JP2001282097A - 言語教授システム - Google Patents

言語教授システム

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JP2001282097A
JP2001282097A JP2000101725A JP2000101725A JP2001282097A JP 2001282097 A JP2001282097 A JP 2001282097A JP 2000101725 A JP2000101725 A JP 2000101725A JP 2000101725 A JP2000101725 A JP 2000101725A JP 2001282097 A JP2001282097 A JP 2001282097A
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Fumio Akao
文夫 赤尾
Masato Nagasawa
正人 長澤
Shuichi Kato
修一 加藤
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OBUNSHA ENTERPRISE KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】子供(学習者)が持って生まれた言語習得能力
を自然に発揮できる環境の中で、従来の単語中心、暗記
中心の言語習得方法を大きく塗り替えるような学習者の
体験的な言語習得を可能にした言語教授システムを提供
する。 【解決手段】持って生まれた言語習得能力を自然に発揮
できる環境のナチュラルセッティングの中で言語を教授
する。更に、エイムズ・アンド・モティベーションズ、
コグニティブファンクションズ及びソーシャルスキルズ
は、キーワード、キーフレーズを効果的に教えるための
三代要素であり、その三代要素を満たすためのナチュラ
ルセッティングである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人間の言語(母国
語)習得に関する通説的な学説を発展させ、これを第2
言語教授の手法として確立させた全く新規なナチュラル
セッティングに基づく言語教授システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の言語習得のための教授法において
は、教師から与えられたテーマを学習者が反復して覚え
ること、つまり真似て覚える(mimicry-memorization)こ
とが鉄則とされていた。この方法では、言語習得の学習
は極めて受動的なものとなる。
【0003】国際化の進展により英語に対する関心度は
非常に高く、多くのアンケート調査によっても、殆どの
人が英語教育の必要性を認めている。また、2002年
度からは公立小学校3年生以上に「国際理解」などの課
題が与えられ、実質的に小学校に英語教育が導入される
ことになっており、これからの国際化社会に対応できる
早期英語教育に多くの人が興味を持っているのが実情で
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かって、幼児期からの
英語教育は子供の頭を混乱させ、人格形成の妨げになる
と言われて来た。しかし、現在ではヨーロッパにおける
研究により、そのような心配は全くないことが明らかに
なっており、定説となっている。更に研究では、4歳位
で母国語とそれ以外の言語を識別できる能力ができてく
ることも明らかになっている。むしろ、母国語が確立さ
れかけた4歳児位から他の言語に触れさせることは、非
常に有益といわれている。
【0005】このような重要な時期に、教師から与えら
れたテーマを学習者が反復して覚えるような単語中心、
暗記中心の受動的な教授方法では、完全な言語習得は不
可能である。
【0006】本発明は上述のような事情よりなされたも
のであり、本発明の目的は、子供(学習者)が持って生
まれた言語習得能力を自然に発揮できる環境(ナチュラ
ルセッティング)の中で、学習者の体験的な言語習得を
可能にする言語教授システムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、英語のような
言語の教授システムに関するものであり、本発明の上記
目的は、持って生まれた言語習得能力を自然に発揮でき
る環境のナチュラルセッティングの中で言語を教授する
ことにより達成される。また、前記ナチュラルセッティ
ングをエイムズ・アンド・モティベーションズ、コグニ
ティブファンクションズ及びソーシャルスキルズの心理
学的要素で構成し、更にインストラクタの研修及び研修
