JP2001358916A - 画像読取装置 - Google Patents

画像読取装置

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JP2001358916A
JP2001358916A JP2000179689A JP2000179689A JP2001358916A JP 2001358916 A JP2001358916 A JP 2001358916A JP 2000179689 A JP2000179689 A JP 2000179689A JP 2000179689 A JP2000179689 A JP 2000179689A JP 2001358916 A JP2001358916 A JP 2001358916A
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Yoshiya Imoto
善弥 伊本
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボールと2つのロータリーエンコーダを組み
合わせた従来型の移動量検出装置を画像読取系と共に同
一筐体内に収納すると装置が大型化する。 【解決手段】 原稿照明用LED15a〜15d、ダイ
クロイックミラー16、結像レンズ17およびCCDエ
リアセンサ18からなる読取光学系19と、移動量検出
用の強指向性LED20、結像レンズ21および小規模
エリアセンサ22からなる移動量検出装置23とを同一
の装置筐体11内に収納し、本画像読取装置に画像読取
機能と移動量検出機能の2つの機能を持たせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エリア型イメージ
センサを使用して原稿中の所望領域の画像情報を選択的
に読み取る画像読取装置に関し、特に画面上の座標位置
を入力するポインティングデバイスの一つであるマウス
の機能を兼ね備えたいわゆるマウス兼用型画像読取装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】原稿全体を読み取るタイプの画像読取装
置に対して、小型で原稿画像中の必要な部分のみを読み
取るタイプの画像読取装置がある。このタイプの画像読
取装置に使用されるイメージセンサとしては、リニア型
イメージセンサ(以下、リニアセンサと略称する)を使
用するものが主流であったが、原稿上の読取部分を手走
査で装置本体を動かしていくことから走査ムラが発生
し、画像が歪む問題があった。
【0003】一方、画像中の必要な部分のみを読み取る
画像読取装置の用途として、2次元バーコードなどの原
稿中の情報パターンを読み取る用途がある。しかし、こ
の用途において上記画像歪みが発生すると、パターンの
認識精度が悪くなる。このため、原稿を精度良く手走査
するための習熟が使用者に要求されることになり、結果
として、使い勝手が悪いものとなる。
【0004】こうした問題を考えると、情報パターンを
読み取る用途では、エリア型イメージセンサ(以下、エ
リアセンサと略称する)を使用して全画面をワンショッ
トで取り込むことが望ましいが、リニアセンサを使用し
た方式に比べて、原稿面が広いことから、光学系が大き
くなる問題がある。
【0005】ところで、2次元バーコードなどの情報パ
ターンを読み取る用途の画像読取装置を、実際にPC
(パーソナルコンピュータ)にその周辺機器として装備
しようとすると、どうしても、デスク上のスペースを多
く占有してしまうという問題が生じる。また、周辺機器
としてのマウスの形状・グリップ感は人間工学的に良く
考えられたものであり、コードリーダとしてもこうした
形状が望ましい。
【0006】ところが、似通った形状の2つの周辺機器
(マウス/コードリーダ)をPCに装備した場合、マウ
スを操作するつもりでコードリーダを操作してしまうな
ど、操作時に混乱が生じ易い。さらに、モバイルでパー
ソナルコンピュータを使用する場合、周辺機器も携帯に
適したものが望ましいが、装置が2つになることや装置
が大型化することは、こうしたモバイル志向の流れに逆
行することになる。
【0007】このような観点から考えると、画像読取装
置とマウス装置とを一体化し、なおかつ、大型化しない
ことが望ましい。このように、画像読取装置とマウス装
置とを一体にするという提案は、これまでにもいくつか
なされている。具体的には、リニアセンサを使った読取
装置とマウスとを一つの筐体に収納し、マウスの位置検
出機能を兼用して手送り式リニアセンサ読取装置の読取
位置を検出するようにしたポインティングデバイス兼用
画像入力装置(特開昭61−134830号公報参照)
がある。
【0008】さらには、マウス機能とリニアセンサを使
った画像読取機能とを備え、これら機能を切り換える構
成の複数機能を有する入力装置(特開昭63−3186
25号公報参照)や、プリンタ機能やリニアセンサを使
った画像読取機能を有する構成のマウス(特開平2−2
10523号公報参照)や、マウスに読取部をつけ、位
置検出機能と連動させて原稿画像を走査し、大きな画像
に合成する構成の光学的読取機能を備えたマウス装置
(特開平11−7356号公報参照)などが知られてい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の従来技術はいずれも、イメージセンサとしてリニアセ
ンサを使用し、マウスを動かしながら大きな範囲の画像
を読み込むことを狙ったものであり、原稿の限られた範
囲内のコード情報を狙って読み込むことを目的としたも
のではない。
【0010】また、ボールとエンコーダによって位置検
出を行うマウス内部に、CCD(Charge Coupled Devic
e)型エリアセンサ(CCDエリアセンサ)とレンズを組
み込んで、指紋の読み取りを行う構成の装置も提案され
ている(特開平11−203041号公報参照)。しか
しながら、当該公報には、読取面傾斜に起因する像面傾
斜の問題など光学的な記述がないことから、現実性に乏
しい。
【0011】しかも、図面上、光路の折り返しがないこ
とから、物体面から結像面までの光路長が短いなどの光
学寸法から判断すると、せいぜい10mm以下の範囲の
画像読み取りが行える程度のものであり、ある程度の大
きさを持った2次元バーコードなどの情報パターンを読
み取る装置には向いていない。
【0012】ここで、装置を原稿に密着させてコード情
報を読み取るためのエリアセンサを含む読取光学系を、
マウス筐体内に収納する場合の構成について考える。
【0013】グラフィックス表示規格の一つ、VGA
(640画素×480画素)サイズを600dpi(dot
per inch)で読み取る読取光学系を構成するには、原稿
部からセンサ部までのサイズとして、約30×20×6
0mmの光学系を折りたたむだけのスペースが必要であ
り、ミラー1枚で折り返すとしてセンサ基板まで含める
と、幅30×高さ30×奥行き70mm程度の体積をと
ることになる。
【0014】一方、図26に示すように、ボール101
と2つのロータリーエンコーダ102,103を組み合
わせた従来型の移動量検出装置は、45×45×20m
m〜50×50×25mm程度の体積が必要となる。な
お、図26において、ボール101は、ローラ104,
105に対してスプリングローラ106の押圧力によっ
て圧接し、ローラ104,105は回転軸107,10
8を介してロータリーエンコーダ102,103に結合
した状態にある。
【0015】上述した読取光学系および従来型の移動量
検出装置に加えて、読取後の信号処理をなす信号処理
系、原稿を照明する照明手段、マウスクリックボタンに
対応するスイッチ等もマウス筐体内に収納することにな
る。しかしながら、これらを全て通常サイズのマウス筐
体内に収納することは不可能であり、マウス筐体のサイ
ズを大きくせざるを得ない。その結果、装置が大型化
し、携帯PCと組み合わせてモバイル用途で使いたい、
という要望とかけ離れたものとなってしまう。
【0016】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、簡単な構成にて必要
な読取位置の画像を正確に読み取ることができるととも
に、ポインティングデバイスとしての機能をも兼ね備
え、小型で携帯使用に適した画像読取装置を提供するこ
とにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明による画像読取装
置は、装置筐体内に収納され、原稿中の所望の領域の画
像を光学的に読み取る読取手段と、この読取手段と共に
装置筐体内に収納され、当該装置筐体の動きに関連する
情報を光学的に検出する検出手段とを備える構成となっ
ている。
【0018】上記構成の画像読取装置において、読取手
