JP2001305952A - 粒子の挙動実験観察装置及びその実験観察方法 - Google Patents
粒子の挙動実験観察装置及びその実験観察方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 液体中で粒径の異なる粒子の挙動を実験観察
する際、自然界の砂を用いると、実験に適切な粒子が得
られず、また粒径・形状が一定しないので、実験の再現
性が少なくなる。更に、液状化現象を簡単に再現する手
段がなかった。 【解決手段】 ペットボトル1等の透明容器に、ガラス
ビーズ等の工業的に均一の粒径に生産できる大径の第1
の粒子4と、小径の第2の粒子5の組み合わせにより粒
子の挙動実験観察装置とする。実験に際しては、ペット
ボトル1内に第1粒子4と第2粒子5を入れ適当量の水
2を入れて蓋をし、これを撹拌混合した後に静置する
と、大径の第1の粒子が先に沈み、粒子の沈降と分級の
過程を観察できる。第2の粒子も沈降して静止すると、
粒子の成層構造が観察される。その後この容器に振動を
加えると第1の粒子と第2の粒子が液体状に流動する液
状化現象、噴砂現象が観察される。
する際、自然界の砂を用いると、実験に適切な粒子が得
られず、また粒径・形状が一定しないので、実験の再現
性が少なくなる。更に、液状化現象を簡単に再現する手
段がなかった。 【解決手段】 ペットボトル1等の透明容器に、ガラス
ビーズ等の工業的に均一の粒径に生産できる大径の第1
の粒子4と、小径の第2の粒子5の組み合わせにより粒
子の挙動実験観察装置とする。実験に際しては、ペット
ボトル1内に第1粒子4と第2粒子5を入れ適当量の水
2を入れて蓋をし、これを撹拌混合した後に静置する
と、大径の第1の粒子が先に沈み、粒子の沈降と分級の
過程を観察できる。第2の粒子も沈降して静止すると、
粒子の成層構造が観察される。その後この容器に振動を
加えると第1の粒子と第2の粒子が液体状に流動する液
状化現象、噴砂現象が観察される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば水の中で砂
等が沈降、堆積し、その後の振動で流動化する等、自然
現象の中で認められる流体中の粒子の挙動について、こ
れを明瞭に理解できるように実験、観察を行うための、
粒子の挙動実験観察装置、及びその事件観察方法に関す
る。
等が沈降、堆積し、その後の振動で流動化する等、自然
現象の中で認められる流体中の粒子の挙動について、こ
れを明瞭に理解できるように実験、観察を行うための、
粒子の挙動実験観察装置、及びその事件観察方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】自然現象の中で、液体中に粒径が異なる
粒子が混合し、これが攪拌されるとき、各種の条件の相
違によりその沈降する過程から成層する過程の粒子の挙
動が異なり、最終的には粒径の小さなものほど上層とな
る成層化現象を生じ、また成層化後に振動を与えたと
き、成層化した粒子は特有の挙動を行うことが知られて
いる。
粒子が混合し、これが攪拌されるとき、各種の条件の相
違によりその沈降する過程から成層する過程の粒子の挙
動が異なり、最終的には粒径の小さなものほど上層とな
る成層化現象を生じ、また成層化後に振動を与えたと
き、成層化した粒子は特有の挙動を行うことが知られて
いる。
【0003】このような粒子の挙動を正確に知ること
は、地質の形成過程を知る上で、また、既に形成された
土地の特性を知る上で重要なことである。特に、土地に
液体分が含まれているとき、振動によって地盤が液体状
になる液状化現象、下方の砂が地表に吹き上げる噴砂現
象等を生じることが知られており、大地震の際には実際
にこれらの現象が発生し、それにより大きな被害を及ぼ
すことが広く報道され、知られている。
は、地質の形成過程を知る上で、また、既に形成された
土地の特性を知る上で重要なことである。特に、土地に
液体分が含まれているとき、振動によって地盤が液体状
になる液状化現象、下方の砂が地表に吹き上げる噴砂現
象等を生じることが知られており、大地震の際には実際
にこれらの現象が発生し、それにより大きな被害を及ぼ
すことが広く報道され、知られている。
【0004】また、地上における土石流と同様に、海底
でも砕屑物と海水が混じり合って海底土石流が起こる。
これらの重力によって流れ下る流れを重力流と呼ぶが、
重力流のうち一般的なものである混濁流は流れながら分
級し、混濁流による堆積物(タービナイト)は、粗流堆
積物(砂岩など)から細粒堆積物(泥岩など)へ級化す
る事を特徴とする。混濁流が繰り返し起こることで級化
した地層が積層し、さらに続成をうけて岩石となると、
砂岩と泥岩との積層構造となる。また、この地層構造が
地表に現れ、浸食されたときには両岩の浸食のされ方の
違いから鬼の洗濯岩と呼ばれるような景観を生じること
となる。このような景観をつくる地層の形成機構を考え
るためにも、液体中の粒子の挙動を知ることは重要であ
る。
でも砕屑物と海水が混じり合って海底土石流が起こる。
これらの重力によって流れ下る流れを重力流と呼ぶが、
重力流のうち一般的なものである混濁流は流れながら分
級し、混濁流による堆積物(タービナイト)は、粗流堆
積物(砂岩など)から細粒堆積物(泥岩など)へ級化す
る事を特徴とする。混濁流が繰り返し起こることで級化
した地層が積層し、さらに続成をうけて岩石となると、
砂岩と泥岩との積層構造となる。また、この地層構造が
地表に現れ、浸食されたときには両岩の浸食のされ方の
違いから鬼の洗濯岩と呼ばれるような景観を生じること
となる。このような景観をつくる地層の形成機構を考え
るためにも、液体中の粒子の挙動を知ることは重要であ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、液体中
