JP2001345742A

JP2001345742A - Ｓｓ伝送システム

Info

Publication number: JP2001345742A
Application number: JP2000161786A
Authority: JP
Inventors: Hajime Takada; 一高田; Toru Takakura; 徹高倉; Masahide Sakamoto; 正秀坂本
Original assignee: SMK Corp
Current assignee: SMK Corp
Priority date: 2000-05-31
Filing date: 2000-05-31
Publication date: 2001-12-14
Also published as: GB2366972B; GB2366972A; GB0112475D0; US6597282B2; US20010050944A1

Abstract

(57)【要約】【課題】安価なシステムで、外部からのノイズの侵入
を防ぎ、また外部へのＳＳ信号の漏洩を防ぐＳＳ伝送シ
ステムを提供することにある。【解決手段】商用電力線（１０１）のコンセントプラ
グ受け（１０４）に差し込まれるコンセントプラグ（５
ａ）が一端に設けられた通信用交流電源線（１０、１
１）に、ブロッキングフィルタ（４）を介在させて、Ｓ
Ｓ通信端末装置（３）の端末接続用プラグ（７）を差し
込み接続する端末接続用コンセント（６）を接続する。
ブロッキングフィルタ（４）によって、商用電力線（１
０１）に加わるノイズは、ＳＳ通信端末装置（３）に伝
達されず、ＳＳ通信端末装置（３）から重畳されるＳＳ
信号は、商用電力線（１０１）に伝わらず、通信を秘匿
できる。通信用交流電源線（１０、１１）には、大きな
負荷が加わらないので、小容量で安価なブロッキングフ
ィルタ（４）を用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、送電線を通信線と
して利用する電力線搬送方法に関し、特に、商用電力線
に、スペクトラム拡散変調信号（以下「ＳＳ信号」とい
う）を重畳させてデータ伝送を行うＳＳ伝送システムに
関する。

【０００２】

【従来の技術】スペクトラム拡散変調方式を用いた通信
システムであるＳＳ伝送システムは、拡散コードを鍵と
して通信の秘匿性が保て、しかも広帯域に送信電力を分
散するので、スペクトラム密度を低くし通信の事実自体
をも秘匿できることから、従来より主に軍事用として開
発されていた通信システムである。一方、ＳＳ伝送シス
テムは、送信データを広帯域に拡散して送信するもので
あることから、部分的に伝送線上のノイズより小さい信
号電力であってもデータを伝送できるものであり、近年
はこの点に着目し、ノイズの発生が避けられない工場内
での工作機械の遠隔制御等に、商用電力線を信号伝送線
として用いるＳＳ伝送システムが実用化されている。

【０００３】以下、この工場内での工作機械の遠隔制御
等に採用された従来のＳＳ伝送システム１００を、図３
を参照しながら説明する。同図に示すように、屋外から
配線される商用電力線１０１は、ブレーカー１０２とそ
の後段に接続されたブロッキングフィルタ１０３を介し
て工場内に配線される。

【０００４】ブロッキングフィルタ１０３は、電力会社
の送電線からブレーカー１０２を経て伝わる外部電気雑
音の侵入を防止し、また、後述する工場内の商用電力線
１０１ａ、１０１ｂに流れるＳＳ信号を、外部に漏洩さ
せないように設置するものである。

【０００５】工場内での電力線は、組み立てライン、成
形ライン等の各工程毎に複数の商用電力線１０１ａ、１
０１ｂに分岐され、各工作機械、電気機器等の負荷機器
を接続するコンセントプラグ受け１０４、１０４・・
が、所定の位置に設けられる。

【０００６】例えば、商用電力線１０１ａのコンセント
プラグ受け１０４、１０４・・には、プレス成形機１０
５、照明器具１０６のコンセントプラグが差し込まれ、
商用電力線１０１ｂのコンセントプラグ受け１０４、１
０４・・には、組み立て機１０７、１０８のコンセント
プラグが差し込まれ、それぞれの負荷機器に商用交流電
源を供給している。