段および検出手段が同じ装置筐体内に収納されること
で、本装置は原稿画像を読み取る機能と装置筐体の動き
に関連する情報を検出する機能との2つの機能を持つこ
とになる。特に、検出手段が光学的に検出する構成であ
るため、装置が大型化することもない。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0020】[第1実施形態]図1は、本発明の第1実
施形態に係る画像読取装置の構成の概略を示す内部構成
図である。図2はその筐体の上面図である。
【0021】図1および図2において、装置筐体11は
その上部が手のひらにフィットし易いように湾曲した形
状をなしており、その前部には2つの操作ボタン12
a,12bを備えている。これら操作ボタン12a,1
2bは、PC使用者によるクリック操作によってその操
作情報を入力するために設けられたものであり、光透過
性を有している。
【0022】そして、装置筐体11内に不要な外乱光の
赤色成分が入るのを防ぐために、操作ボタン12a,1
2bは、図3に示すように、600nm以上の波長成分
を吸収するサイアン色の分光特性を持っている。なお、
以下の説明では、光透過性を有する操作ボタン12a,
12bを、透明な操作ボタン12a,12bと略称する
ものとする。
【0023】装置筐体11内において、その底面には、
操作ボタン12a,12bの下方位置に原稿13の読取
エリアを画定する読取窓14が形成されている。また、
この読取窓14を通して原稿13の読取エリアを照明す
るための照明手段として、例えば赤色のLED(発光ダ
イオード)15a〜15dが読取窓14の4隅の上方に
1個ずつ配置されている。
【0024】この原稿照明用LED15a〜15dとし
ては、ピーク波長が660nm程度のものが用いられ
る。図4に、原稿照明用LED15a〜15dの分光特
性を示す。そして、これらLED15a〜15dは、読
取窓14を通して原稿13に対して例えば21×28m
mサイズのエリア全体を照明する。
【0025】また、読取窓14の上方にはダイクロイッ
クミラー(2色性ミラー)16が、装置筐体11の底面
に対して傾斜した状態で設けられている。このダイクロ
イックミラー16は、図5の特性図に示すように、波長
が600nm以上の光を反射し、それを下回る光につい
ては透過するような分光特性を持っている。図5の特性
図において、破線が反射率を、実線が透過率をそれぞれ
示している。
【0026】これにより、ダイクロイックミラー16
は、原稿13の状態を観察するための光路と原稿13の
画像を読み取るための光路とを分ける作用をなす。すな
わち、透明な操作ボタン12a,12bを透して入射し
た光のうち、波長が600nmを下回る光については、
ダイクロイックミラー16を透してさらに装置筐体11
の内部に入射できる。
【0027】このように、波長が600nmを下回る光
が装置筐体11の外部からダイクロイックミラー16を
透して原稿13を照射し、さらに原稿13で反射された
光のうち波長が600nmを下回る光がダイクロイック
ミラー16を透過することにより、装置筐体11の外部
から操作ボタン12a,12bを透して原稿13の状
態、例えば読取位置を確認できる。すなわち、透明な操
作ボタン12a,12bは、原稿13の読取位置を確認
する覗き窓としての機能をも持つことになる。
【0028】装置筐体11内にはさらに、結像レンズ1
7およびCCDエリアセンサ18がダイクロイックミラ
ー16の右側に配置されている。この結像レンズ17お
よびCCDエリアセンサ18は、ダイクロイックミラー
16側からその順番で底面に対して光軸がほぼ平行にな
るように配されている。
【0029】ダイクロイックミラー16は、先述したよ
うに、600nm以上の波長の光を反射する特性を持っ
ていることから、原稿照明用LED15a〜15dで発
光されるピーク波長が660nm程度の照明光に基づい
て、原稿13の読取エリアから反射される読取光(反射
光)をさらに、結像レンズ17およびCCDエリアセン
サ18の方向に反射する。
【0030】結像レンズ17は、ダイクロイックミラー
16で反射された読取光を、CCDエリアセンサ18の
撮像面上に結像する。CCDエリアセンサ18は、結像
レンズ17によって結像された原稿像を画素単位で光電
変換し、アナログ画像信号として出力する。このCCD
エリアセンサ18としては、例えば、数百画素×数百画
素で、毎秒30フレームのスペックのものが用いられ
る。
【0031】上述した原稿照明用LED15a〜15
d、ダイクロイックミラー16、結像レンズ17および
CCDエリアセンサ18により、原稿13の画像情報、
例えばコード情報を読み取る読取光学系19が構成され
ている。そして、透明な操作ボタン12a,12bを透
して原稿13の状態を観察するための光路と読取光学系
19の光路とがダイクロイックミラー16によって分け
られることにより、外乱光の影響による読取条件の変動
を最小限に抑えることができるため、原稿画像の読み取
りを安定して行えるとともに、読取位置を確実に確認で
きる。
【0032】装置筐体11内において、その後部には、
強指向性LED20、結像レンズ21および小規模イメ
ージセンサ22からなり、装置筐体11の動きに関連す
る情報、例えば原稿上の移動量(移動方向を含む)を検
出する移動量検出装置23が設けられている。なお、移
動量検出装置23には、上記の構成要素の外に、後述す
る演算処理を行うCPU等を含む演算回路も含まれるも
のとする。強指向性LED20は、原稿13に対して孔
24を通して直径4mm程度のエリアを部分的に照明す
る。この照明光に基づく原稿13からの反射光は、移動
量検出窓25を通して結像レンズ21に入射し、この結
像レンズ21によって小規模イメージセンサ22の撮像
面上に結像される。
【0033】上記構成の移動量検出装置23は、小規模
イメージセンサ22で原稿13からの情報を読み取って
その相関演算から装置本体の移動量を検出する。小規模
イメージセンサ22は、例えば36画素×36画素の画
素数を有し、3mm程度の読取範囲を12dot/mm
の解像度で情報を読み取る。このような画素数を設定し
た理由については後述する。結像レンズ21の共役長と
しては8mm程度で十分である。したがって、装置筐体
11内で大きなスペースをとることはない。
【0034】図6は、第1実施形態に係る画像読取装置
の電気系の構成を示すブロック図であり、図中、図1と
同等部分には同一符号を付して示している。
【0035】図6において、マウスのクリックボタンの
機能を持つ操作ボタン12a,12bの操作信号は、本
装置内のCPU31に送られる。CPU31は、USB
(Universal Serial Bus)ドライバ32を介してPC本体
との間で情報のやり取りを行い、画像読取モード(コー
ド情報読取モード)と移動量検出モードとを切り換え
る。この動作モードの切り換えに応じて、CPU31
は、原稿照明用(コード情報読取用)のLED15a〜
15dまたは移動量検出照明用のLED20を駆動す
る。
【0036】また、各動作モードに対応して設けられた
2つのイメージセンサ18,22に対してそれぞれアン
プ34,37およびA/D変換器35,38が設けられ
ている。これらアンプ34,37およびA/D変換器3
5,38を経た読取データは画像処理用ASIC(appli
cation specific integrated circuit)36に送られ、
ここで画像処理されたデータはCPU31に送られる。
また、画像読取モードと移動量検出モードとのモード切
り換え信号は、CPU31からASIC36に送られ
る。
【0037】続いて、各動作モードでの動作について述
べる。本体のPC起動時から始まって、標準動作では、
本装置は移動量検出モードにある。この状態では、CP
U31は移動量検出照明用のLED20を選択して点灯
駆動するとともに、小規模イメージセンサ22を駆動す
る。小規模イメージセンサ22の読取情報は、アンプ3
7およびA/D変換器38を経て画像処理用ASIC3
6に送られる。ASIC36では、後述する相関処理演
算によって移動量情報が求められる。この移動量情報
は、ASIC36からCPU31へ送られ、さらにUS
Bドライバ32を経由してPC本体へ送られる。
【0038】一方、画像読取モードへ入る際には、事前
にコード情報入力に対応するS/W画面を立ち上げてお
き、図7に示すように、コード情報入力を行うためのS
/Wボタン39をマウスで左クリック(左側の操作ボタ
ン12aをクリック)することで、コード情報読取モー
ドに入る。この際の状態遷移を図8に示す。
【0039】コード情報読取モードに入ると、CPU3
1は、PC本体への移動量情報の送信を停止するととも
に、移動量検出照明用のLED20を消灯し、さらに移
動量検出用の小規模イメージセンサ22の駆動も停止
