分
信号のゼロ交差点より直接抽出する方法と本質的な違い
は無く本発明と区別を与えるものでもない。以上の1
次、2次、3次の各微分信号が不感帯を設けたゼロレベ
ルへ交差する、または接触するモードに応じて抽出され
た、これら特徴点群を、順列データで表現すれば、波形
の形態的特徴が大量の全信号データを扱うことなく、効
率良く表現可能となる。
【0007】第2の発明の方法は生体情報の時系列離散
信号を表現する方法であって、該信号の特徴点群より誘
導された有向線分ベクトルの順列集合で構成し表現する
ことを特徴とする方法である。有向線分ベクトルとは信
号座標内2点間を接続する線分ベクトルで定義され、始
点または終点の横軸および縦軸座標値と、横軸に対する
線分のなす角度と、長さを属性値とする。生体情報の特
徴点群より有向線分ベクトル群を誘導、順列データで表
現すれば、波形の形態的流れの特徴が大量の全信号デー
タを扱うことなく、効率良く表現可能である。
【0008】第3の発明の方法は、生体情報の時系列離
散信号を分析する方法であって、請求項2記載の有向線
分ベクトルの順列集合データから該離散信号中に生起す
る波形の部位を識別し分析することを特徴とする方法で
ある。前記生体情報信号の形態的特徴を表す有向線分ベ
クトルの順列集合データを使用することにより、これま
で医療専門家による生体情報信号の形態的観察から得ら
れた実績ある過去の分析技術が活用でき、効率的、効果
的な分析が可能になる。
【0009】 第4の発明の方法は生体情報分析法を分
析の目的と被験者の生体状況に合わせ、遠隔より変更し
適応化させる方法であって、被験者側より被験者固有コ
ードとともに送られた生体情報をもとに専門機関が更新
が必要と判断した前記分析法の新プログラムを被験者側
へ生体管理指導情報とともに送ることにより適応化させ
る方法であり、送られる該プログラムは被験者側分析装
置プログラム記憶領域内で再配置され実行化されること
が可能であり、また送られる前記生体管理指導情報は被
験者側で出力され伝達されることが可能であることを特
徴とする方法である。更に述べれば、前記生体情報と
は、被験者の生体情報時系列信号の離散データであり、
前記分析法の結果のデータであり、或いは被験者側から
の伝言データである。また前記生体管理指導情報とは、
被験者側の生体日常管理への指導情報であり、或いは、
プログラム更新に係る連絡または指示情報である。一般
に生体情報分析の対象は多種であり、また測定部位も必
ずしも一定はせず、被験者の状況変化も多い。この多様
さに対応するため、プログラムとパラメーターの両者ま
たは一方を固定させることなく、時点時点での診断ニー
ズ、生体状況、被験者ニーズに応じ、最適化のため更新
させ、また状況に応じた生体管理への指導情報を逐次提
供することにより効果的な生体情報の分析と管理を行う
ものである。なお、補足すれば請求項に言うプログラム
とは、ここでは更新が必要と判断されたプログラムコー
ド部分とパラメーターデータ部分の両者または一方を言
うものとする。
【0010】第5の発明の装置は生体情報の時系列信号
を所定時間間隔毎に離散データに変換する生体情報離散
化手段と、該データを一時記憶するデータ一時記憶部
と、一時記憶された該データを連続する所定データ数単
位毎に正規化する手段と、前記正規化されたデータを離
散フィルター処理により生体信号外成分を除去し微分処
理する離散フィルター処理手段と、生体信号外成分を除
去され微分処理されたデータより特徴点の順列集合を抽
出する手段とを備える生体情報信号処理装置である。更
に述べれば、前記特徴点順列集合に含む特徴点群は請求
項1記載の特徴点群であり形態的に特徴を有する特徴点
群である。よって本装置により、これらの特徴点群を抽
出、順列データで表現すれば、波形の形態的全貌が大量
の全信号データを扱うことなく、効率良く表現可能とな
る。
【0011】第6の発明の装置は請求項5記載の装置に
加えるに生体情報の時系列離散信号中に生起する波形の
部位を請求項5記載の特徴点順列集合より識別し分析す
る生体分析手段と、生体情報の時系列離散信号と前記分
析の結果情報と時刻データとを関連付けて保存或いは復
元する生体データ保存復元手段と、該生体データを保存
記憶する生体データ記憶媒体とを有する生体情報分析装
置である。更に述べれば、本装置により、特徴点の順列
集合を形態的に分析し、これまで医療専門家による生体
情報信号の形態的観察から得られた知見と照合すること
により実績ある過去の分析技術を活かした効率的、効果
的な分析が可能になる。
【0012】第7の発明の装置は分析法が分析の目的と
被験者の生体状況に合わせ、遠隔より変更可能な生体情
報分析装置であって、被験者側から専門機関へ送られる
生体情報と専門機関から被験者側へ送られる、変更が必
要と判断された前記分析法のプログラムおよび生体管理
指導情報とを制御するデータ交換制御手段と、被験者側
の操作を入力し前記生体管理指導情報を被験者側へ出力
する被験者インターフェイス手段と、前記送られたプロ
グラムを再配置実行可能とさせるプログラム再配置手段
とを備える装置である。更に述べれば、多種多様な生体
情報対象と、測定部位・被験者の状況の変化に対して、
対応するプログラムを固定させることなく、前記状況に
合わせて適応化させ更新させることが可能な装置であ
り、効果的な生体情報の分析装置を提供するものであ
る。なお、補足すれば請求項に言うプログラムとは更新
が必要と判断されたプログラムコード部分とパラメータ
ー部分の両者または一方を言うものとする。
【0013】第8の発明は、マイクロプロセッサーに請
求項1記載の方法を実行させるためのプログラムを記憶
したマイクロプロセッサーが読取可能な記憶媒体であ
る。
【0014】第9の発明はマイクロプロセッサーに請求
項3記載の方法を実行させるためのプログラムを記憶し
たマイクロプロセッサーが読取可能な記憶媒体である。
【0015】第10の発明は、マイクロプロセッサーに
請求項4記載の方法を実行させるためのプログラムを記
憶したマイクロプロセッサーが読取可能な記憶媒体であ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して各請求項目
についてその実施形態について説明する。
【0017】まず、請求項1.生体情報の時系列離散信
号の特徴点を抽出し該信号を表現する方法により特徴点
を抽出した心電波形の例を図1および図2に示す。図1
は正常状態で見られる典型的な心電図、図2(a)は心
室性期外収縮の心拍異常で見られる心電図の例であり、
いづれも抽出された特徴点を例示のため、該特徴点を波
形上に重ねて表示している。また図中には特徴点の種を
区別するため符号A〜Gを記している。これら特徴点は
1次、2次、3次の各微分信号が不感帯を設けたゼロレ
ベルへ交差又は接触するモードにより種別が決定され
る。また該モードの種類と、その特徴点種別については
後述の処理フローの中で明らかにされるが、本例では1
モード1特徴点種とはせず種別を先のA〜Gへ数を制約
している。従って1種の特徴点が複数のモードで抽出さ
れることになる。
【0018】また補足すれば、ゼロレベル交差点とは信
号がゼロレベル、即ち縦軸0点を横切る(交差する)点
であり、ゼロレベル接触点とは交差しないでゼロレベル
に達した後、同一極性の方向へ折り返す点であると定義
する。また、ゼロレベルとは縦軸0点を中心に設定され
た不感帯の領域内とする。この不感帯は微小ノイズによ
る影響を除外するために設けるものである。なお、今後
の説明においてはゼロレベル交差点をゼロ交差点、ゼロ
レベル接触点をゼロ接触点と言う。 また本例では不感
帯内通過期間が所定より長い場合はゼロ交差点もしくは
ゼロ接触点として入口と出口点の2点を採用し、短い場
合はその中間の点を採用する。
【0019】さて、Aの種は信号振幅の極大点でありB
の種は極小点であり、いずれも波形の頂点となる。また
Cの種は近似的に一定勾配部分の入口点または出口点ま
たは中間点であり、Dの種は近似的に水平勾配である区
間の入口点または出口点である。また本中間点は後述す
る信号勾配が極大または極小となる点の種別Eへ組み入
れる。A,Bは、いづれも1次微分信号のゼロ交差点に
対応付けられる。Dの種、水平勾配近似区間の点も又、
1次微分信号のゼロ交差点またはゼロ接触点に対応付け
られる。種別A,Bと種別Dは後述するモードの違いに
より区別される。
【0020】1次微分のゼロ交差点が入口点から出口点
まで所定以上の距離を有する場合、原信号では所定距離
以上の近似的に水平な区間を有し、該区間前後の信号勾
配は逆の極性の勾配をもつ特徴が見られる。すなわち平
坦な極大または極小の頂点である。なお、本水平近似区
間の距離が所定より下であればその中間を特徴点とし、
その種別は先の極大点Aまたは極小点Bと同様とみなす
ことが出来る。また入口点から出口点まで所定以上の距
離を有するゼロ接触点の場合は原信号では所定距離以上
の水平近似区間を有し、前後の信号勾配は同じ極性の勾
配をもつ特徴が見られる。なお、本水平近似区間の距離
が所定より下であればその中間を特徴点とし、その種別
は次のEの種とみなすことが出来る。
【0021】Eの種は信号勾配が極大または極小とな
る、いわゆる変曲点であり、これらは2次微分信号のゼ
ロ交差点および前記1次微分ゼロ接触点で水平近似区間
の距離が所定より下である場合の該区間中間点に対応付
けられる。 また、Cの種は信号勾配が近似的に一定な
区間の入口点または出口点またはその中間点であり、こ
れらも2次微分のゼロ交差点またはゼロ接触点に対応付
けられる。種別Eと種別Cは後述するモードの違いによ
り区別される。
【0022】また、該ゼロ交差点の場合、原信号の該信
号勾配一定近似の区間の前後の信号勾配は同じ極性の勾
配をもつ特徴が見られる。なお、勾配一定近似の本区間
の距離が所定より下であればその中間を特徴点とし、そ
の種別はEの種とみなすことが出来る。次に該ゼロ接触
点の場合、逆の極性の勾配を持つ特徴が見られる。な
お、勾配一定近似の本区間の距離が所定より下であれば
その中間を特徴点とし、その種別はCの種とする。
【0023】次に、FおよびGの種は信号勾配の変化が
極大および極小となる点であり、これは3次微分のゼロ
交差点に関係づけられる。
【0024】以上に説明した特徴点の抽出では、場合に
よっては異なる種別が近傍で重なるが、本例では以下の
ような方法で合理化している。すなわち、次数の低い微
分のゼロ交差点またはゼロ接触点対応の特徴点近傍で生
じた高次側微分のゼロ交差点またはゼロ接触点対応の特
徴点は採用せず、低次側の特徴点に統合する。なお、本
近傍の範囲はプログラム中、パラメーターで与えられ
る。
【0025】先の心拍異常の心電波形図2では、(a)
には最終的に採用された特徴点がその種別符号と合わせ
表示されている。また同図(b)では1次微分のゼロ交
差点、ゼロ接触点による特徴点候補が表示されている。
同図(c)に、2次微分のゼロ交差点、ゼロ接触点によ
る特徴点候補を表示する。 また、3次微分ゼロ交差点
に対応する特徴点は本例の処理では2次微分の極大点ま
たは極小点から抽出しているが、その特徴点候補を同図
(c)中に種別記号FおよびGで表示している。なお、
同図(c)中に0レベルを挟んで上下に設定してあるレ
ベル20は、この2次微分極大点、極小点抽出用の閾値
レベルである。
【0026】また、(b)、(c)では0レベル近傍に
設定されている不感帯境界線の記載は省略されている
が、代りに、縦軸を拡大された図3に該不感帯境界線3
0を記載する。同図(a)は一次微分波形が不感帯境界
線、特徴点候補と共に表示されており、また同図(b)
は二次微分波形が不感帯境界線30、前記閾値レベル2
0および特徴点候補と共に表示されている。
【0027】では、これらの特徴点を抽出する処理例を
示そう。
【0028】本例においては3チャンネルの心電信号を
それぞれ4ミリ秒のサンプリング周期でA/D変換し時
