JP2001312593A - リスク算出システム及びリスク算出方法 - Google Patents

リスク算出システム及びリスク算出方法

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JP2001312593A
JP2001312593A JP2000131212A JP2000131212A JP2001312593A JP 2001312593 A JP2001312593 A JP 2001312593A JP 2000131212 A JP2000131212 A JP 2000131212A JP 2000131212 A JP2000131212 A JP 2000131212A JP 2001312593 A JP2001312593 A JP 2001312593A
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Japan
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risk
asset value
value
risk factor
correlation
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JP2000131212A
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English (en)
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Takaharu Tateyama
隆治 竪山
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Sumitomo Corp
Original Assignee
Sumitomo Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 信頼性の高いリスク算出システムを提供す
る。 【解決手段】 リスク算出システム10は、市場リスク
ファクターと信用リスクファクターとの双方を含む複数
のリスクファクターそれぞれの相関を表す相関行列を生
成する相関行列算出部16と、上記相関行列を用いて相
関構造を有する乱数を算出する相関乱数ベクトル算出部
22と、当該相関構造を有する乱数を用いて単位時間経
過後の複数のリスクファクターそれぞれの値を模擬する
シナリオを生成するシナリオ生成部30と、上記シナリ
オに基づいて単位時間経過後の資産価値を模擬する模擬
資産価値を算出するポートフォリオバリュー算出部34
と、上記模擬資産価値と現在の資産価値とからVaRを
算出するVaR算出部36とを備えて構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、資産価値の変動に
影響を与える複数のリスクファクターに基づいて、資産
価値の変動のリスクを算出するリスク算出システム及び
リスク算出方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】日々変化する経済社会において、資産価
値の変動のリスクを定量的に算出することは極めて重要
である。資産価値の変動のリスクを定量的に算出する方
法としては、例えば、木島正明編著「金融リスクの計量
化 上 バリュー・アット・リスク」(社団法人金融財
政事情研究会)に開示されたリスク算出方法が知られて
いる。かかるリスク算出方法は、乱数によってリスクフ
ァクターを変動させたシナリオを生成し、当該シナリオ
に基づいた模擬資産価値を算出し、当該模擬資産価値と
現在の資産価値との差に基づいて資産価値の変動のリス
クであるVaR(バリュー・アット・リスク)を算出す
るものである。ここで、リスクファクターとしては、為
替レート、株価指数、金利等の市場リスク(マーケット
リスク)に関するリスクファクターが用いられており、
上記算出されるVaRも、市場リスクに関するVaRで
ある。また、近年の企業倒産件数の増大と相まって、倒
産等により取引相手が債務を履行できなくなること等に
起因する資産価値の変動のリスクである信用リスク(ク
レジットリスク)の定量的な算出も、上述と同様の方法
によって行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の技
術にかかるリスク算出方法は、市場リスクあるいは信用
リスクのいずれか一方を定量的に算出するものであるた
め、以下に示すような問題点があった。すなわち、現実
の経済社会において資産は、市場リスクと信用リスクと
の双方のリスクに曝されされている。従って、資産価値
の変動のリスクを評価するためには、市場リスクあるい
は信用リスクのいずれか一方を定量的に算出するのみで
は不十分であり、市場リスクと信用リスクとの双方を統
合した統合リスクを算出する必要がある。一方、市場リ
スクに影響を与える市場リスクファクターと信用リスク
に影響を与える信用リスクファクターとは必ずしも独立
ではない(互いに相関を有する部分もある)ため、互い
に独立に算出された市場リスクと信用リスクとを用いて
(例えば市場リスクと信用リスクとを単純に加算して)
信頼性の高い統合リスクを算出することは困難である。
【0004】そこで、本発明は、上記問題点を解決し、
信頼性の高い統合リスクを算出することができるリスク
算出システム及びリスク算出方法を提供することを課題
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のリスク算出システムは、資産価値の変動に
影響を与える複数のリスクファクターに基づいて、上記
資産価値の変動のリスクを算出するリスク算出システム
であって、上記複数のリスクファクターそれぞれの値の
推移に基づいて、上記複数のリスクファクターそれぞれ
の相関に関する相関情報を生成する相関情報生成手段
と、上記相関情報生成手段によって生成された上記相関
情報に基づいて、単位時間経過後の上記複数のリスクフ
ァクターそれぞれの値を模擬するシナリオを生成するシ
ナリオ生成手段と、上記シナリオ生成手段によって生成
された上記シナリオに基づいて、上記単位時間経過後の
資産価値を模擬する模擬資産価値を算出する模擬資産価
値算出手段と、上記模擬資産価値算出手段によって算出
された上記模擬資産価値と現在の資産価値とに基づい
て、上記資産価値の変動のリスクを算出するリスク算出
手段とを備え、上記複数のリスクファクターは、市場リ
スクに関する市場リスクファクターと信用リスクに関す
る信用リスクファクターとの双方を含んでいることを特
徴としている。
【0006】市場リスクファクターと信用リスクファク
ターとの双方を含む複数のリスクファクターそれぞれの
値の推移に基づいて相関情報を生成することで、当該相
関情報に市場リスクファクターと信用リスクファクター
との相関に関する情報をも含ませることができる。ま
た、当該相関情報に基づいてシナリオを生成すること
で、市場リスクファクターと信用リスクファクターとの
相関を反映させたシナリオを生成することができる。ま
た、当該シナリオに基づいて算出された模擬資産価値と
現在の資産価値とに基づいて資産価値の変動のリスクを
算出することで、市場リスクファクターと信用リスクフ
ァクターとの相関を考慮した統合リスクを算出すること
ができる。
【0007】また、本発明のリスク算出システムにおい
