JP2001337013A - 土壌の強度測定方法、並びに、その測定装置。 - Google Patents

土壌の強度測定方法、並びに、その測定装置。

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JP2001337013A JP2000157512A JP2000157512A JP2001337013A JP 2001337013 A JP2001337013 A JP 2001337013A JP 2000157512 A JP2000157512 A JP 2000157512A JP 2000157512 A JP2000157512 A JP 2000157512A JP 2001337013 A JP2001337013 A JP 2001337013A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】土壌の内部組織の劣化の度合や品質分類、地盤
沈下の度合、土壌の強度が総括して測定し判断でき、測
定操作が簡単で、短時間で測定ができ、且つ、適格に土
壌の強度等の測定方法、および、その測定装置を提供す
る。 【解決手段】測定対象の土壌を柔軟な筒状部材に充填
し、該筒状部材の両端に硬質の板状体を設けて両端から
加圧して、その一端の板状体を加振して充填された土壌
の共振振動数を測定し、該共振振動数を分析して土壌強
度の度合を判定する強度測定方法および測定装置であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、土壌の内部組織の
劣化の度合や品質分類、地盤沈下の度合、土の強度を判
断する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来より、地盤に関しては、地盤の土質
学的分類を行って基本的要素を理解し、土壌(以下、単
に「土壌」という)の強度を把握して、安全かつ合理的
な建造物を建てることが求められている。この土壌の品
質分類や土壌の内部組織の劣化の度合を知るには、土壌
の内部組織が土壌の水分の状態により個体、半個体、塑
性、液状になり性質が大きく変わる為、土の含水比、密
度、土粒子の比重、土の中の間隙比および飽和度の測定
を常に行っていた。また、土壌の沈下の度合を推定する
ためには、圧密による間隙比の変化、圧縮指数、体積圧
縮係数を実験で求めて、沈下量と沈下時間を推定してい
た。さらに、土壌の強度の推定判断も、一面せん断試
験、三軸圧縮試験、一軸圧縮試験、ベーンせん断試験を
行い、これらからせん断強度kg/cm2を求めていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来、
土壌の内部組織の劣化の度合や品質分類を知る方法は、
土壌は水分の状態により個体、半個体、塑性、液状にな
り性質が大きく変わるので、その為、土の含水比、密
度、土粒子の比重、土の中の間隙比および飽和度の測定
を常に行わなければならないが、その土の構造は砂、シ
ルト、粘土の構成比によって品質が変わり、その為に、
構成比を算出するために粒度試験を行い、粒径加積曲線
を作って解析する必要があり、かなりの労力と時間を必
要とするという問題点があった。また、土壌の上部に荷
重をかけると土壌は収縮して体積を減少し、土壌沈下現
象を生じるため、従来の土壌の沈下の度合を推定する方
法は、土の圧密試験を行い、沈下量に関する係数を算出
して求めているが、圧密による間隙比の変化、圧縮指
数、体積圧縮係数を実験で求めて、沈下量と沈下時間を
推定するので、かなりの労力と時間を必要するという問
題点があり、加えて、時には過去に荷重がかかって、す
でに圧密の経歴をもっている土壌等の場合には、これら
の土壌はこれからどのような沈下現象を示すか調べなけ
ればならないが、それには過圧密実験を行って解析して
おり、この推定判断にも、かなりの労力と時間を必要と
するという問題点があった。
【0004】更に、土壌の強度の推定や判断にも困難性
があり、一面せん断試験、三軸圧縮試験、一軸圧縮試
験、ベーンせん断試験を行い、これらの個々の測定数値
からでもおおよその強度は判るが、これらを総合してせ
ん断強度kg/cm2を求めて地盤が破壊するときのせん断強
さはkg/cm2で表していたが、これも、土壌の水分の状態
が試験値を大きく左右するので、排出条件を加えた測定
