JP2001306235A - 指示入力システム - Google Patents

指示入力システム

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JP2001306235A
JP2001306235A JP2000117615A JP2000117615A JP2001306235A JP 2001306235 A JP2001306235 A JP 2001306235A JP 2000117615 A JP2000117615 A JP 2000117615A JP 2000117615 A JP2000117615 A JP 2000117615A JP 2001306235 A JP2001306235 A JP 2001306235A
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JP
Japan
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sensing
sequence
rfid
unit
user
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Application number
JP2000117615A
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English (en)
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Yasunori Oda
保憲 黄田
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 指や音声などを用いない、新たな指示入力機
構を提供する。 【解決手段】 リング106には、通信領域を内側に向
けて複数のアンテナ102が配置されている。ユーザ
は、手首等にRFIDを装着する。ユーザが、手をリン
グ106の中に入れ、それをあるパターンで動かすと、
そのRFIDを感知したアンテナ102が、感知した順
に感知信号を出力する。コントローラ100は、複数の
アンテナ102がどの順にRFIDを感知したかを示す
シークエンス情報をコンピュータ103に送る。コンピ
ュータ103は、シークエンスごとに、それに対応する
実行ファイルを持っており、ユーザがリング106内で
手を動かして示したシークエンスに対応する実行ファイ
ルを特定して実行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】人間が処理装置に対して指示
を入力するためのシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来は家庭内の仕事の管理をパーソナル
コンピュータ(以下、パソコンと略称)で管理し、パソ
コン画面からコマンドを送って物事の制御を行ってい
た。或いは、特注の押しボタン装置を作って、物事を制
御することがあった。また、このパソコンそのものをイ
ンターネットを通じて別のパソコンから制御することも
行われつつある。また、パソコンそのものの制御に音声
を用いるものがIBM社やNEC社などで開発されてい
る。自動倉庫の管理者が自動フォークリフタに与えるコ
マンドを音声でする場合もある。また、パソコンに小型
デジタルカメラを取り付け、そこにバーコードを読込ま
せて、パソコンのOSの操作をさせるものがソニー社で
開発されている。
【0003】同様に、マイクロソフト社のプレゼンテー
ションソフトウエアであるパワーポイント(商標)のペ
ージ捲りを簡便に行うため、各ページの縮小画像とそれ
にユニークに対応するバーコードを同一のカードの上に
生成し、そのカードをパソコンに接続した特殊なバーコ
ード・リーダに読込ませることにより、瞬時に目的のペ
ージに飛べるようにしたシステムが、富士ゼロックス社
からカードギア(商標)という商品名で出されている。
【0004】これらのシステムでは、指示の入力のため
には、キーボードやモニタ上のボタンをクリックするよ
うな動作が必要である。また、バーコードを読ませるた
めには、そのバーコードを選んだり、カメラの前でバー
コードの紙を手で持たなければならない。又、ある動作
の制御に特定の制御盤があると、システムの変更の際に
