JP2001252253A - 生体磁場計測装置 - Google Patents

生体磁場計測装置

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JP2001252253A
JP2001252253A JP2000073921A JP2000073921A JP2001252253A JP 2001252253 A JP2001252253 A JP 2001252253A JP 2000073921 A JP2000073921 A JP 2000073921A JP 2000073921 A JP2000073921 A JP 2000073921A JP 2001252253 A JP2001252253 A JP 2001252253A
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豪 宮下
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被検体の心臓から発生する磁場波形を解析
し,心臓疾患の診断に有用な情報を表示する生体磁場計
測装置提供する。 【解決手段】 心臓から発生する磁場を検出する複数の
SQUID磁束計で検出された磁場波形データを収集し
て演算処理を行なう演算処理装置6と,演算処理結果を
表示する表示装置とを有し,複数の磁場波形の時間軸を
所定の時点で合わせ,磁場波形のベースラインを所定の
時点T1で合わせ,T1及び所定の時点T2で,磁場波
形が検出された各点について磁場波形から電流ベクトル
を求め,T1,T2での電流ベクトルをそれぞれ各点に
ついて加算して,T1,T2での合成電流ベクトルを求
め,T1,T2での合成電流ベクトルの少なくとも一方
のx成分を横軸,y成分を縦軸として,合成電流ベクト
ルを表示装置6の表示画面に表示する。 【効果】 虚血の度合いや虚血が存在する部位を推定で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,成人,小児,母体内の
胎児等の心臓や脳等から発生する微弱な生体磁場を計測
するSQUID(Superconducting Q
uantumInterference Devic
e:超伝導量子干渉素子)磁束計を用いる生体磁場計測
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来,心電計により計測された心電図を
用いる心筋虚血の判定では,ST波(S波とT波の間に
於ける心電波形)が生じる時間帯(心筋の不応期に対応
する時間帯)に於いて,心電波形が基線より上昇又は下
降しているか否かの判定,更に,心電波形が上昇又は下
降している場合には上昇又は下降の持続時間が長いか否
か等を判定して,虚血性疾患の判定を行なっていた。し
かし,これらの方法では,十分にST波の生じる時間帯
で心電波形の変化が見られない限り判定は困難であっ
た。そのため狭心症等の場合,運動負荷試験を行ないS
T波の変化を計測していた。
【0003】一方,生体磁場計測装置,特に心臓から発
生する微弱な磁場を測定する心臓磁場計測装置(以下,
心磁計という)では,心臓から発生する法線方向(z方
向又は生体の面に垂直な方向)の磁場Bz(t)をx方
向,y方向に偏微分して得られる(数1),(数2)を
x成分,y成分とする電流ベクトルI'(t)(I'x
(t),I'y(t))によって,電流ベクトルを2次
元に表示し,心臓の筋肉の電気生理学的活動を表わす電
流ベクトルの分布図(アローマップ)として得られるこ
とは知られている。
【0004】
【数1】 I'x(t)=dBz(t)/dy …(数1)
【0005】
【数2】 I'y(t)=−dBz(t)/dx …(数2)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来技術の生体磁場計
測装置では,計測された磁場波形から得られた電流ベク
トルの大きさを定量的に評価する方法は皆無であり,上
記で説明した心電計で計測された心電図による判定方法
と同様にして,計測された磁場波形の変化のみで判定し
ているに過ぎなかった。そのため,診断により有効な情
報を得るための磁場波形の解析法が望まれていた。
【0007】本発明の目的は,成人,小児,母体内の胎
児等の心臓から発生する微弱な磁場を測定する生体磁場
計測装置(心磁計)により計測された磁場波形を解析し
て,虚血性心疾患(心筋梗塞,狭心症等),心筋症を簡
易に識別することが可能な画面表示を行ない,診断に有
用な情報を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の生体磁場計測装
置(心磁計)の第1の構成では,2次元に配列された複
数のSQUID磁束計を使用して生体の心臓から発生す
る磁場(以下,心磁場という)を計測する(以下,計測
された磁場波形を心磁波形という)。心磁波形は,P波
が生じる時間帯の前の時間帯,P波とQ波が生じる間の
時間帯の少なくとも一方の所定の時点で,全ての計測点
(以下,チャネルともいう)に関してベースライン合わ
せが行なわれ表示装置の表示画面に表示される。
【0009】S波とT波の生じる間の時間帯で,t=T
1の時点とt=T2(但し,T2>T1)の時点で計測
されたi番目のチャネルの心磁場の法線成分(Bzi
(T1),Bzi(T2))を用いて,演算処理装置
は,(数3),(数4)に基づいてT1の時点に於い
て,電流ベクトルIiのx成分(Ixi(T1)),電
流ベクトルIiのy成分(Iyi(T1))を,(数
5),(数6)に基づいてT2の時点に於いて,電流ベ
クトルIiのx成分(Ixi(T2)),電流ベクトル
Iiのy成分(Iyi(T2))を,それぞれ計算す
る。
【0010】
【数3】 Ixi(T1)=dBzi(T1)/dy …(数3)
【0011】
【数4】 Iyi(T1)=−dBzi(T1)/dx …(数4)
【0012】
【数5】 Ixi(T2)=dBzi(T2)/dy …(数5)
【0013】
【数6】 Iyi(T2)=−dBzi(T2)/dx …(数6) 更に演算処理装置は,Ixi(T1),Iyi(T1)
を全てのチャネル(全チャネル数をNとする)について
計算し,(数7),(数8)に基づいて,Ixi(T
1),Iyi(T1)を全てのチャネルについて加算し
て,I1x,I1yを成分とする合成電流ベクトルI1
を計算し,Ixi(T2),Iyi(T2)を全てのチ
ャネルについて計算し,(数9),(数10)に基づい
て,Ixi(T2),Iyi(T2)を全てのチャネル
について加算して,I2x,I2yを成分とする合成電
流ベクトルI2を計算する。なお,(数7)〜(数1
0)に於いて,Σは加算記号を示し加算は,i=1,
2,…,Nについて行なう。
【0014】
【数7】 I1x=ΣIxi(T1) …(数7)
【0015】
【数8】 I1y=ΣIyi(T1) …(数8)
【0016】
【数9】 I2x=ΣIxi(T2) …(数9)
【0017】
【数10】 I2y=ΣIyi(T2) …(数10) (数7),(数8)に基づいて得られた合成電流ベクト
ルI1は,I1xを横軸,I1yを縦軸として表示装置
の表示画面に2次元プロットされ,(数9),(数1
0)に基づいて得られた合成電流ベクトルI2は,I2
xを横軸,I2yを縦軸として表示装置の表示画面に2
次元プロットされる。
【0018】演算処理装置は,(数11)に基づいて角
度θ1を計算し,θ1が角度を示す直線又は数値により
合成電流ベクトルI1が表示画面に表示され,また,演
算処理装置は,(数12)に基づいて角度θ2を計算
し,θ2が角度を示す直線又は数値により合成電流ベク
トルI2が表示画面に表示される。
【0019】
【数11】 θ1=arctan(I1y/I1x) …(数11)
【0020】
【数12】 θ2=arctan(I2y/I2x) …(数12) また,演算処理装置は,T1の時点於ける合成電流ベク
トルI1とT2の時点に於ける合成電流ベクトルI2と
の差分を計算し,(数13)に示すΔIxをx成分,
(数14)に示すΔIyをy成分とする差分合成電流ベ
クトルΔIを計算する。
【0021】
【数13】 ΔIx=(I2x−I1x) …(数13)
【0022】
【数14】 ΔIy=(I2y−I1y) …(数14) (数13),(数14)に基づいて得られた差分合成電
流ベクトルΔIは,ΔIxを横軸,ΔIyを縦軸として
表示装置の表示画面に2次元プロットされる。
【0023】演算処理装置は,(数15)に基づいて角
度Δθを計算し,Δθが角度を示す直線又は数値により
差分合成電流ベクトルΔIの表示画面に表示される。
【0024】
【数15】 Δθ=arctan(ΔIy/ΔIx) …(数15) 表示装置の表示画面には,T1の時点又はT2の時点で
の合成電流ベクトルI1,I2の絶対値(スカラー)で
ある|I1|,|I2|の何れか一方を横軸に,差分合
成電流ベクトルΔIの絶対値(スカラー)である|ΔI