に粒径が異なる粒子が混合したものを攪拌した状態から
沈降し成層化する成層化現象、また、このようにして成
層化した状態で振動を与えると液状化現象や噴砂現象等
を生じることはよく知られているが、これらの現象を明
瞭に実験、観察するための手軽な装置が存在せず、特に
液状化現象や噴砂現象を一目で理解する装置が存在しな
かった。
に粒径が異なる粒子が混合したものを攪拌した状態から
沈降し成層化する成層化現象、また、このようにして成
層化した状態で振動を与えると液状化現象や噴砂現象等
を生じることはよく知られているが、これらの現象を明
瞭に実験、観察するための手軽な装置が存在せず、特に
液状化現象や噴砂現象を一目で理解する装置が存在しな
かった。
【0006】即ち、従来例えば上記成層過程を知るため
には、自然界に存在する砂を用いることにより、これを
水の入った透明容器に入れて攪拌し、時間の経過と共に
粒径の大きな砂が先に沈降し、粒径の小さな砂ほど後で
沈降していく過程を観察することが行われる。しかしな
がら、上記のように水の中に入れるものは自然界の砂で
あるため、粒径が多様であって一定せず、且つ粒径の大
きさの割合も多様であるため、単に粒径の大きな砂が先
に沈降する程度の観察はできるものの、どのような粒径
の砂がどのようにして沈降し、また、他の粒径の砂と混
合されているときどのような沈降過程となるのか、さら
には粒径の異なる砂の混合割合によってどのように変化
するのか等を知ることは困難である。
には、自然界に存在する砂を用いることにより、これを
水の入った透明容器に入れて攪拌し、時間の経過と共に
粒径の大きな砂が先に沈降し、粒径の小さな砂ほど後で
沈降していく過程を観察することが行われる。しかしな
がら、上記のように水の中に入れるものは自然界の砂で
あるため、粒径が多様であって一定せず、且つ粒径の大
きさの割合も多様であるため、単に粒径の大きな砂が先
に沈降する程度の観察はできるものの、どのような粒径
の砂がどのようにして沈降し、また、他の粒径の砂と混
合されているときどのような沈降過程となるのか、さら
には粒径の異なる砂の混合割合によってどのように変化
するのか等を知ることは困難である。
【0007】特に、一つの装置でこのような実験を行
い、その後内部の砂等を廃棄してしまった後に同様の実
験を行う時、あるいは別の研究者が別の所で同じ実験を
行うときには、その実験装置において使用される粒子
は、粒径、混合割合とも同じでなければならないが、自
然界の砂を使っている場合は極めて困難であり、したが
って広範囲の実験設備で長期間繰り返し実験を行う際の
再現性が薄かった。また、自然界の砂を用いる際に、フ
ィルタにより一定の粒径の砂を選別して使用することも
考えられるが、自然界の砂はその微細形状を見ると全て
異なり、したがって如何にフィルタにかけても、少なく
とも一定の形状のものを得ることができず、厳密な実験
の再現性はなかった。そのため、地質学等の分野におい
て、この種の実験、観察を定量的に行う研究の進展の阻
害要因となっていた。
い、その後内部の砂等を廃棄してしまった後に同様の実
験を行う時、あるいは別の研究者が別の所で同じ実験を
行うときには、その実験装置において使用される粒子
は、粒径、混合割合とも同じでなければならないが、自
然界の砂を使っている場合は極めて困難であり、したが
って広範囲の実験設備で長期間繰り返し実験を行う際の
再現性が薄かった。また、自然界の砂を用いる際に、フ
ィルタにより一定の粒径の砂を選別して使用することも
考えられるが、自然界の砂はその微細形状を見ると全て
異なり、したがって如何にフィルタにかけても、少なく
とも一定の形状のものを得ることができず、厳密な実験
の再現性はなかった。そのため、地質学等の分野におい
て、この種の実験、観察を定量的に行う研究の進展の阻
害要因となっていた。
【0008】また、例えば学校において上記のような現
象を概略理解するために実験を行う際、自然界の砂を用
いて実験観察する場合においては、その現象を明瞭に理
解するため適度の粒径で、適度に粒径が異なる砂を集め
ることは困難である。更に、粒径が特に小さな砂を集め
る際には粘土が混入する場合が多く、粘土が混入した場
合には水が濁って観察しにくいばかりでなく、粘土が沈
殿するまでに多くの時間がかかり、所定の時間内に実
験、観察を繰り返すことができないという問題もある。
象を概略理解するために実験を行う際、自然界の砂を用
いて実験観察する場合においては、その現象を明瞭に理
解するため適度の粒径で、適度に粒径が異なる砂を集め
ることは困難である。更に、粒径が特に小さな砂を集め
る際には粘土が混入する場合が多く、粘土が混入した場
合には水が濁って観察しにくいばかりでなく、粘土が沈
殿するまでに多くの時間がかかり、所定の時間内に実
験、観察を繰り返すことができないという問題もある。
【0009】したがって、本発明は、流体中の粒子の挙
動、各種の現象を簡単な装置により、容易に、また明瞭
に、しかも再現性よく実験、観察を行うことができる粒
子の挙動実験観察装置、及びその実験観察方法を提供す
ることを目的とする。
動、各種の現象を簡単な装置により、容易に、また明瞭
に、しかも再現性よく実験、観察を行うことができる粒
子の挙動実験観察装置、及びその実験観察方法を提供す
ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1に係る発
明は、上記課題を解決するため、 透明容器と、工業的
に均一の粒径に生産できる第1の粒子と、前記第1の粒
子と粒径の異なる工業的に均一の粒径に生産できる第2
の粒子と、前記容器に入れる流体との組み合わせからな
ることを特徴とする粒子の挙動実験観察装置としたもの
である。
明は、上記課題を解決するため、 透明容器と、工業的
に均一の粒径に生産できる第1の粒子と、前記第1の粒
