JP2001195599A - 画像処理方法,画像処理装置および画像処理プログラム記憶媒体 - Google Patents

画像処理方法,画像処理装置および画像処理プログラム記憶媒体

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JP2001195599A
JP2001195599A JP2000005120A JP2000005120A JP2001195599A JP 2001195599 A JP2001195599 A JP 2001195599A JP 2000005120 A JP2000005120 A JP 2000005120A JP 2000005120 A JP2000005120 A JP 2000005120A JP 2001195599 A JP2001195599 A JP 2001195599A
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JP2000005120A
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Takayasu Nitta
高庸 新田
Toshihiro Minami
俊宏 南
Takeshi Ogura
武 小倉
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像の領域分割処理の分水嶺処理において,
画素値レベルごとの収束処理の回数を削減して,処理速
度を向上させる。 【解決手段】 各画素が極小地に属するかどうかを求め
(S1),どの極小地にも属さない画素に対して最も近い極
小値から当該画素までの距離を計算し(S2), 各画素に,
当該画素の画素値, 距離, および隣接画素の画素値およ
び距離に応じてラベルの伝搬許可を設定し(S3), 各極小
地ごとに異なるラベルを付与し(S4), 極小地から各画素
へ伝搬が許可された画素間でのみ当該極小地のラベルを
伝搬し(S5), ラベルが伝搬された画素は, 当該画素のラ
ベルと伝搬してきたラベルとに応じて新たなラベルまた
は分水嶺を付与し, これらの処理を収束するまで繰り返
し(S5-7), 収束すればその結果を出力する(S8)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,画像処理技術に係
り,特に,画像の領域分割処理において,分水嶺(ウォ
ータシェド(watershed)処理を高速に行うための画像処
理方法,画像処理装置および画像処理プログラム記憶媒
体に関する。
【0002】
【従来の技術】まず,分水嶺処理について説明する。画
像は,各画素値を高度とみなすことによって,画像を一
つの地形とみなすことができる。この地形に対して上か
ら均等に水をかけたとき,水は地形のスロープに沿って
流れ落ちていき,くぼみに溜る。このくぼみのことを集
水盆地(catchment basin)といい,集水盆地の底を極小
地(minimum)という。また,複数の集水盆地が接すると
ころを分水嶺(watershed)という。図3に,分水嶺,集
水盆地,極小地の例を示す。
【0003】分水嶺処理とは,ある画像が与えられたと
きに,その画像の分水嶺を求める処理のことである。以
下では,これらを形式的に定義する。なお,詳細は下記
の参考文献等に記載されている。
【0004】[参考文献]:Luc Vincent and Pierre S
oille. Watersheds in digital spaces:An efficient a
lgorithm based on immersion simulations. Transacti
onson Pattern Analysis and Machine Intelligence, V
ol.13, No.6, pp.583-598,June 1991. 画像I(定義域DI )に対して,画素値がh以下の画素
の集合をTh (I)と書く。
【0005】 Th (I)={p∈DI |I(p)≦h} (1) また,高さhの極小地の集合をminh (I)と書く。
