JP2001223097A - X線装置 - Google Patents

X線装置

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JP2001223097A JP2000031492A JP2000031492A JP2001223097A JP 2001223097 A JP2001223097 A JP 2001223097A JP 2000031492 A JP2000031492 A JP 2000031492A JP 2000031492 A JP2000031492 A JP 2000031492A JP 2001223097 A JP2001223097 A JP 2001223097A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 極めて簡単な加工だけでX線装置におけるX
線の漏洩を確実に防止できるようにする。 【解決手段】 X線を発生するX線源13,16を包囲
する筐体2,4を有し、筐体2,4は少なくとも2つの
筐体部分2,4を結合することによって形成されるX線
装置である。互いに結合される筐体部分2,4の一方又
は双方に溝38Aを設け、この溝38Aは筐体部分2,
4の結合部Kに沿って、その結合部Kの内面側に設けら
れる。筐体2,4の内部において結合部Kへ向かう散乱
X線は溝38Aに導入されるので、結合部Kを通してX
線が外部へ漏出することを防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、X線を用いて種々
の測定を行うX線装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にX線装置は、X線を発生するX線
源と、そのX線源を包囲する筐体とを有する。上記X線
源は、例えば、電子を放出するフィラメントと、その電
子が衝突したときにX線を発生するターゲットとによっ
て構成される。上記筐体がこの構造のX線源を包囲する
場合には、この筐体は電子を発生する電子発生源も包囲
することになる。
【0003】今、X線装置として封入型X線発生装置を
考えると、この封入型X線発生装置は、例えば図7
(a)に示すように、フィラメント63及びそれに対向
するターゲット66によって構成されたX線源Fを真空
状態に包囲するX線管球53を有し、このX線管球53
は、通常、X線防護のためにチューブシールドと呼ばれ
るケーシング54に収納される。
【0004】封入型というのは、X線管球53の内部が
常に真空状態に維持される構造をいい、内部が真空状態
と大気圧状態の間で置換できる構造の、いわゆる開放型
とは異なっている。X線管球53は一般に円筒形状に形
成され、チューブシールド54の内部空間54aは一般
にX線管球53よりもわずかに大きい内径の円筒形状に
形成される。
【0005】フィラメント63は通電によって発熱して
電子、すなわち熱電子を放出し、その電子が高速でター
ゲット66に衝突することにより、そのターゲット66
からX線が発生する。このとき、電子の持つエネルギー
はその99%以上が熱に変わるのでターゲット66は高
温となるため、チューブシールド54から管球フランジ
52にかけて水路(図示せず)が設けられ、ターゲット
66を水冷することにより、ターゲット66を保護して
いる。この水路を設けるためにチューブシールド54及
び管球フランジ52は比較的大きく作られる。
【0006】また、チューブシールド54及び管球フラ
ンジ52の外周面は、それらを組み合わせた装置が少し
でもX線源Fの近くに配置できるように、また、測角範
囲を少しでも大きくとれるようにするために、断面形状
が四角形に整形されている。また、チューブシールド5
4及びX線シャッタ57はX線を遮蔽する金属で作られ
ているので、チューブシールド54に明けられたX線取
出し穴55に設けられたX線シャッタ57が開いた状態
のときにのみ、X線がチューブシールド54の外部に取
り出される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の封入型X線発生
装置においては、チューブシールド54とX線管球53
のフランジ52との結合部KからX線が漏れ出ることが
考えられ、その理由は次の通りであると考えられる。す
なわち、ターゲット66から発生したX線やフィラメン
ト63から放出された電子がチューブシールド54の管