を行う必要があるという問題点があった。このように、
岩石や土壌の内部組織の劣化の度合や品質分類、地盤沈
下の度合、岩石や土の強度を推定し判断するには全ての
測定の操作が難しく、また、測定も長時間を必要とし、
かつ、熟練を要する等の問題点があった。
【0005】本発明は、上記の問題点に鑑みてなされた
もので、その課題は、土壌の内部組織の劣化の度合や品
質分類、地盤沈下の度合、土壌の強度を総括して測定し
判断でき、測定操作が簡単で、短時間で測定ができ、且
つ、適格に土壌の強度等の測定方法、および、その測定
装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、測定対象の土壌を柔軟
な筒状部材に充填し、該筒状部材の両端に硬質の板状体
を設けて両端から加圧して、その一端の板状体を加振し
て充填された土壌の共振振動数を測定し、該共振振動数
を分析して土壌強度の度合を判定する土壌の強度測定方
法である。上記の課題を解決するために、請求項2に記
載の発明は、測定対象の土壌を柔軟な筒状部材に充填
し、該筒状部材の両端に硬質の板状体を設けて両端から
加圧して、その一端の板状体を加振して充填された土壌
の共振振動数を測定し、該共振振動数を分析して土壌強
度の度合を判定する土壌の強度測定装置である。上記の
課題を解決するために、請求項3に記載の発明は、測定
対象の土壌の地表面あるいは地中に間隔をおいて一対の
硬質の板状体を配置し、一方の板状体を加振して土壌の
共振振動数を測定し、該共振振動数を分析して土壌強度
の度合を判定する土壌の強度測定方法である。上記の課
題を解決するために、請求項4に記載の発明は、測定対
象の土壌の地表面あるいは地中に間隔をおいて一対の金
属板を配置し、一方の金属板には振動手段を設け、他方
の金属板には振動検知手段を設けて、土壌を加振して共
振振動数を測定し、該共振振動数を分析して土壌強度の
度合を判定する土壌の強度測定装置である。
【0007】
【発明の実施の形態】ここで、本発明に好適な土壌の内
部組織の強度測定方法と測定装置を説明するが、基本的
には、本発明者らが既に特願平11-193942号して提案し
ている共振法を用いたもので、鋭意研究の結果、比較的
柔かい土壌に適用すると、土壌の分類や強度が適格に判
断できることを見出したものである。まず、前記共振法
での内部組織の強度測定方法と測定装置の原理を説明す
る。本発明者らは、一般に、物体の強度を表す物理量の
1つにヤング率Eがあり、このヤング率Eが大きいほ
ど、物体の圧縮強度も大きいことに着目して、非破壊状
態で、土壌の内部の圧縮強度を測定することを鋭意研究
した。上記ヤング率Eを測定する方法には物体の共振振
動数を測定することによってその物体のヤング率Eを測
定する方法があり、この測定方法は、土壌のような有限
の大きさの弾性体が、多数の固有振動モードを有してお
り、これらのモード振動数は、その土壌の材質・形状お
よび寸法によって定まる数値である。
【0008】ここで、土壌も弾性体であるから、図1の
ような棒状(柱状:直方体)とした土壌、即ち、長さがL
で断面積はどのような形状でも良いが断面の最大寸法D
であり、 L>2D である棒状の土壌を考えると、最
も単純な共振は長さ方向に平行な縦波的な伸縮振動の共
振であり、この場合の基本波の共振振動数fは、 f=V/2L ・・・(1) で表され、前式でのVはその方向の振動波の伝播速度で
ある。
【0009】この式より、長さLが分かり、共振振動数
fを測定すると伝播速度Vが求められ、この伝播速度V
は密度が同じであればVが大きいほど強い材料であるこ
とが分かる。 即ち、V=α√E/ρ(Km/sec) ・・・(2) (但し、αは土壌の形状によって決まる定数 Eはヤング
率 ρは密度である。)で与えられ、物体の強度はヤング
率Eに密接に関係し、Eが大きいものは強度も大きい。
但し、強度の推定にはヤング率が必要であるが、これは
種々の形状の物体に対して、伝播速度とヤング率の関係
を求めなければならないが、直方体のような単純な形状
でも厳密な理論は未だ解明されていないが、形状の異な
るいくつかの弾性体での試験を繰り返すことによって、
その近似値を求めることができる。また、土壌に加振す
る板状体および振動を検出する板状体は、その材質や接
触状態によって補正する必要があり、例えば、板状体と
して金属板を使用した場合も補正が必要である。本実施
