JP2001235664A - 脂肪族ポリケトン光ファイバー緩衝チューブ材料 - Google Patents

脂肪族ポリケトン光ファイバー緩衝チューブ材料

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JP2001235664A
JP2001235664A JP2000399711A JP2000399711A JP2001235664A JP 2001235664 A JP2001235664 A JP 2001235664A JP 2000399711 A JP2000399711 A JP 2000399711A JP 2000399711 A JP2000399711 A JP 2000399711A JP 2001235664 A JP2001235664 A JP 2001235664A
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buffer tube
cable
optical fiber
aliphatic
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JP2000399711A
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Sridhar K Siddhamalli
ケー.シッダーマリ スリダール
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Lucent Technologies Inc
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    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B6/00Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
    • G02B6/44Mechanical structures for providing tensile strength and external protection for fibres, e.g. optical transmission cables
    • G02B6/4401Optical cables
    • G02B6/4429Means specially adapted for strengthening or protecting the cables
    • G02B6/443Protective covering

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 脂肪族ポリケトンから作られる光ファイバー
緩衝チューブ、および光ファイバーケーブルを提供す
る。 【解決手段】 脂肪族ポリケトンをターポリマー脂肪族
ポリケトンとする。より具体的には、脂肪族ポリケトン
をカリロン(Carilon(商標))とする。光ファイバー
ケーブルが、少なくとも一つの緩衝チューブと、該緩衝
チューブ内に配置される少なくとも一つの伝送媒体とか
ら作られる。緩衝チューブは脂肪族ポリケトンから作ら
れる。より好ましくは、緩衝チューブがターポリマー脂
肪族ポリケトンから作られる。より具体的には、脂肪族
ポリケトンをカリロン(Carilon(商標))とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、包括的には光ファ
イバーケーブル、より詳細には、光ファイバー緩衝チュ
ーブに関する。
【0002】
【従来の技術】光ファイバーケーブルは、長距離間を非
常に高速で情報を伝送するために、通信産業において長
年にわたり使用されてきた。光ファイバーケーブルにお
いては、情報は光信号の形態でグラスファイバー中を搬
送される。このようなグラスファイバーはケーブルの構
造により外環境や外力から保護される。
【0003】光ファイバーケーブルは、そのケーブル構
造により、ルースチューブ型、スロットコア型、および
単一チューブ型の三種類に一般に分類されうる。ルース
