JP2001343263A - 光導波路グレーティングセンサ及び複数物理量の同時計測方法 - Google Patents

光導波路グレーティングセンサ及び複数物理量の同時計測方法

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JP2001343263A
JP2001343263A JP2000161411A JP2000161411A JP2001343263A JP 2001343263 A JP2001343263 A JP 2001343263A JP 2000161411 A JP2000161411 A JP 2000161411A JP 2000161411 A JP2000161411 A JP 2000161411A JP 2001343263 A JP2001343263 A JP 2001343263A
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wavelength
sensor
optical waveguide
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Kazuo Imamura
一雄 今村
Shinji Takai
真二 鷹居
Katsuaki Kondo
克昭 近藤
Takeshi Genchi
武士 源地
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光導波路構造を複雑化することなく、一つの
光導波路にて複数の物理量を同一地点で同時に且つ正確
に計測できるグレーティングセンサを提供すること。 【解決手段】 コア12とクラッド14とを有する光導
波路としての光ファイバ10の長手方向一部に、グレー
ティング構造部からなるセンサ部20が設けられる。グ
レーティング構造は、一般的にはコア12に、その長手
方向に沿って屈折率を周期的に変化させた構造を備える
が、本発明にあっては比較的短い周期の屈折率周期構造
からなる基礎周期構造Λ1と、この基礎周期構造Λ1を
それよりも長い周期構造Λ2で変調した構造とされる。
かかるグレーティング構造を備えると、基礎周期構造に
基づく第1波長の反射光と、そのサイドバンドの第2、
第3波長の反射光とを選択的に反射できることになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、物体の温度や歪み
を計測する場合等に好適に用いられる光導波路グレーテ
ィングセンサに関し、特に温度と歪みを同一地点で同時
に計測することが可能な光導波路グレーティングセンサ
に関するものである。
【0002】
【発明の背景】構造物等の歪みや温度等の物理量を計測
するためのセンシング要素として、光ファイバの長手方
向にコアの屈折率を周期的に変化させたグレーティング
構造からなるセンサ部を備えたファイバグレーティング
センサが知られている。上記グレーティング構造部は、
導波モード間の結合により非常に狭い損失ピークを有
し、特定波長の光を反射したり(反射モード結合型)、
特定波長の光を透過させたり(透過モード結合型)する
性質がある。かかるグレーティング構造部を被計測環境
に配置したとき、その温度変化や応力変化等に応じてグ
レーティングピッチが変化することに起因して損失ピー
クの中心波長が変化することから、これを温度センサ若
しくは歪みセンサとして利用できるものである。
【0003】このようなファイバグレーティングセンサ
において、例えば構造物の温度とその歪み等を同一地点
において同時に計測したいという要望がある。この場
合、単一の屈折率周期構造のみからなるグレーティング
構造では、損失ピークも単一であるため、温度と歪みと
いう2つの変数を分離して計測することができないとい
う不都合がある。
【0004】かかる問題に対処すべく、特開平11−2
18450号公報では、光ファイバのコアを同軸構造と
して2つの独立した光導波路を設け、一方の光導波路に
温度依存性を極小化させるドーパントを添加すること
