JP2001357816A - 質量分析計 - Google Patents

質量分析計

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JP2001357816A
JP2001357816A JP2000176479A JP2000176479A JP2001357816A JP 2001357816 A JP2001357816 A JP 2001357816A JP 2000176479 A JP2000176479 A JP 2000176479A JP 2000176479 A JP2000176479 A JP 2000176479A JP 2001357816 A JP2001357816 A JP 2001357816A
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JP
Japan
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temperature
filament
ionization chamber
temperature sensor
turned
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JP2000176479A
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English (en)
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Manabu Shimomura
学 下村
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Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 イオン化部のフイラメントがONまたはOF
Fいづれの状態にあっても、イオン化室内を常に一定温
度に保つことのできる質量分析計を提供する。 【解決手段】 前もって、イオン化部のフイラメント2
のONまたはOFFの両状態でヒータ3を逐次加熱し
て、その時の温度センサ4の検出値に対するイオン化室
1の内部温度を測定して、この関係を温度較正表として
制御器CPUへ記憶させておく。装置の動作中、制御器
CPUはフイラメント2がONまたはOFFのいづれの
状態にあるかを調べ、例えばフイラメント2がONの場
合はフイラメント2がONの状態で求めた温度較正表を
用いて温度センサ4から得た検出値を較正してヒータ3
の制御を行う。フイラメント2がOFFの場合はOFF
の状態で求めた温度較正表を用いる。フイラメントON
/OFF別の温度較正表を使用することによってフイラ
メント2のON/OFFにかかわらずイオン化室1の内
部は常に一定温度に保たれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスクロマトグラ
フィ質量分析(GC/MS)などに用いられる質量分析
計に関する。
【0002】
【従来の技術】質量分析法による有機化合物の成分分析
に用いられるガスクロマトグラフィ質量分析計(GC/
MS計)は試料化合物の分子・原子をイオン化室でイオ
ン化し、生成されたイオンをイオンビームとしてイオン
引き出し電極によって数千eVに加速し、レンズ電極で
分析部である四重極マスアナライザへ収束する。四重極
マスアナライザでは四本の電極で双曲線電場を作り、入
射されてきたイオンの内、特定な質量数のイオンだけが
安定な振動を行い通過することができる。従って、双曲
線電場を変化させることによって異なった質量数のイオ
ンを弁別してイオン検出器で検出することにより、試料
である有機化合物の成分分析を行うものである。
【0003】従来、質量分析計のイオン化部は図3およ
び図4に示すような構成が採られている。図3はイオン
化室1の断面と、その周辺の部品の配置を示したもの
で、2はフイラメント、3はヒータそして4が温度セン
サである。図4はイオン化室1の温度制御に関するブロ
ックダイアグラムでヒータ3および温度センサ4はそれ
ぞれD/A変換器およびA/D変換器をとおして制御器
CPU5と結ばれている。
【0004】図3において、イオン化室1内に紙面に垂
直方向から導入された試料ガスはイオン化室1の外部に
配設されたフイラメント2の点灯により、フイラメント
2から放射される熱電子のエネルギを受けイオン化され
る。生じたイオンはイオンビームとして分析部へ導かれ
る。ところで、イオン化室1の内部は試料の吸着や付着
を防止するためにイオン化室1の壁中にヒータ3を埋設
して一般的に200℃〜250℃(試料により異なる)
の高温度に加熱している。さらにイオン化室1内の温度
が変動するとイオン強度も変動するためイオン化室1内
部の温度変動を0.2℃以下におさえる必要があり、温
