JP2001217626A - アンテナ装置及びこれを用いた通信装置 - Google Patents

アンテナ装置及びこれを用いた通信装置

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JP2001217626A
JP2001217626A JP2000028345A JP2000028345A JP2001217626A JP 2001217626 A JP2001217626 A JP 2001217626A JP 2000028345 A JP2000028345 A JP 2000028345A JP 2000028345 A JP2000028345 A JP 2000028345A JP 2001217626 A JP2001217626 A JP 2001217626A
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Japan
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antenna
band
frequency
antenna device
linear
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Osami Kosugi
修身 小杉
Shinya Oba
信也 大庭
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Dai Ichi Denpa Kogyo Co Ltd
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Dai Ichi Denpa Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中波放送をも受信可能なVHF/UHFアン
テナを提供する。 【解決手段】 線状アンテナ素子(11)と、短波帯あいる
は超短波帯以上の第1の周波数で線状アンテナ素子(11)
と無線装置との整合を図るリアクタンス素子(12)と、中
波帯に属する第2の周波数で線状アンテナ素子(11)と無
線装置との整合を図るインダクタンス素子(15)と、線状
アンテナ素子に誘起した第1の周波数の高周波信号をリ
アクタンス素子(12)を経由して無線装置に導出する第1
の信号分岐手段(13)と、線状アンテナ素子(11)に誘起し
た第2の周波数の高周波信号をインダクタンス素子(15)
を経由して前記無線装置に導出する第2の信号分岐手段
(14)と、を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の周波数帯域
で使用することが出来るアンテナ装置に関し、特に、中
波放送の受信をも可能としたマルチバンドアンテナ装置
に関する。また、このアンテナ装置を用いた、受信機、
送信機及び送受信機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、FMラジオ放送、テレビ放送、ア
マチュア無線、航空無線、自動車電話、携帯電話等の複
数周波数帯域を受信可能とした広帯域受信機が提供され
ている。また、広帯域受信部とアマチュア無線周波数等
で使用される送信部とを組合わせた広帯域送受信機も提
供されている。
【0003】このような無線装置では、受信機(あるい
は受信部)に、例えば、広帯域動作可能なPLL(Phase
Locked Loop)回路等を使用した周波数シンセサイザチ
ューナが使用され、マイクロコンピュータと組合わされ
て、いわゆるワンタッチボタン選局が可能となってい
る。
【0004】このような、広帯域受信が可能な、受信機
や送受信機は、携帯に便利なように更に小型化されたも
のも提供されている。そのような小型化された無線装置
(移動局)では、一般に、ロッドアンテナやホイップア
ンテナ等の短い線状アンテナ素子を使用している。
【0005】ところで、最近、広帯域受信機や広帯域送
受信機の中には、中波(300kHz〜3MHz)AM