し、マウスボタンクリック情報(操作ボタン12a,1
2bの操作信号)のみをPC本体に送信する。
【0040】そしてCPU31は、左クリックされた時
点でそのクリック情報、即ち操作ボタン12aの操作信
号をPC本体に送る。すると、PC本体はこのクリック
情報を受けてCPU31に対して画像読取モードに移行
する旨を指示する信号を送信する。その指示信号を受け
て、CPU31は、原稿13を照明するLED15a〜
15dを点灯駆動するとともに、CCDエリアセンサ1
8を駆動するCCDドライバ33に対して、垂直同期・
水平同期などの同期信号を送る。
【0041】CCDドライバ33は、垂直同期・水平同
期などの同期信号をもとに、CCDエリアセンサ18に
対して信号電荷を読み出すための読み出しパルス、信号
電荷を垂直および水平転送するための垂直転送パルスや
水平転送パルスなどの各種の駆動パルスを供給する。C
CDエリアセンサ18は、2次元配置された画素ごとに
光電変換を行い、アナログ画像信号として出力する。
【0042】このアナログ画像信号はアンプ34および
A/D変換器35を介して画像処理用ASIC36に送
られる。そして、ここで画像処理された画像データは、
CPU31内のメモリにバッファリングされる。CPU
31は、バッファリングした画像データをUSBドライ
バ32を介してPC本体へ送信し、1画面分の画像情報
をPC側に送信した時点でLED15a〜15dを消灯
するとともに、CCDエリアセンサ18の駆動を停止す
る。そして引き続き、移動量検出照明用のLED20を
点灯駆動するとともに、小規模イメージセンサ22を駆
動して移動量検出モードに入る。
【0043】ここで、移動量検出モードの際に画像処理
ASIC36で行われる相関処理演算について以下に述
べる。
【0044】連続した2回の読み取り動作で読み取った
画像データを各々、D1(i,j)とD2(i,j)と
する。ここで、i,jは、デジタル画像上の2次元位置
座標を示すサフィックスである。このときに、画像相関
演算の演算式は、 {Σij=1〜MD1(i,j)・D2(i+m,j+n)
/{Σij=1〜MD1(i,j)}/{Σij=1〜MD2
(i,j)} である。m,nを変化させてこの計算を行い、最大値を
探す。このとき、最大値を与えるm,nが、2画像間の
移動量である。
【0045】この処理の例を、図9に簡単な一次元演算
の例で示す。画像1と画像2が共に同図(a)に示すよ
うな30画素分のデータであったとして、20画素分の
窓で±4画素の相関演算をした結果が同図(b)とな
る。これから、互いの窓をずらして相関演算をした場合
に、両者の波形が重なった場合に演算値がピークを持つ
ことがわかる。
【0046】ところでこのとき、マウス(装置本体)の
速い動きまで検出するために、大きな移動量を検出しよ
うとすると、画像相関演算の処理サイズを大きくしなけ
ればならない。しかし、処理サイズを大きくしようとす
ると、演算回数が処理サイズの2乗に比例して増えるの
で、処理時間がかかり過ぎてしまう。
【0047】これに対して、画像の取り込み周期を速く
することで、マウスの大きい動きに対処しようとすれ
ば、相関処理で大きな移動量を検出しなくても良くなる
ので、相関処理を行う規模が小さくなり、演算所要時間
が少なくて済む。例えば、毎秒1.5mの移動速度まで
検出しようとした場合、通常のエリア型イメージセンサ
の取込周期である1/30秒で取り込もうとすると、±
50mm分の移動範囲のデータを採取する必要がある。
【0048】これは、読取解像度を12dot/mmと
すると、±600画素範囲の読み取りが必要であり、1
2×12画素の窓で相関演算をとるとして、1212×
1212画素の大きなサイズのイメージセンサが必要な
上に、相関演算に必要な乗算回数も毎秒約60憶回(=
12×12×1200×1200×30)が必要とな
る。これは、100MHzの演算速度で計算しても60
00個の並列演算が必要な膨大な計算量である。
【0049】しかし、取込周期を毎秒1500回まで上
げると、±1mm分の移動範囲のみデータ採取すれば良
いので、読取解像度12dot/mmで、±12画素の
範囲で良く、12×12画素の窓(1mm角)で相関演
算するとして、36×36画素(窓±1mm分)の画像
を取り込めば良い。また、相関演算に必要な乗算回数も
毎秒約120万回(=12×12×24×24×150
0)で済み、現実的な数値となる。
【0050】こうした演算を行うASIC36内の演算
処理部の構成例を図10に示す。同図において、コード
情報読取用のCCDエリアセンサ18の出力信号と移動
量検出用の小規模エリアセンサ22の出力信号の入力を
入力切り換えスイッチ41で切り換え、シェーディング
補正回路42で各動作モード(画像読取モード/移動量
検出モード)ごとにシェーディング補正を行う。
【0051】このシェーディング補正を行うために、シ
ェーディングメモリ43,44にはあらかじめ動作モー
ドごとに画素感度ばらつきと照明むらを補正するための
情報が格納されている。これらシェーディングメモリ4
3,44の切り換えは、切り換えスイッチ41によるセ
ンサの切り換えに応じて切り換えスイッチ45によって
行われる。そして、画像読取モードの場合は、シェーデ
ィング補正済みの画像データは、切り換えスイッチ46
を介してCPU31側へ出力される。
【0052】一方、移動量検出モードの場合は、シェー
ディング補正後のデータは、切り換えスイッチ46を介
して画像メモリ47および相関演算部48に供給され
る。相関演算部48は、画像メモリ47に格納されてい
る1フレーム前(1画像前)の12×12画素分の画像
データと現画像データとの相関演算から移動量を求める
演算処理を行う。この相関演算部48で求められた移動
量情報は、CPU31側へ出力される。
【0053】このように、移動量検出用の小規模イメー
ジセンサ22が毎秒1500フレームの読み取り動作を
行なうのに対して、コード情報読取用のCCDエリアセ
ンサ18が毎秒30フレームの読み取り動作で、1フレ
ーム当たり640×480画素の読み取りを行う。これ
は、1画素当たりの読み出し時間に限界があることか
ら、フレームレートを上げ過ぎると、読取範囲の画素数
を読み切れなくなるためである。また、不必要にフレー
ムレートを上げ過ぎると、露光時間が短くなり、読取画
像のS/Nが低下する問題もある。
【0054】こうして、2つのセンサ(CCDエリアセ
ンサ18/小規模イメージセンサ22)を切り換え、各
センサごとに読み出しフレームレートを切り換えること
で、コード情報の読み取り動作と、画像相関演算を使っ
た移動量の検出動作を切り換えることができる。
【0055】その結果、移動量検出機能を小型イメージ
センサを用いて行うことで、ボールと2つのロータリー
エンコーダを組み合わせた従来の移動量検出装置(図2
6を参照)を用いる場合に比べて装置本体の小型化がで
き、読取光学系19によるコード情報の読取機能と移動
量検出装置23による移動量検出機能とを、従来型のマ
ウス程度のサイズにパッケージングできることになる。
【0056】なお、本実施形態においては、2つの動作
モードの切り換えに伴って、マウス移動量検出情報の送
信を止めるとともに、移動量検出照明用の強指向性LE
D20を消灯するようにしている。このことは、コード
情報読取中の装置本体の移動によって、マウスポインタ
が想定外の場所に動いてしまうことを防止する意味があ
る。
【0057】しかし一方で、コード読取期間中の装置移
動情報を使って、複数回の読取情報を貼り合わせ、より
広い範囲のコード情報を取り込みたいという用途もあ
る。この場合には、本実施形態に係る画像読取装置の動
作としてコード情報読取モードの期間中も、移動量検出
用のイメージセンサ22を動かし続ける必要がある。た
だこの場合、強指向性LED20の照明光がコード情報
読取窓の範囲に入らないようにする注意が必要となる。
【0058】例えば、図11(a)に示すように、強指
向性LED20を移動量検出窓25の後方側(読取窓1
4の反対側)に配置する構成を採った場合は、強指向性
LED20の照射光の光軸がコード情報を読み取る読取
窓14の範囲にかかってしまい、その結果、装置筐体1
1と原稿13との間を光が導波した漏れ光が読取窓14
にかかってしまい、読取情報精度に影響を及ぼしてしま
う。
【0059】これを防ぐためには、図11(b)に示す
ように、強指向性LED20を移動量検出窓25の前方
側(読取窓14側)に配置する構成を採ることにより、
強指向性LED20の照射光の光軸が読取窓14の範囲
にかからないように配慮する必要がある。また、この対
策として強指向性LED20の照射光の色を緑(G)と
して、読取動作時にカットされる光源としても良い。
【0060】また、本実施形態では、S/W画面上での