プログラムを前記ナチュラルセッティングに必要なもの
として組み入れ、前記教授を達成するための教材・教
具、教室の内装を効果的に配置することで前記ナチュラ
ルセッティングが、より効果的に達成される。
【0008】
【発明の実施の形態】人間は内在する心的言語の発話意
図の働きによって発話を行う。また、その前提として他
者の発した言語を聴き、それらの意味内容を推測して理
解するという産出理解を繰り返し、言語を蓄積すること
が必要であるとされている。本発明はナチュラルセッテ
ィングという独自の環境によってこの産出理解の機会を
繰り返し提供し、更に発話者に内在する発話意図を刺激
することによって、自然な発話を促すという母国語を習
得して行くような自然な形での、第2言語についての理
解と発話を促すものである。ナチュラルセッティング
は、子供が持って生まれた言語習得能力を自然に発揮で
きる環境を意味し、従来の単語中心、暗記中心の言語習
得方法を大きく塗り替える体験型言語習得の理念と手段
である。ナチュラルセッティングを効率良く実現するた
めに、本発明ではカリキュラムとして、インストラクタ
の研修はもとより、レッスンマニュアル、レッスンアク
ティビティ、教材・教具、内装等にも工夫を凝らしてい
る。更に、ナチュラルセッティングの帰結として、その
教授言語の対象を経験的に習得される言語としての生活
言語に絞ることができる。
【0009】言語習得に関して、チョムスキー博士は、
「子供は、他人から与えられた有限な言語資料から適切
な文を作り出す規則の体系を作り出す。子供がそのよう
にして言語を習得できるのは、子供が、人間が用いる
ことのできる言語の文法形式を指定する言語論理を持
ち、かつ一次的言語資料と矛盾しない適切な形式の文
法を選択できるストラテジーを持っているからに他なら
ない。」と、述べている(Norm Chomsky, Syntactic St
ructure, Mouton, 1957)。このような子供が生得的に
持っている言語取得能力は、言語獲得装置(Language Ac
quisition Device)と呼ばれる。
【0010】スタインバーグ博士は更に上記チョムスキ
ー博士の理論を発展させ、話者が文を生み出す心理学的
過程を、図1に示すようなモデルで示している(ダニー
・D.スタインバーグ、心理言語学―思考と言語教育、
研究社)。即ち、動機・外界の知覚等が思考過程に取り
入れられ、思考過程においては自己の知識、外界の知
識、概念的な要素や関係の蓄えとの間で反芻動作を繰り
返す。ここに知識は、概念的な諸要素や諸関係から成る
基本的な蓄えで、外界の知識(言語は除く)はこれらに
よって組立てられて記憶に蓄えられ、概念のこの基本的
蓄えは全ての人間に共通した普遍的なものである。その
後、「目的+命題」(伝達すべき思考内容の核心部分)
及びその言語で必要な特殊情報となるが、「目的+命
題」はある人が他人に伝達したいと考えた本質的な思考
内容であり、その性質からいって概念的(非言語的)な
ものである。この思考内容を伝達するためには、言語的
手段及び行動的手段がある。目的は命題について尋ねた
り、否定したり、断定したり、警告したりしようとする
意図に含まれるものであり、命題は項、述語、限定部と
いう3種の非言語的な概念から成っている。また、言語
が必要とする情報は、指示や丁寧度などについてのデー
タのように、言語から独立した諸概念で成っている。そ
して、伝達すべき完結した思考内容(意味表示)を得る
が、意味表示は話者が伝達しようと意図するひとまとま
りの思考内容である。これは言語から独立した普遍的な
概念だけから成り立っているが、その中には必須のもの
(目的、命題)と、有っても無くてもいいもの(丁寧さ
や指示についての概念)とはある。そして、基本方略か
ら、変形規則、蓄えの項目、表層構造、音韻規則、音声
表示、調音の働きを経て最終的に音響信号を出力する。
基本方略は、意味表示を音声形に変える働きをする言語
的な諸成分の内の最初のものであり、蓄えの項目は直接
直ぐ音声形を取り出すときに利用され、変形規則によっ
て項と述語の関係を表わす統語構造が得られる。
【0011】また、東京学芸大学の上野一彦教授は発達
心理学の観点から、「言語の発達には相手に対する信頼
と社会性(Social Skill)が必要だ。」と述べている。つ
まり、両親という安全地帯があって始めて積極的に物事
に取り組み、また、社会性をもって他者と喜びを分かち
合えるようになることによって、他者とのコミュニケー
ションの欲求は高まり、延いては言語発達を促進する、
と述べている。
【0012】本発明では、図1に示すスタインバーグ博
士のモデルの発話の心理的過程における部分Aの重要性
に着目し、この部分Aに積極的に働きかけ、学習者(子
