JP2001337956A - 領域算出方法、空間データマイニング装置、地図情報表示装置、空間データマイニングシステム、および記憶媒体 - Google Patents
領域算出方法、空間データマイニング装置、地図情報表示装置、空間データマイニングシステム、および記憶媒体Info
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Abstract
図り、より高度な空間データマイニングを提供する。 【解決手段】 住所などの空間情報を含むデータベース
の中から2次元相関ルールを導き出して地図上で適用す
る領域算出方法であって、2次元相関ルールを導き出す
ために調べる、出力の際に要求される領域情報が含まれ
ていない目的関数を定義するステップと、地図上の領域
を所定の大きさからなるピクセルグリッドにバケット化
するステップ(S101)と、バケット毎にデータベース
からデータを集計するステップ(S103)と、定義され
た目的関数に基づいてその目的関数を最適化する領域を
算出するステップ(S104)と、算出された領域に対応
する地図上にあるエンティティを抽出するステップ(S
106)と、抽出されたエンティティに基づいて地図上
で適用する領域を出力するステップとを備える。
Description
ングにおけるデータベース処理に関し、より詳しくは、
空間データマイニングの基本機能である最適領域を算出
する手法、装置等に関する。
を空間的な文脈で解釈し、その空間的な法則を大量のデ
ータの中から導き出す新しい技術を空間データマイニン
グと呼ぶ。この空間データマイニングは、大量データに
対して、コストの高い空間・幾何学演算を行なう必要が
あり、技術的にはかなり難しい問題に直面する場合が多
い。そのために、空間データマイニングはあまり発展し
ているとは言えず、未開拓の研究分野である。しかしな
がら、その一方で、空間データマイニングは、情報産業
の中でも最もビジネスボリュームの大きなデータベース
であるGIS(Geographical Information System:地理
情報システム)分野を大いに発展させる可能性を秘めた
基礎技術と考えられ、ビジネス的、また技術的にも大変
有望な技術分野である。
タベースシステムでは、データベースの属性から分類で
きる集計操作だけしか行なうことができない。このよう
な場合には、例えばデータベースに行政区域を示す情報
があるときは市町村行政区域毎に、例えば、データベー
スに店舗を示す情報がある場合には、店舗毎の集計操作
しか行なうことができない。
ば、エリアマーケティングなどでは必要不可欠であり、
最先端のGISでは、空間情報を使用して解析した結果
とデータベース演算の結果とを統合して計算する機能を
実現するものが存在する。即ち、空間情報を用いた演算
結果からデータベース上の注目する属性値を集計する操
作は、例えば、主要道路で区分けされるブロック毎の集
計操作や店舗の勢力圏毎の集計操作等、データベースと
統合化されたGISにて実現することが可能である。
尚、出願人は、先に特願平09-034605号(米国特
許第5,991,752号)にて、データ間の結合ルール
を人間がより把握しやすい形で提示し、多くの結合ルー
ルを可視化することにより、使用する人間の選択の幅を
増大させ、より重要な結合ルールを見いだすことを可能
とする技術について提案している。
先端の統合型GISでは、空間的にデータの集計を行な
って、その集計値の高いものを取り出すことで、ある程
度、空間的な特徴や傾向を見るといったデータマイニン
グ的な分析が可能となる。しかしながら、将来的な空間
データマイニングの分野では、更に高度な分析が要求さ
れている。その1つが領域最適化である。例えば、高価
な商品の営業戦略を立てる場合に「平均年収を最大化あ
るいは最小化する領域」を知っておくことは非常に重要
であるし、有効な警備体制を整えたい場合に「犯罪発生
率を最大化する領域」を把握したいという要望が強い。
上述の従来技術を応用し、例えば計算可能な領域毎に集
計値を計算してその値の高いものを取り出すように構成
することも可能であるが、これらの従来技術の応用範囲
では、空間的な連続性を考慮することができない。その
結果、得られた領域から上述の例のような何らかの空間
的な法則を発見することができず、将来的な空間データ
マイニングのための機能としては不十分なものである。
するためになされたものであって、その目的とするとこ
ろは、空間的な連続性を考慮した上で領域最適化を図
り、より高度な空間データマイニングを提供することに
ある。また他の目的は、最適化された領域の算出を高速