なお,極小地とは,ある画素pからその画素pの画素値
I(p)と等しい画素値のみを経て,その画素pの画素
値I(p)より小さい画素値を持つ画素への経路が存在
しないような画素の集合である。
【0006】集合A⊂DI 内での画素xと画素yとの測
地線距離(geodesic distance)dA(x,y)とは, dA (x,y)=inf {全体がAに含まれるxからyへの経路の長さ}(2) であると定義する。ここでinfは下限を表す。図4
は,測地線距離を説明するための図である。集合A内で
の画素xと画素yとの測地線距離dA (x,y)とは,
図4に示す経路Pの長さである。
【0007】この測地線距離は,画素と画素集合との距
離にも自然に拡張できる。集合A⊂DI 内での画素xと
画素集合B⊂DI との測地線距離dA (x,B)とは,
【0008】
【数1】
【0009】である。
【0010】測地線距離を用いて,影響地域(influenc
e zone)を以下のように定義する。ある集合Aが,複数
の連結成分B1 ,B2 ,…,Bk からなる集合Bを包含
しているとする。このとき,各Bi のAにおける影響地
域izA (Bi )とは, izA (Bi )={p∈A|∀j∈[1,k]\{i}, dA (p,Bi )<dA (p,Bj )} (4) である。図5は,影響地域を説明するための図であり,
ある集合Aが,複数の連結成分B1 ,B2 ,B3 からな
る集合Bを包含している。このとき,B1 のAにおける
影響地域izA (B1 )を図示している。全てのizA
(Bi )の和集合をIZA (B)=∪i izA (Bi
と書く。
【0011】集水盆地の集合X(I)は,以下の再帰的
な定義で示される。
【0012】
【数2】
【0013】ここでhmin ,hmax はそれぞれIの最小
値,最大値である。X(I)の補集合が分水嶺となる。
【0014】次に,従来の分水嶺処理の処理方法につい
て説明する。従来,分水嶺は上述の定義にしたがって,
以下のように求めていた。まず最初に,入力画像Iが与
えられたとき,hmin およびhmax を求める。次にX
hminにThminを代入する(添字 hminは,hmin を縮小し
たものを表す)。ここで,Xhminの各連結成分(極小
地)を識別するためのラベルづけを行う。以下,kをh
min からhmax まで1ずつ増やしながら,Xk を式(5)
に従って求める。最後に,Iの定義域DI からXk+ 1
引いて分水嶺WSHED(I)を求める。
【0015】上述のXk を求めるための式(5) におい
て,各kに対して2つの集合mink+ 1 (I)およびI
Tk+1(I) (Xk )(添字Tk+1(I) は,Tk+1 (I)を
縮小したものを表す)とを計算する必要がある。以下で
この2つの集合の求め方を説明する。
【0016】IZTk+1(I) (Xk )は以下のようにして
計算する。
【0017】1.x∈Xk である画素は,Xk のラベル
をつける。
【0018】2.x∈Tk+1 かつx∈¬Xk (x∈Xk
ではないx)の画素については,以下のような規則を収
束するまで繰り返す。 ・xの隣接画素にラベルづけされたものがなければ,何
もしない。 ・xの隣接画素にラベルづけされたものがただ1つ存在
すれば,そのラベルをxに付ける。 ・xの隣接画素にラベルづけされたものが2つ以上存在
すれば,何もしない。
【0019】この結果,Xk の各ラベルがTk+1 の影響
地域に伝搬する。ただし,分水嶺とmink+1 にはラベ
ルが付かない。ラベルのある画素の集合がIZTk+1(I)
(X k )となる。
【0020】次にmink+1 (I)を求めるために,再
構築(reconstruction)RecTk+1 (I) (Xk )という
処理を定義する。これは上述の影響地域を求める処理と
よく似ているが,分水嶺に対する処理が異なる。
【0021】1.x∈Xk である画素は,Xk のラベル
をつける。
【0022】2.x∈Tk+1 かつx∈¬Xk (x∈Xk
ではないx)の画素については,以下のような規則を収
束するまで繰り返す。 ・xの隣接画素にラベルづけされたものがなければ,何
