JP2001239984A - 浮沈式スパーブイ及びその作動システム - Google Patents

浮沈式スパーブイ及びその作動システム

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JP2001239984A JP2000053988A JP2000053988A JP2001239984A JP 2001239984 A JP2001239984 A JP 2001239984A JP 2000053988 A JP2000053988 A JP 2000053988A JP 2000053988 A JP2000053988 A JP 2000053988A JP 2001239984 A JP2001239984 A JP 2001239984A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】引き込み係留式のスパーブイの浮力体2
を、1つの固定浮力体2aと可変浮力体2bとからなるもの
とし、標柱体1を挟む形で1つの固定浮力体2aとそれに
対して左右対称的な2つの可変浮力体2b,2bとを前後に
配置する。両可変浮力体2b,2bはエアー給排気ラインと
連通させる。 【効果】陸上からエアー給排気ラインを通じて2つの可
変浮力体2b,2bに空気を供給すると、それらが膨らんで
固定浮力体2a側から浮上して直立する。陸上の空気源の
バルブを開いて空気を放出すると、2つの可変浮力体2
b,2bがしぼんで固定浮力体2aが上になるようにひねら
れながら徐々に沈下して行き、やがて2つの可変浮力体
2b,2bが下になるように海底gに着底する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、必要に応じて浮上
と沈下とを可能ならしめた引き込み係留式のスパーブイ
の構造とその作動システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば港湾内で昼間のみに沈埋トンネル
工事を行い、夜間にはそれを行わない場合がある。この
場合には、海上工事区域の設定が昼間のみに限られ、工
事が行なわれない夜間にはそれが解除されて船舶の通行
が認められるようになる。その変更を知らしめるため
に、工事区域を標示するためのブイを毎朝その付近に設
置し、夜になるとその区域からブイを待避させなければ
ならない。このように、必要に応じて工事区域標示用の
ブイを海上に設置し、不必要の場合にはその区域からブ
イを待避させなければならないが、そのための方式とし
て、次の(1) 〜(4) が挙げられる。 (1) ブイの浮力を利用してブイを浮上させたり、索引力
などでブイを海中あるいは海底に沈下させる(浮沈
式)。 (2) ブイ及び係留装置全てを船で回収する(全回収
式)。 (3) 例えば係留装置等一部のもののみを船で回収し、沈
錘等他のものはそのまま海底に残しておく(部分回収
式)。 (4) 海底にレールなどを敷き、水平移動させる(移動
式)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような設置・待避
方式を採った場合には、個々の設置と待避とに相当の時
間と手間を要する欠点がある。特に、ブイは工事区域の
海上に数基以上設標されるから、個々の設置と待避にそ
れだけの時間と手間を要してしまうと、全てのものに対
してはそれらが累積されてきわめて長時間を要すること
になる。従って、それらの設置と待避とが短時間のうち
に、かつ、容易な操作でそれを確実に行えることが望ま
れる。
【0004】
【課題を達成するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、引き込み係留式のスパーブイの浮力体
2を、固定浮力体2aと可変浮力体2bとからなるものと
し、両浮力体2a,2bを標柱体1を挟む形で前後に取り付
け、前記可変浮力体2bはエアー給排気ラインLと連通さ
せてある。このスパーブイはエアー給排気ラインLを通
じて可変浮力体2bに空気を供給するとそれが膨らんで浮
上し、空気を放出すると可変浮力体2bがしぼんで沈下す
る形式のものである。すなわち、可変浮力体2bに空気が
送り込まれている状態では、固定浮力体2aと可変浮力体