子と粒径の異なる工業的に均一の粒径に生産できる第2
の粒子と、前記容器に入れる流体との組み合わせからな
ることを特徴とする粒子の挙動実験観察装置としたもの
である。
【0011】また、請求項2に係る発明は、前記流体は
前記各粒子より比重の小さな液体である請求項1記載の
粒子の挙動実験観察装置としたものである。
前記各粒子より比重の小さな液体である請求項1記載の
粒子の挙動実験観察装置としたものである。
【0012】また、請求項3に係る発明は、前記粒子は
ガラスの球状物である請求項1または請求項2記載の粒
子の挙動実験観察装置としたものである。
ガラスの球状物である請求項1または請求項2記載の粒
子の挙動実験観察装置としたものである。
【0013】また、請求項4に係る発明は、前記第1の
粒子と第2の粒子の少なくともいずれかが他の粒子とは
異なる色に着色している請求項1乃至請求項3のいずれ
か一つに記載の粒子の挙動実験観察装置としたものであ
る。
粒子と第2の粒子の少なくともいずれかが他の粒子とは
異なる色に着色している請求項1乃至請求項3のいずれ
か一つに記載の粒子の挙動実験観察装置としたものであ
る。
【0014】また、請求項5に係る発明は、透明容器内
に、工業的に均一の粒径に生産できる第1の粒子と、前
記第1の粒子と粒径の異なる工業的に均一の粒径に生産
できる第2の粒子と、流体とを入れ、混合撹拌した後静
置し、前記容器内の粒子が静止するまでの挙動、あるい
は静止後の粒子の状態を観察することを特徴とする粒子
の挙動実験観察方法としたものである。
に、工業的に均一の粒径に生産できる第1の粒子と、前
記第1の粒子と粒径の異なる工業的に均一の粒径に生産
できる第2の粒子と、流体とを入れ、混合撹拌した後静
置し、前記容器内の粒子が静止するまでの挙動、あるい
は静止後の粒子の状態を観察することを特徴とする粒子
の挙動実験観察方法としたものである。
【0015】また、請求項6に係る発明は、前記透明容
器内に前記各粒子より比重の小さな液体を、前記第1の
粒子と、第2の粒子と共に入れ、混合撹拌した後静置
し、容器内の粒子が静止するまでの粒子の沈降、分級の
挙動、あるいは静止後の粒子の成層構造を観察する請求
項5記載の粒子の挙動実験観察方法としたものである。
器内に前記各粒子より比重の小さな液体を、前記第1の
粒子と、第2の粒子と共に入れ、混合撹拌した後静置
し、容器内の粒子が静止するまでの粒子の沈降、分級の
挙動、あるいは静止後の粒子の成層構造を観察する請求
項5記載の粒子の挙動実験観察方法としたものである。
【0016】また、請求項7に係る発明は、前記透明容
器内に前記各粒子より比重の小さな液体を、前記第1の
粒子と、第2の粒子と共に入れ、混合撹拌した後静置
し、容器内の粒子が静止し成層化した後、前記容器を加
振し、容器内の粒子の挙動、あるいは静止後の粒子の状
態を観察する請求項5記載の粒子の挙動実験観察方法と
したものである。
器内に前記各粒子より比重の小さな液体を、前記第1の
粒子と、第2の粒子と共に入れ、混合撹拌した後静置
し、容器内の粒子が静止し成層化した後、前記容器を加
振し、容器内の粒子の挙動、あるいは静止後の粒子の状
態を観察する請求項5記載の粒子の挙動実験観察方法と
したものである。
【0017】また、請求項8に係る発明は、前記粒子の
挙動、あるいは静止後の粒子の状態の観察が、粒子の液
状化現象である請求項7記載の粒子の挙動実験観察方法
としたものである。
挙動、あるいは静止後の粒子の状態の観察が、粒子の液
状化現象である請求項7記載の粒子の挙動実験観察方法
としたものである。
【0018】また、請求項9に係る発明は、前記粒子の
挙動、あるいは静止後の粒子の状態の観察が、粒子の噴
砂現象である請求項7記載の粒子の挙動実験観察方法と
したものである。
挙動、あるいは静止後の粒子の状態の観察が、粒子の噴
砂現象である請求項7記載の粒子の挙動実験観察方法と
したものである。
【0019】また、請求項10に係る発明は、前記粒子
の挙動、あるいは静止後の粒子の状態の観察が、粒子の
圧密現象である請求項7記載の粒子の挙動実験観察方法
としたものである。
の挙動、あるいは静止後の粒子の状態の観察が、粒子の
圧密現象である請求項7記載の粒子の挙動実験観察方法
としたものである。
【0020】また、請求項11に係る発明は、前記第1
の粒子と第2の粒子の粒径の組み合わせを変更して複数
回前記観察を行い比較することを特徴とする請求項5乃
至請求項10のいずれか一つに記載の粒子の挙動実験観
察方法としたものである。
の粒子と第2の粒子の粒径の組み合わせを変更して複数
回前記観察を行い比較することを特徴とする請求項5乃
至請求項10のいずれか一つに記載の粒子の挙動実験観
察方法としたものである。
【0021】また、請求項12に係る発明は、前記容器
内の流体が空気のみのときと、液体を入れたときの観察
を行い比較する請求項5乃至請求項11のいずれか一つ
に記載の粒子の挙動実験観察方法としたものである。
内の流体が空気のみのときと、液体を入れたときの観察
を行い比較する請求項5乃至請求項11のいずれか一つ
に記載の粒子の挙動実験観察方法としたものである。
【0022】また、請求項13に係る発明は、粘性の異
なる複数種類の液体を用い、各流体の種類別に前記観察
を行い比較することを特徴とする請求項6乃至請求項1
2のいずれか一つに記載の粒子の挙動実験観察方法とし
たものである。
なる複数種類の液体を用い、各流体の種類別に前記観察
を行い比較することを特徴とする請求項6乃至請求項1
2のいずれか一つに記載の粒子の挙動実験観察方法とし
たものである。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の実施例を図面に沿って説
明する。図1は本発明の実験観察に使用する器具類のセ
ットであり、(a)は透明な柱状容器としての空のペッ
