JP2001311909A - 立体表示器 - Google Patents

立体表示器

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JP2001311909A
JP2001311909A JP2000129292A JP2000129292A JP2001311909A JP 2001311909 A JP2001311909 A JP 2001311909A JP 2000129292 A JP2000129292 A JP 2000129292A JP 2000129292 A JP2000129292 A JP 2000129292A JP 2001311909 A JP2001311909 A JP 2001311909A
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transmitted light
bright
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Noriji Ooishi
則司 大石
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  • Stereoscopic And Panoramic Photography (AREA)
  • Testing, Inspecting, Measuring Of Stereoscopic Televisions And Televisions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 特別な眼鏡やビュアーを使わずに見る立体表
示器で、かつレンチキュラーレンズを使わないで立体を
表示する。 【解決手段】 輝点群ないし輝線群と、これらと所定の
距離をおいて置かれた透過光制御手段からなり、輝点群
ないし輝線群を透過光制御手段を通して見る装置におい
て、該透過光制御手段上に、それぞれの輝点ないし輝線
に対して所定の方法に従って被表示物の投影像を記録す
ると、観察者には被表示物の立体的な像が見える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特別な眼鏡やビュ
アーを使わずに、奥行きのある立体像を表示する装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、偏光ガラスやカラーフィルタなど
を用いた眼鏡や、専用のビュアーなどを使わずに奥行き
のある立体像を表示する方法には、レンチキュラーレン
ズを使って、複数の異なる角度から見た被写体の像を、
それぞれ異なる角度から見えるようにしたものがある。
これは異なる角度から移した数枚の写真をそれぞれ縦に
細く切って、レンチキュラーレンズの対応する横位置の
シリンドリカルレンズの焦点面に交互に並べ、レンチキ
ュラーレンズを通して見たとき、特定の角度からは対応
する一枚の写真が見えるようにしたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このようにレンチキュ
ラーレンズを使った立体表示は、見る角度によって数枚
の写真が切り替わって見えるため、観察者が移動しなが
ら見る時に不自然さを感じることがあった。また良好な
観察ができる角度範囲が比較的狭いという問題もある。
さらにこれに使うレンチキュラーレンズは比較的に高価
で、特に面積の大きなものを作ろうとするときコストが
高くなるという問題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1による
立体表示器は、面上に並んだ輝点群と、該面から所定の
距離をおいて置かれた透過光制御手段からなり、該輝点
群を該透過光制御手段越しに見る表示器であって、該透
過光制御手段には、それぞれの輝点に対して、該輝点群
の後方に仮想的に存在する被表示物上の、輝点に面する
各部分から輝点を通り観察者側に向かう光線の軌跡が該
透過光制御手段と交わる点に、該部分から輝点に向かう
光線の強度ないし色と強度が記録されていることを特徴
とするものである。
【0005】本発明の請求項2は、面上に並んだ輝点群
と、該面から所定の距離をおいて置かれた透過光制御手
段からなり、該輝点群を該透過光制御手段越しに見る表
示器であって、該透過光制御手段には、それぞれの輝点
に対して、輝点から観測者側に向かう光線の軌跡が、該
輝点群の前方に仮想的に存在する被表示物と交わると
き、該軌跡が該透過光制御手段と交わる点に、被表示物
