JP2001514356A - 気体燃料を火花点火式エンジンにて利用するための電子コントローラを備えた転換システム - Google Patents

気体燃料を火花点火式エンジンにて利用するための電子コントローラを備えた転換システム

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Abstract

(57)【要約】 火花点火式エンジンを気体燃料で動作するように転換するための転換システムが開示されている。転換システムは、電子コントローラを含んでおり、このコントローラは数種の新規な原理に基づいて動作することにより優れた性能/応答性を発揮する。本発明に係るコントローラは、気体燃料モードが起動した場合に点火タイミングを全面的に制御して、気体燃料に適合した独自の点火信号を発生させる。また、コントローラは、独自のパルス幅変調燃料噴射信号を発生させて、それによりエンジンに気体燃料を供給する高性能噴射ソレノイド弁を制御する。エンジンのダイナミックレンジに対応するために可変インジェクションスピードが利用される。閉鎖ループモニタシステム及び排気ガス再循環機能を備えたエンジンにおいて効率的な燃料制御を行うには新規な二重アレイブロック学習スキームが用いられる。最大エンジントルクが要求される場合に余分の出力が得られるようにするためには、ガソリンによる出力増大機能が付加される。利点は、効率的な燃料供給システムが、気体燃料の利益を全て保持しながら、液体燃料の出力容量を確保し、排気エミッションを最小化できることである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】
本発明は、火花点火式(オットーサイクル)エンジンにおける天然ガスや類似
の気体燃料の使用法に関し、特に車両用として設計されたエンジンにおけるかか
る気体燃料の使用法に関する。
【0002】
【発明の背景】
エンジンの燃料源として天然ガスを用いることは、種々な利点を有すると認識
されている。天然ガスは清澄状態で燃焼が行われるため、エンジンの清浄化に寄
与し、排気管エミッション総量も低減させる。また、天然ガスは、しばしば重金
属を含むことのある例えばガソリン用添加物を加える必要のない燃料としても使
用できる。現在までのところ、オットーサイクルエンジンを気体燃料で動作させ
る技術として商業ベースで実現可能な多くのものは、1920年代にイタリアに
て着想され設計された装置と方法に基づく機械制御システムである。しかしなが
ら、このような機械システムでは、現代の車両用エンジンの要件を充足すること
はできない。特に、それらは運転手が期待する応答性、出力又は燃料効率を達成
することができないか、或いは現在では多くの規制機関によって立法化されてい
る排気エミッションレベルを達成できない。
【0003】 このような欠点を解決するべく、液体燃料供給型エンジンを気体燃料で動作す
るよう転換するためのモダン且つ精緻な電子制御システムが発明されている。こ
れらのうち、最も代表的な発明を以下に簡単に説明する。
【0004】 国際特許出願No.PCT/EP95/02296は、1995年12月21
日に国際公開され、「燃料としてガソリン、メタン又はLPGのいずれも用いる
ことのできる内燃機関用制御システム(CONTROL SYSTEM FOR AN INTERNAL COMBUS
TION ENGINE USING EITHER GASOLINE OR METHANE OR LPG AS A FUEL)」と題する
発明に関するものである。この出願は、ガソリンエンジンをガソリンのみで動作
させるモード、メタン又はLPGのみで動作させるモード、或いは両燃料を同時
に燃焼させるミックスドモードに転換させるための転換キットを記載している。
メタン又はLPGガスは、補助制御ユニットによって制御されるインジェクタを
介してエンジンに供給され、前記補助制御ユニットはシステムを一つのモードか
ら他のモードに切換えるように制御する機能を有している。ガソリンモードにお
いては、既存装置の点火コントローラ(original equipment spark ignition con
troller)がエンジン点火システムに点火信号を供給する。メタン又はLPGモー
ドでも、点火信号は依然点火コントローラによって既存装置のエンジン点火シス
テムに供給される。しかしながら、補助制御ユニットは、エンジンク学習クシャ
フトの角度位置を表す信号を修正して、既存装置のコントローラに気体燃料の点
火に適した点火信号を出力させるようにする機能を有している。
【0005】 1992年3月3日に成立したKingの米国特許No.5,092,305は、
「エンジンに対する代替燃料系を提供するための装置及び方法(APPARATUS AND M
ETHOD FOR PROVIDING AN ALTERNATIVE FUEL SYSTEM FOR ENGINES)」と題する発 明に関するものである。この特許には、主燃料システムと関連して動作する代替
燃料システムが記載されており、この代替燃料システムによって主燃料システム
における既存装置の制御モジュールからの出力が利用される。代替燃料システム
は、既存装置からの制御信号に修正を加えて、燃料供給弁を代替燃料用に動作さ
せて、適正量の代替燃料がエンジンに供給されるようにするのである。点火制御
は、既存装置の制御モジュールによって実行される。このようなアプローチには
幾つかの欠点がある。主たる欠点の一つは、天然ガスのような気体燃料がガソリ
ンのような液体燃料とは異なる挙動を示すことである。このため、冷間始動、ウ
ォームアップ、出力増加、或いは異なるトルク要件が必要となる遷移期間のよう
な種々なエンジン動作モードでは、異なる態様で燃料供給が必要となる。さらに
、気体燃料では液体燃料とは異なる点火タイミング制御も必要となる。上記シス
テムでは、既存装置からのタイミング信号に依存して点火制御を行うので、性能
の最適化とエミッションの最小化は実現することはできない。天然ガスはガソリ
ンよりも燃焼速度が遅く、ピストンへの平均下方圧力を最大化するには早目に着
火させる必要があるので、天然ガスで動作させる上でこれを補うためには、エン
ジン点火タイミングを相当に早めなければならない。
【0006】 1994年10月11日に成立したSaikalisらの米国特許No.5,353,
765は、「気体燃料内燃機関のための燃料管理システム(FUEL MANAGEMENT SYS
TEM FOR A GASEOUS FUEL INTERNAL COMBUSTION ENGINE)」と題する発明に関する
ものである。この特許は、閉鎖ループ型燃料制御を教示しており、この方式はマ
スフロー気体燃料センサと、マスフロー空気センサと、排気酸素センサとを利用
して、気体燃料を転換されたエンジンの吸気マニホールドに噴射するべくPWM
噴射信号を制御するものである。マスフロー気体燃料センサは、気体燃料源とエ
ンジンとの間に流体連結されている。同様に、マスフロー空気センサは内燃エン
ジンの吸気ポートに直列に接続されており、両フローセンサの出力はマイクロプ
ロセッサをベースとした発明の制御回路の入力信号として供給される。制御回路
は、エンジンに供給される可燃混合気の空燃比を計算して、気体燃料源と内燃エ
ンジンとの間で直列配置された弁への適切な出力信号を発生させ、この結果、エ
ンジン動作条件の関数として所望されるエンジン性能を得るべく空燃比を変化さ
せる。このシステムが、広範囲で急激に変化するエンジン出力についての要求に
応えるのに必要な燃料要件を充足できる適切な動的応答性を有するかどうかは不
明である。また、ガスフローセンサの制御、モニタ及び安全動作についての要件
はソフトウエアアルゴリズムの面でもハードウエアの面でも複雑である。さらに
、このシステムでは、気体燃料モードにおける点火タイミングの最適化について
配慮されていない。
【0007】 1994年11月29日に成立したKingの米国特許No.5,367,999
は、「気体燃料エンジンの燃料システム性能改良のための方法及びシステム(MET
HOD AND SYSTEM FOR IMPROVED FUEL SYSTEM OF A GASEOUS FUEL ENGINE)」と題 する発明に関するものである。この特許は、エンジンへの気体燃料の供給圧を可
変維持することにより、気体燃料エンジンの性能を向上するために改善された気
体燃料供給システム及び方法に関する。電子制御される燃料圧レギュレータが、
燃料組成センサ、燃料温度センサ及び燃料圧力センサからの信号を受けるととも
に、エンジン速度信号又はマニホールド絶対圧信号を受けて、燃料システムのダ
イナミックレンジを改善し、この結果、燃料測定精度の向上、エンジン性能の向
上、エミッションの改善が図られる。このシステムは、燃料測定精度を向上する
ための新規なコンセプトであるように思われるが、高速電子インジェクタを精度
よく制御することによって燃料測定の精度をより高め、より経済的なものとする
ことができる。
【0008】 1997年2月4日に成立したNeumanの米国特許No.5,598,825は