2bの双方の浮力で浮上しており、可変浮力体2bから空気
を抜いて行くと徐々に浮力が減衰し、やがて固定浮力体
2aのみの浮力に近づくにつれ、可変浮力体2bが下になる
ようにひねられながら沈下して行き、固定浮力体2aの浮
力によりやがて海底gに軟着底できる。
【0005】図4(a) に示すように、可変浮力体2b内部
に空気を供給すると、沈下位置の水頭圧に勝って、可変
浮力体2bは図4(b) に示すように膨らみつつ浮上し始め
る。このまま空気の供給を続行すると、図4(c) のよう
にスパーブイは直立した状態となり、完全に浮上せしめ
られた状態となる。
【0006】図4(d) に示すように、可変浮力体2b内の
空気を放出すると、可変浮力体2bは水頭圧に負けてしぼ
み始め、図4(e) のように徐々に沈下し始め、やがて固
定浮力体2aを上にして海底gに平行に着底する(図4
(f) 参照)。
【0007】スパーブイの浮力体2を固定浮力体2aと可
変浮力体2bとからなるものとすると、スパーブイ沈下時
において固定浮力体2aが上になるようにひねられながら
徐々に沈下して行き、やがて可変浮力体2b側が下になる
ように海底gに着底せしめられる。逆に、スパーブイ浮
上時には、固定浮力体2a側から浮上して行く。スパーブ
イの浮力体2を固定浮力体2aと可変浮力体2bとからなる
ものとすることにより、沈下時におけるスパーブイ全体
の海水中重量を軽減でき、その分、海底gへ軟着陸させ
ることが可能となる。さらに、固定浮力体2aがあってそ
の分だけ可変浮力体2bの大きさを小さくできるから、そ
こに供給すべき空気の量を節約できるとともに、浮沈動
作の時間を短縮できる。
【0008】可変浮力体2bを少なくとも2つ備え、それ
らを固定浮力体2aに対して左右対称的に配置するのが好
ましい。このようにすると、固定浮力体2aに対して左右
対称位置にある可変浮力体2b,2bが、スパーブイ沈下時
において左右のバランスを保つので、固定浮力体2aと可
変浮力体2b,2bとの上下関係をより一定ならしめ、か
つ、更なる軟着底を可能ならしめ得る。
【0009】エアー給排気ラインLの途中に配置したバ
ルブ11又は12の操作により、可変浮力体2bを膨張あるい
は収縮させ、可変浮力体2bの浮力を加減し得るようにす
ることが好ましい。このようにすると、逆止弁等、自動
的に作動する機器を用いることなく、また、可変浮力体
2bに海水を流入させることなく、空気の給・排気による
体積変化で浮沈動作を行うことができるから、その動作
が簡単で、しかも、その動作が正確に行われる。
【0010】可変浮力体2bをフレキシブルで水密性の良
好な素材からなるものとすることが好ましい。このよう
にすると、可変浮力体2b内に供給されている空気を放出
した時、フレキシブルな可変浮力体2bを水圧により自動
的にしぼませることができる。
【0011】可変浮力体2bの端末に手動バルブ7を備え
ておくと良い。可変浮力体2bの端末に手動バルブ7が備
えられていると、万が一可変浮力体2b内部に海水が浸水
した時、手動バルブ7の操作によりそれを排除できる。
【0012】また、可変浮力体2bの端末に逆止弁を備え
ておくこともできる。可変浮力体2bの端末に逆止弁が備
えられていると、万が一可変浮力体2b内に規定を超える
圧力が加わっても、逆止弁が安全弁のように作動すると
同時に、その際、可変浮力体2b内部に海水が浸水してい
たとしても、それを自動的に排除できる。
【0013】水深が一様でない海底gに複数のスパーブ
イが着底している場合において、エアー給排気ラインL
から各分岐管P,Pに空気が送られると、水頭圧の一番
低い所(水深が最も浅い所)に位置するスパーブイの可
変浮力体2bが膨らみ始め、その後、水深に応じて順次浮
上する。各スパーブイの水頭圧の差が各ブイへの圧力損
失を上回る場合は、一番最初のブイが浮上を完了した
後、可変浮力体2bの内圧が次のブイの水頭圧を越えた時
点で二番目のブイの可変浮力体2bに空気が回る。
【0014】逆に、エアー給排気ラインLのバルブを開
いて空気が排出され始めると、水頭圧の最も高い(水深
の最も深い所)に位置するスパーブイの可変浮力体2bの
内圧が低下して水圧に押しつぶされ、沈下動作を始め
る。そして、固定浮力体2aが上になるようにひねられな