壁内面に衝突して散乱X線が発生し、その散乱X線や電
子が管球フランジ52に当たることによって、その部分
で新たに散乱X線が発生し、その散乱X線が結合部Kの
隙間を通って外部へ漏洩する。
【0008】特に、X線管球53の種類が管球フランジ
52の材料を励起できるエネルギを特性線とする種類の
場合は、管球フランジ52に入射した特性線によりフラ
ンジ材料が励起されて蛍光X線を発生するため、結合部
Kから漏れ出るX線量はさらに大きくなる。
【0009】以上のようなX線の漏洩を防止するため、
図7(b)に示すように、X線管球53の側壁とチュー
ブシールド54の内周面とのはめ合いH0の寸法精度を
上げてすき間を小さくしたり、管球フランジ52とチュ
ーブシールド54の底面との接触面の寸法精度H1を上
げてすき間を小さくすることにより、散乱X線の漏洩を
防止することが考えられる。しかしながらこの方法で
は、X線管球53やチューブシールド54の加工精度を
非常に厳しく管理しなければならず、製造コストが非常
に高くなるという問題があった。
【0010】また、X線の漏洩を防止するための方法と
して、図8(a)に符号H3で示すように、チューブシ
ールド54と管球フランジ52との間のはめ合いをもう
一つ追加して設けるという構造が考えられる。しかしな
がらこの構造では、上記のような追加のはめ合いH3を
構成するために、図8(b)に示すように、チューブシ
ールド54の底面に枠状の張出し縁56を形成しなけれ
ばならず、外観形状が大きくなるという問題がある。
【0011】また、管球フランジ52及びチューブシー
ルド54は前述のようにそれらの断面形状が四角形であ
るので、加工が容易な円形のはめ合い形状をそれらのは
め合い部に設けようとするとそれらの外形寸法が大きく
なる。他方、上記のような張出し縁56、すなわち、円
形ではないはめ合い形状を加工するには、面倒なフライ
ス加工が必要となるため、やはり製造コストが高くなる
という問題がある。
【0012】本発明は、上記の問題点に鑑みて成された
ものであって、極めて簡単な加工だけでX線装置におけ
るX線の漏洩を確実に防止できるようにすることを目的
とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】(1) 上記の目的を達
成するため、本発明に係るX線装置は、X線を発生する
X線源を包囲する筐体を有し、該筐体は少なくとも2つ
の筐体部分を結合することによって形成されるX線装置
において、互いに結合される前記筐体部分の一方又は双
方に設けられた溝を有し、該溝は前記筐体部分の結合部
に沿って、その結合部の内面側に設けられることを特徴
とする。
【0014】このX線装置によれば、筐体の内部で散乱
するX線が2つの筐体部分の結合部に到達したとき、そ
のX線はその結合部に沿って設けられた上記溝の内部へ
入り込むことになるので、2つの筐体部分の結合部を通
して外部へX線が漏洩することが防止される。
【0015】(2) 上記(1)項に記載した構成のX
線装置において、前記溝は断面方形状とすることができ
る。このような溝は、例えば、先端刃が方形状に形成さ
れたバイトを用いて旋盤加工によって簡単に形成でき
る。
【0016】(3) 上記(1)項に記載した構成のX
線装置において、前記溝は断面三角形状とすることがで
きる。このような溝は、例えば、先端刃が三角形状に形
成されたバイトを用いて旋盤加工によって簡単に形成で
きる。
【0017】(4) 上記(1)項に記載した構成のX
線装置において、前記溝は断面円形状とすることができ
る。このような溝は、例えば、先端刃が円形状に形成さ
れたバイトを用いて旋盤加工によって簡単に形成でき
る。
【0018】(5) 上記(1)項から上記(4)項に
記載した構成のX線装置において、前記溝は対向する筐
体部分に対して斜め方向に延びる断面形状を有すること
が望ましい。溝の設け方としては、対向する筐体部分に
対して平行に延びる断面形状とすることもできるが、そ
のような平行方向の溝に比べて斜め方向に延びる溝を用
いた場合の方が、X線の漏洩を遮断することに関してよ
り一層効果的であった。
【0019】(6) 上記(1)項から上記(5)項に
記載した構成のX線装置において、前記溝の開口区画線
はその溝に対向する筐体部分の内縁線を越える位置に置
かれることが望ましい。この構成によれば、2つの筐体
部分の結合部に到達したX線を確実に溝の中へ導入で