ラジオ放送(日本国では、530〜1630kHzの範
囲で行われている)をも更に受信可能とした広帯域受信
機も提供されるようになった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、各種ア
ンテナの選択やアンテナ切替の自由度が高い固定局とは
異なり、無線装置を携帯する移動局で主に使用される線
状アンテナ素子は、超短波(30MHz〜300MH
z、以下、「VHF」と称する。)帯や、極超短波(3
00MHz〜3GHz、以下、「UHF」と称する。)
帯用の、数cmから数10cmの短いアンテナである。
VHF帯域よりも低い周波数帯域である、短波(3MH
z〜30MHz、以下、「HF」と称する。)帯、中波
(300KHz〜3MHz、以下、「MF」と称す
る。)では、同調をとるために必要なアンテナ長が理論
的には100m以上にもなる。アンテナ長が短く制限さ
れた携帯型アンテナでは、相対的に低い周波数では整合
がとれず、所要のアンテナ利得が得られない。従って、
AM中波放送の受信が可能な広帯域受信機や広帯域送受
信機であっても、当該放送の強電界地域である場合など
を除いて、中波帯における受信感度が低く、(広帯域)
無線装置本体の「広帯域」特性が活かされていない。
【0007】図14は、この対策の一例を説明するもの
である。同図(a)においては、VHF受信用のロッド
(あるいはホイップ)アンテナ1が、広帯域受信可能な
受信部を備えた受信機2に接続されている。これ等アン
テナ1及び受信機2の相互間に、図14(b)に示すよ
うに、ガリウム砒素FET等を用いたプリアンプ部3を
設けている。いわゆる、アンテナ端に増幅器を設けたア
クティブアンテナ構成とすることによって、アンテナ1
に誘起する微弱な受信信号を増幅してチューナ供給し、
所望信号(中波帯信号)に対する受信感度の改善を図っ
ている。
【0008】しかしながら、アクティブアンテナ装置は
受信専用であり、プリアンプ部3が介在することによっ
て受信アンテナと送信アンテナとを兼用することが出来
ない。すなわち、広帯域受信機には使用可能であるが、
広帯域送受信機では、送信アンテナが別途に必要とな
る。また、プリアンプ部3のために電源や電池が必要で
ある。これ等は、小型化、低コスト、低消費電力等が要
求される携帯型の広帯域受信機、送受信機にとって不具
合である。
【0009】よって、本発明は、VHF帯あるいはUH
F帯の他に、AMラジオ放送のような、MF帯の高周波
信号をも高感度で送受信可能な、複数バンド送受信のア
ンテナ装置を提供することを目的とする。
【0010】また、本発明は、VHF帯、UHF帯受信
の多バンドアンテナを使用してMF帯を受信することを
可能としたアンテナ装置を提供することを目的とする。
【0011】また、本発明は、VHF帯、UHF帯、M
F帯を送受信可能とした小型アンテナを使用した受信
機、送信機、送受信機を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のアンテナ装置は、短波帯以上のある周波数
で略1/4波長となる電気長を有する線状アンテナ素子
と、上記短波帯以上の第1の周波数で上記線状アンテナ
素子と無線装置との整合を図るリアクタンス素子と、中
波帯に属する第2の周波数で上記線状アンテナ素子と前
記無線装置との整合を図るインダクタンス素子と、上記
線状アンテナ素子に誘起した上記第1の周波数の高周波
信号を上記リアクタンス素子を経由して上記無線装置に
導出する第1の信号分岐手段と、上記線状アンテナ素子
に誘起した上記第2の周波数の高周波信号を上記インダ
クタンス素子を経由して上記無線装置に導出する第2の
信号分岐手段と、を備える。
【0013】かかる構成とすることによって、VHF
帯、UHF帯、MF帯において使用することの出来る、
小型の、複数バンド共用単一アンテナを得ることが出来
る。これは、携帯型受信機、携帯型送信機、携帯型送受
信機に好都合である。
【0014】上記インダクタンス素子は、小型で高いイ
ンダクタ値を得るために、好ましくは、フェライト等の