供)が生得的に持っていると考えられる言語獲得機能を
作動させ、自発的で自然な理解と発話を促すようにして
いる。
【0013】本発明は上述のような各学説の意味を踏ま
え、次の3つの要素(1)〜(3)を言語習得及び教授
における重要な要素として捉えている。これら要素
(1)〜(3)を有機的に結合し、更にそれをナチュラ
ルセッティングによって達成することによって、言語教
授の場において、子供が自然に母国語を習得する場合と
同じような環境を提供する。
【0014】(1)エイムズ・アンド・モティベーショ
ンズ(Aims and Motivations)(=発話意図と動機):子
供たちが自然に興味をひく題材、環境の中で英語を自然
に話せる、又は話したくなる環境を提供すること。
【0015】(2)コグニティブファンクションズ(Cog
nitive Functions)(=認知能力):英語―日本語の翻
訳ではなく、英語で物を把握し、英語で事を考えるよう
に言葉の持つ概念の認知力を養成すること。
【0016】(3)ソーシャルスキルズ(Social Skill
s)(=社会性):子供たちはレッスンの中で様々な冒険
や出会いを体験し、その中で助け合い喜びを分かち合っ
たりすることを通じて、対話意欲や他者との良好な対人
関係を保ち発展させること。
【0017】本発明におけるナチュラルセッティングと
は、前述の(1)エイムズ・アンド・モティベーション
ズ及び(2)コグニティブファンクションズに効果的に
働きかけ、(3)ソーシャルスキルズの発達を促すため
に発明された環境である。このため、本発明では図2に
示すように、幼児が母国語(キーワード、キーフレー
ズ)を習得する場合に重要な役割を演じていると思われ
る環境要素を分析・分解し、再構築してこれをナチュラ
ルセッティングとして提供している。このナチュラルセ
ッティングは、当然に体験型のレッスンを必要とするも
ので、具体的には以下の要素(a)〜(d)によって構
成される。
【0018】(a)カリキュラム 教授の対象として抽出した生活言語のキーワードをカテ
ゴリ別に分類し、各レッススンに振り分ける。その後、
キーフレーズを効果的に達成するために必要なエイムズ
・アンド・モティベーションズ、コグニティブファンク
ションズ、ソーシャルスキルズを考案している。更に、
それらを自然に包含するような環境=レッスンのガイド
ラインを決定する。
【0019】(b)レッスンマニュアル、レッスンアク
ティビティ、教材・教具 上記カリキュラムに表現されたキーワード、キーフレー
ズ及び三大要素を自然に包含するようなレッスンを、よ
り具体的に考案する。この場合には、生活言語を抽出す
る際の情報となった子供の言葉、楽しみ、文化的背景に
加えて子供の心理が検討され、子供が興味をひかれ楽し
んで理解し、発話するようなアクティビティ=レッスン
アクティビティが開発される。同時に、これらのレッス
ンアクティビティにおいて使用するコグニティブツール
(プロップ)、フラッシュカード、ビデオ、CDといっ
た教材・教具も開発され、子供の理解と発話を促す。更
に、それらのアクティビティをインストラクタが効果的
に実施する手順をマニュアル=レッスンマニュアル化
し、レッスン全体の高品質化を図っている。このレッス
ンマニュアル、レッスンアクティビティの教材・教具
は、教授段階の初期にあっては、主に産出理解を促すこ
とに重点を置いて構成され、段階を経るに従って産出理
解の蓄積を踏まえた発話を促すように構成される。
【0020】(c)内装 子供に安心感と楽しさを与え、かつアクティビティに合
わせた理解と発話のための状況設定が効果的にできるよ
うな教室の内装を設計している。
【0021】(d)インストラクタ 子供の言語習得には、これを手助けする母親のような存
在としてのインストラクタの存在が必要であり、単なる
英語教師を越えたナチュラルセッティングを構成する要
素としてのインストラクタを必要とする。インストラク
タは優しい母親であると同時に事物の概念と言語を、言
語的な手段と非言語的な手段の双方によって的確に伝
え、子供の理解と発話を助けるものである。そのため、
インストラクタの研修にも工夫を凝らしている。
【0022】上述のような言語習得の理論とナチュラル
セッティングの融合によって生活言語、即ち経験に基づ
き習得されている言語を意図的に教授することが可能と
なった。言語には学習言語(定義を与えることによって
教えられている言語)と、生活言語(与えられた状況の
中で経験を言語化したもの)とに二分することができ
る。生活言語は経験の中で自然に獲得されているもので
ある故に、従来の語学教授の対象とはなり難いもであっ
た。しかしながら、本発明はナチュラルセッティングの
開発により、この生活言語を教授の対象とすることが可
