JP2001197903A - 滑らない靴底とその製造方法 - Google Patents

滑らない靴底とその製造方法

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JP2001197903A JP2000009549A JP2000009549A JP2001197903A JP 2001197903 A JP2001197903 A JP 2001197903A JP 2000009549 A JP2000009549 A JP 2000009549A JP 2000009549 A JP2000009549 A JP 2000009549A JP 2001197903 A JP2001197903 A JP 2001197903A
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  • Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造コストを低減すると共に、つるつるの磯
の上を滑らないで極め安全に移動し、しかも、優れた耐
久性を実現する。 【解決手段】 滑らない靴底は、繊維を立体的に方向性
なく集合して所定の厚さに結合してなる不織布1を接地
底7に設けている。不織布1の繊維表面には、高硬度粒
子2を付着している。靴底は、高硬度粒子2を付着して
いる不織布1に、液状のバインダーを塗布してプレス
し、繊維表面と繊維交点にバインダーを付着すると共
に、プレスされた不織布1を、不織布1の復元性で復元
させて繊維の間に無数の空隙ができる状態でバインダー
を硬化させている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として、魚釣り
や凍結路用に使用される滑らない靴底に関する。
【0002】
【従来の技術】魚釣りは、吊り竿をもって、滑りやすい
磯の上を移動するので、安全のために、できる限り滑ら
ない履物が使用される。磯の上で滑ると、非常に危険な
状態となるからである。接地底を特別に滑らないように
した靴は開発されている。現在、魚釣り用として市販さ
れている靴は、接地底にフェルトを使用している。フェ
ルトは無数の繊維を互いに立体的に絡ませて集合したも
のである。フェルト製の接地底は、ゴム等に比較する
と、磯の上を、比較的に滑り難い状態で移動できる。し
かしながら、フェルトは、繊維の間に海草や苔が詰まる
と、スリップしやすい状態となる。また、フェルトは、
微細な繊維が摩耗して、耐久性を低下させる欠点もあ
る。
【0003】この欠点を解消するために、以下の公報に
記載される滑らない靴底が開発されている。 実開平 1−126101号公報 実開昭63−191905号公報 実開平 4−4803号公報 特開平10−42905号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】の公報に記載される
靴底は、フェルト内に、金属製のスパイクを配設してい
る。この構造の接地底は、スパイクを磯の割れ目等に食
い込ませて、スリップを防止する。このため、凹凸のあ
る磯の上をスリップしないように移動できる。しかしな
がら、凹凸のない一枚岩の上では、非常にスリップしや
すい欠点がある。さらに、スパイクを固定している履物
は、底を柔らかくすると、スパイクが足の裏を局部的に
押して痛く感じるので、履き心地が悪くなる。スパイク
による履き心地を悪くしないためには、底を硬くする必
要がある。しかしながら底の硬い靴は、歩行時に底の変
形が少なくなるため歩き難くなり、快適な履き心地にで
きない。また、底を広い面積で磯に接触できず、多数の
スパイクを確実に磯の凹部に引っかけるようにしてグリ
ップできない。
【0005】の公報には、繊維と研磨材を混入してこ
れをフェノール等の接着剤で圧延して、通水性のある板
状に固化している靴底が記載される。この靴底は研磨材
を添加しているので、これが磯の表面に接触してスリッ