強磁性体に導線を巻回して形成される。それにより、線
状アンテナ素子の電気長が等価的に長くなるように設定
され、MF帯においても信号波長と線状アンテナ素子と
の整合をとることが可能となる。また、インダクタンス
素子を強磁性体に巻回された少なくとも2つのコイルに
よって形成することによってインピーダンス変換をも同
時に行うことが出来る。
【0015】更に、強磁性体を環状に形成し、線状アン
テナ素子の基部に配置する。この環状磁性体が線状アン
テナ素子の延長線を一周するように、別言すると、強磁
性体の中空部を線状アンテナ素子の軸線が通過するよう
に配置する。それにより、電気回路をアンテナ基部にコ
ンパクトに実装することが可能となる。
【0016】上述した第1の信号分岐手段は、所定周波
数よりも高い周波数の信号を通過させるハイパスフィル
タや高域の所定周波数帯域の信号を通過させる高域バン
ドパスフィルタであり、第2の信号分岐手段は、所定周
波数よりも低い周波数の信号を通過させるローパスフィ
ルタや、低域の所定周波数帯域の信号を通過させる低域
バンドパスフィルタである。
【0017】第1及び第2の信号分岐手段を設けること
によって、VHF、UHF系と、MF系とが分けられ、
整合回路の設計が容易となる。また、信号通過ルートの
周波数帯域を制限することによってノイズが軽減され
る。
【0018】VHF帯の低域やHF帯で使用する場合に
は、線状アンテナ素子に短縮コイルを設け、アンテナ素
子の電気長を等価的に長くすることによって、所要アン
テナ長の増加を抑制することが可能となる。線状アンテ
ナ素子は、ロッドアンテナ又はホイップアンテナ構成と
することが出来る。
【0019】また、本発明のアンテナ装置は、超短波帯
又は極超短波帯のある周波数で略1/4波長となる電気
長を有する線状アンテナ素子と、上記超短波帯又は極超
短波帯の第1の周波数で上記線状アンテナ素子と無線装
置との整合を図るリアクタンス素子と、中波帯に属する
第2の周波数で上記線状アンテナ素子と上記無線装置と
の整合を図るインダクタンス素子と、を備え、上記イン
ダクタンス素子は上記線状アンテナ素子の基部に配置さ
れ、かつ水平成分及び/又は垂直成分を有する形状のフ
ェライトを含み、上記超短波帯又は極超短波帯における
送受信と中波放送の受信とを可能としている。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0021】(実施例1)本発明の第1の実施例を図1
乃至図4を参照して説明する。図1は、第1のアンテナ
装置の回路構成を示しており、図2は、アンテナ装置の
外観を示している。図3は、図2に示すアンテナ装置の
断面図である。図4は、このアンテナ装置の周波数特性
例を説明するグラフである。
【0022】図1において、図示しない送受信機の高周
波部から同軸ケーブル21がアンテナ装置1に接続され
る。アンテナ装置1は、線状アンテナ素子11と同軸ケ
ーブルの中心導体間に互いに直列に接続された、複数周
波数選択回路12及びハイパスフィルタ13を備える。
また、上述した、線状アンテナ素子11と同軸ケーブル
の中心導体間に、互いに直列に接続された高インダクタ
ンス回路15及びローパスフィルタ14を備えている。
同軸ケーブルの外部導体はアンテナ装置の接地系回路に
接続される。
【0023】ハイパスフィルタ13は、例えば、キャパ
シタC2によって構成される。ハイパスフィルタ13
は、線状アンテナ11及び複数周波数選択回路12に、
例えば、VHF帯及び/又はUHF帯の周波数信号を通
過させると共に、低域ノイズの混入を減少する。キャパ
シタC2に並列に接続された抵抗R1は、高インダクタ
ンス回路15の、いわゆる共振回路のQ(先鋭度)を低
下させて、アンテナ素子11と無線機器との整合周波数
域を広げ、MF帯の広帯域特性を向上させている。線状
アンテナ11は、例えば、後述のように、可撓性のある
導電性材料からなり、表面が絶縁被覆される。線状アン
テナ11は、VHF帯あるいはUHF帯の所定の周波数
