JP2001527385A - テロメラーゼ蛋白質をコードする遺伝子 - Google Patents

テロメラーゼ蛋白質をコードする遺伝子

Info

Publication number
JP2001527385A
JP2001527385A JP52294198A JP52294198A JP2001527385A JP 2001527385 A JP2001527385 A JP 2001527385A JP 52294198 A JP52294198 A JP 52294198A JP 52294198 A JP52294198 A JP 52294198A JP 2001527385 A JP2001527385 A JP 2001527385A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seq
polypeptide
trip1
nucleic acid
acid molecule
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP52294198A
Other languages
English (en)
Inventor
ハーリントン,レア・エイ
ロビンソン,マーレイ・オー
Original Assignee
アムジエン・インコーポレーテツド
アムジエン・カナダ・インコーポレイテツド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from US08/951,733 external-priority patent/US7390891B1/en
Application filed by アムジエン・インコーポレーテツド, アムジエン・カナダ・インコーポレイテツド filed Critical アムジエン・インコーポレーテツド
Publication of JP2001527385A publication Critical patent/JP2001527385A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 テロメラーゼ複合体のポリペプチドをコードする核酸分子が開示される。また、核酸分子およびポリペプチドを調製する方法、およびこれらの分子を使用する方法も開示される。

Description

【発明の詳細な説明】 テロメラーゼ蛋白質をコードする遺伝子 本出願は、1996年11月15日出願の米国出願第08/751,189号 の一部継続出願である、1997年6月11日出願の米国出願第08/873, 039号の一部継続出願である。 発明の分野 本発明は、テロメラーゼ酵素複合体の成分を含むポリペプチドをコードする新 規遺伝子、ならびに該遺伝子およびポリペプチドを用いる方法および製造方法、 およびテロメラーゼ活性を検出する方法に関する。 背景 関連技術 ヒトが老化するに従い多くの生理学的変化が起こる。毛髪の色、皮膚の外観、 減少した痩せた身体質量等の変化のごとき目に見えるものに加えて、細胞および 生化学的レベルで多くの変化がある。観察されてきた1つのこのような変化は、 体細胞が加齢するに従って体細胞中のテロメアの長さの顕著な減少であ る(Har−leyら、Nature、345:458−460[1990]) 。テロメアは各染色体の末端に位置する反復DNA配列であって、適当な染色体 維持、複製および細胞核内の染色体の局所化に必要である。「テロメリック反復 結合因子」または「TRF」のごときある種の蛋白質は、テロメリックDNA配 列と相互作用することが示されてきた(Chongら、Science,270 :1663−1667[1995])。 ほとんどの生物において、テロメアはテロメラーゼとして知られている酵素に よって合成され維持されている。テロメラーゼはRNAおよび蛋白質成分よりな るリポヌクレオ蛋白質であり、成分の両タイプが活性に必要である(例えば、G reiderら、Ann.Rev.Biochem.,65:337−365[ 1996]Greiderら.,Cellular Aging and Ce ll Death、Wiley−Liss Inc.,New York,NY ,123−138頁[1996])。 成人のほとんどの細胞はテロメラーゼ活性を有せず;例外は、例えば、生殖系 組織(精子細胞および卵母細胞)およびある種の血液細胞を含む(Greide rら、Cellular Aging and Cell Death、前掲)。減少したテロメア長は培 養中の細胞の減少した複製能力とよく相関する(細胞老化または細胞加齢という )。短化したテロメアは分裂し続けることができない細胞能力と関連し得(Ha rley、前掲;Levyら、J.Mol.Biol.,225:951−96 0[1992];およびHarleyら、Cold Spring Harbo r Symposium on Quantitative Biology, 59:307−315[1994])、それにより細胞の老化に寄与すると仮定 されてきた。 テロメア長が各連続的細胞分裂と共に減少する現象の分子的詳細は明確ではな いが、最近の報告は種々のモデルを提案している。例えば、Marcandら( Science,275:986−990[1997];またBarinaga 、Science、275:928[1997]も参照)は酵母における「蛋白 質カウンティングメカニズム」を記載し、ここでテロメアに結合した蛋白質Ra pIの量は、報告されているところによれば、テロメア長に影響する。別の研究 において、van SteenselらおよびCooperら(各々、Natu re、 385:740−743[1997];Nature、385:744−747 [1997];Shore、Nature、385:676−677[1997 ])は、テロメア反復結合因子、TRFは、報告されているところによれば、酵 母およびヒトにおいてテロメア伸長に影響することを示す。 最近、CD28−/CD8+T−細胞と呼ばれる白血球細胞の1つのクラスの テロメアは、同一または同様の年齢の健康な個人から得られた同一の細胞と比較 して、AIDS患者ではかなり短いことが示さた(Effrosら、AIDS、 10:17−22[1996])。 多くのヒト癌細胞において、これらの細胞の加齢にも拘わらず、テロメア長は 減少せず、テロメラーゼ活性が存在することが示されている(Kimら、Sci ence、266:2011−2015[1994];およびCounterら 、EMBOJ.,11:1921−1929[1992])。癌細胞におけるテ ロメラーゼの阻害は、これらの細胞の増殖を低下させるように働くのではないか と提案されている(Harleyら、Cold Spring Harbor Symposium on Quantitative Biology,前掲 ;およ びGreiderら、Cellular Aging and Cell De ath、前掲)。 いくつかの哺乳動物におけるテロメラーゼのRNA成分がクローン化され、配 列決定されており(PCT特許出願WO96/01835、1995年1月25 日公開;Blascoら、Science、269:1267−1270[19 95];Fengら、Science、269:1236−1241[1995 ]参照)、このRNA成分はテロメラーゼ活性に必要であることが示されている (Blascoら、前掲;Fengら、前掲;Cold Spring Har bor Laboratory Conference on Telomer es and Telomerase,3−6 1996年11月における口頭 でのプレゼンテーション)。マウス腫瘍モデルにおいて、テロメラーゼRNAの 増加は増大した腫瘍進行と相関する(Blascoら、Nature Gene tics,12:200−204[1996])。しかしながら、Avilio nら(Cancer Res.,56:645−650[1996])は、種々 のヒト腫瘍組織および細胞系におけるテロメラーゼRNAの存在は、これらの組 織および細胞系にお けるテロメラーゼ活性の存在または量の良好な指標ではないことを示した。 最近、Blascoら(Cell、91:25−34[1997];また、Z akian,Cell,91:1−3[1997]参照)はテロメラーゼRNA 遺伝子が欠損したマウスを作製した。これらのマウスの細胞は明らかにテロメラ ーゼ活性を欠くが、報告されているところによれば、培養において不死化され、 腫瘍を生産することができる。 Kirkら(Science,275:1478−1481[1997];H awley、Science,275:1441−1442[1997]も参照 )による最近の報告は、テトラヒメナにおいて、細胞分裂の間に生殖系核が分離 する能力を改変するテロメラーゼRNA分子突然変異体の調製を記載する。 繊毛虫綱原生動物(単細胞真核生物)において、テロメラーゼの蛋白質部分は p80およびp95という2つの区別されるポリペプチドよりなることが判明し ている(PCT出願WO96/19580、1995年6月27日公開;Har ringtonら、J.Biol.Chem.、270:8893−8901 [1995];およびCollinsら、Cell、81:677−686[1 995]参照)。最近、分子量123kDaおよび43kDaの2つのテロメラ ーゼポリペプチドが報告されているところによればEuplotes(単細胞真 核生物)で精製されている(Lingnerら、Proc.Natl.Acad .Sci.USA、93:10712−10717[1996])。酵母同族体 (「EST2」)が同定された123kDa蛋白質は、報告されているところに よれば、逆転写酵素モチーフを有する(Lendveyら、Genetics、 144:1399−1412[1996];Lingnerら、Science 、276:561−567[1997];また、Barigaga、Scien ce、276:528−529[1997]参照)。Xiongらによって記載 されたもののごとき逆転写酵素モチーフ(EMBOJ.,9:3353−336 2[1990])は、機能的逆転写酵素の酵素活性に重要であることが知られて いる。この酵母相同体蛋白質のある種の突然変異体は、報告されているところに よれば、減少したテロメラーゼ活性を有する(Counterら、Proc.N atl.Acad.Sci USA, 94:9202−9207 [1997])。 ワシントン大学/NCTIヒトESTプロジェクトデータベースにおける最近 登録された核酸配列(受託番号AA281296)は、Euploides 1 23kDa蛋白質およびその酵母相同体双方に対していくつかの配列類似性を有 する。最近の報告には、テロメラーゼの触媒サブユニットをコードするヒト遺伝 子のクローニングが記載されている(Nakamuraら、Science、2 77:955−959[1997];Meyersonら、Cell 90:7 85−795[1997])。 本発明に先立ち、哺乳動物テロメラーゼの蛋白質成分または成分類は同定され ていない。 最近、347塩基対核酸分子が受託番号H33937として公のデータベース Genbankに寄託された。この核酸分子はNGF(神経成長因子)で処理さ れたラットPC−12細胞から明らかに同定された。この核酸分子またはそれに よってコードされた蛋白質についての機能はGenbankデータベース情報に 記載されていないが、この分子の一部は本発明のマウス・テロメラーゼRNA相 互作用蛋白質1(TRIP1)の領 域に対して高度に相同であることが見いだされた。ヒトTRIP1のポリペプチ ド配列が最近同定された(Harringtonら、Science、275: 973−977[1997];Nakayamaら、Cell、88:875− 884[1997])。 癌およびエイズの破壊的な効果を考慮すると、これらの病気の原因において重 要な役割を有し得るヒト身体中の分子を同定する、およびこれらおよび関連病気 に罹った患者においてこのような分子の発現を操作する必要性が当該分野にある 。 従って、本発明の目的は、テロメラーゼ酵素複合体の成分であって、ヒト身体 中の細胞の加齢および/または増殖に影響し得る核酸分子およびポリペプチドを 提供することである。 さらなる目的は、ヒト身体中のこのようなポリペプチドの発現レベルを改変す る方法を提供することにある。 他の関連目的はこの開示を読むと容易に明らかとなるであう。 発明の概要 1つの具体例において、本発明は、配列番号1の核酸分子;配列番号2の核酸 分子;配列番号3、配列番号4のポリペプチドをコードする核酸分子、またはそ の生物学的活性断片;配列 番号3または配列番号4のポリペプチドと少なくとも70パーセント同一である ポリペプチドをコードする核酸分子;前記核酸のいずれかに対してストリンジェ ント条件下でハイブリダイズする核酸分子;および前記核酸のいずれかの相補体 である核酸分子よりなる群から選択されるポリペプチドをコードするTRIP1 核酸分子を提供する。 もう1つの具体例において、本発明は、配列番号3のポリペプチドのアミノ酸 1−871をコードする核酸分子を提供する。 1つの他の具体例において、本発明は、前記にあげた核酸を含むベクターを提 供し、ここで該ベクターは原核生物または真核生物細胞で使用するのに適した増 幅または発現ベクターであり得る。また、これらのベクターを含む宿主細胞を提 供し、ここで該宿主細胞は原核生物または真核生物細胞であり得る。 本発明は、さらに、適当な宿主中の請求項1記載の核酸によってコードされた ポリペプチドを発現させ、次いで該ポリペプチドを単離する工程を含み、ここで 該TRIP1ポリペプチドか配列番号3、配列番号4、または配列番号3のアミ ノ酸1−871であり得るTRIP1ポリペプチドの製法を提供する。 さらにもう1つの具体例において、本発明は、配列番号3の ポリペプチド;配列番号3のアミノ酸1−871であるポリペプチド;これらの ポリペプチドの1つに対して少なくとも70パーセント同一であるポリペプチド 、またはこれらのポリペプチドの1つの生物学的活性断片であるポリペプチドよ りなる群から選択されるTRIP1ポリペプチドを含む。 もう1つの具体例において、本発明は、 (a)配列番号:13、配列番号:18または配列番号:19の核酸分子、 (b)配列番号:13のヌクレオチド1920−2820である核酸分子、 (c)配列番号:14または配列番号:20のポリペプチドをコードする核酸 分子、またはその生物学的活性断片、 (d)配列番号:14または配列番号:20のポリペプチドに対して少なくと も90パーセント同一であるポリペプチドをコードする核酸分子、 (e)前記(a)−(d)のいずれかに対してストリンジェント条件下でハイ ブリダイズする核酸分子、および (f)前記(a)−(e)のいずれかの相補体である核酸分子 よりなる群から選択されるポリペプチドをコードするTP2核酸分子を提供する 。 さらに、本発明は、配列番号:13のヌクレオチド1−1689、配列番号: 13のヌクレオチド1−1920、配列番号:13のヌクレオチド1920−2 820、配列番号:13のヌクレオチド2089−2820、および配列番号: 13のヌクレオチド2089−2859よりなる群から選択される核酸分子を提 供する。 なおさらに、本発明は、配列番号:14のポリペプチドまたは配列番号:20 のポリペプチドのアミノ酸640−940をコードする核酸分子を提供する。 また、本発明は、 (a)適当な宿主中で配列番号:13、配列番号:19の核酸によってコード されるポリペプチドまたはその断片を発現させ、次いで (b)該ポリペプチドを単離し、ここで該ポリペプチドはN−末端メチオニン を保有してもしなくてもよい 工程を含むTP2ポリペプチドの製法を提供する。 なおさらに、本発明は、配列番号:14のアミノ酸1−563; 配列番号:14のアミノ酸1−640;配列番号:14のアミノ酸640−94 0;配列番号:14のアミノ酸696−940;および配列番号:14のアミノ 酸696−953よりなる群から選択されるTP2ポリペプチドを提供する。 なおさらに、本発明は、細胞中でTP2をコードする核酸またはその生物学的 断片を発現させることを含む細胞の増殖を増大させる方法を提供する。 また、本発明は、細胞中でTP2遺伝子またはその生物学的活性断片を発現す ることを含む細胞においてテロメラーゼ活性を増加させる方法を提供する。 加えて、本発明は、細胞中でTP2突然変異体を発現させることを含み、ここ で該突然変異体がTP2生物学的活性を有しない、細胞においてテロメラーゼを 減少させる方法を提供する。 なおさらに、本発明は、突然変異体TP2ポリペプチドをコードする核酸分子 を提供し、ここで、アミノ酸位置868または869におけるアスパラギン酸に ついてのコドンをアラニンについてのコドンに変化させ、またはアミノ酸位置8 68および869のアスパラギン酸についてのコドンをアラニンについてのコド ンに変化させてある。本発明は、さらに、これらの核 酸分子によってコードされたポリペプチドを提供する。 図面の簡単な記載 図1A−1TはヒトTRIP1の全長cDNA配列を示す(配列番号:1)。 図2A−21はマウスTRIP1の全長cDNA配列を示す(配列番号:2) 。 図3A−3CはcDNA配列から翻訳されたヒトTRIP1の推定全長アミノ 酸配列を示す(配列番号:3)。 図4A−4CはcDNA配列から翻訳されたマウスTRIP1の推定全長アミ ノ酸配列を示す(配列番号:4)。 図5A−5Dはヒト・テロメラーゼ蛋白質2の大部分をコードするcDNAの 配列を示す(「TP2」;「クローン32」として実施例で言及する;配列番号 :13)。 図6A−6Bは図5のcDNAから翻訳されたヒトTP2の推定アミノ酸配列 を示す(配列番号:14)。 図7(配列番号:18)は図5に記載した配列にわたるヒトTP2のさらなる 3’配列を示す。 図8A−8D(配列番号:19)はTP2をコードする全長ヒトcDNAを示 す。この図は図5および7の配列を組み合わ せる。 図9A−9B(配列番号:20)は図8のcDNAから翻訳されたTP2の推 定アミノ酸配列を示す。 図10は、TP2突然変異体cDNA分子を作成するのに使用される戦略の模 式図である。9つのPCR反応を行って、最終TP2突然変異体構築体を得た。 これらの反応のうち6つ(1−6で示す)は全長TP2遺伝子を鋳型として用い る一次反応であった。最終の3つのPCR反応(7−9の番号)は反応1−6を 鋳型としてPCR産物を用いた。各PCR反応につき使用したオリゴヌクレオチ ドプライマーはそれらの配列番号に従って番号付けした。 図11A−11Cは、テロメラーゼアッセイ結果のゲル(図11Aおよび11 B)およびウェスタンブロット(図11C)を示す。これらの図における略語は 実施例7Aに記載する。 図12A−12Bは、各々、テロメラーゼアッセイ結果のゲル、およびウェス タンブロットを示す。これらの図で用いた略語は実施例7Bに記載する。 図13A−13Bは、各々、ウェスタンブロットおよびテロメラーゼアッセイ 結果のゲルを示す。これらの図で用いる略語 は実施例7Cに記載する。 図14はTP2およびテロメラーゼRNAのイン・ビトロでの再構成からのテ ロメラーゼアッセイの結果のゲルを示す。この図で用いた略語は実施例8で説明 する。 図15はテロメラーゼRNA+野生型または突然変異体TP2のイン・ビトロ 再構成からのテロメラーゼアッセイの結果のゲルである。この図で用いた略語は 実施例8で説明する。 図16A−16Bは野生型TP2またはTP2突然変異体いずれかでトランス フェクトした細胞についてのウェスタンブロット(16A)およびテロメラーゼ アッセイのゲル(16B)を示す。この図で用いた詳細な略語は実施例9で説明 する。 図17A−17Bはテロメラーゼアッセイのゲル(17A)およびウェスタン ブロット(17B)を示す。使用した略語の詳細は実施例8に記載する。 図18はテロメラーゼアッセイ結果のゲルを示す。使用した略語の詳細は実施 例8に記載する。 発明の詳細な記載 配列番号:3および配列番号:4のポリペプチドのごときTRIP1(本明細 書では「TRIP1」という)ポリペプチド、 およびその関連する生物学的活性ポリペプチド断片および誘導体が本発明の範囲 内に含まれる。また、配列番号:14のポリペプチドのごときテロメラーゼ2( 本明細書では「TP2」ともいう)ポリペプチドおよびその関連する生物学的活 性ポリペプチド断片および誘導体が本発明の範囲内に含まれる。さらに、これら のポリペプチドをコードする核酸分子、および該ポリペプチドを調製する分子が 本発明の範囲内に含まれる。このような分子は、増大するTRIP1活性または TP2活性が望まれる場合に治療剤として有用であり得る。 TRIP1活性および/またはTP2活性が非癌細胞と比較して上昇している 癌細胞におけるごとく、TRIP1および/またはTP2活性を減少させるべき 場合において、TRIP1および/またはTP2を標的として働かせて、TRI P1および/またはTP2活性を阻害する分子、および/またはTRIP1およ びTP2の蛋白質−蛋白質相互作用、またはTRIP1またはTP2のテロメラ ーゼRNAの結合を減少させるまたは阻害する分子を同定することができる。こ のようなTRIP1および/またはTP2阻害性分子を同定するので有用であり 得る技術を後記にて記載する。あるいは、エクス・ビボまたは イン・ビボ遺伝子治療を用いて、TP2アンチセンス分子のTRIP1、または 細胞中でTRIP1および/またはTP2発現を破壊するまたは増強するように 働くことができるDNA構築体を投与することができる。 また、天然TRIP1および/またはTP2をコードする遺伝子(または遺伝 子類)が、この遺伝子または遺伝子類の発現レベルが有意に減少したまたは完全 になくなるように破壊された(「ノックアウトされた」)マウス、ラット、ウサ ギ、ヤギまたはヒツジのごとき非ヒト哺乳動物が本発明の範囲内に含まれる。こ のような哺乳動物は米国特許第5,557,032号に記載されたもののごとき 技術および方法を用いて調製することができる。本発明は、さらに、TRIP1 および/またはTP2をコードする遺伝子(または遺伝子類)(哺乳動物につい てのTRIP1および/またはTP2の天然形態または異種TRIP1および/ またはTP2遺伝子(類))が当該哺乳動物によって過剰発現され、それにより 「トランスジェニック」哺乳動物が創製される、マウス、ラット、ウサギ、ヤギ またはヒツジのごとき非ヒト哺乳動物を含む。このようなトランスジェニック哺 乳動物は米国特許第5,489,743号および1994 年12月8日に公開されたWO94/28122に記載されたもののごときよく 知られた方法を用いて調製することができる。本発明は、さらに、TRIP1ま たはTP2遺伝子がノックアウトされ、他の遺伝子(TRIP1またはTP2い ずれか)が過剰発現される非ヒト哺乳動物を含む。 本明細書で用いる「TRIP1蛋白質」または「TRIP1ポリペプチド」と いう用語は、TRIP1につき本明細書で記載する特性を有するいずれの蛋白質 またはポリペプチドもいう。使用する場合、文字「TRIP1」の前の小文字は 特定の哺乳動物からのTRIP1ポリペプチドをいい、すなわち、「hTRIP 1」はヒトTRIP1をいい、「mTRIP1」はマウスTRIP1をいう。該 TRIP1ポリペプチドはそれが調製される方法に応じて、アミノ末端メチオニ ンを有しても有しなくてもよい。例として、TRIP1蛋白質またはTRIP1 ポリペプチドは以下の(1)項目(a)−(f)のいずれかで定義されるTRI P1核酸分子によってコードされたアミノ酸配列、およびそれから誘導された生 物学的活性ペプチドまたはポリペプチド、(2)配列番号:3または配列番号: 4のTRIP1ポリペプチドと比較して1以上のアミノ酸置換、欠失、お よび/または挿入の結果となるTRIP1遺伝子の天然に生じる対立遺伝子変異 体、および/または(3)本明細書で提供するその化学的修飾誘導体ならびに核 酸および/またはアミノ酸配列変異体をいう。 本明細書で用いる「TRIP1断片」という用語は、天然に生じるTRIP1 蛋白質の全長アミノ酸配列より小さいが、前記したTRIP1ポリペプチドまた はTRIP1蛋白質と同一の生物学的活性を有するペプチドまたはポリペプチド をいう。このような断片はアミノ末端、カルボキシ末端にて、および/または内 部にて切形することができ、また化学的に修飾することができる。このようなT RIP1断片はアミノ末端メチオニンを含みまたは含まないように調製すること ができる。 本明細書で用いる「TRIP1誘導体」または「TRIP1変異体」という用 語は、1)例えば、1以上のポリエチレングリコール分子、糖、ホスフェート、 または野生型TRIP1ポリペプチドに天然では結合していない他のこのような 分子の付加によって化学的に修飾されたおよび/または図3または4に記載され たTRIP1と比較して1以上の核酸またはアミノ酸配列の置換、欠失、および /または挿入を含有するTRIP1 ポリペプチド、蛋白質または断片をいう。 本明細書で用いる「生物学的TRIP1活性ポリペプチド」および「生物学的 活性TRIP1断片」という用語は、TRIP1につき確認されている以下の活 性:(1)テロメラーゼRNAへの特異的結合;および(2)配列番号:3また は配列番号:4のポリペプチド上のエピトープに対する抗体への結合のうちの少 なくとも1つを有するTRIP1についての前記記載に従ったTRIP1ペプチ ドまたはポリペプチドをいう。 本明細書で用いる核酸分子またはその断片を記載するのに使用する場合の「T RIP1」という用語は、(a)配列番号:1または配列番号:2に記載したヌ クレオチド配列を有する;(b)配列番号:1または2いずれかによってコード されたポリペプチドと、少なくとも70パーセント同一であるが、70パーセン トよりも大であってもよい、すなわち80パーセント、90パーセント、または 90パーセントよりも大でさえよいポリペプチドをコードする核酸配列を有する ;(c)(a)または(b)の天然に生じる対立遺伝子変異体である;(d)本 明細書で提供するごとくに産生された(a)−(c)の核酸変異体;(e)(a )−(d)に対して相補的である配列を有する; および/または(f)ストリンジェント条件下で(a)−(e)のいずれかにハ イブリダイズする核酸分子またはその断片をいう。 本明細書で用いる「テロメラーゼ蛋白質2」、「TP2蛋白質」または「TP 2ポリペプチド」という用語は、TP2につき本明細書で記載した特性を有する いずれの蛋白質またはポリペプチドもいう。使用する場合、文字「TP2」の前 の小文字は特定の哺乳動物からのTP2ポリペプチドをいう、すなわち、「hT P2」はヒトTP2をいい、「mTP2」はマウスTP2をいう。TP2ポリペ プチドはそれが調製される方法に応じて、アミノ末端メチオニンを有しても有し なくてもよい。例を挙げると、TP2蛋白質またはT2ポリペプチドは(1)こ こで配列番号:13、配列番号:18、および配列番号:19に定義したTP2 核酸分子によってコードされたアミノ酸配列、および例えば配列番号:13のヌ クレオチド1950−2888によってコードされたペプチドのごときそれらか ら由来する生物学的活性ペプチドまたはポリペプチド、(2)配列番号:14ま たは配列番号:20のTP2ポリペプチドと比較して1以上のアミノ酸の置換、 欠失、および/または挿入の結果とな るTP2遺伝子の天然に生じる対立遺伝子変異体、および/または(3)本明細 書で提供するその化学的修飾誘導体ならびに核酸またはアミノ酸配列変異体をい う。 本明細書で用いる「TP2断片」という用語は、天然に生じるTP2蛋白質の 全長アミノ酸配列未満であるが、前記したTP2ポリペプチドまたはTP2蛋白 質と実質的に同一の生物学的活性を有するペプチドまたはポリペプチドをいう。 このような断片はアミノ末端、カルボキシ末端で、および/または内部で切形さ れていてもよく、また化学的に修飾されていてもよい。このようなTP2断片は アミノ末端メチオニンを含むようにまたは含まないように調製することができる 。 本明細書で用いる「TP2誘導体」という用語は、1)例えば、1以上のポリ エチレングリコール分子、糖、ホスフェート、または野生型TP2ポリペプチド に天然では結合していない他の分子の付加によって化学的に修飾されたおよび/ または2)図6および9に記載されたTP2アミノ酸配列と比較して1以上の核 酸またはアミノ酸配列の置換、欠失、および/または挿入を含有するTP2ポリ ペプチド、蛋白質または断片をいう。好ましいTP2断片は配列番号:14のア ミノ酸1−563; 配列番号:14のアミノ酸1−640;配列番号:14のアミノ酸640−94 0;および配列番号:14のアミノ酸696−953を含む。 本明細書で用いる「生物学的活性TP2ポリペプチド」および「生物学的活性 TP2断片」という用語は、TP2についての前記の記載に従ってTP2ペプチ ドまたはポリペプチドをいい、ここでTP2はテロメラーゼアッセイにおいて触 媒活性も有する。加えて、生物学的に活性なTP2は、TP2につき確認されて いる以下の特性:配列番号:14または配列番号:20のTP2ポリペプチド上 のエピトープに対する抗体に結合し、また(a)他のテロメラーゼ蛋白質成分お よび/またはテロメラーゼ複合体のRNA成分と特異的に相互作用し、(b)そ のアミノ酸配列に1以上の同定可能な逆転写酵素モチーフを含有し、または(c )(a)および(b)双方で記載された特性を保有するもののいずれかのうち少 なくとも1つを有する。 本明細書で用いる核酸分子を記載する場合に使用する「TP2」という用語は 、(a)配列番号:13または配列番号:19に記載されたヌクレオチド配列、 または全長配列番号:13または配列番号:19より短いその断片の配列を有す る核酸分子 又はその断片、(b)配列番号:13によってコードされたポリペプチド、また は配列番号:19によってコードされたポリペプチドに対して、少なくとも70 パーセント同一であるが70パーセントよりも大きくてよい、すなわち、80パ ーセント、90パーセント、または90パーセント同一よりも大でさえよいポリ ペプチドをコードする核酸配列を有する核酸分子又はその断片、(c)(a)ま たは(b)の天然に生じる対立遺伝子変異体である核酸分子又はその断片、(d )本明細書で提供するごとくにここで産生された(a)−(c)の核酸変異体で ある核酸分子又はその断片、(e)(a)−(d)に対して相補的である配列を 有する核酸分子又はその断片、および/または(f)ストリンジェント条件下で (a)−(e)のいずれかにハイブリダイズする核酸分子またはその断片をいう 。本発明の好ましいTP2核酸は配列番号:13に記載した全長TP2、配列番 号:13の1−1689、配列番号:13のヌクレオチド1−1920、配列番 号:13のヌクレオチド1920−2820、配列番号:13のヌクレオチド2 089−2820、および配列番号:13のヌクレオチド2089−2859を 含む。 