JP2001354564A - カチオン性ローダシアニン系色素誘導体を有効成分とする、mot−2蛋白質とp53蛋白質の相互作用阻害剤 - Google Patents
カチオン性ローダシアニン系色素誘導体を有効成分とする、mot−2蛋白質とp53蛋白質の相互作用阻害剤Info
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- JP2001354564A JP2001354564A JP2000184540A JP2000184540A JP2001354564A JP 2001354564 A JP2001354564 A JP 2001354564A JP 2000184540 A JP2000184540 A JP 2000184540A JP 2000184540 A JP2000184540 A JP 2000184540A JP 2001354564 A JP2001354564 A JP 2001354564A
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- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 1-エチル-2-{[3-エチル-5-(3-メチルベンゾ
チアゾリン-2-イリデン)]-4-オキソチアゾリジン-2-イ
リデンメチル}ピリジニウムクロライドおよびその誘導
体の細胞内における標的分子および細胞内での作用機序
を解明することにより、これら化合物の新たな薬剤用途
を提供することを課題とする。 【解決手段】 1-エチル-2-{[3-エチル-5-(3-メチルベ
ンゾチアゾリン-2-イリデン)]-4-オキソチアゾリジン-2
-イリデンメチル}ピリジニウムクロライドおよびその誘
導体が、細胞内において熱ショック蛋白質70 (hsp70)の
メンバーであるmot-2と結合し、mot-2とその標的である
癌抑制蛋白質p53との相互作用を阻害することを見出し
た。
チアゾリン-2-イリデン)]-4-オキソチアゾリジン-2-イ
リデンメチル}ピリジニウムクロライドおよびその誘導
体の細胞内における標的分子および細胞内での作用機序
を解明することにより、これら化合物の新たな薬剤用途
を提供することを課題とする。 【解決手段】 1-エチル-2-{[3-エチル-5-(3-メチルベ
ンゾチアゾリン-2-イリデン)]-4-オキソチアゾリジン-2
-イリデンメチル}ピリジニウムクロライドおよびその誘
導体が、細胞内において熱ショック蛋白質70 (hsp70)の
メンバーであるmot-2と結合し、mot-2とその標的である
癌抑制蛋白質p53との相互作用を阻害することを見出し
た。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カチオン性ローダ
シアニン系色素誘導体を有効成分とするモータリンとp5
3の相互作用阻害剤に関する。
シアニン系色素誘導体を有効成分とするモータリンとp5
3の相互作用阻害剤に関する。
【0002】
【従来の技術】1-エチル-2-{[3-エチル-5-(3-メチルベ
ンゾチアゾリン-2-イリデン)]-4-オキソチアゾリジン-2
-イリデンメチル}ピリジニウムクロライド(1-ethyl-2-
{[3-ethyl-5-(3-methylbenzothiazolin-2-ylidene)]-4-
oxothiazolidin-2-ylidenemethyl} pyridinium chlorid
e; 後述の「化合物-1」)は、水溶性の親脂質性カチ
オンであるローダシアニン誘導体(ローダミン123関連
化合物)系色素化合物である。
ンゾチアゾリン-2-イリデン)]-4-オキソチアゾリジン-2
-イリデンメチル}ピリジニウムクロライド(1-ethyl-2-
{[3-ethyl-5-(3-methylbenzothiazolin-2-ylidene)]-4-
oxothiazolidin-2-ylidenemethyl} pyridinium chlorid
e; 後述の「化合物-1」)は、水溶性の親脂質性カチ
オンであるローダシアニン誘導体(ローダミン123関連
化合物)系色素化合物である。
【0003】該化合物は、種々のin vitroあるいはin v
ivoモデル系において有意な抗腫瘍効果を示すことが知
られている(Koya, K. et al. (1996) Cancer Res. 56,
538-543;Chiba, Y. et al. (1998) J. Surg. Oncol.
69, 105-110.;Petit, T. etal. (1999) Anticancer Dr
ugs 10, 309-315;Chiba, Y. et al. (1998) Anticance
r Res. 18, 1047-1052)。その正電荷故に、ローダシア
ニン誘導体系色素化合物に含まれる一連の化合物は、疎
水性脂質2重膜からなる細胞膜を通過して極度に陰性に
荷電したミトコンドリア内に貯留する特性を有する。癌
細胞での正常細胞と比較した場合の高いミトコンドリア
膜ポテンシャルは、これらの化合物が選択的に癌細胞に
取り込まれそのミトコンドリアに蓄積して選択的な毒性
を発揮することを説明している(Koya, K. et al. (199
6) Cancer Res. 56, 538-543;Modica-Napolitano, J.
S. et al. (1996) Cancer Res. 56, 544-550;Modica-N
apolitano, J. S., et al. (1998) Cancer Res. 58, 71
-75;Tatsuta, N. et al. (1999) Cancer Chemother. P
harmacol. 43, 295-301.)。それ故、1-エチル-2-{[3-
エチル-5-(3-メチルベンゾチアゾリン-2-イリデン)]-4-
オキソチアゾリジン-2-イリデンメチル}ピリジニウムク
ロライドは、前臨床あるいは臨床試験においてその選択
的な薬効が検討されてきた(Koya, K. et al. (1996) C
ancer Res.56, 538-543;Propper, D. J. et al. (199
9) Ann. Oncol. 10, 923-927;Britten, C. D. et al.
(2000) Clin. Cancer Res. 6, 42-49)。
ivoモデル系において有意な抗腫瘍効果を示すことが知
られている(Koya, K. et al. (1996) Cancer Res. 56,
538-543;Chiba, Y. et al. (1998) J. Surg. Oncol.
69, 105-110.;Petit, T. etal. (1999) Anticancer Dr
ugs 10, 309-315;Chiba, Y. et al. (1998) Anticance
r Res. 18, 1047-1052)。その正電荷故に、ローダシア
ニン誘導体系色素化合物に含まれる一連の化合物は、疎
水性脂質2重膜からなる細胞膜を通過して極度に陰性に
荷電したミトコンドリア内に貯留する特性を有する。癌
細胞での正常細胞と比較した場合の高いミトコンドリア
膜ポテンシャルは、これらの化合物が選択的に癌細胞に
取り込まれそのミトコンドリアに蓄積して選択的な毒性
を発揮することを説明している(Koya, K. et al. (199
6) Cancer Res. 56, 538-543;Modica-Napolitano, J.
S. et al. (1996) Cancer Res. 56, 544-550;Modica-N
apolitano, J. S., et al. (1998) Cancer Res. 58, 71
-75;Tatsuta, N. et al. (1999) Cancer Chemother. P
harmacol. 43, 295-301.)。それ故、1-エチル-2-{[3-
エチル-5-(3-メチルベンゾチアゾリン-2-イリデン)]-4-
オキソチアゾリジン-2-イリデンメチル}ピリジニウムク
ロライドは、前臨床あるいは臨床試験においてその選択
的な薬効が検討されてきた(Koya, K. et al. (1996) C
ancer Res.56, 538-543;Propper, D. J. et al. (199
9) Ann. Oncol. 10, 923-927;Britten, C. D. et al.