もしない。 ・xの隣接画素にラベルづけされたものが1つ以上存在
すれば,そのうちのいずれかのラベルをxにつける。
【0023】ラベルのある画素の集合がRecTk+1(I)
(Xk )となる。mink+1 (I)はTk+1 (I)から
RecTk+1(I) (Xk )を引くことによって求める。
【0024】
【数3】
【0025】ここで求めたmink+1 (I)のそれぞれ
の連結成分には識別するためのラベルづけを施す。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術によれば,
以下のような問題点がある。ある画素値レベルでの処理
とほかの画素値レベルでの処理とでは,処理される画素
集合は互いに共通部分を持たないが,分水嶺処理では低
い画素値レベルでの結果が高い画素値レベルでの結果に
影響するため,分水嶺を低い画素値レベルから高い画素
値レベルへと,各画素値のレベルごとに逐次的に求めて
いる。このため,全画素値レベル数(hma x −hmin
1,例えば256)回の画素値レベルでの処理が必要と
なる。さらに,そのそれぞれの画素値レベルの処理にお
いて,分水嶺および影響地域を求めるために収束処理を
行う。この収束処理には,膨大な処理時間がかかる。こ
のように,従来技術では全体の処理時間が膨大になると
いう問題点がある。
【0027】本発明は,上記の点に鑑みなされたもの
で,すべての画素値レベルでの収束処理を一度にまとめ
ることによって,収束処理の回数を大幅に削減し,定義
通りの手順で処理した場合と同じ結果を与えながら,そ
の結果,処理速度を向上させることができる分水嶺処理
を行う画像処理技術を提供することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】図1は,本発明の原理を
説明するための図である。
【0029】第1の発明は,画像の領域分割処理の一種
である分水嶺処理を行うための画像処理方法において,
各画素が極小地(ある画素からその画素の画素値と等し
い画素値のみを経て,その画素の画素値より小さい画素
値を持つ画素への経路が存在しないような画素の集合)
に属するかどうかを求め(ステップS1),どの極小地
にも属さない各画素に対しては,最も近い極小地から当
該画素までの距離を計算し(ステップS2),各画素に
対して当該画素の画素値と距離,および隣接画素の画素
値と距離に応じて隣接画素から当該画素ヘのラベルの伝
搬許可を設定し(ステップS3),各極小地には極小地
ごとに異なるラベルを付与し(ステップS4),極小地
から各画素へ伝搬が許可された画素間でのみ当該極小地
のラベルを伝搬し(ステップS5),ラベルが伝搬して
きた画素は当該画素のラベルと伝搬してきたラベルとに
応じて新たなラベルまたは分水嶺を付与し(ステップS
6),この伝搬処理を収束するまで繰り返し(ステップ
S5,S6,S7),収束すればその結果を分水嶺処理
の結果として出力する(ステップS8)ことを特徴とす
る。
【0030】これによって分水嶺処理を行う際に,すべ
ての画素値レベルでの収束処理を一度にまとめて行うこ
とができるため,処理速度を向上させることができる。
【0031】第2の発明は,前記極小地と極小地から画
素までの距離とを求める際に,すべての画素に対して,
距離を十分大きな値MAXで初期化し,各画素につい
て,画素値が当該画素の画素値より真に小さいような隣
接画素が存在すれば,当該画素の距離を1(ある単位
値)とし,以下,各画素について,画素値の等しい隣接
画素の持つ距離の最小値に1加えたものと当該画素の距
離との最小値を新たな当該画素の距離とするという処理
を収束するまで繰り返し,その結果,距離がMAXの画
素を極小地とし,また,距離がMAXでない画素に対し
ては,画素値とここで求めた距離とを合わせた2つ組を
新たに距離とすることを特徴とする。
【0032】極小地からの距離を求めるには,まず極小
地を求め,それから極小地に属さない画素に対して極小
地からの距離を求めればよい。しかし,この手法では,
極小地計算処理と距離計算処理との2つの計算処理過程