また新しく制御盤を作らなければならない問題がでてく
る。また、視覚障碍者はバーコードを選ぶことができな
いので、特別の制御盤を作らなければならない。また、
聴覚障碍者や言語障碍者にとって音声認識装置は実質意
味をなさない。また、バーコードを作るという余分の作
業もでてくるのはいうまでもない。
【0005】研究段階であるが、ソニーコンピュータサ
イエンス研究所では人間の動きを認識して、その映像を
投影したり、或いは、手で画面をなぞることによってそ
の部分が発光するようにする仕組みを考案している。
【0006】また、現在パソコンなどで、コマンドのボ
タンを選択するのに、タブレットと呼ばれるものが使わ
れている。これはx、y座標を認知できるボードをペン
に似たものでなぞると、その筆圧を電気的仕組みでx、
y座標に変換し、タブレット上の押された座標に対応す
るモニタ上のボタンを押す操作をするようにしたもので
ある。ここでも、コマンドの数が変わったりした場合、
ボタンをその場で任意に変更することは容易ではないこ
とが分かる。
【0007】一方、近年RFID(Radio Frequency ID
entifier)という、ループアンテナとICチップを含み
通常のカードに収まる大きさのものがあり、リーダ・ラ
イタという別のアンテナと電磁誘導の原理で通信が可能
なものが利用されるようになっている。このようなRF
IDとリーダ・ライタはその通信距離や利用周波数帯に
応じて、密着型(通常無電池、通信距離数ミリ程度)、
近接型(通常無電池、通信距離20−30cm程度)、
近傍型(通常無電池、通信距離70−100cm程
度)、マイクロ波型(通常電池有り、通信距離数m程
度)と呼ばれている。また、これらのシステムでは近年
マルチリード、即ち、複数のRFIDを同時に読む機能
が実用化されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、処理装置に
対する指示の入力のための新たなシステム、特に、視覚
障碍者や聴覚障碍者や言語障碍者、或いは、手や指の不
自由な者でも簡単に学習・使用できる入力システムを提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明に係るシステムは、ユーザが保持又は装着す
る指示子と、所定の配置パターンで配置され、前記指示
子が自己の感度領域内に入るとそれを感知する複数の受
感部と、前記各受感部が前記指示子を感知したシークエ
ンスから、実行すべき処理を決定する処理判定部と、を
備える。
【0010】この構成によれば、指や音声など使わずに
指示を行うことができる。
【0011】好適な態様では、前記指示子はRFIDで
あり、前記受感部は前記RFIDを感知してそのID情
報を取得し前記処理判定部に通知するRFIDリーダで
あり、前記各RFIDのID情報ごとに、前記感知シー
クエンス又は前記感知信号パターンとそれに対応する処
理との対応関係を記憶した対応関係記憶部を備え、前記
処理判定部は、前記対応関係記憶部に記憶された前記対
応関係のうち、前記受感部から通知されたID情報に対
応する対応関係に基づき、前記感知シークエンス又は感
知信号パターンに対応する処理を決定する。
【0012】また、別の好適な態様では、前記指示子
は、前記感知シークエンス又は前記感知信号パターンと
それに対応する処理との対応関係の情報を記憶したRF
IDであり、前記受感部は、前記RFIDを感知して前
記対応関係の情報を取得し前記処理判定部に通知するR
FIDリーダであり、前記処理判定部は、前記受感部で
取得された対応関係の情報に基づき、前記感知シークエ
ンス又は感知信号パターンに対応する処理を決定する。
【0013】これらの好適な態様によれば、各ユーザ
(RFID)ごとに、指示内容に対応したシークエンス
を自由に設定できる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
(以下、実施形態という)を図面を参照して説明する。
【0015】[実施形態1]この例では、ユーザが、ヘ
ルパーなどの別の人に自分の意志を伝達するためのシス
テムを説明する。ここでは、ユーザが部屋の中にいて、
手で指示したことが音声で発音され、それがヘルパーに
聞こえるようにするシステムを提供する。
【0016】図1にこのシステムの概略構成例を示す。
このシステムでは、リング106に4つのアンテナ10
