JP2001214252A - 物質を形成する高速熱スプレー装置及びこのスプレー装置によりコーティングまたは塊状物質を形成する方法 - Google Patents

物質を形成する高速熱スプレー装置及びこのスプレー装置によりコーティングまたは塊状物質を形成する方法

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アンドリュー エー. ヴァーストーク
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱されるが融解はしない粒子の高速熱スプ
レーにより、低酸化で、高密度のコーティングのスプレ
ーを可能とする。 【解決手段】 化学量論的混合比を超えて酸化剤又は燃
料の圧力と流量を増加させて、噴射速度を減少させない
で、燃焼温度をスプレー物質の融点以下に下げる。点火
温度を下げかつ融点以下で安定燃焼させるため、インタ
ーナルバーナ内に触媒部材8を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱スプレー手法に
よってコーティングおよび塊状物質(bulk material)を
溶着するフレームスプレー(flame spray)装置およびこ
のスプレー装置によりコーティングまたは塊状物質を形
成するフレームスプレー方法に関する。特に、本発明
は、高速酸化剤−燃料スプレー装置および方法に関する
ものであって、気体ジェット速度に略等しい粒子速度
で、融解しない粒子をスプレーすることによって、低酸
化で、高密度のコーティングと塊状物質を形成するのに
適している高速フレームスプレー装置およびこのスプレ
ー装置によりコーティングまたは塊状物質を形成する方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、熱スプレー手法によってコーテ
ィングおよび塊状物質を溶着するフレームスプレー装置
および方法は、高速酸化剤気体−燃料スプレーによるも
のであるが、酸化剤気体が酸素である場合は、その手法
は、高速酸素−燃料(HVOF)スプレーとして知られ
ている。同様に、酸化剤気体が、空気であるか、または
酸素を多く含む空気である場合は、高速空気−燃料(H
VAF)スプレーとして知られている。
【0003】この熱スプレーは、種々の基板上にコーテ
ィングまたは塊状物質の形状の金属およびセラミックス
を形成するために広範囲に使用されている。大部分の熱
スプレー手法は、高温の気体ジェットのエネルギーを使
用して、スプレー物質の粒子を加熱及び加速し、この粒
子を基板に衝突させてコーティングを形成するものであ
る。
【0004】一般に、高速酸素−燃料(HVOF)装置
は、通常数バールに高められた圧力の下で、燃料と酸素
がインナーバーナー内で燃焼して、高温の気体のジェッ
トを生成する。燃料は、プロパンやメタン、プロピレ
ン、MAPPガス、水素などの気体か、または灯油など
の液体である。燃焼ガスは、バーナーから排出ノズルま
たはバレル内に膨張して、音速に達する。さらに、大気
中に、あるいはラバール(Laval)ノズルのような末広
ノズル部分内に膨張させると、超音速ジェットが生じ
る。このため、この手法は、高速と呼ばれている。
【0005】第一の前述の装置は、ジェームズ・エイ・
ブラウニング(James.A.Browning)によって発明され
た(1982年8月に付与された米国特許第4,342,551号およ
び第4、343、605号)。HVOF射出装置(gun)に対する
多くの改良は、より良い効率でスプレー物質を加熱し、
加速することを目標にしていた(米国特許第4、370、538
号、第4、416、421号、第4、540、121号、第4、568、019号、
第4、634、611号、第4、836、447号、第5、019、686号、第5、2
06、059号、第5、535、590号)。このHVOF手段は、比
較的高密度コーティングを形成するものの、粒子を融解
する際に、少なくとも部分的には、比較的高い酸化物を
含有する物質が堆積し、粒子の表面をかなり活性化させ
る。不完全燃焼や大気からの空気の巻き込み(ejection)
により、ジェットは常に気体酸素を含むので、粒子の融
解表面は、急激に酸化する。その上に、これらの手段
は、圧縮酸素を大量に消耗するため、かなり高価につ
く。最後に、融解したスプレー粒子が長いノズルを詰ま
らせて、HVOF装置の作動上多くの問題を生じさせ
る。
【0006】高速空気−燃料(HVAF)の装置は、先
ず、HVOF手段(米国特許第5、120、582号)に代わる
廉価なものとして考案された。この装置の主な作動形態
は、空気と灯油の燃焼である。さらに、米国特許第5、40
5、085号と第5、520、334号とにおいて設計改良が行われ
た。この装置の主な問題は、燃料−空気混合物の火炎伝
播速度が、燃料−酸素混合物より二桁遅いので、気体の
流速が高いと、燃焼が不安定になることである。インタ
ーナルバーナーを比較的長くすると、燃焼は安定し完全
になる。しかし、これでは、バーナー室とノズルとの軸
芯位置にスプレー粉末を導入することができなくなる。
すなわち、バーナー室が長すぎるとスプレー粒子がバー
ナー室内を通過することができなくなる。軸芯位置での
