JP2001204757A - 人工眼球 - Google Patents

人工眼球

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JP2001204757A
JP2001204757A JP2000021315A JP2000021315A JP2001204757A JP 2001204757 A JP2001204757 A JP 2001204757A JP 2000021315 A JP2000021315 A JP 2000021315A JP 2000021315 A JP2000021315 A JP 2000021315A JP 2001204757 A JP2001204757 A JP 2001204757A
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camera
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Yoshiaki Ajioka
義明 味岡
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Ecchandes Inc
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ECCHANDESU KK
Ecchandes Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 視覚装置によって制御された移動カメラが撮
影した物体の正規化画像、種別、位置、大きさ、及び位
置の変化を脳に直接伝える。 【構成】 図1に示すように、人工眼球は移動カメラ
1、視覚装置2、刺激発生器3、エレクトロード配列端
子4、コネクタ5、及びバッテリ6を有している。視覚
装置2が物体を探索して移動カメラ1の向きと倍率を制
御することにより、移動カメラ1は広範囲の物体を高倍
率で撮影することができるので、利用者は物体をより早
く、正確に認識することができる。またコネクタ5を切
り放すことにより、利用者は移動カメラ1、視覚装置
2、刺激発生器3及びバッテリ6を容易に取り外した
り、交換することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、移動カメラが撮
影した動画像中の物体の正規化画像、種別、位置、大き
さ及び位置の変化を電気刺激として脳に伝える人工眼球
に関し、詳しくは、3自由度モータを備えた移動カメラ
が撮影した動画像から視覚装置が物体の正規化画像、種
別、位置、大きさ及び位置の変化を生成し、物体が動画
像の中央で大きく撮影されるように視覚装置が移動カメ
ラを制御し、かつ物体の正規化画像、種別、位置、大き
さ及び位置の変化を電気刺激に変換し、エレクトロード
配列端子を介して直接脳に伝えるものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、移動カメラを用いた撮影装置
は数多く研究されてきた(特開昭63−54699、特
開平3−164341、特開平5−297325参
照)。特に近年は高速移動物体を追尾する撮影装置とし
て、1msビジュアルフィードバックシステムが開発され
ている(中坊嘉宏、石井抱、石川正俊、“超並列・超高
速ビジョンを用いた1msターゲットトラッキングシス
テム”、日本ロボット学会誌、Vol.15、No.
3、pp.417−421、1997参照)しかしなが
らこれらの移動カメラは従来のモータを用いた駆動系を
利用しているため、装置自体が大きくなってしまった
り、動作が限定される等の問題点がある。
【0003】そこでこのような問題を解決する方法とし
て、球状の3自由度モータが有効である(例えば、日刊
工業新聞、平成11年12月15日、6ページ参照)。
さらに3自由度モータにおいて、従来のモータの代りに
圧電素子を用いた超音波モータを用いることにより、3
自由度モータの機構及び制御が単純になる(遠山茂樹、
“球面超音波モータの開発”、トライポロジスト、第4
0巻、第8号、pp.627−631、1995、佐々
江啓介、大築康生、三木修武、黒崎泰充、“圧電素子を
用いた摩擦駆動型多自由度球面モータの開発”、[onlin
e]、平成10年1月、川崎重工技報第136号抄録、
[平成12年1月20日検索]、インターネット<URL:htt
p://www.khi.co.jp/tech/nj136g07.htm>)。またこの超
音波モータを用いた移動カメラの開発も行われている。
【0004】一方でカメラが撮影した画像を処理するビ
ジョンチップ若しくはイメージセンサの開発も進んでい
る。例えば、東京大学のSPE(Simple an
dSmart Sensory Processing
Element)ビジョンチップ(小室孝、鈴木伸
介、石井抱、石川正俊、“汎用プロセッシングエレメン
トを用いた超並列・超高速ビジョンチップの設計”、電
子情報通信学会論文誌、Vol.J81−D−I、N
o.2、pp.70−76、1998参照)、三菱電機
の人工網膜チップ(特開平6−139361、特開平1
1−177889参照)、フランス、Bureau E
tudes Vision StockplusのGe
neric Visual Perception P
rocessor(GVPP)(Vision Chip's Circuit
ry Has Its Eye Out For You.TechWeb News, 1997-09-1
3. [online]. CMP Media Inc., 1999.[retrieved on 19
99-12-19].Retrieved from the Internet: <URL:http:/
/www.techweb.com/wire/news/1997/09/0913vision.html
>)、Johns Hopkins Universityのビジョンチップ('Eye'
Chip Tracks Movement.Wired News, 1999-04-10. [onl
ine].Wired VenturesInc. and affiliated companies,
1999.[retrieved on 1999-12-19].Retrievedfrom the I
nternet: <URL:http://www.wired.com/news/news/techn
ology/story/19046.html>)等である。これらはエッジ検
出及びオプティカルフロー検出のような簡単な処理を行
うことができるが、実装を優先した結果、アナログ回路
を用いたり、積和計算のみを行ったり、画像処理に制約
を設ける等、問題点が多い。またSPEは移動カメラ
に接続されることにより、高速移動物体の追尾を行うこ
とができるが、SPEは撮影環境及び移動物体の速度
に影響される上、静止物体及び複数物体に対する画像処
理を別の装置を用いて行わなければならない。
【0005】そこで移動カメラを制御し、画像処理をす
る装置として、本発明者は視覚装置を開発した(特願平
11−253634参照)。この視覚装置は移動カメラ
の向き及び倍率を制御することにより、物体を探索し、
物体の画像処理を行うものである。また本発明者は現在
利用可能な大規模集積回路技術、及び三次元大規模集積
回路(VLSI)技術を基に視覚装置とCCD撮像素子
及びフォトダイオードのような撮像素子を組み合せたイ
メージセンサも提案している(特願平11−36922
0参照)。この視覚装置は、高い並列性及び実時間性を
保ちながら移動カメラを制御し、なおかつ物体の正規化
画像、種別、位置、大きさ、及び位置の変化を出力する
ことができる。
【0006】さらに最近、眼鏡に取り付けられた固定C
CDカメラが撮影した画像からソーベルフィルタを用い
てエッジを検出した後に、エレクトロード配列端子を用
いて直接脳の右後頭葉視覚野にエッジ画像の電気信号を
送信することにより、人工視覚を実現した研究が発表さ
れた(Computer Helps Blind Man 'See'.Wired News,200
-01-17. [online].Wired Ventures Inc. and affiliate
d companies, 2000.[retrieved on 2000-01-20].Retrie
ved from the Internet: <URL:http://www.wired.com/n
ews/technology/0,1282,33691,00.html>)。患者の視野
が極端に狭いために患者は首を動かして物体を探索しな
ければならず、しかも1.5メートル程離れた位置から
5センチメートル程の大きさの文字しか読むことができ
ない。しかしながらこの研究の成功によって、今後盲人
及び視覚障害者を中心に広視野及び高解像度の人工視覚
を実現する埋め込み式人工眼球の要望が高まるものと思
われる。
【0007】これらのことを考慮すると、視覚装置によ
って制御された3自由度モータ搭載の移動カメラが物体
を探索し、撮影された物体の正規化画像、種別、位置、
大きさ及び位置の変化が直接脳に伝えられるような人工
眼球を製造できると期待される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、請求項記載の
本発明は、移動カメラが撮影した動画像を用いて視覚装
置が移動カメラの向き及び倍率を制御して物体を適切な
大きさで撮影し、さらに視覚装置が撮影された物体の動
画像を画像処理することにより、物体の正規化画像、種
別、位置、大きさ及び位置の変化を生成し、これらを直
接脳に伝えることにより人工視覚を実現することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、移動
カメラ、視覚装置、刺激発生器、エレクトロード配列端
子、コネクタ及びバッテリを備えた人工眼球であって、
前記移動カメラが撮影した動画像の中央に物体が位置す
るように前記視覚装置において前記移動カメラの向き及
び倍率を制御する手段と、前記視覚装置が前記動画像か
ら生成した前記物体の正規化画像、種別、位置、大きさ
及び位置の変化を前記刺激発生器において電気刺激に変
換する手段と、前記コネクタ及び前記エレクトロード配
列端子を介して前記電気刺激を脳に伝える手段と、を有
することを特徴とする人工眼球である。本発明は、全
盲、弱視及び視覚障害を有する利用者の視覚機能を補完
するために、前記移動カメラ及び前記視覚装置によって
探索された前記物体の前記正規化画像、前記種別、前記
位置、前記大きさ、及び前記位置の変化を電気信号とし
て直接前記利用者の前記脳に送る。これにより前記利用
者は周囲の環境に惑わされることなく、前記物体を容易
に発見して認識することができる。また前記コネクタを
切り放すことにより、前記利用者は前記移動カメラ、前
記視覚装置、前記刺激発生器及び前記バッテリを容易に
取り外したり、交換することができる。したがって本発
明は、前記利用者が単に一般的なビデオカメラが捉えた
前記動画像を直接認識する場合に比べて負担が軽く、し
かも短時間かつ高確率で前記物体を認識することができ
るようになり、人工視覚に関する諸問題が好適に解決さ
れる。
【0010】請求項2の発明は、請求項1記載の人工眼
球において、前記移動カメラが3自由度モータを備えた
ことを特徴とする人工眼球である。本発明は、前記移動
カメラの大きさを小さくし、しかも前記移動カメラの向
きを自由にかつ細かく制御することができる。特に前記
3自由度モータとして超音波モータを用いると、一般的
なモータと比べて省スペース、低重量及び低消費電力を
実現することができる。したがって本発明は、前記移動
カメラの死角を少なくし、しかも利用者の負担を少なく
することができ、人工視覚に関する諸問題が好適に解決
される。
【0011】請求項3の発明は、請求項1及び2記載の
人工眼球に対して、前記視覚装置と撮像素子を大規模集
積回路に実装して前記移動カメラに組み込んだことを特
徴とする人工眼球である。本発明は、前記人工眼球を小
型化することができる。利用者及び医師は前記人工眼球
を容易に取り扱うことができる。つまり前記医師は前記
人工眼球を容易に取り付け、取り外し及び交換すること
ができる。一方で前記利用者は前記移動カメラ、前記視
覚装置、及びこれらを接続する線材を別々に管理する必
要はない。したがって本発明は、前記利用者及び前記医
師の負担を少なくすることができ、人工視覚に関する諸
問題が好適に解決される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の人工眼球の実施形
態を挙げ、図面を参照して説明する。
【0013】まず請求項1記載の発明は図1に示すよう
な構成で表される。ここで本発明の製造者は刺激発生器
3、エレクトロード配列端子4、コネクタ5、及びバッ
テリ6に市販品又は特注品を用いることができるか、容
易に製造することができる。移動カメラ1は既に多数市
販され、掌サイズの移動カメラ1も市販されている。
【0014】ここで、超音波モータを用いた移動カメラ
1は現在幾つかの研究機関及び企業で開発され、外枠を
含めて直径10センチメートル未満の移動カメラ1が既
に開発されている。そこで請求項2記載の発明も、請求
項1記載の発明に対して移動カメラ1を超音波モータを
用いたものに変更することにより、容易に実現できる。
【0015】最後に、一般的な用途に対する視覚装置2
のアルゴリズムは既に開発されているが、人工眼球に適
するように一部変更が必要である。したがって以下では
主に視覚装置2について説明する。
【0016】図1に示すように、移動カメラ1が撮影し
た映像は、フレーム画像の画質を低下させることなくア
ナログ動画像又はデジタル動画像として視覚装置2に送
信される。また移動カメラ1は現在の移動カメラ1の状
態を表す信号を視覚装置2に送信し、一方で視覚装置2
は移動カメラ1の向き及び倍率を制御する信号を移動カ
メラ1に送信する。
【0017】移動カメラ1は水平方向及び垂直方向に向
きを変更する機構を備え、外部から移動角度を制御する
命令を入力することにより、各々パン及びチルトをする
ことができるものとする。なお3自由度移動カメラ1は
ロールをすることができる。また移動カメラ1は撮影画
像の倍率を変更する機構を備え、外部から倍率を制御す
る命令を入力することにより、ズームをすることができ
るものとする。したがって移動カメラ1は外部からの命
令によりカメラ自体を細かく振動させることができる。
これにより移動カメラ1が撮影した動画像のフレーム画
像はブレを生じ、フレーム画像中の物体はあたかも振動
しているように撮影される。そのため静止物体はあたか
もフレーム画像中を移動しているかのように撮影され
る。
【0018】次に、移動カメラ1はパン、チルト及びズ
ームの移動命令により移動した現在の向き及び倍率を必
要に応じて出力できるものとし、さらに現在移動中であ
るか若しくは停止しているかといった移動カメラ1の状
態も必要に応じて出力できるものとする。このとき視覚
装置2が移動カメラ1のパン、チルト及びズームを制御
することができれば、移動カメラ1が移動物体及び静止
物体を常時適切な大きさで撮影できるように、この視覚
装置2は移動カメラ1の向き及び倍率を変更することが
できるようになる。
【0019】そこで移動カメラ1が移動物体及び静止物
体を常時適切な大きさで撮影するために、視覚装置2は
機能に応じて3つの座標系、つまりカメラ座標系、画像
座標系及び環境座標系を使い分ける。第一に、カメラ座
標系は、文字通り移動カメラ1がパン、チルト及びズー
ムを各々の最小制御単位で制御するために用いているカ
メラ内部の三次元球座標系である。一般にカメラ座標系
の原点はホームポジションと呼ばれる移動カメラ1固有
の位置である。カメラ座標系は移動物体及び静止物体の
物理的位置を表すことができる唯一の座標系である。そ
れにも関わらずカメラ座標系は移動カメラ1の機種毎に
異なるため、カメラ座標系には汎用性がない。そのため
視覚装置2は他の手段からカメラ座標系を秘匿する必要
がある。第二に、画像座標系は、移動カメラ1によって
撮影されたフレーム画像の中央を原点とする、画素を単
位とした二次元座標系である。これはフレーム画像中の
どの画素に移動物体及び静止物体が位置するか表すため
に用いられる。したがって画像座標系はフレーム画像中
にある移動物体及び静止複数の物体の細かな位置を区別
するのには適しているが、画像座標系だけではこれらの
移動物体及び静止物体の物理的位置を表すことができな
い。第三に、環境座標系は、視覚装置2が内部で移動物
体及び静止物体の位置を論理的に統一して表すために用
いている三次元球座標系である。環境座標系は水平方向
及び垂直方向にはラジアンを単位とした角度を用い、物
体の大きさと物体までの距離の積を表すために、距離方
向には1.0を単位とした実数を用いる。一般に物体の
大きさが短時間で極端に変ることはないので、物体まで
の距離と移動カメラ1の倍率は比例すると見なしてよ
い。環境座標系の原点は任意である。つまり環境座標系
は原則として環境座標系上の任意の2点の相対座標を表
すために用いられる。視覚装置2は移動カメラ1によっ
て撮影可能な環境中の移動物体及び静止物体を環境座標
系に投影することで、複数の移動物体及び静止物体を区