系列離散データとして入力、一時記憶する。記憶された
データは心拍サイクルより十分長い単位時間毎、本例で
は8秒毎に該単位時間分のデータ数2000に前後各1
50を更に加えデータ数2300として改めて取り出さ
れ以下の特徴点抽出処理が実行される。なお、前に加え
られる150データは前回分データ最後の150データ
と重なり、後150データは次回最初の150データと
重なる。この重なり部分を持つ理由は以降の離散フィル
ター処理特有の、データ頭部と終了部に生ずるデータ使
用不可部分を除外するため加えるものである。
【0029】さて、当該処理は、各チヤンネルとも同様
の処理となるので以降、1チャンネルの実行分について
説明していく。まず図4に当該処理の全体フローを示
す。
【0030】図4生体情報時系列離散データの正規化処
理401では先の2300のデータ毎、バイナリデータ
より心電電圧の実数データへ、ゲインおよびオフセット
が調整され変換される。次のノイズ除去、平滑化処理4
02ではノイズ除去の為の帯域フィルター処理が行わ
れ、更に単純移動平均による平滑化処理が実施される。
この平滑処理後の信号データに対し、1次平滑微分処理
403では微分処理を行う。本例では波形上微小凹凸に
よる微分処理による影響を除去する為、平滑処理を併せ
た平滑微分処理離散フィルターを使用している。さらに
2次平滑微分処理404では前処理403での1次微分
データに対し更に平滑微分フィルター処理が実行され2
次微分データを得る。以上のステップにより特徴点抽出
のための微分データが準備され、以降の処理、1次微分
ゼロレベル対応特徴点抽出処理405、2次微分ゼロレ
ベル対応特徴点抽出処理406、3次微分ゼロレベル対
応特徴点抽出処理407が実行される。 これらのステ
ップで抽出された特徴点候補は最終的には特徴点統合化
処理408により統合化され最終特徴点が決定される。
【0031】さて以降、特徴点抽出処理の詳細の説明に
入るが、今後は、1次微分ゼロレベル対応特徴点を1次
微分特徴点、2次微分ゼロレベル対応特徴点を2次微分
特徴点、3次微分ゼロレベル対応特徴点を3次微分特徴
点と言う。また離散信号の横軸、X軸はサンプリング間
隔の時間軸である。すなわち本例ではサンプリングカウ
ント0よりスタートし16進表示でffffまでカウン
トされ再び0に戻る座標値を採用している。
【0032】図5は1次微分特徴点抽出処理405の詳
細フローである。本処理ロジックは次の2次微分特徴点
抽出処理でも同様に構成され、次の特長がみられる。す
なわち1次微分、2次微分の各信号が不感帯を設けたゼ
ロレベルで交差する、または接触する、モードに応じて
前記特徴点が区分され抽出されていくことである。な
お、3次微分特徴点の抽出も同様なロジックで可能であ
るが、本例では3次微分処理時間を省略する為、代りに
一定閾値以上の2次微分信号の極大、極小点を抽出する
ロジックを加え実行している。
【0033】では具体的に処理ロジックを図5で説明し
ていこう。まずステップ501では変数COUNT1、
変数COUNT2および1次微分特徴点候補データの格
納エリアをクリアする。COUNT1は1次微分後の順
列データのデータ順をカウントするものである。 また
COUNT2はノイズ過大データについては抽出処理を
行わずエラー処理する為のものである。すなわちノイズ
過大のデータは必然的に不感帯の出入りが多くなる為、
この回数をカウントしノイズ過大を判断する。
【0034】ステップ502ではこのCOUNT2の値
を前記順列データの取り出しに先立ってチェックする。
ステップ503は前記順列データのデータ順カウンタ
ーCOUNT1を毎回1カウントするステップである。
ステップ504は取り出す前記順列データがその回処理
対象となる1次微分データ総数を超えたか否かを判定す
るステップである。もし、超えていれば1次微分特徴点
抽出の本処理405は終了し、次の2次微分特徴点抽出
処理406の処理へ移る。
【0035】さて1次微分特徴点抽出処理のCOUNT
1が指すデータ取り出しはステップ505において取得
される。ステップ506では先に取得したデータが不感
帯内に有るかを判定する。不感帯外のデータであればス
テップ507へ移り、更にステップ502へ戻りステッ
プ506までのステップを不感帯へ入るまで繰り返す。
もし不感帯へ入らないで不感帯を飛び越し通過した場
合、ステップ507不感帯出側処理内で、その対応処理
が実行されるが、その説明は後に譲る。
【0036】ステップ506で不感帯内データが確認さ
れれば処理はステップ508へ移る。ステップ508で
は、当該不感帯内データがその時点で不感帯に入った最
初のデータであればその時間軸(X軸)座標値を入口点
データとし記憶し、またその直前のデータ(Y軸)の極
性(正または負)を記憶し、また不感帯通過回数用カウ
ンターCOUNT2を1増加させる。記憶された入口点
座標値と前記直前データ極性は不感帯を出るまで記憶さ
れている。不感帯内データ2番目以降では、本ステップ
508は実行は無くスキップされる。もしステップ50
6で不感帯外のデータが取得されていると判定されれ
ば、ステップ507へ移る。
【0037】ステップ507は不感帯を出た、或いは不
感帯内のデータが無く通過した(飛び越した)時点で特
徴点候補を抽出するステップである。その詳細を図6へ
示す。
【0038】ステップ601は取得された不感帯外のデ
ータが不感帯から出た最初の点かを判定するステップで
ある。もし最初の点であればステップ602へ移り、そ
の点のX軸座標値、その点のY軸座標値の極性、入口点
とのX軸距離を記憶する。次にステップ603で、不感
帯入り時の記憶されている極性を判定する。すなわち正
極性側(グラフの上方)から不感帯に入っていればステ
ップ604へ移る。もし負極性側(グラフの下方)から
不感帯に入っていればステップ611の入り側負極性時
の出側処理を実行する。
【0039】ステップ604は入り側正極性時の出側処
理の最初のステップである。まず出側の極性が調べら
れ、もし負極性側、すなわち、不感帯の上から下へ貫通
した(ゼロ交差する)場合ではステップ605へ移り、
不感帯内距離(入口点と出口点間X軸距離)が所定の長
さより上かを調べる。もし上であればステップ606で
この入口点、出口点を特徴点候補として1次微分0レベ
ル対応の特徴点順列データエリアへ、それらX軸および
平滑処理後信号上の対応データのY軸の座標値を特徴点
種別符号とともに記憶させる。このステップで抽出され
る特徴点候補をモード1の特徴点とし種別は水平勾配区
間の入口点および出口点の前記Dの種となる。
【0040】もしステップ605で長さが所定以下であ
ればステップ607へ移り、入口点、出口点の中間点
(中間値計算で小数以下の端数がでれば四捨五入)を特
徴点候補として1次微分0レベル対応の特徴点順列デー
タエリアへ、それらX軸および平滑処理後信号上の対応
データのY軸の座標値を特徴点種別符号とともに記憶さ
せる。このステップで抽出された特徴点候補をモード2
の特徴点とし種別は極大の頂点で前記Aの種となる。
【0041】先のステップ604で出側の極性が正極性
側、すなわち、上から入り、また上側へ折り返す(ゼロ
接触する)場合ではステップ608へ移り、不感帯内距
離(入口点と出口点間横軸距離)が所定の長さより上か
を調べる。もし上であればステップ609でこの入口
点、出口点を特徴点候補とし、1次微分特徴点候補の順
列データの格納エリアへ、それらX軸および平滑処理後
信号上の対応データのY軸の座標値を特徴点種別符号と
ともに記憶させる。このステップで抽出された特徴点候
補をモード3の特徴点とし種別は水平勾配区間の入口点
および出口点の前記Dの種となる。
【0042】もしステップ608で長さが所定以下であ
ればステップ610へ移り、入口点、出口点の中間点
(中間値計算で小数以下の端数がでれば四捨五入)を特
徴点候補として1次微分特徴点候補の順列データの格納
エリアへ、そのX軸および平滑処理後信号上の対応デー
タのY軸の座標値を特徴点種別符号とともに記憶させ
る。このステップで抽出された特徴点候補をモード4の
特徴点とし種別は信号勾配の極小点Eの種である。
【0043】なお、ステップ606で抽出された種別D
の特徴点候補は該水平勾配区間の直前の信号勾配が正、
直後の信号勾配が負の逆極性であるのに対し、ステップ
609で抽出された種別Dの特徴点候補は該水平勾配区
間の直前と直後が同じ正の信号勾配を持つ違いが有る。
【0044】以上、入口点、出口点或いは中間点の1次
微分特徴点候補が順列データの格納エリアへ格納された
段階で先に記憶されている入口点、出口点データおよび
入り側、出側極性を全てクリアされる。
【0045】さて先のステップ601で、取得された不
感帯外のデータが不感帯から出た最初の点でない判定で
あればステップ612へ移る。ステップ612では直前
のデータが不感帯の反対側、すなわちそのデータと逆の
極性データであるかを調べる。もし反対側であれば、
(すなわち、この場合は不感帯内のデータ無しに離散デ
ータが不感帯を飛び越し通過した形の場合)ステップ6
13へ移る。もし反対側でなければ、不感帯通過の状態
は無いと判定し、図5のステップ502へ戻る。
【0046】不感帯飛び越し通過のステップ613は不
感帯入りまたは通過のカウンターCOUNT2を1カウ
ント増分するステップである。次にステップ614で
は、上から下へ向う通過か、下から上へ向う通過かを判
定する。上から下への通過であればステップ615へ移
り、該不感帯を挟む二つのデータで不感帯に近い方を特
徴点候補として1次微分特徴点候補の順列データの格納
エリアへ、そのX軸および平滑処理後信号上の対応デー
タのY軸の座標値を特徴点種別符号とともに記憶させ
る。このステップで抽出された特徴点候補をモード5の
特徴点とし種別は極大の頂点で前記Aの種となる。
【0047】 また614で下から上へ向う貫通の形と
判定されればステップ616へ移る。該ステップでは該
不感帯前後のデータで不感帯に近い方を特徴点候補とし
て1次微分特徴点候補の順列データの格納エリアへ、そ
のX軸および平滑処理後信号上の対応データのY軸の座
標値を特徴点種別符号とともに記憶させる。このステッ
プで抽出された特徴点候補をモード6の特徴点とし種別
は極小の頂点で前記Bの種である。
【0048】さて、先のステップ603で不感帯に入る
直前の極性が負と判定された場合は、ステップ611
の、入り側負極性時の出側処理を実行する。該ステップ
は図7に詳細フローが記載されているが、処理の流れは
先に説明した、入り側正極性時の出側処理ステップ60
4以降に全く同じ処理となっているのでここでは抽出さ
れるモードと特徴点候補の種別のみの説明に留める。
【0049】まず、ステップ704で抽出された特徴点
候補をモード7の特徴点とし種別は極小点頂点、すなわ
ち前記Bの種が抽出となる。ステップ703で抽出され
た特徴点候補をモード8の特徴点とし種別は水平勾配区
間の直前の信号勾配が負、直後の信号勾配が正の逆極性
である、水平勾配区間の入口点、出口点の特徴点候補、
すなわち前記Dの種となる。次に、ステップ706で抽
出された特徴点候補をモード9の特徴点とし種別は水平
勾配区間の直前と直後が同じ負の信号勾配を持つ水平勾
配区間の入口点、出口点の特徴点候補、すなわち前記D
の種となる。またステップ707で抽出された特徴点候
補をモード10の特徴点とし種別は、信号勾配が極大の
中間点の特徴点候補、前記Eの種となる。以上が図5の
不感帯出側処理507である。
【0050】さて図5、1次微分ゼロレベル対応特徴点
抽出処理に戻り説明すれば、1次微分全データにつきス
テップ503以降の処理ステップが繰り返されステップ
504で終了が判定されると1次微分特徴点候補の抽出
処理405を終了し、次の2次微分特徴点抽出処理40
6へ移る。
【0051】なお、ここで付言すれば、図5ステップ5
02において不感帯へ入る或いは通過するカウントが所