、「エンジン制御ユニット(ENGINE CONTROL UNIT)」と題する発明に関するもの である。この特許は、ターボチャージャ付き2サイクルディーゼルエンジンを天
然ガスで動作するよう転換させるために用いられる電子制御ユニットに関する。
電子制御ユニットは、エンジン速度、スロットル位置、マニホールド絶対圧、ガ
ス圧力、ガス温度、エンジン温度、バッテリ電圧、空気温度、エンジン位相、ブ
ースト圧力制御弁フィードバック位置を検知して、気体インジェクタのオン時間
を制御する。制御ユニットは、検知されたエンジン速度及びスロットル位置から
エンジンについてのパーセンテージ(全負荷値percentage full-load value)を計
算し、算出されたパーセンテージ全負荷値を利用してエンジンのガス供給システ
ムにおける各ガスインジェクタごとのオン時間を計算する。典型的には、制御ユ
ニットは、全パーセンテージ負荷値とエンジン速度とを用いて要求されるマニホ
ールド絶対圧を計算し、この算出されたマニホールド絶対圧と全負荷値と用いて
パーセンテージ許容負荷値を求める。エンジン制御ユニットは、パーセンテージ
許容負荷値と現在のエンジン速度とを用い、ECUコントローラに保存されてい
るルックアップテーブルを参照することにより、与えられた吸気温度における点
火繰り上げ程度を計算する。3次元テーブルにおいて経験的にマッピングされた
データでは、点火繰り上げ最適化のレンジ制御に限界がある。点火繰り上げは、
エンジン性能の最適化に有益ではあるが、点火コイルドウェル時間制御を含む完
全なる点火制御がエンジン性能の最適化及び排気管エミッションの最小化には必
要となる。
【0009】 以上述べた特許文献から、液体燃料エンジンを気体燃料で動作するように転換
するシステムにおいて相当な進歩が見られるものの、現代の車両用途に期待され
るエンジン性能を発揮する経済的な転換システムは従来例では実現されていない
ことが明らかである。
【0010】
【発明の概要】
本発明の目的は、火花点火式エンジンにおいて気体燃料を利用するための電子
コントローラであって、汚染制御センサからのフィードバックのない開放ループ
型システム、或いはエンジン排気流内に位置して既存装置のエンジン制御ユニッ
トへのフィードバックを行う少なくとも1つのセンサを備えた閉鎖ループ型シス
テムを採用する何れのエンジンにも適合させ得る電子コントローラを提供するこ
とにある。
【0011】 本発明のさらなる目的は、火花点火式エンジンにおいて気体燃料を利用するた
めの電子コントローラであって、所定のエンジン動作条件を検知するための複数
のセンサからの出力の少なくとも1つに応答して、既存装置におけるガソリン燃
料用のエンジン点火タイミング信号から独立したエンジン点火制御信号を発生さ
せる電子コントローラを提供することにある。
【0012】 本発明のさらなる目的は、火花点火式エンジンにおいて気体燃料を利用するた
めの電子コントローラであって、所定のエンジン動作条件を検知するためのセン
サからの出力の少なくとも1つに応答して、前記火花点火式エンジンへの吸気流
に気体燃料を噴射する少なくとも1つの気体燃料インジェクタを制御するべく、
既存装置の燃料噴射信号から独立したパルス幅変調燃料噴射信号を発生させる電
子コントローラを提供することにある。
【0013】 本発明のさらに別の目的は、火花点火式エンジンにおいて気体燃料を利用する
ための電子コントローラであって、前記パルス幅変調燃料噴射信号がエンジンの
ダイナミックレンジに応じて、1回の燃料噴射当たり2つ以上のシリンダに気体
燃料を供給するようになっている電子コントローラを提供することにある。
【0014】 本発明のさらに別の目的は、エンジン出力要件が気体燃料のみを使用する場合
に実現可能な要求を超えるときにガソリンによる出力増加をすることが可能な電
子コントローラを提供することにある。
【0015】 本発明の別の目的は、火花点火式エンジンにおいて気体燃料を利用するための
電子コントローラであって、二重アレイブロック学習機能を有しており、エンジ
ンにおける既存装置のコントローラにより排気ガスが再循環されている場合に第
1のブロック学習アレイを利用し、排気ガスの再循環が行われていない場合には
第2のブロック学習アレイを利用するように構成されている電子コントローラを
提供することにある。
【0016】 本発明のさらに別の目的は、火花点火式エンジンを気体燃料で動作させるため
のシステムであって、電子コントローラと、内部を貫通してエンジン加熱された
流体が循環する高熱伝導性の気体燃料圧力レギュレータとを備えることにより、
正確な気体燃料温度モデル化を可能とするシステムを提供することにある。
【0017】 そこで、本発明は、気体燃料(38)で作動する火花点火式エンジンの動作を
制御するための電子コントローラ(24)であって、同電子コントローラは、所
定のエンジン動作条件を検知するための複数のセンサからの信号を受け、前記火
花点火式エンジンへの吸気流に気体燃料を供給するべく、前記センサからの信号
の少なくとも1つに応答して燃料噴射信号を発生させるように構成されており、
さらに前記電子コントローラからの燃料噴射信号は、前記センサからの信号の少
なくとも1つに応答して、前記火花点火式エンジンへの吸気流に気体燃料を噴射
する少なくとも1つの気体燃料インジェクタを制御するための、既存装置の燃料
噴射信号から独立したパルス幅変調燃料噴射信号であり、前記電子コントローラ
(24)は、前記既存装置におけるガソリン燃料用のエンジン点火タイミング信
号から独立して、エンジン点火タイミング信号の制御を完全に掌り、エンジン点
火タイミング信号の発生に際しては、上死点から次回点火までの間隔(A)を求
めるために相互に関連づけられたルックアップテーブル(56、58、60)を
利用するとともに、コイルドウェル期間(C)を求めるためにルックアップテー
ブル(62)を利用して、このコイルドウェル期間を上記間隔(A)から減じる
ことによりプレドウェル期間(B)を求めるように構成されていることを特徴と
する、電子コントローラ(24)を提供する。
【0018】 本発明に係る電子コントローラにより、火花点火式エンジンを圧縮天然ガス(
CNG)などの気体燃料で作動するように転換できる経済的で燃料効率のよい方
法及びシステムが可能となる。電子コントローラは、通常閉鎖型の高速噴射ソレ
ノイド弁を制御するパルス幅変調(PWM)燃料噴射信号を生成し、これにより
エンジンの吸気ポート領域において各シリンダへの気体燃料の分散に最も有利な
位置に気体燃料を噴射する。エンジンの燃料要件に応じて、2個以上のインジェ
クタを用いても良い。電子コントローラによって生成されるPWM燃料噴射制御
信号は、エンジン状況に関連する種々なセンサからの入力に依存しており、これ
ら入力には、少なくとも、マニホールド絶対圧(MAP)、エンジン冷却剤温度
(ECT)、吸気温度(IAT)、エンジン回転速度(RPM)及びバッテリ電
圧(BV)が含まれる。追加のセンサからの入力は、エンジン性能をさらに向上
させ、排気エミッションを低減させる可能性がある。これらの追加のセンサから
の入力には、気体燃料温度(FGT)、スロットル位置(TP)及び排気ガス再
循環(EGR)が含まれる。さらに、現代的な閉鎖ループ型エンジンに本発明の
システムを用いて転換を行う場合には、コントローラは火花点火エンジンから発
生する排気ガスの酸素含有率を測定する少なくとも1つのセンサからの信号を受
けることにより、排気再循環を起動させたときでも、エンジンに対して気体燃料
と吸気とのストイキ(化学量論)混合物が確実に供給されることになる。この場
合、コントローラは、二重アレイブロック学習機能を有しており、排気ガスが再
循環されている場合に第1のブロック学習アレイを利用し、排気ガスの再循環が
行われていない場合には第2のブロック学習アレイを利用する。これにより、コ
ントローラを変化するエンジン条件に迅速に適合させて、変化する環境ファクタ
やエンジン摩耗等に自動的に対応することができる。
【0019】 本発明に係る電子コントローラは、エンジンが気体燃料モードで動作する場合
に、点火及び点火タイミングについて完全なる制御を掌る。好ましくは、コント
ローラは、MAPとRPMをIATとECTに関連させて用いて点火タイミング
を制御するタイミング信号を生成する。バッテリ電圧(BV)、MAP及びRP
Mは、コイルドウェル時間を算出する際にも利用される。点火タイミング及びコ
イルドウェル時間を組合せて完全なる燃料点火シーケンスを生成でき、これによ
り気体燃料に着火するのに最適な時間に所要強度の点火スパークを開始させるこ
とができる。また、システムは、固体スイッチを含んでおり、これにより点火タ
イミングと点火コイル通電時間(ドウェル時間)を直接制御することが可能とな
る。コイルドウェルの制御により点火エネルギを増加させて、天然ガスのような
気体燃料の着火に要する高いイオン化電圧に対応することができる。さらに、固
体スイッチにより既存装置における点火モジュールのプレゼンス/動作(presenc
e/operation)をシュミレートできるので、既存装置におけるコントローラを「ハ