ては、上記信用リスクファクターには、取引相手の倒産
確率に関する情報が含まれており、上記模擬資産価値算
出手段は、上記倒産確率が一定のしきい値を越える取引
相手に関して、当該取引相手が倒産した場合のキャッシ
ュフローに関する情報を用いて当該取引相手との間の取
引に基づく模擬資産価値を算出することを特徴とするこ
とが好適である。
【0008】取引相手が倒産した場合における当該取引
相手との間のキャッシュフローは、当該取引相手が倒産
していない場合における当該取引相手との間のキャッシ
ュフローと比較して極端に異なる。従って、倒産確率が
一定のしきい値を越える取引相手に関して、当該取引相
手が倒産した場合のキャッシュフローに関する情報を用
いて当該取引相手との間の取引に基づく模擬資産価値を
算出することで、模擬資産価値の算出に当該取引相手が
倒産した場合のキャッシュフローを反映させることがで
きる。
【0009】また、上記課題を解決するために、本発明
のリスク算出方法は、資産価値の変動に影響を与える複
数のリスクファクターに基づいて、上記資産価値の変動
のリスクをコンピュータを用いて算出するリスク算出方
法であって、上記複数のリスクファクターそれぞれの値
の推移に基づいて、上記複数のリスクファクターそれぞ
れの相関に関する相関情報を生成する相関情報生成ステ
ップと、上記相関情報生成ステップにおいて生成された
上記相関情報に基づいて、単位時間経過後の上記複数の
リスクファクターそれぞれの値を模擬するシナリオを生
成するシナリオ生成ステップと、上記シナリオ生成ステ
ップにおいて生成された上記シナリオに基づいて、上記
単位時間経過後の資産価値を模擬する模擬資産価値を算
出する模擬資産価値算出ステップと、上記模擬資産価値
算出ステップにおいて算出された上記模擬資産価値と現
在の資産価値とに基づいて、上記資産価値の変動のリス
クを算出するリスク算出ステップとを備え、上記複数の
リスクファクターは、市場リスクに関する市場リスクフ
ァクターと信用リスクに関する信用リスクファクターと
の双方を含んでいることを特徴としている。
【0010】市場リスクファクターと信用リスクファク
ターとの双方を含む複数のリスクファクターそれぞれの
値の推移に基づいて相関情報を生成することで、当該相
関情報に市場リスクファクターと信用リスクファクター
との相関に関する情報をも含ませることができる。ま
た、当該相関情報に基づいてシナリオを生成すること
で、市場リスクファクターと信用リスクファクターとの
相関を反映させたシナリオを生成することができる。ま
た、当該シナリオに基づいて算出された模擬資産価値と
現在の資産価値とに基づいて資産価値の変動のリスクを
算出することで、市場リスクファクターと信用リスクフ
ァクターとの相関を考慮した統合リスクを算出すること
ができる。
【0011】また、本発明のリスク算出方法において
は、上記信用リスクファクターには、取引相手の倒産確
率に関する情報が含まれており、上記模擬資産価値算出
ステップは、上記倒産確率が一定のしきい値を越える取
引相手に関して、当該取引相手が倒産した場合のキャッ
シュフローに関する情報を用いて当該取引相手との間の
取引に基づく模擬資産価値を算出することを特徴とする
ことが好適である。
【0012】取引相手が倒産した場合における当該取引
相手との間のキャッシュフローは、当該取引相手が倒産
していない場合における当該取引相手との間のキャッシ
ュフローと比較して極端に異なる。従って、倒産確率が
一定のしきい値を越える取引相手に関して、当該取引相
手が倒産した場合のキャッシュフローに関する情報を用
いて当該取引相手との間の取引に基づく模擬資産価値を
算出することで、模擬資産価値の算出に当該取引相手が
倒産した場合のキャッシュフローを反映させることがで
きる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態にかかるリスク
算出システムについて図面を参照して説明する。まず、
本実施形態にかかるリスク算出システムの構成について
説明する。図1は、本実施形態にかかるリスク算出シス
テムの構成図である。
【0014】本実施形態にかかるリスク算出システム1
0は、資産価値の変動に影響を与える複数のリスクファ
クターに基づいて、上記資産価値の変動のリスクを算出
するリスク算出システムであって、図1に示すように、
格納部12、倒産確率算出部14、相関行列算出部1
6、相関行列変換部18、乱数ベクトル生成部20、相
関乱数ベクトル算出部22、ドリフト率ベクトル算出部
24、ボラティリティベクトル算出部26、リスクファ
クター変化量ベクトル算出部28、シナリオ生成部3
0、倒産判定部32、ポートフォリオバリュー算出部3
4、VaR算出部36を備えて構成される。
【0015】ここで、上記相関行列算出部16と相関行
列変換部18とが、複数のリスクファクターそれぞれの
値の推移に基づいて複数のリスクファクターそれぞれの
相関に関する相関情報を生成する相関情報生成手段を構
成する。また、乱数ベクトル生成部20と、相関乱数ベ
クトル算出部22と、ドリフト率ベクトル算出部24
と、ボラティリティベクトル算出部26と、リスクファ
クター変化量ベクトル算出部28と、シナリオ生成部3
0とが、上記相関情報生成手段によって生成された相関
情報に基づいて単位時間経過後の複数のリスクファクタ
ーそれぞれの値を模擬するシナリオを生成するシナリオ
生成手段を構成する。また、倒産判定部32と、ポート
フォリオバリュー算出部34とが、シナリオ生成手段に
よって生成されたシナリオに基づいて単位時間経過後の
資産価値を模擬する模擬資産価値を算出する模擬資産価
値算出手段を構成する。また、VaR算出部36が、模
擬資産価値算出手段によって算出された模擬資産価値と
現在の資産価値とに基づいて、資産価値の変動のリスク
を算出するリスク算出手段を構成する。尚、リスク算出
システム10は、物理的には、ハードディスク、RA
M、ディスプレイ、キーボード、マウスなどを備えたパ
ーソナルコンピュータやワークステーションなどによっ
て構成される。以下、各構成要素について詳細に説明す
る。
【0016】格納部12は、取引相手株価データベース
38と、取引相手財務データベース40と、信用リスク
ファクターデータベース42と、市場リスクファクター
データベース44と、キャッシュフローデータベース4
6とを格納する。
【0017】図2は、取引相手株価データベース38の
構成図である。取引相手株価データベース38は、図2
に示すように、複数の取引相手(例えば、A社、B社、
C社など)それぞれの過去の株価の推移に関する情報を
含んでいる。
【0018】図3は、取引相手財務データベース40の
構成図である。取引相手財務データベース40は、図3
に示すように、複数の取引相手(例えば、A社、B社、
C社など)それぞれの財務状態に関する情報を含んでい
る。財務状態に関する情報としては、例えば、損益計算
書(P/L)やバランスシート(B/S)に記載される
情報が該当する。
【0019】図4は、信用リスクファクターデータベー
ス42の構成図である。信用リスクファクターデータベ
ース42は、図4に示すように、複数の信用リスクファ
クターそれぞれの過去の推移に関する情報を含んでい
る。ここで、信用リスクファクターとは、信用リスクに
影響を与えるリスクファクターであって、例えば、取引
相手の倒産確率などが該当する。すなわち、信用リスク