パーセント配列同一性は、2つのポリペプチドのアミノ酸の 位置において類似性を比較するのに通常使用される標準的方法によって決定され る。例として、BLASTまたはFASTAのごときコンピュータープログラム を用い、パーセント配列同一性を決定すべき2つのポリペプチドをそれらの各ア ミノ酸の最適マッチングのために整列させる(1または両方の配列の全長、また は1または両方の配列の予備決定された部分を含み得る「マッチしたスパン」) 。各コンピュータープログラムは「不足」オープニングペナルティおよび「不足 」ギャップペナルティ、およびPAM250のごときスコアリングマトリックス を提供する。標準的スコアリングマトリックス(Dayhoffら、:Alta s of Protein Sequence and Structure, 第5巻,追録3[1978]参照)をコンピュータープログラムと組み合わせて 使用することができる。次いで、パーセント同一性を、FASTAのごときプロ グラムに含まれるアルゴリズムを用いてパーセント同一性を決定することによっ て計算することができる:少なくとも70パーセント同一であるポリペプチドは、典型的には、野生型TR IP1と比較して1以上のアミノ酸の置換、欠失、および/または挿入を有する 。通常、置換は、蛋白質の正味の総電荷、極性または疎水性に対してほとんどま たは全く影響を有しないように保存的であるが、所望によりTRIP1の活性を 増大させてもよい。 以下の表Iに保存的置換を記載する。 「ストリンジェント条件」という用語は、高度に相同性の配列へのオリゴヌク レオチドまたはcDNA分子プローブのごとき核酸分子の結合のみを可能とする 条件下でのハイブリダイゼーションおよび洗浄をいう。ストリンジェント洗浄溶 液の1例としては55℃−65℃の温度で使用する0.015M NaCl、0 .005M クエン酸ナトリウム、および0.1パーセントSDSである。他の ストリンジェント洗浄溶液の例としては50℃−65℃の温度で使用される0. 2×SSCおよび0.1パーセントSDSである。オリゴヌクレオチドプローブ を用いてcDNAまたはゲノミックライブラリーをスクリーニングす る場合、以下のストリンジェント洗浄条件を用いる。1つのプロトコルはオリゴ ヌクレオチドプローブの長さに応じて、35℃−62℃の温度で0.05パーセ ントのピロリン酸ナトリウムを含む6×SSCを使用する。例えば、35−40 ℃で14塩基対プローブを用い、52−57℃で20塩基対プローブを洗浄し、 57−63℃で23塩基対プローブを洗浄する。バックグラウンド非特異的結合 が高く現れる場合は温度を2−3℃上昇させることができる。第2のプロトコル はオリゴヌクレオチドプローブを洗浄するのに塩化テトラメチルアンモニウム( TMAC)を利用する。1つのストリンジェント洗浄溶液は3M TMAC、5 0mMトリス−HCl、pH8.0、および0.2パーセントSDSである。こ の溶液を用いる洗浄温度はプローブの長さに応じて変動させる。例えば、17塩 基対プローブは約45−50℃で洗浄する。 本明細書で用いる「有効量」および「治療上有効量」という用語は前記したT RIP1および/またはTP2の1以上の生物学的活性を支持するのに必要なT RIP1および/またはTP2の量をいう。 本発明の実施において用途を有するTRIP1および/また はTP2ポリペプチドは、天然に生じる全長ポリペプチド、または切形ポリペプ チドもしくはペプチド(すなわち、「断片」)であり得る。該ポリペプチドまた は断片は化学的に修飾されていてもよい、すなわち、グリコシレート化され、リ ン酸化され、および/またはポリマーに結合されていてもよい。加えて、ポリペ プチドまたは断片は天然に生じるTRIP1および/またはTP2の変異体であ ってもよい(すなわち、天然に生じるTRIP1またはTP2と比較して1以上 のアミノ酸の欠失、挿入および/または置換を含有していてもよい)。 全長TRIP1またはTP2ポリペプチドまたはその断片は、Sambroo kら(Molecular Cloning:A Laboratory Ma nual,Cold Spring Harbor Laboratory P ress、Cold Spring Harbor,NY[1989])および /またはAusubelら編(Current Protocols in M olecular Biology,Grren Publishers In c.およびWiley and Sons,NY[1994])に記載されてい るもののごときよく知られた組換えDNA技術を用いて調製 することができる。TRIP1またはTP2蛋白質またはその断片をコードする 遺伝子またはcDNAは、例えば、ゲノムまたはcDNAライブラリーをスクリ ーニングすることによって、あるいはPCR増幅によって得ることができる。別 法として、TRIP1またはTP2蛋白質またはその断片をコードする遺伝子を Engelsら(Angew.Chem.Intl.Ed.,28:716−7 34[1989])によって記載されているもののごとき当業者によく知られた 方法を用いて化学合成によって調製することができる。これらの方法は、とりわ け、核酸合成のためのホスホトリエステル、ホスホルアミダイト、およびH−ホ スホネート方法を含む。このような化学合成用の好ましい方法は標準的なホスホ ルアミダイト化学を用いるポリマー支持合成である。典型的には、TRIP1ま たはTP2ポリペプチドをコードするDNAは長さが数100ヌクレオチドであ ろう。約100ヌクレオチドより大きい核酸はこれらの方法を用いていくつかの 断片として合成することができる。次いで、該断片を一緒に連結して全長TRI P1またはTP2ポリペプチドを形成することができる。通常、ポリペプチドの アミノ末端をコードするDNA断片は、メチオニン残基をコー ドするATGを有するであろう。このメチオニンは、宿主細胞で産生されるポリ ペプチドがその細胞から分泌されるか否かに応じて、TRIP1またはTP2ポ リペプチドの成熟形態に存在しても存在しなくしてもよい。 いくつかの場合、天然に生じるTRIP1またはTP2の核酸および/または アミノ酸変異体を調製するのが望ましいであろう。(1以上のヌクレオチドが野生 型または天然に生じるTRIP1またはTP2とは異なるように設計された)核 酸変異体は、部位特異的突然変異誘発またはプライマー(類)が所望の点突然変 異を有するPCR増幅を用いて生成することができる(突然変異誘発技術の記載 については、Sambrookら、前掲およびAusubelら、前掲参照)。 Engelsら、(前掲)によって記載された方法を用いる化学合成を用いてこ のような変異体を調製することができる。当業者に知られた他の方法も同様に使 用することができる。好ましい核酸変異体はTRIP1またはTP2を生成させ るのに使用されるべき宿主細胞におけるコドン優先性を説明するヌクレオチド置 換を含有するものである。他の好ましい変異体は、野生型と比較して前記した保 存的アミノ酸変化をコードするもの(例えば、ここで、 天然に生じるアミノ酸側鎖の電荷または極性は、異なるアミノ酸ての置換によっ て実質的に改変されない)、および/またはTRTP1またはTP2上に新規グ リコシル化および/またはリン酸化部位(群)を生じるように設計したもの、ま たはTRIP1またはTP2上の存在するグリコシル化および/またはリン酸化 部位(群)を欠失するように設計したものである。 TRIP1またはTP2遺伝子またはcDNAは宿主細胞中での発現用の適当 な発現ベクターに挿入することができる。該ベクターは、典型的には、使用する 特定の宿主細胞で機能的であるように選択される(すなわち、該ベクターは、T RIP1またはTP2遺伝子の増幅および/または該遺伝子の発現が起こり得る ように宿主細胞機器に適合するものである)。TRIP1またはTP2ポリペプ チドまたはその断片は原核生物、酵母、昆虫(バクロウイルス系)および/また は真核生物宿主細胞で増幅/発現され得る。宿主細胞の選択は、TRIP1また はTP2ポリペプチドまたはその断片がグリコシル化および/またはリン酸化さ れるべきか否かに少なくとも部分的には依存するであろう。もしそうであれば、 酵母、昆虫、または哺乳動物宿主細胞が好ましい:酵母細胞は、典型的には、該 ポリペプ チドをグリコシル化しリン酸化でき、昆虫および哺乳動物細胞は、それが天然で TRIP1またはTP2ポリペプチドで起こるように(すなわち、「天然」グリ コシルおよび/またはリン酸化)該ポリペプチドをグリコシル化および/または リン酸化することができる。 典型的には、宿主細胞のいずれかで使用されるベクターは、5’フランキング 配列(「プロモーター」とも呼ばれる)および1つ以上のエンハンサー、複製起 点要素、転写終結要素、ドナーおよびアクセプタースプライス部位を含有する完 全なイントロン配列、シグナルペプチド配列、リポソーム結合部位要素、ポリア デニル化配列、発現されるべきポリペプチドをコードする核酸を挿入するための ポリリンカー領域、および選択可能マーカー要素のごとき他の調節要素を含有す るであろう。これらの要素の各々は後記する。任意に、該ベクターは「タグ」配 列、すなわち、(ヘキサHisのごとき)ポリHisをコードするTRIP1ま たはTP2コーディング配列の5’または3’末端に位置するオリゴヌクレオチ ド配列あるいはもう1つの小さな免疫原性配列を含有することができる。このタ グは当該蛋白質と共に発現されるであろうし、宿主細胞からのTRIP1ま たはTP2ポリペプチドの精製用のアフィニティータグとして働くことができる 。任意に、該タグは、引き続いて、例えば選択されたペプチダーゼを用いるごと き種々の手段によって精製TRIP1またはTP2ポリペプチドから除去するこ ともできる。 該5’フランキング配列は同種(すなわち、宿主細胞と同一種および/または 株からのもの)、異種(すなわち、宿主細胞種または株以外の種からのもの)、 ハイブリッド(すなわち、複数の源からの5’フランキング配列の組合せ)、合 成のものであってよく、あるいはそれは天然TRIP1またはTP2の5’フラ ンキング配列であってよい。それ自体、5’フランキング配列の源はいずれかの 単細胞原核生物または真核生物、いずれかの脊椎動物または無脊椎動物、または いずれかの植物であってよい。但し、5’フランキング配列は宿主細胞中で機能 的であるか、または宿主細胞によって活性化できるものとする。 本発明のベクターで有用な5’フランキング配列は、当該分野でよく知られた いくつかの方法のうちいずれかによって得ることができる。典型的には、TRI P1またはTP2の5’フランキング配列以外のここで有用な5’フランキング 配列は、 マッピングによっておよび/または制限エンドヌクレアーゼ消化によって従前に 同定されており、従って、適当な制限エンドヌクレアーゼを用いて適当な組織源 から単離することができる。いくつかの場合、5’フランキング配列の十分なヌ クレオチド配列は公知であり得る。ここで、5’フランキング配列は核酸合成ま たはクローニングにつき前記した方法を用いて合成することができる。 5’フランキング配列の全部または一部が知られている場合、それは、PCR を用いて、および/または適当なオリゴヌクレオチドおよび/または同一または もう1つの種からの5’フランキング配列断片にてゲノムライブラリーをスクリ ーニングすることによって得ることができる。 5’フランキング配列か知られていない場合、5’フランキング配列を含有す るDNAの断片は、例えば、コーディング配列またはその他の単数又は複数の遺 伝子を含むであろうより大きなDNAから単離することができる。単離は、適当 なDNA断片を単離するように1以上の注意深く選択された酵素を用いる制限エ ンドヌクレアーゼ消化によって達成することができる。消化の後、所望の断片を アガロースゲル精製、Qiagen (登録商標)カラムまたは当業者に知られた他の方法によって単離することがで きる。この目的を達成するための適当な酵素の選択は当業者には容易に明らかと なるであろう。 複製起点要素は、典型的には、商業的に購入された原核生物発現ベクターの一 部であり、宿主細胞におけるベクターの増幅を助けるものである。あるコピー数 までのベクターの増幅は、ある場合には、TRIP1またはTP2ポリペプチド の最適発現で重要であり得る。もし選択されたベクターか複製起点部位を含有し なければ、公知の配列に基づいて化学的に合成し、ベクターに連結することがで きる。 転写終始要素は、典型的には、TRIP1またはTP2ポリペプチドコーディ ング配列の3’末端に位置し、TRIP1またはTP2ポリペプチドの転写を終 結するように働くことができる。通常、原核生物細胞における転写終始要素はG −Cリッチの断片、続いてのポリT配列である。該要素はライブラリーまたはベ クターの一部として商業的に購入したものからさえも容易にクローン化されるが 、前記したもののごとき核酸合成法を用いて容易に合成することもできる。 選択可能マーカー遺伝子要素は、選択培地中で増殖させた宿 主細胞の生存または増殖に必要な蛋白質をコードする。典型的な選択マーカー遺 伝子は、(a)原核生物宿主細胞では抗生物質または他のトキシン、例えばアン ピリシン、テトラサイクリン、またはカナマイシンに対する耐性を付与する、( b)当該細胞の栄養素要求性欠損を補う、または(c)複合培地から利用できな い重要な栄養素を供給する蛋白質をコードする。好ましい選択可能マーカーはカ ナマイシン耐性遺伝子、アンピリシン耐性遺伝子、およびテトラサイクリン耐性 遺伝子である。 通常シャインダルガノ配列(原核生物)またはコザック配列(真核生物)と呼 ばれるリポソーム結合部位はmRNAの翻訳開始に必要である。該要素は、典型 的には、プロモーターの3’側であって、合成すべきTRIP1またはTP2ポ リペプチドの5’側に位置する。シャインダルガノ配列は変化するが、典型的に は、ポリプリンである(すなわち、高A−G含有量を有する)。多くのシャイン ダルガノ配列が同定されており、その各々は前記した方法を用いて容易に合成で き、原核生物ベクターで使用することができる。 TRIP1またはTP2が宿主細胞から分泌させるのが望ましい場合、シグナ ル配列を用いて、TRIP1またはTP2ポ リペプチドをそれが合成される所から出すように仕向けることかでき、当該蛋白 質のカルボキシ末端部分を欠失させて、膜への係留を妨げることができる。典型 的には、シグナル配列はTRTP1またはTP2核酸配列のコーディング領域に 位置させるか、あるいはTRIP1またはTP2コーディング領域の5’末端に 直接的に位置させる。多くのシグナル配列が同定されており、選択された宿主細 胞で機能するそれらのうちいずれかを、TRIP1またはTP2遺伝子と組み合 わせて使用することができる。従って、シグナル配列はTRIP1またはTP2 ポリペプチドに対して同種または異種であり得、TRIP1またはTP2ポリペ プチドに対して同種または異種であり得る。さらに、シグナル配列は前記した方 法を用いて化学的に合成することができる。ほとんどの場合、シグナルペプチド の存在を介しての宿主細胞からのポリペプチドの分泌の結果、ポリペプチドから アミノ末端メチオニンが除去される。 多くの場合、TRIP1またはTP2ポリペプチドの転写は、ベクター上の1 以上のイントロンの存在によって増加し;これはTRTP1またはTP2が真核 生物宿主細胞、特に哺乳動物宿主細胞で産生される場合に特に当てはまる。特に 、使用する TRIP1またはTP2核酸配列が全長ゲノム配列またはその断片である場合、 使用するイントロンはTRIP1またはTP2核酸配列内で天然に生じる。(ほ とんどのcDNAに関するように)該イントロンがTRIP1またはTP2DN A配列内で天然に生じない場合、イントロン(群)は別の源から得ることかでき る。イントロンは機能するためには、転写されならなければならないので、5’ フランキング配列およびTRIP1もしくはTP2コーディング配列に関しては イントロンの位置は重要である。それ自体、TRIP1またはTP2が核酸配列 かcDNA配列であるような場合、該イントロンについての好ましい位置は転写 開始部位の3’側であって、ポリA転写終始配列の5’側である。好ましくは、 TRIP1またはTP2cDNAについては、イントロンは、それかこのコーデ ィング配列を中断しないようにTRIP1またはTP2コーディング配列の一方 側または他の側(すなわち、5’のたは3’側)に位置するであろう。いずれの ウイルス、原核および真核(植物または動物)生物をも含めたいずれの源からの いずれのイントロンを用いて本発明を実施することもできる。但し、それはそれ が挿入される宿主細胞(類)に適合するものとする。また、合 成イントロンもここに含まれる。任意に、1を超えるイントロンをベクターで用 いることもできる。 前記した1以上の要素が使用すべきベクターで既に存在する場合、それらは個 々に得て、ベクターに連結することができる。該要素の各々を得るために使用さ れる方法は当業者によく知られ、前記した方法(すなわち、DNAの合成、ライ ブラリースクリーニング等)に匹敵する。 本発明の実施に使用される最後のベクターは、典型的には、商業的に入手可能 なベクターのごとき出発ベクターから構築される。このようなベクターは、完成 されたベクターに含ませるべき該要素のうちのいくつかを含有させてもさせなく てもよい。もし所望の要素のいずれも出発ベクターに存在しなければ、連結させ るべき要素の末端およびベクターの末端が連結に適合するように、ベクターを適 当な制限エンドヌクレアーゼ(類)で切断することによって、各要素を個々にベ クターに連結させることができる。いくつかの場合、一緒に連結させるべき末端 を「平滑とする」ことが、満足すべき連結を得るのに必要である。平滑化は、全 ての4種のヌクレオチドの存在下でクレノウDNAポリメラーゼまたはT4DN Aポリメラーゼを用い、「粘着 末端」をまず満たすことによって達成される。この手法は当該分野でよく知られ ており、例えばSambookら、前掲に記載されている。 別法として、ベクターに挿入すべき2以上の要素を(それらが相互に隣接して 位置しておれば)まず一緒に連結し、次いでベクターに連結する。 ベクターを構築するもう1つの他の方法は、1つの反応混合物中で種々の要素 の全ての連結を同時に行うことである。ここで、多くのナンセンスまたは非機能 的ベクターが、該要素の不適当な連結または挿入に起因して生じるであろうが、 制限エンドヌクレアーゼ消化によって機能的ベクターを同定し、選択することが できる。 本発明を実施するための好ましいベクターは、細菌、昆虫および哺乳動物宿主 細胞に適合するものである。このようなベタターは、とりわけ、pCRIIおよ びpCR3(Invitrogen Company,San Diego,C A)、pBSII(Stratagene Company,LaJolla, CA)およびpETL(BlueBacII;Invitrogen)を含む。 ベクターを構築し、TRIP1核酸がベクターの適当な部位に挿入された後、 完成されたベクターを増幅および/またはTRTP1もしくはTP2ポリペプチ ド発現のために適した宿主細胞に挿入することができる。 宿主細胞は(E.coliのごとき)原核生物細胞または(酵母、昆虫細胞、ま たは脊椎動物細胞のごとき)真核生物宿主細胞であり得る。宿主細胞は、適当な 条件下で培養する場合、TRIP1またはTP2ペプチドを合成し、これは(も し宿主細胞がそれを培地に分泌するならば)引き続いて培地から収集することが でき、あるいは(それが分泌されなければ)それを産生する細胞から直接的に収 集することができる。収集の後、TRIP1またはTP2蛋白質は、モレキュラ ーシーブクロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等のごとき方 法を用いて精製することができる。 宿主細胞の選択は、部分的には、TRIP1またはTP2蛋白質がグリコシル 化またはリン酸化されるか否か(この場合、真核生物が好ましい)、および生物 学的活性蛋白質が細胞によって調製させるように、宿主細胞が蛋白質を天然の三 次構造に「折り畳む」ことができる様式(例えば、ジスルフィド架橋の 適当な向き)に依存するであろう。しかしながら、宿主細胞が生物学的活性TR IP1またはTP2を合成しない場合、該TRIP1またはTP2は後記する適 当な化学的条件を用いて合成した後「折り畳む」ことができる。 適当な細胞または細胞系はチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)または 3T3細胞のごとき哺乳動物細胞であり得る。適当な哺乳動物宿主細胞および形 質転換、培養、増幅、スクリーニングおよび産物生産および精製の方法の選択は 当該分野で公知である。他の適当な哺乳動物細胞系はサルCOS−1およびCO S−7細胞系、およびCV−1細胞系である。さらなる例示的哺乳動物宿主細胞 は、形質転換細胞系を含めた霊長類細胞系および齧歯類細胞系を含む。通常の二 倍体細胞、一次組織のイン・ビトロ培養から誘導された細胞株、ならびに一次外 植体も適当である。候補細胞は遺伝子型的に選択遺伝子が欠損したものでよく、 あるいは優勢的に活動する選択遺伝子を含有してもよい。他の適当な哺乳動物細 胞系はマウス・メタロチオネインN2A細胞、HeLa、マウスL−929細胞 、Swiss、Balb−cまたはNIHマウスに由来する3T3系、BHKま たはHaKハムスター細胞系を含むがこれらの限定されるも のではない。 本発明で適する宿主細胞として同様に有用なものは、細菌細胞である。例えば 、E.coliの種々の株(例えば、HB101、DH5α、DH10およびM C1061)はバイオテクノジーの分野で宿主細胞としてよく知られている。B .subtilis、Psuedomonas spp.、他のBacillu s spp.、Streptomyces spp.等の種々の株もこの方法で 使用することができる。 当業者に知られた酵母細胞の多くの株も本発明のポリペプチドの発現用宿主細 胞として利用することもできる。加えて、望むならば、昆虫細胞を本発明の方法 で宿主細胞として使用することができる(Millerら、Genetic E ngineering 8:277−298[1986])。 ベクターの選択された宿主細胞への挿入(「形質転換」または「トランスフェ クション」ともいう)は、塩化カルシウム、エレクトロポレーション、マイクロ インジェクション、リポフェクションまたはDEAE−デキストラン方法を用い て達成することができる。これらの方法および他の適当な方法は当業者によく知 られており、例えば、Sambrookら、前掲に記 載されている。 ベクターを含有する宿主細胞(すなわち、形質転換されたまたはトランスフェ クトされた)は、当業者によく知られた標準的培地を用いて培養することができ る。該培地は、通常、細胞の増殖および生存に必要な全ての栄養素を含有するで あろう。E.coliを培養するための適当な培地は、例えば、Luriaブロ ス(LB)および/またはTerrific ブロス(TB)である。真核生物 細胞を培養するのに適した適当な培地はRPMI 1640、MEM、DMEM であり、その全ては培養すべき特定の細胞系によって要求される血清および/ま たは成長因子を補足することができる。昆虫培養に適した培地は、要すれば、酵 母分解物、ラクトアルブミン加水分解物および/または胎児ウシ血清を補足した グレース(Grace)培地である。 典型的には、トランスフェクトされた細胞の選択的増殖で有用な抗生物質また は他の化合物のみが培地への補足物として添加される。使用すべき化合物は、宿 主細胞がそれにより形質転換されたプラスミドに存在する選択可能マーカー要素 に指示される。例えば、選択可能マーカー要素がカナマイシン耐性であ る場合、培地に添加された化合物はカナマイシンであろう。 宿主細胞で産生されたTRIP1またはTP2ポリペプチドの量は、当該分野 で知られた標準的な方法を用いて評価することができる。このような方法は、限 定されるものではないが、ウェスタンブロット分析、SDS−ポリアクリルアミ ドゲル電気泳動、非変性ゲル電気泳動、HPLC分離、免疫沈降、および/また はDNA結合ゲルシフトアッセイのごとき活性アッセイを含む。 もしTRIP1またはTP2ポリペプチドか宿主細胞から分泌されるように設 計されたならば、ポリペプチドの大部分は細胞培養培地中で見いだすことができ る。このようにして調製したポリペプチドは、典型的には、アミノ末端メチオニ ンを保有しない。というのは、それは細胞からの分泌の間に除去されるからであ る。しかしながら、もしTRIP1またはTP2ポリペプチドが宿主細胞から分 泌されないならば、それは細胞質(真核生物、グラム陽性菌、および昆虫宿主細 胞につき)またはペリプラズム(グラム陰性菌宿主細胞につき)に存在するであ ろうし、アミノ末端メチオニンを有し得る。 細胞内TRTP1またはTP2蛋白質については、宿主細胞 は、典型的には、まず機械的にまたは浸透圧により破壊して、細胞質内容物を緩 衝溶液に放出させる。次いで、TRIP1またはTP2ポリペプチドをこの溶液 から単離することができる。 溶液からのTRIP1ポリペプチドの精製は種々の技術を用いて達成すること ができる。もしポリペプチドが、そのカルボキシもしくはアミノ末端のヘキサヒ スチジン(TRIP1/ヘキサHisまたはTP2/ヘキサHis)または他の 小さいペプチドのごときタグを含有するように合成されていたならば、カラムマ トリックスが直接的に該タグまたはポリペプチドに対して高アフィニティーを有 するアフィニティーカラム(すなわち、TRIP1またはTP2を特異的に認識 するモノクローナル抗体)に溶液を通すことによって1工程プロセスで実質的に 精製することができる。例えば、ポリヒスチジンはニッゲルに対して大きな親和 性および特異性でもって結合し、このように、(Qiagenニッケルカラムの ごとき)ニッゲルのアフィニティーカラムをTRIP1/ポリHisまたはTP 2/ポリHisの精製で使用することができる。(例えば、Ausbelら編、 Current Protocols in Molecular Biolo gy,セクション10.11.8、 John Wiley & Sons, New York[1993]参照) 。 TRIP1またはTP2ポリペプチドがタグを有さず、抗体が利用できない場 合、精製用の他のよく知られた手法を使用することができる。このような手法は 、限定されるものではないが、イオン交換クロマトグラフィー、モレキュラーシ ーブクロマトグラフィー、HPLC、ゲル溶出と組み合わせた天然ゲル電気泳動 、および分取用等電点電気泳動(「Isoprime」マシーン/技術、Hoe fer Scientific)を含む。いくつかの場合、これらの技術のうち 2以上を組み合わせて増大した純度を達成することができる。 TRIP1またはTP2ポリペプチドが第一義的に細菌のペリプラズム空間ま たは真核生物細胞の細胞質に見いだされるであろうことが予測されるならば、封 入体を含めたペリプラズムまたは細胞質の内容物(例えば、グラム陰性菌)は、 加工したポリペプチドがこのような複合体を形成したならば、当業者に知られた いずれかの標準的な技術を用いて宿主細胞から抽出することができる。例えば、 宿主細胞を溶解して、フレンチプレス、ホモジナイゼーションおよび/または音 波処理によってペ リプラズムの内容物を放出させることができる。次いで、ホモジネートを遠心す ることができる。 もしTRIP1またはTP2ポリペプチドがペリプラズム中に形成された封入 体を有するならば、封入体はしばしば内方および/または他の細胞膜に結合する ことができ、このように、遠心後にはペレット物質中に第一義的に見いだされる であろう。次いで、該ペレット物質をグアニジンまたは尿素のごときカオトロピ ック剤で処理して、封入体を放出させ、破壊し、可溶化することができる。その 今や可溶性の形態のTRTP1またはTP2ポリペプチドを、次いで、ゲル電気 泳動、免疫沈降等を用いて分析することができる。もしTRIP1またはTP2 ポリペプチドを単離するのが望まれるならば、単離は後記するMarstonら (Meth.Enz.,182:264−275[1990])に記載されたも ののごとき標準的な方法を用いて達成することができる。 もしTRIP1またはTP2ポリペプチド封入体が宿主細胞のペリプラズム中 でかなりの程度形成されないのならば、TRIP1またはTP2ポリペプチドは 細胞ホモジネートの遠心後には一義的には上清中に見いだされるであろうし、T RIP1 またはTP2ポリペプチドは後記するもののごとき方法を用いて上清から単離す ることができる。 TRIP1またはTP2ポリペプチドを部分的にまたは完全に単離するのが好 ましい状況では、精製は当業者によく知られた標準的な方法を用いて達成するこ とができる。このような方法は、限定されるものではないが、電気泳動、続いて の電気溶出による分離、種々のタイプのクロマトグラフィー(免疫アフィニティ ー、モレキュラーシーブ、および/またはイオン交換)、および/または高圧液 体クロマトグラフィーを含む。いくつかの場合において、完全な精製のためには これらの方法のうちの1を超えて使用するのが好ましい。 組換えDNA技術を用いるTRIP1またはTP2ポリペプチドを調製し精製 することに加えて、TRIP1またはTP2ポリペプチド、その断片、および/ または誘導体は、Merrifieldら(J.Am.Chem.Soc.,8 5:2149[1964]、Houghtenら、Proc,Natl.Acad .Sci.USA、82:5132[1985])、およびStewartおよ びYoung(Solid Phase Peptide Synthesis ,Pierce Chem Co.,Rockforrd,IL[1984])によって記載され ているもののごとき当該分野で知られている方法を用い、(固相ペプチド合成の ごとき)化学合成方法によって調製することができる。このようなポリペプチド はアミノ末端メチオニンを含みまたは含まずして合成することができる。化学的 に合成したTRIP1またはTP2ポリペプチドまたは断片をこれらの文献に記 載された方法を用いて酸化して、ジスルフィド架橋を形成することができる。T RIP1またはTP2ポリペプチドまたは断片を、治療的および免疫学的プロセ スにて、天然の精製されたTRIP1またはTP2ポリペプチド用の生物学的活 性または免疫学的代替物として使用することができる。 TRIP1またはTP2ポリペプチドがポリマーに連結された(「TRIP1 またはTP2−ポリマー」)化学的に修飾されたTRIP1またはTP2組成物 (すなわち、「誘導体」)は本発明の範囲内に含まれる。選択されたポリマーは 、典型的には、それに結合する蛋白質が生理学的環境のごとき水性環境で沈殿し ないように水溶性である。選択されたポリマーは、通常、重合度が本発明の方法 で提供されるごとくに制御できるよ うに、アシル化のための活性エステルまたはアルキル化のためのアルデヒドのよ うな単一の反応性基を有するように修飾される。