に行なうことにある。更に他の目的は、実在の地図エン
ティティに合うように調整して、算出された領域情報を
地図と共に出力することにある。
明は、位置情報などの空間情報を含む大量のデータベー
スから、出力領域に対する制約(例えば、最小あるいは
最大面積、最小あるいは最大人口など)と目的関数値(例
えば、ある商品の売り上げ総数、犯罪の発生件数など)
に基づいて2次元相関ルールを求め、地図上に適用させ
るものである。即ち、本発明は、住所などの空間情報を
含むデータベースの中から2次元相関ルールを導き出し
て地図上で適用する領域算出方法であって、この2次元
相関ルールを導き出すために調べる、出力の際に要求さ
れる領域情報が含まれていない目的関数を定義するステ
ップと、地図上の領域を所定の大きさからなるピクセル
グリッドに分割するステップと、分割されたピクセルグ
リッド毎にデータベースからデータを集計するステップ
と、定義された目的関数に基づいてその目的関数を最適
化するピクセルグリッドの最適連結領域等の領域を算出
するステップと、算出された最適連結領域等の領域に対
応する地図上にあるエンティティを抽出するステップ
と、抽出されたエンティティに基づいて地図上で適用す
る領域を出力するステップとを含むことを特徴としてい
る。
上に現われる道路や川、湖、公園、森、行政区画などの
実体が該当する。また、ピクセルグリッドに分割するス
テップは、算出のための精度と計算時間とに基づいて所
定の大きさを決定することを特徴とすることができる。
即ち、算出のための精度を高める場合は、ピクセルグリ
ッドを細かく分割する方法が挙げられ、算出処理に要す
る時間を短くするためには、大まかなピクセルグリッド
を採用することが好ましい。更に、目的関数を最適化す
るようなピクセルグリッドの領域を算出するステップ
は、定義される制約と目的関数とに基づいて領域を算出
することを特徴とすることができる。この制約とは、領
域最適化のために、例えば、最小顧客数等の他、ピクセ
ルグリッドに分割した場合にはそのピクセルグリッド数
等が該当するであろう。
るステップは、算出されたピクセルグリッドの外枠との
距離および外枠に対する角度に基づいて外枠に対応する
エンティティを抽出することを特徴とすることができ
る。例えば、外枠との距離が近くても、その外枠との角
度が大きく、外枠との関連性が低いと判断できるエンテ
ィティは除外されることが好ましい。また更に、領域を
出力するステップは、エンティティを接続した領域を地
図上に表示することを特徴とすれば、ユーザに対して提
供する形態として、好ましいものとなる。但し、必ずし
も地図と共に出力せずに、例えば領域を文言にて表現し
て出力することも可能である。
明は、住所などの空間情報を含むデータベースの中から
2次元相関ルールを導き出す領域算出方法であって、2
次元相関ルールを導き出すために調べる目的関数を定義
するステップと、住所情報等の空間情報やその他の属性
を含むデータベースからデータを入力するステップと、
入力されたデータを集計して、定義された目的関数を最
適化するためにこの目的関数に適合する領域を算出する
ステップと、地図情報を入力するステップと、入力され
た地図情報から地図上にある道路、河川、市町村境界
線、海岸線などの地図情報等のエンティティを抽出する
ステップと、算出された領域に対応する領域エッジ候補
を抽出されたエンティティから選択するステップと、選
択された領域エッジ候補を入力された地図情報に反映し
て表示するステップとを含むことを特徴とすることがで
きる。
は、エンティティを切断して領域エッジ候補を選択し、
この領域エッジ候補を地図上に反映して表示するステッ
プは、領域エッジ候補を連結して地図上に表示すること
を特徴とすることができる。更に、切断したエンティテ
ィに、「ひげ」(複数のエンティティが交差した先に伸
びる行き止まりになる折れ線)が存在する場合に、その
「ひげ」を解消して、無駄のない閉領域を形成するように
構成すれば、ユーザに対して見易い、より美しい出力を
提供できる点で優れている。また、領域エッジ候補を地
図上に反映して表示するステップは、領域エッジ候補に
対してその外枠の色付けや太線、閉領域の色分け等によ
って強調して地図上に表示することを特徴とすれば、ユ
ーザに対して更に見易いアウトプットを提供することが
できる点で好ましい。
は、住所などの空間情報を含むデータベースの中から2
次元相関ルールを導き出す空間データマイニング装置で
あって、2次元相関ルールを導き出すために用いる目的
関数を定義する定義手段と、地図情報を入力する入力手