ッピー」な状態に維持できる。既存装置における点火バイパス信号により制御さ
れる第2の固体スイッチは、既存装置のコントローラが点火バイパス制御に入っ
た場合に、疑似負荷を既存装置の点火信号に投入する。これにより、既存装置に
おける点火バイパス状態(ignition bypass diagnostics)が適正に作用する。
【0020】 最後に、本発明に係る電子コントローラは、最大のエンジントルクが要請され
る場合に、ガソリンによる出力増加を可能にする。本発明の転換システムを具備
するエンジンにより駆動される車両において、オペレータがアクセルをいっぱい
に踏み込んだ場合、コントローラは時間調整された遷移状態を経て自動的にガソ
リン出力に切換え、これにより燃料効率が向上し排気エミッションが最小化する
。スロットルを最大踏み込み位置から解放すると、コントローラは所定の時間経
過を伴って気体燃料モードに復帰するため、遷移がスムーズに行われる。このよ
うに、最大のエンジントルクを必要としない場合、エンジンは常に気体燃料のみ
で動作し、最大のエンジントルクが要請される場合、液体燃料による出力ブース
トが可能である。
【0021】 次に本発明を添付図面に基づき説明するが、これは単なる例示に過ぎない。
【0022】
【好適な実施例の詳細な説明】
本発明は、気体燃料により駆動される火花点火式エンジンの作動を制御するた
めの電子コントローラを備えた転換システムを提供する。この電子コントローラ
は、所定のエンジン作動状況を検知すべく設けられた複数のセンサから送られて
くる出力を受信するとともに、既存装置(original equipment)によるエンジン
点火タイミング信号とは独立した、点火制御信号を出力する。また上記コントロ
ーラは、上記センサからの出力に対応して、既存装置による燃料噴射信号とは独
立した、パルス幅変調燃料噴射信号も出力する。これにより、上記電子コントロ
ーラは、エンジンのパフォーマンス及び燃料効率を最適化し、その一方でエンジ
ンの排気エミッションを最小にすることができる。
【0023】 図1は、本発明に基づく電子制御ユニット(以下、ECU24という)を含む
転換システムを備えた、最近の火花点火式エンジンを示す概略図である。この火
花点火式エンジン10は、液体燃料インジェクタ12を備えており、これに対し
、当技術分野において周知の方法により、ガソリンタンク14から液体燃料が供
給される。火花点火式エンジン10はまた、吸気マニホールド16と、各エンジ
ンのシリンダにおけるスパークプラグ(図示略)による点火火花の発生を制御す
るための火花点火モジュール18と、を備えている。さらに火花点火式エンジン
10は、排気システム20を備えている。最近の閉ループエンジンの場合には、
排気システムは、信号ライン22における排ガス中の酸素量に対応した信号を出
力する酸素センサを含んでいる。尚、図1に示された火花点火式エンジン10は
、閉ループ制御システムを含んだものであるが、本発明に係るECU24は、排
気酸素センサを持たないエンジンに対応して作動するように構成することも可能
である。
【0024】 ECU24は、複数のセンサからの入力信号を受信するとともに、制御信号を
、通常は閉じている気体燃料噴射ソレノイド二方バルブ(以下、HSV26とい
う)と、火花点火モジュール18とに発信する。ECU24は、作動するために
は、少なくとも、マニホールド絶対圧センサ(MAP)や、エンジン冷却液温度
(ECT)センサ又は入口空気温度(IAT)センサ、エンジン回転速度(RP
M)センサ及びバッテリ電圧(BV)センサからの出力信号を受信する必要があ
る。BVは、ECU24によって直接検知されることが好ましい。このように、
ECU24は、図1に示す最近の閉ループ増熱式又は電子噴射式ガソリンエンジ
ン10のみならず、最近の開ループ増熱式又は燃料噴射式エンジンの制御にも用
いることができる。最適のパフォーマンスを得るためには、ECU24は、スロ
ットル位置センサ(TP)や排ガス酸素センサからの入力信号を受信することが
好ましく、さらには、当該火花点火式エンジンが排ガス再循環(EGR)方式に
よる場合には、EGR入力信号を受信することが好ましい。
【0025】 図1に示すように、ECU24は、ガソリンエンジン10の状態を示す事項の
うち予め選択されたものを監視するセンサから送られてくる様々な入力信号を受
信する。RPMは、入力ライン28を介してECU24によって監視される。M
AP、及び、オプションとしてのIATは、マニホールド16に設けられたセン
サから複数の入力ライン30を介して送られてくる。MAP及びIATは、互い
に異なる入力ラインを介して受信される。MAPは、MAPセンサにより直接的
に測定することも可能である。この場合にはセンサをECU24に設けるととも
に、当技術分野において周知の態様により吸引管(図示略)を介してマニホール
ド16に連結するようにしてもよい。ECU24を備えた車両が、そのスロット
ル34の相対位置を監視するためのスロットル位置センサ32を含んでいる場合
には、ECU24は、入力ライン36を介して送られるスロットル位置信号(T
P)を受信する。転換システムの好適な実施例によれば、圧縮天然ガス38(C
NG)は、二段圧力レギュレータ40によってHSV26に供給される。二段圧
力レギュレータ40としては、1995年8月30日出願の国際特許出願PCT
/CA95/00500に開示されたタイプのものが好ましい。二段圧力レギュ
レータ40は、コンパクトであり、優れた流れ特性を有し、低ドループ(low-dr
oop)、低圧力降下、及び低クリープを特徴とするレギュレータであって、常に 一定の圧力で燃料をHSV26に供給する。二段圧力レギュレータ40は、レギ
ュレータ本体内部に温度制御流体通路を含んでおり、レギュレータのベースとそ
の上に搭載された構成部材に熱を与える。この通路は十分な熱伝導性を有してお
り、最大の流れ速度及びシリンダ圧力において燃料ガス温度を約100℃まで上
げることが可能である。これにより、圧力調節プロセスにおける燃料ガスの膨張
にともなう熱損失を補填することができる。加熱のための流体は、流体伝送ライ
ン42を介して圧力レギュレータ40に供給される。流体伝送ライン42には、
通常、エンジンの冷却液が流され、ガソリンエンジン10を出た冷却液は、二段
圧力レギュレータ40を経た後、再びエンジン10に戻される。空冷式の火花点
火式エンジンの場合には、流体伝送ライン42には、通常、エンジンの冷却液で
はなく、エンジンの潤滑油が流される。ECU24は、ガソリンエンジン10に
設けられた元の装置の冷却液センサから、あるいは、上記転換システムに別途設
けられた温度センサから、ECT信号を受信する。CNG38は、二段圧力レギ
ュレータ40により、気体燃料ライン46を介して、HSV26に供給される。
ECU24は、燃料噴射信号ライン48を介して、HSV26にPWM噴射信号
を出力する。これにより、図3及び4を参照して以下に説明するように、気体燃
料のマニホールド16への噴射を制御する。ECU24は、点火制御信号ライン
50を介して、火花点火モジュール18に点火制御信号を出力するが、これにつ
いては、図2A及び2Bを参照しつつ以下において説明する。ECU24は、こ
れ以外にも信号を受信する。さらに、ECU24は、信号ライン54を介して車
両バッテリ52の電圧出力の測定を行うことによりバッテリ電圧(BV)を検知
する。
【0026】 図2Aは、ECU24によって実行される、エンジン点火タイミング信号の算
出態様を示すブロック図である。これにより、エンジン点火タイミングが最適化
され、CNG38によるエンジンパフォーマンスの最適化が図られるとともに、
排ガス量を最少化することができる。第1のステップでは、MAP及びRPMを
用いたルックアップテーブルから、一次タイミングインターバルが導出される。
この一次タイミングインターバルは、回転の度合いを示す1バイトの二進数であ
ることが好ましいが、他のアルゴリズムを利用したものであってもかまわない。
一次タイミングインターバル56が得られた後は、MAP及びIATを用いたル
ックアップテーブルから導出される空気温度加算データ58に基づき、上記イン
ターバルを調整することが好ましい。この空気温度加算データも1バイトの二進
数であり、一次タイミングインターバルに加算される。好ましくは、エンジン温
度加算データ60も一次タイミングインターバルの調節に利用される。このエン
ジン温度加算データは、MAP及びECTを用いたテーブル検索によって導出さ
れる。好ましくは、上記一次タイミングインターバル56、空気温度加算データ
58、及びエンジン温度加算データ60は、本発明の転換システムを備える火花
点火式エンジンを試験することにより経験的に得られたデータに基づくものであ
る。空気温度加算データ58及びエンジン温度加算データ60を利用して一次タ
イミングインターバル56が調節された後、その値は、エンジン10に適合する
ように調節される。この適合は、エンジンのシリンダ数に基づく定数を前記値に
掛けた後、それをシリンダスペースで割ることにより行われるが、これに関して