噴射の替わりにノズル側壁へ粒子を噴射すると、ノズル
の詰まりが発生し、軸芯位置での噴射を利用するHVO
F装置よりも一層大きな問題が生じる。燃焼の点火のた
め及び口火(pilot flame)として水素またはメタンを使
用することは、多くのHVAF射出(gun)にとって、実
用的ではなく、また安全でもない。
【0007】本発明(米国特許第5、932、293号)の発明
者の一人であるウラジミル・ベラシュチェンコ(Vladimi
r Belashchenko)およびヴィアチェスラフ・バラノフス
キー(Viatcheslav Baranovski)は、HVAF設計の重要
な改良、すなわち、透過性のバーナーブロックをインタ
ーナルバーナー室に導入した。自然発火温度を超えて空
気−燃料混合物が加熱されると、透過性のバーナーブロ
ックの高温壁と通路とが、混合物を連続して燃焼させる
ので、比較的小さなバーナーにおいても燃焼を安定させ
る。しかし、燃焼は、化学量論的混合比に近い狭い範囲
の空燃比においてのみ安定するため、透過性のバーナー
ブロックを冷却するために必要とされる気体の全流量
は、制限されてしまう。この制限は、種々の物質をスプ
レーするときに必要となる、技術的なパラメータの変更
を大幅に制限し、このため液化燃料の液滴がバーナーに
達するので、技術上の問題をよく起こす。この問題は、
プロパンおよびそれより重い燃料を使用するときにいつ
も発生する。バーナー内で燃料の液滴が蒸発すると、空
燃比が大幅に低下して、燃焼が不安定になる。
【0008】さらに、燃焼温度がほとんどの種類のスプ
レー物質の融解温度を超えるので(プロパン−空気混合
物で1900度C、そしてそれより重い燃料で1900
度Cより高い)、スプレー粒子の少なくとも表面は、融
解されて、ジェット中の酸素によって活発に酸化され、
このため、HVAFコーティングは、かなり酸化され
る。一方、融解されていない固体の粒子をスプレーする
と、スプレー中の物質の酸化が実質的に抑制されること
は、明らかである。アナトレー・アルキモフ(Anatoley
Alkimov)および共同発明者は、コーティングを施すガス
力学的スプレー方法(米国特許第5、302、414号)で特許
権を与えられた。この方法において、超音速ジェット
は、スプレー物質の融解温度よりかなり低い温度を有す
る圧縮ガスの膨張によって形成される。コーティング
は、固体粒子の衝撃の間に形成されるが、この粒子は溶
着中に加熱されず、そして部分的にも酸化されない。と
ころが、加熱されない粒子で形成されるコーティング
は、HVOFコーティングと比べると、かなり多孔性で
ある。電気加熱器で圧縮ガスを余熱する試みは、コーテ
ィングの質にはほとんど効果がなく、他方において装置
を巨大にするだけである。
【0009】スプレー物質の融点以下で粒子を加速し、
加熱することの両方が可能になると、HVOFおよびH
VAF手法の使用は、将来もっと有望になるように思わ
れる。ジェームズ・ブローウィング(James Browing)
は、米国特許第5、271、965号に、また熱スプレー・テク
ノロジー・ジャーナル(Journal of Thermal Spray Tec
hnology)の1992年12月号の289頁、1(4)のテクニカルノ
ート(Technical Note)に、この見解を表明した。彼
は、固体粒子は、基板に衝撃するときの運動エネルギー
の放出により、融解されると考えた。このように、粒子
速度は、コーティング形成の重要な要因となる。問題
は、周知のHVOFおよびHVAF装置では、バーナー
内の気体温度の低下が、常に気体速度の減速を伴うこと
である。この結果、粒子速度が低下する。この問題を解
決するために、独特の解決法が案出された。例えば、ス
プレー中に、粒子を固体状態にしておくために、ジェイ
・ブローウィング(J.Browning)は、水の水滴を噴射
させて、ノズル内のジェットを物質の融点以下に冷却す
ることを提案した(米国特許第5、330、798号)。この水滴
噴射は、燃焼過程自体に影響を与えない。この装置の明
らかに不利な点は、装置の効率の低下と手順の複雑化で
ある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述した温度の低下に
よる気体速度の減少は、HVOFおよびHVAF手法に
より固体粒子をスプレーして、良質なコーティングの溶
着をすることに問題を生じさせることだけにはとどまら
ない。実際上、燃焼を不安定にすることなく、気体温度
を必要なだけ低下させることは、公知技術の装置では不
可能である。
【0011】よく知られているように、高流速気体での
酸化剤気体−燃料混合物の安定燃焼は、酸化剤と燃料と
の混合比が化学量論的混合比に近い比較的狭い範囲で得
られる。燃焼の最高温度は、この範囲で達成される。例
えば、酸素−プロパン混合物に関して、化学量論的な混
合比は、容積比で約5:1であり、最大燃焼温度は、2
800度Cを超える。過剰な酸素は、燃焼温度を低下さ
せる。酸素−プロパンの場合は、この混合比は2.5:
1になり、燃焼温度は、約2500度Cである。酸素含
有量をさらに増加すると、燃焼は停止する。空気−プロ
パン混合物の場合、化学量論的混合比は、容積比で約2
5:1になり、最大燃焼温度は約1900度Cの状態と