で、温度と歪みを同時計測可能としたファイバグレーテ
ィングセンサが開示されている。しかしながらこのセン
サは、同軸構造のコアという特殊構造が必要であり、そ
の製作が困難であるという問題がある。
【0005】一方、特開平10−293222号公報に
は、一つの屈折率周期構造を形成した上に、これとは異
なる周期の屈折率周期構造を重ねて形成したファイバグ
レーティング構造が開示されている。このグレーティン
グ構造を用いれば、中心波長が異なる2つ損失ピーク光
を生成できることから、上述の分離計測に適用し得ると
も考えられる。しかし、ここで開示されているグレーテ
ィング構造は、第1のグレーティングピッチが0.56
〜0.58μm、第2のグレーティングピッチが0.5
25〜0.545μmといったような、極めてピッチが
近接した反射モード結合型のグレーティング構造を単純
に二重に形成したものである。而して、得られる損失ピ
ーク光は、それぞれのグレーティング構造に基づく単一
的なものであり、2つのセンシング対象を同時に且つ正
確に計測するには損失ピーク光数が不足であり、双方と
も近似した温度依存性・応力依存性であることから、十
分ではないという問題があった。
【0006】従って本発明は上記問題に鑑み、光導波路
構造を複雑化することなく、一つの光導波路にて複数の
物理量を同一地点で同時に且つ正確に計測できるグレー
ティングセンサを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の光導波路グレー
ティングセンサは、光導波路の一部にグレーティング構
造からなるセンサ部を設けたグレーティングセンサであ
って、前記センサ部のグレーティング構造は、基礎とな
る屈折率周期構造を、これよりも長い周期を備える1又
は複数の周期構造で変調した構造であることを特徴とす
るものである。かかるセンサ構造において、光導波路を
コアとクラッドを有する光ファイバにて構成し、そのコ
アに上記グレーティング構造からなるセンサ部を設ける
ようにすることが望ましい。
【0008】周期構造において、基礎周期構造の周期に
対して2倍以上長い周期構造で変調することが望まし
い。また、基礎となる屈折率周期構造が反射モード結合
型の導波モードのグレーティング構造とし、これを変調
する周期構造が透過モード結合型の導波モードのグレー
ティング構造とするのも、好ましい実施態様の一つであ
る。
【0009】さらに本発明の複数物理量の計測方法は、
上記したグレーティングセンサのセンサ部を被計測環境
に敷設して特定波長の試験光を送信し、基礎周期構造に
基づく透過損失ピーク光の中心波長が被計測環境を経由
したことに由来して生ずる波長変動分Δλ0と、その変
調周期構造に基づく透過損失ピーク光の中心波長が被計
測環境を経由したことに由来して生ずる波長変動分Δλ
1〜Δλnとをモニターし、これら波長変動分のうち任
意の2以上の波長変動分を抽出して解析することによ
り、被計測環境における複数の物理量を同時計測するこ
とを特徴とするものである。
【0010】
【作用】光導波路に設けるグレーティング構造として、
基礎となる屈折率周期構造を、これよりも長い周期を備
える1又は複数の周期構造で変調した構造を採用するこ
とにより、基礎周期構造によって特定波長の損失ピーク
光(第1波長のピーク光)が得られるだけでなく、この
第1波長のピーク光の両側に生成される2つのサイドバ
ンドに相当する損失ピーク光(第2波長および第3波長
のピーク光)を得ることができる。つまり、グレーティ
ング構造が反射モ−ド結合型である場合は、基礎周期構
造に基づく第1波長の反射光と、そのサイドバンドの第
2、第3波長の反射光という、複数の波長帯の光が選択
的に反射できることになる。
【0011】上記した現象が生じるのは、光導波路グレ
ーティング構造として2重周期性を具備させることで、
単一の周期構造では本来フォトニックバンドギャップが
存在しないエネルギー領域に、所望の幅を有するフォト
ニックバンドギャップが出現することによるものと考え
