JP2001215971A - 楽音信号発生装置及び楽音信号発生方法 - Google Patents

楽音信号発生装置及び楽音信号発生方法

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JP2001215971A JP2000024003A JP2000024003A JP2001215971A JP 2001215971 A JP2001215971 A JP 2001215971A JP 2000024003 A JP2000024003 A JP 2000024003A JP 2000024003 A JP2000024003 A JP 2000024003A JP 2001215971 A JP2001215971 A JP 2001215971A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 波形メモリ読出し方式を採用した楽音信号形
成において、豊かな表情及び表現力を有する変調効果の
付与された楽音信号を発生する。 【解決手段】 バイオリンをトレモロ奏法で演奏した楽
音等を分析して、同楽音の振幅変化を表すデータを取出
す。このデータに基づいて、前記楽音のサステイン部に
おける急激な振幅変化の立ち上がり部に対応させて擬似
的なノートオンデータを作成する。少なくともアタック
部を含む複数周期分の波形データを波形メモリから読出
して楽音信号を形成する際に、一つの楽音信号の発生中
に前記作成した擬似的なノートオンデータに基づき、波
形メモリに記憶されている楽音波形データの読出しをそ
の開始アドレスから繰り返し開始させる。また、同読出
した波形データを前記取出した振幅変化を表すデータで
振幅変調する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、波形メモリに記憶
されている複数周期分の楽音波形を表す波形データを読
み出して、楽音信号として発生する楽音信号発生装置及
び楽音信号発生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の装置は、複数周期分の楽
音波形を表す波形データをアタック部及びループ部に分
けて記憶しておき、楽音信号の発生開始の指示を含む演
奏情報の入力に応答してアタック部の波形データを読出
し、その後、ループ部の波形データを繰り返し読み出
し、前記読出した波形データに振幅エンベロープを付与
して楽音信号として出力するようにしていた。そして、
発生される楽音信号にビブラート、音色変調、トレモロ
などの変調効果を付与する場合には、音源回路内部に設
けた低周波発振器からの低周波数信号を変調信号として
用い、波形データの読出しレート、読出した波形データ
の周波数特性、振幅特性などを前記変調信号で変調する
ようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の楽
音信号発生装置においては、楽音信号のピッチ、音色、
振幅なとが変更制御されるものの、波形メモリから読出
される波形自体の変化はないので、自然楽器においてト
レモロ、ビブラートなどの効果が付与された楽音の波形
に比べると変化に乏しく、発生される楽音信号が単調で
あるとともに同楽音信号の表情が乏しいものであった。
特に、バイオリン等の弦楽器でトレモロ演奏された場合
の楽音波形と前記低周波変調によるトレモロ効果の付与
された楽音波形との間には大きな隔たりがあった。
【0004】
【発明の概要】本発明は、上記問題に対処するためにな
されたもので、その目的は、豊かな表情及び演奏表現力
を有する変調効果の付与された楽音信号を発生させるこ
とが可能な楽音信号発生装置及び楽音信号発生方法を提
供することにある。
【0005】前記目的を達成するために、本発明の構成
上の特徴は、少なくともアタック部を含む複数周期分の
楽音波形を表す楽音波形データを記憶した波形メモリ
と、楽音信号の発生開始の指示を含む演奏情報を入力し
同楽音信号の発生開始の指示に応答して波形メモリに記
憶されている楽音波形データの読出しをその開始アドレ
スから開始する波形データ読出し手段とを備え、前記読
出した楽音波形データに基づいてアタックからリリース
までの一つの楽音信号を発生する楽音信号発生装置にお
いて、前記一つの楽音信号の発生中に波形メモリに記憶
されている楽音波形データの読出しをその開始アドレス
から新たに開始させるための複数回の読出し開始指示を
時間経過にしたがって波形データ読出し手段に出力して
同楽音波形データの新たな読出し開始を制御する読出し
開始制御手段を設けたことにある。
【0006】前記のように構成した本発明の特徴によれ
ば、波形データ読出し手段が、一つの楽音信号に関する
波形データを波形メモリから読出しているとき、読出し
開始制御手段により、楽音波形データの読出しを新たに
開始させるための時間経過にしたがった複数回の読出し
開始が波形データ読出し手段に対して指示されるので、
波形データ読出し手段は、一つの楽音信号の発生中に波
形メモリに記憶されている波形データの読出しをその開
始アドレスから新たに繰り返し開始することになる。し
たがって、一つの楽音信号の発生中にアタック部の波形
データが繰り返し読出されることになり、このアタック
部の波形データは変化に富んだ複雑なものであるので、
発生される楽音信号が豊かな表情及び表現力をもったも
のになる。
【0007】また、本発明の他の構成上の特徴は、前記
発生される楽音信号のピッチ、音色及び振幅のうちの少
なくとも一つの楽音要素を変更可能な楽音要素制御手段
と、時間経過にしたがって変化する変調信号を楽音要素
制御手段に出力して前記少なくとも一つの楽音要素を時
間変化させる変調信号発生手段とを設け、変調信号発生
手段から出力される変調信号と読出し開始制御手段から
出力される読出し開始指示とを時間的に関連させたこと
にある。
【0008】これによれば、前記アタック部の繰り返し
読出しに加えて、楽音信号のピッチ、音色及び振幅のう
ちの少なくとも一つの楽音要素が前記繰り返し読出しと
時間的に関連付けられて変更されるので、発生される楽
音信号がさらに豊かな表情及び表現力をもったものにな
る。
【0009】また、本発明の他の構成上の特徴は、一つ
の楽音信号の発生中に波形メモリに記憶されている楽音
波形データの読出しをその開始アドレスから新たに繰り
返して開始させるための読出し開始制御データを記憶し
た読出し開始制御データ記憶手段と、前記入力した演奏
情報に応答し前記読出し開始制御データ記憶手段に記憶
されている読出し開始制御データに応じて波形データ読
出し手段による楽音波形データの読出しを新たに開始さ
せる読出し開始制御手段とを設けたことにある。この場
合、前記読出開始制御データは、前記楽音波形データの
繰り返し読出しの開始タイミングを規定するものであ
る。
【0010】前記のように構成した本発明の他の構成上
の特徴によれば、読出し開始制御データ記憶手段に読出
し開始制御データを記憶させておくだけで、同読出し開
始制御データにしたがった繰り返し読出しが実現される
ので、周期性のないランダムな読出し開始など、複雑な
繰り返し読出し開始タイミングを簡単に指定することが
できるようになる。例えば、楽器音信号を分析して作成
した読出し開始制御データを読出し開始制御データ記憶
手段に記憶させておくようにすれば、より自然感のあふ
れた楽音信号の発生が可能となる。
【0011】また、本発明の他の構成上の特徴は、楽音
信号の振幅特性の時間変化を表す振幅制御データを記憶
した振幅制御データ記憶手段と、前記振幅制御データに
より表された楽音信号の振幅特性の時間変化に対応した
タイミングで一つの楽音信号の発生中に波形メモリに記
憶されている楽音波形データの読出しをその開始アドレ
スから新たに繰り返して開始させるための読出し開始制
御データを記憶した読出し開始制御データ記憶手段と、
前記入力した演奏情報に応答し、振幅制御データ記憶手
段に記憶されている振幅制御データに応じて振幅特性制
御手段による楽音波形データの振幅特性を変更制御する
とともに、読出し開始制御データ記憶手段に記憶されて
いる読出し開始制御データに応じて波形データ読出し手
段による楽音波形データの読出しを新たに開始させる楽
音波形データ制御手段とを設けたことにある。
【0012】前記のように構成した本発明の他の構成上
の特徴によれば、前記波形データの新たな繰り返し読出
しに加えて、同読出された楽音波形データの振幅が振幅
制御データ記憶手段に記憶されている振幅制御データに
応じて変更制御されるので、発生される楽音信号の複雑
な振幅変化も簡単に実現できる。しかも、振幅特性の変
化と波形データの新たな繰り返し読出しタイミングとは
時間的に関係づけられているので、より豊かな表情及び
表現力をもつ楽音信号が発生されるようになる。
【0013】また、この場合も、振幅制御データ記憶手
段に記憶されている振幅制御データ及び読出し開始制御
データ記憶手段に記憶されている読出し開始制御データ
は、楽器音信号を分析して作成されたもので構成するよ
うにしてもよい。これによれば、バイオリンのトレモロ
演奏などの楽器音を採取して、振幅制御データ及び読出
し開始制御データを作成することもできるので、自然楽
器と同様なトレモロ効果を付与できるようになる。
【0014】また、本発明の他の構成上の特徴は、少な
くともアタック部を含む複数周期分の楽音波形を表す楽
音波形データを記憶した波形メモリから読出した楽音波
形データに基づいてアタックからリリースまでの一つの
楽音信号を発生する楽音信号発生方法において、前記一
つの楽音信号の発生中に波形メモリに記憶されている楽
音波形データの読出しをその開始アドレスから新たに繰
り返して開始するようにしたことにある。
【0015】これによっても、一つの楽音信号の発生中
にアタック部の波形データが繰り返し読出されるので、
発生される楽音信号が豊かな表情及び表現力をもったも
のになる。
【0016】また、本発明の他の構成上の特徴は、前記
楽音信号発生方法において、前記発生される楽音信号の
ピッチ、音色及び振幅のうちの少なくとも一つの楽音要