段と、入力された地図情報に基づいて地図上の領域を所
定の大きさからなるピクセルグリッドに分割する分割手
段と、データベースからデータを入力すると共に、分割
手段により分割されたピクセルグリッド毎にデータを集
計するデータ集計手段と、この集計に基づいて、定義さ
れた目的関数に適合するピクセルグリッドの領域を算出
するグリッド領域算出手段と、入力された地図情報から
地図上にあるエンティティを抽出するエンティティ抽出
手段と、抽出されたエンティティの中からグリッド領域
算出手段により算出された領域に対応するエッジ候補を
選択するエッジ候補選択手段と、選択されたエッジ候補
に基づいて地図情報に対応した領域を出力する出力手段
とを備えたことを特徴としている。
算出手段により算出された領域の外枠から所定距離内に
あるエンティティをエッジ候補として選択することを特
徴とすることができる。この所定距離内とは、例えばグ
リッドエッジを囲むグリッドを一辺とするピクセルグリ
ッドを含む領域とすることができる。また、エッジ候補
選択手段により選択されたエッジ候補を補間関数などを
用いて接続する接続手段とを更に備えたことを特徴とす
ることができる。
る地図情報表示装置は、住所などの空間情報と関連付け
された属性情報を含むデータが格納されたデータベース
からデータを入力するデータ入力手段と、道路情報など
の地図上のエンティティを含む地図情報を入力する地図
情報入力手段と、分析が要求される目的関数を定義する
目的関数定義手段と、定義された目的関数に基づいてデ
ータ入力手段により入力されたデータを集計する集計手
段と、この集計手段による集計に基づいて、地図情報入
力手段により入力されたエンティティの中から特定のエ
ンティティを選択する選択手段と、地図情報から地図を
表示すると共に、選択手段により選択されたエンティテ
ィを強調して地図に表示する表示手段とを備えたことを
特徴とすることができる。この表示手段は、エンティテ
ィの中から所定の線分からなる有効エッジ候補を複数、
選択すると共に、選択された複数の有効エッジ候補を連
結させて表示することを特徴とすることができる。
ニングシステムは、住所などの空間情報と関連付けされ
た属性情報を含むデータが格納されたデータベースと、
道路情報などの地図上のエンティティを含む地図情報が
格納された地図情報メモリと、分析を要求するための目
的関数を入力する入力装置と、データベースからデータ
を入力すると共に、入力された目的関数に基づいてデー
タを集計する集計手段と、地図情報メモリから、地図上
に存在する所定のエンティティを入力すると共に、集計
手段による集計に基づいて、エンティティの中から特定
のエンティティを選択する選択手段と、選択されたエン
ティティを調整する調整手段と、調整されたエンティテ
ィの情報を地図情報メモリに格納された地図と共に表示
する表示装置とを備えたことを特徴としている。このデ
ータベースや地図情報メモリは、例えば表示装置等とは
離れた場所に格納されている場合の他、本方式を処理す
るコンピュータのハードディスクドライブやCD−RO
M等に格納されている場合がある。
ない目的関数に基づいて住所などの空間情報を含むデー
タベースの中から所定の領域を導き出すプログラムを格
納した記憶媒体であって、このプログラムは、データベ
ースからデータを入力するステップと、データを集計し
て目的関数を最適化する連結ピクセル領域を算出するス
テップと、地図情報を入力するステップと、地図情報か
ら地図上にあるエンティティを抽出するステップと、算
出された領域に対応する領域候補を抽出されたエンティ
ティから選択するステップと、選択された領域候補を入
力された地図情報に反映して出力するステップとを含む
ことを特徴としている。この記憶媒体としては、例えば
CD−ROM等の可搬性のある媒体の他、ネット等を介
してプログラムをダウンロードするための、プログラム
を提供する側のハードディスク等の記憶媒体、ダウンロ
ード等によってプログラムの提供を受けたユーザ側のハ
ードディスク等の記憶媒体を含むものである。ここで、
このプログラムにおける最適化する領域を算出するステ
ップは、地図上を所定の大きさからなるピクセルグリッ
ドに分割し、分割されたピクセルグリッド毎にデータを
集計することを特徴とすれば、算出精度を高めることが
できると共に、処理時間を短縮して出力することが可能
となる。
に基づいてこの発明を詳細に説明する。図1は、本実施
の形態における最適領域算出手法を実現するためのコン
ピュータ・システムの概略構成を説明するための図であ
る。本実施の形態における処理アルゴリズムは、図示す
るようなコンピュータ・システムにおいて実行可能なプ