別することができる。
【0020】そこでカメラ座標系及び画像座標系は各々
環境座標系と相互に座標変換をする必要がある。その役
割を果たしている手段がカメラ/環境座標変換手段2
0、画像/環境座標変換手段21及び運動制御手段23
である(図2参照)。これらの手段は移動カメラ1及び
画像取得手段11(図2参照)の仕様からカメラ座標系
及び画像座標系の各単位を求め、環境座標系に変換する
ための行列を計算する。またカメラ座標系から環境座標
系への変換行列の逆行列を計算することにより、環境座
標系からカメラ座標系への変換行列も求めることができ
る。ただしカメラ座標系の原点が移動カメラ1のホーム
ポジションであるので、カメラ座標系から変換された環
境座標系の位置は環境座標系上の移動カメラ1のホーム
ポジションからの相対位置となる。一方、環境座標系か
ら変換されたカメラ座標系の位置はカメラ座標系上の移
動カメラ1の現在位置からの相対位置となる。加えて、
画像座標系は二次元座標系であるため、画像座標系のみ
では環境座標系に変換することはできない。そのため画
像/環境座標変換手段21では環境座標系で表された移
動カメラ1の向き及び倍率と、フレーム画像中の移動物
体及び静止物体の領域の大きさを用いて、随時変換行列
を計算することにより、画像座標系から環境座標系に変
換できるようにする。なお画像座標系から変換された環
境座標系の位置は、画像の中心からの相対位置となる。
【0021】前述したカメラ座標系、画像座標系及び環
境座標系を用いて、視覚装置2の実施形態を説明する。
図2に示すように、視覚装置2の実施形態は、移動カメ
ラ1の撮像信号(フレーム画像)を受信して適切なフォ
ーマットとサイズのデジタル画像111に変換する画像
取得手段11と、デジタル画像111を一定期間記憶す
る画像記憶手段12と、2つのデジタル画像111から
移動物体の粗エッジ情報112を生成するエッジ情報生
成手段14と、粗エッジ情報112をより的確で明瞭な
形成エッジ情報114に形成するエッジ情報形成手段1
5と、形成エッジ情報114によって区分される領域を
分離する物体/背景分離手段16と、分離された領域を
画像サイズに正規化する領域正規化手段27と、形成エ
ッジ情報114を用いて移動物体の大ざっぱな形状を解
析する幾何解析手段37と、正規化された移動物体の領
域及び幾何解析結果から移動物体の種別を認識する画像
認識手段29と、粗エッジ情報112によって区分され
た各領域の位置及び大きさを検出する位置/大きさ検出
手段17と、移動カメラ1の向き及び倍率を表すカメラ
座標系を視覚装置2の基本的な座標系である環境座標系
に変換するカメラ/環境座標変換手段20と、環境座標
系で表された移動カメラ1の向き及び倍率を用いて、位
置/大きさ検出手段17が検出した移動物体の位置を環
境座標系に変換する画像/環境座標変換手段21と、位
置/大きさ検出手段17が検出した複数の移動物体の位
置から1つを選択する位置選択手段22と、1ミリ秒単
位で時刻を計る計時手段32と、環境座標系で表された
移動カメラ1の向き及び倍率、環境座標系で表される複
数の移動物体の位置、移動物体の種別、幾何解析結果、
及び時刻から環境地図を作成する環境理解手段31と、
出力先に出力するまで環境地図を保持する環境地図保持
手段33と、環境地図を用いて次に認識すべき移動物体
の位置を推定する物体位置推定手段34と、移動カメラ
1を振動させる命令を生成する振動命令生成手段25
と、環境座標系で表された移動カメラ1の向き及び倍率
を用いて、位置選択手段22、振動命令生成手段25及
び物体位置推定手段34から入力した3つの位置を参照
しながらカメラ座標系で表される移動カメラ1の位置を
決定する運動制御手段23と、運動制御手段23が決定
したカメラ座標系の位置に移動カメラ1を移動させるた
めの命令を生成するカメラ命令生成手段26と、を利用
したものである。
【0022】画像取得手段11が移動カメラ1から動画
像のフレーム画像を入力する際に、動画像がアナログ信
号の場合は、A/D変換によりフレーム画像をデジタル
信号に変換してデジタル画像111にする。なお特にC
CD撮像素子及びフォトダイオード撮像素子の電圧を直
接入力できるならば、A/D変換により適当なビット数
のデジタル信号に変換するだけで良い。動画像がデジタ
ル信号の場合は、圧縮されていれば展開し、圧縮されて
いなければそのまま入力する。これらにより動画像中任
意のフレーム画像を切り出すことができるので、このフ
レーム画像を切り出してデジタル画像111にする。変
換されたデジタル画像111は適当なフォーマットに従
いながら任意の画像サイズを有しているので、画像取得
手段11は画素単位で画像データを参照できるフォーマ
ットに変換し、視覚装置2で必要とする画像サイズ分を
切り出し、デジタル画像111として出力する。もし画
像取得手段11がデジタル画像111の全ての画素を並
列に出力することができれば、画像取得手段11から画
像記憶手段12への通信は、画素毎に並列に行うことが
できる。
【0023】画像記憶手段12が画像取得手段11から
デジタル画像111を入力すると、視覚装置2の時間分
解能若しくは各手段の計算能力に合わせて一定時間デジ
タル画像111を記憶する。つまりこの一定時間中にデ
ジタル画像111が入力されても画像記憶手段12は記
憶画像を変更することがないので、後に続く各手段は異
なるタイミングで同じデジタル画像111を入力するこ
とができる。しかも画像記憶手段12はデジタル画像1
11に対して画像処理を施さないので、デジタル画像1
11の全ての画素に対して二次元の位相関係を保ったま
ま記憶している。もし画像記憶手段12がデジタル画像
111の全ての画素を並列に出力することができれば、
画像記憶手段12からエッジ情報生成手段14への通信
は、画素毎に並列に行うことができる。
【0024】エッジ情報生成手段14が画像記憶手段1
2からデジタル画像111を入力すると、直前に入力さ
れたデジタル画像111と比較することにより移動物体
の粗エッジ情報画像113を生成する。エッジ情報生成
手段14は画素毎に近傍処理のみで粗エッジ情報画像1
13を生成することができるので、並列化に向いてい
る。もしエッジ情報生成手段14が粗エッジ情報画像1
13の全ての画素を並列に出力することができれば、エ
ッジ情報生成手段14からエッジ情報形成手段15及び
位置/大きさ検出手段17への通信は、画素毎に並列に
行うことができる。
【0025】エッジ情報形成手段15がエッジ情報生成
手段14から粗エッジ情報画像113を入力すると、画
像記憶手段12で記憶されていたデジタル画像111を
参照して、粗エッジ情報画像113より的確で明瞭な移
動物体の形成エッジ情報画像115を生成する。エッジ
情報形成手段15は画素毎に近傍処理のみで形成エッジ
情報画像115を生成することができるので、並列化に
向いている。もしエッジ情報形成手段15が形成エッジ
情報画像115の全ての画素を並列に出力することがで
きれば、エッジ情報形成手段15から物体/背景分離手
段16及び幾何解析手段37への通信は、画素毎に並列
に行うことができる。
【0026】物体/背景分離手段16はエッジ情報形成
手段15から形成エッジ情報画像115を入力すると、
移動物体の物体領域141に含まれる画素と背景に含ま
れる画素を異なるグループに分離して、分離結果をグル
ープ単位で順次出力する。なお物体領域141が隣接し
ているにも関わらず形成エッジ情報114により明確に
区別される場合、物体/背景分離手段16はこれらの物
体領域141を異なるグループに分離することができ
る。したがってグループの数は3以上になることもあ
る。物体/背景分離手段16は画素毎に近傍処理のみで
物体領域141と背景を分離することができるので、並
列化に向いている。もし物体/背景分離手段16が物体
領域画像142の全ての画素を並列に出力することがで
きれば、物体/背景分離手段16から領域正規化手段2
7への通信は、画素毎に並列に行うことができる。
【0027】領域正規化手段27は物体/背景分離手段
16及び画像取得手段11から物体領域画像142及び
デジタル画像111をそれぞれ入力すると、移動物体の
分離物体領域143をデジタル画像111から切り出
し、分離物体領域143を変形しながらデジタル画像1
11の画像サイズに合わせて可能な限り補完及び拡大す
ることで正規化画像145を生成する。領域正規化手段
27は画素毎に近傍処理のみで分離物体領域143を正
規化することができるので、並列化に向いている。もし
領域正規化手段27が正規化画像145の全ての画素を
並列に出力することができれば、領域正規化手段27か
ら画像認識手段29への通信は、画素毎に並列に行うこ
とができる。
【0028】正規化画像保持手段28は領域正規化手段
27から正規化画像145を入力すると、もし正規化画
像145の出力先が適当なフォーマットの正規化画像1
45を要求するならば、正規化画像145の出力先が要
求するフォーマットに正規化画像145を変換する。そ
の後正規化画像保持手段28は正規化画像145の出力
先に確実に正規化画像145を送信するまで一定期間正
規化画像145を記憶する。正規化画像保持手段28は
変換するフォーマットを限定すれば画素毎に近傍処理の
みで正規化画像145を変換することができるので、並
列化に向いている。もし正規化画像保持手段28が正規
化画像145の全ての画素を並列に出力することができ
れば、正規化画像保持手段28から正規化画像145の
出力先への通信は、画素毎に並列に行うことができる。
【0029】幾何解析手段37はエッジ情報形成手段1
5から形成エッジ情報画像115を入力すると、ストロ
ーク抽出法、フーリエ変換、アフィン変換及びハフ変換
等の幾何解析を行うことにより、フレーム画像中の移動
物体の形を推定し、幾何解析結果を生成する。従来の画
像認識では画像自体から直接線分を抽出したり、移動物
体の位置及び大きさに左右されないような各種変換を用
いることにより、画像中の物体を認識することを行って
きた。このため処理の単純さにも関わらず組み合わせの
数が膨大となり、結果として膨大な計算量が必要とな
り、望みうる結果を得るまでに長時間掛ったり、若しく
は品質の低い認識結果しか得られなかった。しかしなが
らこの視覚装置2では、フレーム画像中の移動物体のパ
ターンに対する認識を物体/背景分離手段16、領域正
規化手段27及び画像認識手段29が行う。そこで、幾
何解析手段37は形成エッジ情報画像115を用いて、
物体/背景分離手段16、領域正規化手段27及び画像
認識手段29が苦手としているような移動物体の輪郭等
が構成する幾何図形のみを、簡単な方法で大ざっぱに解
析することにより、画像認識手段29が行う画像認識を
簡略化し、環境理解手段31が環境地図を的確で高速に
作成することができると共に、幾何解析手段37自体の
負荷も低減することができる。幾何解析結果は幾何解析
手段37から画像認識手段29及び環境理解手段31へ
出力される。
【0030】パターンマッチング手段38は領域正規化
手段27から正規化画像145を入力すると、テンプレ
ート画像146を用いて、正規化画像145中の移動物
体の正規化領域144と比較を行い、マッチング結果画
像147を出力する。パターンマッチングは、人物の
顔、車及び信号機等、図形の細かい幾何よりも図形の組
み合せ及び構成に特徴がある物体に対してパターン認識
をするのに適している。つまり人の顔の形が真円、楕
円、卵形、及び長方形であっても、顔は顔である。たと
え顔の輪郭が凸凹していても、瞳や唇が適切な位置関係
を保っていることの方が重要である。したがってパター
ンマッチング手段38は人物の顔、車及び信号機等の物
体の種別を認識するために用いられる。ただし、正規化
画像145が複数のテンプレート画像146に類似する
場合は、類似のテンプレート画像146の内上位幾つか
を列挙することになる。正規化画像145に対するマッ
チング結果画像147はパターンマッチング手段38か
ら画像認識手段29へ出力される。
【0031】画像認識手段29はパターンマッチング手
段38からマッチング結果画像147を入力すると、適
当なパターン認識方法を用いてマッチング結果画像14
7を認識し、認識結果、つまり移動物体の種別を出力す
る。画像認識手段29における認識方法には、誤差逆伝
播法(バックプロパゲーション)等により学習すること
ができるパーセプトロンのようなニューラルネットワー
クの他、単純に多数決アルゴリズムが用いられても良
い。マッチング結果画像147の認識結果、つまり移動
物体の種別は画像認識手段29から環境理解手段31へ
出力される。ただし、画像認識手段29は幾何解析手段
37から幾何解析結果を入力すると、まず画像認識手段
29が認識の対象としている図形であるかどうか判断す
る。もし幾何解析結果が対象外の図形であれば、画像認
識手段29は動作しない。幾何解析結果が対象図形であ
れば、画像認識手段29はマッチング結果画像147と
幾何解析結果を用いて認識を行う。例えば誤差逆伝播法
によって学習するパーセプトロンの場合、対象図形毎に
パーセプトロンを学習させて学習データを作成し、その
後幾何解析結果によって学習データを選択することによ
り、対象図形に対して効率的に認識を行うようにする。
つまり幾何解析結果が円形であれば、人の顔やボールの
ような円形の物体の学習データだけを利用し、幾何解析
結果が三角形であれば、道路標識や山並みのような三角
形の物体の学習データだけを利用する。これにより、小
規模のパーセプトロンによって多数のマッチング結果画
像147を認識することができるばかりでなく、パーセ
プトロン自体も効率よく学習することができる。多数決
の場合も同様である。
【0032】位置/大きさ検出手段17がエッジ情報生
成手段14から粗エッジ情報画像113を入力すると、
粗エッジ情報112によって指し示された移動物体の領
域の位置及び大きさを検出する。位置/大きさ検出手段
17は画素毎に近傍処理のみで、移動物体の領域の位置
及び大きさの検出結果を表す重複情報画像132を生成
することができるので、並列化に向いている。もし位置
/大きさ検出手段17が重複情報画像132の全ての画
素を並列に出力することができれば、位置/大きさ検出
手段17から画像/環境座標変換手段21への通信は、
画素毎に並列に行うことができる。
【0033】カメラ/環境座標変換手段20及び画像/
環境座標変換手段21は、位置/大きさ検出手段17が
生成した重複情報画像132で表される移動物体の領域
の位置を環境座標系の位置に変換する。このときフレー
ム画像中の移動物体の領域の位置の総数が2つ以上であ
れば、環境座標系上にも2つ以上の位置が存在すること
になる。そこで移動カメラ1のパン、チルト及びズーム
を制御していずれか1つの移動物体に移動カメラ1の向
き及び倍率を合わせるために、環境座標系上の複数の位
置の中から1つを選択する必要がある。位置選択手段2
2は一定の判断基準に従い、環境座標系上の1つの位置
を選択する。ここで用いられる判断基準は主に次のよう
なものである。第一に、環境座標系上での移動物体の位
置のうち移動カメラ1に最も近いもの(若しくは最も大
きいもの)を選択する。これは移動物体が遠かったり
(若しくは小さかったり)した場合、エッジ情報生成手
段14がノイズを生成した可能性があるので、環境座標
系上の複数の位置の中から移動物体が存在する確率が少
しでも高いものを選択する。第二に、環境座標系上の一
定範囲内に複数の位置が集中している場合、このうちの
1つを選択する。この状況には2つの可能性が考えられ
る。1つはエッジ情報生成手段14が1つの移動物体に
対して分散した粗エッジ情報112を生成した可能性で
あり、もう1つは実際に複数の移動物体が存在する可能
性である。第三に、環境座標系上に多数の位置がほぼ同
じ距離(若しくはほぼ同じ大きさ)である場合、原点に
最も近い位置、すなわち移動カメラ1の向きに最も近い
位置を選択する。これらを用途や状況に応じて適宜組み
合せることにより、位置選択手段22は環境座標系上の
複数の位置の中から1つを選択することができる。
【0034】計時手段32はタイマー回路により現在時
刻を1ミリ秒単位で出力する。現在時刻は絶えず計時手
段32から環境理解手段31へ出力される。
【0035】環境理解手段31は画像認識手段29から
移動物体の物体領域141の認識結果を入力すると、認
識結果、移動カメラ1の環境座標系上での位置、及び現
在時刻からなる環境データを作成する。また環境理解手
段31は画像/環境座標変換手段21からフレーム画像
中の全ての物体領域141の環境座標系上での位置を入
力すると、ヌルデータからなる認識結果、移動カメラ1
の環境座標系上での位置とフレーム画像中の1つの物体
領域141の環境座標系上での位置を加えた位置、及び
現在時刻からなる環境データを、物体領域141の数だ
け作成する。このとき環境地図は現在時刻より一定時間
前に作成された環境データの集合となり、環境データ中
の位置は移動カメラ1のホームポジションを原点とする
環境座標系によって表される。環境理解手段31は環境
地図に対して時刻の経過と共に環境データを追加及び削
除する。また環境理解手段31は、重複した内容の環境
データを位置の変化に置き換える等して削除すると共
に、認識結果がヌルデータである環境データ中の位置が