ファクターデータベース42は、例えば複数の取引相手
(例えば、A社、B社、C社など)それぞれの過去の倒
産確率の推移に関する情報を含んでいる。
【0020】図5は、市場リスクファクターデータベー
ス44の構成図である。市場リスクファクターデータベ
ース44は、図5に示すように、複数の市場リスクファ
クターそれぞれの過去の推移に関する情報を含んでい
る。ここで、市場リスクファクターとは、市場リスクに
影響を与えるリスクファクターであって、例えば、為替
レート、株価指数、金利などが該当する。すなわち、市
場リスクファクターデータベース44は、例えば為替レ
ート、株価指数、金利などの過去の推移に関する情報を
含んでいる。
【0021】図6は、キャッシュフローデータベース4
6の構成図である。キャッシュフローデータベース46
は、図6に示すように、複数の取引相手(例えば、A
社、B社、C社など)それぞれとの間のキャッシュフロ
ーに関する情報を含んでいる。キャッシュフローデータ
ベース46は、より詳細には、取引相手が倒産しない状
態(非倒産時)におけるキャッシュフローに関する情報
と、取引相手が倒産した状態(倒産時)におけるキャッ
シュフローに関する情報との双方を含んでいる。ここ
で、非倒産時におけるキャッシュフローに関する情報に
は、売掛金、株式、社債などが含まれ、倒産時における
キャッシュフローに関する情報には、担保などが含まれ
る。
【0022】倒産確率算出部14は、格納部12に格納
された取引相手株価データベース38に含まれる過去の
株価の推移に関する情報と取引相手財務データベース4
0に含まれる財務状態に関する情報とを用いて、複数の
取引相手それぞれの倒産確率を一定期間毎に算出する。
倒産確率算出部14は、より具体的には、例えば森平爽
一郎「倒産確率推定のオプション・アプローチ」(証券
アナリストジャーナル97.10)などの方法を用いて
上記倒産確率を算出する。倒産確率算出部14は、算出
した複数の取引相手それぞれの倒産確率を、信用リスク
ファクターとして、格納部12の信用リスクファクター
データベース42に格納する。
【0023】相関行列算出部16は、複数のリスクファ
クターそれぞれの値の推移に基づいて複数のリスクファ
クターそれぞれの相関を示す相関行列C(相関に関する
相関情報)を算出(生成)する。ここで、かかる複数の
リスクファクターは、市場リスクに関する市場リスクフ
ァクターと信用リスクに関する信用リスクファクターと
の双方を含んでいる。
【0024】より具体的には、相関行列算出部16は、
まず、格納部12に格納された市場リスクファクターデ
ータベース44に含まれる為替レート、株価指数、金利
などの複数の市場リスクファクターそれぞれの値の推移
に基づいて、当該複数の市場リスクファクターそれぞれ
の相関を示す市場リスクファクターの相関行列Caを算
出する。ここで、市場リスクファクターの相関行列Ca
は、n個の市場リスクファクターのうちi番目の市場リ
スクファクターxaiとj番目の市場リスクファクターx
ajとの相関係数ρaij(市場リスクファクターxaiとx
ajとの値の推移から計算される)を用いて、式(1)に
示すように表される。ここで、市場リスクファクターの
相関行列Caは、n行n列の正方行列になるとともに、
対角要素がすべて1(任意のiについてρaii=1)で
ある対称行列(任意のi,jについてρaij=ρaji)と
なる。
【0025】
【数1】
【0026】相関行列算出部16は、また、格納部12
に格納された信用リスクファクターデータベース42に
含まれる複数の企業それぞれの倒産確率を示す複数の信
用リスクファクターそれぞれの値の推移に基づいて、当
該複数の信用リスクファクターそれぞれの相関を示す信
用リスクファクターの相関行列Cbを算出する。ここ
で、信用リスクファクターの相関行列Cbは、m個の信
用リスクファクターのうちi番目の信用リスクファクタ
ーxbiとj番目の信用リスクファクターxbjとの相関係
数ρbij(信用リスクファクターxbiとxbjとの値の推
移から計算される)を用いて、式(2)に示すように表
される。ここで、信用リスクファクターの相関行列Cb
は、m行m列の正方行列になるとともに、対角要素がす
べて1(任意のiについてρbii=1)である対称行列
(任意のi,jについてρbij=ρbj i)となる。
【0027】
【数2】
【0028】相関行列算出部16は、また、格納部12
に格納された信用リスクファクターデータベース42に
含まれる信用リスクファクターそれぞれの値の推移と市
場リスクファクターデータベース44に含まれる市場リ
スクファクターそれぞれの値の推移とに基づいて、当該
複数の信用リスクファクターそれぞれと複数の市場リス
クファクターそれぞれとの相関を示す市場リスクファク
ターと信用リスクファクターとの相関行列Ccを算出す
る。ここで、市場リスクファクターと信用リスクファク
ターとの相関行列Ccは、n個の市場リスクファクター
のうちi番目の市場リスクファクターxaiとm個の信用
リスクファクターのうちj番目の信用リスクファクター
bjとの相関係数ρcij(市場リスクファクターxai
信用リスクファクターxbjとの値の推移から計算され
る)を用いて、式(3)に示すように表される。ここ
で、市場リスクファクターと信用リスクファクターとの
相関行列Ccは、n行m列の行列になる。
【0029】
【数3】
【0030】相関行列算出部16は、また、市場リスク
ファクターの相関行列Caと、信用リスクファクターの
相関行列Cbと、市場リスクファクターと信用リスクフ
ァクターとの相関行列Ccとに基づいて、リスクファク
ターの相関行列Cを算出する。リスクファクターの相関
行列Cは、市場リスクファクターの相関行列Caと、信
用リスクファクターの相関行列Cbと、市場リスクファ
クターと信用リスクファクターとの相関行列Ccとを用
いて、式(4)に示すように表される。ここで、リスク
ファクターの相関行列Cは、n+m行n+m列の正方行
列となる。尚、Cc tは、市場リスクファクターと信用リ
スクファクターとの相関行列Ccの転置行列であり、m
行n列の行列となる。
【0031】
【数4】
【0032】相関行列変換部18は、相関行列算出部1
6によって算出されたリスクファクターの相関行列Cを
修正コレスキー分解することによって、下三角行列に変
換する。かかる下三角行列への変換は、単にその後の計
算の便宜のために行うものあり、変換後の下三角行列に
も、上記複数のリスクファクターそれぞれの相関を示す
情報は維持される。よって、以下、変換後の下三角行列
をリスクファクターの相関行列C’と表現する。
【0033】乱数ベクトル生成部20は、上記市場リス
クファクターの個数と信用リスクファクターの個数との
和の数であるn+m個の一様乱数(正確には疑似乱数)
を生成し、当該n+m個の一様乱数から、互いに独立な
標準正規乱数ei(1≦i≦n+m)を生成する。乱数
ベクトル生成部20は、また、当該n+m個の標準正規
乱数eiを配列した標準正規乱数ベクトルeを生成す
る。かかる標準正規乱数ベクトルeは、式(5)で示さ
れるように、n+m個の要素を有する列ベクトルとな
る。
【0034】
【数5】
【0035】相関乱数ベクトル算出部22は、相関行列
変換部18によって変換されたリスクファクターの相関
行列C’と、乱数ベクトル生成部20によって生成され
た標準正規乱数ベクトルeとを用いて、互いに相関構造
