JP2001289189A - 2段圧縮可能な冷媒圧縮機 - Google Patents

2段圧縮可能な冷媒圧縮機

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JP2001289189A
JP2001289189A JP2000106027A JP2000106027A JP2001289189A JP 2001289189 A JP2001289189 A JP 2001289189A JP 2000106027 A JP2000106027 A JP 2000106027A JP 2000106027 A JP2000106027 A JP 2000106027A JP 2001289189 A JP2001289189 A JP 2001289189A
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electric motor
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Katsuharu Fujio
勝晴 藤尾
Sadao Kawahara
定夫 河原
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2段圧縮可能な冷媒圧縮機の始動性改善を図
るものである。 【解決手段】 密閉容器3内に可変速運転される電動機
5とそれに連結する2段圧縮機構4を配置した構成にお
いて、電動機5が設定回転速度以上の時のみに2段圧縮
冷凍サイクルにおける膨張装置15bの下流側と2段圧
縮機構4の高段圧縮要素の吸入側とを開閉弁が開通させ
るものである。したがって、圧縮途中の冷媒ガスが膨張
装置15bの下流側への逆流を図ると共に、また、電動
機所要トルクが確保でき、急激な圧縮変動による圧縮機
停止を回避できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は2段圧縮が可能な冷
媒圧縮機の起動手段に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、冷凍機器分野において、低温熱源
および高温熱源確保の一環として、高圧縮比運転に適し
た冷媒圧縮機の実用化研究が盛んである。
【0003】とりわけ、圧縮室と吸入室との間の圧力差
を小さくして圧縮途中漏洩ガス量を低減して圧縮効率を
向上させるために、例えば、次のようなロータリ式2段
圧縮機と冷凍サイクルが提案されている。
【0004】図12において、1101はロータリ式2
段圧縮機である。密閉容器1102内に電動機1103
と低段圧縮要素(第1の圧縮要素)1104と高段圧縮
要素(第2の圧縮要素)1105とが配置されている。
【0005】低段圧縮要素(第1の圧縮要素)1104
と高段圧縮要素(第2の圧縮要素)1105がマフラ1
122を介して直列接続されている。
【0006】このようなロータリ式2段圧縮機1101
のアキュームレータ1114と電動機1103を収納す
る吐出空間との間に、凝縮器1124,第1減圧装置1
125,気液分離器1126,第2減圧装置1127,
蒸発器1128が順次接続されている。この順次接続に
よって基本的な冷凍サイクルが構成されている。
【0007】ロータリ式2段圧縮機1101の高段圧縮
要素(第2の圧縮要素)1105と電動機1103を冷
却するためのインジェクション通路1130は、凝縮器
1124と蒸発器1128の間に配置された気液分離器
1126のガス出口部1126aとマフラ1122と
を、第1電磁二方弁1131を介した第1バイパス通路
1132で接続されている。
【0008】そして、アキュムレータ1114から吸入
して低段圧縮要素(第1の圧縮要素)1104で圧縮・吐出
された冷媒ガスがマフラ1122に送出され、マフラ1
122内で気液分離器1126から流入した気液混合冷
媒と合流の後、高段圧縮要素(第2の圧縮要素)110
5に送られ、圧縮・吐出の後、電動機1103を冷却
し、凝縮器1124へ排出する。
【0009】なお、1133は、第2二方弁1134を
開通する一方、第1二方弁1131を閉塞してマフラ1
122と蒸発器1128の下流側とを連通させることに
よって、低段圧縮要素(第1の圧縮要素)1104の吐
出側とアキュウムレータ1114とを短絡させて冷凍サ
イクルの冷媒循環量を抑制するために準備されたレリー
ス通路である(特開平2−11886号公報)。
【0010】
【発明が解決しょうとする課題】しかしながら、上記従
来の構成では、以下に述べる2つの課題があつた。すな
わち、 第1の課題は、ロータリ式2段圧縮機1101
の起動時は、可変速運転される電動機1103によって
低速始動されるものの、電動機1103の低速運転時ト
ルクが小さい一方、2段圧縮機1101が2段階の圧縮
作用と吐出弁を経由するので、起動初期からの圧縮負荷
が大きく、電動機1103の始動不良が生じるというも
のである。発明者が特開平5−133366号公報でも
記載している如く、特に、2段圧縮機1101は、低段
圧縮要素(第1の圧縮要素)1104からの圧縮冷媒排
出量と高段圧縮要素(第2の圧縮要素)1105の冷媒
吸入量とが圧縮・吸入行程の進行と共に変化する関係か
ら、低段圧縮要素(第1の圧縮要素)1104の吐出側
で激しい圧力脈動が生じるので、圧縮機起動初期の瞬時
負荷も大きく、電動機1103への負担が過大となる。
更に、気液分離器1126からの冷媒吸い込みを許容す
る2段圧縮冷凍サイクルが機能する場合には、圧縮負荷
が一層大きくなって電動機1103の始動不良を誘発す
る。
【0011】また、第2の課題は、ロータリ式2段圧縮
機1101の起動直後は、冷凍サイクルの高圧側の圧力
上昇が低いので、低段圧縮要素(第1の圧縮要素)11
04で圧縮された激しい圧力脈動を伴う冷媒ガスがマフ
ラ1122を介して気液分離器1126の側に逆流す
る。その結果、冷凍サイクルを構成する冷媒流量制御機
器の破損や冷凍サイクル中の油逆流現象による種々の不
具合を招くというものである。このように、2段圧縮機
は起動初期に種々の課題を有しており、円滑な起動の改
善策の実現が要求されていた。
【0012】なお、上記第2の課題を改善するための方
策として、特開平2−37259号公報に記載されてい
る如く、電動機始動後一定時間経過後に気液分離器と低
段圧縮要素(第1の圧縮要素)の吐出側との間を開通さ
せることが提案されている。しかしながら、この方法は
圧縮機始動後の運転条件により必ずしも上記課題を改善
できるものではなかった。
【0013】本発明はこのような従来の課題を解決する
ものであり、2段圧縮機の円滑な起動と冷媒の冷凍サイ
クル逆流を防止することを主目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本第1の発明は、電動機を所要のトルクまで上昇させ
るまで高段圧縮要素(第2の圧縮要素)の吸入側と冷凍
サイクルの凝縮器の下流減圧側液との間を連通させない
ものである。上記冷凍サイクルの制御と電動機の所要回
転慣性モーメントによって、電動機が2段圧縮負荷変動
に対して起動不良を生じることなく、円滑な圧縮作用を
継続することができる。また本第2の発明は、電動機の
回転周波数変換効率が高いブラシレス型の直流電動機を
使用して2段圧縮機を起動する際に、直流電動機が強制
駆動による他励運転モードの不安定なトルク発生状態で
は高段圧縮要素(第2の圧縮要素)の吸入側と冷凍サイ
クルの凝縮器の下流減圧側との間を連通させないもので
ある。
【0015】上記直流電動機の運転モード制御と冷凍サ
イクル制御によって、直流電動機が他励運転モードから
同期位相駆動の自励運転モードに切り替わり安定したト
ルク発生状態で冷凍サイクルからの途中冷媒吸い込みを
伴う2段圧縮負荷変動に対して、円滑な圧縮作用を継続
することができる。
【0016】また本第3の発明は、2段圧縮機の起動初
