JP2001295903A - 動力伝達リング及びそれを用いた可変径プーリ - Google Patents

動力伝達リング及びそれを用いた可変径プーリ

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JP2001295903A
JP2001295903A JP2000112149A JP2000112149A JP2001295903A JP 2001295903 A JP2001295903 A JP 2001295903A JP 2000112149 A JP2000112149 A JP 2000112149A JP 2000112149 A JP2000112149 A JP 2000112149A JP 2001295903 A JP2001295903 A JP 2001295903A
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ring
resin
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transmission ring
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Masafumi Uota
雅史 魚田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】軌道面の焼き付きが発生し難く、耐摩耗性に優
れるとともに、安定した伝達トルクを発揮し、動力伝達
面に対する攻撃性が少ない動力伝達リング及びそれを用
いた可変径プーリを提供する。 【解決手段】外周面にベルトが巻き掛けられる第1の樹
脂リング31の両側面に、外側面に軌道面32aを有
し、フェノール樹脂に芳香族ポリアミド繊維、非線形無
機充填材及びグラファイトを配合した樹脂材料からなる
第2の樹脂リング32を接合した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、一対のシーブ間
で挟持される動力伝達リング、及びそれを用いた可変径
プーリに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プリーに巻き掛けられたベルトの
有効径(接触径)を変化させることができる可変径プー
リとして、例えば図8に示すように、テーパ状の動力伝
達面101を形成した一対のシーブ100を、その動力
伝達面101どうしを互いに対向させた状態で軸方向に
相対移動自在に設け、外周面にベルトBが巻き掛けられ
た動力伝達リング102を、前記一対の動力伝達面10
1によって両シーブ100の軸心に対して偏心可能に挟
持しているとともに、皿ばね103によって一方のシー
ブ100を他方のシーブ100側へ付勢したものが提供
されている(例えば特開平11−30300号公報参
照)。この種の可変径プーリにおいて、前記動力伝達リ
ング102は、アルミニウム合金等の金属か、或いはポ
リエーテルエーテルケトン(PEEK)、サーモプラス
ティックポリイミド(TPI)、ポリエーテルニトリル
(PEN)等の合成樹脂によって形成されており、その
両側面には、前記動力伝達面101に合致するテーパ状
の軌道面105が形成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の可変径プー
リは、シーブ100の動力伝達面101と動力伝達リン
グ102の軌道面105との間でトルク伝達が行われる
が、両者の接触面積が狭いので、その面圧が非常に高く
なる。しかも、両者の接触はトルク伝達のための転がり
接触と、動力伝達リング102が偏心する際のすべり接
触とが混在した複雑な状態となる。このため、金属製の
動力伝達リング102については、動力伝達面101と
の間で焼き付きが発生し易いという問題がある。また、
合成樹脂製の動力伝達リング102については、前記焼
き付きは発生し難いものの、軌道面105が摩耗し易い