ボタンクリックによって、2つの動作モードを切り換え
る構成としたが、動作モードの切り換え方法はこれに限
られるものではない。例えば、PC周辺機器の一つであ
るキーボードのシフトキー、Altキーなどとのコンビ
ネーション設定にマウスボタンクリックを割り付けても
良いし、また、マウス自体に専用ボタンを設けることも
可能である。
【0061】[第2実施形態]図12は、本発明の第2
実施形態に係る画像読取装置の構成の概略を示す内部構
成図である。
【0062】図12において、装置筐体51はその上部
が手のひらにフィットし易いように湾曲した形状をなし
ており、その前部には2つの操作ボタン52a,52b
を備えている。これら操作ボタン52a,52bは、P
C使用者によるクリック操作によってその操作情報を入
力するために設けられたものであり、光透過性を有して
いる。
【0063】そして、装置筐体51内に不要な外乱光の
赤色成分が入るのを防ぐために、操作ボタン52a,5
2bは、図3に示すように、600nm以上の波長成分
を吸収するサイアン色の分光特性を持っている。なお、
以下の説明では、光透過性を有する操作ボタン52a,
52bを、透明な操作ボタン52a,52bと略称する
ものとする。
【0064】装置筐体51内において、その底面には、
操作ボタン52a,52bの下方位置に原稿53の読取
エリアを画定する読取窓54が形成されている。また、
この読取窓54を通して原稿53の読取エリア(コード
情報)を照明するための照明手段として、例えば図4に
示すような分光特性を持つピーク波長が660nm程度
の赤色のLED55a〜55dが読取窓54の4隅の上
方に1個ずつ配置されている。
【0065】装置筐体51内の読取窓14の近傍には、
原稿照明用のLED55a〜55dの外に、装置本体の
移動量を検出するための移動量検出用の強指向性LED
56が配置されている。そして、読取窓54の部分を、
原稿照明用のLED55a〜55dと強指向性LED5
6とで照明する。具体的には、コード情報照明用のLE
D55a〜55dでは例えば21×28mmサイズのエ
リア全体を照明し、強指向性LED56では例えば4m
m程度のエリアを部分的に照明する。
【0066】また、読取窓54の上方にはダイクロイッ
クミラー57が、装置筐体51の底面に対して傾斜した
状態で設けられている。このダイクロイックミラー57
は、図5の特性図に示すように、波長が600nm以上
の光を反射し、それを下回る光については透過するよう
な分光特性を持っている。これにより、透明な操作ボタ
ン52a,52bを透して入射した光のうち、波長が6
00nmを下回る光については、ダイクロイックミラー
56を透してさらに装置筐体51の内部に入射できる。
【0067】このように、波長が600nmを下回る光
が装置筐体51の外部からダイクロイックミラー57を
透して原稿53を照射し、さらに原稿53で反射された
光のうち波長が600nmを下回る光がダイクロイック
ミラー57を透過することにより、装置筐体51の外部
から操作ボタン52a,52bを透して原稿53の読取
位置を確認できる。
【0068】装置筐体51内にはさらに、結像レンズ5
8およびイメージセンサ59がダイクロイックミラー5
7の右側に配置されている。この結像レンズ58および
イメージセンサ59は、ダイクロイックミラー57側か
らその順番で底面に対して光軸がほぼ平行になるように
配されている。イメージセンサ59としては、X-Yア
ドレス型イメージセンサ、例えばCMOSイメージセン
サ(エリアセンサ)が用いられる。
【0069】ダイクロイックミラー57は、先述したよ
うに、600nm以上の波長の光を反射する特性を持っ
ていることから、原稿照明用LED55a〜55dまた
は強指向性LED56から照射される照射光に基づい
て、原稿53の読取エリアから反射される読取光を結像
レンズ58およびCMOSイメージセンサ59の方向に
反射する。なお、後述するように、画像読取モードでは
原稿照明用LED55a〜55dのみが発光し、移動量
検出モードでは強指向性LED56のみが発光する。
【0070】結像レンズ58は、ダイクロイックミラー
57で反射された読取光を、CMOSイメージセンサ5
9の撮像面上に結像する。CMOSイメージセンサ59
は、結像レンズ58によって結像された原稿像を画素単
位で光電変換し、アナログ画像信号として出力する。
【0071】図13に、読取窓54の読取エリアに対す
るCMOSイメージセンサ59の読取範囲を示す。同図
において、撮像エリア59Aの全体が画像読取範囲とな
り、撮像エリア59Aの上端中央部の領域が移動量検出
範囲(移動量情報センシング範囲)59Bとなる。ここ
で、移動量検出範囲59Bを撮像エリア59Aの端部に
設定しているのは、強指向性LED56で移動量検出エ
リアを照明するに当たり、その照明部分が読取窓54の
端部にあった方が照明しやすいためである。
【0072】ところで、CMOSイメージセンサ59は
CCD型イメージセンサと異なり、マトリクス状に配置
された画素の各情報を、X(列)Y(行)にアドレッシ
ングすることによって画素単位でランダムに読み出すこ
とができるので、撮像エリア59Aのうち限られた範囲
のみの画素情報を、高いフレームレートで読み出すこと
が可能となる。以下に、CMOSイメージセンサ59の
内部構成および動作について説明する。
【0073】図14は、CMOSイメージセンサ59の
主要部を示す概略構成図である。なお、ここでは、図面
の簡略化のために、3行3列分の画素(セル)配列の場
合を例に採って示しているが、実際にはこれよりも多数
の単位セルが配列されることになる。
【0074】図14において、3行3列分のセル配列に
対応して、垂直アドレス線61-1〜61-3および垂直信
号線62-1〜62-3がマトリクス状に配線され、それら
の交点部分に単位セル63が行列2次元状に配置されて
撮像部60を構成している。単位セル63は、光電変換
をなす例えばフォトダイオードPD、その検出信号を増
幅する増幅トランジスタQamp、信号を読み出すライ
ン(行)を選択する選択トランジスタQselおよびノ
ードNsigの信号電荷をリセットするリセットトラン
ジスタQresを有する構成となっている。
【0075】この単位セル63の配列に対して、垂直走
査をなす垂直シフトレジスタ64が設けられている。こ
の垂直シフトレジスタ64の各転送段の出力端には垂直
アドレス線61-1〜61-3の各一端が接続され、リセッ
ト端にはリセット線65-1〜65-3の各一端が接続され
ている。
【0076】垂直アドレス線61-1〜61-3には選択ト
ランジスタQselのゲート電極が各行ごとに接続さ
れ、リセット線65-1〜65-3にはリセットトランジス
タQresのゲート電極が各行ごとに接続されている。
そして、垂直走査の際に、垂直シフトレジスタ64から
は垂直アドレスパルスφVad1〜φVad3、リセッ
トパルスφVres1〜φVres3が順に出力され、
垂直アドレス線61-1〜61-3およびリセット線65-1
〜65-3にそれぞれ印加される。
【0077】垂直信号線62-1〜62-3の各一端と電源
(VDD)線66との間には、負荷トランジスタ67-1
〜67-3が接続されている。垂直信号線62-1〜62-3
の各他端には、雑音除去回路68-1〜68-3がそれぞれ
接続されている。雑音除去回路68-1〜68-3の各々
は、クランプ容量Cclp、クランプトランジスタQc
lp、サンプルホールドトランジスタQshおよびクラ
ンプ容量Cchから構成されている。
【0078】これら雑音除去回路68-1〜68-3におい
て、クランプ容量Cclpはその一端が垂直信号線62
-1〜62-3の各他端に接続されている。クランプトラン
ジスタQclpは、クランプ容量Cclpの他端とクラ
ンプ電源(VCLP)線69との間に接続され、そのゲ
ート電極がクランプ制御線70に接続されている。この
クランプ制御線70には、後述するタイミングジェネレ
ータ(図16を参照)からクランプパルスφCLPが供
給される。
【0079】サンプルホールド(S/H)トランジスタ
Qshは、その一方の主電極(ドレイン/ソース電極)
がクランプ容量Cclpの他端に接続され、そのゲート
電極がサンプルホールド制御線71に接続されている。
このサンプルホールド制御線71には、上記タイミング
ジェネレータからサンプルホールドパルスφS/Hが供
給される。クランプ容量Cchは、サンプルホールドト
ランジスタQshの他方の主電極(ソース/ドレイン電
極)とグランドとの間に接続されている。
【0080】雑音除去回路68-1〜68-3の各出力端、
即ちサンプルホールドトランジスタQshの他方の主電
極は、水平選択トランジスタ72-1〜72-3を介して水
平信号線73に接続されている。水平選択トランジスタ
