JP2001291626A - 電気機器温度のシミュレーション方法及びこのシミュレーションによる電気機器の余寿命算出方法 - Google Patents

電気機器温度のシミュレーション方法及びこのシミュレーションによる電気機器の余寿命算出方法

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JP2001291626A
JP2001291626A JP2000107197A JP2000107197A JP2001291626A JP 2001291626 A JP2001291626 A JP 2001291626A JP 2000107197 A JP2000107197 A JP 2000107197A JP 2000107197 A JP2000107197 A JP 2000107197A JP 2001291626 A JP2001291626 A JP 2001291626A
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伸一 東條
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 変圧器、同期機等の電気機器の巻線、冷媒の
温度上昇値のシミュレーションを行う方法を提供するこ
と。 【解決手段】 温度上昇試験時の気温と負荷電流の時系
列データ、負荷損、温度上昇試験データ、熱容量データ
等を入力する工程と、常微分方程式によりθt:冷媒の
平均温度上昇値を求めて温度上昇試験のシミュレーショ
ンを行う工程と、温度上昇試験データとシミュレーショ
ン結果とが一致するようにMt:冷媒の熱容量とβ:空
気と冷却フィンとの熱伝導率を調整する工程と、常微分
方程式によりθw:巻線の平均温度上昇値を求めて温度
上昇試験のシミュレーションを行う工程と、一致するよ
うにMw:巻線の熱容量とα:冷媒と巻線との熱伝達率
を調整する工程とからなり、必要に応じて、初期値を加
えるとともに、現地測定による冷媒温度のシミュレーシ
ョンと一致するようにMtとβを調整する工程を付加し
てなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静止機(変圧器)
や回転機(同期機等)のように巻線を具備した電気機器
における電気機器温度のシミュレーション方法及びこの
シミュレーション方法による電気機器の余寿命算出方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、巻線を具備した電気機器の中の、
例えば変圧器の場合、その運転は、国内では、油入変圧
器運転指針(電気学会技術報告143号)により、ま
た、海外では、IEC354(Loading guide for oil-i
mmersed power transformer)に基づき行われている。
【0003】変電所における変圧器の一般的な使用例を
図19により説明する。10は、総合制御所における大
きな画面からなる総合監視盤で、この総合監視盤10に
よって、各変電所12(12a、12b、…12n)か
ら各負荷11(11a、11b、…11n)への電力供
給状況が監視されている。実際の各変電所12(12
a、12b、…12n)には、それぞれ複数個の、例え
ば、3個の変圧器13(13a、13b、13c)を具
備し、各変圧器13(13a、13b、13c)の負荷
電流、各変電所12(12a、12b、…12n)の気
温のデータ等は、制御装置14を介して総合制御所のメ
インCPU装置15へ常時又は一定時間毎に送られてい
る。前記各変圧器13(13a、13b、13c)は、
それぞれ電流遮断器16(16a、16b、16c)
と、負荷用スイッチ17(17a、17b、…17n)
を介して各負荷11(11a、11b、…11n)に接
続される。また、各変電所12(12a、12b、…1
2n)は、通常独立して運転しているが、非常時のため
に相互の電力供給用母線19で母線スイッチ18を介在
して結合されている。一般に、各変電所12(12a、
12b、…12n)は、無人制御方式であり、これら電
流遮断器16(16a、16b、16c)、負荷用スイ
ッチ17(17a、17b、…17n)、母線スイッチ
18の開閉制御は、前記総合制御所におけるメインCP
U装置15により開閉が制御される。各変電所12(1
2a、12b、…12n)が有人又は操作者が来たとき
には、その制御装置14によって直接開閉を制御するこ
ともできる。
【0004】このような構成において、 (1)通常運転時 通常、各変電所12(12a、12b、…12n)
は、これらの間の母線スイッチ18を開いて使用する。 ここで、例えば、第1の変電所12aの第3の変圧器
13cが故障、工事中などで運転できない場合、第1と
第2の変圧器13a、13bに過負荷容量があれば、過
負荷運転でまかなう。 しかし、第1と第2の変圧器13a、13bの余寿
命、すなわち、1日分の余寿命ではまかなうことができ
ない場合、前日又は前前日の余寿命を加えて過負荷運転
をする。それでも足りないときは、前1週間、前1か月
間、前1年間の余寿命を考慮して過負荷運転を算出する
ことが要求される。
【0005】(2)母線スイッチ18の切換え運転 第1の変電所12aの第3の変圧器13cを停止させる
場合において、この第1の変電所12aの第1と第2の
変電所12a、12bの寿命損失が多いため、第2又は
第3の変電所12b、12cにおける寿命損失の少ない
変圧器13a、13b、…から足りない分を送りこむ場
合もある。この場合は、母線スイッチ18を閉じ、寿命
損失の少ない変圧器13(13a、13b、13c)を
総合制御所で自動的に判断し、負荷運転させる。
【0006】本来、変圧器の運転指針は、個々の変圧器
の特性に基づいて作成されることを理想としているが、
非常に煩雑なため実際的でないと考えられていた。そこ
で上記の運転指針及びIEC規格は、変圧器を定格容
量、冷媒の循環方式及び冷却方式により分類し、それら
の基準特性をあらかじめ定めて作成されている。しか
も、その基準特性は、通常使用されている変圧器の中
で、温度的にかなり過酷な条件にあると考えられる特性
を仮定し、その基準特性に対しての運転指針を求めてお
けば、一般の変圧器に対しても安全側の普遍的な指針に
なり得るとされている。また、前記運転指針及びIEC
354において、過負荷容量を算出する場合、周囲温度
を等価周囲温度(寿命損失から見て等価な一定温度)又
は過重周囲温度(Weighted Ambient Temperature)と
し、1日の負荷曲線を軽負荷時間と重過負荷時間の矩形
負荷周期に近似させて過負荷電流を算出している。この
ため、周囲温度は、フィールド(現地)よりやや高くな
り、また、実際の負荷曲線を矩形周期に近似させる手段
として、等価軽負荷率と等価重負荷率を算出する必要が
あるなど、計算手順がかなり煩雑である。