なる。
【0012】透過性のバーナーブロックに高温(hot)の
壁が存在していても、この混合比が10%以上変動する
と、この混合物の燃焼は継続しない。この状況は、米国
特許第5、932、293号に示されている。このように、HV
AF手法では、化学量論的混合比を超えて空気またはプ
ロパンの含有量を増加させることによって、気体温度を
低下させることは、事実上不可能である。既述した気体
温度は、熱スプレーに使用される大部分の市販用合金の
融点以上であることに注目したい。このように、スプレ
ー粒子の少なくとも表面が融解されて、その結果、スプ
レー中に物質の急激な酸化が生じる。例えば、20マイ
クロメーター以下の細かい粒子を使用すると、重大な問
題が生じる。
【0013】そこで、本発明は、気体ジェット速度に略
等しい粒子速度を有し、加熱されるが融解はしない粒子
の高速熱スプレーにより、低酸化で、高密度のコーティ
ングおよび塊状物質を形成するのに適するスプレー装置
及びこのスプレー装置によりコーティング又は塊状物質
を形成する方法を提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明による高速熱スプ
レー装置は、酸化剤−燃料混合アセンブリと、インター
ナルバーナーと、点火装置と、膨張ノズルと、スプレー
物質送出ユニットとを備えている。さらに、この装置
は、インターナルバーナー内に触媒部材を備え、これに
より、化学量論的混合比を超えて酸化剤気体または燃料
の圧力と流量を増加し、あるいは不活性ガスを混合物に
添加するときの混合物の燃焼温度を、スプレー物質の融
点以下に下げる。
【0015】本発明において、インターナルバーナー内
の触媒部材は、少なくとも二つの主要な機能を果たす。
第一に、触媒部材は、酸化剤気体と燃料との混合物の点
火温度をかなり下げる。このため、可燃性混合物を燃や
すと思われる触媒表面を過剰冷却する危険をおかすこと
なく、気体の全流量をかなり増加させることが可能であ
る。第二に、触媒部材は、触媒の表面に反応気体を吸着
し、事実上、気体のどんな濃縮度においても燃焼反応を
生じさせる。触媒の表面が十分に広い場合には、適正な
酸化剤気体と燃料の混合比の下で燃焼を促進することが
可能である。したがって、触媒の存在により、化学量論
的混合比を超えて酸化剤気体または燃料の圧力と流量を
増加したり、またはその他の窒素等の不活性ガスを混合
物に加えたりすることが可能であり、これによって燃焼
を不安定にすることなく、選択された温度に気体を冷却
する。他方、高い融点を有するスプレー物質に対して
は、触媒付きのインターナルバーナーの使用により酸化
剤気体と燃料の両方の圧力と流量を十分に増加すること
が可能であり、これによってジェットの全エネルギーを
増加する。
【0016】重要な要素は、気体の圧力と流量の増加
が、温度を低下させつつノズル内の気体速度の損失を効
率的に補うことである。そのうえ、気体密度が増す。結
果として、スプレー粒子の速度は、温度が低下しても減
少しない。それどころか、粒子速度のかなりの増加によ
って、二つの新しい要素が使用可能となる。すなわち、
(a)1−20マイクロメーター以下などの細かい粒子
を、ほぼ気体ジェットの速度まで加速して、スプレーす
ることが可能となる。(b)固体粒子によるノズルの詰
まりがないことにより、粒子を加速するために必要な分
だけの長さのノズルを使用することが可能となる。本発
明において、粒子速度は、空気−プロパン燃焼混合物を
使用するとき、少なくとも600m/sから800m/
sとなる。
【0017】本発明の装置および方法において、触媒部
材は、次の触媒の群から選択した1つの触媒を有するも
のであって、この触媒の群は、プラチナやパラジウム、
ロジウムなどの貴金属、または、前記貴金属および希土
類金属(Ce、La、Ndなど)の一つ以上の二成分酸
化物、または、バリウムやストロンチウム、希土類金属
などによって形成される一つ以上の二成分酸化物、また
は高温酸化に耐えかつ使用されるものであって、酸化剤
気体−燃料混合物の点火温度を下げることが可能なその
他の触媒を含む。
【0018】触媒部材は、ワイヤまたは金網挿入物の形
状に、またはインターナルバーナーの構成要素の壁や通
路へのコーティングとして、あるいはインターナルバー
ナー内に配置される少なくとも一つの多孔性の、穴のあ
るまたは粉末形状セラミックサポートへのコーティング
として形成される。触媒コーティングは、燃焼を必要と
する表面だけに形成することが可能であり、燃焼を必要
な範囲に限定し、バーナーのその他の表面をオーバーヒ
ートから保護する。
【0019】高速熱スプレー装置は、さらに、第一の内
側膨張ノズルを囲む環状形状の少なくとも一つの別のイ
ンターナルバーナーと、少なくとも一つの別の膨張ノズ
ルとを備えることもできる。このようなバーナーとノズ
ルとの直列形状は、粒子をさらに加速し、スプレー物質
の融点以下の温度で粒子を徐々にかつ均一に加熱するよ
うに構成されている。
【0020】本発明の物質送出ユニットは、装置内に粉
末あるいはワイヤのいずれかを送ることが可能である。
粉末ストックの場合、物質分配ユニットは、インターナ
ルバーナー内または/および膨張ノズル内の選択された
位置に、粉末粒子を送出するための少なくとも一つの噴