【０００７】この商用電力線１０１ａ、１０１ｂの残さ
れた任意の位置にあるコンセントプラグ受け１０４、１
０４・・に、コンセントプラグを差し込んで複数のＳＳ
通信端末装置１０９ａ、１０９ｂ、１０９ｃ、１０９ｄ
が接続される。これらのＳＳ通信端末装置１０９は、通
信信号を入出力する入出力部と、通信信号とＳＳ信号を
相互に変復調するスペクトラム拡散変復調部（以下、Ｓ
Ｓモデムという）を備え、通信信号をＳＳ信号としてコ
ンセントプラグを差し込んで接続した商用電力線１０１
に重畳し、また、その商用電力線１０１に流れるＳＳ信
号を通信信号として、入出力部から出力する機能を有し
ている。

【０００８】例えば、商用電力線１０１ａに接続された
ＳＳ通信端末装置１０９ａは、プレス成形機１０５の近
傍に設置されるもので、プレス成形機１０５の稼働情報
を表す通信信号を、図中破線で示す通信ケーブルを介し
て入出力部で入力する。この稼働情報は、ＳＳ信号とし
て商用電力線１０１ａに重畳され、同じく商用電力線１
０１ａに接続されたＳＳ通信端末装置１０９ｂで、通信
信号に復調され、ＳＳ通信端末装置１０９ｂの入出力部
に接続されたパーソナルコンピュータ（以下、ＰＣとい
う）１１０に出力される。また、ＰＣ１１０から、プレ
ス成形機１０５を制御する制御情報を出力することもで
き、制御情報を表す通信信号は、上述と逆の流れで、商
用電力線１０１ａを介して、プレス成形機１０５へ送出
される。

【０００９】同様に、組立機１０７、１０８に破線で示
す通信ケーブルで接続するＳＳ通信端末装置１０９ｃ
と、ＰＣ１１１に接続するＳＳ通信端末装置１０９ｄに
よって、組立機１０７、１０８と任意の位置に設置した
ＰＣ１１１間の双方向での通信信号の通信が可能とな
る。更に、ＰＣ１１０やＰＣ１１１を、別の通信ネット
ワーク１１２に接続すれば、工場内の全ての工作機械
を、通信ネットワーク１１２に接続した図示しないホス
トコンピュータで集中管理できる。

【００１０】このように、商用電力線１０１を用いたＳ
Ｓ伝送システム１００は、データ端末機器（被制御機
器）との間でＳＳ信号の変復調を行うＳＳモデムを商用
電力線１０１に接続し、この商用電力線１０１を信号伝
送線としてＳＳ通信端末装置１０９、１０９間のデータ
通信を可能とする。従って、一般の電源設備を有する環
境であれば、あらたな通信線を準備することなく、端末
機器間で簡易にデータ通信が可能となる。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】上述の従来のＳＳ伝送
システム１００においては、外部からのノイズの侵入を
防ぎ、また工場内の商用電力線に重畳するＳＳ信号の外
部への漏洩を防ぐため、外部の商用電力線１０１を引き
入れるブレーカー１０２の後段にブロッキングフィルタ
１０３を設置する必要があった。

【００１２】しかしながら、工場内の全ての負荷機器に
電力を供給する商用電力線１０１に対して直列にブロッ
キングフィルタ１０３を介在させるため、大容量のブロ
ッキングフィルタ１０３を設置する必要があり、高価な
ものとなっていた。

【００１３】また、スペクトラム拡散変調方式は、復調
の際の逆拡散において、ノイズは拡散するため、ノイズ
の影響を受けにくいものであるが、工場内の工作機械
は、大きいノイズを発生しやすく、接続している商用電
力線１０１に流出することがあった。従って、商用電力
線１０１を通信線として安定した通信を行うためには、
個々の負荷機器にも、ノイズフィルタを設ける必要があ
り、全体として高価なシステムとなっていた。

【００１４】本発明の目的は、安価なシステムで、外部
からのノイズの侵入を防ぎ、また外部へのＳＳ信号の漏
洩を防ぐＳＳ伝送システムを提供することにある。

【００１５】また、商用交流電源の供給を受ける負荷機
器にフィルタを設けることなく、安定したＳＳ信号によ
る通信を可能とするＳＳ伝送システムを提供することに
ある。