|を縦軸にして2次元プロットされ,また,表示画面に
は,(数16)〜(数19)により計算される,差分合
成電流ベクトルの絶対値|ΔI|と,合成電流ベクトル
の絶対値|I1|,|I2|の何れかとの比の値γ1〜
γ4の何れかを計算し,γ1〜γ4の何れかの値が表示
される
【0025】
【数16】 γ1=|I1|/|ΔI| …(数16)
【0026】
【数17】 γ2=|ΔI|/|I1| …(数17)
【0027】
【数18】 γ3=|I2|/|ΔI| …(数18)
【0028】
【数19】 γ4=|ΔI|/|I2| …(数19) 本発明の第1の構成によれば,心筋の虚血又は繊維化に
伴って変化する電気生理学的活動に起因して心筋内を流
れる電流の大きさや方向を,簡単な解析方法により求め
ることが可能であり,診断に有用な情報として表示画面
に表示することができる。
【0029】本発明の生体磁場計測装置(心臓磁場計測
装置(心磁計))の第2の構成では,上記の第1の構成
と同様に,計測された心磁波形は,P波が生じる時間帯
の前の時間帯,P波とQ波が生じる間の時間帯の少なく
とも一方で,全てのチャネルに関してベースライン合わ
せが行なわれ表示装置の表示画面に表示される。
【0030】QRS波の生じる間の時間帯の所定の時間
区画Ts〜Teの各時点jで,i=1,2,…,Nの各
チャネルについての電流ベクトルIiを,計測されたi
番目のチャネルの心磁場の法線成分(Bzi(tj),
Bzi(tj))を用いて,演算処理装置は,(数2
0),(数21)に基づいてtjの時点に於いて,電流
ベクトルIiのx成分(Ixi(tj)),電流ベクト
ルIiのy成分(Iyi(tj))を計算する。
【0031】
【数20】 Ixi(tj)=dBzi(tj)/dy …(数20)
【0032】
【数21】 Iyi(tj)=−dBzi(tj)/dx …(数21) 更に演算処理装置は,各チャネルの電流ベクトルIiの
絶対値である|Ii|を(数22)に基づいて計算し,
|Ii|を(数23)により積分してチャネルiの積分
電流量Isiを計算する。(数23)に於いて|Ii|
を積分する時間範囲は上記の所定の時間区画Ts〜Te
である。
【0033】
【数22】 |Ii|=√{(Ixi)2+(Iyi)2)} …(数22)
【0034】
【数23】 Isi=∫|Ii|dt …(数23) ここで,同一の被検体の心臓の異なる2つの状態(状態
A,状態Bとする)で計測された心磁波形に基づいて
(数23)により計算されたチャネルi(i=1,2,
…,N)の積分電流量を,Iai,Ibiとする。例え
ば,状態Aは運動負荷前の状態であり安静時にある状
態,状態Bは運動負荷後の状態である。
【0035】演算処理装置は,Aの状態で計測された心
磁波形から計算されたチャネルiの所定の時間区間での
積分電流量Iaiと,Bの状態で計測された心磁波形か
ら計算されたチャネルiの所定の時間区間での積分電流
量Ibiとの積分電流量比δiを,(数24)又は(数
25)により計算する。
【0036】
【数24】 δi=Iai/Ibi …(数24)
【0037】
【数25】 δi=Ibi/Iai …(数25) また,演算処理装置は,(数26),(数27)に基づ
いて,積分電流量Iai,積分電流量Ibiをそれぞれ
全てのチャネルについて加算して,加算電流量Ita,
Itbを計算する。なお,(数26)〜(数27)に於
いて,Σは加算記号を示し加算は,i=1,2,…,N
について行なう。
【0038】
【数26】 Ita=ΣIai …(数26)
【0039】
【数27】 Itb=ΣIbi …(数27) 更に,演算処理装置は,チャネルiの積分電流量比δ
i,加算電流量Ita,Itbを使用して,(数28)
又は(数29)に基づいて,チャネルiの電流量比εi
をi=1,2,…,Nについて計算し,等しい電流量比
をもつ点を内挿外挿により求め,等しい電流量比をもつ
点を結ぶ等高線に表現される電流量比分布図(CRM:
Current Ratio Mapという)を求め
る。求められた電流量比分布図は表示装置の表示画面
に,白黒表示又はカラー表示される。(数28)では
(数24)に示すδiを使用し,(数29)では(数2
5)を使用する。
【0040】
【数28】 εi=δi×(Itb/Ita) …(数28)
【0041】
【数29】 εi=δi×(Ita/Itb) …(数29) 本発明の第2の構成によれば,運動負荷後に誘発される
微弱な電流の運動負荷前に求められた微弱な電流からの
変化量を求めることができ,求められた微弱な電流の変
化量を等高線として表わす電流量比分布図を,診断に有
用な情報として表示画面に表示することによって,心筋
の狭窄部位(又は虚血部位)を容易に推定することが可
能である。
【0042】本発明では,計測された磁場波形を簡単な
解析方法で解析して,虚血性心疾患(心筋梗塞,狭心症
等),心筋症を容易に識別することが可能な画面表示を
行なうことができ,心臓の診断に有用な情報を提供する
ことができる。
【0043】
【発明の実施の形態】以下,本発明の実施例を図面を参
照して詳細に説明する。
【0044】(実施例1)図1は本発明の実施例1の生
体磁場計測装置(心臓磁場計測装置(心磁計))の構成
例を示す図である。図1に示すように,磁気シールドル
ーム1の内部には,被検体が横になるベッド7とSQU
ID磁束計を超伝導状態に保持するための冷媒(液体ヘ
リウム又は液体窒素)が貯蔵されたクライオスタット2
と,クライオスタット2を機械的に保持するガントリー
3が配置されている。ベッド7は,X方向とY方向とZ
方向に移動可能である。シールドルーム1の外部にはS
QUID磁束計の駆動回路4と,駆動回路4の出力を増
幅してフィルタリングするアンプフィルタユニット5
と,アンプフィルタユニット5の出力をデータとして取
り込み,取り込こまれたデータの演算処理を行なう演算
処理装置(コンピュータ)6とが配置されている。演算
処理装置(コンピュータ)6は表示装置を具備してお
り,演算処理装置による演算処理結果が表示装置の表示
画面に表示される。また,演算処理装置とは別に配置さ
れる表示装置の表示画面に演算処理結果が表示すること
もできる。
【0045】図2は実施例1に於いてクライオスタット
2の内部の底部近傍に配置される複数のSQUID磁束
計の配置例を示す図である。図2に示すように,心臓か
ら発生する微弱な磁場を測定する64個のSQUID磁
束計202は,8×8の正方格子の各格子点に2次元に
配置されている。各SQUID磁束計は,検出コイルと
補償コイルとを有する1次微分型検出コイルを有し,法
線方向(z方向,体表面に対して垂直な方向)の磁場を
検出する。実施例1では,1次微分型検出コイルのベー
スラインを50mmとして,検出コイルの直径を18m
mとした。
【0046】被検体の剣状突起の上方に,8×8の正方
格子の格子点(3,7)の位置に配置されるSQUID
磁束計201がくるようにして,複数のSQUID磁束
計による心磁場の計測範囲を設定して,クライオスタッ
トの下面と被検体の心臓との位置合わせを行なった。
【0047】図3は,本発明の実施例1に於いて求めら
れた,健常人の,R波及びT波のピーク,ST波が生じ
る時間帯での時点T1での,心磁場(Bz)の等しい点
を結ぶ等磁場線図,電流ベクトルの分布図,計測された
1チャネルから64チャネルの心磁波形を重ね書きした
波形が表示される表示装置の画面表示の例を示す図であ
る。図3に示すように表示画面の上段に,健常人のR波
のピークが生じる時点で求められた電流ベクトルの分布
図(アローマップ)301,ST波(S波とT波の間に
於ける心磁波形)が生じる時間帯での時点T1で求めら
れた電流ベクトルの分布図(アローマップ)302,T
波のピークが生じる時点で求められた電流ベクトルの分
布図(アローマップ)303がそれぞれ表示され,図3
に示すように表示画面の下段に,1チャネルから64チ
ャネルの心磁波形を重ね書きした波形304,Q波の始
まりの時点を示す線305がそれぞれ表示されている。
【0048】図3に示す各時点での電流ベクトルの分布
図の作成は,計測された法線方向(z方向)の心磁場
(Bz)を,(数1),(数2)によりI'x,I'yを
計算して作成し,各時点での電流ベクトルの分布図は強
度を規格化して表示している。心臓の脱分極過程を反映
するR波のピークが生じる時点での電流ベクトルの分布
図301とT波のピークが生じる時点の電流ベクトルの
分布図303とを比較すると,流れる電流の方向がほぼ
同じ方向であることが分かる。
【0049】また心臓の心筋細胞が不応期(細胞への刺
激に反応しない時期)の時間帯でありST波が生じる時
間帯の時点T1での電流ベクトルの分布図302に於い
ても,電流ベクトルの分布図301,303とほぼ同じ
方向に電流が流れていることが分かる。不応期に於ける
電流の流れる方向の変化は,虚血性心疾患や心筋症等の
心筋の繊維化の状態を敏感に反映する可能性がある。実