(2000) Clin. Cancer Res. 6, 42-49)。
【0004】また、癌に関連したローダシアニン誘導体
の用途発明として、これまでに、該誘導体を有効成分と
する、癌治療のための医薬組成物(特許第2567328号)
や癌の光化学療法用及び診断用医薬組成物(特開平7-33
657号)が報告されている。しかしながら、これまでの
報告では、いかなる作用機序でこれら誘導体が癌細胞に
対し選択的な作用を行うかが明らかとなっていない。特
に、これら化合物の細胞内での標的分子あるいは細胞増
殖の停止につながる分子的な機序に関しては、現在のと
ころ全く不明である。
の用途発明として、これまでに、該誘導体を有効成分と
する、癌治療のための医薬組成物(特許第2567328号)
や癌の光化学療法用及び診断用医薬組成物(特開平7-33
657号)が報告されている。しかしながら、これまでの
報告では、いかなる作用機序でこれら誘導体が癌細胞に
対し選択的な作用を行うかが明らかとなっていない。特
に、これら化合物の細胞内での標的分子あるいは細胞増
殖の停止につながる分子的な機序に関しては、現在のと
ころ全く不明である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ローダシア
ニン化合物の細胞内における標的分子および細胞内での
作用機序を解明することにより、これら化合物の新たな
薬剤用途を提供することを課題とする。
ニン化合物の細胞内における標的分子および細胞内での
作用機序を解明することにより、これら化合物の新たな
薬剤用途を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決すべく鋭意研究を行なった結果、カチオン性ロー
ダシアニン系色素誘導体であるローダシアニン化合物
が、細胞内において熱ショック蛋白質70 (hsp70)のメン
バーであるmot-2と結合し、mot-2とその標的である癌抑
制蛋白質p53との相互作用を阻害することを見出すこと
に成功した。
を解決すべく鋭意研究を行なった結果、カチオン性ロー
ダシアニン系色素誘導体であるローダシアニン化合物
が、細胞内において熱ショック蛋白質70 (hsp70)のメン
バーであるmot-2と結合し、mot-2とその標的である癌抑
制蛋白質p53との相互作用を阻害することを見出すこと
に成功した。
【0007】従って、本発明は、ローダシアニン化合物
を有効成分とするmot-2蛋白質とp53蛋白質の相互作用阻
害剤に関し、より詳しくは、 (1) 下記一般式(I)または(II)で示される化合
物から選択される少なくとも1つの化合物を有効成分と
する、mot-2蛋白質とp53蛋白質の相互作用阻害剤。
を有効成分とするmot-2蛋白質とp53蛋白質の相互作用阻
害剤に関し、より詳しくは、 (1) 下記一般式(I)または(II)で示される化合
物から選択される少なくとも1つの化合物を有効成分と
する、mot-2蛋白質とp53蛋白質の相互作用阻害剤。
【化9】 (式中、X1はSまたは-CH=CH-(この場合、X1を含む環は
6員環を形成する)を表し;X2 はSまたは-CH=CH-を表
し;R1 、R2及びR3 はそれぞれメチル基またはエチル基
を表し、同一でも異なっていてもよく;Z1は-X2-C=(CH-
CH)n =N+(R3)-とともに、チアゾール環、ベンゾチアゾ
ール環、チアゾリン環、2-ピリジン環、2-キノリン環、
4-キノリン環を表し;Qはアニオンを表し; nは0または
1を表す。)
6員環を形成する)を表し;X2 はSまたは-CH=CH-を表
し;R1 、R2及びR3 はそれぞれメチル基またはエチル基
を表し、同一でも異なっていてもよく;Z1は-X2-C=(CH-
CH)n =N+(R3)-とともに、チアゾール環、ベンゾチアゾ
ール環、チアゾリン環、2-ピリジン環、2-キノリン環、
4-キノリン環を表し;Qはアニオンを表し; nは0または
1を表す。)
【化10】 (式中、X1、X2、R1、R2、R3、Z1、Q、nは、一般式
(I)と同じ意味を、R4はメチル基またはエチル基を表
す。) (2) 下記のいずれかの化合物を有効成分とする、
(1)に記載のmot-2蛋白質とp53蛋白質の相互作用阻害
剤。
(I)と同じ意味を、R4はメチル基またはエチル基を表
す。) (2) 下記のいずれかの化合物を有効成分とする、
(1)に記載のmot-2蛋白質とp53蛋白質の相互作用阻害
剤。
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】 を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、カチオン性ローダシア
ニン系色素誘導体を有効成分とする、mot-2蛋白質とp53
蛋白質の相互作用阻害剤を提供する。本発明の薬剤は、
有効成分として、一般式(I)または(II)で示されるカチ
オン性ローダシアニン系色素誘導体を少なくとも1種含
む。
ニン系色素誘導体を有効成分とする、mot-2蛋白質とp53
蛋白質の相互作用阻害剤を提供する。本発明の薬剤は、
有効成分として、一般式(I)または(II)で示されるカチ
オン性ローダシアニン系色素誘導体を少なくとも1種含
む。
【0009】
【化17】
【0010】
【化18】
【0011】一般式(I)および(II)で示されるカチ
オン性ローダシアニン系色素誘導体において、X1はSま
たは-CH=CH-を表す。ここでX1が-CH=CH-である場合に
は、X1を含む環は6員環を形成する。X2 はSまたは-CH=C
H-を表す。R1 、R2、R3及びR4はそれぞれメチル基また
はエチル基を表し、これらは分子内で同一であっても異
なっていてもよい。nは0または1を表す。
オン性ローダシアニン系色素誘導体において、X1はSま
たは-CH=CH-を表す。ここでX1が-CH=CH-である場合に
は、X1を含む環は6員環を形成する。X2 はSまたは-CH=C
H-を表す。R1 、R2、R3及びR4はそれぞれメチル基また
はエチル基を表し、これらは分子内で同一であっても異
なっていてもよい。nは0または1を表す。
【0012】Z1は-X2-C=(CH-CH)n =N+(R3)-とともに、5
員または6員環(飽和または不飽和の5員または6員環)
を形成するのに必要な原子群である。Z1によって形成さ
れる環は1または2以上の置換基で置換されていてもよ
い。Z1によって形成される環上に存在し得る置換基の
好適な例としては、1または2以上のアルキル基、アルコ
キシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子(塩素、臭
素、フッ素及びヨウ素)、アリール基、水酸基、アミノ
基、アルキル基またはアリール基で置換されたアミノ
基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、カルバモイ
ル基、スルファモイル基、カルボキシル基、アルコキシ
カルボニル基、アシルオキシ基、ヘテロ環(ピロール
環、フラン環、ピペリジン環、モルホリン環、ピリジン
環等)、シアノ基、ニトロ基等が挙げられが挙げられ
る。好ましい置換基の一例は、アルキル基(例えば、メ
チル基、エチル基)である。
員または6員環(飽和または不飽和の5員または6員環)
を形成するのに必要な原子群である。Z1によって形成さ
れる環は1または2以上の置換基で置換されていてもよ
い。Z1によって形成される環上に存在し得る置換基の
好適な例としては、1または2以上のアルキル基、アルコ
キシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子(塩素、臭
素、フッ素及びヨウ素)、アリール基、水酸基、アミノ
基、アルキル基またはアリール基で置換されたアミノ
基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、カルバモイ
ル基、スルファモイル基、カルボキシル基、アルコキシ
カルボニル基、アシルオキシ基、ヘテロ環(ピロール
環、フラン環、ピペリジン環、モルホリン環、ピリジン
環等)、シアノ基、ニトロ基等が挙げられが挙げられ
る。好ましい置換基の一例は、アルキル基(例えば、メ
チル基、エチル基)である。
【0013】Z1 によって形成される5員または6員環で
あるヘテロ環の具体例としてはチアゾール系の環(例え
ば、チアゾール、4-メチルチアゾール、4-フェニルチア
ゾール、4,5-ジフェニルチアゾール、4,5-ジメチルチア
ゾール等)、ベンゾチアゾール系の環(例えば、ベンゾ
チアゾール、5-クロロベンゾチアゾール、5-メチルベン
ゾチアゾール、5-フェニルベンゾチアゾール、5-メトキ
シベンゾチアゾール、4-フルオロベンゾチアゾール、5,
6-ジオキシメチレンベンゾチアゾール、5-ニトロベンゾ
チアゾール、5-トリフルオロメチルベンゾチアゾール、
5-メトキシカルボニルベンゾチアゾール、5-ヒドロキシ
ベンゾチアゾール、6-ヒドロキシベンゾチアゾール、5-
シアノベンゾチアゾール、5-ヨードベンゾチアゾール
等)、チアゾリン系の環(例えば、チアゾリン、4,4-ジ
メチルチアゾリン等)、2-ピリジン系の環(例えば、2-
ピリジン、5-メチル-2-ピリジン、5-メトキシ-2-ピリジ
ン、4-クロロ-2-ピリジン、5-カルバモイル-2-ピリジ
ン、5-メトキシカルボニル-2-ピリジン、4-アセチルア
ミノ-2-ピリジン、6-メチルチオ-2-ピリジン、6-メチル
-2-ピリジン等)、2-キノリン系の環(例えば、2-キノ
リン、6-メチル-2-キノリン、6-クロロ-2-キノリン、6-
エトキシ-2-キノリン、6-ヒドロキシ-2-キノリン、6‐
ニトロ-2-キノリン、6-アセチルアミノ-2-キノリン、6-
ジメチルアミノカルボニル-2-キノリン、8-フルオロ-2-
キノリン等)、4-キノリン系の環(例えば、4-キノリ