チューブ型の光ファイバーケーブルにおいては、光ファ
イバーは複数の光ファイバー緩衝チューブ中にあり、こ
れらの緩衝チューブは一般に例えばゲルのようなある種
の水遮断性化合物で充填されている。ルースチューブ型
緩衝チューブは中心強度部材のまわりに撚り合わされて
いる。ルースチューブ型の設計においては、最大ファイ
バー総数ケーブルのファイバー総数より少ないファイバ
ー総数について設計上対称を与えるために、緩衝チュー
ブに加えて、充填材ロッドが中心部材のまわりに撚り合
わされてもよい。充填材ロッドは緻密または発泡ポリマ
ーから作られうる。
【0004】スロットコア型ケーブルの場合、光ファイ
バーは、一般に水遮断性ゲルで充たされたチャネルまた
はスロット中に存在する。チャネルまたはスロットは、
中心のコアのまわりに対称的に配置され、1本以上の光
ファイバーを収容するためのケーブルの長手軸方向に沿
って延びるらせん状または逆らせん状の溝を形成する。
ケーブルが曲がったときに、光ファイバーが破壊的な引
張応力および圧縮応力を受けないことを確実にするため
に、各スロットは、らせん路に沿うように作られうる。
このように、ケーブルの曲がった部分において、光ファ
イバーは、圧縮や引張を受ける。また、曲がっている部
分の全長にわたり、応力は少なくとも部分的にうち消し
合う。いくつかのケーブルにおいては、らせん路の方向
が周期的な間隔で逆転する場合もある。
【0005】単一チューブ型ケーブルでは、光ファイバ
ーは、一般には、ある種の水遮断化合物で充たされてい
る中心チューブ中に存在する。このような構造のすべて
において、緩衝チューブまたはコアが、その内部に収容
されている細い光ファイバーを保護するための一次構造
をもたらす。典型的には、緩衝チューブまたはコアは、
さらなる保護層で覆われている。それに加えて、強化用
糸もしくはファイバー、ならびにゲルもしくは熱溶融
物、水膨潤性の粉末、糸もしくはテープの形態の水遮断
性物質、および/または、波形状外装は、光ファイバー
を強化および保護するために、外被と内方ケーブル層と
の間に配置される場合もある。
【0006】いずれの緩衝チューブ設計においても、基
本的な材料特性ならびに加工性の観点から両立可能であ
り、かつエンジニアリング熱可塑性樹脂としての望まし
い特性が発揮できるような、材料の組み合わせの選択が
重要である。材料および加工条件を選択する際に重要な
性質としては、加水分解に対する安定性、耐熱性、寸法
安定性、耐薬品性が挙げられる。より具体的には、耐キ
ンク性すなわち柔軟性、ならびに圧縮荷重破砕抵抗に耐
える能力を有するように、材料および加工条件を選択す
べきである。材料および加工条件の選択に関連する追加
的なパラメーターには、引張強度、曲げ強さ、曲げ弾性
率、3点曲げ応力下での熱変形温度、および限界酸素指
数がある。
【0007】材料や加工条件は、高い耐圧縮性および引
張強さを有するケーブルを生み出すように選択されるべ
きであり、少ない残留応力と組合わされるべきである。
また、時間および温度の関数としての寸法の変化が最小
である、材料および加工条件の組み合わせを選ぶことも
重要である。ケーブルがその環境において遭遇する最高
ないし最低温度に耐える際に、ファイバーが応力下にお
かれないことを確実にするために、低い熱膨張係数を有
するような材料が望ましい。プロセス誘発配向を最小に
する材料および加工条件もまた望まれる。なぜなら、こ
れらは、ケーブル部品の押出後の緩和および収縮を最小
にするからである。緩衝チューブの押出後収縮は過剰フ
ァイバー長、即ちファイバー長対実際のチューブ長の比
率の増大に通じる可能性があり、ひいては過剰ファイバ
ー長によりファイバーの減衰の増大が起ることもありう
る。
【0008】ポリカーボネート、フッ素ポリマー、ポリ
ブチレンテレフタレート、ナイロン12、ポリプロピレ
ン−ポリエチレンコポリマー、ポリエステルエラストマ
ー、およびアセタール樹脂などが緩衝チューブ材料とし
て使用されている。しかしながら、これらの材料は、材
料上、製品上、ケーブル性能上、そして経済上の欠点を
有する。
【0009】たとえば、ポリブチレンテレフタレート
(PBT)は、ルースチューブ型光ファイバー緩衝チュ