【００１６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項１のＳＳ伝送システムは、コンセントプラグ
受けが設けられ、コンセントプラグ受けにコンセントプ
ラグを差し込んだ負荷機器へ商用交流電源を供給する商
用電力線と、コンセントプラグ受けに、一端に設けたコ
ンセントプラグを差し込み、商用電力線と接続する通信
用交流電源線と、通信用交流電源線の少なくとも一カ所
の位置で、通信用交流電源線に接続する端末接続用コン
セントと、コンセントプラグと端末接続用コンセントと
の間の通信用交流電源線に介在させたブロッキングフィ
ルタと、通信信号の入出力部とスペクトラム拡散変復調
部を有し、端末接続用コンセントに端末接続用プラグを
差し込むことによって接続される通信用交流電源線に対
し、通信信号を変調したスペクトラム拡散変調信号を重
畳し、若しくは、スペクトラム拡散変調信号を分離し通
信信号に復調するＳＳ通信端末装置と、を備えたことを
特徴とする。

【００１７】商用電力線には、コンセントプラグ受けに
コンセントプラグを差し込む負荷機器が接続し、商用電
力線から商用交流電源の供給を受ける。また、ブロッキ
ングフィルタを介して商用電力線に接続する通信用交流
電源線には、ＳＳ通信端末装置が接続され、通信用交流
電源線を通信線として、スペクトラム拡散変調信号が重
畳する。

【００１８】外部の商用電力線から伝達されるノイズ
や、負荷機器で発生するノイズは、通信用交流電源線に
介在するブロッキングフィルタによって、通信用交流電
源線への侵入が防止され、また、通信用交流電源線に重
畳するＳＳ信号は、ブロッキングフィルタで遮断され、
外部へ漏れることがない。

【００１９】このブロッキングフィルタは、通信用交流
電源線には、ＳＳ通信端末装置等の小さい負荷の機器が
接続されるだけで、大電流が流れることはないので、大
容量のもの用いる必要がない。

【００２０】また、負荷機器から発生するノイズは、ブ
ロッキングフィルタによってＳＳ通信端末装置には伝わ
らないので、個々の負荷機器にフィルタを設ける必要が
ない。

【００２１】請求項２のＳＳ伝送システムは、端末接続
用プラグが、コンセントプラグと同形状に形成され、商
用電力線に設けられたコンセントプラグ受けに接続自在
であることを特徴とする。

【００２２】商用電力線のコンセントプラグ受けにコン
セントプラグを差し込んで接続していた従来のＳＳ通信
端末装置のコンセントプラグを、端末接続用プラグとし
て、通信用交流電源線の端末接続用コンセントに差し込
むことができる。従って、従来のＳＳ通信端末装置をそ
のまま加工せずに、通信用交流電源線に接続する請求項
１に係るＳＳ通信端末装置として用いることができる。

【００２３】一方、ノイズの侵入やＳＳ信号の漏洩の問
題がない状態では、ＳＳ通信端末装置に加工を加えるこ
となく、他の負荷機器が接続する商用電力線に接続でき
る。

【００２４】請求項３のＳＳ伝送システムは、通信用交
流電源線が、ブロッキングフィルタの一側に設けられた
コンセントプラグ受けと、端末接続用コンセントが接続
さる通信用交流電源線の一端に設けられたコンセントプ
ラグとによって、ブロッキングフィルタの一側で分離自
在であることを特徴とする。

【００２５】ブロッキングフィルタで分離される通信用
交流電源線は、商用電力線に接続する既存のコンセント
プラグ受け付き電源ケーブルと同一の構成であり、この
既存の電源ケーブルを、そのまま通信用交流電源線の一
部として利用できる。

【００２６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態に係る
ＳＳ伝送システムを、図１と図２を参照して説明する。
図１は、ＳＳ伝送システム１の全体を示すブロック図、
図２は、通信用交流電源線１０とＳＳ通信端末装置３の
構成を示すブロック図である。尚、これらの図におい
て、従来のＳＳ伝送システム１００において説明した構
成と同一の構成については、同一の番号を付してその説
明を省略する。