は当技術分野において周知である。このようにして得られた値は、定数「D]を
掛けることによりクロックサイクルに変換される。この定数は、隣接して点火さ
れたシリンダの点火上死点(TDC)間のクロックサイクルの数を表すものであ
る。図2Bに示すように、この掛け算により、次の点火(A)に対するTDCが
算出される。そして、ドウェル期間(C)が、三次元ルックアップテーブルにお
いて、MAP、RPM及びBVに基づき計算され、コイルドウェル期間が決定さ
れる。その後この期間は、次の点火(A)に対するTDCから差し引かれ、これ
により図2Bに示すようなプレドウェル期間(B)が決定される。これら2つの
値B、Cは、火花点火モジュール18を制御する。気体燃料エンジンの場合には
、排気量が多くなったり効率が悪くならないように、点火タイミングを適宜変更
する必要がある。上述のように、点火タイミングや、点火コイル電流、あるいは
ドウェルアングルを直接制御することにより、排気量を最小限に抑え、且つ、効
率を最適化することができる。ドウェルアングルを制御して、点火エネルギを増
大させることにより、天然ガス等の気体燃料の点火に必要な高いイオン化電圧の
埋め合わせをすることができる。以下で説明するように、この火花点火式エンジ
ンが気体燃料モードで作動している間は、固体スイッチが、元の装置のコントロ
ーラに対して点火モジュールをシミュレートすることにより、コントローラの点
火判断が誤りとならないようにしている。
【0027】 図2Bは、図2Aを参照して上でのべたようにECU24によって発せられた
エンジン位置信号64及び点火制御信号66のトレースを概略的に示している。
上で説明したとおり、クロック信号によって表され、且つ、記号「D」を付され
た時間間隔は、点火された最後のシリンダのTDCと、点火が必要な次のシリン
ダのTDCとの間の時間間隔を表している。記号「A」を付された時間間隔は、
次の点火現象に対するTDCを示している。この間隔は、2つの成分、すなわち
、記号「C]を付されたドウェルアングル及び記号「B]を付された遅延時間を
含んでいる。従って、最適な火花点火シーケンスは、各々の点火現象を、エンジ
ン及び環境の現在の状況に適合させるための入力としてのMAP、RPM、IA
T、ECT、及びBVを用いることにより計算される。
【0028】 図3は、HSV26(図1参照)に対するインジェクタ開放時間及びインジェ
クタ開放タイミングを得るための好適な計算シーケンスを示す概略図である。オ
ットーサイクルの吸気は、連続的な流れではなく、各エンジンシリンダにおける
吸気ストロークに対応する一連のパルスである。従来より、セントラルポイント
あるいはスロットルボディ気体燃料方式は、気体燃料及び空気を所望どおり均一
に混合させるべく、2つのアプローチを採用したきた。その第1は、「連続供給
方式」として知られているものであって、その名のとおり、ガスを非断続的に、
連続して空気流れの中に供給するものである。この方法は機械的なシステムによ
って利用される。デジタル燃料噴射方式の出現や、燃料の量を決定する「オン−
オフ」パルス幅変調を利用するインジェクタの出現により、燃料噴射と空気パル
スとの同期をとることで、適切な量の気体燃料が各シリンダのエアチャージに送
られるようにすることが重要であることは明らかである。最も簡単な方法は、各
々の空気パルスに対して、1つの「ショット」あるいは燃料の噴射パルスを投入
するようにすることである。これはシングルスピードインジェクションとして知
られている。これにより、均一な混合が達成されるが、インジェクタの機械的な
慣性のために、達成可能なダイナミックレンジに限界がある。この原因は、イン
ジェクタの開閉に要する時間であり、それは各事象に対して約1ミリ秒である。
アイドリング速度において安定及び確実に少量のガスを供給すること、及び、気
体燃料が空気パルスに正確に供給されるようにしつつ最大RPM及び最大パワー
において十分な燃料を供給することを実現するためには、通常は、高品質の燃料
インジェクタが複数個必要とされる。ここで、燃料インジェクタの数は、エンジ
ンのダイナミックレンジ及びそれが高速においてどれぐらい良好に「呼吸」する
かによって定まる。
【0029】 本発明は、上述した問題を回避すべく、「可変噴射率」方式を採用する。可変
噴射率方式によれば、2つあるいはそれ以上の入口空気パルスごとに、入口空気
流れに対して燃料を一回噴射する。これによればインジェクタのオンオフに要す
る時間が半分となるが、これはより作動の速いインジェクタを設けたことと同じ
であり、従ってそのバルブにより燃料を供給されるエンジンのダイナミックレン
ジが広くなる。エンジンのダイナミックレンジあるいは「ターンダウン(turn d
own)率」は、フルパワー時において車両が必要とする燃料の量と、アイドリン グ時において1ストロークごとに消費される燃料の最小量との差によって決まる
。同調空気吸入(tuned air induction)や、過給、シリンダごとの複数バルブ 方式あるいは可変バルブタイミングはすべてガソリンエンジンのダイナミックレ
ンジを向上させる。全ダイナミックレンジにわたりエンジンに適切な燃料供給を
行うために必要なHSV26の数を最小限にすべく、本発明は、上述した可変噴
射率方式を採用する。
【0030】 もちろん、各々の空気吸入パルスよりも少ない量の気体燃料を噴射する際には
、燃料が複数のエンジンシリンダに均一に分配されるように注意して行う必要が
ある。本発明に基づく可変噴射率方式によれば、噴射パルスが2つあるいはそれ
以上の連続的な吸気パルスにオーバーラップするようなタイミングで気体燃料の
噴射を行うことができる。これにより、適切な量の気体燃料を、次々に点火され
るシリンダの各々に供給することができる。
【0031】 この新規な技術による正味の効果は、従来のシステムが2以上のインジェクタ
を必要としていたところを1つのインジェクタだけで済むようにしたこと、ある
いは、従来3以上のインジェクタが必要とされていたところを2つだけで済むよ
うにしたことである。高価な燃料インジェクタを節約できるという明らかなコス
ト面での利点に加えて、インジェクタの数を減らすことは、ECUの複雑さや、
配線ハーネスの複雑さ、放熱条件等を単純化しうるという付加的な利点をも有し
ている。
【0032】 液体燃料の計測とは異なり、気体燃料の計測は、気体の温度に大きく影響され
る。具体的には、一定質量の天然ガスの体積は、−40℃から+100℃の範囲
内で60%ほど変化する。従って、この両極端に挟まれた範囲において車両燃料
の測定が必要である。伝統的には、CNG温度センサが用いられており、ガス密
度を計算し、「オンタイム」でインジェクタの調節を行っていた。これは確立さ
れた1つの方法であるが、いくつかの欠点を有している。その主たるものは、余
分のセンサを設けることによるコストの増加や、ECUの複雑さ、配線ハーネス
の複雑さ、余分のセンサポートを加工する煩わしさ、及びセンサを点検する必要
性等である。
【0033】 本発明は、このような欠点を、既存の装置に元々備わっているセンサ、すなわ
ち、エンジン冷却液用の温度センサを利用することによって解消している。既に
説明したように、優れた熱伝導性を有するCNG二段圧力レギュレータを用い、
エンジン冷却液をその中において高速に循環させることにより、CNGがこのレ
ギュレータを出るときには、CNGの温度がエンジンの冷却液温度に非常に近く
なるようにすることができる。このように加熱されたCNGは、レギュレータを
出た後は、気密に連結された気体噴射ブロックに供給される。連結ホースとこの
噴射ブロックは、求められる正確さに応じて断熱状態とされている。気体燃料が
既知の温度にある場合には、あらゆるエンジン温度及び天然ガス温度において、
正確な測定を行うことが可能である。気体燃料の計測の後、このガス燃料はエン
ジンに供給されるが、このときの温度は任意である。気体燃料の温度が低ければ
、押しのける空気の量は少なくなり、より多くのパワーが得られる。
【0034】 再び図3を参照して説明する。インジェクタの開放時間は、一連の算定方式に
より計算され、先ずは、ステップ68に示すように、MAP及びRPMを用いる
ことによって、2次元の体積効率テーブル(図示略)から初期値が導出される。
この値は、火花点火式エンジン10が閉ループシステム及びEGRを備えている
場合には、ステップ70で導出される酸素センサフィードバック制御を用いて修
正される。図7を参照して以下において説明するように、酸素センサフィードバ
ックは、ブロック学習アレイ(block learn arrays)から導出される。他の場合
には、ステップ70は省略される。
【0035】 ステップ72において、IAT及びECTに基づき空気密度修正テーブルが参
照され、空気密度修正ファクタが導出される。このファクタは、ステップ68及
びステップ70から得られたデータの積に掛け合わされる。続いて、この値は、
MAPの値と掛け合わされる。ステップ76では、ECU24の不揮発性メモリ
に記憶されたダイナミックレンジ変数(DRV)が読み出され、1から256の