ン、6-メトキシ-4-キノリン、6-アセチルアミノ‐4-キ
ノリン、8-クロロ‐4-キノリン、6-トリフルオロメチル
-4-キノリン等)等を含む核含有環の如き5員及び6員の
ヘテロ環が挙げられる。一般式(I)で示されるカチオ
ン性ローダシアニン系色素誘導体においては、好ましく
はチアゾール系の環、チアゾリン系の環、2-キノリン系
の環または4-キノリン系の環であり、一般式(II)で示
されるカチオン性ローダシアニン系色素誘導体において
は、好ましくはベンゾチアゾール系の環である。
あるヘテロ環の具体例としてはチアゾール系の環(例え
ば、チアゾール、4-メチルチアゾール、4-フェニルチア
ゾール、4,5-ジフェニルチアゾール、4,5-ジメチルチア
ゾール等)、ベンゾチアゾール系の環(例えば、ベンゾ
チアゾール、5-クロロベンゾチアゾール、5-メチルベン
ゾチアゾール、5-フェニルベンゾチアゾール、5-メトキ
シベンゾチアゾール、4-フルオロベンゾチアゾール、5,
6-ジオキシメチレンベンゾチアゾール、5-ニトロベンゾ
チアゾール、5-トリフルオロメチルベンゾチアゾール、
5-メトキシカルボニルベンゾチアゾール、5-ヒドロキシ
ベンゾチアゾール、6-ヒドロキシベンゾチアゾール、5-
シアノベンゾチアゾール、5-ヨードベンゾチアゾール
等)、チアゾリン系の環(例えば、チアゾリン、4,4-ジ
メチルチアゾリン等)、2-ピリジン系の環(例えば、2-
ピリジン、5-メチル-2-ピリジン、5-メトキシ-2-ピリジ
ン、4-クロロ-2-ピリジン、5-カルバモイル-2-ピリジ
ン、5-メトキシカルボニル-2-ピリジン、4-アセチルア
ミノ-2-ピリジン、6-メチルチオ-2-ピリジン、6-メチル
-2-ピリジン等)、2-キノリン系の環(例えば、2-キノ
リン、6-メチル-2-キノリン、6-クロロ-2-キノリン、6-
エトキシ-2-キノリン、6-ヒドロキシ-2-キノリン、6‐
ニトロ-2-キノリン、6-アセチルアミノ-2-キノリン、6-
ジメチルアミノカルボニル-2-キノリン、8-フルオロ-2-
キノリン等)、4-キノリン系の環(例えば、4-キノリ
ン、6-メトキシ-4-キノリン、6-アセチルアミノ‐4-キ
ノリン、8-クロロ‐4-キノリン、6-トリフルオロメチル
-4-キノリン等)等を含む核含有環の如き5員及び6員の
ヘテロ環が挙げられる。一般式(I)で示されるカチオ
ン性ローダシアニン系色素誘導体においては、好ましく
はチアゾール系の環、チアゾリン系の環、2-キノリン系
の環または4-キノリン系の環であり、一般式(II)で示
されるカチオン性ローダシアニン系色素誘導体において
は、好ましくはベンゾチアゾール系の環である。
【0014】上記の化合物において電荷平衡に必要であ
るQについては、該化合物を医薬の有効成分として用い
る場合には、薬学的に許容し得るアニオンである。「薬
学的に許容し得るアニオン」という用語は、該化合物を
受容者に投与した場合に無毒でかつ上記の化合物を水性
系に溶解させるイオンを意味する。Qによって表される
アニオンの好適な例としては塩素イオン、臭素イオン及
びヨウ素イオンの如きハロゲンイオン、例えば、メタン
スルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオ
ン、P-トルエンスルホン酸イオン、ナフタレンスルホン
酸イオン、2-ヒドロキシエタンスルホン酸イオン等の脂
肪族及び芳香族スルホン酸イオンの如きスルホン酸イオ
ン、シクロヘキサンスルファミン酸イオンの如きスルフ
ァミン酸イオン、メチル硫酸イオン及びエチル硫酸イオ
ンの如き硫酸イオン、硫酸水素イオン、ホウ酸イオン、
ジエチルリン酸イオン及びメチル水素リン酸イオンの如
きアルキル及びジアルキルリン酸イオン、トリメチルピ
ロリン酸イオン及びジエチル水素ピロリン酸イオンの如
きピロリン酸イオン、カルボン酸イオン(カルボキシ基
及び水酸基が置換したカルボン酸イオンが都合よく用い
られる)及び炭酸イオンが挙げられる。薬学的に許容し
得るアニオンの好ましい例としては塩素イオン、酢酸イ
オン、プロピオン酸イオン、吉草酸イオン、クエン酸イ
オン、マレイン酸イオン、フマル酸イオン、乳酸イオ
ン、コハク酸イオン、酒石酸イオン及び安息香酸イオン
が挙げられる。
るQについては、該化合物を医薬の有効成分として用い
る場合には、薬学的に許容し得るアニオンである。「薬
学的に許容し得るアニオン」という用語は、該化合物を
受容者に投与した場合に無毒でかつ上記の化合物を水性
系に溶解させるイオンを意味する。Qによって表される
アニオンの好適な例としては塩素イオン、臭素イオン及
びヨウ素イオンの如きハロゲンイオン、例えば、メタン
スルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオ
ン、P-トルエンスルホン酸イオン、ナフタレンスルホン
酸イオン、2-ヒドロキシエタンスルホン酸イオン等の脂
肪族及び芳香族スルホン酸イオンの如きスルホン酸イオ
ン、シクロヘキサンスルファミン酸イオンの如きスルフ
ァミン酸イオン、メチル硫酸イオン及びエチル硫酸イオ
ンの如き硫酸イオン、硫酸水素イオン、ホウ酸イオン、
ジエチルリン酸イオン及びメチル水素リン酸イオンの如
きアルキル及びジアルキルリン酸イオン、トリメチルピ
ロリン酸イオン及びジエチル水素ピロリン酸イオンの如
きピロリン酸イオン、カルボン酸イオン(カルボキシ基
及び水酸基が置換したカルボン酸イオンが都合よく用い
られる)及び炭酸イオンが挙げられる。薬学的に許容し
得るアニオンの好ましい例としては塩素イオン、酢酸イ
オン、プロピオン酸イオン、吉草酸イオン、クエン酸イ
オン、マレイン酸イオン、フマル酸イオン、乳酸イオ
ン、コハク酸イオン、酒石酸イオン及び安息香酸イオン
が挙げられる。
【0015】上記の一般式(I)および(II)の化合物は、
英国特許第 489,335及び487,051号;米国特許第 2,388,
963、2,454,629 及び 2,504,468号;ノット(E.B.Knot
t)ら,J. Chem. Soc., 4762 (1952)及びノットら,J.
Chem. Soc., 949(1955)、ヨーロッパ特許第527,494号、
特開平5-117148号、米国特許出願第692,347号、英国特
許第489,335及び487,051号;米国特許第2,388,963、2,4
54,629及び2,504,468号;ノット(E. B.Knott)ら、 J.
Chem. Soc., 4762(1952)及びノットら、J. Chem. So
c., 949(1955).に開示された方法に従い公知の出発
原料から容易に製造することができ、該開示内容は本明
細書に含まれるものとする。本発明で用い得る一般式
(I)および(II)の化合物の典型的な例としては以下の化
合物が挙げられる。しかしながら、本発明はこれら化合
物に限定されるものと解釈されるべきではない。
英国特許第 489,335及び487,051号;米国特許第 2,388,
963、2,454,629 及び 2,504,468号;ノット(E.B.Knot
t)ら,J. Chem. Soc., 4762 (1952)及びノットら,J.
Chem. Soc., 949(1955)、ヨーロッパ特許第527,494号、
特開平5-117148号、米国特許出願第692,347号、英国特
許第489,335及び487,051号;米国特許第2,388,963、2,4
54,629及び2,504,468号;ノット(E. B.Knott)ら、 J.
Chem. Soc., 4762(1952)及びノットら、J. Chem. So
c., 949(1955).に開示された方法に従い公知の出発
原料から容易に製造することができ、該開示内容は本明
細書に含まれるものとする。本発明で用い得る一般式
(I)および(II)の化合物の典型的な例としては以下の化
合物が挙げられる。しかしながら、本発明はこれら化合
物に限定されるものと解釈されるべきではない。
【0016】
【化19】
【0017】
【化20】
【0018】
【化21】
【0019】
【化22】
【0020】
【化23】
【0021】
【化24】
【0022】本発明のmot-2蛋白質とp53蛋白質の相互作
用阻害剤の用途としては、試薬用途および医薬用途の双
方が含まれる。本発明の化合物は、mot-2蛋白質とp53蛋
白質の相互作用を阻害し、細胞内におけるp53の局在を
変化させる活性、具体的には、p53の細胞内局在を細胞
質から核内へ変化させる活性を有している。従って、本
発明のmot-2蛋白質とp53蛋白質の相互作用阻害剤は、細
胞内におけるp53の局在を変化させる試薬として利用す
ることができる。p53は細胞周期や細胞増殖に深く関わ
る因子であるため、このような試薬は、細胞周期や細胞
増殖の分子メカニズムの解明において有用である。本発
明の試薬は、用いる化合物や細胞の種類などに応じて、
典型的には、0.5μg/mlから30μg/ml程度の濃度で細胞
に作用させると有効であろう(図2b参照)。
用阻害剤の用途としては、試薬用途および医薬用途の双
方が含まれる。本発明の化合物は、mot-2蛋白質とp53蛋
白質の相互作用を阻害し、細胞内におけるp53の局在を
変化させる活性、具体的には、p53の細胞内局在を細胞
質から核内へ変化させる活性を有している。従って、本
発明のmot-2蛋白質とp53蛋白質の相互作用阻害剤は、細
胞内におけるp53の局在を変化させる試薬として利用す
ることができる。p53は細胞周期や細胞増殖に深く関わ
る因子であるため、このような試薬は、細胞周期や細胞
増殖の分子メカニズムの解明において有用である。本発
明の試薬は、用いる化合物や細胞の種類などに応じて、
典型的には、0.5μg/mlから30μg/ml程度の濃度で細胞
に作用させると有効であろう(図2b参照)。
【0023】また、本発明のmot-2蛋白質とp53蛋白質の
相互作用阻害剤は、生体内において細胞増殖を抑制する