度検出素子として熱電対等の温度センサ4が埋設されて
いて温度制御が行われている。
【0005】実際に温度制御を行うための制御方法は、
図4に示すように温度センサ4によって検出された温度
信号がAD変換後制御器CPU5に取り込まれ、この計
測値を用いてイオン化室1内の温度が予め設定された温
度値となるように制御器CPU5からの信号をDA変換
し、ヒータ3が制御される。制御方式の詳細は、上述の
ように設定値と計測値の偏差に比例してヒータ3をコン
トロールさせる比例制御(P制御)だけでなく、このP
制御で生じるオフセットをなくする積分要素(I制御)
と、さらに追従性を増大させ、安定性を増加させる微分
要素(D制御)を加えたPID制御を行い制御性を改善
し精度の高い制御を行っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の質量分析計は以
上のように構成されているが、イオン化室内温度を一定
値に保つためPID制御を行っているにもかかわらず次
のような問題が生じていた。今、イオン化室と温度セン
サについて、それらの加熱源であるヒータT1と放熱源
である外部との間の熱の流れ方を考えると、熱の流れ方
は物体の材料の物理的性質と物体の構造、形によって定
まるから、それらを、その熱流路における熱抵抗値Rで
概念付けると従来法では図5のように示される。即ち、
イオン化室はヒータよりR1の熱抵抗を介して加熱さ
れ、外部に対してはR2の値で放熱される。同様に、温
度センサはR1´の熱抵抗を介して加熱され、R2´の
値で放熱される。
【0007】ここで、熱抵抗R1とR1´およびR2と
R2´とを各々等しくなるように配置または構造、形を
とれば、イオン化室内の温度は温度センサの温度と、ほ
ぼ等しくでき、温度センサの検出値を用いてイオン化室
内の温度をPID制御すれば温調の精度は高く維持でき
る。しかるに、実際にはイオン化室ならびに温度センサ
に対して、イオン化室に近接して配設された、もう一つ
の熱源と考えるべきフイラメントの存在がある。このフ
イラメントに対するイオン化室への熱抵抗R3および温
度センサへの熱抵抗R3´を考えたとき、熱抵抗概念図
は図6の如くなる。フイラメントはイオン化室に対し
て、その配置や構造、形が定まるから、熱抵抗R1、R
2のように熱抵抗R3とR3´を、ほぼ同一にすること
は困難である。しかもフイラメントはヒータのように制
御対象ではなく測定操作に依存して任意にON/OFF
が行われる熱源であるから、フイラメントがONの状態
とOFFの状態とでイオン化室内の温度は予測なく温度
センサ検出値とは大きく異なり、大きな変動を受けるこ
とになって、温度センサの検出値が一定になるようにP
ID制御しているだけではイオン化室内の温度は一定に
保たれないこととなる。本発明は、このような事情に鑑
みてなされたものであって、フイラメントがON/OF
Fされても、常にイオン化室内の温度が一定に保たれる
質量分析計を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の質量分析計は、イオン化部のフイラメント
のON/OFF信号に従って異なる温度較正曲線により
温度制御を行う制御回路を備えたもである。これによっ
てフイラメントのON/OFF動作をヒータのON/O
FF動作に反映させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に係わる質量分析計のイオ
ン化部は図3と同じ構成を有する。図3はイオン化室1
の断面と、その周辺の部品の配置を示したものでイオン
化室1内に紙面に垂直方向から試料ガスが導入される。
一方イオン化室1の外部にフイラメント2が配設されて
おり、加熱されたフイラメント2から生成された熱電子
がトラップに向かって数十eVに加速され、イオン化室
内に導入された試料ガスの分子・原子に衝突してイオン
化させる。生じたイオンはイオンビームとしてイオン引
き出し電極(図示されていない)によって数千eVに加
速され分析部(図示されていない)へ導かれる。ところ
で、イオン化室1の内部は試料の吸着や付着を防止する
ためにイオン化室1の壁中にヒータ3を埋設して一般的
に200℃〜250℃(試料により異なる)の高温度に
加熱している。さらにイオン化室1内の温度が変動する
とイオン強度も変動するためイオン化室1内部の温度変
動を0.2℃以下におさえる必要があり、温度検出素子
として熱電対等の温度センサ4が埋設されていて温度制
御が行われている。
【0010】次に、本発明の質量分析計の一実施例を図
1のブロックダイアグラム、図2の温度較正表により説
明する。図1において、2は熱電子を放射させるフイラ
メント、3はイオン化室を加熱するヒータであり、4は
温度を検出する温度センサである。5は制御論理を実行
する制御器CPUであり、記憶部6をもつ。制御器CP
U5に対しヒータ3はD/A変換器を通して接続されて
おり、温度センサ4はA/D変換器を通して接続され