範囲の数値である可変噴射率が決定される。通常、DRVは、1又は2のいずれ
かの値であり、気体燃料が供給される吸気パルスの数を決定する。既に説明した
ように、DRVは、幅広いダイナミックレンジを有するエンジンに適合するよう
に定められており、本発明のシステムを備えた火花点火式エンジン10の特性に
依存している。ステップ78において、ECT及び燃料ガス温度(GTS)に基
づき燃料温度修正テーブルから数値が導出されるが、通常は、上述した温度モデ
リングから導出されるものである。燃料温度修正テーブルから導出された変数は
、ステップ76で得られた積の値と掛け合わされる。ステップ80において、加
速増進量が、MAP、RPM及び、オプションとしてTPに基づき計算されるが
、これについては以下において図4を参照しつつより詳細に述べる。上記加速増
進量は、ステップ78で得られた積に加えられる。ステップ80で得られた合計
値は、燃料容積計算に送られる。この計算は、インジェクタモデル数を用いるこ
とにより関連するインジェクタ特性を導出するとともに、GTSに基づき、ステ
ップ68−80の計算結果を用いることでインジェクタ開放時間を計算する。こ
れら計算ステップは、ミリグラム単位で表された燃料の量を算出するものである
。異なるインジェクタは、異なる作動特性を有している。従って、インジェクタ
モデルに特有の算定方式は、上記インジェクタ開放時間の決定に用いることが好
ましい。気体燃料温度(GTS)はまた、燃料の圧力がインジェクタの開閉に寄
与する時間の長さをも決定する。従って、これら2つのファクタは、ステップ8
2においてミリ秒単位で表現されるインジェクタ開放時間の算出にも用いられる
。そして、インジェクタ開放時間は、バッテリ電圧(BV)を用いたステップ8
4において、1次元のバッテリ電圧テーブルから導出される修正ファクタによっ
て修正を受ける。このBVもまた、HSV26の開閉に要する時間長さの決定に
用いられる。従って、BVは、ステップ84で計測され、ミリ秒の単位で修正フ
ァクタを決定するのに使用される。この修正ファクタは、ステップ82において
計算されたインジェクタ開放時間に足し算される。ステップ82及び84の合計
により、ステップ86において最終的なインジェクタ開放時間が算出され、さら
にステップ88のインジェクタタイミング計算に送られる。インジェクタ開放タ
イミング計算は、上記インジェクタ開放時間と関連してMAP及びRPMを用い
ることにより、インジェクタ開放タイミングを決定する。インジェクタ開放タイ
ミング指令は、ステップ90においてインジェクタドライバに出力される。この
ドライバは、HSV26(図1参照)の開閉動作を制御している。
【0036】 次に図4を参照し、加速増進計算80についてより詳細に説明する。ステップ
92において、MAPを、最も新しいMAPと比較することにより、マニホール
ド絶対圧の変化率を表すΔMAPが算出される。ΔMAPは、ΔMAP調節ファ
クタを用いることにより修正される。このファクタは、ステップ92で計算され
たΔMAP変数を用いた1次元ΔMAPテーブルから導出されるものである。ス
テップ94で導出されたΔMAP調節ファクタは、ΔMAPと掛け合わされ、そ
の積は、ステップ96において、不揮発性RAMメモリに記憶された理想マニホー ルド容積と掛け合わされる。この理想マニホールド容積は、火花点火式エンジン
10のベンチ試験(bench testing)により得られた実験値である。理想マニホ ールド容積は、エンジンの「呼吸特性」に依存し、通常は、エンジン10の吸気
マニホールドの実際測定値よりも幾分小さいものである。ステップ96で得られ
た積は、ステップ98において、RPMを用いた1次元テーブルから導出された
エンジン速度スケーリングファクタ(scaling factor)と掛けあわされる。そし
てこの積は、ステップ100において、ΔMAPフィルタ係数を用いたデジタル
フィルタに通される。このΔMAPフィルタ係数は、2つの値から選択される。
すなわち、第1の係数は、ΔMAPが増加する際に用いられるものであり、第2
の係数は、ΔMAPが減少する際に用いられるものである。ガソリンエンジン1
0がスロットル位置センサを備えていない場合には、ステップ100の結果は、
図3を参照して既に説明したステップ80の計算において使用された加速増進フ
ァクタが直接出力されたものである。また、ガソリンエンジン10がスロットル
位置センサを備える場合には、スロットル位置(TP)は、ステップ104にお
いて、最も新しく読み込まれたスロットル位置と比較され、ΔTPが算出される
。この値は、スロットル位置の変化率を示すものである。ΔTPはΔTP調節フ
ァクタと掛け合わされる。この調節ファクタは、変数ΔTPを用いることにより
、ステップ105において、ΔTP調節テーブルから導出されたものである。ス
テップ105と104の積は、TPを用いた、ステップ106における加速増進
量から導出された加速増進ファクタに足し合わされる。この結果は、ステップ1
08において、エンジン速度スケーリングファクタと掛け合わされる。このスケ
ーリングファクタは、RPMを用いたエンジン速度スケーリングテーブルから導
出されたものである。ステップ108の積は、ステップ110においてデジタル
フィルタに通される。このフィルタは、ΔTPフィルタ係数112によって修正
される。ΔTPの増加あるいは減少に応じて、2つのフィルタ係数のうちの1つ
を用いることが好ましい。デジタルフィルタ100の出力は、デジタルフィルタ
100の出力に足し算される。この和は、図3を参照して既に説明した、ステッ
プ80の計算において用いられる加速増進ファクタを与えている。
【0037】 従来は、火花点火式エンジンを気体燃料用に転換する際には、全てのエンジン
速度において、パワー損失を避けることができなかった。気体燃料の性質上、空
気は燃料の体積分だけ排除されるが、これにより燃焼に必要な酸素の量が減少す
る。この排除の程度は10%ほどであるが、これはほぼ10%のパワー損失に対
応している。また、ガソリンエンジンの最大パワーは、余分の液体ガソリンがエ
ンジン内に供給されると増大する。燃焼のためには本来必要ではない、この余分
の燃料は、液体−気体の相変化により、吸入された空気を冷却するので、結果と
してチャージ密度(charge density)が増加する。この高密度の空気は、燃焼に
必要なより多くの酸素を含んでいるので、より大きなパワーが得られることにな
る。このような増進(enrichment)方法により、エンジンのトルクが大きくなる
。気体燃料は、吸気マニホールドにおいて、相変化を生じない。そのために、吸
入空気の冷却効果は得られず、よって理論的に必要とされるより多くの燃料を加
えても、パワーの向上にはつながらない。従って、気体燃料を用いた車両の運転
手は、通常、10から20%のパワー減少は受け入れなければならない。これに
対して、気体燃料への転換方式を採用した車両において、このようなパワー損失
の影響を避けようとするならば、より大きなエンジンを使用するか、あるいは数
値のより大きな駆動軸減速比を用いるか、又はこの両方を採用するしかないであ
ろう。大きなエンジンほどパワーは大きくなるが、通常の運転においては効率が
悪くなるし、一般に排気ガスによる汚染を助長することにもつながる。また、駆
動軸の減速比を大きくすると、所望の速度を出す際にエンジン速度を上げること
になるが、それには余分の燃料が必要となり、余分に大気を汚染する結果となる
【0038】 これらの欠点を解消するために、本発明は、最大エンジントルクが必要な場合
に、燃料を自動的にガソリンに切り替える手段を提供する。車両の操縦者が、ア
クセルをフルに踏んだ場合には、コンピュータ制御の自動切換が作動する。これ
により、燃料が多すぎたり、あるいは少なすぎたりする期間が生じないようにタ
イミングを調節している。操縦者がアクセルを踏む力を弱めるとすぐに、システ
ムは自動的に気体燃料に切り替わるが、この際にも、タイマーによる滑らかな状
態変化が得られるように構成されている。このような特徴は、車の運転手には意
識されず、余分なトルクよってのみ、あるいは、オプションとして計器板に設け
られたインジケータランプによってのみ知ることができる。通常の運転状況に置
いては、ガソリンは消費されない。しかしながら、追い越しや合流など、エンジ
ンのトルクの大きさが安全性の問題にかかわってくる場合には、十分なトルクが
いつでも得られるように構成されている。この特徴は、高いフローにおいて周期
的にガソリンシステムを「働かせる」ことにより、既存装置のガソリンインジェ
クタを「洗浄」することができるという副次的効果を有している。ガソリンによ
るパワー増強の制御は、2つの異なるレベルで達成しうる。すなわち、固有設定
モードと、運転手による選択が可能な「強制」モードである。後者は、好ましく
は車両の計器板に設けられるトグルスイッチ114(図1参照)を用いることに
より達成される。トグルスイッチ114は、出力ブースト可能位置と出力ブース
ト不能位置との間で切り換え可能であり、この操作は、ライン116を介してE
CU24によって検知される。このようにして、車両の運転手は駆動モードを選