き、よって、当該結合部からのX線の漏洩を確実に防止
できる。
【0020】(7) 上記(1)項から上記(6)項に
記載した構成のX線装置に関しては、互いに結合する前
記筐体部分の一方に嵌合穴を形成し、前記筐体部分の他
方には前記嵌合穴に嵌合する嵌合突起を形成するという
嵌合構造の結合構造を採用でき、この結合構造を採用す
る場合には、前記嵌合突起の根元部分に前記溝を設ける
ことが望ましい。この構成によれば、嵌合突起及び溝の
両方によって散乱X線の進行を阻止することができ、よ
って、筐体部分の結合部からのX線の漏洩をより一層確
実に防止できる。
【0021】(8) 上記(1)項から上記(7)項に
記載した構成のX線装置において、前記筐体部分の一方
はX線管球を包囲すると共に該X線管球を挿入するため
の開口を備えたチューブシールドとすることができ、さ
らに前記筐体部分の他方は前記X線管球の端部を構成す
ると共に前記チューブシールドの開口に嵌合する管球フ
ランジでとすることができる。この構成は、封入型X線
発生装置に本発明を適用した場合の構成である。この構
成によれば、X線の漏洩が極めて少ない封入型X線発生
装置を提供できる。
【0022】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)図1は、本発明
をX線装置の一例であるX線発生装置、特に封入型X線
発生装置に適用した場合の実施形態を示している。ここ
に示す封入型X線発生装置は、管球本体1と管球フラン
ジ2とを結合して成るX線管球3と、管球本体1の全体
を収容すると共に管球フランジ2が結合されるチューブ
シールド4とを有する。チューブシールド4は、例え
ば、真鍮によって形成される。
【0023】本実施形態の場合は、1つの筐体部分とし
てのチューブシールド4と、もう1つの筐体部分として
の管球フランジ2とを互いに接合することによって1つ
の筐体が構成される。
【0024】管球本体1は、ガラス製の先端部6と、そ
の先端部6につながる金属製の基部7と、その基部7の
適所に形成したX線通過窓8とを有する。先端部6は、
図2に示すように、内側ガラス壁9aと外側ガラス壁9
bとによって形成される2重ガラス構造を有し、その内
側ガラス壁9aの内部に円筒状の凹部11が形成され
る。そして、その凹部11の底部に電圧供給用の端子1
2が設けられる。
【0025】内側ガラス壁9aと外側ガラス壁9bとに
よって囲まれる凹部11の周囲部分及びその周囲部分に
連通する基部7の内部は気密に密封されており、それら
の内部は高真空状態に保持されている。基部7の内部に
は端子12に導電接続されたフィラメント13が設けら
れ、そのフィラメント13のまわりにはウエネルト14
が設けられる。また、フィラメント13に対向する位置
にはターゲット16が設けられる。
【0026】管球本体1の基部7の底面に結合される管
球フランジ2は、図1に示すように、正方形又は長方形
といった方形状のベース17と、そのベース17の中央
部に設けたキャップ18と、そのキャップ18の周囲に
円形のリング状に設けた嵌合突起19とを有する。キャ
ップ18の頂面にはスリット28が形成されている。ベ
ース17及びキャップ18は、例えば、真鍮によって形
成される。
【0027】ベース17の1つの隅部には冷却液流入口
21が形成され、反対側の隅部には冷却液排出口22が
設けられる。また、キャップ18の近傍のベース17に
は冷却液回収口23が設けられる。図2において、キャ
ップ18の内部に位置するベース17には冷却液出射口
24が設けられ、この冷却液出射口24と冷却液流入口
21とはベース17の内部に形成された冷却液通路26
によって結ばれる。また、冷却液回収口23と冷却液排
出口22はベース17の内部に形成された冷却液通路2
7によって結ばれる。
【0028】X線管球3は、管球フランジ2のベース1
7を管球本体1の基部7の底部に結合することによって
形成されるが、この結合方法は任意の方法によって達成
できる。例えば、基部7の底部に雌ネジを形成し、ベー
ス17の対応する部分に貫通穴を形成し、その貫通穴を
貫通させたボルトを上記雌ネジにねじ込むことにより、
ベース17を基部7の底部に固定結合できる。
【0029】図1において、X線管球3の管球本体1を
収容するチューブシールド4の底部には、管球フランジ
2に設けた嵌合突起19の外周面に嵌合する円形状の嵌
合穴29が形成され、その嵌合穴29を開口とする円筒