を有するn+m個の正規乱数e’i(1≦i≦n+m)
を配列した相関構造を有する正規乱数ベクトルe’を算
出する。相関構造を有する正規乱数ベクトルe’は、式
(6)を用いて算出される。ここで、相関構造を有する
正規乱数ベクトルe’は、式(6)で表されるように、
n+m個の要素を有する列ベクトルとなる。
【0036】
【数6】
【0037】ここで、相関構造を有する正規乱数ベクト
ルe’の要素e’1〜e’nはそれぞれ、n個の市場リス
クファクターxa1〜xanの変化率を模擬(シミュレー
ト)するものであり、相関構造を有する正規乱数ベクト
ルe’の要素e’n+1〜e’n+mはそれぞれ、m個の信用
リスクファクターxb1〜xbmの変化率を模擬するもので
ある。
【0038】ドリフト率ベクトル算出部24は、市場リ
スクファクターと信用リスクファクターとを含む複数の
リスクファクターそれぞれの値の推移に基づいて、ドリ
フト率ベクトルを算出する。より具体的には、ドリフト
率ベクトル算出部24は、まず、格納部12に格納され
た市場リスクファクターデータベース44に含まれるn
個の市場リスクファクターそれぞれについて、その値の
一定期間における変動率の平均値を算出し、当該平均値
をその市場リスクファクターのドリフト率とする。ドリ
フト率ベクトル算出部24は、また、格納部12に格納
された信用リスクファクターデータベース42に含まれ
るm個の信用リスクファクターそれぞれについて、その
値の一定期間における変動率の平均値を算出し、当該平
均値をその信用リスクファクターのドリフト率とする。
ドリフト率ベクトル算出部24は、さらに、上記算出さ
れたn個の市場リスクファクターそれぞれのドリフト率
とm個の信用リスクファクターそれぞれのドリフト率と
を配列することによってドリフト率ベクトルを算出す
る。ドリフト率ベクトルμは、n個の市場リスクファク
ターxa1〜xanそれぞれのドリフト率μa1〜μanとm個
の信用リスクファクターxb1〜xbmそれぞれのドリフト
率μb1〜μbmとを用いて、式(7)に示すように表され
る。ここで、ドリフト率ベクトルμは、式(7)に示す
ように、n+m個の要素を有する列ベクトルとなる。
【0039】
【数7】
【0040】ボラティリティベクトル算出部26は、市
場リスクファクターと信用リスクファクターとを含む複
数のリスクファクターそれぞれの値の推移に基づいて、
ボラティティベクトルを算出する。より具体的には、ボ
ラティリティベクトル算出部26は、まず、格納部12
に格納された市場リスクファクターデータベース44に
含まれるn個の市場リスクファクターそれぞれについ
て、その値の一定期間における標準偏差を算出し、当該
標準偏差をその市場リスクファクターのボラティリティ
とする。ボラティリティベクトル算出部26は、また、
格納部12に格納された信用リスクファクターデータベ
ース42に含まれるm個の信用リスクファクターそれぞ
れについて、その値の一定期間における標準偏差を算出
し、当該標準偏差をその信用リスクファクターのボラテ
ィリティとする。ボラティリティベクトル算出部26
は、さらに、上記算出されたn個の市場リスクファクタ
ーそれぞれのボラティリティとm個の信用リスクファク
ターそれぞれのボラティリティとを配列することによっ
てボラティリティベクトルを算出する。ボラティリティ
ベクトルσは、n個の市場リスクファクターxa1〜xan
それぞれのボラティリティσa1〜σanとm個の信用リス
クファクターxb1〜xbmそれぞれのボラティリティσb1
〜σbmとを用いて、式(8)に示すように表される。こ
こで、ボラティリティベクトルσは、式(8)に示すよ
うに、n+m個の要素を有する列ベクトルとなる。
【0041】
【数8】
【0042】リスクファクター変化量ベクトル算出部2
8は、相関乱数ベクトル算出部22によって算出された
相関構造を有する正規乱数ベクトルe’と、ドリフト率
ベクトル算出部24によって算出されたドリフト率ベク
トルμと、ボラティリティベクトル算出部26によって
算出されたボラティリティベクトルσとに基づいて、複
数のリスクファクターそれぞれの変化量を示すリスクフ
ァクター変化量ベクトルを算出する。リスクファクター
変化量ベクトル算出部28は、まず、格納部12に格納
された市場リスクファクターデータベース44と信用リ
スクファクターデータベース42とを参照し、n個の市
場リスクファクターxa1〜xanそれぞれの時刻tにおけ
る値(現在値)であるxa1(t)〜xan(t)とm個の
信用リスクファクターxb1〜xbmそれぞれの時刻tにお
ける値(現在値)であるxb1(t)〜xbm(t)とを配
列したリスクファクター現在値ベクトルx(t)を算出
する。当該リスクファクター現在値ベクトルx(t)
は、式(9)に示すように、n+m個の要素を有する列
ベクトルとなる。
【0043】
【数9】
【0044】リスクファクター変化量ベクトル算出部2
8は、さらに、上記相関構造を有する正規乱数ベクトル
e’、ドリフト率ベクトルμ、ボラティリティベクトル
σ、リスクファクター現在値ベクトルx(t)、及び、
単位時間dt(例えば6ヶ月、1年等のある一定の時
間)を用いて、式(10)により、リスクファクター変
化量ベクトルdx(t)を算出する。リスクファクター
変化量ベクトルdx(t)は、時刻t〜t+dtの間に
おけるn個の市場リスクファクターxa1〜xanそれぞれ
の変化量dxa1(t)〜dxan(t)と、時刻t〜t+
dtの間におけるm個の信用リスクファクターxb1〜x
bmそれぞれの変化量dxb1(t)〜dxbm(t)とを配
列した構成となっており、式(10)に示すように、n
+m個の要素を有する列ベクトルとなる。
【0045】
【数10】
【0046】ここで、Μは、式(11)に示すように、
ドリフト率ベクトルμの要素μa1〜μ anとμb1〜μbm
のそれぞれを対角成分に有するn+m行n+m列の対角
行列である。
【0047】
【数11】
【0048】また、Σは、式(12)に示すように、ボ
ラティリティベクトルσの要素σa1〜σanとσb1〜σbm
とのそれぞれを対角成分に有するn+m行n+m列の対
角行列である。
【0049】
【数12】
【0050】また、Eは、式(13)に示すように、相
関構造を有する正規乱数ベクトルe’の要素e’1
e’n+mそれぞれを対角成分に有するn+m行n+m列
の対角行列である。
【0051】
【数13】
【0052】シナリオ生成部30は、リスクファクター
変化量ベクトル算出部28によって算出されたリスクフ
ァクター現在値ベクトルx(t)とリスクファクター変
化量ベクトルdx(t)とを用いて、リスクファクター
将来値ベクトルx(t+dt)を算出する。当該リスク
ファクター将来値ベクトルx(t+dt)が、単位時間
dt経過後の複数のリスクファクターそれぞれの値を模
擬するシナリオとなる。シナリオ生成部30は、より具
体的には、式(14)を用いて、n個の市場リスクファ
クターxa1〜xanそれぞれの時刻t+dtにおける値
(将来値)であるxa1(t+dt)〜xan(t+dt)
とm個の信用リスクファクターxb1〜xbmそれぞれの時
刻t+dtにおける値(将来値)であるxb1(t+d
t)〜xbm(t+dt)とを配列したリスクファクター
将来値ベクトルx(t+dt)を算出する。当該リスク
ファクター将来値ベクトルx(t+dt)は、式(1
4)に示すように、n+m個の要素を有する列ベクトル