2が設けられている。図2は、リング106を上から見
た状態を概略的に示す図であり、この図に示すように、
アンテナ102の通信領域200は、リング106の内
側を向いている。また、各アンテナ102は、通信領域
200が重ならないように配置する。なお、各アンテナ
102は、コントローラ100によって識別されてお
り、ここでは便宜上、4つのアンテナ102をそれぞれ
1〜4の番号で識別する(図2参照)。
【0017】このシステムでは、近接型や密着型のRF
IDを利用する。従ってその通信距離は10cm前後以
下となる。アンテナ102はコントローラ100に繋が
れており、コントローラ100は、アンテナ102から
受けた信号をコンピュータ103に送ったり、アンテナ
102に対し質問波送信指示を送ったりする。またコン
ピュータ100は記憶装置104を備える。
【0018】記憶装置104は、下記するシークエンス
を記録しており、入力があった時に参照される。なお、
以下ではアンテナ102とコントローラ100のことを
まとめてリーダ・ライタと呼ぶこととする。アンテナ1
02で読まれた信号はただちにコントローラ100に送
られる。またコントローラ100がアンテナ102から
受けた信号はコンピュータ103に送られ、コントロー
ラ100がコンピュータ103から受けた信号はアンテ
ナ102に送られ、質問波として送り出される。
【0019】ユーザは、手首のあたりにRFIDを装着
する。RFIDは、バンド型で曲げられるようなものが
好ましい。腕時計のバンドの部分にRFIDを内装する
ようにしても良い。勿論、ユーザが手でRFIDを持っ
てもよい。
【0020】ユーザはRFIDを装着又は保持した手を
リング106の内に入れる。手を動かすことによってR
FIDが4つアンテナ102の内のどれかで認識され
る。手をある決まった順序で前後左右に動かすことによ
って、RFIDが4つのアンテナ102にどのような順
序で感知されるか、その感知シークエンス(順序)が異
なってくる。シークエンスは、ユーザのRFIDを感知
したアンテナ102の識別番号の列で表すことができ
る。このシークエンスはコントローラ100を通してコ
ンピュータ103に送られる。以後コンピュータ103
内の処理となる。異なったシークエンス毎に異なった内
容の指示音声の出力処理を割り当てる。
【0021】図3は、指示内容とそのシークエンスの対
応関係の例である。この図では、図2に示したリング1
06上のアンテナ配列において、手の動きを矢印で示し
ており、その動作の示す指示内容と、それに対応するシ
ークエンス(RFIDを感知したアンテナ102の番号
を、その感知の順に並べたもの)を示している。(1)
は"誰か来て(助けて)"という指示内容を示しており、
これに対応するシークエンスは“11”となっている。
同様に(2)は“周りを見て(探して)”、(3)は
“窓を開ける”、(4)は“窓を閉める”、(5)は
“掃除をして”、(6)は“食事がしたい”などを表し
ている。このような指示内容とシークエンスとの対応関
係が、前述の記憶装置104に記憶されている。この例
では、指示内容を音声でヘルパーに伝えることを想定し
ているので、各シークエンスには、具体的にはその「指
示内容」を示す音声ファイルが対応づけられる。このシ
ークエンスはユーザが決定して記憶装置104に登録す
ることができる。学習の時間や記憶のためにできるだけ
自然で覚え易いシークエンスが望まれる。
【0022】この構成では、ユーザがリング106の中
で、所望の指示内容に対応するシークエンスを描くよう
に手(及びそこに保持されたRFID)を動かすと、そ
の動きに応じて各アンテナ102が順番にそのRFID
を感知し、感知信号を出力する。コントローラ100
は、感知信号を送ってくるアンテナ102の番号を順番
にコンピュータ103に送る。これにより、コンピュー
タ103は、ユーザが手の動作により示したシークエン
スを取得できる。コンピュータ103は、記憶装置10
4に記憶した対応関係の情報に基づき、ユーザの示した
シークエンスに対応する指示内容(この例では音声ファ
イル)を特定する。そして、コンピュータ103は、特
定した音声ファイルを実行して、スピーカ105から音
声出力を行う。
【0023】以上説明したように、本実施形態のシステ
ムによれば、言葉で発声することなく、簡単な手や腕の