ログラムとすることができる。この処理プログラムは、
ハードディスクドライブ(HDD)15に格納され、実行
時にはメインメモリ12にロードされてCPU11によ
って処理される。また、このHDD15には大量のデー
タベースが格納されている。格納されるデータベースと
しては、GIS画面の地図情報、地図内にある地図エン
ティティ(湖、海、森、道路、河川など)の情報であるス
ペシャルデータ、住所情報と共に例えば買上金額や年収
情報等からなる顧客データ等がある。HDD15に格納
される処理プログラムはそのデータベースに対するアク
セスを行うものである。
報や最適化領域の計算結果は、表示装置16によってユ
ーザに提示される。ユーザは、入力装置17にて調べた
い目的関数の入力や、データ出力の命令等を入力する。
このような入力装置17には、キーボードやマウス、ポ
インティング・デバイスやディジタイザ等が含まれる。
更に、出力結果を補助記憶装置であるフロッピー(登録
商標)ディスクドライブ(FDD)13のフロッピーディ
スクに記憶したり、また新たなデータをFDD13から
入力することも可能である。また、CD−ROMドライ
ブ14を用いてCD−ROMに格納された地図情報やデ
ータを入力することもできる。
タ・プログラムは、フロッピーディスクやCD−ROM
といった記憶媒体に記憶して持ち運ぶことができる。こ
の場合、通常のデータベース検索プログラムのデータ取
り出し部分や、表示装置16に表示するだけの処理を行
うプログラムは、すでにHDD15に記憶されている場
合もある。従って、それ以外の部分が上記のような各種
記憶媒体にて流通することは通常行われる事項である。
また、図示されていない通信装置がバス18に接続され
て、遠隔地にあるデータベースを用いて処理したり、処
理結果を遠隔地に送信するように構成することも可能で
ある。即ち、住所などの空間情報を含む大量のデータベ
ースや地図情報を図1に示す構成の外部に設けるように
構成することもできる。
出方法を実現するための処理の流れを示した図であり、
主にCPU11における動作である。まず、HDD15
等のメモリ媒体から地図データが読み込まれ、読み込ま
れた地図に対して等間隔あるいはデータ数間隔にてバケ
ット化される(ステップ101)。次に、HDD15等の
メモリ媒体から顧客データを読み込み、バケットへの振
り分けを行ない(ステップ102)、振り分けられたバケ
ット毎にデータの集計を行なう(ステップ103)。次
に、目的のグリッド領域を求めるためのアルゴリズムか
らなる領域切り出しエンジンによって、例えばユーザに
よって入力装置17から入力された目的関数値(例え
ば、ある商品の売り上げ総数、犯罪の発生件数等)から
得られる最適化関数を最も良くする領域が算出される
(ステップ104)。この最適化関数としては、例えば、
エントロピー関数、GINIインデックス、χ(カイ)2
乗、平均2乗誤差等がある。
等、隣接ピクセル領域の計算がなされる(ステップ10
5)。その後、HDD15等のメモリ媒体から地図エン
ティティを読み出し、隣接ピクセルと交差する地図エン
ティティの切り出しを行なう(ステップ106)。次に、
切り出された線分(以降、「候補線分」と呼ぶ)から「有効
エッジ候補」を選択する(ステップ107)。その後、連
続していない「有効エッジ候補」の線分を接続し(ステッ
プ108)、クロスした線分(クロス線分)の先に伸びる
行き止まりになる折れ線である「ひげ」を除去する(ステ
ップ109)。以上のようにして得られた結果は、表示
装置16に対して地図情報と共に表示出力することが可
能である。
れている顧客データベース例と入力装置17から入力さ
れる制約、目的関数の例を示す図である。図3(a)で
は、あるデパートの顧客データベース(DB)の一例を示
しており、顧客IDや、名前、住所、売上金額、年収等
の属性に基づいて顧客データが格納されている。また、
図3(b)の例では、データベース上に定義されている空
間情報と関係付けられた属性などを用いて定義される領
域に対する制約と目的関数が定義されている。
101にて読み込まれる地図とバケット化された地図の
例を示す図である。図4(a)に示す地図は、GISの地
図データとしてHDD15等に格納されている。この地
図を読み込み、この地図上で適当に距離を決め、図4
(b)に示すように、その距離の長さの辺を持つ正方形を
単位とするピクセルグリッドを計算範囲の対象となる地
図上に作る。このピクセルグリッドの大きさは、どの位
の精度で計算したいか、に依存し、計算時間とのトレー
ドで決定されるものである。即ち、ピクセルグリッドを