【0007】変圧器の運転は、巻線最高点温度を95℃
以下に保つことにより、30年の正規寿命が期待できる
とされている。しかし、巻線最高点温度の測定は、フィ
ールドではもとより、変圧器メーカーにおける温度上昇
試験時でさえも、全負荷損供給時における巻線の平均温
度上昇のみを測定(抵抗法)しているだけであり、巻線最
高点温度の常時測定は、極めて困難である。従って、フ
ィールドにおける変圧器の運転は、巻線最高点温度を9
5℃以下に保つため、冷媒である絶縁油又は絶縁ガス
(SF6)の温度を75℃以下に保つように運転してい
る。
【0008】本出願人が先に提案した発明(特開平10
−97934号)では、変圧器固有の温度上昇を1元の
常微分方程式で表わし、フィールドにおける実測値と比
較することにより、常時変動する負荷及び気温に対し冷
媒温度を精度高くシミュレーションできることを実証し
た。また、その結果を応用し、簡易冷却器等の補助冷却
の冷却効果を評価できるようにした。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、4元連立常微分方程式を連立させて解くことにより
冷媒温度だけでなく巻線平均温度及び鉄心平均温度等の
シミュレーションを行うことである。
【0010】本発明の第2の目的は、巻線を具備した電
気機器の温度上昇に関する方程式、例えば、変圧器の一
次巻線、二次巻線、鉄心及び冷媒の各温度上昇値を4元
連立常微分方程式で表わし、これらを連立させて解くた
めの定数の算出方法を提供することである。
【0011】本発明の第3の目的は、特定の変圧器固有
のシミュレーションを作成し、これにより個々の変圧器
の特性を生かした余寿命等の運転指針を定める方法を提
供することである。
【0012】本発明の第4の目的は、巻線を具備した電
気機器として、回転機(同期機等)についても固有のシ
ミュレーションを作成し、これにより個々の回転機の特
性を生かした余寿命等の運転指針を定める方法を提供す
ることである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、温度上昇試験
時の気温と負荷電流の時系列データ、負荷損データ、鉄
損データ、巻線抵抗データ、温度上昇試験データ、巻線
の冷却特性データ、冷媒と鉄心と巻線の熱容量データを
入力する工程と、Mt(dθt)/(dt)+βθtt
tの式(Mt:冷媒の熱容量、θt:冷媒の平均温度上
昇値、St:主冷却器の面積、β:空気と冷却フィンと
の熱伝達率、Qt:冷媒に伝達される熱量)によりθt
求めて温度上昇試験のシミュレーションを行う工程と、
前記温度上昇試験データとシミュレーション結果とが一
致するかどうかを検査し、一致しなければ一致するよう
にMtとβを調整する工程と、Mw(dθw)/(dt)
+αθww=Qwの式(Mw:巻線の熱容量、θw:巻線
の平均温度上昇値、α:冷媒と巻線との熱伝達率、
w:巻線の冷却面積、Qw:巻線負荷損)によりθw
求めて温度上昇試験のシミュレーションを行う工程と、
前記温度上昇試験データとシミュレーション結果とが一
致するかどうかを検査し、一致しなければ一致するよう
にMwとαを調整する工程と、連続運転時のある時刻か
らのシミュレーションのために、平均温度上昇計算を用
いた当該時刻の初期値データを作成し関数化する工程
と、現地における電気機器の最高冷媒温度を少なくとも
1日分時系列で測定する工程と、現地において測定した
気温と負荷電流を入力とし、冷媒温度のシミュレーショ
ンを行う工程と、現地測定の冷媒温度とシミュレーショ
ン結果とが一致するかどうかを検査し、一致しなければ
一致するようにMtとβを調整する工程とからなること
を特徴とする電気機器温度のシミュレーション方法であ
る。
【0014】また、本発明は、変圧器の一次巻線、二次
巻線、鉄心ならびに冷媒(絶縁油あるいはSF6ガス)
の各温度上昇値を四元連立常微分方程式で表わし、これ
らを連立させて解くことにより、常時変動する気温(周
囲温度)と負荷電流のもとで巻線最高点温度を算出し、
さらにこれらをMontsingerの式に適用し、寿命損失を計
算する。そしてこれらの結果をもとに当該変圧器固有の
過負荷容量曲線を作成する。また、1日毎の寿命損失を
積算することにより、変圧器毎の年間寿命損失を計算
し、夏季対策の過負荷容量の策定として役立てるととも
に温度的観点から見た変圧器の余寿命計算を示すもので
ある。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を参
照して説明する。巻線を具備した電気機器が変圧器であ
る場合を第1例として説明する。本発明による変圧器固
有の巻線温度シミュレーションの作り方は、図1に示す
フローチャートのように次の工程により行われる。 第1工程:温度上昇試験時の気温と負荷電流の時系列デ
ータ、負荷損データ、鉄損データ、巻線抵抗データ、温
度上昇試験データ、巻線の冷却特性データ、冷媒と鉄心
と巻線の熱容量データを入力する。 第2工程:後述のMt(dθt)/(dt)+βθtt
tの式(Mt:冷媒の熱容量、θt:冷媒の平均温度上
昇値、St:主冷却器の面積、β:空気と冷却フィンと
の熱伝達率、Qt:冷媒に伝達される熱量)によりθt
求めて温度上昇試験のシミュレーションを行う。 第3工程:前記温度上昇試験データとシミュレーション
結果とが一致するかどうかを検査し、一致しなければ一
致するようにMtとβを調整する。 第4工程:後述のMw(dθw)/(dt)+αθww
wの式(Mw:巻線の熱容量、θw:巻線の平均温度上
昇値、α:冷媒と巻線との熱伝達率、Sw:巻線の冷却
面積、Qw:巻線負荷損)によりθwを求めて温度上昇試
験のシミュレーションを行う。 第5工程:前記巻線の冷却特性データとシミュレーショ
ン結果とが一致するかどうかを検査し、一致しなければ
一致するようにMwとαを調整する。 第6工程:連続運転時のある時刻からのシミュレーショ
ンのために、平均温度上昇計算を用いた当該時刻の初期
値データを作成し関数化する。現地における電気機器の
最高冷媒温度を少なくとも1日分時系列で測定する。 第7工程:現地において測定した気温と負荷電流を入力
とし、冷媒温度のシミュレーションを行う。 第8工程:現地測定の冷媒温度とシミュレーション結果
とが一致するかどうかを検査し、一致しなければ一致す
るようにMtとβを調整する。
【0016】各工程をさらに詳しく説明する。 第1工程:温度上昇試験時の気温と負荷電流の時系列デ
ータ、負荷損データ、鉄損データ、巻線抵抗データ、温
度上昇試験データ、巻線の冷却特性データ、冷媒と鉄心
と巻線の熱容量データを入力する。 1.変圧器試験成績書からの入力(括弧内は、ある特定