となる。
【0053】
【数14】
【0054】倒産判定部32は、シナリオ生成部30に
よって生成されたシナリオ、すなわち、シナリオ生成部
30によって算出されたリスクファクター将来値ベクト
ルx(t+dt)に基づいて、取引相手の倒産判定を行
う。より詳細には、倒産判定部32は、取引相手の倒産
確率を表しているm個の信用リスクファクターxb1〜x
bmそれぞれの時刻t+dtにおける値(将来値)である
b1(t+dt)〜x bm(t+dt)それぞれと予め定
められた一定のしきい値(例えば0.7)とを比較し、
倒産確率が上記一定のしきい値を越える取引相手は倒産
するものと判定する。
【0055】ポートフォリオバリュー算出部34は、シ
ナリオ生成部30によって生成されたシナリオ、すなわ
ち、シナリオ生成部30によって算出されたリスクファ
クター将来値ベクトルx(t+dt)と格納部12に格
納されたキャッシュフローデータベース46に含まれる
キャッシュフローに関する情報とに基づいて、単位時間
dt経過後の資産価値を模擬する模擬資産価値を算出す
る。ここで、ポートフォリオバリュー算出部34は、倒
産判定部32によって倒産すると判定された取引相手と
の間の取引に基づく模擬資産価値を算出するに際して
は、キャッシュフローデータベース46に含まれるキャ
ッシュフローに関する情報のうち、倒産時におけるキャ
ッシュフローに関する情報を用いて当該取引相手との間
の取引に基づく模擬資産価値を算出する。一方、ポート
フォリオバリュー算出部34は、倒産判定部32によっ
て倒産すると判定されなかった取引相手との間の取引に
基づく模擬資産価値を算出するに際しては、キャッシュ
フローデータベース46に含まれるキャッシュフローに
関する情報のうち、非倒産時におけるキャッシュフロー
に関する情報を用いて当該取引相手との間の取引に基づ
く模擬資産価値を算出する。ポートフォリオバリュー算
出部34は、また、リスクファクター現在値ベクトルx
(t)とキャッシュフローデータベース46に含まれる
キャッシュフローに関する情報とを用いて、現在の資産
価値を算出する。
【0056】VaR算出部36は、ポートフォリオバリ
ュー算出部34によって算出された模擬資産価値と現在
の資産価値とに基づいて、資産価値の変動のリスクを表
すVaRを算出する。より詳細には、乱数ベクトル生成
部20、相関乱数ベクトル算出部22、リスクファクタ
ー変化量ベクトル算出部28、シナリオ生成部30、倒
産判定部32、ポートフォリオバリュー算出部34の動
作によって算出された複数(例えば100万個)の模擬
資産価値(正確には、現在価値に換算したもの)それぞ
れと現在の資産価値との差を算出し、VaRを算出す
る。
【0057】続いて、本実施形態にかかるリスク算出シ
ステムの動作について説明し、併せて本発明の実施形態
にかかるリスク算出方法について説明する。本実施形態
にかかるリスク算出システム10を動作させるには、ま
ず、格納部12に、取引相手株価データベース38と、
取引相手財務データベース40と、信用リスクファクタ
ーデータベース42と、市場リスクファクターデータベ
ース44と、キャッシュフローデータベース46とを格
納する(S10)。
【0058】取引相手株価データベース38は、図2に
示すように、複数の取引相手(例えば、A社、B社、C
社など)それぞれの過去の株価の推移に関する情報を含
んでいる。
【0059】取引相手財務データベース40は、図3に
示すように、複数の取引相手(例えば、A社、B社、C
社など)それぞれの財務状態に関する情報を含んでい
る。財務状態に関する情報としては、例えば、損益計算
書(P/L)やバランスシート(B/S)に記載される
情報が該当する。
【0060】信用リスクファクターデータベース42
は、図4に示すように、複数の信用リスクファクターそ
れぞれの過去の推移に関する情報を含んでいる。ここ
で、信用リスクファクターとしては、例えば複数の取引
相手(例えば、A社、B社、C社など)それぞれの過去
の倒産確率の推移に関する情報が該当する。
【0061】ここで、上記複数の取引相手それぞれの倒
産確率は、格納部12に格納された取引相手株価データ
ベース38に含まれる過去の株価の推移に関する情報と
取引相手財務データベース40に含まれる財務状態に関
する情報とに基づいて、倒産確率算出部14により、一
定期間毎に算出され、上記信用リスクファクターデータ
ベース42に格納される。
【0062】市場リスクファクターデータベース44
は、図5に示すように、複数の市場リスクファクターそ
れぞれの過去の推移に関する情報を含んでいる。ここ
で、市場リスクファクターとしては、例えば、為替レー
ト、株価指数、金利などが該当する。キャッシュフロー
データベース46は、図6に示すように、複数の取引相
手(例えば、A社、B社、C社など)それぞれとの間の
キャッシュフローに関する情報を含んでいる。キャッシ
ュフローデータベース46は、より詳細には、取引相手
が倒産しない状態(非倒産時)におけるキャッシュフロ
ーに関する情報と、取引相手が倒産した状態(倒産時)
におけるキャッシュフローに関する情報との双方を含ん
でいる。ここで、非倒産時におけるキャッシュフローに
関する情報には、売掛金、株式、社債などが含まれ、倒
産時におけるキャッシュフローに関する情報には、担保
などが含まれる。
【0063】格納部12に、信用リスクファクターデー
タベース42と市場リスクファクターデータベース44
とが格納されると、相関行列算出部16により、複数の
リスクファクターそれぞれの値の推移に基づいて複数の
リスクファクターそれぞれの相関を示す相関行列Cが算
出(生成)される。(S12)。ここで、かかる複数の
リスクファクターは、市場リスクに関する市場リスクフ
ァクターと信用リスクに関する信用リスクファクターと
の双方が含まれる。
【0064】より具体的には、まず、格納部12に格納
された市場リスクファクターデータベース44に含まれ
る為替レート、株価指数、金利などの複数の市場リスク
ファクターそれぞれの値の推移に基づいて、当該複数の
市場リスクファクターそれぞれの相関を示す市場リスク
ファクターの相関行列Caが算出される。ここで、市場
リスクファクターの相関行列Caは、n個の市場リスク
ファクターのうちi番目の市場リスクファクターxai
j番目の市場リスクファクターxajとの相関係数ρaij
(市場リスクファクターxaiとxajとの値の推移から計
算される)を用いて、上記式(1)に示すように表され
る。ここで、市場リスクファクターの相関行列Caは、
n行n列の正方行列になるとともに、対角要素がすべて
1(任意のiについてρaii=1)である対称行列(任
意のi,jについてρaij=ρaji)となる。
【0065】続いて、格納部12に格納された信用リス
クファクターデータベース42に含まれる複数の企業そ
れぞれの倒産確率を示す複数の信用リスクファクターそ
れぞれの値の推移に基づいて、当該複数の信用リスクフ
ァクターそれぞれの相関を示す信用リスクファクターの
相関行列Cbが算出される。ここで、信用リスクファク
ターの相関行列Cbは、m個の信用リスクファクターの
うちi番目の信用リスクファクターxbiとj番目の信用
リスクファクターxbjとの相関係数ρbij(信用リスク
ファクターxbiとxbjとの値の推移から計算される)を
用いて、上記式(2)に示すように表される。ここで、
信用リスクファクターの相関行列Cbは、m行m列の正