定の制限値を超えていればノイズ、外乱が多いと判定さ
れ、異常外乱処理509が実行される。 異常外乱処理
509では、特徴点データの代りに異常外乱発生のエラ
ーコードが格納され、その単位時間内データからの特徴
点抽出処理を強制的に中断、終了させる。この実施形態
例では、これ以上の異常外乱処理は実行されないが、場
合によっては該カウントの大きさに応じて以降の単位時
間内の特徴点抽出処理の、不感帯幅や平滑処理フィルタ
ーのパラメーターを動的に最適化する処理を加えること
も可能である。
【0052】次に2次微分後データに対する2次微分ゼ
ロレベル対応特徴点抽出処理について説明する。図8に
2次微分ゼロレベル対応特徴点抽出のフロー図、図9に
不感帯出側処理のフロー図、図10に不感帯入り側負極
性時のフロー図をそれぞれ示すが、処理は1次微分特徴
点抽出処理と同様であるので、ここではモードと抽出さ
れる特徴点候補の種別のみの説明に留める。
【0053】まず図9のステップ906で抽出された特
徴点候補をモード11の特徴点とし種別は、直前と直後
の信号勾配が負である一定勾配区間の入口点および出口
点であり、前記種別Cが抽出となる。ステップ907で
抽出された特徴点候補をモード12の特徴点とし種別
は、信号勾配が極大の点、前記種別Eが抽出される。ス
テップ909で抽出された特徴点候補をモード13の特
徴点とし種別は、直前が負勾配であり直後が正勾配の一
定勾配の入口点および出口点であり、前記種別Cとな
る。ステップ910で抽出された特徴点候補をモード1
4の特徴点とし種別は、同じく直前が負勾配であり直後
が正勾配の一定勾配の中間点であり、前記種別Cとな
る。ステップ915および916で抽出された特徴点候
補をモード15および16の特徴点とし種別は、信号勾
配が極大となる点、極小となる点であり、前記種別Eが
抽出される。 次に図10のステップ1003で抽出さ
れた特徴点候補をモード18の特徴点とし種別は、直前
と直後の信号勾配が正である一定勾配区間の入口点およ
び出口点であり、前記種別Cとなる。ステップ1004
は抽出された特徴点候補をモード17の特徴点とし種別
は、信号勾配が極小となる点であり、前記種別Eとな
る。ステップ1006で抽出された特徴点候補をモード
19の特徴点とし種別は、直前が正勾配であり直後が負
勾配の一定勾配の入口点および出口点であり、前記種別
Cとなる。ステップ1007で抽出された特徴点候補を
モード20の特徴点とし種別は同じく直前が正勾配であ
り直後負正勾配の一定勾配の中間点であり、前記種別C
となる。
【0054】次に3次微分特徴点抽出処理407につい
て説明する。図11に3次微分特徴点抽出のフロー図を
示す。3次微分ゼロレベル対応特徴点は2次微分データ
の極大点および極小点から抽出している。本例ではまず
ステップ1101でデータ数カウント用のカウンターC
OUNT1および3次微分特徴点順列データエリアをク
リアする。ステップ1102は2次微分データ取得に先
立ち前記カウンターを1プラスする。次にステップ11
03ではそのカウンター数が処理対象データ総数以下で
あるかを判定する。もしデータ総数以下であればステッ
プ1104へ進みCOUNT1が指すデータを取得す
る。
【0055】ステップ1105は取得したデータが所定
の閾値A以上であるか判定するステップである。閾値A
以上であればステップ1106へ進み2次微分の極大
値、信号勾配の変化が極大である特徴点候補としてその
X軸および平滑処理後信号上の対応データのY軸の座標
値と種別符号を記憶する。該ステップで抽出された特徴
点候補をモード21の特徴点とし種別は、Fとなる。
【0056】取得したデータがもし所定閾値A以上でな
ければ、ステップ1107へ進み所定の閾値B以下であ
るかを判定する。閾値B以下であればステップ1108
で2次微分の極大値、信号勾配の変化が極小である特徴
点候補としてそのX軸および平滑処理後信号上の対応デ
ータのY軸の座標値と種別符号を記憶する。該ステップ
で抽出された特徴点候補をモード22の特徴点とし種別
は、Gとなる。以上のステップがステップ1103でC
OUNT1の値が所定のデータ総数を超えるまで繰り返
され終了する。
【0057】次のステップ408は特徴点統合化処理で
ある。ステップ405、406、407で抽出された、
それぞれの特徴点候補順列デ―タ格納エリアのデータは
データ順に沿って位置の補正と各順列の統合化処理を行
う。以下、その処理を説明する。
【0058】特徴点候補の位置は離散平滑微分フィルタ
ーの特性と波形形状により、原波形とするノイズ除去、
平滑化処理402後の波形の本来の特徴点位置と、ずれ
が見られる。 この為、原波形上において、前記抽出さ
れた特徴点候補の位置を中心に所定幅の近傍領域を設
定、この領域内で該当する特徴点種別の形状を再検出し
最終位置を確定、前記特徴点候補順列デ―タを補正す
る。
【0059】次に前記補正された、1次微分ゼロレベル
対応順列データと2次微分ゼロレベル対応順列データと
3次微分ゼロレベル対応データを更に1つの順列データ
に統合させる。 この統合処理は具体的には前記3つの
順列の各特徴点候補所定内近傍に別の特徴点候補が存在
していれば、より次数の低い微分のゼロレベル対応特徴
点側へ座標位置を統合させ、特徴点種別符号は統合前各
種別符号を併せ持つ処理である。
【0060】さて統合された、これらn個の特徴点デー
タをもつ集合は一般的に順列集合
【0061】F={F1,F2,F3,・ ・ ・F
i,・ ・,Fn}
【0062】で表現されFiは、下記3個の属性値をも
つベクトルとして表現される。
【0063】ベクトルFi:(種別値、X座標値、Y座
標値)
【0064】ここに種別値は先に説明の種別符号A〜G
またはデータ異常時に対応する値であり、同時に複数の
種別も識別可能な値である。
【0065】またX座標値はサンプリングカウント値で
あり16進数表示で0〜ffffの値を取り最大値fff
fの次は再び0となり循環する数値である。なお、この
時間軸座標値と時刻との対応は最初の離散データ正規化
処理401開始時刻をX座標値0時点の時刻とし記憶さ
れ、以降のX座標値時刻は(前記開始時刻)+(X座標
値)×4ミリ秒で計算される。また前記X座標値0時点
の時刻は0に循環する度に(前回時刻)+262,14
4ミリ秒で更新され、再記憶される。またY座標値は、
ノイズ除去、平滑化処理402後の信号波形上の該特徴
点Y座標値である。 以上が特徴点抽出処理の詳細であ
る。
【0066】次に請求項2生体情報の時系列離散信号を
表現する方法の実施形態例を図12により示す。
【0067】図12に示すように隣合う2つの特徴点P
1、P2を結び、P1からP2へ向う有向線分ベクトル
P1P2 を図に記載する始点座標値、角度、長さ、終点
座標値で定義し、以降、「特徴線分ベクトル」と表現す
る。この特徴線分ベクトルにより先の図1の心電波形を
特徴線分ベクトルで表現した図例が図14である。
【0068】一般にn個の特徴線分ベクトルをもつ集合
は順列集合
【0069】L={L1,L2,L3,・ ・ ・L
i,・ ・,Ln}
【0070】で表現され、各特徴線分ベクトルデータL
iは、下記5個の属性値をもつベクトルとして表現され
る。
【0071】ベクトルLi:(種別値、始点X座標値、
始点Y座標値、角度、長さ)
【0072】ここで、角度、長さの量は当然心電図の記
録座標軸の尺度により変わるものであるが、本例では国
内心電図チャートの標準記録感度10mm/ミリボル
ト、標準記録速度25mm/秒を基準としている。すな
わちX座標値をサンプリング間隔Tsミリ秒毎のカウン
ト値、Y座標値をVsミリボルト単位の信号振幅値とす
れば、角度、長さは次に示す式で定義できる。
【0073】
【数1】
【0074】ここでTsを4ミリ秒、Vsを1ミリボル
トとすれば、上記式は、
【0075】
【数2】
【0076】となる。
【0077】なお、種別値は実施例によっては割愛可能
であるし、或いは別の種別を入れてもよい。本例では
【0084】としている。
【0085】また、別の実施形態例として、請求項1の
特徴点群を用い、波形の頂点部分を有向線分ベクトルで
表現する例を図13に示す。本例では頂点の形態的特徴
を2つの有向線分ベクトルの対で表現する。1つは「底
辺線分ベクトル」であり、1つは「頂点線分ベクトル」
である。
【0086】図13(a)は平坦でない単一頂点の例で
あり底辺有向線分ベクトルは頂点P3の直前の極大勾配
点(複数連続していれば入口点)P2の一つ前の特徴点
P1を始点とし、頂点直後の極小勾配点(複数連続して
いれば出口点)P4の1つ後の特徴点P5を終点とする有
向線分ベクトルP1P5である。但し例外として前記極
大勾配点または極小勾配点より先に別の極小点の頂点が
出現すればそれが始点となり終点となる。
【0087】また一方、頂点有向線分ベクトルは底辺ベ
クトルの始点P1/終点P5の中間点(小数点以下四捨
五入)P6を始点とし頂点P3を終点とする有向線分ベ
クトルP6P3である。図13(a)では上に凸の頂点
を持つ波形例が示されているが逆極性である下に凸の頂
点でも極大点と極小点および極大勾配点と極小勾配点が
逆になる以外は頂点有向線分ベクトル、底辺ベクトルと
も同様に定義される。
【0088】図13(b)は頂点が平坦である場合であ
るが、この場合の頂点有向線分ベクトルの終点は平坦頂
点の中間(小数以下は四捨五入)P4として定義され従
って頂点有向線分ベクトルは同図(b)ではP8P4で
ある。 底辺線分ベクトルは平坦でない単一頂点の場合
と同様であり図(b)ではP1P7である。
【0089】先の図1の心電波形を前記底辺線分ベクト
ルと頂点線分ベクトルの有向線分ベクトル対で表現した
図例が図15である。本図中、実線矢印が底辺線分ベク
トルを、破線矢印が頂点線分ベクトルを示す。なお、本
図の例では本来正確には、Q波の底辺ベクトル終点はR
波の頂点ベクトル終点に、Q波頂点ベクトルの終点はR
波底辺ベクトルの始点に、また、S波底辺ベクトルの始
点はR波頂点ベクトル終点に、S波頂点ベクトルの終点
はR波底辺ベクトル終点に一致すべきものであるが、各
波のベクトルの区別を明確にするため、本図では便宜上
各波ベクトルの位置を時間軸左右に若干平行移動して表
示されている。
【0090】これらn個の底辺線分ベクトルと頂点線分
ベクトルの対をもつ集合は一般的に該ベクトル対の順列
集合
【0091】P={P1,P2,P3,・ ・ ・P
i,・ ・,Pn}
【0092】で表現されPiは、下記9個の属性値をも
つベクトルである。
【0093】ベクトルPi:(種別値、始点1X座標
値、始点1Y座標値、角度1、長さ1、終点2X座標
値、終点2Y座標値、角度2、長さ2、)
【0094】ここに始点1、角度1、長さ1は底辺線分
ベクトルの始点、角度、長さを表し、同様に終点2、角
度2、長さ2は頂点線分ベクトルのそれらを表し、各角
度、長さの定義は特徴線分ベクトルと同様である。な
お、種別値は実施例によっては割愛可能であるし、或い
は別の種別を入れてもよい。本例では
【0100】 としている。
【0101】本実施形態例は有向線分ベクトルを頂点の
形態的特徴の表現に利用した例であり、もちろん単独に
用いることも可能であるが、好ましくは有向線分ベクト
ルの先の実施形態例である特徴線分ベクトル群と組み合
わせて実施すれば、生体情報時系列離散信号の形態的特
徴をより幅広くとらえて表現出来る。
【0102】次に請求項3生体情報の時系列離散信号を
分析する方法の実施形態例を説明する。
【0103】本例では、これまで専門家により形態的に
観察されてきた心電図のP波、Q波、R波、S波、T
波、U波やST部分の形状分析やRR間隔、PP間隔、
PQ時間、QTc時間、QRS時間、VATの時間間隔を請
求項2の有向線分ベクトル順列データを用い、部位を識
別し、分析する例を説明する。本例では、心電分析は3
チャンネルの誘導波形に基づき実施されるが、同様の分