例の場合には、両端の金属板として、しんちゅう板を用
い、それぞれ、m1=222g(加振側) m2=197g(検出
側)、土壌は約350gであったので、得られた測定値を補
正計算により算出して補正した(なお、補正式は理論的
に導いたものであるが、ここでは省略する。)。
【0010】試験装置について、発明者らは、堅い鉄筋
コンクリート等の強度測定として特願平11-193942号の
発明を提案しているが、土壌のような弾性体であればイ
ンパクトハンマーを用いて測定対象物に軽い衝撃を与
え、この共振周波数を携帯可能なFFT(Fast Fourier Tra
nsform)分析器で簡単に検出可能になることを見出し
た。その結果、棒状の直方体あるいは扁平球体の土壌
で、長さLが断面の最大寸法Dと比較して、L>2D
である場合は、実際には縦波的な伸縮振動は基本モード
(1番目の波の形)のαが1に近く、精密な測定が要求
される以外はαは1にしてもよく、それ故、振動の速度
が計算で求められ、速度の速いものは硬くて緻密であ
り、速度の遅いものは柔らかい土壌であることが推定で
きる。
【0011】[実施例1]上記の知見に基づき、図2に示
すような計測システムを組み立て使用したが、第1の実
施例は測定対象の土壌を柔軟な筒状部材に充填し、この
筒状部材の両端に硬質の板状体を設けて両端から加圧し
て、図2に示すような計測システムを組み立てて、筒状
部材の一端の板状体を加振して充填された土壌の共振振
動数を測定し、該共振振動数を分析して土壌強度の度合
を判定するもので、以下にそのシステムの概略を図に沿
って説明する。まず、測定対象の岩石(粉砕して土粒子
程度にしたもの)又は土壌10を、長さ約10cmで直径が5c
mの筒状の布袋16に入れ、両側に金属板12、13を密着さ
せて、ゴムバンド14で両側から圧縮し、金属板13には振
動を検知するセンサー15を固着する。金属板12に振動を
付与するための加振手段としては、インパクトハンマー
11を用いて金属板12を叩き振動を付与する。なお、イン
パクトハンマー1に替えてスピーカ等による疑似打撃音
でもよく、正弦波振動を発生する振動子により振動を付
与し、その振動数を掃引する掃引方式でも良い。
【0012】ここで、インパクトハンマー11を用いて、
砂質土10を加振し共振周波数を検出するが、このために
インパクトハンマー11の加振力を検出する加振力検出手
段として加振力ピックアップ111がインパクトハンマー1
1に付随しており、インパクトハンマー11の加振力の振
動周波数を検出して電気信号Aを出力し、この電気信号A
は加振検出信号として前置増幅器17により増幅されてFF
T分析器18(fast fourier transform)のFFTアナライザ部
(図示せず)の第1チャンネル181に入力されている。一
方、土壌(岩石)10の振動を検出するための振動検出手段
として、金属板13には振動検知センサー15が取り付けら
れているが、この取り付け手段は金属板13にネジ止めし
てあるが、瞬間接着剤等でもよく、金属板13に強固に取
り付られている。なお、この振動検知センサー15に替え
て所定距離、例えば10cmを隔てて指向性の強いマイクロ
ホンを設けてもよく、この場合には移動が容易である。
この振動検知センサー15は圧電型の加速度ピックアップ
で、振動成分を検出可能であり、それぞれの方向の振動
を電気信号の振動検出信号Bに変換して出力するように
なっており、この振動検出信号Bはチャージ増幅器19に
より増幅されてFFT分析器18のFFTアナライザ(図示せず)
の第2チャンネル182に入力されている。もっとも、振
動検知センサー15は本実施例では、図2に示すように、
インパクトハンマー11で加振する金属板12の反対側の金
属板13に設けたが、図3に示すように、金属板12の側に
振動検知センサー15を設けてもよい。これは、棒状の土
壌内の共振スペクトルは、棒状試料表面どこで検出して
もはぼ同じ共振スペクトルが得られるからである。
【0013】上記のFFTアナライザ部は、入力される加
振力検出信号と振動検出信号をそれぞれA/D変換し、
コンピュータによる演算処理によりフーリェ変換して振
動波形を振動数スペクトルに分析するようになってい
る。ところで、インパクトハンマー11で土壌10を叩くイ
ンパルス方式の場合は、加振力の振動数スペクトルが平
坦ではないため、インパクトハンマー11の加振力を検出