とともに、動力伝達面101に対する攻撃性が強いの
で、動力伝達面101が摩耗し易いという問題があるほ
か、温度によって摩擦係数が変化するので、伝達トルク
が安定しないという問題がある。なお、前記合成樹脂製
の動力伝達リング102に金属リングを埋設して補強す
ることが考えられるが、この場合には、金属リングのコ
ストが高く付くとともに、合成樹脂と金属リングとの密
着不良や剥離等が発生し易くなる。
【0004】この発明は前記問題点に鑑みてなされたも
のであり、焼き付きが発生し難く、耐摩耗性に優れ、伝
達トルクが安定しているとともに、動力伝達面に対する
攻撃性が少ない動力伝達リング及びそれを用いた可変径
プーリを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
のこの発明の動力伝達リングは、互いに対向させた一対
のシーブのそれぞれの側面に形成された動力伝達面によ
って、両シーブの軸心に対して偏心可能に挟持されると
ともに、両側面に前記一対のシーブの動力伝達面にそれ
ぞれ合致するテーパ状の軌道面を有し、外周面にベルト
が巻き掛けられる動力伝達リングにおいて、外周面にベ
ルトが巻き掛けられる第1の樹脂リングの両側面に、フ
ェノール樹脂に芳香族ポリアミド繊維、非線形無機充填
材及びグラファイトを配合した樹脂材料からなるととも
に、外側面に前記軌道面を有する第2の樹脂リングを接
合していることを特徴としている(請求項1)。
【0006】前記の構成の動力伝達リングによれば、軌
道面を有する第2の樹脂リングが、フェノール樹脂に芳
香族ポリアミド繊維、非線形無機充填材及びグラファイ
トを配合した樹脂材料からなるので、シーブの動力伝達
面との間で焼き付きが発生し難いとともに、耐摩耗性に
優れ、伝達トルクが安定し、動力伝達面に対する攻撃性
が少ないものとなる。また、前記第1の樹脂リングと第
2の樹脂リングが共に合成樹脂からなるので、両者を強
固に接合することができる。
【0007】前記動力伝達リングにおいて、樹脂材料中
の芳香族ポリアミド繊維の含有割合は、15〜25重量
%の範囲にあるのが好ましい。15重量%未満では強度
が不足して割れ等を生じるおそれがあり、25重量%を
超えると硬くなり過ぎてシーブの動力伝達面に対する攻
撃性が増加する。また、前記非線形無機充填材の樹脂材
料中における含有割合としては、5〜20重量%の範囲
にあるのが好ましい。5重量%未満では摩擦が大きくな
り、20重量%を超えると脆くなる。さらに、グラファ
イトの樹脂材料に対する含有割合としては、5重量%未
満では滑りが悪くなり、20重量%を超えると脆くなる
ことから5〜20重量%の範囲にあるのが好ましい(請
求項2)。
【0008】前記動力伝達リングにおいて、前記第1の
リングは、フェノール樹脂にポリアミド繊維、ガラス繊
維及びカーボン繊維を配合した樹脂材料からなるのが好
ましい(請求項3)。この場合には、前記第1の樹脂リ
ングと第2の樹脂リングとの接合強度をより強固にする
ことができるとともに、第1の樹脂リングの強度を十分
に確保することができる。
【0009】また、この発明の可変径プーリは、側面に
形成された動力伝達面を互いに対向させた状態で、軸方
向に相対移動自在に設けられた一対のシーブと、前記動
力伝達面によって両シーブの軸心に対して偏心可能に挟
持されているとともに、側面に前記一対のシーブの動力
伝達面と平行なテーパ状の軌道面を有し、外周面にベル
トが巻き掛けられる動力伝達リングと、少なくとも一方
のシーブを他方のシーブ側へ付勢する弾性部材とを備え
る可変径プーリにおいて、前記動力伝達リングが、請求
項1から請求項3の何れかに記載の動力伝達リングから
なることを特徴としている(請求項4)。この可変径プ
ーリによれば、前記動力伝達リングとシーブの動力伝達
面との間で焼き付きが発生し難いとともに、動力伝達リ
ングが耐摩耗性に優れ、伝達トルクが安定し、動力伝達