ための医薬として利用することができる。例えば、mot-
2蛋白質およびp53蛋白質が関連する種々の疾患、例え
ば、癌の治療に有効に使用できる。本発明の化合物の作
用から考えて、これら化合物は野生型p53を保持してい
て、その機能が細胞質への繋留あるいは未知の機序によ
り不活性化されている様な腫瘍、例えば神経芽細胞種、
乳癌あるいは奇形腫(teratocarcinoma)に特に有効で
あると考えられる。本発明の化合物を医薬の有効成分と
して用いる場合には、通常、医薬キャリアーや希釈剤な
どと共に製剤化する。医薬キャリアーまたは希釈剤の好
適な例としてはグルコース;サッカロース;ラクトー
ス;エチルアルコール;グリセリン;マンニトール;ソ
ルビトール;ペンタエリスリトール;ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、エチレングリコール、
プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリ
エチレングリコール400、他のポリエチレングリコー
ル;トリラウリン酸グリセリル,モノステアリン酸グリ
セリル,トリステアリン酸グリセリル及びジステアリン
酸グリセリルの如き飽和脂肪酸のモノ、ジ及びトリグリ
セリド;ペクチン;でんぷん;アルギニン酸;キシロー
ス;タルク;石松子;オリーブ油、ピーナッツ油、ヒマ
シ油、コーン油、小麦麦芽油、ゴマ油、綿実油、ヒマワ
リ油及びタラ肝油の如きオイル及び油脂;ゼラチン;レ
シチン;シリカ;セルロース;メチルヒドロキシプロピ
ルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロースの如きセルロース誘導体;ステアリン酸カルシ
ウム、ラウリン酸カルシウム、オレイン酸マグネシウ
ム、パルミチン酸カルシウム、ベヘン酸カルシウム及び
ステアリン酸マグネシウム等の12〜22の炭素原子を
有する脂肪酸のマグネシウム塩またはカルシウム塩;シ
クロデキストリン類;例えば、α‐シクロデキストリ
ン、β‐シクロデキストリン、γ‐シクロデキストリ
ン、ヒドロキシエチル‐β‐シクロデキストリン、ヒド
ロキシプロピル‐β‐シクロデキストリン、ジヒドロキ
シプロピル‐β‐シクロデキストリン、カルボキシメチ
ルエチル‐β‐シクロデキストリン及びジメチル‐β‐
シクロデキストリン;乳化剤;例えば、2〜22、特に10
〜18の炭素原子を有する飽和及び不飽和の脂肪酸とグリ
コール、グリセリン、ジエチレングリコール、ペンタエ
リスリトール、エチルアルコール、ブチルアルコール、
オクタデシルアルコールの如き一価の脂肪族アルコール
(例えば、アルカノールの如き1〜20の炭素原子を有す
るもの)または多価アルコールとのエステルまたは;及
びジメチルポリシロキサンの如きシリコーンが挙げられ
る。また、医薬組成物に従来から用いられてきた追加の
キャリアーも本発明に適している。
相互作用阻害剤は、生体内において細胞増殖を抑制する
ための医薬として利用することができる。例えば、mot-
2蛋白質およびp53蛋白質が関連する種々の疾患、例え
ば、癌の治療に有効に使用できる。本発明の化合物の作
用から考えて、これら化合物は野生型p53を保持してい
て、その機能が細胞質への繋留あるいは未知の機序によ
り不活性化されている様な腫瘍、例えば神経芽細胞種、
乳癌あるいは奇形腫(teratocarcinoma)に特に有効で
あると考えられる。本発明の化合物を医薬の有効成分と
して用いる場合には、通常、医薬キャリアーや希釈剤な
どと共に製剤化する。医薬キャリアーまたは希釈剤の好
適な例としてはグルコース;サッカロース;ラクトー
ス;エチルアルコール;グリセリン;マンニトール;ソ
ルビトール;ペンタエリスリトール;ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、エチレングリコール、
プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリ
エチレングリコール400、他のポリエチレングリコー
ル;トリラウリン酸グリセリル,モノステアリン酸グリ
セリル,トリステアリン酸グリセリル及びジステアリン
酸グリセリルの如き飽和脂肪酸のモノ、ジ及びトリグリ
セリド;ペクチン;でんぷん;アルギニン酸;キシロー
ス;タルク;石松子;オリーブ油、ピーナッツ油、ヒマ
シ油、コーン油、小麦麦芽油、ゴマ油、綿実油、ヒマワ
リ油及びタラ肝油の如きオイル及び油脂;ゼラチン;レ
シチン;シリカ;セルロース;メチルヒドロキシプロピ
ルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロースの如きセルロース誘導体;ステアリン酸カルシ
ウム、ラウリン酸カルシウム、オレイン酸マグネシウ
ム、パルミチン酸カルシウム、ベヘン酸カルシウム及び
ステアリン酸マグネシウム等の12〜22の炭素原子を
有する脂肪酸のマグネシウム塩またはカルシウム塩;シ
クロデキストリン類;例えば、α‐シクロデキストリ
ン、β‐シクロデキストリン、γ‐シクロデキストリ
ン、ヒドロキシエチル‐β‐シクロデキストリン、ヒド
ロキシプロピル‐β‐シクロデキストリン、ジヒドロキ
シプロピル‐β‐シクロデキストリン、カルボキシメチ
ルエチル‐β‐シクロデキストリン及びジメチル‐β‐
シクロデキストリン;乳化剤;例えば、2〜22、特に10
〜18の炭素原子を有する飽和及び不飽和の脂肪酸とグリ
コール、グリセリン、ジエチレングリコール、ペンタエ
リスリトール、エチルアルコール、ブチルアルコール、
オクタデシルアルコールの如き一価の脂肪族アルコール
(例えば、アルカノールの如き1〜20の炭素原子を有す
るもの)または多価アルコールとのエステルまたは;及
びジメチルポリシロキサンの如きシリコーンが挙げられ
る。また、医薬組成物に従来から用いられてきた追加の
キャリアーも本発明に適している。
【0024】使用できる一般式(I)および(II)の化合物
の投与量及び投与方法または投与手段は、標的疾患の種
類、治療方針、病気の重さ、全般的な健康状態、体重、
年齢、性別、及び患者の(遺伝的)人種的背景に依存す
るであろう。標的疾患が癌の場合には、例えば、癌の性
質・種類、悪性の度合い、転移の程度、腫瘍の量なども
重要な要素となる。
の投与量及び投与方法または投与手段は、標的疾患の種
類、治療方針、病気の重さ、全般的な健康状態、体重、
年齢、性別、及び患者の(遺伝的)人種的背景に依存す
るであろう。標的疾患が癌の場合には、例えば、癌の性
質・種類、悪性の度合い、転移の程度、腫瘍の量なども
重要な要素となる。
【0025】一般に好適な投与方法としては、例えば、
一般式(I)および(II)の化合物を、例えば、5%グルコー
ス水溶液に溶かした形で或いは上記のような他の適当な
キャリアーまたは希釈剤を伴った形で、静脈内、腹腔
内、筋肉内または膀胱内に注射する方法が挙げられる。
医薬組成物中における一般式(I)および(II)の化合物の
好適な治療学的有効量は、組成物の重量を基準として約
0.01〜約10重量%、より一般的には0.1〜約1重量%であ
ると考えられる。
一般式(I)および(II)の化合物を、例えば、5%グルコー
ス水溶液に溶かした形で或いは上記のような他の適当な
キャリアーまたは希釈剤を伴った形で、静脈内、腹腔
内、筋肉内または膀胱内に注射する方法が挙げられる。
医薬組成物中における一般式(I)および(II)の化合物の
好適な治療学的有効量は、組成物の重量を基準として約
0.01〜約10重量%、より一般的には0.1〜約1重量%であ
ると考えられる。
【0026】薬学的有効量は、一般に、臨床上観察され
る症状、病気の進行の度合い等の要因に基づいて医師ら
によって決定されるであろうが、一般式(I)および(II)
の化合物の好適な治療学的有効量は、一般に、体重70kg
に対して1日当たり10〜500mg、より一般的には100〜200
mgの範囲で投与し、1回で服用しても複数回に分けて服
用してもよく、必要とされる治療に適当とされるに応じ
て決定される。
る症状、病気の進行の度合い等の要因に基づいて医師ら
によって決定されるであろうが、一般式(I)および(II)
の化合物の好適な治療学的有効量は、一般に、体重70kg
に対して1日当たり10〜500mg、より一般的には100〜200
mgの範囲で投与し、1回で服用しても複数回に分けて服
用してもよく、必要とされる治療に適当とされるに応じ
て決定される。
【0027】
【実施例】以下に、実施例により本発明をさらに詳細に
説明するが本発明はこれら実施例に制限されるものでは
ない。
説明するが本発明はこれら実施例に制限されるものでは
ない。
【0028】なお、本実施例に用いる全ての細胞は10%
牛胎児血清を添加したDulbecco改変Eagle's minimal es
sential medium (DMEM)にて培養した。化合物-1及び類
縁化合物は、増殖試験の場合には48時間、レポーター試
験の場合には、24時間、培養液に添加して処理を行っ
た。また、モータリン蛋白質(mot-1,mot-2)に関して
は、文献(Wadhwa,R. et al.(1993) J.Biol.Chem., 26
8, 6615-6621;Wadhwa,R. et al.(1993) J.Biol.Chem.,
268, 22239-22242、Kaul,S.C. et al.(1998) Ind.J.Ex
p.Biol., 36, 345-352、Wadhwa,R. et al.(1998) J.Bio
l.Chem., 273, 29586-29591)参照のこと。
牛胎児血清を添加したDulbecco改変Eagle's minimal es
sential medium (DMEM)にて培養した。化合物-1及び類
縁化合物は、増殖試験の場合には48時間、レポーター試
験の場合には、24時間、培養液に添加して処理を行っ