プを防止する。しかしながら、この構造の靴底も、板状
に固化しているので、磯に広い面積で多数の研磨材を接
触させることが難しく、また、圧延して固化しているの
で相当に重くなる欠点がある。
【0006】の公報には、300%以下に発泡させた
天然ゴムやウレタン等の熱可塑性弾性ポリマーに、10
mm以下の短繊維を配合している靴底が記載される。こ
の靴底は、発泡して軽量にできる。しかしながら、この
靴底は、繊維を底の表面に突出させると共に、発泡の気
泡を表面に露出させて摩擦係数を大きくするものである
から、硬くて表面がつるつるしている磯に対する摩擦力
が小さく、磯等においては充分に安全には使用できな
い。また、発泡状態の熱可塑性弾性ポリマーに繊維を埋
設する独特の構造に製造する必要があって製造コストが
高くなる。発泡合成樹脂の原料コストが高く、しかも、
発泡して成形するのに手間がかかるからである。
【0007】の公報には、クリンプまたはカールした
繊維を積層している不織布等の繊維積層集合体に、ゴム
や樹脂を含浸してなる靴底が記載される。この構造の靴
底もフェルトと同様に、繊維で滑り難くしているので、
繊維の間に海草や苔が詰まるとスリップしやすい状態と
なる。とくに、繊維にゴム等を含浸しているので、フェ
ルトと比較して繊維間の空隙が少なく、海草や苔が詰ま
りやすい欠点がある。
【0008】本発明者は、これらの靴底の欠点を解消す
ることを目的に、繊維に高硬度粒子を付着している不織
布を、足で踏むと弾性変形する程度に可撓性のある合成
樹脂発泡体に埋設する靴底を開発した。この靴底は、不
織布繊維に研磨材を付着しているので、これがつるつる
の磯表面に引っかかって、極めて滑り難くできる特長が
ある。しかしながら、この構造の靴底は、発泡合成樹脂
を使用するので、製造コストが高くなり、さらに、期待
できる寿命、たとえば、磯釣りに10日以上使用できる
寿命を実現できない欠点があった。
【0009】本発明は、さらにこの欠点を解決すること
を目的に開発されたものである。本発明の重要な目的
は、製造コストを低減しながら、つるつるの磯の上を滑
らないで極めて安全に移動でき、しかも優れた耐久性も
実現できる理想的な滑らない靴底とその製造方法を提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
している滑らない靴底は、繊維を立体的に方向性なく集
合して所定の厚さに結合してなる不織布1を接地底7に
設けている。不織布1の繊維表面には、高硬度粒子2を
付着している。靴底は、高硬度粒子2を付着している不
織布1に、液状のバインダーを塗布してプレスし、繊維
表面と繊維交点にバインダーを付着すると共に、プレス
された不織布1を、不織布1の復元性で復元させて繊維
の間に無数の空隙ができる状態でバインダーを硬化させ
ている。
【0011】本発明の請求項2の滑らない靴底は、繊維
を立体的に方向性なく集合して所定の厚さに結合してな
る不織布1を接地底7に設けている。不織布1の繊維表
面には、高硬度粒子2を付着している。靴底は、高硬度
粒子2を付着している不織布1に、高硬度粒子2を添加
してなる液状のバインダーを塗布してプレスし、不織布
1の繊維表面と繊維交点にバインダーを付着すると共
に、プレスされた不織布1を、不織布1の復元性で復元
させて繊維の間に無数の空隙ができる状態でバインダー
を硬化させている。
【0012】本発明の請求項3の滑らない靴底は、繊維
を立体的に方向性なく集合して所定の厚さに結合してな
る不織布1を接地底7に設けている。不織布1は高硬度
粒子2を付着している。靴底は、高硬度粒子2を添加し
てなる液状のバインダーを不織布1に塗布してプレス
し、不織布1の繊維表面と繊維交点にバインダーを付着
すると共に、プレスされた不織布1を、不織布1の復元
性で復元させて繊維の間に無数の空隙ができる状態でバ
インダーを硬化させている。
【0013】本発明の請求項4に記載している製造方法
は、繊維を立体的に方向性なく集合して所定の厚さに結
合してなる不織布1を接地底7に設けており、この不織