素を前記新たな繰り返し読出しタイミングと時間的に関
連させて変調するようにしたことにある。
【0017】これによっても、楽音信号のピッチ、音色
及び振幅のうちの少なくとも一つの楽音要素が前記繰り
返し読出しと時間的に関連付けられて変調されるので、
発生される楽音信号がさらに豊かな表情及び表現力をも
ったものになる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて説明すると、図1は、同実施形態に係る楽音
信号発生装置をブロック図により示している。
【0019】この楽音信号発生装置は、バス10に接続
されて、コンピュータ本体部を構成するCPU11、R
OM12及びRAM13を備えている。CPU11は、
ROM12に記憶されているプログラム、及び必要に応
じてハードディスク14又はCD、MOなどの外部記録
装置15に記録されていて使用時にRAM13に転送さ
れるプログラムを実行することにより、外部から入力し
た楽器音を分析して発生される楽音信号のピッチ、音
色、振幅などの楽音特性をそれぞれ制御するための楽音
修飾データからなるテンプレートを作成したり、演奏情
報に基づいて発生される楽音信号のピッチ、音色、振幅
などの楽音特性を前記テンプレートで変更制御したりす
る。
【0020】ハードディスク14及び外部記録装置15
は前記及び後述する各種データを記録したもので、ハー
ドディスク14は、バス10に接続されたドライブ装置
14aに組み込まれている。外部記録装置15は、バス
10に接続されたドライブ装置15aに選択的に組み付
けられる。
【0021】バス10には、取り込み回路21、MID
I(Musical Instrument Digital Interface)インター
フェース22、キー入力装置23及び表示器24も接続
されている。取り込み回路21は、A/D変換器21a
を内蔵しており、CPU11の指示により、外部信号入
力端子26に供給されるアナログ信号を所定のサンプリ
ングレートでディジタル波形データに変換する。この変
換された波形データは、適宜RAM13、ハードディス
ク14、外部記録装置15などに書き込まれる。
【0022】MIDIインターフェース22は、鍵盤な
どの演奏装置、他の楽器、パーソナルコンピュータ、自
動演奏装置(シーケンサ)などの他の楽音発生制御装置
に接続されて、同他の楽音発生制御装置からの演奏情報
を入力する。演奏情報は、ノートオン情報(押された鍵
の音高を表すキーコードKC、鍵タッチ強さを表すベロ
シティー情報及びキーオンを表すキーオン情報などから
なる)、ノートオフ情報(離された鍵の音高を表すキー
コードKC及びキーオフ情報などからなる)、音色を選
択するための音色選択情報、楽音に付与すべき効果を表
す効果情報などからなる時系列データによって構成され
る。キー入力装置23は、キーボード、マウスなどから
なり、表示器24の表示に従って又は単独に、CPU1
1に対して各種の指示を行ったり、各種データを直接入
力するものである。表示器24は、CPU11の指示に
従って、文字、図形を表示する。
【0023】また、バス10には、波形メモリタイプの
音源回路100も接続されている。音源回路100は、
図2に示すように、バス10に接続されたインターフェ
ース回路101を備えるとともに、同インターフェース
回路101に接続されて楽音信号を形成するための波形
メモリ102、アドレス発生部103、サンプル間補間
部104、フィルタ部105、振幅制御部106、混合
及び効果付与部107、並びにD/A変換器108を備
えている。
【0024】波形メモリ102は、複数の異なる音色の
楽音波形に関する波形データをそれぞれ複数周期からな
るアタック部、サステイン部(ループ部)及びリリース
部に分けて記憶している。アドレス発生部103は、イ
ンターフェース回路101から演奏情報を入力して、同
演奏情報中の音色選択情報に応じて波形メモリ102内
の一つの楽音波形データを指定するための波形選択アド
レス信号と、同演奏情報中のノートオン情報に含まれる
キーコードKCに対応したレートで変化して前記指定さ
れた楽音波形データ内の各サンプル値を指定するサンプ
ル値読出しアドレス信号とを波形メモリ102に対して
出力する。このサンプル値読出しアドレス信号は、前記
キーコードKC(ノートナンバ)に対応して発生楽音の
音高周波数に比例した周波数ナンバを累算することによ
り形成される。
【0025】また、このアドレス発生部103は、前記
サンプル値読出しアドレス信号の少数部に相当して波形
メモリ102から読出したサンプル値の補間のために利
用される補間用信号をサンプル間補間部104に対して
出力する。サンプル間補間部104は、波形メモリ10
2及びアドレス発生部103に接続されて、波形メモリ
102から読出したサンプル値を補間用信号により補間
してフィルタ部105に出力する。なお、本実施形態の
説明では、簡単のために、一つの音色情報に対して一つ
の楽音波形データのみを用意されているものとして説明
するが、楽音波形データは、通常、異なる音域、異なる
タッチ強さなど毎にもそれぞれ独立して設けられている
ものである。この場合、音域、タッチ強さに応じて前記
波形選択アドレス信号を形成する。
【0026】フィルタ部105は、サンプル間補間部1
04によって補間形成されたサンプル値からなる楽音波
形データに適宜の周波数特性を付与して振幅制御部10
6に出力する。振幅制御部106は、フィルタ部105
からの楽音波形データに振幅エンベロープを付与して出
力する。なお、これらのフィルタ部105及び振幅制御
部106も、インターフェース回路101から演奏情報
を入力するようになっており、同演奏情報、特にノート
オン情報及びノートオフ情報に応じて、形成される楽音
信号の音色及び音量を制御するようになっている。ま
た、前記アドレス発生部103、サンプル間補間部10
4、フィルタ部105及び振幅制御部106は、複数の
楽音信号発生チャンネルにそれぞれ対応した時分割動作
をして、各楽音信号発生チャンネル毎に楽音波形データ
を時分割で演算するとともに出力する。
【0027】混合及び効果付与部107は、複数の楽音
信号発生チャンネル分の楽音波形データを累算するとと
もに、同累算された楽音波形データにコーラス、残響な
どの効果を付与してD/A変換器108に出力する。D
/A変換器108は、供給されたディジタル形式の楽音
波形データをアナログ形式の楽音信号に変換して出力す
る。このD/A変換器108は、アンプ、スピーカなど
からなるサウンドシステム120に接続されており、同
サウンドシステム120は前記アナログ形式に変換され
た楽音信号を楽音として出力する。
【0028】また、音源回路100は、インターフェー
ス回路101に接続されたテンプレート読出し部11
0、ノートオン制御信号発生部111、ピッチ制御デー
タ発生部112、音色制御データ発生部113及び振幅
制御データ発生部114を備えている。
【0029】テンプレー卜読出し部110は、インター
フェース回路101から供給されるテンプレート選択デ
ータTSDに応じ、予め記憶されていて時間軸上で複数に
分割されているノートオンテンプレート、ピッチテンプ
レート、音色テンプレート及び振幅テンプレートを、詳
しくは後述するハードディスク14又は外部記憶装置1
5内に設けたテンプレート記憶エリア37からそれぞれ
続み出して、各テンプレートをノートオン制御信号発生
部111、ピッチ制御データ発生部112、音色制御デ
ータ発生部113及び振幅制御データ発生部114にそ
れぞれ供給する。
【0030】ノートオン制御信号発生部111は、一つ
の楽音信号の発生中に波形メモリ102に記憶されてい
る楽音波形データの読出しをその開始アドレスから新た
に繰り返し開始させるもので、テンプレート読出し部1
10からノートオンテンプレートを入力するとともに、
インターフェース回路101を介して演奏情報(特にノ
ートオン及びノートオフ情報)及びテンプレート制御デ
ータTCDを入力するようになっている。このノートオ
ン制御信号発生部111は、ノートオンテンプレートに
基づいてノートオン期間に渡って波形メモリ102に記
憶されている楽音波形データの読出しをその開始アドレ
スから繰り返し開始させるための制御信号(以下、擬似
ノートオン信号という)を形成するとともに、前記テン
プレート制御データTCDにより前記擬似ノートオン信
号を加工して、前記演奏情報(特にノートオン及びノー
トオフ情報)により規定されるタイミングでアドレス発
生部103に出力する。
【0031】ピッチ制御データ発生部112は、インタ
ーフェース回路101を介した演奏情報(特にノートオ
ン及びノートオフ情報)に基づいて、前記供給されて時
間軸上で分割された複数のピッチテンプレートを順に接
続するとともに、インターフェース回路101から供給
されるテンプレート制御データTCDにより前記接続し
たピッチテンプレートを加工してアドレス発生部103
に供給し、同発生部103から出力されるサンプル値読
出しアドレス信号を変更制御する。このアドレス信号の
変更制御は、具体的には、アドレス信号発生部103に
て前記周波数ナンバの累算によって得られたアドレス信
号を、前記加工されたピッチテンプレートにしたがって
時変動する変動波形データで変調することを意味し、そ
の結果、発生楽音のピッチがピッチテンプレートに応じ
て時変動することになる。
【0032】音色制御データ発生部113は、インター
フェース回路101を介した演奏情報(特にノートオン
及びノートオフ情報)に基づいて、前記供給されて時間
軸上で分割された複数の音色テンプレートを順に接続す
るとともに、インターフェース回路101から供給され
るテンプレート制御データTCDにより前記接続した音
色テンプレートを加工してフィルタ部105に供給し、
同フィルタ部105におけるカットオフ周波数、レゾナ
ンスなどの周波数特性(楽音信号の音色特性)を変更制
御する。この周波数特性の変更制御においては、前記加
工された音色テンプレートにしたがって時変動する変動
波形データにより、フィルタ部105内に設けた図示し