トボトル1であり、500ml程度のものが用いられ
る。このペットボトル1に対して予め、あるいは後述す
るように、粒子を入れた後に入れられる同図(b)に示
すような適宜の量の水2が用いられる。その水2の量
は、例えばペットボトルに後述するような粒子を入れ、
その後この容器が満たされるだけの水を入れる。少なく
とも、全ての粒子が沈んだ後に、水面が粒子の層の上部
に位置している量とする。但し、本発明を説明する図面
において内部の水の状態を図示し易いように、図中の例
においては水が容器の略中間程度の状態のものを示して
いる。
明する。図1は本発明の実験観察に使用する器具類のセ
ットであり、(a)は透明な柱状容器としての空のペッ
トボトル1であり、500ml程度のものが用いられ
る。このペットボトル1に対して予め、あるいは後述す
るように、粒子を入れた後に入れられる同図(b)に示
すような適宜の量の水2が用いられる。その水2の量
は、例えばペットボトルに後述するような粒子を入れ、
その後この容器が満たされるだけの水を入れる。少なく
とも、全ての粒子が沈んだ後に、水面が粒子の層の上部
に位置している量とする。但し、本発明を説明する図面
において内部の水の状態を図示し易いように、図中の例
においては水が容器の略中間程度の状態のものを示して
いる。
【0024】本実施例においては、透明な柱状容器とし
て多くの人がいつでも容易に入手できる透明ペットボト
ルを用いる例を示しているが、透明な柱状容器であれ
ば、他の透明プラスチック容器や透明ガラス容器等を使
用することもでき、また、前記種々の容器について、任
意の大きさのものを選択することができる。
て多くの人がいつでも容易に入手できる透明ペットボト
ルを用いる例を示しているが、透明な柱状容器であれ
ば、他の透明プラスチック容器や透明ガラス容器等を使
用することもでき、また、前記種々の容器について、任
意の大きさのものを選択することができる。
【0025】図1(c)に示す実施例においては、コッ
プ等任意の容器3に対し、後述する第1の粒状物として
の第1粒子4を用意し、また、同様に同図(d)に示す
ような前記第1粒子よりは粒径の小さな第2粒子5を用
意する。これらの粒子は例えばガラスビーズ等工業的に
均一の粒径に生産できる粒状物を用いる。本発明に用い
る前記工業的に均一の粒径に生産できる粒状物として
は、上記のようなガラスビーズに限らず、ガラス製の粒
子状球体や、他の素材からなるビーズ及びそれらの粒子
状球体等種々のものを用いることができる。但し、その
素材はペットボトル等の容器内に入れる流体より比重が
軽い場合は流体中に浮いてしまうので、その流体より比
重の大きなものを用いる必要がある。また、その粒状物
は着色したものを用いることもでき、その際には、前記
粒径の異なる粒子毎に異なる色のものを用いることが好
ましい。
プ等任意の容器3に対し、後述する第1の粒状物として
の第1粒子4を用意し、また、同様に同図(d)に示す
ような前記第1粒子よりは粒径の小さな第2粒子5を用
意する。これらの粒子は例えばガラスビーズ等工業的に
均一の粒径に生産できる粒状物を用いる。本発明に用い
る前記工業的に均一の粒径に生産できる粒状物として
は、上記のようなガラスビーズに限らず、ガラス製の粒
子状球体や、他の素材からなるビーズ及びそれらの粒子
状球体等種々のものを用いることができる。但し、その
素材はペットボトル等の容器内に入れる流体より比重が
軽い場合は流体中に浮いてしまうので、その流体より比
重の大きなものを用いる必要がある。また、その粒状物
は着色したものを用いることもでき、その際には、前記
粒径の異なる粒子毎に異なる色のものを用いることが好
ましい。
【0026】更に本発明に用いる工業的に均一の粒径に
生産できる粒状物としては、上記のような球形のものに
限らず、例えばカーボンランダムのような角ばったもの
を用いることができ、また工業的に一定の大きさに生産
することができるならば雲母のような薄板状のものを用
いることもできる。また、上記のような粒子は、前記の
ように粒径の異なる第1粒子4と第2粒子5共に同じ素
材を使用ても良いが、各々別の素材とすることもでき、
例えば第1粒子4としてガラスビーズを用い、第2粒子
5としてカーボンランダムを用いる等、任意のものを選
択でき、その際には、用いる素材の違いによる粒子の挙
動の相違についての実験観察を行うことができる。
生産できる粒状物としては、上記のような球形のものに
限らず、例えばカーボンランダムのような角ばったもの
を用いることができ、また工業的に一定の大きさに生産
することができるならば雲母のような薄板状のものを用
いることもできる。また、上記のような粒子は、前記の
ように粒径の異なる第1粒子4と第2粒子5共に同じ素
材を使用ても良いが、各々別の素材とすることもでき、
例えば第1粒子4としてガラスビーズを用い、第2粒子
5としてカーボンランダムを用いる等、任意のものを選
択でき、その際には、用いる素材の違いによる粒子の挙
動の相違についての実験観察を行うことができる。
【0027】また、上記実施例において、ペットボトル
等の容器内に水を入れた例を示したが、容器内に入れる
流体としては上記水以外に油等任意の粘性を有する液体
を入れることができ、またその際には、粒子の挙動が液
体の粘性とどのような関係となっているかを観察するこ
ともできる。更に、液体中の粒子の挙動観察の比較例と
して、容器内に液体を入れず、空気だけを入れて実験を
行い、各種液体中の挙動との比較を行うという態様も存
在する。
等の容器内に水を入れた例を示したが、容器内に入れる
流体としては上記水以外に油等任意の粘性を有する液体
を入れることができ、またその際には、粒子の挙動が液
体の粘性とどのような関係となっているかを観察するこ
ともできる。更に、液体中の粒子の挙動観察の比較例と
して、容器内に液体を入れず、空気だけを入れて実験を