と該軌跡が交わる点の内で最も手前、すなわち輝点から
最も遠い部分から該軌跡にそって観察者側に向かう光線
の強度ないし色と強度が記録されていることを特徴とす
る立体表示器である。
【0006】さらに請求項3は、上記請求項1と請求項
2を組み合わせて、表示器の手前から後方に至る、奥行
きのある立体像を表示するもので、面上に並んだ輝点群
と、該面から所定の距離をおいて置かれた透過光制御手
段からなり、該輝点群を該透過光制御手段越しに見る表
示器であって、該透過光制御手段には、それぞれの輝点
に対して、輝点の後方より輝点を通過して観察者側に向
かう光線の軌跡が、該輝点群の前方、あるいは後方に仮
想的に存在する被表示物と交わるとき、該軌跡が該透過
光制御手段と交わる点に、被表示物と該軌跡が交わる点
の内で最も手前、すなわち観察者側に位置する部分から
該軌跡にそって観察者側に向かう光線の強度ないし色と
強度が記録されていることを特徴とする立体表示器であ
る。
【0007】これら請求項1〜請求項3における透過光
制御手段は、数値化された被表示物のデータから計算に
よって作成することができる。
【0008】請求項1〜請求項3に記載の輝点群として
は、例えば光源を備え、内面が拡散反射面である箱の一
面に開けたピンホール群を利用することができる。また
側面に光源を置かれた板状の導光体の片面に印刷された
白点群を輝点群として利用することもでき、このとき透
過光制御手段は該導光体の反対の面に面して置かれるこ
とで本発明の立体表示器を構成できる。
【0009】さらに効率の良い方法として、平面上に並
んだ凸レンズ群によって平行光線を集光して輝点群を作
成することもできる。
【0010】本発明の請求項8の立体表示器は、面上に
並んだ縦の輝線群と、該面から所定の距離をおいて置か
れた透過光制御手段からなり、該輝線群を該透過光制御
手段越しに見る表示器であって、該透過光制御手段に
は、それぞれの輝線に対して、該輝線群の後方に仮想的
に存在する被表示物上の、輝線に面する各部分から輝線
を通り、観察者の視点の位置に当たる水平な線上に達す
る光線の軌跡が該透過光制御手段と交わる点に、該部分
から該軌跡にそって観察者に向かう光線の強度ないし色
と強度が記録されていることを特徴とするものである。
【0011】本発明の請求項9は、面上に並んだ縦の輝
線群と、該面から所定の距離をおいて置かれた透過光制
御手段からなり、該輝線群を該透過光制御手段越しに見
る表示器であって、該透過光制御手段には、それぞれの
輝線に対して、輝線上の一点から観察者の位置に当たる
水平な線上に達する光線の軌跡が、該輝線群の前方に仮
想的に存在する被表示物と交わるとき、該軌跡が該透過
光制御手段と交わる点に、被表示物と該軌跡が交わる点
の内で最も手前、すなわち輝線から最も遠い部分から該
軌跡にそって観察者側に向かう光線の強度ないし色と強
度が記録されていることを特徴とする立体表示器であ
る。
【0012】さらに請求項10は、上記請求項8と請求
項9を組み合わせて、表示器の手前から後方に至る、奥
行きのある立体像を表示するもので、面上に並んだ縦の
輝線群と、該面から所定の距離をおいて置かれた透過光
制御手段からなり、該輝線群を該透過光制御手段越しに
見る表示器であって、該透過光制御手段には、それぞれ
の輝線に対して、輝線の後方より輝線上の一点を通過し
て観察者の位置に当たる水平な線上に達する光線の軌跡
が、該輝線群の前方、あるいは後方に仮想的に存在する
被表示物と交わるとき、該軌跡が該透過光制御手段と交
わる点に、被表示物と該軌跡が交わる点の内で最も手
前、すなわち観察者側に位置する部分から該軌跡にそっ
て観察者側に向かう光線の強度ないし色と強度が記録さ
れていることを特徴とする立体表示器である。
【0013】これら請求項8〜請求項10における透過
光制御手段は、数値化された被表示物のデータから計算
によって作成することができる。
【0014】請求項8〜請求項10に記載の輝線群とし
ては、例えば光源を備え、内面が拡散反射面である箱の
一面に開けたスリット群を利用することができる。また
側面に光源を置かれた板状の導光体の片面に印刷された
白線群を輝線群として利用することもでき、このとき透
過光制御手段は該導光体の反対の面に面して置かれるこ
とで本発明の立体表示器を構成できる。
【0015】さらに効率の良い方法として、レンチキュ
ラーレンズによって平行光線を集光して輝線群を作成す
ることもできる。
【0016】本発明の立体表示器としては、表示器自体
に光源を有しないものであってもよい。例えば片面に点