の変圧器の具体的1例を示す) (1)一次巻線抵抗値(1.594Ω) (2)二次巻線抵抗値(0.01658Ω) (3)測定時の気温(24℃) (4)一次定格電圧(66kV) (5)二次定格電圧(6.6kV) (6)負荷損(156.4kW) (7)鉄損(11.5kW) (8)油量(15400リットル) (9)総重量(54800kg) (10)中身吊り上げ重量(20100kg) (11)放熱器又は冷却器の有効面積(St)(760
2) (12)風冷式の場合は送風機の風量(5.5m3
秒) (13)温度上昇試験時の電流と油温(ダイアル温度
計)指示値及び気温 (14)温度上昇試験時の平均巻線温度(上昇値) (15)温度上昇試験時の負荷遮断(電源断)後の巻線
冷却特性
【0017】2.設計値からの入力 (1)一次巻線導体の長さ、断面積、比熱、比重と絶縁
物及び支持物それぞれの重量、比熱、比重から一次巻線
の熱容量(MW1)を計算する。 (2)一次巻線の形状から冷却断面(SW1)を計算す
る。 (3)二次巻線導体の長さ、断面積、比熱、比重と絶縁
物及び支持物それぞれの重量、比熱、比重から二次巻線
の熱容量(MW2)を計算する。 (4)二次巻線の形状から冷却断面(SW2)を計算す
る。 (5)鉄心(電磁鋼板)の材質、寸法、比熱、比重から
鉄心の熱容量(Mi)を計算する。 (6)鉄心の形状から鉄心の冷却面積(Si)を計算す
る。 (7)油量、タンク重量から中身以外の熱容量(Mt
を計算する。
【0018】3.モデルの作成 (1)変圧器の温度上昇の式 変圧器固有の温度上昇と負荷の関係を明らかにするた
め、次の四元連立常微分方程式により変圧器の温度上昇
を動的モデルで表わす。 Mw1(dθw1)/(dt)+α1θw1w1=Qw1 ……(1) Mw2(dθw2)/(dt)+α2θw2w2=Qw2 ……(2) Mi(dθi)/(dt)+α3θii=Qi ……(3) Mt(dθt)/(dt)+βθtt=Qt ……(4) Qt=α1θw1w1+α2θw2w2+α3θii ……(5) δθ=(α1θw1w1+α2θw2w2)/2(ρtptt)……(6) Tt=Ta+θttm=Tt+δθ/2 ……(7) Tw1=Tt+θw1wu1=Tw1+δθ/2 ……(8) Tw2=Tt+θw2wu2=Tw2+δθ/2 ……(9) Ti=Tt+θiiu=Ti+δθ/2 ……(10) 前記各式における記号は、次の意味を表す。 Mw1:一次巻線の熱容量(kJ/℃) Mw2:二次巻線の熱容量(kJ/℃) Mi:鉄心の熱容量(kJ/℃) Mt:変圧器油及びタンクの熱容量(kJ/℃) θw1:一次巻線の平均温度上昇値(℃) θw2:二次巻線の平均温度上昇値(℃) θi:鉄心の平均温度上昇値(℃) θt:変圧器油(冷媒)の平均温度上昇値(℃) δθ:上部下部の温度差(℃) Sw1:一次巻線の冷却面積(m2) Sw2:二次巻線の冷却面積(m2) St:主冷却器の面積(m2) Si:鉄心の冷却面積(m2) ρt:変圧器油の密度(kg/m3) Cpt:比熱(kJ/kg) Vt:循環油量(m3/s) α1,α2:油と巻線との熱伝達率(kJ/m2℃s) α3:油と鉄心との熱伝達率(kJ/m2℃s) β:空気と冷却フィンとの熱伝達率(kJ/m2℃s) Qw1:一次巻線負荷損(kW) Qw2:二次巻線負荷損(kW) Qi:鉄損(kW) Qt:油に伝達される熱量(kW) Tt:平均油温(℃) Ttm:最高油温(℃) Tw1:一次巻線平均温度(℃) Ta:気温(℃) Twu1:一次巻線上部平均温度(℃) Tw2:二次巻線平均温度(℃) Twu2:二次巻線上部平均温度(℃) Ti:鉄心平均温度(℃) Tiu:鉄心上部平均温度(℃)
【0019】(2)変圧器の温度分布の概念図 図2は、変圧器の温度分布を分かりやすく解説した数学
的モデルである。前記(3.1)の方程式を次の仮定の
基で計算する。 巻線中に発生する損失による熱は、巻線高さのすべて
の位置で均等に油に移動する。従って、油は、巻線中を
上方に流れながら、巻線の高さに比例して温度が上昇す
る。 熱の移動には、巻線と油の間に温度差があることが必
要であるが、この温度差は巻線高さ方向で同一である。
図2の各部の温度上昇を下記のような記号で表す。 最高油温上昇 NB=θtm(℃) 平均油温上昇 N’R=θt(℃) 油冷却器上下油温度差 NB―OA=δθ(℃) 巻線平均温度上昇 N’M=θtw(℃) 巻線平均温度と油平均温度の差 θw=(θw1w2)/2
(℃) 巻線最高点温度と巻線最上部コイル平均温度との差 D
E=ε(℃) 巻線最高点温度と巻線平均温度との差 εm(℃) 図中において●点は、常時直接測定できる温度であり、
◎点は、工場における温度上昇試験時に測定される温度
(上昇値)である。○は、シミュレーションにより計算
できる温度を表す。
【0020】(3)係数の設定方法 熱容量(Mw1、Mw2、Mi、Mt) 一次巻線および二次巻線の材質、導体長ならびに絶縁物
の種類と使用量から各々の熱容量を計算することにより
w1、Mw2を精度高く計算できる。また、鉄心(電磁鋼
板)Miについても同様である。一方、Mtについては、
油量と本体タンクと冷却器の熱容量を加えただけではそ
の実態を捕らえられないため、計算値と工場における温
度上昇試験又はフィールド(現地)データーとを比較
し、若干補正することが必要である。 冷却面積(Sw1、Sw2、Si、St) 巻線の直径、導体断面積、ターン数から表面積Sw1、S
w2を精度高く計算できる。また、Siも鉄心の長さ、形
状から算出できる。一方、Stは主冷却器に本体タンク
の面積を加えることが必要である。また、送油風冷式お
よび水冷式の変圧器については熱交換器の有効面積を使
用する。 熱伝達率(α1、α2、α3、β) 一般に熱工学における熱伝達率は実験により求めること
が好ましい。一方、文献では、レイノルズ数(Re)、
プラントル数(Pr)およびグラスホフ数(Gr)から
ヌセルト数(Nu)を計算し、これから熱伝達率を算出
する。しかし、変圧器、特に油入自冷式の場合、レイノ
ルズ数を取り上げてみても流体の速度は巻線温度と油温
との温度差により常時変動するはずであるから一定とす
ることができない。しかも熱工学の場合、比例指数にい
たっては設定範囲が広すぎてどの値を使用すべきか、設
定が困難である。また、変圧器の場合、熱伝達率は常に
一定ではなく、変圧器の温度や気温によって、又は負荷
状態や設置場所によって変化すると考えるのが自然であ
る。そこで、本発明では、変圧器油や空気の物性値と比
較的容易に測定できる物理量を基に次元解析を行い、変
圧器の冷却方式毎の熱伝達率を作成した。なお、文献上
明らかな点についてはその考えを踏襲する。
【0021】(4)油入自冷式変圧器 図3、図4、図5は、温度上昇試験データとして、油入
自冷式変圧器(A)(20MVA)、送油自冷式変圧器
(B)(20MVA)、送油風冷式変圧器(C)(20
MVA)のそれぞれの温度上昇試験(工場試験)結果を
表わしている。これらの図3、図4、図5において、最
高油温は、実測値(ダイアル温度計の指示値)と計算値