72-1〜72-3の各ゲート電極には、水平シフトレジス
タ74の各転送段から順次出力される水平選択パルスφ
H1〜φH3が印加される。
【0081】次に、上記構成のCMOSインバータ59
の動作について、図15のタイミングチャートを用いて
説明する。
【0082】先ず、垂直シフトレジスタ64の1段目か
ら高レベル(以下、“H”レベルと記す)の垂直アドレ
スパルスφVad1が出力され、1ライン目の垂直アド
レス線61-1に印加されると、1ライン目の垂直選択ト
ランジスタQselのみがONする。これにより、1ラ
イン目の増幅トランジスタQampと負荷トランジスタ
67(67-1〜67-3)でソースフォロワ回路が構成さ
れる。
【0083】そして、増幅トランジスタQampのゲー
ト電圧、即ちフォトダイオードPDのカソード電圧とほ
ぼ同等の電圧が垂直信号線62-1〜62-3に現れる。こ
のとき、雑音除去回路68-1〜68-3の各々において、
クランプトランジスタQclpのゲート電極にクランプ
制御線70を介してクランプパルスφCLPが印加され
る。これにより、クランプトランジスタQclpがON
し、クランプノードNclp1〜Nclp3をクランプ
電源VCLPと同じ電圧に固定(クランプ)する。
【0084】次いで、クランプトランジスタQclpの
OFF後、垂直シフトレジスタ64から“H”レベルの
リセットパルスφVres1が出力され、リセット線6
5-1に印加される。これにより、1ライン目のリセット
トランジスタQresのみがONし、ノードNsigの
信号電荷をリセットする。すると、フォトダイオードP
Dの信号電荷があるときと信号電荷がリセットされたと
きの電圧の差がクランプ電源VCLPに加算され、その
加算された電圧がクランプノードNclp1〜Nclp
3に現れる。
【0085】次いで、サンプルホールドトランジスタQ
shのゲート電極に、サンプルホールド制御線71を介
してサンプルホールドパルスφS/Hが印加される。こ
れにより、サンプルホールドパルスφS/HがONし、
クランプノードNclp1〜Nclp3の信号電圧をサ
ンプルホールド容量Cshに伝達する。
【0086】その後、水平シフトレジスタ74から水平
選択パルスφH1〜φH3が順に出力され、水平選択ト
ランジスタ72-1〜72-3の各ゲート電極に印加され
る。これにより、水平選択トランジスタ72-1〜72-3
が順次ONし、サンプルホールド容量Cshの両端間電
圧を水平信号線73に出力する。その結果、水平信号線
73から1ライン分の信号が順次導出される。
【0087】以上の一連の動作を、次のライン、その次
のラインと順次続けることにより、2次元配列された単
位セル63の全ての画素信号を読み出すことができる。
上記構成のCMOSイメージセンサ59では、クランプ
ノードNclp1〜Nclp3には最終的には信号があ
るときと、リセットされて信号がないときとの差の電圧
が現れるため、増幅トランジスタQampのしきい値バ
ラツキによる雑音が抑制される。すなわち、これが雑音
除去回路68-1〜68-3のノイズキャンセル作用であ
る。
【0088】図16は、撮像部60、垂直シフトレジス
タ64および水平シフトレジスタ74を駆動するタイミ
ングジェネレータおよび出力アンプを含めた増幅型MO
Sイメージセンサの構成を示すブロック図であり、図
中、図14と同等部分には同一符号を付して示してい
る。
【0089】一般に、増幅型MOSイメージセンサ・デ
バイスは、図16から明らかなように、撮像部60、垂
直シフトレジスタ64および水平シフトレジスタ74の
以外に、これらを駆動するタイミングジェネレータ75
および出力アンプ76を搭載している。なお、ここで
は、垂直シフトレジスタ64を撮像部60の左右両側に
垂直シフトレジスタ64A,64Bとして配置した構成
を採っている。
【0090】そして、この増幅型MOSイメージセンサ
の駆動周波数の基本タイミングをタイミングジェネレー
タ75で生成するとともに、垂直シフトレジスタ64
A,64B、水平シフトレジスタ74および出力アンプ
76を駆動する各種のタイミングパルスを発生する。な
お、ここでは、図14における雑音除去回路68-1〜6
8-3については省略している。
【0091】こうしたイメージセンサの読出し走査は、
全てタイミングジェネレータ75で生成された各種のタ
イミング信号によって支配されている。先述した動作説
明では、撮像部60の全てのセル(画素)63をくまな
く走査し、全画素の信号を読み出すいわゆる全画素読出
しモードについて説明した。この全画素読出しモードが
画像読取モードとなる。
【0092】これに対して、タイミングジェネレータ7
5の論理回路構成により、撮像部60の一部分の画素の
信号のみを読み出すいわゆる部分画素読出しモードを設
定することも可能である。この部分画素読出しモードが
移動量検出モードとなる。すなわち、タイミングジェネ
レータ75において、モード切り換えに応じて各種タイ
ミング信号の発生タイミングを変えることにより、読出
しモードと全画素読出しモードと部分画素読出しモード
とに切り換えることができる。
【0093】図17に、部分画素読出しモードの場合の
タイミング例を示す。なお、図15のタイミング例の場
合には3×3画素の全ての信号を読み出す設定であった
が、ここでは、3×3画素中の2×2画素の信号を読み
出す場合を例に採って説明するものとする。具体的に
は、1行目、2行目の中の1列目、2列目の画素の信号
を読み出すものとする。
【0094】この限定範囲の各画素に対応して、これら
画素のタイミングで読み出しのためのパルスを発生する
ことで、限定範囲のみの画素信号を読み出すことができ
る。また、読み出さない画素については、各行ごとに単
位セル63のリセットトランジスタQresをONにし
て信号電荷をリセットするようにすれば良い。以下、そ
の動作について、図14を用いて具体的に説明する。
【0095】先ず、垂直シフトレジスタ64の1段目か
ら“H”レベルの垂直アドレスパルスφVad1が出力
され、1ライン目の垂直アドレス線61-1に印加される
と、1ライン目の垂直選択トランジスタQselのみが
ONする。これにより、1ライン目の増幅トランジスタ
Qampと負荷トランジスタ67(67-1〜67-3)で
ソースフォロワ回路が構成される。
【0096】そして、増幅トランジスタQampのゲー
ト電圧、即ちフォトダイオードPDのカソード電圧とほ
ぼ同等の電圧が垂直信号線62-1〜62-3に現れる。こ
のとき、雑音除去回路68-1〜68-3の各々において、
クランプトランジスタQclpのゲート電極にクランプ
制御線70を介してクランプパルスφCLPが印加され
る。これにより、クランプトランジスタQclpがON
し、クランプノードNclp1〜Nclp3をクランプ
電源VCLPと同じ電圧に固定する。
【0097】次いで、クランプトランジスタQclpの
OFF後、垂直シフトレジスタ64から“H”レベルの
リセットパルスφVres1が出力され、リセット線6
5-1に印加される。これにより、1ライン目のリセット
トランジスタQresのみがONし、ノードNsigの
信号電荷をリセットする。すると、クランプ電源VCL
PにフォトダイオードPDの信号電荷があるときと信号
電荷がリセットされたときの電圧の差がクランプ電源V
CLPに加算され、その加算された電圧がクランプノー
ドNclp1〜Nclp3に現れる。
【0098】次いで、サンプルホールドトランジスタQ
shのゲート電極に、サンプルホールド制御線71を介
してサンプルホールドパルスφS/Hが印加される。こ
れにより、サンプルホールドパルスφS/HがONし、
クランプノードNclp1〜Nclp3の信号電圧をサ
ンプルホールド容量Cshに伝達する。
【0099】このとき、垂直シフトレジスタ64から
“H”レベルのリセットパルスφVres3が出力さ
れ、リセット線65-3に印加される。これにより、3行
目の単位セル63におけるリセットトランジスタQre
sがONし、画素信号の読み出しを行わない3行目の単
位セル63におけるノードNsigの信号電荷がクリア
される。
【0100】撮像部60の全画素のうち、一部分のみの
画素の信号を読み出そうとした場合に、読み出しを行わ
なかった単位セル63のノードNsigに溜まった露光
期間中の信号電荷の処理が問題になる。ところが、本実
施形態に係るCMOSイメージセンサでは、上述したよ
うに、定期的にリセット線65-3を使って信号電荷をク
リアすることで、上記の問題に対応することができる。
【0101】その後、水平シフトレジスタ74から水平
選択パルスφH1,φH2が順に出力され、水平選択ト
ランジスタ72-1,72-2の各ゲート電極に印加され
る。これにより、水平選択トランジスタ72-1,72-2
が順次ONし、サンプルホールド容量Cshの両端間電