行い、各種液体中の挙動との比較を行うという態様も存
在する。
【0028】本発明においては上記のような透明容器と
してのペットボトル1、大小粒径の異なる第1粒子4,
第2粒子5、及び予めペットボトル1に入れておくか、
ペットボトル1に前記粒子を入れた後に注入する流体と
しての水2により実験観察装置が構成されるものである
が、これを用いて実際に実験、観察を行うには次のよう
にしてなされる。即ち、最初空のペットボトル1に第1
粒子4及び第2粒子5を入れ、その後容器を満たすだ
け、あるいは適宜の量の水を注入する。なお、このとき
第1粒子4及び第2粒子を入れる順序はいずれでも良
く、また、水2についても前記のとおりペットボトル1
に予め適当な量だけ水を入れておくこともできる。
してのペットボトル1、大小粒径の異なる第1粒子4,
第2粒子5、及び予めペットボトル1に入れておくか、
ペットボトル1に前記粒子を入れた後に注入する流体と
しての水2により実験観察装置が構成されるものである
が、これを用いて実際に実験、観察を行うには次のよう
にしてなされる。即ち、最初空のペットボトル1に第1
粒子4及び第2粒子5を入れ、その後容器を満たすだ
け、あるいは適宜の量の水を注入する。なお、このとき
第1粒子4及び第2粒子を入れる順序はいずれでも良
く、また、水2についても前記のとおりペットボトル1
に予め適当な量だけ水を入れておくこともできる。
【0029】このようにして全てのものをペットボトル
内に入れた後、蓋6をしてペットボトル全体を前後左
右、あるいは逆さにする等によって内部のものをよく攪
拌する。この攪拌直後の状態は図2(a)に示され、第
1粒子4及び第2粒子5は内部でランダムな位置で、攪
拌により流動している水と共に流動している。
内に入れた後、蓋6をしてペットボトル全体を前後左
右、あるいは逆さにする等によって内部のものをよく攪
拌する。この攪拌直後の状態は図2(a)に示され、第
1粒子4及び第2粒子5は内部でランダムな位置で、攪
拌により流動している水と共に流動している。
【0030】その後、時間と共に内部の粒子は沈降する
が、図2(b)に示すように、最初は粒径の大きな第1
粒子4から先に沈降し、ここで大径の粒子と小径の粒子
の分級の過程を観察することができる。その後、流体の
流動の沈静化と共に第2粒子5も完全に沈降し、図2
(c)の状態となり、下方に粒径の大きな第1粒子4の
層7が形成され、その上に粒径の小さな第2粒子5の層
8が形成されるという、粒子の成層構造を観察すること
ができる。
が、図2(b)に示すように、最初は粒径の大きな第1
粒子4から先に沈降し、ここで大径の粒子と小径の粒子
の分級の過程を観察することができる。その後、流体の
流動の沈静化と共に第2粒子5も完全に沈降し、図2
(c)の状態となり、下方に粒径の大きな第1粒子4の
層7が形成され、その上に粒径の小さな第2粒子5の層
8が形成されるという、粒子の成層構造を観察すること
ができる。
【0031】従来より、水の入った透明容器に砂等を入
れ、これをかき混ぜた後に上記と同様の粒子の沈降、分
級、成層構造の形成を実験、観察することは行われてき
たが、本発明においては特に、ガラスビーズ等の工業的
に均一の粒径に生産できる粒状物を用いているので、実
験に使用する粒子の径が極めて均等なものを必要な量だ
け用いることができる。また、その材料の入手が容易で
あると共に、自然界の砂等を用いることがないので、例
えばどこの国においてもいつでも同じ条件で実験を行う
ことができ、実験の再現性が高くなるため、この種の実
験による各種現象の定量化が容易となり、この分野の研
究開発の進展に寄与することができる。
れ、これをかき混ぜた後に上記と同様の粒子の沈降、分
級、成層構造の形成を実験、観察することは行われてき
たが、本発明においては特に、ガラスビーズ等の工業的
に均一の粒径に生産できる粒状物を用いているので、実
験に使用する粒子の径が極めて均等なものを必要な量だ
け用いることができる。また、その材料の入手が容易で
あると共に、自然界の砂等を用いることがないので、例
えばどこの国においてもいつでも同じ条件で実験を行う
ことができ、実験の再現性が高くなるため、この種の実
験による各種現象の定量化が容易となり、この分野の研
究開発の進展に寄与することができる。
【0032】また、学校等での実験に際しても、実験に
適した砂を探す必要が無くなり、実験教材の入手が容易
となるので、多くの学校で容易に実験を行うことがで
き、更に従来の自然のそのままの土や砂を用いるときの
ような水の汚れもなくなり、更に粘土が存在するとき
に、その沈殿に多くの時間を要し、所定の時間内に多く
の実験を行うことができない等の問題も解決することが
できる。特に、現在は直径0.1mm程度のガラスの球
体等、所定の径の球体が大量に、且つ安価に提供されて
おり、これらを用いることにより、種々の態様の実験を
行うことができる。
適した砂を探す必要が無くなり、実験教材の入手が容易
となるので、多くの学校で容易に実験を行うことがで
き、更に従来の自然のそのままの土や砂を用いるときの
ような水の汚れもなくなり、更に粘土が存在するとき
に、その沈殿に多くの時間を要し、所定の時間内に多く
の実験を行うことができない等の問題も解決することが
できる。特に、現在は直径0.1mm程度のガラスの球
体等、所定の径の球体が大量に、且つ安価に提供されて
おり、これらを用いることにより、種々の態様の実験を
行うことができる。
【0033】一方、上記図2(c)のように成層構造と
なった容器に軽く振動を与えると、振動により第1粒子
4同士の接触がはずれて粒子の層全体が液体のように流
動する、液状化現象が生ずる。上記実験観察において
は、液状化現象が生じ、粒子の層がゆらゆらと揺れる状
態を実験観察することができる。
なった容器に軽く振動を与えると、振動により第1粒子