射装置を含んでいる。好ましい実施の形態において、粉
末の噴射装置は、インターナルバーナーの軸芯位置に配
置され、これにより装置の加熱及び加速効率を最大にす
る。
【0021】ワイヤストックの場合、物質送出ユニット
は、二本のワイヤの電気アーク装置であって、インター
ナルバーナーまたは膨張ノズルの軸芯位置において、電
気アークによって溶解されるワイヤの先端を送出するよ
うに構成されている。この装置および方法の好ましい実
施の形態において、溶解されたワイヤは、霧状の細かい
粒子になり、酸化剤気体と過剰燃料の混合物の燃焼によ
って生じる高速気体ジェットによって加速され、冷却さ
れる。化学量論的混合比より多い燃料流量は、スプレー
物質の融点以下に気体温度を下げるばかりでなく、ジェ
ット内に還元性の環境を発生させ、これによりスプレー
中に生じ得る物質の酸化を抑制する。温度の低いジェッ
トにより、ノズルと、基板との間隔が近い距離からのコ
ーティングが可能となり、このためジェットは、大気か
ら巻き込まれる(ejected)空気でほとんど希釈されない
ので、未燃焼燃料による酸化に対する保護がより効率的
となる。
【0022】以上の如く、本発明の方法及び装置におい
ては、基本的には、触媒を使用するものであるが、特別
の条件下においては、触媒を備えない装置とし、又は触
媒を使用することなくコーティング操作を行うことがで
きる。すなわち、燃料として極めて燃焼しやすい水素、
アセチレン、メタン、エタン、プロパンの少なくとも一
つを使用すること、及び酸化剤気体にアルゴン等の不活
性気体を添加し、失火を生じない所定の濃度範囲に制御
することにより、燃焼温度を低下させて、基盤上の溶着
物質の酸化防止を図るものである。このようにして、装
置の補修費や設備費を低減したり、劣化した触媒を交換
することなく、そのまま操作を行うことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明は、高速熱スプレー装置の
長手方向断面図である図1を参照することによって容易
に理解できる。図1は、金網挿入物として作られている
触媒部材を有するインターナルバーナーを具備する高速
熱スプレー装置の断面を示す。この装置は、空気と気体
燃料混合物で作動する。この装置の好ましい実施の形態
は、燃料供給チューブ1と、空気供給チューブ3と、空
気分配器5と、混合ブロック6とによって形成される混
合アセンブリを備えている。この装置は、さらに、区画
Hに、金網挿入物として作られている触媒部材8から形
成される触媒バーナーを備えている。区画Hの下流部分
は、燃焼の気体生成物の集合部分(collector)として作
用する。この気体の集合ハウジング9が区画Hを取り囲
んでいる。最後に、好ましい実施の形態は、気体膨張ノ
ズル10と、粉末噴射装置2の形状を有する物質排出ユ
ニットとを含んでいる。これらの部品は、本体ハウジン
グ7と、本体後部ハウジング4と、ノズルハウジング1
1とから成る円筒形本体内に組み込まれている。
【0024】この好ましい実施の形態において、圧縮空
気は、空気供給チューブ3を通って空気分配区画Aに到
達する。この空気の一部は、分配器5の貫通穴Cを通っ
て冷却区域Bに入り、そして、冷却通路Dに到達して、
装置を冷却する。空気のこの一部は、ノズル冷却通路D
1を通って装置の外に流出し、主気体ジェットの回りに
環状の流れを形成する。空気のその他の部分は、空気分
配区画Aから、混合ブロック6の空気孔Eを通って混合
区画Fに流入する。プロパンまたはプロピレンなどの気
体燃料は、燃料供給チューブ1によって混合区画(混合
物分配区画)Fに供給される。圧縮空気が小口径の空気
孔Eから大きい混合区画Fへ膨張するので、この空気が
燃料を巻き込み(eject)、空気と燃料との混合物を形成
する。この混合物は、混合ブロック6の混合物出口孔G
を通って、触媒部材8を有する区画Hの一部分に流入す
る。区画Hのこの部分は、燃焼室の機能を果たす。混合
物は、触媒部材8の内部の点火プラグまたは白熱装置
(図示せず)によって点火され、触媒の表面で燃焼す
る。燃焼で生じた気体は、気体膨張ノズル10内に膨張
して、高速ジェットを形成する。このジェットは、気体
膨張ノズル10から大気内に膨張するとき、超音速に到
達する。スプレー物質の粒子は、圧縮窒素等のキャリヤ
ーガスによって粉末噴射装置2を経由して区画Hの軸芯
位置に送出される。この粒子は、区画Hとノズル10と
を通過し、燃焼で生じた気体ジェットによって加熱、加
速され、エネルギーを与えられた粒子の流れIを形成す
る。この粒子は、基板Jに衝突して、コーティングまた
は塊状物質を形成する。
【0025】本発明において、インターナルバーナー内
の触媒部材は、少なくとも二つの主要な機能を果たす。
第一に、酸化剤気体と燃料との混合物の点火温度を大き
く下げる。この仕組みは、触媒の表面で、酸素と燃料分
子を可逆酸化還元反応に関与させ、これらの分子間反応
の活性化エネルギーを低下させることに基づいている。
従って、可燃性混合物を点火させると考えられる触媒表
面を過剰冷却する危険性をおかさず、気体の全流量を大
幅に増加させることが可能である。第二に、触媒部材が
触媒の表面で反応気体を吸着し、これらの気体がどんな