布1の繊維表面に、高硬度粒子2を付着している滑らな
い靴底を製造する方法である。この製造方法は、繊維表
面に高硬度粒子2を付着している不織布1に、液状のバ
インダーを塗布した後プレスして、繊維表面と繊維交点
にバインダーを付着する。その後、プレスされた不織布
1を不織布1の復元性で復元させて繊維の間に無数の空
隙ができる状態でバインダーを硬化させる。
【0014】本発明の請求項5の製造方法は、繊維を立
体的に方向性なく集合して所定の厚さに結合してなる不
織布1を接地底7に設けており、かつ、この不織布1の
繊維表面に、高硬度粒子2を付着している滑らない靴底
を製造する。さらに、この製造方法は、繊維表面に高硬
度粒子2を付着している不織布1に、高硬度粒子2を添
加している液状のバインダーを塗布した後プレスして、
繊維表面と繊維交点にバインダーと高硬度粒子2を付着
する。その後、プレスされた不織布1を不織布1の復元
性で復元させて、繊維の間に無数の空隙ができる状態で
バインダーを硬化させる。
【0015】本発明の請求項6の製造方法は、繊維を立
体的に方向性なく集合して所定の厚さに結合してなる不
織布1を接地底7に設けており、かつ、この不織布1
に、高硬度粒子2を付着している滑らない靴底を製造す
る方法である。この製造方法は、高硬度粒子2を添加し
ている液状のバインダーを不織布1に塗布した後プレス
して、繊維表面と繊維交点にバインダーと高硬度粒子2
を付着する。その後、プレスされた不織布1を不織布1
の復元性で復元させて繊維の間に無数の空隙ができる状
態でバインダーを硬化させる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明
の技術思想を具体化するための滑らない靴底とその製造
方法を例示するものであって、本発明は靴底と製造方法
を下記のものに特定しない。
【0017】さらに、この明細書は、特許請求の範囲を
理解し易いように、実施例に示される部材に対応する番
号を、「特許請求の範囲の欄」、および「課題を解決す
るための手段の欄」に示される部材に付記している。た
だ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に
特定するものでは決してない。
【0018】図1に、本発明の実施例に係る滑らない靴
底を備えた靴を示す。本発明の靴底は、磯釣りや河川で
の魚釣りに使用する釣用の靴、山岳靴、スキー靴、ゴム
製の長靴、作業靴、運動靴、サンダル等、すべり止めの
必要なすべての種類の履物に適用できる。
【0019】靴底は、図1に示すように、靴の中底4に
接地底7を固定し、あるいは、図2ないし図4に示すよ
うに、交換できるように脱着自在に接地底7を装着して
いる。接地底7は、図1から図6に示すように、外形を
中底4の外形にほぼ等しくしており、中底4の底面に装
着される。接地底7は、滑り止め効果を高くするため
に、不織布繊維の表面に高硬度粒子2を付着し、あるい
は繊維の表面とバインダーの両方に高硬度粒子2を付着
し、あるいはバインダーに高硬度粒子2を付着してい
る。
【0020】中底4に脱着できる接地底7は、図2に示
すように、上面にフェルト8を積層して接着している。
フェルト8は、接地底7の全面に接着している。接地底
7を連結する中底4は、底面にマジックテープ9(登録
商標)を接着している。マジックテープ9(登録商標)
は、フェルト8の繊維を引っかける無数のフック繊維を
底面に突出して設けている。接地底7は、マジックテー
プ9(登録商標)を介して中底4に連結される。この構
造の接地底7は、中底4に簡単に脱着できる。また、中
底4に連結した状態で、接地底7のずれを確実に阻止で
きる特長がある。
【0021】脱着できる接地底7は、図3と図4に示す
ように、上面にフランジ5を設けて、フランジ5で中底
4に連結することもできる。この図の接地底7は、フラ
ンジ5を前後に突出させている。フランジ5は、靴の中
底4に設けられた脱着溝6に嵌入される。フランジ5を