4同士の接触がはずれて粒子の層全体が液体のように流
動する、液状化現象が生ずる。上記実験観察において
は、液状化現象が生じ、粒子の層がゆらゆらと揺れる状
態を実験観察することができる。
【0034】また、上記図2(c)のように成層構造と
なった容器に対して軽く振動を与え続けると、液状化現
象の発生に引き続いて、下の層にある大径の第1粒子4
が水と共に上方にある小径の第2粒子5の層を突き抜け
て吹き上がる、噴砂現象を観察することができる。この
噴砂現象は、下方の第1粒子4の粒子間の水がその上方
の第2粒子5などで加圧されている安定状態から、振動
により急激にその状態が崩れるとき、加圧されていた水
が上方に吹き上がり、その際下方の大径の第1粒子4が
水と共に吹き上げられるために生ずると考えられる。
なった容器に対して軽く振動を与え続けると、液状化現
象の発生に引き続いて、下の層にある大径の第1粒子4
が水と共に上方にある小径の第2粒子5の層を突き抜け
て吹き上がる、噴砂現象を観察することができる。この
噴砂現象は、下方の第1粒子4の粒子間の水がその上方
の第2粒子5などで加圧されている安定状態から、振動
により急激にその状態が崩れるとき、加圧されていた水
が上方に吹き上がり、その際下方の大径の第1粒子4が
水と共に吹き上げられるために生ずると考えられる。
【0035】この結果、図3(b)にその拡大図を示す
ように、下層の第1粒子4が上方に吹き上がり、表面上
に盛り上がるように露出する。この状態は容器の中心部
でも生じるが、外周部でも生じるため、透明容器の外周
部からこの動きを観察することができる。また、加振後
における噴砂終了時の粒子の模様、即ち下層の水が吹き
上げることによる下層内部の脱水過程、及びその後の構
造を観察することができる。
ように、下層の第1粒子4が上方に吹き上がり、表面上
に盛り上がるように露出する。この状態は容器の中心部
でも生じるが、外周部でも生じるため、透明容器の外周
部からこの動きを観察することができる。また、加振後
における噴砂終了時の粒子の模様、即ち下層の水が吹き
上げることによる下層内部の脱水過程、及びその後の構
造を観察することができる。
【0036】上記図2(c)の粒子の層の厚さdと、図
3(a)のように液状化現象・噴砂現象が発生して粒子
間の水が上方に抜けたのちの粒子の層の厚さd’を比較
すると、d>d’となる。これは液状化による脱水によ
り、粒子の圧密が起こったためと考えられる。
3(a)のように液状化現象・噴砂現象が発生して粒子
間の水が上方に抜けたのちの粒子の層の厚さd’を比較
すると、d>d’となる。これは液状化による脱水によ
り、粒子の圧密が起こったためと考えられる。
【0037】上記のように、図2(c)に示される成層
化した粒子に対して振動を与えると、液状化現象を生
じ、あるいは噴砂現象を生じることとなるが、その後は
この容器に振動を与えてもこの現象は再現しない。この
ように、上記一連の現象により粒子の圧密が起こり、安
定化した状態となっていることも実験・観察することが
できる。
化した粒子に対して振動を与えると、液状化現象を生
じ、あるいは噴砂現象を生じることとなるが、その後は
この容器に振動を与えてもこの現象は再現しない。この
ように、上記一連の現象により粒子の圧密が起こり、安
定化した状態となっていることも実験・観察することが
できる。
【0038】粒径の異なる粒子の水中の挙動、それによ
り生じる現象の実験・観察は、他の各種の比較実験によ
り、より明確になる。即ち、前記図1のペットボトル1
に大径の第1粒子4と小径の第2粒子5を入れ、容器内
の流体として水を入れることなく空気のみの状態でこれ
を撹拌し、その後このペットボトルを立てて静置する
と、直ちに各粒子は落下するため、各粒子が撹拌された
ままの状態で落下する結果、粒子が分級、層状化するこ
とがないことを観察することができる。
り生じる現象の実験・観察は、他の各種の比較実験によ
り、より明確になる。即ち、前記図1のペットボトル1
に大径の第1粒子4と小径の第2粒子5を入れ、容器内
の流体として水を入れることなく空気のみの状態でこれ
を撹拌し、その後このペットボトルを立てて静置する
と、直ちに各粒子は落下するため、各粒子が撹拌された
ままの状態で落下する結果、粒子が分級、層状化するこ
とがないことを観察することができる。
【0039】このように、各粒子が水の中と空気中とで
はその挙動が異なるのは、空気は水に比べて粘性が著し
く低いため、粒子に対する抵抗が小さく、それ故粒子の
大きさ・形状によらず速く沈降(落下)し、分級が起こ
らず成層構造も発達しないことを示している。
はその挙動が異なるのは、空気は水に比べて粘性が著し
く低いため、粒子に対する抵抗が小さく、それ故粒子の
大きさ・形状によらず速く沈降(落下)し、分級が起こ
らず成層構造も発達しないことを示している。
【0040】一方、水に可溶物質を加えた溶液、水以外
の液体(アルコールや油など)、あるいはそれらの混合
物を使用するときには、純粋な水とは粘性・比重が異な
るため、上記種々の事象に差異が生じることを観察でき
る。また、容器の形状やその大きさ、粒子の種類の組み
合わせ・混合比あるいはその量を変えた場合も、上に述
べた事象が生じる状態に変化がみられる。これらの変化
を観察することにより、自然の中での各種の条件の相違
によって、堆積物粒子の挙動が異なり、堆積結果が異な
ることを知ることができる。
の液体(アルコールや油など)、あるいはそれらの混合
物を使用するときには、純粋な水とは粘性・比重が異な
るため、上記種々の事象に差異が生じることを観察でき
る。また、容器の形状やその大きさ、粒子の種類の組み
合わせ・混合比あるいはその量を変えた場合も、上に述
べた事象が生じる状態に変化がみられる。これらの変化
を観察することにより、自然の中での各種の条件の相違