好ましい反応性アルデヒドは水 溶性であるポリエチレングリコールプロピオンアルデヒド、またはそのモノC1 −C10アルコキシまたはアリールオキシ誘導体である(米国特許第5,252 ,714号)。該ポリマーは分岐または非分岐状であり得る。ポリマーの混合物 はTRIP1−ポリマーまたはTP2−ポリマーの範囲内に含まれる。好ましく は、最終生成物調製の治療的使用では、該ポリマーは医薬上許容可能であろう。 水溶性ポリマーまたはその混合物は、例えば、ポリエチレングリコール(PEG )、モノメトキシ−ポリエチレングリコール、デキストラン、セルロースまたは 他のカルボヒドレートベースのポリマー、ポリ−(N−ビニルピロリドン)ポリ エチレングリコール、プロピレングリコールホモポリマー、ポリプロピレンオキ シド/エチレンオキシドコポリマー、ポリオキシエチル化ポリオール(例えば、 グリセロール)およびポリビニルアルコールよりなる群から選択される。アシル 化反応では、選択されたポリマー(類)は単一の反応性エステル基を有すべきで ある。還元性アルキル化では、選択されたポリマー(類)は単一 の反応性アルデヒド基を有すべきである。該ポリマーはいずれの分子量であって もよく、分岐状または非分岐状であってよい。 TRIP1またはTP2のペギレーションは、例えば、以下の文献:Focu s on Growth Factors3:4−10(1992);EP 0 154 316;およびEP 0 401 384に記載されているごとき、 当該分野で知られているペギレーション反応のいずれかによって行うことができ る。好ましくは、ペギレーションは後記する反応性ポリエチレングリコール分子 (または類似の反応性水溶性ポリマー)でのアシル化反応またはアルキル化反応 を介して行うことができる。 アシル化によるペギレーションは、一般に、ポリエチレングリコール(PEG )の反応性エステル誘導体とTRIP1またはTP2蛋白質との反応を含む。い ずれの公知のまたは引き続いての発見された反応性PEG分子を用いても、TR IP1またはTP2のペギレーションを行うことができる。好ましい活性化PE GエステルはN−ヒドロキシスクシンイミド(「NHS」)にエステル化された PEGである。本明細書で使用される「アシル化」は、Bioconjugat e Chem.5: 133−140(1994)に記載されているごとく、限定されることなく、以 下のタイプのTRIP1またはTP2とPEG:アミド、カルバメート、ウレタ ン等のごとき水溶性ポリマーとの間の結合を含む。反応条件は、ペキレーション 分野で知られているもの、または引き続いて開発されたもののいずれかから選択 することができる。但し、修飾すべきTRIP1またはTP2種を不活化するで あろう温度、溶剤、pHのような条件は回避される。 アシル化によるペギレーションの結果、通常、ポリ−ペギレート化されたTR IP1またはTP2生成物がもたらされ、ここで、リシンε−アミノ基がアシル 結合性基を介してペギレート化される。好ましくは、連結結合はアミドであろう 。また、好ましくは、得られた生成物は少なくとも約95パーセントモノ、ジ− またはトリ−ペキレート化されるであろう。しかしながら、より高い程度のペギ レート化(TRIP1またはTP2のシリンε−アミノ酸基+TRIP1または TP2のアミノ末端におけるα−アミノ基の最大数)を持ついくつかの種は、通 常、使用する具体的反応条件に応じた量で形成されるであろう。所望ならば、よ り精製されたペギレート化種は、とりわけ、透 析、塩析、限外濾過、イオン−交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラ フィーおよび電気泳動を含めた標準的な精製技術によって混合物、特に未反応種 から分離することができる。 アシル化によるペギレーションは、一般に、還元剤の存在下でのPEGの末端 アルデヒド誘導体とTRIP1またはTP2との反応を含む。ペギレート化の程 度にも拘わらず、PEG基は、好ましくは、−CH2−NH−基を介して蛋白質 に結合する。−CH2−基を特に参照すると、このタイプの結合を本明細書では 「アルキル」結合という。 モノペギレート化生成物を生じさせるための還元的アルキル化を介する誘導体 化により、TRIP1またはTP2における誘導体化用に入手できる第一級アミ ノ基(リシン対N−末端)の異なるタイプの異なる反応性がもたらされる。典型 的には、該反応は、リシン残基のε−アミノ基の問のpKa差異および当該蛋白 質のN−末端残基のα−アミノ基のそれを利用できるpH(後記参照)で行われ る。このような選択的誘導体化によって、アルデヒドのごとき反応性基を含有す る水溶性ポリマーの蛋白質への結合が制御され:ポリマーとの結合が、リシン側 鎖アミノ基のごとき他の反応性基の有意な修飾なくして蛋白質 のN−末端で優勢的に起こる。本発明は、TRIP1−モノポリマーまたはTP 2−モノポリマー蛋白質結合分子(ポリマー分子が実質的にTRIP1またはT P2蛋白質上の単一位置のみ(すなわち、少なくとも約95%)に付着されてい るTRIP1またはTP2蛋白質を意味する)の実質的に均一な調製物を提供す る。より詳細には、もしポリエチレングリコールを用いれば、本発明は可能性と して抗原性連結基を欠き、TRIP1またはTP2蛋白質に直接的にカップリン グしたポリエチレングリコール分子を有するペギレート化TRIP1またはTP 2蛋白質も提供する。 ここに使用される特に好ましい水溶性ポリマーはPEGと略されるポリエチレ ングリコールである。本明細書で用いるポリエチレングリコールとは、モノ−( C1−C10)アルコキシ−またはアリールオキシ−ポリエチレングリコールの ごとき他の蛋白質を誘導体化するのに使用されてきたPEGの形態のいずれも含 むことが意図される。 一般に、化学誘導体化は、生物学的活性物質を活性化ポリマー分子と反応させ るのに使用されるいずれかの適当な条件下で行うことができる。ペギレート化T RIP1またはTP2を調 製する方法は、一般に、(a)それによりTRIP1またはTP2が1以上のP EG基に結合するようになる条件下で、TRIP1またはTP2ポリペプチドを (PEGの反応性エステルまたはアルデヒド誘導体のごとき)ポリエチレングリ コールと反応させ、次いで(b)反応生成物(類)を得る工程を含む。一般に、 アシル化反応用の最適反応条件は既知のパラメーターおよび所望の結果に基づい て決定されるであろう。例えば、PEG:蛋白質の比がより大きくなれば、ポリ −ペギレート化生成物のパーセントはより大きくなる。 モノポリマー/TRIP1またはTP2蛋白質結合分子の実質的に均一な集団 を生じる還元的アルキル化は、一般に、(a)TRIP1またはTP2蛋白質を 、TRIP1またはTP2蛋白質のアミノ末端のα−アミノ基の選択的修飾を可 能とするのに適したpHにて、還元的アルキル化条件下で、反応性PEG分子と 反応させ、次いで、(b)反応生成物(類)を得る工程を含む。 モノ−ポリマー/TRIP1またはTP2蛋白質結合分子の実質的に均一な集 団については、還元的アルキル化反応条件は、TRIP1またはTP2のN−末 端への水溶性ポリマー部位の 選択的結合を可能とするものである。このような反応条件は、一般に、リシンア ミノ基およびN−末端のα−アミノ基間のpKa差異を提供する(該pKaはア ミノ基の50%がプロトン化されて、50%がされていないpHである)。また 、該pHは使用すべき蛋白質に対するポリマーの比率に影響する。一般に、pH が低ければ、蛋白質に対してより過剰のポリマーが所望されるであろう(すなわ ち、N−末端α−アミノ基が反応性が低くなれば、最適条件を達成するのに必要 なポリマーは多くなる)。pHが高くなれば、ポリマー:蛋白質の比率は大きな 値である必要は無い(すなわち、より反応性の基が利用できれば、必要なポリマ ー分子は少なくなる)。本発明の目的では、pHは、一般的には、3−9、好ま しくは3−6の範囲内となろう。 もう1つの重要な考慮はポリマーの分子量である。一般に、ポリマーの分子量 が高くなれば、蛋白質に結合できるポリマー分子の数は少なくなる。同様に、こ れらのパラメーターを最適化する場合、ポリマーの分岐を考慮すべきである。一 般に、分子量が高くなれば(または分岐が多くなれば)、ポリマー:蛋白質比率 は高くなる。一般に、ここに考えられるペギレーショ ン反応については、好ましい平均分子量は約2kDaないし約100kDaであ る(「約」という用語は±1kDaを示す)。好ましい平均分子量は約5kDa ないし約50kDa、特に好ましくは約12kDaないし約25kDaである。 TRIP1蛋白質に対する水溶性ポリマーの比率は、一般に、1:1ないし10 0:1、好ましくは(ポリペギレーションについては)1:1ないし20:1、 および(モノペギレーションについては)1:1ないし5:1の範囲となろう。 前記で示した条件下を用い、還元的アルキル化はアミノ末端にα−アミノ基を 有するいずれかのTRIP1またはTP2蛋白質の選択的結合を提供し、モノポ リマー/TRTP1またはTP2蛋白質結合体の実質的に均一な調製物を提供す る。「モノポリマー/TRIP1またはモノポリマー/TP2蛋白質結合体」と いう用語は、ここでは、TRIP1またはTP2蛋白質分子に結合した単一のポ リマー分子よりなる組成物を意味する。モノポリマー/TRIP1またはモノポ リマー/TP2蛋白質結合体は、好ましくは、N−末端に位置するポリマー分子 を有するが、リシンアミノ側鎖には有しないであろう。該調製物は、好ましくは 、90%を超えるモノポリマー/TRIP1 またはモノポリマー/TP2結合体、より好ましくは95%を超えるモノポリマ ーTRIP1またはTP2蛋白質結合体であり、観察された分子の残りは未反応 である(すなわち、ポリマ一部位を欠く蛋白質)。これらの例は、少なくとも約 90%モノポリマー/蛋白質結合体、および約10%の未反応蛋白質である調製 物を提供する。モノポリマー/蛋白質結合体は生物学的活性を有する。 本還元的アルキル化については、還元剤は水性溶液中で安定であるべきあって 、好ましくは、還元的アルキル化の初期プロセスで形成されるシッフ塩基のみを 還元できる。好ましい還元剤はホウ水素化ナトリウム、シアノホウ水素化ナトリ ウム、ジメチルアミンボラン、トリメチルアミンボランおよびピリジンボランよ りなる群から選択される。特に好ましい還元剤はシアノホウ水素化ナトリウムで ある。 溶媒、反応時間、温度等のごとき他の反応パラメーター、および生成物の精製 の意味は、水溶性ポリマーでの蛋白質の誘導体化に関する公開された情報に基づ いて決定される。 ポリマーTRIP1またはポリマー−TP2蛋白質結合分子の混合物は、前記 したごとくにアシル化および/またはアルキ ル化方法によって調製でき、混合物に含めるべきモノポリマー/蛋白質結合体の 割合を選択することができる。このように、所望ならば、種々の蛋白質と結合し た種々の数のポリマー分子の混合物(すなわち、ジ−、トリ−、テトラ−等)を 調製し、本発明の方法を用い、モノポリマー/TRIP1またはモノポリマー/ TP2蛋白質と組み合わせることができる。 一般に、本発明のポリマー/TRIP1またはポリマー/TP2の投与によっ て軽減され変調できる条件は、一般にTRIP1およびTP2分子につき本明細 書に記載したものを含む。しかしながら、ここに開示するポリマー/TRIP1 またはポリマー/TP2分子は、非誘導体化分子と比較して、他の活性、増強さ れたまたは低下した活性、または他の特徴を有し得る。 TRIP1またはTP2核酸分子、断片、および/またはそれ自体は活性アッ セイで活性なポリペプチドをコードしない誘導体は、哺乳動物組織または体液試 料におけるTRIP1またはTP2 DNAまたは対応するRNAの存在につい ての、定性的または定量的にテストする診断アッセイでハイブリダイゼーション プローブとして有用であり得る。 TRIP1またはTP2ポリペプチド断片および/または活性アッセイでそれ 自体は活性ではない誘導体は、TRIP1またはTP2ポリペプチドを認識する 抗体を調製するのに有用であり得る。 TRIP1またはTP2ポリペプチドおよびその断片は、化学的に修飾された またはそうではないかを問わず、単独で、または他の医薬組成物と組み合わせて 使用することができる。 TRIP1またはTP2ポリペプチドおよび/またはその断片を用いて、標準 的な方法によって生じた抗体を調製することができる。従って、TRIP1また はTP2ポリペプチドと反応する抗体、ならびにこのような抗体の反応性断片は も本発明の範囲内にあると考えられる。該抗体はポリクローナル、モノクローナ ル、組換え、キメラ、一本鎖および/または双方特異的であり得る。典型的には 、抗体またはその断片はヒト起源であり、あるいは「ヒト化されており」、すな わち患者に投与された場合に抗体に対する免疫化反応を防止しまたはそれを最小 化するように調製されるであろう。抗体断片は、Fab、Fab’等のごとき本 発明のTRIP1またはTP2と反応性であるいずれの断片であってもよい。ま た、本発明によって、選択 された哺乳動物に対して抗原としてTRIP1もしくはTP2またはその断片を 提示し、続いて公知の技術によって哺乳動物の細胞(例えば、脾臓細胞)とある 種の癌細胞とを融合させて不死化細胞系を創製することによって創製されるハイ ブリドーマが提供される。このような細胞系を創製するのに使用される方法およ び本発明のヒトTRIP1またはTP2ポリペプチドの全てまたは一部に対する 抗体も本発明に含まれる。 該抗体は、TRIP1またはTP2のテロメアへの、テロメラーゼRNAへの 、またはテロメラーゼ複合体またはテロメラーゼ複合体に結合する蛋白質の他の 成分への結合を阻害する、または他の方法でTRIP1またはTP2活性を阻害 するのに使用することができる。該抗体は、さらに、体液または細胞試料中のT RIP1またはTP2の存在を検出するための標識形態におけるごとく、イン・ ビボまたはイン・ビトロ診断目的で使用することができる。 治療組成物および投与 TRIP1またはTP2の治療組成物は本発明の範囲内にある。このような組 成物は、医薬上許容される担体と混合した治療上有効量のTRIP1またはTP 2ポリペプチドまたはその 断片(化学的に修飾できるもののいずれか)を含み得る。担体物質は、好ましく は、哺乳動物への投与用の溶液に共通した他の物質を補足した注射用水であり得 る。典型的には、TRIP1治療化合物を、1以上の生理学的に許容される担体 、賦形剤または希釈剤と組み合わせた、(化学的に修飾し得る)精製したTRI P1ポリペプチドまたは断片を含む組成物の形態で投与されるであろう。中性緩 衝化生理食塩水または血清アルブミンと混合した生理食塩水は適当な担体である 。好ましくは、該生成物は適当な賦形剤(例えば、スクロース)を用いて凍結乾 燥体として処方される。他の標準的な担体、希釈剤および賦形剤は要すれば含め ることができる。他の組成物の例は約pH7.0−8.5のトリス緩衝液、また は約pH4.0−5.5の酢酸緩衝液を含み、これはさらにソルビトールまたは それに代えての適当な代替物を含み得る。 TRIP1またはTP2組成物は非経口にて全身投与することができる。別法 として、該組成物は静脈内または皮下投与することができる。全身投与する場合 、本発明で用いる治療組成物はパイロジェン不含の非経口的に許容される水性溶 液の形態とし得る。必要なpH、等張性、安定性等にての、このような 医薬上許容される蛋白質溶液の調製は当業者の技量内のものである。 本発明を実施するのに有用なTRIP1またはTP2の治療処方は、凍結乾燥 ケーキまたは水性溶液の形態にて、所望の程度の純度を有する選択された組成物 を任意の生理学的に許容される担体、賦形剤、または安定化剤(Remingt ons’s Pharmaceutical Science,第18版、A. R.Gennaro編、Mack Publishing Company[1 990])と混合することによって貯蔵用に調製することができる。許容される 担体、賦形剤または安定化剤は受容者に対して非毒性であって、好ましくは、使 用する用量および濃度で不活性であって、ホスフェート、シトレート、または他 の有機酸のごとき緩衝液;アスコルビン酸のごとき抗酸化剤;低分子量ポリペプ チド;血清アルブミン、ゼラチンまたは免疫グロブリンのごとき蛋白質;ポリビ ニルピロリドンのごとき疎水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン 、アルギニンまたはリシンのごときアミノ酸;単糖、二糖およびグルコース、マ ンノース、またはデキストリンを含めた他の炭水化物;EDTAのごときキレー ト剤;マンニトールまたはソ ルビトールのごとき糖アルコール;ナトリウムのごとき塩形成性対イオン;およ び/またはTween、Pluronicsまたはポリエチレングリコール(P EG)のごとき非イオン性界面活性剤を含む。 イン・ビボ投与で使用すべきTRIP1またはTP2組成物は無菌でなければ ならない。これは滅菌濾過膜を通す濾過によって容易に達成される。TRIP1 またはTP2組成物が凍結乾燥される場合、これらの方法を用いる滅菌を、凍結 乾燥および復元に先立って、またはその後に行うことができる。非経口投与用組 成物は、通常、凍結乾燥形態または溶液中に保存することができる。 治療組成物は、一般に、滅菌アクセスポートを有する容器、例えば、皮下注射 針で刺すことができるストッパーを有する静脈内溶液バッグまたはバイアルに入 れられる。 組成物の投与経路は公知の方法に従う。例えば、経口、注射または静脈内によ る点滴、腹腔内、脳内(実質内)、脳室内、筋肉内、眼内、動脈内または病巣内 経路、または所望によりカテーテルの使用を含み得る徐放系または移植デバイス 。所望ならば、該組成物は注入、ボーラス注射によって、または移植デ バイスによって連続的に投与することができる。別法としてあるいは加えて、T RTP1またはTP2は、膜、スポンジ、またはTRTP1またはTP2ポリペ プチドが吸着された他の適当な物質の患部への移植を介して局所投与することが できる。 TRIP1またはTP2ポリペプチドは、徐放処方もしくは製剤にて投与する ことができる。徐放製剤の適当な例は、成型製品、例えばフィルムまたはマイク ロカプセルの形態の半透性ポリマーマトリックスを含む。徐放性マトリックスは ポリエステル、ヒドロゲル、ポリアクチド(米国特許第3,773,919号、 EP 58,481)、L−グルタミン酸およびガンマエチル−L−グルタメー トのコポリマー(Sidmanら、Biopolymers、22:547−5 56[1983])、ポリ(2−ヒドロキシエチル−メタクリレート)(Lan gerら、J.Biomed.Mater.Res.、15:167−277[ 1981]およびLanger、Chem.Tech.、12:98−105[ 1982])、エチレンビニルアセテート(Langerら、前掲)またはポリ −D(−)−3−ヒドロキシ酪酸(EP 133,988)を含む。また、徐放 組成物は当該分野で公知のいくつかの方法のうちいずれかに よって調製することができるリポソームを含有することもできる(例えば、DE 3,218,121;Epsteinら、Proc.Natl.Acad.S ci.USA、82:3688−3692[1985];Hwangら、Pro c.Natl.Acad.Sci.USA、77:4030−4034[198 0];EP 52,322;EP 36,676;EP 88,046;EP 143,949)。 他の場合において、TRIP1またはTP2は、TRIP1ポリペプチドを発 現し分泌するように遺伝的に操作された患者のある種の細胞への移植を通じて送 達することもできる。このような細胞は動物またはヒト細胞であり得、患者自身 の組織、またはもう1つの源(ヒトまたは非ヒト)に由来し得る。任意に、該細 胞は不死化させることができる。該細胞は患者の適当な身体組織または器官に移 植することができる。 有効量の治療で使用すべきTRIP1またはTP2組成物(類)は、例えば、 TRIP1またはTP2が使用されるべき症状、投与経路、および患者の状態の ごとき治療目的に依存するであろう。従って、医師は、最適治療効果を得るのに 必要な用量を力価滴定し、投与経路を修飾することが必要であろう。 典型的な日用量は、前記した因子に応じて、約0.1μg/kgないし100m g/kg以上の範囲とし得る。典型的には、臨床医は、所望の効果が達成される 用量に到達するまでTRIP1またはTP2組成物を投与するであろう。TRI P1またはTP2組成物は、従って、単一用量として、または経時的に(TRI P1またはTP2の同一用量を含有してもまたはしなくてもよい)2以上の用量 として、あるいは移植デバイスまたはカテーテルを介した連続的注入として投与 することができる。 さらなる研究が行われるにつれ、種々の患者における種々の疾患の治療用の適 当な用量レベルに関する情報が得られるであろうし、治療の意味、治療下の障害 のタイプ、受容者の年齢および一般的健康を考慮し、当業者は適当な用量を確認 できるであろう。 ある状況では、例えば、末成熟老化および他の老化障害のごとき、TRIP1 またはTP2が有効な治療剤であるHIV感染、エイズまたは他の病気に罹った 患者へのTRIP1またはTP2の投与用の遺伝子治療方法を使用するのが望ま しいであろう。これらの状況において、TRIP1またはTP2をコードするゲ ノムDNA、cDNA、および/または合成DNA、 またはその断片または変異体を、当該組成物が注射される組織で活性な構成的ま たは誘導的プロモーター(ここで、該プロモーターは同種または異種であり得る )に作動可能に連結させることができる。次いで、この構築体をアデノウイルス ベタターまたはレトロウイルスベタターのごとき適当なベクターに挿入して「遺 伝子治療ベクター」を得ることができる。(例えば、エイズ患者におけるT−細 胞のごとき)治療すべき患者の細胞を患者から取り出し、真核生物細胞用の標準 的トランスフェクション手法を用いて遺伝子治療ベクターに感染させ、TRIP 1またはTP2蛋白質生産用にテストすることができる。次いで、TRIP1ま たはTP2を発現する細胞を患者に再導入することができる。 遺伝子治療を用いてTRIP1またはTP2発現を変調できる第2の方法は、 プロモーターのヌクレオチド組成物を修飾することである。このような修飾は、 典型的には、同種組換え方法を介して達成される。TRIP1またはTP2プロ モーター配列の一部を含有するDNA構築体は、転写を調節するプロモーター片 を除去するように作成することができる。例えば、TRIP1および/またはT P2プロモーター(類)の転写アク チベーター蛋白質のTATAボックスおよび/または結合部位を欠失することが できる;このような欠失はプロモーター活性を阻害し、それにより、対応するT RIP1および/またはTP2遺伝子(類)の転写を抑制することができる。プ ロモーター中のTATAボックスまたはアクチベーター結合配列の欠失は、1以 上のTATAボックスおよび/またはアクチベーター結合部位ヌクレオチドが1 以上のヌクレオチドの置換、欠失および/または挿入を介して突然変異された突 然変異プロモーター配列を含むノックアウト構築体を生成することによって達成 することができる。この構築体は直接的にまたは標準的な真核生物トランスフェ クション技術を用いてベクター中にて適当な細胞に挿入することができる(エク ス・ビボまたはイン・ビボ)。 TRIP1および/またはTP2発現を活性化するのが望ましい状況において 、遺伝子治療および同種組換えを用いて、エンハンサー要素類をTRIP1およ び/またはTP2プロモーターに挿入することができる。使用されるエンハンサ ー要素(類)は、TRIP1またはTP2を活性化するのが望ましい組織に基づ いて選択されるであろう;所与の組織中にてプロモーター活性化を付与すること が知られているエンハンサー要素 類が選択されるであろう。例えば、もしTRIP1および/またはTP2がT− 細胞中で「スイッチを入れる」べき場合、lckプロモーターエンハンサー要素 を使用することができる。ここで、活性化すべきプロモーター(TRIP1およ び/またはTP2)の一部を含有する同種組換え構築体を、標準的なクローニン グ技術を用いてプロモーターに挿入することができる。次いで、同種組換え構築 体をエクス・ビボまたはイン・ビボにて所望の細胞に挿入することができる。 また、TRIP1またはTP2活性を阻害するのが望ましい場合、遺伝子治療 方法を使用することもできる。ここで、(1)全長テロメラーゼRNA、(2) TRTP1またはTP2と相互作用するテロメラーゼRNAの少なくとも一部、 (3)TRIP1またはTP2 mRNAの一部、または(4)全長TRIP1 またはTP2 mRNAに対して相補的な配列を持つアンチセンスDNAまたは RNAを調製し、適当なベクターに入れ、(予めエクス・ビボにて患者から取り 出された)選択された細胞にトランスフェクトすることができる。別法として、 アンチセンス構築体を含有するベクターを、患者において、マイクロインジェク ション、リポフェクション等、または所望の細 胞タイプを介するイン・ビボ投与で用いることができる。該ベクターは、典型的 には、宿主細胞の機器と組み合わせて高レベルのアンチセンスRNAを生じるそ の能力に基づいて選択される。 別法として、遺伝子治療を用いて、TRIP1またはTP2の優性−陰性阻害 剤を生じさせることができる。この状況において、TRIP1またはTP2の突 然変異体全長または切形をコードするDNAをレトロウイルスまたはアデノウイ ルス、あるいは匹敵するベクターに挿入し、該ベクターは今度はエクス・ビボま たはイン・ビボにて患者の細胞にトランスフェクトする。このTRIP1または TP2突然変異体は、テロメラーゼ複合体が機能的に不活性となるように、(1 )テロメラーゼ複合体を形成するにおいて内因性TRIP1またはTP2と競合 し、(2)野生型TRIP1またはTP2と比較して、1以上の挿入、欠失およ び/または突然変異を含有するように設計される。例えば、RNAに結合する分 子の一部(ヒトTRIP1のほぼアミノ酸1−900)が変更されていないが、 そのテロメア結合ドメインまたはその蛋白質−蛋白質相互作用ドメインが欠失ま たは非機能的とされたTRIP1またはTP2切形 突然変異体を、標準的クローニング技術を用いて生成させることができ;次いで 、この突然変異体は(それが導入される細胞タイプで活性な)適当なプロモータ ーに作動可能に連結し、患者の細胞にトランスフェクトすることができる。この 突然変異体TRIP1蛋白質は、それが導入された細胞で過剰生産されると、テ ロメラーゼRNAの結合用の内因性TRIP1蛋白質および/または内因性TP 2と競合でき、その結果、不活性なテロメラーゼ複合体が形成される。 優性−陰性発現技術は、逆転写酵素ドメインの1つに位置する、アミノ酸位置 (群)868および/または869において1以上の点突然変異を含有するTP 2DNA構築体を生成させることによって、TP2の逆転写酵素活性が低下した またはなくなった突然変異体TP2構築体でトランスフェクトされた細胞で効果 的であることがここに示された。特定の点突然変異が構築された実施例参照。他 のこのような点突然変異および/または逆転写酵素活性を不活化する置換または 欠失、および/またはTRIP1結合ドメイン、および/またはTP2のテロメ ラーゼRNA結合ドメインもここで考えられる。このような突然変異体TP2構 築体は、内因性テロメラーゼ活性を有する細 胞で発現させることができ、天然(野生型)TP2と競合することによって、こ のようなテロメラーゼ活性を阻害するように働くことができる。 TRIP1またはTP2の阻害剤につきスクリーニングするアッセイ 前記したごとく、癌細胞(不死化細胞)のごときある種の細胞においてTRT P1またはTP2活性のレベルを阻害しまたは有意に減少させるのが望ましいで あろう。TRIP1またはTP2活性を阻害する化合物は、局所または静脈内注 射によって、あるいは経口送達、移植デバイス等によつてエクス・ビボまたはイ ン・ビボにて投与することができよう。後記するアッセイは、TRIP1活性を 阻害し得る化合物を同定するのに有用な方法の例を提供する。 読みやすさのため、以下の定義をアッセイを記載するのに使用する。 「テスト分子(類)」は、(1)TRIP1またはTP2とテロメラーゼRN Aとの相互作用、(2)TRIP1またはTP2とテロメア結合蛋白質との、テ ロメア自体との、またはテロメラーゼ複合体を含む他のポリペプチドとの相互作 用、また は(3)TRIP1またはTP2の活性部位をブロックするその潜在的能力によ って、TRIP1またはTP2の阻害剤としての評価下にある分子(類)をいう 。 A.精製された蛋白質を用いるイン・ビトロアッセイ 精製された蛋白質を用いるイン・ビトロアッセイのいくつかのタイプを行って 、テロメラーゼ活性を消滅させる化合物を同定することができる。このような活 性の消滅は、TRIP1またはTP2とテロメアとの相互作用を阻害する化合物 、テロメラーゼRNAまたはテロメラーゼ酵素複合体の他の蛋白質成分とのTR IP1またはTP2会合を阻害する化合物によって、または逆転写酵素モチーフ またはTP2のモチーフをブロックする化合物によって、達成することができる 。 1つのアッセイにおいて、(例えば、前記した方法を用い調製された)精製T RIP1またはTP2蛋白質またはその断片は、マイクロタイタープレートのウ ェルの底への付着によって固定化することができる。放射標識テロメラーゼRN A、ならびにテスト分子(類)を、次いで、該ウエルに一度に1つまたは同時に 添加することができる。インキュベーションの後、該ウェルを洗浄し、放射能用 のシンチレーションカウンターを用 いて計数して、テスト分子の存在下でTRIP1/テロメラーゼRNA結合また はTP2/テロメラーゼ結合RNAの程度を決定することができる。典型的には 、該分子は一定濃度範囲にわたってテストし、テストアッセイの1以上の要素を 欠く一連の対照「ウェル」を、結果の評価での正確性のために使用することがで きる。このアッセイの変形は、ウェルへのテロメラーゼRNAの結合、およびテ スト分子と共にTRIP1またはTP2のウェルへの結合を含む。インキュベー ションおよび洗浄の後、該ウェルを放射能につき計数することができる。 放射標識以外のいくつかの手段がTRTP1、TP2またはテロメラーゼRN Aを「マーク」するのに利用できる。例えば、TRIP1をコードするDNAが c−mycエピトープのごときペプチドのコーディング配列に融合したTRIP 1またはTP2の融合蛋白質である。TRXP1−myc融合蛋白質またはTP 2−myc融合蛋白質は、mycに向けられた商業的に入手可能な抗体で容易に 検出することができる。 テロメラーゼRNAは、それを32−P ATPのごとき放射標識ヌクレオチ ドで合成することによって標識することができ、次いで、放射能のレベルをシン チレーションカウンティン グによって測定することができる。別法として、該RNAはビオチン、ジゴキシ ケニン、または匹敵する化合物を用いて標識することができる。 