信号f0に対してアンテナの電気長が約1/4波長とな
るように設定される。ここで、電気長は、電波の伝搬速
度/周波数と定義される。複数周波数選択回路12は、
少なくとも、キャパシタC1とインダクタL1とを含
む。キャパシタC1とインダクタL1とを含む並列回路
は共振周波数を有し、これよりも低い周波数において、
誘導性となり、高い周波数において容量性となる。キャ
パシタC1は、周波数信号f0よりも高い周波数fHにお
いて線状アンテナ11の電気長が短くなるように作用す
る短縮コンデンサとして機能する。また、インダクタl
1は、周波数信号f0よりも低い周波数fLにおいて線状
アンテナ11の実効長が長くなるように作用する延長コ
イルとして機能する。従って、キャパシタC1の値と、
インダクタl1の値とを適当に設定することによって、
アンテナ装置1が2つの周波数帯に同調する特性を得る
ことが出来る。例えば、アマチュア無線機器では、14
4MHz帯及び430MHz帯を選ぶことが出来る。線
状アンテナ素子11、複数周波数選択回路12、第1の
信号分岐手段としてのハイパスフィルタ13は、VHF
(あるいはUHF)帯域の信号を受信するVHF(ある
いはUHF)伝送回路を形成する。
【0024】次に、ローパスフィルタ14は、例えば、
インダクタL2によって構成され、MF帯及びこれ以下
の周波数の高周波信号を通過させると共に、高域ノイズ
の混入を減少する。高インダクタンス回路15は、フェ
ライト等の強磁性体からなるトロイダルコアTと、この
コアTに巻回されたコイルとを含んで構成され、小型で
高インダクタンス値を得ている。上記コイルは1個でも
良いが、この実施例では、該コイルを複数(2つ)のコ
イルで構成している。そして、一次コイルL3及び二次
コイルL4の巻数比は整合を考慮して設定される。それ
により、高インダクタンス値を得ると共に、トランス構
成によるインピーダンス変換によってアンテナ素子11
と無線機器との整合をより容易にしている。一次コイル
L3の一端は、ローパスフィルタ14に接続され、他端
は接地される。二次コイルL4の一端は、アンテナ素子
11の端部に接続され、他端は接地される。アンテナ素
子11に接続された高インダクタンス回路15は、高い
インダクタンス値を示し、アンテナ素子11の電気長を
長くする方向に作用する。従って、いわゆるアンテナの
短縮コイルとして機能し、線状アンテナ素子の中波帯域
における使用を可能とする。線状アンテナ素子11、高
インダクタンス回路15及びローパスフィルタ14はM
F帯域を受信するMF伝送回路を形成する。
【0025】この結果、VHF(あるいはUHF)伝送
回路によって、VHF(あるいはUHF)帯の複数の帯
域が送受信され、MF伝送回路によって中波帯が送受信
可能となる。なお、上述したVHF伝送回路あるいはU
HF伝送回路は、両帯域を伝送するVHF・UHF伝送
回路であっても良い。
【0026】図2及び図3は、上記回路構成を備えるア
ンテナ装置の実装例を示している。同軸ケーブル21の
中心導体は、図示しないBNC型コネクタの雌側に接続
され、該雌側コネクタのセンターピンと、BNC型コネ
クタ(雄側)110のセンターピン(金属導体)108
とが雌雄接続される。センターピン108は絶縁体10
9によってコネクタ110の軸心に保持される。センタ
ーピン108のアンテナ側端部には、円柱状のファイバ
ーロッド(絶縁体)107の一端部が同一軸心にて結合
される。ファイバーロッド107のほぼ中央部には接続
用金具106が取付けられ、その他端部には、アンテナ
素子11を嵌入し、接続するエレメント受け金具104
が取付けられる。ファイバーロッド107、アンテナ素
子11及びセンターピン108の各軸心は、同一直線
(アンテナの中心線(図示せず))上に存在している。
センターピン108及び接続用金具106間のファイバ
ーロッド107には、一端がセンターピン108に接続
されたコイルL2が巻回される。接続用金具106及び
受け金具104間には両金具間に接続されるコイルL1
が巻回される。また、コイルL2と接続用金具106間