ないフィルタ係数メモリが参照され、同メモリから読出
したフィルタ係数にしたがってフィルタ部105内の楽
音波形データに対するフィルタリング処理を制御する。
【0033】振幅制御データ発生部114は、インター
フェース回路101を介した演奏情報(特にノートオン
及びノートオフ情報)に基づいて、前記供給されて時間
軸上で分割された複数の振幅テンプレートを順に接続す
るとともに、インターフェース回路101から供給され
るテンプレート制御データTCDにより前記接続した振
幅テンプレートを加工して振幅制御部106に供給し、
同振幅制御部106にて楽音波形データに付与される振
幅エンベロープを変更制御する。この振幅エンベロープ
の変更制御においては、前記加工された振幅テンプレー
トにしたがって時変動する変動波形データを振幅エンベ
ロープ波形データとして振幅制御部106に供給するこ
とにより、楽音波形データを前記変動波形データにした
がって振幅変調する。
【0034】これらのノートオン、ピッチ、音色及び振
幅テンプレートは、楽音のピッチ、振幅及び音色の各楽
音特性の時間変化を表す楽音修飾データであるととも
に、一つの楽音の発生開始から終了までの楽音修飾デー
タを時間軸上で分割した複数のパーツすなわちアタック
パーツ、サステインパーツ及びリリースパーツをそれぞ
れを指すもので、詳しくは後述する。また、テンプレー
ト選択データTSDは、ピッチ、音色及び振幅に対し
て、時間軸上で分割された複数のパーツに対応した複数
のテンプレートを選択するためのデータであり、詳しく
は後述する。テンプレート制御データTCDは、前記テ
ンプレートに修飾を加えるためのデータであり、詳しく
は後述する。
【0035】次に、上記のように構成した楽音信号発生
装置を用いて、(a)テンプレート作成モード、(b)楽音
発生モードの順にそれぞれ説明する。なお、これらの各
モードは、ユーザによるキー入力装置23の単独又は表
示器24の指示に従った操作によりそれぞれ設定され
る。
【0036】a.テンプレート作成モード 図3は、このテンプレート作成モード時における図1の
楽音信号発生装置の動作を機能ブロック図により示して
いる。まず、このモードにおいては、マイク30を外部
信号入力端子26に接続し、同マイク30を介して外部
音(例えば、自然楽器音)が取り込み回路21に入力さ
れる。なお、マイク30に代えて、予め外部音を記録し
たミニディスク、ハードディスク、テープレコーダなど
の記録装置を外部信号入力端子26に接続して、取り込
み回路21に外部音信号を入力するようにしてもよい。
【0037】外部音信号は、所定のサンプリングレート
でサンプリングされるとともにA/D変換器21aによ
りA/D変換され、録音制御手段31によって波形デー
タ記憶エリア32に記憶される。この場合、A/D変換
器21aは取り込み回路21内に設けられたものであ
り、録音制御手段31は、キー入力装置23を用いた指
示に応答するとともにドライブ装置14a(又はドライ
ブ装置15a)及び取り込み回路21と協働したCPU
11による図示しないプログラム処理によって実現され
るものである。波形データ記憶エリア32は、ハードデ
ィスク14又は外部記録装置15内に設けられていて外
部音信号のサンプリングデータを記憶するための領域で
ある。
【0038】この場合、種々の自然楽器を種々の態様で
演奏して、同演奏音に関する波形データを波形データ記
憶エリア32に蓄積記録する。例えば、トランペットを
強く吹いた音、中程度の強さで吹いた音、弱く吹いた
音、スタカートで吹いた音、スラーで吹いた音、速い立
ち上がりで吹いた音、ゆっくした立ち上がりで吹いた
音、バイオリンをトレモロ、スタカート、スラー、ピチ
カートなどの奏法で演奏した音、強く弾いた音、弱く弾
いた音、早い立上がりで弾いた音などに関する波形デー
タを記録する。
【0039】前記波形データの記録後、キー入力装置2
3の操作に応答して、CPU11は図示しないプログラ
ム処理により、前記記録した波形データを分析する。こ
の分析処理は図3において分析手段33として機能ブロ
ック図により示されており、同分析手段33は、記録さ
れた各波形データをそれぞれ分析して、ピッチ、振幅、
スペクトル(音色)等の楽音特性の時間変化を抽出す
る。なお、各時間変化は、例えば各楽音特性の瞬時値を
表す特性値データと、同瞬時値の連続する時間をMID
I規格における最小時間分解能のステップ数で表した時
間データとからなる、すなわちイベントデータとデュレ
ーションデータとからなるMIDIシーケンスデータに
変換される。
【0040】ピッチの時間変化には、楽音のアタック部
やリリース部における周波数のゆれ、ビブラート、ピッ
チベンド、スラーによるピッチ変化等が含まれており、
この時間変化は、例えばMIDI規格のピッチベンドの
シーケンスとして表現される。振幅の時間変化には、楽
音のアタック部からリリースにかけての振幅エンベロー
プの変化、トレモロ、アクセント、スラーによる振幅変
化等が含まれており、この時間変化は、例えばMIDI
規格のボリューム又はエクスプレッションのシーケンス
として表現される。
【0041】スペクトル(音色)の時間変化は、楽音の
アタック部からリリース部におけるスペクトル特性の変
化である。スペクトル特性には様々な要素があるが、そ
の一つの具体例がブライトネスデータである。ブライト
ネスデータは、録音された波形の基音と各倍音の振幅比
を示し、MIDI規格のブライトネスのシーケンスとし
て表現される。それ以外の例としては、フォルマントの
形状を示すデータ、カットオフ周波数、スペクトルの広
がりの時間変化を示すデータ等が考えられる。MIDI
規格のブライトネスデータの代わりにフィルタカットオ
フ周波数やレゾナンス等の時間変化を表すシーケンスデ
ータで表してもよい。
【0042】図4は、左から順にトランペットを強く吹
いた音、中程度の強さで吹いた音及び弱く吹いた音の別
にトランペット音のピッチ、振幅(音量)及びスペクト
ル(音色)の時間変化をそれぞれ示す分析データ値を示
している。図5は、前記トランペットを強く吹いた音に
関する各分析データ値を拡大して示している。
【0043】次に、キー入力装置23の操作に応答し
て、CPU11は図示しないプログラム処理により、楽
音の発生開始から終了に至るピッチ、振幅及びスペクト
ル(音色)の各分析データを時間軸上にて複数のパーツ
すなわちアタック、サステイン及びリリースパーツなど
に分割することにより各分析データを分解し、同分解さ
れた各分析データを規格化するとともに、ノートオンパ
ターンを抽出して、前記分割された単位毎に同規格化し
たピッチ、振幅及びスペクトル(音色)に関する各分析
データ、並びにノートオンパターンデータを一組にする
とともに索引を付与したパーツデータセット(各パーツ
毎のデータをテンプレートという)を作成してテンプレ
ート記憶エリア37に記録しておく。図3においては、
前記パーツデータセットを作成する機能をテンプレート
作成手段34として示すとともに、索引用の補助データ
を生成する機能を補助データ生成手段35として示して
いる。また、パーツデータセットを書き込む機能を有す
る書き込み手段36はドライブ装置14a(又はドライ
ブ装置15a)及び書き込みのためのプログラム処理に
対応し、テンプレート記憶エリア37は、ハードディス
ク14又は外部記録装置15内にテンプレートを記憶す
るために設けた領域である。
【0044】まず、分解処理について説明すると、ピッ
チ、振幅、スペクトル(音色)などの楽音特性の時間変
化を、時間軸方向でアタック部、サステイン部、リリー
ス部、接続部等に分解する。この場合、表示器24は、
図5に示すように、ピッチ、振幅及びスペクトル(音
色)の時間変化を表示し、ユーザは、マウスを含むキー
入力装置23を用いてピッチ、振幅及びスペクトル(音
色)の時間軸上の共通のポイントを指定することによ
り、ピッチ、振幅及びスペクトル(音色)を共通の時間
軸を有する複数のパーツ(アタック部、サステイン部、
リリース部など)に分割する。この場合、ピッチ、振幅
及びスペクトル(音色)の各時間変化のうち少なくとも
2つの時間変化に基づいて、前記時間変化の仕方が変化
するポイントを捜すことにより分割点を決定するとよ
い。具体的には、例えば定常的でない部分(アタック
部、リリース等)と定常的な部分(サステイン部等)の
境目、特性の変化(スラー、ビブラート等)の変化前、
変化中及び変化後の各境目などを分割点として指定する
とよい。
【0045】なお、前記のようにユーザによる手動操作
を混じえて分解処理を行ってもよいが、プログラム処理
により自動的に分解処理を行うようにしてもよい。この
場合、前記のような分割点の判定基準をプログラミング
しておき、プログラムの実行時に分割点を判定して複数
のパーツを作成するようにすればよい。
【0046】次に、規格化処理について説明する。前記
分析された各楽器音に関する各楽音特性(ピッチ、振幅
及びスペクトル(音色))に対して、前記分解された各
パーツ(アタック部、サステイン部及びリリース部)毎
の分析データをそれぞれ規格化する。なお、本明細書で
いう規格化とは、各楽音特性(ピッチ、振幅及びスペク
トル(音色))に対して共通の定義として、各パーツ
(アタック部、サステイン部及びリリース部)の接続点
の値を共通に予め設定した所定値にほぼ合わせることを
指す。具体的には、各パーツとしてアタック部、サステ
イン部及びリリース部を採用した場合には、アタック部
の最後、サステイン部の最初、同サステイン部の最後、
及びリリース部の最初をそれぞれ所定値にほぼ等しくす
ることに相当する。
【0047】まず、ピッチに関する規格化処理について
説明すると、同処理においては、前記規格化の共通の定
義に応じた接続点の値をほぼ所定値に合わせる処理に加
えて、入力した楽器音の周波数の変化を基準周波数に対
する周波数変化(ピッチ変化)として表す処理も行う。
具体的には、入力された楽器音の音高(A4,E4など
音階周波数)に対応した周波数を基準周波数とし、各パ
ーツ毎のピッチの時間変化を表す分析データを前記基準
周波数に対するピッチずれ量の時間変化を表すデータに