によって、堆積物粒子の挙動が異なり、堆積結果が異な
ることを知ることができる。
【0041】上記各種現象のうち特に、「粒子の液状化
現象」は大地震の際に大きな被害をもたらす主要な原因
の一部となっており、この装置でこれらの現象を再現す
ることによってその危険性を広く知らしめて地震への対
策を促し、その結果として地震災害の軽減に寄与するこ
とが期待できる。また、労力と時間のかかる野外調査や
大型実験に基づく研究成果として、地質学分野において
は専門知識として知られている上記のような堆積物とし
ての粒子の挙動を簡単に再現することが可能なことか
ら、地質学・地学の定量的な分析研究に寄与することが
でき、また、これらの専門分野に関わる広範囲の教育の
ためにも寄与することができる。
現象」は大地震の際に大きな被害をもたらす主要な原因
の一部となっており、この装置でこれらの現象を再現す
ることによってその危険性を広く知らしめて地震への対
策を促し、その結果として地震災害の軽減に寄与するこ
とが期待できる。また、労力と時間のかかる野外調査や
大型実験に基づく研究成果として、地質学分野において
は専門知識として知られている上記のような堆積物とし
ての粒子の挙動を簡単に再現することが可能なことか
ら、地質学・地学の定量的な分析研究に寄与することが
でき、また、これらの専門分野に関わる広範囲の教育の
ためにも寄与することができる。
【0042】
【発明の効果】本発明は、工業的に均一の粒径に生産で
きる粒子を用い、従来のように自然界の不均一な砂等を
用いる必要が無いので、容易に、また明瞭に、しかも再
現性よく流体中の粒子の挙動、各種の現象の実験、観察
を行うことができる。それにより、地質学分野の専門知
識として知られている堆積物の形成過程を簡単に再現す
ることができる。
きる粒子を用い、従来のように自然界の不均一な砂等を
用いる必要が無いので、容易に、また明瞭に、しかも再
現性よく流体中の粒子の挙動、各種の現象の実験、観察
を行うことができる。それにより、地質学分野の専門知
識として知られている堆積物の形成過程を簡単に再現す
ることができる。
【0043】また、粒子の成層化後に振動を与えること
により粒子の液状化現象、噴砂現象を実験、観察するこ
とができ、それにより大地震の際に大きな被害をもたら
す粒子の液状化等を容易に再現することができ、地震へ
の対策を促す手段とすることができる。
により粒子の液状化現象、噴砂現象を実験、観察するこ
とができ、それにより大地震の際に大きな被害をもたら
す粒子の液状化等を容易に再現することができ、地震へ
の対策を促す手段とすることができる。
【図1】 本発明の粒子の挙動実験観察装置の一実施例
を示す図であり、(a)は容器としてのペットボトルの
正面図、(b)は同ペットボトルに水を入れた状態を示
す断面図、(c)は第1粒子を入れたコップの断面図、
(d)は第2粒子を入れたコップの断面図である。
を示す図であり、(a)は容器としてのペットボトルの
正面図、(b)は同ペットボトルに水を入れた状態を示
す断面図、(c)は第1粒子を入れたコップの断面図、
(d)は第2粒子を入れたコップの断面図である。
【図2】 本発明の粒子の挙動実験観察方法の一実施例
を示し、(a)はペットボトルに第1粒子と第2粒子、
及び水を入れて撹拌混合した状態の断面図、(b)はそ
の後静置して粒子が沈降している状態を示す断面図、
(c)はその後粒子が静止した状態を示す断面図であ
る。
を示し、(a)はペットボトルに第1粒子と第2粒子、
及び水を入れて撹拌混合した状態の断面図、(b)はそ
の後静置して粒子が沈降している状態を示す断面図、
(c)はその後粒子が静止した状態を示す断面図であ
る。
【図3】 本発明の粒子の挙動実験観察方法の他の実施
例を示し、(a)は噴砂現象が発生した状態を示す断面
図、(b)は同一部拡大断面図である。
例を示し、(a)は噴砂現象が発生した状態を示す断面
図、(b)は同一部拡大断面図である。
1 ペットボトル 2 水 3 容器 4 第1粒子 5 第2粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 兼子 尚知 茨城県つくば市東1丁目1番3 工業技術 院地質調査所内 Fターム(参考) 2C032 BC02
Claims (13)
- 【請求項1】 透明容器と、工業的に均一の粒径に生産
できる第1の粒子と、前記第1の粒子と粒径の異なる工
業的に均一の粒径に生産できる第2の粒子と、前記容器
に入れる流体との組み合わせからなることを特徴とする
粒子の挙動実験観察装置。 - 【請求項2】 前記流体は、前記各粒子より比重の小さ
な液体である請求項1記載の粒子の挙動実験観察装置。 - 【請求項3】 前記粒子はガラスの球状物である請求項
1または請求項2記載の粒子の挙動実験観察装置。 - 【請求項4】 前記第1の粒子と第2の粒子の少なくと
もいずれかが他の粒子とは異なる色に着色している請求
項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の粒子の挙動実
験観察装置。 - 【請求項5】 透明容器内に、工業的に均一の粒径に生
産できる第1の粒子と、前記第1の粒子と粒径の異なる
工業的に均一の粒径に生産できる第2の粒子と、流体と
を入れ、混合撹拌した後静置し、前記容器内の粒子が静
止するまでの挙動、あるいは静止後の粒子の状態を観察
することを特徴とする粒子の挙動実験観察方法。 - 【請求項6】 前記透明容器内に前記各粒子より比重の
小さな液体を、前記第1の粒子と、第2の粒子と共に入
れ、混合撹拌した後静置し、容器内の粒子が静止するま
での粒子の沈降、分級の挙動、あるいは静止後の粒子の
成層構造を観察する請求項5記載の粒子の挙動実験観察
方法。 - 【請求項7】 前記透明容器内に前記各粒子より比重の
小さな液体を、前記第1の粒子と、第2の粒子と共に入