現実的な濃縮度であっても燃焼反応を起こさせる。触媒
の表面が非常に広いので、酸化剤気体と燃料とのどんな
現実的な混合比でも燃焼を促進することが可能である。
その結果、触媒の存在の下では、化学量論的混合比を超
えて酸化剤または燃料の圧力と流量を増加し、あるいは
別の窒素等の不活性ガスを混合物に加えることによっ
て、燃焼を不安定にすることなく、気体を選択された温
度に冷却することが可能となる。特に、同一寸法の燃焼
室に対して、触媒部材8を設けることにより、空気流量
を、この触媒部材がないときの毎分10−12立方メー
ターから、20−25立方メーターに増加することが可
能となり、これにより、ジェット温度を1900度Cか
ら1000ないし1200度Cに低下させる。いうまで
もなく、触媒バーナーを通過する酸化剤気体と燃料との
両方の圧力と流量を増加することも可能であり、これに
よりジェットの全エネルギーが増加する。これは、耐熱
性金属またはチタン合金などの高融点を有する物質をス
プレーする上で有効である。
【0026】このように気体の圧力と流量を増加するこ
とは、温度を低下させつつノズルにおける気体速度の損
失を効率的に補う。さらに、気体密度も増加する。その
結果、スプレーする粒子の速度は、温度が低下しても減
少しない。それどころか、粒子速度のかなりの増加によ
って、次の二つの新しい要素が、利用可能になる。第一
の要素は、1−20マイクロメーター以下などの粉末素
材の細かい粒子を気体ジェットの速度に加速して、スプ
レーすることが可能となる。第二の要素は、固体粒子に
よるノズルの詰まりがないため、粒子を加速するために
必要な分だけの長さのノズルを使用することが可能にな
る。
【0027】既述した好ましい実施の形態において、触
媒部材8は、次の群から選択した一の触媒を有するもの
であって、この群は、プラチナやパラジウム、ロジウム
などの貴金属、または、前記貴金属および希土類金属
(Ce、La、Ndなど)の一つ以上の二成分酸化物、
または、バリウムやストロンチウム、希土類金属などに
よって形成される一つ以上の二成分酸化物、または高温
酸化に耐えかつ使用されるものであって、酸化剤−燃料
混合物の点火温度を下げることが可能であるその他の触
媒を含む。
【0028】触媒部材8は、金網挿入物の形状で形成す
るだけに限らず、この金網挿入物の代わりに、インター
ナルバーナーの壁や通路へのコーティングとして、また
はインターナルバーナーに配置される、多孔性の、有穴
の、あるいは粉末形状の少なくとも一つのセラミックサ
ポートへのコーティングとして形成することが可能であ
る。触媒コーティングは、燃焼を必要とする表面だけに
行うことが可能であり、必要な範囲に燃焼を限定し、バ
ーナーのその他の表面をオーバーヒートから保護する。
【0029】さて、第一の内側膨張ノズルを囲んで環状
形状を有する少なくとも一つの別のインターナルバーナ
ーと、一つの別のノズルとを備えている高速空気−燃料
装置の好ましい実施の形態を、図2に示す。この一次バ
ーナーとノズルは、上述したように、作動する。別の区
画Nが、インナー膨張ノズル10の出口と、ノズルハウ
ジング11との間に配置されている。区画N内で、二次
バーナーは、SiC−AI203セラミック製の内側触
媒支持リング13と、AI203ベースのセラミック製
の外側触媒支持リング14とによって囲まれている。内
側リング13の外側円筒形表面と、その下流側面及び外
側リング14の内側円筒形表面とは、プラチナまたはプ
ラチナ−セリウム酸化物などの触媒コーティング17で
被覆されている。二次膨張ノズル15は、SiC−セラ
ミック製である。この二次膨張ノズル15は、ノズルナ
ット16でノズルハウジング11に固定されている。二
次バーナーの燃料は、二次燃料供給チューブ12で供給
される。二次バーナーの燃料は、二次区画Kで、冷却通
路Dから来る冷却空気と混合される。混合物は、二次混
合出口孔Lを通って二次バーナーに流入するが、この二
次バーナーは、内側触媒支持リング13と外側触媒支持
リング14の触媒表面17によって囲まれているスロッ
トMの形状から成っている。混合物は、気体膨張ノズル
であるインナーノズル10から膨張する一次気体ジェッ
トの逆流(back-flash)で点火される。燃焼生成物は、
二次ノズル15内に膨張して、粒子の流れを運ぶ一次ジ
ェットと混合する。このような構成によって、スプレー
粒子の非常に穏やかで均一な加熱が得られる。さらに、
この構成は、粒子の加速に大きな効果をもたらす。この
好ましい実施の形態において、粒子速度は、600m/
sを超える。特に、200mmの長さの二次ノズルと、
平均粒子サイズが10μmの625合金粉末では、空気
−プロパン可燃性混合物を使用するときの平均粒子速度
は、800m/sに達する。
【0030】別の好ましい実施の形態を図3に示す。こ
の図は、高速熱スプレー装置の概略長手方向断面図であ
り、この装置は、インターナルバーナー内に、触媒セラ
ミック支持体の通路と下流表面とにコーティング形態の
触媒部材を有する。そしてスプレー物質の噴射は、膨張
ノズル軸芯位置で行われ、このスプレー物質は、電気ア
ーク機械によって二つの消耗ワイヤ先端が溶解されて形
成される。この装置は、SiC−AI203セラミック
製の内側触媒支持リング113と、AI203基のセラ