動きで物事の指示を行うことができる。凍傷、火傷、リ
ューマチなどの理由で指が不自由になった者でも、操作
することができる。聴覚障碍者や言語障碍者にとっては
勿論のこと、視覚障碍者でも大声をあげることは多大な
ストレスとみなされているので、このようなシステムは
便利である。また、健康なものにとっても、声を出すス
トレスなしに命令が送れることや、電話中でも命令が送
れるというメリットがある。
【0024】なお、このシステムにおいて、RFIDが
各アンテナ102で確かに感知されたことを示すため
に、例えば各アンテナ102ごとに色違いのランプをつ
け、RFIDがリーダ・ライタで読まれる度にそのラン
プを点けるようにしても良い。また、RFIDがアンテ
ナ102で感知される度に、アンテナ102毎に違った
音が出るようにしても良い。
【0025】また、各アンテナ102に番号やサインを
表示することによりそれらを識別しやすくすることも好
適である。また、視覚障碍者などが容易にシークエンス
を入力できるように、基準となるアンテナ102を、突
起や粗目などで触覚的に他と区別できるようにすること
も好適である。
【0026】なお、アンテナが近接する場合は電波の干
渉などが生じるので、設計の際に充分注意を要する。ま
た、本システムは、RFIDの代わりに磁性体を、リー
ダ・ライタのアンテナの代わりに磁気センサを用いて構
築できる。ただ、RFIDシステムは量産化が進みつつ
あるので、コスト的にもより作り易い状況にある。
【0027】また、以上ではRFIDを手に装着する例
を示したが、足に装着してももちろんよい。
【0028】また、以上の例は、入力されたシークエン
スに対し、それに対応する音声ファイルを再生すること
により、ヘルパーにユーザの意志を伝えるものであった
が、本実施形態のシステムの利用はこのような例に限ら
れない。シークエンスと実行ファイルを対応づけてお
き、入力されたシークエンスに対応する実行ファイルを
コンピュータ103で実行することにより、様々な処理
の実行を指示することが可能になる。
【0029】[実施形態2]読取り装置の大きさは、ユ
ーザの手や足の大きさに応じて定めることが望ましい。
また、コマンドとなる手足の動き、即ち、読取りシーク
エンスは利用者と一緒になって設定するほうが望まし
い。ここでは、このようにシークエンスをシステムに登
録するための仕組みを説明する。
【0030】なお以下において、実行ファイルとは記憶
装置104に予め記録された、コンピュータ103で実
行されるソフトウエアであり、異なるシークエンス毎に
異なった実行ファイルが対応している。
【0031】ここでは、シークエンスを登録するための
3種類の方式について述べる。
【0032】第一の方式は、コンピュータ103上で、
人がアンテナの番号のシークエンスをタイプ入力し、そ
れに対応する実行ファイルを選択して対応づけるという
ものである(図4参照)。
【0033】図4において、表示欄1001には入力さ
れたアンテナ番号のシークエンスが表示される。100
3で実行ファイル名が表示される。表示部位1002に
は、用意された各実行ファイルのメタファが表示されて
おり、所望のメタファをクリックするなどにより、表示
欄1001に表示されたシークエンスに、その実行ファ
イルを対応づけることができる。クリックで選択された
実行ファイルは、表示欄1003に表示される。
【0034】なお、図5に示すように、画面上にアンテ
ナ102群の配置パターンを表示し、その配置パターン
表示において、RFIDがたどるアンテナ102の順
に、対応するアンテナのアイコン102aをクリックし
て選択するようにしても良い。
【0035】第二の方式は、シークエンスと指示内容
(実行ファイル)との対応関係を予め多数用意してお
き、それらを画面表示して所望のものをユーザに選ばせ
る方式である。図6に、予め用意された対応関係群の表
示例を示す。この例では、図3に示したような手の動作
のパターン(シークエンスに対応)の下にそれに対応す
る指示内容が示されている。ユーザは、これらの可能な
対応関係の中から、所望のものをいくつかマウス等を用
いて選択する。すると、選択された対応関係が記憶装置
104内の、実行時に参照されるテーブルに登録され
る。
【0036】第三の方式は、ユーザが手足を実際に動か
して、学習しながら、そのシークエンスをコンピュータ