を記載し、実測値に合うように前記係数を調節してあ
る。また、工場試験においては、油温が飽和後、負荷を
遮断し、巻線の抵抗値を時間の経過に従い測定し、1
次、2次の各巻線平均温度上昇を内挿法により求める。
図6に、負荷遮断後の巻線の冷却曲線を表わし、実測値
とシミュレーション値とを比較している。巻線の平均温
度上昇値とこの冷却曲線がほぼ一致していれば巻線の熱
容量、冷却面積ならびに熱伝達率がその変圧器固有の値
を表わしていると考えられる。当該変圧器固有のシミュ
レーションを作成するためには、工場試験における温度
上昇特性と巻線の冷却特性を実測値と一致させることが
もっとも重要な点である。しかも、冷却特性については
その時間が長ければ長いほどシミュレーターの精度を高
めることができる。しかし、現時点では巻線の平均温度
のみの測定がJEC−2200で義務づけられているの
で、長時間に渡る巻線の冷却特性の入手は困難である。
一方、鉄心温度は、上部鉄心平均温度を表わしている
が、鉄心温度の実測値がないので計算値の信憑性を検証
することはできない。しかし、鉄心温度を測定すること
は技術的に可能であると考えられるため、シミュレータ
ーの信頼性を高めるためには実測値を得る必要がある。
【0022】循環油量の設定 油入自冷式変圧器(A)の冷却原理は、自然対流方式で
あることは周知の通りである。しかし、循環油量がどの
ようなパラメータで表現されるかについては、あまり研
究されていない。これを詳細に表現するためには、有限
要素法や差分法による解析が適当と考えられるが、それ
でもかなり限定されたモデルで行わざる得ないと考えら
れ、正確な実態を捉えることは困難である。ここでは変
圧器油の対流量は、巻線温度と油温との温度差によって
異なると考え、次元解析により次の式で表わす。 Vt=(βtgTtl)1/2・{γt/((βtgTt31/2)}π 1 ・{λt/(ρtpt(βtgTt31/2)}π 2 ……(11) Vt:体膨張率、 g:重力加速度、 Tt:油
温、ρt:油の密度、 Cpt:油の比熱、 γt
油の動粘度、λt:油の熱伝導度、 π1π2:比例指
数、 l:代表長さ 前記(11)式の数値で油温に対し比較的変化の小さいパ
ラメーターは、その代表値を使用し、できる限り簡素化
すると、次の(12)式で表わすことができる。なお、油
温はケルビンを用いる。 Vt=Kt・(273+Tt11/24・γt -1/4・λt 1/3 ……(12) また、動粘度と熱伝導度は、変圧器油の物性値を油温の
関数として数式化し、上部油温と下部油温は、係数Kt
で調整し、実測値に合わせる。
【0023】油と巻線および鉄心との熱伝達率α1
α2、α3 巻線と油の熱伝達率は、油入自冷式の場合、油の粘度の
ー1/4乗に比例すると考えられているため、次式を得
る。 α=Kα・(273+Tt3/4・γt -1/4・λt 1/2 ……(13) ただし、α1=α2=α3=α とする。 変圧器と空気との熱伝達率β β=Kβ・{θt/(273+Tm)}0.102・γa -1/3・λa 1.13 ……(14 ) Tm=(Ta+Tt)/2 γa:空気の動粘度、 λa:空気の熱伝導度、 Kβ
定数
【0024】第2工程:変圧器試験成績書の温度上昇試
験時の気温と負荷電流を時系列データとして入力した場
合、シミュレーション結果の最高油温が試験成績書(ダ
イアル温度計)と一致するかどうかを検査する。即ち、
前記(4)式Mt(dθt)/(dt)+βθtt=Qt
(Mt:冷媒の熱容量、θt:冷媒の平均温度上昇値、S
t:主冷却器の面積、β:空気と冷却フィンとの熱伝達
率、Qt:冷媒に伝達される熱量)によりθtを求めて温
度上昇試験のシミュレーションを行う。
【0025】第3工程:一致しなければ、熱容量
(Mt)と熱伝達率(β)を調整し一致するまで第2工
程と第3工程を繰り返す。
【0026】第4工程:変圧器試験成績書の温度上昇試
験時の平均巻線温度上昇値とシミュレーション結果の巻
線平均温度とが一致するかどうかを検査する(図3、図
4、図5)。即ち、Mw(dθw)/(dt)+αθww
=Qw(Mw:巻線の熱容量、θw:巻線の平均温度上昇
値、α:冷媒と巻線との熱伝達率、Sw:巻線の冷却面
積、Qw:巻線負荷損)によりθwを求めて温度上昇試験
のシミュレーションを行う。この式では、一次巻線と二
次巻線を一体として扱っているが、次のように、前記
(1)式と(2)式によって別々に扱うことが望まし
い。 Mw1(dθw1)/(dt)+α1θw1w1=Qw1 ……(1) Mw2(dθw2)/(dt)+α2θw2w2=Qw2 ……(2)
【0027】第5工程:一致しなければ、熱伝達率(α
1、α2)又は冷却面積(SW1、SW2)を調整し、巻線平
均温度とその冷却特性が一致するように第4工程と第5
工程を繰り返す(図6)。なお、第2、第3工程と第
4、第5工程は、前後することもできる。
【0028】第6工程:初期値データの作成以上の工程
により、シミュレーションは完成するが、温度上昇値
が、変圧器運転開始から測定するのでは、運転継続中の
変圧器の温度上昇のシミュレーションとしては実際的で
ない。そこで、運転継続中のある時刻からの温度上昇値
を測定するため、測定開始時の初期値を設定してその値
からの温度上昇をシミュレーションすることがより実際
的である。そこで、連続運転時のある時刻からのシミュ
レーションのために、平均温度上昇計算を用いた当該時
刻の初期値データを作成し関数化する。微分方程式を計
算するに当り、未知数である一次、二次の各巻線平均温
度、鉄心平均温度及び平均油温(冷媒温度)の初期値を
与える必要がある。そこで、図10に示すような負荷率
(20、40、60、80、100、120、140
%)に応じた、平均温度上昇値(℃)を予め計算し、こ
れらを数理関数として表し、初期負荷電流が与えられた
時点でそれに相当する平均温度上昇値(℃)が得られる
ようにする。 気温20℃一定とし、負荷電流20%を24時間与え
た場合の各巻線平均温度上昇値、鉄心平均温度上昇値、
平均油温(冷媒温度)上昇値を計算(シミュレーショ
ン)する。 負荷率40、60、80、100、120、140%
で同様の計算を行い、各未知数の平均温度上昇値を得
る。 計算結果から一次、二次の各巻線平均温度上昇値、鉄
心平均温度上昇値、平均油温(冷媒温度)上昇値をパラ
メータとして関数化する。指数関数による近似式は、次
の通りである。 θ=exp(ax3+bx2+cx+d) 温度上昇を上記式で近似するため、a、b、c、dの各
係数を定める。a、b、c、dは、冷媒、巻線、鉄心な
どの構成部材により異なる値である。
【0029】第7工程:フィールド(現地)データによ
る試験調整 変圧器個々のシミュレーションの信頼性を確認するた
め、フィールドにおける実測値を取り、シミュレーショ
ンと一致するかどうかの検査を行う。 フィールドの変圧器最高油温を、さらに必要に応じ
て、平均油温、下部油温及び気温を48時間以上時系列