それぞれ変換し、その後、前記接続点のピッチずれ量を
ほぼ「0」にする。すなわち、アタック部に関する規格
化処理であれば前記変換データを最後のピッチずれ量が
ほぼ「0」になるように加工し、サステイン部に関する
規格化処理であれば前記変換データを最初と最後のピッ
チずれ量が共にほぼ「0」になるように加工し、リリー
ス部に関する規格化処理であれば前記変換データを最初
のピッチずれ量が共にほぼ「0」になるように加工す
る。この場合、基準周波数をキー入力装置23を用いて
入力するようにしてもよいし、分析データに基づいて音
階周波数に近い周波数を基準周波数として自動的に設定
するようにしてもよい。
【0048】次に、振幅に関する規格化処理について説
明すると、同処理においては、前記規格化の共通の定義
による接続点の値を予め決められた所定値にほぼ一致さ
せる処理を行う。具体的には、記録した楽器音の強さ
(全体的な音量)が異なっていても、各パーツ毎の分析
データをシフトしたり、ゲイン調整したりして、各パー
ツ(アタック部、サステイン部及びリリース部)の接続
点の値を予め決められた所定値に合わせる。すなわち、
アタック部の最後の振幅レベル、サステイン部の最初と
最後の振幅レベル、及びリリース部の最初の振幅レベル
をほぼ同じ所定値に修正する。このことは、サステイン
部の振幅レベルを予め決められた所定値に近似させるこ
とにもつながる。
【0049】また、音色に関する規格化処理について説
明すると、同処理においては、前記規格化の共通の定義
による接続点の値を予め決められた所定値にほぼ一致さ
せる処理を行う。具体的には、記録した楽器音のスペク
トル特性(音色特性)が異なっていても、各パーツ毎の
分析データをシフトしたり、ゲイン調整したりして、各
パーツ(アタック部、サステイン部及びリリース部)の
接続点のスペクトル特性(音色特性)を表す値を予め決
められた所定値に合わせる。すなわち、アタック部の最
後のスペクトル特性値(音色特性値)、サステイン部の
最初と最後のスペクトル特性値(音色特性値)、及びリ
リース部の最初のスペクトル特性値(音色特性値)をほ
ぼ同じ所定値に修正する。このことは、サステイン部の
スペクトル特性値(音色特性値)を予め決められた所定
値に近似させることにもつながる。図6〜8は、前記規
格化したアタック部、サステイン部及びリリース部の各
ピッチ、振幅及びスペクトル(音色)の時間変化を表す
データ値の一例を示す図である。
【0050】前記のような規格化処理により、ピッチ変
化特性を表すパーツデータにあっては、基準周波数に対
するピッチ変化を表すようにしたので、テンプレート記
憶エリア37の容量を小さくすることができる。また、
振幅及び音色に関するパーツデータにあっても、基準値
からの変化を表すようにすれば、テンプレート記憶エリ
ア37の容量を小さくすることに有効である。あるい
は、ピッチ、振幅及び音色に関するパーツデータにおい
て、前記のように基準値に対する変化分(差分)を用い
る代わりに、前回値からの変化分すなわち時間変化に対
する差分を用いるようにしても、テンプレート記憶エリ
ア37の容量を小さくすることができる。また、MID
I規格においては、楽音信号のピッチ、音色、振幅の変
化を表すデータのビット数は限られており、前記規格化
処理による各パーツのデータをMIDI規格にしたがっ
たフォーマットで簡単に表せるとともに、またMIDI
規格により限られたビット数を有効に利用できる。
【0051】また、サステイン部の楽音特性、特に振幅
及びスペクトル(音色)に関しては、単調減少のような
大まかな変化ではなく、細かな変化が重要であるので、
前記振幅及びスペクトル(音色)に関する分析データに
ハイパスフィルタ処理を施すようにするとよい。この場
合、ハイパスフィルタ処理により、サステイン部の振幅
及びスペクトル特性(音色特性)は全体的にほぼ一定値
に保たれたデータに細かな変動成分が重畳されたように
なり、併せて同データ値の開始点及び終了点のデータ値
はほぼ一致するようになる。なお、このサステイン部の
単調減少のような大まかな変化は、後述するパーツデー
タの接続の際に適宜付加できるものである。
【0052】次に、ノートオンパターンの抽出処理につ
いて説明する。この場合、テンプレート作成手段34
は、トレモロ効果などの付加された楽器音(例えば、ト
レモロ奏法によるバイオリン音)を選択し、図9に示す
ステップ200〜206からなるプログラムを実行し
て、前記選択された楽器音に対応した楽音信号に基づい
てノートオンパターンを形成する。このプログラムは、
ステップ200にて開始され、ステップ202にて前記
選択された楽器音信号の楽音特性の時間変化から立ち上
がりタイミングを検出する。アタック部及びリリース部
についてもノートオンパターンを形成することも可能で
あるとともに、ピッチ及び音色の変化からもノートオン
パターンの形成は可能であるが、本実施形態では、最も
好適な例である振幅特性のサステイン部に基づいてノー
トオンパターンを形成する場合について説明する。なす
わち、図10に示すようなサステイン部のパーツデータ
を参照し、振幅が急激に立ち上がる複数のタイミングを
検出する。
【0053】この場合、一連の振幅特性を表す各値が所
定の閾値を超えたとき、前記一連の振幅特性を表す各値
の時間微分値が所定の閾値を超えたとき、前記一連の振
幅特性を表す各値の時間変化(時間微分値)がピーク
(正の極値)であるとき、及び前記一連の振幅特性を表
す各値のうちで直前の値が第1閾値以下でありかつ今回
の値が第2閾値(前記第1閾値よりも大きい)以上であ
るときなどの複数の条件のうちの一つの条件に該当する
場合、前記立ち上がりタイミングであると決定するよう
にするとよい。また、前記複数の条件のうちから選択し
た複数の条件を同時に満足するとき、又は前記複数の条
件のうちから選択した複数の条件のうちの少なくとも一
つを満足するとき、前記立ち上がりタイミングであると
決定するようにしてもよい。さらに、前記決定した立ち
上がりタイミングを適当に間引きしたり、追加するよう
にしてもよい。
【0054】そして、ステップ204にて、前記複数の
立ち上がりタイミングに対応させて、同立ち上がりタイ
ミングであることを表すラベルデータと、同ラベルデー
タと対となって直前の立ち上がりタイミングからの時間
間隔をMIDI規格における最小時間分解能のステップ
数で表す時間データとからなる一連の擬似ノートオンデ
ータを形成する。なお、最初の擬似ノートオンデータの
時間データは、各パーツの開始時すなわちこの場合には
サステイン部の開始時からの時間を表している。
【0055】また、一連の擬似ノートオンデータは、一
つの楽音信号に対して波形メモリ102に記憶されてい
る同一の波形データの読出しをその開始アドレスから新
たに繰り返して開始させようとするものであるので、発
生楽音の周波数を表すキーコードKCなどのデータを含
んでいないが、楽音の強弱を表すベロシティデータを含
んでいてもよい。この場合、ベロシティデータは、前記
一連の振幅特性を表す各値の大きさ、時間微分値の大き
さなどに基づいて決定するようにするとよい。また、タ
イミングに関しても、前記検出した立ち上がりタイミン
グそのものではなく、前記検出立ち上がりタイミングか
ら所定時間分だけ前後にずらしたタイミングを立ち上が
り検出タイミングとするようにしてもよい。
【0056】次に、このようにして作成したアタック
部、サステイン部及びリリース部毎のピッチ、音色及び
振幅に関するパーツデータと、一連の擬似ノートオンデ
ータをそれぞれアタック部、サステイン部及びリリース
部毎にピッチテンプレート、音色テンプレート、振幅テ
ンプレート、ノートオンテンプレートとし、これらのテ
ンプレートに索引用の補助データを付加することにより
パーツデータセットを形成して、同パーツデータセット
をテンプレート記憶エリア37に記憶する。なお、前記
索引用の補助データは、ユーザがキー入力装置23を用
いて索引用の補助データを入力することにより、形成さ
れる。この場合、索引用の補助データは、楽器名、音の
強さ、スタカート又はスラー音、速い又はゆっくりした
立ち上がりの音、トレモロ及びビブラートの付与の有無
などによって入力した楽器音を識別するデータと、アタ
ック部、サステイン部、リリース部などのパーツを表す
データなどからなり、各パーツデータの検索などに利用
されるデータである。また、この補助データとして、ユ
ーザが入力したものに代え、又は同入力したものに加
え、前記楽器音の入力、分析、分解、規格化、ノートオ
ンパターンの処理時、又はその他の処理により自動的に
生成されたデータを用いることもできる。
【0057】図11(A)は、索引用の補助データ、ピッ
チテンプレート、音色テンプレート振幅テンプレート、
ノートオンテンプレートからなり、アタック部、サステ
イン部及びリリース部毎に設定された各パーツデータセ
ットのデータフォーマットを示している。図11(B)
は、ピッチ変化データの一例を示すもので、ΔPitchは
基準周波数に対するピッチの変化度合いを表すデータ
(MIDI規格にしたがって基本周波数に対するピッチ
の変動分を表すデータ)であり、STは前記各変化度合
いが連続する時間をステップ数で表している。
【0058】なお、前記説明では、外部から入力した楽
器音信号に基づいて各テンプレートを形成するようにし
たが、自然楽器に取り付けた各種センサの出力の時間変
化から各テンプレートを作成してもよい。例えば、バイ
オリンの弓に取り付けた圧力センサで構成した弓速セン
サの出力から各テンプレートを作成したり、電子楽器の
演奏操作子の出力から各テンプレートを作成したり、電
子管楽器のブレスセンサ及びリップセンサから各テンプ
レートを作成してもよい。また、スライド操作子の押圧
力や、移動量、ホイール操作子の操作量などの検出出力
に基づいて各テンプレートを作成するようにしてもよ
い。
【0059】また、前記説明では、楽音特性を表すテン
プレート(楽音修飾データ)をMIDI規格に従ったデ
ータに変換するようにしたが、MIDI規格以外のデー
タフォーマットを使用できるシステムではテンプレート