期に、低段圧縮要素(第1の圧縮要素)からの吐出冷媒
ガスを高段圧縮要素(第2の圧縮要素)に送り込まず
に、最終段圧縮ガスの吐出側にバイパス吐出させるもの
である。上記冷媒ガス通路の制御によって、2段圧縮機
の起動初期は圧縮負荷が小さい1段圧縮運転できるの
で、円滑な始動ができる。また本第4の発明は、2段圧
縮機の始動時はいずれか一方の圧縮要素の吸入通路を遮
断して他方の圧縮要素を1段圧縮運転させるものであ
る。
【0017】上記冷媒ガス通路の制御によって、2段圧
縮機の起動初期は圧縮負荷が最も小さい容量の1段圧縮
運転できるので、円滑な始動ができる。また本第5の発
明は、吸入通路が遮断される側の圧縮要素の圧縮室に油
溜の潤滑油を供給するものである。上記給油通路の構成
によって、潤滑油を含む冷媒ガスが圧縮室に流入しなく
とも、油溜から差圧供給される潤滑油が圧縮室内の各摺
動部を潤滑するので、圧縮要素の休止運転を継続でき
る。また本第6の発明は、圧縮行程の途中からのみ潤滑
油を圧縮室に供給するものである。上記給油量の制限に
よって圧縮室への過剰な給油が回避できる。また本第7
の発明は、休止運転する側の圧縮要素の圧縮室への給油
通路途中に、油溜から圧縮室へのみの流体流入を許容す
る逆止弁を設けたものである。上記逆止弁の設置によっ
て、通常の2段圧縮運転時や運転休止しない1段圧縮運
転時において、圧縮室から油溜への冷媒ガス流出を回避
できる。また本第8の発明は、休止運転する側の圧縮要
素の圧縮室と油溜との差圧が大きい時のみ給油される手
段を設けたものである。上記差圧給油通路の構成によっ
て、通常の2段圧縮運転や1段圧縮運転状態では不要な
給油を停止して油圧縮を回避することができる。また本
第9の発明は、圧縮要素をローリングピストン型ロータ
リ圧縮機構とし、駆動軸のクランク部に外装するピスト
ンと接触して圧縮室を圧縮側と吸入側とに仕切るベーン
を、ピストンから離反させて圧縮作用を休止させる圧縮
作用解除手段を設けたものである。上記圧縮作用解除手
段によって、2段圧縮機構を圧縮負荷や圧縮冷媒ガス容
量に応じて1段圧縮機構に切り替えることができる。ま
た本第10の発明は、圧縮作用解除手段を設けたローリ
ングピストン型ロータリ圧縮機構の2段圧縮機を起動す
る際に、いずれか一方の圧縮要素を休止運転作用させた
状態で1段圧縮運転させるものである。上記圧縮作用解
除状態での1段圧縮起動によって、圧縮負荷を軽減し円
滑な圧縮機起動ができる。また本第11の発明は、圧縮
運転モードを切り替える際に電動機を一時的に減速させ
るものである。上記電動機の制御によって、急激な圧縮
負荷変動をなくし、不慮の圧縮機停止を回避させるもの
である。また本第12の発明は、第1の圧縮要素の第1
吐出室と第2の圧縮要素の吸入側とを連通する連通路を
開閉する開閉弁装置に、通路閉塞時に自力密封押圧手段
を設けたものである。上記開閉弁装置の自力密封押圧手
段によって、連通路閉塞時の第1の圧縮要素の第1吐出
室から第2の圧縮要素の吸入側への冷媒漏洩を低減させ
るものである。また本第13の発明は、連通路を開閉す
る開閉弁装置のプランジャーの閉塞機能を高めるべく配
置したものである。
【0018】上記プランジャー配置によって、1段圧縮
時の圧縮機効率を向上させるものである。また本第14
の発明は、圧縮機異常過熱時に、連通路を閉塞して2段
圧縮運転から1段圧縮運転できる自動切り替え手段を備
えたものである。上記連通路の自動切り替え手段によっ
て、圧縮機の過熱・過圧縮を防ぐものである。また本第
15の発明は、第1の圧縮要素と第2の圧縮要素との間
の連通路の短縮化と密封性確保のための連通管を配設し
たものである。
【0019】上記連通管の配設によって、第1の圧縮要
素から排出された吐出冷媒ガスが再び第1の圧縮要素の
圧縮室に漏洩するのを防ぐものである。
【0020】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明は、第1の
圧縮要素の吐出側と第2の圧縮要素の吸入側とを連通路
を介して直列接続した2段圧縮機構を有する2段冷媒圧
縮機、凝縮器、膨張装置、蒸発器を順次接続した冷凍サ
イクルを形成し、第2の圧縮要素の吸入側に凝縮器の下
流側で減圧された中間圧力冷媒を通路制御弁を介して導
入すると共に、2段冷媒圧縮機は密閉容器の内部に制御
装置によって可変速運転される電動機と電動機に連結す
る2段圧縮機構を配置した構成において、電動機が設定
回転速度以上の時のみに通路制御弁を開通させるもので
ある。そしてこの構成によれば、電動機のトルクと回転
慣性モーメントが大きいので、圧力脈動と圧縮途中にお
ける比重が大きい冷媒流入を伴う2段圧縮負荷変動に対
して電動機の回転速度変動が少なく、円滑な圧縮作用を
継続することができる。特に、2段圧縮機の低速起動初
期は、電動機のトルクと回転慣性モーメントが小さいに
も関わらず、2段圧縮負荷が小さいので起動不良を生じ
ることなく円滑に低速起動ができる。請求項2に記載の
発明は、第1の圧縮要素の吐出側と第2の圧縮要素の吸
入側とを連通路を介して直列接続した2段圧縮機構を有
する2段冷媒圧縮機、凝縮器、膨張装置、蒸発器を順次
接続した冷凍サイクルを形成し、第2の圧縮要素の吸入
側に凝縮器の下流側で減圧された中間圧力冷媒を通路制
御弁を介して導入すると共に、2段冷媒圧縮機は密閉容
器の内部に制御装置によって可変速運転制御されるブラ
シレス型の直流電動機と直流電動機に連結する2段圧縮
機構を配置した構成において、2段冷媒圧縮機の始動の
際は、直流電動機が制御装置による同期位相検知期間中
の大電流強制運転の他励運転モードから同期位相小電流
運転の自励運転モードに切り替わった後に通路制御弁が
開通されるものである。そしてこの構成によれば、直流
電動機が他励運転モードから自励運転モードに切り替わ
り、直流電動機が安定したトルク発生状態となる一方、
起動後の時間経過に基づく冷凍サイクルの安定した差圧
状態で、冷凍サイクルからの中間圧力冷媒が第2の圧縮
要素に吸い込まれ、圧力脈動を伴う2段圧縮負荷変動に
対しても、直流電動機の安定した回転と円滑な圧縮作用
を継続することができる。
【0021】請求項3に記載の発明は、密閉容器内に、
第1の圧縮要素の吐出側と第2の圧縮要素の吸入側との
間を通路制御弁によって開閉される連通路を介して直列
接続した2段圧縮機構と、その2段圧縮機構を駆動する
電動機とを配置した構成において、電動機を収納する電
動機室と第1の圧縮要素の吐出側との間に、第1の圧縮要
素の吐出側から電動機室へのみの気体流出を許容する逆
止弁手段を備えた排出通路を設けると共に、第1の圧縮
要素と第2の圧縮要素との間の連通路を通路制御弁によ
って遮断した状態で電動機を始動させるものである。そ
してこの構成によれば、2段圧縮機の起動初期に、第1
の圧縮要素からの吐出冷媒ガスが第2の圧縮要素に送り
込まずに、電動機室にバイパス吐出して圧縮負荷が小さ
い1段圧縮運転状態となり、2段圧縮機の円滑な始動が
容易にできる。
【0022】請求項4に記載の発明は、密閉容器の内部
に電動機と電動機に連結する駆動軸の駆動により気体を
圧縮する第1の圧縮要素と第2の圧縮要素とを配置し、
第1の圧縮要素の吐出側と第2の圧縮要素の吸入側とを
連通して2段圧縮する2段圧縮運転手段と、第1の圧縮
要素および前記第2の圧縮要素がそれぞれ独立して圧縮
する1段圧縮運転手段とに切り替え運転できる1・2段
圧縮制御手段を設けた構成において、電動機の始動時は
第1の圧縮要素および第2の圧縮要素を1段圧縮運転状態
とし、且つ、第1の圧縮要素と第2の圧縮要素の内のい
ずれか一方の圧縮要素の吸入側通路を一時遮断させ、設
定時間経過後に吸入側通路を開通させる手段を備えた1
段圧縮運転と2段圧縮運転とに切り替え可能にしたもの
である。そしてこの構成によれば、2段圧縮機の始動時
は一方の圧縮要素が冷媒を吸い込まない圧縮休止状態で
他方の圧縮要素が1段圧縮運転状態となり、圧縮容量と