認識結果がヌルデータでない他の環境データ中の位置の
近傍である場合、認識結果がヌルデータである環境デー
タを削除する。加えて、認識結果がヌルデータでない環
境データ中の位置が、認識結果がヌルデータでない他の
環境データ中の位置の近傍である場合、もしこれらの環
境データ中の認識結果が一致すれば、前者の環境データ
を削除する。環境データの記録時間と環境データ中の位
置の近傍の範囲により、環境地図の精度が決定される。
環境座標系上での現在の移動カメラ1の位置が環境地図
に追加された後、環境地図は環境理解手段31から環境
地図保持手段33へ出力される。ただし、環境理解手段
31は幾何解析手段37から幾何解析結果を入力する
と、まず画像認識手段29が認識の対象としている図形
であるかどうか判断する。もし幾何解析結果が対象外の
図形であれば、移動カメラ1の環境座標系上の位置の近
傍にあり、しかも認識結果がヌルデータである環境デー
タを、環境理解手段31は直ちに環境地図から削除す
る。これにより環境地図から不必要な環境データが削除
され、物体位置推定手段34が不必要な物体推定位置を
出力しなくても済む。幾何解析結果が対象図形の場合、
画像認識手段29から認識結果が入力されるまで待つ。
【0036】環境地図保持手段33が環境理解手段31
から環境地図を入力すると、もし環境地図の出力先が適
当なフォーマットの信号を要求するならば、環境地図の
出力先が要求するフォーマットに環境地図を変換する。
その後環境地図保持手段33は環境地図の出力先に確実
に環境地図を送信するまで一定期間環境地図を記憶す
る。
【0037】物体位置推定手段34は環境理解手段31
から環境地図を入力すると、認識結果がヌルデータであ
る環境データを1つ選択し、この環境データ中の位置を
抜き出す。この位置からカメラ/環境座標変換手段20
によって計算された移動カメラ1の環境座標系上での現
在位置を引くことにより、物体位置推定手段34は、移
動カメラ1の環境座標系上での現在位置を原点とした、
過去に粗エッジ情報112が生成されているにも関わら
ずまだ認識結果が出ていない移動物体の環境座標系上で
の相対位置を求めることができる。ただし現在この位置
に移動物体が存在するとは限らない。したがってこの位
置は移動物体が存在する可能性がある移動物体の推定位
置となる。一方で、もし環境地図の中に認識結果がヌル
データである環境データがなければ、移動カメラ1が移
動可能な範囲で適当な環境座標系上の位置を生成する。
このとき適当な位置を生成する基準として次のようなも
のが考えられる。第一に、疑似乱数により任意の位置を
生成する。第二に、環境地図中の環境データ中の位置の
密度が低い位置を計算する。第三に、移動カメラ1が移
動可能な範囲中の位置を適当な順番で順次生成する。例
えば、移動カメラ1が移動可能な範囲において左上端の
位置から右に向けて順番に位置を生成し、右端に到達し
たら一段下に降りた後左に向けて順番に位置を生成し、
左端に到達したら一段下に降りた後右に向けて順番に位
置を生成することを繰り返す。これらの基準を用途や状
況に応じて組み合せることにより、まだ移動カメラ1が
撮影していない移動物体の推定位置を効率的に推定する
ことができる。物体推定位置は物体位置推定手段34か
ら運動制御手段23へ出力される。
【0038】さて、視覚装置2には、位置選択手段22
で選択された位置の他に次のような位置に移動カメラ1
をパン、チルト及びズームすることが求められる。まず
静止物体が移動しているように移動カメラ1が撮影する
ために、この視覚装置2は移動カメラ1を振動させなけ
ればならない。そこで振動命令生成手段25は移動カメ
ラ1が移動すべき位置を環境座標系上の位置として指定
する。振動命令生成手段25が指定する位置は極端に移
動カメラ1が振動しない範囲で疑似乱数等によって決定
される。
【0039】そこで移動カメラ1のパン、チルト及びズ
ームを制御するために、運動制御手段23が前述した環
境座標系上の3つの位置から1つを選択する。その際に
運動制御手段23は、物体位置推定手段34、位置選択
手段22、振動命令生成手段25の順番で入力位置があ
る手段から選択する。選択された位置は運動制御手段2
3によって環境座標系からカメラ座標系に変換される。
その後カメラ命令生成手段26によって移動カメラ1が
認識することができる命令に置き換えられて移動カメラ
1に送信される。これによりこの視覚装置2は移動カメ
ラ1のパン、チルト及びズームを制御することができ
る。
【0040】なお移動カメラ1の機種によっては、移動
カメラ1に特定の命令を送信しないと移動カメラ1の状
態、すなわち移動カメラ1の向き及び倍率や、移動カメ
ラ1が移動中であるか若しくは停止中であるかといった
情報を得ることができないものがある。そこで運動制御
手段23は、前述した3つの位置から1つを選んでカメ
ラ命令生成手段26に出力した後に、移動カメラ1が移
動中であるかどうかといった情報を問い合わせる命令を
移動カメラ1に送信するように、運動制御手段23はカ
メラ命令生成手段26に指示し、移動カメラ1からカメ
ラ/環境座標変換手段20を介してこの情報を受け取る
まで待つ。もし受け取った情報が移動中を示せば、移動
カメラ1が移動中であるかどうかといった情報を問い合
わせる命令を移動カメラ1に送信するように、運動制御
手段23は再度カメラ命令生成手段26に指示する。も
し受け取った情報が停止中を示せば、移動カメラ1が現
在の向き及び倍率を問い合わせる命令を移動カメラ1に
送信するように、運動制御手段23はカメラ命令生成手
段26に指示する。この期間中運動制御手段23は3つ
の位置を選択しない。カメラ命令生成手段26は運動制
御手段23からの指示に従い、対応する命令を移動カメ
ラ1に送信する。カメラ/環境座標変換手段20は移動
カメラ1が移動中であるかどうかといった情報をそのま
ま運動制御手段23に送信し、また移動カメラ1の現在
の向き及び倍率をカメラ座標系から環境座標系の位置に
変換する。これによりこの視覚装置2は、移動カメラ1
の状態を逐次調査しながら、移動カメラ1のパン、チル
ト及びズームを制御することができる。
【0041】最後に、視覚装置2では、画像記憶手段1
2、エッジ情報生成手段14、及び位置/大きさ検出手
段17と、エッジ情報形成手段15、物体/背景分離手
段16、領域正規化手段27、正規化画像保持手段2
8、パターンマッチング手段38、及び画像認識手段2
9との間で、各々の手段が入力する画像の解像度若しく
は画像サイズを必ずしも一致させる必要はない。例え
ば、この視覚装置2において、エッジ情報生成手段14
にはデジタル画像111の解像度を低くした低解像度デ
ジタル画像116を入力させ、一方、エッジ情報形成手
段15には、エッジ情報生成手段14が生成した低解像
度粗エッジ情報画像117の画像サイズを適当な方法で
デジタル画像111の画像サイズに拡大した粗エッジ情
報画像113を入力させ、物体/背景分離手段16及び
領域正規化手段27にはデジタル画像111を入力させ
ることにより、エッジ情報生成手段14の負荷を低減す
ることができる。つまりエッジ情報形成手段15以降で
生成される正規化画像145の品質をほとんど変えるこ
となく、位置/大きさ検出手段17以降の移動カメラ1
のパン、チルト及びズームの制御をより高速にすること
ができる。そこでこの方法をさらに進めると、エッジ情
報形成手段15には、エッジ情報生成手段14が生成し
た低解像度粗エッジ情報画像117のうち粗エッジ情報
112が存在する領域を切り出した切出粗エッジ情報画
像119を入力させ、物体/背景分離手段16及び領域
正規化手段27には、デジタル画像111から切出粗エ
ッジ情報画像119と同じ位置の領域を切り出した切出
デジタル画像120を入力させることにより、エッジ情
報形成手段15以降の正規化画像145の生成の負荷を
低減することができる。ここでこの視覚装置2により、
移動カメラ1が移動物体をフレーム画像の中央に適切な
大きさで撮影することができれば、デジタル画像111
に対する切出粗エッジ情報画像119及び切出デジタル
画像120の切出領域を事前に決定することができる。
この方法により、この視覚装置2は1台の移動カメラ1
を用いることにより、広角カメラと高解像度カメラを用
いた物体探索装置と同様の性能を達成することができ
る。
【0042】さて、請求項1記載の視覚装置2で用いら
れている画像記憶手段12、エッジ情報生成手段14、
エッジ情報形成手段15、物体/背景分離手段16、領
域正規化手段27、位置/大きさ検出手段17、正規化
画像保持手段28、及びパターンマッチング手段38
は、配列演算ユニット40(ARRAY OPERATION UNIT)か
ら構成されるデータ処理装置110を用いることにより
実装することができる。そこで以下では、配列演算ユニ
ット40を利用したデータ処理装置110の実施形態を
挙げ、この視覚装置2を図面を参照して説明する。
【0043】まず配列演算ユニット40は、入力画像の
1つの画素とその近傍画素を用いることにより、出力画
像の1つの画素を生成する。そこで図3に示したよう
に、配列演算ユニット40を入力画像のサイズに合わせ
て格子状に配列したデータ処理装置110を用いること
により、データ処理装置110は入力画像から出力画像
を生成することができる。なお図3において、配列演算
ユニット40をAOUと略記する。次に配列演算ユニッ
ト40は専用ハードウェアによって実装されても良い
し、汎用コンピュータ上でソフトウェアによって実装す
ることもできる。つまり入力画像から出力画像を生成す
ることができれば、実装手段は制限されない。したがっ
て配列演算ユニット40のアルゴリズムを示すことによ
り、データ処理装置110の画像処理を示すことができ
る。そこで配列演算ユニット40のアルゴリズムを示す
ために、図2で示された画像記憶手段12、エッジ情報
生成手段14、エッジ情報形成手段15、領域正規化手
段27、位置/大きさ検出手段17、正規化画像保持手
段28、及びパターンマッチング手段38で用いる数式
について説明する。
【0044】幅w、高さh、帯域数bの任意の2階調
画像をとすると、は各々位置p
(i,j,k)の帯域画素値xijk、yijk、w
ijkを用いて数式1、2及び3のように表される。な
おアンダーラインが付された文字はベクトルを示す。ま
たnは非負の整数、w、h、b、i、j、kは自然数で
ある。
【0045】
【数1】
【0046】
【数2】
【0047】
【数3】
【0048】まず前記画像の各帯域画素値に対する点処
理に関する関数について以下で説明する。
【0049】画像を二値画像に変換する場合、数式4
に従って帯域画素値を二値化する。
【0050】
【数4】
【0051】画像を帯域最大値画像に変換する場合、
数式5に従ってi行j列の画素の各帯域の値のうち最大
値を選択する。なお前記帯域最大値画像は単帯域画像と
なるので、便宜上帯域数1の前記画像として取り扱うこ
とにする。したがって関数B ij1)の第3添字は
1となっている。
【0052】
【数5】
【0053】画像が二値画像であるとして、画像
反転させる場合、数式6に従って計算する。
【0054】
【数6】
【0055】画像の位置p(i,j,k)における対
数変換は数式7に従って行われる。ここでeはオフセッ
トであり、自然対数関数が出力する値が有効範囲に入る
ようにするために使われるので、一般にe=1で十分で
ある。この対数化により帯域画素値同士の除算を減算に
することができる。また画像が2階調のデジタル画
像111であるとすると、帯域数に関わらず2個の要
素を含むルックアップテーブルをメモリ42上に持つな
らば、毎回自然対数関数を計算する必要もなく、標準的
な対数表を持つ必要もなくなる。
【0056】
【数7】
【0057】さて、画像の位置p(i,j,k)におけ
るq近傍の位置の集合Pijk(q)は数式8によって
表される。ただしqは4、8、24、48、80、12
0、(2r+1)−1と続く数列であり、rは自然数
である。なお画像サイズをはみ出した位置が集合P
ijk(q)に含まれる場合には、特に指定がない限り
位置p(i,j,k)を代用するものとする。またこれ
以外のときは、指定に従い、画素値が0に相当し、しか
も画像に含まれない架空の位置を代用する。これにより
辺縁処理は自動的に行われる。したがって集合Pijk
(q)の要素の数N ijkは常にqとなる。
【0058】
【数8】
【0059】そこで次に画像の各帯域画素値に対する最
大8近傍の近傍処理に関する関数及びオペレータについ
て以下で説明する。
【0060】画像の位置p(i,j,k)における平
滑化は数式9に従って行われる。ただしint(v)は
実数vの小数点以下切り捨てを意味するものとする。も
し画像の帯域画素値が整数値であるならば、ハードウ
ェアの実装時にNijk=4のときxlmkの総和に対
して右シフト命令を2回、Nijk=8のときxlm
の総和に対して右シフト命令を3回実行するような回路
に変更することにより、除算を実行する回路を省くこと
ができる。
【0061】
【数9】
【0062】ラプラシアンの計算であるが、これは数式
10に示すように単なる2階差分オペレータである。8
近傍の方がノイズの微妙な変化を捉えてゼロ点およびゼ
ロ交差が多くなり、本発明には向いている。ただしN
ijkが4か8であるので、もしハードウェアの実装時
にNijk=4のときxijkに対して左シフト命令を
2回、Nijk=8のときxijkに対して左シフト命
令を3回実行するような回路に変更することにより、実
数の乗算を実行する回路を省くことができる。
【0063】
【数10】
【0064】ラプラシアンによって求められた値からゼ
ロ点を見付ける方法として、従来は正から負に変化する
画素を見付けていたが、本発明では数式11に従い、負
から正にゼロ交差する画素の他に、負からゼロやゼロか
ら正のようにゼロ点が経由したり、ゼロが継続する画素
を見付けるようにする。本発明では、数式11が見付け
たゼロ点はエッジがある場所ではなく、ノイズがある場
所、つまりエッジがない場所になる。また数式11によ
り実数値の二値化も同時に行っている。
【0065】
【数11】
【0066】画像が任意の二値画像であるとして、画
のうち孔が空いている画素を埋める場合には、数式
12に従い計算する。ここでfは埋めるべき孔の大きさ
を表すパラメータであり、一般にはf=1で十分であ
る。なお4近傍の場合にはその性質上対角線を検知する
ことができないので、極力8近傍にした方がよい。
【0067】
【数12】
【0068】画像が任意の二値画像であるとして、画
のうち孤立点ないし孤立孔を削除する場合には、数
式13に従い計算する。なお4近傍の場合にはその性質
上対角線を検知することができないので、極力8近傍に
した方がよい。
【0069】
【数13】
【0070】画像が任意の二値画像であるとして、画
のうち線幅が1である画素を検知するために、4近
傍画素を用いて数式14に従い計算する。
【0071】
【数14】
【0072】2つの画像が任意の二値画像であ
り、画像が画像のうち線幅が1である画素を検知し
た画像であるとすると、画像のうち線幅が1である画
素の線幅を拡張するために、4近傍画素を用いて数式1
5に従い計算する。
【0073】
【数15】
【0074】そこで数式14の線幅検知と数式15の線
幅拡張を用いると、数式16に従い二値画像の線幅補完
を簡単に記述することができる。
【0075】
【数16】
【0076】次に画像の各帯域画素値に対する近傍処理
に関する関数及びオペレータについて以下で説明する。
【0077】2つの画像がある場合、これらの画
像の最大値画像は数式17に従って計算される。
【0078】
【数17】
【0079】2つの画像がある場合、これらの画
像の差分は数式18に従って計算される。
【0080】
【数18】
【0081】ここで数式10のラプラシアンと数式18
の差分を用いると、数式19に従い画像の鮮鋭化を簡単
に記述することができる。
【0082】
【数19】
【0083】2つの画像があり、画像が単帯域
二値画像である場合、数式20に従い、画像の帯域画
素値を用いて画像の各帯域画素値をマスクすることが
できる。
【0084】
【数20】
【0085】2つの画像があり、画像が二
値画像である場合、数式21に従い、画像を基に画像
を整形することができる。
【0086】
【数21】
【0087】2つの画像があり、画像が二値画
像である場合、数式22に従い、画像で指定されなか
った画像の帯域画素値を、画像の帯域画素値の近傍
のうち画像で指定された画像の帯域画素値の平均値
で補間する。ただしint(v)は実数vの小数点以下
切り捨てを意味するものとする。
【0088】
【数22】
【0089】さて本発明では、画素の位置や移動量も画
像データのように扱うことで処理を単純にしている。こ
れを位置の画像化と呼ぶ。以下では画像化に関する幾つ
かの関数及びオペレータについて説明する。
【0090】まず位置p(l,m,o)のl、m、o各
々の値を画像データとして帯域画素値に変換するオペレ
ータを#とし、変換された帯域画素値を#p(l,m,
o)とする。次に帯域画素値が位置p(i,j,k)か
ら位置p(i+l,j+m,k+o)へ移動する場合を
考える。このとき帯域画素値の移動量は位置p(l,