ミック製の外側触媒支持リング114とを保持する本体
ハウジング107を備えている。バーナーは、これら二
つのリング113、114間に形成される燃焼スロット
Mの形状となっている。両リングの円筒表面で形成され
るスロットMと、内側リング113の下流表面は、バリ
ウムやランタン酸化物、または金属プラチナ製の触媒コ
ーティングで被覆されている。本体後部ハウジング10
5は、本体ハウジング107に取り付けられており、冷
却空気供給チューブ103と、可燃性混合物供給チュー
ブ101と、膨張ノズル110の軸芯位置に二つのスプ
レーワイヤ120を方向付ける二つの接触チューブ10
2とを保持する。この接触チューブ102の位置は、本
体ハウジング107に配置される位置決め部材106に
よって調節される。集合ハウジング109は,本体ハウ
ジング107の前部に取り付けられている。その出口
は、膨張ノズル110の形状に形成されている。本体ハ
ウジング107の前部は、空気蓋111で覆われてい
る。
【0031】可燃性混合物、例えば、空気とプロパンと
の混合物は、本体ハウジング107内のリング形状をし
た混合物分配区画Fにチューブ101で供給される。次
に、混合物は、燃焼スロットMを通って流れ、触媒コー
ティング117の表面で燃焼する。燃焼を開始するため
に、点火プラグが使用される(図3には示していな
い。)。ここで燃焼反応しない気体があっても、この気
体は、触媒コーティング117で被覆されている内側リ
ング113の下流表面で燃焼する。燃焼の気体生成物
は、集合ハウジング109によって集合区画Hに向けら
れ、次いで膨張ノズル110に向かう。気体ジェット
は、ノズル110から膨張して超音速に達する。
【0032】スプレー用の二つの消耗ワイヤ120は、
ワイヤ送り機構140によって、接触チューブ102を
通ってノズル110の軸芯位置に供給される。アーク機
械の電源130によって保持される電気アーク120a
は、ノズル110内で、ワイヤの先端を溶解する。燃焼
生成物の気体ジェットは、この溶解されたワイヤの先端
を微細化して加速し、エネルギーを与えられた粒子の流
れIを形成する。粒子は、基板Jに衝突してコーティン
グを形成する。
【0033】スロットMでの燃焼は、化学量論的混合比
を超える過剰な燃料の下で行われ、これにより二つの目
的が達成される。すなわち、(a)スプレー物質の融点
以下に燃焼生成物の気体ジェットを冷却して、微細化さ
れた粒子を効果的に冷却する。(b)スプレー粒子をジ
ェットの中で酸化から保護する。特に、空気とプロパン
との混合物については、触媒支持部材の使用により、燃
焼を停止することなく、化学量論的混合比を3ないし4
倍超えて、プロパンの流量を増加させることができる。
冷却空気は、供給チューブ103によって空気分配区画
Aに供給される。この冷却空気は、本体ハウジング10
7の冷却通路Dを通って、空気蓋111と集合ハウジン
グ109との間の冷却通路D1に流入し、ノズル110
の周囲で装置から流出して環状の流れを形成する。この
流れは、気体の高速ジェットを包み、大気からの酸素の
巻き込み(eject)を抑制する。
【0034】以上の如く、本発明の方法及び装置におい
ては、基本的には、触媒を使用するものであるが、特別
の条件下においては、触媒を備えない装置とし、又は触
媒を使用することなくコーティング操作を行うことがで
きる。すなわち、燃料として極めて燃焼しやすい水素、
アセチレン、メタン、エタン、プロパンの少なくとも一
つを使用すること、及び酸化剤気体にアルゴン等の不活
性気体を添加し、失火を生じない所定の濃度範囲に制御
することにより、燃焼温度を低下させて、基盤上の溶着
物質の酸化防止を図るものである。このようにして、装
置の補修費や設備費を低減したり、劣化した触媒を交換
することなく、そのまま操作を行うことができる。
【0035】
【実施例】図2に示す好ましい実施の形態で記述した、
二つのインターナルバーナーと二つのノズルを備える装
置で、粒子サイズが10−45μmの671−タイプの
合金粉末(Ni基の43%Cr−0.5%Ti−0.9%S
i)のコーティングを溶射した。触媒部材は、プラチナ
触媒をコーティングしたAI203−12%SiO2セ
ラッミク製で、孔部分が全部で64%を占める多孔性触
媒支持リングの形状で製作した。この装置を、入口圧力
8.4バールで毎分20立方メーターの空気流量、およ
び圧力5バールで毎分2キログラムのプロパン流量で作
動させた。全空気流量を、化学量論的混合比を70%超
える流量に増加し、排出気体温度を略1400度Cに下
げた。0.4mmの厚さのコーティングを、タイプ10
18炭素鋼基板に溶着し、ASTMC633規格に基づ
く溶着性の強度測定用供試品を作成した。また、コーテ
ィングの組織検査のために、同様のコーティングをした
75×25×6mmの供試品作成した。また、ISO4
022規格に基づくコーティングの気体透過率を測定す
るために、直径25mm、厚さ6mm、細孔径2μm
の、多孔性316ステンレス鋼材のフィルターサンプル
に、同様のコーティングを行った。コーティングの視覚
による酸化物含有量および有孔性を、金属組織学的イメ
ージ分析方法により、供試品断面について測定した。コ
ーティングの全酸素含有量は、不活性キャリヤーガス流