方行列になるとともに、対角要素がすべて1(任意のi
についてρbii=1)である対称行列(任意のi,jに
ついてρbij=ρbji)となる。
【0066】さらに、格納部12に格納された信用リス
クファクターデータベース42に含まれる信用リスクフ
ァクターそれぞれの値の推移と市場リスクファクターデ
ータベース44に含まれる市場リスクファクターそれぞ
れの値の推移とに基づいて、当該複数の信用リスクファ
クターそれぞれと複数の市場リスクファクターそれぞれ
との相関を示す市場リスクファクターと信用リスクファ
クターとの相関行列C cが算出される。ここで、市場リ
スクファクターと信用リスクファクターとの相関行列C
cは、n個の市場リスクファクターのうちi番目の市場
リスクファクターxaiとm個の信用リスクファクターの
うちj番目の信用リスクファクターxbjとの相関係数ρ
cij(市場リスクファクターxaiと信用リスクファクタ
ーxbjとの値の推移から計算される)を用いて、上記式
(3)に示すように表される。ここで、市場リスクファ
クターと信用リスクファクターとの相関行列Ccは、n
行m列の行列になる。
【0067】その後、市場リスクファクターの相関行列
aと、信用リスクファクターの相関行列Cbと、市場リ
スクファクターと信用リスクファクターとの相関行列C
cとに基づいて、リスクファクターの相関行列Cが算出
される。リスクファクターの相関行列Cは、市場リスク
ファクターの相関行列Caと、信用リスクファクターの
相関行列Cbと、市場リスクファクターと信用リスクフ
ァクターとの相関行列Ccとを用いて、上記式(4)に
示すように表される。ここで、リスクファクターの相関
行列Cは、n+m行n+m列の正方行列となる。尚、C
c tは、市場リスクファクターと信用リスクファクターと
の相関行列Ccの転置行列であり、m行n列の行列とな
る。
【0068】格納部12に、信用リスクファクターデー
タベース42と市場リスクファクターデータベース44
とが格納されると、また、ドリフト率ベクトル算出部2
4により、市場リスクファクターと信用リスクファクタ
ーとを含む複数のリスクファクターそれぞれの値の推移
に基づいて、ドリフト率ベクトルが算出される(S1
4)。より具体的には、まず、格納部12に格納された
市場リスクファクターデータベース44に含まれるn個
の市場リスクファクターそれぞれについて、その値の一
定期間における変動率の平均値が算出され、当該平均値
がその市場リスクファクターのドリフト率とされる。同
様に、格納部12に格納された信用リスクファクターデ
ータベース42に含まれるm個の信用リスクファクター
それぞれについて、その値の一定期間における変動率の
平均値が算出され、当該平均値がその信用リスクファク
ターのドリフト率とされる。さらに、ドリフト率ベクト
ル算出部24により、上記算出されたn個の市場リスク
ファクターそれぞれのドリフト率とm個の信用リスクフ
ァクターそれぞれのドリフト率とが配列され、ドリフト
率ベクトルが算出される。ドリフト率ベクトルμは、n
個の市場リスクファクターxa1〜xanそれぞれのドリフ
ト率μa1〜μanとm個の信用リスクファクターxb1〜x
bmそれぞれのドリフト率μb1〜μbmとを用いて、上記式
(7)に示すように表される。ここで、ドリフト率ベク
トルμは、上記式(7)に示すように、n+m個の要素
を有する列ベクトルとなる。
【0069】格納部12に、信用リスクファクターデー
タベース42と市場リスクファクターデータベース44
とが格納されると、また、ボラティリティベクトル算出
部26により、市場リスクファクターと信用リスクファ
クターとを含む複数のリスクファクターそれぞれの値の
推移に基づいて、ボラティティベクトルが算出される
(S16)。より具体的には、まず、格納部12に格納
された市場リスクファクターデータベース44に含まれ
るn個の市場リスクファクターそれぞれについて、その
値の一定期間における標準偏差が算出され、当該標準偏
差がその市場リスクファクターのボラティリティとされ
る。同様に、格納部12に格納された信用リスクファク
ターデータベース42に含まれるm個の信用リスクファ
クターそれぞれについて、その値の一定期間における標
準偏差が算出され、当該標準偏差がその信用リスクファ
クターのボラティリティとされる。さらに、ボラティリ
ティベクトル算出部26により、上記算出されたn個の
市場リスクファクターそれぞれのボラティリティとm個
の信用リスクファクターそれぞれのボラティリティとが
配列され、ボラティリティベクトルが算出される。ボラ
ティリティベクトルσは、n個の市場リスクファクター
a1〜xanそれぞれのボラティリティσa1〜σ anとm個
の信用リスクファクターxb1〜xbmそれぞれのボラティ
リティσb1〜σ bmとを用いて、上記式(8)に示すよう
に表される。ここで、ボラティリティベクトルσは、上
記式(8)に示すように、n+m個の要素を有する列ベ
クトルとなる。
【0070】相関行列算出部16によって相関行列Cが
算出されると、当該相関行列Cは、相関行列変換部18
によって修正コレスキー分解され、下三角行列に変換さ
れる(S18)。かかる下三角行列への変換は、単にそ
の後の計算の便宜のために行うものあり、変換後の下三
角行列にも、上記複数のリスクファクターそれぞれの相
関を示す情報は維持される。よって、以下、変換後の下
三角行列をリスクファクターの相関行列C’と表現す
る。
【0071】相関行列変換部18によって上記リスクフ
ァクターの相関行列C’が算出されると、モンテカルロ
法による模擬資産価値の算出が行われる。まず、乱数ベ
クトル生成部20により、上記市場リスクファクターの
個数と信用リスクファクターの個数との和の数であるn
+m個の一様乱数(正確には疑似乱数)が生成され、当
該n+m個の一様乱数から、互いに独立な標準正規乱数
i(1≦i≦n+m)が生成される。生成された標準
正規乱数ei(1≦i≦n+m)は、乱数ベクトル生成
部20によって配列され、当該n+m個の標準正規乱数
iを配列した標準正規乱数ベクトルeが生成される
(S20)。かかる標準正規乱数ベクトルeは、上記式
(5)で示されるように、n+m個の要素を有する列ベ
クトルとなる。
【0072】乱数ベクトル生成部20によって標準正規
乱数ベクトルeが生成されると、相関乱数ベクトル算出
部22により、相関行列変換部18によって変換された
リスクファクターの相関行列C’と、乱数ベクトル生成
部20によって生成された標準正規乱数ベクトルeとが
用いられ、互いに相関構造を有するn+m個の正規乱数
e’i(1≦i≦n+m)を配列した相関構造を有する
正規乱数ベクトルe’が算出される(S22)。相関構
造を有する正規乱数ベクトルe’は、上記式(6)を用
いて算出される。ここで、相関構造を有する正規乱数ベ
クトルe’は、上記式(6)で表されるように、n+m
個の要素を有する列ベクトルとなる。ここで、相関構造
を有する正規乱数ベクトルe’の要素e’1〜e’nはそ
れぞれ、n個の市場リスクファクターxa1〜xanの変化
率を模擬(シミュレート)するものであり、正規乱数ベ
クトルe’の要素e’n+1〜e’n+mはそれぞれ、m個の
信用リスクファクターxb1〜xbmの変化率を模擬するも
のである。
【0073】相関乱数ベクトル算出部22によって相関
構造を有する正規乱数ベクトルe’が算出されると、リ
スクファクター変化量ベクトル算出部28により、相関