状あるいは縦線状の光拡散体の群を形成し、もう一方の
面に透過光制御手段を形成した透明板は、ステンドグラ
スのように直射日光などの強い光線が該透明板に当たる
と、その一部が片面の光拡散体で拡散して輝点群あるい
は輝線群となり、請求項1〜請求項4、あるいは請求項
8〜請求項11の立体表示器となる。
【0017】また片面に多数のピンホール状あるいは縦
スリット状の透過部を残して光を遮る遮光手段を設け、
もう一方の面に透過光制御手段を形成した透明板と、該
透明板の遮光手段に面して置かれた光拡散板とからなる
表示器であって、該遮光手段の光拡散板側は反射面、透
過光制御手段側は黒色とすれば、該拡散板に直射日光な
どの強い光線が当たると、拡散光の一部がピンホール状
あるいは縦スリット状の透過部を通って輝点群あるいは
輝線群となり、請求項1〜請求項4、あるいは請求項8
〜請求項11の立体表示器となる。
【0018】
【発明の実施の形態】まず図1、図2を使って本発明請
求項1の表示原理を説明する。請求項1では表示器の後
方に仮想的に存在する被表示物を立体的に表示する。本
立体表示器は面1上に並んだ輝点2と、面1から所定の
距離をおいておかれた透過光制御手段3からなる。図中
の輝点2の数は縦横5列と少ないが、これは図示と説明
を分かりやすくするためであって、実際には少なくとも
縦横ともに数十列以上必要で、好ましくは百数十から数
百列以上が必要である。本装置後方の被表示物4の像を
表示するために、透過光制御手段3には、図2に示した
ように輝点2のそれぞれに対応して、被表示物4の各部
分7から輝点2に向かう直線が、該透過光制御手段と交
わる点8に、該部分から輝点に向かう光線の強度ないし
色と強度が記録され、結果として像6が形成されてい
る。この像6は輝点2をピンホールとしたピンホールカ
メラによって得られる被表示物4の像に等しい。
【0019】それぞれの輝点に対してそれぞれ像6が形
成され、透過光制御手段3には図5に示したように上下
左右が反転した像6が並ぶことになる。図5では像6は
縦横5列と少ないが、先に記した通りこれは説明のため
であり、実際には図6のように縦横ともに多数の像が並
ぶ。輝点2の光がこの透過光制御手段3を通過すると、
被表示物4が存在するのに等しい光の強度分布が再現さ
れて、観察者5は輝点2の光を透過光制御手段3越しに
見ることで立体的な像を見ることになる。像6の縦横に
並ぶ数n、mは輝点の並ぶ数と一致するが、この数が再
生される立体画像の画質を左右する主要因であり、数が
多いほど緻密な立体画像を再生できる。実際にはn,m
は少なくとも数十列以上、好ましくは百数十から数百以
上である。
【0020】表示器の手前にある被表示物を立体的に表
示するのは、請求項2に示した方法によって行う。図
3、図4を使って請求項2の原理を説明する。本立体表
示器は、透過光制御手段3上に記録する画像情報の作成
方法が異なる点を除けば請求項1の立体表示器と同じ物
である。図3のように被表示物9が立体表示器の手前に
あるとき、該透過光制御手段3には、図4に示したよう
にそれぞれの輝点2に対して、輝点2から観測者側に向
かう光線の軌跡が、被表示物9と交わるとき、該軌跡が
該透過光制御手段3と交わる点12に、被表示物9と該
軌跡が交わる点の内で最も手前、すなわち輝点から最も
遠い部分11から該軌跡にそって観察者側に向かう光線
の強度ないし色と強度が記録され、結果として像10が
形成されている。この像10は被表示物9を透過光制御
手段3上に投影変換したものである。図3のように輝点
2の光がこの透過光制御手段3を通過すると、被表示物
9が手前に存在するのに等しい光の強度分布が再現され
て、観察者5は輝点2の光を透過光制御手段3越しに見
ることで被表示物9の立体的な像を見ることになる。
【0021】上記請求項1と請求項2を組み合わせると
請求項3の立体表示器となり、表示器の手前から後方に
至る奥行きの深い立体表示が可能になる。請求項3の立
体表示器も透過光制御手段3上に記録する画像情報の作
成方法が異なる点を除けば請求項1、請求項2の立体表
示器と同じである。請求項3の透過光制御手段上の画像
情報は、簡単には先に表示器の後方の被表示物に対し
て、請求項1の方法に従って透過光制御手段3の画像情
報を作成し、ついで表示器の前方の被表示物に対して、
請求項2の方法に従って透過光制御手段3の画像情報を
作成して、これを上書きすればよい。
【0022】透過光制御手段3の具体的な作成方法とし
ては、光学的に写真を撮る方法と、数値的に計算し、透
明シートに印刷して作成する方法がある。請求項1の立