る。さらにフイラメント2のON/OFF信号回路が制
御器CPU5に接続されている。
【0011】図2は記憶部6に入力された温度較正表で
ある。温度較正表は次のようにして作成される。まずイ
オン化室1内の中心部に検定用温度センサを設置してイ
オン化室1内の温度を測定できるようにしておく。そし
てヒータ3に通電してフイラメント2が点灯されている
状態にする。次に温度センサ4の検出値が常用範囲を充
分カバーする範囲内の複数点を前もって定め、それらの
各値となるようにヒータ3を順次制御する。検定用温度
センサならびに温度センサ4の値が充分安定した状態で
複数点分の温度センサ4の各値に対する検定用温度セン
サの値を順次記録していき図2表A部を得る。さらに同
様の事柄をフイラメント2が消灯されている状態でも求
め図2表B部を得る。そして図2の温度較正表を記憶部
6に入力しておく。なお、上記の説明では温度センサ4
の検出値を設定値としたが逆に検定用温度センサの検出
値の方を複数点定めて、その時の温度センサ4の値を記
録するようにしてもよい。
【0012】次に、図1の質量分析計の温度制御動作を
説明する。温度制御にあたって制御器CPU5はフイラ
メント2の点灯がON状態かOFF状態にあるかを調べ
る。点灯状態にあるときは、記憶部6内にストアされて
いる温度較正表図2のフイラメントON状態での較正表
Aを用い、まず試料によって予め設定されているイオン
化室温度を較正表のイオン化室温度中から選び、それに
対する温度センサ値を読みとる。具体的にはイオン化室
温度に対する温度センサ4の値を用いて両者の相関を関
数形にし、温度較正曲線として記憶部6に入力しておい
て設定イオン化室温度に対する温度センサ値をこの関数
を解いて求めてもよい。また表作成に際し、多点観測が
行えているときは較正表数値を使った内挿近似で求めて
もよい。そして温度センサ4から、その時の温度センサ
値をA/D変換器をとおして取り込む。次にこの取り込
まれた温度センサ値と先に較正表から求めた温度センサ
値との偏差を求める。そして、この偏差からPID制御
に従うヒータ3への加熱信号をD/A変換器をとおして
送りヒータの電流を増減して温度制御が行われる。ま
た、フイラメント2が消灯状態にある場合には同様な方
法で制御器CPU5は消灯状態にあるときの温度較正表
Bから得られる値を用い、温度センサ4から検出された
温度値を較正してPID温度制御を行う。
【0013】
【発明の効果】本発明の質量分析計は前記のように構成
されており、イオン化部のフイラメントのON状態とO
FF状態とにおける温度センサ検出値とイオン化室内温
度との関係を先に求めておき、この情報をフイラメント
ON/OFF別でヒータの加熱制御をさせるようにした
ので、装置の運転中フイラメントのON/OFFによら
ず、どのような状態でも常にイオン化室内の温度を一定
に保つことができ、分析の精度、再現性、安定性等を向
上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の質量分析計の一実施例を示すブロッ
ク図である。
【図2】 本発明の質量分析計の一実施例を示す温度較
正表である。
【図3】 質量分析計のイオン化部を示す図である。
【図4】 従来の質量分析計を示すブロック図である。
【図5】 従来の質量分析計の熱流路概念図である。
【図6】 本発明の質量分析計の熱流路概念図である。
【符号の説明】
1…イオン化室 2…フイラメント 3…ヒータ 4…温度センサ 5…制御器CPU 6…記憶部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 その内部で試料分子をイオン化するため
    のイオン化室と、熱電子を放射させるフイラメントと、
    イオン化室を加熱するヒータとイオン化室の温度を測温
    する温度センサを有するイオン化部を備えた質量分析計
    において、イオン化部のフイラメントのON/OFF信
    号に従って異なる温度較正曲線により温度制御を行う制
    御回路を備えたことを特徴とする質量分析計。
JP2000176479A 2000-06-13 2000-06-13 質量分析計 Pending JP2001357816A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004170155A (ja) * 2002-11-18 2004-06-17 Shimadzu Corp 温調システムを備えた分析装置
JP2006194706A (ja) * 2005-01-13 2006-07-27 Shimadzu Corp 分析装置における温度制御装置
JP7414146B2 (ja) 2020-07-14 2024-01-16 株式会社島津製作所 ガスクロマトグラフ質量分析装置

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