施例1では不応期の時間帯(ST波が生じる時間)で流
れる電流の方向,大きさの微小な変化に注目して,心臓
疾患を定量的に評価することを目的としている。
【0050】ST波が生じる時間帯のある時点tでの電
流の方向,大きさの変化を定量的に評価するため,計測
点i(チャネルi)で計測される法線方向の磁場Bzi
(t)から求められる電流ベクトルIi(t)のベクト
ル和である,電流ベクトル和I(t)(合成電流ベクト
ル)を(数30)〜(数32)により計算する。(数3
0)〜(数32)に於いて,Σは加算記号を示し加算
は,i=1,2,…,N(=64)について行なう。合
成電流ベクトルIのx方向の成分Ix(t),y方向の
成分Iy(t)は,(数31),(数32)により求め
られる。なお,合成電流ベクトルIi(t)のx方向の
成分Ixi(t),y方向の成分Iyi(t)は,(数
33),(数34)により求められる。
【0051】
【数30】 I(t)=ΣIi(t) …(数30)
【0052】
【数31】 Ix(t)=ΣIxi(t)=ΣdBzi(t)/dy …(数31)
【0053】
【数32】 Iy(t)=ΣIyi(t)=−ΣdBzi(t)/dx …(数32)
【0054】
【数33】 Ixi(t)=dBzi(t)/dy …(数33)
【0055】
【数34】 Iyi(t)=−dBzi(t)/dx …(数34) (数30)により求められる合成電流ベクトル和I
(t)は,時点tに於いて,心臓の各部位を流れる主電
流(心筋細胞が電気的に活動している場合に流れる電
流)がある程度同じ方向を向いて広がりをもつ場合,主
電流が閉回路をなして心臓の各部位を流れて元の部位に
戻ってくる帰還電流は相殺されて,主に主電流による合
成電流ベクトルを簡単に推定できる方法であると考えら
れる。主電流の向きは(数35)に示す角度ζにより計
算される。
【0056】
【数35】 ζ=arctan{Iy(t)/Ix(t)} …(数35) 図4は,本発明の実施例1に於いて単一ダイポールモデ
ルで作成された磁場(Bz)の等しい点を結ぶ等磁場線
図,合成電流ベクトルの分布図を説明する図である。図
4は,(数30)〜(数32)により合成電流ベクトル
を推定する方法を単一ダイポールモデルを用いて確認し
た結果を示す図である。ダイポール401は,ダイポー
ルの大きさが1(μA・mm)であり,ダイポールの位
置が(X=25mm,Y=25mm,Z=−80mm)
にあり,斜め45度右下方に向いて固定されていると仮
定している(ダイポール401は図4(a)に示す矢印
の先端に存在する)。従って,(数30)〜(数34)
の各辺は時点tに依存しない。検出コイルは50mmの
ベースラインをもつものとして法線成分(Bz)の磁場
強度を,複数のSQUID磁束計が配置される計測面4
02で計算し,計測点i(チャネルi(i=1,2,
…,N(=64)でのBziを求めた。
【0057】図4(a)は,単一ダイポール401が発
生する磁場の法線成分(Bz)から複数のSQUID磁
束計が配置される計測面402での磁場(Bz)の等し
い点を結ぶ等磁場線図,計測面402での合成電流ベク
トルIiのx方向の成分Ixi,y方向の成分Iyiを
(数33),(数34)により計算して得た電流ベクト
ルの分布図を示す。
【0058】図4(b)は,図4(a)に示す電流ベク
トルの分布図の結果を用いて,(数31),(数32)
の加算により得た合成電流ベクトルを,合成電流ベクト
ルのx方向の成分をIx軸,y方向の成分をIy軸とす
る2次元空間にプロットした結果を示し,合成電流ベク
トルの先端の位置を計算点404により示す。図4
(b)では,計算点404と仮定したダイポールの方向
と比較するため,仮定した電流ダイポール401の方向
403も図示してある。また,主電流の向きを表わす角
度ζは(数35)により計算され,計算により得られた
角度ζが,主電流の向きを仮定した45°にほぼ一致し
て推定されていることが分かる。
【0059】以上の結果から,ST波形が生じる時間帯
での時点t=T1と時点t=T2に於ける,合成電流ベ
クトル和(合成電流ベクトル)I1,I2を(数3
6),(数37)により計算する。(数36),(数3
7)に於いて,Σは加算記号を示し加算は,i=1,
2,…,N(=64)について行なう。Ii(T1),
Ii(T2)は,チャネルiで計測される法線方向の磁
場Bzi(T1),Bzi(T2)から求められる合成
電流ベクトルである。
【0060】
【数36】 I1=ΣIi(T1) …(数36)
【0061】
【数37】 I2=ΣIi(T2) …(数37) T1とT2は,図3に示すQ波の始まる時点を示す線3
05を起点として設定した異なる2つの時点を示してお
り,心拍数を考慮して(数38),(数39)から求め
るものとする。標準的なT1の時点は,線305を起点
としてこの起点から,QRS波が出現する時間帯の時間
の約2倍程度の時間180msだけ離れた時点として,
標準的なT2の時点はT1の時点から30ms離れた点
とする。
【0062】
【数38】 T1=0.18/√(Trr) …(数38)
【0063】
【数39】 T2=0.21/√(Trr) …(数39) (数38),(数39)に於いて,TrrはR−R間隔
(interval)を示し,Trrは,返して出現す
るPQRST波の各波の繰返しのうち,R波の繰返しの
時間間隔を示す。R−R間隔は,個人,疾病により変化
するので,計測された心磁波形の時間軸を,R−R間隔
(=Trr)を用いて規格化する。Trrは秒の単位で
表わされるが,(数38),(数39)に於ける計算で
は,Trrの単位は無次元化して使用する。即ち,規格
化された心磁波形では,R−R間隔は1秒に規格化され
ている。(数38),(数39)のT1,T2はTrr
により規格化された値である。
【0064】更に,ST波形が生じる時間帯での電流の
微弱な変化をとらえるため,(数36),(数37)か
ら(数40)に基づいて差分合成電流ベクトルΔIを計
算する。
【0065】
【数40】 ΔI=I2−I1 …(数40) 差分合成電流ベクトルΔIのx方向の成分,y方向の成
分は,(数13),(数14)により計算される。(数
40)は言い換えると,心磁波形の時間軸の時点T1で
全チャネルの心磁波形をベースライン補正しベースライ
ンを合せ,心磁波形の時間軸の時点T2での電流ベクト
ルの分布を用いて(数37)を計算したことと等価であ
る。
【0066】図5は,本発明の実施例1に於いて成人の
健常者29例に関して心磁波形を計測し,心磁波形を解
析して得た合成電流ベクトルの分布図の表示画面の例を
示す図である。図5では,ST波形を特徴付ける指標を
検討するための図である。図5(a)は,(数36)に
より求めた時点T1に於ける合成電流ベクトルの分布図
の表示画面の例,図5(b)は(数37)により求めた
時点T2に於ける合成電流ベクトルの分布図の表示画面
の例,図5(c)は,(数40)により求めた差分合成
電流ベクトルΔIの結果の表示画面の例をそれぞれ示
す。図5(d)は,ST波形の時間変化の様相,例え
ば,ST波形の平坦度を評価するため,合成電流ベクト
ルI1の絶対値|I1|と差分合成電流ベクトルΔIの
絶対値|ΔI|の関係を示す表示画面の例である。
【0067】図5(a),図5(b)に示す結果から,
心磁波形の時間軸の規格化に使用したR−R間隔の値
(=Trr)と,成人の健常者の実際のR−R間隔の値
のばらつきのため,Trrにより規格化されたT1,T
2の値にばらつきが存在するが,ほぼ左胸部下方へ向か
う合成電流ベクトルが検出されている。更に,心電図で
使用される電気軸の指標を合成電流ベクトルと同時に表
示すると,正常値といわれる電気軸の指標の値である−
30°から+110°の間に,29例の全ての例に関す
る合成電流ベクトルがプロットされている。
【0068】図5(c)に示すように,差分合成電流ベ
クトルΔIのx方向の成分,y方向の成分のプロットで
は,図5(a),図5(b)に示すプロットと比較して
ばらつきが抑えられ,29例の全ての例に関する合成電
流ベクトルが,左胸下方(0°から+90°)へ向かう
方向に検出されている。図5(c)には,合成電流ベク
トルの方向性を明瞭にするするため,近似直線Aも同時
に表示している。近似直線Aは(数41)により表され
る。
【0069】
【数41】 (I2y−I1y)=−0.46(I2x−I1x) …(数41) 図5(d)に示すように,ST波形が生じる時間帯での
短時間の区間(T2−T1)=30msで生じる心磁波
形の変化を反映するプロットから,合成電流ベクトルI
1の絶対値|I1|と差分合成電流ベクトルΔIの絶対
値|ΔI|との関係は近似直線Bで近似できることが分
かる。近似直線Bは(数42)により表される。なお,
近似直線Bは,図7,図8に示す表示画面の例にも実施
例1の特徴の理解を容易とするため示している。
【0070】
【数42】 |ΔI|=|I2−I1|=0.47|I1|+6.1 …(数42) 次に,被検体の心臓と複数のSQUID磁束計が配列さ