で測定する。測定時間を48時間としたのは、気温と負
荷電流は、一般に、1日単位で変化する傾向にあるか
ら、最初の24時間でシミュレーションを行い、さらに
24時間で一致するかどうかをチェックするためであ
る。しかし、少なくとも24時間であればよい。 測定したデータをシミュレーションし、測定値と一致
するかどうかを検査する。
【0030】第8工程:一致しない場合、油(冷媒)の
熱容量(Mt)及び熱伝達率(β)を調整し、一致させ
る。図7、図8、図9は、油入自冷式変圧器(A)(2
0MVA)、送油自冷式変圧器(B)(20MVA)、
送油風冷式変圧器(C)(20MVA)のシミュレーシ
ョンであリ、第6工程により初期値データを加味し、か
つ、第7、第8工程によりフィールドにおける実測値を
取り、シミュレーションと一致するかどうかの検査を行
うことにより得られたシミュレーション結果である。
【0031】これらのうち、図8(送油自冷式変圧器
(B))は、工場試験の定数設定を行った後、さらに実
負荷でシミュレーションした結果である。 巻線と冷媒(油)の熱伝達率α 油入自冷式と異なり循環油量は、ポンプの定格流量を使
用する。 α=Kα・(273+Tt0.0125・Vp 0.6・γt -1/8
λt 1/2 ……(15 ) Vp:ポンプ流量 α1=α2=α3=α 変圧器と空気との熱伝達率β 自冷式であるから前記(14)式を使用する。
【0032】図9(送油風冷式変圧器(C))は、工場
試験の定数設定を行った後に実負荷でシミュレーション
した結果である。巻線平均温度は2次側の高い方を表わ
す。 巻線と冷媒(油)の熱伝達率α 強制冷却であるから前記(15)式を使用する。 変圧器と空気との熱伝達率β 送風機の定格風量を次元解析のパラメータに組み込め
ば、次の(16)式となる。 β=Kβ・Vf 0.6・γa 1/5・λa ……(16) Vf:ファンの風量、 γa:空気の動粘度、 λa:空
気の熱伝導度
【0033】次に、係数データの1例と係数設定の手順
について説明する。図11に油入自冷式変圧器(A)の
係数をを示す。油入自冷式変圧器(A)と送油自冷式変
圧器(B)の入力データは、気温と負荷電流でよいが、
送油風冷式変圧器(C)の風量が圧力扇などの運転によ
り可変となる場合、風量をデータとして入力する必要が
ある。また、湿度については、必要に応じて入力する。
重要なことは、工場試験とフィールドデーターとは、試
験条件(油量、冷却面積など)と環境条件(屋内、屋
外、防音壁の有無など)が異なるため、最終的には、フ
ィールドデーターにあわせることが必要である。
【0034】次に、寿命損失計算の方法について説明す
る。 (1)油入変圧器運転指針の計算方法 巻線の最高点温度を95℃一定として、これを1日連続
して運転した場合を基準として次式(17)としてい
る。また、電気学会技術報告第143号による寿命損失
計算は、(18)(19)式を用いている。 V95d=24×εb 95 ……(17) b:0.1155、 V95d:95℃一定の1日の寿命
損失 V1=∫0 Tεb g1(t)dt ……(18) V2=∫0 24-Tεb g2(t)dt ……(19) g1(t):過負荷時における巻線最高点温度 g2(t):軽負荷時における巻線最高点温度 V1:1日の重負荷による寿命損失 V2:1日の軽負荷による寿命損失 (2)本発明の方法では、次の(20)式による。 Vd=∫0 24εb Twmaxdt ……(20) Twmax:次の(21)(22)式を使用する。油自然循
環:Tw1max=Tt+θw+15(IL/IN2……(2
1) 油強制循環:Tw1max=Tt+θw+10(IL/IN2
…(22) IL:負荷電流IN:定格電流
【0035】動的モデルを用いた計算結果 (1)巻線温度 図7、図8、図9は、前述のように、それぞれ油入自冷
式変圧器(A)、送油自冷式変圧器(B)、送油風冷式
変圧器(C)に、同一負荷ならびに気温を与えた場合の
巻線平均温度および巻線最高点温度を表わしている。な
お、前記(1)〜(4)式の定数は、設計値、工場試験成績
書、現地測定データにより、個々の変圧器固有の値に設
定されている。図12は、V95dを基準(1.0)とし
た場合の油入自冷式変圧器(A)、送油自冷式変圧器
(B)、送油風冷式変圧器(C)のそれぞれの寿命損失
を比率で示しており、本発明のシミュレーションによる
積分値として求められたものである。変圧器の負荷と温
度上昇の関係は、絶縁油の配管長や付属品、防音壁など
の環境条件にも左右され、工場における温度上昇試験時
と必ずしも一致しない。また、地下変電所においては変
電所の改造や増設に伴い、強制風冷の風量が変化するた
め、工事後はその都度(1)〜(4)式の固有定数を見直す
必要がある。
【0036】(2)一日の寿命損失と過負荷容量曲線 図13、図14、図15は、巻線最高点温度95℃一定
で運転した場合の寿命損失V95dを示す(17)式から
本発明によるシミュレーション結果である図7、図8、
図9の各寿命損失を引いた後の余寿命を過負荷容量曲線
として表わしている。即ち、3台の変圧器(A)、
(B)、(C)が同一の負荷で1日運転された後(翌
日)の過負荷容量を表す。これは前日の寿命損失に基づ
いて当日の過負荷容量を決める場合の指針となる。
【0037】(3)年間の寿命損失を考慮した余寿命と
その過負荷曲線 図16、図17、図18は、図7、図8、図9の負荷が
300日間連続して同一変圧器にかけられた場合を示
す。即ち、過負荷運転が必要な季節は、主に夏季に集中
するため、秋のある日を起点としてとして定格(基準寿
命)以下(巻線最高点温度が95℃以下)での運転が継
続すれば、それだけ余寿命が蓄積され、過負荷容量を増
加させることができる。
【0038】巻線を具備した電気機器が同期機である場
合を第2例として説明する。本発明による同期機固有の
巻線温度シミュレーションの作り方は、図1に示すフロ
ーチャートと同様の次の工程により行われる。 第1工程:温度上昇試験時の気温と負荷電流の時系列デ
ータ、負荷損データ、鉄損データ、巻線抵抗データ、温
度上昇試験データ、巻線の冷却特性データ、冷媒と鉄心
と巻線の熱容量データを入力する。なお、巻線のうち、
変圧器の一次巻線は、電機子巻線とし、二次巻線は、励
磁巻線とし、冷媒は、空気とする。 第2工程:後述のMa(dθa)/(dt)=αθww
βθiw+γθfw+Q0の式(Ma:冷媒の熱容量、θ
a:冷媒の温度上昇値、θw:電機子巻線の温度上昇値、
w:電機子巻線の冷却面積、θi:鉄心の温度上昇値、
θf:励磁巻線の温度上昇値、α:電機子巻線と空気と
の熱伝達率、β:鉄心と空気との熱伝達率、γ:励磁巻
線と空気との熱伝達率、Q0:風損(機械損))により
θaを求めて温度上昇試験のシミュレーションを行う。 第3工程:前記温度上昇試験データとシミュレーション
結果とが一致するかどうかを検査し、一致しなければ一