圧縮負荷が最も小さい状態で円滑な始動ができる。
【0023】請求項5に記載の発明は、吸入側通路が一
時遮断される側の圧縮要素の圧縮室と、電動機室の底部
に配置した油溜との間を連通する注油通路を設けたもの
である。そしてこの構成によれば、吸入側通路が一時遮
断される側の圧縮要素の圧縮室が真空に近い状態となる
が、油溜との間の差圧によって油溜から圧縮室に潤滑油
が流入して圧縮室の摺動面潤滑に提供されるので、潤滑
油を含む冷媒ガスが圧縮室を通過しない状態でも圧縮要
素の休止運転を継続できる。
【0024】請求項6に記載の発明は、油溜から圧縮休
止状態の圧縮室への注油通路が圧縮行程における約半分
の容積行程を通過した状態でのみ圧縮室に開口する位置
に配置されたものである。そしてこの構成によれば、油
溜の潤滑油が圧縮行程の約半分しか圧縮室に流入せず、
圧縮室への給油量制限によって過剰な油圧縮を回避でき
る。
【0025】請求項7に記載の発明は、注油通路の途中
に、油溜から圧縮室へのみの流体流入を許容する逆止弁
装置を配置したものである。逆止弁装置は、通常の2段
圧縮運転時や運転休止しない1段圧縮運転時において、
圧縮室から油溜への冷媒ガスの逆流を防止できる。請求
項8に記載の発明は、圧縮室と油溜との差圧が設定値以
上の時のみ逆止弁装置が給油通路を開通させるものであ
る。そしてこの構成によれば、休止運転する側の圧縮要
素の圧縮室と油溜との差圧が大きい時のみ油溜から圧縮
室に給油され、冷媒ガスが圧縮室を通過する通常の2段
圧縮運転や1段圧縮運転状態での不要な給油を停止して
油圧縮を回避することができる。請求項9に記載の発明
は、密閉容器の内部に電動機と電動機に連結する駆動軸
の駆動により冷媒を圧縮する第1の圧縮要素と第2の圧
縮要素とを配置し、第1の圧縮要素の吐出側と第2の圧
縮要素の吸入側とを連通して2段圧縮する2段圧縮運転
手段と、第1の圧縮要素および第2の圧縮要素がそれぞ
れ独立して圧縮する1段圧縮運転手段とに切り替え運転
できる1・2段圧縮制御手段を設けた構成において、第
1の圧縮要素と第2の圧縮要素の内のいずれか一方をロ
ーリングピストン型ロータリ式の圧縮機構とし、その圧
縮機構には圧縮室を形成するピストン外周面に対して圧
縮室を圧縮側と吸入側とに仕切るベーンを単独に後退維
持させることにより、ベーンをピストン外周面から離反
させて圧縮作用を解除させる解除機能を備え、1段圧縮
運転時には、解除機能を作用させるものである。そして
この構成によれば、ローリングピストン型ロータリ式の
圧縮機構は圧縮作用が休止し、他方の圧縮機構のみが1
段圧縮運転となる。そして、冷媒吐出量の小容量化と圧
縮負荷の低下を同時に実行できる。請求項10に記載の
発明は、一方の圧縮要素に上記の圧縮作用解除機能を備
えた圧縮機を起動させる際に、圧縮作用解除機能を作動
させたものである。そしてこの構成によれば、他方の圧
縮要素のみが1段圧縮し、圧縮負荷を軽減した円滑な圧
縮機起動ができる。請求項11に記載の発明は、1段圧
縮と2段圧縮の内のいずれかの圧縮運転モードから他の
圧縮運転モードへの切り替えの際に、電動機の回転速度
を一時的に減速した後、圧縮運転モードをの他の圧縮運
転モードに切り替え、その後再び電動機の回転速度を増
速させる手段を備えたものである。そしてこの構成によ
れば、圧縮運転モードを切り替える際の急激な圧縮負荷
変動が回避できる。
【0026】請求項12に記載の発明は、第1の圧縮要
素の吐出側と第2の圧縮要素の吸入側とを連通して2段
圧縮する2段圧縮運転手段と、第1の圧縮要素および第
2の圧縮要素がそれぞれ独立して圧縮する1段圧縮運転
手段とに切り替え運転できる1・2段圧縮制御手段を設
けた構成において、第1の圧縮要素の第1吐出室と第2
の圧縮要素の吸入側とを連通する連通路を圧縮機の内部
に設け、連通路の第1吐出室側開口端を開閉するプラン
ジャーを備えた開閉弁装置を第1吐出室側に配置し、そ
のプランジャーが連通路の第1吐出室側開口端を開閉し
た時、第1吐出室と第2の圧縮要素の吸入側との差圧に
よって、プランジャーが連通路の閉塞端を更に押圧すべ
く構成する開閉弁装置を備えたもので、この構成によれ
ば、連通路閉塞時に自力密封押圧機能が作用して、第1
の圧縮要素の第1吐出室から第2の圧縮要素の吸入側へ
の冷媒漏洩を少なくできる。
【0027】請求項13に記載の発明は、連通路を開閉
する開閉弁装置のプランジャーが冷媒の流れ方向に可動
すべく、第1吐出室を形成する吐出カバーに配置された
もので、この構成によれば、プランジャーの開閉動作が
円滑に成り、プランジャーの閉塞機能を高めることがで
きる。
【0028】請求項14に記載の発明は、それ自身の温
度が設定温度以上の時、プランジャーによる連通路の閉
塞端を開口すべく、プランジャーに付勢力を作用させる
形状記憶バネ特性を備えたバネ装置を連通路とプランジ
ャーとの間に配置したもので、この構成によれば、圧縮
機異常過熱時に、プランジャーを連通路の開口端部側に
移動させ、連通路を閉塞して2段圧縮運転から1段圧縮
運転に冷媒通路を自動切り替えできる。
【0029】請求項15に記載の発明は、第1の圧縮要
素の吐出側と第2の圧縮要素の吸入側とを連通して2段
圧縮する2段圧縮機構を設けた構成において、第1の圧
縮要素の吐出室と第2の圧縮要素のシリンダブロックと
の間を、その両端部が密封接続され且つ第1の圧縮要素
および第2の圧縮要素の各圧縮室の近傍を通る連通管に
より連通されたもので、この構成によれば、第1の圧縮
要素と第2の圧縮要素との間の連通路の短縮化と密封性
を確保でき、第1の圧縮要素から排出された吐出冷媒ガ
スが再び第1の圧縮要素の圧縮室に短絡漏洩するのを防
ぐことができる。
【0030】
【実施例】以下本発明の実施例について図面を参照して
説明する。 (実施例1)図1は、ローリングピストン形ロータリ式
の2段圧縮機1,凝縮器13,第1膨張装置15a,第
1蒸発器21aを順次接続して2段圧縮機1の低段圧縮
要素(第1の圧縮要素)7の吸入側に最終接続された第1
冷凍サイクル97aと、凝縮器13の下流側から分岐し
て第2膨張装置15b,第2蒸発器21bを順次接続し
て2段圧縮機1の高段圧縮要素(第2の圧縮要素)9の
吸入側に最終接続される一方、第2蒸発器21bの下流
側が通路制御弁98を介して低段圧縮要素(第1の圧縮
要素)7の吐出側にも接続された第2冷凍サイクル97
bとから成る2段圧縮冷凍サイクルの配管系統図を示
す。
【0031】2段圧縮機1は、密閉容器3の内部に制御
装置99によって回転速度が可変されるブラシレス型の
直流電動機5と、その下部に直流電動機5に連結して低
段圧縮要素(第1の圧縮要素)7および高段圧縮要素
(第2の圧縮要素)9から成る2段圧縮機構とを備えて
いる。なお、第1冷凍サイクル97aと第2冷凍サイク
ル97bとから成る2段圧縮冷凍サイクルは、低段圧縮
要素(第1の圧縮要素)7および高段圧縮要素(第2の
圧縮要素)9がそれぞれ独立した1段圧縮要素と成る冷
凍サイクルを形成することができる。すなわち、第2冷
凍サイクル97bに配置された通路制御弁98の通路切
り替えによって、第2蒸発器21bの下流側と低段圧縮
要素(第1の圧縮要素)7の吐出室45との間が遮断さ
れると共に、第2蒸発器21bが高段圧縮要素(第2の
圧縮要素)9の吸入側に通じた状態では、高段圧縮要素
(第2の圧縮要素)9で1段圧縮された冷媒ガスは高段
圧縮要素(第2の圧縮要素)9の第1吐出室51から直
流電動機5を収納する電動機室8に排出される。一方、
第1冷凍サイクル97aの低段圧縮要素(第1の圧縮要
素)に吸入・圧縮された冷媒ガスは、第1吐出室45か
ら高段圧縮要素(第2の圧縮要素)9の第2吐出室51
へのみに通じる逆止弁装置95を備えたバイパス通路9
6を介して電動機室8に排出される1段圧縮の冷媒ガス
通路を流れる。このように、冷媒ガスの通路切り替えに
よって1段圧縮運転と、2段圧縮運転に切り替えできる
2段圧縮機1は、冷凍冷蔵庫などの冷凍サイクルに接続