結合アッセイのマイクロタイタープレート型の別法は、アガロースビーズ、ア クリルビーズまたは不活性基質のごとき他のタイプ上のTRIP1、TP2、ま たはテロメラーゼRNAを固定化することを含む。該RNAまたはTRIP1も しくはTP2を含有する不活性基質を、放射標識または蛍光標識されている相補 的成分(RNAまたはTRIP1もしくはTP2)と共にテスト分子を含有する 溶液に入れることができ;インキュベーションの後、不活性基質を遠心によって 沈殿させることができ、TRIP1およびRNAの間の結合の量またはTP2お よびRNAの間の結合の量を、前記した方法を用いて評価することができる。別 法として、不活性基質複合体をカラム中に固定化することができ、テスト分子お よび相補的成分をカラムに通すことができる。TRIP1/RNA複合体または TP2/RNA複合体の形成は、次いで、前記した技術セット、すなわち放射標 識、抗体結合等のいずれかを用いて評価することができる。 TRIP1活性を阻害する分子を同定するのに有用なイン・ビトロアッセイの もう1つのタイプは、表面プラズモン共鳴ディテクター系を用い、製造業者のプ ロトコルに従うBiocoreアッセイ系(Pharmacia,Piscat away,NJ)である。このアッセイは、ディテクター中に位置すデキストラ ン−被覆センサーチップへのTRIP1またはテロメラーゼRNAの共有結合を 含む。次いで、テスト分子および相補的成分を、センサーチップを含有するチャ ンバーに同時にまたは順次に注射することができ、TRIP1/RNAまたはT P2/RNAの結合の量を、センサーチップのデキストラン−被覆側と物理的に 会合した分子の質量の変化に基づいて評価することができ;分子質量の変化はデ ィテクター系によって測定することができる。 TRIP1/RNAまたはTP2/RNA複合体の分子破壊を評価するのに有 用な1つの他のアッセイ破壊ゲルシフトアッセイである。ここで、TRIP1ま たはTP2、テロメラーゼRNA、およびテスト分子を一緒にインキュベートす ることができる。典型的には、該RNAは(32−P ATPのごとき)核酸用 の標準的な放射性同位体を用いて放射標識される。イン キュベーションの後、試料を、アクリルアミド濃度が約4−6パーセントである 非変性アクリルアミドゲル上を泳動させることができる。次いで、該ゲル上のテ ロメラーゼRNAの移動パターンを評価することができる。TRIP1/RNA 複合体またはTP2/RNA複合体が(テスト分子での処理後でさえ)電気泳動 の間に無傷である場合、複合体の増大した分子量により移動が示されるであろう 。しかしながら、もしテスト分子がTRIP1/RNA複合体またはTP2/R NA複合体を十分に破壊しておれば、テロメラーゼRNAは対照(未処理)テロ メラーゼRNAと匹敵するように移動するであろう。移動はオートラジオグラフ ィーによって検出することができる。 いくつかの場合、TRIP1またはTP2活性を減少させるかまたは阻害する のに使用される2以上のテスト分子を評価するのが望ましいであろう。これらの 場合において、前記したアッセイは、このようなさらなるテスト分子(類)を同 時にまたは引き続いて第1のテスト分子に添加することによって容易に修飾する ことができる。アッセイにおける工程の残りは前記したものであり得る。 B.培養された細胞を用いるイン・ビトロアッセイ 不死化細胞(自然に無限に複製する能力を獲得した通常の哺乳動物細胞、オン コジーンで形質転換した通常の哺乳動物細胞、または腫瘍に由来する哺乳動物細 胞いずれか)の培養を用いて、TRIP1またはTP2阻害につきテスト分子を 評価することができる。不死化細胞はいずれかの哺乳動物から得ることができる が、好ましくは、ヒトまたは他の霊長類、イヌまたは齧歯類源からのものであろ う。 1つのタイプの細胞培養アッセイにおいて、不死化細胞をDMEM、アルファ −MEM、またはRPMIのごとき標準的な培地中で培養することができる。典 型的には、該培地は約10パーセントまでの(v:v)の胎児ウシ血清を含有す るであろう。インキュベーションは、典型的には、1−5日間行う。このインキ ュベーションの後、テスト分子または分子類を添加でき、細胞を1−7日間イン キュベートし、3−8細胞周期を行わせる。細胞を洗浄していずれの残存するテ スト分子も除去した後、細胞を収穫し、TRAPアッセイ(Kimら、前掲)ま たはTRFアッセイ(Harleyら、1990、前掲)のごときイン・ビトロ アッセイでテロメラーゼ活性を分析すること ができる。阻害はテロメア長、テロメラーゼ活性または双方の減少によって維持 することができる。例えば、2つの公知の逆転写酵素阻害剤、ジデオキシGTP およびAZTは、不死化細胞においてテロメア長の減少およびイン・ビトロのテ ロメラーゼ活性の減少を引き起こすことが示されている(Strahlら、Mo l.Cell.Biol.、16:53−65[1996])。 もう1つの細胞アッセイにおいて、ヒト不死化細胞を、全長TRIP1もしく はTP2、またはTRIP1もしくはTP2の切形バージョンいずれかをコード するDNA構築体でトランスフェクトすることができる。トランスフェクション の後、細胞を一定時間インキュベートでき、その後にテロメラーゼ活性をTRA Pアッセイを用いて評価でき、TRFまたは他の適当なアッセイによってテロメ ア長をアッセイすることができる。 以下の実施例は例示的目的のみを意図し、断じて本発明の範囲を限定するもの と解釈されるべきではない。 実施例 1.マウスTRIP1 cDNAの分子クローニング ライブラリー調製、DNAクローニング、および蛋白質発現 のための標準的方法はSambrookら(Molecular Clonin g:A Laboratory Manual,Cold Spring Ha rbor Laborarite Press,Cold Spring Ha rbor,NY[1989])に記載されている。 成体マウス・クローニング陰窩細胞から精製したRNAを用い、cDNAラリ ブラリーを構築した。mRNAはRNAの膜結合ポリソーム画分から単離した( Mechlerら、Meth,Enz.,152:241−248[1987] )。ポリ(A+)mRNA画分は、製造業者の推奨に従い、FastTrac mRNA単離キット(Invitrogen,San Diego,CA)を用 い、全RNAから単離した。第1鎖cDNAはランダムヘキサヌクレオチドを用 い、該RNAを逆転写することによって得た(RediPrimeキット、Am ersham,Arlington Heights,IL)。 ランダム起点cDNAラリブラリーは、Superscriptプラスミド系 を用い、第1鎖cDNAから調製した(Gibco BRL、Gaithers burg,MD)。内部 NotI制限部位を含有するランダムcDNAプライマーを用いて、第1鎖合成 を開始し、該プライマーは以下の二本鎖配列を有していた。 第1鎖cDNA合成反応は、1μgのmRNAおよび150ngのNotIラ リブラリープライマーを用いて組み立てた。第2鎖合成後、反応生成物をフェノ ール:クロロホルム:イソアミルアルコール混合液で抽出し、エタノール沈殿さ せた。二本鎖(ds)cDNA産物を以下のオリゴヌクレオチドアダプター(G ibco BRL)に連結した。 連結後、該cDNAをNotIで完全消化し、フェノール/クロロホルム/イ ソアミルアルコール(25:24:1比)で抽出し、エタノール沈殿させた。次 いで、再懸濁したcDNAを、製造業者に推奨されるように、既製カラムSup erscriptプラスミド系(Gibco BRL)を用いるゲル濾過によっ てサイズ分画した。最大のcDNA産物を含有する画分を エタノール沈殿させ、次いで、NotIおよびSalI消化のpMOBベクター DNAに向きを定めて連結した(Strathmannら、Science 2 52:802−808[1991])。エレクトロポレーションによって、該連 結したcDNAをエレクトロコンピテントXL1−Blue E.coliに導 入した(Stratagen、LaJolla、CA)。該ラリブラリーをcm 1と名づけた。 該ラリブラリーからのほぼ20,000コロニーを拾い、約200μlのL− ブロス、7.5%グリセロール、50μg/mlのアンピリシンおよび12.5 μg/mlのテトラサイクリンを含有する96ウェルのマイクロタイタープレー トに分注した。該培養を37℃で増殖させ、無菌96ピン複製ツールを用いて二 セットのマイクロタイタープレートを作製し、両セットをさらなる分析のために −80℃で保存した。 このラリブラリーからのランダムcDNAクローンを配列決定するために、ベ クタープライマーを用い、クローン化cDNAインサートのPCR増幅によって 配列決定鋳型を調製した。cDNAクローンのグリセロールストックを解凍し、 小アリコートを蒸留水中に1:25希釈した。ほぼ3.lμlの希釈細 菌培養を、以下のオリゴヌクレオチド: を含有するPCR反応混合物(Boehringer−Mannheim)に添 加した。 以下のサイクル条件:2分間の94℃;5秒間の94℃、5秒間の50℃およ び3分間の72℃の30サイクルおよび4分間の72℃における最終伸長にて、 反応をサーモサイクラー(Perkin−Elmer9600)中でインキュベ ートした。サーモサイクラー中でのインキュベーション後、反応を2.0mlの 水で希釈した。増幅したDNA断片を、製造業者の推奨手法を用い、Centr iconカラム(Princeton Separations)を用いてさら に精製した。いくつかの場合には、低プライマーおよびデオキシヌクレオチド三 リン酸濃縮物を増幅反応で用い、これらの場合に、Centricon精製は必 要ではなかった。PCR反応生成物はT3プライマー: を用い、Applied Biosystems 373A自 動DNAシーケンサーで配列決定した。 製造業者の推奨の手法に従い、Taq染料−ターミネーター反応(Appli ed Biosystems)を行った。 これらのクローンからの6方法の翻訳されたDNA配列のサーチを行って、以 下の基準に適合するクローンを単離した: 1.潜在的シグナルペプチド:翻訳された配列は以下のものを含有する:メチ オニン、続いて1ないし3個正に荷電した残基、続いて6−15個の疎水性残基 、続いて1−2個の荷電残基、続いて少なくとも残基のオープンリーディングフ レーム。 2.予測されるアルファらせん構造。オープンリーディングフレームは、ソフ トウェアプログラムMacvector4.5のRobson/Garnier アルゴリズムによって検定して少なくとも30%のアルファらせんを含有するこ とが予測される配列を含有する。 3.ロイシン含有量。該オープンリーディングフレームは少なくとも10%の ロイシン残基を含有する。 4.システイン含有量。該オープンリーディングフレームは少なくとも1個で あるが7個以下のシステイン残基を含有する。 5.膜貫通ドメインの欠如。該オープンリーディングフレー ムは15−25個の連続的疎水性または非荷電残基の配列を含有しない。 これらの基準の全てを満足する1つのクローンcm1−85−g3をさらなる 特徴付けのために選択した。このクローンのさらなる配列を同定するために、c m1−85−g3をプローブとして用い、(実質的に前記したごとくに調製した )マウス結腸組織cDNAライブラリーから得られたクローンをサーチした結果 、cm1−85−g3との重複(相同)配列、更に3’終始コドンを含む3’配 列を含有する、クローンcm3−1−e4が同定された。クローンcm1−85 −g3は長さが約1322塩基対(bp)であり、クローンcm3−1−e4は 約6.9kbであった。コーディング領域の5’部分を得るために、該cml− 85−g3の5’末端に対応するアンチセンスオリゴヌクレオチドおよびpM0 Bベクターポリリンカー配列の一部に対応するオリゴヌクレオチドを用いてPC R増幅を行った。このPCR反応用の鋳型は96DNA試料であった。各試料は 、まず、96の15cmプレート上の10,000クローンの密度にて全cm1 ライブラリーを平板培養することによって調製した。培養後、各プレートを掻き 取り、該クローン を含有する得られたプールした細菌をグリセロールストックとして調製した。D NAは各プールの一部から調製し、各DNA試料の1−3μgを個々のウェルに 添加した。 PCR条件は:30サイクルの、20秒間の94℃;10秒間の50℃、およ び30秒間の72℃であった。試料はアガロースゲル電気泳動によって分析した 。 約1.5kbのPCR断片をPCR反応液の1つから単離し、配列決定した。 このPCR断片での種々のデータベースのサーチの結果、bmst2−15−g 6と命名した相同配列が同定された。このクローンを全配列決定し、いくつかの 停止コドンが先行するメチオニンを含有することが判明し、これは当該遺伝子に ついての翻訳開始部位を示す。 3つのクローンcm1−85−g3、cm3−1−e4およびbmst2−1 5−g6は重複する長さきち約8159bpの隣接配列を形成した。この配列内 には約2629個のアミノ酸を含む約7887bpのオープンリーディングフレ ームがあった。 Genbank DNA Repositoryにおける全ての翻訳されたD NA配列に対するこのオープンリーディング フレームのFASTAサーチにより、テトラヒメナのテロメラーゼP80サブユ ニットに対する相同性が明らかになった。アミノ酸相同性のいくつかの重要なス トレッチはこのテトラヒメナのアミノ酸配列を横切ることが判明した。これらの 領域のうちの1つはテトラヒメナのテロメラーゼP80サブユニットの90アミ ノ酸にわたって約46パーセントの同一性を示した。テトラヒメナの・テロメラ ーゼとの相同性のため、この遺伝子をマウス・テロメラーゼRNA相互反応性蛋 白質1(「TRIPI」)と命名した。 2.ヒトTRIP1遺伝子のクローニング マウスTRIP1遺伝子に対するヒト相同性は、ヒト結腸腫瘍細胞系LIM1 863からのRNAを用いて構築したcDNAライブラリーをスクリーニングす ることによって同定した(Whiteheadら、Cancer Res.、4 7:2704−2713[1987])。全RNAを単離し、製造業者の推奨す る手法に従い、FastTrac mRNA単離キット(Invitrogen 、San Diego、CA)を用いてポリ(A+)mRNA画分を得た。 内部NotI制限部位を含有するランダムcDNAプライマ ーを用いて、第1鎖cDNA合成を開始した。このプライマーは配列番号:5お よび配列番号:6につき前記した二本鎖配列を有していた。第1鎖cDNA合成 反応は、約1μgのmRNAおよび150ngのNotIランダムプライマー( すなわち、配列番号:5および6)を用いて構築した。次いで、Supersc riptプラスミド系(Gibco BRL、Gaithersburg、MD )を用い、この第1鎖cDNA物質からランダム起点cDNAライブラリーを調 製した。 第2鎖合成後、反応生成物をフェノール:クロロホルム:イソアミルアルコー ル混合液で抽出し、エタノール沈殿させた。二本鎖(ds)cDNA産物を、配 列番号:7および配列番号:8につき前記した配列と共に二本鎖オリゴヌクレオ チドアダプターに連結した。 第2鎖合成後、反応生成物をフェノール:クロロホルム:イソアミルアルコー ル混合液で抽出し、エタノール沈殿させた。二本鎖(ds)cDNA産物を、配 列番号:7および配列番号:8につき前記した配列と共に二本鎖オリゴヌクレオ チドアダプターに連結した。 連結後、cDNAをNotIで完全消化し、フェノール:ク ロロホルム:イソアミルアルコール(25:24:1比)で抽出し、エタノール 沈殿させた。次いで、再懸濁させたcDNAを、製造業者によって推奨されてい るごとく、既製カラムSuperscriptプラスミド系(Gibco/BR L)を用いるゲル濾過によってサイズ分画した。最大のcDNA産物を含有する 画分をエタノール沈殿させ、次いで、NotIおよびSalI消化したpSP0 RTベクター(Gibco/BRL、Grand Island、NY)に向き を定めて連結した。連結したcDNAをエレクトロポレーションによってエレク トロコンピテントXL1−Blue E.coli(Stratagene,L aJolla、CA)に導入した。 96の15cmペトリ皿上のプレート当たり約10,000クローンの密度に て、全ライブラリーを平板培養することによって、cDNAライブラリーを分注 した。インキュベーション後、各プレートを掻き取り、得られたプールした細菌 をグリセロールストックとして調製した。各プールのアリコートからDNAを調 製し、NotIで消化し、1%アガロースゲル上の電気泳動に付し、サザンブロ ッティング用の荷電ナイロン膜に移した。該ゲル上の96レーンの各々は、この ように、約 10,000のcDNAクローンを含有した。標準的方法を用い、クローンcm 1−85−g3のほぼ500bpのBamHI/HindIII断片をランダム プライマー標識し、サザンブロットにハイブリダイズさせた。ハイブリダイゼー ションは、Rapid Hyb緩衝液(Amersham、Arlington Heights、IL)を用い、製造業者のプロトコルに従い、50℃で少な くとも2時間行った。約10パーセントの試料がプローブにハイブリダイズした 。DNAプール54、58および87に対応するレーンは最大のインサートを含 有し、これらをさらなる分析用に選択した。 上記プールクローンを含有する細菌のグリセロールストックを、寒天プレート を被覆するニトロセルロースフィルター上に直接的に平板培養し、30℃で数時 間増殖させ、溶解させ、cm1−85−g3の500bpランダムプライマープ ローブにハイブリダイズさせた。ハイブリダイゼーション条件はRapid H yb緩衝液を用いて前記したごとくに行った。陽性クローンを拾い、再スクリー ニングして各ストックから単一クローンを単離した。54、58および87と命 名した3つの選択したクローンは相互にかなり重複した配列を含有した。ヒトT RIP 1遺伝子用のさらなる5’配列を同定するために、3つのクローンのうちの最大 のクローン54を用いて、PCRプライマーのためのその5’末端近くに位置す る1つのアンチセンスオリゴヌクレオチドを得た。第2のPCRプライマーはp SP0RTベクターに対応した。PCR用の鋳型は前記と同一の96ウェルプー ルであった。PCR条件は:30サイクルの20秒間の94℃;10秒間の50 ℃、および30秒間の72℃であった。pSP0RTポリリンカーに見いだされ るオリゴヌクレオチド配列と一緒にアンチセンスオリゴヌクレオチドを用い、ア ガロースゲル電気泳動によって試料を分析した。 ほぼ1.5kbpのバンドがプール96中に同定された。次いで、このプール を平板培養し、少なくとも2時間、前記したRapid Hyb緩衝液を用い、 フィルターを60℃でハイブリダイズさせた以外は前記したごとくにスクリーニ ングした。該プローブはクローン54の5’末端に対してアンチセンスオリゴヌ クレオチドであり、以下のように標準的方法を用いて5’末端で放射標識した。 約170ngのプローブを、製造業者によって供された緩衝液を用い、約200 μgの32−P標識ATP(Amersham、Arlington Heights、IL)および約20Uのポリヌクレオチドキナーゼ(Boeh ringer Manheim、Indianapolis、IN)を含有する 溶液中で約37゜Cにて約1時間インキュベートした。製造業者のプロトコルに従 い、G25 Quickspinカラム(Boehringer Manhei m)を通す遠心によって、放射標識オリゴヌクレオチドを組み込まれなかったヌ クレオチドから分離した。 ヒトTRIP1遺伝子の3’領域を同定するために、クローン54の3’末端 に対応するセンスオリゴヌクレオチドおよびpSP0RTポリリンカーに対応す るオリゴヌクレオチド配列をPCR反応で用いた。同一の96ウエルプールをP CR反応の鋳型として用いた。 PCR条件は:30サイクルの20秒間の94℃;10秒間の55℃、および 30秒間の72℃であった。試料はアガロースゲル電気泳動によって分析した。 3kbのPCR産物をDNAプール63から同定した。次いで、このプールを 平板培養し、前記したごとくにスクリーニングした。この反応用のプローブは標 準的な方法を用いて5’末端にて放射標識したクローン54の3’に対するセン スオリゴ ヌクレオチドであった。該プローブに強力にハイブリダイズするDNAクローン を含有する2つのコロニーを、次いで、その全部を配列決定した。これらのクロ ーンを96および63と呼んだ。 コーディング配列の残りの3’部分を同定するために、もう1ラウンドのPC Rを行った。ここで、使用したプライマーは(1)クローン63の3’末端に対 するセンスオリゴヌクレオチドおよび(2)pSPORTベクターのSP6に対 応するオリゴヌクレオチドであった。PCR条件は、30サイクルの20秒間の 94℃;10秒間の55℃、および30秒問の72℃であった。PCR用の鋳型 は同一の96ウェルのプールであった。試料はアガロースゲル電気泳動であった 。ほぼ200bpの断片がプール15で同定された。次いで、このプールを平板 培養し、フィルターを放射標識プローブとハイブリダイズさせることによって前 記したごとくにスクリーニングした。この反応用のプローブは標準的方法を用い て5’にて放射標識したクローン63の3’末端に対するセンスオリゴヌクレオ チドであった。このクローン、クローン15を全配列決定し、終始コドンを保有 することが判明した。 3.マウスTRIP1蛋白質調製 アミノ酸1−871をコードするマウスTRIP1蛋白質の切形バージョンを 前記したごとくに調製した。この領域をコードするDNAは以下の2つのオリゴ ヌクレオチド:(1)SalI制限部位をコードするオリゴヌクレオチド、続い てのマウスTRIP1の最初の6アミノ酸、および(2)アミノ酸866−87 1に対応するオリゴヌクレオチド、続いてのTAG停止コドンおよびSalI制 限部位を用いるPCRによって得た。この反応用の鋳型はクローンcm1−85 −g3、cm3−1−e4およびbmst2−15−g6であった。PCR反応 は15サイクルの20秒間の94℃、10秒間の55℃、および30秒間の72 ℃であった。 この反応の結果、アガロースゲル上のほぼ2.6kbのバンドをもたらした。 このバンドを該ゲルから精製し、SalIで消化し、ベクターpCR3MycT aqのXhoI部位にクローン化した。pCR3MycTaqは以下のように調 製した。ベクターpCR3(Invitrogen、San Diego、CA )をKpnIおよびXhoIで消化した。c−mycエピトープの2つのコピー および開始メチオニンをコードする 核酸分子をpCR3に挿入した。このインサートの配列を配列番号:12に記載 する。TRIP1インサートを含有する得られたプラスミド(アミノ酸1−87 1をコードするcDNA)はpCR3MycTaq2と命名した。 全長マウスTRIP1をコードするcDNAを含有する第2のプラスミドpC R3MycTaq3を以下のごとくに調製した。プラスミドpCR3MycTa q2を(当該ベクターからのアミノ酸816−871をコードするcDNAを欠 失させるのに働く)EcoRIおよびXbaIで消化し、XbaI/SalIリ ンカーを消化したプラスミドに連結した。(マウスTRIP1のアミノ酸816 ないし2627に対応する)クローンcm3−1−e4のEcoRI/SalI 断片を該ベクターに連結した。得られたプラスミドpCR3MycTaq3は以 下の成分(5’ないし3’):開始コドン、2つのc−mycエピトープ、およ び全長マウスTRIP1 cDNAを有する。 全長および切形(アミノ酸1−871)マウスTRIP1蛋白質は以下のごと くに調製した。pCR3MycTaq3およびpCR3MycTaq3からのプ ラスミドDNAを、完全液体トランスフェクションキット(Invitroge n、San Diego、CA)を用いるリポフェクションによって、マウス神 経芽細胞腫N2A細胞(American Type Culture Col lection、カタログ番号CCL131)にトランスフェクトした。これら の細胞は外来性蛋白質の一過性および安定な発現のために一般に使用される。ト ランスフェクションに24時間先立って、細胞を、DMEM+10パーセントの 胎児ウシ血清およびPSG(ペニシリン、ストレプトマイシンおよびグルタミン )中の100mm皿当たり約700,000で接種した。リポフェクションでは 、細胞をOptimemI減少血清アルブミン(Gibco/BRL、Gran d Island、NY)の約6mlに入れ、約174μgのPfx−6(In vitrogen)および29μgのDNAを添加した。細胞を約4時間インキ ュベートし、その後、培地を前記した新鮮なDMEM、胎児ウシ血清、およびP SG培地と交換した。細胞を約24時間後に収穫し、製造業者のプ ロトコルに従って、Qiagenシュレッダー(Qiagen、Chatswo rth、CA)を用いて溶解させた。蛋白質溶解物を6パーセントSDS−PA GEによって電気泳動に付し、標準的な方法を用いてナイロン膜に移し、マウス ・モノクローナル抗−myc抗体(Oncogene Research Pr oducts、Cambridge、MA)と共にインキュベートした。抗−m yc抗体の結合はHRP−結合二次抗体で検出し、製造業者のプロトコルに従い 、ECL(Amersham、Arlington Heights、IL)を 用いて複合体を可視化した。TRIP1切形cDNAを含有するベクターでトラ ンスフェクトした細胞は、(約871アミノ酸のポリペプチドに対応する)約9 7kDの顕著なバンドを示し、他方、全長TRIP1を含有するベクターでトラ ンスフェクトした細胞は(約2625アミノ酸のポリペプチドに対応する)約2 80kDの顕著なバンドを示した。これらの結果は、TRIP1の切形または全 長蛋白質が細胞で発現されたことを示した。 4.マウスTRIP1 RNA−結合アッセイ mTRIP1がマウス・テロメラーゼRNAであることが知 られているRNA分子との特異的相互反応を有するか否かを判断するために、S enGuptaら(Proc.Natl.Acad.Sci.USA、93:8 496−8501[1996])によって記載された3つのハイブリッドアッセ イを用いた。SenGuptaらによって記載された出発プラスミドpMS2− 2は、標準的な連結方法を用い、全長マウス・テロメラーゼRNA転写体(mT R;Blascoら、Science、269:1267−1270[1995 ])をコードするDNAを、ポリリンカー領域の3’末端の2つのMS2DNA 配列と同一の向きにpMS2−2のSmaIポリリンカー部位に挿入することに よって改変した。(全て後記の表Iに記載した、RNA分子α−mTR、TLC 1、IREおよび突然変異体mTR分子は同様にして構築した;U2、U4およ びU6は同様にMS2ヘアーピンでタグ付けしたが、異なるURA3選択酵母プ ラスミドpRS316に挿入した[Sikorskiら、Genetics、1 22:19−27、1989])。 この連結後、得られたプラスミドをEcoRIで消化し、5’から3’にmT Rおよび2つのMS2 DNA配列を含有するほぼ700塩基対(bp)断片を 標準的なアガロースゲル精製 方法によって単離した。次いで、この700bp断片を、EcoRIで予め消化 してあったプラスミドpIIIEx426(SenGuptaら、前掲)に挿入 した。該プラスミドをpIII−mTRと命名した。 また、第2のプラスミドを以下のごとくに調製した。出発プラスミドはpAC TIIであった(Legrainら、Nuc.Acids Res.、22:3 241−3242[1994])。pACTIIをまず酵素BamHIで消化し 、T4 DNAポリメラーゼを用いて末端を平滑とした。プラスミドpCR3M ycTaq3(前記参照)のSspI/XbaIは標準的なゲル精製方法を用い て単離し、T4 DNAポリメラーゼを用いて平滑末端化した。約2739bp であったこの断片は5’末端のベクター配列の126bp(42アミノ酸)およ びmTRIP1の最初の871アミノ酸を含有した。該断片をBamHI消化の pACTIIに挿入し、得られたプラスミドをpACTII/MTRIP1−S /Xと呼んだ。 プラスミドpACTII/MTRP11−S/XおよびpIII−mTRを、 標準的酵母培地中で培養してあった酵母細胞(株L40−コート;SenGup taら、前掲)に導入した (YEPD;Shermanら、Meth.Yeast Genet.、Col d Spring Harbor Laboratory Press、Col d Spring Harbor、NY[1983])。プラスミドの(形質転 換ともいう)導入は、Chenら(Curr.Genet.、21:83−84 [1992])によって記載されているもののごとき標準的方法を用いて達成し た。共形質転換体(すなわち、両プラスミドが導入された酵母細胞)は、約30 ℃で2日間、ロイシンおよびウラシルを欠く(SD−ura−leu;Sher manら、前掲)酵母寒天プレート上de細胞を培養することによって選択した。 これらのプレート上で増殖した細胞の8つの別のランダムに選択されたコロニー を新鮮なSD−ura−leuプレート上に再パッチし、前記したごとくにイン キュベートした。各コロニーの小さな部分をウラシル、ロイシン、ヒスチジンを 欠き、5−20mMの3−アミノトリアゾール(Sigma、ST.Louis 、MO)を含有する酵母寒天プレート上で平板培養し、該プレートを約30℃で 3日間インキュベートし、しかる時点の後、増殖したコロニーの(8つの合計数 のうちの)数を評価した。 結果を以下の表IIに示す。 表IIでは、「RNA」と表示した欄はテストしたMS2タグ付きRNA分子 をいう。mTRは野生型マウス・テロメラーゼRNAである;mTR−1はmT Rの置換突然変異体であり、(転写開始部位に対して:Blascoら、前掲参 照)142位のCの代わりにT、202位のGの代わりにC、および227位の Gの代わりにAを含有し;mTR−3は272位のGの代わりにAを含有し、や はりmTRの挿入突然変異体であり、こ こで、2つのヌクレオチドAおよびGがmTR転写体のヌクレオチド268位の 後に挿入されており(Blascoら、前掲);mTR−27は33位のGの代 わりにAを含有するmTRの置換突然変異体であり;U2、U4およびU6はs nRNAであり(Ares、Cell、47:44−59[1986];Tol leveyら、Cell、35:753−762[1983];Browら、Na ture、334:213−218[1988]);TLC1は酵母テロメラー ゼRNA遺伝子であり(Singerら、Science、266:404−4 09[1994]);α−mTRはMS2ヘアピンに対してアンチセンス方向に クローン化されたmTR配列であり;IREはラット鉄調節要素RNAであり( Fieldsら、前掲);およびMS2はさらなる結合したRNAなしのMSヘ アピンをいう。 