られる。
【0012】このように複数の波長帯の光が選択的に抽
出できるので、それぞれの波長帯の光が物理変化を受け
たときの波長変動が異なることを利用して、例えば温度
と歪みという2つの物理量を計測するときは、上記第1
波長のピーク光と第2波長および/又は第3波長のピー
ク光の反射光をウォッチングし、これらの波長変動分を
比較することにより、同一地点における2つの物理量を
同時に計測することができる。
【0013】
【発明の実施の態様】以下図面に基いて、本発明の実施
態様につき詳細に説明する。図1は本発明の光導波路グ
レーティングセンサの一例を示す要部断面図である。図
示する通り、コア12とクラッド14とを有する光導波
路としての光ファイバ10の長手方向一部に、グレーテ
ィング構造部からなるセンサ部20が設けられている。
この光導波路としては各種光伝送体を用いることがで
き、ガラスファイバやポリマークラッドファイバ、有機
高分子光導波路などが使用できる。
【0014】上記グレーティング構造は、一般的にはコ
ア12に、その長手方向に沿って屈折率を周期的に変化
させた構造を備えるが、本発明にあっては図2に示す通
り、比較的短い周期の屈折率周期構造からなる基礎周期
構造Λ1と、この基礎周期構造Λ1をそれよりも長い周
期構造Λ2で変調した構造とされている。かかるグレー
ティング構造を備えると、前述の通り基礎周期構造に基
づく第1波長の反射光と、そのサイドバンドの第2、第
3波長の反射光とを選択的に反射できることになる。
【0015】このようなグレーティング構造は、光導波
路として石英ガラス系光ファイバを用いる場合、例えば
次のような手法で製作することができる。まず、通常の
Geドープ光ファイバに対してコアにSnやAl等を追
加的にドープし、光誘起屈折率変化特性を向上させた光
ファイバ10を準備する。なお、強度を向上させるた
め、クラッド14の表面を紫外線透過性の樹脂(例えば
脂肪族ウレタンアクリレートや脂肪族エポキシ系アクリ
レートなど)からなる被覆層を設けるみとが望ましい。
そしてセンサ部20となる領域に、基礎周期構造Λ1に
相当する位相マスクを配置し、Nd−YAGレーザ光の
4倍周波数光源等の紫外線を照射してグレーティングを
書き込む。
【0016】次に、上記で形成した基礎周期構造Λ1を
変調するための変調周期構造Λ2を、基礎周期構造Λ1
に重畳するように形成する。この形成は、同様にΛ2に
相当する位相マスクを既設の基礎周期構造Λ1部分に配
置し、紫外レーザを照射することにより書き込むことが
できる。ここで、図2に示すように、変調周期構造Λ2
は屈折率が正弦関数的に連続的に変化するように形成す
ると、サイドバンドの周波数間隔を正確に設定できるの
で好ましい。
【0017】基礎周期構造Λ1の屈折率周期に対し、変
調周期構造Λ2の周期は2倍以上、好ましくは5倍以
上、特には20倍以上とすることが望ましい。このよう
に屈折率周期差を大きくすることで、サイドバンドの損
失ピーク光の周波数間隔(中心波長間隔)を狭く設定で
きる利点がある。すなわち、変調周期構造Λ2の周期が
長くなる程、基礎周期構造Λ1による反射光の中心波長
λ0と、そのサイドバンドの光の中心波長λ1、λ2と
の差が小さくなる傾向があり、従ってより高次のサイド
バンド光λ3、λ4…が狭い周波数帯域範囲で観測でき
ることになり、後述の複数物理量の同時計測にあたって
波長変動分の分析可能n数を狭帯域内で確保できるので
好ましい。
【0018】上記において、例えば基礎周期構造Λ1の
周期ピッチを0.5〜1μm程度のものとし、変調周期
構造Λ2の周期ピッチを100〜200μm程度とする
ことができる。この場合、基礎周期構造Λ1は反射モー
ド結合型の導波モードのグレーティング構造となり、変
調周期構造Λ2は透過モード結合型の導波モードのグレ
ーティング構造となる。このような相対する導波モード
を利用することにより、相対するモード結合に対して結
合状態を細かく制御することが可能となる。特に反射モ
ード結合型に対して透過モード結合型構造の作用が好ま
しい。