ーブ製造用に最も一般に使用される高分子材料であり、
工業的標準と考えられる。しかし、PBTにはいくつか
の本質的欠点がある。その一つに、PBTは加水分解し
やすく、衝撃により強度が失われるということが挙げら
れる。そのうえ、PBTは堅い材料であり、曲げ弾性率
は少なくとも330,000psiであり、柔軟性を改
善、即ち柔らかくしようとすると、より高価な製品とな
ってしまう
【0010】あるいはまた、ポリプロピレン−ポリエチ
レン(PP)コポリマーは、PBTよりむしろ緩衝チュ
ーブ材料に用いられている。このポリマーは約200,
000psiの曲げ弾性率を有しており、PBTより柔
軟性が高い。しかし、樹脂に関連して望ましくない性質
を別に有している。すなわち、PPコポリマーは加工中
および加工後に収縮する。この収縮は、光ファイバーの
減衰に影響する重要な損害の原因である過剰ファイバー
長の形成に大いに関係してくる。それに加えて、PPは
PBTよりも低い引張強度、曲げ強さおよび圧縮強度を
有する。耐熱性もまたエンジニアリング熱可塑性樹脂に
劣る。これらの性質のすべてが、光ファイバーケーブル
の、何らかのより要求度の高い応用に必要とされる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】したがって、PBTお
よびPPの利点を備える一方でこれらのもつ欠点を最小
限に抑えた緩衝チューブ材料が当業界において求められ
ている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は脂肪族ポリケト
ンから作られた光ファイバー緩衝チューブを提供する。
本発明において、脂肪族ポリケトンはターポリマー脂肪
族ポリケトンである。より具体的には、脂肪族ポリケト
ンは、テキサス州ヒューストンにあるシェル・ケミカル
・カンパニー(Shell Chemical Company)製のカリロン
(Carilon(商標))である。カリロン(Carilon(商
標))からなる緩衝チューブは次のような特性を有す
る。脂肪族ポリケトン緩衝チューブはポリプロピレン−
ポリエチレンコポリマー緩衝チューブより大きな引張強
度を有する。脂肪族ポリケトン緩衝チューブは耐キンク
性であり、元の長さの約22%のパーセント最大荷重時
伸びを有する。パーセント伸びは、((最終的な長さ−
元の長さ)/元の長さ)*100として定義される。脂
肪族ポリケトン緩衝チューブは、ポリプロピレン−ポリ
エチレンコポリマー緩衝チューブより大きな曲げ強さを
有する。脂肪族ポリケトン緩衝チューブはポリブチレン
テレフタレート緩衝チューブより小さな曲げ弾性率を有
するが、ポリブチレンテレフタレート緩衝チューブより
大きな圧縮抵抗を有する。脂肪族ポリケトン緩衝チュー
ブはポリプロピレン−ポリエチレンコポリマー緩衝チュ
ーブより高い限界酸素指数を有する。脂肪族ポリケトン
緩衝チューブはポリブチレンテレフタレート緩衝チュー
ブより高い熱の荷重たわみ温度を有する。
【0013】本発明はまた光ファイバーケーブルを提供
するものとしても考えられる。光ファイバーケーブル
は、少なくとも一つの緩衝チューブおよび該緩衝チュー
ブ内に配置される少なくとも一つの伝送媒体から構成さ
れる。緩衝チューブは脂肪族ポリケトンから作られる。
より好ましくは、緩衝チューブはターポリマー脂肪族ポ
リケトンから作られる。より具体的には、脂肪族ポリケ
トンがカリロン(Carilon(商標))である。
【0014】本発明の他の特徴および利点は、次の図面
および詳細な説明を考察することにより当業者にとって
自明となるだろう。このような付加的特徴および利点の
すべては本発明の範囲に含まれるものとする。
【0015】本発明は、図面を参照するとより良く理解
できるであろう。図面の構成要素は、必ずしも寸法通り
でなく、本発明の原理を明確に例示する際に、強調され
て配置される。さらに、図面では、同一の番号は図面を
通じて対応する部分を示す。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は、本発明を含む、ルースチ
ューブ型光ファイバーケーブル100の一例である。典