【００２７】本実施の形態においては、外部の商用電力
線１０１と工場内で各ライン毎に分岐した商用電力線１
０１ａ、１０１ｂとの間には、ブレーカー１０２が介在
するだけで、大容量のブロッキングフィルタは、接続さ
れない。

【００２８】分岐した商用電力線１０１ａには、複数の
コンセントプラグ受け１０４、１０４・・が形成され、
コンセントプラグ受け１０４にコンセントプラグを差し
込むことによって、プレス成形機１０５、照明器具１０
６等の負荷機器が接続し、商用交流電源が供給されるよ
うになっている。

【００２９】そのうち一カ所のコンセントプラグ受け１
０４ａには、図２に示すように、通信用交流電源線１０
ａを介した他端にブロッキングフィルタ４が接続された
コンセントプラグ５ａが差し込まれる。ブロッキングフ
ィルタ４には、また、商用電力線１０１に設けられたコ
ンセントプラグ受け１０４と同形状のコンセントプラグ
受け４ａが形成され、このコンセントプラグ受け４ａ
に、他の通信用交流電源線１０ｂとなる電源コードの一
端に設けられたコンセントプラグ５ｂが差し込まれる。
この差し込みによって、通信用交流電源線１０ａ、１０
ｂからなる通信用交流電源線１０にブロッキングフィル
タ４が直列に介在する。

【００３０】通信用交流電源線１０ｂには、適宜位置に
複数の端末接続用コンセント６、６・・が形成され、こ
の端末接続用コンセント６へ適合する端末接続用プラグ
７を差し込むことによって、ＳＳ通信端末装置３ａ、３
ｂが接続される。

【００３１】ここでは、端末接続用コンセント６は、コ
ンセントプラグ受け１０４と、端末接続用プラグ７は、
コンセントプラグ５ａ、５ｂとそれぞれ同形状に形成
し、従って、端末接続用コンセント６が形成された通信
用交流電源線１０ｂは、商用電力線１０１に接続可能な
コンセントプラグを備えた通常のコンセントプラグ受け
１０４付き電源コードを、そのまま転用できる。

【００３２】通信用交流電源線１０ｂに接続するＳＳ通
信端末装置３ａは、図１に示すように、破線で示す通信
ケーブル８によってプレス成形機１０５と接続するもの
で、プレス成形機１０５の近傍に設置することが好まし
いが、任意の位置のコンセントプラグ受け１０４へコン
セントプラグ５ａを差し込んで通信用交流電源線１０を
配線できるので、ＳＳ通信端末装置３は、所望位置に設
置できる。

【００３３】他の分岐した商用電力線１０１ｂは、組み
立てラインの各工作機械に対して商用交流電源を供給す
るものであり、複数のコンセントプラグ受け１０４、１
０４・・に、コンセントプラグを差し込むことによっ
て、組み立て機１０７、１０８等の負荷機器が接続され
ている。

【００３４】その内の一カ所のコンセントプラグ受け１
０４ｂに、一端に設けられたコンセントプラグが差し込
まれ、通信用交流電源線１１が接続される。このコンセ
ントプラグ近傍の通信用交流電源線１１に対して、ブロ
ッキングフィルタ４が直列に介在する。従って、この通
信用交流電源線１１は、ブロッキングフィルタ４と一体
に形成され、ブロッキングフィルタ４において分離しな
い。ブロッキングフィルタ４を挟んで、コンセントプラ
グの他側の通信用交流電源線１１に、適宜間隔で複数の
端末接続用コンセント６、６・・が形成され、この端末
接続用コンセント６へ適合する端末接続用プラグ７を差
し込むことによって、ＳＳ通信端末装置３ｃ、３ｄが接
続される。