を逐次的に行わなければならない。特に,この第2の発
明によれば,各画素について画素値内の距離を求めるこ
とによって,最終的に距離が初期値のままの画素集合が
極小地となるため,最初に極小地を求める必要がなく,
極小地からの距離を求めることができる。したがって,
処理時間を短縮することができる。
【0033】第3の発明は,前記ラベルの伝搬許可の設
定の際に,隣接画素のうち画素値が当該画素の画素値よ
りも小さい画素,または,隣接画素のうち画素値が同じ
でかつ距離が当該画素の距離よりも小さい画素に対して
のみ,当該画素へのラベルの伝搬許可を設定することを
特徴とする。
【0034】分水嶺処理において,ラベルは,a)隣接
する画素のうち画素値が当該画素の画素値よりも小さい
画素か,b)隣接する画素のうち画素値が当該画素の画
素値と等しく,かつ,極小地への距離が当該画素よりも
小さい画素か,のいずれかから伝搬する。第3の発明に
よれば,このラベルの伝搬してくる方向を各画素単位に
画素値に関係なく設定することができるため,伝搬を画
素値に依存することなく各画素並列に処理することがで
きる。
【0035】第4の発明は,前記極小地へラベルを付与
する際に,極小地である画素に対して,その画素の座標
値または画素番号などの画素識別子をラベルとし,隣接
画素のうち極小地である画素とラベルを比較し,小さい
方または大きい方を新たなラベルとして選択するという
処理を収束するまで繰り返すことを特徴とする。
【0036】極小地へのラベルづけでは,各極小地に異
なるラベルをつける必要がある。この第4の発明によれ
ば,すべての極小地に対して並列してラベルづけするこ
とができる。
【0037】第5の発明は,前記画素のラベルと伝搬し
てきたラベルとから新たなラベルを求める際に,画素の
ラベルと伝搬してきたラベルとがすべて一致すれば,当
該ラベルを新たなラベルとし,画素のラベルと伝搬して
きたラベルとで不一致が存在すれば,分水嶺とすること
を特徴とする。
【0038】この第5の発明によって,分水嶺となる画
素を並列に,しかも画素値に依存せずに求めることがで
きる。
【0039】第6の発明は,画像の領域分割処理の一種
である分水嶺処理を行うための画像処理装置であって,
画素数分のプロセッシング・エレメント(PE)を持
ち,全PEはメッシュ結合され,各PEは,画素値およ
び極小地からの距離および伝搬許可フラグおよびラベル
および隣接PEのデータを格納する記憶手段と,隣接P
Eへ画素値および極小地およびラベルを伝搬するデータ
伝搬手段と,伝搬してきたデータを伝搬許可フラグにし
たがって許可するかどうかを決定する伝搬許可手段と,
伝搬してきたデータと当該PEの持つデータとを比較す
る比較手段とを有するプロセッシング・エレメント(P
E)・アレイ部と,全PEを制御する制御部と,各PE
に対してデータの人出力を行う入出力部とを備えること
を特徴とする。
【0040】特に,この第6の発明による装置を用いる
ことによって,分水嶺を画素ごとに並列に処理するにあ
たって,極めて高速に処理することができる。
【0041】第7の発明は,画像の領域分割処理の一種
である分水嶺処理を行うための画像処理プログラムを格
納した記憶媒体であって,画像を入力する入力プロセス
と,各画素が極小地(ある画素からその画素の画素値と
等しい画素値のみを経て,その面素の画素値より小さい
画素値を持つ画素への経路が存在しないような画素の集
合)に属するかどうかを求める極小地判定プロセスと,
どの極小地にも属さない各画素に対しては,最も近い極
小地から当該画素までの距離を計算する距離計算プロセ
スと,各画素に対して当該画素の画素値と距離,および
隣接画素の画素値と距離に応じて隣接画素から当該画素
へのラベルの伝搬許可を設定する伝搬許可設定プロセス
と,各極小地には極小地ごとに異なるラベルを付与する
ラベルづけプロセスと,極小地から各画素へ伝搬が許可
された画素間でのみ当該極小地のラベルを伝搬するラベ
ル伝搬プロセスと,ラベルが伝搬してきた画素は当該画
素のラベルと伝搬してきたラベルとに応じて新たなラベ
ルまたは分水嶺を付与するラベル更新プロセスと,この