択することができる。このような構成は、車両のガソリン給油システムに異常が
生じたり、ガソリンが無くなったり、あるいは、車両の運転手が上記特徴を必要
としないときなどに有用である。運転手が、トグルスイッチ114を出力ブース
ト可能位置にセットした場合には、ECU24が、自動的に液体及び気体燃料の
切り換えを行うので、運転手は、図5を参照して以下に述べるようなタイマーや
ルックアップテーブルを用いた入力作業を行う必要はない。
【0039】 図5は、ガソリンによる出力ブーストモードを開始及び終了するために用いら
れる論理シーケンスを示す論理図である。ステップ120において、ECU24
は、MAP又はTPを監視することにより、車両のスロットルが限界位置にある
か否かを決定する。スロットル位置センサ32は、ガソリン出力ブーストモード
を起動する必要はない。これは、マニホールド絶対圧により等価な効果が得られ
るからである。MAPが、ECU24の不揮発性メモリに記憶された所定の閾値
を越える場合、あるいは、スロットル位置センサ32により、スロットル34が
可動範囲の限界位置まで来ていると判断された場合には、ステップ122におい
てECU24が、図6を参照して以下に説明するように、リレーのスイッチを入
れることでガソリンモードが起動される。ガソリン出力ブーストモードの開始と
ともに、ECU24は、ステップ124において、不揮発性メモリに記憶された
スイッチ切換遅延時間を検索し、遅延時間が経過したか否かをステップ126に
おいて決定する。この遅延時間は、気体燃料からガソリンへのスムーズな切り替
わりを保証するためのものであり、スロットルボディへの最初のガソリン噴射と
、ガソリンが実際に吸気バルブに到着した時間との間の遅延を補償する。ステッ
プ126において、遅延時間が経過したと判断された場合には、HSV26に対
する信号を無効とし、ステップ128において、CNGの燃料供給を遮断する。
そして、プログラムが、TP又はMAPを監視することにより、ステップ130
において、スロットルが所定の過渡位置に戻ったか否かを決定する。この過渡位
置において、エンジン10は、気体燃料駆動状態に戻る。もし、スロットルが所
定の過渡位置にあるか、それよりも下方にある場合には、ステップ132におい
てガソリンモードは停止され、ステップ134において、ガソリンから気体燃料
への切換指令が、ECU24の不揮発性メモリから取り出される。ステップ13
4において検索された所定の切換遅延時間は、ガソリンから気体燃料モードへの
移行が排気エミッションを不当に増加させないように、予め設定されている。ス
テップ136において、所定の遅延時間が経過したと判断された場合には、HS
V26に対する制御信号は、ECU24によって再び有効とされ、ステップ13
8において、CNGの噴射が再開される。ECU24は、常にTP又はMAPを
監視することにより、ステップ120において、スロットルが所定の限界位置に
あるか否かを決定する。スロットルが所定の限界位置になく、且つ、ステップ1
40においてCNGモードが有効であると判断された場合には、ECU24は、
ステップ120の周期的な監視ルーチンに戻る。
【0040】 図6は、固体スイッチを示す概略図である。これらスイッチは、ECU24に
よって操作されることにより、気体燃料モードとガソリンモードとの間における
点火タイミング目盛り(calibration)の切り換えを行う。ここでは2つの固体 スイッチ142、144が使用されている。固体スイッチ142は、燃料モード
信号によって制御されており、この信号は各瞬間においてエンジンに供給される
燃料に対応する。燃料モード信号が気体燃料の使用を示す場合には、固体スイッ
チが切り換えられて、気体燃料タイミング信号がガソリンエンジン10の点火モ
ジュール18に供給される。一方、燃料モード信号がガソリンが使用されている
ことを示す場合には、固体スイッチ142が切り換えられて、ガソリンタイミン
グ信号を点火モジュール18に供給する。始動時などの所定の状況下において、
あるいは、異常な状況下において、通常の電子点火タイミングをバイパスし、且
つ、ディストリビュータタイミング信号を直接、点火モジュールに導くように、
OEM電子制御ユニットがプログラミングされている場合には、火花点火式エン
ジン10の既存装置の制御ユニットは、点火バイパスタイミング信号を発し、こ
の信号により、当分野において周知の態様で点火モジュール18がバイパスタイ
ミングに切り換わる。この場合、点火ロード(ignition load)を疑似的に発生 (simulate)させて、既存装置のエンジン制御ユニットに通常どおりエンジンを
制御しているものと認識させ、不必要な異常警告が発せられないようにする必要
がある。このような場合、ガソリンバイパスタイミング信号により固体スイッチ
144が切り換えられ、抵抗146により発生したロードがガソリンタイミング
信号ラインに印加される。正常な状況下では、ガソリンバイパスタイミング信号
は高位で駆動され、疑似発生ロードはガソリンタイミング信号ラインには印加さ
れない。
【0041】 コンピュータ制御によるストイキ(stoichiometric)燃料噴射システムは、「
ブロック学習」と呼ばれる技術を利用する。これによれば、エンジンへの燃料供
給が継続的に監視、修正及び学習される。排気マニホールドに設けられた酸素セ
ンサからの信号に基づき、ブロック学習を利用することで、空燃比が正確にスト
イキの状態に保たれる。このため、三元触媒コンバータによって、一酸化炭素や
、炭化水素、及び窒素酸化物を同時に低減することができる。触媒を効率良く機
能させるためには、燃料制御を極めて正確に行う必要がある。ブロック学習によ
れば、燃料の組成や、エンジンの磨耗、燃料システムの磨耗、キャリブレーショ
ンのシフト、あるいは大気の状態などに対する補償を自動的に行うことができる
。エンジンの動作レンジを、エンジン速度及びMAPによって規定される複数の
ブロック又はセルに分割する。エンジン機能に関するデータの全てが、ルックア
ップテーブルに注意深く写し取られている場合には、上述のシステムは、既存装
置を備えた車両上で良好に作動する。本発明に基づくECU24は、ブロック学
習マップを備えることが可能であり、また好ましくもある。同マップの機能は、
当技術分野において周知である。しかしながら、既存装置のエンジンコントロー
ラは、排ガス再循環(EGR)を、様々な状況下においてオンオフ駆動しうる。
これによるECU24の負担は相当なものであるが、これは、燃料要求量が、E
GRが無いときの同じ入口マニホールド状況に比較して、5から20%の範囲で
減少することに起因する。このような状況の変化に対する補償がなされていない
と、エンジンは、ブロック学習システムが修正するまでは燃料がリッチの状態で
作動する。これには数秒の時間が必要とされ、その間に、エンジンの出力、エミ
ッション、及び効率は著しく悪化する。既存装置のエンジンコントローラがどの
時点においてEGRをオンあるいはオフするかを予測することは、不可能ではな
いにしても困難である。従って、既存装置において行われているように、あらゆ
る状況において正確なEGR流速をテーブル化し、それらの補償を試みることは
現実的ではない。同一のブロック学習セルにおいて作動しているときにもEGR
はオンあるいはオフに切り換えられる場合があり得るので、ドライバビリティが
悪いとき(サージや息つきの発生)や、燃料経済性やエミッションが悪いとき、
及びエンジン出力が一定しないときなどには、多くの転換システムは既存装置の
EGRシステムの接続を切るように構成されている。その結果、EGRによる十
分なエミッション及び効率の良さが犠牲となる。また、ガソリンモードで作動し
ている場合には、既存装置のエンジンコントローラを混乱させることにもなる。
【0042】 本発明は、上記問題点を二重ブロック学習アレイ(dual block learn array)に
より解決している。第1のブロック学習アレイと第2のブロック学習アレイがそ
れぞれ不揮発RAMに保存されている。第1のブロック学習アレイは、64個の
セル又はブロックで構成されており、エンジン動作マップを分割している。この
第1のアレイは、ECU24への入力がEGRオンであることを示している場合
に用いられる。第1のアレイは、高解像度ブロック学習アレイであり、エミッシ
ョンの重要性が高い繊細な動作レンジにおいてエンジン動作を木目細かく制御す
ることができる。EGRがアクティブでない場合、ECU24は、32−セルの
第2のブロック学習アレイに切換える。第2のブロック学習アレイは解像度が粗
く、RAMを節約できる。しかしながら、必要に応じて、第2のブロック学習ア
レイの解像度を高めても良い。EGR弁が開放又は閉鎖するに際し、ECU24
はブロック学習アレイを自動的に切換えるので、リーン(燃料不足)又はリッチ
(燃料過剰)状態の燃料供給を回避することができる。種々な条件下で車両を走
行させた後には、両アレイのブロックは「教え」られ、当該技術分野で周知の方
法にて、EGR動作及び非EGR動作の双方について修正値が記憶され、絶えず