析法につき以下の説明では1チャンネルについて説明さ
れる。
【0104】生体心臓の電気的活動から誘起される心電
信号はその心拍活動に合わせ、サイクルを繰り返す。本
例では、その正常および異常時の心電活動の変化が該離
散信号波形上から十分観察出来るよう、離散化時のサン
プリング周期は4ミリ秒に選定されている。また特徴点
抽出処理は先の請求項1の例と同様の処理が本例でも行
われるが、繰り返しとなるのでここでは説明は省略す
る。また本例では請求項1の特徴点抽出処理部分と本請
求項の分析処理の部分は別個のプロセッサーにより実行
され、いづれのプロセッサーの処理周期も8秒としてい
る。この周期は心拍異常時も想定しその心拍より十分長
い周期としているが、当然ながらハードウエアの速度、
CPU数、メモリ容量やサンプリング周期、測定対象、
測定チャンネル数、分析種類数と併せ、決定されるもの
である。
【0105】さて先に述べたように特徴点の抽出処理は
別プロセッサーにより8秒周期で実行され、その結果の
特徴点順列データは、ノイズ除去・平滑処理402後の
心電信号離散データと、その先頭時刻データ、先頭時間
軸(X軸)座標値とともに、分析処理用データ一時記憶
領域へ格納される。図16は本分析処理用データ一時記
憶領域中のデータ表類の構成と関係を示している。前記
心電信号離散データとその先頭年月日時刻と先頭X軸座
標値の各データは信号データ表16Aへ、また特徴点順
列データは特徴点データ表16Bへ格納される。該信号
データ表16Aのデータ構成を図17において説明す
る。
【0106】信号データ表16Aは二つのデータ格納エ
リア、すなわちAデータ列17AとBデータ列17Bを
有し、8秒毎の心電信号離散データはこの二つのデータ
列へ交互に同列4行目17Fから以降最終行17Gまで
に格納されるようになっている。換言すればいづれか一
方のデータ列には最新の8秒間の前記離散データが格納
されており残る他方のデータ列には前回の前記離散デー
タが格納されていることになる。 また第1行17Cに
は単位枠番号が格納される。単位枠番号とは前記8秒周
期の時間単位を単位枠と定義し、該単位枠毎に通番号と
して与えられる番号であり最終番号後は再び1とする番
号である。なお補足すれば1単位枠の信号データは8秒
間のデータ量を有するものであるからこれは通常、複数
の心拍サイクル分のデータ量が含まれることになる。次
に第2行17Dには先頭信号データの年月日時刻が格納
される。第3行17Eは先頭信号データのX軸座標値が
格納される。
【0107】次に特徴点データ表16Bの構造を説明す
る。図は特に示さないが特徴点データ表16Bの各行は
各特徴点の属性データが格納され、第1列には単位枠番
号、第2列にはサイクル番号、第3列以降には種別値、
X座標値、Y座標値が第5列まで順に格納される。ここ
でサイクル番号とは後述するサイクル確定処理の段階で
決まる同一単位枠内の連続複数サイクルの通番号であ
る。この段階ではこの領域はクリアされ後刻、各特徴点
の該当サイクル番号が格納される。また本分析において
は時系列離散信号のX軸はサンプリング間隔の時間カウ
ント軸である。この座標値は先の請求項1の実施形態例
で説明した同様の方法により0からffffの値が与え
られる。以降、X座標の単位は後の処理ステップである
1サイクル正規化処理が実行されるまで、本座標値で表
現する。
【0108】一方、特徴点データ表16Bは信号データ
表16AのようなAデータ列、Bデータ列交互に格納で
きる表構造は採らず循環表形式を採用している。循環表
形式とは、格納されるデータが該特徴点表16Bの第1
行から順に最下行まで格納されると、次のデータは再び
頭の第1行より上書きされる構造の表であり、最新のデ
ータ格納行はポインターで管理される。本例の該特徴点
データ表は1単位枠に生起が予想される最大の特徴点の
数以上の十分の余裕を持つ511行の容量を有する。受
信されたその単位枠分の特徴点順列データはその時の前
記ポインターが指す行より順に特徴点個数分、格納され
全特徴点格納前に511行に到達すれば残り特徴点デー
タは第1行から再び上書きされ順に格納されることにな
る。
【0109】さて、以上の分析処理用データ領域に格納
された特徴点データをベースに以降の分析処理のステッ
プが実行される。図18にこの全体フローを示す。以下
は本フロー図18と処理の過程で使用されるデータ諸表
を示す図16を参照しつつ、その方法を説明していく。
【0110】図18に示す如く分析処理全体はリアルタ
イムOS180により各処理プログラムの実行管理がな
される。インターフェイス処理185が外部操作機能か
らの分析開始の指令を検知するとリアルタイムOS18
0の管理の下、8秒に1回の周期で入力データ受信処理
181および心電分析処理182が順に実行されるよう
になっている。すなわち入力データ受信処理181は先
に述べた特徴点抽出側プロセッサーより前記データを受
信し、前記分析処理用一次記憶領域中の前記信号データ
表16Aと特徴点データ表16Bへ格納する。また心電
分析処理182は図18の右にその分解されたフローが
示される。
【0111】まず処理101は特徴線分ベクトルの作成
処理である。処理対象となる最新単位枠分の特徴点デー
タが前記特徴点データ表16Bより取り出され先の特徴
点線分ベクトルの定義に従い角度、長さが計算され種別
を判定され、結果を始点座標値とともにデータ領域の特
徴線分データ表16Cに格納される。
【0112】 次の処理18図102は底辺線分ベクト
ルと頂点線分ベクトルの対を作成する処理である。本処
理は前記特徴点データ表16Bより最新単位枠分の特徴
点データ中、信号振幅の極大点または極小点の該当種別
値を持つ特徴点がまず探索され、先の請求項2の実施形
態例と同様に底辺線分ベクトルと頂点線分ベクトルの定
義に従い各属性値が計算され種別が判定され、結果がデ
ータ領域に格納される。図16中の16Dは該データが
格納される頂点線分対データ表である。表には、単位枠
番号、サイクル番号、および各底辺線分ベクトルと頂点
線分ベクトルの各属性値が各行に格納される。なお、以
降は、底辺線分ベクトルと頂点線分ベクトルの対を単に
頂点線分対と言う。
【0113】次の処理103はキー波形、サブ波形の抽
出・分析処理である。キー波形とはその頂点のX軸座標
値が各心拍サイクルの基準位置となる波形であり、サブ
波形とはキー波形以外の分析対象となる波形である。ま
た別の選定基準で言えば、その繰り返される信号波形の
各サイクル内において波形の出現の信頼度が高く、形状
的に他と識別が易い波形をキー波形として選別し、ま
た、キー波形が喪失した、或いは識別困難な状態を想定
し、次に代わる波形で、また分析対象となる波形をサブ
波形として選定する(複数可)。
【0114】該ステップ103において抽出、分析の対
象となるこれら波形は分析対象となる波形以外の特定部
位と併せ、図16中16Iに示す分析部位設定表によっ
て与えられ、該表のデータは前以ってパラメータとして
設定、登録されている。該表16Iのデータ構成はここ
では図では示さないが表最上位行には分析対象となる波
形とその他の部位の名称が登録される。登録可能な分析
部位は第1列から第15列まで最大15箇所である。該
表16の第2行にはその部位識別記号すなわち波形識別
記号、特定部位識別記号が登録される。第3行にはその
部位種別が登録される。部位種別にはキー波形とサブ波
形と基線、特定線、点がある。第4行には該表16Iに
登録されたキー波形およびサブ波形の方向性を登録し、
上に凸を1、下に凸を2、両方向性が有る場合を3と設
定する。その他の分析対象部位については方向性設定部
分は無視される。第5行には部位の生起順位が登録され
る。生起順位はキー波形が基準となりキー波形が1、そ
れに続いて生起する部位が順に2,3,4・ ・と追番
される。なお、生起順位が不定もしくは不明の場合は記
号UFが設定される。次の第6行および第7行にはその
部位が生起する時間範囲が登録される。生起する時間範
囲はキー波形の頂点位置基準からの時間を符号付ミリ秒
単位で表し、最早生起時間が第6行に、最遅生起時間が
第7行に入る。なお、該時間が不定もしくは不明の場合
は記号UFが入る。以降の設定表中で不定もしくは不明
の場合も同様に記号UFを設定する。第8行には次に説
明する判定パラメーター設定表の番号が登録される。判
定パラメーター設定表には2種があり、1は波形判定パ
ラメーター設定表16Kであり、分析対象となる各波形
毎に作成され表番号が設定されている。また他は特定部
位判定パラメーター設定表16Jであり分析対象となる
各部位毎に作成され表番号が設定されている。分析部位
設定表16Iの第9行、第10行はキー波形サブ波形が
複合波形であると予想される場合に設定し、第9行は多
連波形の連番号であり同一連番号の波形は同一多連複合
波形に属すると予想される波形である。第10行は多峰
化すると予想される場合の峰数の設定に使用する。な
お、多連、多峰の定義は後述される。
【0115】キー波形およびサブ波形を抽出する場合、
識別するための判定項目と判定基準は前記波形判定パラ
メーター設定表16Kと前記分析部位設定表16Iによ
り与えられ、これらの設定データは前以ってパラメータ
ーとして設定、登録されている。波形判定パラメーター
設定表16Kには、表第1行から第5行に判定データが
入り上から底辺線分ベクトル角度レベル、同長さレベ
ル、頂点線分ベクトル角度レベル、同長さレベル、頂点
先鋭度レベルの各判定データである。
【0116】なお、該頂点先鋭度は
【0117】 (頂点線分ベクト
ルY軸高さ)/(底辺線分ベクトルX軸長さ)
【0118】で定義されている。また各判定データは2
群に分けられ、1は通常波形用であり、他は矮小波形用
である。矮小波形とは心電図観察にて見られるQ波、R
波、S波等に対応した各波の小型波形q波、r波、s波
等を言う。各群とも判定データはさらに各判定レベルの
下限値と上限値を有し、よって表中第1列第2列は通常
波形用の各判定レベルの下限値と上限値、また第3列第
4列には矮小波形用の各判定レベルの下限値と上限値が
格納されている。
【0119】さて、キー波形、サブ波形の抽出分析処理
のステップ103を図19により、より詳細に説明しよ
う。このステップ103ではまず、ステップ103Aに
おいて波形の複合性を判定する。複合波形とは底辺線分
ベクトルの始点、終点のいずれか、或いは両者が隣接す
る前、後の波形の底辺線分ベクトルとx軸方向で重なる
場合を言い、2以上の波形が連続し一つの複合波形を形
成する。さらに定義すれば一つの複合波形内で一つの頂
点線分ベクトルの高さが前方、後方に在る頂点線分ベク
トルの高さより予め定められた割合以下に小さい場合を
多峰性波形、大きい場合を多連性波形とする。さらに多
峰波形の両端頂点と同一極性頂点の数により2峰波形、
3峰波形・・・と定義、多連性波形の場合は連続する頂
点の数により2連波形、3連波形・・・と定義される。
なお、多連波形の中の1波としての多峰波形も存在可能
である。
【0120】ステップ103Aにおいては前後の隣接す
る頂点線分対データを比較することによりこの複合性判
定処理をおこなう。すなわち前記頂点線分対データ表1
6Dより今回処理する単位枠に属する最初のデータを取
り出し、この複合性が判定される。単位枠最初のデータ
は前回単位枠最後のデータと比較される。複合波形であ
り多連性或いは多峰性と判断された場合は、 その状態
が記憶され次ステップ103Bで異なる対応方法がとら
れる。
【0121】次ステップ103Bは前記分析部位設定表
16Iに登録されたキー波形および各サブ波形の該当波
形判定処理である。すなわち、前記頂点線分対データ表
16Dより取り出されたデータは、前記分析部位設定表
16Iおよび前記波形判定パラメーター設定表16K、
中のキー波形の判定基準を用い、該頂点線分対データ
が、まずキー波形に該当しているか否かを判定される。