状の凹部空間31が形成されている。この凹部空間31
は、管球本体1の外径よりもわずかに大きい内径を有
し、さらにその管球本体1の長さよりも長い長さを有し
ており、管球本体1はその凹部空間31内へ収容され
る。
【0030】チューブシールド4の嵌合穴29に対向す
る端部には、先端に高圧端子33を備えた筒状の高圧中
継子32が装着される。高圧端子33は高圧ケーブル3
4につながっていて、その高圧ケーブル34を通して高
圧端子33に高電圧が印加される。また、チューブシー
ルド4の内部であって凹部空間31の外側位置には2本
の冷却液通路35が設けられる。
【0031】X線管球3とチューブシールド4とを組み
付ける場合には、図1において、X線管球3の管球本体
1をチューブシールド4の開口すなわち嵌合穴29を通
して凹部空間31の内部へ挿入し、そして、管球フラン
ジ2をチューブシールド4の底面に接触させる。このと
き、チューブシールド4の嵌合穴29は、図2に示すよ
うに、管球フランジ2の嵌合突起19の外周に嵌合す
る。
【0032】その後、適宜の結合方法によって管球フラ
ンジ2をチューブシールド4の底面に固定連結する。こ
の締結方法としては任意の方法を用いることができる
が、例えば、図1において、管球フランジ2のベース1
7の1つの隅部に貫通穴36を設け、反対側の隅部にも
貫通穴(図示せず)を設け、さらに、それらの貫通穴に
対応するチューブシールド4の底面に雌ネジ(図示せ
ず)を形成し、貫通穴36等を貫通させたボルト(図示
せず)をチューブシールド4の底面の雌ネジに締め付け
ることにより、管球フランジ2をチューブシールド4の
底面に固定結合することができ、これにより、図2に示
すようなX線発生装置が組み立てられる。
【0033】X線管球3がチューブシールド4の凹部空
間31の内部に収容されると、チューブシールド4側の
高圧端子33とX線管球3側の端子12とが導電接続さ
れる。高圧ケーブル34を通して高電圧が供給される
と、フィラメント13に通電が成され、さらにフィラメ
ント13とターゲット16との間に高電圧が印加され、
さらにフィラメント13とウエネルト14との間に所定
の制御用電圧が印加される。また、管球フランジ2のベ
ース17がチューブシールド4の底面に結合されると、
ベース17の冷却液流入口21及び冷却液排出口22が
チューブシールド4の冷却液通路35にそれぞれ連通す
る。
【0034】フィラメント13は通電によって発熱して
熱電子を放出し、その放出された熱電子はウエネルト1
4に印加された制御用電圧によって進行方向を制御され
ながら、フィラメント13とターゲット16との間に印
加された高電圧によって加速されてターゲット16に衝
突し、その衝突の際にターゲット16からX線が発生し
て広い角度領域内に発散する。
【0035】ターゲット16からX線が発生される間、
冷却液流入口21を通してベース17の冷却液通路26
へ導入された冷却液、例えば冷却水が冷却液出射口24
及びキャップ18のスリット28を通してターゲット1
6の裏面に向けて噴射され、これにより、ターゲット1
6が異常な高温になるのを防止する。冷却処理後の冷却
水は、キャップ18の近傍に設けた冷却液回収口23か
らベース17の内部の冷却液通路27へ回収され、さら
に冷却液排出口22を通して外部へ排出される。
【0036】チューブシールド4の底面に近い適所に
は、X線通路を開閉できるX線シャッタ37が設けられ
ており、ターゲット16から発散するX線はX線通過窓
8を通過した後にX線シャッタ37に到達する。このX
線シャッタ37が開状態に設定されていれば、そのX線
シャッタ37を通過したX線が外部へ取り出され、一
方、X線シャッタ37が閉状態に設定されていれば、チ
ューブシールド4の外側へのX線の取り出しが止められ
る。
【0037】本実施形態に係るX線発生装置では、図1
及び図2に示すように、管球フランジ2の嵌合突起19
の外周面の根元部分に、その嵌合突起19に沿って円形
のリング状の溝38Aが形成されている。図2における
チューブシールド4と管球フランジ2との結合部Kの近
傍の拡大図である図3に示すように、溝38Aはその結
合部Kに沿って設けられ、さらにこの溝38Aの断面形
状は長方形状に形成され、さらにこの溝38Aは対向す
る筐体部分であるチューブシールド4に対して斜め内部
方向Nへ向けて傾斜状態で延びている。
【0038】溝38Aの開口は一対の開口区画線39a
及び39bによって区画形成されているが、一方の開口