更新(アップデート)される。
【0043】 図7は、与えられた任意の時点において、ブロック学習アレイ1又は2の何れ
を用いるかを決定するロジックを示すフロー図である。ステップ142では、E
CU24がEGRオンであるか否かを判定する。もし、EGRオンでないと、E
CU24は、ステップ144において、ガソリンモードがオンであるかどうかを
判定する。ガソリンモードがオンであると、既存装置のコントローラがガソリン
モードで独自のブロック学習アレイを用いて作動しているので、ECU24はス
テップ142に戻る。ステップ144で、ガソリンモードがオンでないと判定さ
れると、ECU24はステップ146にてブロック学習アレイ2を使用する。ス
テップ142において、ECU24はEGRオンであると判定すると、ステップ
148において、ガソリンモードがオンかどうかを判定する。もし、EGRオン
でガソリンモードがオンでないと、ECU24は、ステップ150において、ブ
ロック学習アレイ1を使用する。このように、EGR専用のブロック学習アレイ
と非EGR専用のブロック学習アレイとを用いることにより、ECU24は燃料
効率を最大化し、排気エミッションを最小化することができる。
【0044】 ブロック学習アレイのフィードバックは、図3において既に説明した演算のス
テップ70にて、インジェクタ開放時間を計算する際に導入される。
【0045】 上記においては、EGRを備えた閉鎖ループ型電子燃料噴射の火花点火式エン
ジンについて本発明を説明したが、本発明は、閉鎖ループ型キャブレータ方式の
エンジン、開放ループ型キャブレータ方式のエンジン、直墳方式のエンジンにも
同様に適用できる。上述した実施例は、単に例示的なものにすぎず、本発明の範
囲を限定するものではない。
【0046】
【産業上の利用可能性】
本発明は、ガソリンのような液体燃料により動作するように設計・装備された
火花点火式エンジンにおいて気体燃料を利用するための電子コントローラを備え
る変換システムを提供する。変換システムは、火花点火式エンジンの製造中又は
製造後に取付けることができ、主たる燃料として、豊富にあり且つクリーンに燃
焼する気体燃料を用いることを許容する。気体燃料が用いられている期間中、コ
ントローラは、燃料の効率的な燃焼に特に適合した独自の点火信号を生成する。
気体燃料のための点火信号の生成は、種々なエンジン条件をモニタする複数のセ
ンサからの入力によって支配される。
【0047】 汚染物質の放出を最小限化し且つ駆動コマンドに対するエンジン応答性を最大
限化するために、コントローラは、二重ブロック学習アレイを有している。既存
装置のコントローラがEGRを起動させている場合に第1のブロック学習アレイ
を用いて、点火タイミングと燃料供給を制御する。EGRが非作動の場合には、
第2のブロック学習アレイが用いられる。
【0048】 さらに、コントローラは、高いエンジン出力への要求が明らかに場合、エンジ
ン制御を既存装置のコントローラに委ねる。これにより、例えば迅速な加速が必
要な場合などにガソリン燃料を用いて対応できる。通常走行に復帰すると、コン
トローラは自動的にエンジン制御を再開して、気体燃料の使用に復帰する。
【0049】 従って、本発明は、エンジン性能や汚染コントロールを犠牲にすることなく、
気体燃料を主燃料として動作するようにガソリン火花点火式エンジンを転換する
効率的なシステムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るコントローラを備えた閉鎖ループ型ガソリンエンジンの概略構成
図である。
【図2A】 センサ入力及び本発明に従い点火タイミングシーケンスとコイルドウェル時間
を算出するための作業手順を示すブロック図である。
【図2B】 エンジン位置センサにより生成された信号軌跡及び本発明に係る電子コントロ
ーラにより生成された点火信号を示す図である。
【図3】 センサ入力及び本発明に係る電子コントローラにおいて気体燃料インジェクタ
の解放時間とインジェクタの解放タイミング制御信号を生成する手順を示すブロ
ック図である。
【図4】 図3の演算シーケンスで用いられる加速力増加ファクタの演算手順を示すブロ
ック図である。
【図5】 本発明に係る電子コントローラにおいて、ガソリンによる出力ブーストの起動
時期の決定と、ガソリンによる出力ブーストへの遷移と出力ブーストからの復帰
の制御を行うロジックを示すフロー図である。
【図6】 本発明に係る転換システムにおいて点火タイミング信号を制御する回路構成を
示す概略図である。
【図7】 本発明による二重アレイブロック学習の制御に使用するロジックを示すフロー
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 41/04 330 F02D 41/04 330P 41/32 41/32 D 41/34 41/34 L 41/40 41/40 N 43/00 301 43/00 301G 301B 45/00 364 45/00 364G F02M 21/02 F02M 21/02 S 25/07 550 25/07 550F 550G 550R 31/10 31/10 A F02P 5/15 F02P 5/15 G (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,E E,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HR,HU ,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,V N,YU,ZW Fターム(参考) 3G022 AA01 AA03 AA10 BA01 CA01 CA04 FA05 FA06 FB19 GA01 GA05 GA07 GA09 GA11 GA12 GA18 3G062 AA03 BA02 BA04 BA05 BA08 CA01 CA04 EA10 GA00 GA02 GA04 GA06 GA08 GA12 GA21 GA26 3G084 AA03 AA05 BA01 BA09 BA13 BA14 BA17 CA01 CA04 DA01 DA05 DA10 EA02 EA11 EB09 EB11 EB16 EB17 FA02 FA03 FA10 FA11 FA17 FA20 FA29 FA32 FA33 FA37 3G092 AA01 AA06 AA13 AA17 AB02 AB08 AB12 BA05 BA08 BB01 BB06 BB08 BB10 BB12 CB05 DE01S DE09S EA05 EA06 EA08 EA09 EA11 EA16 EA17 EC01 EC05 EC10 FA01 FA03 FA15 GA01 GA12 HA04Z HA05Z HA06Z HA07Z HB02Z HB03Z HB04Z HC09X HD05Z HD07Z HE01Z HE06X HE06Z HE08Z HF02Z HF08Z HG10Z 3G301 HA01 HA04 HA06 HA13 HA22 HA24 JA01 JA03 JA21 KA01 KA12 LB01 LB06 MA01 MA11 MA18 MA24 MA27 NA06 NA08 NC04 ND01 ND21 NE13 NE14 NE22 NE23 PA07Z PA10Z PA11Z PA12Z PB01Z PB05Z PB08Z PD02Z PD15Z PE01Z PE06A PE06Z PE08Z PE09A PF03Z PG01Z 【要約の続き】 し、排気エミッションを最小化できることである。

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気体燃料(38)で作動する火花点火式エンジンの動作を制
    御するための電子コントローラ(24)であって、同電子コントローラは、所定
    のエンジン動作条件を検知するための複数のセンサからの信号を受け、前記火花
    点火式エンジンへの吸気流に気体燃料を供給するべく、前記センサからの信号の
    少なくとも1つに応答して燃料噴射信号を発生させるように構成されており、さ
    らに前記電子コントローラからの燃料噴射信号は、前記センサからの信号の少な
    くとも1つに応答して、前記火花点火式エンジンへの吸気流に気体燃料を噴射す
    る少なくとも1つの気体燃料インジェクタを制御するための、既存装置の燃料噴
    射信号から独立したパルス幅変調燃料噴射信号であり、 前記電子コントローラ(24)は、前記既存装置におけるガソリン燃料用
    のエンジン点火タイミング信号から独立して、エンジン点火タイミング信号の制
    御を完全に掌り、エンジン点火タイミング信号の発生に際しては、上死点から次
    回点火までの間隔(A)を求めるために相互に関連づけられたルックアップテー
    ブル(56、58、60)を利用するとともに、コイルドウェル期間(C)を求
    めるためにルックアップテーブル(62)を利用して、このコイルドウェル期間
    を上記間隔(A)から減じることによりプレドウェル期間(B)を求めるように