には、中空部分をファイバーロッド107に挿通した環
状のトロイダルコアTが配置される。トロイダルコアT
には、コイルL3及びL4が巻回される。コイルL3の
一端はコイルL2の他端に接続され、コイルL3の他端
はコネクタの接地系に接続される。コイルL4の一端は
エレメント受け金具104に接続され、他端はコネクタ
の接地系に接続される。
【0027】センターピン108の端部と接続用金具1
06間には、抵抗R1及びキャパシタC2が接続され
る。接続用金具106及びエレメント受け金具104間
にはキャパシタC1が接続される。接続は、例えば、ハ
ンダ付を使用することができる。エレメント受け金具1
04には、直線状の可撓性導電材料103及び導電材料
103を被覆するパイプ状の絶縁樹脂102からなる線
状アンテナ素子11が嵌入され、導電材料103がエレ
メント受け金具104に接続される。このように、実装
されたMF、VHF(及び/又はUHF)伝送回路は、
絶縁性樹脂(例えば、ABS樹脂)による外筒104に
よって覆われる。アンテナのコネクタ部110からキャ
ップ101までの全長は、この例では、約235mmと
なっている。
【0028】この第1の実施例の実装例では、アンテナ
エレメント11の軸心軸と、トロイダルコアTの環状中
心とが同一になるように配置しているので、アンテナ装
置基部の外形を従来構成とほぼ同じ大きさ構成すること
が出来る。
【0029】図4は、第1の実施例のアンテナ装置の周
波数特性例を示している。同図において、横軸は周波数
(単位MHz、対数目盛)、縦軸は、反射係数K(=ア
ンテナからの反射波電力/アンテナへの供給電力、単位
dB)を表している。また、図中の三角印はデータの読
取り位置を示すマーカである。反射係数Kは値が低いほ
ど、アンテナからの放射が多いことになり、アンテナの
利得が高いことを意味する。
【0030】同図から判るように、VHF帯の145M
Hzで−14.4dB(その近傍では、−20dBを超
える)、435MHzで−21.6dBが得られてい
る。また、MF帯の1MHzにおいて−34.8dBが
得られている。ハンディアンテナでは、反射係数が−1
5dBを超えれば実用上充分な好特性と言える。これよ
り、VHF帯の送受信のみならず、MF帯の中波放送を
良好に受信できるアンテナ装置が得られていることが判
る。
【0031】図12は、比較対象として、VHF帯、U
HF帯用の1/4波長アンテナの端部にLC並列回路を
接続した2周波数共用単一アンテナ(実公平7−469
69号)の例を示している。また、図13は、同共用単
一アンテナを実施例と同条件に構成して測定した周波数
特性例を示している。比較例のVHF帯、UHF帯用ア
ンテナでは、1MHz帯で反射係数−0.1dBであ
り、中波放送の受信を行うことは出来ない。また、VH
F帯における反射係数も、145MHzにて−3.2d
B、435MHzにて−7.8dBに止まっている。本
願の実施例の構成によれば、比較例よりも大幅に改善さ
れることが判る。
【0032】(実施例2)図5乃至図8は、第2の実施
例を示している。同図において、図1乃至図4と対応す
る部分には同一符号を付し、かかる部分の説明は省略す
る。
【0033】第2の実施例では、VHF帯及びUHF帯
の、50MHz帯、144MHz帯、430MHz帯の
3バンドで送受信し、かつMF帯の受信をも可能として
いる。
【0034】この例では、50MHz帯の受信を可能と
するために短縮コイル部16を線状アンテナ素子11の
途中に追加し、アンテナのコネクタ部110からキャッ
プ101までの全長は約430mmとなっている。他の
構成は同様である。
【0035】短縮コイル部16は、ボビン122に巻回
されたコイル121、ボビン122の上部を固定すると
共に、コイル121の一端と上部アンテナ素子11bと
を接続するアンテナ上部金具123、上部金具123を
覆うカバー124、ボビン122の下部を固定すると共
に、コイル121の他端と下部アンテナ素子11aとを
接続するコイル下部金具125、上部アンテナ素子と下