区画線39aは、溝38Aに対向する筐体部分であるチ
ューブシールド4の底面部内縁線41aを越える位置に
形成される。また、もう一方の開口区画線39bはチュ
ーブシールド4の側面部内縁線41bを越える位置に形
成される。
【0039】また、例えば、ベース17の嵌合突起19
とチューブシールド4とのはめ合い部の隙間寸法D1が
D1=0.5mm程度であるとき、溝38Aの開口部の
水平寸法D2はD2=0.7mm程度が望ましく、さら
に溝38Aの底部寸法D3はD3=1mm程度が望まし
く、さらに嵌合突起19の外周線と結合部Kを構成する
ベース17の表面との交線から溝38Aの底面までの距
離D4はD4=1mm程度が望ましい。
【0040】本実施形態では、上記のような溝38Aを
設けたので、ターゲット16(図2参照)から発生して
散乱するX線であって結合部Kに向かうX線Rは、その
結合部Kに沿って設けられた溝38Aの内部へ導入され
ることになる。従って、図7に示した従来構造の場合の
ように、結合部Kを構成する面と同一の面にX線がぶつ
かって散乱X線が発生することを防止でき、その結果、
図3において結合部Kを通してチューブシールド4の外
部、すなわち筐体の外部へX線が漏れ出ることを確実に
防止できる。
【0041】特に、本実施形態では溝38Aの開口区画
線39a及び39bが、溝38Aに対向するチューブシ
ールド4の内縁線41a及び41bを越えるように溝3
8Aが形成されているので、結合部Kへ向かう散乱X線
のほとんど全ては確実に溝38Aの内部へ導かれて、外
部へ漏れ出ることを防止される。
【0042】また、本実施形態のように、溝38Aの断
面形状をチューブシールド4に対して斜め内部方向Nへ
傾斜する状態に形成したところ、結合部Kを通して外部
へ漏れ出るX線量をより一層低減できることが分かっ
た。
【0043】なお、以上の説明では、溝38Aが主に散
乱X線をその内部に導入することによって結合部Kを通
して外部へX線が漏洩することを防止するとした。しか
しながら、程度としては小さいかもしれないが、溝38
Aは筐体の内部に散乱する電子をその中へ導くことによ
って、その電子が筐体の壁面に衝突したときに発生する
X線が結合部Kを通して外部へ漏洩することをも防止す
ると考えられる。
【0044】(第2実施形態)図4(a)はチューブシ
ールド4と管球チューブ2のベース17との結合部Kに
沿って設けられる溝の改変例を示している。ここに示す
溝38Bが断面長方形状に形成されることは、図3に示
した先の実施形態の場合と同じであるが、ここに示す溝
38Bはその断面形状がチューブシールド4に対して斜
め内部方向に傾斜して形成されるのではなく、チューブ
シールド4に対して平行方向に延びることにおいて、図
3に示す溝38Aと異なっている。
【0045】このように溝38Bをチューブシールド4
に対して平行方向に配置した結果、溝38Bの開口を形
成する一方の開口区画線39aはチューブシールド4の
底面部内縁線41aを越えない位置に置かれており、も
う一方の開口区画線39bはチューブシールド4の側面
部内縁線41bを越える位置に置かれている。
【0046】ここに示す溝38Bを用いた場合にも、散
乱X線Rが結合部Kを通して外部へ漏れ出ることを確実
に防止できることが分かった。
【0047】(第3実施形態)図4(b)はチューブシ
ールド4と管球チューブ2のベース17との結合部Kに
沿って設けられる溝の他の改変例を示している。ここに
示す溝38Cの断面形状がチューブシールド4に対して
斜め内部方向Nに傾斜して形成されることは図3に示し
た先の実施形態の場合と同じであるが、ここに示す溝3
8Cの断面形状は長方形状ではなくて円形状に形成され
ている。
【0048】ここに示す溝38Cでは、一対の開口区画
線39a及び39bのそれぞれがチューブシールド4の
内縁線41a及び41bを越える位置に置かれている。
ここに示す溝38Cを用いた場合にも、散乱X線Rが結
合部Kを通して外部へ漏れ出ることを確実に防止できる
ことが分かった。
【0049】(第4実施形態)図5(a)はチューブシ
ールド4と管球チューブ2のベース17との結合部Kに
沿って設けられる溝のさらに他の改変例を示している。
ここに示す溝38Dは、その断面形状がチューブシール
ド4に対して斜め内部方向Nに延びる点において図3の
実施形態の場合と同じであり、その断面形状が長方形状
ではなくてほぼ正方形状に形成される点において図3の