してなる加振検出信号Aの振動数スペクトルと振動検出
信号Bの振動数スペクトルとの比をとって規格化し、振
動数応答として測定するようになっている。このように
して測定された振動検出信号の振動数を分析した周波数
応答関数(周波数スペクトル)をディスプレー画面に表示
させるようになっている。また、必要に応じて振動数ス
ペクトルの出力をピーク読み取り装置20に入力しパソコ
ン21を介して、必要なデータを抽出してプリンタ22から
プリントアウトすればよく、また、分析した振動数スペ
クトルデータをフロッピー(登録商標)ディスク(FD)な
どの記録媒体に記録する。FFT分析器18の形状演算装置
は、入力装置、演算処理装置、記憶装置、出力装置等か
らなるマイクロコンピュータを用いて構成されている。
記憶装置には、前述の原理に基づいて設定された共振条
件式、関連演算式、演算処理プログラム等、形状測定の
演算処理に必要な事項が予め格納され、インパクトハン
マー11の力検出ピックアップ111と加速度ピックアップ
(振動検知センサー15)とからの出力から周波数スペクト
ルを算出し、即ち周波数応答関数のグラフをFFT分析器1
8のディスプレイ又はプリンタ22などの出力装置を介し
て出力するようになっている。
【0014】[測定方法および測定結果の検証]カンボジ
ア・アンコール遺跡における土壌と、仙台七北田川の砂
であって、以下の挙げるものである。 (1)硬質な砂岩(クデイ(地名)の砂岩)をハンマーで砕
き、土粒子の大きさに調整した砂微粒子、 (2)沈下地帯の土(K-19の石柱の地盤) (3)褐色土(前柱殿(クデイ)の北側の良好な土壌) (4)ラテライト性赤色土(バンテアイ・クデイの参道) (5)ラテライトを(1)と同様に粉砕した微粒子 (6)仙台七北田川の砂
【0015】これらの試料を、長さ約10cmで直径が5cm
の筒状の布袋11に入れ、両側に金属板12、13を密着さ
せ、7本のゴムバンド14で両側から圧縮し金属板13には
振動を検知するセンサー15を固着する共振周波数を検出
し音速を算出する。前記の(1)〜(6)までの乾燥状態での
各土壌の共振法で音速の数値を求めるが、例えば、前記
(5)のラテライトをハンマーで砕き粉砕した微粒子の乾
いた状態での周波数応答関数(周波数スペクトル:共振
図)は図4のグラフに示すようなもので、基本モード(1
番目の波の形)での共振周波数は、1.22KHzで補正した
音速は0.250km/s である。同様にして前記の土壌試料番
号(1),(2),(3),(4),(6)の各土を共振法で音速の数値を
求め、従来の一軸圧縮試験の測定値と比較したのが図5
もので、ほぼ同じ傾向にあることが判る。
【0016】次に、これらの試料は最初は乾かした状態
から、次第に注入して、その都度、共振周波数を検出し
音速を算出した。例えば、前記(5)のラテライトに水を
7g注入した共振周波数は1.24KHzで、水を20g注入した
共振周波数は図6のグラフに示すように1.09KHzで音速
は徐々に下がっていき、強度も下がっていく。 同様
に、前記の(1)〜(6)までの各土壌の試料を測定した結果
が、図7の表1および図8・図9のグラフである。水が
浸透した場合の変化を図9のグラフをみると、最も弱い
ものは砂岩より構成された砂質土で、最も強いものはラ
テライトの粒子やラテライト性赤色土であり、従来の試
験方法では適格に測定することが困難なものであった。
また、沈下地帯の土の強度値が最も小さく砂岩の粒子の
数値と非常に似ており、これは、この地盤の構成では砂
岩を源岩であることを反映していることから、極めて興
味ある事実が判明した。これらの土壌の強度の強弱の程
度を比較すると赤色土>褐色土>沈下地帯の土 とな
り、理論上で考えられる傾向とも一致する。ただし、水
の付加で一時的に強度が上がり土粒子間の接着の効果を
上げることを意味しているが、K−19と砂岩粒子はその
効果が形成されない。最終的には水分の増加は劣化の促
進という効果を与えることだけは共通しているが、実験
法にも、ゴムバンドで土粒子を密着させて共振現象をみ
る際に、このゴムバンドの圧力を定量的に調査して共振
現象との比較が必要であったが、圧力は概略の目安と考
えて、本実施例で各試料に対する圧力をほぼ同じ程度に
した。しかし、各土粒子間の相対値には今後の強度指針
になることは確かである。
【0017】また、ラテライトの粒子は加水すると急激