部アンテナ素子とを結合自在とするジョイント金具12
7、コイル下部金具125とジョイント金具127とを
覆う下部カバー127等によって構成されている。
【0036】このような、より長いアンテナ素子11
と、短縮コイル部16を設けて線状アンテナの電気長を
長くし、50MHz帯の送受信を可能としている。ま
た、複数周波数選択回路12のリアクタンス素子のパラ
メータ値(キャパシタンス、インダクタンス)の適切な
選定によって、整合をとり、このより長いアンテナ素子
11に対して144MHz帯、430MHz帯の送受信
を可能としている。また、ローパスフィルタ14及び高
インダクタンス回路15によって、MF帯の送受信が可
能になされている。
【0037】図8は、第2の実施例の反射係数の周波数
特性例を示している。1MHzにおいて−25.8d
B、50MHzにおいて−5.7dB、145MHzに
おいて−10.6dB(その近傍では−14dBを超え
る)、435MHzにおいて−13.1dBが得られて
いる。VHF帯において3周波数帯域、また、MF帯に
おいても良好な特性を有する。従って、多バンドを受信
可能な広帯域受信機、広帯域送受信機に好適である。
【0038】このように、本発明の実施例によれば、多
数(複数)のアマチュア無線帯域の送受信と、中波帯の
送受信が可能な複合アンテナが得られる。アンテナ特性
のために、従来活用できなかった広帯域受信機(あるい
は送受信機)による中波放送の聴取を行えて具合がよ
い。
【0039】(実施例3)図9は、第3の実施例を示し
ている。同図において図1と対応する部分には同一符号
を付し、かかる部分の説明は省略する。
【0040】この実施例では、第1の実施例における高
インダクタンス回路15を、環状の磁路を有するトロイ
ダルコアTから、磁路が開放端とされたフェライトバー
FBに変えている。フェライトバーFBにコイルL3及
びコイルL4を巻回する構成としても高インダクタンス
が得られる。フェライトバーFBは、電磁波の磁界を良
好に電気信号に変換するので、中波放送に対するアンテ
ナとしても機能することが期待できる。フェライトバー
FBは、図示のような、「I」(縦置き)型の他、
「L」型や十字型であっても良く、そのようにした場合
には、電磁波の垂直偏波成分と水平偏波成分の両方を受
信できる。また、横置き(横長)として水平偏波成分を
取込むようにしても良い。
【0041】なお、図1、図5及び図9に示す回路構成
において、アンテナ装置に要求されるスペックに応じて
ハイパスフィルタ13及びローパスフィルタ14を省略
することは可能である。
【0042】(実施例4)図10は、第4の実施例を示
している。この実施例は、VHF帯又はUHF帯の1つ
の帯域と、MF帯域とを送受信出来るようにしている。
同図において、図9と対応する部分には、同一符号を付
している。
【0043】図10において、同軸ケーブル21の中心
導体は、既述ハイパスフィルタ13を介することなく、
整合素子(あるいはハイパスフィルタ)としてのキャパ
シタC1を介して線状アンテナ素子11に接続される。
また、同軸ケーブル21の中心導体は、既述ローパスフ
ィルタ14を介することなく、高インダクタンス回路1
5を介してアンテナ素子11に接続される。高インダク
タンス回路15は、フェライトバーFB、これに巻回さ
れるコイルL3及びL4によって構成される。線状アン
テナ素子11は、UHF帯又はVHF帯における送受信
信号の略1/4波長のアンテナであり、高インダクタン
ス回路15は、アンテナの電気長を等価的に長くし、M
F帯域の信号を受信可能とする。同時に、フェライトバ
ーFB自体が中波放送の放送電波を取込む。前述したよ
うに、フェライトバーFBは、垂直成分及び水平成分を
持つ、L型、十字型、コの字型、環状多角形等であって
もよい。また、フェライトは、X方向成分、Y方向成分
及びZ方向成分を持つ三次元形状に形成しても良い。各
方向成分に巻回したコイルを配置しても良い。
【0044】なお、図9及び図10において、高インダ
クタンス回路15は、フェライトバーFBに巻回される