    構成されていることを特徴とする、電子コントローラ(24)。
  2. 【請求項2】 前記パルス幅変調燃料噴射信号は、エンジンのダイナミック
    レンジに応じて、1回の燃料噴射当たり2つ以上のシリンダに気体燃料(38)
    を供給するようになっている、請求項1に記載の電子コントローラ(24)。
  3. 【請求項3】 1回の噴射で気体燃料が供給されるシリンダの個数は、 マニホールド絶対圧、 エンジン冷却剤温度、 エンジン回転速度、 バッテリ電圧、 入口空気温度、及び スロットル位置、 のうちの少なくとも1つにより決定される、請求項2に記載の電子コントローラ
    (24)。
  4. 【請求項4】 最大エンジントルクが要求された場合に、気体燃料(38)
    による動作からガソリン(14)による動作に自動的に切換えるように構成され
    ている、請求項1に記載の電子コントローラ(24)。
  5. 【請求項5】 最大エンジントルクが要求されているか否かは、マニホール
    ド絶対圧をモニタすることにより判定される、請求項4に記載の電子コントロー
    ラ(24)。
  6. 【請求項6】 ガソリン(14)による動作への切換えは、マニホールド絶
    対圧が、火花点火式エンジンのスロットル(34)が最大スロットル位置にある
    ことを示す所定値を超えた場合に行われるように構成されている、請求項5に記
    載の電子コントローラ(24)。
  7. 【請求項7】 最大エンジントルクが要求されているか否かは、火花点火式
    エンジン(10)のスロットル(34)のスロットル位置をモニタすることによ
    り判定される、請求項4に記載の電子コントローラ(24)。
  8. 【請求項8】 ガソリン(14)による動作への切換えは、マニホールド絶
    対圧が、火花点火式エンジンのスロットル(34)が最大スロットル位置にある
    場合に行われるように構成されている、請求項7に記載の電子コントローラ(2
    4)。
  9. 【請求項9】 ガソリンによる動作への切換えが行われた場合に、エンジン
    動作制御を既存装置のエンジンコントローラに全面的に任せるように構成されて
    いる、請求項4に記載の電子コントローラ(24)。
  10. 【請求項10】 エンジン動作制御を既存装置のエンジンコントローラに任
    せ、その既存装置のエンジンコントローラがガソリン燃料噴射を開始した後の所
    定時間経過後に、パルス幅変調気体燃料噴射信号の供給を停止するように構成さ
    れている、請求項9に記載の電子コントローラ(24)。
  11. 【請求項11】 スロットル(34)位置が最大スロットル位置より少なく
    とも手前の所定位置まで戻った場合に、エンジン制御を再開するように構成され
    ている、請求項7に記載の電子コントローラ(24)。
  12. 【請求項12】 エンジン(10)制御の再開後において、気体燃料がエン
    ジン内に噴射される前に、最後に噴射されたガソリン(18)を確実に燃焼させ
    るべく、火花点火式エンジン(10)の吸気流への気体燃料(38)の噴射を再
    開するためのパルス幅変調燃料噴射信号を供給する前に所定の待ち時間を設ける
    ように構成されている、請求項11に記載の電子コントローラ(24)。
  13. 【請求項13】 既存装置からの燃料噴射信号から独立したパルス幅変調燃
    料噴射信号を発生させるための手段は、少なくとも入力としての、 (a)マニホールド絶対圧及びエンジン回転速度を用いたテーブル(68
    )検索に基づく体積効率計算、 (b)排気酸素センサ(22)からの出力(70)及び排気ガス循環入力
    信号を利用した二重アレイブロック学習からのフィードバック制御、 (c)吸気温度及びエンジン冷却剤温度を利用したテーブル(72)検索
    により導かれる空気密度修正ファクタ、 (d)火花点火式エンジン用の所定のダイナミックレンジ変数に基づく可
    変噴射率、 (e)エンジン冷却剤温度又は気体燃料温度及び火花点火式エンジン用の
    気体燃料供給率を利用したテーブル(72)検索に基づく燃料温度修正値、 (f)スロットル位置変化率又はマニホールド絶対圧、 に基づく計算を利用して、気体燃料噴射ドライバを制御するための信号を出力す
    るアルゴリズムである、請求項1に記載の電子コントローラ(24)。
  14. 【請求項14】 前記アルゴリズムは、インジェクタ開放時間信号(86)
    とインジェクタドライバ回路へのインジェクタ開放タイミング信号(88)との
    発生を制御し、前記インジェクタドライバ回路は、気体燃料インジェクタがイン
    ジェクタ開放タイミング信号に従って開放し、且つ、インジェクタ開放時間信号
    によって決定される時間だけその開放状態が維持され火花点火式エンジンの吸気
    流への気体燃料(38)の噴射が行われるように、前記気体燃料インジェクタを
    制御するように構成されている、請求項13に記載の電子コントローラ(24)
  15. 【請求項15】 前記エンジン火花点火信号は、上死点〜次回点火時間(A
    )を要素として含んでおり、これは吸気温度、エンジン冷却剤温度、マニホール
    ド絶対圧及びエンジン回転速度を用いて計算され、前記コイルドウェル時間は、
    バッテリ電圧、エンジン回転速度及びマニホールド絶対圧を用いて計算される、
    請求項1に記載の電子コントローラ(24)。
  16. 【請求項16】 前記コイルドウェル時間(C)を前記点火時間(A)から
    減じることにより遅延時間(B)が計算され、この遅延時間を用いて直前先行す
    る前記点火時間経過後のいつコイルドウェル時間が開始すべきかを決定する、請
    求項15に記載の電子コントローラ(24)。
  17. 【請求項17】 電子コントローラにより固体スイッチ(142)が制御さ
    れ、この固体スイッチを用いてエンジン点火システムの制御を電子コントローラ
    から既存装置のエンジンコントローラへの切換えと、その逆の切換えを行うよう
    に構成した、請求項1に記載の電子コントローラ(24)。
  18. 【請求項18】 エンジンが気体燃料(38)で動作している場合に既存装
    置の点火システムに疑似負荷(146)を投入するための第2の固体スイッチ(
    144)が設けられており、それにより既存装置のコントローラは点火バイパス
    タイミングモードに切換り、前記疑似負荷により既存装置のエンジンコントロー
    ラはバイパスタイミング命令に応答する燃料点火システムとして作用するように
    なっている、請求項17に記載の電子コントローラ(24)。
  19. 【請求項19】 電子コントローラは、第1及び第2ブロック学習アレイ(
    1、2)を含んでおり、これらは気体燃料(38)モードにおけるエンジン(1
    0)動作中に書き込み及びアップデートが行われる複数のブロック学習セルをそ
    れぞれ含んでおり、電子コントローラは、ガソリン式内燃エンジンにおける既存
    装置のコントローラにより排気ガスが再循環されていることを示す信号を受けた
    場合に両ブロック学習アレイの一方を利用し、排気ガスの再循環が行われていな
    いことを示す信号の場合には両ブロック学習アレイの他方を利用するように構成
    さえている、請求項1に記載の電子コントローラ(24)。
  20. 【請求項20】 火花点火式エンジンを気体燃料で動作するように転換する
    ための転換システムであって、 火花点火式エンジンにおける点火火花の発生を制御するための点火タイミ
    ング信号を供給するとともに、前記エンジンに気体燃料(38)を供給するため
    のパルス幅変調燃料噴射信号を発生させる電子コントローラ(24)と、 点火火花によって燃焼させるべく前記気体燃料(38)を前記火花点火式
    エンジンに噴射するための少なくとも1つの通常閉鎖型の高速二方式燃料噴射ソ
    レノイド弁(26)と、 前記高速燃料噴射弁に制御された圧力で気体燃料を供給するための低ドル
    ープ気体燃料圧力レギュレータ(40)と、を具備する、転換システム。
  21. 【請求項21】 前記気体燃料圧力レギュレータ(40)は、二段式・高速
    ・低圧力ドロップ・低クリープ型圧力レギュレータであって、その本体内に前記
    火花点火式エンジンからの加熱流体の循環を許容する温度制御流体通路を備えて
    おり、これにより加熱流体から気体燃料(38)に熱を伝達して、圧力制御の際
    に気体燃料が膨張することによる熱損失を補うようにしている、請求項20に記
    載の転換システム。
  22. 【請求項22】 前記加熱流体がエンジン冷却流体である、請求項21に記
    載の転換システム。
  23. 【請求項23】 前記加熱流体がエンジン潤滑油である、請求項21に記載
    の転換システム。
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