大きくすると計算時間は速くなるが算出精度は荒くな
り、逆に、ピクセルグリッドを小さくすると計算時間は
遅くなるが算出精度は高くなる。
て、ピクセルグリッド上のバケットに集計されたデータ
の一例を示すものである。図2に示したステップ102
で、各入力レコードに、そのレコードの座標値に応じた
バケットのインデックス値が割り当てられ、その結果に
基づいて各バケット毎にデータが集計される。ここで
は、データベースを1度スキャンして、上述した制約と
目的関数とを計算するのに必要な情報を各ピクセル毎に
集計している。例えば、図3(b)に示した2つの制約・
目的関数の例では、制約としてのグリッド数(ピクセル
数)、各ピクセル毎の顧客数や、目的関数としての売上
金額総和、年収額総和が集計される。この集計結果は、
例えば図5に示すように、バケット番号としてi行j列
[i,j]の表示([0,0],[0,1]…[2,0]…等)、該当する
顧客数(入力レコード数)、年収額総和で表わされ、HD
D15やメインメモリ12等に格納される。この集計を
高速に行なうためには、各ピクセルの情報はタテ・ヨコ
ともに木構造で管理することが好ましい。即ち、どのピ
クセルに存在するかを位置決めするために、バイナリツ
リーで管理すれば、最悪でも木の深さに比例する計算時
間で集計を行なうことが可能である。
くする領域の算出例を示す図である。即ち、図2のステ
ップ104に示した領域切り出しエンジンの一例を説明
するものである。ステップ103で集計操作の終わった
地図上のピクセルグリッド上で作られる任意の連続グリ
ッド領域は、各ピクセルに集計した値の総和たる2次元
平面上の点として特徴付けることができる。例えば、
「領域の顧客数、領域の年収額総和」、「グリッド数、
領域の売上金額総和」等で任意の領域が特徴付けられ
る。この領域切り出しエンジンについては、出願人によ
る先の出願である特願平09-034605号に詳しい
が、ここではその概略について説明する。
客数、領域の年収額総和」の特徴を、横軸に領域の顧客
数を、縦軸に領域の平均年収を取って表現している。こ
こで示される最小顧客数は、前述した領域最適化のため
の制約である。また、図6(b)では、「グリッド数、領
域の売上金額総和」の特徴を、横軸にグリッド数を、縦
軸に領域の売上金額総和を取って表現している。ここで
示される最大グリッド数は、領域最適化のための制約で
ある。全ての領域は、このような「領域の顧客数、領域
の年収額総和」などの各ピクセルに集計されている2つ
の属性値で定義される平面の点集合である。この点集合
の凸包上に存在する点については、かなり高速に計算す
ることができる。即ち、凸包上の点は、ある傾きθを有
する接線と凸包との交点と考えることができる。図6
(a)では、制約である最小顧客数の線より右で傾き最大
の直線との接点で算出され、図6(b)では、制約である
最大グリッド数の線より左で傾き最小の直線との接点で
算出される。ここで、横にN、縦にNであるN^2個の
ピクセルグリッド上で考えると、そのような交点(接点)
は、X単調領域でO(N^2)、直交凸領域でO(N^3)の
時間で計算できる。このように、ある傾きθを有する接
線と凸包との交点を求める手法を繰り返して適用するこ
とで、目的である最適に近いグリッド領域を高速に求め
ることができる。複数の領域を求めたい場合で、2番
目、3番目以降の領域を求める場合は、既に求めた領域
に含まれる各ピクセルのY値を目的関数でネガティブに
作用するような値に書き換えて、同様な操作で求めるこ
とが可能である。
グリッド領域を示す図である。上述のような作業によっ
て図7に示すような太線の領域が抽出され、この太線の
領域が最適化関数を最も良くするピクセルグリッド領域
31となる。図8は、図2のステップ105における隣
接ピクセル領域の計算結果を示す図である。ここでは、
ピクセルグリッド領域31の外枠であるエッジを挟む領
域が計算され、図の斜線で示される隣接ピクセル領域3
2が求められる。このとき、外枠であるエッジを何個の
ピクセルで挟むかは、ユーザが入力装置17等から指定
することも可能である。
における隣接ピクセルと交差する地図エンティティの切
り出し作業を説明するための図である。図9(a)に示す
ように、地図内にあるポリゴン、折れ線で表示される地
図エンティティ(湖、海、森、河川、道路、行政区画な
ど)でピクセルグリッド領域31の内部にある線分が、
エンティティ線分33として抽出される。図9(b)は、
抽出されたこのエンティティ線分33を切り出して(切
断して)候補線分34を抽出した状態を示している。