型的には、この構造は中心強度部材120を含む。複数
の緩衝チューブ140が中心強度部材120のまわりに
撚り合わされている。光ファイバー130は緩衝チュー
ブ140内に収容されている。一般に、光ファイバー1
30に加えて、緩衝チューブ140の中はゲルで充たさ
れている。半径方向強度糸160は中心強度部材120
および緩衝チューブ140のまわりを取り巻いている。
リップコード150は、半径方向強度糸160およびよ
り外方の層が少なくとも部分的に取り外せるように配置
されている。それに加えて、さらにケーブルを保護する
ために、たとえば外装(図には示されていない)を、中
心強度部材120、緩衝チューブ140、および糸16
0のまわりに配置することができる。最後に、外被18
0がケーブルの内部部品のまわりに配置される。
【0017】図2は、本発明を含む、単一チューブ型光
ファイバーケーブル200の一例である。中心コアチュ
ーブ240が光ファイバー230を収容する。加えて、
チューブはゲルを含んでもよい。半径方向強度糸260
が中心コアチューブ240のまわりを取り巻いている。
リップコード250が、より内層へ到達するために、半
径方向強度糸260およびより外方の層が少なくとも部
分的に取り外せるように配置されている。強度部材27
0は、糸および中心コアチューブ240のまわりに配置
されている。しかし、強度部材270は、ケーブル構造
内の異なる位置に配置されてもよい。それに加えて、さ
らにケーブルを保護するために、外装(armor)
(図には示されていない)を、中心コアチューブ240
および糸260のまわりに配置することができる。最後
に、外被280がケーブルの内部部品のまわりに配置さ
れる。
【0018】図3は、本発明を含む、スロットチューブ
型光ファイバーケーブル300の一例である。スロット
コア325が中心強度部材320を取り巻いている。ス
ロットコア325はその内部に光ファイバー330を収
容する。緩衝チューブ340はその内部にスロットコア
325を収容し、またゲルを含んでもよい。半径方向強
度糸360は緩衝チューブ340、スロットコア32
5、および中心強度部材320のまわりを取り巻いてい
る。リップコード350は、ケーブルのより内方の部材
へ到達するために、半径方向強度糸360およびより外
方の層が少なくとも部分的に取り外せるように配置され
ている。それに加えて、さらにケーブルを保護するため
に、外装(図には示されていない)を、中心強度部材3
20、緩衝チューブ340、および糸360のまわりに
配置することができる。最後に、外被380がケーブル
の内部部品のまわりに配置される。
【0019】当業者であれば、図1〜3に示される光フ
ァイバーケーブルが極度に単純化された図解であること
がわかるだろう。このように、当業者にとっては、本発
明に大きな影響を与えない範囲で、これらのケーブル設
計に対する付加や削除が簡単になされることは明らかで
ある。
【0020】脂肪族ポリケトンは単純で豊富に存在する
モノマーから製造され、たとえばポリエーテルエーテル
ケトン(PEEK)あるいはポリエーテルケトン(PE
K)のような芳香族ポリケトンと容易に区別できる。P
EEKおよびPEKは、高価な原料から誘導される超高
性能スペシャリティーポリマーである。
【0021】脂肪族ポリケトンは、エチレンおよび一酸
化炭素を十分に共重合させることにより製造され、直鎖
で高分子量の交互共重合体が生成する。重合体鎖は柔軟
であるが、粘り強くかつ高融点で半結晶性の熱可塑性樹
脂を製造するために十分な、極性ケトン基に由来する分
子対称性および凝集エネルギーをもつ。市販で入手でき
る脂肪族ポリケトンが、シェル・ケミカル・カンパニー
(Shell Chemical Company)よりカリロン(Carilon
(商標))の商標名で販売されている。本発明に用いら
れる等級は、ターポリマー脂肪族ポリケトンである。こ
れは、たとえばプロピレンのような二つ目のオレフィン
モノマー(5〜7重量%)を導入することにより得られ
る。オレフィンモノマーは、エチレンとランダムに、か
つ一酸化炭素と交互に、置換する。ターポリマーの役割
は、より広範な加工ウインドウおよびポリマーの延性を