れる計測面との距離によって,実施例1により得られる
合成電流ベクトルの分布図がどのように変化するかを確
認するため,被検体が搭載されるベッドの高さ方向だけ
を20mmずつ変化させて心磁波形の計測を行なった。
【0071】図6は,本発明の実施例1に於いて被検体
の心臓と計測面との距離を順次20mmずつ遠ざけた6
カ所の位置,0mm(通常の測定状態である),20m
m,40mm,60mm,80mm,100mmに於い
て,成人の健常者について心磁波形を計測し,心磁波形
を解析して得た合成電流ベクトルの分布図の表示画面の
例を示す図である。
【0072】図6(a)は,(数36)により求めた時
点T1に於ける合成電流ベクトルの分布図の表示画面の
例,図6(b)は,(数37)により求めた時点T2に
於ける合成電流ベクトルの分布図の表示画面の例,図6
(c)は,(数40)により求めた差分合成電流ベクト
ルΔIの結果の表示画面の例をそれぞれ示す。
【0073】図6(a)から図6(d)に於いてプロッ
トしている6点のデータでは,合成電流ベクトル,差分
合成電流ベクトルが最も大きい点が,計測面が体表面に
最も近い状態(0mm:通常の測定状態)でのデータを
示し,合成電流ベクトル,差分合成電流ベクトルが小さ
くなるにつれ,20mmづつ離れた位置に対応するデー
タとなっている。
【0074】図6(a),図6(b),図6(c)の何
れの合成電流ベクトルの分布図での方向性は,被検体の
心臓と計測面との距離に依存しないことが分かる。図6
(d)に示すように,ST波形が生じる時間帯での短時
間の区間(T2−T1)=30msで生じる心磁波形の
変化を反映するプロットから,合成電流ベクトルI1の
絶対値|I1|と差分合成電流ベクトルΔIの絶対値|
ΔI|との関係は近似直線Cで近似できることが分か
る。近似直線Cは(数43)により表される。
【0075】
【数43】 |ΔI|=|I2−I1|=0.62|I1|+6.5 …(数43) 図5(d)に示す近似直線B((数42))と図6
(d)に示すの近似直線C((数43))を比較する
と,近似直線B,Cは,ほとんど傾きが同じであること
が分かる。従って,図5(d)に示す近似直線Bに沿う
各プロット点の変化は心磁場の発生源と計測面との距離
のばらつきによって生じるものと考えられ,近似直線B
の直角方向での各プロット点のばらつきは,心筋の電気
生理学的活動の個人差,心臓疾患の種類の差を主に反映
している量(大きさ)であると推定される。
【0076】以上説明したように,健常者の心磁波形か
ら求めた合成電流ベクトルの分布図では,心磁波形の時
点T1での磁場強度と,時点T1から30ms経過した
時点T2で心磁波形の磁場強度との変化量との関係は,
心臓と計測面との距離の変化が近似直線Bに沿う方向で
変化するように表われ,近似直線Bの直角方向でのプロ
ット点のばらつきが,個人差,心臓疾患の種類の差を反
映するような相関関係が存在することがわかった。この
相関関係を心臓疾患をもつ患者の心磁波形の解析に適用
した例について以下説明する。
【0077】図7は,本発明の実施例1に於いて心筋虚
血である心筋梗塞(MI)10例の患者,狭心症(A
P)10例の患者に関して心磁波形を計測し,心磁波形
を解析して得た合成電流ベクトルの分布図の表示画面の
例を示す図である。
【0078】図8は,本発明の実施例1に於いて心筋症
である肥大型心筋症(HCM)4例の患者,拡張型心筋
症(DCM)3例の患者,拘束型心筋症(RCM)1例
の患者に関して心磁波形を計測し,心磁波形を解析して
得た合成電流ベクトルの分布図の表示画面の例を示す図
である。図7,図8の(a)〜(d)に示す縦軸,横軸
は,健常者ついての解析結果を示す図5,図6の(a)
〜(d)に示す縦軸,横軸と同じであるので説明を省略
する。
【0079】心筋梗塞(MI)の患者では,図7の
(a)〜(c)に示す合成電流ベクトルの分布図のプロ
ット点では,正常値といわれる電気軸の指標の値である
−30°から+110°の範囲に入らない場合が多く,
図7(d)に示す合成電流ベクトルの分布図のプロット
点では,時点T1での合成電流ベクトルの大きさが大き
い値であるにもかかわらず,|ΔI|=|I2−I1|
の値が小さい場合があることが分かる。
【0080】ここで,心臓疾患をもつ患者と正常者との
境界線として,図5(d)に示す近似直線Bと平行な境
界線Dを設定して,境界線Dよりも左側の領域が正常領
域であり,正常領域に正常者に関するプロット点がプロ
ットされるものと想定すると,2例が正常領域から逸脱
していることが分かる。境界線Dは(数44)により表
される。
【0081】
【数44】 |ΔI|=|I2−I1|=0.47|I1|−235 …(数44) 一方,狭心症(AP)の患者では,安静時では虚血にな
っている部分が少ないため,図5に示した健常者のプロ
ット点に比較的類似している。狭心症(AP)の患者で
の合成電流ベクトルの分布図では合成電流ベクトルは,
図5に示した健常者の合成電流ベクトルの分布図での合
成電流ベクトルに近い方向性と強度をもっていることが
分かる。しかし,合成電流ベクトルの方向性を示す図7
(a),図7(b)に示す例では,合成電流ベクトルの
大きさは小さいが,合成電流ベクトルの方向が正常値の
範囲(−30°から+110°)を逸脱してプロット点
が5例あることが分かる。
【0082】図8に示す例では,肥大型心筋症(HC
M)4例,拡張型心筋症(DCM)3例,拘束型心筋症
(RCM)1例の,全て例に於いて合成電流ベクトルの
大きさに大きなばらつきがあるという特徴がある。合成
電流ベクトルの大きさにばらつきがあるため,時点T1
での合成電流ベクトルの大きさと時点T1と時点T2で
の合成電流ベクトルの大きさの変化量との関係を表わす
図8(d)では,(数44)で表される境界線Dを超え
る5例の症例が検出され,|ΔI|を指標とする効果が
明らかに見られる。
【0083】図5〜図8に示した結果から,心臓疾患を
もつ患者と正常者との境界を以下のように考えることに
する。T1の時点とT2の時点での合成電流ベクトルの
分布図(図5〜図8の(a),(b))での合成電流ベ
クトルの方向が−30°から+110°の範囲を正常領
域とする第1の基準(指標)と,差分合成電流ベクトル
の分布図(図5〜図8の(c))での差分合成電流ベク
トルの方向が0°から+90°の範囲を正常領域とする
第2の基準(指標)と,時点T1での合成電流ベクトル
の大きさと時点T1と時点T2での合成電流ベクトルの
大きさの変化量との関係を表わす場合(図7〜図8
(d))には,(数44)で表される境界線Dの近似直
線Bの側の領域(図7〜図8(d)では境界線より左
側)を正常領域とする第3の基準(指標)とを設定す
る。第1から第3の基準(指標)を全て満たすプロット
点を正常と考え,第1から第3の基準(指標)の何れか
一つの基準(指標)が正常範囲を超える場合には,陽性
と判断することとした。
【0084】図9は,以上説明した第1から第3の基準
(指標)を使用して,本発明の実施例1の図5,図7,
図8に示した結果から陽性(心筋異常)と考えられた陽
性の数を示す図である。図9に示すように,健常者29
例について陽性は0例であり,心筋梗塞10例について
は陽性は8例,狭心症10例については5例が陽性,肥
大型心筋症4例については4例が陽性,拡張型心筋症3
例については3例が陽性,拘束型心筋症1例も陽性と判
断された。以上の結果から,心筋が虚血状態で壊死に近
い状態や繊維化した状態等がある場合には,以上説明し
た実施例1の解析方法により,心臓疾患をもつ患者と正
常者とを識別可能なことが分かった。
【0085】しかし,心筋梗塞については10人全てを
検出できておらず,陽性として判断されなかった2例中
の1例は陳旧性心筋梗塞と判断されており,梗塞が起き
てから時間が経過すると,ST波形が生じる時間帯での
心磁波形の変化が小さくなることの影響かもしれないと
考えられた。
【0086】以上説明したように,ST波形が生じる時
間帯での合成電流ベクトルの分布図を作成することによ
り心筋の虚血を判断するのに有用な情報を得ることがで
きることが分かった。実施例1の解析方法は,ST波形
が生じる時間帯での合成電流ベクトルの分布図の作成に
限定されるものではなく,例えば,P波,Q波,R波,
S波,T波等の何れかの波が生じる時間帯に於いても適
用可能であり,特に,心筋梗塞を示す異常Q波(R波よ
りも高い振幅をもつQ波)が生じる場合等には,合成電
流ベクトルの分布図による解析は有用であると考えられ
る。
【0087】(実施例2)次に,主に狭心症(AP)を
運動負荷によって識別する実施例2について説明する。
実施例2に於いても,実施例1と同様に図1に示す生体
磁場計測装置(心臓磁場計測装置(心磁計))を使用し
て,図2に示した測定範囲で心磁波形の計測を行なって
いる。
【0088】実施例2では,演算処理装置は,異なる状
態Aと状態Bにある被検体の心臓から発生する磁場を外