【0019】上記グレーティング構造からなるセンサ部
は、光導波路の任意の箇所に形成し、そのセンサ部を測
定対象部位に配置して使用される。具体的には、センシ
ング対象となる建物や航空機等の所定部位に据付け固定
又は埋め込み敷設し、光源からの試験光を該光導波路に
送り、その反射光等をモニターすることで、その温度や
歪み等の物理量を計測するものである。なお、同一地
点、同時計測を目的とする場合、そのセンサ部長さは可
及的に短くすることが好ましく、概ね25mm以下とす
ることが適当である。
【0020】その測定手法は、先ず特定波長の試験光を
光導波路へ送信したとき、基礎周期構造に基づく透過損
失ピーク光の中心波長が被計測環境を経由したことに由
来して生ずる波長変動分Δλ0を測定する。同時に、そ
の変調周期構造に基づく透過損失ピーク光の中心波長が
被計測環境を経由したことに由来して生ずる波長変動分
Δλ1〜Δλnもモニターする。そして、これら波長変
動分のうち任意の2以上の波長変動分を抽出して解析す
ることにより、被計測環境における複数の物理量を同時
計測する。例えば、温度変化と応力変化に基づくΔλ0
とΔλ1の変化量から2値計測手段で解析すれば、温度
と歪みの同時計測が可能となる。
【0021】
【実施例】光導波路として、石英ガラス系光ファイバを
用いることとし、そのコアにはGeと共に光誘起屈折率
変化を高めるためにSnをドープしたGe、Sn共ドー
プシングルモードファイバを準備した。該光ファイバの
カットオフ波長は1270nm、ファイバのパラメータ
は、比屈折率差0.97%、モードフィールド径5.5
5μm、Sn濃度15000ppm、Al濃度900p
pmとした。そして高強度ファイバグレーティング実現
のため前記光ファイバの外周に被覆層を設けることと
し、その被覆材料には紫外線透過型の紫外線硬化型樹脂
である脂肪族系ウレタンアクリレート(光重合開始剤;
2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィ
ンオキサイド)を用いた。本樹脂は、波長266nmに
おいて透過率10%/50μm以上の特性を有しており
耐湿熱環境特性も良好である。この被覆上がりの外径
は、200μmであった。
【0022】ファイバグレーティング形成用の紫外レー
ザとしては、波長266nmのYAGレーザの4倍高調
波を用いた。本レーザは全固体レーザであるため時間
的、空間的コヒーレンシーが良好であり、本実施例のよ
うに樹脂被覆上照射に適している。このレーザを用い、
後記の位相マスクを所定部位に被せ、平均エネルギー1
0mJ、パルス幅50ns、繰返し周波数10Hz動作
にて屈折率を周期的に変化させるグレーティング構造を
形成した。表1に2種類の位相マスク、即ち基礎周期構
造Λ1、変調周期構造Λ2の形成のためのマスクピッ
チ、及びこの二重周期構造により得られた複数の反射ピ
ーク光の中心波長の周波数間隔を示している。表1の通
り、2重周期比率が大きくなるにつれて周波数間隔が狭
くなることが確認された。
【0023】
【表1】
【0024】上記と同様の石英ガラス系光ファイバを用
い、反射ピーク光の中心波長の周波数間隔をさらに狭く
設定した試料を作成した。この試料にあっては、センサ
部長さ、即ち2重周期のグレーティング構造を形成する
長さは20mmとした。グレーティング構造の形成は、
ファイバ心線側に基礎周期構造形成用の短周期マスク
(ピッチ:ΛS=1.065μm)、レーザ側に変調周期
構造形成用の長周期マスク(ピッチ:ΛL=200μm)
を配置してYAGレーザ光の4倍周波数光源の紫外線を
照射する一括形成方式とした。
【0025】既述の通り、単一マスクのみで形成された
周期構造では、λ0=neff×ΛS(ne ff は有効コア屈折
率)にて決定される単一波長ピークのみが得られるに過
ぎないが、2重周期構造とすることにより基礎周期構造
による反射ピーク光の両側に複数のピーク光が生成され
ることになる。2重周期構造により現れる前記両側のピ