圧を水平信号線73に出力する。その結果、水平信号線
73から1ライン目の2画素分の信号が順次導出され
る。
【0102】次いで、2ライン目の2画素に対しても、
基本的に1ライン目と同様の処理を行うことにより、2
ライン目の2画素分の信号が順次導出される。この一連
の処理により、3×3画素中の2×2画素の信号を読み
出すことができ、その結果、1フレームに必要な読出し
時間を短縮することができる。上記の例では、読出し画
素数の差が小さいことと、1ラインの画素数が少なく、
水平信号線73まで信号を読み出す期間(以下、垂直転
送期間と称す)が相対的に長いことから、その効果は少
なく見える。
【0103】しかし、例えばVGAサイズに対応した6
40画素×480画素のイメージセンサの場合、水平ク
ロック期間(780クロック分)のうち垂直転送期間が
占める割合は1割程度である。また、移動量検出モード
の読み出し画素数を72×72とした場合、水平読み出
し画素数が約1/10に相当することから、水平転送期
間は、読み出し画素削減により標準モードの2割とな
る。さらに、垂直方向の読み出し画素数を72画素とす
ることで、読み出しライン数はさらに約1/7となる。
合わせて、読み出しに必要な時間は、通常モードの約1
/35となる。
【0104】これにより、コード情報読取モード(画像
情報読取モード)での読み出し画素数が640画素×4
80画素で、読み出し周波数が30Hzであるのに対し
て、移動量検出モードでの読み出し画素数が72画素×
72画素で、読み出し周波数が約1kHzである。この
イメージセンサの解像度を原稿面換算で600dpi
(約24dot/mm)に設定すると、移動量検出モー
ドでは2画素×2画素の平均をとって12dot/mm
相当の解像度となる。
【0105】この平均化処理によるS/N改善は露光量
を4倍にしたことに相当する。すなわち、本実施形態に
係る画像処理装置においては、露光時間が標準モードの
1/35になったことによる露光量の減少を、強指向性
LED56(図12を参照)を使用して狭い領域を集中
的に照明する施策と、上記平均化処理とによって補うよ
うにしている。
【0106】この仕様で、1フレームにつき±1mmの
移動量検出を行えることから、1秒間1000フレーム
の読取動作により、1.0m/secの移動速度まで検
出することができる。
【0107】図18は、第2実施形態に係る画像読取装
置の電気系の構成を示すブロック図であり、図中、図1
2と同等部分には同一符号を付して示している。
【0108】図18において、マウスのクリックボタン
の機能を持つ操作ボタン52a,52bの操作信号は、
本装置内のCPU77に送られる。この操作信号は、右
ボタンクリック、左ボタンクリックなどの信号として、
USBドライバ78を介してPC本体に送られる。PC
本体のアプリケーション側では、このマウスのクリック
信号とそのときに選択されているモードに基づいて、コ
ード情報の読取指令を本装置側に送り返す。
【0109】この読取指令をトリガーとして、CPU7
7は、原稿照明用のLED55a〜55dを点灯駆動す
るとともに、CMOSイメージセンサ59に垂直同期・
水平同期などの同期信号を送る。CMOSイメージセン
サ59は、垂直同期・水平同期などの同期信号を基に先
述した駆動動作を行った後、内蔵のアンプおよびA/D
コンバータによってデジタル画像信号として出力する。
【0110】このデジタル画像信号は画像処理用ASI
C79に供給される。その後、処理結果の画像データと
してCPU77内のメモリにバッファリングされる。C
PU77は、バッファリングした画像データをUSBド
ライバ78を介してPC本体へ送信し、移動量検出モー
ドに入る。
【0111】一方、こうしたコード情報読取モードに入
っていない場合は、CPU77は、CMOSイメージセ
ンサ59内部のタイミングジェネレータ(図16を参
照)のモードを、コード情報読取モードに変更する。こ
のモード変更により、CMOSイメージセンサ59は、
移動量検出用に限定された範囲の画素信号を読み出し、
その出力信号をASIC79に供給する。ASIC79
は、第1実施形態の場合と同様の処理を行って移動量を
検出し、その検出結果をCPU77に送る。
【0112】上述したように、1つのCMOSイメージ
センサ59を標準的な画像読取仕様で使用するコード情
報読取モードと、限定された範囲の画素信号のみを高速
に読み出す移動量検出モードとを切り換える構成を採る
ことにより、イメージセンサを1つに減らすことができ
るとともに、第1実施形態で必要だった移動量検出窓2
5(図1を参照)を読取窓54と兼用できるため、装置
のコストおよび装置の小型化の両面でメリットが大き
い。
【0113】また、CMOSイメージセンサ59のタイ
ミングジェネレータ部分はデジタル構成となっており、
アナログ構成であるイメージセンサ部分の構成をいじる
ことなく、セミカスタムに仕様を変更しやすい構成とな
っている点も特徴の一つである。
【0114】[第3実施形態]図12において、第2実
施形態に係る画像読取装置では、イメージセンサとして
CMOSイメージセンサを用いたが、第3実施形態に係
る画像読取装置では、CMOSイメージセンサに代えて
電荷転送型エリアセンサ、例えばCCDエリアセンサを
用いて、全画素の信号を標準速度で読み出す全画素読み
出しモードと、一部分の画素の信号のみを高速で読み出
す部分画素読み出しモードとを切り換える構成を採って
いる。
【0115】図19は、CCDエリアセンサの主要部の
構成を示す概略構成図である。ここでは、図面の簡略化
のために、4画素×4画素の画素構造の場合を例に採っ
て示している。
【0116】図19において、例えばフォトダイオード
からなり、行列2次元状に配置された画素81(D1〜
D16)と、これら画素81の垂直列ごとに設けられ
て、各画素81から読み出された信号電荷を垂直転送す
る垂直転送レジスタ82とによって撮像部80が構成さ
れている。垂直転送レジスタ82の各々の転送先側端部
には、水平転送レジスタ83が接続されている。また、
水平転送レジスタ83の転送先側端部には、出力部84
が接続されている。
【0117】次に、上記構成のCCDエリアセンサでの
モードごとの動作について、図20および図21のタイ
ミングチャートを用いて説明する。なお、本例に係るC
CDエリアセンサにおいては、垂直転送レジスタ82が
例えば3相の垂直転送クロックφV1〜φV3によって
駆動され、水平転送レジスタ83が例えば2相の水平転
送クロックφH1,φH2によって駆動されるものとす
る。
【0118】先ず、図20のタイミングチャートを用い
てコード情報読取モードの動作について説明する。3相
の垂直転送クロックφV1〜φV3のうち、例えば垂直
転送クロックφV2,φV3の3値目のパルスが読み出
しパルスROP1,ROP2を兼ねており、これら読み
出しパルスROP1,ROP2によって全画素81から
垂直転送レジスタ82に信号電荷が読み出される。
【0119】この読み出された信号電荷は、3相の垂直
転送クロックφV1〜φV3による1サイクルの垂直転
送動作により、1画素分ずつ水平転送レジスタ83にシ
フトされる。垂直転送レジスタ82の動作期間、水平転
送レジスタ83には水平転送クロックφH1,φH2が
4パルス分印加される。これにより、1行分の画素信号
が水平転送され、出力部84に読み出される。
【0120】このサイクルを4回繰り返した後、垂直転
送クロックφV2,φV3が1段高い電圧レベルになっ
た時点、即ち読み出しパルスROP1,ROP2が立っ
た時点で、各画素(フォトダイオード)81に貯えられ
た信号電荷が、垂直転送レジスタ82に再び読み出され
る。この繰り返しが、4画素×4画素の全画素の信号電
荷を読み出すコード情報読取モードの場合の動作であ
る。
【0121】続いて、図21のタイミングチャートを用
いて移動量検出モードの動作について説明する。この移
動量検出モードでは、4画素×4画素のうち、2画素×
2画素のみの信号電荷を読み出すものとする。全画素8
1から垂直転送レジスタ82に信号電荷が読み出された
後のタイミングt0からの動作について説明する。
【0122】この時点t0では、画素81から読み出さ
れた信号電荷が全て垂直転送レジスタ82に残ってい
る。ここで、垂直転送レジスタ82に垂直転送クロック
φV1〜φV3が1クロック分だけ与えられることで、
1行分の信号電荷(D13〜D16)が水平転送レジス
タ83にシフトされる。この後、水平転送期間では、水
平転送レジスタ83に水平転送クロックφH1,φH2
が2クロック分与えられることで、2画素分の信号電荷
(D13,D14)が水平転送され、出力部84に読み
出される。
【0123】次に、再び垂直転送レジスタ82に垂直転
送クロックφV1〜φV3が1クロック分だけ与えられ