がら徐々に沈下して行き、やがて可変浮力体2b側が下に
なるように海底gに着底せしめられる。以下、水頭圧の
高いブイから順次沈下動作を行う。
【0015】また、本発明では、このような浮沈式スパ
ーブイを図3に示すように海底gに複数設置し、各浮沈
式スパーブイB1 〜Bn をエアー給排気ラインLの分岐
管P1〜Pn に接続し、陸上Gからの一括操作で複数の
浮沈式スパーブイB1 〜Bn を連続的に浮上・沈下させ
るものとする。陸上Gからエアー給排気ラインLに空気
を供給すると、各分岐管P1 〜Pn のうち空気源に近い
か、あるいは、水頭圧の低い所(水深が浅い所)に位置
するスパーブイの可変浮力体2bに空気が供給され、浮上
し始める。この可変浮力室2bに空気が充満してブイが直
立し、内圧が高まると、次に空気源に近いか、あるい
は、次に水頭圧の低い所(水深が浅い所)に位置するス
パーブイの可変浮力体2bに、エアー給排気ラインLに供
給されている空気が回され、そのブイを浮上・直立させ
る。以下、順次ブイは浮上せしめられ、最後のブイが浮
上した時点でエアー給排気ラインLへの空気の供給を停
止する。かくして、海底gに複数敷設されているブイは
空気源に近いもの、あるいは、水深の浅い所にあるもの
から順に浮上・直立せしめられる。
【0016】陸上Gの空気源のバルブを開く(大気圧に
する)と、水頭圧の最も高い(水深の最も深い所に設置
されている)ブイの可変浮力体2bがしぼみ始める。そし
て、可変浮力体2bの体積が減少するにつれ、固定浮力体
2aが上になるようにひねられながら徐々に沈下して行
き、海水中における全体重量が固定浮力体2aの浮力を越
すことにより、やがて海底gに沈下せしめられ、海底g
と平行に着底する。以下、ブイは順次沈下せしめられ、
最後のブイが沈下した時点で陸上Gの空気源のバルブを
閉じる。かくして、海底gに複数敷設されているブイは
水頭圧の高いものから順に沈下・着底せしめられる。こ
のように、陸上Gからの一括操作で複数の浮沈式スパー
ブイB1 〜Bn を連続的に浮上・沈下させることができ
る。
【0017】次に、水深が一様でない場合の浮沈動作に
ついて説明する。本システムは、上述したように、陸上
Gからの空気圧と個々のブイB1 〜Bn が受ける海水圧
とのバランスにより浮沈操作を行うものである。各ブイ
1 〜Bn が位置する水深に応じてそれらが受ける海水
圧力に差が生じ、この差で各ブイB1 〜Bn の浮沈の順
序が決まる。すなわち、水頭(水深)の差が浮上初期圧
力の差となり、ブイの浮上順序に表れる。エアー給排気
ラインLから各分岐管P1 〜Pn を経て各ブイB1 〜B
n に空気を供給すると、初期圧力の低い(水深の浅い所
に設置されている)ブイから順次浮上し始め、浮上を完
了して次のブイの水頭圧を越すまで昇圧すると、初めて
次のブイに空気が回り、それが浮上し始める。以下同様
にして順次浮上せしめられる。
【0018】陸上Gの空気源のバルブを開く(大気圧に
する)と、エアー給排気ラインLの内圧が下がり、水頭
圧の高い(水深の深い所に設置されている)ブイの可変
浮力体2bがしぼみ、以下同様にして順次沈下し始める。
なお、沈下の場合には、浮上の場合とは異なって先のブ
イが完全に沈下するのを待つことなく順次沈下せしめら
れる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施の形態を、
図面に基いて詳細に説明する。ここに示すブイは工事区
域標示用として必要に応じて海上に設置され、不必要の
場合にはその区域から待避させなければならないもので
ある。そのためには、ブイを浮上・沈下させ得る形式の
ものとし、特に、それらを複数設置した場合にも陸上か
らの一括操作でそれらを連続的に浮上・沈下させること
ができるようにする必要がある。そこで、海上に設置し
た場合でも振れ回りの小さい引き込み係留式のスパーブ
イとし、沈錘Wと係留するための係留索Mにはチェーン
リンク式のものを用いている。スパーブイとは中空状の
標柱体1の途中に固定浮力体2aと可変浮力体2bとからな
る浮力体2を取り付け、この浮力体2を水面W.L 下に引
き込んで標柱体1が直立する力を付与せしめた形式のも
のである。標柱体1の上端には工事区域を標示するため
の昼標板3が施されており、海上に設置された場合にお