に記憶させる方式である。この方式を実現するには、シ
ステムに入力モードを設け、そのモードが始まった時点
から、手又は足に付けたRFIDを読んだアンテナ10
2の番号順を記録するようにすればよい。これは簡単な
プログラムで達成できる。また、対応する実行ファイル
は第一の方法のようにコンピュータ上で選択できるよう
にすれば良い。
【0037】このような方式により入力された対応関係
のテーブルの一例を図7に示す。この例では、各実行フ
ァイル(識別番号で示される)ごとに、それに対応する
シークエンス(アンテナ番号の列)が記録されている。
【0038】ユーザが、リング106内で手を動かして
シークエンスを入力した場合、そのシークエンスに対応
する実行ファイルの識別番号がこの表から取得され、こ
れに応じてその実行ファイルが実行されることになる。
【0039】本実施形態によれば、ユーザが好みのコマ
ンドシークエンスを容易に登録することができる。
【0040】[実施形態3]実施形態1では、複数のア
ンテナ102を、その通信領域200が互いに向き合う
ようにリング106上に並べたが、ここではアンテナを
壁などの二次元平面の上に並べ、その通信領域が、その
平面から垂直な向きに向かうようにする。複数のアンテ
ナは一列に並べても良いが、ここでは円形に並べること
とする。勿論必要に応じてどのような配置に並べても良
い。このような配列のアンテナ群を含む読取り装置はオ
フィス入り口のドアの開閉装置に繋がっているものとす
る。
【0041】ユーザが入り口に来たとき、自己のもって
いるRFIDをこのRFID読取り装置にかざす。読取
り装置は、RFIDがk番目のアンテナの通信領域内に
ある事象をk、どのアンテナでも読まれていない場合を
0として認知する。ユーザが所望の順番で手を各アンテ
ナの近くに動かしていくと、集合{0、1、…、k、…
n}(nはアンテナの総数)の要素からなる順列が得ら
れる。ある一定時間内のこの順列が、ユーザの入力した
シークエンスとして読取り装置からコンピュータに送ら
れる。
【0042】コンピュータは、その入力シークエンス
が、予め登録されたパターンと同じであれば、コンピュ
ータからドアの開閉装置にドアを開けるコマンドを送
り、そうでなければ何もしないが警告メッセージをユー
ザに送る命令を送る。即ち、本実施形態では、このシー
クエンスが入退室のパスワードとして使われる。
【0043】なお、アンテナが近接する場合、電波の干
渉やノイズの問題が発生する。RFIDをアンテナにか
ざすのではなく、通信距離がごく短いシステムを利用し
てRFIDをアンテナに軽くタッチするような方式も考
えられる。
【0044】従来のRFIDを利用した入退室管理装置
では、ユーザのもつRFIDのIDを読みそのIDの正
当性によって、ドアの開閉を行っていた。この例ではI
Dではなく、インプットされたシークエンスの正当性だ
けでドアの開閉を行う。したがってこの実施形態では、
入退室管理装置は正当なID群を保持するデータ・ベー
スを持つ必要はなく、またそのシークエンスを変更する
だけで簡単にまた時間をかけずにパスワードを変更する
ことができる。
【0045】[実施形態4]この実施形態では、RFI
D読取り装置として一つのアンテナだけを利用する。ユ
ーザはモールス信号のように、RFIDをRFIDリー
ダの通信距離内に出し入れする。これにより、{X,
0}の列からなる信号パターンが得られる。ここで、X
はRFIDが読取り装置からの通信距離内にある時間に
対応した量を表わす。この際、どの位の時間RFIDが
読取り装置の通信距離内にあるかに応じて、音声または
光でユーザにフィードバックをかけても良い。
【0046】この読取り結果のパターンは、一定時間内
における同じRFIDがアンテナからの通信距離内にあ
る時間の時系列からなるパターンである。このパターン
は回数のみならず、RFIDが通信距離内にある時間も
含めるもので、時間軸に対するパターンであり、モール
ス信号と同じようなパターンである。一定時間とは、読
取り待機に状態がリセットされた後、最初の読取りが行
われた時点からの一定の時間である。また、一定の時間
が過ぎ去ると読取り装置自身は読取り待機の初期状態に
リセットされる。読取られたパターンは随時コンピュー
タに送られ、これ以後はコンピュータ内の処理となる。
ユーザが入力するパターンは個人差があるので、正規化