された場合に一層の有効性を発揮する。すなわち、第1
冷凍サイクルは冷凍室を通過する冷媒ガス経路であり、
第2冷凍サイクルは冷蔵室を通過する冷媒ガス経路であ
る。
【0032】以下、2段圧縮機1の詳細な構成につい
て、図1以降の図面を参照しながら説明する。
【0033】図1および図2に示すように、密閉容器3
内の上部空間の電動機室8には固定子5aと回転子5b
から成る直流電動機5、その下部には回転子5bに連結
した駆動軸6を有する2段圧縮機構4を配置し、その外
周部および底部が吐出圧力の作用する油溜35として構
成されている。2段圧縮機構4は、上部の高段圧縮要素
(第2の圧縮要素)9と下部の低段圧縮要素(第1の圧
縮要素)7と両圧縮要素(7,9)の間に配置された平
板形状の中板36および両圧縮要素(7,9)を作動さ
せる駆動軸6とから成る。両圧縮要素(7,9)は、高
段圧縮要素(第2の圧縮要素)9の第2シリンダブロッ
ク9aに固定された上軸受11の外周部が密閉容器3に
溶接固定された構成で密閉容器3に支持されている。高
段圧縮要素(第2の圧縮要素)9のシリンダ容積は、低
段圧縮要素(第1の圧縮要素)7のシリンダ容積の約4
5〜65%に設定されている。
【0034】駆動軸6は低段圧縮要素(第1の圧縮要
素)7の第1シリンダブロック7aに固定された下軸受
12と、上述の上軸受11とに支持されている。駆動軸
6の第1のクランク部6aには第1のピストン7bが装嵌
され、第2のクランク部6bには第2のピストン9bが
装嵌されている。
【0035】下軸受12には第1の吐出カバーが取り付
けられて第1吐出室45が形成される一方、上軸受11
には第2吐出カバー50が取り付けられて電動機室8に
通じる第2吐出室51を形成している。第1吐出室45
は、下軸受12に設けられた第1連通穴55aと、第1シ
リンダブロック7aに設けられた第2連通穴55bおよ
び、密閉容器3を貫通して第2連通穴55bに接続され
た連通管55cとから成る連通路55を介して、第2冷
凍サイクル97bの途中に配置された通路制御弁98に
接続されている。また第1吐出室45は、下軸受12,
第1シリンダブロック7a,中板36,第2シリンダブ
ロック9a,上軸受11を順次貫通して配置されたバイ
パス管96aとその先端に配置された逆止弁装置58と
から成るバイパス通路96を介して第2吐出室51にも
通じ得る構成である。
【0036】図3と図4に示すように、バイパス管96
aは、その両端部分が上軸受11と下軸受12に固定さ
れて、その固定部がO―リング96bでシールされてい
る。逆止弁装置58に当接する側のバイパス管96aの
端部内側はR形状に成形されて、冷媒ガスの流出抵抗減
少と逆止弁装置58の密封性向上に寄与している。
【0037】逆止弁装置58は、その外周に切り欠き部
58cを有する薄板形状の弁体58aと、その弁体58
aをバイパス管96aの端面に押圧するコイルバネ58
bとから成る。
【0038】中板36には低段圧縮要素(第1の圧縮要
素)7の圧縮室7cおよび高段圧縮要素(第2の圧縮要
素)9の圧縮室9cと油溜35との間を連通する注油通
路61が設けられている。注油通路61の終端の注油穴
61aは、圧縮室(7c,9c)の容積が全圧縮行程の
過半行程を通過している状態でのみ圧縮室(7c,9
c)に開口する位置に設けられている。そして、注油通
路61の上流側には、油溜35から圧縮室(7c,9
c)へのみの流体流入を許容する逆止弁装置95が装着
されている。
【0039】図6に示すように、逆止弁装置95は、ケ
ース95aと弁体95bとコイルバネ95cとから成
る。コイルバネ95cは逆止弁装置95の上流側と下流
側との間の差圧が設定値以上の時のみ開弁するバネ特性
を備えている。またコイルバネ95cは、それ自身の温
度が設定温度を超えた状態ではバネ定数を弱めて開弁す
る形状記憶特性も備えている。図5に示すように、圧縮
室(7c,9c)を吸入側と圧縮側とに仕切るベーン3
9は、その背面側が油溜35の潤滑油圧力とコイルバネ
40とに付勢されて他端がピストン(7b,9b)の外
周に押圧されていると共に、後述する圧縮作用休止装置
46によって往復運動が制御される。
【0040】すなわち、コイルバネ40は、切り替え弁
41を介して導入された油溜35の潤滑油圧力とコイル
バネ42によって付勢されたプランジャー43によりベ
ーン39の側に押し付けられている。
【0041】その外周にピストンリングを備えたプラン
ジャー43の背面室44は、密閉容器3の一部を突出さ
せて設けられている。切り替え弁41による通路切り替
えによって背面室44が吸入圧力側に通じた時、プラン
ジャー43のコイルバネ40側の圧力と背面室44との
間の差圧によってプランジャー43がコイルバネ40へ
の付勢を解除すべくコイルバネ42のバネ定数が設定さ
れている。
【0042】ベーン39は、コイルバネ40への付勢が
解除された時、ピストン7b,9bの旋回運動によって
プランジャー43の側に後退し、その状態が保持される
ような微小隙間でシリンダブロック7a,9aに配置さ
れている。そして、ベーン39がピストン7b,9bか
ら離れた状態では圧縮作用の休止が継続できる構成にな
っている。
【0043】以上のように構成されたローリングピスト
ン型ロータリ式の2段圧縮機1とその冷凍サイクルにつ
いて、その動作を説明する。2段圧縮機1が起動する前
の冷凍冷蔵庫に適用された冷凍サイクル配管系統を図7
に示す。すなわち、第2開閉弁19bが開路状態である
一方、第1開閉弁19aが閉路されており、冷凍室側の
第1冷凍サイクル97aが休止状態で冷蔵室側の第2冷
凍サイクル97bのみが冷媒循環経路を成す状態に設定
されている。そして、低段圧縮要素(第1の圧縮室)7
の第1吐出室45が通路制御弁98によって、第2冷凍
サイクル97bの第2蒸発器21bの下流側と遮断され
ている。低段圧縮要素(第1の圧縮要素)7および高段
圧縮要素(第2の圧縮要素)9の圧縮作用解除装置46
における切り替え弁41が第2冷凍サイクル97bの吸
入側の圧力を背面室44に導いており、ベーン39の圧
縮室側先端はコイルバネ42の付勢力のみで第1ピスト
ン7bおよび第2ピストン9bに接触している。このよ
うな冷凍サイクル配管系の状態で、2段圧縮機1の直流
電動機5が制御装置99による他励運転モード(同期運
転のための位相検知時期における大電流よる強制駆動)
で極低速回転始動し、低段圧縮要素(第1の圧縮要素)
7および高段圧縮要素(第2の圧縮要素)9で吸入・圧
縮が開始する。しかしながら、第1冷凍サイクル97a
が閉路状態であるので、低段圧縮要素(第1の圧縮要
素)7の圧縮負荷は始動後直ぐに無負荷状態になる。一
方、第2冷凍サイクル97bは開路状態であるので、高
段圧縮要素(第2の圧縮要素)9は吸入・圧縮作用を開
始し、圧縮された冷媒ガスは第2吐出室51を経て電動
機室8に排出される。第2吐出室51の吐出冷媒ガス
は、逆止弁装置58の逆止作用によって第1吐出室45
に逆流することがない。
【0044】高段圧縮要素(第2の圧縮要素)9の圧縮
作用解除装置46の背面室44の圧力が吸入圧力の低下
に追従して次第に低下し、密閉容器3内の圧力上昇と共
にプランジャー43が密閉容器3の外側に向かって後退
する。その結果、プランジャー43とコイルバネ40と
が離反する。
【0045】2段圧縮機1の冷時始動初期における圧縮
室9cの最高圧力は電動機室8の圧力よりも高いので、
ベーン39は第2ピストン9bの旋回運動によってプラ
ンジャー43の側に後退したままの状態で第2シリンダ
ブロック9aに保持される。この結果、高段圧縮要素
(第2の圧縮要素)9の圧縮作用が実質的に休止運転状
態となり、2段圧縮機1は無負荷に近い状態になる。
【0046】その後、直流電動機5は他励運転モードを
経過して極低速回転の自励運転(適量電流による同期運
転)モードに切り替わり、回転速度が所要回転域まで増
速され、駆動トルクが所要の大きさに到達する。