いてこの昼標板3を視認することにより、工事区域を認
識することができる。
【0020】図2に詳示するように、標柱体1を挟む形
で1つの固定浮力体2aとそれに対して左右対称的な2つ
の可変浮力体2b,2bとを前後に配置し、両可変浮力室2
b,2bは図1に示すようにエアー給排気ラインLから分
岐させた分岐管Pと連通させてある。図示例の場合に
は、標柱体1を中空状とし、前記分岐管Pをこの標柱体
1の下端付近に連結するとともに、中空状の標柱体1に
接続した2本のエアーホース4,4の他端を2つの可変
浮力体2b,2bにそれぞれ接続することによって、2つの
可変浮力体2b,2bが分岐管Pと連通するようにしてあ
る。2つの可変浮力体2b,2bに分岐管Pを直接接続して
も良い。
【0021】このように、スパーブイの浮力体2が1つ
の固定浮力体2aとそれに対して左右対称的な2つの可変
浮力体2b,2bとで構成されていると、スパーブイ沈下時
において固定浮力体2aが上になるようにひねられながら
徐々に沈下して行き、やがて左右対称的な2つの可変浮
力体2b,2b側が下になるように海底gに着底せしめられ
る。逆に、スパーブイが浮上する時、固定浮力体2a側か
ら浮上して行く。このようにすることにより、沈下時の
スパーブイ全体の海水中重量を軽減でき、その分、海底
gへ軟着陸させることが可能となる。さらに、固定浮力
体2aがあってその分だけ可変浮力体2bの大きさを小さく
できるから、そこに供給すべき空気の量を節約できると
ともに、浮沈動作の時間を短縮できる。
【0022】可変浮力体2bは少なくとも2つあれば良
く、それらを固定浮力体2aに対して左右対称的に配置す
るためには、図2に示すように、それらを左右に1個づ
つ配置すれば良い。また、それらを左右に2個づつ、3
個づつというようにその数を増やしても良い。要する
に、固定浮力体2aに対して可変浮力体2b,2bが少なくと
も左右対称的に配置されておれば良い。このように、可
変浮力体2bを少なくとも2つ備え、それらを固定浮力体
2aに対して左右対称的に配置してあれば、固定浮力体2a
に対し左右対称位置にある可変浮力体2b,2bが、スパー
ブイ沈下時において左右のバランスを保つので、固定浮
力体2aと可変浮力体2b,2bとの上下関係をより一定なら
しめ、かつ、更なる軟着底を可能ならしめることができ
る。
【0023】ここに示す場合には、エアー給排気ライン
Lの途中に配置したバルブ11又は12の操作により、可変
浮力体2bを膨張あるいは収縮させ、可変浮力体2bの浮力
を加減し得るようにしてある。このようにすると、逆止
弁等、自動的に作動する機器を用いることなく、また、
可変浮力体2bに海水を流入させることなく、空気の給・
排気による体積変化で浮沈動作を行うことができるか
ら、その動作が簡単で、しかも、その動作が正確に行わ
れる。
【0024】また、ここに示す可変浮力体2bはフレキシ
ブルで水密性の良好な素材からなるものとしてある。こ
のような素材からなる可変浮力体2b内に供給されている
空気を放出すると、フレキシブルな可変浮力体2bを水圧
により自動的にしぼませることができる。フレキシブル
で水密性の良好な素材としては、例えば、強化繊維入り
ゴムシートなどが考えられる。なお、このような素材か
らなる2つの可変浮力体2b,2bを1つの固定浮力体2aに
対して左右対称的に配置するためには、例えば、図2に
示すように、固定浮力体2aから2本の取付腕5,5を左
右対称的に伸び出させ、両取付腕5,5の先端に固定さ
れている保持部材6,6で可変浮力体2b,2bをそれぞれ
保持する場合などを挙げることができる。
【0025】また、ここに示す場合には、図2に示すよ
うに、可変浮力体2bの端末に手動バルブ7が備えられて
いる。この場合には、万が一可変浮力体2b内部に海水が
浸水した時、手動バルブ7の操作によりそれを排除でき
る。
【0026】可変浮力体2bの端末に逆止弁(図示しな
い)を備えることもできる。この場合には、万が一可変
浮力体2b内に規定を超える圧力が加わっても、この逆止
弁が安全弁のように作動すると同時に、その際、可変浮
力体2b内部に海水が浸水していたとしても、それを自動
的に排除できる。ただし、全スパーブイが浮上を完了す
る前に一部の逆止弁が仮に作動してしまうと、空気の消