m,o)として表されるものとする。つまり移動量はあ
る位置からのベクトルと見なすことができる。最後に帯
域画素値から位置を取り出すオペレータを#−1とす
る。したがって#−1#p(l,m,o)=p(l,
m,o)となる。
【0091】そこで数式23に従い、移動量p(i,
j,k)を幅方向と高さ方向で表される平面内で180
度反対方向に向けることができる。
【0092】
【数23】
【0093】画像があり、画像が単帯域二値画像で
ある場合、画像の位置p(i,j,1)における重心
位置への移動量は数式24に従い計算される。なお、本
来重心を計算する際には除算を行う必要があるが、8近
傍内への移動量を計算する際に除算は相殺されてしまう
ので、数式24では除算が省かれている。
【0094】
【数24】
【0095】移動量p(i,j,k)から、数式25及
び26に従い8近傍内への移動量を計算し、移動量画像
に画像化することができる。なお数式26は、画像の離
散化により数式25では対応しきれない場合にのみ利用
する。
【0096】
【数25】
【0097】
【数26】
【0098】したがって数式24、25及び26を用い
ると、数式27及び28に従い、単帯域二値画像の重
心方向への移動量画像の帯域画素値を簡単に記述するこ
とができる。なお移動量画像の帯域数は1となる。
【0099】
【数27】
【0100】
【数28】
【0101】一方で数式23を用いると重心位置の反対
位置を求めることができるので、数式29に従い、単帯
域二値画像の重心と反対方向への移動量画像の帯域画
素値を簡単に記述することができる。なお移動量画像の
帯域数は1となる。
【0102】
【数29】
【0103】2つの画像があり、画像が移動量
画像である場合、数式30に従い、画像で指し示され
た移動位置に画像の帯域画素値を移動した後、同じ帯
域画素に移動した帯域画素値の合計を濃淡画像にするこ
とができる。
【0104】
【数30】
【0105】そこで数式4、27、28及び30を用い
ることにより、数式31又は数式32に従い、単帯域濃
淡画像を近傍の重心方向に移動した後、同じ帯域画素
に移動した帯域画素値の合計を簡単に記述することがで
きる。
【0106】
【数31】
【0107】
【数32】
【0108】2つの画像があり、画像が二値画
像で、画像が移動量画像である場合、画像の各帯域
画素値の移動先の位置を求めることができるので、移動
先が重複する帯域画素値を見つけることができる。そこ
で画像の各帯域画素値の移動先が重複することなく、
しかも移動する各帯域画素値が存在することを表す移動
可能画像の帯域画素値は、数式33に従い生成される。
なお移動可能画像の帯域数は1となる。
【0109】
【数33】
【0110】3つの画像があり、画像が移
動可能画像であり、画像が移動量画像である場合、数
式34に従い画像の帯域画素値を移動することができ
る。
【0111】
【数34】
【0112】そこで数式29、数式33及び数式34を
用いると、数式35に従い、二値画像から計算される
重心位置と反対方向に画像の帯域画素を移動すること
で得られる画像の帯域画素値を簡単に記述することがで
きる。
【0113】
【数35】
【0114】そこで数式1から数式35までを用いるこ
とにより、図2で示された画像記憶手段12、エッジ情
報生成手段14、エッジ情報形成手段15、領域正規化
手段27正規化画像保持手段28、及び位置/大きさ検
出手段17を実装するデータ処理装置110の全ての配
列演算ユニット40のアルゴリズムを記述することがで
きる。以下では、データ処理装置110中の任意の配列
演算ユニット40のアルゴリズムを用いて、画像記憶手
段12、エッジ情報生成手段14、エッジ情報形成手段
15、領域正規化手段27正規化画像保持手段28、及
び位置/大きさ検出手段17を説明する。
【0115】データ処理装置110によって実現される
画像記憶手段12がデジタル画像111を記憶するため
に、格子状に配列された配列演算ユニット40は同期し
て並列に動作する。格子上i行j列に配置された配列演
算ユニット40をAOUijとすると、AOUijのア
ルゴリズムは図4のようになる。
【0116】ステップ1201で、AOUijを格子上
のi行j列に配置する。これは論理的であれ物理的であ
れ、AOUijの近傍を決定するために必要である。
【0117】ステップ1202で、AOUijの近傍や
変数の初期値を設定する。
【0118】ステップ1203で、順次入力されるデジ
タル画像111が無くなったかどうか判断する。もしデ
ジタル画像111が無ければ(ステップ1203:YE
S)、アルゴリズムを終了する。もしデジタル画像11
1があれば(ステップ1203:NO)、ステップ12
04に移行する。ただし特定の画像サイズのみに対して
配列演算ユニット40を実装する場合には、無限ループ
にしても良い。
【0119】ステップ1204で、デジタル画像111
が準備されるまで入力待ちをする。
【0120】ステップ1205で、デジタル画像111
のi行j列の画素を帯域数分入力する。このためAOU
ijは少なくとも帯域数分の画像データを記憶するメモ
リ42を必要とする。
【0121】ステップ1206で、入力待ちの間出力で
きるように、デジタル画像111のi行j列の画素を記
憶する。
【0122】ステップ1207で、デジタル画像111
の帯域画素値を出力する。その後ステップ1203に戻
る。
【0123】これにより、配列演算ユニット40から構
成されるデータ処理装置110を用いて、画像記憶手段
12はデジタル画像111を記憶することができる。
【0124】データ処理装置110によって実現される
エッジ情報生成手段14がデジタル画像111から粗エ
ッジ情報画像113を生成するために、格子状に配列さ
れた配列演算ユニット40は同期して並列に動作する。
格子上i行j列に配置された配列演算ユニット40をA
OUijとすると、エッジ情報生成手段14に対するA
OUijのアルゴリズムは図5のようになる。
【0125】ステップ1401で、AOUijを格子上
のi行j列に配置する。これは論理的であれ物理的であ
れ、AOUijの近傍を決定するために必要である。
【0126】ステップ1402で、AOUijの近傍や
変数の初期値を設定する。近傍の設定においては、前記
各関数で使う近傍サイズqを個別に4か8に決めても良
いし、全部を4か8に統一しても良い。本発明のエッジ
情報生成手段14が生成する粗エッジ情報112の正確
さを上げるためには近傍サイズqを全て8に設定するこ
とが望ましい。しかしながら粗エッジ情報112を生成
するための計算時間の制約や、デジタル画像111の帯
域数等により、エッジ情報生成手段14は必要に応じて
適宜近傍サイズを変えることで対処することができる。
【0127】ステップ1403で、デジタル画像111
が終了したかどうか判断する。もしデジタル画像111
が無ければ(ステップ1403:YES)、アルゴリズ
ムを終了する。もしデジタル画像111があれば(ステ
ップ1403:NO)、アルゴリズムを終了する。ただ
し特定の帯域数と画像サイズに対して配列演算ユニット
40を実装する場合には、無限ループにしても良い。
【0128】ステップ1404で、デジタル画像111
のi行j列の画素を帯域数分入力する。これは、AOU
ijがデジタル画像111のi行j列の画素を一括して
処理するためである。このためAOUijは少なくとも
帯域数分の画像データを記憶するメモリ42を必要とす
る。
【0129】ステップ1405で、AOUijが近傍の
配列演算ユニット40と通信することにより、入力した
デジタル画像111の各帯域画素値に対して関数S
ijk)に従い平滑化を行う。平滑化された帯域画
素値は平滑化画像の帯域画素値として扱われる。ここで
関数Sijk)は必要に応じて数回繰り返しても良
い。一般的なカラー画像の場合、この回数は2回で十分
である。
【0130】ステップ1406で、平滑化画像の各帯域
画素値に対して関数Lijk)に従い対数変換を行
う。対数変換された帯域画素値は対数変換画像の帯域画
素値として扱われる。
【0131】ステップ1407で、AOUijが近傍の
配列演算ユニット40と通信することにより、対数変換
画像の各帯域画素値に対して関数Eijk)に従い
鮮鋭化を行う。鮮鋭化された帯域画素値は鮮鋭化画像の
帯域画素値として扱われる。
【0132】ステップ1408で、鮮鋭化画像の各帯域
画素値に対して関数Dijk)に従い1入力前
鮮鋭化画像の各帯域画素値を引く。差分を計算された帯
域画素値は時間差分画像の帯域画素値として扱われる。
【0133】ステップ1409で、1入力前鮮鋭化画像
の各帯域画素値を鮮鋭化画像の対応する各帯域画素値で
置き換える。
【0134】ステップ1410で、AOUijが近傍の
配列演算ユニット40と通信することにより、時間差分
画像の各帯域画素値に対してオペレータ∇ ijk
従いラプラシアンの計算を行う。ラプラシアンを計算さ
れた帯域画素値は時間差分ラプラシアン画像の帯域画素
値として扱われる。
【0135】ステップ1411で、AOUijが近傍の
配列演算ユニット40と通信することにより、時間差分
ラプラシアン画像の各帯域画素値に対して関数Zijk
)に従いゼロ点を抽出する。ゼロ点を抽出された帯
域画素値は時間差分ゼロ点画像の帯域画素値として扱わ
れる。
【0136】ステップ1412で、時間差分ラプラシア
ン画像の各帯域画素値に対して関数Bij1)に従
い各帯域画素値のうち最大値を検出する。検出された最
大値帯域画素値は最大値時間差分ゼロ点画像の帯域画素
値として扱われる。なお便宜上帯域数は1である。
【0137】ステップ1413で、AOUijが近傍の
配列演算ユニット40と通信することにより、鮮鋭化画
像の各帯域画素値に対してオペレータ∇ ijk に従
いラプラシアンの計算を行う。ラプラシアンを計算され
た帯域画素値はラプラシアン画像の帯域画素値として扱
われる。
【0138】ステップ1414で、AOUijが近傍の
配列演算ユニット40と通信することにより、ラプラシ
アン画像の各帯域画素値に対して関数Zijk)に
従いゼロ点を抽出する。ゼロ点を抽出された帯域画素値
はゼロ点画像の帯域画素値として扱われる。
【0139】ステップ1415で、ラプラシアン画像の
各帯域画素値に対して関数Bij1)に従い各帯域
画素値のうち最大値を検出する。検出された最大帯域画
素値は最大値ゼロ点画像の帯域画素値として扱われる。
なお便宜上帯域数は1である。
【0140】ステップ1416で、ラプラシアン画像の
各帯域画素値と時間差分ラプラシアン画像の各帯域画素
値に対して関数Mijk)に従い各々の画像の
同じ位置にある帯域画素値のうち最大値を検出する。検
出された最大帯域画素値は混成ゼロ点画像の帯域画素値
として扱われる。なお便宜上帯域数は1である。
【0141】ステップ1417で、AOUijが近傍の
配列演算ユニット40と通信することにより、混成ゼロ
点画像の帯域画素値に対して関数Fijk)に従い
孔を除去する。孔を除去された帯域画素値は孔除去混成
ゼロ点画像の帯域画素値として扱われる。なお便宜上帯
域数は1である。ここで関数Fijk)は必要に応
じて数回繰り返しても良い。一般的なカラー画像の場
合、この回数は1回で十分である。
【0142】ステップ1418で、AOUijが近傍の
配列演算ユニット40と通信することにより、孔除去混
成ゼロ点画像の帯域画素値に対して関数Aijk
に従い孤立点および孤立孔を除去する。孤立点および孤
立孔を除去された帯域画素値はノイズ除去混成ゼロ点画
像の帯域画素値として扱われる。なお便宜上帯域数は1
である。
【0143】ステップ1419で、ノイズ除去混成ゼロ
点画像の帯域画素値に対して関数I ijk)に従い
0と1を反転させる。反転された帯域画素値は粗エッジ
情報画像113の帯域画素値として扱われる。
【0144】ステップ1420で、粗エッジ情報画像1
13の帯域画素値を出力する。その後ステップ1403
に戻る。
【0145】これにより、配列演算ユニット40から構
成されるデータ処理装置110を用いて、エッジ情報生
成手段14はデジタル画像111から粗エッジ情報画像
113を生成することができる。
【0146】図6に示すように、データ処理装置110
によって実現されるエッジ情報形成手段15が粗エッジ
情報112から構成される粗エッジ情報画像113、及
びデジタル画像111から、形成エッジ情報114から
構成される形成エッジ情報画像115を生成するため
に、格子状に配列された配列演算ユニット40は同期し
て並列に動作する。格子上i行j列に配置された配列演
算ユニット40をAOU ijとすると、AOUijのア
ルゴリズムは図7のようになる。
【0147】ステップ1501で、AOUijを格子上
のi行j列に配置する。これは論理的であれ物理的であ
れ、AOUijの近傍を決定するために必要である。
【0148】ステップ1502で、AOUijの近傍や
変数の初期値を設定する。近傍の設定においては、前記
各関数で使う近傍サイズqを個別に4か8に決めても良
いし、全部を4か8に統一しても良い。本発明のエッジ
情報形成手段15が形成した形成エッジ情報114の正
確さを上げるためには近傍サイズqを全て8に設定する
ことが望ましい。しかしながら粗エッジ情報112を形
成するための計算時間の制約や、入力されるデジタル画
像111の帯域数等により、エッジ情報形成手段15は
必要に応じて適宜近傍サイズを変えることで対処するこ
とができる。
【0149】ステップ1503で、順次入力されるデジ
タル画像111又は粗エッジ情報画像113が無くなっ
たかどうか判断する。もしデジタル画像111若しくは
粗エッジ情報画像113のいずれかが無ければ(ステッ
プ1503:YES)、アルゴリズムを終了する。もし
デジタル画像111若しくは粗エッジ情報画像113の
いずれかがあれば(ステップ1503:NO)、ステッ
プ1504に移行する。ただし特定の帯域数と画像サイ
ズに対して配列演算ユニット40を実装する場合には、
無限ループにしても良い。
【0150】ステップ1504で、デジタル画像111
及び粗エッジ情報画像113のi行j列の画素を帯域数
分入力する。これは、AOUijがデジタル画像111
及び粗エッジ情報画像113のi行j列の画素を一括し
て処理するためである。このためAOUijは少なくと
も帯域数分の画像データを記憶するメモリ42を必要と
する。
【0151】ステップ1505で、デジタル画像111
のi行j列の画素と粗エッジ情報画像113のi行j列
の画素を分離する。これは、AOUijがデジタル画像
111のi行j列の画素と粗エッジ情報画像113のi
行j列の画素を各々独立した画像の画素として処理する
ためである。もしデジタル画像111のi行j列の画素
と粗エッジ情報画像113のi行j列の画素が初めから
分離されて入力されていれば、特に何もしない。
【0152】ステップ1506で、AOUijが近傍の
配列演算ユニット40と通信することにより、入力した
デジタル画像111の各帯域画素値に対して関数S
ijk)に従い平滑化を行う。平滑化された帯域画
素値は平滑化画像の帯域画素値として扱われる。ここで
関数Sijk)は必要に応じて数回繰り返しても良
い。一般的なカラー画像の場合、この回数は2回で十分
である。
【0153】ステップ1507で、平滑化画像の各帯域
画素に対して関数Lijk)に従い対数変換を行
う。対数変換された帯域画素値は対数変換画像の帯域画
素値として扱われる。
【0154】ステップ1508で、AOUijが近傍の
配列演算ユニット40と通信することにより、対数変換
画像の各帯域画素値に対して関数Eijk)に従い
鮮鋭化を行う。鮮鋭化された帯域画素値は鮮鋭化画像の
帯域画素値として扱われる。
【0155】ステップ1509で、AOUijが近傍の
配列演算ユニット40と通信することにより、鮮鋭化画
像の各帯域画素値に対してオペレータ∇ ijk に従
いラプラシアンの計算を行う。ラプラシアンを計算され
た帯域画素値はラプラシアン画像の帯域画素値として扱
われる。
【0156】ステップ1510で、AOUijが近傍の
配列演算ユニット40と通信することにより、ラプラシ
アン画像の各帯域画素値に対して関数Zijk)に
従いゼロ点を抽出する。ゼロ点を抽出された帯域画素値
はゼロ点画像の帯域画素値として扱われる。
【0157】ステップ1511で、ゼロ点画像の各帯域
画素値に対して関数Bij1)に従い各帯域画素値
のうち最大値を検出する。検出された最大帯域画素値は
最大値ゼロ点画像の帯域画素値として扱われる。なお便
宜上帯域数は1である。
【0158】ステップ1512で、最大値ゼロ点画像の
帯域画素値に対して関数Iijk)に従い0と1を
反転させる。反転された帯域画素値は基礎エッジ情報画
像の帯域画素値として扱われる。
【0159】ステップ1513で、入力した粗エッジ情
報画像113の帯域画素値は初め整形粗エッジ情報画像
の帯域画素値として扱われ、AOUijが近傍の配列演
算ユニット40と通信することにより、基礎エッジ情報
画像の帯域画素値を用いて、整形粗エッジ情報画像の帯
域画素値に対して関数Qijk)に従い整形を
行う。整形された帯域画素値は再び整形粗エッジ情報画
像の帯域画素値として扱われる。ここで関数Q
ijk)は本来整形粗エッジ情報画像の帯域画