体表示器については、図1において、1を遮光板、2を
ピンホール、3を感光フィルムとしてピンホール写真を
撮る方法で透過光制御手段3を作成できる。このとき感
光フィルムにはポジ像が残るようにフィルムを選び現像
しなければならない。ネガフィルムを使う場合はコンタ
クトをとってポジに変換する必要がある。
【0023】このように光学的な方法で透過光制御手段
3を作る場合には、表示器のサイズの感光フィルムを用
意しなければならず、カメラ全体がかなり大きな物にな
るなど、装置的にも手間の面でも困難な点が多い。さら
に請求項2のように被表示物が立体表示器の手前にある
場合には、単純にピンホール写真を撮る方法では透過光
制御手段3を作ることができず、遥かに複雑な方法を用
いなければならなくなって現実的でない。請求項3につ
いても同様である。
【0024】一方被表示物を数値データで表し、これを
元に図2、図4に図示した手続きを幾何学的な数値計算
によって行い、像6あるいは像10を求め、透明シート
に印刷して透過光制御手段3を作成する方法は、簡単で
自由度が高く好ましい方法である。本発明の立体表示器
は、このようにコンピューターグラフィックスの一つの
出力形態として特に有効である。
【0025】立体表示器の実施形態としては、例えば図
7に斜視図、図8に側面図を示したように、光源14を
備え内面17が拡散反射面である箱13の一面に開けた
ピンホール群16を輝点群として利用することができ
る。図中の15は光源14の光を有効に箱13内に導く
ための反射板である。光源14の光は図8のように箱1
3の内面17で繰り返し反射することで均一化し、一部
がピンホール16から漏れ出る。ピンホール群のある面
の外側18を黒色に塗装しておけば、暗い面に輝点群が
形成されることになり、この面から所定の距離をおいて
透過光制御手段3をおけば本発明の立体表示器になる。
【0026】あるいは図9に斜視図、図10に側面図を
示したように、側面に光源14を置かれた板状の導光体
19の片面に印刷された白点群20を輝点群として利用
することもできる。光源14の光は全反射を繰り返して
導光体中を伝わり、白点20に拡散反射されて導光体の
外に漏れ出る。このとき透過光制御手段3を該導光体1
9の反対の面に面して置くことで本発明の立体表示器を
構成できる。本立体表示器では、透過光制御手段3と輝
点群の間に屈折率が1でない導光体19が存在し、輝点
からの光が導光体19の表面で屈折するため、これを考
慮して透過光制御手段3を作成しなければならない。さ
らに図中の反射鏡22は、導光体を伝わる光を反射して
光の利用率を向上させるもの、黒色板20は白点が印刷
されている面におかれて輝点群以外からの光をカット
し、コントラストの高い立体像を表示するためのもので
あるが、わざと黒色板20を置かないことで、導光体越
しに見える景色に立体像が重なって見えるという独特の
効果をもたせることも可能である。
【0027】これらの実施例は、薄く奥行きのない装置
を使って奥行きのある立体像を表示できるという利点が
ある反面、光源光の利用効率が比較的低いという問題も
ある。光源光の利用効率を重視する場合には、図11に
斜視図、図12に側面図を示したように、点光源25の
光を凸レンズ24を使って平行光をとし、これを平面上
に並んだ凸レンズ群23によって集光し、凸レンズ群2
3の焦点26に輝点を形成する方法がある。
【0028】以上説明した請求項1〜請求項7の立体表
示器は、縦横いずれの方向にも立体感を有する立体表示
をするものであるが、実際には水平方向にのみ立体感を
有する立体表示でも、表示器と観察者の距離や視点の高
さの変動が小さい場合には十分良好な立体感を感じるこ
とができる。請求項8〜請求項14は水平方向に限って
立体感を有する立体表示器である。
【0029】図13、図14を使って本発明請求項8の
表示原理を説明する。請求項8では表示器の後方に仮想
的に存在する被表示物を立体的に表示する。本立体表示
器は面27上に並んだ縦の輝線群28と、面27から所
定の距離をおいておかれた透過光制御手段29からな
る。図中の輝線28の数は5本と少ないが、これは図示
と説明を分かりやすくするためであって、実際には少な
くとも数十本以上必要で、好ましくは百数十から数百本
以上が必要である。本装置後方の被表示物30の像を表
示するために、透過光制御手段29には、図14に示し
たように輝線28のそれぞれに対応して、被表示物30
の各部分33から輝線28を通り、観察者の視点の位置
に当たる水平な線35上に達する直線が、該透過光制御