費量が増えて水頭圧の高い所にあるブイに空気が回らな
いこともある。そのため、逆止弁の作動圧力が可変浮力
体2bの耐圧の範囲内で、全スパーブイの中で水頭圧の高
い所の圧力を上回るようにしておく必要がある。
【0027】このような浮沈式スパーブイはこれ一基で
も用いることができるが、本発明では図3に示すように
海底gに複数設置し、各浮沈式スパーブイB1 〜Bn
エアー給排気ラインLの分岐管P1 〜Pn に接続し、陸
上Gからの一括操作で複数の浮沈式スパーブイB1 〜B
n を連続的に浮上・沈下させることができるようにして
ある。駆動源はエアーコンプレッサー8とすることがで
き、これを制御装置であるバルブヘッダー9とともに陸
上Gに設置する。なお、図3において、図面符号10は圧
力計である。バルブ12を開いて陸上Gに設置されている
エアーコンプレッサー8からエアー給排気ラインLに空
気を供給すると、各分岐管P1 〜Pn のうち空気源に近
いか、あるいは、水頭圧の低い(水深の浅い)ブイの可
変浮力体2b,2bに空気が供給され、浮上し始める。固定
浮力体2aに対し左右対称位置にある2つの可変浮力体2
b,2bに空気が充満してブイが直立し、内圧が高まる
と、次に空気源に近いか、あるいは、次に水頭圧の低い
ブイの可変浮力体2b,2bに空気が回され、そのブイを浮
上・直立させる。以下、順次ブイは浮上せしめられ、最
後のブイが浮上した時点でエアー給排気ラインLへの空
気の供給を停止する。かくして、海底gに複数設置され
ているブイは空気源に近いか、あるいは、水深の浅い所
にあるものから順に浮上・直立せしめられる。
【0028】陸上Gの空気源のバルブ11を開く(大気圧
にする)と、水頭圧の最も高い(水深の最も深い所に設
置されている)ブイの可変浮力体2b,2bがしぼみ始め
る。そして、2つの可変浮力体2b,2bの体積が減少する
につれ、固定浮力体2aが上になる様ひねられながら徐々
に沈下して行き、海水中の全体重量が固定浮力体2aの浮
力を越すことにより、やがて海底gに沈下せしめられ、
海底gと平行に着底する。以下、ブイは順次沈下せしめ
られ、最後のブイが沈下した時点で陸上Gの空気源のバ
ルブ11を閉じる。かくして、海底gに複数設置されてい
るブイは水頭圧の高いものから順に沈下・着底せしめら
れる。このように、陸上Gからの一括操作で複数の浮沈
式スパーブイB1 〜Bn を連続的に浮上・沈下させるこ
とができる。
【0029】図5(a) は、水深が一様でない所にブイを
設置した場合のブイの浮上概念図である。図5(a) にお
いてバルブ12を開くと、空気がエアー給排気ラインLを
通じて、水頭圧の低い(図5(a) ではB1 で示す)ブイ
の可変浮力体2bが膨らみ、以下同様にしてB2 、B3
いうように順次浮上し始める。
【0030】図5(b) は、水深が一様でない所にブイを
設置した場合のブイの沈下概念図である。図5(b) にお
いてバルブ11を開くと、エアー給排気ラインLの内圧が
下がり、水頭圧の高いブイ(図5(b) ではB3 で示す)
ブイの可変浮力体2bがしぼみ、以下同様にしてB2 、B
1 というように順次沈下し始める。なお、沈下の場合に
は、浮上の場合とは異なって先のブイが完全に沈下する
のを待つことなく順次沈下せしめられる。
【0031】
【発明の効果】請求項1記載のスパーブイを用いた場合
には、設置と待避とを短時間のうちに、かつ、容易な操
作でそれを確実に行い得る効果がある。特に、浮上なら
びに沈下時における固定浮力体2aと可変浮力体2bとの上
下関係を一定ならしめ得る効果がある。また、沈下時の
スパーブイ全体の海水中重量を軽減でき、その分、海底
gへ軟着陸させることが可能となる効果がある。さら
に、固定浮力体2aがあってその分だけ可変浮力体2bの大
きさを小さくできるから、そこに供給すべき空気の量を
節約できるとともに、浮沈動作の時間を短縮できるとい
う効果もある。
【0032】請求項2記載のスパーブイによれば、固定
浮力体2aと可変浮力体2b,2bとの上下関係をより一定な
らしめ、かつ、更なる軟着底を可能ならしめ得る効果が
ある。
【0033】請求項3記載のスパーブイによれば、逆止
弁等、自動的に作動する機器を用いることなく、また、
可変浮力体2bに海水を流入させることなく、空気の給・
排気による体積変化で浮沈動作を行うことができるか