ることで、次の1行分の信号電荷(D9〜D12)が水
平転送レジスタ83にシフトされる。このとき、前回2
クロック分水平転送された状態で水平転送レジスタ83
中に残っている信号電荷(D15,D16)に、次の1
行の信号電荷(D9,D10)が加算される。
【0124】そして、水平転送期間で水平転送レジスタ
83に水平転送クロックφH1,φH2が2クロック分
与えられることで、信号電荷(D9+D15,D10+
D16)が水平転送され、出力部84に読み出される。
ただし、移動量検出モードでは、強指向性LED56
(図12を参照)による照明を、その照明光に基づく反
射光がCCDエリアセンサの画素(D9,D10,D1
3,D14)に入射するように集中させておくようにす
る。これにより、画素(D15,D16)には信号電荷
が蓄積されないため、信号電荷の加算の影響は生じな
い。
【0125】この次のタイミングでは、垂直転送レジス
タ82に垂直転送クロックφV1〜φV3が2クロック
分与えられることで、垂直転送レジスタ82内に残った
信号電荷は全て水平転送レジスタ83に転送される。こ
の後、垂直転送クロックφV2,φV3に読み出しパル
スROP1,ROP2が立つことで、画素81に蓄積さ
れた信号電荷が再度垂直転送レジスタ82に読み出され
る。そして、水平転送レジスタ83に水平転送クロック
φH1,φH2が4クロック分与えられることで、前回
露光分の全ての信号電荷は掃き出される。
【0126】この例では、読出し画素数を減らすことの
効果はわずかであるが、例えば659画素×495画素
のCCDエリアセンサ(この場合、センサのクロック数
でダミー画素を含めて1フレームが780画素×525
画素)において、15ライン分のダミー画素と36ライ
ン分の通常画素の各信号電荷を通常に読み出し、後半4
84ライン分の信号電荷については垂直転送レジスタで
一度に読み出すようにする。
【0127】標準仕様で垂直転送には水平転送の72ク
ロック分必要なことから、1水平ライン期間にパルスタ
イミングスペックから、垂直方向約10ライン分が読み
出せる。よって、484ライン分の垂直読み出しは、4
8ライン分の時間に圧縮できる。前半部分については、
前述のように2重露光で読み出すと、25ライン分の区
間で読み出せる。合計で約73ライン分の時間で読み出
せるので、標準の1/7の時間で読み出せる。これは、
第2実施形態に係る画像読取装置の場合に比べて移動速
度が約1/4となるので性能上劣るものの、1フレーム
の読み出し時間を切り換える機能は実現可能である。
【0128】[第4実施形態]ところで、第2実施形態
に係る画像読取装置では、エリアセンサチップ内の1つ
の撮像エリアをコード情報読取用と移動量検出用に兼用
した構成をとったが、1つのチップ内に2つの撮像エリ
アを設け、これらをコード情報読取用と移動量検出用と
に別々に用いるようにすることも可能である。以下、こ
れを第4実施形態として説明する。
【0129】図22は、本発明の第4実施形態に係る画
像読取装置の構成の概略を示す内部構成図である。図2
2において、図12と同等部分には同一符号を付して示
している。本実施形態に係る画像読取装置は、基本的に
は、第2実施形態に係る画像読取装置と同じ構成を採っ
ており、異なるのは、イメージセンサ85として、1つ
のチップ内に2つの撮像エリアを有する例えばCMOS
イメージセンサを用いた点にある。
【0130】イメージセンサ85の構成の概略を図23
に示す。同図から明らかなように、1つのチップ内にサ
イズの異なる2つの撮像エリア85A,85Bが設けら
れ、サイズの大きい撮像エリア85Aが画像読取範囲
(コード情報読取範囲)として用いられ、サイズの小さ
い撮像エリア85Bが移動量検出範囲(移動量情報セン
シング範囲)として用いられる。
【0131】このように、1つのチップ内に2つの撮像
エリア85A,85Bを設け、これらをコード情報読取
用と移動量検出用とに別々に用いる構成を採ることで、
2つの撮像エリア85A,85Bで互いに画素密度を変
えることが可能となる。一例として、コード情報読取用
の撮像エリア85Aについては原稿面換算で24dot
/mmに設定し、移動量検出用の撮像エリア85Bにつ
いては原稿面換算で12dot/mmに設定する構成が
考えられる。
【0132】イメージセンサ85の出力信号(画素信
号)の信号処理などについては、第1実施形態に係る画
像処理装置の場合と同様の処理が行われる。また、こう
した特殊な構造のイメージセンサを作製するに当たって
は、カスタム化が比較的容易であるCMOSイメージセ
ンサに代表されるX-Yアドレス型イメージセンサが有
利である。
【0133】イメージセンサ85の撮像エリアが2つの
撮像エリア85A,85Bに分離されていることに伴っ
て、第2実施形態に係る画像読取装置では読取窓54と
兼用されていた移動量検出窓86を、読取窓54に隣接
してその後方側に配置するとともに、その部分を強指向
性LED56で照明するようにしている。この照明光に
基づく反射光は、共通の結像レンズ58によってイメー
ジセンサ85の撮像エリア85B上に結像される。
【0134】上述したように、1つのチップ内に2つの
撮像エリア85A,85Bを設け、これらをコード情報
読取用と移動量検出用とに別々に用いるようにすること
により、被読取エリアが若干大きくなるものの、イメー
ジセンサとしては、従来あるチップをそのまま同じチッ
プ上に焼き付ければ良く、また駆動上の条件が第2実施
形態に係る画像読取装置の場合よりも単純になるメリッ
トがある。
【0135】[第5実施形態]これまで説明した各実施
形態では、モノクロのコード情報などの画像情報を読取
対象としていたが、第5実施形態では、カラーコード情
報などのカラー画像情報の読み取りをも可能としてい
る。図24は、本発明の第5実施形態に係る画像読取装
置の構成の概略を示す内部構成図である。
【0136】図24において、装置筐体31はその上部
が操作者の手のひらにフィットし易いように湾曲した形
状をなしており、その前部には2つの操作ボタン92
a,92bを備えている。これら操作ボタン92a,9
2bのうち、左側の操作ボタン12aは画像の読取動作
を指令するためのボタン、右側の操作ボタン12bは原
稿面の照明を指令するためのボタンである。
【0137】装置筐体91の上面には、操作者が操作時
に手で握る本体中央の握り部分と操作ボタン92a,9
2bとの間の位置に、装置筐体91内を覗くための覗き
窓93が約40mm程度の幅を持って形成されている。
一方、装置筐体91の底面には、覗き窓93の下方位置
に原稿94の読取エリアを画定する読取窓95が形成さ
れている。
【0138】装置筐体91内において、読取窓95を通
して原稿94の読取エリアを照明するための照明手段と
して、カラー画像をも読み取れるようにするために、赤
・緑・青の3色のLEDを組とするLED部96a〜9
6dが読取窓95の4隅の上方に1組ずつ配置されてい
る。この原稿照明用のLED部96a〜96dにおい
て、赤・緑・青の3色のLEDは独立に発光し得るよう
になっている。
【0139】装置筐体91内の読取窓95の近傍には、
原稿照明用のLED部96a〜96dの外に、装置本体
の移動量を検出するための移動量検出用の強指向性LE
D97が配置されている。指向性LED97としては、
赤のLEDが用いられる。そして、読取窓95の部分
を、原稿照明用のLED部96a〜96dの各LEDと
強指向性LED97とで照明する。
【0140】また、装置筐体91内において、読取窓9
5の上方には、ハーフミラー98が装置筐体91の底面
に対して傾斜した状態で設けられ、さらに、結像レンズ
99および例えばCMOSイメージセンサ100が、ハ
ーフミラー98の右側に配置されている。この結像レン
ズ99およびCMOSイメージセンサ100は、ハーフ
ミラー98側からその順番で底面に対して光軸がほぼ平
行になるように配されている。
【0141】ここで、ハーフミラー98は、覗き窓93
と読取窓95との間に位置することになるが、原稿面で
反射した光のうちの半分を透過することから、覗き窓9
3から確認窓95を通して原稿面を確認する光路を妨げ
ることはない。すなわち、覗き窓93からは、ハーフミ
ラー98を透し、さらに読取窓95を通して原稿の読取
エリアを確認することができる。
【0142】ハーフミラー98はさらに、原稿面で反射
した光のうちの残りの半分については結像レンズ99お
よびCMOSイメージセンサ100の方向に反射する。
結像レンズ99は、ハーフミラー98で反射された光
(読取光)を、CMOSイメージセンサ100の撮像面
上に結像する。CMOSイメージセンサ100は、結像
レンズ99によって結像された原稿像を画素単位で光電
変換して出力する。
【0143】本実施形態に係る画像読取装置では、イメ