ラベル伝搬プロセスの収束判定プロセスと,収束すれば
その結果を分水嶺処理の結果として出力する出力プロセ
スとを,プロセッサ(コンピュータ)に実行させるプロ
グラムを格納することを特徴とする。
【0042】上記プログラムは,コンピュータが読み取
り可能な可搬媒体メモリ,半導体メモリ,ハードディス
クなどの適当な記憶媒体に格納することができる。
【0043】
【発明の実施の形態】以下では,本発明の実施の形態を
説明する。なお,以下の例では隣接関係として,4隣接
(上下左右)グリッドとするが,本発明は6隣接,8隣
接などほかの隣接関係に対してもそのまま適用すること
ができる。
【0044】〔実施の形態1〕実施の形態1では,第1
の発明の例を示す。入力として式(7) の3行4列の画像
を考える。
【0045】
【数4】
【0046】また,各画素の座標値を式(8) のような記
号で参照することとする。
【0047】
【数5】
【0048】例えば,画素aの画素値は0である。
【0049】図1のステップS1では,与えられた入力
に対して極小地を求める(実施の形態2参照)。本例で
は,画素a,k,lが極小地に属す。
【0050】ステップS2では,極小地に属さない各画
素に対して,最も近い極小地からの距離を計算する(実
施の形態2参照)。なお,ここでの距離は,画素値xと
その画素値内での距離yとの2つ組(x,y)で表すこ
ととし,距離の大小関係は, (x1 ,y1 )<(x2 ,y2 ) ⇔ x1 <x2 , or(x1 =x2 and y1 <y2 ) (9) である。極小地の画素a,k,lにおける画素値内での
距離は0となる。ステップS2までの処理結果を式(10)
に示す。
【0051】
【数6】
【0052】本例では,例えば画素gの距離は(2,
1)となる。
【0053】ステップS3では,ラベルの伝搬許可を設
定する(実施の形態3参照)。ラベルの伝搬許可を
(N,E,W,S)の4つ組で表す。ここで,N,E,
W,Sはそれぞれ上,右,左,下の画素からの伝搬の許
可に対応し,0ならば許可しないことを,1ならば許可
することをそれぞれ表す。式(10)より,ラベルの伝搬許
可は式(11)となる。
【0054】
【数7】
【0055】例えば,画素gの伝搬許可は(0,0,
1,1)であるから,左の画素および下の画素からのラ
ベルの伝搬を許可していることを表す。
【0056】ステップS4では,各極小地にラベルを付
与する(実施の形態4参照)。極小地のラベルを式(12)
に示す。ここで,−はラベルが未定義であることを示
す。画素lは,画素kと同じ極小地に属するので,同じ
ラベルkとなる。
【0057】
【数8】
【0058】ステップS5およびS6では,極小地のラ
ベルを伝搬許可にしたがって各画素に伝搬し,各画素で
新たなラベルを設定する(実施の形態5参照)。式(13)
に伝搬の様子を示す。ここで,wは分水嶺を表す。
【0059】
【数9】
【0060】ステップS5およびS6は,収束判定(ス
テップS7)によって収束するまで繰り返され,収束す
るとその結果を出力する(ステップS8)。
【0061】〔実施の形態2〕実施の形態2では,第2
の発明の例を示す。入力として,実施の形態1と同じ式
(7) を考える。すべての距離をMAXに初期化する。各
画素について,画素値が当該画素の画素値より真に小さ
いような隣接画素が存在すれば,当該画素の距離を1と
する(式(14))。
【0062】
【数10】
【0063】本例では,画素b,e,および画素g,
h,jが距離1となる。
【0064】以下,各画素について,画素値の等しい隣
接画素の持つ距離の最小値に1加えたものと当該画素の
距離との最小値を当該画素の距離とするという処理を収
束するまで繰り返す。
【0065】
【数11】
【0066】本例では,画素d,f,iがそれぞれ距離
2となる。
【0067】距離がMAXである画素a,k,lは極小
地に属する画素となる。また,距離がMAXでない画素
に対しては,画素値とここで求めた距離とを合わせた2
つ組を新たに距離とする(式(10))。本例では,例えば
画素gの画素値が2であり,距離が1であるので,新た