素値が変化しなくなるまで繰り返される。ただし計算時
間の制約、入力される粗エッジ情報画像113の品質、
形成される形成エッジ情報画像115に求められる品質
等により、整形処理は適当な繰り返し回数で計算を打ち
切っても良い。
【0160】ステップ1514で、AOUijが近傍の
配列演算ユニット40と通信することにより、整形粗エ
ッジ情報画像の帯域画素値に対して関数Cijk
に従い線幅補完を行う。補完された帯域画素値は形成エ
ッジ情報画像115の帯域画素値として扱われる。
【0161】ステップ1515で、形成エッジ情報画像
115の帯域画素値を出力する。その後ステップ150
3に戻る。
【0162】これにより、配列演算ユニット40から構
成されるデータ処理装置110を用いて、エッジ情報形
成手段15は粗エッジ情報画像113を形成エッジ情報
画像115に形成することができる。
【0163】ここで粗エッジ情報画像113から形成エ
ッジ情報画像115への形成とは、ある場面を撮影した
低解像度のデジタル画像111から生成されたエッジ情
報から、同じ場面を撮影した高解像度のデジタル画像1
11から生成されるべきエッジ情報を推定することであ
ると見なすことができる。そこで自然数nに対して、図
8に示すように、デジタル画像111の解像度を1/n
に低くした低解像度デジタル画像116から、エッジ情
報生成手段14を用いて低解像度粗エッジ情報画像11
7を生成した場合、低解像度粗エッジ情報画像117を
n倍拡大することにより粗エッジ情報画像113を生成
することができる。ただしデジタル画像111の解像度
を1/nにするためには、水平及び垂直方向に対して単
純にデジタル画像111の連続するn個のうち1個を抽
出すれば良い。また低解像度粗エッジ情報画像117を
n倍拡大するためには、水平及び垂直方向に対して単純
に低解像度粗エッジ情報画像117の連続する画素の間
に帯域画素値が0である画素をn−1個埋めれば良い。
このときnがあまり大きくなければ、エッジ情報形成手
段15を実現するデータ処理装置110が、低解像度粗
エッジ情報画像117を拡大した粗エッジ情報画像11
3を形成した形成エッジ情報画像115と、エッジ情報
形成手段15を実現するデータ処理装置110が、デジ
タル画像111から生成した粗エッジ情報画像113を
形成した形成エッジ情報画像115とは、ほとんど同じ
ものになる。この理由は、エッジ情報形成手段15がデ
ジタル画像111を用いて内部で生成したエッジ情報の
うちどのエッジ情報を利用するのか参照するために、エ
ッジ情報形成手段15が粗エッジ情報画像113を用い
ているだけだからである。したがって低解像度粗エッジ
情報画像117を拡大した粗エッジ情報画像113をエ
ッジ情報形成手段15に入力した場合、低解像度デジタ
ル画像116から低解像度粗エッジ情報画像117を生
成するエッジ情報生成手段14を実現するデータ処理装
置110は計算量又はハードウェア量を低減することが
できる。
【0164】さらにこの方法を発展させると、図9に示
すように、デジタル画像111の解像度を低くした低解
像度デジタル画像116から生成した低解像度粗エッジ
情報画像117のうち、粗エッジ情報112の周辺を切
り出した低解像度切出粗エッジ情報画像118を生成す
ることができる。この低解像度切出粗エッジ情報画像1
18を拡大した切出粗エッジ情報画像119と、デジタ
ル画像111のうち同じ領域を切り出した切出デジタル
画像120をエッジ情報形成手段15を実現するデータ
処理装置110に入力すると、切出形成エッジ情報画像
121を生成することができる。この場合、エッジ情報
形成手段15を実現するデータ処理装置110はハード
ウェア量を低減することができる。なお視覚装置2は、
切出デジタル画像120が常にデジタル画像111の中
央になるように移動カメラ1の向き及び倍率を変化させ
るためのものであると見なすこともできる。
【0165】図10に示すように、データ処理装置11
0によって実現される領域正規化手段27が物体領域1
41を含む物体領域画像142、及び物体領域141と
重なる分離物体領域143を含むデジタル画像111か
ら正規化領域144を含む正規化画像145を生成する
ために、格子状に配列された配列演算ユニット40は同
期して並列に動作する。格子上i行j列に配置された配
列演算ユニット40をAOUijとすると、AOUij
のアルゴリズムは図11のようになる。
【0166】ステップ2701で、AOUijを格子上
のi行j列に配置する。これは論理的であれ物理的であ
れ、AOUijの近傍を決定するために必要である。
【0167】ステップ2702で、AOUijの近傍や
変数の初期値を設定する。近傍の設定においては、前記
各関数で使う近傍サイズqを個別に決めても良いし、全
部を統一しても良い。本発明の領域正規化手段27が生
成した正規化画像145の正確さを上げるためには近傍
サイズqを全て大きな値に設定することが望ましい。し
かしながら分離物体領域143を正規化するための計算
時間の制約や、入力されるデジタル画像111のサイズ
等により、領域正規化手段27は必要に応じて適宜近傍
サイズを変えることで対処することができる。
【0168】ステップ2703で、順次入力される物体
領域画像142又はデジタル画像111が無くなったか
どうか判断する。もし物体領域画像142又はデジタル
画像111が無ければ(ステップ2703:YES)、
アルゴリズムを終了する。もし物体領域画像142又は
デジタル画像111があれば(ステップ2703:N
O)、ステップ2704に移行する。ただし特定の帯域
数及び画像サイズのみに対して配列演算ユニット40を
実装する場合には、無限ループにしても良い。
【0169】ステップ2704で、物体領域画像142
のi行j列の画素を1帯域分と、デジタル画像111の
i行j列の画素を帯域数分を入力する。これは、AOU
ijが物体領域画像142のi行j列の画素とデジタル
画像111のi行j列の画素を一括して処理するためで
ある。このためAOUijは少なくとも総帯域数分の画
像データを記憶するメモリ42を必要とする。
【0170】ステップ2705で、物体領域画像142
のi行j列の画素とデジタル画像111のi行j列の画
素を分離する。これは、AOUijが物体領域画像14
2のi行j列の画素とデジタル画像111のi行j列の
画素を各々独立した画像の画素として処理するためであ
る。もし物体領域画像142のi行j列の画素とデジタ
ル画像111のi行j列の画素が初めから分離されて入
力されていれば、特に何もしない。物体領域画像142
及びデジタル画像111は各々更新物体領域画像及び更
新デジタル画像にコピーされる。
【0171】ステップ2706で、AOUijが近傍の
配列演算ユニット40と通信することにより、更新物体
領域画像の各帯域画素値に対して関数Rij1)に
従い移動量を計算する。移動量を画像化した帯域画素値
は移動量画像の帯域画素値として扱われる。
【0172】ステップ2707で、AOUijが近傍の
配列演算ユニット40と通信することにより、更新物体
領域画像の各帯域画素値に対して関数Hijk
)に従い移動可能な移動先帯域画素値を見つけること
ができる。移動可能な移動先であるかどうかを表す値は
移動可能画像の帯域画素値として扱われる。
【0173】ステップ2708で、AOUijが近傍の
配列演算ユニット40と通信することにより、更新物体
領域画像の各帯域画素値に対して関数Uijk
)に従い移動可能先に移動させる。移動した帯域画素
値は新たに更新物体領域画像の帯域画素値として扱われ
る。
【0174】ステップ2709で、AOUijが近傍の
配列演算ユニット40と通信することにより、更新デジ
タル画像の各帯域画素値に対して関数Uijk
)に従い移動可能先に移動させる。移動した帯域画素
値は新たに更新デジタル画像の帯域画素値として扱われ
る。
【0175】ステップ2710で、ステップ2706か
らステップ2709までの繰り返し回数を表す移動回数
が指定回数に達したかどうか判断する。もし移動回数が
指定回数に達していなければ(ステップ2710:N
O)、ステップ2706に戻る。もし移動回数が指定回
数に達していれば(ステップ2710:YES)、ステ
ップ2711に移行する。なおこの指定回数はデジタル
画像111のサイズやデジタル画像111の分離物体領
域143のサイズ、さらには近傍のサイズqにより決定
される。利用目的に応じて適切なパラメータを設定すれ
ば、指定回数を大目に決定しても問題はないが、あまり
指定回数を多くしすぎると、正規化に要する時間が長く
なる。
【0176】ステップ2711で、AOUijが近傍の
配列演算ユニット40と通信することにより、移動を完
了した更新物体領域画像の各帯域画素値に対して関数V
ij )に従い近傍の平均値で補間する。なお
は共に更新物体領域画像となる。平均値で埋めら
れた帯域画素値は正規化された更新物体領域画像の帯域
画素値として扱われる。
【0177】ステップ2712で、AOUijが近傍の
配列演算ユニット40と通信することにより、移動を完
了した更新デジタル画像の各帯域画素値に対して関数V
ij )に従い近傍の平均値で埋める。なお
は更新デジタル画像となり、は更新物体領域画像とな
る。平均値で埋められた帯域画素値は正規化された更新
デジタル画像の帯域画素値として扱われる。
【0178】ステップ2713で、ステップ2711か
らステップ2712までの繰り返し回数を表す補間回数
が指定回数に達したかどうか判断する。もし補間回数が
指定回数に達していなければ(ステップ2713:N
O)、ステップ2711に戻る。もし補間回数が指定回
数に達していれば(ステップ2713:YES)、ステ
ップ2714に移行する。一般的に補間回数は近傍サイ
ズqの半分程度の回数で十分である。
【0179】ステップ2714で、ステップ2706か
らステップ2713までの繰り返し回数を表す継続回数
が指定回数に達したかどうか判断する。もし継続回数が
指定回数に達していなければ(ステップ2714:N
O)、ステップ2706に戻る。もし継続回数が指定回
数に達していれば(ステップ2714:YES)、ステ
ップ2715に移行する。なおこの指定回数はデジタル
画像111のサイズやデジタル画像111の分離物体領
域143のサイズ、さらには近傍のサイズqにより決定
される。利用目的に応じて適切なパラメータを設定すれ
ば、指定回数を大目に決定しても問題はないが、あまり
指定回数を多くしすぎると、正規化に要する時間が長く
なる。
【0180】ステップ2715で、更新デジタル画像の
帯域画素値を正規化画像145の帯域画素値として出力
する。その後ステップ2703に戻る。
【0181】これにより、配列演算ユニット40から構
成されるデータ処理装置110を用いて、領域正規化手
段27が物体領域画像142及びデジタル画像111か
ら正規化画像145を生成することができる。
【0182】データ処理装置110によって実現される
正規化画像保持手段28が正規化画像145を記憶する
ために、格子状に配列された配列演算ユニット40は同
期して並列に動作する。格子上i行j列に配置された配
列演算ユニット40をAOU ijとすると、AOUij
のアルゴリズムは図12のようになる。
【0183】ステップ2801で、AOUijを格子上
のi行j列に配置する。これは論理的であれ物理的であ
れ、AOUijの近傍を決定するために必要である。
【0184】ステップ2802で、AOUijの近傍や
変数の初期値を設定する。
【0185】ステップ2803で、順次入力される正規
化画像145が無くなったかどうか判断する。もし正規
化画像145が無ければ(ステップ2803:YE
S)、アルゴリズムを終了する。もし正規化画像145
があれば(ステップ2803:NO)、ステップ280
4に移行する。ただし特定の画像サイズのみに対して配
列演算ユニット40を実装する場合には、無限ループに
しても良い。
【0186】ステップ2804で、正規化画像145の
i行j列の画素を帯域数分入力する。このためAOU
ijは少なくとも帯域数分の画像データを記憶するメモ
リ42を必要とする。
【0187】ステップ2805で、出力先の装置が必要
とすれば正規化画像145のフォーマットを変換する。
特に正規化画像145の帯域数を1にしたり、デジタル
画像111の帯域数が4以上の場合に正規化画像145
の帯域数を3にして、アナログ信号を生成しやすくする
場合に便利である。さもなくば何もしない。
【0188】ステップ2806で、処理速度の異なる出
力先の装置に画像データを確実に送信できるように、正
規化画像145のi行j列の画素を記憶する。
【0189】ステップ2807で、正規化画像145の
帯域画素値を出力する。その後ステップ2803に戻
る。
【0190】これにより、配列演算ユニット40から構
成されるデータ処理装置110を用いて、正規化画像保
持手段28が正規化画像145を出力することができ
る。
【0191】図13に示すように、データ処理装置11
0によって実現される位置/大きさ検出手段17が粗エ
ッジ情報112を画素とする粗エッジ情報画像113か
ら重複情報131を画素とする重複情報画像132を生
成するために、格子状に配列された配列演算ユニット4
0は同期して並列に動作する。格子上i行j列に配置さ
れた配列演算ユニット40をAOUijとすると、AO
ijのアルゴリズムは図14のようになる。
【0192】ステップ1701で、AOUijを格子上
のi行j列に配置する。これは論理的であれ物理的であ
れ、AOUijの近傍を決定するために必要である。
【0193】ステップ1702で、AOUijの近傍や
変数の初期値を設定する。近傍の設定においては、前記
各関数で使う近傍サイズqを個別に決めても良いし、全
部を統一しても良い。本発明のデータ処理装置110が
生成した重複情報画像132の正確さを上げるためには
近傍サイズqを全て大きな値に設定することが望まし
い。しかしながら物体の粗エッジ情報112の重心を計
算するための計算時間の制約や、入力される粗エッジ情
報画像113のサイズ等により、位置/大きさ検出手段
17は必要に応じて適宜近傍サイズを変えることで対処
することができる。
【0194】ステップ1703で、順次入力される粗エ
ッジ情報画像113が無くなったかどうか判断する。も
し粗エッジ情報画像113が無ければ(ステップ170
3:YES)、アルゴリズムを終了する。もし粗エッジ
情報画像113があれば(ステップ1703:NO)、
ステップ1704に移行する。ただし特定の画像サイズ
のみに対して配列演算ユニット40を実装する場合に
は、無限ループにしても良い。
【0195】ステップ1704で、粗エッジ情報画像1
13のi行j列の画素を1帯域分入力する。このためA
OUijは少なくとも1帯域分の画像データを記憶する
メモリ42を必要とする。
【0196】ステップ1705で、粗エッジ情報画像1
13の粗エッジ情報112を重複情報画像132の重複
情報131に変換する。重複情報131は1か0に相当
する帯域画素値となる。
【0197】ステップ1706で、AOUijが近傍の
配列演算ユニット40と通信することにより、重複情報
画像132の各帯域画素値に対して関数Δij1
に従い移動量を計算する。移動量を画像化した帯域画素
値は移動量画像の帯域画素値として扱われる。
【0198】ステップ1707で、AOUijが近傍の
配列演算ユニット40と通信することにより、重複情報
画像132の各帯域画素値に対して関数Λij1
に従い移動させる。移動した帯域画素値は新たに重複情
報画像132の帯域画素値として扱われる。
【0199】ステップ1708で、ステップ1705か
らステップ1707までの繰り返し回数を表す移動回数
が指定回数に達したかどうか判断する。もし移動回数が
指定回数に達していなければ(ステップ1708:N
O)、ステップ1705に戻る。もし移動回数が指定回
数に達していれば(ステップ1708:YES)、ステ
ップ1709に移行する。なおこの指定回数は形成エッ
ジ情報画像115のサイズや形成エッジ情報114が表
す物体のサイズ、さらには近傍のサイズqにより決定さ
れる。利用目的に応じて適切なパラメータを設定すれ
ば、指定回数を大目に決定しても問題はないが、あまり
指定回数を多くしすぎると、位置及び大きさの検出に要
する時間が長くなる。
【0200】ステップ1709で、AOUijが近傍の
配列演算ユニット40と通信することにより、重複情報
画像132の各帯域画素値に対して関数Δ’
ij1)に従い移動量を計算する。移動量を画像化
した帯域画素値は移動量画像の帯域画素値として扱われ
る。
【0201】ステップ1710で、AOUijが近傍の
配列演算ユニット40と通信することにより、重複情報
画像132の各帯域画素値に対して関数Λ’
ij1)に従い移動させる。移動した帯域画素値は
新たに重複情報画像132の帯域画素値として扱われ
る。
【0202】ステップ1711で、重複情報画像132
の帯域画素値を出力する。その後ステップ1703に戻
る。
【0203】なお重複情報画像132の各重複情報13
1はその位置を中心とした周辺にある粗エッジ情報11
2の総数を表すので、結果的にその位置を中心とした物
体の大きさを意味することになる。
【0204】これにより、配列演算ユニット40から構