手段29と交わる点34に、該部分33から該直線上を
点36に向かう光線の強度ないし色と強度が記録され、
結果として像32が形成されている。
【0030】それぞれの輝線に対してそれぞれ像32が
形成され、透過光制御手段29には図17に示したよう
に左右が反転した像32が並ぶことになる。図17では
像32は5枚と少ないが、先に記した通りこれは説明の
ためであり、実際には輝線28と同数の多数の像が並
び、輝線28の光がこの透過光制御手段29を通過する
と、水平な線35上に視点をもつ観察者31には被表示
物30が存在するのに等しい光の強度分布が再現され
て、観察者31は輝線28の光を透過光制御手段29越
しに見ることで立体的な像を見ることになる。
【0031】表示器の手前にある被表示物を立体的に表
示するのは、請求項9に示した方法によって行う。図1
5、図16を使って請求項9の原理を説明する。本立体
表示器は、透過光制御手段29上に記録する画像情報の
作成方法が異なる点を除けば請求項8の立体表示器と同
じ物である。図15のように被表示物37が立体表示器
の手前にあるとき、該透過光制御手段29には、図16
に示したようにそれぞれの輝線28に対して、輝線28
上の一点から観察者の位置に当たる水平な線41上に達
する光線の軌跡が、該輝線群の前方に存在する被表示物
37と交わるとき、該軌跡が該透過光制御手段29と交
わる点40に、被表示物37と該軌跡が交わる点の内で
最も手前、すなわち輝線から最も遠い部分39から該軌
跡にそって点42に向かう光線の強度ないし色と強度が
記録され、結果として像38が形成されている。図15
のように輝線28の光がこの透過光制御手段29を通過
すると、水平な線41上に視点をもつ観察者31には被
表示物37が手前に存在するのに等しい光の強度分布が
再現されて、観察者31は輝線28の光を透過光制御手
段29越しに見ることで被表示物37の立体的な像を見
ることになる。
【0032】上記請求項8と請求項9を組み合わせると
請求項10の立体表示器となり、表示器の手前から後方
に至る奥行きの深い立体表示が可能になる。請求項10
の立体表示器も透過光制御手段29上に記録する画像情
報の作成方法が異なる点を除けば請求項8、請求項9の
立体表示器と同じである。請求項10の透過光制御手段
上の画像情報は、簡単には先に表示器の後方の被表示物
に対して、請求項8の方法に従って透過光制御手段29
の画像情報を作成し、ついで表示器の前方の被表示物に
対して、請求項9の方法に従って透過光制御手段29の
画像情報を作成して、これを上書きすればよい。
【0033】透過光制御手段29については、写真法を
使った作成は困難である。従って被表示物を数値データ
で表し、これを元に図14、図16に図示した手続きを
幾何学的な数値計算によって行い、像32あるいは像3
8を求め、透明シートに印刷して作成すればよい。
【0034】立体表示器の実施形態としては、例えば図
18に示したように、光源44を備え内面47が拡散反
射面である箱43の一面に開けたスリット群46を輝線
群として利用したものや、あるいは図19に示したよう
に、側面に光源44を置かれた板状の導光体49の片面
に印刷された白線群50を輝線群として利用するものが
ある。さらに光源光の利用効率を重視する場合には、図
20に示したように縦に長いフィラメントを持った光源
55の光を凸レンズ54を使って平行光とし、これをレ
ンチキュラーレンズ53によって集光し輝線を作る方法
がある。これらはそれぞれ図7、図8の立体表示器、図
9、図10の立体表示器、図11、図12の立体表示器
の輝点を輝線に置き換えたものである。
【0035】本発明の請求項8〜請求項14の立体表示
器では、観察者の視点の位置を図14の直線35や図1
6の直線41上に設定して透過光制御手段29を作成す
る。従って完全な立体画像を見ることができるのは、視
点を設定された線上においた場合に限られ、これからは
ずれるとやや不自然な立体像となる。ただ必ずしも完全
な立体像でなくとも、特に不自然さが大きくなければそ
の立体感を十分楽しむことができる。立体表示の完全さ
から見れば請求項1〜請求項7の立体表示器が勝ってい
るが、一方輝点に比較して輝線の方が発光面積を大きく
とれる分、請求項8〜請求項14の立体表示器の方が明
るい表示像を得やすいという利点がある。
【0036】図21はステンドグラスのように、直射日
光などの強い光線が当たると立体像が浮き上がる立体表
示器の実施例である。透明板56の片面には点状の光拡
散体58が縦横に並んでおり、もう一方の面には透過光