に距離を(2,1)と設定する。
【0068】〔実施の形態3〕実施の形態3では,第3
の発明の例を示す。式(10)を用いて,ラベルの伝搬許可
を設定する。
【0069】隣接画素のうち画素値が当該画素の画素値
よりも小さい画素,または,隣接画素のうち画素値が同
じでかつ距離が当該画素の距離よりも小さい画素に対し
てのみ,当該画素へのラベルの伝搬許可を設定する(式
(11))。本例では,例えば画素gでは,左の画素fおよ
び下の画素kの距離が画素gの距離よりも小さいので,
ラベルの伝搬を許可する。
【0070】〔実施の形態4〕実施の形態4では,第4
の発明の例を示す。入力画像,式(7) での極小地に属す
る画素は,式(10)より,画素a,k,lであるので,ま
ず,それぞれの画素に自身の座標値をラベルとして付与
する。
【0071】
【数12】
【0072】次に,隣接画素のうち極小地である画素と
ラベルを比較し,小さい方または大きい方を新たなラベ
ルとして選択するという処理を収束するまで繰り返す。
本例では,画素lは隣接画素で極小地に属するkと,ラ
ベルを比較し,kを新たなラベルとして選択する。
【0073】〔実施の形態5〕実施の形態5では,第5
の発明の例を示す。本例では,画素gは,はじめ下の画
素kよりラベルの伝搬を受ける。これにより,画素gの
ラベルはkとなる(式(13)の2つ目の行列)。
【0074】次の伝搬でも,画素gは下の画素kからの
みラベルの伝搬を受け,それが画素g自身のラベルと一
致するので当該ラベルをkとする(式(13)の3つ目の行
列)。次の伝搬では,画素gは下の画素kからkのラベ
ル,左の画素fからaのラベル,それぞれの伝搬を受け
る。このため,画素gの新たなラベルは分水嶺wとな
る。
【0075】図2は,本発明の実施に用いる画像処理装
置の構成例を示す図である。図2に示す画素処理装置
は,画像の領域分割処理の一種である分水嶺処理を行う
ために,画素数分のプロセッシング・エレメント(P
E)10からなるプロセッシング・エレメント(PE)
・アレイ部1と,全PE10を制御する制御部2と,各
PE10に対してデータの人出力を行う人力部3および
出力部4とを備える。
【0076】これらのPE10はメッシュ結合され,各
PE10は,記憶手段11とデータ伝搬手段12と伝搬
許可手段13と比較手段14とを持つ。記憶手段11に
は,PE10が担当する画素の画素値を記憶する画素値
記憶部111,極小地からの距離を記憶する距離記憶部
112,ラベルを記憶するラベル記憶部113,隣接P
Eのデータを記憶する隣接PEデータ記憶部114,お
よび伝搬許可フラグを記憶する伝搬許可フラグ記憶部1
15が設けられている。
【0077】データ伝搬手段12は,隣接PEへ画素
値,極小地およびラベルを伝搬する。伝搬許可手段13
は,伝搬してきたデータを伝搬許可フラグにしたがって
許可するかどうかを決定する。比較手段14は,伝搬し
てきたデータと当該PE10の持つデータとを比較す
る。
【0078】制御部2は,すべてのPE10に対し,一
度に1つの命令を発行する。各PE10は,制御部2か
らの命令に従って,全PE並列に演算を実行する。この
装置は,いわゆるSIMD(Single Instruction strea
m, Multiple Data streams)型プロセッサである。
【0079】図1に示す処理を実行するためのプログラ
ムは,制御部2に格納されており,演算を行うためのデ
ータは,各PE10が内部の記憶手段11に格納してい
るか,または制御部2から供給される。制御部2は,任
意のPE10の演算結果を取得することができる。
【0080】なお,図2に示すプロセッシング・エレメ
ント・アレイ部1を持つ装置による実現方法を説明した
が,もちろん本発明はこれに限られるわけではなく,S
IMD型ではない汎用のコンピュータ等を用いた実現も
同様に可能である。
【0081】
【発明の効果】上述のように,本発明によれば,分水嶺
処理を行う際にすべての画素値レベルでの収束処理を一
度にまとめて行うことができるため,処理速度を向上さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明するための処理フロー図で