前記判定において全判定項目全てが該当すればキー波形
と判断され、一つでも判定項目を満足しなければ不該当
となる。キー波形の判定が終わると、次のサブ波形の波
形判定パラメーター設定表16Kおよび前記分析部位設
定表16Iの判定基準を用い同様に判定を行う。以下、
分析部位設定表16Iに登録された全ての波形に対して
判定処理が行われ波形種候補が抽出される。いずれの登
録波形にも該当しなかった場合は非登録波形の波形識別
記号が与えられる。なお先のステップで複合波形で多連
波形と判定された場合はその連内個々の波形単位で本該
当波形判定処理103Bが行われる。また複合波形で多
峰波形と判定されていた場合はその個々の峰波形では本
該当波形判定処理103Bおよび次ステップ103Cは
実行されない。実行の時点は後述される。当然ながら複
合波形でない単一波形の場合は該単一波形で本該当波形
判定処理103Bが実行される。
【0122】次のステップは該当波形判定結果のデータ
を仮生成するステップである、波形データ出力の仮生成
処理103Cである。本ステップでは図16中の波形デ
ータ出力表16Fへ単位枠番号、サイクル番号、該当波
形の波形識別記号、始点・頂点・終点の各座標値(X,
Y)、頂点線分対データ表16D中の対応データへのポ
インター(同表中の該当する頂点線分対データの順番
号)、および後述の複合波形情報を出力する。ここで波
形識別記号とは前記分析部位登録表16Iで登録された
波形識別記号であり、通常波形を大文字、矮小波形を小
文字、また先の非登録波形をX1、X2、X3、・・・
またはx1、x2、x3、・・・とする。なお、ステッ
103Bのステップにおける波形種判別において該当波
形が複数生じた場合は波形識別記号全てを出力し、最終
的な波形種確定の作業は後の「サイクル内合理性チェッ
ク」の処理に委ねる。また、前記複合波形情報として、
多連波形時には連番号、連数、連内通番号が連内の各波
形毎に、また、多峰波形時には多峰波形を1つの統合さ
れた波形とし、その峰数が出力される。
【0123】次のステップ103Dはキー波形サブ波形
抽出分析処理の終了をチェックするステップである。そ
の単位枠内最後のデータが処理終了していれば、該処理
は終了し、最後でなければ再び、ステッ103Eにおい
て、次の頂点線分対データを取り出し、ステップ103
A以降の同様の処理を繰り返す。但し、先にステップ1
03Aで多峰性が判定され記憶されている場合は、この
繰り返しの中では該多峰波形の最終峰データと判定され
るまでステップ103B該当波形判定処理とステップ1
03C波形データ出力の仮生成処理の実行は保留され
る。最終峰の頂点線分対データがステップ103Aで判
別された時点で初めて、本ステップ103Aで該多峰波
形を統合し属性データを再計算し、前記頂点線分対デー
タ表16D中の該単位枠内最終データの次行へ多峰波形
の種別コードとともに追記する。この追記された多峰波
形の統合データで改めてステップ103Bにより該当波
形判定処理が実行され、その結果はステップ103Cで
波形データ出力表16Fへ出力される。
【0124】以上の処理を繰り返し、前記頂点線分デー
タ表16D該単位枠内の最終部分に追記された前記多峰
波形の統合頂点線分対データを除く最終データまで処理
を終了すればステップ103Dで終了を判定しキー波
形、サブ波形の抽出処理を終える。なお、この最終デー
タ処理の段階で複合波形状態が終了していなければ、関
連情報は次の単位枠分データ処理開始時点まで記憶保持
される。
【0125】キー波形、サブ波形の抽出、分析後、図1
8ステップ104合理性チェックとサイクル区間の確定
処理へ進む。このステップでは前記ステップ103によ
り波形データ出力表16Fに出力されたその単位枠内波
形データの出力を基に、波形間の合理性チェックをまず
実行する。すなわち、分析部位設定表16Iで予め登録
されている波形の生起順位、生起時間範囲と照合しチェ
ックすること、また登録された複合波形内の順位や方向
性をチェックすることである。このチェック結果に従
い、前記ステップ103で複数の波形種候補を有した波
形、すなわち波形データ出力表16Fにおいて波形識別
記号を複数有する波形は1波形種に確定される。
【0126】次に確定されたキー波形頂点、本例ではR
波の頂点位置をサイクル基準点として該単位枠内におけ
る全サイクルを確定する。もし、キー波形の消滅または
抽出不可が判定されていればサブ波形の頂点からキー波
形頂点までのモデル時間を利用し、キー波形位置を仮決
定、これをサイクル基準点とする。なお、該モデル時間
は後述“各部位毎の動的モデル“の前回単位枠のものよ
り誘導される。またいづれの波形も識別不可能の場合は
同じく前回動的モデルのサイクル時間で1サイクルを仮
設定する。確定された該単位枠内の全サイクル区間は時
間的順位に従い通番号がサイクル番号として設定され、
そのサイクル始点の基準点X座標値とともに図16中1
6Gのサイクルデータ表へ登録される。なお該単位枠最
初のサイクル(すなわちサイクル番号1のサイクル)は
当然ながら前回単位枠最後のサイクル基準点と該単位枠
最初のサイクル基準点間のサイクル区間である。なお該
表16Gは単位枠番号、該単位枠内の通番号すなわちサ
イクル番号、サイクル基準点のX座標値および後述ステ
ップ109での特定間隔時間のデータが127サイクル
分登録できる循環表形式となっている。また設定された
該サイクル番号は前記特徴点データ表16B、特徴線分
データ表16C、頂点線分対データ表16D、特定部位
データ出力表16E、波形データ出力表16F、イベン
ト記録表16H中で未確定であったサイクル番号欄へ記
録される。
【0127】次の処理ステップは基線の確定処理105
である。前記分析部位設定表16Iには基線該当部位が
予め登録でき、該処理105ではこの登録された基線部
位を抽出、基線レベルを設定する。該表16Iで登録す
る基線該当部位は複数設定も可能であるが本例ではP波
とQ波間の水平線分に近似する区間、所謂PQ部分のみ
を登録設定している。前記ステップ104によりサイク
ル区間および各波の位置が確定しているのでP波、Q波
間の水平線分近似の特徴線分ベクトルを抽出することは
容易であり、この抽出された該特徴線分ベクトルののY
軸値平均値を該当サイクルの基線レベルとして確定す
る。また、この基線レベルが確定した段階で先のキー波
形サブ波形抽出の段階103において波形データ出力表
16Fへ出力されたP波、T波、U波の各始点位置・終
点位置が本基線レベルにより補正修正される。
【0128】次の処理ステップは1サイクル正規化処理
106である。以降の分析において、1サイクルの時間
軸Xの基準、信号振幅軸Yの基準を合わせておけば好都
合である。本ステップではX座標はサイクル基準点を0
としサンプリング毎のカウント値で表現し、Y座標は該
サイクルの基線レベルを信号振幅軸0ミリボルト位置と
して座標を正規化する。この時点で特徴線分データ表1
6C、頂点線分対データ表16D、波形データ出力表1
6Fで使用されている該単位枠内のX座標値、Y座標値
は正規化座標値へ全て置換される。
【0129】次のステップは特定部位の分析処理107
である。本例ではST部分すなわちQRS複合波の終点
(いわゆるJ点)からT波の始点までの部分を分析対象
の特定部位として分析部位設定表16Iへ登録してい
る。分析対象となるデータは特徴線分データ表16Cで
あり、また使用するパラメーターは特定部位判定パラメ
ーター設定表16Jおよび分析部位設定表16Iであ
る。
【0130】では以下、ST部分の分析の詳細を図2
0、特定部位の抽出・分析処理のフローにより説明す
る。図21に前記パラメーター設定表16Jのデータ構
成を示すが、まず探索開始点パラメーター21Aによ
り、特定部位の抽出・分析処理のフロー図20の処理ス
テップ107Aで判別する最初の特徴線分位置を指定す
る。前記特徴線分データ表16C中、もし指定された位
置にデータが無ければその位置直前の特徴線分データが
使用されることになろう。図21中、21Cから21F
までは以降の処理に使用される特徴線分ベクトルの始点
Y座標値レベルを判定するゾーン境界値が収納される。
判定ゾーンは最大5まで設定可能であり21Cの境界値
データの値以下は判定ゾーン1と区分され、21Cのデ
ータより上、21Dのデータまでを判定ゾーン2と区分
し以下、判定ゾーン3、4が区分され、判定ゾーン5は
21Fデータより上の場合を区分する。判定ゾーン数を
4以下とする場合は最大境界値の次以降は“UF”のコ
ードを設定する。
【0131】同表21Gから21Jまでは特徴線分ベク
トルの角度レベルゾーンの判定境界値が収納され、また
同表21Kから21Nまでは該ベクトルの長さレベルゾ
ーンの判定境界値が収納され、この2組のゾーン区分も
始点レベルの判定ゾーン区分に準じる。
【0132】さて、フロー図20ステップ107Aから
特定部位の分析処理に入るわけであるが、本処理の最初
の目的はその部位の形状的特徴を代表する形状データを
生成することである。この形状データの生成には判別木
構造が使用され、本例における特定部位の判別木が図2
2に示されている。該判別木では一つの特徴線分につい
てその始点レベル、角度レベル、長さレベルが前記レベ
ル判定ゾーンのいづれに該当するかを判別し、結果を3
次元データとして表現する。すなわち、該3次元の要素
に、始点レベル、角度レベル、長さレベルの該当ゾーン
番号が入るデータとなる。図22中の右端の括弧がそれ
ぞれの形状特徴に対応した該3次元データである。
【0133】なお、前記特定部位判定パラメーター設定
表16Jのデータ構成図21では始点レベル、角度レベ
ル、長さレベルとも最大5の判定ゾーンを設定できるよ
うになっているが、本例では3ゾーンで使用している。
これら判定パラメーターを用い、図20ステップ107
Aでは各特徴線分データの形状対応の3次元データが生
成される。
【0134】まず探索開始点の特徴線分ベクトルデータ
が与えられ判別木により最初の3次元データすなわち最
初の特徴線分に対応した形状データが生成される。次の
ステップ107Bは、このようにして生成した3次元デ
ータを下記順列集合Dであるn行3列のベクトル配列構
造領域へ収納するステップである。
【0135】 D={D1,D2,D3・
・ ・Di・ ・・ Dn}
【0136】 ベクトルDi:(始点のレ
ベル番号,角度のレベル番号,長さのレベル番号)
【0137】ここにnは最大数を想定して設定された定
数であり該配列構造のサイズを決める値である。またこ
のデータ領域は処理の先頭でゼロクリアされている。
【0138】さて、先に作成された最初の特徴線分ベク
トルに対応した形状データは前記集合D1に相当するわ
けであるが、以下ステップ107Cにおいての終結条件
が満足されるまでステップ107Dにおいて次の特徴線
分データを取り出しステップ107Aからの処理を繰り
返し、各特徴線分に対応した形状データD1,D2,D3
・ ・ ・Di・ ・ Dnが生成される。ステップ
107Cの終結条件は前記特定部位判定パラメーター表
16Jで設定された探索終了点21Bへ探索点が達した
場合、或いはiが所定の制限値に達した場合、或いはデ
ータ異常の種別値の特徴線分データが取得された場合の
いずれかである。これらのいずれかの条件が成立したこ
とにより形状データ生成のステップは終了し次のステッ
プ107Eへ移る。
【0139】ステップ107Eは最終的に生成された形
状データに基づいて特徴判定を行う部分であり、本処理
107の次の目的とする部分である。ここではST部分
の特徴判定を例に説明する。
【0140】ST部分の形態的変化に注目することは従
来から心筋の異常を分析する上で一般に行われてきた方
法であり、ST部分が基線に対して下降する、或いは上
昇する、また、例えば下降する場合についても全体的水
平に下降する、或いは終結部が下降する、盆状に下降す
る、等々、その形態的変化を分類し心筋異常事象との関