来磁場が遮蔽された空間で検出する複数のSQUID磁
束計により検出された磁場波形を表わすデータを収集し
て,複数のSQUID磁束計により検出された磁場波形
の時間軸を第1の所定の時点で合わせる処理と,磁場波
形のベースラインを磁場波形の時間軸の第2の所定の時
点で合わせる処理と,磁場波形が検出された各点につい
て磁場波形(又は,該各点について磁場波形から求めた
電流ベクトルの大きさ)を所定の時点Tsと,所定の時
点Tsと異なる所定の時点Teとの時間区間で積分して
積分値を求める処理とを,状態A,状態Bのそれぞれの
状態で検出された磁場波形について行ない,状態Aに対
応する積分値SAと状態Bに対応する積分値SBからS
A/SB又はSB/SAで定義される第1の比を各点に
ついて求める処理と,積分値をそれぞれ各点について加
算して積分値の加算値を求める処理と,状態Aに対応す
る加算値RAと状態Bに対応する加算値RBからRA/
RB又はRB/RAで定義される第2の比を求める処理
と,各点についての第1の比と第2の比との積を求める
処理と,第1の比と第2の比との積の等しい点を結ぶ等
高線図を表わすデータを求める処理とを行なう。得られ
た等高線図(電流量比分布図(CRM:Current
RatioMapping))が表示装置の表示画面
に表示される。
【0089】通常,狭心症は冠状動脈の一部が狭窄を起
こすことが原因と考えられている。冠状動脈に狭窄があ
る状態で酸素を消費する運動を行なうと,心筋に十分に
血液が行かず虚血状態が発生し,胸痛等の自覚症状が発
生する。運動によって虚血状態が誘発されるものを労作
性狭心症と呼び,精神的なストレス等から冠状動脈が収
縮し虚血状態になるものを攣縮性狭心症と呼ぶ。通常,
労作性狭心症は12誘導心電図を装着して運動負荷前後
のST波形が生じる時間帯での心電波形の変化を見るこ
とが一般的である。しかし,12誘導心電図を用いた方
法では,ST波形が生じる時間帯での波形変化が起きる
ような強い運動負荷をかけなればならず,患者には大変
負担となっていた。また,狭窄の度合いがひどい場合で
は,ST波が生じる時間帯で心電波形の変化がおきるよ
うな運動負荷をかけられないことが多い。実施例2で
は,労作性狭心症をST波形が生じる時間帯で磁場波
形,心電波形が変化しない運動負荷の場合でも虚血があ
ることを識別する解析方法を提案するものである。
【0090】実施例1で説明したように,運動負荷前後
に於けるST波形の心電波形の変化は虚血の状態を表わ
すものとして多く使用されてきた。しかし,ST波形を
生じる時間帯での心磁波形の変化は微弱なため,実施例
1で説明したように,心磁波形を時間積分して得た合成
電流ベクトルの分布図等を使用してS/Nを向上させる
しかなかった。実施例1の方法は,安静時に於いても虚
血が生じている場合の虚血の有無の識別には有用である
が,運動負荷を行なってもST波形を生じる時間帯でで
心磁波形の変化がほとんどない場合の虚血の有無の識別
には不向きである。
【0091】一方,運動負荷前後の心電図のR波の動き
について研究も行われてきている。体表面心電図を用い
た実験によって,運動負荷前後の心電図のR波の波高値
の変化は,健常者と狭心症の患者とでは異なり,虚血患
者のR波が生じる時間帯で電位が変化する部位と,ST
波形が生じる時間帯で電位が変化する部位とがほぼ一致
するという報告がされている。実施例2では,心磁波形
の磁場強度の強いR波が生じる時間帯の近傍の磁場波形
を用いて虚血状態を識別する解析方法を考案した。
【0092】図10は,本発明の実施例2に於ける解析
方法を説明する図である。図10(a)に示すように,
ある時点(例えば,R波のピークの時点(Tp))のあ
る計測点i(チャネルi)での安静(Rest)時の心
磁波形から求めた電流をIi(Tp)とする。安静時で
は健常者も虚血患者でも同じ電流Ii(Tp)をもつと
する。運動負荷(Exercise)後に於いて,健常
者では電流がAi(Tp)×Ii(Tp)に変化し,虚
血患者ではAi(Tp)×{Ii(Tp)+Bi(T
p)}に変化するものと仮定する。
【0093】図10(a)に於ける変化をより顕著に表
わすために,チャネルiでの運動負荷前後の電流の比
(第1の比という)αi(Tp),βi(Tp)を,
(数45),(数46)により計算すると図10(b)
となる。分子を運動負荷(Exercise)後の電流
とし,分母を運動負荷(Rest)前の電流とする。比
αi(Tp)によって健常者での電流の変化量が,比β
i(Tp)により虚血患者での電流の変化量が計算でき
る。
【0094】
【数45】 αi(Tp)=Ai(Tp)×Ii(Tp)/Ii(Tp)=Ai(Tp) …(数45)
【0095】
【数46】 βi(Tp)=Ai(Tp)×{Ii(Tp)+Bi(Tp)}/Ii(Tp) =Ai(Tp)×{1+(Bi(Tp)/Ii(Tp))} …(数46) 図10(b)で得られる比αi(Tp),βi(Tp)
の個人差をなくすために図10(c)に示す規格化を行
なう。規格化は,(数47),(数48)に示すよう
に,図10(a)に示した負荷前後の電流量の絶対値を
加算した加算値の比(第2の比)を,図10(b)で得
られた比αi(Tp),βi(Tp)に逆数(分母を負
荷後の電流量の絶対値の加算値,分子を負荷前の電流量
の絶対値の加算値)にしてかけ算することにより行な
う。(数47),(数48)に於いて,Σは加算記号を
示し加算は,i=1,2,…,N(=64)について行
なう。
【0096】(数47),(数48)により計算される
α0i(Tp)の等しい点を結ぶマッピング,β0i
(Tp)の等しい点を結ぶマッピングによるマップを電
流量比分布図(CRM:Current Ratio
Mapping)と呼ぶ。
【0097】
【数47】 α0i(Tp)=αi(Tp)×{Σ|Ii(Tp)|}/{Σ|Ai(Tp) ×Ii(Tp)|} …(数47)
【0098】
【数48】 β0i(Tp)=βi(Tp)×{Σ|Ii(Tp)|}/{Σ|Ai(Tp) ×(Ii(Tp)+Bi(Tp))|} …(数48) (数47),(数48)を用いて規格化を行なうと,健
常者では電流の変化量の値Ai(Tp)が全チャネルで
一定値に近い値をもつならば,α0i(Tp)は(数4
9)に示すように1に近い値になると考えられる。一
方,虚血患者では虚血に伴って変化する電流の変化量の
値Bi(Tp)が局所的に存在するので,Bi(Tp)
の全チャネルに関する加算値は0に近いと考えられ,虚
血患者では(数50)に示す条件が満たされれば,β0
i(Tp)は(数51)となり,虚血による変化量だけ
が検出可能と考えられる。
【0099】
【数49】 α0i(Tp)≒1 …(数49)
【0100】
【数50】 ΣBi(Tp)<ΣIi(Tp) …(数50)
【0101】
【数51】 β0i(Tp)≒1+{Bi(Tp)/Ii(Tp)} …(数51) 図10では分かりやすく説明するため,安静(Res
t)時のデータを分母にし,負荷(Exercise)
後のデータを分子として示したが,図14〜図17に示
す実際の計算結果では,安静時の心磁波形の方が負荷後
の心磁波形より振幅が大きいため(図12,図13を参
照),分母を負荷後のデータとし,分子を安静時のデー
タとして計算を行なっている。
【0102】以上の説明では,R波のピークの時点(T
p)でα0i(Tp),β0i(Tp)を求めたが,図
14〜図17に示す結果は,(数52),(数53),
(数54)に基づいて,QRS波の心磁波形を所定の時
間区画Ts〜Teで積分して,即ち,心磁波形の時間変
化から求めた電流の時間変化,Ii(t),Ai(t)
×Ii(t),Ai(t)×{Ii(t)+Bi
(t)}を所定の時間区画Ts〜Teで積分して,これ
らの積分値をそれぞれ,(数44)〜(数48)に於け
るIi(Tp)の値,Ai(Tp)×Ii(Tp)の
値,Ai(Tp)×(Ii(Tp)+Bi(Tp))の
値として使用して,(数44)〜(数48)に基づいて
求められたα0i(Tp)の等しい点を結ぶマッピン
グ,β0i(Tp)の等しい点を結ぶマッピングを行な
った結果を示す図である。図14〜図17に示すマップ
を電流量比分布図(CRM:Current Rati
o Mapping)と呼ぶ。図14〜図17では,電
流量比分布図は被検体の輪郭図に心臓の概略位置を合せ
て表示されている。
【0103】
【数52】 ∫Ii(t)dt→Ii(Tp) …(数52)
【0104】
【数53】 ∫{Ai(t)×Ii(t)}dt→Ai(Tp)×Ii(Tp)…(数53)
【0105】
【数54】 ∫{Ai(t)×(Ii(t)+Bi(t))}dt→ Ai(Tp)×(Ii(Tp)+Bi(Tp)) …(数54) 図11は本発明の実施例2に於ける心磁波形の計測の手
順の例を示す図である。外来磁場がシールドされた空間
(例えば,ベッドが配置される磁気シールドルーム内の
空間,又は,ベッドが配置される外来磁場がシールドさ
れた空間)で安静状態の12誘導心電図の計測と心磁波