有効エッジ候補の選択結果を示した図である。ここで
は、図9(b)に示した候補線分34から、有効エッジ候
補35を選択している。この有効エッジ候補35は、候
補線分34として選ばれたものの中から最終的な領域の
エッジとして有効なものが選ばれている。より具体的に
は、例えば、隣接ピクセル領域32の単位ピクセルにあ
る候補線分34の中で、ピクセルグリッド領域31を構
成する単位グリッドエッジから最も距離の近いものを有
効エッジ候補35として選択している。
手順の流れを示した図である。まず、グリッドエッジを
挟む2つのピクセル内の候補エッジを選ぶ(ステップ2
01)。この候補エッジが折れ線である場合は、各頂点
の二乗誤差を最小化するような単一線分で近似する(ス
テップ202)。これにより、候補エッジは全て単一線
分となる。次に、グリッドエッジに対する角度が45°
以内のものを取り出す(ステップ203)。また、グリッ
ドエッジの線分(xs1,ys1)−(xt1,yt1)と候補エッ
ジの線分(xs2,ys2)−(xt2,yt2)との角度を図に示
す式で求める(ステップ204)。この式は、値が小さい
ほど平行に近いことを示している。次に、候補エッジの
中点とグリッドエッジとの距離を計算する。距離はピク
セルのサイズを単位とする数値として求める(ステップ
205)。そして、角度と距離に適当な重みを乗じ、そ
の数値の小さいものをその単位グリッドに対する有効エ
ッジ候補35とする(ステップ206)。最後に候補の中
で近似したものは、元の折れ線に戻す(ステップ20
7)。このように、有効エッジ候補35としては、グリ
ッドエッジに近いだけではなく、傾きの大きさについて
も考慮される。即ち、いくらグリッドエッジに近くても
傾きが大きければ関係ないと判断され、遠い場合であっ
ても線に沿ったものの場合には有効エッジ候補35とし
て選択され得る。
有効エッジ候補35の線分の接続例を示した図であり、
符号36の破線で示される線分が加えられた接続線分で
ある。各単位グリッドに対して有効エッジ候補35を求
めたが、連続する単位グリッドに対する有効エッジが連
続していない場合も多い。即ち、連続しない有効エッジ
候補35が選ばれるケースと、対応する有効エッジ候補
35がない場合がある。このような非連続の有効エッジ
候補35に対しては、連続が途絶えた有効エッジ候補3
5と次に現れる有効エッジ候補35を補完関数などによ
る接続線分36で滑らかに接続する。
ひげの除去を説明するための図である。有効エッジ候補
35に対して接続線分36による接続作業が完了する
と、有効エッジ候補35でポリゴンを作ることができ
る。しかしながら、このままのポリゴンには、図13の
符号37で示すような「ひげ」ができている。ひげ37
は、図に示すようなクロス線分の先に伸びる行き止まり
になる折れ線である。このようなひげ37は、クロスす
る部分を平面走査法などの交点列挙アルゴリズムで求
め、交点からの接続関係を調べることで解消することが
できる。
域を地図エンティティに対応して出力した例である。図
7のピクセルグリッド領域31は、実在する地図上のエ
ンティティに合うように調整されて、図14に示すよう
な調整領域38に変換され、表示装置16によって地図
に反映されて表示出力される。即ち、抽出されて調整さ
れた道路情報等のエンティティや接続線分36は、例え
ば、赤色等の色づけや太線、また、調整された閉領域の
着色や白黒反転等の強調処理が施され、例えば表示装置
16のディスプレイを用いて、地図上に表示出力され
る。このように、本実施の形態では、領域最適化を空間
的な連続性を考慮した上で行うことで、より高度な空間
データマイニングを提供することが可能となる。また、
ピクセルグリッドを用いて計算時間を早めて算出できる
と共に、その出力では、地図上のエンティティを用いて
調整することができ、ユーザにとって使いやすい空間デ
ータマイニングを提供することが可能である。例えば、
スーパーマーケットが新聞の折り込みチラシを配布する
際に、最適な地域を求めるアプリケーションに応用した
場合には、川や道路、公園などのエンティティを踏まえ
て最適な領域を出力することができる。かかる出力を用
いて、例えば、各新聞販売店に対してその地域を明らか
にして折り込み指示を行なえば、効率的な且つ実質価値
の高いアウトプットを提供することが可能となる。
出力の際に要求される領域情報が含まれていない目的関
数を用いて、大量のデータベースから領域最適化を図る
ことができる。また、最適化された領域情報を実在の地
図エンティティに合うように調整して、算出された領域
情報を地図と共に出力することが可能となる。