の雰囲気中で、融解を還元する方法(LECO Oxy
gen Analyzer酸素分析装置)により測定さ
れた。粉末の原材料物質の全酸素含有量は、0.06%
であった。
【0036】このコーティングについて、以下の特徴が
得られた: (1)視覚による多孔性、% 測定されず (2)視覚による酸化物含有量、% 測定されず (3)全酸素含有量、% 0.16 (4)気体透過率、 測定されず (従って0.01平方ナノメーター以下) (5)結合強度 80.0MPa以上 (エポキシ接着部分で崩壊)
【0037】比較すると、公知技術によるHVOFおよ
びHVAF手法により上記の物質をスプレーするとき、
コーティングの酸素含有量は、0.01%から3.5%
の間で変化し、本発明におけるよりも1桁大きい値とな
る。公知技術のHVOFおよびHVAFコーティングの
気体透過率(多孔性部分の貫通度に相当)は、本発明に
おけるよりかなり高い0.05から2.0の平方ナノメ
ーターを測定した。従って、本発明による溶着されたコ
ーティングは、公知技術のHVOFおよびHVAF手法
と比べると、高い密度と、かなり低い酸素含有量とを示
している。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、高速熱スプレー装置の概略長手方向断
面図であり、この装置は、インターナルバーナーを形成
している金網挿入物形状の触媒部材を有する。スプレー
物質の噴射は、粉末の形状でバーナーの軸芯位置で行わ
れる。
【図2】図2は、金網挿入物形状の触媒部材を有する高
速熱スプレー装置の概略長手方向断面図であり、この装
置は、第一の内側膨張ノズルの回りに環状形状を有する
別の触媒バーナーと、別のノズルとを備えている。
【図3】図3は、インターナルバーナーを形成している
触媒セラミックサ支持部の通路と下流表面との上に、コ
ーティング形態の触媒部材を有する高速熱スプレー装置
の概略長手方向断面図である。スプレー物質の噴射は、
膨張ノズルの軸芯位置に向って行われ、電気的アーク機
械によって溶融される二つの消耗ワイヤの先端部分が噴
射される。
【符号の説明】
1 燃料供給チューブ 2 粉末噴射装置 3 酸化剤(または空気)供給チューブ 5 空気分配器 6 混合ブロック 8 触媒部材 9 気体集合ハウジング 10 気体膨脹ノズル 12 二次燃焼供給チューブ 13 内側触媒支持リング 14 外側触媒支持リング 15 二次膨張ノズル 101 可燃性混合物供給チューブ 102 接触チューブ 103 冷却空気供給チューブ 109 集合ハウジング 110 膨張ノズル 113 内側触媒支持リング 114 外側触媒支持リング 120 スプレーワイヤ 120a 電気アーク 130 電源 A 空気分配区画 B 冷却区画 C 貫通孔 D 冷却通路 E 空気孔 F 混合区画 G 混合物出口孔 H 区画 I 粒子の流れ J 基板 K 二次区画 L 二次混合区画 M 燃焼スロット N 区画

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物質を基板の上に溶着するための高速熱
    スプレー装置であって、 酸化剤気体と燃料とを混合するように設計されている混
    合アセンブリと、 前記酸化剤気体と燃料との混合物の燃焼用インターナル
    バーナーと、 前記混合物の燃焼を開始する点火装置と、 前記混合物の燃焼の生成物を受け取って、高速気体ジェ
    ットを形成するように構成されている気体膨張ノズル
    と、 選択されたスプレー物質を前記ジェットに送出し、前記
    ジェットによって加速され、かつ前記スプレー物質の融
    点以下で加熱される粒子の流れを形成する物質送出ユニ
    ットとから構成されており、さらに、 化学量論的混合比を超えて前記酸化剤気体または燃料の
    圧力と流量を増加し、または不活性ガスを前記混合物に
    添加して、 前記スプレー物質の融点以下に前記混合物の燃焼温度を
    低下させるための触媒部材を前記インターナルバーナー
    内に備えたことを特徴とする高速熱スプレー装置。
  2. 【請求項2】 前記触媒部材が、 プラチナやパラジウム、ロジウムなどの少なくとも一つ
    の貴金属、 または、前記貴金属および希土類金属の一つ以上の二成
    分酸化物、 または、バリウムやストロンチウム、希土類金属などに
    よって形成される一つ以上の二成分酸化物、 または、前記酸化剤と燃料との混合物の点火温度を下げ
    ることが可能であるその他の高温度耐性触媒を含む群か
    ら選択された一つの触媒を有することを特徴とする請求
    項1に記載の高速熱スプレー装置。
  3. 【請求項3】 前記触媒部材を、 ワイヤまたは金網挿入物として、 または、前記インターナルバーナーにおいて前記燃焼を
    生じさせたい壁と通路へのコーティングとして、 または前記インターナルバーナーに配置される少なくと
    も一つのセラミック支持部へのコーティングとして形成
    したことを特徴とする請求項1に記載の高速熱スプレー
    装置。
  4. 【請求項4】 さらに、前記粒子をさらに加速し、かつ
    前記スプレー物質の融点以下で均一に加熱を行うため