制御手段57が印刷などの方法で形成されている。点状
の光拡散体58としては、例えば屈折率が大きく異なる
微粒子を含んだ透明樹脂を塗布、硬化して作成しても良
いし、透明板の表面を粗面化したものでも良い。直射日
光59のような強い光が当たると図22に示したように
光拡散体58が輝点となるため、透過光制御手段57と
合わせて請求項1〜請求項4の立体表示器が完成し、立
体像が浮き上がる。ここで光拡散体58を線状に形成す
れば請求項8〜請求項11の立体表示器とすることがで
きる。
【0037】また図23は光を照射することで立体表示
器となる他の実施例である。本実施例は、図24に断面
図を示すように、片面に多数のピンホール状の透過部6
3を残して光を遮る遮光手段を持ち、もう一方の面に透
過光制御手段62を形成した透明板60と、透明板60
の遮光手段に面して置かれた光拡散板61とからなる。
ここで該遮光手段の光拡散板側は反射面65として、拡
散板61を照らす光を増やして明るさを増し、透過光制
御手段側64は黒色として光の反射を抑え、立体像のコ
ントラストを高めている。本構成においては、拡散板6
1に直射日光59などの強い光線が当たると、拡散板6
1で拡散された光の一部が透過部63を通って輝点群と
なり、請求項1〜請求項4の立体表示器となる。本装置
においても透過部63をスリット状にすることによって
請求項8〜請求項11の立体表示器とすることができ
る。
【0038】以上説明した本発明の実施例はいずれも表
示面が平面であるものであるが、実際には円柱面や球面
のような曲面であってもよい。その際図14、図16の
観察者の視点の位置である線35、41は直線である必
要はなく、例えば、表示面が円柱面の場合には、該円柱
の軸を中心とした水平面上の円弧を観測者の視点の位置
として透過光制御手段を作成するのが好ましい。
【0039】
【発明の効果】本発明の立体表示器によって、高価なレ
ンチキュラーレンズを用いずに良好な立体表示ができる
ようになった。レンチキュラーレンズ方式のように、見
る角度によって数枚の写真が不連続に切り替わってみえ
るような不自然さを感じることもない。本立体表示器
は、レイトレーシング法などのコンピュータグラフィッ
クスを利用することで容易に作成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明請求項1による立体表示器の原理を説明
する図である。
【図2】請求項1に用いる透過光制御手段の作成法を説
明する図である。
【図3】請求項2による立体表示器の原理を説明する図
である。
【図4】請求項2に用いる透過光制御手段の作成法を説
明する図である。
【図5】請求項1に用いる透過光制御手段の簡略図であ
る。
【図6】請求項1〜請求項7に用いる透過光制御手段の
外観である。
【図7】請求項5による立体表示器の斜視図である。
【図8】請求項5による立体表示器の側面図である。
【図9】請求項6による立体表示器の斜視図である。
【図10】請求項6による立体表示器の側面図である。
【図11】請求項7による立体表示器の斜視図である。
【図12】請求項7による立体表示器の側面図である。
【図13】請求項8による立体表示器の原理を説明する
図である。
【図14】請求項8に用いる透過光制御手段の作成法を
説明する図である。
【図15】請求項9による立体表示器の原理を説明する
図である。
【図16】請求項9に用いる透過光制御手段の作成法を
説明する図である。
【図17】請求項8に用いる透過光制御手段の簡略図で
ある。
【図18】請求項12による立体表示器の斜視図であ
る。
【図19】請求項13による立体表示器の斜視図であ
る。
【図20】請求項14による立体表示器の斜視図であ
る。
【図21】請求項15による立体表示器の斜視図であ
る。
【図22】請求項15による立体表示器の部分断面図で
ある。
【図23】請求項16による立体表示器の斜視図であ
る。
【図24】請求項16による立体表示器の部分断面図で
ある。
【符号の説明】