面に対する攻撃性が少ないものとなる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて、添付図面を参照しながら詳細に説明する。図1
は、この発明の一実施形態にかかる可変径プーリを示す
断面図である。この可変径プーリは、例えば、自動車の
エンジンに設けられたオルタネータ等の補機類を駆動す
るための従動プーリとして使用されるものであり、従動
軸としての回転軸Sと同心に互いに対向させた状態で設
けられた第1のシーブ1及び第2のシーブ2と、外周面
にベルト(Vリブベルト)Bが巻き掛けられ、前記一対
のシーブ1,2によって挟持された動力伝達リング3
と、各シーブ1,2を互いに接近する方向に押圧付勢す
る弾性部材としての皿ばね4と、この皿ばね4を受け止
めるばね押さえ5とによって主要部が構成されている。
【00011】第1のシーブ1は、円形環状の主体部1
1の内周側に筒状のボス12を、外周側に環状のリム1
3をそれぞれ形成したものである。前記ボス12は回転
軸Sの軸線と平行に第2のシーブ2の背面まで延びてお
り、リム13は主体部11の外側に突出している。前記
主体部11の第2のシーブ2に対向する側面には、トル
ク伝達面としてのテーパ状の動力伝達面1aが構成され
ており、この動力伝達面1aに動力伝達リング3の一方
の側面が接触している。前記ボス12は、滑り軸受とし
てのブッシュ14を介して、ばね押さえ5の後述するス
リーブ51に軸方向にスライド自在に嵌合されている。
また、前記リム13には、一方の皿ばね4の外周側を嵌
合する複数の凹部15が円周等配に設けられている(図
2参照)。
【0012】第2のシーブ2は、第1のシーブ1と略対
称形状のものであり、円形環状の主体部21の内周側に
筒状のボス22を、外周側に環状のリム23をそれぞれ
形成している。前記ボス22は回転軸Sの軸線と平行に
延びており、リム23は主体部21の外側に突出してい
る。前記主体部21の第1のシーブ1に対向する側面に
は、トルク伝達面としてのテーパ状の動力伝達面2aが
構成されている。この動力伝達面2aは、第1のシーブ
1の動力伝達面1aとの間でV字状の環状空間を形成す
るように、当該第1のシーブ1の動力伝達面1aと逆向
きのテーパ面からなり、この動力伝達面2aに動力伝達
リング3の他方の側面が接触している。前記ボス22は
滑り軸受としてのブッシュ24を介して、第1のシーブ
1のボス12に軸方向にスライド自在に嵌合されてい
る。また、前記リム23には、他方の皿ばね4の外周側
を嵌合する複数の凹部25が円周等配に設けられている
(図2参照)。なお、前記各シーブ1,2は炭素鋼等の
金属からなり、少なくとも動力伝達面1a,2aを熱処
理によって硬化させている。
【0013】図3も参照して、動力伝達リング3は、ベ
ルトBを巻き掛ける第1の樹脂リング31の両側面に、
第2の樹脂リング32を接合一体化したものである。前
記第1の樹脂リング31の外周側には、内周側よりも幅
の広い環状のベルト巻回部31aが構成されており、こ
のベルト巻回部31aの外周面には、ベルトBの内周面
のリブを導入するためのV溝31cが複数条形成されて
いる。また、前記ベルト巻回部31aの下方の両側部に
は、第1,第2のシーブ1,2の動力伝達面1a,2a
と平行な環状のテーパ面31dが形成されている。前記
第1の樹脂リング31は、フェノール樹脂にポリアミド
繊維、ガラス繊維及びカーボン繊維を配合した樹脂材料
からなるものである。このような樹脂材料は、強度が強
く、第2の樹脂リング32との接着性も良好なものとな
る。
【0014】第2の樹脂リング32は、その外側面に各
シーブ1,2の動力伝達面1a,2aと平行な軌道面3
2aが、内側面に軌道面32aと平行な接合面32bが
それぞれ形成されているものである。前記軌道面32a
の少なくとも円周上の一箇所は、各シーブ1,2の動力
伝達面1a,2aに常時接触しており、接合面32bは
前記第1の樹脂リング31のテーパ面31dに接合され
ている。
【0015】前記第2の樹脂リング32は、フェノール
樹脂に、芳香族ポリアミド繊維、非線形無機充填材及び