ある。
【図2】本発明による画像処理装置の構成図である。
【図3】分水嶺,集水盆地,極小地を説明するための図
である。
【図4】測地線距離を説明するための図である。
【図5】影響地域を説明するための図である。
【符号の説明】
1 プロセッシング・エレメント(PE)・アレイ部 2 制御部 3 入力部 4 出力部 10 プロセッシング・エレメント(PE) 11 記憶手段 12 データ伝搬手段 13 伝搬許可手段 14 比較手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小倉 武 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 Fターム(参考) 5B057 AA20 DA08 DC03 DC14 DC17 5L096 BA20 FA06 FA66 GA34 9A001 BB02 BB06 DD15 GG01 GG04 HH23

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像の領域分割処理の一種である分水嶺
    処理を行う画像処理方法において,各画素が極小地に属
    するかどうかを求め,どの極小地にも属さない各画素に
    対しては,最も近い極小地から当該画素までの距離を計
    算し,各画素に対して当該画素の画素値と距離,および
    隣接画素の画素値と距離に応じて隣接画素から当該画素
    へのラベルの伝搬許可を設定し,各極小地には極小地ご
    とに異なるラベルを付与し,極小地から各画素へ伝搬が
    許可された画素間でのみ当該極小地のラベルを伝搬し,
    ラベルが伝搬してきた画素は当該画素のラベルと伝搬し
    てきたラベルとに応じて新たなラベルまたは分水嶺を付
    与し,この伝搬処理を収束するまで繰り返し,収束すれ
    ばその結果を分水嶺処理の結果として出力することを特
    徴とする画像処理方法。
  2. 【請求項2】 前記極小地と極小地から画素までの距離
    とを求める際に,すべての画素に対して,距離を十分大
    きな値MAXで初期化し,各画素について,画素値が当
    該画素の画素値より真に小さいような隣接画素が存在す
    れば,当該画素の距離を1とし,以下,各画素につい
    て,画素値の等しい隣接画素の持つ距離の最小値に1加
    えたものと当該画素の距離との最小値を新たな当該画素
    の距離とするという処理を収束するまで繰り返し,その
    結果,距離が前記大きな値MAXの画素を極小地とし,
    また,距離が前記大きな値MAXでない画素に対して
    は,画素値とここで求めた距離とを合わせた2つ組を新
    たに距離とすることを特徴とする請求項1記載の画像処
    理方法。
  3. 【請求項3】 前記ラベルの伝搬許可の設定の際に,隣
    接画素のうち画素値が当該画素の画素値よりも小さい画
    素,または,隣接画素のうち画素値が同じでかつ距離が
    当該画素の距離よりも小さい画素に対してのみ,当該画
    素へのラベルの伝搬許可を設定することを特徴とする請
    求項1記載の画像処理方法。
  4. 【請求項4】 前記極小地へラベルを付与する際に,極
    小地である画素に対して,その画素の画素識別子をラベ
    ルとし,隣接画素のうち極小地である画素とラベルを比
    較し,小さい方または大きい方を新たなラベルとして選
    択するという処理を収束するまで繰り返すことを特徴と
    する請求項1記載の画像処理方法。
  5. 【請求項5】 前記画素のラベルと伝搬してきたラベル
    とから新たなラベルを求める際に,画素のラベルと伝搬
    してきたラベルとがすべて一致すれば,当該ラベルを新
    たなラベルとし,画素のラベルと伝搬してきたラベルと
    で不一致が存在すれば,分水嶺とすることを特徴とする
    請求項1記載の画像処理方法。
  6. 【請求項6】 画像の領域分割処理の一種である分水嶺