に音速が下がるが、ラテライト中のカオリン・微粉状赤
鉄鉱等が粘性土と同じく急激に溶脱するのがその原因と
思われ、本実施例の測定した検証結果において、土壌の
強度の度合が測定できるという事実を否定するものでは
ない。
【0018】次に、試料の両端での圧力と伝播速度との
関係をバコンのラテライト性赤色土について検証した。
その結果は、図3におけるゴムバンドの本数を変えるこ
とにより圧力を変えて測定したもので図9の表2に示す
が、圧力7本×2(ゴムバンドの本数)では280m/sを示
し、圧力を10本×2、18本×2と順次に増加させて測定を
していくと共振周波数は上昇し、伝播速度は307m/s、3
27m/s、347m/sと直線上に比例関係を保ちながら上昇
する。これは、圧力をかけると土粒子間がよく密着し、
弾性体としての物性を示す理論と一致することが判る。
この測定も従来の試験方法では困難なものであった。な
お、圧力が0の点での伝播速度の値はこの直線上の延長
上にあるので256m/sを図表で確認でき、この値はフッ
クの弾性体の限界を意味しており、これ以下では弾性体
の性質を示さないことになる。
【0019】土木工学では個体、半個体、塑性、液性と
区分することが多いが、この中では塑性領域のような状
態、いわば未固結の土粒子間が非常に伝搬しにくい状態
を意味しているものと解釈できる。このことは、土質調
査での弾性波探査例とも極めて調和的で、地下・地表調
査に応用でき、特に、地すべり、斜面崩壊,地下異常を
予知できるものである。以上検証したように、本発明の
実施例1は共振周波数から音の伝播速度を検出すること
で、比較的簡単に土壌の強度を推定することができ、そ
の結果、土壌の種類を判別でき、また、水の浸水状態の
変化にともなう土壌強度の変化や、土壌での加圧の変化
にともなう土壌強度の変化を土壌を分解や破壊すること
なく検出することができる。
【0020】[実施例2]第2の実施例は、第1の実施例
と測定原理ははぼ同じであり、計測システムも実施例1
とほぼ同じであるが、試料を採取することなく、土壌の
地表面あるいは地中に間隔をおいて一対の硬質の板状体
を配置し、一方の板状体を加振して土壌の共振振動数を
測定し、共振振動数を検出して土壌の強度の度合を判定
するものであり、以下に具体的に図に沿って説明する。
実施例2は、図10に示すように、測定対象の土壌の層
に平行に20cm×20cmの正方形の面積の一対の金属板31、
32を、20cmの間隔で面を平行にして配置し、一方の金属
板31の外側面には、インパクトハンマー11で打撃するス
ペースを設け、他方の金属板32の外側面には振動を検知
するセンサー15を固着する。なお、他の手段および装置
は実施例1と同じであるので具体的な説明は省略する。
この試験には、前記(6)仙台七北田川の砂地と、土のせ
ん断強度が大きい(7)仙台七北田川の堤防の粘土層の土
壌で行ったが、(6)の土壌での伝播速度は0.254km/sであ
り、従来の一軸圧縮法での強度は1.25kg・f/cm2であるの
に対して、(7)の土壌での伝播速度は0.261km/sであり、
従来の一軸圧縮法での強度は1.35kg・f/cm 2であって、本
実施例の土壌の強度測定方法やその装置も有効であるこ
とが確認できた。この第2の実施例は、なによりも簡便
に強度測定ができ、水の浸水状態や圧力状態の変化にと
もなう土壌の強度の変化をリアルタイムで検出すること
ができる。
【0021】なお、本発明の特徴を損なうものでなけれ
ば、上記の各実施例に限定されるものでないことは勿論
であり、例えば、振動検出センサーは測定対象物に固着
しなくても、所定距離を隔てて指向性の狭いマイクロホ
ンでもよく、この場合に装置の移動が簡単である。ま
た、柔軟な筒状部材として布袋を使用したが、布袋の材
質としては綿、麻、合成繊維の織布や編布、或いは不織
布でもよく、要は振動作用に影響が少なければ、ゴムや
フィルムでもよい。更に、基準となる土壌の強度や特徴
を測定装置の記憶手段に記憶しておけば、常にこの土壌
強度の数値と比較して即座にその土壌の強度や分類が可
能になる。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の土壌の強
度測定方法、並びに、強度測定装置によれば、土壌の内
部組織の劣化の度合や品質分類、地盤沈下の度合、土壌
の強度を総括的に把握することが可能となり、また、土