【0047】高段圧縮要素(第1の圧縮要素)9の圧縮
作用解除装置46における切り替え弁41の通路切り替
えによって、油溜35の潤滑油が背圧室44に導入され
る。その結果、コイルバネ42の付勢力によってプラン
ジャー43がベーン39の側に前進し、ベーン39が第
2ピストン9bの外周面に押圧され、高段圧縮要素(第
1の圧縮要素)9の実質的な圧縮作用が開始する。密閉
容器3内の吐出冷媒ガス圧力の上昇に伴って高段圧縮要
素(第1の圧縮要素)9のベーン39は、油溜35の潤
滑油圧力により第2ピストン9bとの接触を強め、圧縮
室9cにおける仕切り密封作用を強める。圧縮負荷は、
切り替え弁41による通路切り替え後、時間経過と共に
次第に増加する。
【0048】一方、2段圧縮機1の始動後、低段圧縮要
素(第1の圧縮要素)7における圧縮作用解除装置46
の背面室44の圧力が吸入圧力に低下し、プランジャー
43が油溜35の潤滑油圧力によって密閉容器3の外側
に向かって後退する。その結果、ベーン39が第1ピス
トン7bの旋回運動によってプランジャー43の側に後
退し、その状態で第1シリンダブロック7aに保持さ
れ、圧縮作用が休止する。
【0049】なお、2段圧縮機1の始動後しばらくの間
は、油溜35の潤滑油圧力が高くならないので、中板3
6に設けられた絞り通路部を有する注油通路61を介し
て油溜35の潤滑油が圧縮室7c,9cに供給されるこ
とはない。
【0050】密閉容器3内の吐出冷媒ガス圧力が所要圧
力に達した時、圧縮作用が休止運転状態の低段圧縮要素
(第1の圧縮要素)7の真空圧力に近い状態の圧縮室7
cに注油通路61内の逆止弁装置95を介して、油溜3
5の潤滑油が供給される。この潤滑油は、第1ピストン
7bと中板36および下軸受12との摺接面を潤滑し、
低段圧縮要素(第1の圧縮要素)7の圧縮作用休止運転
継続が可能になる。高段圧縮要素(第2の圧縮要素)9
のシリンダ容積が、低段圧縮要素(第1の圧縮要素)7
のシリンダ容積の約45〜65%に設定されているの
で、高段圧縮要素(第2の圧縮要素)9のみの圧縮作用
は、2段圧縮機1の小容量運転を可能にしている。
【0051】次に、高段圧縮要素(第2の圧縮要素)9
のみによる2段圧縮機1の小容量運転から、低段圧縮要
素(第1の圧縮要素)7にも1段圧縮運転させる手段につ
いて説明する。図7における状態から第1開閉弁19a
が開通されて、図8に示す如く、第2冷凍サイクル97
bと共に第1冷凍サイクル97aも冷媒循環経路を構成
する状態と成る。
【0052】また同時に、以下に述べる低段圧縮要素
(第1の圧縮要素)7の圧縮作用開始に伴うベーン39
などの破損防止のために、直流電動機5の回転速度が一
時的に減速される。
【0053】その一方、 図5における低段圧縮要素
(第1の圧縮要素)7の圧縮作用解除装置46の切り替
え弁41の通路切り替えによって、背面室44には吸入
側圧力に変わって油溜35の潤滑油が徐々に導入され、
コイルバネ42の付勢力でプランジャー43がベーン3
9の側に前進する。その結果、ベーン39の先端が徐々
に前進し第1ピストン7bの外周面に接触し、圧縮作用
が徐々に開始し直流電動機5の回転速度も徐々に増速さ
れて圧縮負荷が漸次増加する。第2冷凍サイクル97b
の通路制御弁98によって第1吐出室45と第2蒸発器
21bとの間が遮断されているので、低段圧縮要素(第
1の圧縮要素)7の圧縮室7cから第1吐出室45に排出
された吐出冷媒ガスは、バイパス通路96,逆止弁装置
58,第2吐出室51を順次経由して電動機室8に排出
される。
【0054】なお、バイパス通路96および逆止弁装置
58の通路は低段圧縮要素(第1の圧縮要素)7の圧縮
室7cに開口する吐出口93(図2参照)より大きく、
逆止弁装置58の弁体58aを付勢するためのコイルバ
ネ58bのバネ定数が吐出口93を開閉する吐出弁装置
94(図2参照)の弁体のバネ特性より大幅に小さいの
で、第1吐出室45から電動機室8までの吐出冷媒ガス
通路抵抗はほとんど無視できる程度である。
【0055】第2冷凍サイクル97bの冷媒流れは図7
における説明と同様なので説明を省略する。上記の説明
の如く2段圧縮機1は、第1冷凍サイクル97aおよび
第2冷凍サイクル97bの冷媒流れと、低段圧縮要素
(第1の圧縮要素)7および高段圧縮要素(第2の圧縮
要素)9の同時1段作用によって、冷凍冷蔵庫の冷凍室
および冷蔵室を急速冷却するための大容量圧縮機として
機能することができる。
【0056】次に、1段圧縮から2段圧縮への運転切り
替えについて説明する。直流電動機5の回転速度が一時
的に減速された後、図8における第1冷凍サイクル97
aの第1開閉弁19を瞬時的に閉路させ再び開路させる
と共に、第2冷凍サイクル97bの通路制御弁98によ
って第2蒸発器21bと第1吐出室45との間および高
段圧縮要素(第2の圧縮要素)9の吸入側とが連通され
る(図9参照)。この冷媒通路操作によって、吸入冷媒
ガスを一時的に吸入しない低段圧縮要素(第1の圧縮要
素)7の第1吐出室45の圧力が一時的に低下し、バイ
パス通路96が逆止弁装置95によって閉塞される。そ
の後、直流電動機5が再び元の回転速度に増速復帰され
る。
【0057】第1吐出室45の吐出冷媒ガスは、第2蒸
発器21bと通過した冷媒ガスガスと合流して高段圧縮
要素(第2の圧縮要素)9の吸入側に流入する。高段圧
縮要素(第2の圧縮要素)9で圧縮された吐出冷媒ガス
は、直流電動機8を冷却後、2段圧縮機1の外部に送出
される。このような冷媒蒸発圧力が異なる第1冷凍サイ
クル97aと第2冷凍サイクル97bを同時に形成する
ことによって、冷凍冷蔵庫の冷凍室と冷蔵室を個別に冷
却することができる。
【0058】なお上記実施例では、第2冷凍サイクル9
7bに設けた通路制御弁98を2段圧縮機1の外部に配
置したが、その機能の一部を圧縮機内部に設けることも
できる。 (実施例2)すなわち、図10は低段圧縮要素(第1の
圧縮要素)の第1吐出室45aと高段圧縮要素(第2圧
縮要素)の吸入側との間の連通路93を開閉する開閉弁
装置89を第1吐出室45a内に設置した2段圧縮機1
aの縦断面図である。図11は連通路93の周辺の部分
拡大図である。
【0059】図11において、低段圧縮要素(第1の圧
縮要素)の第1吐出室45aと高段圧縮要素(第2圧縮
要素)の吸入側との間の連通路93は、下軸受12a,
第1シリンダブロック7a1,中板36a,を貫通する
連通管92が嵌め込まれて形成されている。連通路93
は、連通管55c1を介して、第2冷凍サイクルの第2
蒸発器21bの下流側に接続されている。
【0060】連通管92の上流側端部に対向した位置に
連通路93を開閉する開閉弁装置89が配置されてい
る。開閉弁装置89は、第1吐出カバー37aに装着さ
れたピストンリングを備えたプランジャー91と、プラ
ンジャー91を連通管92から離すためのコイルバネ形
状のバネ装置90と、プランジャー91の内側に配置さ
れてプランジャー91を連通管92の側に付勢するコイ
ルバネ90aと、コイルバネ90aを装着した開口空間
88に吸入側圧力もしくは吐出側圧力を導入するための
密閉容器3aを貫通する圧力導入管87と、圧力導入管
87に接続する切り替え弁91とから成る。
【0061】コイルバネ90aは、それ自身の温度が設
定温度以上の状態で伸長してバネ定数が大きく成る形状
記憶特性を備えている。
【0062】開口空間88に吸入側圧力が導入された状
態では、プランジャー91は第1吐出室45aの圧力と
コイルバネ90aの付勢力により後退し、連通管92の
開口端を開放している。万一、2段圧縮機1aが過負荷
などで異常過熱してコイルバネ90aが設定温度を超え
た場合には、プランジャー91が前進して連通管92の
端部を閉塞し、2段圧縮機1aは1段圧縮運転に切り替
わる。開口空間88に吐出側圧力が導入された状態で
は、プランジャー91は第1吐出室45aの圧力とバネ
装置90の付勢力に抗して前進し、連通管92の端部を