を前記以外のフォーマットのデータに変換してもよい。
例えば、検出された楽音特性の時間変化を時間関数とし
て表現したり、目標値とレートによる折れ線近似で表現
するようにしてもよい。
【0060】b1.第1楽音発生モード 次に、入力した演奏情報にしたがってテンプレート選択
データTSD及びテンプレート制御データTCDを生成
し、両データTSD,TCDにより制御された楽音を発
生する第1楽音発生モードについて説明する。図12
は、この第1楽音発生モード時における図1の楽音信号
発生装置の動作を機能ブロック図により示している。
【0061】MIDIインターフェース22に鍵盤など
の演奏装置、他の楽器、パーソナルコンピュータ、自動
演奏装置(シーケンサ)などの他の楽音発生制御装置を
接続して、同他の楽音発生制御装置から時系列データで
構成した演奏情報を入力する。この入力された演奏情報
は、図示しないプログラム処理により、音源回路100
に供給されるとともに、同演奏情報及びテンプレート記
憶エリア37に記憶されている索引用の補助データに基
づきテンプレート選択データTSD及びテンプレート制
御データTCDが形成されて音源回路100に供給され
る。これらのテンプレート選択データTSD及びテンプ
レート制御データTCDの形成機能を、図12にテンプ
レート選択データ発生手段41及びテンプレート制御デ
ータ発生手段42として示している。なお、図12にお
いては、テンプレート選択データ発生手段41とテンプ
レート制御データ発生手段42とを独立した2つのブロ
ックとして示しているが、実際には、テンプレート選択
データTSD及びテンプレート制御データTCDは関連
性をもって形成されている。
【0062】テンプレート選択データ発生手段41の機
能を具体例をあげて説明すると、同手段41は、テンプ
レート記憶エリア37に記憶されている索引用の補助デ
ータを参照して、演奏情報中に含まれる音色選択情報、
キーコードKC及びベロシティー情報などに基づいて、
テンプレート記憶エリア37に記憶されているアタック
部、サステイン部及びリリース部の各パーツデータセッ
ト(ピッチテンプレート、音色テンプレート、振幅テン
プレート及びノートオンテンプレート)を指定するため
のテンプレート選択データTSDを決定して音源回路1
00に供給する。また、パーツデータセットを指定する
のに代えて、ピッチテンプレート、音色テンプレート、
振幅テンプレート及びノートオンテンプレートをそれぞ
れ独立して指定するテンプレート選択データTSDを決
定するようにしてもよい。
【0063】テンプレート制御データ発生手段42の機
能を具体例をあげて説明すると、同手段42も、テンプ
レート記憶エリア37に記憶されている索引用の補助デ
ータを参照して、演奏情報中に含まれる音色選択情報、
キーコードKC及びベロシティー情報などに基づいて、
テンプレート記憶エリア37に記憶されているアタック
部、サステイン部及びリリース部の各ピッチテンプレー
ト、音色テンプレート、振幅テンプレート及びノートオ
ンテンプレートを変更制御するためのテンプレート制御
データTCDを決定して音源回路100に供給する。
【0064】ここで、前記補助データの参照について説
明を加えておくと、まず、音色選択情報、キーコードK
C及びベロシティー情報などの演奏情報、並びに各楽音
の発生開始からの経過時間などに基づいて、演奏される
楽音について、トレモロ、スタカート、スラー、早い叉
はゆっくりした立ち上がり、ビブラートの付与の有無な
どの奏法と、アタック部、サステイン部、リリース部な
どの区分とが決定される。そして、演奏情報と決定され
た奏法及び区分に基づいて補助データが参照されて、同
参照補助データにしたがってテンプレート選択データT
SD及びテンプレート制御データTCDが決定される。
【0065】なお、前述のように、本実施形態では、テ
ンプレート選択データTSD及びテンプレート制御デー
タTCDを、音色選択情報、キーコードKC、ベロシテ
ィ情報などにより決定するようにしたが、これらのデー
タTSD,TCDを、アフタータッチ情報、ペダル操作
情報、ホイール操作子情報、鍵盤の横方向のずれ量、鍵
に対する押鍵位置情報(鍵の前後方向における押鍵位置
を表す情報)など、種々の演奏情報に応じて決定するよ
うにしてもよい。また、鍵盤からの情報に限らず、電子
管楽器、電子ギター、電子バイオリンなど、種々の楽器
又は操作子からの演奏情報に応じて、テンプレート選択
データTSD及びテンプレート制御データTCDを決定
するようにしてもよい。あるいは、所定の操作子操作に
より、演奏者が索引用の補助データを参照するための奏
法を直接指定するようにしてもよい。
【0066】まず、ビブラート、トレモロなどの変調効
果の付加されていない楽音信号の発生、すなわちノート
オンテンプレートを利用しない楽音信号の発生について
説明する。
【0067】前述のように演奏情報が供給された音源回
路100においては、波形メモリ102、アドレス発生
部103、サンプル間補間部104、フィルタ部10
5、振幅制御部106、混合及び効果付与部107が、
インターフェース回路101を介して入力した演奏情報
に応じた楽音波形データを形成してD/A変換器108
に出力する。D/A変換器108は、この楽音波形デー
タをアナログ形式の楽音信号に変換し、同楽音信号はサ
ウンドシステム120を介して楽音として発音される。
【0068】一方、テンプレー卜読出し部110は、イ
ンターフェース回路101から供給されるテンプレート
選択データTSDに基づいて、アタック部、サステイン部
及びリリース部の各ピッチテンプレート、音色テンプレ
ート及び振幅テンプレートをテンプレート記憶エリア3
7からそれぞれ続み出して、各テンプレートをピッチ制
御データ発生部112、音色制御データ発生部113及
び振幅制御データ発生部114にそれぞれ供給する。ピ
ッチ制御データ発生部112、音色制御データ発生部1
13及び振幅制御データ発生部114においては、各ピ
ッチテンプレート、音色テンプレート及び振幅テンプレ
ートは、アタック部、サステイン部などの各部のテンプ
レート同士、互いに同期したタイミングで楽音の特性制
御に用いられるようにタイミング調整される。なお、テ
ンプレート記憶エリア37はハードディスク14又は外
部記憶装置15内に設けられているが、これらのハード
ディスク14又は外部記憶装置15からテンプレートを
読出したのでは時間遅れが生じる場合には、RAM13
をバッファとして用い、テンプレート選択データTSDに
基づいてRAM13からテンプレートを読み出すように
する。
【0069】この場合、テンプレート記憶エリア37に
記憶されているテンプレートのうちで読み出される可能
性のあるテンプレート(選択音色に対応したテンプレー
ト)の全部を事前にRAM13に転送しておき、前記テ
ンプレート選択データTSDによってテンプレートの選択
指示がなされたとき、同指示に応答してRAM13から
テンプレートを読み出すようにする。または、前記可能
性のあるテンプレート(選択音色に対応したテンプレー
ト)の各先頭の一部を事前にRAM13に転送してお
き、前記テンプレート選択データTSDによってテンプレ
ートの選択指示がなされたとき、同指示に応答してRA
M13から各テンプレートの先頭の一部を読み出し、こ
の読出しと並行して若しくは読出し終了後に、前記先頭
以降のテンプレートをテンプレート記憶エリア37から
読み出すようにする。
【0070】ピッチ制御データ発生部112、音色制御
データ発生部113及び振幅制御データ発生部114
は、インターフェース回路101を介した演奏情報(特
にノートオン及びノートオフ情報)を用いて、前記供給
されたアタック部、サステイン部及びリリース部に関す
る各ピッチテンプレート、音色テンプレート及び振幅テ
ンプレートを順に接続するとともに、インターフェース
回路101から供給されるテンプレート制御データTC
Dに応じて前記接続した各テンプレートを加工して、ア
ドレス発生部103、フィルタ部105及び振幅制御部
106にそれぞれ供給する。これにより、発生楽音のピ
ッチ、音色及び振幅が、前記テンプレート制御データT
CDに応じて加工されたピッチテンプレート、音色テン
プレート及び振幅テンプレートにしたがって変更制御さ
れる。
【0071】前記アタック部、サステイン部及びリリー
ス部に関する各テンプレートの接続においては、図1
3,14(振幅に関するテンプレートを代表して示す)
に示すように、前記選択されたアタック部、サステイン
部及びリリース部の各テンプレートを順次接続して一つ
の音符に対する楽音修飾データをピッチ、音色及び振幅
の各楽音特性毎に形成する。このとき、供給されるノー
トオフ情報にもとづいて、サステイン部に関するテンプ
レートの長さを変更する。サステイン部のテンプレート
がノートオフ情報の到来を超えて長い場合には、図13
に示すように、サステイン部のテンプレートの一部のみ
を切り取る。逆に、サステイン部のテンプレートが短く
てノートオフ情報が到来した時点ではテンプレートが不
足する場合には、図14に示すように、サステイン部の
パーツデータを繰り返して用いるようにする。
【0072】また、テンプレート制御データTCDに基
づくテンプレートの加工においては、前記接続された各
テンプレートにより表されたアタック部、サステイン部
及びリリース部のピークレベル、時定数(レベル変化の
度合い)などが変更制御される。そして、このようにし
て加工されたピッチテンプレート、音色テンプレート及
び振幅テンプレートが、ピッチ制御データ発生部11
2、音色制御データ発生部113及び振幅制御データ発
生部114から、アドレス発生部103、フィルタ部1
05及び振幅制御部106にそれぞれ供給されて、発生
される楽音信号のピッチ、音色及び振幅が前記加工され
た各テンプレートにより変更制御されるので、同発生さ
れる楽音信号が時間的に変化に富んだ豊かな表情をもっ
たものになる。
【0073】次に、テンプレート選択データTSDによ
りノートオンテンプレートが指定された場合、すなわち
ノートオンテンプレートを利用して、ビブラート、トレ