乱数ベクトル算出部22によって算出された相関構造を
有する正規乱数ベクトルe’と、ドリフト率ベクトル算
出部24によって算出されたドリフト率ベクトルμと、
ボラティリティベクトル算出部26によって算出された
ボラティリティベクトルσとに基づいて、複数のリスク
ファクターそれぞれの変化量を示すリスクファクター変
化量ベクトルが算出される(S24)。より詳細には、
まず、格納部12に格納された市場リスクファクターデ
ータベース44と信用リスクファクターデータベース4
2とが参照され、n個の市場リスクファクターxa1〜x
anそれぞれの時刻tにおける値(現在値)であるx
a1(t)〜xan(t)とm個の信用リスクファクターx
b1〜xbmそれぞれの時刻tにおける値(現在値)である
b1(t)〜xbm(t)とを配列したリスクファクター
現在値ベクトルx(t)が算出される。当該リスクファ
クター現在値ベクトルx(t)は、式(9)に示すよう
に、n+m個の要素を有する列ベクトルとなる。
【0074】続いて、上記正規乱数ベクトルe’、ドリ
フト率ベクトルμ、ボラティリティベクトルσ、リスク
ファクター現在値ベクトルx(t)、及び、単位時間d
tが用いられ、上記式(10)により、リスクファクタ
ー変化量ベクトルdx(t)が算出される。リスクファ
クター変化量ベクトルdx(t)は、時刻t〜t+dt
の間におけるn個の市場リスクファクターxa1〜xan
れぞれの変化量dxa1(t)〜dxan(t)と、時刻t
〜t+dtの間におけるm個の信用リスクファクターx
b1〜xbmそれぞれの変化量dxb1(t)〜dxbm(t)
とを配列した構成となっており、上記式(10)に示す
ように、n+m個の要素を有する列ベクトルとなる。こ
こで、Μは、上記式(11)に示すように、ドリフト率
ベクトルμの要素μa1〜μanとμb1〜μbmとのそれぞれ
を対角成分に有するn+m行n+m列の対角行列であ
る。また、Σは、式(12)に示すように、ボラティリ
ティベクトルσの要素σa1〜σanとσb1〜σbmとのそれ
ぞれを対角成分に有するn+m行n+m列の対角行列で
ある。また、Eは、式(13)に示すように、相関構造
を有する正規乱数ベクトルe’の要素e’1〜e’n+m
れぞれを対角成分に有するn+m行n+m列の対角行列
である。
【0075】リスクファクター変化量ベクトル算出部2
8によってリスクファクター変化量ベクトルdx(t)
が算出されると、シナリオ生成部30により、リスクフ
ァクター変化量ベクトル算出部28によって算出された
リスクファクター現在値ベクトルx(t)とリスクファ
クター変化量ベクトルdx(t)とが用いられ、リスク
ファクター将来値ベクトルx(t+dt)が算出され
る。ここで、当該リスクファクター将来値ベクトルx
(t+dt)が、単位時間dt経過後の複数のリスクフ
ァクターそれぞれの値を模擬するシナリオとなる(S2
6)。より具体的には、シナリオ生成部30により、上
記式(14)に基づいて、n個の市場リスクファクター
a1〜xanそれぞれの時刻t+dtにおける値(将来
値)であるxa1(t+dt)〜xan(t+dt)とm個
の信用リスクファクターxb1〜xbmそれぞれの時刻t+
dtにおける値(将来値)であるxb1(t+dt)〜x
bm(t+dt)とを配列したリスクファクター将来値ベ
クトルx(t+dt)が算出される。当該リスクファク
ター将来値ベクトルx(t+dt)は、上記式(14)
に示すように、n+m個の要素を有する列ベクトルとな
る。
【0076】シナリオ生成部30によってシナリオが生
成されると、すなわち、リスクファクター将来値ベクト
ルx(t+dt)が算出されると、倒産判定部32によ
り、シナリオ生成部30によって算出されたリスクファ
クター将来値ベクトルx(t+dt)に基づいて、取引
相手の倒産判定が行われる(S28)。より詳細には、
倒産判定部32により、取引相手の倒産確率を表してい
るm個の信用リスクファクターxb1〜xbmそれぞれの時
刻t+dtにおける値(将来値)であるxb1(t+d
t)〜xbm(t+dt)それぞれと予め定められた一定
のしきい値(例えば0.7)とが比較され、倒産確率が
上記一定のしきい値を越える取引相手は倒産するものと
判定される。
【0077】倒産判定部32による倒産判定が行われる
と、続いて、ポートフォリオバリュー算出部34によ
り、シナリオ生成部30によって生成されたシナリオ、
すなわち、シナリオ生成部30によって算出されたリス
クファクター将来値ベクトルx(t+dt)と格納部1
2に格納されたキャッシュフローデータベース46に含
まれるキャッシュフローに関する情報とに基づいて、単
位時間dt経過後の資産価値を模擬する模擬資産価値が
算出される(S30)。ここで、倒産判定部32によっ
て倒産すると判定された取引相手との間の取引に基づく
模擬資産価値の算出に際しては、キャッシュフローデー
タベース46に含まれるキャッシュフローに関する情報
のうち、倒産時におけるキャッシュフローに関する情報
が用いられ、当該取引相手との間の取引に基づく模擬資
産価値が算出される。一方、倒産判定部32によって倒
産すると判定されなかった取引相手との間の取引に基づ
く模擬資産価値の算出に際しては、キャッシュフローデ
ータベース46に含まれるキャッシュフローに関する情
報のうち、非倒産時におけるキャッシュフローに関する
情報が用いられ、当該取引相手との間の取引に基づく模
擬資産価値が算出される。さらに、ポートフォリオバリ
ュー算出部34により、現在の資産価値も算出される。
かかる現在の資産価値は、リスクファクター現在値ベク
トルx(t)とキャッシュフローデータベース46に含
まれるキャッシュフローに関する情報とに基づいて算出
される。
【0078】上記標準正規乱数ベクトルの生成(S2
0)から模擬資産価値の算出(S30)までは、必要回
数(例えば100万回)だけ繰り返される(S32)。
かかる必要回数は、算出されるVaRの信頼性や当該リ
スク算出システム10の計算速度等を考慮して、適宜定
められる。
【0079】上記標準正規乱数ベクトルの生成(S2
0)から模擬資産価値の算出(S30)までが必要回数
だけ繰り返され、必要個数(例えば100万個)の模擬
資産価値が算出されると、VaR算出部36により、ポ
ートフォリオバリュー算出部34によって算出された模
擬資産価値と現在の資産価値とに基づいて、資産価値の
変動のリスクを表すVaRが算出される(S34)。よ
り詳細には、上記必要個数(例えば100万個)の模擬
資産価値(正確には、現在価値に換算したもの)それぞ
れと現在の資産価値との差が算出され、VaRが算出さ
れる。
【0080】続いて、本実施形態にかかるリスク算出シ
ステム作用及び効果について説明する。本実施形態にか
かるリスク算出システム10は、市場リスクファクター
と信用リスクファクターとの双方を含む複数のリスクフ
ァクターそれぞれの値の推移に基づいて相関行列C’を
生成することで、当該相関行列C’に市場リスクファク
ターと信用リスクファクターとの相関に関する情報をも
含ませることができる。また、本実施形態にかかるリス
ク算出システム10は、当該相関行列C’に基づいてシ
ナリオを生成する(リスクファクター将来値ベクトルx
(t+dt)を算出する)ことで、市場リスクファクタ
ーと信用リスクファクターとの相関を反映させたシナリ
オを生成することができる。また、本実施形態にかかる