閉塞する。そして、2段圧縮機1aは1段圧縮運転に切
り替わる。
【0063】なお、プランジャー91が連通管92の端
部を閉塞した状態では、高段圧縮要素(第2の圧縮要
素)の吸入圧力と第1吐出室45aとの間の圧力差によ
って、プランジャー91が連通管92の端部に強く押し
付けられ、連通路93の密封性が高まる。
【0064】なお、上記実施例では、第1冷凍サイクル
97aと第2冷凍サイクル97bの用途を冷凍冷蔵庫を
事例としたが、上記冷凍サイクルを冷房・除湿運転がで
きる空気調和機に使用することもできる。また上記実施
例では、2段圧縮機1を第1冷凍サイクル97aと第2
冷凍サイクル97bの2系統の冷凍サイクルに接続した
が、第10図で示した単一の蒸発器1124を備えた1系
統の冷凍サイクルに2段圧縮機1を接続した場合でも、
上述と同様な1.2段圧縮切り替え運転ができ、類似の
作用・効果が期待できる。また同様に、発明者が提案し
た特開平5−133368号公報で説明している2段圧
縮冷凍サイクルにも適用できる。また上記実施例では可
変速運転できる電動機の制御方法について説明したが、
可変速運転できない電動機の場合には、減速制御に変え
て一旦停止させれば、上述と同様の冷凍サイクル制御が
できる。
【0065】また、上記実施例では高段圧縮要素(第2
の圧縮要素)9のシリンダ容積を低段圧縮要素(第1の
圧縮要素)7のシリンダ容積の45〜65%に設定した
が、第1冷凍サイクル97aおよび第2冷凍サイクル9
7bに要求される冷媒循環量比率によって、上記のシリ
ンダ容積比を100%まで変えることができる。
【0066】
【発明の効果】上記実施例から明かなように、請求項1
に記載の発明は、第1の圧縮要素の吐出側と第2の圧縮
要素の吸入側とを連通路を介して直列接続した2段圧縮
機構を有する2段冷媒圧縮機、凝縮器、膨張装置、蒸発
器を順次接続した冷凍サイクルを形成し、第2の圧縮要
素の吸入側に凝縮器の下流側で減圧された中間圧力冷媒
を通路制御弁を介して導入すると共に、2段冷媒圧縮機
は密閉容器の内部に制御装置によって可変速運転される
電動機と電動機に連結する2段圧縮機構を配置した構成
において、電動機が設定回転速度以上の時のみに通路制
御弁が開通されるもので、この構成によれば、圧力脈動
と圧縮途中における比重が大きい冷媒流入を伴う2段圧
縮負荷変動に対して、設定速度以上で稼働中の電動機は
トルクと電動機の回転子による回転慣性モーメントも大
きいので、電動機の回転速度変動が少なく、円滑な圧縮
作用を継続させることができる。特に、2段圧縮機の低
速起動初期は、電動機のトルクと回転慣性モーメントが
小さいにも関わらず、吸入冷媒ガスを遮断することによ
り2段圧縮負荷を小さくできるので、電動機起動不良を
生じることない円滑な2段圧縮機起動を実現できる。請
求項2に記載の発明は、第1の圧縮要素の吐出側と第2
の圧縮要素の吸入側とを連通路を介して直列接続した2
段圧縮機構を有する2段冷媒圧縮機、凝縮器、膨張装
置、蒸発器を順次接続した冷凍サイクルを形成し、第2
の圧縮要素の吸入側に凝縮器の下流側で減圧された中間
圧力部を通路制御弁を介して連通すると共に、2段冷媒
圧縮機は密閉容器の内部に制御装置によって可変速運転
制御されるブラシレス型の直流電動機とその直流電動機
に連結する2段圧縮機構を配置した構成において、2段
冷媒圧縮機の始動の際は、直流電動機が制御装置による
同期位相検知期間中の強制駆動される他励運転モードか
ら同期位相駆動の自励運転モードに切り替わった後に通
路制御弁が開通されるもので、この構成によれば、直流
電動機が他励運転モードから自励運転モードに切り替わ
り、直流電動機が安定したトルク発生状態となる一方、
起動後の時間経過に基づく冷凍サイクルの安定した差圧
状態で、冷凍サイクルからの中間圧力冷媒を第2の圧縮
要素が吸入するので、第1の圧縮要素からの冷媒ガス排
出タイミングと第2の圧縮要素の吸い込みタイミングが
相違することに基づき生じる圧力脈動を伴う2段圧縮負
荷変動に対しても、直流電動機の安定した回転によって
電動機効率を向上させることができる。また、円滑な圧
縮作用の継続によって圧縮機振動を低減させることがで
きる。
【0067】請求項3に記載の発明は、密閉容器内に、
第1の圧縮要素の吐出側と第2の圧縮要素の吸入側との
間を通路制御弁によって開閉される連通路を介して直列
接続した2段圧縮機構と、その2段圧縮機構を駆動する
電動機とを配置した構成において、電動機を収納する電
動機室と第1の圧縮要素の吐出側との間に、吐出側から
電動機室へのみの気体流出を許容する逆止弁手段を備え
たバイパス通路を設けると共に、連通路を通路制御弁に
よって遮断した後に電動機を始動させるもので、この構
成によれば、2段圧縮機の起動初期に、第1の圧縮要素
からの吐出冷媒ガスが電動機室にバイパス吐出する一
方、第2の圧縮要素に吸入されないので、圧縮負荷の小
さい1段圧縮運転条件を確保できるので、2段圧縮機の
円滑な始動性を向上できる。請求項4に記載の発明は、
密閉容器の内部に電動機と前記電動機に連結する駆動軸
の駆動により気体を圧縮する第1の圧縮要素と第2の圧
縮要素とを配置し、第1の圧縮要素の吐出側と第2の圧
縮要素の吸入側とを連通して2段圧縮する2段圧縮運転
手段と、第1の圧縮要素および第2の圧縮要素がそれぞ
れ独立して圧縮する1段圧縮運転手段とに切り替え運転
できる1・2段圧縮制御手段を設けた構成において、電
動機の始動時は第1の圧縮要素および第2の圧縮要素を1
段圧縮運転状態とし、且つ、第1の圧縮要素と第2の圧
縮要素の内のいずれか一方の圧縮要素の吸入側通路を一
時遮断させ、設定時間経過後に吸入側通路を開通させる
手段を備えたもので、この構成によれば、2段圧縮機の
始動時は一方の圧縮要素を冷媒を吸入させない圧縮休止
状態で、他方の圧縮要素を1段圧縮運転状態にするの
で、圧縮容量と圧縮負荷が最も小さい状態での円滑で確
実な圧縮機起動を実現できる。請求項5に記載の発明
は、吸入側通路が一時遮断される側の圧縮要素の圧縮室
と、電動機室の底部に配置した油溜との間を連通する注
油通路を設けたもので、この構成によれば、吸入側通路
が一時遮断される側の圧縮要素の圧縮室が真空に近い状
態となるものの、油溜との間の差圧によって油溜から圧
縮室に潤滑油を流入させて圧縮室の摺動面を潤滑させる
ので、潤滑油を含む冷媒ガスが圧縮室を通過しない状態
でも一方の圧縮要素を休止運転させて圧縮機入力を低減
できる。請求項6に記載の発明は、注油通路は圧縮室の
容積が圧縮行程における約半分となる行程を通過した状
態でのみ圧縮室に開口する位置に配置されたもので、こ
の構成によれば、油溜から圧縮室への潤滑油注入を半減
できるので、過剰な油圧縮を回避して圧縮入力の低減と
圧縮機損傷防止を図ることができる。請求項7に記載の
発明は、注油通路の途中に、油溜から圧縮室へのみの流
体流入を許容する逆止弁装置を配置したもので、この構
成によれば、通常の2段圧縮運転時や運転休止しない1
段圧縮運転時において、圧縮室から油溜への冷媒ガスの
逆流を阻止し、油溜の潤滑油が吐出冷媒ガスに混入して
圧縮機外部に流出するのを阻止し、油溜の潤滑油不足に
起因する圧縮機耐久性低下を防止することができる。
【0068】請求項8に記載の発明は、逆止弁装置が、
圧縮室と油溜との差圧が設定値以上の時のみ開通するも
ので、この構成によれば、休止運転する側の圧縮要素の
圧縮室と油溜との差圧が大きい時のみ油溜から圧縮室に
給油され、冷媒ガスが圧縮室を通過する通常の2段圧縮
運転や1段圧縮運転状態での不要な給油を停止させて油
圧縮を回避し、圧縮機入力増加と耐久性低下を防ぐこと
ができる。請求項9に記載の発明は、密閉容器の内部に
電動機と前記電動機に連結する駆動軸の駆動により冷媒
を圧縮する第1の圧縮要素と第2の圧縮要素とを配置
し、第1の圧縮要素の吐出側と第2の圧縮要素の吸入側
とを連通して2段圧縮する2段圧縮運転手段と、第1の
圧縮要素および第2の圧縮要素がそれぞれ独立して圧縮