た。また、モータリン蛋白質(mot-1,mot-2)に関して
は、文献(Wadhwa,R. et al.(1993) J.Biol.Chem., 26
8, 6615-6621;Wadhwa,R. et al.(1993) J.Biol.Chem.,
268, 22239-22242、Kaul,S.C. et al.(1998) Ind.J.Ex
p.Biol., 36, 345-352、Wadhwa,R. et al.(1998) J.Bio
l.Chem., 273, 29586-29591)参照のこと。
【0029】[実施例1] モータリンと化合物-1の結
合解析 化合物-1固定化Sepharoseビーズを用いたアフィニティ
クロマトグラフィにより、rasで形質転換した細胞から
アクチン(分子量45kDa)とhsp70(75kDa)の2種の細
胞内蛋白質が化合物-1の標的蛋白質として同定された
(Maruta, H. et al. (1999) Ann. N. Y. Acad. Sci. 8
86, 48-57)。
合解析 化合物-1固定化Sepharoseビーズを用いたアフィニティ
クロマトグラフィにより、rasで形質転換した細胞から
アクチン(分子量45kDa)とhsp70(75kDa)の2種の細
胞内蛋白質が化合物-1の標的蛋白質として同定された
(Maruta, H. et al. (1999) Ann. N. Y. Acad. Sci. 8
86, 48-57)。
【0030】本発明者等は、正常細胞と不死化・癌化細
胞の間で細胞内局在に著明な違いを呈するhsp70ファミ
リーメンバー蛋白質モータリン (mot; Wadhwa R. et a
l. (1993) Exp. Cell Res. 207, 442-448)と化合物-1
との結合についてpull-down試験にて検討を行った。
胞の間で細胞内局在に著明な違いを呈するhsp70ファミ
リーメンバー蛋白質モータリン (mot; Wadhwa R. et a
l. (1993) Exp. Cell Res. 207, 442-448)と化合物-1
との結合についてpull-down試験にて検討を行った。
【0031】GFP(レーン1)あるいはGFP標識マウスmot
-1、mot-2(レーン2、3)を導入したCOS-7細胞抽出液
(300μg)をコントロールあるいは化合物-1固定化セ
ファローズビーズと共に4℃、90分間孵置した。化合物-
1複合体を、ノニデットP-40を含んだ溶解バッファー
(20 mM Tris (pH 7.5), 1mM EDTA, 1 mM EGTA, 0.1 mM
PMSF, 150 mM NaCl, 1% Nonidet P-40)にて6回洗浄
し、SDSを含んだサンプルバッファー中にて煮沸し、SDS
ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)にて分離
した。その後、抗モータリン抗体(内因性のモータリ
ン)、抗GFP抗体(外来性のGFP融合モータリン)及び抗
アクチン抗体を用いたウエスタンブロッティングにて解
析した(Wadhwa, R. et al. (2000) J. Biol. Chem. (s
ubmitted))。
-1、mot-2(レーン2、3)を導入したCOS-7細胞抽出液
(300μg)をコントロールあるいは化合物-1固定化セ
ファローズビーズと共に4℃、90分間孵置した。化合物-
1複合体を、ノニデットP-40を含んだ溶解バッファー
(20 mM Tris (pH 7.5), 1mM EDTA, 1 mM EGTA, 0.1 mM
PMSF, 150 mM NaCl, 1% Nonidet P-40)にて6回洗浄
し、SDSを含んだサンプルバッファー中にて煮沸し、SDS
ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)にて分離
した。その後、抗モータリン抗体(内因性のモータリ
ン)、抗GFP抗体(外来性のGFP融合モータリン)及び抗
アクチン抗体を用いたウエスタンブロッティングにて解
析した(Wadhwa, R. et al. (2000) J. Biol. Chem. (s
ubmitted))。
【0032】その結果、図1aに示した如く化合物-1固
定化ビーズにより細胞抽出液からモータリンが選択的に
回収される事がモータリンに特異的な抗体(Wadhwa, R.
et al. (1993) J. Biol. Chem. 268, 6615-6621)を用い
た検出により明らかとなった。さらにGFPにて標識した
外来性のmot-1及びmot-2が同様に化合物-1ビーズにて
回収される事が抗GFP抗体による検出(Wadhwa, R. et a
l. (1998) J. Biol. Chem. 273, 29586-29591)によっ
て確認された。しかしながら、外来性のGFP融合モータ
リン 及び内因性のモータリン は、コントロールビーズ
には結合しなかった。この事から、化合物-1がモータ
リンを真に認識している事が示唆された。また過去に化
合物-1との親和性が報告されているアクチン(Maruta,
H. et al. (1999) Ann. N. Y. Acad. Sci. 886, 283-2
84)もモータリンと同様に化合物-1ビーズによって回
収される事が示された(図1a)。
定化ビーズにより細胞抽出液からモータリンが選択的に
回収される事がモータリンに特異的な抗体(Wadhwa, R.
et al. (1993) J. Biol. Chem. 268, 6615-6621)を用い
た検出により明らかとなった。さらにGFPにて標識した
外来性のmot-1及びmot-2が同様に化合物-1ビーズにて
回収される事が抗GFP抗体による検出(Wadhwa, R. et a
l. (1998) J. Biol. Chem. 273, 29586-29591)によっ
て確認された。しかしながら、外来性のGFP融合モータ
リン 及び内因性のモータリン は、コントロールビーズ
には結合しなかった。この事から、化合物-1がモータ
リンを真に認識している事が示唆された。また過去に化
合物-1との親和性が報告されているアクチン(Maruta,
H. et al. (1999) Ann. N. Y. Acad. Sci. 886, 283-2
84)もモータリンと同様に化合物-1ビーズによって回
収される事が示された(図1a)。
【0033】[実施例2] モータリン上の化合物-1結
合部位の解析 次に、本発明者等は、モータリン上の化合物-1結合部
位の検索を試みた。V5標識した種々の欠失変異モータリ
ンを含む発現ベクターにてCOS-7細胞を形質転換し、蛋
白質をCOS7細胞に発現せしめた後、化合物-1ビーズあ
るいはコントロールビーズを用いて、上記pull-down試
験を実施した。化合物-1に結合したモータリン断片は
抗V5抗体にて検出した。
合部位の解析 次に、本発明者等は、モータリン上の化合物-1結合部
位の検索を試みた。V5標識した種々の欠失変異モータリ
ンを含む発現ベクターにてCOS-7細胞を形質転換し、蛋
白質をCOS7細胞に発現せしめた後、化合物-1ビーズあ
るいはコントロールビーズを用いて、上記pull-down試
験を実施した。化合物-1に結合したモータリン断片は
抗V5抗体にて検出した。
【0034】その結果、N末端側部位のアミノ酸1-256及
びC末端側領域である310-679あるいは390-679の断片
は、化合物-1と結合しない事が判明した(図1b)。こ
れに対して完全長蛋白質及びC端側欠失の1-538、1-435
断片、あるいはN端側欠失の252-679の断片は化合物-1
ビーズに結合する事が明らかとなった。これらの結果か
らモータリン蛋白質のアミノ酸残基252-310の領域が化
合物-1の結合に関与している事が推定された(図1
b)。この領域はmot-1とmot-2間で共通である為に化合
物-1は両者と同様に結合可能である(図1a)。興味深
い事に、モータリン蛋白質の252-283の部位はp53のC末
端側に存在するcytoplasmic sequestration domainと結
合してp53を細胞質に繋留する事が、本発明者等により
確認されている(Wadhwa, R. et al. (2000) J. Biol.
Chem. (submitted))。従って化合物-1のこの部位への
結合によりmot-p53の結合阻害が起こる事が想定され
る。
びC末端側領域である310-679あるいは390-679の断片
は、化合物-1と結合しない事が判明した(図1b)。こ
れに対して完全長蛋白質及びC端側欠失の1-538、1-435
断片、あるいはN端側欠失の252-679の断片は化合物-1
ビーズに結合する事が明らかとなった。これらの結果か
らモータリン蛋白質のアミノ酸残基252-310の領域が化
合物-1の結合に関与している事が推定された(図1
b)。この領域はmot-1とmot-2間で共通である為に化合
物-1は両者と同様に結合可能である(図1a)。興味深
い事に、モータリン蛋白質の252-283の部位はp53のC末
端側に存在するcytoplasmic sequestration domainと結
合してp53を細胞質に繋留する事が、本発明者等により
確認されている(Wadhwa, R. et al. (2000) J. Biol.
Chem. (submitted))。従って化合物-1のこの部位への
結合によりmot-p53の結合阻害が起こる事が想定され
る。
【0035】[実施例3] 各種細胞における化合物-1
の有効濃度の測定 Mot-2がp53の機能を不活性化する事から、これらのデー
タは化合物-1により惹き起こされる増殖停止はmot-p53
相互作用の阻害及びその結果としてのp53機能の再活性
化に起因する可能性が示唆される(Wadhwa, R. et al.