脱着溝6に入れて、接地底7は中底4に装着される。図
5に示す靴は、中底4の底面において、前後に脱着溝6
を設けている。脱着溝は、図示しないが、中底の全周に
設けることもできる。全周に脱着溝を有する中底は、周
囲にフランジのある接地底を連結する。
【0022】フランジ5は、接地底7の上面に可撓性の
ある板材10、たとえば、ゴム板を接着して設けられ
る。板材10は、接地底7の外周から突出する部分をフ
ランジ5とする。
【0023】接地底7は、不織布繊維をバインダーで結
合して補強している。ただ、本発明の靴底は、繊維の間
にバインダーを隙間なく充填したものではない。不織布
繊維の間に無数の空隙を設けて、バインダーを硬化させ
たものである。さらに、本発明の靴底は、バインダーを
発泡して硬化させたものでもない。バインダーを不織布
に塗布し、不織布を薄くプレスして余分のバインダーを
絞り出し、その後、不織布の復元力で不織布を厚く復元
させたものである。
【0024】不織布の復元力で、繊維の間に無数の空隙
を設ける状態とし、この状態でバインダーを硬化させ
る。空隙率、いいかえると、全体の体積に対する不織布
繊維の間にできる空隙との比率は、不織布を薄くプレス
したときの体積と、不織布が厚く復元したときの体積と
の差で調整する。たとえば、不織布をプレスした厚さの
2倍に不織布を復元させて、バインダーを硬化させる
と、空隙率は全体の体積の半分、すなわち約50%とな
る。また、プレスした厚さの3倍に不織布を復元させて
バインダーを硬化させると、空隙率は全体の体積の2/
3、すなわち約67%となる。不織布繊維の間に設ける
空隙率は、バインダーを塗布してプレスする厚さと、復
元したときの厚さの比率で調整でき、プレスした厚さに
対する復元したときの厚さを大きくして、空隙率を多く
できる。
【0025】不織布1は、繊維を立体的に方向性なく集
合して、所定の厚さに結合したもので、繊維は交点を接
着剤で結合し、あるいは、溶着して結合し、あるいはま
た、結合することなく、後に塗布されるバインダーで結
合している。不織布1の繊維は、ナイロンやポリエステ
ル等の合成繊維、あるいは、やしがら繊維や麻等の天然
繊維を使用する。合成繊維や麻等の繊維は、絡まりやす
いように、三次元にクリンプされた形状、あるいは、ジ
グザグ状に成形している。ジグザグ状は、たとえば、繊
維を三角波、矩形波、サイン波に折曲して加工した形状
である。やしがら繊維は、三次元にクリンプした形状を
しているので、人工的にこのような形状に加工する必要
はない。絡まりやすい繊維は、立体的に方向性なく集合
できる。
【0026】不織布1は、液状のバインダーを塗布して
押圧してプレスすると薄く押しつぶされるが、バインダ
ーが未硬化の状態で、押圧状態を完全に解除し、あるい
は、押圧力を少なくすると復元するものである。不織布
1は、繊維を太くすると復元力が強くなる。不織布1
は、バインダーを塗布する状態でプレスした後に復元さ
せて、繊維の間に無数の微細な空隙を設け、この状態で
バインダーを硬化させる。
【0027】不織布は、繊維を合成繊維とする場合、繊
維の太さを約150デニールとする。ただ、本発明の靴
底は、不織布の合成繊維の太さを約150デニールに特
定しない。それは、未硬化の状態では粘度の低いさらさ
らした液状のバインダーを使用すると、細い繊維の不織
布も充分に復元して、繊維の間に充分な空隙ができるか
らである。したがって、不織布の繊維には、たとえば、
10〜300デニール、好ましくは、50〜200デニ
ール、さらに好ましくは100〜200デニールのもの
が使用できる。天然繊維も、合成繊維とほぼ同じ太さの
ものを使用する。
【0028】さらに、合成繊維は、表面を凹凸状に加工
したものが最適である。表面を凹凸状にするには、たと
えば、繊維の表面に不均一に点状に接着材を塗布し、あ
るいは、繊維を部分的に太さが異なる形状に成形する。
【0029】接地底7は、不織布繊維の表面に、あるい
はバインダーに高硬度粒子2を付着している。高硬度粒
子2は、接着剤を介して繊維表面やバインダーに接着さ