致するようにMaとα、β、γを調整する。 第4工程:後述のMw(dθw)/(dt)+αθww
w−Qcの式と、Mi(dθi)/(dt)+βθii
i+Qcの式(Mw:電機子巻線の熱容量、M i:鉄心の
熱容量、θw:電機子巻線の温度上昇値、θi:鉄心の温
度上昇値、Sw:電機子巻線の冷却面積、Si:鉄心の冷
却面積、α:電機子巻線と空気との熱伝達率、β:鉄心
と空気との熱伝達率、Qw:電機子巻線の負荷損、Qi
鉄損、Qc:電機子巻線から鉄心に伝導する熱量)によ
りθwを求めて温度上昇試験のシミュレーションを行
う。 第5工程:前記温度上昇試験データとシミュレーション
結果とが一致するかどうかを検査し、一致しなければ一
致するようにMw、Miとα、βを調整する。 第6工程:連続運転時のある時刻からのシミュレーショ
ンのために、平均温度上昇計算を用いた当該時刻の初期
値データを作成し関数化する。 第7工程:現地における電気機器の最高冷媒温度を少な
くとも1日分時系列で測定し、この現地において測定し
た気温と負荷電流を入力とし、冷媒温度のシミュレーシ
ョンを行う。 第8工程:現地測定の冷媒温度とシミュレーション結果
とが一致するかどうかを検査し、一致しなければ一致す
るようにMw、Miとα、βを調整する。
【0039】(1)モデルの作成 同期機固有の温度上昇と負荷の関係を明らかにするた
め、次の四元連立常微分方程式により同期機の温度上昇
を動的モデルで表わす。 Mw(dθw)/(dt)+αθww=Qw−Qc ……(1) Mi(dθi)/(dt)+βθii=Qi+Qc ……(2) Mf(dθf)/(dt)+γθff=Qf ……(3) Ma(dθa)/(dt)=αθww+βθiw+γθfw+Q0……(4) Qc=λ/δ・(θw−θi)Sc ……(5) Ta=T0+θaf=Ta+θfi=Ta+θiw=Ta+θw
【0040】前記各式における記号は、次の意味を表
す。 Mw:電機子巻線の熱容量(kJ/℃) Mf:励磁巻線の熱容量(kJ/℃) Mi:鉄心の熱容量(kJ/℃) Ma:冷媒の熱容量(kJ/℃) α:電機子巻線と空気との熱伝達率(kJ/m2℃s) β:鉄心と空気との熱伝達率(kJ/m2℃s) γ:励磁巻線と空気との熱伝達率(kJ/m2℃s) θw:電機子巻線の温度上昇値(℃) θf:励磁巻線の温度上昇値(℃) θi:鉄心の温度上昇値(℃) θa:冷媒の温度上昇値(℃) T0:冷媒の入り口温度(℃) Ta:冷媒の出口温度(℃) Tf:励磁巻線の温度(℃) Tw:電機子巻線の温度(℃) Ti:鉄心の温度(℃) Qw:電機子巻線の負荷損(kW) Qf:励磁巻線の負荷損(kW) Qi:鉄損(kW) Q0:風損(機械損)(kW) Qc:電機子巻線から鉄心に伝導する熱量(kW) Sw:電機子巻線の冷却面積(m2) Sf:励磁巻線の冷却面積(m2) Si:鉄心の冷却面積(m2) Sc:鉄心と電機子巻線との接触面積(m2) λ:絶縁物の熱伝導率(kW/mK) δ:絶縁物の厚さ(m)
【0041】(2)係数の決め方 機械損温度上昇試験 上式において、 Qw=Qi=Qc=Qf=0 Q0のみが駆動電動機の入力電力から測定される。この
様子が図20に表されている。この試験結果とシミュレ
ーションとの比較から、冷媒の熱容量Maを同定する。 銅損温度上昇試験 この試験は、発電機を3相短絡させ、定格電流を流した
ときの温度上昇を測定するものである。Qw、Qi、Qf
に定格損失を入力する。時系列でTw、Tf、Ti、Ta
測定する。図21では、Twのみを測定している。この
試験により、Mi、Mf、Si、Sf、Sc及びβ、γを同
定できる。 鉄損温度上昇試験 銅損温度上昇試験の後、直ちに負荷遮断(電流0)し、
電圧を定格電圧まで上昇させる。従って、巻線温度は、
鉄心温度まで下降する。この特性が図22に示される。
この試験により、Mw、αの同定ができる。以上のよう
にして発電機固有の温度上昇を精度高く算出できる。
【0042】
【発明の効果】(1)各変電所からは、総合制御所へ各
変電所の全変圧器の負荷電流データと各変電所の気温デ
ータとを送る。また、変圧器が送風式であれば、送風機
の風量も送る。これにより、総合制御所では、各変圧器
の固有のデータをもとに、当該変圧器の巻線最高点温度
とその日の寿命損失をリアルタイムで算出することがで
きる。基準寿命損失からリアルタイム寿命損失を引き、
その日の余寿命損失を計算し、これを過負荷容量曲線と
して表し、出力することができる。
【0043】(2)変圧器固有の運転指針を実用化する
ことにより次の効果がある。 ・周囲温度として、変電所の実測気温を用いるため従来
の等価周囲温度を計算する必要がない。 ・現地のシミュレーションを用いるので、従来のような
軽負荷時と重過負荷時とを区別し、過負荷容量を計算す
るような作業が不要である。
【0044】(3)常時変動する気温と負荷電流による
寿命損失を毎日積算すれば日々の変圧器の運転において
過負荷容量の策定が容易である。 (4)所定の月日、例えば、10月1日を起点として、
寿命損失を積算すれば、秋、冬、春の各季節の寿命損失
が低い分だけ余寿命を増加させることができる。従っ
て、電力会社において本発明のような方法を採用するこ
とにより、各変電所 の夏季対策策定が容易に立てられる。(5)情報伝送装
置により、気温と負荷電流を計算機に読み込むようにす
れば、制御所において、寿命損失ならびに巻線温度をリ
アルタイムで知ることが可能である。 (6)変圧器個々のシミュレーションが可能であるた
め、それぞれの電気機器の性能を100パーセント利用
できる。
【0045】(7)巻線最高点温度、巻線平均温度、最
高油温、平均油温、鉄心温度を非定常状態であっても計
算できる。 (8)上記の計算結果をコンピュータにグラフ化させれ
ば、変圧器の運転状態を画面上に常時表示できる。 (9)当該変圧器固有の運転指針の作成が随時可能であ
る。 (10)シミュレーションによる許容負荷計算ソフトの
開発ができる。 (11)変電所計測データの収集により、無人変電所等
現地の気温と負荷電流を情報伝送装置により制御所に送
れば、リアルタイムで変圧器の巻線温度及び寿命損失を
計算させ、変圧器の管理を効率化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電気機器温度のシミュレーション
方法の一実施例を示すフローチャートである。
【図2】油入変圧器の温度分布図である。
【図3】油入自冷式変圧器(A)の温度上昇試験の特性
図である。
【図4】送油自冷式変圧器(B)の温度上昇試験の特性
図である。
【図5】送油風冷式変圧器(C)の温度上昇試験の特性
図である。
【図6】負荷遮断後の巻線温度の冷却特性図である。
【図7】油入自冷式変圧器(A)の巻線温度シミュレー
ション図である。
【図8】送油自冷式変圧器(B)の巻線温度シミュレー
ション図である。
【図9】送油風冷式変圧器(C)の巻線温度シミュレー