「蛋白質」と表示された欄は、3つのハイブリッドアッセイにおけるRNA− 蛋白質相互作用を評価するためにテストRNA分子と共導入された蛋白質をいう 。「mTRIP1」はmTRIP1遺伝子のアミノ末端断片であって、蛋白質の アミノ末端871アミノ酸よりなり;IRPは鉄調節要素結合蛋白質(SenG uptaら、前掲)。 「相互作用」と表示された欄は、酵母寒天プレート上の3−アミノトリアゾー ルの濃度(5、10または20mM)をいう。 3日後に検出可能な増殖を示した合計8つのうちのコロニーの数が各RNA/ 蛋白質対につき示される。マウス・テロメラーゼRNAは、野生型または突然変 異体を問わず、mTRIP1と特異的に相互作用する。IREを例外として、他 のRNA分子U2、U4、U6、TLC1およびα−mTRはmTRIP1と相 互作用しなかった。3−アミノトリアゾールの低濃度にて、MS2は単独でmT RIP1と幾分相互作用した。IREと相互作用し(従って、陽性対照として使 用される)ことが知られているIRPはmTR−1と相互作用しないことを証明 することによって、mTRの結合の特異性をさらに確認した。 5.ヒトTP2遺伝子のクローニング ヒトTP2遺伝子をクローニングするための戦術はヒトTRIP1遺伝子をク ローニングするためのそれと同様であった。ヒトTP2 cDNAは、ヒト結胞 腫瘍細胞系LIM1863からのRNAを用いて構築したcDNAライブラリー をスクリーニングすることによって同定した(Whiteheadら、 Cancer Res.、47:2704−2713[1987])。全RNA を単離し、ポリ(A+)mRNA画分は製造業者の推奨する手法に従ってFas tTrac mRNA単離キット(Invitrogen,San Diego 、CA)を用いて得た。 内部NotI制限部位を含有するランダムcDNAプライマーを用いて、第1 鎖合成を開始した。このプライマーは配列番号:5および配列番号:6につき前 記した二本鎖配列を有していた。第1鎖cDNA合成反応は、約1μgのmRN Aおよび150ngのNotIランダムプライマー(すなわち、配列番号:5お よび6)を用いて組み立てた。次いで、Superscriptプラスミド系( Gibco BRI、Gaithersburg、MD)を用いて、ランダム起 点cDNAライブラリーを第1鎖cDNA物質から調製した。 第2鎖合成の後、反応生成物をフェノール:クロロホルム:イソアミルアルコ ール混合液で抽出し、エタノール沈殿させた。二本鎖(ds)cDNA産物を配 列番号:7および配列番号:8につき前記した配列を持つ二本鎖オリゴヌクレオ チドアダプターに連結した。 連結後、該cDNAをNotIで完全消化し、フェノール:クロロホルム:イ ソアミルアルコール(25:24:1)で抽出し、エタノール沈殿した。次いで 、再懸濁させたcDNAを、製造業者によって推奨されたごとく、既製カラムS uperscriptプラスミド系(Gibco/BRL)を用いるゲル濾過に よってサイズ分画した。最大のcDNA産物を含有する画分をエタノール沈殿さ せ、次いで、NotIおよびSalI消化のpSPORTベクター(Gibco /BRL、Grand Island、NY)に向きを定めて連結した。連結し たcDNAをエレクトロポレーションによって、エレクトロコンピテントXL1 −Blue E.Coli(Stratagene、LaJolla、CA)。 96の15cmのペトリ皿上のプレート当たり約10,000クローンの密度 にて、全ラリブラリーを平板培養することによって該cDNAラリブラリーを分 注した。インキュベーションの後、各プレートを掻き取り、得られたプールした 細菌をグリセロールストックとして調製した。標準的なアルカリ溶解手法を用い て、プラスミドDNAを各ストックから調製し、次いで、各ストックDNAをP CR用の鋳型として用いて、TP2 c DNA配列を含有するそれらのストックを同定した。PCR反応物はほぼ25ピ コモルのプライマー、50−220ngの鋳型(両者はBoehringer PCR反応緩衝液中)を含有するものであり、次いで、それに約25μlの容量 にて約1.25UのTAQポリメラーゼ(Boehringer)を添加した。 PCR条件は30サイクルの20秒間の94℃;10秒間の50℃、および30 秒間の72℃であった。PCRで使用するプライマーは以下のものであった。 試料はアガロースゲル電気泳動によって分析した。3つのストックは約380 ヌクレオチドの予想されたサイズに対応するゲル上のPCRバンドを有していた 。これらのストックは以下のさらなる分析用に選択した。 3つの陽性プールのグリセロール細菌ストックを、寒天プレートを被覆するM agnaliftブランドのナイロン膜(Micron Separation s,Westborough、MA)上に直接に平板培養し、30℃で数時間増 殖させ、0.5M NaOHおよび1.5M NaCl中で7分間で溶 解させた。次いで、該膜を1M トリス−HCl、pH8.0中で中和し、次い で真空オーブン中で、約80℃で少なくとも2時間加熱した。次いで、該膜を、 0.1M トリス−HCl、pH8.0、0.15M NaCl、10mM E DTA、0.2パーセントSDS、および約50Atg/mlのプロテイナーゼ K(Boehringer)の溶液中でインキュベートすることによって、プロ テインキナーゼK溶解に付した。 膜のハイブリダイゼーションは、製造業者のプロトコルに従い、Rapid Hyb緩衝液(Amersham、Arlington Heights、IL )を用いて約60℃にて約2時間行った。このハイブリダイゼーション用のプロ ーブは、前記PCRで用いるプライマーよりなるものであった(すなわち、配列 番号:15および16)。合計約170ngのプローブ混合物をハイブリダイゼ ーションに先立って以下のごとく放射標識した:約170ngのプローブを、製 造業者によって推奨されている緩衝液を用い、約200μCiの32−P標識A TP(Amersham、Arlington Heights、IL)および 約20Uのポリヌクレオチドキナーゼ(Boehringer Manheim 、Indianapol is、IN)を含有する溶液中で、約37℃で約1時間インキュベートした。放 射標識したオリゴヌクレオチドを、製造業者のプロトコルに従い、G25 Qu ickspinカラム(Boehringer Manheim)を通す遠心に よって非組込ヌクレオチドから分離した。このスクリーニングの結果、スクリー ニングした3つのプールのうち1つの陽性クローンを生じた。#32と呼ばれる このクローンを標準的な方法を用いて配列決定し、サイズが約2859塩基対で あることが判明し、これは5’および3’末端双方を欠くと考えられた。Lin gnerらによって報告されているテロメラーゼ・ポリヌクレオチドに対するい くつかの核酸相同性に基づき(Science、[1997]、前掲)、クロー ン#32は第2のヒト・テロメラーゼ・サブユニットであるらしいと判断された 。「テロメラーゼ蛋白質2」または「TP2」の部分配列と言われるクローン3 2の核酸配列は図5に示し(配列番号:13)、翻訳されたアミノ酸配列は図6 に示す(配列番号:14)。7つの逆転写酵素モチーフ(Xiongら、前掲に よって記載された逆転写酵素についての情報に基づく)がTP2に存在し、これ はこの蛋白質が逆転写酵素活性を含有することを示唆する。これら のモチーフはヌクレオチド1920−2820の領域に存在する。 TP2に見いだされた逆転写酵素モチーフに加えて、この蛋白質の他の重要な 領域はアミノ酸配列FFYVTE(配列番号:17)、RFIPK(配列番号: 42)、GIPQGS(配列番号:43)およびLLLRLVDDFLL(配列 番号:44)を含む。 TP2遺伝子の3’末端を同定するには、クローン32の3’末端近くの領域 に対応するオリゴヌクレオチドを調製した。このオリゴヌクレオチドの配列は以 下のものであった。 このオリゴヌクレオチドは、pSPORTベクターのSP6ウイルスRNA転写 開始部位にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドと組み合わせてPCRに用い た。以下の条件:約15秒間の94℃;約15秒間の62℃;および約30秒間 の72℃の下で、PCRの33サイクルをライブラリーの全てのプールで行った 。PCR産物はアガロースゲル電気泳動によって評価し、約7つの陽性体を得た 。これらのクローンのさらなる分析は、それらがTP2 cDNAではなかった ことを示した。従 って、第2のスクリーニングアプローチを使用した。 クローン#32を制限エンドヌクレアーゼMluIで消化して2つの断片(小 さい5’断片、および大きい3’断片)を得た。このより大きな断片をXhoI で消化して5’および3’断片を得た。約830塩基対であった該3’断片をプ ローブとして用いて、cDNAライブラリーの全てのプールをスクリーニングし た。標準的なランダムプライマー標識技術を用いて、該プローブを標識した。該 ライブラリーは前記したごとくにスクリーニングするために調製し、Rapid Hyb緩衝液(Amersham、Arlington Heights、I L)中、約60℃にて約2時間、フィルターをプローブとハイブリダイズさせ、 その後、フィルターをストリンジェント条件下で洗浄した。7つの陽性体が同定 され、これらを、プライマー配列番号:17およびSP6プライマーを用い、P CR分析に付した。PCR条件はこれらのプライマーにつき前記した。PCR産 物をアガロースゲル電気泳動によって評価すると、3つの陽性体が同定されたが 、配列決定の際に、陽性体のいずれもクローン32と比較してさらなるTP2配 列を含有しなかった。 前記したのと同一条件下で、同一プローブ(830塩基対XhoI断片)を用 いてcDNAライブラリーを再スクリーニングした。約8つの陽性体が得られ、 これらの陽性体を再度平板培養して8つのプールの各々から単一のクローンを単 離した。平板培養後、細胞を増殖させ、プラスミドDNAを標準的なミニプレッ プ手法を用いて単離した。該プラスミドDNAクローンのうち4つを配列決定し た。1つのクローン、TP2−15はサイズが約1.1kbであり、その133 塩基はクローン#32の3’末端と重複した。残存する949塩基は3’末端で 新しいTP2配列を含み、また停止コドンも含有していた。これらのさらなる9 49塩基のDNA配列を図7に記載する。クローン32+TP2−15の949 塩基を含む全長TP2遺伝子を図8に記載し、全長TP2の推定アミノ酸配列は 図9に示す。 868位(DからA;「5−1」突然変異という);869位(DからA、「 5−2」突然変異という);および868および869(両方、DからA「5− 1,2」突然変異という)における全長TP2の逆転写酵素ドメインで単一また は二重点突然変異を行った。これらの点突然変異は以下のごとくに調製 した。 まず、5’から3’に、HindIIIについての制限酵素配列、ATG開始 コドン、FLAGペプチド配列をコードするDNA配列、およびEcoRIにつ いての制限酵素配列を(センス配列につき)含有するセンスおよびアンチセンス 両オリゴヌクレオチドを合成することによって、マーカー配列FLAG(DYK DDDDK;配列番号:22)を含有するTP2構築体を調製した。該センスオ リゴヌクレオチドは配列: を有する。 該アンチセンスオリゴヌクレオチドは配列: を有する。 2つのオリゴヌクレオチドを一緒に95℃で加熱し、次いで室温までゆっくり と冷却することによってアニーリングした。得られた二本鎖オリゴヌクレオチド をpCR3ベクター(Invitrogen,Inc.、Carlsbad、C A)のH indIIIおよびEcoRI部位に挿入した。 制限酵素EcoRIおよびNotIを用いて、TP2クローン32をpSPO RTベクターから切り出し、得られた断片をpCR3 FLAGベクターの同一 部位に挿入した。TP2の3’末端を含有するクローン15(前記実施例5参照 )を制限酵素BamHIおよびXbaIで消化し、pCR FLAG/クローン 32ベクターの同一部位に挿入し、FLAGペプチドがTP2蛋白質のアミノ末 端に位置する全長ヒトTP2蛋白質を発現するベクターを得た。 図10に概説したPCR突然変異誘発戦略を用い、野生型および突然変異体T P2蛋白質を次に生成させた。6つの個々のPCR反応を行って、「一次PCR 産物」という一連の小さな断片が得られ、これを引き続いて増幅させて最終構築 体を得た。まず、2つのPCRプライマーの6つのセットを用いて、6つのPC R反応を行って、TP2の特定の領域を増幅し、所望の点突然変異を組み込んだ 。6つのプライマー対の各々によって増幅されたTP2の領域を図10に示し、 反応1−6と表示する。 PCR反応は以下のプライマーセットを用いて行った。反応 2、4および6については、5’プライマーは: であり、3’プライマーは、各々、 であった。 反応1、3および5については、3’プライマーは: このプライマーはFLAGペプチドをコードする配列と共にTP2の3’配列 、続いてXbaI制限部位を含むものであった。 反応1、3および5についての5’プライマーは、各々: であった。 反応1−6で使用した鋳型はpCR3 FLAG TP2で あった。各反応は、製造業者の指示に従って、PFUポリメラーゼ(Strat agene、La Jolla、CA)を用いて行った。30サイクルを各反応 につき行い、各サイクルは15秒間の96℃、15秒間の62℃および、次いで 、2分間の72℃よりなるものであった。PCR産物はアガロースゲルから抽出 した。 全長突然変異体TP2 cDNA分子を生成させるために使用する最終突然変 異構築体を調製するには、(5.1突然変異を含有する)PCR産物1および2 をPCR反応7で鋳型として使用し、ここで、該反応用の5’プライマーは配列 番号:25であって、該反応用の3’プライマーは配列番号:29であった。P CRについての条件は、72℃工程を4分間行った以外は上記したのと同一であ った。同一戦略を使用して反応8において突然変異構築体を生成させ、ここで、 (5.2突然変異を含有する)PCR産物3および4を鋳型として用い、配列番号 :25が該反応用の5’プライマーであって、配列番号:29が該反応用の3’ プライマーであった。同様に、(5.1および5.2二重突然変異を含有する) PCR産物5および6をPCR反応番号9で鋳型として用い、ここで、配列番号 :25を5’ プライマーとして用い、配列番号:29を3’プライマーとして用いた。 得られた最終の4つのPCR産物(図10中、反応7、8および9、野生型P CR断片と一緒)を制限酵素BamHIおよびXbaIで消化し、断片を、酵素 BamHIおよびXbaIで予め切断したpCR3 FLAG32ベクターの部 位にクローン化した。この結果、3’末端にFLAGタグを含有する4つのTP 2発現ベクターが生成した。これらのベクターは、D868および/またはD8 69の位置における特定の突然変異した残基を除いて同一のインサートを有した 。製造業者の指示に従い、Applied Biosystemsシーケンサー を用い、各ベクターのコーディング領域を配列決定した。 6.TP2抗体調製 抗−TP2ウサギポリクローナル抗血清は以下のTP2ペプチド: をウサギに注射することによって調製した。このペプチドは本明細書では「TP 2ペプチド」ともいう。注射に先立って、該 ペプチドを不活化蛋白質KLHにカップリングさせ、精製し、ウサギに注射した 。約1カ月後、注射を反復した。2週間後、ウサギから採血し、予めTP2 D NAでトランスフェクトした細胞からの細胞溶解物のウェスタンブロット分析に よって抗−TP2抗体につき分析した。抗体産生の確認に際して、標準的な手法 を用い、ウサギによって産生された抗血清を収集し、AffigelTMビーズ( Biorad Corp.、Richmond、CA)に共有結合したTP2ペ プチドよりなるアフィニティーカラムにそれを通すことによってアフィニティー 精製した。低pH緩衝液を用いて抗体をカラムから溶出させた。 免疫沈降実験のための調製において、各免疫沈降反応については、約5μgの アフィニティー精製抗血清が10μLのプロテインG Sepharoseビー ズ(Sigma Chemical Co.、St.Louise、MO)に結 合した。 7.TP2の生物学的活性 TP2とテロメラーゼ活性との会合を評価するために、3種の哺乳動物細胞系 、HeLa細胞、トランスフェクトしたマウス神経芽細胞腫N2A細胞、および トランスフェクトしたヒト胚腎臓293細胞を評価した。 A.HeLa細胞におけるTP2の検出 HeLa細胞(Zhouら、Genes and Devel.、6:196 4−1974[1992])を標準ダルベッコの修飾イーグル培地中で培養し、 サブコンフルエントになるまで増殖させ、その後にProwseら(Proc Natl.Acad.Sci.,USA、90:1493−1497[1993 ])に記載されているごとくに細胞溶解物を調製した。略言すれば、細胞をペレ ット化し、洗浄し、Dounceホモゲナイザーを用いて低張緩衝液中で溶解さ せた。細胞抽出物を約100,000×gで約1時間遠心し、「S100」とい う上清を取り出し、マイナス80℃でアリコートにて凍結した。 2つのアッセイを用いて、テロメラーゼ活性におけるTP2の役割を評価した :これらは(1)テロメラーゼ・バイオアッセイ(Kimら、前掲[1994] )、および(2)免疫沈降アッセイを含むものであった。 TP2がテロメラーゼ活性で必須であるか否かを評価するために、HeLa細 胞溶解物をアリコートに分割し、いくつかのアリコートをテロメラーゼ活性アッ セイを行うのに先立って 種々の抗体と共にインキュベートした。ポリクローナルTP2または対照抗体( その全てを、約10μlのプロテインGに対する約5μgの抗体の割合でプロテ インG Sepharoseビーズに予め結合させた)を約4℃にて約1時間、 約1mgのHeLa細胞溶解物と共にインキュベートした。 いくつかの場合において、以下に示すように、抗体をまずペプチド(TP2特 異的または非特異的)と共にインキュベートした。P1およびP3という非特異 的ペプチドはTRIP1アミノ酸配列に由来した。 該P1列は: であり、該P3配列は: であった。 特異的(TP2)ペプチドはTP2抗血清の調製につき前記したものである。 ペプチド−抗体インキュベーションは室温にて約30分間のものであり、その後 、HeLa細胞溶解物インキュベーションは直前に記載したごとくに行った。種 々の細胞溶解物アリコートに添加した抗体は以下のものであった: 1)抗体添加無し 2)対照抗体(抗−Myc;Pharmingen、San Diego,C A) 3)対照抗体(抗−GST;Upstate Biotechnology, Inc.、Lake Placid、NY) 4)抗TP2ペプチド抗血清 5)予め約30μgの非特異的ペプチドと共にインキュベートした抗TP2ペ プチド抗血清 6)予め約60μg非特異的ペプチドと共にインキュベートした抗−TP2ペ プチド抗血清 7)予め約30μgのTP2−特異的ペプチドと共にインキュベートした抗− TP2ペプチド抗血清 8)予め約60μgのTP2−特異的ペプチドと共にインキュベートした抗− TP2ペプチド抗血清 インキュベーション後、細胞溶解物を遠心してSepharoseビーズをペ レット化した(抗体および免疫沈降物を含有)。免疫沈降物を、0.1M Na Clを含有する低張緩衝液で洗浄し(Prowseら、前掲)、次いで、両上清 (ほぼ5μgの合計蛋白質)および免疫沈降物(約2μLのプロテイ ンGビーズ)を、Kimら、前掲によって記載されている方法を用い、テロメラ ーゼ活性につきテストした。略言すれば、この方法は、32P標識および未標識 デオキシヌクレオチドおよび適当な緩衝液条件の存在下で、TSオリゴヌクレオ チドという基質オリゴヌクレオチドと共にテロメラーゼ抽出物または免疫沈降物 のアリコートをインキュベートすることを含む。テロメラーゼによるTSオリゴ ヌクレオチドの伸長に続き(テロメラーゼは該抽出物または免疫沈降物中で活性 であると仮定)、Taqポリメラーゼおよびテロメリック反復の増幅用のオリゴ ヌクレオチド(「CX」という)を添加し、PCR増幅を行う。次いで、生成物 は非変性アクリルアミドゲル上の生成物の電気泳動によって分解した。電気泳動 の後、該ゲルを乾燥し、フォトイメージャーを用いて可視化する。 テロメラーゼアッセイに先立って、免疫沈降物または細胞抽出物のいくつかを 全体を通じて「RNase」というリボヌクレアーゼAの存在下でインキュベー トした。RNaseを使用する場合、約1μgのRNase(Sigma Ch emical Co.、St.Louise、MO)を約5μgのHeLa細胞 溶解物または約2−3μlのプロテインG免疫沈降 物のいずれかと共にインキュベートした。インキュベーションは室温で約5分間 行った。 免疫沈降物がTP2を含有するか否かを判断するために、ウェスタンブロット 分析を以下のごとくに各免疫沈降物のアリコートで行った。活性アッセイ後の各 アリコートに残存する免疫沈降物をSDS−PAGEに付し、次いで、PVDF 膜に移した。ウェスタンブロットでのTP2の検出では、該ブロットをまず室温 にて約1時間、TBST緩衝液(0.5パーセントTween−20および5パ ーセント乾燥乳中のトリス−緩衝化生理食塩水)中でインキュベートし、次いで 、0.2μg/mlの抗−TP2抗体と共に、続いてホースラディッシュペルオ キシダーゼ結合二次抗体(Amersham,Arlington Heigh ts、IL)と共にインキュベートした。該ブロットをECLキットを用いて可 視化した(Amersham,Arlington Heights、TL)。 テロメラーゼ活性アッセイおよびウェスタンブロット分析の結果を図11A− Cに示す。図11Aは細胞溶解物(レーン1−2)および免疫沈降後における上 清(レーン3−9)についてのテロメラーゼ活性アッセイの結果を示す12パー セントの アクリルアミドゲルである。レーン1は抗体の添加が無いおよび免疫沈降無しの 対照HeLa細胞溶解物を表す。レーン2は、RNaseをテロメラーゼアッセ イに先立って添加した以外はレーン1同一である。レーン3および4は、テロメ ラーゼ活性アッセイおよび免疫沈降に先立って抗−Myc抗体(レーン3)また は抗−GST抗体(レーン4)と共に予備インキュベートした細胞溶解物の上清 を表す。レーン5は、抗−TP2抗体と共に予備インキュベートし、次いで免疫 沈降させた細胞溶解物の上清を表す。レーン6および7は30μg(レーン6) または60μg(レーン7)の非特異的ペプチド3の存在下で抗−TP2抗体と 共に予備インキュベートした細胞溶解物の上清を表す。レーン8および9は、抗 −TP2抗体を認識するTP2ペプチドの30μg(レーン8)または60μg (レーン9)の存在下で抗−Tp2抗体と共に予備インキュベートした細胞溶解 物の上清を表す。この図で分かるように、テロメラーゼ活性はレーン2を除いて 全てのレーンで存在した。 図11BはHeLa細胞溶解物の免疫沈降物からのテロメラーゼ活性の12パ ーセント非変性ゲルである。テロメラーゼ活性につき免疫沈降物をテストするの に先立って、各免疫沈降物 を2つのアリコートに分割し、RNaseをRNaseインキュベーションにつ き前記した条件下で1つのアリコートに添加した。各レーンの頂部の記号「+」 および「−」はテロメラーゼアッセイに先立ってのRNase処理の存在(プラ ス)または不存在(マイナス)を指す。レーン1および2は、対照(非特異的) 抗−Myc抗体での免疫沈降物におけるテロメラーゼ活性を示し;レーン3およ び4は第2の対照抗体(抗−GST)を示し;レーン5および6はTP2特異的 抗体を示し;レーン7−10は抗−TP2抗体での免疫沈降物におけるテロメラ ーゼ活性を示し、ここで、抗体は30μgの非特異的ペプチド3(レーン7およ び8)または60μgの非特異的ペプチド3(レーン9および10)と共に予備 インキュベートした;レーン11−14は抗−TP2抗体での免疫沈降物におけ るテロメラーゼ活性を示し、ここで、抗体は30μgのTP2ペプチド(レーン 11および12)または60μgのTP2ペプチド(レーン13および14)と 共に予備インキュベートした。RNaseが存在したアッセイはRNase無く して行った対応するアッセイと比較して、低量のテロメラーゼ活性を有し、これ はテロメラーゼRNAがテロメラーゼ活性につき必要な成分である ことを示唆する。さらに、TP2がTP2抗体で沈殿したのではないアッセイ( すなわち、レーン1−4および11−14)は低下した量のテロメラーゼ活性を 示し、これはTP2がテロメラーゼ活性に関連することを示唆する。 図11Cは、免疫沈降物のウェスタンブロットである。各レーンでの標識は図 11Aおよび11Bについての標識と合致する。ウォスタンブロットを抗−TP 2抗血清でプローブして、免疫沈降物におけるTP2の存在を検出した。レーン 1および2は、非特異的抗体り抗−Mycおよび抗−GSTがTP2蛋白質を認 識せず(従って、免疫沈降しない)ことを示す;レーン3は抗−TP2抗血清が TP2蛋白質を認識しそれを免疫沈降させることを示す;レーン4および5は、 非特異的ペプチド(レーン3における30μgおよびレーン4における60μg )と共に予備インキュベートしたTP2抗血清が依然としてTP2蛋白質を認識 しそれを免疫沈降させることを示す;レーン6および7は、TP2特異的ペプチ ドと共に予備インキュベートしたTP2抗血清が細胞溶解物中のTP2蛋白質を 免疫沈降させることができないことを示す。 B.TP2の触媒活性 ヒト胚性腎臓293細胞(American Type Culture C ollection)を、それらが50−80パーセント密集するまで160m mプレート中で培養した。細胞をプラスミド無し(全体を通じて「MOCK」と いう)、野生型プラスミド(天然、全長TP2 cDNA(全体を通じて「WT 」という))、または野生型TP2 cDNAの単一または二重点突然変異を含 有するプラスミドいずれかでトランスフェクトした。単一または二重点突然変異 を担うプラスミドを以下のようにいう:5−1(868Dないし868A);5 −2(869Dないし869A);5−1,2および(868Dないし868A および869Dないし869A)。 DNA構築体を用いて、これらの細胞を前記したごとくに調製したTP2でト ランスフェクトした。 トランスフェクションに約24時間先立ち、約7×10(5)細胞を、約10 パーセント(v/v)胎児ウシ血清を含有する約15mlのダルベッコの修飾イ ーグル培地中の各100mm培養皿に接種した。 プラスミドトランスフェクションについては、細胞を、約6mlのOptim emI低下血清培地(Gibco−BRL、 Grand Island、NY)、約60μlのLipofectamine (Invitrogen,San Diego,CA)および約29μgのTP 2プラスミドDNA中でインキュベートした。約4時間後、培地を、約10パー セント(v/v)の胎児ウシ血清を含有する新鮮なダルベッコの修飾イーグル培 地で置き換え、細胞を24時間後に収穫した。細胞溶解物を実質的にはKimら 、前掲の方法に従って調製した。略言すれば、細胞をペレット化することによっ て収集し、細胞のペレットをPBS緩衝液中で洗浄し、CHAPS洗剤緩衝液中 に再懸濁させた。氷上で約30分後、混合物を約14,000×gで30分間回 転させ、上清を収集し、−80℃で保存した。 テロメラーゼ活性アッセイは1−5μgの細胞溶解物蛋白質を用い、HeLa 細胞につき前記したごとくに行った。次いで、約100μgの各293細胞溶解 物を抗−FLAG M2アフィニティーゲル(アガロースに共有結合したマウス IgG1;Kodak、Rochester、NY)と共にインキュベートした 。インキュベーションの後、試料を遠心して抗体複合体をペレット化し、低張緩 衝液(Prowesら、前掲)中で洗浄した。まず、免疫沈降物をRNaseの 存在下でまたは不存 在下でインキュベートし、次いで、テロメラーゼ活性アッセイを前記したごとく に免疫沈降物につき行った。 テロメラーゼアッセイの結果と共に12パーセントアクリルアミドゲルを図1 2Aに示す。この図のレーン6−19における記号「+」および「−」は、各々 、テロメラーゼアッセイに先立ってのRNaseの存在または不存在を示す。こ の図では、「Mock」は、プラスミド無くしてトランスフェクトした細胞をい い:「WT」は野生型TP2をいい;突然変異体をそれらの調製についての前記 記載に従って標識する。レーン1−5は、示したTP2遺伝子または対照プラス ミドでトランスフェクトした細胞からの溶解物を示し、これらのレーンはテロメ ラーゼ活性が全ての細胞溶解物に存在することを示す。 レーン6−19は細胞溶解物のTP2抗体免疫沈降物のテロメラーゼアッセイ である。ここで、RNase無しの野生型および抗−TP2抗体を非特異的ペプ チドと共に予備インキュベートしたRNase無くしての野生型(各々、レーン 8および12)のみが、合理的レベルのテロメラーゼ活性を有していた。突然変 異体TP2免疫沈降物につきテロメラーゼ活性はほとんど明らかでなかった(レ ーン1514−19)。 免疫沈降物および溶解物を共にウェスタンブロット分析に付した。免疫沈降物 がTP2を含有するか否かを判断するために、活性アッセイの後に各アリコート に残存する免疫沈降物をSDS−PAGEに付し、次いで、PVDF膜に移した 。ウェスタンブロットでのTP2の検出については、ブロットをまず室温で1時 間、TBST緩衝液(0.5パーセントのTween−20および5パーセント の乾燥乳中のトリス−緩衝化生理食塩水)中でインキュベートし、次いで、0. 2μg/mlの抗−TP2抗体、続いてホースラディッシュペルオキシダーゼ結 合二次抗体(Amersham,Arlington Heights,IL) と共にインキュベートした。ECLキット(Amersham,Arlingt on Heights,IL)を用いて該ブロットを可視化した。 ウェスタンブロット分析の結果を図12Bに示す。FLAG−TP2蛋白質の おおよその分子量は還元条件下で130kDaである。FLAG−TP2蛋白質 は、MOCKトランスフェクト細胞溶解物(レーン1)を除いて全ての溶解物( レーン2−5)中で検出可能であり、これは293細胞が粗製細胞溶解物中で検 出可能なレベルの内因性TP2を有しないこと、およ び野生型および突然変異体TP2蛋白質が共に293細胞の細胞溶解物中で匹敵 するレベルで発現されることを示す。 レーン7および9におけるものを除いて免疫沈降物(図中に「抗−FLAGペ レット」)の全ては、ウェスタンブロットのレーン6、8および10−13上の ほぼ130kDaバンドによって示されるFLAG−TP2蛋白質を含有した。 これは、TP2抗体が野生型および突然変異体TP2蛋白質を認識することを示 す。 