モロなどの変調が付加された楽音信号を発生する場合に
ついて説明する。この場合、テンプレート読出し部11
0は、テンプレート選択データTSDにより指定された
ノートオンテンプレートをテンプレート記憶エリア37
から読出してノートオン制御信号発生部111に供給す
る。なお、この場合も、テンプレート読出し部110
は、テンプレート選択データTSDにより指定されたピ
ッチテンプレート、音色テンプレート及び振幅テンプレ
ートもテンプレート記憶エリア37から読出して、ピッ
チ制御データ発生部112、音色制御データ発生部11
3及び振幅制御データ発生部114にそれぞれ供給す
る。特に、この場合、ノートオンテンプレートは、上述
のように、振幅テンプレートに対応して形成されている
ので、図10に示すように、同振幅テンプレートと時間
的な強い関連性がある。そして、供給された各ノートオ
ンテンプレート、ピッチテンプレート、音色テンプレー
ト及び振幅テンプレートは、上述した場合と同様に,ア
タック部、サステイン部などの各部のテンプレート同
士、互いに同期したタイミングで楽音の特性制御に用い
られる。
【0074】ノートオン制御信号発生部111は、イン
ターフェース回路101を介して供給される演奏情報
(特に、ノーオン及びノートオフ情報)によりタイミン
グが制御されて、擬似ノートオン信号をアドレス発生部
103に供給する。この場合、サステイン部の擬似ノー
トオンタイミングを表すノートオンテンプレートが用意
されている。サステイン部でトレモロを付与することが
指定されていれば、テンプレート読出し部110は、ア
タック部のテンプレートを読出した後、前記ノートオン
テンプレートを含むサステイン部のテンプレートを読出
す。アタック部のテンプレートにより制御された楽音の
アタック部の発生が終了した時点から、サステイン部の
テンプレートによる楽音制御が開始される。その際、ノ
ートオン制御信号発生部111は、ノートテンプレート
により表されたタイミングで擬似ノートオン信号を発生
する。なお、この擬似ノートオン信号の発生は、トレモ
ロ奏法の指定が終了するタイミングまで、叉は供給され
る演奏情報によりノートオフが指示されるまで続く。ま
た、ノートオン制御信号発生部111には、インターフ
ェース回路101を介してテンプレート制御データTC
Dも供給されており、同データTCDにより選択的に制
御されて前記擬似ノートオン信号の発生タイミング、発
生頻度などが変更制御される。
【0075】アドレス発生部103は、上述したよう
に、インターフェース回路101を介して供給される演
奏情報に応答して、波形メモリ102から同演奏情報に
より指定された種類の波形データを同演奏情報により指
定された読出しレートで最初から読出し始める。そし
て、この波形データの読出し中、ノートオン制御信号発
生部111からアドレス発生部103に擬似ノートオン
信号が供給されるので、アドレス発生部103は前記擬
似ノートオン信号の到来に応答して、前記同じ種類の波
形データを前記と同じ読出しレートで最初から新たに読
出し始める。このようにして、ノートオン制御信号発生
部111から擬似ノートオン信号が発生される毎に、波
形メモリ102からは同一の波形データがその開始アド
レスから同一のレートで新たに繰り返して読み出される
ので、波形メモリ102からサンプル間補間部104に
は、一つの波形データのアタック部の最初から複数周期
の波形データが擬似ノートオン信号に同期して繰り返し
供給される。なお、毎回、同一の波形データを読出す代
わりに、音色と音高がほぼ同じ複数の波形データを用意
しておき、擬似ノートオンのたびに前記複数の波形デー
タの中から順番叉はランダムに一つの波形データを選択
して読出すようにしてもよい。
【0076】そして、サンプル補間部104は上述の場
合と同様に、前記読出された繰り返し波形データを補間
して、フィルタ部105、振幅制御部106、混合及び
効果付与部107、並びにD/A変換器108を介して
サウンドシステム120に供給する。したがって、サウ
ンドシステム120からは、一つの楽音信号の発生中に
アタック部(又はアタック部とサステイン部の初期の一
部)の波形データが繰り返し読出されることになり、こ
のアタック部の波形データは変化に富んだ複雑なもので
あるので、発生される楽音が豊かな表情及び表現力をも
ったものになる。また、擬似ノートオン信号はノートテ
ンプレートに基づいて作成されるもので、ノートテンプ
レートは外部から入力した楽器音などから作成したもの
であるので、擬似ノートオン信号が自然なタイミング、
例えば周期性のないランダムなバイオリンのトレモロ演
奏と同じタイミングで発生されるようになり、自然感の
あふれる楽音信号の発生が可能となる。
【0077】また、アドレス発生部103、フィルタ部
105及び振幅制御部106も、上述した場合と同様
に、ピッチ制御データ発生部112、音色制御データ発
生部113及び振幅制御データ発生部114から供給さ
れるピッチテンプレート、音色テンプレート及び振幅テ
ンプレートに応じて、前記波形メモリ102から読み出
された波形データの読出しレート、音色特性及び振幅特
性を変調制御するので、発生される楽音信号がさらに豊
かなものになる。
【0078】特に、ノートオンテンプレートは、ピッ
チ、音色及び振幅の楽音要素の時間変化を表すテンプレ
ート(特に、振幅テンプレート)に基づいて、同テンプ
レートにより表された楽音要素の時間変化と時間的に関
連付けられたものであるので(同期付けられたものであ
るので)、豊かな表情及び表現力をもった楽音信号が発
生されるようになる。より具体的には、ノートオンテン
プレート、ピッチテンプレート、音色テンプレート及び
振幅テンプレートに基づく擬似ノートオン、読出しレー
ト(楽音ピッチ)、音色特性及び振幅特性の制御は、時
間軸上で互いに同期したタイミングで行われているの
で、生成される楽音の各楽音特性が互いに関連性を保ち
つつ変化する。特に、トレモロの付与された楽音のサス
テイン部では、振幅テンプレートに基づく振幅の揺れ、
ノートオンテンプレートの擬似ノートオンによるアタッ
クノイズ、ピッチテンプレートに基づくピッチ揺れ、及
び音色テンプレートに基づく周波数特性の揺れが互いに
同期しており、非常にリアル感のあるトレモロ効果の付
与された楽音が生成されることになる。
【0079】なお、上記第1楽音発生モードにおいて
は、発生させる楽音信号に関する演奏情報のみによりテ
ンプレート選択データTSD及びテンプレート制御デー
タTCDを形成するように説明したが、既に発生された
過去の楽音に関する演奏情報を用いてテンプレート選択
データTSD及びテンプレート制御データTCDを形成
するようにすることもできる。この場合、テンプレート
選択データ発生手段41及びテンプレート制御データ発
生手段42に供給された演奏情報を記憶しておき、前記
両制御データ発生手段41,42が前記記憶しておいた
演奏情報に基づいてテンプレート選択データTSD及び
テンプレート制御データTCDをそれぞれ形成するよう
にしてもよい。これによれば、楽音の流れに応じて発生
される楽音のピッチ、音色及び振幅からなる楽音特性が
変更されるので、より豊かな表現力を有する楽音を発生
させることができる。
【0080】また、図12に破線で示すように、MID
Iインターフェース22から音源回路100への演奏情
報の供給路にプログラム処理による遅延手段43を設け
ることができる。これによれば、MIDIインターフェ
ース22にて入力した演奏情報が遅延されて音源回路1
00に供給されることになるので、テンプレート選択デ
ータ発生手段41及びテンプレート制御データ発生手段
42からのテンプレート選択データTSD及びテンプレ
ート制御データTCDも遅延させることができ、テンプ
レート選択データ発生手段41及びテンプレート制御デ
ータ発生手段42は現在発生中の楽音よりも後に発音さ
れる楽音すなわち将来の音符に関する演奏情報をも考慮
してテンプレート選択データTSD及びテンプレート制
御データTCDを形成できる。その結果、これによれ
ば、さらに豊かな表現力を有する一連の楽音を発生させ
るできるようになる。
【0081】また、この第1楽音発生モードにおいて
は、外部からMIDIインターフェース22を介して音
源回路100に演奏情報が入力された場合について説明
したが、この楽音信号発生装置内の記録媒体であるハー
ドディスク14又は外部記録装置15に予め記録されて
いる一連の演奏情報(曲データ)を図示しないプログラ
ム処理により再生するようにも変更できる。この場合、
前記図示しないプログラム処理により、ハードディスク
14又は外部記録装置15に記録されている一連の演奏
情報を直接再生し、又は同演奏情報をRAM13に一旦
転送した後に再生し、同再生した一連の演奏情報を音源
回路100に時系列的に順次供給するようにすればよ
い。そして、この場合も、テンプレートは再生される一
連の演奏情報にしたがって作成されるもので、一連の演
奏情報中に挿入する必要がないので、1曲当たりの曲デ
ータの量を少なく抑えても、豊かな表情をもつとともに
演奏表現力の豊かな一連の楽音を発生させることができ
る。
【0082】b2.第2楽音発生モード 次に、上記図12の機能ブロック図にホイール操作子、
ペダル操作子、ジョイスティックなどの操作子44を設
け、同操作子44の操作に応じて各種テンプレートを変
更するようにした第2楽音発生モードについて説明す
る。図15は、この第2楽音発生モードの機能ブロック
図を示している。
【0083】この場合、操作子44の操作を表す情報
は、テンプレート選択データ発生手段41及びテンプレ
ート制御データ発生手段42にそれぞれ供給される。テ
ンプレート選択データ発生手段41及びテンプレート制
御データ発生手段42は、上述のような演奏情報と操作
子44の操作との両者に基づいて、テンプレート選択デ
ータTSD及びテンプレート制御データTCDを形成す
る。これによれば、操作子44の操作により、リアルタ
イムでピッチテンプレート、音色テンプレート、振幅テ
ンプレート及びノートオンテンプレートが変更され、よ