【００３５】ここで用いられるブロッキングフィルタ
４、４は、電力会社の送電線から伝わる外部電気雑音
や、工作機械から発生する大きなノイズが、通信用交流
電源線１０ｂ、１１に侵入するのを防止する一方、通信
用交流電源線１０ｂ、１１に重畳するＳＳ信号が、商用
電力線１０１を経て外部に漏洩しないように作用する。
従って、前述のブロッキングフィルタ１０３と同様に、
電力線に重畳する信号を双方向で遮断するものである
が、本実施の形態で用いられるブロッキングフィルタ４
は、接続する通信用交流電源線１０ｂ、１１に対してＳ
Ｓ端末装置等の小さい負荷機器が接続されるのみなの
で、通信用交流電源線１０、１１の定格に応じて小容量
のものを用いることができる。

【００３６】ブロッキングフィルタ４を介在させた通信
用交流電源線１０、１１の全長は、特に制約されない
が、少なくとも２００メートル程度まで延長でき、任意
の場所にあるコンセントプラグ受け１０４から、工場内
でＳＳ通信端末装置３を設置する必要のある任意の場所
に配線できる。

【００３７】また、通信用交流電源線１０、１１は、接
続するＳＳ通信端末装置３に対してＳＳ信号の入出力を
行うだけでなく、その駆動電源を供給するものである
が、工作機械のように大きなノイズを発生するものでな
ければ、残る端末接続用コンセント６、６・・に、端末
接続用プラグ７を差し込んで、ＰＣ１１０、１１１、照
明装置などを接続し、これらの負荷機器に交流電源を供
給してもよい。これによって、例えば、通信用交流電源
線をノイズの少ない場所まで延長し、その退避位置に設
置したＰＣに電源を供給するととともに、そのＰＣとノ
イズの多い環境に設置された負荷機器との双方向通信を
行わせることもできる。

【００３８】ＳＳ通信端末装置３は、図２に示すよう
に、通信用交流電源線１０、１１に端末接続用プラグ７
を介して接続するＳＳ通信モデム１２と、ＳＳ通信モデ
ム１２に接続するＬＥＤ表示部１３と、ＳＳ通信モデム
１２の後段に接続し、ＳＳ通信端末装置３内の各部の動
作と入出力信号を制御するマイコン１４と、シリアルイ
ンターフェース部１５ａとパラレルインターフェース部
１５ｂを有する外部入出力部１５と、マイコン１４と外
部入出力部１５との間に接続されたインターフェース部
１６と、インターフェース部１５を介してマイコン１４
に接続するキーボード入力部１７及び液晶表示部１８と
を備えている。

【００３９】ＳＳ通信モデム１２は、通信信号をＳＳ信
号にスペクトラム拡散変調し、若しくは、ＳＳ信号を通
信信号へ復調するもので、更に詳しくは、マイコン１４
を介して入出力部１５から入力される通信信号をＳＳ信
号に変調して通信用交流電源線１０、１１へ重畳し、ま
た、通信用交流電源線１０、１１に重畳するＳＳ信号を
分離して、マイコン１４を介して入出力部１５から出力
する通信信号に復調するものである。また、ＬＥＤ表示
部１３は、そのＳＳ通信モデム１２の動作状態をＬＥＤ
を点滅させることによって、可視表示するものである。

【００４０】入出力部１５は、通信ケーブルを介して通
信信号を他の機器との間で双方向で通信するためのもの
で、例えば、ＳＳ通信端末装置３ａ、３ｂ、３ｃ、３ｄ
の各入出力部１５は、図１に示すように、プレス成形機
１０５、ＰＣ１１０、組立機１０７と１０８、ＰＣ１１
１の対応する入出力部（図示せず）に各々接続してい
る。これらの機器による通信信号の入出力フォーマット
に合わせて、ＳＳ通信端末装置３は、シリアルインター
フェース部１５ａとパラレルインターフェース部１５ｂ
が用意され、いずれかを選択して接続することによっ
て、各機器との通信信号の双方向通信を行っている。

【００４１】キーボード入力部１７は、ＳＳ通信端末装
置３のマイコン１４に対して種々の動作条件の設定を入
力するものであり、また、液晶表示部１８は、その入力
や入力結果を表示するものである。