成されるデータ処理装置110を用いて、位置/大きさ
検出手段17は粗エッジ情報画像113から重複情報画
像132を生成することができる。
【0205】さて、ここまでは画像記憶手段12、エッ
ジ情報生成手段14、エッジ情報形成手段15、領域正
規化手段27、正規化画像保持手段28、及び位置/大
きさ検出手段17のアルゴリズムを記述してきた。これ
らの手段は入力した画像に対して近傍処理をして、画像
を出力するものである。しかしながらパターンマッチン
グ手段38は、多数のテンプレート画像146の中から
入力画像に類似したものを画素毎に選択しなければなら
ない。そこで幾つかの数式を加えることにより、以下で
は、データ処理装置110によって実現されるパターン
マッチング手段38について説明する。
【0206】まず正規化画像145をとし、n個のテ
ンプレート画像146を 、、、 、、、
とする。自然数gを用いると、マッチング結果画像1
47のi行j列のマッチング結果δij1は、数式36
に従って正規化画像145及びテンプレート画像146
のi行j列の画素を比較し、正規化画像145の画素に
最も似ている画素を有するテンプレート画像146の番
号を指し示す。なおマッチング結果画像147は単帯域
画像となるので、便宜上帯域数1の画像として取り扱う
ことにする。したがってマッチング結果δij1の第3
添字は1となっている。
【0207】
【数36】
【0208】ここで数式36に従って生成されたマッチ
ング結果δij1はマッチング結果画像147全体にお
いて必ずしも統一されていない。テンプレート画像14
6が多数ある場合、マッチング結果画像147はむしろ
モザイク状になる可能性が高い。そこでデータ処理装置
110がマッチング結果δij1とそのq近傍内のマッ
チング結果に対するヒストグラムを計算し、マッチング
結果δij1を収斂する方法を以下に示す。
【0209】任意の単帯域画像がマッチング結果画像
147である場合、自然数g、実数uとvを用いると、
マッチング結果画像147は数式37及び38に従って
更新される。なおマッチング結果画像147は単帯域画
像となるので、便宜上帯域数1の画像として取り扱うこ
とにする。したがって関数Ψij1)の第3添字は
1となっている。
【0210】
【数37】
【0211】
【数38】
【0212】マッチング結果画像147が変化しなくな
るまでデータ処理装置110が数式37及び38を繰り
返し計算することにより、マッチング結果画像147全
体のマッチング結果を収斂することができる。このとき
正規化画像145とテンプレート画像146の組み合わ
せにより、マッチング結果は次のように収斂する。もし
正規化画像145の約半分の画素が特定のテンプレート
画像146の画素に最も類似していれば、マッチング結
果画像147の殆んどのマッチング結果はこの特定のテ
ンプレート画像146の番号に収斂する。しかしながら
正規化画像145の幾つかの画素の塊が幾つかの異なる
テンプレート画像146の画素の塊と類似していれば、
マッチング結果画像147には0で囲まれた幾つかのテ
ンプレート画像146の番号の塊ができる。さらに正規
化画像145がテンプレート画像146の集合と相関が
なければ、マッチング結果画像147のマッチング結果
は殆んど0となる。したがってデータ処理装置110に
よって実現されるパターンマッチング手段38は、正規
化画像145に最も似ているテンプレート画像146を
特定することは難しいが、テンプレート画像146の中
から幾つかの似ているテンプレート画像146を選択す
ることができると考えられる。そこでマッチング結果画
像147から移動物体の認識結果を生成する過程では、
パターンマッチング手段38によって生成されたマッチ
ング結果画像147が列挙するテンプレート画像146
の類似候補の中から、最も有力な候補1つを選択するだ
けで良い。
【0213】図15に示すように、データ処理装置11
0によって実現されるパターンマッチング手段38が、
テンプレート画像146のうち正規化画像145に最も
似ている画像の番号を示すマッチング結果から構成され
るマッチング結果画像147を生成するために、格子状
に配列された配列演算ユニット40は同期して並列に動
作する。格子上i行j列に配置された配列演算ユニット
40をAOUijとすると、AOUijのアルゴリズム
は図16のようになる。
【0214】ステップ2901で、AOUijを格子上
のi行j列に配置する。これは論理的であれ物理的であ
れ、AOUijの近傍を決定するために必要である。
【0215】ステップ2902で、AOUijの近傍や
変数の初期値を設定する。近傍の設定においては、前記
各関数で使う近傍サイズqを個別に決めても良いし、全
部を統一しても良い。本発明のデータ処理装置110が
生成したマッチング結果画像147の正確さを上げるた
めには近傍サイズqを全て大きな値に設定することが望
ましい。しかしながらマッチング結果を更新するための
計算時間の制約や、入力される正規化画像145のサイ
ズ等により、パターンマッチング手段38は必要に応じ
て適宜近傍サイズを変えることで対処することができ
る。
【0216】ステップ2903で、順次入力されるテン
プレート画像146が無くなったかどうか判断する。も
しテンプレート画像146が無ければ(ステップ290
3:YES)、ステップ2905に移行する。もしテン
プレート画像146があれば(ステップ2903:N
O)、ステップ2904に移行する。
【0217】ステップ2904で、テンプレート画像1
46のi行j列の画素を帯域数分入力する。このためA
OUijは少なくとも帯域数とテンプレート画像146
の数を掛けた分の画像データを記憶するメモリ42を必
要とする。その後ステップ2903に戻る。
【0218】ステップ2905で、順次入力される正規
化画像145が無くなったかどうか判断する。もし正規
化画像145が無ければ(ステップ2905:YE
S)、アルゴリズムを終了する。もし正規化画像145
があれば(ステップ2905:NO)、ステップ290
6に移行する。ただし特定の画像サイズのみに対して配
列演算ユニット40を実装する場合には、無限ループに
しても良い。
【0219】ステップ2906で、正規化画像145の
i行j列の画素を帯域数分入力する。このためAOU
ijは少なくとも帯域数分の画像データを記憶するメモ
リ42を必要とする。
【0220】ステップ2907で、正規化画像145と
テンプレート画像146からマッチング結果画像147
のマッチング結果δij1を計算する。マッチング結果
は正規化画像145に最も近いテンプレート画像146
の番号を表す帯域画素値となる。
【0221】ステップ2908で、AOUijが近傍の
配列演算ユニット40と通信することにより、マッチン
グ結果画像147の各帯域画素値に対して関数Ψij1
)に従いマッチング結果を更新する。更新された帯
域画素値は再びマッチング結果画像147の帯域画素値
として扱われる。ここで関数Ψij1)は本来マッ
チング結果画像147の帯域画素値が変化しなくなるま
で繰り返される。ただし計算時間の制約、入力される正
規化画像145の品質、更新されたマッチング結果画像
147に求められる品質等により、更新処理は適当な繰
り返し回数で計算を打ち切った方が良い。
【0222】ステップ2909で、マッチング結果画像
147の帯域画素値を出力する。その後ステップ290
5に戻る。
【0223】これにより、配列演算ユニット40から構
成されるデータ処理装置110を用いて、パターンマッ
チング手段38は正規化画像145からマッチング結果
画像147を生成することができる。
【0224】ここまでは配列演算ユニット40から構成
されるデータ処理装置110を用いて、近傍処理のみか
らなる画像処理を行う方法について説明してきた。以下
では配列演算ユニット40から構成されるデータ処理装
置110を用いて、近傍処理のみで物体/背景分離手段
16について説明する。
【0225】まず非線形振動子は一般に引き込み現象を
起こす。この引き込み現象とは、リミットサイクルやア
トラクタのような周期的挙動において、異なる周期を持
つ非線形振動子が相互作用して簡単な定数比の周期で振
動するよう制約される現象である。このとき1つの非線
形振動子の振動を変化させると他の非線形振動子の振動
も合わせて変化するので、これらの非線形振動子は同期
している。しかも非線形振動子の相互作用を調整するこ
とにより、お互いの振動の位相差を極力小さくさせたり
大きくさせたりできる。そこでこの相互作用を操作する
と、非線形振動子の一群を、異なる位相を持つ複数のグ
ループに分割することができる。物体/背景分離手段1
6はこのような非線形振動子の引き込み現象を利用し
て、エッジ情報画像中のエッジ情報を境界とするように
物体と背景を分離して、物体領域141を表す物体領域
画像142を生成する。なお、ここでは非線形振動子と
してファン・デル・ポールを用いた場合を例に説明す
る。
【0226】まず、格子状に配列した非線形振動子から
構成される非線形振動子ネットワークにおいて、i行j
列にある非線形振動子をωijとすると、非線形振動子
ω のq近傍にある非線形振動子の集合Ωij(q)
は数式39によって表される。ただしqは4、8、2
4、48、80、120、(2r+1)−1と続く数
列であり、rは自然数である。なおネットワークサイズ
をはみ出した非線形振動子が近傍集合Ωij(q)に含
まれる場合には、非線形振動子ωijを代用するものと
する。これにより辺縁処理は自動的に行われる。したが
って近傍集合Ω (q)の要素の数は常にqとなる。
なおこのことから判る通り、非線形振動子ネットワーク
は単帯域画像と同じ扱いになる。表現を簡単にするた
め、非線形振動子ネットワークでは添字は幅方向と高さ
方向の2つのみを使う。
【0227】
【数39】
【0228】次に、非線形振動子はq近傍に含まれる
近傍集合Ωij(q)にある非線形振動子との間で数
式40に従い計算される結合値τijklによって結合
される。なお対数表を用いない場合には数式41による
近似も可能である。またμ、νは適当な正の定数であ
る。
【0229】
【数40】
【0230】
【数41】
【0231】非線形振動子ネットワークの全ての非線形
振動子が完全に同位相で同期した場合、プロセッサ41
で計算する限り、非線形振動子ωijは永久に同位相の
まま動作し続けてしまう。そこで外乱ρijを与えれば
このような状態を回避することができる。外乱としては
疑似乱数を用いることもできるが、数式42のような簡
単な式で求めても十分である。なおζijはエッジ情報
画像のi行j列のエッジ情報の有無を表す。エッジ情報
があれば1とし、なければ0とする。またκは適当な正
の定数である。
【0232】
【数42】
【0233】非線形振動子ωijが近傍集合Ωij(q
)の非線形振動子ωklと同期するために、数式43
に従い近傍入力合計σijを計算する。
【0234】
【数43】
【0235】ファン・デル・ポール非線形振動子ωij
を構成する2つのパラメータφijとψijは数式44
及び45に従って計算される。なおγ、εは適当な正の
定数である。
【0236】
【数44】
【0237】
【数45】
【0238】非線形振動子を物体領域141と背景領域
に分離するためには全ての非線形振動子の位相のずれを
計算する必要があるが、単純に物体領域141と背景領
域の2つに分離するだけであるので、パラメータψij
がしきい値θ以上か未満かで位相ずれを計算する。物体
領域141と背景領域を分離した結果を出力する出力λ
ijは数式46によって求められる。なおθは適当な正
の定数である。
【0239】
【数46】
【0240】エッジ情報が物体と背景を分離するのに不
十分であった場合にはエッジ情報を補間しなければなら
ない。そのために非線形振動子ωijのq近傍にある
非線形振動子の集合Ωij(q)中でいくつの非線形
振動子が位相ずれを起こしているか求める必要がある。
そこで数式47によって輪郭パラメータηijを計算す
る。
【0241】
【数47】
【0242】この結果を基にエッジ情報の補間割合を示
す境界パラメータξijを数式48によって計算する。
なおα、β、ηmin、ηmaxは適当な正の定数であ
る。
【0243】
【数48】
【0244】ここでは非線形振動子としてファン・デル
・ポールの場合を説明したが、この他にブラッセレータ
のようなリミットサイクルで安定する非線形振動子や、
ローレンツアトラクタやレスラー方程式のアトラクタを
発生するカオス振動子等、引き込み現象を起こす任意の
非線形振動子でも動作可能である。その場合はパラメー
タφijとψijを各々の非線形振動子のパラメータで
置き換えるなり追加すれば良い。その際に適当なパラメ
ータに近傍入力合計σijと外乱ρijを加えるだけで
ある。但し、カオス振動子の場合には特に外乱ρij
必要としない。
【0245】数式39から数式48までを用いることに
より、物体/背景分離手段16を実装することができる
データ処理装置110の全ての配列演算ユニット40の
アルゴリズムを記述することができる。以下では、デー
タ処理装置110中の任意の配列演算ユニット40のア
ルゴリズムを用いて、物体/背景分離手段16について
説明する。
【0246】図17に示すように、データ処理装置11
0によって実現される物体/背景分離手段16が、三角
形のエッジ情報151を用いて三角形の内側領域152
と三角形の外側領域153に分離するために、格子状に
配列された配列演算ユニット40は同期して並列に動作
する。格子上i行j列に配置された配列演算ユニット4
0をAOUijとすると、AOUijのアルゴリズムは
図18のようになる。
【0247】ステップ1601で、AOUijを格子上
のi行j列に配置する。
【0248】ステップ1602で、数式40及び41に
基づいて近傍同士ωijとωklを結合値τijkl
接続する。
【0249】ステップ1603で、非線形振動子のパラ
メータφijとψijに適当な初期値を設定する。
【0250】ステップ1604で、順次入力される形成
エッジ情報画像115が無くなったかどうか判断する。
もし形成エッジ情報画像115が無ければ(ステップ1
604:YES)、アルゴリズムを終了する。もし形成
エッジ情報画像115があれば(ステップ1604:N
O)、ステップ1605に移行する。ただし特定の帯域
数及び画像サイズのみに対して配列演算ユニット40を
実装する場合には、無限ループにしても良い。
【0251】ステップ1605で、形成エッジ情報11
4のζijを入力する。
【0252】ステップ1606で、直前に入力した形成
エッジ情報114のζijから数式42に従って外乱ρ
ijを計算する。
【0253】ステップ1607で、近傍集合Ωij(q
)中の非線形振動子ωklがある配列演算ユニット4
0のAOUklからζkl、ξkl、ψklを入力し
て、合計値σijを数式43に従って計算する。
【0254】ステップ1608で、非線形振動子のパラ
メータφij、ψijを数式44及び45に従って計算
する。即ち、これらの数式に示す微分方程式をルンゲ・
クッタ法で解く。
【0255】ステップ1609で、非線形振動子の出力
λijを数式46に従って計算する。ここで、ψij
θであればλij=1とし、それ以外であればλij
0とする。
【0256】ステップ1610で、近傍集合Ωij(q
)中の非線形振動子ωklがある配列演算ユニット4
0のAOUklからλklを入力して、輪郭パラメータ
η を数式47に従って計算する。
【0257】ステップ1611で、境界パラメータξ
ijを数式48に従って計算する。即ち、この数式に示
す微分方程式を差分法若しくはルンゲ・クッタ法で解
く。
【0258】ステップ1612で、ステップ1606か
らステップ1611までの繰り返し回数を表す分離回数
が指定回数に達したかどうか判断する。もし分離回数が
指定回数に達していなければ(ステップ1612:N
O)、ステップ1606に戻る。もし分離回数が指定回
数に達していれば(ステップ1612:YES)、ステ
ップ1613に移行する。
【0259】ステップ1613で、物体領域画像142
の帯域画素値となる非線形振動子の出力λijを出力す
る。その後ステップ1604に戻る。
【0260】なおステップ1612での分離回数を求め
るには、次のような方法を用いることができる。物体/
背景分離手段16では、画像サイズが一定であれば非線
形振動子の初期状態に関わらずおおよそ全ての形成エッ
ジ情報114においてある一定時間で分離が終了するの
で、事前にこの時間を計っておいてステップ1606か
らステップ1611までの繰り返し回数を求めておけば
良い。これは非線形振動子の初期状態が一定の範囲内に
あれば、引き込み現象により非線形振動子が同期するま
での時間はあまり大差がないからである。
【0261】このように非線形振動子を計算するだけ
で、三角形のエッジ情報151を用いて三角形の内側領
域152と三角形の外側領域153を分離することがで
きるのは、非線形振動子の性質である引き込み現象を利
用しているからである。つまり、2つの非線形振動子を
正の結合値で結合した場合は同位相になろうとし、負の
結合値で結合した場合は位相差が極力大きくなろうとす
る。この性質を用いると、格子状に並んだ非線形振動子
を近傍同士正の結合値で結合することで、直接結合して