連を説明し診断に役立てられている。これら専門家によ
り得られたST波形の経験的分類は、前記形状データを
利用すれば容易に自動分類が可能となる。以下、例に沿
って説明するが、当然ながら、前記分類による分析法が
以下の説明の意図するところでない。過去の形態的観察
からの知られたこのような分析法を本発明による方法で
表現、自動処理する方法論を明らかにすることが本例説
明の目的である。
【0141】ステップ107Eではこの形態的特徴の分
類識別を前記形状データをもとに実行するものである。
ちなみに図23の典型的な心電波形ST部分の形状デー
タは前ステップまでの結果、本図の例では、第5特徴線
分までを表現すれば、次のようなベクトル配列データが
生成される。
【0165】一方、図24〜図26は一般に知られてい
る主なSTの形態分類である。これら形態のそれぞれの
形状データであるベクトル配列データを下記する。 な
お、下記(1)、(2)の形態型名は、あくまで通称で
あり、意味する波形の形は各図に示すものとする。また
下記型名中の接合部とは、前述のいわゆるJ点を意味す
る。
【0195】上記各ST形態の3次元配列データからで
も判るように、各配列要素の値を調べることにより、こ
れらST形態を識別することが出来、ステップ107E
形状データに基づく特徴識別処理は、その配列要素から
の識別ロジックを有するものである。
【0196】さて、識別されたST部分の形状特徴につ
いては前記形態分類に応じ予め形態コードが各々設定さ
れている。前記ステップ107Eの特徴識別の結果、該
当形態コードが確定し、次のステップ判定情報登録10
7Fでは、この形態コードとともに、単位枠番号、サイ
クル番号、部位識別記号、開始位置X座標、同Y座標、
終了位置X座標、同Y座標が、特定部位データ出力表1
6Eへ登録される。
【0197】次に図18特定間隔時間分析処理108の
説明へ移る。図16中のサイクルデータ表16Gには先
に登録されているその単位枠番号と該単位枠内各サイク
ルのサイクル番号、サイクル基準点X座標値(サイクル
正規化前の座標値)に加え、本処理108にて算出され
るRR時間、PP時間、PQ時間、QTc時間、QRS
時間およびVATを記録する。RR時間とは該単位枠各
サイクルにおけるR波頂点位置からの前サイクルのR波
頂点位置までの時間間隔である。PP時間とは同じくP
波頂点間の時間間隔である。PQ時間とは該単位枠該サ
イクルのP波の終点からQ波の始点までの時間間隔であ
る。QTc時間とは該単位枠該サイクルのQ波の始点よ
りT波の終点までの時間 間隔QTをよく知られた次の
Bazettの式により換算した時間である。
【0198】QTc(秒)=QT時間(秒)/RR時間
の平方根(秒)
【0199】QRS時間とは該単位枠該サイクルのQ波
の始点からS波の終点までの時間間隔である。VATと
はQ波の始点からR波の頂点までの時間である。なお、
PQ時間、QTc時間、QRS時間、VATが2つの単
位枠にかかる場合は各時間が完了する後の単位枠の第1
サイクルで記録する。これら時間間隔の始点および終点
は全てサイクル内正規化された波形データ出力表16F
の各データより明らかであり、前記特定間隔時間は容易
に算出できる。
【0200】次の各部位毎の基準クラスタと動的モデル
の作成処理109の説明へ移る。基準クラスタとは被験
者の心電事象の変化を分析するため、前記キー波形、サ
ブ波形、特定部位、特定間隔時間の基準とするもので前
記各波形、各特定部位、特定間隔時間毎、その特徴値を
被験者の安定状態で、それら特徴空間において所定時間
内クラスタリングし、基準クラスタが選定され保有され
る。クラスタリング開始の時期は本例では被験者により
判断され操作器より指示されるが、通常は基準クラスタ
の作成は実行されず、前記指示が入力された場合のみ実
行され、所定連続回の単位枠分の各特徴値をクラスタリ
ングし、基準クラスタを作成し終了する。クラスタリン
グの方法は一般に幾つかの方法が知られているが、本例
では単純クラスタリング法を採用し、最も集合の大きい
クラスタを基準クラスタとして採用している。
【0201】また前記各クラスタリングに用いられる特
徴値は以下である。まずキー波形、各サブ波形は底辺有
向線分ベクトルの始点X座標、Y座標、角度、長さと頂
点有向線分ベクトルの終点X座標、Y座標、角度、長さ
である。また特定部位については特定部位開始特徴点か
ら終了特徴点に向う有向線分ベクトル、(すなわちこの
区間の全線分ベクトルの合成ベクトル)の始点X座標、
Y座標、角度、長さである。また特定間隔時間は R
R、PP,PQ,QTc、QRS、VATの各時間の中
の指定された幾つかを使用する。
【0202】次に動的モデルの作成について説明する。
動的モデルは基線揺動、基線シフト、信号ノイズ大、ア
ーチファクトの異常コードが発生した場合を除いて各単
位枠の特徴点抽出処理の毎回、作成され更新される。動
的モデルを作成するのは基準クラスタと同様、各波形、
各特定部位、特定間隔時間毎である。ただしクラスタリ
ングと違い最新の連続所定サイクル区間、各特徴値毎、
加重移動平均をとり、これをモデル値としてこの各特徴
値モデル値の集合を動的モデルと定義する。この動的モ
デルは心電データの保存要否の判定やサイクル確定処理
104の基準波形消滅時のサイクル基準点確定に使用さ
れる。
【0203】18図の次のステップ110は総合分析の
ステップである。まず前記基準クラスタを使用し被験者
心電状態の変化を分析する。すなわち各波形、各特定部
位、各特定時間間隔毎に基準クラスタから該単位枠内所
定数サイクル分の平均値とのユークリッド距離を算出、
そのずれが該基準クラスタ作成時の標本分布3標準偏差
値より大きい場合は異常事象としてその内容を記録す
る。すなわち、異常が認められた発生部位と特徴値に応
じ、予め決められている異常事象コート゛を時刻値と共に
図16中のイベント記録表16Hへ記録する。また先の
キー、サブ波形の分析、特定部位の分析、特定間隔時間
の分析(心拍分析)の各結果を波形データ出力表16
F、特定部位データ出力表16E、サイクルデータ表1
6Gにおいて照合し、前記基準クラスタによる判定に併
せ総合分析を実施する。例えば分析対象波形の消滅、多
連波形・多峰波形の状態、さらにはST形態における異
常変化の有無、心拍状態などが総合的に分析され、異常
が認められれば該当異常事象コードを時刻値と共に前記
イベント記録表16Hへ記録する。
【0204】また前記イベント記録表16Hには以上の
分析からの異常事象コードのみならず、被験者がスイッ
チ操作により入力した特定イベントの発生、更には該単
位枠の特徴点抽出の処理過程で発生したエラ−コードも
記録される。なお、これまでの説明は心電信号1チャン
ネルを例にとり為されてきたが、本例では心電信号3チ
ャンネル分の分析結果が取得される。本総合分析の処理
110においては、この3チャンネル分が総合的に分析
され判断されることを補足する。以上で図18心電分析
処理182の詳細説明を終了する。
【0205】なお、本分析結果のデータの保存の為、心
電データ編集処理183によりデータ編集され、心電デ
ータ保存、復元処理184が実行される。通常、データ
保存領域へ保存されるデータ項目は年月日時刻に対応し
た心電離散信号データと心拍時間(RR間隔)と異常事
象と入力イベントの記録データである。但し、本例では
長時間記録等の必要性に応じ、保存効率上、心電離散信
号データと心拍時間データについては心電状況が前記動
的モデルにおいて変化が認められた時のみ、すなわち心
電事象に何らかの変化が認められた時のみ保存するモー
ドも選択可能としている。或いは心電離散信号データの
代りに前記特徴点順列データを保存するモードも選択可
能である。さらに短時間分析を目的として、指定された
特定のデータ、すなわち、図16中の特徴線分データ表
16C、頂点線分対データ表16D、特定部位データ出
力表16E、波形データ出力表16F、サイクルデータ
表16G、動的モデルの各特徴値の中の指定された特定
データを所定制限時間内、保存するモードも可能として
いる。心電データ編集処理183はこれら保存のモード
に従いデータを編集する処理である。
【0206】心電データ保存、復元処理184は、先の
処理183で編集された保存用心電データを一般に知ら
れている可逆性圧縮コード化手法を使用しコード化、保
存領域へ記憶させる。また心電データ編集処理183側
より保存データの復元指示が有れば該圧縮されたデータ
を復元し、該処理へデータを渡す処理を行う。
【0207】また心電データ編集処理183はインター
フェイス処理185により外部操作機能からのリアルタ
イム分析表示データ要求が検知されると、図16中の特
徴線分データ表16C、頂点線分データ表16D、特定
部位データ出力表16E、波形データ出力表16F、サ
イクルデータ表16G、動的モデルまたは基準クラスタ
の各特徴値中、指定された特定データを表示用に編集
し、インターフェイス処理185により表示機能側へ伝
送させる。或いは前記心電データ編集処理183は、保
存済みデータの表示要求がインターフェイス処理185
により検知されると、該当する保存データの復元を保存
復元処理184へ指示し、該データを入手、編集し、イ
ンターフェイス処理185を介し伝送させる処理をも行
う。
【0208】次に請求項4の実施形態例を説明する。
図27は生体情報分析法を分析の目的と被験者の生体状
況に合わせ、遠隔より変更し適応化させる方法の例であ
る。本例では心臓疾患の被験者に対する分析法と管理を
遠隔専門機関より変更し適応化させる方法を示してい
る。図27中、実線矢印は主なデータの流れを、また破
線矢印はプログラムコードおよび/またはパラメーター
の更新の流れを示している。
【0209】被験者からの心電時系列離散信号は正規化
処理27A、離散フィルター処理27B、特徴点抽出処
理27C、心電分析処理27Dにより処理され、特定波
形、その他の特定部位の分析による心電分析データや特
定間隔時間の心電分析データが時刻データに関連付けら
れて生成される。また、心電データ編集処理27Eは、
プログラムおよびパラメーターデータ27H中の保存デ
ータ項目を指定するパラメータ27Wに従い保存必要な
データを編集し、心電データ保存,復元処理27Fを介
し心電データ保存媒体へ保存する(27G)。
【0210】さて先に説明したように、一般に生体情報
分析対象は多種であり、また測定部位も時により変更さ
れ、また被験者の生体環境変化も多い。従って時点時点
での診断ニーズ、生体状況、環境状況、被験者ニーズに
応じ、分析プログラムやパラメーターを最適化の為、更
新させ、また生体管理指導メッセージ情報を専門機関よ
り提供することにより、きめ細かい、効果的な生体情報
の分析と管理が可能になる。以下、具体的に、その方法
を説明していく。
【0211】まず、現状パラメーターやプログラムが被
験者生体状況へ整合しているか、調査の為、外部専門機
関27Rは心電データの送信依頼メッセージを、通信手
段27Q、被験者側装置の通信処理27P、診断情報管
理処理27Nを介し、ユーザーインターフェイス処理2
7Mへ送信する。ユーザーインターフェイス処理27M
では被験者側の操作により受信された本データを、それ
がテキストメッセージデータであれば表示処理27Jに
より画面表示し、音声メッセージデータであれば、音声
出力処理27Lにより音声出力する。
【0212】被験者側はこの専門機関からのメッセージ
に従い依頼受けた必要な心電データの収集の為、設定操
作を実施する。すなわち操作器より保存項目データが入
力され操作処理27Iを介し、プログラム再配置処理2
7Oへ該保存項目データ渡されデータ27Hの該当パラ
メーターが変更される。
【0213】なお、本例では被験者側の上記パラメータ
ー設定法とは別な方法として、専門機関27Rからのパ
ラメーターデータダウンロードも可能としている。これ