能となった。生活言語は、教授対象となる言語の母国に
おける「子供の言葉」、「遊び」、「文化的背景」を統
計的手法により分析することにより抽出される。本発明
ではかかる統計的手法を用いて英語圏(アメリカ、イギ
リス、オーストラリア、カナダ)の子供の言葉、遊び、
文化的背景を分析し、生活言語のキーワーズとキーフレ
イズを抽出し、教授の対象としている。
【0023】本発明の基本的な発話概念は図3に示すよ
うになっており、(1)エイムズ・アンド・モティベー
ションズ、(2)コグニティブファンクションズ、
(3)ソーシャルスキルズを言語習得及び教授のための
重要な要素として位置付け、それを効果的に実現するた
めの環境としてのナチュラルセッティング(レッスンマ
ニュアル、レッスンアクティビティ、インストラクタ、
教材・教具、内装)を構築し、総合的な体験型言語習得
システムを実現している。
【0024】即ち、先ず子供は、レッスンアクティビテ
ィ、教材・教具、インストラクタから得た外界の刺激、
動機・外界の知覚を受け、周囲の事物、出来事、状況等
を知る思考過程を生成する(ステップS1)。つまり、
外界からの刺激を通して事物の概念を把握し、その概念
と言語との結び付きを作り、文として理解するまでの産
出理解を繰り返した後、再度レッスンアクティビティ、
教材・教具、インストラクタから受けた刺激によって、
話したいこと(非言語的な発話意図)を持つ。発話意図
はエイムズ・アンド・モティベーションズ及びコグニテ
ィブファンクションズに対応し、生活言語のキーワー
ド、キーフレーズを発話意図することを意味し、こうし
て伝達すべき思考内容の核心が得られると、伝達すべき
完結した思考内容を完全な思考形態である意味表示に発
展させる。次に、貯えられた言語とそれに付随する情報
の中から適切な言語を選択し、文として構成する知識の
中から用語を選択して統語的表層構造を形成し(ステッ
プS2)、この時点より子供は、言語に合った適切な音
を選ぶ音韻規則(ステップS3)を経て、舌、唇などの
運動によって(アクセント、イントネーションなどを創
り出すことで)音響信号として発話する(ステップS
4)。これにより、キーワード、キーフレーズが音とし
て出力される。本発明で教授される言語は生活言語であ
り、この点でも従来の言語教育法とは明らかに一線を画
した言語教授法となっている。
【0025】本発明におけるインストラクタの育成方法
は次のようになっている。即ち、本発明では単なる英語
教師を越えたナチュラルセッティングを構成する要素と
してのインストラクタ像を提案し、その養育を行うため
の研修プログラムを構築するものである。本発明におけ
るインストラクタは単に言語を教える先生として機能す
るのではなく、良い親のように働きかけ、子供に安心感
を与える環境を作り出し、1人1人の個性を理解し、理
解と発話を手助けすることが求められる。そのために、
以下のようなインストラクタ研修プログラムを開発し
た。
【0026】(A)ナチュラルセッティングの意義と子
供への理解、そして子供へのアプローチ法の指導:イン
ストラクタとして子供に接するために必要な基本的な知
識、具体的には児童言語発達、児童心理学、チャイルド
ケアディシプリンなどの指導を行う。
【0027】(B)ドラマパフォーマンストレーニン
グ:子供に感動を与え、事物の概念を明確に伝え、更な
る発話意図を促進し、ソーシャルスキルズの発達を促す
ための感情表現力と演技力を養う。また、日本語を使用
しないレッスンにおいて子供に安心感を与え、信頼関係
を構築するためのトレーニングを行う。
【0028】(C)発音、基本センテンストレーニング レッスンにおいて正しい発音で子供に接するために、音
素(子音、拇印、半拇印)、ストレス、リズム、アクセ
ント、イントネーション等のトレーニングを行う。ま
た、レッスンで多用する様々な表現、例えば挨拶やイン
ストラクションなどの実践的な文章も指導する。
【0029】インストラクタ研修プログラムの一例を図
4に示す。プログラムはオリエンテーションに始まり、
児童心理学、児童言語発達、英語発音トレーニング、チ
ャイルドケアディシプリン、英語ドラマパフォーマンス
トレーニング等が組み合わされて構成されている。前述
のインストラクタ像を実現するのに必要なカリキュラム
である。なお、パフォーマンストレーニングの内容例を
図5〜図8及び図9に示す。これらは、インストラクタ
が研修の集大成としてレッスンを行う場面を想定して行
うレッスン実習のマニュアルであり、この研修の中でイ
ンストラクタは、ナチュラルセッティングの構成要素と
しての自然理解と発話を促す良いインストラクタとして
の対応を学ぶことができる。
【0030】次に本発明のカリキュラムについて説明す