    の、 前記膨張ノズルの回りに環状形状を有する少なくとも一
    つの別のインターナルバーナーと、 少なくとも一つの別の膨張ノズルとを備えたことを特徴
    とする請求項1に記載の高速熱スプレー装置。
  5. 【請求項5】 前記物質送出ユニットが、少なくとも一
    つの噴射装置を備えており、これにより、前記スプレー
    物質の前記粒子を前記インターナルバーナー内へ、また
    は前記膨張ノズル内へ、前記選択された位置において送
    出することを特徴とする請求項1に記載の高速熱スプレ
    ー装置。
  6. 【請求項6】 前記物質送出ユニットが、二重ワイヤ電
    気アーク装置であって、 この装置が、前記インターナルバーナーまたは前記膨張
    ノズルの軸芯位置において、電気アークによって溶解さ
    れたワイヤの先端部分を送出するように構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の高速熱スプレー装
    置。
  7. 【請求項7】 物質を基板の上に溶着するための高速熱
    スプレー装置であって、 酸化剤気体と燃料とを混合するように設計されている混
    合アセンブリと、 前記酸化剤気体と燃料との混合物の燃焼用インターナル
    バーナーと、 前記混合物の燃焼を開始する点火装置と、 前記混合物の燃焼の生成物を受け取って、高速気体ジェ
    ットを形成するように構成されている気体膨張ノズル
    と、 選択されたスプレー物質を前記ジェットに送出し、前記
    ジェットによって加速され、かつ前記スプレー物質の融
    点以下で加熱される粒子の流れを形成する物質送出ユニ
    ットとから構成されており、さらに、 前記燃料は極めて燃焼しやすい燃料であり、前記酸化剤
    気体には不活性気体が添加され、失火を生じない所定の
    濃度範囲に制御されており、 したがって、燃焼温度を低下させ、基盤上の溶着物質の
    酸化防止を図るように構成されていることを特徴とする
    高速熱スプレー装置。
  8. 【請求項8】 高速熱スプレー装置で基板の上に物質を
    溶着することによって、コーティングまたは塊状物質を
    形成する方法であって、 この方法が、混合アセンブリの酸化剤気体と燃料とを混
    合することと、 インターナルバーナー内で前記酸化剤と燃料との混合物
    を点火、燃焼することと、 気体膨張ノズル内で前記混合物の燃焼生成物の高速気体
    ジェットを形成することと、 前記ジェットによって加速され、前記スプレー物質の融
    点以下で加熱される粒子の流れを形成するために、物質
    送出ユニットにより、前記ジェットに選択されたスプレ
    ー物質を導入することとを含むものであって、さらに、 この方法が、化学量論的混合比を超えて前記酸化剤また
    は燃料の圧力と流量を増加し、または不活性ガスを前記
    混合物に添加して、前記スプレー物質の融点以下に前記
    混合物の燃焼温度を低下させるための前記インターナル
    バーナー内に備えた触媒部材を使用することを含む、コ
    ーティングまたは塊状物質を形成する方法。
  9. 【請求項9】 前記方法が、前記ジェットの中で融解し
    ない粉末の形状で、前記スプレー物質を前記高速熱スプ
    レー装置に導入することを含むことを特徴とする請求項
    8に記載のコーティングまたは塊状物質を形成する方
    法。
  10. 【請求項10】 前記方法が、前記スプレー物質を、電
    気アークによって溶解されたワイヤやロッド、その他の
    細長い部材の先端部分として、前記高速熱スプレー装置
    に導入することと、 前記バーナーおよび気体膨張ノズル内で、前記燃料が過
    剰な前記ジェットによって前記スプレー物質を霧状に
    し、加速し、そして冷却することによって、前記コーテ
    ィングまたは塊状物質を形成する間に起こりうる酸化を
    抑制することを含むことを特徴とする請求項8に記載の
    コーティングまたは塊状物質を形成する方法。
  11. 【請求項11】 高速熱スプレー装置で基板の上に物質
    を溶着することによって、コーティングまたは塊状物質
    を形成する方法であって、 この方法が、混合アセンブリの酸化剤気体と燃料とを混
    合することと、 インターナルバーナー内で前記酸化剤と燃料との混合物
    を点火、燃焼することと、 気体膨張ノズル内で前記混合物の燃焼生成物の高速気体
    ジェットを形成することと、 前記ジェットによって加速され、前記スプレー物質の融
    点以下で加熱される粒子の流れを形成するために、物質
    送出ユニットにより、前記ジェットに選択されたスプレ
    ー物質を導入することとを含むものであって、さらに、 前記燃料は、極めて燃焼しやすい燃料であり、 前記酸化剤気体には不活性気体が添加され、失火を生じ
    ない所定の濃度範囲に制御されており、 したがって、燃焼温度を低下させ、基盤上の溶着物質の
    酸化防止を図ることを特徴とするコーティングまたは塊
    状物質を形成する方法。
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