りリアル感のある楽音が発生される。
【0084】なお、この第2楽音発生モードにおいて
は、テンプレート選択データ発生手段41及びテンプレ
ート制御データ発生手段42に操作子44の操作情報の
みを入力して、同操作情報のみによりテンプレート選択
データTSD及びテンプレート制御データTCDを形成
するようにしてもよい。なお、ホイール、ペダル操作子
などを備えた鍵盤装置又は電子楽器をMIDIインター
フェース22に接続した場合には、同ホイール、ペダル
操作子などの操作情報が演奏情報としてMIDIインタ
ーフェース22を介してテンプレート選択データ発生手
段41及びテンプレート制御データ発生手段42に供給
されるので、これらの操作情報を単独で、又は他の演奏
情報若しくは前記操作子44の操作情報と共に、テンプ
レート選択データTSD及びテンプレート制御データT
CDの形成に利用することもできる。
【0085】b3.第3楽音発生モード 上記第1及び第2楽音発生モードはリアルタイムで楽音
を発生する場合に本発明を適用したものであったが、次
に、ノンリアルタイムで楽音を発生する場合に本発明を
適用した第3楽音発生モードについて説明する。図16
(A)は楽音を発生させる前の処理に関するプログラム処
理を機能的に表した機能ブロック図であり、図16(B)
は楽音を発生させる処理に関するプログラム処理を機能
的に表した機能ブロック図である。
【0086】まず、事前処理について説明すると、ユー
ザは、ハードディスク14又は外部記録装置15に予め
記録されている複数の曲データの中から、キー入力装置
23により曲名などを入力することにより、一つの曲デ
ータSDを指定する。この曲データの指定により、CP
U11は、前記指定された曲データをハードディスク1
4又は外部記録装置15から読出して、同読出した曲デ
ータSDを曲データ記憶エリア51に書き込んでおく。
この曲データ記憶エリア51は、RAM13、ハードデ
ィスク14又は外部記憶装置15内に設けられる。
【0087】テンプレート選択データ発生手段52及び
テンプレート制御データ発生手段53は、曲データ記憶
エリア51に記憶されている演奏情報を読み出し、テン
プレート記憶エリア37内の索引用の補助データを参照
しながらテンプレート選択データTSD及びテンプレー
ト制御データTCDをそれぞれ形成する。この場合、テ
ンプレート選択データ発生手段52及びテンプレート制
御データ発生手段53は、曲データSDの一部又は全体
を参照しながら、すなわち前後の音符に関する演奏情報
を分析しながらテンプレート選択データTSD及びテン
プレート制御データTCDを決定できる。そして、これ
らの決定されたテンプレート選択データTSD及びテン
プレート制御データTCDはテンプレート埋め込み手段
54に供給され、同テンプレート埋め込み手段54は前
記曲データSDの各音符に関する演奏情報位置にテンプ
レート選択データTSD及びテンプレート制御データT
CDを埋め込んで曲データSD’として前記曲データ記
憶エリア51に再記憶する。なお、曲データSD,S
D’中には、上述したノートオン情報、ノートオフ情
報、音色選択情報、効果情報などの演奏情報のほかに、
これらの各演奏情報間の再生タイミング間の相対時間を
表す相対時間データ(ステップ数)が含まれている。
【0088】次に、この曲データSD’を再生する場合
について説明すると、曲データ再生手段55は、前記テ
ンプレート選択データTSD及びテンプレート制御デー
タTCDを埋め込んだ曲データSD’を曲データ記憶エ
リア51から読み出す。この読出しにおいては、曲デー
タSD’中の相対時間データを読み出しては同相対時間
データに対応した時間が経過した後に、次のノートオン
情報、ノートオフ情報、音色選択情報、効果情報などの
演奏情報が順次読出されていく。そして、この演奏情報
は分離手段56に供給される。この供給された演奏情報
中にはテンプレート選択データTSD及びテンプレート
制御データTCDが含まれており、分離手段56は、テ
ンプレート選択データTSD及びテンプレート制御デー
タTCDを演奏情報と分離して、演奏情報と共に音源回
路100にそれぞれ供給する。
【0089】音源回路100は、上述した第1及び第2
楽音発生モードの場合と同様に、前記テンプレート選択
データTSDによりテンプレート記憶エリア37からテ
ンプレートを読み出して、同読出したテンプレートをテ
ンプレート制御データTCDにより加工して、発生され
る楽音信号を制御する。したがって、この場合も、上記
第1及び第2楽音発生モードの場合と同様に、豊かな演
奏表現力を有する楽音信号が発生される。また、この場
合、テンプレート選択データTSD及びテンプレート制
御データTCDは、事前処理により、曲データSDの一
部又は全体を参照しながら、すなわち前後の音符に関す
る演奏情報を参照しながら決定されるので、より的確な
楽音信号の制御が可能となる。特に、テンプレート選択
データTSD及びテンプレート制御データTCDは、前
後の音符に関する情報を、高度な分析方法(例えば、調
の分析、メロディの分析、コード進行の分析など)によ
り時間をかけて精密に分析して決定されるので、的確な
楽音制御が実現される。
【0090】また、この第3楽音発生モードにおいて
も、上記第2楽音発生モードの場合と同様に、操作子5
7の操作をも考慮してテンプレート選択データTSD及
びテンプレート制御データTCDを決定するようにして
もよい。この場合、図16(A)に破線で示すように、操
作子57の操作を表す操作情報をテンプレート選択デー
タ発生手段52及びテンプレート制御データ発生手段5
3に供給し、両データ発生手段52,53が演奏情報と
前記操作子情報とに基づいてテンプレート選択データT
SD及びテンプレート制御データTCDをそれぞれ決定
するようにすればよい。
【0091】また、この第3楽音発生モードにおいて、
演奏情報中に埋め込まれるテンプレート又は同演奏情報
中に埋め込まれたテンプレートをキー入力装置23及び
表示器24を用いて編集できるようにしてもよい。この
場合、図16(A)(B)に破線で示すように、テンプレー
ト選択データ発生手段52及びテンプレート制御データ
発生手段53から発生されたテンプレート選択データT
SD及びテンプレート制御データTCDを編集してテン
プレート埋め込み手段54に供給する編集手段58を設
けたり、曲データ記憶エリア51に記憶されている曲デ
ータSD’中のテンプレート選択データTSD及びテン
プレート制御データTCDを編集する編集手段58を設
けたりするようにすればよい。
【0092】なお、上記実施形態においては、テンプレ
ート記憶エリア37に記憶されているノートオンテンプ
レートに基づいて擬似ノートオン信号を発生するように
したが、ノートオン制御信号発生部111が、一つの楽
音の発生中、供給される演奏情報がノートオンからノー
トオフを表すまでの間に周期的又はランダムな擬似ノー
トオン信号をアドレス発生部103に自動的に繰り返し
供給するようにしてもよい。これによっても、一つの楽
音波形のアタック部が繰り返し読出されるので、従来技
術のように低周波信号により楽音信号の振幅などを変調
するものに比べれば、豊かな表情及び表現力をもつ楽音
の発生が可能となる。そして、この場合も、楽音信号の
ピッチ、音色及び振幅などの楽音要素を変調する低周波
数の変調信号と、ノートオン信号の発生タイミングとを
時間的に関連付けしておくようにするとよい。
【0093】また、上記実施形態においては、トレモ
ロ、ビブラートなどの変調の施された楽音信号を発生す
る場合についてのみ説明したが、本発明はトリル奏法、
グリッサンド奏法による楽音信号を発生する場合にも適
用できる。この場合、ノートオンテンプレート中に、擬
似ノートオン信号の発生タイミングを表すデータに加え
て、トリル、グリッサンド効果に伴う音高の変化を表す
差分データを加えておき、アドレス発生部103にて読
出しレートを決定する際に演奏情報に含まれる音高を現
すキーコードKC(同キーコードKCに基づいて作成さ
れた周波数情報)に加算して用いるようにすればよい。
【0094】また、上記実施形態においては、変調付き
の楽音信号を発生するときに、演奏情報に含まれるノー
トオン情報に対応したノートオン信号に対してノートオ
ンテンプレートに基づく擬似ノートオン信号を付加する
ようにしたが、楽音信号を形成する時点ではなく、曲デ
ータに含まれる変調付きで演奏される音符の部分に対し
て、予め擬似ノートオンを現すデータを埋め込んでおい
てもよい。これによれば、上記実施形態で説明した音源
回路を使用しなくても、同擬似ノートオンデータを埋め
込んだ曲データを再生して普通の音源を使用しても本発
明による楽音信号と同等な楽音信号を発生できる。
【0095】また、上記実施形態においては、ノートオ
ンテンプレート、ピッチテンプレート、音色テンプレー
ト及び振幅テンプレートによる楽音の制御が全て互いに
同期して行われるようにしたが、必ずしも全てを同期さ
せなくてもよい。前記複数のテンプレートのうちのいず
れか2つが互いに同期していても、一応の効果が期待さ
れる。
【0096】また、上記実施形態においては、アタック
部とループ部からなる波形データを記憶する波形メモリ
を有する波形メモリ方式の音源装置に本発明を適用した
例について説明したが、本発明は、ループ部をもたず
に、アタック部からリリース部までの全波形を波形メモ
リに記憶した波形メモリ方式の音源装置にも適用できる
ことは明らかである。
【0097】また、上記実施形態においては、通常のノ
ートオンに応じて読出しを開始する波形データのアタッ
ク部を擬似ノートオンに応じた繰り返し読出しに利用す
るようにしたが、このアタック部に代えて、擬似ノート
オン専用のアタック部を別途用意するようにしてもよ
い。すなわち、通常のノートオンに利用されるとアタッ
ク部とは独立して、擬似ノートオンに応じて繰り返し読
出されるアタック部の波形データを波形メモリ12に別
途用意しておき、擬似ノートオンの発生時には前記別途
用意されたアタック部の波形データを用いるようにして
もよい。
【0098】また、上記実施形態においては、音源回路