現するためのコンピュータ・システムの概略構成を説明
するための図である。
現するための処理の流れを示した図である。
る顧客データベース例と入力装置17から入力される制
約、目的関数の例を示す図である。
にて読み込まれる地図とバケット化された地図の例を示
す図である。
グリッド上のバケットに集計されたデータの一例を示す
図である。
領域の算出例を示す図である。
域を示す図である。
領域32の計算結果を示す図である。
る隣接ピクセルと交差する地図エンティティの切り出し
作業を説明するための図である。
候補35の選択結果を示した図である。
した図である。
候補35の線分の接続例を示した図である。
除去を説明するための図である。
して出力した例を示す図である。
ディスクドライブ(FDD)、14…CD−ROMドライ
ブ、15…ハードディスクドライブ(HDD)、16…表
示装置、17…入力装置、18…バス、31…ピクセル
グリッド領域、32…隣接ピクセル領域、33…エンテ
ィティ線分、34…候補線分、35…有効エッジ候補、
36…接続線分、37…ひげ、38…調整領域
Claims (18)
- 【請求項1】 住所などの空間情報を含むデータベース
の中から2次元相関ルールを導き出して地図上で適用す
る領域算出方法であって、 前記2次元相関ルールを導き出すために調べる目的関数
を定義するステップと、 前記地図上の領域を所定の大きさからなるピクセルグリ
ッドに分割するステップと、 分割された前記ピクセルグリッド毎に前記データベース
からデータを集計するステップと、 定義された前記目的関数に基づいて前記ピクセルグリッ
ドの領域を算出するステップと、 算出された前記領域に対応する前記地図上にあるエンテ
ィティを抽出するステップと、 抽出された前記エンティティに基づいて前記地図上で適
用する領域を出力するステップとを含むことを特徴とす
る領域算出方法。 - 【請求項2】 定義される前記目的関数は、出力の際に
要求される領域情報が含まれていないことを特徴とする
請求項1記載の領域算出方法。 - 【請求項3】 前記ピクセルグリッドに分割するステッ
プは、算出のための精度と計算時間とに基づいて前記所
定の大きさを決定することを特徴とする請求項1記載の
領域算出方法。 - 【請求項4】 前記目的関数を最適化するような前記ピ
クセルグリッドの領域を算出するステップは、定義され
る制約と前記目的関数とに基づいて前記領域を算出する
ことを特徴とする請求項1記載の領域算出方法。 - 【請求項5】 前記地図上にあるエンティティを抽出す
るステップは、算出された前記ピクセルグリッドの外枠
との距離および当該外枠に対する角度に基づいて当該外
枠に対応するエンティティを抽出することを特徴とする
請求項1記載の領域算出方法。 - 【請求項6】 前記領域を出力するステップは、抽出さ
れた前記エンティティを接続した領域を前記地図上に表
示することを特徴とする請求項1記載の領域算出方法。 - 【請求項7】 住所などの空間情報を含むデータベース
の中から2次元相関ルールを導き出す領域算出方法であ
って、 前記2次元相関ルールを導き出すために調べる目的関数
を定義するステップと、 前記データベースからデータを入力するステップと、 入力された前記データを集計して、定義された前記目的
関数に適合する領域を算出するステップと、 地図情報を入力するステップと、 入力された前記地図情報から地図上にあるエンティティ
を抽出するステップと、 算出された前記領域に対応する領域エッジ候補を抽出さ
れた前記エンティティから選択するステップと、 選択された前記領域エッジ候補を入力された前記地図情
報に反映して表示するステップとを含むことを特徴とす
る領域算出方法。 - 【請求項8】 抽出される前記地図上にあるエンティテ
ィは、道路情報であることを特徴とする請求項7記載の
領域算出方法。 - 【請求項9】 前記領域エッジ候補を選択するステップ
は、前記エンティティを切断して当該領域エッジ候補を
選択し、 当該領域エッジ候補を前記地図上に反映して表示するス
テップは、当該領域エッジ候補を連結して当該地図上に
表示することを特徴とする請求項7記載の領域算出方
法。 - 【請求項10】 前記領域エッジ候補を前記地図上に反
映して表示するステップは、当該領域エッジ候補を強調
して当該地図上に表示することを特徴とする請求項7記
載の領域算出方法。 - 【請求項11】 住所などの空間情報を含むデータベー
スの中から2次元相関ルールを導き出す空間データマイ
ニング装置であって、 前記2次元相関ルールを導き出すために用いる目的関数