得るためにポリマーの融点および結晶化度を変更するこ
とである。
【0022】脂肪族ポリケトンは、高い遮断性、熱的性
質および物理的性質のほか高度の耐薬品性といった多く
の望ましいエンジニアリング熱可塑性樹脂特性を示す。
脂肪族ケトンでは加水分解に対する安定性が特に良好で
あり、このことはたとえばナイロン、ポリエステル、お
よびPBTなどのポリアミドのような多くの縮合重合体
をしのぐ性能をもたらす。脂肪族ポリケトンの主鎖構造
に関連する柔軟な重合体鎖および高濃度の双極子もまた
ポリマーマトリックスにおける低い自由体積を増進す
る。その結果、脂肪族ポリケトンは、炭化水素や小分子
気体よりも優れた遮断性を示す。
【0023】表1にPBT、PP/PE、および脂肪族
ポリケトンのいくつかの重要な特性の比較を示す。
【0024】
【表1】
【0025】緩衝チューブの柔軟性は、光ファイバーケ
ーブルに関する新しい応用や性能上求められる条件を考
える際に、重要な特性である。そのうえ、緩衝チューブ
が耐キンク性であることが有利である。コンパクトなス
プライスエンクロージャーのようないくつかの例におい
ては、緩衝チューブは、チューブにキンクが生じたり光
ファイバーに損傷を与えるおそれのないように、小さな
曲げ半径に耐えうる能力を必要とされる。
【0026】脂肪族ポリケトンのカリロン(Carilon
(商標))製緩衝チューブ(以下カリロンとする)は、
PBTのような、一般に広く使用される他の緩衝チュー
ブ材料よりも同程度あるいはより高い柔軟性ならびに性
能を示す。カリロンは230,000の曲げ弾性率をも
つ。すなわち、曲げ弾性率が330,000であるPB
Tと比較した場合、カリロンはPBTより約30%も柔
軟性が高い。カリロンがより柔軟性に優れるという予想
外の結果をさらに説明するために、次式を考える。Pc
=A*E*(h/R)3ここで、Pcは圧縮抵抗、Aは比
例定数、hは緩衝チューブの半径、そしてEはチューブ
の弾性率である。A、h、およびRを一定に保ったまま
Eを大きくするとPcはより大きくなるはずである。こ
の論理式に従えば、PBT(E=330,000)はカ
リロン(E=230,000)よりも大きなPcをもつ
であろうと予想される。しかし、カリロンはPBTより
大きなPcをもつ。これは全く予想外の結果である。
【0027】そのうえ、PBTを素材とする緩衝チュー
ブ材料は、PBTの剛性のために扱いにくい。剛性の大
きなチューブほどキンクを生じやすいという事実から
も、この扱いにくさはさらにひどいといえる。脂肪族ポ
リケトンの最大荷重時引張伸びは、PBTの4%と比べ
ると、元の長さの約22%である。パーセント伸びは、
((最終的な長さ−元の長さ)/元の長さ)*100と
定義される。パーセンテージが大きいほど、耐キンク性
がより良好である。このように、脂肪族ポリケトンは業
界標準のPBTより優れた柔軟性および耐キンク性を有
する。
【0028】さらに、カリロンは、PBTおよびPP/
PEの両者よりも大きな曲げ荷重下熱変形温度(HDT
UL)をもつ。熱変形温度は、材料が荷重に耐える能力
を失う温度の測定基準を与える。PP/PEに比較し
て、カリロンの限界酸素指数(LOI)はより高く、2
1%であり、これはPBTとほぼ同じ値である。LOI
はケーブル設計において重要である。なぜなら、LOI
のより高い材料をLOIのより低いプラスチックで置き
換えると、ケーブルの耐燃性能に影響を与えるであろう
からである。それゆえ、LOIにより定義される材料の
燃焼特性を変化させることがないような、柔軟な緩衝チ
ューブ置換物を見つけることは非常に魅力的である。
【0029】ケーブル試験のために、すべてカリロンか
ら作られた5つの緩衝チューブを含むケーブル設計を構
成した。5つのチューブのうち2つはそれぞれ12本の
ファイバーを含んでいたのに対して、残りの3つは内部
にファイバーを入れずに作成された。
【0030】次に示すのは、カリロン(Carilon(商
標))樹脂製の緩衝チューブを製造するために用いられ
た典型的加工処理パラメーターである。下記の加工条件
下において、押出機からの出力は非常に安定で、チュー
ブ寸法も同様であることが分かった。カリロン(Carilo