100内にテンプレート読出し部110、ノートオン制
御信号発生部111、ピッチ制御データ発生部112、
音色制御データ発生部113及び振幅制御データ発生部
114を設けるようにしたが、これらの全ての機能及び
一部をプログラム処理により行うようにしてもよい。す
なわち、プログラム処理により、テンプレート選択デー
タTSDに対応したテンプレートをテンプレート記憶エ
リア37から読出したり、テンプレート制御データTC
Dに応じてテンプレートの接続及び加工を行うようにし
てもよい。また、音源回路100内のアドレス発生部1
03、サンプル間補間部104、フィルタ部105、振
幅制御部106、混合及び効果付与部107も、プログ
ラム処理により行うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る楽音信号発生装置
の一例を示すブロック図である。
【図2】 図1の音源回路の詳細ブロック図である。
【図3】 テンプレート作成モード時における図1の楽
音信号発生装置の動作を示す機能ブロック図である。
【図4】 トランペットを強く吹いた音、中程度の強さ
で吹いた音及び弱く吹いた音の別にトランペット音のピ
ッチ、振幅及びスペクトルの時間変化をそれぞれ表す図
である。
【図5】 図4のトランペットを強く吹いた音に関する
ピッチ、振幅及びスペクトルの時間変化をそれぞれ表す
図である。
【図6】 規格化したアタック部のピッチ、振幅及びス
ペクトルの時間変化を表す図である。
【図7】 規格化したサステイン部のピッチ、振幅及び
スペクトルの時間変化を表す図である。
【図8】 規格化したリリース部の各ピッチ、振幅及び
スペクトルの時間変化を表す図である。
【図9】 ノートオンパターン抽出プログラムを示すフ
ローチャートである。
【図10】 バイオリンをトレモロ奏法で演奏したとき
の音に関するピッチ及び振幅の時間変化、並びに擬似ノ
ートオン信号の発生タイミングをそれぞれ示す図であ
る。
【図11】(A)はパーツデータセットのフォーマット図
であり、(B)は同パーツデータセット中のピッチテンプ
レートの詳細フォーマット図である。
【図12】 第1楽音発生モード時における図1の楽音
信号発生装置の動作を示す機能ブロック図である。
【図13】 アタック部、サステイン部及びリリース部
の各振幅テンプレートの接続の一例を説明するための説
明図である。
【図14】 アタック部、サステイン部及びリリース部
の各振幅テンプレートの接続の他の例を説明するための
説明図である。
【図15】 第2楽音発生モード時における図1の楽音
信号発生装置の動作を示す機能ブロック図である。
【図16】 (A)は第3楽音発生モード時における図1
の楽音信号発生装置の前処理動作を示す機能ブロック図
であり、(B)は同第3楽音発生モード時における図1の
楽音信号発生装置の楽音信号発生処理動作を示す機能ブ
ロック図である。
【符号の説明】
10…バス、11…CPU、12…ROM、13…RA
M、14…ハードディスク、15…外部記録装置、21
…取り込み回路、22…MIDIインターフェース、2
3…キー入力装置、24…表示器、26…外部信号入力
端子、33…分析手段、34…テンプレート作成手段、
37…テンプレート記憶エリア、41,52…テンプレ
ート選択データ発生手段、42,53…テンプレート制
御データ発生手段、44,57…操作子、51…曲デー
タ記憶エリア、54…テンプレート埋め込み手段、56
…分離手段、58…編集手段、100…音源回路、10
2…波形メモリ、103…アドレス発生部、105…フ
ィルタ部、106…振幅制御部、110…テンプレート
読出し部、111…ノートオン制御信号発生部、112
…ピッチ制御データ発生部、113…音色制御データ発
生部、114…振幅制御データ発生部。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくともアタック部を含む複数周期分の
    楽音波形を表す楽音波形データを記憶した波形メモリ
    と、 楽音信号の発生開始の指示を含む演奏情報を入力し同楽
    音信号の発生開始の指示に応答して前記波形メモリに記
    憶されている楽音波形データの読出しをその開始アドレ
    スから開始する波形データ読出し手段とを備え、前記読
    出した楽音波形データに基づいてアタックからリリース
    までの一つの楽音信号を発生する楽音信号発生装置にお
    いて、 前記一つの楽音信号の発生中に前記波形メモリに記憶さ
    れている楽音波形データの読出しをその開始アドレスか
    ら新たに開始させるための複数回の読出し開始指示を時
    間経過にしたがって前記波形データ読出し手段に出力し
    て同楽音波形データの新たな読出し開始を制御する読出
    し開始制御手段を設けたことを特徴とする楽音信号発生
    装置。
  2. 【請求項2】前記請求項1に記載した楽音信号発生装置
    において、 前記発生される楽音信号のピッチ、音色及び振幅のうち
    の少なくとも一つの楽音要素を変更可能な楽音要素制御
    手段と、 時間経過にしたがって変化する変調信号を前記楽音要素
    制御手段に出力して前記少なくとも一つの楽音要素を時
    間変化させる変調信号発生手段とを設け、 前記変調信号発生手段から出力される変調信号と前記読
    出し開始制御手段から出力される読出し開始指示とを時
    間的に関連させてなることを特徴とする楽音信号発生装
    置。
  3. 【請求項3】少なくともアタック部を含む複数周期分の
    楽音波形を表す楽音波形データを記憶した波形メモリ
    と、 楽音信号の発生開始の指示を含む演奏情報を入力し同楽
    音信号の発生開始の指示に応答して前記波形メモリに記
    憶されている楽音波形データの読出しをその開始アドレ
    スから開始する波形データ読出し手段とを備え、前記読
    出された波形データに基づいてアタックからリリースま
    での一つの楽音信号を発生する楽音信号発生装置におい
    て、 前記一つの楽音信号の発生中に前記波形メモリに記憶さ
    れている楽音波形データの読出しをその開始アドレスか
    ら新たに繰り返して開始させるための読出し開始制御デ
    ータを記憶した読出し開始制御データ記憶手段と、 前記入力した演奏情報に応答し前記読出し開始制御デー
    タ記憶手段に記憶されている読出し開始制御データに応
    じて前記波形データ読出し手段による楽音波形データの
    読出しを新たに開始させる読出し開始制御手段とを設け
    たことを特徴とする楽音信号発生装置。
  4. 【請求項4】前記請求項3に記載した楽音信号発生装置
    において、前記読出開始制御データは、前記楽音波形デ
    ータの繰り返し読出しの開始タイミングを規定するもの
    である楽音信号発生装置。
  5. 【請求項5】前記請求項3叉は請求項4に記載した楽音
    信号発生装置において、前記読出し開始制御データ記憶
    手段に記憶されている読出し開始制御データは、楽器音
    信号を分析して作成したものである楽音信号発生装置。
  6. 【請求項6】少なくともアタック部を含む複数周期分の
    楽音波形を表す楽音波形データを記憶した波形メモリ
    と、 楽音信号の発生開始の指示を含む演奏情報を入力し同楽
    音信号の発生開始の指示に応答して前記波形メモリに記
    憶されている楽音波形データの読出しをその開始アドレ
    スから開始する波形データ読出し手段と、 前記読出した楽音波形データの振幅特性を変更可能な振
    幅特性制御手段とを備え、前記読出されかつ振幅特性の
    変更制御された波形データを楽音信号として発生する楽
    音信号発生装置において、 楽音信号の振幅特性の時間変化を表す振幅制御データを
    記憶した振幅制御データ記憶手段と、 前記振幅制御データにより表された楽音信号の振幅特性
    の時間変化に対応したタイミングで一つの楽音信号の発
    生中に前記波形メモリに記憶されている楽音波形データ
    の読出しをその開始アドレスから新たに繰り返して開始
    させるための読出し開始制御データを記憶した読出し開
    始制御データ記憶手段と、 前記入力した演奏情報に応答し、前記振幅制御データ記
    憶手段に記憶されている振幅制御データに応じて前記振
    幅特性制御手段による楽音波形データの振幅特性を変更
    制御するとともに、前記読出し開始制御データ記憶手段
    に記憶されている読出し開始制御データに応じて前記波
    形データ読出し手段による楽音波形データの読出しを新
    たに開始させる楽音波形データ制御手段とを設けたこと
    を特徴とする楽音信号発生装置。
  7. 【請求項7】前記請求項6に記載した楽音信号発生装置
    において、前記振幅制御データ記憶手段に記憶されてい
    る振幅制御データ及び前記読出し開始制御データ記憶手
    段に記憶されている読出し開始制御データは、楽器音信
    号を分析して作成したものである楽音信号発生装置。
  8. 【請求項8】少なくともアタック部を含む複数周期分の
    楽音波形を表す楽音波形データを記憶した波形メモリか
    ら読出した楽音波形データに基づいてアタックからリリ
    ースまでの一つの楽音信号を発生する楽音信号発生方法
    において、 前記一つの楽音信号の発生中に前記波形メモリに記憶さ
    れている楽音波形データの読出しをその開始アドレスか
    ら新たに繰り返して開始するようにしたことを特徴とす
    る楽音信号発生方法。
  9. 【請求項9】前記請求項8に記載した楽音信号発生方法
    において、 前記発生される楽音信号のピッチ、音色及び振幅のうち
    の少なくとも一つの楽音要素を前記新たな繰り返し読出
    しタイミングと時間的に関連させて変調するようにした
    ことを特徴とする楽音信号発生方法。
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