リスク算出システム10は、当該シナリオに基づいて算
出された模擬資産価値と現在の資産価値とに基づいて資
産価値の変動のリスクであるVaRを算出することで、
市場リスクファクターと信用リスクファクターとの相関
を考慮した統合リスクを算出することができる。その結
果、本実施形態にかかるリスク算出システム10は、信
頼性の高い統合リスクを算出することが可能となる。
【0081】また、本実施形態にかかるリスク算出シス
テム10は、倒産確率が一定のしきい値を越える取引相
手に関して、当該取引相手が倒産した場合のキャッシュ
フローに関する情報を用いて当該取引相手との間の取引
に基づく模擬資産価値を算出することで、模擬資産価値
の算出に当該取引相手が倒産した場合のキャッシュフロ
ーを反映させることができる。その結果、本実施形態に
かかるリスク算出システム10は、さらに信頼性の高い
統合リスクを算出することが可能となる。
【0082】
【発明の効果】本発明のリスク算出システム及びリスク
算出方法は、市場リスクファクターと信用リスクファク
ターとの双方を含む複数のリスクファクターそれぞれの
値の推移に基づいて相関情報を生成することで、当該相
関情報に市場リスクファクターと信用リスクファクター
との相関に関する情報をも含ませることができる。ま
た、本発明のリスク算出システム及びリスク算出方法
は、当該相関情報に基づいてシナリオを生成すること
で、市場リスクファクターと信用リスクファクターとの
相関を反映させたシナリオを生成することができる。ま
た、本発明のリスク算出システム及びリスク算出方法
は、当該シナリオに基づいて算出された模擬資産価値と
現在の資産価値とに基づいて資産価値の変動のリスクを
算出することで、市場リスクファクターと信用リスクフ
ァクターとの相関を考慮した統合リスクを算出すること
ができる。その結果、本発明のリスク算出システム及び
リスク算出方法は、信頼性の高い統合リスクを算出する
ことが可能となる。
【0083】また、本発明のリスク算出システム及びリ
スク算出方法においては、倒産確率が一定のしきい値を
越える取引相手に関して、当該取引相手が倒産した場合
のキャッシュフローに関する情報を用いて当該取引相手
との間の取引に基づく模擬資産価値を算出することで、
模擬資産価値の算出に当該取引相手が倒産した場合のキ
ャッシュフローを反映させることができる。その結果、
本発明のリスク算出システム及びリスク算出方法は、さ
らに信頼性の高い統合リスクを算出することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】リスク算出システムの構成図である。
【図2】取引相手株価データベースの構成図である。
【図3】取引相手財務データベースの構成図である。
【図4】信用リスクファクターデータベースの構成図で
ある。
【図5】市場リスクファクターデータベースの構成図で
ある。
【図6】キャッシュフローデータベースの構成図であ
る。
【図7】リスク算出システムの動作を示すフローチャー
トである。
【符号の説明】
10…リスク算出システム、12…格納部、14…倒産
確率算出部、16…相関行列算出部、18…相関行列変
換部、20…乱数ベクトル生成部、22…相関乱数ベク
トル算出部、24…ドリフト率ベクトル算出部、26…
ボラティリティベクトル算出部、28…リスクファクタ
ー変化量ベクトル算出部、30…シナリオ生成部、32
…倒産判定部、34…ポートフォリオバリュー算出部、
36…VaR算出部、38…取引相手株価データベー
ス、40…取引相手財務データベース、42…信用リス
クファクターデータベース、44…市場リスクファクタ
ーデータベース、46…キャッシュフローデータベース

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 資産価値の変動に影響を与える複数のリ
    スクファクターに基づいて、前記資産価値の変動のリス
    クを算出するリスク算出システムにおいて、 前記複数のリスクファクターそれぞれの値の推移に基づ
    いて、前記複数のリスクファクターそれぞれの相関に関
    する相関情報を生成する相関情報生成手段と、 前記相関情報生成手段によって生成された前記相関情報
    に基づいて、単位時間経過後の前記複数のリスクファク
    ターそれぞれの値を模擬するシナリオを生成するシナリ
    オ生成手段と、 前記シナリオ生成手段によって生成された前記シナリオ
    に基づいて、前記単位時間経過後の資産価値を模擬する
    模擬資産価値を算出する模擬資産価値算出手段と、 前記模擬資産価値算出手段によって算出された前記模擬
    資産価値と現在の資産価値とに基づいて、前記資産価値
    の変動のリスクを算出するリスク算出手段とを備え、 前記複数のリスクファクターは、 市場リスクに関する市場リスクファクターと信用リスク
    に関する信用リスクファクターとの双方を含んでいるこ
    とを特徴とするリスク算出システム。
  2. 【請求項2】 前記信用リスクファクターには、取引相
    手の倒産確率に関する情報が含まれており、 前記模擬資産価値算出手段は、 前記倒産確率が一定のしきい値を越える取引相手に関し
    て、当該取引相手が倒産した場合のキャッシュフローに
    関する情報を用いて当該取引相手との間の取引に基づく
    模擬資産価値を算出することを特徴とする請求項1に記
    載のリスク算出システム。
  3. 【請求項3】 資産価値の変動に影響を与える複数のリ
    スクファクターに基づいて、前記資産価値の変動のリス
    クをコンピュータを用いて算出するリスク算出方法にお
    いて、 前記複数のリスクファクターそれぞれの値の推移に基づ
    いて、前記複数のリスクファクターそれぞれの相関に関
    する相関情報を生成する相関情報生成ステップと、 前記相関情報生成ステップにおいて生成された前記相関
    情報に基づいて、単位時間経過後の前記複数のリスクフ
    ァクターそれぞれの値を模擬するシナリオを生成するシ
    ナリオ生成ステップと、 前記シナリオ生成ステップにおいて生成された前記シナ
    リオに基づいて、前記単位時間経過後の資産価値を模擬
    する模擬資産価値を算出する模擬資産価値算出ステップ
    と、 前記模擬資産価値算出ステップにおいて算出された前記
    模擬資産価値と現在の資産価値とに基づいて、前記資産
    価値の変動のリスクを算出するリスク算出ステップとを
    備え、 前記複数のリスクファクターは、 市場リスクに関する市場リスクファクターと信用リスク
    に関する信用リスクファクターとの双方を含んでいるこ
    とを特徴とするリスク算出方法。
  4. 【請求項4】 前記信用リスクファクターには、取引相
    手の倒産確率に関する情報が含まれており、 前記模擬資産価値算出ステップは、 前記倒産確率が一定のしきい値を越える取引相手に関し
    て、当該取引相手が倒産した場合のキャッシュフローに
    関する情報を用いて当該取引相手との間の取引に基づく
    模擬資産価値を算出することを特徴とする請求項3に記
    載のリスク算出方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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