ション図である。
【図10】初期値設定に用いる負荷率(%)対温度上昇
値(℃)との関係を示す図である。
【図11】油入自冷式変圧器の係数例を示す説明図であ
る。
【図12】変圧器(A)(B)(C)の寿命損失比率の
グラフである。
【図13】前日の寿命損失に基づく変圧器(A)の過負
荷曲線図である。
【図14】前日の寿命損失に基づく変圧器(B)の過負
荷曲線図である。
【図15】前日の寿命損失に基づく変圧器(C)の過負
荷曲線図である。
【図16】年間を考慮した変圧器(A)の過負荷曲線図
である。
【図17】年間を考慮した変圧器(B)の過負荷曲線図
である。
【図18】年間を考慮した変圧器(C)の過負荷曲線図
である。
【図19】変電所における変圧器の監視状況を説明する
ためのブロック図である。
【図20】同期機における機械損温度上昇グラフであ
る。
【図21】同期機における銅損温度上昇グラフである。
【図22】同期機における鉄損温度上昇グラフである。
【符号の説明】
10…総合監視盤、11(11a、11b、…11n)
…負荷、12(12a、12b、…12n)…変電所、
13(13a、13b、13c)…変圧器、14…制御
装置、15…メインCPU装置、16(16a、16
b、16c)…電流遮断器、17(17a、17b、…
17n)…負荷用スイッチ、18…母線スイッチ、19
…電力供給用母線。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温度上昇試験時の気温と負荷電流の時系
    列データ、負荷損データ、鉄損データ、温度上昇試験デ
    ータ、冷媒と鉄心と巻線の熱容量データを入力する工程
    と、 Mt(dθt)/(dt)+βθtt=Qtの式(Mt:冷
    媒と鉄心と巻線の熱容量、θt:冷媒の平均温度上昇
    値、St:主冷却器の面積、β:空気と冷却フィンとの
    熱伝達率、Qt:冷媒に伝達される熱量)によりθtを求
    めて温度上昇試験のシミュレーションを行う工程と、 前記温度上昇試験データとシミュレーション結果とが一
    致するかどうかを検査し、一致しなければ一致するよう
    にMtとβを調整する工程とからなることを特徴とする
    電気機器温度のシミュレーション方法。
  2. 【請求項2】 温度上昇試験時の気温と負荷電流の時系
    列データ、負荷損データ、巻線抵抗データ、温度上昇試
    験データ、巻線の熱容量データを入力する工程と、 Mw(dθw)/(dt)+αθww=Qwの式(Mw:巻
    線の熱容量、θw:巻線の平均温度上昇値、α:冷媒と
    巻線との熱伝達率、Sw:巻線の冷却面積、Qw:巻線負
    荷損)によりθwを求めて温度上昇試験のシミュレーシ
    ョンを行う工程と、 前記温度上昇試験データとシミュレーション結果とが一
    致するかどうかを検査し、一致しなければ一致するよう
    にMwとαを調整する工程とからなることを特徴とする
    電気機器温度のシミュレーション方法。
  3. 【請求項3】 温度上昇試験時の気温と負荷電流の時系
    列データ、負荷損データ、鉄損データ、巻線抵抗デー
    タ、温度上昇試験データ、巻線の冷却特性データ、冷媒
    と鉄心と巻線の熱容量データを入力する工程と、 Mt(dθt)/(dt)+βθtt=Qtの式(Mt:冷
    媒の熱容量、θt:冷媒の平均温度上昇値、St:主冷却
    器の面積、β:空気と冷却フィンとの熱伝達率、Qt
    冷媒に伝達される熱量)によりθtを求めて温度上昇試
    験のシミュレーションを行う工程と、 前記温度上昇試験データとシミュレーション結果とが一
    致するかどうかを検査し、一致しなければ一致するよう
    にMtとβを調整する工程と、 Mw(dθw)/(dt)+αθww=Qwの式(Mw:巻
    線の熱容量、θw:巻線の平均温度上昇値、α:冷媒と
    巻線との熱伝達率、Sw:巻線の冷却面積、Qw:巻線負
    荷損)によりθwを求めて温度上昇試験のシミュレーシ
    ョンを行う工程と、 前記巻線の冷却特性データとシミュレーション結果とが
    一致するかどうかを検査し、一致しなければ一致するよ
    うにMwとαを調整する工程とからなることを特徴とす
    る電気機器温度のシミュレーション方法。
  4. 【請求項4】 温度上昇試験時の気温と負荷電流の時系
    列データ、負荷損データ、鉄損データ、巻線抵抗デー
    タ、温度上昇試験データ、巻線の冷却特性データ、冷媒
    と鉄心と巻線の熱容量データを入力する工程と、 Mt(dθt)/(dt)+βθtt=Qtの式(Mt:冷
    媒の熱容量、θt:冷媒の平均温度上昇値、St:主冷却
    器の面積、β:空気と冷却フィンとの熱伝達率、Qt
    冷媒に伝達される熱量)によりθtを求めて温度上昇試
    験のシミュレーションを行う工程と、 前記温度上昇試験データとシミュレーション結果とが一
    致するかどうかを検査し、一致しなければ一致するよう
    にMtとβを調整する工程と、 Mw(dθw)/(dt)+αθww=Qwの式(Mw:巻
    線の熱容量、θw:巻線の平均温度上昇値、α:冷媒と
    巻線との熱伝達率、Sw:巻線の冷却面積、Qw:巻線負
    荷損)によりθwを求めて温度上昇試験のシミュレーシ
    ョンを行う工程と、 前記巻線の冷却特性データとシミュレーション結果とが
    一致するかどうかを検査し、一致しなければ一致するよ
    うにMwとαを調整する工程と、 連続運転時のある時刻からのシミュレーションのため
    に、平均温度上昇計算を用いた当該時刻の初期値データ
    を作成し関数化する工程とからなることを特徴とする電
    気機器温度のシミュレーション方法。
  5. 【請求項5】 温度上昇試験時の気温と負荷電流の時系
    列データ、負荷損データ、鉄損データ、巻線抵抗デー
    タ、温度上昇試験データ、巻線の冷却特性データ、冷媒
    と鉄心と巻線の熱容量データを入力する工程と、 Mt(dθt)/(dt)+βθtt=Qtの式(Mt:冷
    媒の熱容量、θt:冷媒の平均温度上昇値、St:主冷却
    器の面積、β:空気と冷却フィンとの熱伝達率、Qt
    冷媒に伝達される熱量)によりθtを求めて温度上昇試
    験のシミュレーションを行う工程と、 前記温度上昇試験データとシミュレーション結果とが一
    致するかどうかを検査し、一致しなければ一致するよう
    にMtとβを調整する工程と、 Mw(dθw)/(dt)+αθww=Qwの式(Mw:巻
    線の熱容量、θw:巻線の平均温度上昇値、α:冷媒と
    巻線との熱伝達率、Sw:巻線の冷却面積、Qw:巻線負
    荷損)によりθwを求めて温度上昇試験のシミュレーシ
    ョンを行う工程と、 前記巻線の冷却特性データとシミュレーション結果とが