形の計測を同時に計測を行なう。次に,Master’
s 2 step法と呼ばれる階段歩行による運動負荷
を行なう。Master’s 2 step法はトレッ
ドミル等の方法に比べて負荷量の少ない検査法であり,
患者にとって負担が少ない検査法である。負荷量は年
齢,性別によって変化させている。運動負荷中は12誘
導心電図でモニタしながら患者の様態を観察し,患者が
苦しくなる場合には即座に運動負荷を中断する。負荷
後,患者は直ちに外来磁場がシールドされた空間に入っ
て,心磁波形の計測と12誘導心電図の計測を同時に計
測を受ける。負荷終了後,直ちに心磁波形の計測のため
に患者の心臓とクライオスタットの下面との位置合わせ
を行ない,負荷終了後約45秒から1分半の間で負荷直
後の心磁場の計測を行ない,十分に患者が安静状態に戻
るまで負荷終了後から約5分から10分の間を1分間隔
で心磁波形の計測を行なった。患者の心臓とクライオス
タットの下面との位置関係がずれていない状態での負荷
前後の心磁波形のデータを使うため,負荷から十分に時
間が経過した後のデータを安静時のデータとして使用し
た。
【0106】以上説明した図11に基づいて説明した心
磁波形の計測の手順に従い,健常者4例,労作性狭心症
6例,攣縮性狭心症2例について,心磁波形の計測を行
なった。なお,労作性狭心症6例中の2例についてはバ
ルーン治療(PTCA)の前後で2回心磁波形の計測を
行なった。
【0107】図12は,本発明の実施例2に於いて健常
者の運動負荷前後での64チャネルSQUID磁束計で
計測した心磁波形を表示する表示画面の例を示す図であ
る。図12(a)は,健常人の負荷前後の64チャネル
の磁場波形を並べて表示している。チャネル121のR
波のピークの時点(Tp)を基準として,負荷前後での
心磁波形を重ね合わせた。図12(b)は,チャネル1
22の心磁波形の拡大表示である。安静時の心磁波形1
25(実線)と負荷直後の心磁波形124(点線)とを
重ね合せて表示している。図12(a),図12(b)
に示すQRS波の波形から,健常人では負荷前後で変化
がほとんど無いことが分かる。図12(b)には,(数
51)〜(数53)に於ける,QRS波の心磁波形の積
分区間123(40ms),所定の時間区画Ts〜Te
を示しおり,Ts=(Tp−20)ms,Te=(Tp
+20)msである。
【0108】図13は,本発明の実施例2に於いて狭心
症患者の運動負荷前後での64チャネルSQUID磁束
計で計測した心磁波形の表示画面を示す図である。図1
3は図12と同様に運動負荷前後でST波形に変化が生
じた場合のQRS波の心磁波形を示す。図13(a)於
いてもチャネル131のR波のピークの時点(Tp)を
基準として,負荷前後での心磁波形を重ね合わせた。図
13(b)は,チャネル132の心磁波形の拡大表示で
ある。安静時の心磁波形135(実線)と負荷直後の心
磁波形134(点線)とを重ね合せて表示している。図
13(b)には,(数51)〜(数53)に於ける,Q
RS波の心磁波形の積分区間133(40ms),所定
の時間区画Ts〜Teを示しおり,Ts=(Tp−2
0)ms,Te=(Tp+20)msである。図13に
示すように,負荷前後では,ST波形に於ける心磁波形
の変化量と同程度の心磁波形の変化がQRS波にも生じ
ていることが分かる。ST波形の心磁波形と同様にR波
の心磁波形も変化していることから,R波の近傍の心磁
波形を用いて虚血の状態を示す変化量が得られると考え
られる。
【0109】図14は,本発明の実施例2に於いて労作
性狭心症の4例に関する解析結果である電流量比分布図
を患者の輪郭に重ねて示す表示画面の例を示す図であ
る。図14(a)は左冠動脈左回旋枝が狭窄している結
果を示し,図14(b)は右冠動脈が狭窄している結果
を示し,図14(c),図14(d)は左冠動脈前下行
枝が狭窄している結果を示している。運動負荷によっ
て,ST波形の心電波形の変化が心電図上に現れ,陽性
反応が生じたものは図14(d)の場合のみであり,他
の3例については運動負荷によって陽性反応は誘発され
なかった。図14(a)に示す電流量比分布図のピーク
141は左胸上部に位置し,左回旋枝の存在部位に対応
して出現している。図14(b)に示す電流量比分布図
のピーク142は右胸上方に位置し,右冠動脈の存在部
位に対応して出現している。図14(c),図14
(d)に示す電流量比分布図のピーク143,144は
左冠動脈前下行枝の存在部位に対応して出現している。
図14(a)〜図14(c)に示すように,運動負荷に
よってST波形の心磁波形の変化が誘発されない場合で
も電流量比分布図を用いることによって,狭窄部位(又
は虚血部位)を推定可能なことが分かる。
【0110】図15は,本発明の実施例2に於いて健常
者の4例に関する解析結果である電流量比分布図を患者
の輪郭に重ねて示す表示画面の例を示す図である。図1
5(a)〜図15(d)に示す4例の電流量比分布図で
はピーク151,152,153,154が存在する
が,図14(a)〜図14(d)に示す電流量比分布図
にと比較すると等高線の数が少なく,ピークの値が小さ
いことが分かる。また,攣縮性狭心症2例に於いても負
荷では狭窄が誘発されず,図15とほぼ同等の電流量比
分布図であったため,電流量比分布図は図示しない。
【0111】図16は,本発明の実施例2に於いて左冠
動脈前下行枝に狭窄がある労作性狭心症疾患の解析例を
示し,バルーン治療(PTCA)前と治療後1週間後に
於ける心磁波形の表示画面の例,電流量比分布図を患者
の輪郭に重ねて示す表示画面の例を示す図である。図1
6に示す症例では,PTCA前後の心磁波形ではST波
形が優位に変化した。図16(A)はPTCA手術前の
心磁波形,電流量比分布図を示し,図16(B)はPT
CA手術後の心磁波形,電流量比分布図を示す。図16
(A),図16(B)に於ける(I)は運動負荷後の直
後1分後の64チャネルの心磁波形の重ね合せ波形を示
す。図16(A),図16(B)に於ける(II)は安
静状態に戻った時点から5分後の64チャネルの心磁波
形の重ね合せ波形を示す。図16(A),図16(B)
に於ける(III)は電流量比分布図を示す。図16
(A)(I)に示す心磁波形161ではST波形が大き
く時間変化していることが分かる。図16(A)(I
I)に示す5分後の心磁波形162ではST波形の大き
な変化は消失していることが分かる。図16(A)(I
II)は,心磁波形161,心磁波形162を用いて作
成した電流量比分布図である。図16(A)(III)
に示す電流量比分布図でのピーク163は,図14
(c)(d)に示す電流量比分布図でのピーク144と
同様に左冠動脈前下行枝領域に出現していることが分か
る。図16(B)に示すPTCA治療後の1週間後の心
磁波形を見ると,負荷の直後での心磁波形164と安静
時の心磁波形165ではST波の変化はほとんどないこ
とが分かる。ST波の変化がないにもかかわらず,図1
6(B)(III)に示す電流量比分布図ではピーク1
66がなお大きく出現している。
【0112】図17は,本発明の実施例2に於いて左冠
動脈前下行枝に狭窄がある労作性狭心症疾患の解析例を
示し,バルーン治療(PTCA)前と治療後1ヶ月後に
於ける心磁波形の表示画面の例,電流量比分布図を患者
の輪郭に重ねて示す表示画面の例を示す図である。
【0113】図17(A)はPTCA前の心磁波形,電
流量比分布図を示し,図17(B)はPTCA後の心磁
波形,電流量比分布図を示す。図17(A)(I),
(II)に示す心磁波形171と心磁波形172とを比
較すると,ST波形の変化は両者の間にないことが分か
る。ST波形の変化が有意に出現しないにも関わらず,
図17(III)に示す電流量比分布図にはピーク17
3が出現していることが分かる。図17(A)に示す症
例は左回旋枝狭窄であり,図14(a)に示した左回旋
枝狭窄の症例とよく似た電流量比分布図のパターンが得
られていることが分かる。図17(B)はPTCA後1
ヶ月経過して測定した心磁波形,電流量比分布図であ
る。図17(B)(I),(II)に示す心磁波形17
4と心磁波形175とを比較すると,図17(A)の場
合と同様にST波形に変化がないことが分かる。心磁波
形174,心磁波形175では常に異常Q波が出現して
おり,PTCA後に一部の心筋に於いて心筋梗塞を起こ
していると考えられた。電流量比分布図にはピーク17
6は存在するが等高線の数も少なく,図15に示した健
常者の電流量比分布図のパターンと良く似ており,電流
量比分布図のピークが小さいパターンになっている。
【0114】図18は,本発明の実施例2に於いて電流
量比分布図のピーク値を棒グラフに示した結果例を示す
図である。図18に示す左側の6例のプロット181は
労作性狭心症のピーク値を示し,プロット182の2例
は攣縮性狭心症をピーク値を示し,プロット183の4
例は健常者のピーク値を示している。図18に示す結果
から,健常者又は攣縮性狭心症の患者と,労作性狭心症