る。
【0031】本発明では要素エイムズ・アンド・モティ
ベーションズ、コグニティブファンクションズ、ソーシ
ャルスキルズと各キーワード、キーセンテンスの結び付
きを持ったカリキュラムを、図10〜図13に示すよう
に実現している。例えば図10のレッスン1(レッスン
の題材は”Making New Friends”(新しい友達を作
る))では、キーフレーズが”Hi/Hello,・・・”, ”M
y name is・・・”, ”What is your name?”, ”Bye/G
ood-bye,・・・”であり、これに対応するエイムズ・ア
ンド・モティベーションズは”Releasing children’s
tension and nervousness through various interactiv
e activities(子供の緊張を取り除く。).”であり、
ソーシャルスキルズは”Growing accustomed to first
time interaction with others in the clubroom(新規
の対人場面に慣れる。).”であり、コグニティブファ
ンクションズは”Distinguishing oneself and others
(自他の区別).”である。
【0032】次に、本発明におけるレッスンマニュアル
について、図14〜図16を参照して説明する。本発明
のレッスンマニュアルの特徴は、下記の通りである。即
ち、上記カリキュラムを更に具体化し、50分毎のレッ
スンを進める手順を定めたマニュアルを提供し、これに
より教授法及びインストラクタの高水準化を図ってい
る。このレッスンにおいては、先ず初めてのレッスンで
あることもあり、初めて他人と出会ったときの子供の言
葉であるキーワード、キーフレーズを教える。そのため
にはエイムズ・アンド・モティベーションズとして先ず
子供を安心させ、レッスンの雰囲気に慣れさせることが
要求され、また、自己と他人の区別というコグニティブ
ファンクションズに働きかけ、他人と初めて会ったとき
の対応としてのソーシャルスキルズを養成する。インス
トラクタとなるための研修を受けた者であれば、このマ
ニュアルによって無理なく教材・教具を使用して自然に
ナチュラルセッティングを提供する良いインストラクタ
となることが可能である。
【0033】そのようなものを包含するナチュラルセッ
ティングとして、手袋人形というコグニティブツールを
作成し、それを用いた遊びのアクティビティを提案し、
そのための手袋人形とシールの教具や、人と人が会った
ときの挨拶の様子を伝えるビデオを見て、その状況を理
解させ、キーワードとキーフレーズを含んだ音楽のCD
を聞きながら歌を歌うという一連のレッスンアクティビ
ティを行う。これをインストラクタがレッスンをリード
し、理解と発話を手助けすることによってナチュラルセ
ッティングが実現されている。
【0034】一方、本発明では更に上述のようなカリキ
ュラムを行うのに有効な教材・教具、内装を、レッスン
毎に定められた教授目標を効果的に達成するためのナチ
ュラルセッティングの材料として工夫している。即ち、
英語で考え習得した情報の入力及び出力が自然に繰り返
されるように構成し、子供の発想を豊かにするため難解
な解説を避け、五感に働きかけるように努める。リスニ
ング(ヒアリング)、スピーキングを中心に構成し、1
人称及び2人称を使用した生活に密着した言語から始め
る。また、音の強弱、リズム、イントネーションをネイ
ティブスピーカに近づけ、異文化の違いを無理なく自然
な形で取得できるテーマをピックアップするなどの基本
的視点を重視している。
【0035】教材・教具はカリキュラムの趣旨を効果的
に反映し、五感を刺激する要素をふんだんに盛り込ん
で、生徒が各カリキュラム、レッスンのキーワード、キ
ーセンテンスを楽しく自然に習得できるようにしてい
る。その具体例を、図面を参照して説明する。
【0036】(1)マジックボールセット 色及び形が全く同じで硬さの違うボールを2個用意し
て、”soft”と”hard”という単語を教える。
【0037】(2)さいころ さいころの目のうち、目の部分を2種類の手触りの違う
素材で作成し、”rough”と”smooth”という単語を教
える。例えばさいころの目の“1”、“3”、“5”を
手触りの良い滑らかな材料で構成し、さいころの目の
“2”、“4”、“6”を表面に凹凸がある材料で構成
する。
【0038】(3)動物パズル 図17に示すような動物のパズルを用いて、動物の名前
と鳴き声を教える。子供が身の回りや動物園などで比較
的見慣れた動物を、親しみやすいアニメ調のイラストで
カードに描いている。カードにしているのは、全員で考