処理を行う。その正規化の後、システム内に記憶してい
る基準パターンと比較し、入力パターンと基準パターン
が同じであればドアの開閉を行う指示を出し、そうでな
ければ何もしない。
【0047】勿論、読取り装置がRFIDを読取ってい
る時間Xだけでなく、その読取り期間同士のインターバ
ル時間Yも考慮して、{X,Y}の系列からなるパター
ンについて上記を行っても良い。また、現在のところ人
間が覚え易いようにするには、X,Yとも長短の2種類
の間隔が考えられる。この場合、入力信号の長短は例え
ばXまたはYがある特定の時間k以上か未満で決めるこ
とができる。これは正規化の一例である。
【0048】また、RFIDはそれぞれ固有のID番号
を有し、読取り装置はそのID番号を検出することがで
きるので、異なったID番号に対して異なった基準パタ
ーンを設定しておくことにより、入力シークエンスのパ
ターンをパスワードとして利用することができる。こう
すれば、ある人のRFIDを他人が使おうとしても、正
解である基準パターンを知らないとドアを開けることが
できず、より一層のセキュアリティを保てる。
【0049】以上説明したように、本実施形態では、一
台のアンテナでシステムが構成できるので、実施形態3
に比べてコストが少なくて済む。IDを落とした場合で
も、パスワードがあるのでセキュアリティーが保てる。
このパスワードの入力も非接触の形態のまま出来る。
【0050】なお、上記の処理を、実施形態3のような
複数のアンテナを持つシステムについて行えば、{X
0,X1,...XK}の系列からなる入力パターン
(パスワード)が考えられる。ここでX0はRFIDが
どのアンテナからも読まれていない時間を指し、XKは
k番めのアンテナにRFIDが読まれている時間を指
す。
【0051】[実施形態5]この実施形態は、実施形態
4の方式に、距離認識付きRFIDを適用するものであ
る。距離認識付きRFIDは、本出願人による特願平1
1−345334号などに開示されているが、簡単に説
明すると、1つのRFIDに、通信可能距離の異なる複
数のアンテナと、それら各アンテナごとに個別のID番
号を記憶したチップとを設け、リーダ・ライタが、1つ
のRFIDの各アンテナのID番号のうちどれを検知で
きたかにより、リーダ・ライタからみたそのRFIDの
存在範囲を識別可能としたものである。この実施形態で
は、2つの存在距離範囲が識別できるものとする。図8
に示すように、リーダ・ライタのアンテナ300に対
し、破線310、320で示される各々の楕円の内側
が、2つの距離範囲である。
【0052】例えば、入退室管理システムに於いて、入
り口付近に設置されているアンテナの通信距離を30c
mぐらいとする。そして、一つのRFIDの中に、二つ
の大きさの異なるアンテナを設置する。受信アンテナの
半径に応じて、通信距離が異なるので、リーダ・ライタ
側のアンテナの通信距離を実質2つに分けることにな
る。
【0053】従って、ユーザは自分が持っているこの距
離認識付きRFIDをこの2つの領域を往復させること
により、信号パターンを形成させることができる。この
パターンは、コンピュータに送られる。即ち、{X,
Y,0}のパターンがコンピュータ内に再生される。こ
こで、XはRFIDが読取り装置からの近いところ半分
の通信距離内にある時間に対応した量を表わし、YはR
FIDが読取り装置からの遠いところ半分の通信距離内
にある時間に対応した量を表わす。RFIDがどちらの
領域にもないときは0で表わされる。
【0054】このように、本実施形態では、実施形態5
と同様、RFIDのID番号以外にもう一つユーザしか
知らないパスワードを設定できたことになる。従って、
IDそのものを他人が使おうとしても、正しい入力パタ
ーンを知らない限り、入室ができない。
【0055】実用上2種類の距離が充分であり、ユーザ
がアンテナの通信距離内で、RFIDを左右に揺らすな
どして、最初の通信領域を見つける。
【0056】この実施形態によれば、実施形態4に比べ
てより安定したセキュアリティを提供できる。IDを第
三者が入手してもIDを利用できない状況が生まれる。
【0057】[実施形態6]これまでの実施形態は、実
施形態4を除いて、RFIDが持っている固有のID番
号を特に利用していなかった。ここでは、RFIDのI
D番号の利用を考える。システム構成については、図1
を参照されたい。