n(商標))樹脂は、24:1の長さ対直径の比率(L
/D)および2.5対1の圧縮比で、40/120/4
0メッシュのスクリーンパックを用いるノキア−マイレ
ファー(Nokia−Maileffer)型式4/6クロスヘッドを
備えた30mmマイレファー(Maileffer)バリヤ混合
タイプのスクリュー押出機で、50メートル/分のライ
ン速度で押出された。
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】本発明において利用されるカリロン樹脂
は、2.16kgの荷重および240℃の条件下で4g
/10minのメルトフローレートを有する。その極限
粘度数(LVN)は1.86である。LVNは、慣用名
である固有粘度(IV)の方がよく知られている。ポリ
マーのLVNは、マーク−ホーウィンク(Mark−Houwin
k)の式による平均分子量に関係する。また、MFRが
2.7〜3g/10minでLVNが2.05であるカ
リロンの他の等級について緩衝実験も行われた。比較的
低いMFR(高溶融粘度)のポリマー樹脂の方がより高
いメルトフローの等級の樹脂より押出加工に向いている
ことが、一般に知られている。しかし、本発明において
は、チューブの寸法不安定性に関する問題のために、そ
れと反対であることがわかった。
【0034】過剰ファイバー長(EFL)は、チューブ
内に存在するファイバーのたるみ長であり、繰出装置内
でのファイバー背面張力、水トラフ温度、融点、ライン
速度などのような加工条件により影響を受ける。EFL
は第一水トラフ温度を変化させることにより制御できる
ことがわかった。そのため、EFLは目的に合わせて変
えられる。
【0035】
【表4】
【0036】EFLが0であることは予想外であること
に注目すべきである。EFLが0ということは、チュー
ブに押出後収縮が全く生じていないことを示しており、
長時間にわたり安定なままであることが判明した。標準
的な機械的試験および環境試験を、テルコーディア・テ
クノロジーズ社(Telcordia Technologies, Inc.)(旧
ベルコア)のGR−20−CORE、1および2刷、
“光ファイバーおよび光ファイバーケーブルに対する一
般的要件”("Generic Requirements for Optical Fibe
r and Optical Fiber Cable")に従って行った。ケーブ
ルの性能は次の要件に従っていることがわかった。
(1)機械的性能、GR−20−CORE、1刷、6.
5.1節−6.5.8節およびGR−20−CORE、
2刷、6.5.9節。ケーブルは320N/cmの圧縮
荷重に耐えた。これはベルコアの仕様書要件の220N
/cmを大きく上回っており、曲げ弾性率が230,0
00の材料にしては予想外の結果であった。比較する
と、PBT緩衝チューブを利用した同様の設計あるいは
構成のケーブルでは、280N/cmの値しか得られな
かった。(2)ケーブル材料適合性、GR−20−CO
RE、2刷、6.3.4節。(3)環境性能、GR−2
0−CORE、1刷、6.6.3節−6.6.7節。
(4)緩衝チューブの収縮試験および低温曲げ試験は、
RUS PE−90に従った。
【0037】そのうえ、カリロンはPBTの価格と非常
に競合する価格で得ることができる。しかし、カリロン
の有利な特徴をPBTに付与することができたとして
も、その価格は脂肪族ケトンに比較した場合、ひどく高
いものになるであろう。このように、カリロンはPBT
およびPP/PEの利点を併せもちながら、個々の材料
の欠点は有しない。さらに、カリロンは、PBTのよう
な他のエンジニアリング熱可塑性樹脂と競合的な価格で
ある。
【0038】以上に説明した本発明の実施態様、特に
「好ましい」実施態様は、単なる本発明の考えられうる
実施形態であり、本発明の原理を明らかに理解するため
に単に示されたものであることが、強調されるべきであ
る。本発明の精神および原理から実質上逸脱することな
く、多くの変更および修正を以上に説明した本発明の実
施態様になすことができる。そのような変更や修正のす
べては、本明細書において、この開示と本発明の範囲に