1 ・・・ 輝点の並ぶ面 2 ・・・ 輝点 3 ・・・ 透過光制御手段 4 ・・・ 被表示物 5,31 ・・・ 観察者 6 ・・・ 被表示物4の投影像 7 ・・・ 被表示物4上の一点 8 ・・・ 7に対応する像上の点 9 ・・・ 被表示物 10 ・・・ 被表示物9の投影像 11 ・・・ 被表示物9上の一点 12 ・・・ 11に対応する像上の点 13 ・・・ ピンホール群を備えた箱 14,44 ・・・ 光源 15,45 ・・・ 反射板 16 ・・・ ピンホール 17,47 ・・・ 拡散反射面 18,48 ・・・ 黒色塗装 19,49 ・・・ 導光体 20 ・・・ 白点 21,51 ・・・ 黒色板 22,52 ・・・ 反射鏡 23 ・・・ 凸レンズが並んだ板 24,54 ・・・ 凸レンズ 25 ・・・ 点光源 26 ・・・ 焦点 27 ・・・ 輝線の並ぶ面 28 ・・・ 輝線 29 ・・・ 透過光制御手段 30 ・・・ 被表示物 32 ・・・ 被表示物30の投影像 33 ・・・ 被表示物30上の一点 34 ・・・ 33に対応する像上の点 35,41 ・・・ 観察者の視点の位置に当たる水平
な線 36,42 ・・・ 35上の一点 37 ・・・ 被表示物 38 ・・・ 被表示物37の投影像 39 ・・・ 被表示物30上の一点 40 ・・・ 39に対応する像上の点 43 ・・・ スリット群を備えた箱 46 ・・・ スリット 50 ・・・ 白線 53 ・・・ レンチキュラーレンズ 55 ・・・ 光源 56 ・・・ 透明板 57,62 ・・・ 透過光制御手段 58 ・・・ 光拡散体 59 ・・・ 直射日光 60 ・・・ 透明板 61 ・・・ 光拡散板 63 ・・・ ピンホール状の光透過部 64 ・・・ 黒色層 65 ・・・ 反射面

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 面上に並んだ輝点群と、該面から所定の
    距離をおいて置かれた透過光制御手段からなり、該輝点
    群を該透過光制御手段越しに見る表示器であって、該透
    過光制御手段には、それぞれの輝点に対して、該輝点群
    の後方に仮想的に存在する被表示物上の、輝点に面する
    各部分から輝点を通り観察者側に向かう光線の軌跡が該
    透過光制御手段と交わる点に、該部分から輝点に向かう
    光線の強度ないし色と強度が記録されていることを特徴
    とする立体表示器。
  2. 【請求項2】 面上に並んだ輝点群と、該面から所定の
    距離をおいて置かれた透過光制御手段からなり、該輝点
    群を該透過光制御手段越しに見る表示器であって、該透
    過光制御手段には、それぞれの輝点に対して、輝点から
    観測者側に向かう光線の軌跡が、該輝点群の前方に仮想
    的に存在する被表示物と交わるとき、該軌跡が該透過光
    制御手段と交わる点に、被表示物と該軌跡が交わる点の
    内で最も手前、すなわち輝点から最も遠い部分から該軌
    跡にそって観察者側に向かう光線の強度ないし色と強度
    が記録されていることを特徴とする立体表示器。
  3. 【請求項3】 面上に並んだ輝点群と、該面から所定の
    距離をおいて置かれた透過光制御手段からなり、該輝点
    群を該透過光制御手段越しに見る表示器であって、該透
    過光制御手段には、それぞれの輝点に対して、輝点の後
    方より輝点を通過して観察者側に向かう光線の軌跡が、
    該輝点群の前方、あるいは後方に仮想的に存在する被表
    示物と交わるとき、該軌跡が該透過光制御手段と交わる
    点に、被表示物と該軌跡が交わる点の内で最も手前、す
    なわち観察者側に位置する部分から該軌跡にそって観察
    者側に向かう光線の強度ないし色と強度が記録されてい
    ることを特徴とする立体表示器。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3に記載の透過光制御
    手段が、数値化された被表示物のデータから、計算によ
    って作成されたものであることを特徴とする請求項1〜
    請求項3に記載の立体表示器。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項3に記載の輝点群が、
    光源を備え、内面が拡散反射面である箱の一面に開けた
    ピンホール群であることを特徴とする請求項1〜請求項
    4に記載の立体表示器。
  6. 【請求項6】 請求項1〜請求項3に記載の輝点群が、
    側面に光源を置かれた板状の導光体の片面に印刷された
    白点群であり、透過光制御手段が該導光体の反対の面に
    面して置かれることを特徴とする請求項1〜請求項4に
    記載の立体表示器。
  7. 【請求項7】 請求項1〜請求項3に記載の輝点群が、
    平面上に並んだ凸レンズ群によって平行光線を集光した
    ものであることを特徴とする請求項1〜請求項4に記載
    の立体表示器。
  8. 【請求項8】 面上に並んだ縦の輝線群と、該面から所