(1998) J. Biol. Chem. 273, 29586-29591)。そこで、
本発明者等は、次にin vivoにおけるmot-p53複合体につ
いて化合物-1処理細胞を用いて解析した。
の有効濃度の測定 Mot-2がp53の機能を不活性化する事から、これらのデー
タは化合物-1により惹き起こされる増殖停止はmot-p53
相互作用の阻害及びその結果としてのp53機能の再活性
化に起因する可能性が示唆される(Wadhwa, R. et al.
(1998) J. Biol. Chem. 273, 29586-29591)。そこで、
本発明者等は、次にin vivoにおけるmot-p53複合体につ
いて化合物-1処理細胞を用いて解析した。
【0036】まず初めに、主として化合物-1処理から4
8-60時間後の種々の細胞について凡その化合物-1の有
効濃度(EC50)を、細胞数計測、ブロモデオキシウリジ
ン取り込み、細胞増殖、生存率等を指標に検討した(Ce
ll Proliferation Reagent WST-1, Boehringer Mannhei
m)。予想された様に, NIH 3T3/Ras 細胞(1.5 μM)はNI
H 3T3 (13.8 μM)細胞と比べてはるかに高い感受性を示
した。正常ヒト肺由来2倍体繊維芽細胞株であるMRC5
(13.8 μM)はこれまでに検討した種々の癌細胞株、すな
はち子宮頚部癌由来, HeLa (1.84μM)、乳癌由来 MCF-7
(0.92 μM)、 骨肉腫由来 U20S (3.3 μM)、 膠芽細胞
腫由来 T98G (2.07μM)、 膀胱癌由来 EJ (0.74 μM)、
肺癌由来A549 (1.38 μM)、 SV40にて不死化した 皮膚
繊維芽細胞株, GM847 (1.02 μM)、 4NQOにて癌化した
肝臓繊維芽細胞株 SUSM-1 (1.02 μM)、 繊維肉腫HT108
0 (0.36 μM)及び 膀胱癌 A1698 (0.69 μM)に比して抵
抗性であった。
8-60時間後の種々の細胞について凡その化合物-1の有
効濃度(EC50)を、細胞数計測、ブロモデオキシウリジ
ン取り込み、細胞増殖、生存率等を指標に検討した(Ce
ll Proliferation Reagent WST-1, Boehringer Mannhei
m)。予想された様に, NIH 3T3/Ras 細胞(1.5 μM)はNI
H 3T3 (13.8 μM)細胞と比べてはるかに高い感受性を示
した。正常ヒト肺由来2倍体繊維芽細胞株であるMRC5
(13.8 μM)はこれまでに検討した種々の癌細胞株、すな
はち子宮頚部癌由来, HeLa (1.84μM)、乳癌由来 MCF-7
(0.92 μM)、 骨肉腫由来 U20S (3.3 μM)、 膠芽細胞
腫由来 T98G (2.07μM)、 膀胱癌由来 EJ (0.74 μM)、
肺癌由来A549 (1.38 μM)、 SV40にて不死化した 皮膚
繊維芽細胞株, GM847 (1.02 μM)、 4NQOにて癌化した
肝臓繊維芽細胞株 SUSM-1 (1.02 μM)、 繊維肉腫HT108
0 (0.36 μM)及び 膀胱癌 A1698 (0.69 μM)に比して抵
抗性であった。
【0037】[実施例4] p53-mot複合体に対する化合
物-1およびその類縁化合物の及ぼす影響の検出 (1)ウェスタンブロッティング サルの腎臓由来COS 7細胞 (EC50-23.4 μM)は野生型のp
53を発現している事が免疫沈降、ウエスタンブロッティ
ング、および野生型p53に依存したレポーター試験(Wad
hwa, R. et al. (1998) J. Biol. Chem. 273, 29586-29
591及び未発表データ)の結果から確認されている事か
ら、この細胞をin vivoにおける化合物-1のp53-mot複
合体に及ぼす効果の判定に用いる事とした。
物-1およびその類縁化合物の及ぼす影響の検出 (1)ウェスタンブロッティング サルの腎臓由来COS 7細胞 (EC50-23.4 μM)は野生型のp
53を発現している事が免疫沈降、ウエスタンブロッティ
ング、および野生型p53に依存したレポーター試験(Wad
hwa, R. et al. (1998) J. Biol. Chem. 273, 29586-29
591及び未発表データ)の結果から確認されている事か
ら、この細胞をin vivoにおける化合物-1のp53-mot複
合体に及ぼす効果の判定に用いる事とした。
【0038】化合物-1処理COS7細胞の細胞溶解液に対
し、抗p53ポリクローナル抗体(CM-1, Novocastra)を
作用させて、p53複合体を免疫沈降し、その後、内因性
のモータリンを抗モータリンモノクローナル抗体(mtHS
P70, Affinity Bioreagents, Inc.)を用いてウェスタ
ンブロッティングにより検出した。
し、抗p53ポリクローナル抗体(CM-1, Novocastra)を
作用させて、p53複合体を免疫沈降し、その後、内因性
のモータリンを抗モータリンモノクローナル抗体(mtHS
P70, Affinity Bioreagents, Inc.)を用いてウェスタ
ンブロッティングにより検出した。
【0039】その結果、高濃度の化合物-1で処理した
細胞ではモータリンはp53免疫複合体中に検出されなか
った(図1c上段)。図1c下段は、対照として免疫複合体
中のp53を検出したものである。
細胞ではモータリンはp53免疫複合体中に検出されなか
った(図1c上段)。図1c下段は、対照として免疫複合体
中のp53を検出したものである。
【0040】また、上記免疫沈降反応に用いた細胞溶解
液中の、モータリン、p53、p21WAF1蛋白質が存在する事
の確認を行なった。コントロールとしてアクチンを検出
した。免疫沈降に用いた試料の10%に相当する量を用い
て、それぞれの蛋白質に対する抗体を用いてウェスタン
ブロッティングを行なった。
液中の、モータリン、p53、p21WAF1蛋白質が存在する事
の確認を行なった。コントロールとしてアクチンを検出
した。免疫沈降に用いた試料の10%に相当する量を用い
て、それぞれの蛋白質に対する抗体を用いてウェスタン
ブロッティングを行なった。
【0041】その結果、化合物-1処理によりモータリ
ン蛋白質の発現レベルは有意な上昇(5-10倍)を認め、
これはヒト細胞と同様にマウス細胞においても認められ
た(図1d及びデータ省略)。これらの細胞を増殖停止を
起こす濃度の化合物-1で処理した際に、モータリンとp
53の共沈が見られない事から化合物-1処理がmot-p53相
互作用を阻害するものと考えられた。化合物-1処理細
胞におけるp53蛋白質レベルの上昇(図1d)は、p53のモ
ータリン複合体からの解離と一致して認められた(Wadh
wa, R. et al. (1998) J. Biol. Chem. 273, 29586-295
91)。さらに化合物-1処理細胞において、p53により制
御される主要な遺伝子産物であるp21W AF1の増大が観察
された事からも(図1d)、モータリンからの解放後にp5
3蛋白質の活性化が起こっている事が支持される。
ン蛋白質の発現レベルは有意な上昇(5-10倍)を認め、
これはヒト細胞と同様にマウス細胞においても認められ
た(図1d及びデータ省略)。これらの細胞を増殖停止を
起こす濃度の化合物-1で処理した際に、モータリンとp
53の共沈が見られない事から化合物-1処理がmot-p53相
互作用を阻害するものと考えられた。化合物-1処理細
胞におけるp53蛋白質レベルの上昇(図1d)は、p53のモ
ータリン複合体からの解離と一致して認められた(Wadh
wa, R. et al. (1998) J. Biol. Chem. 273, 29586-295
91)。さらに化合物-1処理細胞において、p53により制
御される主要な遺伝子産物であるp21W AF1の増大が観察
された事からも(図1d)、モータリンからの解放後にp5
3蛋白質の活性化が起こっている事が支持される。
【0042】(2)レポーター解析 野生型p53に依存した合成プロモータで発現制御された
ルシフェラーゼ遺伝子からなるレポーター遺伝子を安定
的に導入したNIH 3T3細胞、 NIH 3T3/Ras細胞及び MCF-
7の細胞を用いて、化合物-1およびその類縁化合物(図
2a)がp53に与える影響を検討した。
ルシフェラーゼ遺伝子からなるレポーター遺伝子を安定
的に導入したNIH 3T3細胞、 NIH 3T3/Ras細胞及び MCF-
7の細胞を用いて、化合物-1およびその類縁化合物(図
2a)がp53に与える影響を検討した。
【0043】p53反応性ルシフェラーゼレポータープラ
スミドには、PG13-luc(Bert Vogelstein博士より供
与)を用いた。単離されたレポーター遺伝子導入クロー
ンは、化合物-1またはその類縁化合物にて24時間処理
後、ルシフェラーゼ活性測定に供した。ルシフェラーゼ
活性測定(Dual-LuciferaseTM Reporter Assay System;
Promega)実施後、測定値はBradford protein assayに
て定量した蛋白質量をもとに1mg蛋白質当たりの値に換
算した。
スミドには、PG13-luc(Bert Vogelstein博士より供
与)を用いた。単離されたレポーター遺伝子導入クロー
ンは、化合物-1またはその類縁化合物にて24時間処理
後、ルシフェラーゼ活性測定に供した。ルシフェラーゼ