を定義する定義手段と、 地図情報を入力する入力手段と、 前記入力手段により入力された前記地図情報に基づいて
地図上の領域を所定の大きさからなるピクセルグリッド
に分割する分割手段と、 前記データベースからデータを入力すると共に、前記分
割手段により分割された前記ピクセルグリッド毎に当該
データを集計するデータ集計手段と、 前記データ集計手段による集計に基づいて、前記定義手
段により定義された前記目的関数に適合する前記ピクセ
ルグリッドの領域を算出するグリッド領域算出手段と、 前記入力手段により入力された前記地図情報から前記地
図上にあるエンティティを抽出するエンティティ抽出手
段と、 前記エンティティ抽出手段により抽出された前記エンテ
ィティの中から前記グリッド領域算出手段により算出さ
れた前記領域に対応するエッジ候補を選択するエッジ候
補選択手段と、 前記エッジ候補選択手段により選択された前記エッジ候
補に基づいて前記地図情報に対応した領域を出力する出
力手段とを備えたことを特徴とする空間データマイニン
グ装置。 - 【請求項12】 前記エッジ候補選択手段は、前記グリ
ッド領域算出手段により算出された前記領域の外枠から
所定距離内にあるエンティティを前記エッジ候補として
選択することを特徴とする請求項11記載の空間データ
マイニング装置。 - 【請求項13】 前記エッジ候補選択手段により選択さ
れた前記エッジ候補を接続する接続手段とを更に備えた
ことを特徴とする請求項11記載の空間データマイニン
グ装置。 - 【請求項14】 住所などの空間情報と関連付けされた
属性情報を含むデータが格納されたデータベースからデ
ータを入力するデータ入力手段と、 道路情報などの地図上のエンティティを含む地図情報を
入力する地図情報入力手段と、 分析が要求される目的関数を定義する目的関数定義手段
と、 前記目的関数定義手段により定義された前記目的関数に
基づいて前記データ入力手段により入力された前記デー
タを集計する集計手段と、 前記集計手段による集計に基づいて、前記地図情報入力
手段により入力された前記エンティティの中から特定の
エンティティを選択する選択手段と、 前記地図情報から地図を表示すると共に、前記選択手段
により選択された前記エンティティを強調して当該地図
に表示する表示手段とを備えたことを特徴とする地図情
報表示装置。 - 【請求項15】 前記表示手段は、前記選択手段により
選択された前記エンティティの中から所定の線分からな
る有効エッジ候補を複数、選択すると共に、選択された
複数の当該有効エッジ候補を連結させて表示することを
特徴とする請求項14記載の地図情報表示装置。 - 【請求項16】 住所などの空間情報と関連付けされた
属性情報を含むデータが格納されたデータベースと、 道路情報などの地図上のエンティティを含む地図情報が
格納された地図情報メモリと、 分析を要求するための目的関数を入力する入力装置と、 前記データベースから前記データを入力すると共に、前
記入力装置により入力された前記目的関数に基づいて当
該データを集計する集計手段と、 前記地図情報メモリから、前記地図上に存在する所定の
エンティティを入力すると共に、前記集計手段による集
計に基づいて、当該エンティティの中から特定のエンテ
ィティを選択する選択手段と、 前記選択手段により選択された前記エンティティを調整
する調整手段と、 前記調整手段により調整された前記エンティティの情報
を前記地図情報メモリに格納された地図と共に表示する
表示装置とを備えたことを特徴とする空間データマイニ
ングシステム。 - 【請求項17】 領域情報が与えられていない目的関数
に基づいて住所などの空間情報を含むデータベースの中
から所定の領域を導き出すプログラムを格納した記憶媒
体であって、 前記プログラムは、前記データベースからデータを入力
するステップと、入力された前記データを集計して前記
目的関数を最適化する領域を算出するステップと、地図
情報を入力するステップと、入力された前記地図情報か
ら地図上にあるエンティティを抽出するステップと、算
出された前記領域に対応する領域候補を抽出された前記
エンティティから選択するステップと、選択された前記
領域候補を入力された前記地図情報に反映して出力する
ステップとを含むことを特徴とする記憶媒体。 - 【請求項18】 前記プログラムにおける前記最適化す
る領域を算出するステップは、前記地図上を所定の大き
さからなるピクセルグリッドに分割し、分割された当該
ピクセルグリッド毎に前記データを集計することを特徴
とする請求項17記載の記憶媒体。
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