    定の距離をおいて置かれた透過光制御手段からなり、該
    輝線群を該透過光制御手段越しに見る表示器であって、
    該透過光制御手段には、それぞれの輝線に対して、該輝
    線群の後方に仮想的に存在する被表示物上の、輝線に面
    する各部分から輝線を通り、観察者の位置に当たる水平
    な線上に達する光線の軌跡が該透過光制御手段と交わる
    点に、該部分から該軌跡にそって観察者に向かう光線の
    強度ないし色と強度が記録されていることを特徴とする
    立体表示器。
  9. 【請求項9】 面上に並んだ縦の輝線群と、該面から所
    定の距離をおいて置かれた透過光制御手段からなり、該
    輝線群を該透過光制御手段越しに見る表示器であって、
    該透過光制御手段には、それぞれの輝線に対して、輝線
    上の一点から観察者の位置に当たる水平な線上に達する
    光線の軌跡が、該輝線群の前方に仮想的に存在する被表
    示物と交わるとき、該軌跡が該透過光制御手段と交わる
    点に、被表示物と該軌跡が交わる点の内で最も手前、す
    なわち輝線から最も遠い部分から該軌跡にそって観察者
    側に向かう光線の強度ないし色と強度が記録されている
    ことを特徴とする立体表示器。
  10. 【請求項10】 面上に並んだ縦の輝線群と、該面から
    所定の距離をおいて置かれた透過光制御手段からなり、
    該輝線群を該透過光制御手段越しに見る表示器であっ
    て、該透過光制御手段には、それぞれの輝線に対して、
    輝線の後方より輝線上の一点を通過して観察者の位置に
    当たる水平な線上に達する光線の軌跡が、該輝線群の前
    方、あるいは後方に仮想的に存在する被表示物と交わる
    とき、該軌跡が該透過光制御手段と交わる点に、被表示
    物と該軌跡が交わる点の内で最も手前、すなわち観察者
    側に位置する部分から該軌跡にそって観察者側に向かう
    光線の強度ないし色と強度が記録されていることを特徴
    とする立体表示器。
  11. 【請求項11】 請求項8〜請求項10に記載の透過光
    制御手段が、数値化された被表示物のデータから、計算
    によって作成されたものであることを特徴とする請求項
    8〜請求項10に記載の立体表示器。
  12. 【請求項12】 請求項8〜請求項10に記載の輝線群
    が、光源を備え、内面が拡散反射面である箱の一面に開
    けたスリット群であることを特徴とする請求項8〜請求
    項11に記載の立体表示器。
  13. 【請求項13】 請求項8〜請求項10に記載の輝線群
    が、側面に光源を置かれた板状の導光体の片面に印刷さ
    れた白線群であり、透過光制御手段が該導光体の反対の
    面に面して置かれることを特徴とする請求項8〜請求項
    11に記載の立体表示器。
  14. 【請求項14】 請求項8〜請求項10に記載の輝線群
    が、レンチキュラーレンズによって平行光線を集束した
    ものであることを特徴とする請求項8〜請求項11に記
    載の立体表示器。
  15. 【請求項15】 片面に点状あるいは縦線状の光拡散体
    の群を形成し、もう一方の面に透過光制御手段を形成し
    た透明板で、該透明板に光が当たると、その一部が片面
    の光拡散体で拡散し、輝点群あるいは輝線群となること
    を特徴とする請求項1〜請求項4、あるいは請求項8〜
    請求項11の立体表示器。
  16. 【請求項16】 片面に多数のピンホール状あるいは縦
    スリット状の透過部を残して光を遮る遮光手段を設け、
    もう一方の面に透過光制御手段を形成した透明板と、該
    透明板の遮光手段に面して置かれた光拡散板とからなる
    表示器であって、該遮光手段の光拡散板側は反射面、透
    過光制御手段側は黒色であり、該拡散板に光が当たる
    と、拡散光の一部がピンホール状あるいは縦スリット状
    の透過部を通って輝点群あるいは輝線群となることを特
    徴とする請求項1〜請求項4、あるいは請求項8〜請求
    項11の立体表示器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015002535A (ja) * 2013-06-18 2015-01-05 日本放送協会 画像生成装置およびプログラム

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