え参加するQ&A形式で利用し易いようにするためであ
る。なお、図17における「?」マークのカードは、パ
ズルの裏側である。
【0039】(4)手人形(Hand Puppets) 図18に示すような手袋型の布に、図19に示す切り取
りシールから顔のパーツ(眉毛と眼、鼻、頬、唇)を取
って貼って行き、何度も色々な表情を作って顔の各部の
名称を教える。また、その手袋をはめて、仲間と会話を
させる。このような手袋に顔のシールを貼るという遊び
の要素は、子供の興味、関心をひくものであり、その過
程を通してeye, eyebrow, mouthといったキーワードを
使えるように考案してある。また、完成後はそれを各自
がはめて手を動かし、お辞儀の動作をするという遊びを
通して、”Hi, What your name? My name is ・・・”
というキーフレーズを教える。
【0040】(5)ペープサート人形(Stick Puppet) 図20に示すように目の開閉する人形に、図21に示す
ような洋服やパジャマを着せて、朝と夜の様々な表現を
教える。なお、図20では人形の目が開いた状態(左
側)と目が閉じた状態(右側)を示しているが、実際は
一体になっており、人形の裏側の上下方向に設けられて
いる移動用スティック10を引いたり、押したりするこ
とによって目が閉じたり、開いたりする。着せ替え人形
などは子供の喜ぶ遊びとして昔から親しまれているが、
この人形の目を開閉させられるように工夫し、更に楽し
さを提供している。この着せ替え人形を通して、衣服の
単語を教える。
【0041】(6)パンダの絵 図22に示すようなパンダの絵に、図23に示す様々な
洋服を着せ替えていき、それら装飾品の名前を教える。
子供にとって親しみやすい動物であるパンダを用いて着
せ替え遊びをする。着せ替え遊びは、男の子と女の子の
服を両方用意し、服によってパンダがいずれかの性にな
ることで、更に楽しく遊ぶことができる。
【0042】一方、本発明で使用するレッスン教室の内
装に関してはナチュラルセッティングの一環として色、
デザイン、配置など全て生徒の安らぎ感と楽しさを引き
出すような、例えば場面転換が容易にできるようなスク
リーンで構成している。図24はその一例を示してお
り、フロアは落ち着き感を与えるグレーを基調とした色
調になっており、コーナーには安らぎを与える樹木1が
設置され、フロア中央部に子供が座る椅子2が円形状に
配置されている。また、壁部には教師が必要な文章等を
書いて説明するボード3が設置されると共に、画像や音
を出力する音響・映像セット4が設置されている。教材
教具等を収納しておく整理ボックス5も設置されてい
る。子供は比較的淡い色よりは濃い色を好む。濃い色の
中で緑、黄色、青、白などの樹花から得られる色で家具
を製作し、木々を配置して森へ遊びに来たような演出を
している。更に、ステーショナリユニットはロールスク
リーンで場面展開ができるようにしてあり、状況の変化
を演出できるようにしてある。
【0043】上述では言語として英語を例に挙げて説明
しているが、他の外国語に対しても同様に適用可能であ
る。
【0044】
【発明の効果】本発明の言語教授システムによれば、持
って生まれた言語習得能力を自然に発揮できる環境のナ
チュラルセッティングの中で言語を教授するようになっ
ているので、子供が自然な状態で苦痛を伴わないで言語
を習得することが可能となる。その結果、これからの国
際化社会に対応できる早期語学(英語)教育に寄与する
こと大である図25〜図29は本発明による英語教授の
効果を5人の子供について示しており、図25の例では
全体的にダンスに興味を示し、レッスンA16〜A21
の興味、関心度が低く、それに伴い発話状況も大きく減
退している。また、図26の例では、レッスンの前半で
「意味を理解し反応している」が続いているが、その後
「日本語での発話」をステップに英語の発話が増加し、
レッスンの前半で英語のリズムを掴んでいるから、歌を
歌い始め、その後から徐々に英語での発話が増加してい
る。図27の例は全ての項目に興味、関心度が高く、英
語の発話が最も多く、毎回のレッスンの中で日本語、英
語の発話を盛んにしている。
【0045】更に、図28の例では、日本語を発話する
のと歌を歌い始めるのが同時期であり、レッスン内容が
変わった直後は日本語の発話が多く、後半は英語の発話
が増加している。図28の例も、全ての項目に興味、関
心度が高くなっている。図29の例では、リピートしな
がら英語のリズムを掴んでいる様子が分かり、レッスン
後半から日本語での発話が増え始め、それに伴って英語
での発話準備も進んでいる。初めは単純にインストラク
タの真似をし、次に意味を理解し、日本語での発話、英