抗−FLAG抗体を約10μgのFLAGペプチドと共に予備インキュベート したMock(レーン7)および野生型TP2(レーン9)は検出可能なTP2 蛋白質を示さなかった。レーン9については、FLAGペプチドの調製は標準的 ペプチド合成方法によるものであった;該ペプチドは配列番号:22に記載した 配列を有する;このペプチドと一緒での抗血清のインキュベーションは免疫沈降 に先立っての室温における約30分間であった。 C.TRIP1およびTP2会合 TRIP1およびTP2が活性なテロメラーゼ複合体において会合するか否か を判断するために、Myc−TRIP1、F LAG−TP2、または双方をマウス神経芽細胞腫N2A細胞(America n Type Culture Collection,12301 Park lawn Drive,Rockville,MD,USA)にトランスフェク トした。細胞を100mmプレート中のDMEM+10パーセント胎児ウシ血清 中で密集近くまで増殖させ、次いで、製造業者の指示に従って、Superfe ct試薬(Qiagen,Chatsworth,CA)を用い、約10μgの TP2 CDNA(MycTRIP1またはFLAGTP2 cDNAいずれか )でトランスフェクトした。対照細胞は全くトランスフェクトしなかったか(図 13A中「N2A溶解物」)、あるいはTRIP1またはTP2 cDNAを含 有しないプラスミドでトランスフェクトした(図13A中、「N2A Mock 」)。 トランスフェクションの約36時間後、約300μgの全蛋白質と等量の細胞 溶解物の量を用い、HeLa細胞について記載したごとくに細胞溶解物を調製し 、HeLa細胞につき前記したごとくにテロメラーゼ活性アッセイを行った。抗 −FLAG免疫沈降物につき前記した条件下で、TP2のFLAGエピトープを 認識する抗−FLAG抗体を用い、全ての細胞溶解物 を免疫沈降させた。いくつかの場合、該抗体を(前記したごとくに)抗−FLAG ペプチドと共にまたはMycペプチド(「非特異的」ペプチドという)と共に予備 インキュベートした。次いで、ウェル当たり免疫沈降物の約1/3を用い、免疫 沈降物をSDS−PAGEに付した。電気泳動の後、該蛋白質をImmobil on P膜(Millipore、Bedford、MA)に移して、ウェスタ ンブロットを生成させ、該膜を、PBS+0.1パーセントTween−20( 「PBST」を作成するためのもの)、およびブロッキング剤として5パーセン ト無脂乾燥乳粉末(w:v)中でインキュベートした。次いで、該膜をPBST +5パーセントの乳粉末および1μg/mlの抗−Mycまたは抗−FLAG抗 体の溶液中でインキュベートした。インキュベーションは室温にて約2時間のも のであった。この工程に続き、次いで、該膜をPBST中で各時点で約10分間 にて3回洗浄した。この工程に続き、該膜をPBST+5パーセント乳粉末およ びホースラディッシュペルオキシダーゼ(Amersham,Arlingto n Heights,IL)に結合した抗−マウス抗体中でインキュベートした 。抗−マウス抗体を1:1000希釈率で添加した。次いで、該膜 をPBST中で再度各10分間にて3回洗浄し、抗−Mycまたは抗−FLAG 抗体の存在を製造業者の指示に従ってECL抗体検出キット(Amersham ,Arlington Heights,IL)を用いて検出した。 ウェスタンブロット分析の結果を図13Aに示す。この図において、各レーン の頂部の標識は、細胞−「N2A Mock」(レーン1)のトランスフェクシ ョンはTRIP1またはTP2インサート無くしてのプラスミドをいい;「MY CTRIP1」(レーン2)はMYC標識したTRIP1遺伝子を含有するプラ スミドをいい;「FLAGTP2」(レーン3−5)はFLAG標識を含有する 全長TP2をいい、ここでペプチド(レーン3)、特異的ペプチド(レーン4)ま たは非特異的ペプチド(レーン5)は免疫沈降に先立っては添加されておらず;「 MycTRIP1/FLAGTP2」(レーン6−8)は標識TRIP1および TP2遺伝子双方の共トランスフェクションをいい、ここでペプチド(レーン6 )、特異的ペプチド(レーン7)または非特異的ペプチド(レーン8)は免疫沈 降に先立って抗血清に添加されていないことを示す。左側の表示「抗−FLAG 」および「抗−MYC」はいずれの抗体を用いて各ウェ スタンブロットをプローブしたかを示し;右側の表示は分子量マーカーの位置を 示し、「TP2」はTP2がそこへゲル/ブロット上を移動する位置を表し、「 TRIP1」はそこへTRIP1がゲル/ブロットが移動する位置を表す。結果 はTRIP1およびTP2が相互作用することを示す。というのは、レーン6( マイナスペプチド)およびレーン8(プラス非特異的ペプチド)が、抗−FLA Gプローブドウェスタンブロット上のTP2に対応するバンド、および抗−My cプローブドウェスタンブロット上のTRIP1に対応するバンドを示す。従っ て、TP2に対する抗血清(抗−FLAG抗血清)がTP2およびTRIP1両 者を免疫沈降させ、テロメラーゼのこれらの2つの成分がN2A細胞中で会合す るようであることを示す。 ウェスタンブロットに加えて、前記したアッセイを用いて各免疫沈降をテロメ ラーゼ活性についてのテスト、ここで免疫沈降をまず前記した条件下で「+」で または「−」RNaseなくして処理した。 このアッセイの結果を図13Bに示す。該レーンを前記したごとくに標識する 。分かるように、テロメラーゼ活性はRNaseに暴露した試料では低下する。 加えて、レーン1−2は、 未トランスフェクトN2A細胞溶解物が内因性テロメラーゼ活性を有することを 示す。 レーン3−18は(組換えTP2蛋白質のFLAGタグを認識する)抗−FL AG抗体を用いる免疫沈降である。レーン3−4は、ベクターでトランスフェク トした細胞の免疫沈降のみが比較的低いレベルのテロメラーゼ活性を有すること を示す。 レーン5−6は、MYCタグ付きTRIP1でトランスフェクトした細胞の免 疫沈降がやはり比較的低レベルのテロメラーゼ活性を有することを示す。レーン 7−12はFLAGタグ付きTP2でトランスフェクトした細胞の免疫沈降であ る。 レーン7はレーン3および5と比較した増大したレベルのテロメラーゼ活性を 示し、これは組換えにより発現されたTP2がテロメラーゼ活性に関連すること を示唆する。 レーン9−10は、組換えにより発現されたTP2に関連したテロメラーゼ活 性が、抗−FLAG抗体が特異的FLAGペプチドと共に予備インキュベートし た場合に低下することを示し、これは抗−FLAG抗体がFLAGTP2会合テ ロメラーゼ活性を特異的に免疫沈降させることをことを証明する。レーン11− 12(ここで、抗−FLAG抗体は非特異的ペプチド で予備インキュベートした)はレーン9−10についての対照レーンである。 レーン13−18はTRIP1およびTP2標識DNAでトランスフェクトし た細胞のFLAGTP2抗体免疫沈降である。レーン13はレーン3および5と 比較したテロメラーゼ活性の増大したレベルを示し、これは組換えにより発現し たTP2がテロメラーゼ活性と関連し、この免疫沈降におけるMycTRIP1 蛋白質の存在がテロメラーゼ活性に影響しないことを示す。 レーン15−16は、組換えにより発現したTP2に関連するテロメラーゼ活 性が、抗−FLAG抗体を特異的FLAGペプチドで予備インキュベートした場 合に低下することを示す。レーン17−18(ここで、抗FLAG抗体は非特異 的ペプチドで予備インキュベートした)はレーン15および16についての対照 レーンである。 8.テロメラーゼ活性のイン・ビトロ再構成 テロメラーゼRNAと組み合わせた場合に、TP2が生物学的に活性であるか 否かを評価する手段として、これらの成分のイン・ビトロ再構成、続いてテロメ ラーゼ活性アッセイを行っ た。 イン・ビトロアッセイについては、ヒト・テロメラーゼRNAが以下のごとく に得られた。全ヒトゲノムDNAは標準的方法を用いてHeLa細胞から調製し た。ほぼ520塩基対のゲノムDNAテロメラーゼDNA断片が以下のプライマ ーを用いるPCRによってこのゲノムDNAから得られた: 次いで、以下の条件:94℃の30秒間;55℃の30秒間、および72℃の 1.0分間下で、2UのTaqポリメラーゼおよび緩衝液(Boehringe r Mannheim)を用い、PCRの35ラウンドをほぼ50μlの反応容 量で行った。次いで、PCR産物をアガロースゲルから精製し、このDNA断片 をPCR鋳型として使用して、各々がT7プロモーターを含有する2つのDNA 構築体を調製した。1つの構築体は転写反応においてセンス鎖ヒト・テロメラー ゼRNAを生成するであろうDNAを含有した。他の構築体は転写反応において アンチセンス鎖ヒト・テロメラーゼRNAを生成するであろうDNAを含有した 。両DNA構築体を設計してほぼ450塩基対の 断片を得た。各PCRで使用したプライマーは以下のものであった: センスRNAでは、 アンチセンスRNAでは、 次いで、これらの構築体を用いて、DNA構築体を鋳型として用いて、転写に よってテロメラーゼRNAを調製した。約5−15μgの鋳型DNA、40mM のトリス−HCl、pH8.0、6mM MgCl2、10mM DTT、1m Mの各リボヌクレオチド、2mM精子、350UのRNA Guard(Boe hringer Mannheim)、および500UのT7 RNAポリメラ ーゼ(Boehringer Mannheim)を37℃にて約200μLの 最終容量にて約1.5時間一緒にインキュベートした。インキュベーションの後 、試 料を1容量のフェノール:クロロホルム(1:1)で抽出し、クロロホルム、エ タノール沈殿させ、滅菌水中に再懸濁した。 転写反応の後、生成物を変性アクリルアミドゲル上で分離し、全長テロメラー ゼRNA(ほぼ450塩基対)をUVシャドウイングによって同定し、切り出し 、Acrodisc(Gelman Science,Ann Arbor,M I)を用いて破砕したアクリルアミドスライスからのRNAの溶出によって精製 した。 別途、標準的クローニングおよび連結方法を用い、全長ヒトTP2 cDNA をベクターpCR3(Stratagene,La Jolla,CA)に挿入し た(前記実施例5参照;使用した構築体は5’および3’末端にてFLAGタグ を有していた)。 ほぼ0.5μLのTP2pCR3構築体を約50μgのイン・ビトロのウサギ 網状赤血球翻訳緩衝液(「TNT」イン・ビトロ再構成キット;Promega 、Madison,WI)に入れた。次いで、この混合物を10μMアリコート に分け、ヒト・テロメラーゼRNAを生成するのに使用する種々の量の各DNA 構築体を添加した。(製造業者の指示に従って)1μ LのT7ポリメラーゼを添加することによって反応を開始させ、約30℃で約1 .5時間進行させた。各試料を氷上に置くことによって反応を停止させた。次い で、前記したテロメラーゼアッセイを用い、ほぼ1μLの各試料をテロメラーゼ 活性につきアッセイした。ヒト・センスRNA以外の種々のRNAをイン・ビト ロ翻訳用の対照として使用した。これらは、(前記したごとくに調製した;結果 は図14のレーン10−13に示す)アンチセンス・ヒト・テロメラーゼRNA 、(T7プロモーター(Harringtonら、Scienc 275:97 3−977[1997])が先行する全長マウス・テロメラーゼRNAを含有す るベクターからの転写によって調製した;結果は図14のレーン18−21に示 す)センス・マウス・テロメラーゼRNA、および転移RNA(Sigma C hemical Co., St. Louis, MO;結果は図14のレー ン14−17に示す)。 (前記実施例7に記載したごとくに調製した)Hela細胞溶解物を、テロメ ラーゼアッセイ用の陽性対照として使用し、テロメラーゼアッセイ当たりに使用 した溶解物の量はほぼ5μgの蛋白質であった。該HeLa細胞溶解物をRNa seの不 存在下(図14;レーン1)または存在下(図14;レーン2)でアッセイした 。陰性対照はTP2 DNA構築体を添加しない1μLのTNT溶解物(図14 ;レーン3);1μLのTP2 DNAを含むがRNAを添加しないTNT溶解 物(図14;レーン4);0.001、0.005、0.01または0.1μg のヒト・テロメラーゼRNAを含む1μLのTNT溶解物(図14のレーン22− 25)を含んだ。 実験的イン・ビトロ再構成試料は、その1μLをテロメラーゼアッセイで使用 した、0.01、0.05、0.1または1μgのセンス・ヒト・テロメラーゼ RNA(図14のレーン5−8)の存在下で約10μLのTNT反応混合物中に TP2 DNA鋳型を含有した。図14のレーン9は、テロメラーゼアッセイに 先立って約1μgのRNaseを添加した以外は、レーン8と同一の反応を示す 。 図14で分かるように、RNaseを存在させなかった(レーン5−8)テロ メラーゼ・センスRNAおよびTP2蛋白質を共に含有する試料のみがテロメラ ーゼ活性を有した。 網状赤血球翻訳系においてテロメラーゼ活性をなくするTP2突然変異体の能 力を、各イン・ビトロ翻訳反応で全長野生型 TP2、またはTP2突然変異体5−1、5−2、または5−1,2(実施例5 に記載したごとくに調製)のうちの1つをコードするDNA構築体を用いる以外 は、直前に記載ものに対応する実験で評価した。陽性および陰性対照を前記した ごとくに使用した。結果を図15に示す。レーン1−9は図15についてと同一 であった。レーン10−13はTP2突然変異体5−1を示す;レーン14−1 7はTP2突然変異体5−2を示す;レーン18−21はTP2突然変異体5− 1.2を示す。レーン10−21には、該アッセイで存在したテロメラーゼRN Aまたは対照RNAの量を示す。 この一連のアッセイの結果は、野生型TP2およびセンス・テロメラーゼRN Aがテロメラーゼ活性で必要であることを示す(レーン5−8)。 TP2クローン32(実施例5参照;このTP2クローンは全長未満である) がイン・ビトロで触媒的テロメラーゼ活性を有するか否かを評価するために、実 質的には前記したごとくにTNTキット(Promega,Madison,W I)を用いイン・ビトロ再構成アッセイを行った。再構成アッセイについては、 約50μLのTNT網状赤血球抽出物を約1μg のセンス鎖ヒト・テロメラーゼRNA、pCR3ベクター中の1μgの全長TP 2 cDNA、または1μgのクローン32 TP2 cDNAいずれか(「短 TP2」;「TPs」ともいう)および約1μLのT7 RNAポリメラーゼと 混合した。反応は約30℃にて約1.5時間行い、試料を氷上に置くことによっ て停止させた。次いで、実施例7に記載したテロメラーゼアッセイを用い、約1 μLの各試料をテロメラーゼ活性につきアッセイした。 テロメラーゼアッセイの結果を図17Aに示す。レーン1および2は1μgの RNaseなくして(レーン1)またはそれと共に(レーン2)インキュベート したHeLa細胞溶解物(約5μgの蛋白質)を示す。レーン3および4は全長T P2ヒト・テロメラーゼRNA(レーン3)および短いTP2+ヒト・テロメラ ーゼRNA(レーン4)の結果を示す。レーン5−8は、テロメラーゼRNAの 不存在下(レーン5および6)、TP2の不存在下(レーン7)、またはRNA およびTP2の不存在下(レーン8)で行った再構成およびテロメラーゼアッセ イの結果を示す。分かるように、全長TP2およびクローン32 TP2(Tp s)はテロメラーゼRNAの存在下でテロメラーゼ アッセイで活性であった。 図17Bに示したウェスタンブロットは、全長TP2 cDNAまたはクロー ン32 TP2 cDNA(TPs)が存在する場合に、TP2蛋白質が網状混 合物で生成したことを示す。 テロメラーゼ活性に対するTRIP1の効果は以下のごとくに評価した。TN T溶解物系を用いるイン・ビトロ再構成アッセイは、前記したごとくに全長TP 2 cDNA+ヒト・テロメラーゼRNAを用いて行った。別途、TNT溶解物 系および全長TRIP1 cDNAを用いるイン・ビトロ再構成アッセイは前記 したごとくに行った。T7 RNAポリメラーゼの存在下で各アッセイのインキ ュベーションの後、約6μLのTP2含有抽出物を同一容量のTRTP1抽出物 に添加し、混合物を氷上で約30分間インキュベートした。対照として、約6μ LのTP2抽出物を、テロメラーゼRNAまたはTRIP1もしくはTP2 c DNAを有しない抽出物に添加した。1または2μLの各混合物、ならびにTP 2のみ抽出物を、前記した方法を用いてテロメラーゼ活性につきアッセイした。 結果を図18に示す。「DNA無し」とは、テロメラーゼRNAをコードする DNA、またはTP2もしくはTRIP1を コードするDNAをそれに添加しなかった網状抽出物をいう;「−TP1」とは 、テロメラーゼRNAおよびTP2蛋白質のみを含有する抽出物をいい;「+T P1」とは、テロメラーゼRNA、TRIP1蛋白質、およびTP2蛋白質を含 有する抽出物の混合物をいう。TP2、TRIP1、およびテロメラーゼRNA を含有する抽出物(レーン5および6)はTP2およびテロメラーゼRNAのみ を含む抽出物と比較して増強したテロメラーゼ活性を有した(レーン3および4 )。 9.TP2の優性−陰性アッセイ 4つのTP2発現カセットの各々をベクターpCR3から切り出し、pCR3 /TP2ベクターをともにKpnIおよびXbaIで消化し、当該ベクターの固 有のNotIおよびEcoRI部位の間にNheI部位(KpnIに適合)およ びXbaI部位を導入するように予め修飾したpIRES−EGFPベクターに 得られたTP2 cDNAを挿入することによって、pIRES−EGFP発現 ベクター(Clontech,Palo Alto,CA)に挿入した。テスト 遺伝子(この場合は、全長野生型または突然変異体TP2)の発現が当該ベクタ ーの発現カセットによって産生されたGreen Flu orescent Protein(「GFP」)の量に直接的に関連するよう に、pIRES−EGEPベクターを設計した。 ヒト肝性腎臓293細胞(実施例8B参照)を、10%FCSを含むDMEM 中の100mmプレート中で密集近くまで増殖させ、次いで、プレート当たり1 1μgのTP2/pIRES−EGFPベクターでトランスフェクトし、ここに 該ベクター中のTP2は野生型であるか、あるいは3つの突然変異体のうち1つ である。加えて、対照細胞を、TP2インサートを含有しないpIRES−EG EPベクターでトランスフェクトした。トランスフェクションは製造業者の指示 に従って、Superfect試薬(Qiagen,Chatsworth,C A)を用いて達成した。48時間後、トランスフェクトした細胞を、トリプシン で5分間処理することによってプレートから取り出した。該細胞を、2パーセン トの胎児ウシ血清を補足したPBSに再懸濁した。次ぎに、トランスフェクトし た細胞集団の各々を標準的蛍光活性化細胞ソーティング(FACS)を用いて別 途に集めた。 FACSソーティングは各細胞で発現されたGFPのレベル に従って、トランスフェクトした細胞の5集団の各々の分離を可能とした。低レ ベルのGFPを発現した構築体を含有する各トランスフェクトした細胞を「低」 という集団にプールした。高レベルのGFPの細胞を「高」という集団にプール した。加えて、トランスフェクトしたDNAを含有しなかった集団を同定し、「 非」という。 次いで、15,000×Gでの遠心によって、5つのトランスフェクトしたベ クターからの細胞の15集団の各々をペレット化し、100μLのテロメラーゼ 溶解緩衝液に溶解させた。 図16Aは15の細胞集団の各々からの溶解物のウェスタンブロットを示す。 ウェスタンブロットは実施例7に記載したごとくに調製し、抗−FLAG抗体で プローブした(Kodak,Rochester,NY)。レーン1−3は、各 々、5.1TP2突然変異体の「非」、「低」および「高」GFP発現細胞集団 を示す。分かるように、GFP(FACS分析に基づいた、前記参照)の発現レ ベルおよびTP2蛋白質の発現レベルの間に直接的関係がある。「非」(レーン 1)は検出可能なFLAG 5.1 TP2突然変異体蛋白質を有さず、他方、 「低」(レーン2)は低レベルのFLAG 5.1 TP2突然変異 体蛋白質を示し、および「高」(レーン3)は高レベルのFLAG 5.1 T P2突然変異体蛋白質を示す。レーン4−6は、FLAG 5.2 TP2突然 変異体蛋白質との同様の関係を示し、これらのレーンは、各々、「非」、「低」 および「高」溶解物を含有する。レーン7−9は、FLAG 5.1/5.2 TP2突然変異体蛋白質との同様の関係を示し、他方、レーン10−12は、F LAG野生型TP2蛋白質との同様の関係を示す。レーン13−15はTP2イ ンサートを含まないpIRES−EGEPでトランスフェクトした細胞は検出可 能なレベルのTP2蛋白質を発現しない。 図16Bは図16Aに記載した15の細胞集団溶解物の各々についての関連テ ロメラーゼ活性を示す。レーン1−3は、TP2突然変異体蛋白質(図16A) およびテロメラーゼ活性の間の逆関係を示す。同一の逆関係が突然変異体の全て で観察される(突然変異体5.2につきレーン4−6、および二重突然変異体5 −1,2につきレーン7−9)。対照的に、野生型TP2エクスプレッサーから の溶解物中のテロメラーゼ活性レベルは、溶解物中に存在する野生型TP2の量 に拘わらず、実質的に同一である。同様に、テロメラーゼかつ性はIRES− EGFPベクター単独でトランスフェクトした細胞中で実質的に一定である(レ ーン13−15)。この結果は、テロメラーゼ活性を通常有する細胞で発現させ た場合、生物学的に不活性なTP2突然変異体を用いてこのようなテロメラーゼ 活性を低下または抑制できることを示唆する。 TRIP1 cDNAの寄託 インサートTRIP1MycTaq3(マウス全長TRIP1ポリペプチドを コードする)を持つプラスミドpCR3を含有するE.coli細胞はATCC (American Type Culture Collection,12 301 Parklawn Drive,Rockville,MD,USA) に受託番号98250として1996年11月8日に寄託された。加えて、ヒト TRIP1 coliコーディング配列の一部が導入されたプラスミドpSPO RTを含有するE.coli細胞の4つの別のクローンも、同日にATCCに寄 託された。クローン15はアミノ酸1046−2627をコードするcDNAを 含有し、ATCC受託番号98254を有し;クローン54はアミノ酸423− 1467をコードするcDNAを含有し;クローン63はアミノ酸1346−2 4 88をコードするcDNAを含有し、ATCC受託番号98252を有し;クロ ーン96はアミノ酸1−567をコードするcDNAを含有し、ATCC受託番 号98251を有する。
【手続補正書】 【提出日】平成11年6月1日(1999.6.1) 【補正内容】 請求の範囲 1. (a)配列番号:13の核酸分子、 (b)配列番号:13のヌクレオチド1920−2820である核酸分子、 (c)配列番号:19の核酸分子、 (d)配列番号:14のポリペプチドをコードする核酸分子、またはその生物 学的活性断片、 (e)配列番号:20のポリペプチドをコードする核酸分子、またはその生物 学的活性断片、 (f)配列番号:14のポリペプチドと少なくとも90パーセント同一である ポリペプチドをコードする核酸分子、 (g)配列番号:20のポリペプチドと少なくとも90パーセント同一である ポリペプチドをコードする核酸分子、 (h)前記(a)−(g)のいずれかに対してストリンジェント条件下でハイ ブリダイズする核酸分子;および (i)前記(a)−(g)のいずれかの相補体である核酸分子 よりなる群から選択されるポリペプチドをコードするTP2核酸分子。 2. 配列番号:13または配列番号:19である核酸分子。 3. 配列番号:13のヌクレオチド1920−2820である核酸分子。 4. 配列番号:20の配列番号:14のポリペプチドをコードする核酸分子。 5. 配列番号:13のヌクレオチド1−1689、配列番号:13のヌクレオ チド1−1920、配列番号:13のヌクレオチド1920−2820、配列番 号:13のヌクレオチド2089−2820、および配列番号:13のヌクレオ チド2089−2859から選択される核酸分子。 6. 配列番号:14のポリペプチドのアミノ酸640−940をコードする核 酸分子。 7. 請求項1記載の核酸分子を含むベクター。 8. 請求項2記載の核酸分子を含むベクター。 9. 請求項3記載の核酸分子を含むベクター。 10. 請求項4記載の核酸分子を含むベタター。 11. 請求項5記載の核酸分子を含むベクター。 12. 請求項6記載の核酸分子を含むベクター。 13. 請求項7記載のベクターを含む宿主細胞。 14. 請求項8記載のベクターを含む宿主細胞。 15. 請求項9記載のベクターを含む宿主細胞。 16. 請求項10記載のベクターを含む宿主細胞。 17. 請求項11記載のベクターを含む宿主細胞。 18. 請求項12記載のベクターを含む宿主細胞。 19. (a)適当な宿主中の請求項1記載の核酸によってコードされたポリペ プチドを発現させ、 (b)ポリペプチドを単離する 工程を含むTP2ポリペプチドの生産方法。 20. 該ポリペプチドが配列番号:14または配列番号:20である請求項1 9記載の方法。 21. 該ポリペプチドが配列番号:14のアミノ酸649−940である請求 項19記載の方法。 22. (a)配列番号:14のポリペプチド、 (b)配列番号:14のアミノ酸640−940であるポリペプチド、 (c)配列番号:20のポリペプチド、および (d)(a)−(c)のポリペプチドのいずれかと少なくとも90パーセント 同一であるポリペプチド よりなる群から選択されるTP2ポリペプチド。 23. 配列番号:14、配列番号:20のポリペプチド、またはその生物学的 活性断片であるTP2ポリペプチド。 24. 配列番号:14のアミノ酸1−563、配列番号:14のアミノ酸1− 640、配列番号:14のアミノ酸640−940、配列番号:14のアミノ酸 696−940、および配列番号:14のアミノ酸696−953よりなる群か ら選択されるTP2ポリペプチド。 25. アミノ末端メチオニンを保有しない請求項22記載のTP2ポリペプチ ド。 26. 細胞中でTP2をコードする核酸、またはその生物学的活性断片を発現 することを含む、細胞の増殖を増大させる方法。 27. 細胞中でTP2遺伝子、またはその生物学的活性断片を発現させること を含む、細胞中でテロメラーゼ活性を増加させる方法。 28. 細胞中で、TP2の生物学的活性を有しないTP2突然変異体を発現さ せることを含む、細胞においてテロメラーゼを減少させる方法。 29. アミノ酸868位または869位のアスパラギン酸のコドンをアラニン のコドンに変化させたことを特徴とする、突然変異体TP2ポリペプチドをコー ドする核酸分子。 30. アミノ酸868位および869位のアスパラギン酸のコドンがアラニン のコドンに変化されたことを特徴とする、突然変異体TP2ポリペプチドをコー ドする核酸分子。 31. 請求項29記載の核酸分子によってコードされたポリペプチド。 32. 請求項30記載の核酸分子によってコードされたポリペプチド。 33. (a)配列番号:1の核酸分子、 (b)配列番号:2の核酸分子、 (c)配列番号:3、配列番号:4のポリペプチド、またはその生物学的活性断 片をコードする核酸分子、 (d)配列番号:3または配列番号:4のポリペプチドと少なくとも70パーセ ント同一であるポリペプチドをコードする核酸分子、 (e)上記(a)−(d)のいずれかと緊縮条件下でハイブリダイズする核酸分 子、および (f)上記(a)−(e)のいずれかの相補体である核酸分子 から成る群から選択されるポリペプチドをコードするTRIP1核酸分子。 34. 配列番号:1の核酸分子。 35. 配列番号:2の核酸分子。 36. 配列番号:3のポリペプチドをコードする核酸分子。 37. 配列番号:4のポリペプチドをコードする核酸分子。 38. 配列番号:3のポリペプチドのアミノ酸1−871をコードする核酸分 子。 39. 請求項33の核酸分子を含むベクター。 40. 請求項34の核酸分子を含むベクター。 41. 請求項35の核酸分子を含むベクター。 42. 請求項36の核酸分子を含むベクター。 43. 請求項37の核酸分子を含むベクター。 44. 請求項38の核酸分子を含むベクター。 45. 請求項39のベクターを含む宿主細胞。 46. 請求項40のベクターを含む宿主細胞。 47. 請求項41のベクターを含む宿主細胞。 48. 請求項42のベクターを含む宿主細胞。 49. 請求項43のベクターを含む宿主細胞。 50. 請求項44のベクターを含む宿主細胞。 51. (a)適当な宿主中において、請求項1の核酸にコードされたポリペプ チドを発現させる工程および(b)ポリペプチドを単離する工程から成る、TR IP1ポリペプチドを産生する方法。 52. 前記ポリペプチドが配列番号:3である請求項51の方法。 53. 前記ポリペプチドが配列番号:3のアミノ酸1−871である請求項5 1の方法。 54. (a)配列番号:3のポリペプチド、 (b)配列番号:3のアミノ酸1−871であるポリペプチド、および (c)(a)あるいは(b)のポリペプチドに少なくとも70パーセント同一で あるポリペプチド、から成る群から選択されるTRIP1ポリペプチド。 55. 配列番号:3のポリペプチドあるいはその生物学的活性断片であるTR IP1ポリペプチド。 56. アミノ末端メチオニンを有さない請求項52のTRIP1ポリペプチド 。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 43/00 107 C12N 1/19 C07K 16/40 1/21 C12N 1/19 9/12 1/21 C12P 21/02 C 9/12 C12N 15/00 ZNAA C12P 21/02 A61K 37/02 (31)優先権主張番号 08/951,733 (32)優先日 平成9年10月16日(1997.10.16) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,ID,IL,IS,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR, LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR, TT,UA,UG,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 ハーリントン,レア・エイ カナダ国、オンタリオ・エム・5・アー ル・1・エス・9、トロント、ピアーズ・ アベニユー・55 (72)発明者 ロビンソン,マーレイ・オー アメリカ合衆国、カリフオルニア・90272、 パシフイツク・パリセーズ、ラス・ロマ ス・アベニユー・974