の患者の境は0.5付近にあると考えられる。また,図
16,図17に示したPTCA治療を施した2例のPT
CA後の電流量比分布図のピーク値のプロットをプロッ
ト184に示す。プロット181の#1とプロット18
4の#1とが同症例の同一患者で対応し,プロット18
1の#2とプロット184の#2とが同症例の同一患者
で対応している。PTCA前後のピーク値の変化は,2
例とも減少しているが,症例#2ではPTCA後も以前
高い値を示している。これはPTCA後1週間しか経過
していない時点で心磁波形の計測をしたことが原因かも
しれないと考えられた。
【0115】以上説明実施例2では,QRS波のみに注
目して処理を行なったが,QRS波に限ることなく,例
えば,P波やT波等でも同様の解析を行なうことができ
る。特に,P波に於いては心房の異常や心臓内の弁の異
常や左室の異常等を示すことが考えられる。
【0116】以上説明した実施例1,実施例2では,1
次微分型検出コイルを有するSQUID磁束計により心
磁場の法線方向(z方向)の磁場成分を検出する例によ
って説明したが,実施例1,実施例2に於いて,心磁場
の接線方向(x方向,y方向)の磁場成分を検出しても
よい。
【0117】チャネルiについて接線方向(x方向,y
方向)の磁場成分(Bxi,Byi)を検出する場合に
は,先に説明した実施例1に於いて合成電流ベクトルの
成分を表わす(数3)〜(数6)を以下に示す(数5
5)〜(数58)に置き換え,先に説明した実施例2に
於いて合成電流ベクトルの成分を表わす(数20)〜
(数21)を以下に示す(数59)〜(数60)に置き
換えればよい。この結果,接線方向(x方向,y方向)
の磁場成分を検出する場合も,先に説明した実施例1,
実施例2と同じ結果を得ることができる。
【0118】
【数55】 Ixi(T1)=Byi(T1) …(数55)
【0119】
【数56】 Iyi(T1)=−Bxi(T1) …(数56)
【0120】
【数57】 Ixi(T2)=Byi(T2) …(数57)
【0121】
【数58】 Iyi(T2)=−Bxi(T2) …(数58)
【0122】
【数59】 Ixi(tj)=Byi(tj) …(数59)
【0123】
【数60】 Iyi(tj)=−Bxi(tj) …(数60) また,1次微分型検出コイルを有するSQUID磁束計
の他に,2次微分型検出コイルを有するSQUID磁束
計を使用できることは言うまでもない。
【0124】更に,本発明の解析方法は,成人,小児,
母体内の胎児等の心臓から発生する微弱な心磁場の解析
に有効に適用可能であることは言うまでもない。
【0125】
【発明の効果】本発明によれば,計測された心磁波形を
簡単な方法で解析して,虚血性心疾患(心筋梗塞,狭心
症等),心筋症を容易に識別することが可能な画面表示
ができ,心臓の診断に有用な情報を提供することができ
る。また,虚血性心疾患や心筋症の患者の心筋の電気生
理学的活動に伴ない流れる電流の状態が健常者と異なる
様相を変化を心磁波形の時間変化を単純な方法により解
析して,表示画面で簡易にモニタできるので,診断に有
用な情報を提供することができる。更に,運動負荷等に
よって誘発される虚血状態に於いても,虚血の度合いや
虚血が存在する部位を推定できるので,診断に有用な指
標を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の生体磁場計測装置の構成例
を示す図。
【図2】本発明の実施例1に於いてクライオスタットの
内部の底部近傍に配置される複数のSQUID磁束計の
配置例を示す図。
【図3】本発明の実施例1に於いて求められた,健常人
の,R波及びT波のピーク,ST波が生じる時間帯での
時点T1での等磁場線図,合成電流ベクトルの分布図,
計測された1チャネルから64チャネルの心磁波形を重
ね書きした波形が表示される画面表示の例を示す図。
【図4】本発明の実施例1に於いて単一ダイポールモデ
ルで作成された等磁場線図,合成電流ベクトルの分布図
を説明する図。
【図5】本発明の実施例1に於いて成人健常者29例に
関して心磁波形を計測し,心磁波形を解析して得た合成
電流ベクトルの分布図の表示画面の例を示す図。
【図6】本発明の実施例1に於いて被検体の心臓と計測
面との距離を順次遠ざけた6カ所の位置で成人の健常者
について心磁波形を計測し,心磁波形を解析して得た合
成電流ベクトルの分布図の表示画面の例を示す図。
【図7】本発明の実施例1に於いて心筋虚血である心筋
梗塞(MI)の患者,狭心症(AP)の患者に関して心
磁波形を計測し,心磁波形を解析して得た合成電流ベク
トルの分布図の表示画面の例を示す図。
【図8】本発明の実施例1に於いて心筋症である肥大型
心筋症(HCM)の患者,拡張型心筋症(DCM)の患
者,拘束型心筋症(RCM)の患者に関して心磁波形を
計測し,心磁波形を解析して得た合成電流ベクトルの分
布図の表示画面の例を示す図。
【図9】本発明の実施例1に於いて図5,図7,図8に
示した結果から陽性(心筋異常)と考えられた陽性の数
を示す図。
【図10】本発明の実施例2に於ける解析方法を説明す
る図。
【図11】本発明の実施例2に於ける心磁波形の計測の
手順の例を示す図。
【図12】本発明の実施例2に於いて健常者の運動負荷
前後での64チャネルSQUID磁束計で計測した心磁
波形の表示画面の例を示す図。
【図13】本発明の実施例2に於いて狭心症患者の運動
負荷前後での64チャネルSQUID磁束計で計測した
心磁波形の表示画面の例を示す図。
【図14】本発明の実施例2に於いて労作性狭心症の4
例に関する解析結果である電流量比分布図の表示画面の
例を示す図。
【図15】本発明の実施例2に於いて健常者の4例に関
する解析結果である電流量比分布図の表示画面の例を示
す図。
【図16】本発明の実施例2に於いて左冠動脈前下行枝
に狭窄がある労作性狭心症疾患の解析例を示し,バルー
ン治療(PTCA)前と治療後1週間後に於ける心磁波
形の表示画面の例,電流量比分布図の表示画面の例を示
す図。
【図17】本発明の実施例2に於いて左冠動脈前下行枝
に狭窄がある労作性狭心症疾患の解析例を示し,バルー
ン治療(PTCA)前と治療後1ヶ月後に於ける心磁波
形の表示画面の例,電流量比分布図の表示画面の例を示
す図。
【図18】本発明の実施例2に於いて電流量比分布図の
ピーク値を棒グラフに示した結果例を示す図。
【符号の説明】
1…磁気シールドルーム,2…クライオスタット,3…
ガントリー,4…計測回路,5…アンプフィルタユニッ
ト,6…演算処理装置,7…ベッド,201…剣状突
起,202…SQUID磁束計,301…R波のピーク
が生じる時点での合成電流ベクトルの分布図,302…
ST波が生じる時間帯に於けるT1の時点での合成電流
ベクトルの分布図,303…T波のピークが生じる時点
での合成電流ベクトルの分布図,304…1チャネルか
ら64チャネルの磁場波形を重ね書きした波形,305
…Q波の始まる時点を示す線,401…電流ダイポー
ル,402…計測面,403…ダイポール401の方
向,404…計算点,121,131…運動負荷前後の
心磁波形のR波の時間軸合わせ時に基準とするチャネル
の心磁波形,122,132…典型的な変化を示すチャ
ネルの心磁波形,123,133…心磁波形の積分区間
(40ms),124,134…運動負荷後の心磁波
形,125,135…運動負荷前の心磁波形,141,
142,143,144,151,152,153,1
54,163,166,173,176…電流量比分布
図のピーク,161,164,171,174…運動負
荷1分後の心磁波形,162,165,172,175
…運動負荷5分後の心磁波形。
【手続補正書】
【提出日】平成12年8月9日(2000.8.9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塚田 啓二 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 Fターム(参考) 2G017 AC01 AD32 BA15 BA18 4C027 AA10 GG16 HH13 KK03

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外来磁場が遮蔽された空間で被検体の心臓
    から発生する磁場を検出する複数のSQUID磁束計に
    より検出された磁場波形を表わすデータを収集して前記
    データの演算処理を行なう演算処理装置と,前記演算処
    理装置により得られた演算処理の結果を表示する表示装
    置とを有し,前記演算処理装置は,前記磁場波形の時間
    軸を所定の時点で合わせる処理と,前記磁場波形のベー
    スラインを前記磁場波形の時間軸の所定の時点T1で合
    わせる処理と,前記所定の時点T1,及び前記所定の時
    点T1と異なる所定の時点T2で,前記磁場波形が検出
    された各点について前記磁場波形から電流ベクトルを求