語での発話という流れを繰り返しながら学んでいる様子
が分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の前提となるスタインバーグ博士のモデ
ルを示す流れ図である。
【図2】本発明の概念を示す図である。
【図3】本発明の基本的な発話概念を示すフローチャー
トである。
【図4】インストラクタ研修プログラムの一例を示すカ
リキュラム図である。
【図5】パフォーマンストレーニングの内容例(一部)
を示す図である。
【図6】パフォーマンストレーニングの内容例(一部)
を示す図である。
【図7】パフォーマンストレーニングの内容例(一部)
を示す図である。
【図8】パフォーマンストレーニングの内容例(一部)
を示す図である。
【図9】パフォーマンストレーニングのスケジュール
(2日)例を示す図である。
【図10】本発明のカリキュラムの一例(一部)を示す
図である。
【図11】本発明のカリキュラムの一例(一部)を示す
図である。
【図12】本発明のカリキュラムの一例(一部)を示す
図である。
【図13】本発明のカリキュラムの一例(一部)を示す
図である。
【図14】本発明におけるレッスンマニュアルの内容の
一部を示す図である。
【図15】本発明におけるレッスンマニュアルの内容の
一部を示す図である。
【図16】本発明におけるレッスンマニュアルの内容の
一部を示す図である。
【図17】本発明で教材・教具として用いる動物パズル
の一例を示す図である。
【図18】本発明で教材・教具として用いる手人形の一
例(一部)を示す図である。
【図19】本発明で教材・教具として用いる手人形の一
例(一部)を示す図である。
【図20】本発明で教材・教具として用いるペープサー
ト人形の一例を示す図である。
【図21】図20のペープサート人形に着せる衣服の一
例を示す図である。
【図22】本発明で教材・教具として用いるパンダの絵
の一例を示す図である。
【図23】図22のパンダに着せる衣服の一例を示す図
である。
【図24】本発明のレッスン教室の内装例を示す配置図
である。
【図25】本発明の効果を説明するための図である。
【図26】本発明の効果を説明するための図である。
【図27】本発明の効果を説明するための図である。
【図28】本発明の効果を説明するための図である。
【図29】本発明の効果を説明するための図である。
【符号の説明】
1 樹木 2 椅子 3 ボード 4 音響・映像セット 5 整理ボックス 10 移動用スティック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 修一 東京都中央区新川二丁目22番1号 株式会 社旺文社エンタープライズ内 Fターム(参考) 2C028 AA00 9A001 JJ74 KK09

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】持って生まれた言語習得能力を自然に発揮
    できる環境であるナチュラルセッティングの中で言語を
    教授するようにしたことを特徴とする言語教授システ
    ム。
  2. 【請求項2】前記ナチュラルセッティングを、言語習得
    及び教授の要素であるエイムズ・アンド・モティベーシ
    ョンズ、コグニティブファンクションズ及びソーシャル
    スキルズで構成した請求項1に記載の言語教授システ
    ム。
  3. 【請求項3】更にインストラクタの研修及びカリキュラ
    ムを前記ナチュラルセッティングに組み入れた請求項2
    に記載の言語教授システム。
  4. 【請求項4】前記ナチュラルセッティングを構成する前
    記教授で使用する教材・教具、教室の内装に関して言語
    習得能力を自然に発揮できるようになっている請求項1
    に記載の言語教授システム。
  5. 【請求項5】前記言語が英語である請求項1に記載の言
    語教授システム。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005527859A (ja) * 2002-05-24 2005-09-15 エスエムティーエム テクノロジーズ エルエルシー スキルベースのテストおよびトレーニングのための方法およびシステム

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JP2005527859A (ja) * 2002-05-24 2005-09-15 エスエムティーエム テクノロジーズ エルエルシー スキルベースのテストおよびトレーニングのための方法およびシステム

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