実施形態の場合と異なっている。
【0050】ここに示す溝38Dでも、一対の開口区画
線39a及び39bのそれぞれがチューブシールド4の
内縁線41a及び41bを越える位置に置かれている。
ここに示す溝38Dを用いた場合にも、散乱X線Rが結
合部Kを通して外部へ漏れ出ることを確実に防止できる
ことが分かった。
【0051】(第5実施形態)図5(b)はチューブシ
ールド4と管球チューブ2のベース17との結合部Kに
沿って設けられる溝のさらに他の改変例を示している。
ここに示す溝38Eは、その断面形状がチューブシール
ド4に対して斜め内部方向Nに延びる点において図3の
実施形態の場合と同じであり、その断面形状が長方形状
ではなくて三角形状に形成される点において図3の実施
形態の場合と異なっている。
【0052】ここに示す溝38Eでも、一対の開口区画
線39a及び39bのそれぞれがチューブシールド4の
内縁線41a及び41bを越える位置に置かれている。
ここに示す溝38Eを用いた場合にも、散乱X線Rが結
合部Kを通して外部へ漏れ出ることを確実に防止できる
ことが分かった。
【0053】(第6実施形態)図6は本発明に係るX線
装置の他の実施形態を示している。図1及び図2に示し
た実施形態は、本発明をX線装置としての封入型X線発
生装置に適用した場合の実施形態であるが、図6は封入
型X線発生装置以外の任意のX線装置に対して本発明を
適用できることを模式的に示している。
【0054】ここに示すX線装置では、X線を発生する
X線源Fを収納するケーシング42と、そのケーシング
42の開口43にはめ込まれる蓋44とによって1つの
筐体が構成される。すなわち、ケーシング42が1つの
筐体部分を構成し、蓋44がもう1つの筐体部分を構成
している。
【0055】ケーシング42と蓋44との嵌合は、例え
ば、蓋44に形成した嵌合突起46をケーシング42の
開口43の内周面に圧入させたり、蓋44のフランジ部
47をケーシング42にボルト等によって締め付けた
り、嵌合突起46の外周面に雄ネジを形成しケーシング
42の開口43の内周面に雌ネジを形成し両方のネジを
互いにネジ嵌合させたりすることによって達成できる。
【0056】ここに示すX線装置において、X線源Fか
ら発生するX線をどのような目的に利用するかというこ
とについては、特定の目的に限定されるものではなく、
X線回折測定、蛍光X線測定その他の各種の測定のため
に利用できる。
【0057】本実施形態では、図3に示した実施形態と
同様な断面長方形状の溝38Aが、嵌合突起46の根元
部分に、ケーシング42と蓋44との結合部Kに沿って
円形のリング状に形成されている。この溝38Aを設け
たことにより、ケーシング42の内部で散乱するX線が
結合部Kを通して外部へ漏れ出ることを確実に防止でき
る。
【0058】なお、溝38Aは、図4(a)に示す溝3
8B、図4(b)に示す溝38C、図5(a)に示す溝
38D、あるいは図5(b)に示す溝38Eに変更する
ことができる。
【0059】(その他の実施形態)以上、好ましい実施
形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はその実施形
態に限定されるものでなく、請求の範囲に記載した発明
の範囲内で種々に改変できる。
【0060】例えば、図1及び図2に示した実施形態
は、X線管球3の管球本体1の内部が常に真空状態に保
持される構造の封入型X線発生装置に本発明を適用した
場合の実施形態であるが、管球本体の内部を給排気して
真空状態及び大気状態のいずれかの状態を選択できる構
造の、いわゆる開放型X線発生装置に対して本発明を適
用できることはもちろんである。
【0061】また、図1及び図2に示す実施形態では、
互いに結合されて1つの筐体を形成する複数の筐体部分
として、チューブシールド4と管球フランジ2とを考え
たが、それら複数の筐体部分は本発明が適用されるX線
装置の種類に応じて種々に変化するものである。
【0062】また、図1及び図2に示す実施形態では溝
38Aを一方の筐体部分である管球フランジ2の方に設
けたが、溝38Aは他方の筐体部分であるチューブシー
ルド4の方に設けることもでき、あるいは、管球フラン
ジ2とチューブシールド4の双方に設けることもでき
る。
【0063】また、図1及び図2に示す実施形態ではチ
ューブシールド4と管球フランジ2の結合部Kにおいて
嵌合突起19と嵌合穴29とによって構成される嵌合構