グラファイトを配合した樹脂材料からなるものである。
一般にフェノール樹脂は、耐熱性、剛性に優れ、且つ高
温下においても溶融軟化しないという利点を有するもの
の、摩擦係数が極めて高く、滑りを伴う箇所で用いるの
が困難であるとともに、脆いという欠点がある。そこ
で、この実施の形態においては、固体潤滑剤としてグラ
ファイトを配合して、フェノール樹脂の摺動性を向上さ
せているとともに、補強材として芳香族ポリアミド繊維
及び非線形無機充填剤を配合して、フェノール樹脂の脆
さを改善している。
【0016】前記の芳香族ポリアミド繊維は、補強材と
して機械的強度の向上に寄与するだけでなく、耐磨耗性
の向上にも大きな効果を発揮し、さらに、従来のガラス
繊維やカーボン繊維に見られるような、相手部材を磨耗
させる作用も少ない。この芳香族ポリアミド繊維として
は、デュボン社製の商品名ケプラーや商品名ノメツク
ス、及び帝人社製の商品名コーネックスを例示すること
ができる。前記樹脂材料中の芳香族ポリアミド繊維の含
有割合としては、15重量%未満では強度不足で割れ等
を生じるおそれがあり、25重量%を超えると硬くなり
過ぎて各シーブ1,2の動力伝達面1a,2aが磨耗し
易くなることから、15〜25重量%の範囲にあること
が好ましい。
【0017】前記の非線形無機充填剤は、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、シリカ粉未、タルク、クレー、
アルミナ、マイカ及び石こうからなるグループから選ば
れた少なくとも一つのものを含む。非線形無機充填材の
樹脂材料中の含有割合としては、5重量%未満では摩擦
が大きくなり、20重量%を超えると脆くなることか
ら、5〜20重量%の範囲にあるのが好ましい。特に、
前記の非線形無機充填材がタルクであれば、摩擦力の調
整が行い易い点で好ましい。
【0018】添加剤として用いるグラファイトとして
は、例えばCPB30(中超黒鉛工業所製)を例示でき
る。グラファイトの樹脂材料に対する含有割合として
は、5重量%未満では滑りが悪くなり、20重量%を超
えると脆くなることから5〜20重量%の範囲にあるこ
とが好ましい。なお、前記第1の樹脂リング31と第2
の樹脂リング32とは、第2の樹脂リング32をインサ
ート材とするインサート成形によって当該第1の樹脂リ
ング31の成形と同時に一体化されている。
【0019】皿ばね4は、重ね合わせた複数枚を1組と
して、左右に1組ずつ設けられている。この皿ばね4
は、図4及び図5に示すように、外周の等配位置に各シ
ーブ1,2の凹部15,25に合致する複数の凸部41
を形成し、内周から途中部にかけて複数のスリット42
を放射状に形成している。各皿ばね4は、前記凸部41
を各シーブ1,2の凹部15,25に、スリット42を
ばね押さえ5の後述する凸部53にそれぞれ嵌合した状
態で、且つ所定量弾性変形させた状態で、各シーブ1,
2とばね押さえ5との間に介在してあり、これによって
各シーブ1,2が互いに接近する方向に押圧付勢されて
いる。
【0020】ばね押さえ5は、前記第1のシーブ1を嵌
合したスリーブ51と、このスリーブ51の両端部にそ
れぞれ設けられた一対の円板状の押さえ板52とからな
り、この一対の押さえ板52は、各シーブ1,2の背面
側に配置されている。また、一方の押さえ板52はスリ
ーブ51と一体形成されており、他方の押さえ板52は
スリーブ51の端部にボルト止めされている。さらに、
前記押さえ板52の外周側には、皿ばね4のスリット4
2を嵌合するための凸部53が、円周等配に設けられて
いる。なお、前記スリーブ51は、補機類の回転軸Sに
対してトルクを伝達できるように、当該回転軸Sにキー
54を用いて一体回転可能に嵌合されている。
【0021】前記可変径プーリは、ベルトBの駆動力を
動力伝達リング3、各シーブ1,2、皿ばね4、及びば
ね押さえ5を介して回転軸Sに伝達することができる。
この際、ベルトBの張力に応じて回転軸Sの回転数を自