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. (a)配列番号:13の核酸分子、 (b)配列番号:13のヌクレオチド1920−2820である核酸分子、 (c)配列番号:19の核酸分子、 (d)配列番号:14のポリペプチドをコードする核酸分子、またはその生物 学的活性断片、 (e)配列番号:20のポリペプチドをコードする核酸分子、またはその生物 学的活性断片、 (f)配列番号:14のポリペプチドと少なくとも90パーセント同一である ポリペプチドをコードする核酸分子、 (g)配列番号:20のポリペプチドと少なくとも90パーセント同一である ポリペプチドをコードする核酸分子、 (h)前記(a)−(g)のいずれかに対してストリンジェント条件下でハイ ブリダイズする核酸分子;および (i)前記(a)−(g)のいずれかの相補体である核酸分子 よりなる群から選択されるポリペプチドをコードするTP2核 酸分子。 2. 配列番号:13または配列番号:19である核酸分子。 3. 配列番号:13のヌクレオチド1920−2820である核酸分子。 4. 配列番号:20の配列番号:14のポリペプチドをコードする核酸分子。 5. 配列番号:13のヌクレオチド1−1689、配列番号:13のヌクレオ チド1−1920、配列番号:13のヌクレオチド1920−2820、配列番 号:13のヌクレオチド2089−2820、および配列番号:13のヌクレオ チド2089−2859から選択される核酸分子。 6. 配列番号:14のポリペプチドのアミノ酸640−940をコードする核 酸分子。 7. 請求項1記載の核酸分子を含むベクター。 8. 請求項2記載の核酸分子を含むベクター。 9. 請求項3記載の核酸分子を含むベクター。 10. 請求項4記載の核酸分子を含むベクター。 11. 請求項5記載の核酸分子を含むべクター。 12. 請求項6記載の核酸分子を含むベクター。 13. 請求項7記載のベクターを含む宿主細胞。 14. 請求項8記載のベクターを含む宿主細胞。 15. 請求項9記載のベクターを含む宿主細胞。 16. 請求項10記載のベクターを含む宿主細胞。 17. 請求項11記載のベクターを含む宿主細胞。 18. 請求項12記載のベクターを含む宿主細胞。 19. (a)適当な宿主中の請求項1記載の核酸によってコードされたポリペ プチドを発現させ、 (b)ポリペプチドを単離する 工程を含むTP2ポリペプチドの生産方法。 20. 該ポリペプチドが配列番号:14または配列番号:20である請求項1 9記載の方法。 21. 該ポリペプチドが配列番号:14のアミノ酸649−940である請求 項19記載の方法。 22. (a)配列番号:14のポリペプチド、 (b)配列番号:14のアミノ酸640−940であるポリペプチド、 (c)配列番号:20のポリペプチド、および (d)(a)−(c)のポリペプチドのいずれかと少なくと も90パーセント同一であるポリペプチド よりなる群から選択されるTP2ポリペプチド。 23. 配列番号:14、配列番号:20のポリペプチド、またはその生物学的 活性断片であるTP2ポリペプチド。 24. 配列番号:14のアミノ酸1−563、配列番号:14のアミノ酸1− 640、配列番号:14のアミノ酸640−940、配列番号:14のアミノ酸 696−940、および配列番号:14のアミノ酸696−953よりなる群か ら選択されるTP2ポリペプチド。 25. アミノ末端メチオニンを保有しない請求項22記載のTP2ポリペプチ ド。 26. 細胞中でTP2をコードする核酸、またはその生物学的活性断片を発現 することを含む、細胞の増殖を増大させる方法。 27. 細胞中でTP2遺伝子、またはその生物学的活性断片を発現させること を含む、細胞中でテロメラーゼ活性を増加させる方法。 28. 細胞中で、TP2の生物学的活性を有しないTP2突然変異体を発現さ せることを含む、細胞においてテロメラーゼ を減少させる方法。 29. アミノ酸868位または869位のアスパラギン酸のコドンをアラニン のコドンに変化させたことを特徴とする、突然変異体TP2ポリペプチドをコー ドする核酸分子。 30. アミノ酸868位および869位のアスパラギン酸のコドンがアラニン のコドンに変化されたことを特徴とする、突然変異体TP2ポリペプチドをコー ドする核酸分子。 31. 請求項29記載の核酸分子によってコードされたポリペプチド。 32. 請求項30記載の核酸分子によってコードされたポリペプチド。
JP52294198A 1996-11-15 1997-11-13 テロメラーゼ蛋白質をコードする遺伝子 Pending JP2001527385A (ja)