    一致するかどうかを検査し、一致しなければ一致するよ
    うにMwとαを調整する工程と、 連続運転時のある時刻からのシミュレーションのため
    に、平均温度上昇計算を用いた当該時刻の初期値データ
    を作成し関数化する工程と、 現地における電気機器の最高冷媒温度を少なくとも1日
    分時系列で測定する工程と、 現地において測定した気温と負荷電流を入力とし、冷媒
    温度のシミュレーションを行う工程と、 現地測定の冷媒温度とシミュレーション結果とが一致す
    るかどうかを検査し、一致しなければ一致するようにM
    tとβを調整する工程とからなることを特徴とする電気
    機器温度のシミュレーション方法。
  6. 【請求項6】 変圧器の温度上昇試験時の気温と負荷電
    流の時系列データ、負荷損データ、鉄損データ、巻線抵
    抗データ、温度上昇試験データ、巻線の冷却特性デー
    タ、冷媒と鉄心と巻線の熱容量データを入力する工程
    と、 Mt(dθt)/(dt)+βθtt=Qtの式(Mt:冷
    媒の熱容量、θt:冷媒の平均温度上昇値、St:主冷却
    器の面積、β:空気と冷却フィンとの熱伝達率、Qt
    冷媒に伝達される熱量)によりθtを求めて温度上昇試
    験のシミュレーションを行う工程と、 前記温度上昇試験データとシミュレーション結果とが一
    致するかどうかを検査し、一致しなければ一致するよう
    にMtとβを調整する工程と、 Mw1(dθw1)/(dt)+α1θw1w1=Qw1とMw2
    (dθw2)/(dt)+α2θw2w2=Qw2の式
    (Mw1:一次巻線の熱容量、Mw2:二次巻線の熱容量、
    θw1:一次巻線の平均温度上昇値、θw2:二次巻線の平
    均温度上昇値、α1、α2:冷媒と巻線との熱伝達率、S
    w1:一次巻線の冷却面積、Sw2:二次巻線の冷却面積、
    w1:一次巻線負荷損、Qw2:二次巻線負荷損)により
    θw1とθw2を求めて温度上昇試験のシミュレーションを
    行う工程と、 前記巻線の冷却特性データとシミュレーション結果とが
    一致するかどうかを検査し、一致しなければ一致するよ
    うにMw1、Mw2とα1、α2を調整する工程と、連続運転
    時のある時刻からのシミュレーションのために、平均温
    度上昇計算を用いた当該時刻の初期値データを作成し関
    数化する工程と、 現地における変圧器の最高冷媒温度を少なくとも1日分
    時系列で測定する工程と、 現地において測定した気温と負荷電流を入力とし、冷媒
    温度のシミュレーションを行う工程と、 現地測定の冷媒温度とシミュレーション結果とが一致す
    るかどうかを検査し、一致しなければ一致するようにM
    tとβを調整する工程とからなることを特徴とする電気
    機器温度のシミュレーション方法。
  7. 【請求項7】 同期機の温度上昇試験時の気温と負荷電
    流の時系列データ、負荷損データ、鉄損データ、巻線抵
    抗データ、温度上昇試験データ、巻線の冷却特性デー
    タ、冷媒と鉄心と巻線の熱容量データを入力する工程
    と、 Ma(dθa)/(dt)=αθww+βθiw+γθf
    w+Q0の式(Ma:冷媒の熱容量、θa:冷媒の温度上
    昇値、θw:電機子巻線の温度上昇値、Sw:電機子巻線
    の冷却面積、θi:鉄心の温度上昇値、θf:励磁巻線の
    温度上昇値、α:電機子巻線と空気との熱伝達率、β:
    鉄心と空気との熱伝達率、γ:励磁巻線と空気との熱伝
    達率、Q0:風損(機械損))によりθaを求めて温度上
    昇試験のシミュレーションを行う工程と、 前記温度上昇試験データとシミュレーション結果とが一
    致するかどうかを検査し、一致しなければ一致するよう
    にMaとα、β、γを調整する工程と、 Mw(dθw)/(dt)+αθww=Qw−Qcの式と、
    i(dθi)/(dt)+βθii=Qi+Qcの式(M
    w:電機子巻線の熱容量、Mi:鉄心の熱容量、θw:電
    機子巻線の温度上昇値、θi:鉄心の温度上昇値、Sw
    電機子巻線の冷却面積、Si:鉄心の冷却面積、α:電
    機子巻線と空気との熱伝達率、β:鉄心と空気との熱伝
    導率、Qw:電機子巻線の負荷損、Qi:鉄損、Qc:電
    機子巻線から鉄心に伝導する熱量)によりθwを求めて
    温度上昇試験のシミュレーションを行う工程と、 前記温度上昇試験データとシミュレーション結果とが一
    致するかどうかを検査し、一致しなければ一致するよう
    にMw、Miとα、βを調整する工程と、 連続運転時のある時刻からのシミュレーションのため
    に、平均温度上昇計算を用いた当該時刻の初期値データ
    を作成し関数化する工程と、 現地における電気機器の最高冷媒温度を少なくとも1日
    分時系列で測定し、この現地において測定した気温と負
    荷電流を入力とし、冷媒温度のシミュレーションを行う
    工程と、 現地測定の冷媒温度とシミュレーション結果とが一致す
    るかどうかを検査し、一致しなければ一致するようにM
    w、Miとα、βを調整する工程とからなることを特徴と
    する電気機器温度のシミュレーション方法。
  8. 【請求項8】 正規寿命が期待できる巻線の最高点温度
    を一定として設定期間連続運転したときのその設定期間
    の寿命損失を求める工程と、 この工程による寿命損失から請求項1、2、3、4又は
    5記載の電気機器温度のシミュレーション方法による前
    記設定期間のシミュレーションに基づいて得られた寿命
    損失を差し引いて余寿命を求める工程とからなることを
    特徴とするシミュレーションによる電気機器の余寿命算
    出方法。
  9. 【請求項9】 正規寿命が期待できる巻線の最高点温度
    95℃を一定として1日連続運転したときの1日の寿命
    損失をV95d=24×εb 95の式(b:0.1155、
    95d:95℃一定の1日の寿命損失)から求める工程
    と、 この工程による寿命損失から請求項1、2、3、4又は
    5記載の電気機器温度のシミュレーション方法による1
    日間のシミュレーションに基づいて得られた寿命損失を
    差し引いて余寿命を求める工程とからなることを特徴と
    するシミュレーションによる電気機器の余寿命算出方
    法。
  10. 【請求項10】 電気機器は、変圧器又は同期機からな
    ることを特徴とする請求項8又は9記載のシミュレーシ
    ョンによる電気機器の余寿命算出方法。
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