【0058】記憶装置104内には、単にシークエンス
のリストだけで無しに、RFIDのID番号ごとに、そ
れぞれ個別にシークエンスのリストが登録可能となって
いる。
【0059】すなわち、図9に示すように、記憶装置1
04には、図7に示したシークエンスと実行ファイルと
の対応関係の情報が、各ID番号ごと(すなわち各ユー
ザごと)に登録される。ある特定のユーザがシークエン
スを入力した場合、読取り装置はRFIDのIDおよび
そのシークエンスを読取る。そして、その人のIDが登
録されているか確認したのち、入力されたシークエンス
がその人のIDのもとに登録されているか確認し、そこ
で対応するコマンド(実行ファイル)を取り出す。従っ
て、ID番号が異なれば、シークエンスが同じでも異な
ったコマンドの意味になるのが一般的である。勿論、別
々のRFIDについて、同じシークエンスが同じ意味
(実行ファイル)と対応づけれていてもかまわない。
【0060】この実施形態によれば、異なったユーザが
異なったRFIDを利用することによって、ユーザごと
に自分の好きなコマンド指示用のシークエンスを登録す
ることができる。また、同じ人でも、異なったRFID
を使うことによってよりたくさんのコマンドを持つ事が
できたり、コマンドのカテゴリーに応じてRFIDの使
い分けができる。家族で利用する場合や病院の複数人部
屋の場合、そこに属するそれぞれが自分の覚えやすいコ
ードでコマンドを定義できて便利であるし、自己のカー
ドが勝手に他人に使われることも軽減される。
【0061】[実施形態7]前述の実施形態2では、シ
ークエンスと指示内容の対応関係の情報を記憶装置10
4に登録していた。これに対し、本実施形態では、この
ような対応関係の情報を各ユーザのRFIDに記憶して
おき、リーダ・ライタでその都度読み取って利用するこ
とにする。
【0062】この方式では、まずリーダ・ライタがRF
IDと通信し、RFIDが保持している対応関係情報を
読む。これらの情報と、ユーザが手などを動かして示し
たシークエンスの情報が、コンピュータ103に送られ
る。コンピュータ103は、受け取った対応関係の情報
から、ユーザが入力したシークエンスに対応する指示内
容(実行ファイル)を特定し、それを実行する。これに
より、コンピュータ103の側では、個々のRFIDに
ついての対応情報を管理しなくて済む。
【0063】なお、この方式は、実施形態5などの入退
室管理にも適用可能である。この場合、RFIDには、
正解である基準シークエンスが保持されており、それが
リーダ・ライタで読み取られる。この基準シークエンス
の情報と、ユーザがRFIDを動かして提示した入力シ
ークエンスの情報とがコンピュータ103に送られる。
コンピュータ103は、基準シークエンスと入力シーク
エンスとを比較し、両者が一致すれば、ドアを開ける。
そうで無ければ何もしない(ドアを開けない)。もちろ
ん、読み取ったRFIDのID番号自体が記憶装置10
4に登録されていない場合も、ドアは開けない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態のシステムの概念図である。
【図2】 各アンテナの通信領域の関係を示した図であ
る。
【図3】 腕の動きのパターンに対応するシークエンス
と指示内容の例を示した図である。
【図4】 シークエンス対応関係の登録のためのユーザ
インターフェース画面の表示例を示す図である。
【図5】 シークエンスを指定するためのユーザインタ
フェース画面の表示例を示す図である。
【図6】 シークエンス対応関係の登録のためのユーザ
インタフェース画面の別の表示例を示す図である。
【図7】 記憶装置に登録されたシークエンス(と指示
内容)の対応関係の情報の一例を示す図である。
【図8】 距離認識可能なRFIDを用いた場合の、R
FIDの存在距離範囲の区分の一例を示す図である。
【図9】 各ユーザごとに、シークエンス(と指示内
容)の対応関係を登録したデータベースの例を示す図で
ある。
【符号の説明】
100 コントローラ、102 アンテナ、103 コ
ンピュータ、104記憶装置、105 スピーカ、10
6 リング。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ユーザが保持又は装着する指示子と、 所定の配置パターンで配置され、前記指示子が自己の感