    処理を行うための画像処理装置であって,画素数分のプ
    ロセッシング・エレメントを持ち,全プロセッシング・
    エレメントはメッシュ結合され,各プロセッシング・エ
    レメントは,画素値および極小地からの距離および伝搬
    許可フラグおよびラベルを格納する記憶手段と,隣接プ
    ロセッシング・エレメントへ画素値および極小地および
    ラベルを伝搬するデータ伝搬手段と,伝搬してきたデー
    タを伝搬許可フラグにしたがって許可するかどうかを決
    定する伝搬許可手段と,伝搬してきたデータと当該プロ
    セッシング・エレメントの持つデータとを比較する比較
    手段とを有するプロセッシング・エレメント・アレイ部
    と,前記プロセッシング・エレメントを制御する制御部
    と,各プロセッシング・エレメントに対してデータの入
    出力を行う入出力部とを備え,前記制御部は,各画素が
    極小地に属するかどうかを求め,どの極小地にも属さな
    い各画素に対しては,最も近い極小地から当該画素まで
    の距離を計算し,各画素に対して当該画素の画素値と距
    離,および隣接画素の画素値と距離に応じて隣接画素か
    ら当該画素へのラベルの伝搬許可を設定し,各極小地に
    は極小地ごとに異なるラベルを付与し,極小地から各画
    素へ伝搬が許可された画素間でのみ当該極小地のラベル
    を伝搬し,ラベルが伝搬してきた画素は当該画素のラベ
    ルと伝搬してきたラベルとに応じて新たなラベルまたは
    分水嶺を付与し,この伝搬処理を収束するまで繰り返す
    ように,前記プロセッシング・エレメントを制御するこ
    とを特徴とする画像処理装置。
  7. 【請求項7】 画像の領域分割処理の一種である分水嶺
    処理をコンピュータによって実現するための画像処理プ
    ログラムを格納した記憶媒体であって,画像を入力する
    入力プロセスと,各画素が極小地に属するかどうかを求
    める極小地判定プロセスと,どの極小地にも属さない各
    画素に対しては,最も近い極小地から当該画素までの距
    離を計算する距離計算プロセスと,各画素に対して当該
    画素の画素値と距離,および隣接画素の画素値と距離に
    応じて隣接画素から当該画素へのラベルの伝搬許可を設
    定する伝搬許可設定プロセスと,各極小地には極小地ご
    とに異なるラベルを付与するラベルづけプロセスと,極
    小地から各画素へ伝搬が許可された画素間でのみ当該極
    小地のラベルを伝搬するラベル伝搬プロセスと,ラベル
    が伝搬してきた画素は当該画素のラベルと伝搬してきた
    ラベルとに応じて新たなラベルまたは分水嶺を付与する
    ラベル更新プロセスと,このラベル伝搬プロセスの収束
    判定プロセスと,収束すればその結果を分水嶺処理の結
    果として出力する出力プロセスとを,コンピュータに実
    行させるプログラムを格納したことを特徴とする画像処
    理プログラム記憶媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6985612B2 (en) * 2001-10-05 2006-01-10 Mevis - Centrum Fur Medizinische Diagnosesysteme Und Visualisierung Gmbh Computer system and a method for segmentation of a digital image
CN103700094A (zh) * 2013-12-09 2014-04-02 中国科学院深圳先进技术研究院 基于标签传播的交互式形状协同分割方法及装置
WO2020184066A1 (ja) * 2019-03-13 2020-09-17 Necソリューションイノベータ株式会社 関節位置推定装置、関節位置推定方法およびコンピュータ読み取り可能な記録媒体

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