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US87118996A 1996-11-15 1996-11-15
US87303997A 1997-06-11 1997-06-11
US08/873,039 1997-10-16
US08/871,189 1997-10-16
US08/951,733 US7390891B1 (en) 1996-11-15 1997-10-16 Polynucleotides encoding a telomerase component TP2
US08/951,733 1997-10-16
PCT/US1997/021248 WO1998021343A1 (en) 1996-11-15 1997-11-13 Genes encoding telomerase proteins

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001527385A true JP2001527385A (ja) 2001-12-25

Family

ID=27420464

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP52294198A Pending JP2001527385A (ja) 1996-11-15 1997-11-13 テロメラーゼ蛋白質をコードする遺伝子

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2001527385A (ja)
AR (1) AR009416A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022062012A (ja) * 2012-09-19 2022-04-19 ジェムバックス アンド カエル カンパニー,リミティド 細胞透過性ペプチド、それを含んだコンジュゲート、及びそれを含んだ組成物

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022062012A (ja) * 2012-09-19 2022-04-19 ジェムバックス アンド カエル カンパニー,リミティド 細胞透過性ペプチド、それを含んだコンジュゲート、及びそれを含んだ組成物
JP7328375B2 (ja) 2012-09-19 2023-08-16 ジェムバックス アンド カエル カンパニー,リミティド 細胞透過性ペプチド、それを含んだコンジュゲート、及びそれを含んだ組成物

Also Published As

Publication number Publication date
AR009416A1 (es) 2000-04-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7390891B1 (en) Polynucleotides encoding a telomerase component TP2
EP1068357B1 (en) Therapeutic and diagnostic applications based on the role of the cxcr-4 gene in tumorigenesis
JP4411330B2 (ja) 腫瘍壊死因子関連リガンド
US5962652A (en) Antibodies to protein, FAF1
US5965360A (en) Diagnosis of metastatic cancer by the mts-1 gene
US5919656A (en) Genes encoding telomerase protein 1
US20040236092A1 (en) Peptidologlycan recognition protein encoding nucleic acids and methods of use thereof
CA2341777A1 (en) Neutral amino acid transporter and gene thereof
WO1995022610A1 (en) Novel integrin alpha subunit
AU3386800A (en) Secreted proteins and nucleic acids encoding them
WO2000026244A2 (en) A novel tumor necrosis factor family member, drl, and related compositions and methods
AU705595B2 (en) Interleukin-1 type 3 receptors
US6863887B1 (en) Therapeutic and diagnostic applications based on the role of the CXCR-4 gene in tumorigenesis
US7160868B2 (en) Nr-CAM gene, nucleic acids and nucleic acid products for therapeutic and diagnostic uses for tumors
US20020146772A1 (en) Methods and materials relating to novel CD39-like polypeptides
JP2001527385A (ja) テロメラーゼ蛋白質をコードする遺伝子
US20060078550A1 (en) Porcine fgl2
US20030190739A1 (en) Tankyrase2 materials and methods
AU753404B2 (en) Mammalian blood loss-induced gene, kd312
JP2002502260A (ja) 新しい選択マーカー
MXPA99004393A (en) Genes encoding telomerase proteins
WO2000064933A1 (fr) Proteine inhibitrice d'activation transcriptionnelle
MXPA01000980A (en) Delta-related polypeptides