    度領域内に入るとそれを感知する複数の受感部と、 前記各受感部が前記指示子を感知したシークエンスか
    ら、実行すべき処理を決定する処理判定部と、 を備える指示入力システム。
  2. 【請求項2】 ユーザが保持又は装着する指示子と、 前記指示子が自己の感度領域内に入るとそれを感知する
    受感部と、 前記受感部が出力する前記指示子の感知信号のパターン
    から、実行すべき処理を決定する処理判定部と、 を備える指示入力システム。
  3. 【請求項3】 前記受感部が前記指示子を感知したこと
    をユーザに報知する受感報知手段を更に備えることを特
    徴とする請求項1又は請求項2記載の指示入力システ
    ム。
  4. 【請求項4】 前記受感報知手段は、前記指示子を感知
    した受感部を識別可能な態様で報知を行うことを特徴と
    する請求項3記載の指示入力システム。
  5. 【請求項5】 前記複数の受感部のうち、基準となる受
    感部を他と区別可能な形態としたことを特徴とする請求
    項1記載の指示入力システム。
  6. 【請求項6】 前記感知シークエンス又は前記感知信号
    パターンとそれに対応する処理との対応関係を記憶する
    対応関係記憶手段を備え、 前記処理判定部は、実際に得られた感知シークエンス又
    は感知信号パターンに対応する処理をその対応関係記憶
    手段を参照して決定する、 請求項1又は請求項2記載の指示入力システム。
  7. 【請求項7】 感知シークエンス又は感知信号パターン
    と処理との可能な対応関係を複数個ユーザに提示し、そ
    の中でユーザが選択した1以上の対応関係を前記対応関
    係記憶手段に登録する手段を備える請求項6記載の指示
    入力システム。
  8. 【請求項8】 前記対応関係記憶手段に登録する感知シ
    ークエンス又は感知信号パターンを、前記受感部に対し
    て前記指示子を用いて入力可能としたことを特徴とする
    請求項6記載の指示入力システム。
  9. 【請求項9】 前記受感部で得られた前記感知シークエ
    ンス又は感知信号パターンに対応して実行される前記処
    理は、その感知シークエンス又は感知信号パターンに対
    応して予め登録された指示内容を、第三者に報せる処理
    であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の指
    示入力システム。
  10. 【請求項10】 前記指示子はRFIDであり、前記受
    感部は前記RFIDを感知してそのID情報を取得し前
    記処理判定部に通知するRFIDリーダであり、 前記各RFIDのID情報ごとに、前記感知シークエン
    ス又は前記感知信号パターンとそれに対応する処理との
    対応関係を記憶した対応関係記憶部を備え、 前記処理判定部は、前記対応関係記憶部に記憶された前
    記対応関係のうち、前記受感部から通知されたID情報
    に対応する対応関係に基づき、前記感知シークエンス又
    は感知信号パターンに対応する処理を決定する、 請求項1又は請求項2記載の指示入力システム。
  11. 【請求項11】 前記指示子は、前記感知シークエンス
    又は前記感知信号パターンとそれに対応する処理との対
    応関係の情報を記憶したRFIDであり、 前記受感部は、前記RFIDを感知して前記対応関係の
    情報を取得し前記処理判定部に通知するRFIDリーダ
    であり、 前記処理判定部は、前記受感部で取得された対応関係の
    情報に基づき、前記感知シークエンス又は感知信号パタ
    ーンに対応する処理を決定する、 請求項1又は請求項2記載の指示入力システム。
  12. 【請求項12】 前記指示子は、通信距離の異なる複数
    のアンテナを備えるRFIDであり、 前記受感部は、前記RFIDの複数のアンテナからの応
    答波のうちいずれを感知したかにより、そのRFIDリ
    ーダからみたそのRFIDの存在距離範囲を識別し、前
    記感知信号としてその識別結果を示す信号を出力するR
    FIDリーダである、請求項2記載の指示入力システ
    ム。
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