いない非線形振動子同士が同位相になる。さらに形成エ
ッジ情報114を挟む画素の場所にある非線形振動子同
士を負の結合値で結合すると、エッジ情報の両側がお互
いに位相を極力ずらし合う。このようにすることで、全
ての非線形振動子を結合することもなく三角形のエッジ
情報151の内側と外側とで各々異なる位相集合ができ
る。したがって物体/背景分離手段16は図17のよう
な三角形の内側領域152と三角形の外側領域153に
分離する。このとき三角形の内側領域152と三角形の
外側領域153の位相差は90度を越えて可能な限り1
80度に近づき、三角形と背景領域が分離できる。
【0262】ここで重要なことは、本実施形態では、形
成エッジ情報114が得られる度に次に示すような方法
で結合値を擬似的に変更していることである。まず数式
40及び41で定めたように、非線形振動子ωklを非
線形振動子ωijに結合するための結合値をτijkl
とする(ステップ1602参照)。形成エッジ情報11
4のうちζijとζklは共に、エッジがある場合には
1、ない場合には0である。形成エッジ情報114のう
ちζijとζklを入力したら(ステップ1605参
照)、配列演算ユニット40のAOUklからAOU
ijに形成エッジ情報114ζklが転送され、AOU
ijでは結合値τijkl(1−ζkl)を計算して結
合値τijklの代用とする(ステップ1607参
照)。この代用された結合値τijkl(1−ζkl
に対して境界パラメータξijが0から1までの倍率と
して作用する(ステップ1607参照)。
【0263】図19に示す通り、形成エッジ情報114
が破線状態の三角形のエッジ情報154となった場合に
は破線の補間をする必要がある。まず初めに破線状態の
三角形のエッジ情報154を用いてシステムを動作させ
る(ステップ1605参照)と、破線状態の三角形のエ
ッジ情報154の内側と外側で位相差がおよそ90度を
越えるようになるが、三角形の内側と外側の境界部分は
不明確である。そこで各AOUijが非線形振動子の出
力λijを計算する(ステップ1609参照)。この出
力λijが1の場合、近傍の非線形振動子のうちλkl
が1である非線形振動子をωklとすると、パラメータ
ψijとψklが共にθ以上となる。つまりλijとλ
klはおよそ同位相であり、θが正値であれば最悪でも
位相差が90度を越えることはない。この位相差の最大
値はθの値によって決まり、λ とλklが共に1と
なる範囲でθを大きくしていくと、この位相差は0度に
近づいていく。したがってλijとλklと用いると、
近傍の非線形振動子うちおよそ同位相であるものの数を
表す輪郭パラメータηijは数式47に従って計算され
る(ステップ1610参照)。続いてこの輪郭パラメー
タηijが近傍全体のうち、およそ半分であれば結合値
の倍率である境界パラメータξijを数式48に従って
減少させ、それ以外であれば数式48に従って増加させ
る(ステップ1611参照)。例えば、8近傍の場合は
3から5の間であれば数式48に従って境界パラメータ
を減少させるとよい。この過程を繰り返し動作させ続け
ると、図19に示す破線状態の三角形のエッジ情報15
4が与えられた場合、破線三角形の内側領域155と破
線三角形の外側領域156に分離される。
【0264】図20に示す通り、2つの三角形が重なり
あっている場合は、前方の三角形のエッジ情報157と
後方の三角形のエッジ情報158が得られる。このとき
前方三角形の内側領域159と後方三角形の内側領域1
60と二重三角形の背景領域161の3つの領域の非線
形振動子の位相がお互いにずれることにより、3つの領
域に分離される。また図21に示す通り、2つの重なっ
た円形のエッジ情報162が破線であっても、前方円形
の内側領域163と後方円形の内側領域164と二重円
の背景領域165の3つに分離される。
【0265】これにより、配列演算ユニット40から構
成されるデータ処理装置110を用いて、物体/背景分
離手段16は形成エッジ情報画像115の形成エッジ情
報114を境界として物体領域141と背景を分離する
ことができる。
【0266】ここまで視覚装置2について説明してき
た。当然のことながらこれらの視覚装置2は汎用のコン
ピュータによって実装することができるが、移動物体を
探索の対象とする場合、移動物体の移動速度によっては
前記手段の各々を高速に実行する必要がある。特にフレ
ーム画像の画像サイズ若しくは解像度を上げたとき、画
像自体を処理対象とする画像記憶手段12、エッジ情報
生成手段14、エッジ情報形成手段15、物体/背景分
離手段16、領域正規化手段27、位置/大きさ検出手
段17、正規化画像保持手段28、及びパターンマッチ
ング手段38は、幅方向及び高さ方向の各々に対して画
像サイズ若しくは解像度に比例して計算量が増大する。
したがって視覚装置2は用途によっては望みうる性能を
達成できない可能性がある。
【0267】そこでデジタル技術を用いて画像記憶手段
12、エッジ情報生成手段14、エッジ情報形成手段1
5、物体/背景分離手段16、領域正規化手段27、正
規化画像保持手段28、位置/大きさ検出手段17、及
びパターンマッチング手段38を実装するために、配列
演算ユニット40はデータ処理装置110中で図3のよ
うに格子状に配列され、さらに配列演算ユニット40は
データ処理装置110中の隣接する配列演算ユニット4
0だけと相互に通信できるように配線される。つまり4
近傍同士が直接配線されることになる。これにより8近
傍同士を配線する場合に比べて、少ない電子部品と配線
量で、同程度に高速に動作し、しかも将来近傍サイズを
拡張する場合にも簡単に拡張性を有することができる。
【0268】配列演算ユニット40は図22に示す通
り、画像処理における数式を計算するためのプロセッサ
(PROCESSOR)41と、数式で使われる全てのパラメー
タ、定数、関数及びオペレータを記憶するためのメモリ
(MEMORY)42と、近傍の配列演算ユニット40と通信
するためのコントローラ(CONTROLER)43から構成さ
れ、プロセッサ41はアドレスバス51で指定したアド
レス(ADDRESS)によりメモリ42及びコントローラ4
3の任意のメモリ素子及びレジスタを選択することがで
きる。またプロセッサ41はデータバス52を介してメ
モリ42及びコントローラ43と双方向に通信可能に接
続され、アドレスバス51で指定された任意のメモリ素
子及びレジスタのデータ(DATA)にアクセスすることが
できる。配列演算ユニット40が1つ以上の入力画素か
ら構成される前入力データ群(FRONT INPUT DATA SET)
を入力すると、コントローラ43は前入力データ群をメ
モリ42に記憶させる。またコントローラ43は、関数
により作成されたメモリ42中の計算データを隣接する
配列演算ユニット40に送信すると共に、隣接する配列
演算ユニット40から受信した計算データをメモリ42
に記憶させ、さらに必要ならば、入力した以外の配列演
算ユニット40に転送する。最終的にコントローラ43
は、出力画像の画像データを結果データ(RESULT DAT
A)として出力する。
【0269】このように各配列演算ユニット40にコン
トローラ43を搭載する理由は、配列演算ユニット40
同士が通信している間にプロセッサ41が動作できるの
で、プロセッサ41は通信による待ち時間中にも計算す
ることができて高速処理が実現できるからと、近傍の配
列演算ユニット40の数を変化させてもハードウェアを
変更する必要もないからと、コントローラ43が画像の
辺縁処理、つまり画像中の縁の画素に対する例外処理を
自動的に行えるので、プロセッサ41のプログラムは辺
縁処理をする必要がなくなり極めて単純になるからであ
る。
【0270】プロセッサ41とメモリ42は汎用的なデ
ジタル回路を用いることができる。コントローラ43の
具体的な回路図は図23に示す通りである。アドレスバ
ッファ(ADDRESS BUFFER)53はアドレスバス(ADDRES
S BUS)51を介してプロセッサ41からアドレス(ADD
RESS)を受取り、アドレスデコーダ(ADDRESS DECODE
R)54によって各レジスタ及びその他の機能ブロック
を選択する。データバッファ(DATA BUFFER)55はデ
ータバス(DATA BUS)52を介してプロセッサ41から
データ(DATA)を受取り、アドレスデコーダ54で選択
されたレジスタと内部データバス56を介して排他的に
通信する。通信方向は読み出し(READ)によって指定さ
れる。アドレスがフラグレジスタ(FLAG REGISTER)5
7を指定した場合、データはフラグレジスタ57に記憶
され、フラグデコーダ(FLAG DECODER)58によってデ
コードされ、複数信号(SIGNALS)として隣接する配列
演算ユニット40に送信される。複数信号はフラグエン
コーダ(FLAG ENCODER)59によって受信され、解析さ
れた後にステータスレジスタ(STATUS REGISTER)60
に記憶され、また受領(RECEIVE)として送信元の配列
演算ユニット40に返送される。受領は複数信号の送信
元のフラグエンコーダ59で受信され、結果として複数
信号の送信完了が確認される。アドレスによってステー
タスレジスタ60が選択されると、ステータスレジスタ
60の内容がデータバス52を介してデータとしてプロ
セッサ41に送信される。1つ以上の入力画像(INPUT
IMAGE)に対応した1つ以上の前入力送達(FRONT INPUT
SEND)をフラグエンコーダ59が受信すると1つ以上
の入力画像からなる前入力データ群(FRONT INPUT DATA
SET)が必要な記憶容量分用意された前入力データレジ
スタ(FRONT INPUT DATA REGISTER)61に読み込まれ
る。アドレスによって前入力データレジスタ61が選択
されると、前入力データレジスタ61の内容がデータと
してプロセッサ41に送信される。プロセッサ41が計
算を完了したら、アドレスによって結果データレジスタ
(RESULT DATA REGISTER)62が選択され、結果データ
レジスタ62が出力画像の画像データを結果データ(RE
SULT DATA)として読み込む。これと同時に、フラグエ
ンコーダ59が結果送達(RESULT SEND)を送信する。
【0271】近傍の配列演算ユニット40から計算に必
要なデータを求められたら、アドレスとして出力データ
レジスタ(OUTPUT DATA REGISTER)63を選択し、近傍
の配列演算ユニット40に送信すべきデータを計算デー
タ(CALCURATION DATA)として出力データレジスタ63
に読み込む。その後、隣接する全ての配列演算ユニット
40に計算データとして送信される。上側の配列演算ユ
ニット40から複数信号(SIGNALS)を受信したら計算
データを上入力データレジスタ(UPPER INPUT DATA REG
ISTER)64に読み込む。その後、アドレスにより上入
力データレジスタ64が選択されたら、上入力データレ
ジスタ64の内容が計算データとして送信される。下
側、左側、右側の配列演算ユニット40から複数信号を
受信した場合も同様であり、下入力データレジスタ6
5、左入力データレジスタ66、右入力データレジスタ
67が同様に動作する。
【0272】各種バッファ、各種レジスタ、アドレスデ
コーダ54の各ブロックは汎用的な電子回路である。フ
ラグデコーダ58とフラグエンコーダ59は具体的には
図24及び25に示すような入出力信号を有する。種別
(TYPE)は出力データレジスタ(OUTPUT DATA REGISTE
R)63に読み込まれた内容の種類を5ビットで表す。
このビット数は配列演算ユニット40が送受信すべき全
ての計算データを区別するのに十分な値である。カウン
ト−X(COUNT-X)及びカウント−Y(COUNT-Y)は各々
4ビットの符号なし整数を表し、配列演算ユニット40
の間の転送回数を示す。配列演算ユニット40が計算デ
ータを送信する場合には各々のカウントが0となり、左
右の配列演算ユニット40から送信された計算データを
再度送信する場合にはフラグエンコーダ59のカウント
−Xに1を足した値となり、上下の配列演算ユニット4
0から送信された計算データを再度送信する場合にはフ
ラグエンコーダ59のカウント−Yに1を足した値とな
る。プロセッサ41が上下左右のうちどの方向に出力デ
ータレジスタ63の内容を送信するかをフラグレジスタ
57の送達フラグ(SEND FLAG)に指定した後で、出力
データレジスタ63を指定するアドレスデコーダ54の
中央デコーディング(CENTRAL DECODING)をフラグデコ
ーダ58が受信すると、フラグデコーダ58が送達(SE
ND)を送達フラグの指定方向に合わせて出力する。送達
フラグは4ビットで表し、配列演算ユニット40の計算
データを四方の配列演算ユニット40に送信する場合に
はプロセッサ41が1111と設定し、右側の配列演算
ユニット40から送信された計算データを上下左側に転
送する場合はプロセッサ41が1110と設定し、左側
から上下右側に転送する場合は1101と設定し、下側
から上側に転送する場合は1000と設定し、上側から
下側に転送する場合は0100と設定する。これによ
り、転送に重複がなくなり効率的に転送できるだけでな
く、転送方向の決定規則が明確になっているので、種
別、カウント−X及びカウント−Yを組み合わせること
により、フラグエンコーダ59はどの配列演算ユニット
40からどの種別の計算データが送信されたかを判定す
ることができる。結果データレジスタ62に計算データ
が結果データとして読み込まれると同時にフラグデコー
ダ58は、結果デコーディング(RESULT DECODING)を
受信し、結果送達(RESULT SEND)を送信する。
【0273】フラグエンコーダ59は四方のうちいずれ
かでも送達を受信したら、受信方向の種別とカウント−
X、カウント−Yを受信し、その部分のステータスレジ
スタ60の内容を更新する。この更新と同時に受信方向
に受領を1にして送信する。送信元の配列演算ユニット
40のフラグエンコーダ59では受領が1になった瞬間
に受信し、ステータスレジスタ60の受領ステータス
(RECEIVE STATUS)を更新する。これにより各配列演算
ユニット40ではプロセッサ41がステータスレジスタ
60の受領ステータスを検査するだけで、どの入力デー
タレジスタに有効な計算データが記憶されているか判断
することができる。そこで例えば上入力データレジスタ
64に計算データが読み込まれていれば、プロセッサ4
1がアドレスを指定することにより上入力データレジス
タ64からデータを読み込むことができるが、同時にア
ドレスデコーダ54から上デコーディング(UPPER DECO
DING)がフラグエンコーダ59に送信され、受領ステー
タスのうち上部分が0に戻され、上側に向いた受領が0
として送信される。下左右側の場合も同様に動作する。
フラグエンコーダ59が1つでも入力画像用の前入力送
達を受信したら、ステータスレジスタ60のうち受信し
た前入力送達に対応する入力画像用の前入力送達ステー
タス(FRONT INPUT SEND STATUS)を1にする。またプ
ロセッサ41が入力画像用の前入力データレジスタ61
からデータを読み込むとき、アドレスデコーダ54がフ
ラグエンコーダ59に前デコーディング(FRONT DECODI
NG)を送信し、受信した前入力送達に対応する前入力送
達ステータスを0にする。プロセッサ41はステータス
レジスタ60の内容を読み込むことにより、前入力デー
タレジスタ61に最新の入力画像が記憶されているかど
うか判断することができる。
【0274】プロセッサ41がコントローラ43を介し
て四方の配列演算ユニット40に計算データを送信する
場合のアルゴリズムを図26に示す。図26は、プロセ
ッサ41によるプログラム制御と、フラグデコーダ58
及びフラグエンコーダ59によるハードウェアロジック
との混成による処理を示すものである。図26に対し
て、ステップ71では、プロセッサ41がステータスレ
ジスタ60の内容を読み込む。ステップ72では、読み
込んだ内容のうち受領ステータスが全て0であるか否か
を判断する。NOなら処理を終了する。YESならステ
ップ73に移行する。ステップ73では、プロセッサ4
1が隣接する配列演算ユニット40に送信するデータの
種別とカウンタと送信方向を決定し、その内容をフラグ
レジスタ57に書き込む。ステップ74では、プロセッ
サ41が隣接する配列演算ユニット40に送信するデー
タを出力データレジスタ63に書き込む。ステップ75
では、出力データレジスタ63の内容を計算データとし
て、隣接する配列演算ユニット40に送信する。ステッ
プ76では、フラグレジスタ57の送達フラグで指定さ
れた方向にのみ送達を1にして送信する。これによりプ
ロセッサ41の1回の送信アルゴリズムは終了する。プ
ロセッサ41は、送信すべきデータがメモリ42内で更
新される度にこの送信アルゴリズムを開始する。
【0275】コントローラ43が上側の配列演算ユニッ
ト40から計算データを受信する場合のアルゴリズムを
図27に示す。図27は、フラグデコーダ58及びフラ
グエンコーダ59によるハードウェアロジックによる処
理を示すものである。図27に対して、ステップ81で