【００４２】これらの構成によってＳＳ通信端末装置３
は、各機器１０５、１１０、１０７、１０８、１１１か
ら送信される通信信号を、ＳＳ信号にして通信用交流電
源線１０、１１へ重畳し、また、通信用交流電源線１
０、１１に重畳するＳＳ信号を分離して、上記各機器へ
送信するように動作する。

【００４３】このように構成されたＳＳ伝送システム１
では、例えば、ＰＣ１１０とプレス成形機１０５間のそ
れぞれ相手側に送信される通信信号は、ＳＳ通信端末装
置３ａ、３ｂ及び通信用交流電源線１０を経由して、相
手側のプレス成形機１０５とＰＣ１１０に送信される。
同様に、また、ＰＣ１１１と組立機１０７、１０８間の
それぞれ相手側に送信される通信信号は、ＳＳ通信端末
装置３ｃ、３ｄ及び通信用交流電源線１１を経由して、
相手側の組立機１０７、１０８とＰＣ１１１に送信され
る。

【００４４】従って、通信ケーブルを配線することな
く、ＰＣ１１０とプレス成形機１０５間、若しくはＰＣ
１１１と組立機１０７、１０８間があたかも通信ケーブ
ルで接続されたように、双方向の送受信が可能となる。
特に、通信ケーブルでは、ノイズが侵入したり信号の減
衰によって、離れた機器間の接続ができないが、ＰＣ等
に電源を供給できる通信用交流電源線１０、１１を配線
するだけで、機器間の双方向通信が可能となる。

【００４５】このように、通信用交流電源線１０、１１
を、工場内の工程で分けられたラインや、製品で分けら
れるライン毎に配線すれば、ライン内の複数の工作機械
を同じ通信用交流電源線１０、１１に接続されたＳＳ通
信端末装置３を介して、一台のＰＣ１１０、１１１でま
とめて管理できる。更に、ＰＣ１１０、１１１を通信ネ
ットワーク１１２の端末として作用させれば、通信ネッ
トワーク１１２に接続するホストコンピュータによっ
て、全ての負荷機器の制御や、負荷機器の稼働情報を収
集できる。尚、このホストコンピュータは、ＰＣ１１
０、１１１が兼ねることもできる。

【００４６】本実施の形態によれば、通信用交流電源線
１０、１１には、ＳＳ通信端末装置３によって変調され
たＳＳ信号が重畳するが、ブロッキングフィルタ４によ
って、商用電力線１０１への流出が防止されるので、通
信信号の機密が、商用電力線１０１を経由して外部へ漏
洩することがない。

【００４７】逆に外部や工作機械などの負荷機器から商
用電力線１０１に加わったノイズは、ブロッキングフィ
ルタ４で遮断され、通信用交流電源線１０ｂ、１１に伝
達されないので、ＳＳ信号のみを分離しやすく、安定し
た通信品質を保つことができる。従って、個々の工作機
械にノイズフィルタを設ける必要もなくなる。

【００４８】本実施の形態において、端末接続用プラグ
７及び端末接続用コンセント６は、それぞれコンセント
プラグ５ａ、５ｂ及びコンセントプラグ受け１０４と同
形状としたが、端末接続用プラグ７及び端末接続用プラ
グが差し込まれる端末接続用コンセント６は、商用電力
線１０１への接続に用いられるものと異なる形状として
もよい。これによって、通信用交流電源線１０、１１へ
の接続と、商用電力線１０１への接続を区別することが
でき、誤接続を防止できる。

【００４９】更に、上記実施の形態においては、負荷機
器とＳＳ通信端末装置の入出力部との接続を、優先の通
信ケーブルで接続する例で説明したが、ＳＳ信号を乱す
ことない伝送環境であれば、無線信号、赤外線信号を搬
送波とした赤外ＳＳ信号を用いて、相互の送受信を行っ
てもよい。

【００５０】

【発明の効果】請求項１の発明によれば、安価なブロッ
キングフィルタを用いるだけで、外部の商用電力線から
伝達されるノイズや、負荷機器で発生するノイズの侵入
を防止でき、ＳＳ信号からの復調エラーが生じない。