する1段圧縮運転手段とに切り替え運転できる1・2段
圧縮制御手段を設けた構成において、第1の圧縮要素と
第2の圧縮要素の内のいずれか一方をローリングピスト
ン型ロータリ式の圧縮機構とし、圧縮機構には圧縮室を
形成するピストン外周面に対して圧縮室を圧縮側と吸入
側とに仕切るベーンを単独に後退維持させることによ
り、ベーンをピストン外周面から離反させて圧縮作用を
解除させる解除機能を備え、1段圧縮運転時には、その
解除機能を作用させるもので、この構成によれば、ロー
リングピストン型ロータリ式の圧縮機構を圧縮作用休止
にし、他方の圧縮機構のみを1段圧縮運転にするので、
冷媒吐出量の小容量化と圧縮負荷の低下を同時実行でき
る圧縮機を実現することができる。請求項10に記載の
発明は、圧縮機起動の際に、圧縮作用解除機能を作動さ
せたもので、この構成によれば、他方の圧縮要素のみを
1段圧縮させることによって、圧縮負荷を軽減させるの
で、圧縮機の円滑起動の信頼性を高めることができる。
請求項11に記載の発明は、密閉容器の内部に電動機と
電動機に連結する駆動軸の駆動により気体を圧縮する第
1の圧縮要素と第2の圧縮要素とを配置し、第1の圧縮
要素の吐出側と第2の圧縮要素の吸入側とを連通して2
段圧縮する2段圧縮運転手段と、第1の圧縮要素および
第2の圧縮要素がそれぞれ独立して圧縮する1段圧縮運
転手段とに切り替え運転できる1・2段圧縮制御手段を
設けた構成において、1段圧縮と2段圧縮の内のいずれ
かの圧縮運転モードから他の圧縮運転モードへの切り替
えの際に、電動機の回転速度を一時的に減速した後、圧
縮運転モードを他の圧縮運転モードに切り替え、その後
再び電動機の回転速度を増速させる手段を備えたもの
で、この構成によれば、圧縮運転モードを切り替える際
の急激な圧縮負荷変動を回避して、圧縮運転モード切り
替え時の圧縮機停止および圧縮機破損防止を図ることが
できる。
【0069】請求項12に記載の発明は、第1の圧縮要
素の吐出側と第2の圧縮要素の吸入側とを連通して2段
圧縮する2段圧縮運転手段と、第1の圧縮要素および第
2の圧縮要素がそれぞれ独立して圧縮する1段圧縮運転
手段とに切り替え運転できる1・2段圧縮制御手段を設
けた構成において、第1の圧縮要素の第1吐出室と第2
の圧縮要素の吸入側とを連通する連通路を圧縮機の内部
に設け、連通路の第1吐出室側開口端を開閉するプラン
ジャーを備えた開閉弁装置を第1吐出室側に配置し、そ
のプランジャーが連通路の第1吐出室側開口端を開閉し
た時、第1吐出室と第2の圧縮要素の吸入側との差圧に
よって、プランジャーが連通路の閉塞端を更に押圧すべ
く構成する開閉弁装置を備えたもので、この構成によれ
ば、プランジャーが連通路を閉塞時にプランジャーに第
1吐出室の吐出冷媒圧力が作用してプランジャー自身に
よる連通路端部への自力密封押圧機能が作動するので、
第1の圧縮要素の第1吐出室から第2の圧縮要素の吸入
側への冷媒漏洩を防ぐことができ、2段圧縮から1段圧
縮への完全な切り替えによって、圧縮入力の低減を図る
ことができる。
【0070】請求項13に記載の発明は、連通路を開閉
する開閉弁装置のプランジャーが冷媒の流れ方向に可動
すべく、第1吐出室を形成する吐出カバーに配置された
もので、この構成によれば、プランジャーの開閉動作を
円滑にすることができ、連通路を開閉するプランジャー
の閉塞機能を簡易な構成で高めることができる。
【0071】請求項14に記載の発明は、それ自身の温
度が設定温度以上の時、プランジャーによる連通路の閉
塞端を開口すべく、プランジャーに付勢力を作用させる
形状記憶バネ特性を備えたバネ装置を連通路とプランジ
ャーとの間に配置したもので、この構成によれば、圧縮
機異常過熱時に、プランジャーを連通路の開口端部側に
移動させ、連通路を閉塞して2段圧縮運転から1段圧縮
運転に冷媒通路を自動切り替えできるので、1段圧縮運
転への自動切り替えによって、圧縮過負荷運転と過熱を
防止し、圧縮機耐久性向上を図ることができる。
【0072】請求項15に記載の発明は、第1の圧縮要
素の吐出側と第2の圧縮要素の吸入側とを連通して2段
圧縮する2段圧縮機構を設けた構成において、第1の圧
縮要素の吐出室と第2の圧縮要素のシリンダブロックと
の間を、その両端部が密封接続され且つ第1の圧縮要素
および第2の圧縮要素の各圧縮室の近傍を通る連通管に
より連通されたもので、この構成によれば、第1の圧縮
要素と第2の圧縮要素との間の連通路の短縮化と密封性
を確保できる。その結果、第1の圧縮要素から排出され
た吐出冷媒ガスが再び第1の圧縮要素の圧縮室に短絡漏
洩するのを防ぐことができるので、圧縮効率の低下を防
ぐことができる。また、連通路の短縮化によって、第1
の圧縮要素の吐出側から第2の圧縮要素に冷媒ガスを取
り込む際の冷媒ガスの追従性が改善されるので、第2の
圧縮要素における圧縮効率を向上することができるとい
う効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すローリングピストン型
ロータリ式2段圧縮機を使用した2段圧縮冷凍サイクル
の配管系統図
【図2】図1における2段圧縮機の縦断面図
【図3】同圧縮機におけるバイパス通路96の拡大図
【図4】同圧縮機におけるバイパス通路96に配置した
逆止弁装置58の弁体の外観図
【図5】同圧縮機における第1の圧縮要素7および第2
の圧縮要素9に設けた圧縮作用解除装置46の構造図
【図6】同圧縮機における注油通路に配置した逆止弁装
置95の縦断面図
【図7】図1における第2の圧縮要素9のみを圧縮させ
る場合の冷媒流れ示す系統図
【図8】同圧縮機の両圧縮要素を1段圧縮させる場合の
冷媒流れ示す系統図
【図9】同圧縮機を2段圧縮運転させる場合の冷媒流れ
示す系統図
【図10】本発明の別の実施例を示すローリングピスト
ン型ロータリ式2段圧縮機の縦断面図
【図11】同圧縮機の連通路を開閉する開閉弁装置およ
び連通路の周辺の部分断面図
【図12】従来例を示す2段圧縮機を使用した用いた2
段圧縮冷凍サイクルの配管系統図
【符号の説明】
1 2段圧縮機 3 密閉容器 4 2段圧縮機構 5 直流電動機 6 駆動軸 7 第1の圧縮要素 7c 圧縮室 7b 第1ピストン 8 電動機室 9 第2の圧縮要素 9b 第2ピストン 9c 圧縮室 13 凝縮器 15a 第1膨張装置 15b 第2膨張装置 21a 第1蒸発器 21b 第2蒸発器 35 油溜 37a 吐出カバー 39 ベーン 45a 第1吐出室 46 圧縮作用解除装置 55 連通路 58 逆止弁装置 61 注油通路 89 開閉弁装置 90 バネ装置 91 プランジャー 92 連通管 93 連通路 95 逆止弁装置 96 バイパス通路 97a 第1冷凍サイクル 97b 第2冷凍サイクル 98 通路制御弁 99 制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H029 AA04 AA09 AA13 AA21 AB03 BB55 CC13 CC24 CC25 3H045 AA05 AA13 AA27 BA04 CA09 DA19 DA32 EA17 EA44 3H076 AA16 AA38 BB36 CC44 CC92 CC93

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の圧縮要素の吐出側と第2の圧縮要素
    の吸入側とを連通路を介して直列接続した2段圧縮機構
    を有する2段冷媒圧縮機、凝縮器、膨張装置、蒸発器を
    順次接続した冷凍サイクルを形成し、前記第2の圧縮要
    素の吸入側に前記凝縮器の下流側で減圧された中間圧力
    冷媒を通路制御弁を介して導入すると共に、前記2段冷
    媒圧縮機は密閉容器の内部に制御装置によって可変速運
    転される電動機と前記電動機に連結する前記2段圧縮機
    構を配置した構成において、前記電動機が設定回転速度
    以上の時のみに前記通路制御弁が開通される2段圧縮可