れる。高硬度粒子2には、アルミナやシリコンカーバイ
ト等の研磨粒が適している。高硬度粒子2の大きさは、
用途によって最適値に設定されるが、たとえば、120
〜400メッシュのものが、一般的な用途において摩擦
係数を大きくすることから最適である。ただ、高硬度粒
子2は、用途によっては60〜1200メッシュのもの
も使用できる。高硬度粒子2を接着する接着剤は、不織
布繊維の交点を接着するものを併用することもできる。
ただ、高硬度粒子2を接着する接着材剤と不織布繊維を
結合する接着材とを別のものとすることもできる。
【0030】
【実施例】[実施例1]図6に示す接地底7を、以下の
ようにして製造する。 不織布1の繊維に、高硬度粒子2として、200メ
ッシュのアルミナを研磨材として付着する。研磨材は、
ペースト状の接着材に添加して混練りし、これを不織布
1にスプレーして付着する。不織布1には、押圧しない
状態における厚さを約10mm、150デニールのポリ
エステル繊維のものを使用する。
【0031】 この不織布1に、未硬化で液状のバイ
ンダーを塗布する。バインダーにはウレタン樹脂を使用
する。バインダーには、200メッシュのアルミナを研
磨材として5重量%添加する。バインダーを塗布した不
織布1を、3〜4mmの厚さにプレスして、余分なバイ
ンダーを絞り出して除去し、さらに、繊維表面と繊維交
点にバインダーを付着する。
【0032】 プレスしてバインダーを絞り出した
後、バインダーが未硬化な状態で、プレス状態を解除す
る。この状態で、不織布1は、それ自体の復元力で復元
して厚くなる。この状態で不織布1は約8mmの厚さに
復元する。この状態でバインダーを硬化させると、比重
が0.6の接地底7となった。 バインダーの硬化した不織布1を足型に裁断して、
靴底に装着する。
【0033】以上の工程で製作した接地底7は、磯釣り
に使用して、10日以上も使用できる充分な耐久性があ
り、また、つるつると極めて滑りやすい磯の上をほとん
ど滑らない状態で移動できた。
【0034】[実施例2]図6に示す接地底7を、以下
のようにして製造する。 不織布1として、押圧しない状態における厚さを約
10mm、150デニールのポリエステル繊維のものを
用意する。この不織布1は、繊維の表面に高硬度粒子を
付着していない。
【0035】 この不織布1に、未硬化で液状のバイ
ンダーを塗布する。バインダーにはウレタン樹脂を使用
する。バインダーには、高硬度粒子2として、200メ
ッシュのアルミナを研磨材として10重量%添加する。
バインダーを塗布した不織布1を、3〜4mmの厚さに
プレスして、余分なバインダーを絞り出して除去し、さ
らに、繊維表面と繊維交点にバインダーを付着する。
【0036】 プレスしてバインダーを絞り出した
後、バインダーが未硬化な状態で、プレス状態を解除す
る。この状態で、不織布1は、それ自体の復元力で復元
して厚くなる。この状態で不織布1は約8mmの厚さに
復元する。この状態でバインダーを硬化させると、比重
が0.6の接地底7となった。 バインダーの硬化した不織布1を足型に裁断して、
靴底に装着する。
【0037】以上の工程で製作した接地底7も、磯釣り
に使用して、10日以上も使用できる充分な耐久性があ
り、また、つるつると極めて滑りやすい磯の上をほとん
ど滑らない状態で移動できた。
【0038】[実施例3]図6に示す接地底7を、以下
のようにして製造する。 不織布1の繊維に、高硬度粒子2として、200メ
ッシュのアルミナを研磨材として付着する。研磨材は、
ペースト状の接着材に添加して混練りし、これを不織布
1にスプレーして付着する。不織布1には、押圧しない
状態における厚さを約10mm、150デニールのポリ
エステル繊維のものを使用する。
【0039】 この不織布1に、未硬化で液状のバイ
ンダーを塗布する。バインダーにはウレタン樹脂を使用
する。バインダーには、高硬度粒子を添加しないものを
使用する。バインダーを塗布した不織布1を、3〜4m
mの厚さにプレスして、余分なバインダーを絞り出して