れ、混合撹拌した後静置し、容器内の粒子が静止し成層
化した後、前記容器を加振し、容器内の粒子の挙動、あ
るいは静止後の粒子の状態を観察する請求項5記載の粒
子の挙動実験観察方法。 - 【請求項8】 前記粒子の挙動、あるいは静止後の粒子
の状態の観察が、粒子の液状化現象である請求項7記載
の粒子の挙動実験観察方法。 - 【請求項9】 前記粒子の挙動、あるいは静止後の粒子
の状態の観察が、粒子の噴砂現象である請求項7記載の
粒子の挙動実験観察方法。 - 【請求項10】 前記粒子の挙動、あるいは静止後の粒
子の状態の観察が、粒子の圧密現象である請求項7記載
の粒子の挙動実験観察方法。 - 【請求項11】 前記第1の粒子と第2の粒子の粒径の
組み合わせを変更して複数回前記観察を行い比較するこ
とを特徴とする請求項5乃至請求項10のいずれか一つ
に記載の粒子の挙動実験観察方法。 - 【請求項12】 前記容器内の流体が空気のみのとき
と、液体を入れたときの観察を行い比較する請求項5乃
至請求項11のいずれか一つに記載の粒子の挙動実験観
察方法。 - 【請求項13】 粘性の異なる複数種類の液体を用い、
各流体の種類別に前記観察を行い比較することを特徴と
する請求項6乃至請求項12のいずれか一つに記載の粒
子の挙動実験観察方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000121033A JP2001305952A (ja) | 2000-04-21 | 2000-04-21 | 粒子の挙動実験観察装置及びその実験観察方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000121033A JP2001305952A (ja) | 2000-04-21 | 2000-04-21 | 粒子の挙動実験観察装置及びその実験観察方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001305952A true JP2001305952A (ja) | 2001-11-02 |
Family
ID=18631748
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000121033A Pending JP2001305952A (ja) | 2000-04-21 | 2000-04-21 | 粒子の挙動実験観察装置及びその実験観察方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001305952A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008052143A (ja) * | 2006-08-25 | 2008-03-06 | Oyo Jishin Keisoku Kk | ユニット型液状化実験装置 |
CN100543799C (zh) * | 2005-12-15 | 2009-09-23 | 南京大学 | 地质构造变形模拟实验仪 |
CN103778842A (zh) * | 2014-02-27 | 2014-05-07 | 北京铁五院工程机械有限公司 | 专用型沙土液化实验演示系统 |
CN104680892A (zh) * | 2013-11-27 | 2015-06-03 | 颜丙臣 | 可乐雪碧混合等体演示仪 |
CN109493705A (zh) * | 2018-11-13 | 2019-03-19 | 浙江大学 | 用于大型离心机超重力场下的地质构造物理模拟实验装置 |
CN110534005A (zh) * | 2019-09-05 | 2019-12-03 | 山东建筑大学 | 一种土壤液化灾害的模拟演示装置 |
JP2020134668A (ja) * | 2019-02-19 | 2020-08-31 | 順司 山本 | 地球の比重層構造モデル |
-
2000
- 2000-04-21 JP JP2000121033A patent/JP2001305952A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100543799C (zh) * | 2005-12-15 | 2009-09-23 | 南京大学 | 地质构造变形模拟实验仪 |
JP2008052143A (ja) * | 2006-08-25 | 2008-03-06 | Oyo Jishin Keisoku Kk | ユニット型液状化実験装置 |
CN104680892A (zh) * | 2013-11-27 | 2015-06-03 | 颜丙臣 | 可乐雪碧混合等体演示仪 |
CN104680892B (zh) * | 2013-11-27 | 2017-11-03 | 颜丙臣 | 可乐雪碧混合等体演示仪 |
CN103778842A (zh) * | 2014-02-27 | 2014-05-07 | 北京铁五院工程机械有限公司 | 专用型沙土液化实验演示系统 |
CN109493705A (zh) * | 2018-11-13 | 2019-03-19 | 浙江大学 | 用于大型离心机超重力场下的地质构造物理模拟实验装置 |
JP2020134668A (ja) * | 2019-02-19 | 2020-08-31 | 順司 山本 | 地球の比重層構造モデル |
CN110534005A (zh) * | 2019-09-05 | 2019-12-03 | 山东建筑大学 | 一种土壤液化灾害的模拟演示装置 |
CN110534005B (zh) * | 2019-09-05 | 2021-09-14 | 山东建筑大学 | 一种土壤液化灾害的模拟演示装置 |
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