は本ダウンロードデータを被験者側の操作処理27Iに
より通信手段27Q、装置側通信処理27P、前記プロ
グラム再配置処理27Oを介してデータ27Hの該当デ
ータエリアへダウンロードさせデータ変更をさせるもの
である。
【0214】さて保存項目のパラメーターにより該心電
データが収集され、保存心電データ27Gが生成され
る。依頼された一定時間のデータ生成を完了すると被験
者側はユーザーインターフェイス処理27Mの操作処理
27Iにより心電データ編集処理27Eへ送信用心電デ
ータの編集指令を出す。心電データ編集処理27Eは該
心電データ27Gを心電データ保存復元処理27Fによ
り復元し、送信形式へ編集し診断情報管理処理27Nへ
渡す。この診断情報管理処理27Nでは、この復元され
た心電データへ更にユーザーインターフェイス処理27
Mにより入力された被験者側のメッセージを加えること
も可能である。或いはユーザーインターフェイス処理2
7Mへいったんデータを渡し表示処理27Jにより画面
表示させ内容を確認することも可能である。
【0215】さて送信必要な心電データと被験者側メッ
セージは被験者側の操作処理27Iにより診断情報管理
処理27Nへ送信指令がなされる。該処理27Nは本指
令を受け被験者の識別コードを付加し通信処理27Pを
介して専門機関27R側へ前記送信データを送出する。
このデータを入信した専門機関27Rでは該心電データ
と、被験者側からのメッセージにもとづき、被験者への
健康管理上の指示や情報提供が必要か検討される。もし
必要であれば専門機関の診断メッセージとして診断情報
のダウンロードの経路、すなわち通信手段27Q、被験
者側装置の通信処理27Pを介し診断情報管理処理27
Nへ被験者側の操作により入信され、更には表示処理2
7Jで画面へ表示され、或いは音声メッセージであれ
ば、音声出力処理27Lにより音声出力される。
【0216】なお、専門機関27Rにおいて診断情報の
みならず、分析関連のプログラムとパラメーターの何れ
か、あるいは双方が更新必要と判断された場合は、該デ
ータはプログラム、パラメーターのダウンロード経路、
すなわち通信手段27Q、被験者側装置の通信処理27
Pを介しプログラム再配置処理27Oへ被験者側の操作
により入信され、更に該プログラム再配置処理27Oに
よりプログラムおよびパラメーターデータ27Hの該当
データ部分が更新される。
【0217】専門機関27Rが最適化の為更新必要と判
断したこれらデータとは、本例であれば次に言うデータ
類である。1つは心電離散情報正規化処理27Aにおけ
る正規化パラメーターである。図27破線矢印27Sが
この部分の更新を示す。1つは離散フィルター処理27
Bにおける離散フィルターパラメーターであり、或いは
離散フィルター関数そのものの変更である。図27破線
矢印27Tがこの部分の更新を示す。1つは特徴点抽出
27Cのパラメーター、例えば先の請求項1の実施例形
態での不感帯幅パラメーターや2次微分頂点検出閾値パ
ラメーターである。図27破線矢印27Uがこの部分の
更新を示す。1つは心電分析処理27Dにおけるパラメ
ーター、例えば請求項3実施形態例での分析部位設定表
16Iにおける各設定値や波形判定パラメーター設定表
16Kまたは特定部位判定パラメーター設定表の各設定
値である。或いは場合によっては前記実施形態例におけ
る特定部位の分析処理における、形状データにもとづく
特徴判定ロジックの変更や追加である。図27破線矢印
27Vがこれらの部分の更新を示す。
【0218】1つには心電データ編集処理27Eにおけ
るパラメーター、例えば、心電データを連続保存する
か、動的モデルにおいて変化が認められた場合のみの保
存にするかの保存モード選択パラメーターや保存データ
項目選択のパラメーターである。図27破線矢印27W
がこの部分の更新を示す。1つは以上の変更に伴う操
作、表示器のユーザーインターフェイス処理27Mの仕
様変更からのプログラム変更あるいはパラメーター変更
である。図27破線矢印27Xがこの部分の更新を示
す。
【0219】なお、当然ながら以上の変更内容は、あく
まで一例に過ぎず、専門機関の判断により、対象とする
生体情報分析と、その時点時点の被験者生体状況に合わ
せ、更新するプログラムやパラメーターは都度決定され
るものである。また上記実施形態例では、生体情報およ
びプログラムコード、パラメーターのデータは通信手段
27Qにより送信されているが、別の実施形態として、
メモリーカードをはじめとするリムーバブル記憶媒体へ
前記データを記憶させ、データ交換する方法も可能であ
る。
【0220】次に請求項5の生体情報信号処理装置の実
施形態例の説明に移る。図28は該装置28を示し、以
下、本装置の構成とその働きを説明する。
【0221】本装置28はマイクロプロセッサー28A
により全体統括制御され、アナログ心電信号3チャンネ
ル28Bをサンプリング周期250Hzで入力し、心電
情報離散化手段28CによりA/D変換され前記プロセ
サー28AのDMAコントロールによりデータ一時記憶
部28Gへ生体時系列離散信号として格納していく。本
領域へ一時記憶された前記離散信号データは連続する所
定のデータ数毎、本例では8秒間2000データ数毎
に、その前後へ各150データを更に加えデータ数23
00とし、正規化手段28Dによりゲインおよびオフセ
ットが調整されバイナリデータから心電電圧の実数デー
タへ変換される。なお、前に加えられる150データは
前回2300データの最後150データと重なり、後の
150データは次回2300データの最初の150デー
タと重なる。
【0222】さて、正規化された前記単位毎のデータは
離散フィルター処理手段28Eにより、まず、帯域フィ
ルター処理が実行され、さらに移動平均フィルター、2
回の微分フィルター処理が順次重ねて実行され、各処理
後の各データは前記一時記憶部28Gへ格納される。
特徴点順列抽出手段28Fはこれらフィルター処理され
たデータより特徴点を抽出するものであり、この手順詳
細については、同様手順が先の実施形態例図4のステッ
プ405、406、407、408で示されている。
特徴点順列抽出手段28Fにより抽出された特徴点順列
データと移動平均後の生体離散信号データは、時刻デー
タ発生手段28Kからの時刻データを付加し、各単位時
間分、すなわち8秒間のデータ分を送信データ編集手段
28Hにより送信データ形式に編集し伝送制御手段28
Iにより伝送手段28Lへ送出し、生体情報分析機能へ
提供することになる。
【0223】次に、図29(a)は請求項6の実施形態
例である生体情報分析装置29Aのユニットの構成を示
す。本装置は特徴点抽出ユニット29Bとデータ分析保
存ユニット29Cと伝送手段29Dで構成され、本例で
は分析結果の表示は本装置外の表示操作機能側で実施さ
れる。もちろん、表示操作機能をデータ分析保存ユニッ
トに組み込む、或いは全機能を1ユニット内にまとめる
ことも別の実施形態例として当然可能である。
【0224】さて、本例の特徴点抽出ユニット29Bは
先の実施形態例の説明図28の装置28と同様構成であ
り、ここでは説明は省略し、データ分析保存ユニット2
9Cの詳細構成とその機能説明を図30で説明する。本
ユニット29Cはマイクロプロセッサー30Aにより全
体統括制御され、8秒間隔毎に、伝送制御手段30Fと
伝送手段29Dを介し、特徴点順列データと移動平均後
の生体離散信号データおよび時刻データを特徴点抽出ユ
ニット29Bより受信する。受信された前記特徴点順列
データおよび前記生体離散信号データおよび前記時刻デ
ータは一時記憶部30Eへ格納される。心電分析手段3
0Cは一時記憶部30Eへ格納された前記データをもと
に心電分析を行うものであり、心電データ編集手段30
Bは本分析で得られた分析結果情報を前記データととも
に保存用に編集し、心電データ保存復元手段30Dによ
り、圧縮コード化し心電データ記憶媒体30Gへ保存す
る。また前記心電データ保存復元手段30Dは心電デー
タ編集手段30Bが外部操作表示機能側より伝送手段2
9D、伝送制御手段30F、を介し表示用保存データの
編集、送信指令を受信した場合、前記心電データ編集手
段30Bが指示する圧縮済みデータを前記心電データ記
憶媒体30Gより取り出し、コード復元する機能をも有
する。また本ユニットには上記各手段生成の為に実行さ
れるプログラムを記憶するプログラム記憶媒体30Hを
も有する。
【0225】次に図31は本例データ分析保存ユニット
の別の実施形態例を示す。これは前記図30で説明の機
能に加えるに有効線分ベクトル作成手段30Iが含まれ
た例である。該手段は心電データ分析に請求項2で示す
方法を実行する場合において使用されるものである。な
お、該手段は図31の例ではデータ分析保存ユニット2
9C内に備えているが、プロセッサー能力が有る場合に
おいては、代りに特徴抽出ユニット29B側に備えるこ
とも可能であり、図32はこの例を示し、有効線分ベク
トル作成手段28Mが含まれている。
【0226】さて次に、図29(b)では請求項7の生
体情報分析装置の実施の一形態例でのユニット構成を示
す。本例の装置29Eは特徴点抽出ユニット29F、デ
ータ分析保存ユニット29G、操作表示通信ユニット2
9Hの各ユニットが伝送手段29Iを介し、データ伝送
される構成を取る。特徴点抽出ユニット29Fは図33
に示すように先の請求項6の実施形態例の装置29Aの
同ユニット29Bと同様の機能を有し、さらに加えて、
プログラム再配置手段28Nを有する。すなわち同手段
28Nは伝送制御手段28I、伝送手段29Iを介し操
作表示通信ユニット29Hから送信されたプログラム各
部分の削除、追加、更新、休止、実行化を指令する制御
情報と、追加、更新されるパラメーターを含むプログラ
ム部分のデータを受信しプログラム記憶媒体28J内の
プログラムおよびパラメーターを再配置し更新させる機
能を有する。
【0227】また、分析保存ユニット29Gは図34に
示すように先の請求項6の実施形態例の装置29Aの同
ユニット29Cと同様の機能を有し、さらに加えて、プ
ログラム再配置手段30Jを有する。すなわち同手段3
0Jは伝送制御手段30F、伝送手段29Iを介し操作
表示通信ユニット29Hから送信されたプログラム各部
分の削除、追加、更新、休止、実行化を指令する制御情
報と、追加、更新されるパラメーターを含むプログラム
各部分のデータを受信しプログラム記憶媒体30H内プ
ログラムおよびパラメーターを再配置し更新させる機能
を有する。さらに、本分析保存ユニット29Gには被験
者側へ装置特定状態を報知するLED表示灯30Mおよ
びブザー30Nと、被験者側特定事象入力用スイッチ3
0Lと、これ等を制御する入力出力制御手段30Kが追
加されている。
【0228】次に操作表示通信ユニット29Hの構成と
機能を図35により説明する。本ユニットはマイクロプ
ロセッサー35Aによりユニット全体を統括制御され、
被験者側とのインターフェイス機能および専門機関側3
5Rとのデータ交換機能を分担するものである。被験者
側は被験者側インターフェイス手段35Sの操作器35
Dを操作し操作制御手段35Cにより指令を診断情報管
理手段35Mへ伝えインターフェイス手段35Sの表示
器35Fの画面へ表示制御手段35Eにより生体情報或
いは、専門機関からの生体管理指導情報を表示させるこ
とが可能である。例えば生体情報の場合、具体的にはデ
ータ分析保存ユニット29Iの心電データ保存媒体30
Hへ保存記録されている過去の生体時系列離散信号や分
析結果の諸データ、或いは現在収集され分析されたデー
タであり、これ等を診断情報管理手段35Mより伝送制
御手段35N、伝送手段29Iを介し、データ保存分析
ユニット29Gへデータ伝送指令を発行する。該ユニッ
ト29Gより伝送された該データは一時記憶部35Kへ
格納後、前記被験者側インターフェイス手段35Sの表
示器35Dへ表示されることになる。
【0229】また、生体管理指導情報の場合について