ージセンサとしてCMOSイメージセンサ100を用い
た構成を採っていることから、CMOSイメージセンサ
の場合、行単位で画素信号の読み出しを行う関係で、露
光期間位相が各行で異なる。このことから、読み出しの
最初の行と最後の行とで、露光期間がほとんど1フレー
ム分異なってしまうため、図25のタイミングチャート
に示すように、各色ごとに点灯期間を2フレーム分設け
て、2フレーム目に対応する期間の出力を各色の読取画
像情報として読み出す。
【0144】上記構成の画像読取装置、即ちカラーコー
ド情報などのカラー画像情報の読み取りが可能な構成の
画像読取装置に適用した点が、第5実施形態の特徴とす
る部分である。したがって、ここでは、移動量検出モー
ドでの移動量の検出動作については述べないが、第1実
施形態に係る画像読取装置での検出原理に基づいて行わ
れるものとする。
【0145】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
原稿中の所望の領域の画像を光学的に読み取る読取手段
と、装置筐体の動きに関連する情報を光学的に検出する
検出手段とを同一の装置筐体に収納したことにより、装
置を大型化することなく、2つの装置機能を一つの装置
に持たせることができるため、小型で携帯使用に適した
画像読取装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る画像読取装置の
構成の概略を示す内部構成図である。
【図2】 第1実施形態に係る画像読取装置の筐体の上
面図である。
【図3】 操作ボタンの光特性を示す特性図である。
【図4】 原稿照明用LEDの分光特性を示す特性図で
ある。
【図5】 ダイクロイックミラーの分光特性を示す特性
図である。
【図6】 第1実施形態に係る画像読取装置の電気系の
構成を示すブロック図である。
【図7】 画像読取モードへ入る際のS/W画面の構成
を示す図である。
【図8】 コード情報読取モードに入る際の状態遷移を
示す図である。
【図9】 移動量検出の処理における簡単な一次元演算
の結果を示す図であり、(a)は読取画像データの例
を、(b)は画素ずらしによる相関の変化をそれぞれ示
している。
【図10】 第1実施形態に係る画像読取装置における
ASIC内の演算処理部の構成例を示すブロック図であ
る。
【図11】 移動量検出用LEDの移動量検出窓に対す
る配置例を示す図である。
【図12】 本発明の第2実施形態に係る画像読取装置
の構成の概略を示す内部構成図である。
【図13】 第2実施形態に係る画像読取装置における
CMOSイメージセンサの撮像エリアの構成を示す図で
ある。
【図14】 CMOSイメージセンサの主要部を示す概
略構成図である。
【図15】 CMOSイメージセンサの動作説明のため
のタイミングチャートである。
【図16】 第2実施形態に係る画像読取装置の周辺回
路を含む構成例を示すブロック図である。
【図17】 部分画素読出しモードの動作説明のための
タイミングチャートである。
【図18】 第2実施形態に係る画像読取装置の電気系
の構成を示すブロック図である。
【図19】 本発明の第3実施形態に係る画像読取装置
で用いるCCDエリアセンサの主要部の構成を示す概略
構成図である。
【図20】 第3実施形態におけるコード情報読取モー
ドの動作説明のためのタイミングチャートである。
【図21】 第3実施形態における移動量検出モードの
動作説明のためのタイミングチャートである。
【図22】 本発明の第4実施形態に係る画像読取装置
の構成の概略を示す内部構成図である。
【図23】 第4実施形態に係る画像読取装置に用いる
イメージセンサセンサの撮像エリアの構成を示す図であ
る。
【図24】 本発明の第5実施形態に係る画像読取装置
の構成の概略を示す内部構成図である。
【図25】 第5実施形態に係る画像読取装置の動作説
明のためのタイミングチャートである。
【図26】 ボールと2つのロータリーエンコーダを組
み合わせた従来型の移動量検出装置を示す概略構成図で
ある。
【符号の説明】
12a,12b,52a,52b,92a,92b…操
作ボタン、13,53,94…原稿、14,54,95
…読取窓、15a〜15d、55a〜55d、96a〜
96d…原稿照明用LED、16,57…ダイクロイッ
クミラー、18…CCDエリアセンサ、19…読取光学
系、20,56,97…移動量検出用LED、23…移
動量検出装置、25,86…移動量検出窓、59,8
5,100…CMOSイメージセンサ、98…ハーフミ
ラー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5B047 BA03 BB04 BC05 BC09 BC11 CA06 CA07 CB07 CB17 CB23 DA04 DB01 5B087 AA05 AA06 AA09 BB08 BB12 BB21 DD03 DG06 5C072 AA01 BA01 BA04 CA05 DA02 DA06 DA21 EA05 EA08 FB08 FB23 FB27 PA02 PA09 PA10 UA02 UA06 UA13 VA07

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 装置筐体内に収納され、原稿中の所望の
    領域の画像を光学的に読み取る読取手段と、 前記装置筐体内に収納され、当該装置筐体の動きに関連
    する情報を光学的に検出する検出手段とを備えることを
    特徴とする画像読取装置。
  2. 【請求項2】 前記検出手段は、原稿面を照明する照明
    手段と、この照明手段による照明光に基づく原稿面から
    の反射光を受光するエリア型イメージセンサとを有する
    ことを特徴とする請求項1記載の画像読取装置。
  3. 【請求項3】 前記検出手段は、前記装置筐体の原稿面
    上の移動量を光学的に検出することを特徴とする請求項
    1記載の画像読取装置。
  4. 【請求項4】 前記読取手段は、原稿中の前記所望の領
    域を照明する照明手段と、この照明手段による照明光に
    基づく原稿面からの反射光を受光するエリア型イメージ
    センサとを有しており、 前記読取手段および前記検出手段の各エリア型イメージ
    センサの画素数および読み出しフレームレートが異なる
    ことを特徴とする請求項2記載の画像読取装置。
  5. 【請求項5】 前記読取手段のエリア型イメージセンサ
    における撮像エリアの一部分を、前記検出手段のエリア
    型イメージセンサとして用いることを特徴とする請求項
    4記載の画像読取装置。
  6. 【請求項6】 前記読取手段のエリア型イメージセンサ
    は、X-Yアドレス型イメージセンサであることを特徴
    とする請求項5記載の画像読取装置。
  7. 【請求項7】 前記読取手段による読取モードと前記検
    出手段による検出モードとで、前記読取手段のイメージ
    センサの駆動タイミングを切り換えることを特徴とする
    請求項4記載の画像読取装置。
  8. 【請求項8】 前記読取手段による読取モードと前記検
    出手段による検出モードとで、前記読取手段および前記
    検出手段の各照明手段による原稿面の照明を切り換える
    ことを特徴とする請求項4記載の画像読取装置。
  9. 【請求項9】 前記検出手段の照明手段は、その照明方
    向が前記読取手段の照明手段の照明方向と交差しないよ
    うに配置されていることを特徴とする請求項4記載の画
    像読取装置。
  10. 【請求項10】 前記読取手段および前記検出手段の各
    照明手段の分光特性が互いに異なることを特徴とする請
    求項4記載の画像読取装置。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030082850A (ko) * 2002-04-18 2003-10-23 퍼셉컴(주) 이미지 입력장치, 이를 사용하는 펜타입 입력기 및 이미지정합방법
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JP2008519331A (ja) * 2004-10-29 2008-06-05 シリコン・ライト・マシーンズ・コーポレイション 二次元モーションセンサ
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JP2011523527A (ja) * 2008-05-08 2011-08-11 アルタセンズ インコーポレイテッド 複数の撮像素子を同期させる機能を有するビデオカメラ装置及び同期方法

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