含まれ、特許請求の範囲により保護されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】ルースチューブ型光ファイバーケーブルの、表
層部を切り欠いた断面図である。
【図2】単一チューブ型光ファイバーケーブルの、表層
部を切り欠いた断面図である。
【図3】スロットコア型光ファイバーケーブルの、表層
部を切り欠いた断面図である。
【符号の説明】
100 ルースチューブ型光ファイバーケーブル 120、320 中心強度部材 130、230、330 光ファイバー 140、340 緩衝チューブ 150、250、350 リップコード 160、260、360 半径方向強度糸 180、280、380 外被 200 単一チューブ型光ファイバーケーブル 270 強度部材 300 スロットチューブ型光ファイバーケーブル 325 スロットコア

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪族ポリケトンからなる光ファイバー
    緩衝チューブ。
  2. 【請求項2】 脂肪族ポリケトンがターポリマー脂肪族
    ポリケトンからなる、請求項1記載の光ファイバー緩衝
    チューブ。
  3. 【請求項3】 脂肪族ポリケトンがカリロン(Carilon
    (商標))からなる、請求項1記載の緩衝チューブ。
  4. 【請求項4】 脂肪族ポリケトンがポリプロピレン−ポ
    リエチレンコポリマーより大きい引張強度を有する、請
    求項1記載の緩衝チューブ。
  5. 【請求項5】 脂肪族ポリケトンが耐キンク性でありか
    つ約22%の降伏時伸びを有する、請求項1記載の緩衝
    チューブ。
  6. 【請求項6】 脂肪族ポリケトンがポリプロピレン−ポ
    リエチレンコポリマーより大きい曲げ強さを有する、請
    求項1記載の緩衝チューブ。
  7. 【請求項7】 脂肪族ポリケトンがポリブチレンテレフ
    タレートより小さい曲げ弾性率かつポリブチレンテレフ
    タレートより大きい圧縮抵抗を有する、請求項1記載の
    緩衝チューブ。
  8. 【請求項8】 脂肪族ポリケトンがポリプロピレン−ポ
    リエチレンコポリマーより高い限界酸素指数を有する、
    請求項1記載の緩衝チューブ。
  9. 【請求項9】 脂肪族ポリケトンがポリブチレンテレフ
    タレートより高い熱の荷重たわみ温度を有する、請求項
    1記載の緩衝チューブ。
  10. 【請求項10】 脂肪族ポリケトンからなる少なくとも
    1つの緩衝チューブと、該緩衝チューブ中に配置される
    少なくとも1つの伝送媒体とをを含む、光ファイバーケ
    ーブル。
  11. 【請求項11】 脂肪族ポリケトンがターポリマー脂肪
    族ポリケトンからなる、請求項10記載のケーブル。
  12. 【請求項12】 脂肪族ポリケトンがカリロン(Carilo
    n(商標))からなる、請求項10記載のケーブル。
  13. 【請求項13】 脂肪族ポリケトンがポリプロピレン−
    ポリエチレンコポリマーより大きい引張強度を有する、
    請求項10記載のケーブル。
  14. 【請求項14】 脂肪族ポリケトンが耐キンク性であり
    かつ約22%の降伏時伸びを有する、請求項10記載の
    ケーブル。
  15. 【請求項15】 脂肪族ポリケトンがポリプロピレン−
    ポリエチレンコポリマーより大きい曲げ強さを有する、
    請求項10記載のケーブル。
  16. 【請求項16】 脂肪族ポリケトンがポリブチレンテレ
    フタレートより小さい曲げ弾性率かつポリブチレンテレ
    フタレートより大きい圧縮抵抗を有する、請求項10記
    載のケーブル。
  17. 【請求項17】 脂肪族ポリケトンがポリプロピレン−
    ポリエチレンコポリマーより高い限界酸素指数を有す
    る、請求項10記載のケーブル。
  18. 【請求項18】 脂肪族ポリケトンがポリブチレンテレ
    フタレートより高い熱変形温度を有する、請求項10記
    載のケーブル。
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