造を採用したが、嵌合穴29は必ずしも設けなくて良
い。
【0064】
【発明の効果】本発明に係るX線装置によれば、複数の
筐体部分の結合によって形成される筐体の内部で散乱す
るX線がそれらの筐体部分の結合部に到達したとき、そ
のX線はその結合部に沿って設けられた溝の内部へ入り
込むことになるので、筐体部分の結合部を通して外部へ
X線が漏洩することを防止できる。そして、溝は結合部
に沿って形成するだけで良いので、その加工が非常に簡
単である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るX線装置の一実施形態を分解状態
で示す斜視図である。
【図2】図1に示すX線装置の断面構造を示す断面図で
ある。
【図3】図2の主要部Kの近傍を拡大して示す断面図で
ある。
【図4】溝の改変例を示す断面図である。
【図5】溝の他の改変例を示す断面図である。
【図6】本発明に係るX線装置の他の実施形態を一部破
断して示す図である。
【図7】従来のX線装置の一例の主要部を示す断面図で
ある。
【図8】従来のX線装置の他の一例を示す断面図及び斜
視図である。
【符号の説明】
1 管球本体 2 管球フランジ(筐体部分) 3 X線管球 4 チューブシールド(筐体部分) 6 管球本体の先端部 7 管球本体の基部 8 X線通過窓 9a,9b ガラス壁 11 凹部 13 フィラメント(X線源) 16 ターゲット(X線源) 17 ベース 19 嵌合突起 28 スリット 29 嵌合穴 31 凹部空間 37 X線シャッタ 38A,38B,38C,38D,38E 溝 39a,39b 開口区画線 41a,41b 内縁線 42 ケーシング(筐体部分) 43 開口 44 蓋(筐体部分) 46 嵌合突起 47 フランジ部 K 結合部 N 斜め内部方向 F X線源

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線を発生するX線源を包囲する筐体を
    有し、該筐体は少なくとも2つの筐体部分を結合するこ
    とによって形成されるX線装置において、 互いに結合される前記筐体部分の一方又は双方に設けら
    れた溝を有し、 該溝は前記筐体部分の結合部に沿って、その結合部の内
    面側に設けられることを特徴とするX線装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記溝は断面方形状
    であることを特徴とするX線装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記溝は断面三角形
    状であることを特徴とするX線装置。
  4. 【請求項4】 請求項1において、前記溝は断面円形状
    であることを特徴とするX線装置。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4の少なくともいず
    れか1つにおいて、前記溝は対向する筐体部分に対して
    斜め方向に延びる断面形状を有することを特徴とするX
    線装置。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5の少なくともいず
    れか1つにおいて、前記溝の開口区画線はその溝に対向
    する筐体部分の内縁線を越えた位置に置かれることを特
    徴とするX線装置。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項6の少なくともいず
    れか1つにおいて、互いに結合する前記筐体部分の一方
    には嵌合穴が形成され、前記筐体部分の他方には前記嵌
    合穴に嵌合する嵌合突起が形成され、前記溝は前記嵌合
    突起の根元部分に設けられることを特徴とするX線装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項1から請求項7の少なくともいず
    れか1つにおいて、前記筐体部分の一方はX線管球を包
    囲すると共に該X線管球を挿入するための開口を備えた
    チューブシールドであり、前記筐体部分の他方は前記X
    線管球の端部を構成すると共に前記チューブシールドの
    開口を塞ぐ管球フランジであることを特徴とするX線装
    置。
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