    める処理と,前記所定の時点T1,T2での前記電流ベ
    クトルをそれぞれ前記各点について加算して,前記所定
    の時点T1,T2にそれぞれ対応する合成電流ベクトル
    を求める処理とを行ない,前記所定の時点T1,T2に
    それぞれ対応する前記合成電流ベクトルの少なくとも一
    方の前記合成電流ベクトルのx成分を横軸,y成分を縦
    軸として,前記合成電流ベクトルが前記表示装置の表示
    画面に表示されることを特徴とする生体磁場計測装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の生体磁場計測装置に於い
    て,前記少なくとも一方の前記合成電流ベクトルのx成
    分とy成分とにより決まる角度の値が前記表示装置に表
    示されることを特徴とする生体磁場計測装置。
  3. 【請求項3】外来磁場が遮蔽された空間で被検体の心臓
    から発生する磁場を検出する複数のSQUID磁束計に
    より検出された磁場波形を表わすデータを収集して前記
    データの演算処理を行なう演算処理装置と,前記演算処
    理装置により得られた演算処理の結果を表示する表示装
    置とを有し,前記演算処理装置は,前記磁場波形の時間
    軸を所定の時点で合わせる処理と,前記磁場波形のベー
    スラインを前記磁場波形の時間軸の所定の時点T1で合
    わせる処理と,前記所定の時点T1,及び前記所定の時
    点T1と異なる所定の時点T2で,前記磁場波形が検出
    された各点について前記磁場波形から電流ベクトルを求
    める処理と,前記所定の時点T1,T2での前記電流ベ
    クトルをそれぞれ前記各点について加算して,前記所定
    の時点T1,T2にそれぞれ対応する合成電流ベクトル
    を求める処理と,前記所定の時点T1,T2にそれぞれ
    対応する前記合成電流ベクトルの差分を求める処理とを
    行ない,前記差分のx成分を横軸,y成分を縦軸とし
    て,前記差分が前記表示装置に表示されることを特徴と
    する生体磁場計測装置。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の生体磁場計測装置に於い
    て,前記差分のx成分とy成分とにより決まる角度の値
    が前記表示装置に表示されることを特徴とする生体磁場
    計測装置。
  5. 【請求項5】外来磁場が遮蔽された空間で被検体の心臓
    から発生する磁場を検出する複数のSQUID磁束計に
    より検出された磁場波形を表わすデータを収集して前記
    データの演算処理を行なう演算処理装置と,前記演算処
    理装置により得られた演算処理の結果を表示する表示装
    置とを有し,前記演算処理装置は,前記磁場波形の時間
    軸を所定の時点で合わせる処理と,前記磁場波形のベー
    スラインを前記磁場波形の時間軸の所定の時点T1で合
    わせる処理と,前記所定の時点T1,及び前記所定の時
    点T1と異なる所定の時点T2で,前記磁場波形が検出
    された各点について前記磁場波形から電流ベクトルを求
    める処理と,前記所定の時点T1,T2での前記電流ベ
    クトルをそれぞれ前記各点について加算して,前記所定
    の時点T1,T2にそれぞれ対応する合成電流ベクトル
    を求める処理とを行ない,前記所定の時点T1,T2に
    それぞれ対応する前記合成電流ベクトルの何れか一方の
    前記合成電流ベクトルの絶対値を横軸,前記所定の時点
    T1,T2にそれぞれ対応する前記合成電流ベクトルの
    差分の絶対値を縦軸として,前記合成電流ベクトルが前
    記表示装置に表示されることを特徴とする生体磁場計測
    装置。
  6. 【請求項6】請求項1から請求項5の何れかに記載の生
    体磁場計測装置に於いて,前記所定の時点T1,T2
    が,前記磁場波形のST波が生じる時間区画に設定され
    ることを特徴とする生体磁場計測装置。
  7. 【請求項7】請求項1から請求項5の何れかに記載の生
    体磁場計測装置に於いて,前記所定の時点T1,T2
    が,前記磁場波形のP波,Q波,R波,S波,T波の何
    れかの波が生じる時間区画に設定されることを特徴とす
    る生体磁場計測装置。
  8. 【請求項8】異なる状態Aと状態Bにある被検体の心臓
    から発生する磁場を外来磁場が遮蔽された空間で検出す
    る複数のSQUID磁束計により検出された磁場波形を
    表わすデータを収集して前記データの演算処理を行なう
    演算処理装置と,前記演算処理装置により得られた演算
    処理の結果を表示する表示装置とを有し,前記演算処理
    装置は,前記磁場波形の時間軸を第1の所定の時点で合
    わせる処理と,前記磁場波形のベースラインを前記磁場
    波形の時間軸の第2の所定の時点で合わせる処理と,所
    定の時点Tsと,所定の時点Tsと異なる所定の時点T
    eとの時間区間で,前記磁場波形が検出された各点につ
    いて前記磁場波形から電流ベクトルの大きさを求める処
    理と,前記各点について前記電流ベクトルの大きさを前
    記所定の時点Tsと前記所定の時点Teとの時間区間で
    積分して積分値を求める処理とを,前記状態A,前記状
    態Bのそれぞれの状態で検出された前記磁場波形につい
    て行ない,前記状態Aに対応する前記積分値SAと前記
    状態Bに対応する前記積分値SBからSA/SB又はS
    B/SAで定義される第1の比を前記各点について求め
    前記第1の比の等しい点を結ぶ等高線図を表わすデータ
    を求める処理とを行ない,前記等高線図が前記表示装置
    に表示されることを特徴とする生体磁場計測装置。
  9. 【請求項9】請求項8に記載の生体磁場計測装置に於い
    て,前記演算処理装置は,前記積分値をそれぞれ前記各
    点について加算して前記積分値の加算値を求める処理
    と,前記状態Aに対応する前記加算値RAと前記状態B
    に対応する前記加算値RBからRA/RB又はRB/R
    Aで定義される第2の比を求める処理と,前記各点につ
    いての前記第1の比と前記第2の比との積を求める処理
    と,前記第1の比と前記第2の比との積の等しい点を結
    ぶ等高線図を表わすデータを求める処理とを行ない,前
    記等高線図が前記表示装置に表示されることを特徴とす
    る生体磁場計測装置。
  10. 【請求項10】異なる状態Aと状態Bにある被検体の心
    臓から発生する磁場を外来磁場が遮蔽された空間で検出
    する複数のSQUID磁束計により検出された磁場波形
    を表わすデータを収集して前記データの演算処理を行な
    う演算処理装置と,前記演算処理装置により得られた演
    算処理の結果を表示する表示装置とを有し,前記演算処
    理装置は,前記磁場波形の時間軸を第1の所定の時点で
    合わせる処理と,前記磁場波形のベースラインを前記磁
    場波形の時間軸の第2の所定の時点で合わせる処理と,
    前記磁場波形が検出された各点について前記磁場波形を
    所定の時点Tsと,所定の時点Tsと異なる所定の時点
    Teとの時間区間で積分して積分値を求める処理とを,
    前記状態A,前記状態Bのそれぞれの状態で検出された
    前記磁場波形について行ない,前記状態Aに対応する前
    記積分値SAと前記状態Bに対応する前記積分値SBか
    らSA/SB又はSB/SAで定義される第1の比を前
    記各点について求める処理と,前記積分値をそれぞれ前
    記各点について加算して前記積分値の加算値を求める処
    理と,前記状態Aに対応する前記加算値RAと前記状態
    Bに対応する前記加算値RBからRA/RB又はRB/
    RAで定義される第2の比を求める処理と,前記各点に
    ついての前記第1の比と前記第2の比との積を求める処
    理と,前記第1の比と前記第2の比との積の等しい点を
    結ぶ等高線図を表わすデータを求める処理とを行ない,
    前記等高線図が前記表示装置に表示されることを特徴と
    する生体磁場計測装置。
  11. 【請求項11】請求項10に記載の生体磁場計測装置に
    於いて,前記所定の時点Ts,Teが,前記磁場波形の
    QRS波が生じる時間区画に設定されることを特徴とす
    る生体磁場計測装置。
  12. 【請求項12】請求項10に記載の生体磁場計測装置に
    於いて,前記所定の時点Ts,Teが,前記磁場波形の
    P波又はT波が生じる時間区画に設定されることを特徴
    とする生体磁場計測装置。
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