単一のコイルによって構成しても良い。また、フェライ
トバーは、環状に形成したトロイダルコアとしても良
い。
【0045】図11は、図10に示すアンテナの周波数
特性例を示している。この例では、MF帯の1MHz、
UHF帯の900MHz近傍に最大受信感度を有してお
り、1MHzで−33.5dB、900MHzで−2
1.8dBが得られている。これは、携帯電話機の送受
信アンテナで中波ラジオの実用的な受信が可能であるこ
とを意味する。このアンテナと、(MF帯のチューナが
内蔵された)携帯電話機とを組合わせて使用すると、電
話機として使用しないときに携帯電話機を携帯ラジオと
して使用することが可能となって、具合がよい。
【0046】このように、本発明のアンテナを使用すれ
ば、1つの短いアンテナで複数周波数帯域を送受信でき
ると共に、該複数周波数帯域から離れた中波帯域での送
受信や中波ラジオ放送の受信を行うことが出来、携帯型
広帯域受信機、携帯型広帯域送受信機の性能を充分に発
揮することが可能となる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のアンテナ
装置によれば、小型のVHF帯あるいはUHF帯アンテ
ナを用いて中波放送をも実用的感度で受信することがで
きるので、携帯型の広帯域受信機あるいは広帯域送受信
機に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の中波帯を受信(あるいは送受
信)することが可能な、VHF、UHF用アンテナ装置
の、第1の実施例を説明するアンテナ回路図である。
【図2】図2は、図1に示すアンテナ装置の外観を示す
説明図である。
【図3】図3は、図2に示すアンテナ装置の、アンテナ
素子の軸方向における断面図である。
【図4】第1の実施例のアンテナ装置の、周波数特性例
を説明するグラフである。
【図5】図5は、本発明のアンテナ装置の、第2の実施
例を示すアンテナ回路図である。
【図6】第2の実施例のアンテナ装置の外観を示す説明
図である。
【図7】第2の実施例のアンテナ装置の、アンテナ素子
の軸方向における断面を示す断面図である。
【図8】第2の実施例の周波数特性例を示すグラフであ
る。
【図9】図9は、第3の実施例を示すアンテナ回路図で
ある。
【図10】図10は、第4の実施例を示すアンテナ回路
図である。
【図11】図11は、第4の実施例の周波数特性例を示
すグラフである。
【図12】2バンドアンテナの例を示す説明図である。
【図13】図12に示す2バンドアンテナの周波数特性
例を示すグラフである。
【図14】図14(a)は、VHF、UHF帯で使用さ
れる送受信機の例を示す斜視図である。同図(b)は、
アクティブアンテナを使用した送受信機の例を示す斜視
図である。
【符号の説明】
11 線状アンテナ素子 12 周波数選択回路 13 ハイパスフィルタ 14 ローパスフィルタ 15 高インダクタンス回路 C1、C2 キャパシタ L1、L2、L3、L4 コイル T トロイダルコア FB フェライトバー

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】短波帯以上のある周波数で略1/4波長と
    なる電気長を有する線状アンテナ素子と、 前記短波帯以上の第1の周波数で前記線状アンテナ素子
    と無線装置との整合を図るリアクタンス素子と、 中波帯に属する第2の周波数で前記線状アンテナ素子と
    前記無線装置との整合を図るインダクタンス素子と、 前記線状アンテナ素子に誘起した前記第1の周波数の高
    周波信号を前記リアクタンス素子を経由して前記無線装
    置に導出する第1の信号分岐手段と、 前記線状アンテナ素子に誘起した前記第2の周波数の高
    周波信号を前記インダクタンス素子を経由して前記無線
    装置に導出する第2の信号分岐手段と、 を備えるアンテナ装置。
  2. 【請求項2】前記インダクタンス素子は強磁性体に導線
    を巻回して形成される、請求項1記載のアンテナ装置。