は、フラグエンコーダ59が送達を入力する。ステップ
82では、送達が1であるか否かをフラグエンコーダ5
9が判断する。NOなら処理を終了する。YESならス
テップ83に移行する。ステップ83では、上入力デー
タレジスタ64が上側から送信された計算データを読み
込む。ステップ84では、フラグエンコーダ59がステ
ータスレジスタ60のうち上側用の受領ステータスを1
にすると同時に受領を1にして上側の配列演算ユニット
40に送信する。下左右側の場合も同様である。これに
よりコントローラ43の1回の受信アルゴリズムは終了
する。コントローラ43は常時上下左右の配列演算ユニ
ット40からの送達を監視し、この送達を受信する度に
この受信アルゴリズムを開始する。
【0276】プロセッサ41が上入力データレジスタ6
4からデータを受信する場合のアルゴリズムを図28に
示す。図28は、プロセッサ41によるプログラム制御
と、フラグデコーダ58及びフラグエンコーダ59によ
るハードウェアロジックとの混成による処理を示すもの
である。図28に対して、ステップ91では、プロセッ
サ41がステータスレジスタ60の内容を読み込む。ス
テップ92では、読み込んだ内容のうち上側用の受領ス
テータスが1であるか否かを判断する。NOなら処理を
終了する。YESならステップ93に移行する。ステッ
プ93では、プロセッサ41が上入力データレジスタ6
4からデータを読み込む。ステップ94では、フラグエ
ンコーダ59がステータスレジスタ60のうち上側用の
受領ステータスを0にすると同時に受領を0にして上側
の配列演算ユニット40に送信する。下左右側の場合も
同様である。これによりプロセッサ41の1回の受信ア
ルゴリズムは終了する。プロセッサ41は一定間隔でス
テータスレジスタ60の内容を監視し、上下左右いずれ
かの受領ステータスが1である度にこの受信アルゴリズ
ムを開始する。またプロセッサ41が一定間隔でステー
タスレジスタ60の内容を監視しなくても、割り込み処
理により実装することもできる。
【0277】なおこの配列演算ユニット40は、主に1
つ以上の入力画像から1つの出力画像を生成することを
前提に記述したが、用途に応じては計算途中の計算デー
タを出力できるように回路を変更する必要がある。その
際には、出力すべき計算データの数だけフラグデコーダ
58の結果送達を増やし、結果データレジスタ62に読
み込まれた計算データに対応する結果送達のみを1にす
るようにプログラムを変更するだけで良い。
【0278】ここまでは視覚装置2について説明してき
た。デジタル画像111の画像サイズを制限し、計算時
間をある程度我慢すれば、市販のシングルチップコンピ
ュータでも視覚装置2は実現可能であるが、画像サイズ
を大きくしたり実時間性を達成するためには専用の大規
模集積回路を実装する必要がある。特に視覚装置2の内
幾つかの手段を大規模集積回路に実装することにより、
視覚装置2は省スペース、低消費電力及び実時間性を実
現することができる。以下では視覚装置2を用いたイメ
ージセンサについて説明する。
【0279】請求項3記載の発明で用いられるイメージ
センサは、例えば図29に示すような機能コラム201
を図30に示すように二次元格子状に配列して配線した
ものとなる。なお図29において、電荷結合素子202
をCCDと、配列演算ユニット40をAOUと、略記す
る。画像保持手段39は正規化画像保持手段28と同様
の動作をするものとする。1個の配列演算ユニット40
でも、プログラムによって複数の手段を実現できる。ま
た図30において、機能コラム201をFCと略記す
る。
【0280】図29において、機能コラム201には配
列演算ユニット40の他に、受光素子として電荷結合素
子202、駆動回路203、A/D変換回路204、及
び発振回路205が組み込まれる。ただし機能コラム2
01において発振回路205が用いられる代りに、機能
コラム201の外部からクロック信号が供給されても良
い。また機能コラム201において、複雑な設計工程及
び製造工程を必要とする電荷結合素子202及び駆動回
路203の代りに、相補性金属酸化膜半導体(CMO
S)によって実現されるフォトダイオードを用いても良
い。この場合、イメージセンサ全体をCMOS技術によ
って実現できるだけでなく、1個のフォトダイオードを
1組のCMOSダイオードで実現できるので、イメージ
センサの設計及び実装は極めて単純になる。
【0281】図30に示すように、図29の各々の配列
演算ユニット40は、4近傍に位置し、同じ手段を実行
する配列演算ユニット40と信号線を介して通信する。
これにより、各々の配列演算ユニット40は処理に応じ
てデータ処理装置110を構成することができる。イメ
ージセンサが三次元大規模集積回路(三次元VLSI)
技術により実装される場合、機能コラム201中の全て
の配列演算ユニット40が三次元VLSIによって垂直
に並ぶように実装されれば、機能コラム201間の信号
線は配列演算ユニット40間ですら交差しない。したが
ってイメージセンサの設計及び実装は極めて容易にな
る。
【0282】ここまでは視覚装置2を中心に説明してき
た。以下では刺激発生器3及びエレクトロード配列端子
4について説明する。
【0283】刺激発生器3は、視覚装置2が生成した移
動物体の正規化画像145、種別、位置、大きさ、及び
位置の変化を電気刺激に変換するものである。移動物体
の正規化画像145に対して、刺激発生器3は適当な解
像度でサンプリングした後、各画素の各帯域値をパルス
信号に変換する。このとき正規化画像保持手段28が正
規化画像145のフォーマットを変換することにより、
刺激発生器3は全ての帯域を用いることもできるし、1
つの帯域だけを用いることもできる。勿論フォーマット
変換により、正規化画像保持手段28は正規化画像14
5のフォーマットを自由に変換することもできる。移動
物体の種別に対して、刺激発生器3は複数の出力信号線
の内1つを選択し、パルス信号を発生する。患者はパル
ス信号を発している信号線を感じ分けることにより、移
動物体の種別を認識することができる。移動物体の位置
及び位置の変化に対して、刺激発生器3は二次元に配列
された出力信号線の内対応するものを選択し、時間差を
おいてパルス信号を発生する。この際、患者が移動物体
の位置の変化を認識できるように、過去の位置を表すパ
ルス信号のパルス数を少なくし、現在の位置を表すパル
ス信号のパルス数を多くする。移動物体の大きさに対し
て、刺激発生器3は一次元に配列された出力信号線の内
対応するものを選択し、パルス信号を発生する。
【0284】エレクトロード配列端子4は、移動物体の
正規化画像145、種別、位置、大きさ、及び位置の変
化を電気刺激として直接脳に伝えるものである。1つの
エレクトロード配列端子4が全ての電気刺激を大脳後頭
葉の一ヶ所に伝えることもできるが、各々の電気刺激を
別々のエレクトロード配列端子4を用いて大脳に伝える
こともできる。特に正規化画像145用のエレクトロー
ド配列端子4が大脳後頭葉に埋め込まれ、種別用のエレ
クトロード配列端子4が大脳側頭葉に埋め込まれ、位
置、大きさ及び位置の変化用のエレクトロード配列端子
4が大脳後頭葉又は頭頂葉に埋め込まれると、患者はよ
り的確に移動物体を認識できるようになると思われる。
また正規化画像145に対しても、1つのエレクトロー
ド配列端子4が電気刺激をまとめて出力する代りに、正
規化画像145の帯域毎に別々のエレクトロード配列端
子4が電気刺激を出力するようにすることもできる。
【0285】以上、本実施形態を説明したが、本発明は
上述の実施形態には限定されることはなく、当業者であ
れば種々なる態様を実施可能であり、本発明の技術的思
想を逸脱しない範囲において本発明の構成を適宜改変で
きることは当然であり、このような改変も、本発明の技
術的範囲に属するものである。
【0286】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、眼鏡に固
定された電荷結合素子202(CCD)カメラを用いる
場合を比べて、移動カメラ1がパン、チルト及びズーム
をすることにより、人工眼球は同じ集積度の電荷結合素
子202を用いたとしても広視野及び高視力を実現する
ことができる。しかも視覚装置2が物体を自動的に探索
するので、歩行者、自転車及び自動車等、利用者に近づ
いてくる物体を事前に察知することができ、利用者は安
全に歩行することができる。利用者が物体を認識するの
に役立つ情報を視覚装置2が利用者に提供するので、本
発明は単純にCCDカメラを用いた場合に比べて利用者
の負担を低減でき、本発明は利用者に快適な生活を提供
することができる。またエレクトロード配列端子4を用
いて利用者の脳から直接眼球を動かす筋肉を制御する電
気刺激を取り出すことができれば、視覚装置2はこの電
気刺激を用いて移動カメラ1を制御することができる。
【0287】請求項2記載の発明によれば、3自由度モ
ータは実際の眼球の形に近い球形をしているので、人工
眼球を眼窩に埋め込み易くなる。特に3自由度モータが
圧電素子を用いた超音波モータの場合、3自由度モータ
は省スペース、低重量及び低消費電力を実現することが
でき、利用者は紛失、不慮の事故及び重量から来る違和
感を軽減することができる。利用者が人工眼球を眼窩に
埋め込んだ場合、利用者はサングラスを掛けることによ
り人工眼球が対面している人から見難くなるため、双方
にとって心理的に負担が軽くなる。さらに眼窩を通して
エレクトロード配列端子4を視神経、外側膝状体、後頭
葉、側頭葉及び頭頂葉の中に埋め込むことにより、医師
は利用者の頭蓋骨に穴を開ける必要もないし、利用者は
頭蓋骨の外に出ている配線を気にする必要もない。した
がって本発明は利用者の負担を軽減することができる。
また超音波モータは特に機構を追加しなくてもパン及び
チルト以外にロールも実現することができる。
【0288】請求項3記載の発明によれば、視覚装置2
で行う画像処理の殆んどの部分が移動カメラ1の撮像部
分に実装される。つまり本発明は省スペース及び低消費
電力でありながら高速に画像処理を実現することができ
る。本発明は利用者の負担を軽減しながら、人工眼球の
保守を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】人工眼球のブロック図である。
【図2】移動カメラを制御して環境地図を生成する視覚
装置のブロック図である。
【図3】格子状に配置された配列演算ユニットのブロッ
ク図である。
【図4】本実施形態の画像記憶手段のアルゴリズムを示
すフローチャートである。
【図5】本実施形態のエッジ情報生成手段のアルゴリズ
ムを示すフローチャートである。
【図6】デジタル画像を用いて粗エッジ情報を形成エッ
ジ情報に形成する場合の説明図である。
【図7】本実施形態のエッジ情報形成手段のアルゴリズ
ムを示すフローチャートである。
【図8】低解像度デジタル画像から生成された低解像度
粗エッジ情報を形成エッジ情報に形成する場合の説明図
である。
【図9】低解像度デジタル画像から生成された低解像度
粗エッジ情報の領域を切り出してから形成エッジ情報に
形成する場合の説明図である。
【図10】デジタル画像の切出領域を正規化する場合の
説明図である。
【図11】本実施形態の領域正規化手段のアルゴリズム
を示すフローチャートである。
【図12】本実施形態の正規化画像保持手段のアルゴリ
ズムを示すフローチャートである。
【図13】エッジ情報画像中の物体の位置及び大きさを
検出する場合の説明図である。
【図14】本実施形態の位置/大きさ検出手段のアルゴ
リズムを示すフローチャートである。
【図15】正規化画像に対してテンプレート画像の中か
らパターンマッチングをする場合の説明図である。
【図16】本実施形態の画像認識手段のうちパターンマ
ッチングのアルゴリズムを示すフローチャートである。
【図17】三角形のエッジ情報が三角形の内側領域と外
側領域に分離する状態を示す説明図である。
【図18】本実施形態の物体/背景分離手段のアルゴリ
ズムを示すフローチャートである。
【図19】破線状態の三角形のエッジ情報が破線三角形
の内側領域と外側領域に分離する状態を示す説明図であ
る。
【図20】三角形を2つ重ねたエッジ情報が2つの三角
形領域と背景領域に分離する状態を示す説明図である。
【図21】2つの円形物体領域を重ねた時の破線状態の
エッジ情報が2つの円形領域と背景領域に分離した状態
を示す説明図である。
【図22】配列演算ユニットの内部構造のブロック図で
ある。
【図23】コントローラのブロック図である。
【図24】フラグデコーダの入出力信号を示す説明図で
ある。
【図25】フラグエンコーダの入出力信号を示す説明図
である。
【図26】プロセッサがコントローラを介して隣接する
配列演算ユニットにデータを送信するアルゴリズムを示
すフローチャートである。
【図27】コントローラが隣接する配列演算ユニットか
らデータを受信するアルゴリズムを示すフローチャート
である。
【図28】プロセッサが上入力レジスタからデータを受
信するアルゴリズムを示すフローチャートである。
【図29】人工眼球用イメージセンサの機能コラムのブ
ロック図である。
【図30】二次元格子状に機能コラムを配列した場合の
イメージセンサのブロック図である。
【符号の説明】
1 移動カメラ 2 視覚装置 3 刺激発生器 4 エレクトロード配列端子 5 コネクタ 6 バッテリ 11 画像取得手段 12 画像記憶手段 14 エッジ情報生成手段 15 エッジ情報形成手段 16 物体/背景分離手段 17 位置/大きさ検出手段 20 カメラ/環境座標変換手段 21 画像/環境座標変換手段 22 位置選択手段 23 運動制御手段 25 振動命令生成手段 26 カメラ命令生成手段 27 領域正規化手段 28 正規化画像保持手段 29 画像認識手段 31 環境理解手段 32 計時手段 33 環境地図保持手段 34 物体位置推定手段 37 幾何解析手段 38 パターンマッチング手段 39 画像保持手段 40 配列演算ユニット 41 プロセッサ 42 メモリ 43 コントローラ 51 アドレスバス 52 データバス 53 アドレスバッファ 54 アドレスデコーダ 55 データバッファ 56 内部データバス 57 フラグレジスタ 58 フラグデコーダ 59 フラグエンコーダ 60 ステータスレジスタ 61 前入力データレジスタ 62 結果データレジスタ 63 出力データレジスタ 64 上入力データレジスタ 65 下入力データレジスタ 66 左入力データレジスタ 67 右入力データレジスタ 110 データ処理装置 111 デジタル画像 112 粗エッジ情報 113 粗エッジ情報画像 114 形成エッジ情報 115 形成エッジ情報画像 116 低解像度デジタル画像 117 低解像度粗エッジ情報画像 118 低解像度切出粗エッジ情報画像 119 切出粗エッジ情報画像 120 切出デジタル画像 121 切出形成エッジ情報画像 131 重複情報 132 重複情報画像 141 物体領域 142 物体領域画像 143 分離物体領域 144 正規化領域 145 正規化画像 146 テンプレート画像 147 マッチング結果画像 151 三角形のエッジ情報 152 三角形の内側領域 153 三角形の外側領域 154 破線状態の三角形のエッジ情報 155 破線三角形の内側領域 156 破線三角形の外側領域 157 前方の三角形のエッジ情報 158 後方の三角形のエッジ情報 159 前方三角形の内側領域 160 後方三角形の内側領域 161 二重三角形の背景領域 162 2つの重なった円形のエッジ情報 163 前方円形の内側領域 164 後方円形の内側領域 165 二重円の背景領域 201 機能コラム 202 電荷結合素子 203 駆動回路 204 A/D変換回路 205 発振回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 7/18 A61F 9/00 590

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動カメラ、視覚装置、刺激発生器、エ
    レクトロード配列端子、コネクタ及びバッテリを備えた
    人工眼球であって、 前記移動カメラが撮影した動画像の中央に物体が位置す
    るように前記視覚装置において前記移動カメラの向き及
    び倍率を制御する手段と、 前記視覚装置が前記動画像から生成した前記物体の正規
    化画像、種別、位置、大きさ及び位置の変化を前記刺激
    発生器において電気刺激に変換する手段と、 前記コネクタ及び前記エレクトロード配列端子を介して
    前記電気刺激を脳に伝える手段と、を有することを特徴
    とする人工眼球。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の人工眼球において、前記
    移動カメラが3自由度モータを備えたことを特徴とする
    人工眼球。
  3. 【請求項3】 請求項1及び2記載の人工眼球に対し
    て、前記視覚装置と撮像素子を大規模集積回路に実装し
    て前記移動カメラに組み込んだことを特徴とする人工眼
    球。
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