ら、その動作が簡単で、しかも、その動作を正確に行う
ことができる効果がある。
【0034】請求項4記載のスパーブイによれば、可変
浮力体2b内に供給されている空気を放出した時、フレキ
シブルな可変浮力体2bを水圧により自動的にしぼませ得
る効果がある。
【0035】請求項5記載のスパーブイによれば、万が
一可変浮力体2b内部に海水が浸水した時、手動バルブ7
の操作によりそれを排除できる効果がある。
【0036】請求項6記載のスパーブイによれば、万が
一可変浮力体2b内に規定を超える圧力が加わっても、逆
止弁が安全弁の様に作動すると同時に、その際、可変浮
力体2b内部に海水が浸水していたとしても、それを自動
的に排除できる効果がある。
【0037】請求項7記載の作動システムによれば、陸
上Gからの一括操作で複数の浮沈式スパーブイを連続的
かつ正確に浮上・沈下させることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による浮沈式スパーブイの一例を示すも
ので、(a) は使用状態を示す概略図、(b) は浮力体付近
の概略平面図、(c) は着底状態を示す概略側面図であ
る。
【図2】浮力体付近のみを示す拡大斜視図である。
【図3】図1に示すブイを複数海底に設置した状態を示
す概略図である。
【図4】ブイの浮沈動作を工程順に示す概略図である。
【図5】水深が一様でない所にスパーブイを設置した場
合の浮沈動作を説明するためのもので、(a) は浮上する
場合を、(b) は沈下する場合をそれぞれ示す。
【符号の説明】
1…標柱体、2…浮力体、2a…固定浮力体、2b…可変浮
力体、4…エアーホース、7…手動バルブ、11,12…バ
ルブ、B1 〜Bn …ブイ、L…エアー給排気ライン、P
1 〜Pn …分岐管、G…陸上、g…海底。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 麻生 裕司 大阪府池田市豊島南2丁目176番地の1 株式会社ゼニライトブイ内 (72)発明者 菅生 芳雄 東京都豊島区北大塚2丁目11番14号 鈴英 株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】引き込み係留式のスパーブイの浮力体2
    を、固定浮力体2aと可変浮力体2bとからなるものとし、
    両浮力体2a,2bを標柱体1を挟む形で前後に取り付け、
    前記可変浮力体2bはエアー給排気ラインLと連通させた
    ことを特徴とする浮沈式スパーブイ。
  2. 【請求項2】可変浮力体2bを少なくとも2つ備え、それ
    らを固定浮力室2aに対して左右対称的に配置したことを
    特徴とする請求項1記載の浮沈式スパーブイ。
  3. 【請求項3】エアー給排気ラインLの途中に配置したバ
    ルブ11又は12の操作により、可変浮力体2bを膨張あるい
    は収縮させ、可変浮力体2bの浮力を加減し得るようにし
    た請求項1又は2記載の浮沈式スパーブイ。
  4. 【請求項4】可変浮力体2bをフレキシブルで水密性の良
    好な素材からなるものとした請求項1〜3のいずれかに
    記載の浮沈式スパーブイ。
  5. 【請求項5】可変浮力体2bの端末に手動バルブ7を備え
    たことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の浮
    沈式スパーブイ。
  6. 【請求項6】可変浮力体2bの端末に逆止弁を備えたこと
    を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の浮沈式ス
    パーブイ。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれかに記載の浮沈式ス
    パーブイを海底gに複数設置し、各浮沈式スパーブイB
    1 〜Bn をエアー給排気ラインLの分岐管P1 〜Pn
    接続し、陸上からの一括操作で複数の浮沈式スパーブイ
    1 〜Bn を連続的に浮上・沈下させることを特徴とす
    る浮沈式スパーブイの作動システム。
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