除去し、さらに、繊維表面と繊維交点にバインダーを付
着する。
【0040】 プレスしてバインダーを絞り出した
後、バインダーが未硬化な状態で、プレス状態を解除す
る。この状態で、不織布1は、それ自体の復元力で復元
して厚くなる。この状態で不織布1は約8mmの厚さに
復元する。この状態でバインダーを硬化させると、比重
が0.6の接地底7となった。 バインダーの硬化した不織布1を足型に裁断して、
靴底に装着する。
【0041】以上の工程で製作した接地底7は、磯釣り
に使用して、10日以上も使用できる充分な耐久性があ
り、また、つるつると極めて滑りやすい磯の上をほとん
ど滑らない状態で移動できた。
【0042】以上の実施例の接地底は、不織布として厚
さを10mmとするものを使用したが、不織布には、5
〜20mmの厚さのものを使用することもできる。厚い
不織布は耐久性に優れ、薄い不織布は寿命は短くいが軽
くできる。
【0043】不織布を結合するバインダーは、硬化した
状態で多少の可撓性があり、力を加えると変形できるも
のが適している。この接地底は、歩行時に中底と一緒に
弾性的に変形してより広い面積で磯等に接触し、また、
適度なクッションで快適に歩行できる。
【0044】
【発明の効果】本発明の滑らない靴底とその製造方法
は、製造コストを低減しながら、つるつるの磯の上を滑
らないで極めて安全に移動でき、しかも優れた耐久性も
実現できる特長がある。それは、本発明の靴底とその製
造方法が、高硬度粒子を付着しあるいは付着しない不織
布に、高硬度粒子を添加しあるいは添加しない液状のバ
インダーを塗布してプレスし、繊維表面と繊維交点にバ
インダーを付着すると共に、プレスされた不織布を、不
織布の復元性で復元させて繊維の間に無数の空隙ができ
る状態としてバインダーを硬化させているからである。
【0045】本発明の滑らない靴底が、発泡合成樹脂に
繊維を埋設する靴底に比較して、極めて優れた耐久性を
実現するのは、無数の空隙ができる状態で硬化するバイ
ンダーが不織布繊維の表面を充分に被覆しながら、繊維
の間に空隙ができるからである。本発明の靴底は、発泡
合成樹脂に繊維を埋設する靴底と同じように、無数の空
隙がある。ただ、発泡合成樹脂は、それ自体が発泡して
硬化するので、バインダー自体が発泡し、この発泡する
合成樹脂が不織布繊維の表面を被覆する。このため、繊
維を被覆するバインダーの強度が充分でなく、優れた耐
久性が実現できない。これに対して、本発明の靴底は、
無数の空隙はあるが、繊維の表面は発泡しないバインダ
ーで被覆され、バインダーで被覆された繊維の間に無数
の空隙を設けている。このため、繊維がバインダーで強
く補強されて、靴底の強度が著しく向上する。
【0046】さらに、本発明の滑らない靴底は、バイン
ダーに発泡合成樹脂を使用する必要がなく、低コストで
強固に繊維を結合するバインダーが使用できる。また、
製造工程においても、バインダーを発泡させる必要がな
く、安価に多量生産できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例にかかる滑らない靴底を備えた
靴を示す側面図
【図2】本発明の他の実施例にかかる脱着できる滑らな
い靴底を備えた靴を示す分解側面図
【図3】本発明の他の実施例にかかる脱着できる滑らな
い靴底を備えた靴を示す断面図
【図4】図3に示す靴底を靴に脱着する状態を示す断面
【図5】図3に示す靴の中底を示す底面図
【図6】本発明の実施例にかかる滑らない靴底の底面図
【符号の説明】
1…不織布 2…高硬度粒子 3…合成樹脂発泡体 4…中底 5…フランジ 6…脱着溝 7…接地底 8…フェルト 9…マジックテープ 10…板材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維を立体的に方向性なく集合して所定
    の厚さに結合してなる不織布(1)を接地底(7)に設けてお
    り、かつ、この不織布(1)の繊維表面に、高硬度粒子(2)