動的に調整することができる。例えば、図示しない張力
調整機構によってベルトBの張力が大きくなると、皿ば
ね4の付勢力に抗して各シーブ1,2を互いに離反させ
つつ、動力伝達リング3が各シーブ1,2に対して偏心
する(図6参照)。これにより、動力伝達リング3に巻
き掛けられたベルトBに対する有効径が小さくなって、
その増速比が高くなる。また、この状態からベルトBの
張力が所定値以下になると、皿ばね4の付勢力によって
各シーブ1,2が互いに接近し、最終的に動力伝達リン
グ3が各シーブ1,2に対して同心状態になる(図1参
照)。これにより、動力伝達リング3に巻き掛けられた
ベルトBに対する有効径が大きくなって、その増速比が
低くなる。
【0022】以上の構成の可変径プーリは、動力伝達リ
ング3が共に合成樹脂からなる第1の樹脂リング31と
第2の樹脂リング32とを一体化したものであるので、
両者の接合強度を十分に確保することができる。このた
め、両者が剥離するのを効果的に防止することができ
る。特に、両リング31,32のベースレジンがともに
フェノール樹脂であるので、両者を極めて強固に接合さ
せることができる。また、軌道面32aを形成した第2
の樹脂リング32が、フェノール樹脂に、芳香族ポリア
ミド繊維、非線形無機充填材及びグラファイトを配合し
た樹脂材料からなるので、当該軌道面32aと各シーブ
1,2の動力伝達面1a,2aとの間で焼き付きが発生
し難いとともに、耐摩耗性に優れ、伝達トルクが安定
し、動力伝達面1a,2aに対する攻撃性も少ないもの
となる。
【0023】[実施例]実施例として、ベースレジンで
あるノボラック型のフェノール樹脂50重量%、芳香族
ポリアミド繊維20重量%、グラファイト15重量%及
び非線形無機充填材15重量%からなる第2の樹脂リン
グを作製し、この第2の樹脂リングをインサート材とし
てインサート成形を行って、フェノール樹脂55重量
%、ポリアミド繊維15重量%、ガラス繊維10重量%
及びカーボン繊維20重量%からなる第1の樹脂リング
を成形すると同時に、その両側面に第2の樹脂リングを
接合一体化して動力伝達リングを得た。
【0024】次に、前記実施例の動力伝達リング、及び
従来のPEEK、TPI、PENからなる動力伝達リン
グをそれぞれ用いて可変径プーリを作製し、以下の条件
で動力伝達リングの耐摩耗性評価試験を行った。その結
果を図7に示す。また、各動力伝達リングの摩擦係数に
ついても同図に示す。 <試験条件> シーブ :S55C(表面窒化) ベルト張力 :500N 増速比 :1.6 シーブ回転数:4000rpm 試験時間 :300Hr
【0025】図7より、実施例の動力伝達リングは、従
来品位に比べて耐摩耗性に優れることが分かる。また、
実施例の動力伝達リングの摩擦係数の変動幅は0.00
4と極めて少なく、伝達トルクが極めて安定することが
確認された。さらに、前記評価試験後のシーブの動力伝
達面の摩耗量は零であり、実施例の動力伝達リングは、
相手材に対する攻撃性が少ないことが確認された。な
お、この発明の可変径プーリは、各シーブ1,2の何れ
か一方のみを皿ばね4で付勢すること等、種々の設計変
更を施すことができる。
【0026】
【発明の効果】以上のように、この発明の動力伝達リン
グ及び可変形プーリによれば、フェノール樹脂に芳香族
ポリアミド繊維、非線形無機充填材及びグラファイトを
配合した樹脂材料によって軌道面を構成しているので、
シーブの動力伝達面との間で焼き付きが発生し難いとと
もに、耐摩耗性に優れ、安定した伝達トルクを発揮し、
動力伝達面に対する攻撃性が少ないものとなる。また、
前記第1の樹脂リングと第2の樹脂リングが共に合成樹
脂からなるので、両者を強固に接合することができ、両
者が剥離するのを効果的に防止することができる。
【0027】特に請求項2記載の動力伝達リングによれ
ば、第2の樹脂リング32中における芳香族ポリアミド
繊維の含有割合が15〜25重量%、非線形無機充填材
の含有割合が5〜20重量%、グラファイトの含有割合