壌は含水率の違いで個体・半個体・塑性・液性と変化
し、加圧状態の変化によっても土壌強度が変わるが、こ
れらのどの状態でも土壌を分解や破壊することなく土壌
強度の推定や判断が可能であり、必要に応じてその変化
の過程をリアルタイムで把握することも可能であるとい
う効果が得られる。なによりも、測定装置が簡単であっ
て装置の移動も容易であり、装置を設定することも簡単
であることから、短時間で土壌の強度測定ができるとい
う効果が得られる。また、土壌が塑性体に変わる時点か
ら地盤の破壊や沈下が発生することが多く、したがっ
て、本発明は土壌の水分比の増減による災害発生の予知
にも大いに貢献できるもので、画期的な土壌の強度測定
方法、並びに、強度測定装置である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の土壌の強度を測定する原理を説明する
説明図、
【図2】本発明の実施例の土壌の劣化測定方法に使用す
る測定装置のシステムの概略を説明する説明図
【図3】本発明の振動検知センサーと、棒状の土壌内の
共振スペクトルとの関係を説明する説明図
【図4】第1の実施例におけるラテライト粒子の乾燥状
態での共振振動周波数のスペクトル図
【図5】第1の実施例での測定結果と、従来の強度測定
の方法での測定結果を比較したグラフの図
【図6】第1の実施例におけるラテライト粒子に水を20
g注入した状態での共振振動周波数のスペクトル図
【図7】第1の実施例の測定方法による測定値を表1に
した図
【図8】第1の実施例の各種土壌の音の伝播速度と水分
との関係を表したグラフの図
【図9】第1の実施例における試料の両端における圧力
と伝播速度との関係を表した図
【図10】本発明の第2の実施例における岩石または土
壌の測定方法および装置の加振手段と振動検知手段を説
明する説明図である。
【符号の説明】
A…加振検出信号 B…振動検出信号 10…岩石あるいは土壌 11…インパクトハンマー 111…力検出ピックアップ 12,13,31,32…金属板 14…ゴムバンド 15…力検出ピックアップ 16…布性筒状袋 17…前置増幅器 18…FFT分析器 181…FFTアナライザ部の第1チャンネル 182…FFTアナライザ部の同第2チャンネル 15…加速度ピックアップ 19…チャージ増幅器 20…ピーク読み取り装置 21…パソコン 22…プリンタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 盛合 禧夫 宮城県仙台市泉区黒松2丁目28番27号 (72)発明者 松村 吉康 宮城県仙台市太白区長町5丁目9番地10− 1003 Fターム(参考) 2G061 AB04 BA01 BA06 CA06 CB02 EA06 EA08 EC02 EC04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】測定対象の土壌を柔軟な筒状部材に充填
    し、該筒状部材の両端に硬質の板状体を設けて両端から
    加圧して、その一端の板状体を加振して充填された土壌
    の共振振動数を測定し、該共振振動数を分析して土壌強
    度の度合を判定することを特徴とする土壌の強度測定方
    法。
  2. 【請求項2】測定対象の土壌を柔軟な筒状部材に充填
    し、該筒状部材の両端に硬質の板状体を設けて両端から
    加圧して、その一端の板状体を加振して充填された土壌
    の共振振動数を測定し、該共振振動数を分析して土壌強
    度の度合を判定することを特徴とする土壌の強度測定装
    置。
  3. 【請求項3】測定対象の土壌の地表面あるいは地中に間
    隔をおいて一対の硬質の板状体を配置し、一方の板状体
    を加振して土壌の共振振動数を測定し、該共振振動数を
    分析して土壌強度の度合を判定することを特徴とする土
    壌の強度測定方法。
  4. 【請求項4】測定対象の土壌の地表面あるいは地中に間
    隔をおいて一対の金属板を配置し、一方の金属板には振
    動手段を設け、他方の金属板には振動検知手段を設け
    て、土壌を加振して共振振動数を測定し、該共振振動数
    を分析して土壌強度の度合を判定することを特徴とする
    土壌の強度測定装置。
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