ーク波長は次式にて表される。 1/λi=(1/neff)×((1/ΛS)+( i/2
ΛL))
【0026】上記で作製した2重周期ファイバグレーテ
ィングからなるセンサ部を備える光ファイバの一端に、
1.55μm帯SLD光源からの光を入射した。そのと
きの反射光波形を図3に示している。図3において、横
軸を波長(nm)にて表記しているが、周波数軸にする
と各ピーク間隔は0.5THzと等間隔に形成されてい
ることがわかる。中心基本波長と両側のピークとの周波
数関係は、基礎周期ピッチと変調周期ピッチとの比率に
て決定される。
【0027】そして、上記のセンサ部に温度と歪が印加
された場合の各反射ピークのシフト量Δλiは下式ど表
される。ここではΔT2、Δε2等の高次の係数、ΔT
Δεの係数は無視できると仮定する。 Δλi(T、ε)=κTi×ΔT+κεi×Δε ここでの添字は基本波長とその他の波長に対応する。温
度感度κTiはファイバガラス材料の屈折率の温度依存
係数、線膨張係数によって決定される。一方、歪感度κ
εiはファイバガラス材料の光弾性係数、ポアソン比に
依存することになるがその寄与は小さく、主に軸方向に
働く応力に対する周期構造変化が支配的となる。通常ガ
ラス材料構成のファイバブラッググレーティングにおい
ては歪感度、温度感度を変化させることは困難である。
【0028】これに対し、2重周期構造における複数の
ピークに関しては、温度感度をほぼ同一の状態として、
歪感度において2重周期構造を最適化することにより変
化させることが可能となる。即ち、2重周期ピッチ比率
を変化させるとファイバグレーティングの周波数間隔が
変化することになるのであるが、歪印加状態においては
光弾性係数が2重周期全体に関与すること並びに2重周
期構造比率が同一となる特性を備えている。かかる特性
を利用することにより歪感度を可変できることになる。
したがって波長軸観察におけるピークシフト量は中心波
長からの長波長側への離隔が大きい程、波長変化量(歪
感度)は大きくなるのである。
【0029】図4、図5にセンサ部に対して温度変化及
び歪み変化を与えたときの、基本ピーク波長とそのサイ
ドバンドのピーク波長のシフト量に関する温度特性、歪
変化特性をそれぞれ示している。図4に示すように温度
特性はほぼ同一(僅かに右上がりの傾きがある)である
が、図5に示す歪変化特性においては基本ピークとサイ
ドバンドの短波長側ピークと長波長側ピークとで挙動が
異なることが観察された。つまり、基本ピーク位置から
離隔した長波長ピーク程、そのピークの変化量は大き
く、逆に短波長側はそのピークの変化量は小さいという
挙動が確認された。
【0030】従って、いま基本ピークλ0からの離隔順
に短波長側ピークをλS1、λS2、λS3・・・、長
波長側ピークをλL1、λL2、λL3・・・とすると
き、基本ピークλ0の温度と歪みによるピークシフト挙
動と、サイドバンドのピークシフト挙動のうち、短波長
側ピークλSnグループと長波長側ピークλLnグルー
プの中から任意に抽出し、これらのピークシフト量の評
価をすることにより、温度特性と歪特性の同時分離計測
感度を向上させることができる。
【0031】この挙動の相違を判読容易とすべく表した
のが図6であって、本図は基本ピークに対するサイドバ
ンドのピークの歪感度差を抜き出して表示したものであ
る。抽出したピークは、短波長側の第3番目のピーク、
基本ピーク、長波長側の第3番目のピークである。
【0032】上記3ピークを利用することで、センサ部
において温度と歪みの同時計測が可能であることを実証
すべく、当該センサ部に温度−歪み変化を与え、温度感
度、歪感度を評価した。評価の結果、各係数は実験結果
よりκTS3=10.7pm/℃、κεS3=1118
pm/mε、κT0 =11.0pm/℃、κε0=11
27pm/mε、κTL3=11.1pm/℃、κεL
3=1149pm/mεであった。従って、本実施例に
かかるファイバグレーティングを用いることにより、同
一地点、同時計測時において温度範囲25〜85℃、歪
範囲0〜20mε状態にて温度感度を10.7〜11.