    能な冷媒圧縮機。
  2. 【請求項2】 第1の圧縮要素の吐出側と第2の圧縮要素
    の吸入側とを連通路を介して直列接続した2段圧縮機構
    を有する2段冷媒圧縮機、凝縮器、膨張装置、蒸発器を
    順次接続した冷凍サイクルを形成し、前記第2の圧縮要
    素の吸入側に前記凝縮器の下流側で減圧された中間圧力
    部を通路制御弁を介して連通すると共に、前記2段冷媒
    圧縮機は密閉容器の内部に制御装置によって可変速運転
    制御されるブラシレス型の直流電動機と前記直流電動機
    に連結する前記2段圧縮機構を配置した構成において、
    前記2段冷媒圧縮機の始動の際は、前記直流電動機が前
    記制御装置による同期位相検知期間中の強制駆動を行う
    他励運転モードから同期位相駆動を行う自励運転モード
    に切り替わった後に前記通路制御弁が開通されることを
    特徴とする2段圧縮可能な冷媒圧縮機。
  3. 【請求項3】密閉容器内に、第1の圧縮要素の吐出側と
    第2の圧縮要素の吸入側との間を通路制御弁によって開
    閉される連通路を介して直列接続した2段圧縮機構と、
    前記2段圧縮機構を駆動する電動機とを配置した構成に
    おいて、前記電動機を収納する電動機室と前記第1の圧
    縮要素の吐出側との間に、前記吐出側から前記電動機室
    へのみの気体流出を許容する逆止弁手段を備えたバイパ
    ス通路を設けると共に、前記連通路を前記通路制御弁に
    よって遮断した後に前記電動機を始動させる2段圧縮可
    能な冷媒圧縮機。
  4. 【請求項4】 密閉容器の内部に電動機と前記電動機に
    連結する駆動軸の駆動により気体を圧縮する第1の圧縮
    要素と第2の圧縮要素とを配置し、前記第1の圧縮要素
    の吐出側と前記第2の圧縮要素の吸入側とを連通して2
    段圧縮する2段圧縮運転手段と、前記第1の圧縮要素お
    よび前記第2の圧縮要素がそれぞれ独立して圧縮する1
    段圧縮運転手段とに切り替え運転できる1・2段圧縮制
    御手段を設けた構成において、前記電動機の始動時は前
    記第1の圧縮要素および前記第2の圧縮要素を1段圧縮運
    転状態とし、且つ、前記第1の圧縮要素と前記第2の圧
    縮要素の内のいずれか一方の圧縮要素の吸入側通路を一
    時遮断させ、設定時間経過後に前記吸入側通路を開通さ
    せる手段を備えた1段圧縮および2段圧縮可能な冷媒圧
    縮機。
  5. 【請求項5】吸入側通路が一時遮断される側の圧縮要素
    の圧縮室と、電動機室の底部に配置した油溜との間を連
    通する注油通路を設けた請求項3と請求項4に記載の2
    段圧縮可能な冷媒圧縮機。
  6. 【請求項6】注油通路は圧縮室の容積が圧縮行程におけ
    る約半分の行程を通過した状態でのみ前記圧縮室に開口
    する位置に配置された請求項5記載の2段圧縮可能な冷
    媒圧縮機。
  7. 【請求項7】注油通路の途中に、油溜から圧縮室へのみ
    の流体流入を許容する逆止弁装置を配置した請求項5記
    載の2段圧縮可能な冷媒圧縮機。
  8. 【請求項8】逆止弁装置は、圧縮室と油溜との差圧が設
    定値以上の時のみ開通する請求項5記載の2段圧縮可能
    な冷媒圧縮機。
  9. 【請求項9】密閉容器の内部に電動機と前記電動機に連
    結する駆動軸の駆動により冷媒を圧縮する第1の圧縮要
    素と第2の圧縮要素とを配置し、前記第1の圧縮要素の
    吐出側と前記第2の圧縮要素の吸入側とを連通して2段
    圧縮する2段圧縮運転手段と、前記第1の圧縮要素およ
    び前記第2の圧縮要素がそれぞれ独立して圧縮する1段
    圧縮運転手段とに切り替え運転できる1・2段圧縮制御
    手段を設けた構成において、前記第1の圧縮要素と前記
    第2の圧縮要素の内のいずれか一方をローリングピスト
    ン型ロータリ式の圧縮機構とし、前記圧縮機構には圧縮
    室を形成するピストン外周面に対して前記圧縮室を圧縮
    側と吸入側とに仕切るベーンを単独に後退維持させるこ
    とにより、前記ベーンを前記ピストン外周面から離反さ
    せて圧縮作用を解除させる解除機能を備え、前記1段圧
    縮運転時には、前記解除機能を作用させる2段圧縮可能
    な冷媒圧縮機。
  10. 【請求項10】圧縮機起動の際に、圧縮作用解除機能を
    作動させた請求項9記載の2段圧縮可能な冷媒圧縮機。
  11. 【請求項11】 密閉容器の内部に電動機と前記電動機
    に連結する駆動軸の駆動により気体を圧縮する第1の圧
    縮要素と第2の圧縮要素とを配置し、前記第1の圧縮要
    素の吐出側と前記第2の圧縮要素の吸入側とを連通して
    2段圧縮する2段圧縮運転手段と、前記第1の圧縮要素
    および前記第2の圧縮要素がそれぞれ独立して圧縮する
    1段圧縮運転手段とに切り替え運転できる1・2段圧縮
    制御手段を設けた構成において、前記1段圧縮と前記2
    段圧縮の内のいずれかの圧縮運転モードから他の圧縮運
    転モードへの切り替えの際に、前記電動機の回転速度を
    一時的に減速した後、前記圧縮運転モードを前記の他の
    圧縮運転モードに切り替え、その後再び前記電動機の回
    転速度を増速させる手段を備えた1段圧縮および2段圧
    縮可能な冷媒圧縮機。
  12. 【請求項12】 密閉容器の内部に電動機と前記電動機
    に連結する駆動軸の駆動により気体を圧縮する第1の圧
    縮要素と第2の圧縮要素とを配置し、前記第1の圧縮要
    素の吐出側と前記第2の圧縮要素の吸入側とを連通して
    2段圧縮する2段圧縮運転手段と、前記第1の圧縮要素
    および前記第2の圧縮要素がそれぞれ独立して圧縮する
    1段圧縮運転手段とに切り替え運転できる1・2段圧縮
    制御手段を設けた構成において、前記第1の圧縮要素の
    第1吐出室と前記第2の圧縮要素の吸入側とを連通する
    連通路を圧縮機の内部に設け、前記連通路の第1吐出室
    側開口端を開閉するプランジャーを備えた開閉弁装置を
    前記第1吐出室側に配置し、前記プランジャーが前記連
    通路の前記第1吐出室側開口端を開閉した時、前記第1吐
    出室と前記第2の圧縮要素の吸入側との差圧によって、
    前記プランジャーが前記連通路の閉塞端を更に押圧すべ
    く構成する前記開閉弁装置を備えた2段圧縮可能な冷媒
    圧縮機。
  13. 【請求項13】 プランジャーが冷媒の流れ方向に可動
    すべく、第1吐出室を形成する吐出カバーに配置された
    請求項12記載の2段圧縮可能な冷媒圧縮機。
  14. 【請求項14】 それ自身の温度が設定温度以上の時、
    プランジャーによる連通路の閉塞端を開口すべく、前記
    プランジャーに付勢力を作用させる形状記憶バネ特性を
    備えたバネ装置を前記連通路と前記プランジャーとの間
    に配置した請求項13に記載の2段圧縮可能な冷媒圧縮
    機。
  15. 【請求項15】密閉容器の内部に電動機と前記電動機に
    連結する駆動軸の駆動により気体を圧縮する第1の圧縮
    要素と第2の圧縮要素とを配置し、前記第1の圧縮要素
    の吐出側と前記第2の圧縮要素の吸入側とを連通して2
    段圧縮する2段圧縮機構を設けた構成において、前記第
    1の圧縮要素の吐出室と前記第2の圧縮要素のシリンダ
    ブロックとの間を、その両端部が密封接続され且つ前記
    第1の圧縮要素および前記第2の圧縮要素の各圧縮室の
    近傍を通る連通管により連通された2段圧縮可能な冷媒
    圧縮機。
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