活性測定(Dual-LuciferaseTM Reporter Assay System;
Promega)実施後、測定値はBradford protein assayに
て定量した蛋白質量をもとに1mg蛋白質当たりの値に換
算した。
【0044】その結果化合物-2、化合物-3、化合物-
5の3種の誘導体はいずれも化合物-1より弱い効果を示
したのに対して、化合物-4 と 化合物-6の2種の検体
は化合物-1の約1/10の濃度で増殖停止を示した。MCF-7
細胞はモータリンによる細胞質への繋留によりp53の不
活性化が確認されているが(Moll, U. M. et al. (199
2) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89, 7262-7266;Moll,
U. M. et al. (1996) Mol. Cell. Biol. 16, 1126-113
7;Ostermeyer, A. G. et al. (1996) Proc. Natl. Aca
d. Sci. USA 93, 15190-15194)、6.9 μMの化合物-
1、化合物-6 あるいは化合物-4 処理により、それぞ
れ 10、 30、 60倍のp53依存レポーター活性の増大を認
めた。この結果はこれら化合物による増殖停止効果とよ
く相関している。NIH 3T3/Ras細胞においても同様に化
合物-1あるいは化合物-4によって、5-20倍のp53依存
レポーター活性の増大が認められ、より高濃度の化合物
-6によってさらにこの活性の増大は60-70倍に達した
(図2b)。
5の3種の誘導体はいずれも化合物-1より弱い効果を示
したのに対して、化合物-4 と 化合物-6の2種の検体
は化合物-1の約1/10の濃度で増殖停止を示した。MCF-7
細胞はモータリンによる細胞質への繋留によりp53の不
活性化が確認されているが(Moll, U. M. et al. (199
2) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89, 7262-7266;Moll,
U. M. et al. (1996) Mol. Cell. Biol. 16, 1126-113
7;Ostermeyer, A. G. et al. (1996) Proc. Natl. Aca
d. Sci. USA 93, 15190-15194)、6.9 μMの化合物-
1、化合物-6 あるいは化合物-4 処理により、それぞ
れ 10、 30、 60倍のp53依存レポーター活性の増大を認
めた。この結果はこれら化合物による増殖停止効果とよ
く相関している。NIH 3T3/Ras細胞においても同様に化
合物-1あるいは化合物-4によって、5-20倍のp53依存
レポーター活性の増大が認められ、より高濃度の化合物
-6によってさらにこの活性の増大は60-70倍に達した
(図2b)。
【0045】同様なp53活性の増大はNIH 3T3細胞を化合
物-1処理した際にも観察された。この結果は先に示し
た化合物-1によるp21WAF1蛋白質レベルの上昇(図1d)
と併せて、化合物-1の増殖抑制効果がp53依存の経路を
介したものである事を強く示唆している。上記データ及
び化合物-1がp53には直接結合しないと言う知見(デー
タ省略)より、化合物-1による増殖停止がモータリン
への結合によるmot-p53相互作用の阻害及びそれに続くp
53機能の再活性化の結果である事を示唆している。
物-1処理した際にも観察された。この結果は先に示し
た化合物-1によるp21WAF1蛋白質レベルの上昇(図1d)
と併せて、化合物-1の増殖抑制効果がp53依存の経路を
介したものである事を強く示唆している。上記データ及
び化合物-1がp53には直接結合しないと言う知見(デー
タ省略)より、化合物-1による増殖停止がモータリン
への結合によるmot-p53相互作用の阻害及びそれに続くp
53機能の再活性化の結果である事を示唆している。
【0046】[実施例5] 化合物-1処理した各種細胞
におけるp53の局在の変化 本発明者等は、mot-2によるp53蛋白質の細胞質への繋留
がmot-2によるp53不活性化の機序であることを提唱した
(Wadhwa, R. et al. (1998) J. Biol. Chem.273, 2958
6-29591)。故に化合物-1がmot-2-p53の結合を阻害す
る事により増殖停止を惹き起こすのであれば、p53蛋白
質の核への移行が観察される筈であると考えた。そこ
で、化合物-1、化合物-4あるいは化合物-6で処理し
た NIH 3T3、NIH 3T3/Ras、MRC-5、MCF-7及びHT1080細
胞(いずれも野生型p53)についてモータリン及びp53蛋
白質の細胞内局在を検討した。
におけるp53の局在の変化 本発明者等は、mot-2によるp53蛋白質の細胞質への繋留
がmot-2によるp53不活性化の機序であることを提唱した
(Wadhwa, R. et al. (1998) J. Biol. Chem.273, 2958
6-29591)。故に化合物-1がmot-2-p53の結合を阻害す
る事により増殖停止を惹き起こすのであれば、p53蛋白
質の核への移行が観察される筈であると考えた。そこ
で、化合物-1、化合物-4あるいは化合物-6で処理し
た NIH 3T3、NIH 3T3/Ras、MRC-5、MCF-7及びHT1080細
胞(いずれも野生型p53)についてモータリン及びp53蛋
白質の細胞内局在を検討した。
【0047】具体的には、化合物-1、化合物-4あるい
は化合物-6 (3 μg/ml)にて48時間処理した細胞を固定
後、モータリン及びp53に対して免疫染色を行なった。
免疫染色においては、細胞は抗p53モノクローナル抗体
(Pab421, Calbiochem)及び抗モータリンポリクローナ
ル抗体(Wadhwa, R. et al. (1993) J. Biol. Chem.26
8, 6615-6621)を用いた2重染色の後、fluorescein iso
thiocyanate(FITC)標識 抗マウスIgG 抗体(羊)及び
Texas Red標識抗ウサギ IgG (ロバ:Amersham Corp.)
にて視覚化し、Fluoview Confocal Laser Scanning Mic
roscope (Olympus Corp)にて観察した。上記標識2次抗
体によりモータリンと p53はそれぞれ赤と緑の蛍光とし
て観察される。
は化合物-6 (3 μg/ml)にて48時間処理した細胞を固定
後、モータリン及びp53に対して免疫染色を行なった。
免疫染色においては、細胞は抗p53モノクローナル抗体
(Pab421, Calbiochem)及び抗モータリンポリクローナ
ル抗体(Wadhwa, R. et al. (1993) J. Biol. Chem.26
8, 6615-6621)を用いた2重染色の後、fluorescein iso
thiocyanate(FITC)標識 抗マウスIgG 抗体(羊)及び
Texas Red標識抗ウサギ IgG (ロバ:Amersham Corp.)
にて視覚化し、Fluoview Confocal Laser Scanning Mic
roscope (Olympus Corp)にて観察した。上記標識2次抗
体によりモータリンと p53はそれぞれ赤と緑の蛍光とし
て観察される。
【0048】その結果、MRC-5を除く上記4種の形質転換
細胞株の全てで90%以上の細胞でp53蛋白質の核への局
在が、増殖停止を惹き起こす濃度の化合物-1、化合物-
4あるいは化合物-6で処理した際に認められた(図2
c)。これに対して未処置の細胞ではたかだか10%にp53
の核局在を認めるのみであった。また特記すべき事とし
て、化合物-1処理形質転換細胞ではモータリンの細胞
内局在が正常細胞に見られる汎細胞質型分布に復帰して
いる事が確認された(図2c)。正常2倍体細胞であるMRC
-5の場合には同じ濃度の化合物-1で処理した際に形質
転換細胞の場合と同様なモータリンレベルの増大は認め
たが、未処置細胞と比べた場合のp53蛋白質の核移行の
増大は認められなかった(図2c)。以上の結果を総合す
ると、mot-2によるp53の細胞質への繋留を阻害してp53
の転写活性化能を復活させる事が化合物-1による選択
的な癌細胞の増殖停止の機序であると考えられる。
細胞株の全てで90%以上の細胞でp53蛋白質の核への局
在が、増殖停止を惹き起こす濃度の化合物-1、化合物-
4あるいは化合物-6で処理した際に認められた(図2
c)。これに対して未処置の細胞ではたかだか10%にp53
の核局在を認めるのみであった。また特記すべき事とし
て、化合物-1処理形質転換細胞ではモータリンの細胞
内局在が正常細胞に見られる汎細胞質型分布に復帰して
いる事が確認された(図2c)。正常2倍体細胞であるMRC
-5の場合には同じ濃度の化合物-1で処理した際に形質
転換細胞の場合と同様なモータリンレベルの増大は認め
たが、未処置細胞と比べた場合のp53蛋白質の核移行の
増大は認められなかった(図2c)。以上の結果を総合す
ると、mot-2によるp53の細胞質への繋留を阻害してp53
の転写活性化能を復活させる事が化合物-1による選択
的な癌細胞の増殖停止の機序であると考えられる。
【0049】正常細胞と不死化/形質転換細胞との間で
のモータリンの細胞内局在の違いについては既に報告さ
れている(Wadhwa, R. et al. (1993) Exp. Cell Res.