1pm/℃、歪感度を1118〜1149pm/mεに
て可変することが可能であることが確認された。
【0033】なお、上記実施例では温度と歪みの同時計
測について例示したが、本発明はこれ以外の各種物理量
の同時計測が可能であり、例えば曲がり、振動、荷重等
の計測においては、当該物理量をファイバ軸方向の歪み
に変換させる機構を具備させることにより計測が可能と
なる。
【0034】
【発明の効果】以上説明した通りの本発明の光導波路グ
レーティングセンサ及び複数物理量の同時計測方法によ
れば、特殊な光導波路構造を採用することなくグレーテ
ィング部を二重周期化することによって、複数の物理量
を同一地点で同時に計測できるセンサを提供することが
でき、各種センシングを簡易に且つ正確に、しかも計測
機器の複雑化を抑制できるという顕著な利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のグレーティングセンサの一例を示す要
部断面図である。
【図2】本発明のグレーティングセンサのコア屈折率変
化を表すグラフ図である。
【図3】本発明のグレーティングセンサに試験光を入射
したときの反射光波形を示すグラフ図である。
【図4】センサ部に対して温度変化及び歪み変化を与え
たときの、基本ピーク波長とそのサイドバンドのピーク
波長のシフト量に関する温度特性を示すグラフ図であ
る。
【図5】センサ部に対して温度変化及び歪み変化を与え
たときの、基本ピーク波長とそのサイドバンドのピーク
波長のシフト量に関する歪変化特性を示すグラフ図であ
る。
【図6】基本ピークに対するサイドバンドのピークの歪
感度差を抜き出して表示したグラフ図である。
【符号の説明】
10 光ファイバ 12 コア 14 クラッド 20 センサ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 源地 武士 兵庫県伊丹市池尻4丁目3番地 三菱電線 工業株式会社伊丹製作所内 Fターム(参考) 2F076 BA01 BD01 BD06 BD07 BD17 BE09 2F103 BA44 CA04 CA06 EA16 EA21 EB02 EC09 2H038 AA05 AA07 BA25 2H049 AA02 AA33 AA43 AA44 AA45 AA55 AA62 AA65 2H050 AC82 AC84 AD06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光導波路の一部にグレーティング構造か
    らなるセンサ部を設けたグレーティングセンサであっ
    て、前記センサ部のグレーティング構造は、基礎となる
    屈折率周期構造を、これよりも長い周期を備える1又は
    複数の周期構造で変調した構造であることを特徴とする
    グレーティングセンサ。
  2. 【請求項2】 前記光導波路がコアとクラッドを有する
    光ファイバからなり、そのコアに上記グレーティング構
    造からなるセンサ部を設けたことを特徴とする請求項1
    記載のグレーティングセンサ。
  3. 【請求項3】 基礎周期構造の周期に対して2倍以上長
    い周期構造で変調することを特徴とする請求項1又は2
    に記載のグレーティングセンサ。
  4. 【請求項4】 基礎となる屈折率周期構造が反射モード
    結合型の導波モードのグレーティング構造であり、これ
    を変調する周期構造が透過モード結合型の導波モードの
    グレーティング構造であることを特徴とする請求項1又
    は2に記載のグレーティングセンサ。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のグレーティングセンサの
    センサ部を被計測環境に敷設して特定波長の試験光を送
    信し、基礎周期構造に基づく透過損失ピーク光の中心波
    長が被計測環境を経由したことに由来して生ずる波長変
    動分Δλ0と、その変調周期構造に基づく透過損失ピー
    ク光の中心波長が被計測環境を経由したことに由来して
    生ずる波長変動分Δλ1〜Δλnとをモニターし、これ
    ら波長変動分のうち任意の2以上の波長変動分を抽出し
    て解析することにより、被計測環境における複数の物理
    量を同時計測することを特徴とする複数物理量の計測方
    法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006145465A (ja) * 2004-11-24 2006-06-08 Japan Atomic Energy Agency マルチ情報計測用光ファイバ
JP2008216063A (ja) * 2007-03-05 2008-09-18 Tobishima Corp 光ファイバセンサ式温度計測装置
JP2013054273A (ja) * 2011-09-06 2013-03-21 Univ Of Miyazaki 傾斜型ファイバーブラッググレーティングの製造方法、傾斜型ファイバーブラッググレーティングおよび傾斜型ファイバーブラッググレーティングの製造装置
JP2015518535A (ja) * 2012-03-20 2015-07-02 スネクマ 航空エンジンのファンへの損傷またはこれに対する異物の衝撃の検出および追跡

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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