  3. 【請求項3】前記インダクタンス素子は、強磁性体に巻
    回された少なくとも2つのコイルを有して高インダクタ
    ンス値を呈し、両コイルはインピーダンス変換回路を形
    成する、請求項1記載のアンテナ装置。
  4. 【請求項4】前記強磁性体は環状に形成され、 この環状磁性体は前記線状アンテナ素子の基部に配置さ
    れ、かつ、該環状磁性体が前記線状アンテナ素子の延長
    線を一周するように配置される、請求項2又は3記載の
    アンテナ装置。
  5. 【請求項5】前記強磁性体は、垂直成分及び/又は水平
    成分を持つように形成された棒状体であり、バーアンテ
    ナとしても機能する、請求項2又は3記載のアンテナ装
    置。
  6. 【請求項6】前記強磁性体は、フェライトである、請求
    項2乃至5のいずれかに記載のアンテナ装置。
  7. 【請求項7】前記第1の信号分岐手段はハイパスフィル
    タ又は高周波数域で使用されるバンドパスフィルタであ
    り、前記第2の信号分岐手段はローパスフィルタ又は低
    周波数域で使用されるバンドパスフィルタである、請求
    項1乃至6のいずれかに記載のアンテナ装置。
  8. 【請求項8】前記線状アンテナ素子に短縮コイルが設け
    られる、請求項1乃至7のいずれかに記載のアンテナ装
    置。
  9. 【請求項9】前記線状アンテナ素子は、ロッドアンテナ
    又はホイップアンテナである、請求項1乃至8のいずれ
    かに記載のアンテナ装置。
  10. 【請求項10】超短波帯及び/又は極超短波帯における
    複数の周波数帯域と中波帯の送信又は受信に使用される
    請求項1乃至9のいずれかに記載のアンテナ装置。
  11. 【請求項11】前記ハイパスフィルタ又は前記高周波数
    域で使用されるバンドパスフィルタは短波帯又は超短波
    帯以上の信号を通過し、 前記ローパスフィルタ又は前記低周波数域で使用される
    バンドパスフィルタは短波帯未満の信号を通過する、請
    求項7に記載のアンテナ装置。
  12. 【請求項12】超短波帯又は極超短波帯のある周波数で
    略1/4波長となる電気長を有する線状アンテナ素子
    と、 前記超短波帯又は極超短波帯の第1の周波数で前記線状
    アンテナ素子と無線装置との整合を図るリアクタンス素
    子と、 中波帯に属する第2の周波数で前記線状アンテナ素子と
    前記無線装置との整合を図るインダクタンス素子と、を
    備え、 前記インダクタンス素子は前記線状アンテナ素子の基部
    に配置され、かつ水平成分及び/又は垂直成分を有する
    形状のフェライトを含み、 前記超短波帯又は極超短波帯における送受信と中波放送
    の受信とを可能とした、アンテナ装置。
  13. 【請求項13】請求項1乃至12のいずれかに記載のア
    ンテナ装置を使用する受信機。
  14. 【請求項14】請求項1乃至12のいずれかに記載のア
    ンテナ装置を使用する送信機。
  15. 【請求項15】請求項1乃至12のいずれかに記載のア
    ンテナ装置を使用する送受信機。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010226579A (ja) * 2009-03-25 2010-10-07 Nec Anten Corp 多周波受信システム
KR101261459B1 (ko) * 2011-09-29 2013-05-10 주식회사 이엠따블유 안테나 성능 보조 기구 및 이를 구비한 외장형 안테나
KR101284638B1 (ko) * 2011-09-29 2013-07-10 주식회사 이엠따블유 외장형 안테나
JPWO2012153691A1 (ja) * 2011-05-09 2014-07-31 株式会社村田製作所 インピーダンス変換回路および通信端末装置
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