207,442-448)。形質転換細胞に単一染色体(Nakabayas
hi, K. et al. (1999) Exp.Cell. Res. 252, 376-38
2)、染色体断片あるいは遺伝子(Bertram, M. J. eta
l. (1999) Genomics 56, 353-354;Bertram, M. J. et
al. (1999) Mol. Cell.Biol. 19, 1479-1485)の導入、
あるいは化合物処理(Michishita, E. et al.(1999) J.
Biochem. 126, 1052-1059)を施す事によりsenescence
(老化死)を誘導した際に、モータリンの非汎細胞質分布
から正常細胞の特性である汎細胞質分布への転換が観察
されている。化合物-1処理により同様な変化が観察さ
れる(図2c)事からこれらの細胞は老化死の形質を呈し
ているのかも知れない。また同様な推測はU937を用いた
別の報告で、化合物-1あるいは化合物-2がテロメアの
短縮化を惹き起こす事(Naasani, I. et al. (1999) Ca
ncer Res. 59, 4004-4011)からも支持される。正常細
胞においては汎細胞質性のモータリンとp53の局在は一
致しない事から相互作用していないと考えられる(Wadh
wa, R. et al. (1998) J. Biol. Chem. 273, 29586-295
91)。この点に関してモータリン染色パターンの非汎細
胞質性から汎細胞質性へのシフトはmot-p53相互作用の
解除を示唆し、この事は上記生化学的解析の結果からも
支持される。正常細胞において汎細胞質性のモータリン
とp53が相互作用しない事により化合物-1の癌細胞に対
する選択的な効果の少なくとも一部を説明可能である。
この事と一致してMRC-5においては化合物-1処理による
p53の核移行の促進は観察されない(図2c)。
のモータリンの細胞内局在の違いについては既に報告さ
れている(Wadhwa, R. et al. (1993) Exp. Cell Res.
207,442-448)。形質転換細胞に単一染色体(Nakabayas
hi, K. et al. (1999) Exp.Cell. Res. 252, 376-38
2)、染色体断片あるいは遺伝子(Bertram, M. J. eta
l. (1999) Genomics 56, 353-354;Bertram, M. J. et
al. (1999) Mol. Cell.Biol. 19, 1479-1485)の導入、
あるいは化合物処理(Michishita, E. et al.(1999) J.
Biochem. 126, 1052-1059)を施す事によりsenescence
(老化死)を誘導した際に、モータリンの非汎細胞質分布
から正常細胞の特性である汎細胞質分布への転換が観察
されている。化合物-1処理により同様な変化が観察さ
れる(図2c)事からこれらの細胞は老化死の形質を呈し
ているのかも知れない。また同様な推測はU937を用いた
別の報告で、化合物-1あるいは化合物-2がテロメアの
短縮化を惹き起こす事(Naasani, I. et al. (1999) Ca
ncer Res. 59, 4004-4011)からも支持される。正常細
胞においては汎細胞質性のモータリンとp53の局在は一
致しない事から相互作用していないと考えられる(Wadh
wa, R. et al. (1998) J. Biol. Chem. 273, 29586-295
91)。この点に関してモータリン染色パターンの非汎細
胞質性から汎細胞質性へのシフトはmot-p53相互作用の
解除を示唆し、この事は上記生化学的解析の結果からも
支持される。正常細胞において汎細胞質性のモータリン
とp53が相互作用しない事により化合物-1の癌細胞に対
する選択的な効果の少なくとも一部を説明可能である。
この事と一致してMRC-5においては化合物-1処理による
p53の核移行の促進は観察されない(図2c)。
【0050】
【発明の効果】本発明により、1-エチル-2-{[3-エチル-
5-(3-メチルベンゾチアゾリン-2-イリデン)]-4-オキソ
チアゾリジン-2-イリデンメチル}ピリジニウムクロライ
ドおよびその誘導体を有効成分とするmot-2蛋白質とp53
蛋白質との相互作用阻害剤が提供された。これにより、
細胞内におけるmot-2蛋白質とp53蛋白質との相互作用を
簡便かつ効果的に阻害することが可能となった。本発明
の薬剤は、細胞周期、細胞増殖、あるいは細胞の癌化な
どを研究するための試薬として、またp53蛋白質が関連
する疾患の治療のための医薬として利用することが可能
である。
5-(3-メチルベンゾチアゾリン-2-イリデン)]-4-オキソ
チアゾリジン-2-イリデンメチル}ピリジニウムクロライ
ドおよびその誘導体を有効成分とするmot-2蛋白質とp53
蛋白質との相互作用阻害剤が提供された。これにより、
細胞内におけるmot-2蛋白質とp53蛋白質との相互作用を
簡便かつ効果的に阻害することが可能となった。本発明
の薬剤は、細胞周期、細胞増殖、あるいは細胞の癌化な
どを研究するための試薬として、またp53蛋白質が関連
する疾患の治療のための医薬として利用することが可能
である。
【図1】a)モータリンと化合物-1の結合解析を行な
った結果を示す電気泳動写真である。b)モータリン上
の化合物-1結合部位の解析を行なった結果を示す電気
泳動写真である。c)p53-mot複合体に対する化合物-1
およびその類縁化合物の及ぼす影響を検出した結果を示
す電気泳動写真である。上段はp53免疫複合体中のモー
タリンを検出したもの、下段は対照としてp53を検出し
たものを表す。d)化合物-1処理COS7細胞の細胞溶解
液中の、モータリン、p53、p21WAF1蛋白質の存在を検出
した結果を示す電気泳動写真である。
った結果を示す電気泳動写真である。b)モータリン上
の化合物-1結合部位の解析を行なった結果を示す電気
泳動写真である。c)p53-mot複合体に対する化合物-1
およびその類縁化合物の及ぼす影響を検出した結果を示
す電気泳動写真である。上段はp53免疫複合体中のモー
タリンを検出したもの、下段は対照としてp53を検出し
たものを表す。d)化合物-1処理COS7細胞の細胞溶解
液中の、モータリン、p53、p21WAF1蛋白質の存在を検出
した結果を示す電気泳動写真である。
【図2】a)化合物-1及び誘導体の化学構造を示す。
b)各種細胞におけるp53依存レポーター活性に対する
化合物-1の影響を検出した結果を示す。c)化合物-1
処理した各種細胞におけるp53の局在の変化を検出した
結果を示す顕微鏡写真である。
b)各種細胞におけるp53依存レポーター活性に対する
化合物-1の影響を検出した結果を示す。c)化合物-1
処理した各種細胞におけるp53の局在の変化を検出した
結果を示す顕微鏡写真である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 43/00 111 A61P 43/00 111 // C07D 277/22 C07D 277/22 277/64 277/64 417/14 417/14 C12P 21/02 C12P 21/02 C (C12P 21/02 (C12P 21/02 C C12R 1:91) C12R 1:91) (72)発明者 杉原 崇 茨城県新治郡新治村永井153番地2 株式 会社中外分子医学研究所内 (72)発明者 吉田 暁子 茨城県新治郡新治村永井153番地2 株式 会社中外分子医学研究所内 (72)発明者 宍戸 忠夫 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 4B064 AG01 CA10 CA19 CC24 CE12 CE14 4C033 AD07 4C063 AA03 BB03 CC62 DD14 DD62 EE01 4C086 AA01 AA02 BC82 BC84 GA07 GA08 GA10 MA01 MA04 NA14 ZB26 ZC41
Claims (2)
- 【請求項1】 下記一般式(I)または(II)で示され
る化合物から選択される少なくとも1つの化合物を有効
成分とする、mot-2蛋白質とp53蛋白質の相互作用阻害
剤。 【化1】 (式中、X1はSまたは-CH=CH-(この場合、X1を含む環は
6員環を形成する)を表し;X2 はSまたは-CH=CH-を表
し;R1 、R2及びR3 はそれぞれメチル基またはエチル基
を表し、同一でも異なっていてもよく;Z1は-X2-C=(CH-
CH)n =N+(R3)-とともに、チアゾール環、ベンゾチアゾ
ール環、チアゾリン環、2-ピリジン環、2-キノリン環、
4-キノリン環を表し;Qはアニオンを表し; nは0または
1を表す。) 【化2】 (式中、X1、X2、R1、R2、R3、Z1、Q、nは、一般式
(I)と同じ意味を、R4はメチル基またはエチル基を表
す。) - 【請求項2】 下記のいずれかの化合物を有効成分とす
る、請求項1に記載のmot-2蛋白質とp53蛋白質の相互作
用阻害剤。 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】 【化7】 【化8】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000184540A JP2001354564A (ja) | 2000-06-14 | 2000-06-14 | カチオン性ローダシアニン系色素誘導体を有効成分とする、mot−2蛋白質とp53蛋白質の相互作用阻害剤 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000184540A JP2001354564A (ja) | 2000-06-14 | 2000-06-14 | カチオン性ローダシアニン系色素誘導体を有効成分とする、mot−2蛋白質とp53蛋白質の相互作用阻害剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001354564A true JP2001354564A (ja) | 2001-12-25 |
Family
ID=18684971
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Country Status (1)
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---|---|
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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