が5〜20重量%であるので、耐磨耗性をより向上させ
ることができるとともに、摩擦係数をより安定させるこ
とができる。
【0028】また、請求項3記載の動力伝達リングによ
れば、第1のリングが、フェノール樹脂にポリアミド繊
維、ガラス繊維及びカーボン繊維を配合した樹脂材料か
らなるので、前記第1の樹脂リングと第2の樹脂リング
との接合強度をより強固にすることができるとともに、
第1の樹脂リングの強度を十分に確保することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態にかかる可変径プーリの
断面図である。
【図2】シーブの側面図である。
【図3】動力伝達リングの要部拡大断面図である。
【図4】皿ばねの側面図である。
【図5】皿ばねの断面図である。
【図6】動力伝達リングが偏心した状態を示す可変径プ
ーリの断面図である。
【図7】耐摩耗性評価試験の結果を示すグラフ図であ
る。
【図8】従来の可変径プーリを示す断面図である。
【符号の説明】
1 シーブ 1a 動力伝達面 2 シーブ 2a 動力伝達面 3 動力伝達リング 31 第1の樹脂リング 32 第2の樹脂リング 32a 軌道面 B ベルト S 回転軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 61/06 C08L 61/06 77/00 77/00 F16H 55/49 F16H 55/49 Fターム(参考) 3J031 AB03 AC01 BA04 BB01 BC05 CA03 3J050 AA01 BA02 BA08 CD06 CD09 4J002 CC031 CL062 DA018 DA027 DE146 DE236 DG056 DJ016 DJ036 DJ046 DJ056 DL008 FA042 FA048 FD016 GM00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに対向させた一対のシーブのそれぞれ
    の側面に形成された動力伝達面によって、両シーブの軸
    心に対して偏心可能に挟持されるとともに、両側面に前
    記一対のシーブの動力伝達面にそれぞれ合致するテーパ
    状の軌道面を有し、外周面にベルトが巻き掛けられる動
    力伝達リングにおいて、 外周面にベルトが巻き掛けられる第1の樹脂リングの両
    側面に、フェノール樹脂に芳香族ポリアミド繊維、非線
    形無機充填材及びグラファイトを配合した樹脂材料から
    なるとともに、外側面に前記軌道面を有する第2の樹脂
    リングを接合していることを特徴とする動力伝達リン
    グ。
  2. 【請求項2】前記樹脂材料中における、芳香族ポリアミ
    ド繊維、非線形無機充填材及びグラファイトの含有割合
    が、 芳香族ポリアミド繊維 :15〜25重量% 非線形無機充填材 :5〜20重量% グラファイト :5〜20重量% の範囲である請求項1記載の動力伝達リング。
  3. 【請求項3】前記第1のリングが、フェノール樹脂にポ
    リアミド繊維、ガラス繊維及びカーボン繊維を配合した
    樹脂材料からなる請求項1記載の動力伝達リング。
  4. 【請求項4】側面に形成された動力伝達面を互いに対向
    させた状態で、軸方向に相対移動自在に設けられた一対
    のシーブと、 前記動力伝達面によって両シーブの軸心に対して偏心可
    能に挟持されているとともに、側面に前記一対のシーブ
    の動力伝達面と平行なテーパ状の軌道面を有し、外周面
    にベルトが巻き掛けられる動力伝達リングと、 少なくとも一方のシーブを他方のシーブ側へ付勢する弾
    性部材とを備える可変径プーリにおいて、 前記動力伝達リングが、請求項1から請求項3の何れか
    に記載の動力伝達リングからなることを特徴とする可変
    径プーリ。
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