    を付着している滑らない靴底において、 繊維の表面に高硬度粒子(2)を付着している不織布(1)
    に、液状のバインダーを塗布してプレスし、繊維表面と
    繊維交点にバインダーを付着すると共に、プレスされた
    不織布(1)を、不織布(1)の復元性で復元させて繊維の間
    に無数の空隙ができる状態でバインダーを硬化させてな
    ることを特徴とする滑らない靴底。
  2. 【請求項2】 繊維を立体的に方向性なく集合して所定
    の厚さに結合してなる不織布(1)を接地底(7)に設けてお
    り、かつ、この不織布(1)の繊維表面に、高硬度粒子(2)
    を付着している滑らない靴底において、 繊維の表面に高硬度粒子(2)を付着している不織布(1)
    に、高硬度粒子(2)を添加してなる液状のバインダーを
    塗布してプレスし、繊維表面と繊維交点にバインダーを
    付着すると共に、プレスされた不織布(1)を、不織布(1)
    の復元性で復元させて繊維の間に無数の空隙ができる状
    態でバインダーを硬化させてなることを特徴とする滑ら
    ない靴底。
  3. 【請求項3】 繊維を立体的に方向性なく集合して所定
    の厚さに結合してなる不織布(1)を接地底(7)に設けてお
    り、かつ、この不織布(1)に、高硬度粒子(2)を付着して
    いる滑らない靴底において、 高硬度粒子(2)を添加してなる液状のバインダーを不織
    布(1)に塗布してプレスし、不織布(1)の繊維表面と繊維
    交点にバインダーを付着すると共に、プレスされた不織
    布(1)を、不織布(1)の復元性で復元させて繊維の間に無
    数の空隙ができる状態でバインダーを硬化させてなるこ
    とを特徴とする滑らない靴底。
  4. 【請求項4】 繊維を立体的に方向性なく集合して所定
    の厚さに結合してなる不織布(1)を接地底(7)に設けてお
    り、かつ、この不織布(1)の繊維表面に、高硬度粒子(2)
    を付着している滑らない靴底の製造方法において、 繊維表面に高硬度粒子(2)を付着している不織布(1)に液
    状のバインダーを塗布した後プレスし、繊維表面と繊維
    交点にバインダーを付着して、その後に、プレスされた
    不織布(1)を不織布(1)の復元性で復元させて繊維の間に
    無数の空隙ができる状態でバインダーを硬化させること
    を特徴とする滑らない靴底の製造方法。
  5. 【請求項5】 繊維を立体的に方向性なく集合して所定
    の厚さに結合してなる不織布(1)を接地底(7)に設けてお
    り、かつ、この不織布(1)の繊維表面に、高硬度粒子(2)
    を付着している滑らない靴底の製造方法において、 繊維表面に高硬度粒子(2)を付着している不織布(1)に、
    高硬度粒子(2)を添加している液状のバインダーを塗布
    した後プレスし、繊維表面と繊維交点にバインダーと高
    硬度粒子(2)を付着して、その後に、プレスされた不織
    布(1)を不織布(1)の復元性で復元させて繊維の間に無数
    の空隙ができる状態でバインダーを硬化させることを特
    徴とする滑らない靴底の製造方法。
  6. 【請求項6】 繊維を立体的に方向性なく集合して所定
    の厚さに結合してなる不織布(1)を接地底(7)に設けてお
    り、かつ、この不織布(1)に、高硬度粒子(2)を付着して
    いる滑らない靴底の製造方法において、 高硬度粒子(2)を添加している液状のバインダーを不織
    布(1)に塗布した後プレスし、繊維表面と繊維交点にバ
    インダーと高硬度粒子(2)を付着して、その後に、プレ
    スされた不織布(1)を不織布(1)の復元性で復元させて繊
    維の間に無数の空隙ができる状態でバインダーを硬化さ
    せることを特徴とする滑らない靴底の製造方法。
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