は、表示器において前記専門機関側の該情報の送信が確
認されると被験者側は前記インターフェイス手段35S
の操作器35D、操作制御手段35Cにより該情報を入
手することが出来る。すなわち診断情報管理手段35M
によりデータ交換制御手段35Bおよび通信手段35S
を介し、該情報は受信され一時記憶手段35Kへ格納さ
れる。しかる後、診断情報管理手段35Mは該情報が表
示情報であれば、表示器35Fへ、また、音声情報であ
ればれば音声出力手段35Jへそれぞれの出力制御手段
35E、35Iを介し出力される。
【0230】 また、被験者側は前記インターフェイス
手段35S中の音声入力手段35Hを使用し、音声入力
制御手段35Gにより専門機関への音声伝言情報を作
成、前記診断情報管理手段35Mにより前記生体情報と
被験者固有コードを併せ付加し、データ交換制御手段3
5Bを介し専門機関側へ送信することが出来る。もちろ
ん、音声情報の代りに、或いは音声情報に加えテキスト
伝言情報を操作器35Dを使用し操作制御手段35Cに
より入力することも可能となっている。この被験者側か
らの情報により専門機関側35Rは分析法の適応性が判
断出来、これに基づき、遠隔より分析法を変更し再分析
することも可能である。
【0231】この場合、変更を要すると判断されたプロ
グラム部分、すなわちパラメーターとプログラムコード
のいずれか、もしくは両者は、被験者側表示器35Fで
専門機関側35Rからの送信が確認され操作器35Dで
受信操作が為されると通信手段35S、データ交換制御
手段35Bを介し、いったん一時記憶手段35Kへ格納
される。被験者側は表示器35Fにより前記プログラム
部分データの受信を確認し、操作器35Dを使用し分析
法プログラム部分の再配置、更新の指示操作を実行す
る。
【0232】すなわちこの操作によりプログラム再配置
手段35Lにより、前記プログラム部分データは操作表
示通信ユニット29H用、データ分析保存ユニット29
G用、特徴点抽出ユニット29F用に区分され、後者二
者用プログラム部分データは伝送制御手段35N、伝送
手段29Iを介し各ユニットへ伝送される。データ分析
保存ユニット29Gおよび特徴点抽出ユニット29F側
ではこのプログラム部分を入信すると各ユニット側プロ
グラム再配置手段30J、28Nによりそれぞれのプロ
グラム記憶媒体30H、28J内の該プログラム部分を
更新しプログラムコード、パラメーターの再配置を実施
することになる。また、受信した前記プログラム部分で
操作表示通信ユニット29Hに区分された部分は本ユニ
ットの前記プログラム再配置手段35Lにより、同様に
プログラム記憶媒体35Q内の更新、再配置を実行す
る。
【0233】なお、本操作表示通信ユニット29Hには
プリンター35Pおよびプリンター制御手段35O、時
刻データ発生手段35Tをも備え、生体情報のプリント
も可能としている。なお、本例において前記データ交換
制御手段は外部との通信を制御する手段を採用している
が、別の実施形態例として代りにリムーバブル記憶媒体
とのインターフェイス手段によりデータ交換も実現も可
能であり、また両手段を併用するころも可能である。
【0234】最後に 請求項8の実施形態例が図28の
プログラム記憶媒体28Jに表されている。また、請求
項9の実施形態例が図30または図31の例のプログラ
ム記憶媒体30H、および図32の例のプログラム記憶
媒体28Jに表されている。また、請求項10の実施形
態例が図33、図34,図35の例のプログラム記憶媒
体28J、同30H、同35Qに表されている。
【0235】
【発明の効果】本発明の提供する汎用的な波形の抽出
と、表現と、分析の方法および装置により、これまでの
医療専門家による生体情報信号の形態的観察から蓄積さ
れてきた過去の知見を活用したコンピューターによる自
動分析が可能となる。 また多種多様な生体情報対象
と、時点時点での診断ニーズ、生体状況、被験者ニーズ
に応じ、分析法最適化のためプログラムコード、パラメ
ーターを更新させ、また状況に応じた生体管理指導メッ
セージ情報を逐次提供することにより効果的な生体情報
の分析と管理法が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】通常の心電波形に抽出した特徴点を重ねて表示
した図である。(実施形態例1)
【図2】(a)は心拍異常で見られる心電波形に抽出し
た特徴点を重ねて表示した図であり、(b)はその1次
平滑微分後の波形、(c)はその2次平滑微分後の波形
である。(実施形態例1)
【図3】不感帯を表示するために図2の縦軸を拡大した
図であり(a)は1次平滑微分後の波形、(b)は2次
平滑微分後の波形である。(実施形態例1)
【図4】特徴点抽出の全体フロー図である。(実施形態
例1)
【図5】1次微分ゼロレベル対応の特徴点抽出のフロー
図である。(実施形態例1)
【図6】1次微分不感帯の出側処理のフロー図である。
(実施形態例1)
【図7】1次微分不感帯入り側負極性時の出側処理のフ
ロー図である。(実施形態例1)
【図8】2次微分ゼロレベル対応の特徴点抽出のフロー
図である。(実施形態例1)
【図9】2次微分不感帯の出側処理のフロー図である。
(実施形態例1)
【図10】2次微分不感帯入り側負極性時の出側処理の
フロー図である。(実施形態例1)
【図11】3次微分ゼロレベル対応の特徴点抽出のフロ
ー図である。(実施形態例1)
【図12】特徴線分ベクトルの説明図である。(実施形
態例2)
【図13】底辺線分ベクトルと頂点線分ベクトルの説明
図である。(実施形態例2)
【図14】心電波形における特徴線分ベクトルの例を示
す図である。 (実施形態例2)
【図15】心電波形における底辺線分ベクトルと頂点線
分ベクトルの例を示す図である。(実施形態例2)
【図16】心電分析処理例で使用されるデータ表類の構
成を示す図である。(実施形態例3)
【図17】信号データ表のデータ構成を示す図である。
(実施形態例3)
【図18】心電分析処理例の全体フロー図である。(実
施形態例3)
【図19】キー波形、サブ波形の抽出、分析処理のフロ
ー図である。(実施形態例3)
【図20】特定部位の抽出、分析処理のフロー図であ
る。(実施形態例3)
【図21】特定部位判定パラメーター表のデータ構成を
示す図である。(実施形態例3)
【図22】形状データを生成するための判別木を説明す
る図である。(実施形態例3)
【図23】標準的な心電波形を示す図である。(実施形
態例3)
【図24】ST下降型心電波形(1)の図である。(実
施形態例3)
【図25】ST下降型心電波形(2)の図である。(実
施形態例3)
【図26】ST上昇型心電波形の図である。(実施形態
例3)
【図27】専門機関から遠隔より分析法を変更し適応化
させる方法例を説明する図である。(実施形態例4)
【図28】生体情報の時系列離散信号処理装置例を示す
図である。(実施形態例5、8)
【図29】請求項6および請求項7・生体情報分析装置
例のユニット構成を示す図である。(実施形態例6、
7、)
【図30】請求項6・生体情報分析装置例のデータ分
析、保存ユニットを示す図である。(実施形態例6、
9)
【図31】請求項6・生体情報分析装置例のデータ分
析、保存ユニットの別の例を示す図である。(実施形態
例6、9)
【図32】請求項6・生体情報分析装置例の特徴点抽出
ユニットの別の例を示す図である。(実施形態例6、
9)
【図33】請求項7・生体情報分析装置例の特徴点抽出
ユニットを示す図である。(実施形態例7、10)
【図34】請求項7・生体情報分析装置例のデータ分
析、保存ユニットを示す図である。(実施形態例7、1
0)
【図35】請求項7・生体情報分析装置例の操作表示通
信ユニットを示す図である。(実施形態例7、10)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生体情報の時系列離散信号の特徴点を抽出
    し該信号を表現する方法であって、該方法は、離散化さ
    れた生体情報時系列信号を該信号外の成分除去のためフ
    ィルタリングし、微分処理し、特徴点を抽出し、該特徴
    点の順列集合で構成し表現するものであり、該特徴点は
    フィルタリング後離散データの1次、2次、3次の各微
    分信号が不感帯を設けたゼロレベルへ交差する、または
    接触するモードに応じて抽出されることを特徴とする方
    法。
  2. 【請求項2】生体情報の時系列離散信号を表現する方法
    であって、該信号の特徴点群より誘導された有向線分ベ
    クトルの順列集合で構成し表現することを特徴とする方
    法。
  3. 【請求項3】生体情報の時系列離散信号を分析する方法
    であって、請求項2記載の有向線分ベクトルの順列集合
    データから該離散信号中に生起する波形の部位を識別し
    分析することを特徴とする方法。
  4. 【請求項4】生体情報分析法を分析の目的と被験者の生
    体状況に合わせ、遠隔より変更し適応化させる方法であ
    って、被験者側より被験者固有コードとともに送られた
    生体情報をもとに専門機関が更新が必要と判断した前記
    分析法の新プログラムを被験者側へ生体管理指導情報と
    ともに送ることにより適応化させる方法であり、送られ
    る該プログラムは被験者側分析装置プログラム記憶領域
    内で再配置され実行化されることが可能であり、また送
    られる前記生体管理指導情報は被験者側で出力され伝達
    されることが可能であることを特徴とする方法。
  5. 【請求項5】生体情報の時系列信号を所定時間間隔毎に
    離散データに変換する生体情報離散化手段と、該データ
    を一時記憶するデータ一時記憶部と、一時記憶された該
    データを連続する所定データ数単位毎に正規化する手段
    と、前記正規化されたデータを離散フィルター処理によ
    り生体信号外成分を除去し微分処理する離散フィルター
    処理手段と、生体信号外成分を除去され微分処理された
    データより特徴点の順列集合を抽出する手段とを備える
    生体情報信号処理装置。
  6. 【請求項6】請求項5記載の装置に加えるに生体情報の
    時系列離散信号中に生起する波形の部位を請求項5記載
    の特徴点順列集合より識別し分析する生体分析手段と、
    生体情報の時系列離散信号と前記分析の結果情報と時刻
    データとを関連付けて保存或いは復元する生体データ保
    存復元手段と、該生体データを保存記憶する生体データ
    記憶媒体とを有する生体情報分析装置。
  7. 【請求項7】分析法が分析の目的と被験者の生体状況に
    合わせ、遠隔より変更可能な生体情報分析装置であっ
    て、被験者側から専門機関へ送られる生体情報と、専門
    機関から被験者側へ送られる、変更が必要と判断された
    前記分析法のプログラムおよび生体管理指導情報とを制
    御するデータ交換制御手段と、被験者側の操作を入力し
    前記生体管理指導情報を被験者側へ出力する被験者イン
    ターフェイス手段と、前記送られたプログラムを再配置
    実行可能とさせるプログラム再配置手段とを備える装
    置。
  8. 【請求項8】マイクロプロセッサーに請求項1記載の方
    法を実行させるためのプログラムを記憶したマイクロプ
    ロセッサーが読取可能な記憶媒体。
  9. 【請求項9】マイクロプロセッサーに請求項3記載の方
    法を実行させるためのプログラムを記憶したマイクロプ
    ロセッサーが読取可能な記憶媒体。
  10. 【請求項10】マイクロプロセッサーに請求項4記載の
    方法を実行させるためのプログラムを記憶したマイクロ
    プロセッサーが読取可能な記憶媒体。
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