【００５１】また、負荷機器で発生するノイズは、ＳＳ
通信端末装置が接続する通信用交流電源線に伝わらない
ので、各機器にノイズフィルタを設けずに、安定した通
信品質を保つことができる。

【００５２】請求項２の発明によれば、これに加えて、
従来のＳＳ通信端末装置をそのまま加工せずに、通信用
交流電源線に接続するＳＳ通信端末装置として用いるこ
とができる。また、ノイズの侵入やＳＳ信号の漏洩の問
題がない状態では、ＳＳ通信端末装置に加工を加えるこ
となく、他の負荷機器が接続する商用電力線に対して接
続し、商用電力線を通信線とした電力線搬送ができる。

【００５３】請求項３の発明によれば、請求項２の発明
に加えて更に、既存のコンセントプラグ受け付き電源ケ
ーブルを、ブロッキングフィルタで分離される通信用交
流電源線の一部としてそのまま利用できる。

【００５４】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態に係るＳＳ伝送システム
１の全体を示すブロック図である。

【図２】通信用交流電源線１０とＳＳ通信端末装置３の
構成を示すブロック図である。

【図３】従来のＳＳ伝送システム１００の全体を示すブ
ロック図である。

【符号の説明】

１ＳＳ伝送システム３ＳＳ通信端末装置４ブロッキングフィルタ５ａコンセントプラグ５ｂコンセントプラグ６端末接続用コンセント７端末接続用プラグ１０通信用交流電源線１１通信用交流電源線１２スペクトラム拡散変復調部１５入出力部１０１商用電力線１０４コンセントプラグ受け１０５プレス成形機（負荷機器）１０６照明装置（負荷機器）１０７組立機（負荷機器）１０８組立機（負荷機器）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者坂本正秀富山県婦負郡八尾町保内１−１エスエムケイ株式会社富山事業所内Ｆターム(参考） 5K022 EE01 EE12 5K033 AA04 BA08 DB23 5K046 AA03 CC05 PP01 PS24 PS31 PS55 5K048 AA09 BA21 DC06 EB02 HA01 HA02 HA11

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】コンセントプラグ受け（１０４）が設け
られ、コンセントプラグ受け（１０４）にコンセントプ
ラグを差し込んだ負荷機器（１０５）へ商用交流電源を
供給する商用電力線（１０１）と、コンセントプラグ受け（１０４）に、一端に設けたコン
セントプラグ（５ａ）を差し込み、商用電力線（１０
１）と接続する通信用交流電源線（１０、１１）と、通信用交流電源線（１０、１１）の少なくとも一カ所の
位置で、通信用交流電源線（１０、１１）に接続する端
末接続用コンセント（６）と、コンセントプラグ（５ａ）と端末接続用コンセント
（６）との間の通信用交流電源線（１０、１１）に介在
させたブロッキングフィルタ（４）と、通信信号の入出力部（１５）とスペクトラム拡散変復調
部（１２）を有し、端末接続用コンセント（６）に端末
接続用プラグ（７）を差し込むことによって接続される
通信用交流電源線（１０、１１）に対し、通信信号を変
調したスペクトラム拡散変調信号を重畳し、若しくは、
スペクトラム拡散変調信号を分離し通信信号に復調する
ＳＳ通信端末装置（３）と、を備えたことを特徴とするＳＳ伝送システム。
【請求項２】端末接続用プラグ（７）は、コンセント
プラグ（５ａ）と同形状に形成され、商用電力線（１０
１）に設けられたコンセントプラグ受け（１０４）に接
続自在であることを特徴とする請求項１記載のＳＳ伝送
システム。
【請求項３】通信用交流電源線（１０）は、ブロッキ
ングフィルタ（４）の一側に設けられたコンセントプラ
グ受け（１０４）と、端末接続用コンセント（６）が接
続する通信用交流電源線（１０ｂ）の一端に設けられた
コンセントプラグ（５ｂ）とによって、ブロッキングフ
ィルタ（４）の一側で分離自在であることを特徴とする
請求項２に記載のＳＳ伝送システム。